第4回効率的・効果的な実施方法等に関するワーキング・グループ議事録(2022年6月28日)

日時

令和4年6月28日(火)14:00~16:00

場所

Web会議
金融庁 13階 共用第1特別会議室
東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎7号館

議題

  1. 1.前回の指摘事項について
  2. 2.見直しに向けた検討事項について
  3. 3.その他

議事

議事内容
(事務局) それでは、定刻となりましたので、ただいまより第4回 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会 効率的・効果的な実施方法等に関するワーキング・グループを開催いたします。
委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご参加いただきまして、ありがとうございます。
出欠状況ですが、本日は構成員全員にご出席いただいております。
本日もオンラインによる開催としておりますので、初めに発言の仕方などを説明させていただきます。会議中ご発言の際は、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、主査の指名を受けてから、マイクのミュートを解除してご発言をお願いいたします。ご発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
また、議題に対してご賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
次に、資料の確認をお願いいたします。議事次第、座席表、資料1、2、参考資料1、2、3になります。過不足等あればマイクもしくはコメントでお申し出ください。大丈夫そうでしょうか。
会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、以降の進行を主査にお願いいたします。
(津下主査) 皆様、こんにちは。前回も本当に活発なご議論をいただきましてありがとうございました。次期の特定健診・保健指導に向けて、また今日も議論を重ねていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、議事ですけれども、議事次第をご覧ください。本日の議題は、1つ目が前回の指摘事項について、2つ目が見直しに向けた検討事項について、3つ目がその他となっております。
それでは、資料1、前回の指摘事項について、事務局よりご説明をお願いいたします。
(堤医療費適正化対策推進室長) 事務局でございます。
お手元の資料1と参考資料1をご覧ください。参考資料1につきましては、前回のワーキング以降、お寄せいただいた意見について一覧にしております。それでは、資料1のご説明をさせていただきます。
まず、2ページ目をお願いします。前回いただいた意見で、評価体系全般に関する指摘事項と論点という形でまとめさせていただいております。
指摘事項の1つ目としまして、保健指導前に絶食等により体重減少して目標を達成できるのではないか。もしくは、実施者がポイントを得るために改善目標等を定型化すれば、保健指導の質を下げることになるのではないか。アウトカム評価の部分のポイントが低いのではないか。また、合計90ポイントの上限値は低いのではないか。250ポイント以上をやらないとしっかりした効果を得られないのではないか。すなわち、プロセスを、もっと回数が必要ではないかというご意見。禁煙を達成できたら、180ポイントでもいいのではないか。
また、禁煙に関して、一般的に評価を行うのは6カ月程度であり、標準的な特定保健指導の3カ月以降の実績評価期間とはなじまないのではないか、というご意見をいただいておりました。
論点といたしまして、第4期の見直しにおいては、特定保健指導はアウトカム主体としてプロセスも併用する評価体系として推進することをご議論いただいておりまして、一時的な体重減少等をアウトカムとして捉え得る一方で、アウトカム評価の客観性に留意が必要な点を踏まえ、評価体系をどう考えるか。また、特定保健指導においてアウトカムを評価することの難しさについて指摘がある一方で、アウトカム評価を推進することが重要であることも踏まえポイントの設定についてどう考えるか。
または、禁煙に関してですけれども、禁煙の成功によるメリットについて指摘がある一方で、特定健診・保健指導は、内臓型肥満に着目したものであること。行動変容の重要性は、保健指導の対象者によりさまざまであること。禁煙に関しては、保健指導だけではなく、禁煙外来等による介入も考えられることを踏まえ、行動変容の1つとして禁煙を評価するに当たり、ポイントの設定をどう考えるか。
次のページをお願いいたします。評価体系全般に関する指摘事項の2つ目でございます。アウトカム評価の評価時期はいつか明確化すべきではないか。行動変容は継続することが重要であることを踏まえた評価が必要ではないか。行動変容は、客観的に評価を行うため、行動目標として明確なものを例示するべき。継続的支援における個別とグループが同じポイント設定であれば、グループでの実施が増えてしまうのではないか。
ここの論点としましては、第3期の見直しの際に、特定保健指導の質を確保しつつ、利用者の拡充に対応する等の観点から、実績評価までの期間を6カ月から3カ月に見直しております。引き続き、アウトカム評価の評価時期は初回面接から3カ月経過以降の実績評価時としてはどうかと。行動変容の基準は、一定の継続を評価する観点から、2カ月以上の行動変容の継続が認められる場合に改善と評価することとしてはどうか。行動変容の内容については、対象者にとって達成可能で、指導者が客観的な評価が可能となるよう、科研の成果等を踏まえ、標準的な健診・保健指導プログラムで提示することとしてはどうか。継続的支援の各介入方法については、最低限の量を担保する観点から実施のための最低時間をこれまでも設けてございます。引き続き、第4期の見直し以降も、支援1回当たり最低時間を設定することとしてはどうか。
以上が、評価体系全般に関する指摘事項でございます。
4ページ目からは、関連して、前回お示しさせていただいた見直しの方向性、評価体系の考え方をお示ししております。4ページ目は、2cm,2kgを達成した場合、180ポイントとなることや、1cm,1kgに関しては、測定誤差や一時的な食事量の減少で達成される等の懸念があると。行動変容についても客観的に把握することが困難であって、これらを踏まえて、
評価水準に留意が必要であり、アウトカム評価としつつ、プロセスも併用した評価体系にしてはどうかということで、考え方を整理してございます。
