技術・製品情報 厚生労働省給水装労データベース
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給水装置に係る第三者認証機関の業務等の指針
 
 
 
 
 
平成9年6月
厚生省水道環境部
水道整備課
 
 
1.指針の目的及び性格
 
 本指針は、平成9年3月の生活環境審議会水道部会給水装置専門委員会報告「給水装置に係る使用規制の合理化について」を受けて、水道法施行令第4条の給水装置の構造及び材質に関する基準(以下「構造・材質基準」という。)への適合性に係る認証業務を行おうとする機関及びその他の関係者に対し、新たな第三者認証制度に対する正しい理解を求めるとともに、認証業務を適切に実施する上で参考となる情報を提供するために作成したものである。
 なお、専門委員会報告書においても、「第三者認証制度は、認証機関自身の努力により、製造業者、消費者等から信用を得ることによって成り立つものであり、参入等に対する規制を行うことによってよりはむしろ、自由な競争を通じてより合理的な制度となることが期待できる」と指摘されているとおり、本指針を第三者認証機関又はその認証製品に対する規制に用いることは適当ではない。
 
 
2.給水装置の構造・材質基準の明確化、性能基準化
 
 従来の水道法施行令の構造・材質基準は、「水を汚染するおそれのないこと」等といった幅広い判断を許容する内容となっていたことから、平成8年3月29日に閣議決定された規制緩和推進計画において、その明確化、性能基準化を図ることとされた。
 これに対応するため、平成9年3月19日に水道法施行令の一部を改正する政令(平成9年政令第36号)が公布され、これに基づき、給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成9年厚生省令第14号)が同日に公布され、水道法施行令第4条の構造・材質基準を適用するに当たって必要な技術的な細目として、水道水の安全性等を確保するための必要最小限の項目及び内容である耐圧に関する基準、浸出等に関する基準、水撃限界に関する基準、防食に関する基準、逆流防止に関する基準、耐寒に関する基準及び耐久に関する基準が定められた。これらの基準においては、個々の給水管及び給水用具に係る基準として、7項目の性能に係る基準(以下「性能基準」という。)が定められた。
 これらの政省令については、平成9年10月1日から施行されることとなっている。
 
 
3.第三者認証制度のあり方
 
 性能基準に適合する製品であることを消費者、工事事業者等に証明する方法として、製造業者が自ら証明する自己認証の他に、第三者機関が、製造業者の希望に応じて製品が基準に適合することを認証し、認証マークの表示を認める第三者認証制度がある。この第三者認証制度は、国内の他の分野においても、また欧米諸国においても、一般的に実施されており、極めて有効であると考えられる。
 新しい第三者認証制度は、認証・検査方法が合理的で、国際整合のとれたものとする必要がある。認証の際の具体的な判断基準は、性能基準として明確化されたが、業務の運営についても合理的かつ透明性のあるものでなければならない。
 第三者認証機関の満たすべき要件については、ISO(国際標準化機構)がガイドライン(ISO/IECガイド65:製品認証機関のための一般的要求事項。以下「ガイド65という。)を定めている。
 今後、製品の国際的な流通を容易にするためには、海外の認証機関との間で相互認証を推進し、海外でもわが国の基準への適合性の認証を受けることができ、同時にわが国において外国の基準への適合性の認証を受けることができるようにすることが望ましい。このような国際整合化を進めるためにも、第三者認証機関の要件及び業務実施方法は、このガイド65に準拠することとする。
 また、第三者認証機関が行う検査については、製造業者の希望に応じ、製造される製品自体を検査する方法と工場の品質管理状態を検査する方法とのいずれかを選択できるなど、合理的な仕組みとする必要がある。
 この第三者認証制度は、認証機関自身の努力により、製造業者、消費者等から信用を得ることによって成り立つものであり、参入等に対する規制を行うことによってよりはむしろ、自由な競争を通じてより合理的な制度となることが期待できるものである。
 
