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3.8 配管工事


【構造・材質基準に係る事項】
1.給水管及び給水用具は、最終の止水機構の流出側に設置される給水用具を除き、耐圧性能を
 有するものを用いること。(給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(以下「省令」とい
 う。)第1条第1項)
2.減圧弁、逃し弁、逆止弁、空気弁及び電磁弁は、耐久性能を有するものを用いること。(省
 令第7条)
3.給水装置の接合箇所は、水圧に対する充分な耐力を確保するためにその構造及び材質に応じ
 た適切な接合を行うこと。(省令第1条第2項)
4.家屋の主配管は、配管の経路について構造物の下の通過を避けること等により漏水時の修理
 を容易に行うことができるようにすること。(省令第1条第3項)

 
(解説)
1.給水装置工事の施工の良否において、接合は極めて重要であり、管種、使用する継手、施工環境及び施工技術等を考慮し、最も適当と考えられる接合方法及び工具を選択しなければならない。
 接合方法は、使用する管種ごとに種々あるが、主なものは次のとおりである。なお、以下に示す接合方法はあくまでも例示であり、新しい技術等の採用を妨げるものではない。
1)ライニング鋼管の接合
 ライニング鋼管の接合は、ねじ接合が一般的である。
(1)ねじ接合については、次によること。
 i) この接合は、専用ねじ切り機等で管端にねじを立て、ねじ込む方法である。
 ii) 使用するねじの規格としては、JIS B 0203「管用テーパねじ」が定められている。
 iii) ねじ切りに使用する切削油は、水道用の水溶性切削油でなければならない。
 iv) 接合に際しては、錆の発生を防止するため、防食シール剤をねじ部及び管端面に塗布する等、管切断面及び接続部の防食処理を行い接合する。
 v) 継手の種類としては、管端防食継手、樹脂コーティング管継手、外面樹脂被覆継手等がある。
  なお、シール剤の規格としては、日本水道協会規格JWWA K 137「水道用ねじ切り油剤及びシール剤」、JWWA K 142「水道用耐熱性液状シール剤」、シールテープの規格としては、JIS K 6885「シール用四ふっ化エチレン樹脂未焼成テープ」が定められている。
(2)接合作業上の注意事項は、次によること。
 i) 管の切断は、自動金のこ盤(帯のこ盤、弦のこ盤)、ねじ切り機に搭載された自動丸のこ機等を使用して、管軸に対して直角に切断する。管に悪影響を及ぼすパイプカッターやチップソーカッター、ガス切断、高速砥石は使用しないこと。
 ii) 管の切断、ねじ加工等によって、管の切断面に生じたかえり、まくれをヤスリ等で取り除く。塩化ビニルライニング鋼管は、スクレーパー等を使用して塩化ビニル管肉厚の1/2〜2/3程度を面取りする。
 iii) 管内面及びねじ部に付着した切削油、切削粉等は、ウエスなどできれいに拭き取る。
 iv) 埋設配管用外面被覆鋼管及び同継手をねじ込む場合、外面被覆層を傷つけないためにパイプレンチ及びバイスは、被覆鋼管用を使用すること。万一、管や継手の外面を損傷したときは、必ず防食テープ巻き等の防食処理を施しておくこと。
 v) 液状シール剤が硬化しないうちにねじ込む。また、硬化後にねじ戻しは行わないこと。
2)水道用ポリエチレン管の接合
   水道用ポリエチレン管の接合は、金属継手等を使用する。
(1)金属継手(メカニカル継手)による接合
 i) 継手は、管種(1種・2種)に適合したものを使用する。
 ii) インコアが入りやすいように内面の面取りを行う。
 iii) 継手を分解し、管に袋ナット、リングの順にセットする。
 iv) インコアを管に、プラスチックハンマー等で根元まで十分にたたき込む。