5ページ目、プロセス評価に関してですけれども、こちらは、保健指導の目的が達成されるようなプロセスを評価すべきであるということを前提として、具体的には、早期の保健指導実施を評価することと、時間に比例したポイント配分ではなく、1回当たりの評価とすること。あと、実績評価時に120ポイント分の保健指導が実施されるなどの懸念や、支援A、Bの違いが曖昧であることの懸念にも対応が必要ではないかということで、書かせていただいておりました。
続きまして、6ページ目ですけれども、「見える化」に関する指摘事項と論点でございます。
まず、指摘事項ですけれども、保健指導の実施内容を分析することが必要なため、保健指導の詳細な内容についてのデータが必要ではないか。一方で、保健指導の内容については、実施者の入力負荷に配慮が必要ではないか。アウトカム評価を導入し、より制度をよくしていくためには、保険者等が主体的に保健指導の取り組み内容を改善するために、国がデータを集めるだけではなく、必要に応じて保険者が独自に情報収集、解析していけばよいのではないか。保険者によっては、個人のデータを経年的に分析しているというご紹介や、あと、リピーターに関して、リピーターは改善率が初めて対象になった方と比べて悪いということがあって、リピーター対策にも焦点を当てる必要があるのではないかというご意見をいただいておりました。
論点といたしまして、保健指導の効果を分析する際には、より詳細なデータを収集することで充実した分析につながる一方で、保健指導実施における入力負荷やコストの増加が見込まれるため、法定報告の内容として新たに収集する項目は、今回の見直しにおいて新たに必要となるアウトカム等の情報を基本としてはどうか。見える化において分析・評価する項目は、単年度の評価のみではなく、対象者の経年的なアウトカム指標の評価やリピーターに着目した項目としてはどうか。
以上を踏まえまして、7ページ目でございますけれども、見える化を推進するため、アウトカム評価等、現在必須項目ではないものを新たに収集すると。もう1点、特定保健指導の効果を評価するため、以下の指標について、データの蓄積状況を踏まえ、提供方法を検討することとしてはどうかとしております。
まず、収集する項目という上の表ですけれども、赤字にしているところが新たに収集させていただきたいと考えているところでございまして、まず、今、個別は平均何分というデータをご提出いただいているのですけれども、ICTによるウェブ面接も広がっていく、推進していく中で、個別のICTをやったか、グループの遠隔の面接をやったかということもデータとして必要ではないかということ。それと、アウトカムのところで、今、食習慣と運動習慣の改善に関しては、必須項目としてご提出いただいておりますけれども、そのほかの部分に関しては報告いただいていないものなので追加が必要ということで、ご提案させていただいております。
下の表は、分析・評価する項目の具体例として、例示として、これに限定するものではありませんけれども、例えば2cm・2kgの達成割合に関していうと、実施率だけではなくて、アウトカムの達成だけで評価、達成した方がどれぐらいいるかということを捉えられますし、同様に、行動変容の指標がそれぞれどういう状況だったかというのも、見ていく必要があると思っております。その下の保健指導終了者の次年度の改善状況というのは、先ほど申し上げました、継続に関する評価で、経年的に保健指導終了者がどうなっているか。その下の禁煙のところは、禁煙が継続できているかどうかというものを経年的に見ていく必要があるのではないかということで、ご提案しております。最後のリピーターの保健指導の達成状況に関しましても、リピーターに着目して何らかの分析が必要ではないかということで書かせていただいております。
最後、8ページ目でございますけれども、その他の指摘事項と論点としまして、まず指摘として、リピーターについて、初回面接で重複する内容を説明することは冗長であり、非効率ではないかという意見。それと、ポイントを獲得するために保健指導をするのではなくて、アウトカムを達成するために必要な支援を行うというのが目的であり、特定保健指導は生活習慣病予防の手段であり、それ自体が目的ではないということは関係者で共有する必要があるというご指摘をいただいておりました。
論点といたしまして、前回、特定保健指導終了者について、再度、保健指導の対象になった場合に、初回面接で実施すべき内容である体重及び腹囲の計測方法の説明等は不要と考えられるため、繰り返しの説明により冗長な初回面接とならないよう、最低時間を個別の場合15分程度、グループの場合60分程度としてはどうかと。また、現在実施している特定保健指導実施率のみの評価ではなく、保険者が特定健診・保健指導のアウトカムを評価できるよう、体重や、行動変容、その他についての効果の見える化を進め、特定保健指導のアウトカム評価のデータを積み重ねることで、特定健診・保健指導をさらによいものとなるように、第4期の計画期間において、さらに検討を進めてはどうかとしております。
以上でございます。
(津下主査) ご説明ありがとうございます。
今回の議題1ですけれども、前回いろいろご意見をいただきまして、時間が不足していたこともありまして、後ほど委員からメール等でご意見をいただいたところになります。本日も、もう一度ここの議論を深めて、そして次期制度で修正すべきこと、今回は修正できないけれども、今後検討していくもの。また、国の制度ではなく保険者の評価指標として使っていくことなどの整理をしていく必要があると思います。例えば前回出ていましたけれども、保険者が保健指導機関とか実施機関を評価して支払うというような、SIBとか、そういう仕組みの中で考慮できることもあろうかと思いますし、保健指導機関が質を高める上での評価というのもあると思うのですけれども、今回の議論は、特に第4期の見直しに向けて、評価体系に関する指摘事項や見える化など、論点に沿って議論していきたいと思います。
それでは、まず評価体系に関するご意見を伺いたいと思います。今、事務局よりお示しいただいた論点について、追加のご意見、またはちょっと異論があるとか、そのようなことがございましたらご発言いただき、第4期に向けてアウトカムを入れていくという仕組みが検討されていますので、どのように評価体系を組むのかということについて、ご意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構ですけれども、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。アウトカム評価で、2cm・2kgというのはモデル実施で評価されたことなのでそれはいいとしても、そのほかのアウトカム評価の留意点とか、客観性とか、それからポイントの在り方についてなどが論点になっていたかと思います。また、行動変容の評価をどうしていくのかということになりますが。それでは、まず安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) ありがとうございます。