 
4.第三者認証様関の要件及び業務実施方法
 
(1)技術的基礎

 第三者認証機関の認証要員は、給水装置の構造・材質、性能等に関する専門的な知識を有していること。 
(解説)
 ガイド65においては、認証機関は、認証業務に必要な知識、技能及び経験を有する十分な数の人員を雇用していることとされており、さらに、認証機関の要員の責務を明確に示す文書を、当該要員が利用可能なようにしておかなければならないとされている。また、認証要員の資格基準を一律に定める規定はないが、認証機関は、要員が最低限満たすべき能力の基準を定めるとともに、要員の持つ関連資格、教育訓練、経験に関する最新の情報を保有していることが必要とされている。
 給水装債の認証を行う認証要員については、当然ながら、給水管や給水用具の構造・材質、性能等に関する専門的な知識を有していることが求められる。この要件は、学校や認証機関における教育・訓練や実務経験、給水装置の検査等の実務経験等により修得することができる。
 
(2)信用性友び財政的基礎

 認証結果に対し社会的な信用が得られる必要があることから、第三者認証機関は、公平性・中立性の高い機関であるとともに、財政的な安定性を有していること。
 
(解説)
 ガイド65においては、認証機関の組織運営機構は、認証結果に対する社会的な信用が得られるように、公平かつ中立的であり、責任の所在が明確なものであることが求められている。
 これに関する主な規定としては、
 ア.公明正大であること
 イ.認証に関する決定は、当該認証審査の実施者以外の者が行うこと
 ウ.認証業務と当該認証機関が行う他の業務との区別が明確になされていること
 エ.認証機関の経営者及び磯員は、認証業務に影響を及ぼすおそれのあるいかなる圧力も受けないこと
 オ.認証機関の関連機関の活動が、認証の守秘性、客観性及び公平性に影響を及ぽさないようにすること
 カ.認証業務を運営するために必要な財政的安定性及び経営資源を有するとともに、賠償責任等の債務を履行するための準備がなされていること
等が挙げられる。
 認証機関は、営利団体・非営利団体を問わないが、いずれであっても上記の要件を満たしていることが必要である。
 
(3)認証の基準

 構造・材質基準への適合性の認証に当たっては、試験の方法及び審査の基準は、性能基準によること。
 
(解説)
 ガイド65においては、認証の基準は、明確な試験方法に基づき客観的な判定が可能なものでなければならず、認証機関は、申請された製品を、申請書で指定された認証基準に基づいて評価しなければならないとされている。
 この認証基準の具体的な要件については、ISO/IECガイド7(適合性評価に適する規格作成のガイド)において、次のように述べられている。
 ア.当該規格を使用する関係者にとって内容が明瞭であり、正確かつ統一的な解釈が得られるものでなければならないこと
 イ.性能規定とするなど技術開発を阻害せず、促進するようなものでなければならないこと
 ウ.試験方法は客観的、簡素かつ正確であり、試験結果に再現性があり、試験結果の比較が可能な方法でなければならないこと  等
 給水管及び給水用具の構造・材質基準への適合性の認証に当たっては、厚生省令に基づき明確に定められている性能基準によることとし、この基準に定められていない事項を付加的に要求することがないように注意する必要がある。
 給水管及び給水用具の性能基準の試験方法、解釈等については、厚生省の通達により示されているのでこれを参照すること。
 なお、性能基準以外の規格への適合性の認証を行う場合には、当該規格はISO/IECガイド7の要件を満たすものである必要がある。
 
(4)関係者の意見の反映

 認証・検査業務の計画策定や実施に当たっては、学識経験者、消費者、製造業者、水道事業者、工事事業者等からなる制度運営委員会を設置するなど、関係者の意見を反映できる仕組みとなっていること。
 