 v) 管を継手本体に差し込み、リングを押し込みながら袋ナットを十分に締め付ける。
 vi) 締付けは、パイプレンチ等を2個使用し、確実に行わなければならない。
(2)金属継手(ワンタッチ式継手)による接合
 i) 切管は管軸に直角に切断し、管厚の3/4程度挿し口の面を取る。
 ii) 接合前にソケット部受け口のOリング、ウェッジリングの有無、傷、ねじれ等を確認する。
 iii) ソケット部の受け口長さを、管にマーキングし、挿し込み後確認する。
 iv) 解体しソケットを再使用する場合は、Oリング、ウェッジリングを取替える。
 v) 接合後、受け口のすき間に砂等が入らないように、ビニルテープを巻く。
(3)作業上の注意事項
 i) 接合(異種管接合を含む。)はポリエチレン管専用の継手を使用し、使用継手ごとの方法により確実に行うこと。
 ii) 管切断は管軸に対して直角に行い、接合部の付着物はウエス等できれいに清掃すること。
 iii) 挿し口には、挿し込み長さを確認するための表示を行うこと。
 iv) 管の挿入は表示線まで確実に行うこと。
3)架橋ポリエチレン管の接合
(1)継手には、メカニカル継手と継手の本体に電熱線等の発熱体を埋め込んだ電気式熱融着継手がある。
(2)メカニカル継手は、白色の単層管に使用する。
(3)電気式熱融着継手は、緑色の2層管を使用する。
4)ポリブテン管の接合
(1)継手には、熱融着継手、メカニカル継手、フランジ継手がある。
(2)熱融着継手による接合は、温度管理等に熟練を要すが、接合面が完全に一体化し、信頼性の高い方法である。
 i) 電気式熱融着接合
 継手内部に埋めてあるニクロム線を電気により発熱させ、継手内面と管外面とを融着接合する。
 ii) 熱融着ヒータ接合
 ヒータで管の外面と継手の内面を加熱融着させて溶融した樹脂を接合する。
5) 硬質塩化ビニル管・耐衝撃性硬質塩化ビニル管の接合
 ビニル管の接合は、接着剤を用いたTS継手、ゴム輪形継手、メカニカル継手を使用する。
(1)TS継手による接合
 i) 接着剤は、均一に薄く塗布する。
 ii) 接着剤を塗布後、直ちに継手に挿し込み、管の戻りを防ぐため、口径50mm以下は30秒以上、口径75mm以上は60秒以上そのまま保持すること。
 iii) はみ出した接着剤は、直ちに拭きとる。
 接着剤の規格としては、JWWA S 101「水道用硬質塩化ビニル管の接着剤」、「耐熱性硬質塩化ビニル管用の接着剤」が定められている。
(2)ゴム輪形継手による接合
 i) 管の切断面は面取りを行う。
 ii) ゴム輪とゴム輪溝、管挿し口の清掃を行う。
 iii) ゴム輪は、前後反対にしたり、ねじれのないように正確に装着する。
 iv) 挿し込み荷重を軽減するため、ゴム輪及び挿し口の表示線まで、専用の滑剤を塗布する。
 v) 接合は、管軸を合わせた後、一気に表示線まで挿し込む。
 vi) 接合後、ゴム輪のねじれ、離脱がないかチェックゲージを用いて全円周を確認する。
   キ.曲管の接合部は、水圧によって離脱するおそれがあるので、離脱防止金具又はコンクリートブロックにより防護すること。
(3)メカニカル継手による接合
 i) 管種に適した継手を選定する。
 ii) 継手を組み込む際、部品の装着順序に注意する。
 iii) 継手は、適切な挿し込み深さを確保し、確実に締め付ける。
(4)作業上の注意事項
 i) TS継手の場合、接合後の静置時間は十分に取り、この間は接合部分に引っ張り及び曲げの力を加えてはならない。
 ii) メカニカル継手の締付けは確実に行い、戻しは漏水の原因になるので避けること。
 iii) 管の切断は、管軸に対して必ず直角に行い、面取りを行うこと。
 iv) 挿し口は挿し込み長さを確認するための表示を行うこと。
6)ステンレス鋼管の接合