 今、意見を申し上げればいいのは、アウトカムとプロセス評価まで。見える化については、後で議論をするということでよろしかったですか。
(津下主査) そうですね、見える化については。
(安田構成員) わかりました。では、協会けんぽの安田でございます。意見を申し上げさせていただきたいと思います。
まず、はじめに、何度も繰り返して申しわけないのですけれども、前回のワーキング・グループにおいても発言をさせていただきました。協会けんぽとしては、これまで保険者が取り組んできた特定健診・特定保健指導は、効果があったと見るのか、それとも効果がなかったと見るのかでは、議論の方向性そのものが大きく変わってくると考えております。いま一度確認をさせていただきたいと思いますが、特定健診・特定保健指導については、効果があったということでよろしいのでしょうか。特定保健指導の効果があったが、それ以上にメタボリックシンドロームの該当者及び予備群が増加したという捉え方でいいのか、あるいは一定の効果があったが、該当者を減らすほどの効果が望めなかったということでいいのか。これにつきましては、資料2の保健指導の実施率の向上にどのように保険者として取り組んでいくかということにも影響があると思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
アウトカム評価についてでございます。3点申し上げたいと思います。
1点目につきましては、行動変容の基準は一定の継続性を評価する点から、2カ月以上の行動変容の継続が認められる場合に「改善あり」と判断されるということになっておりますけれども、この2カ月以上というのは、どのようなところに根拠があるのかをお示ししていただきたいと考えます。
2点目につきましては、客観的な基準で、誰がどのように評価するのかが非常に重要な点であると考えております。行動変容の内容について、「標準的な保健指導のプログラム」で提示するということになっておりますけれども、それはいつごろになるのか。また、その基本的な考え方や内容について、このワーキング・グループの中でも議論することを想定されているのかどうかということを教えていただきたいと思います。
3点目でございます。支援1回当たりの最低時間の設定となっていますけれども、そもそも時間の設定をするということについては、支援の内容を分解して、その内容に要する時間を積み上げて、設定すべきだというふうに考えております。これにつきましては、後で述べられるリピーター対策においての時間設定についても、同じような考え方をとられるべきだというふうに考えておりますので、こちらについても、ご意見をいただきたいと思います。
次にプロセス評価についてでございますが、こちらのほうについても、3点ほどご意見を申し上げたいと思います。
1点目は、早期の保健指導実施を評価するということ、このことについては協会としても非常に重要視しております。アウトプットである実施率に結びつきやすいと考えておりますので、ぜひとも評価をお願いしたいと考えております。
2点目につきましては、必要な内容を満たす面接とは何を示すのかが少しわかりにくいと考えています。必ず含む内容というものを具体的に示していただけるという理解でいいのか、ご教示をお願いしたいと思います。最低時間の設定につきましては、少なくとも個別面談と集団面談の、それぞれにおいては必ず必要というふうに考えております。また、評価ポイントにつきましては、個別と集団では、前回は同一ポイントとなっていましたが、これにつきましては反対と考えております。
3点目につきましては、実績評価前に介入がされる評価体系としてはどうかということがありますけれども、介入や行動変容に対する評価を支援者と被支援者の間において共有化する場合には、例えば1カ月の間に毎週毎週のように介入を行うということではなくて、もともと2週間というのが示されていたと思うのですけれども、一定の時間的間隔が必要というふうに考えておりますので、この点についてはご検討をお願いしたいと思います。
 少し長くなりましたが、以上でございます。
(津下主査) ありがとうございます。
事務局からの回答は、数名分をまとめてのご回答ということでよろしいでしょうか。
(水谷医療介護連携政策課長) 医療介護連携政策課長です。
個別の論点に入る前に、安田委員から、全体にわたる、特定健診・特定保健指導について、効果があったのかどうかという点についてお尋ねいただきましたので、まず、そこだけ私のほうからお答えをさせていただきたいと思います。
私どもとして、特定健診・特定保健指導については、効果があったと思っております。ただ、そうしたものについて、今、EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)などの取り組みが進められる中で、そうしたものを実際にエビデンスとして積み重ねていく必要があると思っています。
今日の資料の参考資料3に、大規模実証事業等におきまして特定健診・特定保健指導につきまして、私どもとしてそうしたことについて努力をしている成果というのを、お示しをさせていただいてございます。皆様ご案内のとおり、この特定健診・特定保健指導による健康増進効果あるいは医療費適正化効果というのを検証していくに当たっては、当然、短期的に健康状態あるいは医療費が大きく変動するものではないのではないか。一方で、長期的に見ようとすると、社会環境の変化、あるいは医療技術の進歩など、外部の要因も大きく影響してくることになるため、介入による効果が見えづらくなると。そうした制約があるわけでございます。そうした中で、私どもとして、アカデミアの先生方ともご相談をしながら、どのような形でエビデンスが積み上げられるか、そうしたことについて、実証事業を行っているのが、この参考資料3でございます。