(解説)
 ガイド65においては、
 ア.認証機関の運営の公平性を確保する手段として、認証業務の方針決定に利害関係者が参加できるようになっていること
 イ.認証業務に係る委員会の設置及び運営の規程を有するとともに、当該委員会は認定の決定に影響を及ぼすおそれのあるいかなる圧力も受けないこと。なお、委員の人選において利害関係の均衡が確保される仕組みとなっている場合、この規定を満たすものとみなすこと
が規定されている。
 給水装置に係る認証業務の公平性及び利害関係の均衡を確保するためには、認証機関内に学識経験者、消費者、製造業者、水道事業者、工事事業者等からなる制度運営委員会等の組織を設置し、認証・検査業務の計画策定や実施に、幅広い関係者の意見を反映させるようにすることが考えられる。
 
(5)情報公開及ひ手続きの簡素合理化

 申請手続き、審査結果、認証品のりスト等の情報公開に積極的に努めるとともに、申請書類、提出データ等は認証に必要最小限のものに限定する等、手続きは極力簡略化・迅速化すること。
 
(解説)
 ガイド65においては、認証機関は、認証の仕組み及び手続き、認証に係る料金、申請者の権利及び義務、苦情等の処理手続き、認証品のりスト等について文書化し、求めがあれば利用できるようにしなければならないとされている。
 また、認証機関が申請者に対して行う情報提供、認証書類の記載事項又は添付事項、申請者が行うべき情報提供等についても述べられている。
 これまでの規制緩和要望において、手続きの透明化・簡素化が特に求められてきたことを踏まえると、新たな認証制度においては、積極的に情報公開を行うとともに、内容が重複した書類の提出は求めないこと、審査項目と関連性の低いデータの提出を求めないこと等、手続きは極力簡略化・迅速化することが必要である。
 
(6)消費者等からの苦情への対応

 消費者等からの苦情に対応して、必要に応じ抜き打ち工場調査等を行い、品質管理状態を確認する仕組みが設けられていること。
 
(解説)
 ガイド65においては、認証機関は、苦情、紛争及び訴えをあらかじめ定められた手順に従って処理しなければならないとされており、その際、苦情等の内容及び措置の記録を保存すること、適切な是正措置及び予防措置を講じること、講じた措置及びその有効性を文書にすることが求められている。
 消費者等からの苦情が頻発したり、認証機関が行う試買調査の結果、製品品質に問題があるおそれがあると判断された製品については、抜き打ちで工場調査等を行い、品質管理状態が不適切な場合には、必要な指導を実施し、改善がみられない場合は認証登録を取り消す等の措置を行う仕組みを設けておくことが有効である。
 また、梢算者からの苦情等については、必要に応じて(4)で述べた制度運営委員会に報告し、認証業務の適正化に役立てるようにすることが必要である。
 
(7)その他

その他、ISOガイドラインが定めるところによること。
 
(解説)
 上記で述べた事項以外にも、ガイド65においては、
 ○下請負契約を行う場合の要求事項
 ○認証機関の品質システムに関する要求事項
 ○文書化、記録、機密保持に関する要求事項
 ○評価、評価報告書、認証の決定、検査に関する事項
 ○証明書及び認証マークの使用に関する事項
 ○認証を受けた者に対する要求事項   等
について規定がなされており、認証機関はこれらに従って業務を実施することが必要である。
 
 
5.認証方法
 

 認証の申請があった場合には、対象製品のサンプルについて性能基準に適合してい るか否かの試験を行い、試験に合格した製品について、6に示す検査方法によって基準適合が継続していることを確認しつつ、認証を行う。
 
(解説)
 認証の申請があった場合には、申請者から提出された対象製品のサンプルについて、構造・材質基準に基づく性能試験方法に従い試験を行い、性能基準への適合性を確認する。これと同時に、提出された設計図と製品の照合を行い、申請製品とサンプルが同一であることを確認する。
 ここで性能基準への適合性の確認は、ISO/IECガイド25(校正機関及び試験所の能力に関する一般的要求事項)に適合するような適切な能力を有する試験機関の試験結果証明書をもとに行ってもよい。
 認証方法のフロー例を図1に示す。
 なお、認証方法の例に関しては、ISO/IECガイド28(製品の典型的な第三者認証制度に関する総則)があるので、これを参考にするとよい。
 