 ステンレス鋼管の接合は、伸縮可とう式継手、プレス式継手、圧縮式継手等を使用する。
(1)伸縮可とう式継手による接合
 この継手は、埋設地盤の変動に対応できるように継手に伸縮可とう性を持たしたものである。
 i) 管接合部の“ばり”などを除去し、清掃した後接合部に管の挿入長さを確認する。
 ii) 管には、くい込み環設定線の位置に専用ローラで深さ0.7mm程度の溝を付ける。
 iii) 継手の接合部品を、挿入順序に注意しながら管にセットする。
 iv) これを継手本体に挿入し、スパナなどの工具を使い袋ナットをねじ部が完全に袋ナットで覆われるまで締め付ける。
(2)プレス式継手による接合
 この接合は、専用締め付け工具(プレス工具)を使用するもので、短時間に接合ができ、高度の技術を必要としない方法である。
 i) 管を所定の長さに切断後、接合部を清掃し、“ばり”などを除去する。
 ii) ラインゲージで挿入位置を記し、その位置に継手端部がくるまで挿し込む。
 iii) 専用締め付け工具を継手に当て、管軸に直角に保持して、油圧によって締め付ける。
 iv) 継手に管を挿し込む場合、ゴム輪に傷を付けないように注意をする。
 v) 専用締め付け工具は、整備不良により不完全な接合となり易いので十分点検しておくこと。
(3)圧縮式継手による接合
 この接合は、スリーブをはめた管を継手本体に挿し込み、継手のナットを締め付けることによりスリーブと管を圧着させ接合するものである。
 i) 管を所定の長さに切断後、接合部を清掃し、“ばり”などを除去する。
 ii) 管を継手のストッパーまで挿し込み、ナットを徐々に回し締め付ける。
 iii) 締め付けは、必ずスパナで行うこと。パイプレンチは変形の原因となるので使用してはならない。
7)銅管の接合
 銅管の接合は、トーチランプ又は電気ヒータによるはんだ接合とプレス式接合がある。接合には、継手を使用する。しかし、25mm以下の給水管の直管部は、胴継ぎとすることができる。
(1)はんだ接合
 i) 切断によって生じた管内のまくれは専用のリーマ又はばり取り工具によって除去する。
 ii) 管端修正工具を使用して管端を真円にする。
 iii) 接合部は、ナイロンたわし等を使用して研磨し、汚れや酸化膜を除去する。
 iv) フラックスは必要最小限とし、接合部の管端3〜5mm離して銅管外面に塗布する。
 v) フラックスを塗布した銅管へ、ストッパーに達するまで十分継手を挿し込む。
 vi) 加熱はプロパンエアートーチ又は電気ろう付け器で行う。
 vii) はんだをさす適温は270〜320℃である。
 viii) 濡れた布などでよく拭いて外部に付着しているフラックスを除去すると同時に接合部を冷却し安定化させる。
(2)プレス式接合
 ステンレス鋼管のプレス式継手の接合に準ずる。
8)ライニング鉛管の接合
 ライニング鉛管の接合は、メカニカル継手を使用する。はんだによる接合もあるが、これは主に工場生産品に使用される方法である。
(1)メカニカル継手接合
 i) メカニカル継手は、ライニング鉛管専用の継手を使用すること。
 ii) 継手を組み込む際は、部品の装着順序を誤らないこと。
 iii) 継手は、適切な差し込み深さを確保し、袋ナットは確実に締め付けること。
9)ダクタイル鋳鉄管の接合
 ダクタイル鋳鉄管の継手は、メカニカル継手、プッシュオン継手等がある。
(1)メカニカル継手
 メカニカル継手には、A形、K形、SU形等がある。
 一 A形、K形継手による接合
   i) 挿し口の端部から白線(約40cm)までの外面を清掃する。
   ii) 押し輪又は特殊押し輪をきれいに清掃して挿し口に挿入する。
   iii) 挿し口外面及び受け口内面に滑剤を十分塗布する。
   iv) ゴム輪の全面に継手用滑剤を塗り、押し口から20cm程度の位置まで挿入する。