2ページ目にある文献レビューは、詳細はご説明いたしませんが、諸外国における予防・健康づくりについて、エビデンス・レビューを行って、健診あるいは保健指導、こうした介入について一定の成果があることを確認した上で、3ページにありますような我が国の特定保健指導の効果ということにつきましては、回帰不連続デザインを用いることによって、例えば男性で腹囲85センチを基準として、そうした基準値の少し上、あるいは少し下の層、そうした層を取り出すことによって、健康意識あるいは生活習慣、そういったものが似たような集団であると、そうした仮定のもとで、特定保健指導という介入が、ここにある体重、収縮期血圧、ヘモグロビンA1c、LDLコレステロール、こうしたものにどういう影響を及ぼしているかということを、NDBデータを用いて分析した結果がこちらでございます。全てにおいて平均値はマイナスになってございますが、統計的な有意なもの、つまり95%信頼区間で見ても全てマイナスであるのは、体重とヘモグロビンA1cであったということですが、こうしたエビデンスを引き続き積み重ねていきたいと思っています。
一方で、医療費のほうについては、さらに冒頭に申し上げたような制約から、どういうふうに見ていくかということについて、いろいろ議論があるわけでございますが、今回、ヘモグロビンA1cの値が5.6~6.5の糖尿病予備群、ここが、先ほど申し上げたのと同じ発想で、健康意識あるいは生活習慣がある程度同様の集団であるという仮定のもと、そうした中で、特定保健指導を実施した群と実施しなかった群について、6年度の実績医療費と期待医療費の差というものを検証したわけでございます。
最後の5ページのところにございますとおり、6年後のこの群の間での実績医療費と期待医療費の差を見ますと、約6,000円程度の差があるということでございまして、特定保健指導の対象とすること、あるいは実際に特定保健指導を実施すること、そうしたことが医療費を抑制する可能性があるということが示唆をされているわけでございます。ただ、学識の方からも、これについては脱落が半分以上の割合で存在する。特に死亡による脱落等について精緻な検証が必要であるとか、そうしたことについてもご意見をいただいております。
私どもとして、特定健診・特定保健指導は効果があったと考えておりますし、そうした効果を実際にエビデンスとして積み重ねるために、今申し上げたような大規模実証等において取り組みを進めております。引き続き、さまざまな制約がございますが、アカデミアのご意見も伺いながら、そうしたエビデンスを積み上げていきたい。これが我々の基本的なスタンスであります。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。非常にクリアなおまとめをいただきました。特定健診・保健指導の効果を国としては認めていて、またそれを改善するために、この次期の検討をしているというスタンスをお示しいただきましたけれども、安田構成員、まず大前提のところは、よろしいでしょうか。
(安田構成員) ありがとうございます。保健指導には効果があったというふうになるのですけれども、前のときもお話を少しさせていただきましたけれども、ただ、メタボリックシンドロームについては、「健康日本」の中では悪化しているということがありますので、ここのところについて、どう考えるかということについては、ご回答はいただけるのでしょうか。
(津下主査) 安田構成員、私からちょっと補足させていただいていいでしょうか。今回、例えば先ほどの参考資料3においても、保健指導実施群と非実施群の人数を見ると、実施群16万人、非実施群129万人となっておりまして、非実施群のほうが非常に多い現状があり、保健指導参加者だけの効果で国民全体の効果を言うところには、なかなかいけないと。なので、実施率を高めていくこと、そのために第4期はどうしていこうかと検討しているところではないかというふうに私自身は考えているのですけれども、また、事務局と同じような考えかどうか、ご指摘いただければと思いますが、いかがでしょうか。
(水谷医療介護連携政策課長) 医療介護連携政策課長でございます。
津下先生がおっしゃられたとおりでございまして、私が今申し上げたのは、特定健診・特定保健指導のこうした介入を行うことの効果というものが、健康増進あるいは医療費適正化の観点からどうかということについて、エビデンスを積み重ねるという努力についての話をさせていただきました。そうした努力、それは個々の努力にそれが実際にどれだけの広がりをもってやられているか、そこの掛け算によって、実際の効果がメタボリックシンドロームの該当者の数といった形であらわれてくるのではないかと思います。
安田委員がご指摘になったような点というのは、まさに結果としてそうなっていることをどう見るのかということで、それは実施率の議論の中でぜひご議論いただきたいと思っておりますが、私どもとして、特定健診・特定保健指導に、健康増進、医療費適正化の観点から効果があるのかと問われれば、あると思う、そういう前提のもとで実施率を向上したり、そうした方策について、ぜひ第4期の見直しに向けてご議論いただきたい、そう思っております。
(津下主査) ありがとうございます。
ちょっと議論を前に進めていきたいと思っておりますが、安田構成員、よろしいでしょうか。
(安田構成員) ありがとうございました。
(津下主査) ありがとうございます。それでは、先ほどの評価体系のご指摘については、後で、数名のご意見を伺った上で、事務局より現段階の考えなどについてご示唆をいただきたいと思っております。
河原構成員、お願いいたします。
(河原構成員) 日本保健指導協会の河原でございます。保健指導の実施現場の意見などを踏まえて、発言をさせていただきたいと思っております。
評価体系についてですけれども、今、生活習慣、食習慣、運動習慣等の評価をポイントに換算するという議論が挙げられておりますが、私どもとしましては、この生活習慣のポイント化というのは、今回避けていただきたいと思っております。理由としましては、1点目、制度が非常に複雑になって、対象者自身がわかりづらいと思っております。また、指導員にとっても非常に負荷がかかるとともに、指導を行う事業者及び実施をする保険者、またそれらのデータを集める過程においても、システムの改修がかなり大規模にわたって、そういった影響が大きいと思います。また、実際、自己申告で評価しますので、生活習慣、食事が変わったとか、運動が改善したとか、そういったことについて、虚偽の申告が出る可能性もあるといったことも懸念されると思います。生活習慣自体は、例えば食事がよくなっても運動しなくなったとか多面的なところがありますので、トータル的な評価をしていかなくてはいけないということもあり、かなり複雑な難しいものになってしまうのではないかと思います。そういった費用、対価、効果ということを考えて、今般の生活習慣の改善のポイント化というのはどうかと思っております。