 認証に当たっては、性能基準項則こ係る試験を行った場合に同等の結果が残られる と判断される製品については一括して評価を行うなど、申請者の負担が過重にならないようにすべきである。
 
(解説)
 認証時の製品区分については、性能基準項目に係る性能の違いの有無を基本として行うべきであり、通水部分の構造や材質が同等であるものは、性能基準項目に係る試験を行った場合に同等の結果が得られると考えられるので、同一の製品区分として取り扱い、認証を行って差し支えない。
 例えば、通水部分以外の構造及び材質、設置形態(壁付き、台付き等)、呼び径、熱源の能力、接合部の形状(ねじ、フランジ等)、コアの有無等をもとに製品区分を行う必要はないと考えられる。
 
 

 同等の材料を用い、構造及び製造方法が類似している製品群の水質性能試験については、当該製品群のうち最も金属等の溶出が多いと判断される製品の試験結果をもって、製品群全体の判定を行うことができることとする。
 
(解説)
 性能基準項目のうち浸出性能については、使用材料の材質が同等で、構造及び製造方法が類似している製品については、同一製品群として扱い一括して評価を行うことができることとなっている。
 すなわち、同一製品群のうち最も接触面積比の大きい代表製品(例えば給水管の場合は、最も管径が小さいもの)において試験を行えば、他の製品についてはその結果をもとに算式を用いて浸出濃度を算出できる。
 なお、浸出性能の評価をより効率的に行うため、認証機関において、例えば、
 @ 認証機関が材料に係る浸出性能試験の結果を登録し、当該材料を用いた製品については、試験を行わなくても認証を受けることができるようにすること
 A 製造業者団体等が一括して実施した浸出性能試験結果の証明書をもとに、個々の製造業者は、当該証明書と併せて、代表製品と使用材料が同等であること、構造及び製造方法が類似していること、接触面積比がそれ以下であることを証明する書類を提出  することにより認証を受けることができるようにすること
などの仕組みを設けることも考えられる。
 
 
6.検査方法
 
 第三者認証機関が行う検査については、主に品質管理が良好で大量生産を行う製造業者にとって利点がある下記(1)の自社検査方法、又は、主に検査対象数が少ない製造業者にとって利点がある下記(2)の製品ロット検査方法のいずれかを、製造業者が選択できる仕組みとする。
 
(1)自社検査方法

 製造業者から認証申請のあった製品について、性能基準を満たすものとして安定して供給できる工場にあっては、第三者認証機関が、工場の品質管理状態を審査した上で、製品品質の安定性、性能基準への適否を確認するための検査体制等が十分であると判断した場合には、自社検査を行うことができる工場(自社検査工場)として認定を行う。
 自社検査工場としての認定要件としては、
ア.製品検査の頻度や内容、検査設備の精度管理が適切であること
イ.資材、製造設備、製造工程等の管理が適切に行われていること
等の直接的な要件に加えて、
ウ.品質管理の方針が明確で、品質管理のための組織が整備されていること、品質管 理計画が策定されていること、若梧処理体制が整っていること、記録の管理が適切 に行われていること、教育訓練が実施されていること  等
品質管理に対し、組織的・計画的な取り組みが行われていることが必要である。
 
(解説)
 自社検査工場の認定要件の例を以下に示す。

1.経営方針及び組織
(1)品質管理の推進が経営方針として確立されており、品質管理が計画的に実施されていること。
(2)品質管理に関し、各組織の責任及び権限が明確に定められ、組織間の連携が図られていること。
(3)品質管理に関する責任者を選任して、品質管理に関する職務を行わせていること

2.品質管理計画
(1)品質管理計画が整備され、本認定要件の3〜10の事項が規定されていること。
(2)品質管理計画が適切に見直され、かつ、就業者に十分周知されていること。

