疑問も不安も解消! 医療機関や薬局でマイナンバーカードを健康保険証として使おう

 今年の12月2日から従来の健康保険証は新規発行されなくなり、その後はマイナンバーカードでの保険証利用を基本とする仕組みに移行していきます。
 しかし、こうした状況でも、まだまだ多くの人が病院や診療所、薬局で保険証を利用しています。
 本特集では、マイナンバーカードを保険証として使ってみるという行動変容を促すべく、使用をためらう疑問・不安を解消し、利用のメリットなどをお伝えします。

12月の切り替えに向けて  マイナ保険証利用の検討を

現在、マイナンバーカードは国民の約73%が保有しています(今年2月29日時点)。その一方で、「健康保険証としての利用」は全体の約5%にとどまっている状況です(今年2月時点)。

マイナンバーカードは、デジタル社会における公的基盤であり、保険証として利用(マイナ保険証)してもらうことで、患者本人の薬剤や診療のデータに基づくより良い医療が提供され、高額療養費制度の限度額適用認定証が不要になるなど、患者・医療現場それぞれに多くのメリットがあります。
さらに、電子処方箋や電子カルテの普及・活用など、日本の医療DX(デジタル化)を進めるうえでも重要なベースとなります。

今年12月2日からは、従来の健康保険証の新規発行はされなくなり、現存する保険証の期限も最長で来年12月1日までとなりました。マイナ保険証には、本特集で提示するように、多くのメリットがあります。それらを理解したうえで、12月からの切替えに向けて、改めてマイナンバーカードを健康保険証として利用してみてはいかがでしょう。

 

<Part2>Q&A
使わない「疑問・不安」に答えます!

マイナンバーカードを持っているけど、「健康保険証として使うのはためらってしまう……」。
そんな方々のマイナンバーカードやマイナ保険証に対する「不安」「疑問」に、厚生労働省の担当者がお答えします。

併せて、マイナンバーカードの取得や、カードへの健康保険証としての利用登録についても紹介します。



小磯卓也
保険局 医療介護連携政策課
 医療費適正化対策推進室 (併)保険データ企画室 室長補佐

Q)マイナンバーカードの安全性が心配です

A)他人には悪用できない仕組みになっています

マイナンバーカードは、マイナンバー(12桁の番号)を見られても、ほかの人があなたになりすまして手続きをすることはできません。
また、顔写真入りのために対面での悪用は困難であり、オンラインで使用するには本人しか知らない暗証番号が必要です。もし、不正に情報を読み出そうとするとICチップが壊れる仕組みにもなっています。さらに、ICチップ部分には税金や年金などのプライバシー性の高い情報は記録されておらず、健康保険証として使えるようになっても、薬剤情報や特定健診結果がICチップに記録されることはありません。

マイナンバーの利用範囲やその収集・保管などは、法令で厳しく制限されています。個人情報を一元管理する仕組みではないので、情報が芋づる式に漏れることもありません。
マイナンバー(カード)を悪用した場合は、3年以下の懲役か150万円以下の罰金、もしくはその両方が科されるなど、厳しい罰則があります。

万が一、紛失してしまっても一時利用停止が可能で、24時間365日対応しています。その際はマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)にご連絡ください。

Q)マイナ保険証は、どのような仕組みで情報が取り扱われているのですか

A)マイナンバーカードの保険証利用においては、マイナンバーではなく、ICチップ内の電子証明書で患者の情報を確認することとしています

患者がマイナンバーカードをカードリーダーに置くことで、医療機関や薬局は窓口で患者の直近の資格情報(加入している医療保険や自己負担限度額など)を確認できます(図表)。

Q)どの医療機関・薬局でも使えますか

A)「マイナ受付」のステッカーやポスターを貼っている医療機関や薬局で使えます

マイナンバーカードを保険証として使える医療機関や薬局は、厚生労働省のHP内で紹介している検索サイトで事前に確認することができます。また、受付や窓口、入り口などに目印のステッカーやポスターを掲示している施設はマイナンバーカードを保険証として利用できます。

マイナ保険証が使える医療機関・薬局はどんどん増えています(※96.4%)ので、利用している医療機関・薬局で使える場合には、ぜひ使ってみてください。
※義務化対象施設のうち、運用開始施設数の割合(今年2月時点)

ステッカー


ポスター


健康保険証利用対応の医療機関・薬局はこちらから検索
 

Q)実際に使えるか確認する方法がありますか

A)マイナポータル※で確認できます

※政府が運営するオンラインサービス。子育てや介護をはじめとする行政サービスの検索やオンライン申請ができたり、行政からのお知らせを受け取ることができる自分専用サイトです。一部の機能の利用にはマイナンバーカードは不要ですが、マイナンバーカードでログインすればすべての機能を利用することができます。

マイナポータルにログインし、「注目の情報」の「最新の健康保険証情報の確認」を押していただくと、健康保険証情報のページが開きます。ページの中段にある「あなたの健康保険証情報」から、登録されている健康保険証情報を確認していただけます。

<Column1>
まずはマイナンバーカードを取得しよう!

マイナンバーカードをまだ持っていない人は、まずはカードを取得することから始めてみましょう。取得するためには、(1)申請をする(2)交付通知を受け取る(3)交付場所で受け取る、という三つのステップが必要です。

(1)申請をする

マイナンバーカードを受け取るには申請が必要になります。申請方法は、個人番号通知書および通知カードに同封されている交付申請書などを使用した「郵送申請」「オンラインでの申請」「まちなかの証明写真機※での申請」があります。

※まちなかの証明写真機には申請できるものとできないものがあります

(2)交付通知を受け取る

マイナンバーカードの申請後、審査を経て約1カ月でカードは発行されます。ただし、カードは本人でなくお住まいの市区町村に送付され、市区町村で交付のための作業が完了した後に交付通知書が送られることになっています。

(3)交付場所で受け取る

交付通知書がお手元に届きましたら、必要書類をご確認のうえ、市区町村窓口でカードをお受け取りください。
 

<Column2>
マイナ保険証として使う準備をしよう!


マイナ保険証として使うには、事前にマイナンバーカードに健康保険証を紐付ける(利用登録する)必要があります。

これは、医療機関や薬局などに設置してある「顔認証付きカードリーダー」で簡単にできます。操作は、マイナンバーカードをカードリーダーに置き、画面の指示に従って「顔」か「暗証番号」のどちらかの方法で本人確認をした後、規約と同意のチェックをして終了。1~2分で完了します。医療機関を受診したときや、薬局に立ち寄ったとき、薬局が併設されているドラッグストアなどで買い物をしたタイミングなどに利用登録をしてみてはいかがでしょうか。

そのほか、ご自身のスマートフォンなどのマイナポータルアプリや、セブン銀行のATMからも利用登録が可能です。




 

出典 : 広報誌『厚生労働』2024年4月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省