一方、今、モデル実施で2kg・2cmということが出ております。これは、ぜひ2kg・2cmが出たというエビデンスを提示していただいて、この2kg・2cmというものを立てていただくというのはよろしいかと思うのですが、議論で出ています1kg・1cmについては、ちょっと努力すれば改善してできることであって、それが本当に効果につながるかというところの議論がまだ定まらないと思っております。そういった点で、効果という点を2kg・2cmのエビデンスをもって調べて実証するというのは賛同するのですけれども、それ以外の生活習慣の改善等のポイント化については、今、これを踏み切るのはどうかと思っております。
以上です。
(津下主査) ご意見ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
今の生活習慣のポイント化ということで、食習慣、運動習慣がよくなったけれども、体重が増えた人はどうするのだろうとか、ちょっと悩ましい点があって、この制度の最初のときに食習慣の話はエネルギー収支で見るから体重で見ればいいのではないかという話を鈴木構成員としたような記憶がありますが、食習慣のポイント化について、何かご意見があれば。可能なのかどうなのかとか、食習慣の改善とか、今回メタボの食習慣、運動の改善は、体重の変化である程度推察できるのではないかとか、ポイント化の現実性などについて、ご意見あれば教えていただければと思います。またちょっとご検討いただいて、お願いいたします。
では、小松原構成員、お願いいたします。
(小松原構成員) 
冒頭に水谷課長から特定健診・保健指導は国として効果があったと、言い切ってもらい安心をしています。効果がある前提で、第4期に向けてどう改革すべきか考えなければいけないと思っています。しかしながら、非介入群があまりにも多すぎることが、この特定健診・保健指導の効果が見えづらくなっている1つの要因だと思っています。その理由が、あまりにも固執した保健指導のやり方、それを実施しないと保健指導が終了したことにならない点を、少し考え方を変えて、もう少したくさんの人たちに介入し、政策効果があるものにしていかなければいけないと思うのです。
例えば、先ほど安田構成員からご発言があった時間とか、やり方とか、回数というのは、あまり意味がないと思っています。そういう縛り方よりも、働き方や職種によってアプローチは、多様になるはずです。それらを認めることで、たくさんの保健指導介入ができるように検討しないと、実施率は上がらず、非対象群が延々と岩盤のように残ってしまうと思うのです。ですから、ぜひこの第4期に向けて、皆さんと議論していきたいのは、リスクのある人たちにアプローチができるか、という視点で、少しウィングを広げた形、ある意味緩和かもしれないですが、保健指導にチャレンジしていかなければいけないと思っています。
そういう意味では、厚労省からの提案、プロセス評価からアウトカム評価の導入に賛成です。ただし、先ほど河原構成員や津下先生の発言のようにどう評価していくか曖昧なものについて、何でも入れていくことは、慎重にすべきだと思います。健保連としては、リスクを減らせた成果は評価をしてほしいと思っています。例えば煙草、禁煙は1つのリスクが減った成果です。これはやはり評価をしていただきたいです。あるいは、検査数値が異様に高い人たちに対して、受診勧奨し、適切に医療につなぎ、服薬開始となった場合も、1つのリスクの軽減になっていますので、保健指導した成果を評価すべきではないかと思っております。
(津下主査) ありがとうございます。やり方ではなく、結果をもう少し幅広に見ていくというようなお話だったと思います。
それでは、田中構成員、お願いいたします。
(田中構成員) 長野県国保連合会の田中です。よろしくお願いします。
アウトカム評価のことですが、私は市町村の立場でお話しさせていただきます。市町村国保は年齢の高い方が多いですので、マイナス2kg・2cmが困難で、なかなか評価できないと聞いております。どのような評価が良いかという点で、行動変容ということも言われておりますが、これについても、先ほどからの話にもありましたように複雑であり、皆さんが納得いく評価ができないという現状がある中で、どのような評価が一番適するのか、私自身も迷っております。
マイナス2kg・2cmは、被用者保険では、非常に目に見える明らかな指標で、すごくわかりやすいですし、対象者も指導する側もお互いに明確な目標を持ち指導ができる、話ができるという点で良いと思います。しかし年齢が上の方達にとっては、生活習慣を変えることは時間がかかり難しいということと、マイナス2kg・2cmという意味がなかなか伝わらないです。肥満の方は3%~5%の体重を落とすだけで検査値が改善していきますが、マイナス2kg・2cmという位置づけが住民にとっては難しいという点もあります。
それと、先ほどの保健指導の実施率の話ですが、全体でも令和2年は22.7%、特に若い方たち、40歳から44歳の方たちが19.9%、2割も行かない保険指導の実施率になっています。やはり必要な人にしっかりと保健指導ができなければ国全体の目標に向けて改善していかないという事がこの先も続いていくと思います。若い年代では、長年の経過で、ある程度の年齢になったところで、生活習慣病になるという予測がつきませんし、年代の高い方を受け入れている市町村国保では、もう少し早く介入できればよかったということは多くあります。
長年の人生の中でいろいろな場面で保健指導を受ける機会はありますが、早い時期からの関わりが必要であり対象となるより多くの方たちが保健指導を受けていただくような形にしていかないと、良い方向に向かっていかないと思っています。
保健指導を一生懸命やっても、なかなか改善しないということで、実施者側のモチベーションがなかなか上がらないところもありますが、指導する側も受ける側もお互いモチベーションが上がるような制度にしていただきたいと思っています。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。国保の立場からのお話だったと思います。
では、古井構成員、お願いいたします。
(古井構成員) ありがとうございます。
私からは3点コメントいたします。今回、特定保健指導で目指すことを明確にして、設計をし直すというのは、意義があると思います。
1点目はアウトカム評価ですけれども、成果を適用するというのは大いに賛同しています。また、腹囲とか体重というのは明確なアウトカム指標だと思うのですけれども、さっきから話題になっている生活習慣に関して、その生活習慣の改善・定着を通してメタボリックシンドロームの予防・改善が特定保健指導の最終的なアウトカムとしたときに、例えば生活習慣をプロセスの一環として捉えるというやり方もあるかと思います。これは是非、各専門の先生方から、特定保健指導の中で、この生活習慣というのをアウトカムとするか、あるいはその過程として確認をしていく要素なのかご意見いただければ幸いです。