3.外注管理
 製造工程、試験又は設備の維持管理の一部が外注されている場合は、外注先の選定基準、管理基準等が規定され、適切な外注管理が行われていること。

4.資材管理
 原材料及び購入部品については、品質管理項目及び管理基準が規定され、当該基準に基づく適切な品質管理が行われていること。

5.工程管理
(1)製造が工程ごとに適切な方法で行われているとともに、各工程における管理項目及び管理方法が規定され、各工程が適切に管理されていること。
(2)製造設備は、性能基準を満たす均質な製品を製造するために必要な能力及び精度を持つものであること。
(3)製造設備について、維持管理の基準が規定されているとともに、当該基準に基づく管理が適切に行われ、能力及び精度が適正に維持されていること。

6.検査の実施及び検査設備の管理
(1)資材の検査について、検査の項目及び基準が規定され、当該基準に基づく検査が適切に行われていること。
(2)製品の検査について、適切な検査方法に基づく最終検査又は工程間検査が行われていること。
(注)日常の検査においては、製造・材質基準に基づく性能試験方法とは別の工場独自の検
  査方法が採用されていても支障はない。なお、製品開発時等には性能基準への適合性を
  構造・材質基準に基づく性能試験方法に基づき自社又は外注により確認する必要がある。

(3)検査設備について、維持管理の基準が規定されているとともに、当該基準に基づく管理が適切に行われ、能力及び精度が適正に維持されていること。

7.不良品等の処置及び再発防止対策
(1)工程において発生した不良品又は不合格ロットの処置、工程に生じた異常に対する処置及び再発防止対策が適切に行われていること。
(2)苦情処理について、各部門の職務分担、処理手順、原因調査、再発防止措置等の事項が規定され、適切に行われているとともに、苦情の要因となった事項の改善が図られていること。

8.保管
 資材及び製品の保管が、種類、ロット等の分類に従い、規定された場所で行われていること。

9.記録の管理
 品質管理に関する記録が必要な期間保存されており、かつ、品質管理の推進に活用されていること。

10.教育訓練
 品質管理を推進するために必要な教育訓練が就業者に対して、計画的に行われてい ること。
 
 

自社検査工場については、第三者認証機関が、適宜工場調査を実施し、製品が性能基準に適合していること及び品質管理状態が要件を満たし続けていることを検査する。
 
(解説)
 第2回目以降の工場調査(追跡工場調査)においては、初回工場調査で確認した事項が適切に維持されているかどうかの検査を行うとともに、製品サンプルを抜き取り、それが性能基準に適合しているかどうかの検査を行い、これらの検査に合格した場合は、自社検査工場の認定を継続する。
 一方、検査に不合格の場合は、一定の猶予期間を設けて改善させることとし、改善ができない場合には製品ロット検査方法に変更する等の措置を講じる必要がある。
 製品サンプルの検査方法については、(2)製品ロット検査方法における検査方法に準じて行うこと。
 

 ISO9000シリーズの規格を満たすことが確認されているなど、対象製品について品質管理状態が良好であることが別途確認されている工場については、重複する項目の二重検査を省略するなど工場調査内容の簡素化が図られることが望ましい。
 
(解説)
 工場の品質管理状態については、品質システムに関する規格が、ISO 9001〜9003(JIS Z9901〜9903)として制定されている。
 ○ISO 9001(JIS Z 9901)
   設計、開発、製造、裾付け及び付帯サービスにおいて規定要求事項に適合していることを供給者が保証する必要のある場合に用いる。
 ○ISO 9002(JIS Z 9902)
   製造、据付け及び付帯サービスにおいて規定要求事項に適合していることを供給者が保証する必要のある場合に用いる。
 ○ISO 9003(JIS Z 9903)
   最終検査・試験だけで規定要求事項に適合していることを供給者が保証する必要のある場合に用いる。
 
