閣議後記者会見概要

H20.03.11(火)09:42~10:02 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議のご案内ですけれども、一つは、公文書の問題で、上川大臣が公文書の担当になりました。今、どういう形でこれを各省庁の公文書を処理するかということを検討中ということで、当分の間、そのルールが決まるまでは、廃棄しないでくれという指示がありました。大体一年で捨てるとか、六ヶ月で捨てるということなのですけれども、各省庁での行政文書の取扱いを早急に結論を出して、例えば、法律でするのだったらその量を法律に基づいて。ほとんど問題ないような書類はもう何十トンにもなりますから、一年間で。捨てるかということも含めてですけれども。一つはその問題。 それから、もう一つは、今日、総理からの指示で成長力強化への早期施策を4月早々にも取りまとめるようにという指示がありました。これは、アメリカのサブプライム問題を含めて原油価格、アメリカ経済の減速等、下ぶれリスクが高まっているので成長力強化の施策を早急にまとめて欲しいということで、各省庁取りまとめをしようということで、こちらも対応しようと思っております。それから、公務員制度改革についても若干の議論がありましたけれども、これは、閣僚間できちんと議論をして結論を出すということであります。 ここまでが閣議ですが、その他の案件で、1、2報告することがございます。まず、人事ですけれども、厚生労働省改革ということも含めて、2つ新たなチームの発足をしたいと思います。まず第一が、年金関係の処理を速めるために総理のご指示に基づきまして、厚生労働大臣の私と総理補佐官の伊藤さんとで協議をして、厚生労働大臣直属の特別チームを設置することにしました。今後の運営についても総理の指示を仰ぎながら伊藤補佐官と私で協議をしながらこれを実行していくということであります。そして、今日、この後発令をいたしますけれども、特別室の室長には、弁護士の野村さん、今中央大学の法科の教授をやっております。詳細については、発令後すぐに発表いたします。12人のメンバーから成り、各省庁からの混成部隊です。それで年金記録の管理状況や改善策について調査、検討してもらう。そして、今後、3月で名寄せが終わり、今特別便も送っていますから、4月以降の工程についても大臣の作業を補強するということで、少しでも前に進めて、一人でも多くの国民の年金の記録を取り戻す作業の支援部隊として、これを本日スタートさせます。先程申し上げましたように、文書におきまして投げ込みをやりますので、どういう人間がそこに入るかということであります。これが年金記録問題解決のための一つの支援チームです。 もう一つは、厚生労働省改革のためのチームなのですけれども、先般、就任半年にあたり、私の訓示で改革をしようということを申し上げて、大臣直結のホットラインを引きましたところ、連日たくさん良いアイディアを頂いております。例えば、ノンキャリアの人達から、今まで自分たちが発言する機会が全くなかった、大臣なんて恐れ多くて話もできない。しかし、こういう機会をもらってありがたいということで、ノンキャリアの立場から見てこう変えないといけないというのがきています。今度は逆に、キャリアの、例えば、薬事行政の中枢にいる人から、各担当から連絡をもらって、薬事行政はこう徹底的に変えた方が良いのではないですかという案も、キャリアからもきています。もちろん、皆きっちり名前を書いていますけれども、私しか見ませんから、外には一切出しません。それから、他省庁から出向している人が、例えば、農林水産省に自分はいたけれども、こういうところは厚生労働省は駄目だよというようなことも言っている。それから、民間から出向している人達が民間ではこういうのは当たり前なのになぜ役所ではやらないのですかというようなことも含めて連日非常に良いアイディアがたくさんきています。そういうことで、これを提案倒れに終わらせないで、きちんと改革の実をあげていくよう進めていきたいということで、本日、厚生労働省改革準備室の設置をいたします。そして、私の政務秘書官をやっております、福島をこの室長にあてます。そして、後、人員を補強していって、改革の準備をした上で、いずれその準備が整い次第、厚生労働省改革準備室の準備をもとにして、厚生労働省改革推進室という組織を打ち立てます。それによって、例えば、薬事行政について、省の組織を抜本的に機構改革をやる。人事も根本的に変えるというようなことをやりたいと思っておりますから、本日をもちまして、今申し上げました年金関係の特別室の設置、それから改革準備室の設置、この二つでもって、今後の年金問題の解決とともに、厚生労働省の改革を進めていきたいと思っております。

質疑

記者:
閣議の後、総理と暫くお話しになられたようですけれども、何か。
大臣:
今日は、総理と話したのではなくて、農林水産大臣と二人で残って、中国からの食品の輸入についてどういうように協力してやるかというようなことで、いくつか案件があるものですから、それを議論をしておりました。それで残っていたので、総理とはお会いしていません。