それから、先ほどの安田構成員からご質問があったモニタリングの期間なのですが、我々が10年前に検証した論文ですと、初回面談から約1カ月後の行動目標の達成度というのが、1年後の健診結果に反映していましたので、最低限やはり1カ月、できればこの3ページ目にあるような2カ月以上ということは妥当かと思います。
それから、2つ目のプロセス評価の見方ですけれども、これは先ほど委員の先生方がおっしゃっていましたが、専門職による効果を上げるための創意工夫といったことが阻まれないような設計が重要かと思います。時間だけで決めてしまうというよりは、やはり何をどのようにやるかということが大事なのではないかと思います。行動目標の設定とか、モニタリングとか、行動変容を促す知見を提示するといったいろいろな要素があると思います。
それから、最後のストラクチャーの評価ですけれども、これは先ほど小松原委員がお話をされていましたが、理想は特定健診から特定保健指導までが一体的に、間をあけずに、実施をされていくことだと思います。対象者の意識がなるべく高い時期というのもありますし、それから、先ほどから課題提起されている、健診を受けたメタボの方が、なるべく特定保健指導を受けやすい環境をつくるということが大事なのだと思います。
今回、健診の期間で、当日とか、あるいは分割実施を含めて1週間以内といった工夫の案が出されており、いかに特定保健指導を受けやすい事業設計にするかということは、今後も必要なのではないかと思います。例えば、なかなか健診機関さんだけで面談できないと思いますので、その場合に、健診機関の先生から民間の事業者さんに例えば特定保健指導の依頼書のようなものを出して紹介していくとか、あるいは前年度の健診結果も活用して、初回面談をやっていくなど、質を担保しながら実施率を上げていくストラクチャー、プロセスの設計が大事ではないかと思います。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。目指すところ、モニタリング、それから評価、専門家の創意工夫が生きるということで、ご指摘いただいたと思います。古井先生、今回の制度改正で、これから保険者や保健指導機関の努力がしやすくなればいいかなというふうに思うのですけれども、国としての制度として、どこを外して、どういう仕組みを入れたら、先生のおっしゃるやりやすさというのが出てくるかということについて、もうちょっと具体的にコメントをいただけますか。
(古井構成員) ありがとうございます。これまで議論に挙がっている共通の要素に加えて、保険者の種別で環境が異なる点があると思います。国民健康保険や協会けんぽの被扶養者に関しては、健診を受けることで、つまり健診を1回、2回、3回受けるひとは検査値や医療費が上がっていない。これは因果関係が証明されたわけではありませんが、国保の大規模データで健診を毎年受けているほど、健康状態が悪くならないという構造が示されています。したがって、国保ですとか、被扶養者に関しては、いかに毎年健診を受け続けさせるか。つまり、健診後のフォローという意味で、特定保健指導ももちろん大事ですが、健診結果を丁寧にフィードバックして、来年の受診につなげる設計が大事かと思います。
一方健保等の被保険者は、事業主健診を自動的に受けますので、健診を受けることだけでなく、その後の特定保健指導をメタボの方は受けていただくということが大変重要かと思います。大企業さんにあっては、産業医や産業保健師さんがやる場合もありますし、民間の事業者さんを含めて、職場での特定保健指導をオンラインなどを含めて実行性を上げる要素を認めることもありかと思います。
このように、保険者の種別によって、設計の柔軟性というのがあってもいいのかなというふうに思いました。
(津下主査) ありがとうございました。
田口構成員、お願いいたします。
(田口構成員) ありがとうございます。
アウトカム評価について意見が分かれているようですので私の意見を述べさせていただくと、今回、食習慣とか、運動習慣とか、あと喫煙習慣と、行動変容の部分が入ったというあたりは、賛成しております。というのは、先ほど田中構成員のお話にもありましたように、高齢者や、企業でも、なかなか2kg・2cm等の結果に至らないという方のプロセスとして、評価いただけるということは、お互い、実施側も、そして健診を受けている側もモチベーションが上がるというふうに考えますので、ぜひこの辺は評価に入っていくといいのではないかと思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。
中西構成員、お願いします。
(中西構成員) どうぞよろしくお願いいたします。聖隷保健事業部の中西です。
数多くの特定健診と保健指導をさせていただいている現場の声をお届けできたらというふうに思うのですが、やはり特定保健指導は何のためにやっているのかということに立ち戻ったときに、やはりリスクを1つでも減らしていく、それが血管の障害、臓器の障害を予防していくというふうに考えますと、やはりこの大きなリスクである煙草、これを禁煙できると、もう180ポイント付与という考え方で十分成り立つのではないかというふうに思います。内臓脂肪に特化した保健指導ということは重々に承知はしているのですが、なぜ内臓脂肪なのかというと、やはりその先の血管、臓器の障害ということを考えますと、禁煙は非常に大きな意味のある行動変容だというふうに考えております。
こういう考え方を持っておりますので、私どもは特定保健指導を実施する際に、禁煙のプランを立てた方には、あえて食事と運動のプランは立てないようにしております。逆に、プランを立てずに、必要以上の体重増加にならないような食事指導、そして気分転換のための運動ということでお勧めをしておりますので、ぜひこの禁煙に取り組むことに対しての評価というものも、1つ認めていただけると大変ありがたいなと感じております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。
三好構成員、お願いいたします。
(三好構成員) ありがとうございます。
先ほどからいろいろなご指摘があった中で、主な論点になっている生活習慣のアウトカムか、プロセスとするかそこも論点となる部分もあるのですが、指標として取り上げていただくというのは重要な観点ではないかと思っております。賛成です。特に国保は、先ほど長野の委員がおっしゃったように、高齢者の2cm・2kgは確かに難しいところあります。動機付けとして行動変容を目標としてその目標を達成したかどうかを、伴走者として指導者が確認していくことで、毎年のように継続的な生活介入ができるのは重要なことだと思います。あわせて、2cm・2kgだけではなくて1cm・1kgを中間的なセカンド指標のような、生活習慣の改善と組み合わせて見ていくというようなこの方法であれば、少し柔軟な対応の可能性が見えてくるのではないかと考えておりました。