 対象製品についてこれらの規格に適合することが証明されている工場に対しては、自社検査工場の調査項目と重複する部分は当該規格への適合証明書の書類検査で代替するなど、できるだけ工場調査内容を俺素化することが望ましい。
 また、同一工場で、多種の製品を製造している場合には、個別の製品ごとに工場調査を行うのではなく、できるだけ一括して工場調査を実施することとが望ましい。
 
(2)製品ロット検査方法

 自社検査方法を選択しない製品については、第三者認証機関が行うロットごとの製品の抜き取り検査によって品質を確認する。
 製品の抜き取り方法としては、ISO2859で定められた計数調整型抜き取り検査方法が望ましい。この抜き取り方法は、検査結果が良好であれば抜き取り個数が減少し、悪ければ増加するようになっており、品質管理向上に対するインセンティブが働く仕組みとなっている。
 
解説
 ISO2859に規定された計数調整型抜き取り検査方法のイメージ図を以下に示す。
 
 

 検査においては、実際に水圧や空気圧による試験を行わなければ確認が困難な耐圧性能の項目を除き、目視、材料証明き等の関係書類の検査により認証登録されたものと同等の製品であることを確認すれば足りる性能項則こついては、必ずしも実地に性能基準に定められた試験を繰り返す必要はない。
 
(解説)
 検査においては、認証登録されたものと同等の製品が安定して製造されていることを確認することとなる。このため、大部分の項目については、基本的には目視及び計測による構造の確認等により行うことが可能であるが、鋳造時に発生する鋳巣などは目視及び計測では確認が困難であることから、耐圧性能に関しては空気圧又は水圧により実際に試験を行う必要がある。
 なお、通常は構造の確認等により検査を行う項目についても、一定の頻度で性熊試験も行うことが望ましい。
 各性能基準項目ごとの検査方法の具体例を以下に示す。

 基準項目

             検査方法の例

 耐圧性能

空気圧試験又は性能試験(水圧試験)の実施

 浸出性能
      

目視及び計測による構造の確認、書類検査による製造方法の確認、
材料証明書の検査による材料成分の確認

 耐寒性能
 

目視による凍結防止機構の構造の確認、作動操作による作動状況の
確認

水撃限界性能

目視及び計測による止水機構の構造の確認、性能試験の実施

逆流防止性能

目視及び計測による弁体及び弁座部の構造の確認、性能試験の実施

負圧破壊性能

目視及び計測による倉圧被纂袋膚の格造の確認、性能試験の実施

 耐久性能
      
 

目視及び計測による可動部の構造の確認、作動操作による作動状況
の確認、材料証明書の検査による材料強度の確認
 
 
 
7.認証マークの表示

 第三者認証機関は、製品に求められるすべての性能基準の項目について基準を満た していることを認証した製品に限って認証マークの表示を認めることとし、製造業者は、消費者や工事事業者が確認しやすい任意の方法で、製品、梱包材、説明書等に自ら認証マークを表示することができることとする。
 
(解説)
 製品に求められる性能基準の項目の一部にのみ適合することをもって認証マークが表示(例えば耐圧性能適合マーク等)されると、消費者はその製品が給水装置として使用できるものであると誤解するおそれが強い。このため、第三者認証機関は、製品に求められるすべての性能基準の項目について基準を満たす製品に限って認証マークの表示を認めるような認証方法をとるべきである。この点に関しては、ISO/IECガイド23(第三者認証制度のための規格への適合の表示方法)においても指摘されている。
 また、ガイド23においては、規格への適合の表示方法として認証マークの対象範囲を明確に示すように留意する必要があるとされている。認証マークを見ただけでは、性能基準への適合性が証明されていることが明らかでない場合には、認証マーク中又はマークの付近に性能基準に適合している旨を示す「水道法基準適合」等の文言を付記することが適当である。
 なお、認証マークの表示箇所については、製造業者が、消費者や工事事業者に受け入れられやすいと判断する任意の方法を選択できるようにすべきであり、また製造業者自らが、第三者認証機関の一定の管理のもとで、印刷、刻印、シール貼付等の多様な方法で表示を行うことができるようにすべきである。なお、第三者認証を受けるのみで認証マークの表示を行わないことも製造業者の選択肢のひとつである。
 
