令和2年7月9日

医薬・生活衛生局
監視指導・麻薬対策課

課長補佐:
大澤 一利 (2795)

(代表電話) 03 (5253) 1111
(直通電話) 03 (3595) 2454

新たに10物質を麻薬に指定し、規制の強化を図ります

令和2年7月8日付けで、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」及び「覚醒剤原料を指定する政令」の一部を改正し、新たに10物質(※1)を麻薬として、1物質(※2)を向精神薬として、1物質(※3)を覚醒剤原料(※4)として指定しました(政令の施行は本年8月7日)。今回の麻薬指定により、麻薬の総数は216物質になります。

 

新たに麻薬に指定される物質は、現在、厚生労働省が指定薬物(※5)に指定しており、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されています。同物質は、麻薬と同種の乱用のおそれがあること、麻薬と同種の有害作用をもつことが確認されましたので麻薬に指定し、罰則を強化(※6)することにより規制の強化を図ります。

 

なお、麻薬に指定される物質は、指定薬物の指定から外され、指定薬物ではなくなります。

 

厚生労働省としては、今後、麻薬に指定された物質が乱用されることのないよう、関係機関に通知を発出し、注意喚起を行っていきます(※7)。

 

 

 ※1 物質1  化学名:N-(1-アミノ-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-1H-イン
               ダゾール-3-カルボキサミド    

       通称名:AB-FUBINACA

     物質2  化学名:2-(エチルアミノ)-1-フェニルヘキサン-1-オン    

                     通称名:N-ethylhexedrone     

     物質3  化学名: 1-(4-クロロ-2,5-ジメトキシフェニル)プロパン-2-アミン

                     通称名:DOC

     物質4  化学名:1-(4-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)プロパン-1-オン

                     通称名:4-CMC

     物質5  化学名:1-フェニル-2-(ピロリジン-1-イル)ヘキサン-1-オン 

                     通称名:α-PHP
     物質6  化学名: (E)-N-(1-フェネチルピペリジン-4-イル)-N-フェニルブタ-2-エナミド 

                     通称名:Crotonylfentanyl

     物質7  化学名: N-(1-フェネチルピペリジン-4-イル)-N-フェニルペンタンアミド

                     通称名:Valerylfentanyl

     物質8  化学名:メチル=2-[1-(4-フルオロブチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド]-3,3-ジメ
               チルブタノアート 

                     通称名:4F-MDMB-BINACA

     物質9  化学名: メチル=2-[1-(5-フルオロペンチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド]-3-メチル
               ブタノアート 

                     通称名:5-Fluoro-AMB                             

     物質10  化学名: メチル=2-[1-(5-フルオロペンチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド]-3,3-ジメ
               チルブタノアート

                     通称名:5F-MDMB-PICA

 

   ※2 物質1  化学名: 8-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,
                4]ベンゾジアゼピン 

                     通称名:Flualprazolam

 
  ※3 物質1  化学名:メチル=3-オキソ-2-フェニルブタノアート
                     通称名:Methyl α-phenylacetoacetate , MAPA

 


※4 覚醒剤原料は、覚醒剤の原材料として用いられているものであり、輸出入、製造、流通、所持、使用の規制をかけている。覚醒剤原料輸入業者・輸出業者が、その都度、厚生労働大臣の許可を受けて輸出入する場合を除き、一般の個人が輸出入することは禁止されている。

 


※5 厚生労働大臣は、中枢神経系への作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのある物を「指定薬物」として指定する(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項)。指定薬物は、製造、輸入、所持、使用等が禁止されている。 


 

※6 指定薬物に関する罰則:最高で5年以下の懲役及び500万円以下の罰金
    麻薬に関する罰則:最高で無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金    



※7 厚生労働省ホームページ内「薬物乱用防止に関する情報」 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index.html