煙草についても、先ほどご指摘がありましたが、これまでもその他の生活習慣に含めて考えていたと思うので、ぜひ指標としても活用できればと思うのですが。それは、どのくらいの割合になるかはわかりませんが、煙草を吸っている人ばかりではないので、やはりその他の生活習慣全般的にバランスよく見ていくということが必要ではないかと思っております。
あともう1つだけ、翌年の健診で取られる質問票において、保険者も独自にうまく検証していけるよう、次期に向け、積み上げるエビデンスの1つとして考えられると思うので、今の段階でこれらの内容をしっかり設計しておいていただくのが必要ではないかと思っております。
ありがとうございました。
(津下主査) ありがとうございます。
鈴木構成員、お願いいたします。
(鈴木構成員) ありがとうございます。
特定保健指導で生活習慣病、メタボを改善するために、私どもが行動変容を促すときには、この行動目標を立て、例えば運動から30キロカロリー分とか、栄養の食生活から何キロカロリー分というように目標設定をして、到達すれば、その分、30キロカロリーが1カ月間であれば何百グラムか体重が減るはずです。少なくとも体重の維持・減少と行動変容がセットで行動変容が評価されるのであれば、私は賛成です。
ただ、体重の維持や現象なしに、ある行動をずっとやっていたから、それがポイントになるというのは疑問が残ります。管理栄養士、保健師が、プロとしての仕事が達成できていないと評価されることになると私は考えます。毎日やっていても、成果が上がらないのであれば、それは管理栄養士、保健師がプロとして何かが、目標設定なり、初めのエネルギー調整の考え方なりが間違っている可能性が高いのです。違っているのであれば、修正していかなくてはいけません。その本人が続けたからポイントになるというのは、あまりに安直で、もしも体重・腹囲の維持・減少をセットで評価せずに行動変容だけを評価するのであれば、私は河原委員と同じように、下げるべきではないかと思います。
日本栄養士会は、管理栄養士は、プロとして進めるに当たって、目標設定、たとえば1kgだったら1kgの目標をきちんと達成して、その後もずっと次の健診までつながるように、保健指導の行動変容を促していくというのが、この事業の本望だと思います。今日は黙っていようと思ったのですが、何かやればいいだけじゃないところも、もう一度議論したほうがいいのではないかと思い、発言させていただきました。
ありがとうございました。
(津下主査) ありがとうございました。
いろいろなご意見をいただきました。確かに2cm・2kgを達成しない場合とか、達成が望ましくない場合というのもありますし、生活習慣の獲得というのは重要なことだと思います。その変化をどうとらえるか、今までやれていないことをやり始めた、そしてそれがエネルギー収支に影響を与え、体重は十分減らないけれども、内臓脂肪、すなわちお腹まわりが減ったり、筋肉量を落とさない指導ができたかどうか、いろいろな視点があると思います。そういう観点でいくと、生活習慣の評価についてもう少ししっかりやるなら、どういうやり方があるのか。中途半端な形だと客観性に心配が残るのでは、と思いました。
一方、禁煙については、どなたも禁煙の重要性というのは認識されていますので、内臓脂肪型肥満に喫煙が重なると、より動脈硬化リスクが高まるということで、禁煙したから180ポイント丸ごとというのは、それはちょっとどうでしょうという考えもあると思うのですけれども、一定の評価をなされてもいいのではないかというのは、おおよそ合意点ではないかと思います。
それから、見える化についてのご指摘事項、今、この話もかなり入ってきたのではないかと思いますが、見える化について、ご意見がある方は挙手をお願いしたいと思います。見えるかの論点ですね。どのようなデータを集めるかということで、7ページにありますように、これまでも現在でもこういう情報は収集しているのだけれども、遠隔のこととか、それから分析評価の項目、分析評価可能な項目についてはデータを収集してはどうかという事務局案でございますが、この点について、何かご発言いただける構成員の方、いらっしゃいますでしょうか。安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) 特定健診・特定保健指導については、先ほどから申し上げているアウトカム評価をしっかりと行うべきと考えております。事業としてのアウトカム評価も必要だと思いますので、それに必要な項目を具備した法定報告になっているかについてだけ、検証をお願いしたいと思います。
あと、特に今回は特定保健指導については、ICTの活用とか、新たに行動変容について評価項目を加えることが検討されていましたので、メタボリックシンドロームの該当者予備群の減少につながっていくかどうかということの検証ができるような指標をお願いしたいと考えています。
以上でございます。
(津下主査) ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
今回も、例えばモデル実施でも2cm・2kgを達成した方の行動変容の状態はどうかという分析が、できれば非常にいいのでしょうけれども、例えばNDBに対しての登録状況とかを考えると、なかなか分析が難しいのかなと考えたりします。最終的なアウトカムに達成するまでの中間段階とか、行動変容を抑えられるような指標があれば、その次の議論がより精緻化できるのではないかなと考えるところです。あまり複雑ではない範囲で7ページにお示ししていただいたような内容で、より登録率を高めるというか、そういう形で進めていただいたらどうかというふうに思いますが、この点については皆様、そういう方向で。これ以上のデータは、なかなか現実的ではないかもしれないなというふうにも感じたりします。
それから、8ページのところでございます。その他の指摘事項でリピーターのことになりますけれども、実はもう1つの技術的事項ワーキングの中で、第4期から保健指導を以前に受けたことがあるかという質問項目も入りそうな議論になっていると思っております。この中で、リピーターに対する保健指導、ほかの委員からも時間とか回数で縛るよりもアウトカムというような話がある中で、個別指導は今20分以上ということについては、外しては、若干緩和してはどうかというご提案になっていますが、いかがでしょうか。効果的になるよう、第4期の計画期間でさらに検討を進めるというふうになっております。小松原構成員、お願いいたします。