記者:
特にその話し合いでは何か新しい方針とかそういう案件が。
大臣:
厚生労働大臣の立場としては、やはり食の安全、中国のギョウザの中毒事件がありましたから、非常に神経をとがらせて、国民の食の安全ということを最優先にしないといけないという立場でお話を申し上げました。農林水産省は、日中間の農産品の貿易という面もありますから、この両方の要請をどういうふうにして満たすかということで。取り敢えずそれを話した次第で、今後また、新たな個々具体的な案件が出てくればご報告したいと思います。
記者:
先程お話のありました、改革準備室なのですけれども、室長は、政務秘書官の福島さんということですが、その他のメンバーとかは今後。
大臣:
今少し補充をし、これは最初からパッとそういう改革室を作って何もやらないのではなくて、ニーズが出てくればもっと増やしていくということで。例えば、私もお医者さんではないですから、お医者さんことはやはりお医者さんに聞かないといけないのでそういう方を入れるとか、薬のことなら薬の専門家がやった方が良い。それから、先程ちょっと申し上げましたけれども、できれば、ノンキャリアでそういう意見がちゃんと言えるような人もいた方が良いのではないか。やはりキャリアとノンキャリアの間をどうするかというのは、今回の公務員制度改革の案の中でもキャリア制度廃止というのが出ていますね。ですから、そういうことも含めて、それからそれこそ、先程ちょっといいましたように、他省庁とか民間とかで今我が省で働いている人達で良い意見を持っている人もいますから、連日たくさんのホットメールがきますから、そういうことを参考にしながら逐次補っていきたいと思います。
記者:
省の外部の人材に限るわけではない。
大臣:
内外含めて必要な人材は補充するということです。
記者:
年金の方のチームなのですが、伊藤補佐官とちょっと共有する形になると思うのですが、それ本体自体は、厚生労働省の方に置かれる形になるのか、あと、4月以降の対策について現時点でどういうふうに考えられているか教えて下さい。
大臣:
まず、厚生労働大臣の直属で、発令も私がやります。しかし、共同作業をやるわけですから、伊藤補佐官も当然総理の指示に基づいて、私と一緒にやると。ですから、例えば、私が予算委員会で終日動きが取れない、しかし、その時にどうしても政治家の目で見てもらわないといけないものがでてきます。そういう時には伊藤さんの力を借りるということですし、それから、どこを勤務場所にするかとかいうことは、例えば、社会保険庁の中で今日はやらないといけないとなれば、例えば、高井戸のセンターに行ってやるということで、非常に効率的に、遊軍のような形で動けるというふうに。最大の目的は、今ちょっとおっしゃったように、今5,000万件全部、コンピューターでやってみて、3,000万件は、何らかの形で答えが出た。2,000万件、正確に言うと、1,975万件というのがまだ出ていない。これを続けていかないといけない。一番効率よく、一番良い結果で一人でも多くの人の記録を取り戻すのはどうすればいいのかということで知恵を出してもらいたい。だから、いろんな問題がありますけれども、私も視察した例えば、ワンビシのアーカイブの問題で、どういう形でやるのが一番効率的に記録に結びつくのだろうか。これも作業委員会は作業委員会で作業をしてもらっています。今後の支援チームもそういうことを作業してもらう。それを全部私のところに集中して情報を上げてもらって、改善するところは改善する。ですから、昨年の7月5日に決めた政府与党の工程をきちっと守っていきながら、細かく具体的にワンビシをどうするか、お台場はどうするか。それから、このマイクロフィルムをどういうふうにして処理するか。結婚している人のについてはどうするか。今度住基ネットを使って住基ネットでやりますから、そうすると、つまりコンピューター上でできなかった約1,975万件を最も効率よくやっていくための手だても含めてやってもらうという感じですから、非常に効率的にこういう人達を使いたいと思っております。
記者:
先ほど食の安全の話がありましたけれども、福田首相が言われている、いわゆる消費者行政の一元化の問題で、自民党の方から、消費者庁というのをつくって、関係省庁から消費者行政の部門とか法律をそこに一元化しようという提言が近く出る見通しもありますが、大臣の受け止めはいかがですか。
大臣:
要するに、私は実を言うと、長期的な国家100年の体系を考えると、省庁の再々編成をやるべきだというように思っていますから、消費者中心の行政をやるなら、そこに一つの省庁を設けるということは可能でしょう。いつも私が申し上げているように、厚生労働省というのは図体が大きくて、機動的に動けない。そうすると、これは分割するというのも一つでしょうと。ただ、今の既存のシステムを前提に、つぎはぎ的につけた時に、権限の委譲なんかをどうするか。例えば、今は岸田大臣がギョウザの問題なんかを担当でやっている。しかし、食品衛生法上で命令を発令しないといけないのは私なのですね、厚生労働大臣なので。だから、そういうものの法律上の権限を具的的にどう委譲するかということになると、相当大変な作業になるので、最終的にはやはり一番国民のために何をやるのがいいのか。それはばらばらに、農林水産省も厚生労働省も警察の方も外務省もいろいろあったって、きちんと一つの方針によって、それは協力して方向を出していけばできることなのです。だから、新たに何かシステムをつくったって、システムをつくっただけで機能するかといったら、必ずしも機能しない。だから、システムをつくるならつくるで、機能するような形にしないといけないと思います。そういう方向でやるという問題意識は非常に重要だと思いますけれども、今言ったような問題もある。ただ、もちろん、だからと言って、厚生労働省が自分の権限を抱えて、一切あげないということではありません。国民のために一番いい形はどうかというのはきちんと議論する必要があると思います。
記者:
だからこそ、権限を一か所に、各省から取って、集中しようという議論だと思うのですが、それには、今おっしゃったように、各省からの反発もあるかと思われますが。
大臣:
いや、反発というよりも、調整、コーディネーションをどうするかが全てこういう問題であると思うのです。だから、例えば、消費者庁というのが、どこまで農林水産の実際の貿易の部分とか、そういうことについて本当にわかっているかということになる。そうすると、混成部隊で各省庁から出してやっても、結局、その人が、出向して知っている人が、元の役所と上手に調整しないといけないわけで、それができなければだめなのです。今のシステムだって、上手に調整する人がそこにいればできるはずなのです。私は、だから、ただ単に制度を変えれば動くというものではないという問題意識も片一方でもっておかないといけないと思いますけれども、もちろん、政府・与党でそういう形でやると決まれば、全面的に協力するということです。
記者:
直接厚生労働省には関係なくて申し訳ないのですが、今、新銀行東京の杜撰な融資が問題になっていますが、大臣何か思うところがあれば。
大臣:
新しい金融機関をつくるという時に、それはやはりどこまで官が関与するかということがポイントだと思うのですね。だから、完全に、例えば、セイフティネットとして官が入らないといけないならば、市場経済原則を外してやるしかないのですね。しかし、民と競合してやるというなら、完全に民間の論理を貫徹しないとできない話だと思うので。その両方が混在していたことが今回の問題になったかなと。例えば、中小企業、ベンチャーを救うなら、中小企業金融公庫のようなもので、最初から低利で、これはセーフティネットで税金を入れてもやりますよと。それを東京都民、ないし、日本国民を説得して、官の方でそれをやればいいわけです。そうではなくて、普通の銀行として機能させる。それは海外の銀行も入ってきて、ものすごい競争ですから、その競争の中に、出資という形で官が入るだけでできるのだろうかと。私は非常に中途半端だっとことがこういう結果をもたらしたように思いますので、やはり民の厳しい論理を貫徹してやってもなおということができるか、私はできないと思います。したがって、我々が政府としてやることは、市場経済原則ではなくて、やはりセーフティネットとして税金を使って政策的に救うのだと、市場経済原則ではありませんと明言すべきであって、民間の金融機関については規制緩和を含めて自由にやらせる枠組みをつくると、それが仕事なので、そこの混同があったかなという感想です。
記者:
責任という意味では、やはり石原さんにもあるという。
大臣:
それはやはり出資をしたということは重いと思いますよ。
記者:
年金の関係で、作業委員会と新たに設置されるチームというのの棲み分けというのは、大臣としてはどういうお考えをお持ちなのでしょうか。
大臣:
これは両方遊軍であって、要するにいくさに例えると、騎馬部隊であれ、歩兵部隊であれ、とにかく戦いの役になる人はみんな動員するということですから、歩兵部隊と騎馬部隊が一緒に走ることもあるし、左と右に分かれてやることもあるのです。要するに、この問題を解決するために、使いやすいように使うということに尽きるわけですから、両方の相互乗り入れもあっても全く構わない。ただ、今やっているのは、例えば、ねんきん特別便の新聞広告を出しますと、こういう文書でわかるのでしょうかね、ちょっと見てくださいと。今度、新たなねんきん特別便の封筒はこれでいいですかねと。それから、例えば、ワンビシに行きました、その後、作業委員会の人が入ってみて、私が見れなかったことを見てくださいと、それでやはりいいアイディアがきています。そこで、この前、コールセンターに行った時は開店休業状態だったけれども、もういっぺん別の日に行ってもらうと、それは作業委員会でやってもらう。同じことをやってもいいのです。同じ作業を新たなチームがやってもいいので、そうしたらまた違う目で見られる。最終目標は助っ人がたくさんいて、一日も早く、一人でも多くの年金記録を回復すると、このことに役立てばいいということですから、そういうふうに捉えていますので、自由に使えます。棲み分けなんていうことはありません。

(了)