 

 第三者認証機関は、認証マークの社会的な信頼性を確保するため、マークの不適正 な使用が行われた場合の是正措置について、あらかじめ認証業務に係る製造業者との契約に定めておくこととする。
 
(解説)   .
 ガイド65においては、認証システムに対し不正確に言及し、又は証明書、マークを誤解を招く方法で広告、カタログなどに使用すると、然るべき処置の対象となる、とされている。
 ISO/IECガイド27(適合マークを誤用された際に認証磯関がとるべき是正措置に関する手引き)においては、認証機関は、認証マークの表示が認められていない製品、認証契約に違反している製品等に認証マークが表示されていたり、偽造の認証マークが使用されていた場合には、必ず認証マークの誤用者に対し、次のような是正措置を行うよう要請することとされている。
 
[是正措置の内容]
 ア.認証機関が製品のリコールが必要であると判断した場合は、リコールを実施する当事者を公表する。
 イ.認証マークを製品から除去する。
 ウ.認証の要求事項を満たすように製品を改造する。
 エ.イ又はウが実施できない場合は、製品の回収・廃棄又は交換を行う。
 オ.危険な状態が存在し、上記のいずれも実施できない場合は、その危険性について一般に周知等を行う。
  
  *誤用者が是正措置の実施を拒否した揚合は、認証契約の解除、関係行政
   機関等への通知、法的措置等その他の措置の検討を行うことが望ましい。
 

 消費者等にとって基準適合性の判断を容易にするため、海外の認証機関も含め、第三者認証機関が統一意匠のマークを使用するようになることが望ましい。
 
(解説)
 第三者認証機関が統一意匠のマークを使用するに当たっては、透明性・公平性を確保するため、消費者、製造業者、工事事業者、第三者認証機関等からなる任意参加の協議会を設け、その協議会での議論を受けて、第三者認証機関がマークの共同出願を行う方法が考えられる。また、統一意匠マークと併せて各機関のマークを表示することにより、各第三者認証機関の独自性及び自由競争を確保するようにすることも必要であろう。
 なお、この協議会においては、統一料金の作成、業務量及び内容の調整等の自由な競争を妨げるような申し合わせや、正当な理由もなく希望者に入会や統一マークの使用を認めない、新規加入希望者に対し不当に高い加入料を要求する等の排他的な運営がなされないように、前述のとおり利害の偏らないメンバー構成とする必要がある。
 
8.既存の型式承認品等の取り扱い

 新しい構造・材質基準は、現に給水装置に要求されている性能をもとに、基準の国 際的整合を踏まえた必要最小限の項目に限定したものである。従って、既設の給水装置や、型式承認・検査済証やJISマークが表示されている製品など水道事業者が使用を認めている製品について、構造・材質基準の見直しに伴う再検査など、消費者や製造業者に過重な負担を及ぼす手続きが課されることのないようにしなければならない。

 
(解説)
 今回策定した性能基準は、(社)日本水道協会の型式承認基準など、現に水道事業者が給水装置に要求している性能をもとに、給水拒否等を行うかどうかの判新基準として、水道水の安全性等を確保するために設定する必要のある最小限の項目及び内容に限定したものである。
 従って、すでに(社)日本水道協会の型式登録を受けている製品など水道事業者が使用を認めている製品については、性能基準にも適合していると考えられることから、新たな第三者認証機関において性能基準への適合性の認証を受ける際に、構造・材質基準に基づく性能試験を行って性能基準への合否を改めて確認しなくても差し支えない。
 製造業者等に対する負担を極力軽減するためにも、このような製品については、書類手続きのみで認証登録を受けられるようにすることが適当である。

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