   v) 挿し口を受け口に確実に挿入する。
   vi) 管のセンターをあわせ、受け口内面と挿し口外面との隙間を上下左右できるだけ均一にし、ゴム輪を受け口内の所定の位置に押し込む。
   vii) 押し輪又は特殊押し輪を受け口に寄せ、セットする。この場合、押し輪端面に鋳出してある口径及び年号の表示を管と同様に上側にくるようにする。
   viii) T頭ボルトを受け口から挿入し、平均に締め付けていくようにし、受け口と押し輪間隔が均一に確保されるようにする。
   ix) 特殊押し輪はT頭ボルトを均一に締め付けた後、特殊押し輪の押しねじを上下、左右等の順に一対の方向で徐々に数回にわたって締め付けるようにしなければならない。
 押しねじの締め付けトルクは、φ100mm以上の管では10kgf-mを標準とする。
 二 SU形継手の接合
   i) 挿し口外面及び受け口内面に滑剤を塗布し、ゴム輪、バックアップリング、ロックリングを正しい方向にセットする。
   ii) 受け口(挿し口)に挿し口(受け口)を挿入する。その場合、挿し口外面に表示してある2本の白線のうち白線Aの幅の中に受け口端面がくるように合わせる。
   iii) ロックリング絞り器具を利用してロックリンングを絞る。
   iv) バックアップリングを受け口と挿し口の隙間に、ロックリングに当たるまで適当な棒、板で挿入する。その際、バックアップリングの切断部の位置は次のようにする。
   ・口径75〜150mmでは、ロックリングの分割部または切り欠き部以外の位置。
   ・口径200mm以上では、ロックリングの分割部と約180゜ずれた位置。
   v) ゴム輪、押輪、ボルトを所定の位置にセットし、標準トルクまで締め付ける。
(2)プッシュオン継手
 プッシュオン継手には、T形等がある。
 一 T形継手による接合(図-4.3.48)
   i) 端部から白線まで挿し口端外面の清掃を行う。
   ii) ゴム輪の装着はヒール部を手前にしゴム輪の受け口内面の突起部に完全にはまり込むよう正確に行う。
   iii) 挿し口端面から白線までの部分及びゴム輪の挿し口接触部分に滑剤をむらなく塗布する。
   iv) 接合に当たっては、口径に応じてフォーク、ジャッキ、レバーブロック等の接合用具を使用する。
   v) 管挿入後、挿し口が規定通り入っているか、ゴム輪が正常な状態かを十分確認する。
   vi) T形継手用離脱防止金具は、異形管と切り管の前後及び他の管との接合部に使用しなければならない。ただし、取付方法については各メーカーの指導要領に基づいて行う。
(3)作業上の注意点
 i) 管の接合は、挿し口部外面及び受口部内面等に付着している油、砂、その他の異物を完全に取り除くこと。
 ii) 締め付けは、ラチェットレンチ、トルクレンチ、スパナ等の工具とダクタイル管継手用滑剤を使用し、確実かつ、丁寧に施工する。
 iii) 滑剤は、継手用滑剤に適合するものを使用し、グリース等の油剤類は絶対使用しないこと。
10)フランジ継手の接合
 フランジ接合は次による。
(1)フランジ接合面は、錆、油、塗装、その他の異物を丁寧に取り除き、ガスケット溝の凹部をきれいに出しておかなければならない。
(2)布入りゴム板を使用する場合は、手持ち部を除き、フランジ部外周に合わせて切断し、ボルト穴部分及び管内径部をフランジ面に合わせて正確に穴開けする。
(3)布入りゴム板又はガスケットを両フランジに正確に合わせ、所定のボルトを同一方向より挿入し、ナット締め付けを行うようにする。締め付けは、左右一対の方向で徐々に数回に分けて締め、片締めにならないよう十分注意する。
11)溶接接合
(1)溶接接合は次による。
 i) 溶接作業は、高度の技術が要求されるので、溶接士の資格を有する者が行うことが望ましい。
