尾辻大臣厚生労働記者会共同会見概要

H16.09.28(火)16:38~17:11 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

質疑

記者:
大臣に就任されて真っ先に取り組まなければならないと考えている問題についてお聞かせ下さい。
大臣:
「真っ先に」という順序の話もあるし、「基本的に」ということもあると思っています。まず「基本的に」ということから申し上げると、一体日本の社会保障をどうするのかをしっかりと議論をしなければならないと思っています。特に苦しい、厳しい財政状況の中で社会保障をどうするか。これは基本の議論だと思ってますから、このことは順序の話は置いておいて、基本としてしっかりやっていかなければならないと思っていますし、是非皆さんにも大いにその辺の議論を盛り上げていただくとありがたいなと思うものですから、あえて申し上げ、よろしくお願いしますということを言っているわけであります。
そこで今の質問の「真っ先に」という当面する、緊急するということで言いますと、総理から7項目のご指示ありましたから、まずこれに取り組まなければならないということであります。少子高齢化の進行でもう我々の問題、山積しておりますけれども全て総理のご指示の中に出てくるものです。もう少し整理して言いますと、年金、医療、介護などの社会保障制度の改革、それから2番目に将来の我が国を担う若者の働く意欲を高めるなどの雇用対策、それから3番目に子育てと仕事の両立支援などの少子化の対応。これらが一番基本の問題だと認識をしております。それから総理のご指示の中に出てくる三位一体の改革をどう進めるのか。大変率直な表現をすると厚生労働省としても頭の痛い問題でありますが、しかし避けて通れる話ではありませんし逃げることのできる話でもありませんから、真っ正面から全力で取り組まなくてはならない。こういうふうに思っております。
それから大きく3番目にですが、介護保険の見直し。これは今の最重要課題の一つでありますから、来年の通常国会にきっちりとした案が出せるように進めていきたいと思っております。当面緊急課題は以上だと思っております。
記者:
今、お話にもあった社会保障制度の改革ですが、焦点の一つとして社会保障給付費をどのように抑制していくかが焦点の一つになると思うのですが、その点について大臣はどのようにお考えでしょうか
大臣:
なんかいい答えがあったら聞きたいなというのが正直な思いであります。とにかくやらなければいけない、社会保障費を抑制しなければいけない。しかし今の社会保障制度の中で、どこで抑制できるかというとなかなか難しいです。一つずつ丹念に「年金どうするの」「医療どうするの」「介護どうするの」という、それぞれの改革の中で抑制を図っていかなければならない。なんかちょっと抽象的な答えなんですが、今お答えするとすればそうなります。特に今年の7月に官房長官の下に社会保障の在り方に関する懇談会が設けられておりますから、その辺の議論も待ちたいと思っています。
記者:
社会保障費の財源の方ですが、消費税率の引き上げについては大臣どのようにお考えになっていますでしょうか。
大臣:
私の個人的な答えはありますけれど、小泉内閣の一閣僚として、小泉総理が「自分の任期中は上げない」と言っておられる以上、あまりこれについて言及することはいかがかなと思うので、以上申し上げたことでお察しを頂きたいと思います。
記者:
消費税を引き上げる議論を進めることについては。
大臣:
議論を進めることはいいとおっしゃっているので、それは大いに議論をやればいいと思っておりますし、私も議論に積極的に関わりたいと思っております。
記者:
次に年金なんですが、年金一元化、これについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
大臣:
年金の一元化という言葉が意味することが、言う人によってそれぞれ違いますから、まずそこをどう理解するかだと思うのです。正直に言いますが、今も、新人の大臣なので必死ににわか勉強をしてきました。厚生労働省が言っていることが、率直に言いますと一番消極的な話をしているわけでありまして、せいぜい共済も取り込まない、厚生年金・共済の間に線を引くよ、ぐらいが厚生労働省の考え方だということでした。私は今、とてもそんなこと言っていたら時代遅れと言われるだろうと、もう少し前向きに検討するように指示してきたところであります。
記者:
それは国民年金も含めて。
大臣:
今日聞いた厚生労働省の考え方というのは、厚生年金と共済年金に線を引くという話だから、それはもはや私の個人的な意見としては一元化とは言いがたい。どんなに一元化を狭く解釈するとしても、それは一元化とは言わないと思うので、もう少し前向きな答えを厚生労働省としても用意すべきであると思ったので、何か答えを探すようにという指示を今してきました。今日のところはそこまでにさせて下さい。