 ii) 鋼管溶接の溶接棒は、軟鋼用被覆アーク溶接棒(JIS Z 3211)に適合するものを、またステンレス鋼管溶接の盛り増し用溶加材は、溶接用ステンレス鋼棒及びワイヤー(JIS Z 3321)の適合品を使用することが望ましい。
 iii) 溶接部は、溶接に先立って十分に乾燥させ、錆、ごみ等の不純物をグラインダー、ワイヤーブラシ、布などを用いて完全に除去、清掃する。
 iv) 溶接は、板厚、継手形状に応じて適正な電流、電圧を用いて十分に裏面へ溶かし込みを与え、各層ごとにスラッグを除去し、かつピンホール、スラッグ巻き込み、アンダーカット等の生じないよう注意する。
(2)作業上の注意点
 i) 現場開先加工は、管切断後、開先面をグラインダーで滑らかに研磨し、正しい開先形状となるように仕上げること。
 ii) 開先形状は、管口径、管厚等の条件を考慮し現場に適した形状とするが、小口径管は、V型開先が適当である。
 iii) 開先面に、油脂、水分、錆、土砂などが付着していると、溶接に欠陥が生じる原因となるおそれがあるので十分に清掃すること。
 iv) 芯だし、肌合わせに当たっては適切な治具等を使用して、目違いなどを円周上に分布させること。
 v) 両端の突き合わせ時には、それぞれの鋼管の長手継手は管厚の5倍以上離して溶接部が1箇所に集中しないようにすること。
 vi) 収縮応力や溶接のひずみが少なくなるような溶接順序とすること。
 vii) 雨天、風雪、又は厳寒時は原則として溶接をしないこと。
 viii) ビートの余盛りは、なるべく低くし、最大2mmを標準とすること。
 ix) ステンレス鋼管の溶接は、母材を溶かすナメ付け溶接を行うため、万一管の接合面に隙間があると溶け落ちによる穴あきの原因となる。又管の肉厚が薄いので手動溶接は、特に高度の技術と熟練を要する。
12) 異なる給水管の接合
 材質が異なる給水管の接合は、図-3.8.20による。
  (図は略)
2.家屋の主配管とは、給水栓等に給水するために設けられた枝管が取り付けられる口径や流量が最大の給水管を指し、一般的には、1階部分に布設された水道メータと同口径の部分の配管がこれに該当する。
 家屋の主配管が家屋等の構造物の下を通過し、構造物を除去しなければ漏水修理を行うことができないような場合、需要者にとっても水道事業者にとっても大きな支障が生じるため、主配管は、家屋の基礎の外回りに布設することを原則とする。
 スペース等の問題でやむを得ず構造物の下を通過させる場合は、さや管ヘッダ方式等とし給水管の交換を容易にする、点検・修理口を設ける等、漏水の修理を容易にするために十分配慮する必要がある。
 

1.設置場所の荷重条件に応じ、土圧、輪荷重その他の荷重に対し、充分な耐力を有する構造及
 び材質の給水装置を選定すること。
2.給水装置の材料は、当該給水装置の使用実態に応じ必要な耐久性を有するものを選定するこ
 と。
3.事故防止のため、他の埋設物との間隔をできるだけ30cm以上確保すること。
4.給水管の配管は、原則として直管及び継手を接続することにより行うこと。施工上やむを得
 ず曲げ加工を行う場合には、管材質に応じた適正な加工を行うこと。
5.敷地内の配管は、できるだけ直線配管とすること。
6.地階あるいは2階以上に配管する場合は、原則として各階ごとに止水栓を取り付けること。
7.水圧、水撃作用等により給水管が離脱するおそれのある場所にあっては、適切な離脱防止の
 ための措置を講じること。
8.給水装置は、ボイラー、煙道等高温となる場所を避けて設置すること。
9.高水圧を生じるおそれがある場所や貯湯湯沸器にあっては、減圧弁又は逃し弁を設置するこ
 と。
10.空気溜りを生じるおそれがある場所にあっては、空気弁を設置すること。
11.給水装置工事は、いかなる場合でも衛生に十分注意し、工事の中断時又は一日の工事終了後
 には、管端にプラグ等で管栓をし、汚水等が流入しないようにすること。
 