記者:
先の通常国会で年金法が成立しましたが、この年金法についてどのような評価を持たれているのかをお聞かせ下さい。
大臣:
極めて難しい質問で、厚生労働大臣としては法案が成立して10月1日から施行されるわけですから、間違っても、口が裂けても評価しないなんて言えるわけがない。まずはそれを施行して滑り出してみる。その後のご議論を待ちたいと思っております。
記者:
昨日も質問がありましたが、大臣ご自身の年金の加入歴について改めて。
大臣:
未納の話ですね。これはあの話がいろいろ出た時に、各社からご質問がありました。強制加入になった後にどうだったのかというのが、あの時に各社からいただいたご質問。それで強制加入になった後で調べてみたら、5ヵ月の未納がありました。それは非常に明確なので記者会見でも申し上げたところであります。ただその後いろいろこれに対する基準みたいなものが出来てきて、別に逃げようとか、言い訳しようと思わないのだけれども、民主党あたりは国会議員になった後のものを公表しようという話だったので、それに照らし合わせると、国会議員になった後では未納というのはありませんということをあえて申し上げたところでございます。その強制加入になる以前の話は、これはまた私の人生が複雑なものだから取り寄せると何かいっぱい行になるのですが、今、それを調べてますから、もし答えろとおっしゃるのなら何も隠すつもりは全くありませんから、正確に整理をしてお答えするつもりです。ただ今日のところは、まだあまりに線がいくつも出てくる、という話なのでお許し下さい。
記者:
少子化対策について、今何が足りないとお考えでしょうか。
大臣:
少子化対策と一口で言うけれども、私は二つあると思っているのです。それは子供の出生率が低い、少なく産まれることに対するもっとたくさん産まれるようにしたいという対策が一つ。それからもう一つは少なく産まれる子供をどう大事に育てるかという少子化対策。この二つがあると思うのです。そのいずれにしても、では何が足らないのと聞かれて、すぐ何が足りませんよと、きれいに答えを持ち合わせているものではありません。この問題は難しいと思ってまして、敢てあるいはお叱りを受けるかなということを覚悟の上で言いますと、では少子化が何によって来ているのということを探す時に、例えばそれは間違いなく言える答えの一つとして、女性の高学歴があります。あるいは女性の収入が大きくなったということもあります。では少子化でこれを元に戻すのなんていう馬鹿な話はないわけで、その辺まで含めていろいろな議論をしてどう考えるのかなということは難しい問題です。何が足らないのかということで、ぱっときれいな答えがないということは申し上げたいと思います。ただあえて一つ言えば、昔デンマークかスウェーデンかに行った時に面白いことを聞いたのです。どちらかであることは間違いないけれども、どちらであるかは正確ではありません。景気がよくなれば子供が産まれるのだよ、と言ったのです。結局育児休業との関連なのですけれども、あの辺の国は育児休業を取ると、8割から9割か出しますよね。結局何故そうなるかと言うと、不況の時は女性は勤めてないわけです。育児休業を取るといっても、どうせ勤めていないから、ゼロに0.8掛けてもゼロです。ところが勤めている時に育児休業を取るとなにがしかの給料があって、それに0.8掛けるとそれだけの収入になる。そうすると女性としてみれば働いている時に子供を産んで育児休業でお金をもらった方が得だという判断にたつものだから、景気がよくなると女性の就職が増えて、そして子供が産まれるなんていう話をしてたことがあります。非常に印象に残っている話なのですが、あえてここでご紹介するのは私はやはりこの問題と育児休業法は避けて通れない関係にあると思っているということだけを申し上げたつもりであります。
記者:
次に仕事にも就かず、学校にも行かない、いわゆるNEETという問題がありますが、これについて大臣の見解をお聞かせ下さい。
大臣:
これまた難しい質問。昨日の記者会見でも申し上げたような気がするけれども、私自身がヒッピーでして、ヒッピーなんてものはNEETの元祖みたいなものだから、自分自身がその立場にあった者としてあまり偉そうに言えないということではあります。だから、正直に言って何となくわかるような気もする。しかしわかるような気がするから、それでいいよとも言えない。ではどうするかということなのですけれども、「みんなでいろいろ考えてみるしかない」という、答えになったような、ならないような話ですけれども、そんなことが私の正直なところです。さっきレクを受けて、ちゃんと答えが書いてあるのですけれども、私の正直な答えを言った方がいいだろうから、正直に答えておきます。
記者:
NEETの問題以外に、大臣が取り組まなければならないと考えている雇用、労働のテーマについてお聞かせ下さい。
大臣:
最重要課題というのは、さっきからの話にも出ている少子高齢化の進展にどう対応するかということで、これは間違いのないことです。だからその中で社会の活力維持、増進というのは避けて通れない、極めて必要なことであります。そのために特に今も若者の話が出ましたけれども、高齢者、女性、それからまた障害者の皆さん方も含めて、みんなが働けるためにどうすればいいのかということが出てくると思っております。極めて抽象的な答えになりますが、以上で許し下さい。ただ外国人労働者の問題、FTAの問題というのはこれは大いに議論がありますが、今後避けて通れない問題というふうには認識を致しております。
記者:
次に今日も職員の処分がありましたが、今年に入って厚生労働省関係の不祥事が大変目立ちます。現状に対する大臣のご見解と今後の取組みについてお聞かせ下さい。
大臣:
非常に残念なことだと思っております。今日の挨拶の中でも言いましたけれども、私たちの仕事、厚生労働省の行政というのは国民生活に一番密着しているのです。一番密着しているということは、その皆さんの信頼がなければやれない仕事であります。その信頼を失うような事態、これは本当に残念だと思います。そこで何かしなければいけない、このまま放っておけないと思っておりますので、近くチームを発足させます。それは今までみたいに「こんなことでは駄目ですよ、みんなで心しなさい」なんていう一遍の通知を出すというようなことでは済ませたくない。もっと具体的に何がやれるのだろうということを真剣に考えて、考え得る答えは出してみたいと思っております。例えて言うと、今度のことでも随意契約に私は問題があると思う。そして聞いてみれば随意契約は駄目だという通知を出しているみたいなのです。けれども、会計法の読みようによって、随意契約の読みようではこれもいいのではないかというのがあるけれども、私はやはり安易に会計法を読んで随意契約、というのはまずいと思うので、一遍随意契約は絶対駄目くらいのことを言ってみたいと今は思っております。
記者:
次に社会保険庁の問題ですが、社会保険庁を巡っては民営化、あるいは独立行政法人化、解体論まで飛び出していますが、民営化などについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まず社会保険庁の仕事というのは必ずある、必ず残るわけですから、年金だけにとどめるのかどうするのかということはあるけれども、政府管掌健康保険あたりをどうするかという議論は出てくるかもしれないけれども、いずれにしても社会保険庁が今やっている仕事はどこかがやらないといけない。したがって解体論というのは私はないと思っております。解体論はない。ただ独立行政法人化するの、民営化するのという話は当然議論の中であると思います。厚生労働省としてももう少し今この辺の議論が行われておりますから、その議論を見極めたいというのが本音というか、今、議論を見守って、その議論を踏まえて私たちなりの答えを出したいと思っているということであります。
記者:
次にBSE問題ですが、全頭検査、これについては今後続けていくべきかどうか、どのようなお考えかというのをお聞かせ下さい。
大臣:
これはまたいろいろ議論がありますので、もう少し正確に、これは本当に正確に科学的な根拠が出てくるかどうかわかりませんが、もう少し科学的根拠を求めてみたいと思います。ただ、今日までやってきたこと、これは私は大いに評価をしたいと思います。一つの例として申し上げれば、先日BSEの牛が見つかった、しかし消費者の皆さんがほとんどこれに対してマイナスの反応をなさらなかったということは、今日までの努力が信頼につながっているのではないかと、私は思いますから、今日までやってきたことは評価をしたい。今後どうするのかということは、もう少し科学的な根拠を求めてみたいと思っています。
記者:
大臣、信頼回復の点ですけれども、今の不祥事とかという問題とは別に年金改革を巡って制度、仕組みに対する不信、またそれに連なってくる厚生労働省に対する不信というのがあると思います。これをどう改善していくのかというのは、今一番大きなテーマなのかというふうに思うのですけれども、これに対して具体策は何かお考えでしょうか。
大臣:
どんどん議論をやってもらいたいなと思っております。私も参加したいと思います。近く民主党が、またさらに民主党案を出すと言っておられるので、そういうものも謙虚にじっくりと見せていただきたいと思っています。
記者:
昨日、小泉総理が示された基本方針の中にも、また大臣へのご指示の中でも混合診療ということが特別に取り上げられて書かれておりますけれども、これについての大臣のご所見をお願いします。
大臣:
これもまた、混合診療をどう定義するかということもありますが、昨日申し上げたように、個人的にいえば大きく混合診療を進めるということについては賛成であります。今、レクを受けながら厚生労働省の考え方も聞きました。厚生労働省が今までいってきたこと、一定のルールは必要です、無制限にというのはやはりいろいろな問題が生じるでしょうと。例えば患者負担がどうなるのかとか、いろいろな問題が出てきますから、一定のルールはきちんとした上で、詰めるべきは詰めなければいけないというふうに厚生労働省の考え方を今説明で聞きましたので、「それはわかった。ではもう少し進める方向で検討するように」とたった今指示をしてきました。
記者:
米国産の牛肉輸入の問題で、先日、新農林水産大臣が早期に再開したいという前向きな発言をなさいましたが、その点について大臣は。
大臣:
厚生労働省としては、国民の食品の安全を守る立場であります。したがって、国民の食品の安全を守るということにおいて、ダブルスタンダードとまでは言いませんが、内外差があるというのは好ましくないとは思います。そうした中で、アメリカからの輸入再開をどう考えるかというのは、農林水産省の所管の話でもありますから、しっかりやってもらいたいなということであります。
記者:
年内にまとめる介護保険の方なのですけれども、審議会の方でも結論が出ていない被保険者の範囲がございます。党の方でも、若年への保険料徴収拡大ということには反対意見もありますが、大臣ご自身はどうお考えでしょうか。
大臣:
正直に言って、まだ私の答えもありません。25歳で障害ができて、介護が必要ですよという人がいる。それから高齢になったから、介護が必要ですよという人がいる。では同じ介護が必要な人を年齢でどこかで線を引いて、これの前と後ろを分けますよというのはおかしいのではないかという議論もその通りだと思うのです。だけれども、障害者の皆さんの介護として、特別に福祉政策の中で考えてきたのを介護保険の中でぶっこんで、もっと言うとそのことがサービスの低下を招いてもいいのかと一方から言われると、それもまずいですよね。という両論があるわけです。今、私にどっちだと思うかと聞かれて、これは正直に言って私もまだ答えを出せません。それから障害者の団体の皆さんのご意見を聞いても、障害者の団体の皆さんでも団体ごとにいろいろな意見があることを知っておりますから、そのご意見を聞いていてもどっちもその通りなので、今私に答えを言えといわれても、答えがありませんというのが正直なところです。ただ、そういつまでも放っておけませんし、通常国会には介護保険法の見直し、これを法律で出さなければいけませんから、いつまでも放ってはおけませんが、もう少し検討をする時間を下さい。
記者:
先ほどの不祥事の関連での、チームの話なのですけれども、具体的にそれはどういうメンバーで、どういうスケジュールで、議論をする中身として、もちろん再発防止とか、原因究明のようなものが出るのかと思うのですけれども、もう少し具体的に教えていただけますか。
大臣:
副大臣をヘッドにしてやりたいということだけを先ほど指示を致しました。それから先のメンバーについてはまだ固まっておりません。さっき指示したばかりなので、まだその段階だと思っています。ただ私としては、副大臣をヘッドにしてチームを作ってやりたいと思っています。
記者:
検討内容としてはどういうイメージを。
大臣:
ですからさっき申し上げたように、今までみたいに通り一遍の、二度とこんなこんなことがあってはいけませんみたいな通達を出して終わりというようなことには絶対したくない。具体的にもう少し考えたい。ただその答えが難しいのだけれども必死で知恵を絞りたいと思っています。それこそ皆さんのご指導もいただきたいと思いますから、いろいろなことをご意見として出していただけるとありがたいなと思っております。よろしくお願いします。
記者:
先ほどのBSEで科学的な根拠を求めたいということなのですけれども、食品安全委員会が出している、今現在の取りまとめについて、もう少し踏み込んだ方がいいというお考えなのか、あるいは何らかのものをまたさらに食品安全委員会に対して求めたいということなのでしょうか。
大臣:
私があまりここで言うと、省の考えと違うといって怒られるかもしれませんけれども、私の個人的な意見だというふうに断らせて下さい。今の安全委員会が言っている答えはやや抽象的だなというふうに思っております。もう少しきっちり言ってくれないかなと。ちょっと抽象的すぎるような印象を持っております。これは私の個人的な、率直な意見であります。
記者:
どの部分が抽象的でしょうか。
大臣:
検討を要するとか、後ろに行くと最後の語尾がぼけるような表現になっているのです。読んだ人はそう思うだろうと思うけれども、あの文章は全部何か語尾が妙にぼける、というのが私の印象。
記者:
もう少し明確にして欲しいと。
大臣:
もう少しはっきり言い切ってよという、いいとか悪いとか。何か人ごとみたいに書いてあるような気がして、ここに文章がないから、私の印象でひょっとしたらもう少し違うかもしれないけれども、私の読んだ印象がそうなのです、実は。ただあとで怒られる話かもしれませんから、ここまでにしておきます。
記者:
先ほどの介護保険制度の見直しの話なのですけれども、今、ずっと厚生労働省としては障害者への給付を広げるというのと、保険料の徴収について裏表の関係だから両方合わせて見直していくということにしていますが、ただ財政だけ見ると、これから高齢者も増えるし、ある程度制度を安定させるために、保険料をもっと若い人から取るという、統合はもうちょっと先にしたとしても、先に保険料だけ先に取るとか、そういう手もあるのかなと思うのですけれども、大臣はその辺り、保険料の徴収についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まず介護保険の見直しについて、ちょっとあなたの質問を脇に置かせていただいて言うと、今度法律の規定で5年ぶりに見直す訳であります。介護保険制度をつくった時に、そして5年後の見直しを決めたのはそもそもどういういきさつであったかというと、介護保険制度というのを日本で初めて導入する、これはドイツはやっていたのだけれども、ドイツも試行錯誤をしている。本音の話、やってみないと分からないというところがあったのです。だから、とりあえず必要なことだからやってみましょう、5年間じっくり自分たちで問題の点検もしましょう、その5年間の問題の点検を5年後にきっちりと見直して、いわばもう一回介護保険制度をつくり直すくらいのつもりで5年後の見直しをしましょうといったのが今度の5年ぶりの見直しなのです。だから私が言った「決して定期点検みたいな話ではありません」といったのはそういう意味なのです。だから、今度の介護保険の見直しというのは、本当に一から見直す見直しでなければいけないと私は思っておりますから、狭い部分ではなくて、一からの見直しをしたいと思っているということをまず言います。それであなたの質問の給付と負担の話です。これはもう手品は出来ないので、給付と負担はバランスを取るしかないのです。保険の世界ですから給付に見合う負担はしてもらわないといけない。ただ、それを他でカバーするとするとさっきの質問に出てきた消費税への話みたいなものにつながっていくけれども、今日のところはそこについては答えないと言ったので、以上にして下さい。
記者:
先ほどの随意契約の見直しなのですけれども、具体的にルールを新しく作るとか、何らかの今考えておられるイメージ、もうちょっと具体的に。
大臣:
ルールは会計法に書いてあるわけです。それでその解釈を勝手に解釈しているわけだから、もっと厳密に解釈しようと。言うならばそんな話です。「緊急やむを得ざる時」とか、法律の表現だからなんて書いてあるかよくわからないけれども、そんなことが書いてあるわけです。だけれども、どんな事態であれば緊急やむを得ないかというと、あとで怒られるのを覚悟で言えば、役所なんていうのは何でも緊急やむを得ざる事態になってしまうのです、自分たちの都合で。そんなのは止めようという話なのです。
記者:
その辺を改めて徹底させると。
大臣:
だから絶対駄目と一遍言って、どうしてもというところからもう一回やれば、少しは元に戻るのではないのかと思っているという話をしたのです。
記者:
チームがやることというのは、これは業務をもう一回洗い出して、見直すべきところを見直すということを考えているのですか。チームで何をしようと。
大臣:
基本的には再発防止のためにどうしようかということであります。
記者:
今回起こったような事件の部署、部門について対象にしてやるということですか。関係なくということですか。
大臣:
関係なく。だから例えば社会保険庁に限ってとか、そんなつもりはありません。
記者:
金銭面のことに絞るというわけでもない。
大臣:
そうですね。しかし問題になるのはほとんどお金の話ですから、どちらかというとそうなるでしょうが、しかし必ずしもそこだけというつもりもありません。ですから業務をもう少しガラス張りにしようとか、そんな話も当然入ってくるでしょうし、同じことですけれども情報公開というようなことも必要だし、とにかくいろいろなことを考えてみたいという意味であります。
記者:
いつ頃をメドにその結論のようなものを出すお考えなのでしょうか。
大臣:
そこまでは考えていません。ただ、新しい副大臣が今日にもあるいは明日にも決まるでしょうから、新しい副大臣が来てもらったら、真っ先にまずそのことを副大臣にお願いしようと思っています。
記者:
チームの名称というか、どういう組織にする。
大臣:
考えつくのは、倫理がつくものなのだけれども、どうも私の個人的な好みから言うと「倫理といってもね」というのがあるのです。もう少し考えさせて下さい。

(了)