(解説)
1.給水管は、露出配管する場合は内水圧を、地中埋設する場合は内水圧及び土圧、輪荷重その他の外圧に対し充分な強度を有していることが必要で、そのためには適切な管厚のものを選定する必要がある。適切な管厚かどうかは、現場条件等を付して製造メーカに確認する方法、規格品と同等な材質の場合は規格品と同等かまたはそれ以上の管厚があるかを確認する方法、給水管に作用する内圧、外圧を仮定し応力計算により確認する方法などがある。なお、一定の埋設深さが確保され、適切な施工方法が採られていれば、現在のJIS規格品、JWWA規格品等であれば、上記の確認は特に要しない。
 また地震力に対応するためには、給水管自体が伸縮可とう性に富んだ材質のものを使用するほか、剛性の高い材質の場合は、管路の適切な箇所に伸縮可とう性のある継手を使用することが必要である。(3.9.2 破壊防止を参照)
2.給水管を他の埋設物に近接して布設すると、接触点付近の集中荷重、他の埋設物や給水管の漏水によるサンドブラスト現象等によって、管に損傷を与えるおそれがある。
 したがって、これらの事故を未然に防止するとともに修理作業を考慮して、給水管は他の埋設物より30cm以上の間隔を確保し、配管するのが望ましい。
3.直管を曲げて配管できる材料としては、硬質塩化ビニル管、銅管、ライニング鉛管、ステンレス鋼管、ポリエチレン管等があるが、曲げ配管の施工においては次の点に留意すること。
(1)硬質塩化ビニル管の曲げ配管
 曲げ角度6度以内で生曲げとする。
(2)銅管及びライニング鉛管の曲げ配管
 断面が変形しないように、できるだけ大きな半径で少しづつ曲げる。
(3)ステンレス鋼管の曲げ配管
 i) 管の曲げ加工は、ベンダーにより行い、加熱による焼曲げ加工等は行ってはならない。
 ii) 曲げ加工に当たっては、管面に曲げ寸法を示すけがき線を表示してから行う。
 iii) 曲げの最大角度は、原則として90度(補角)とし、曲げ部分にしわ、ねじれ等がないようにする。
 iv) 継手の挿し込み寸法等を考慮して、曲がりの始点又は終点からそれぞれ10cm以上の直管部分を確保する。
 v) 曲げの曲率半径は、管軸線上において、口径の4倍以上でなければならない。
 vi) 曲げ加工部の楕円化率は、図-3.8.22に示す計算式で算出した数値が、5%以下でなければならない。
(4)ポリエチレン管の曲げ配管
 屈曲半径を管の外径の20倍以上とする。
4.給水管は将来の取り替え、漏水修理等の維持管理を考慮し、できるだけ直線配管とする。
5.地階又は2階以上の配管部分には、修理や改造工事に備えて、各階ごとに止水栓を取り付けることが望ましい。
6.水圧、水撃作用等により給水管が離脱するおそれのある場所及び離脱防止措置については、3.9.2 破壊防止を参照のこと。
7.給水装置(特に樹脂管)を高温となる場所に設置すると、給水装置内の圧力が上昇し、給水管や給水用具を破裂させる危険があるため、原則としてこのような場所に設置してはならない。やむを得ず高温となる場所に設置する場合、空冷、水冷等の耐熱措置を施したうえで設置する必要がある。
8.高水圧を生じるおそれがある場所とは、水撃作用が生じるおそれのある箇所、配水管の位置に対し著しく低い箇所にある給水装置、直結増圧式給水による低層階部等が挙げられる。
9.空気溜りを生じるおそれがある場所とは、水路の上越し部、行き止まり配管の先端部、鳥居配管形状となっている箇所等があげられる。
10.給水管の布設にあたり、その工事が一日で完了しない場合は、管端等から汚水又はゴミ等が入り水質汚染の原因ともなるので、工事終了後は必ずプラグ等でこれらの侵入を防止する措置を講じておかなければならない。

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