(小松原構成員) 
20分も、15分も、我々保険者にとっては変わらないのです。変わらないというのは、事業主に対して、例えば工場のラインで働いている方に、15分、20分ラインから抜けてくださいと協力依頼をする、あるいは公共交通機関の運転士は、業務から離れられないわけです。そういう職種の人たちに対して時間を短くしたから少し緩和されましたよね、という説明は、通用しないと思っています。重要な労働時間を事業主から、いただく形になるのです。対象者にとって保健指導は、別に年度があるわけではなく継続してつながっているわけです。毎年、そこにその時間を割くのであるならば、リピーターの人への初回面談はポイント化してほしいぐらいの気持ちです。そうしないと、事業主になかなか説明がつかないです。
もう1つは、今回の厚労省のポイント設定が、全体的にポイントが低減している点です。例えば今までだと面談で80ポイントや120ポイントが取れていたものが60ポイントになっています。いくらアウトカムの評価でポイントを取ったとしても、支援する側は、今まで以上の支援量、対象者の労働時間を奪わないと無理なのです。
保健指導実施機関はよくおわかりになっていると思うのですが、仕事中に電話に出られない、面談できないという人がたくさんいて、今どうやって保健指導しているかというと、夜中に保健指導をしたり、休日に保健指導の枠を取らなければいけないわけです。市町村国保のようにも、例えば居宅に行けるような保健指導というやり方は、それは保険者としてあると思います。我々、健保組合と企業からしてみると、それが不可能な組合もいます。今のやり方ではなくて、やり方にこだわらず、効率よく効果的に介入できるかということを考えていただきたいと思っています。リピーターの初回面談は意味のある介入にしてもらいたいのです。15分とか何とか、という話ではなく、リピーターの人に初回面談という行為が必要なのかを喫緊に議論していただきたいと思います。
(津下主査) ありがとうございます。貴重なご指摘と思います。
安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) 今回、リピーターということですので、リピーターについて申し上げると、これは考え方なのですけれども、リピーターというのは2つパターンがあって、1つは前年度からの取り組みが、一定の効果はあるのだけれども、メタボリックが解消されていないという方もいらっしゃれば、もう一方は、保健指導の効果が全く見られないという方もあると思います。リピーターということで、この2つのケースを丸々同じように考える必要があるのかどうかというところで、一律に時間を短縮するということについては、反対ということになります。
あともう1点、このリピーターでは直接ないのですけれども、集団面談に対する考え方なのですが、集団面談において、例えば3人でやっても8人でやっても、同じ所用時間の設定をするということについて、どういうふうに考えるのかということがあるのかなと思っています。例えば最低時間を設定して、人数が増えることに追加時間を設定するというほうが、まだ自然な考え方ではないのかなというのがありますので、ご意見として申し上げます。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
今、リピーターについて、時間短縮の提案については、あまりそういう必要はないのではないかとか、やるならもうちょっと根本的にというご意見があったと思うのですけれども、そういうご意見でよろしいでしょうか。リピーターの場合は、今、安田構成員がおっしゃったように、BMIが非常に高くて、少しずつ落ちながらも、保健指導を繰り返しながら、毎年毎年それで健康管理をされているという方々もみえて、そういう方々の場合でも、いつもと繰り返しのところはそんなに話さなくていいのだけれども、どんなことを頑張ってきて、どういうことを今年やろうかというようなところに焦点を置いた保健指導になる可能性があります。前年度よりあまりよくなっていない方については、行動目標が本当に本人ができる目標ではなかったとか、やれない外部的な要因があったとか、いろいろなことがあって、一律短縮できるかというと、例えば測定時間とかそういうのが、何とかの方法を教えるというのは要らないかもしれないのですけれども、その辺、ちょっと逆に時間がかかったりする場合もあるかもしれないな、なんて思ったりしています。
今お話を伺っていると、やはり被用者保険と国保の違いとか、それぞれでもっと柔軟にやりやすい方法にしつつも、効果をちゃんと出していく、そこは共通点ですよという認識と。
それからもう1つ、従来のやり方、急にアウトカム評価と言われても、なかなかそこに対応しづらいような対象者とか、または保健指導者、保健指導機関等もあるかもしれません。従来の方法も残しつつアウトカムにシフトしていくのか、従来の方法を全否定していくのかというのは、どういう立場かなと私も思います。というのは、全否定した場合に、今までこの180ポイントという基盤のもとにやってきて、それで一定の効果があったとすると、それができないところなどが、一気に脱落していく可能性もあるのかなという心配もあります。私からの確認事項なのですけれども、従来方法も認めつつ、上乗せで、よりこちらへシフトしていくという考え方でいいかどうか、これは後で事務局にご回答をお願いしたいと思っております。
河原構成員、お願いします。
(河原構成員) 先ほど継続支援のポイントの話が小松原構成員から出ていたかと思うのですが、私も全く同じ意見で、介入量が上がってしまうと対象者の負荷は、すごく上がると思います。
一方で、やっぱり効率的に成果を上げることをこれから考えていかなくてはいけなくて、特定保健指導も、これまでの量的なものを担保することから質的なものを担保するということが大きな転換点になってこの議論がされていると思いますので、まさに先ほどのようなポイントが、もっと多くやらないと終わらないというのは逆行している方向だろうと思っています。ここのところは是非、ご検討いただければと思っております。
(津下主査) ありがとうございました。
議題1について、構成員の皆様から、前回も含めて多彩なご意見をいただきました。現時点で、事務局のほうから、ご回答またはコメント等をいただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。
(水谷医療介護連携政策課長) 医療介護連携政策課長でございます。
先生方、ご意見、どうもありがとうございました。
まず、今日はこうした形で論点に沿ってご議論いただきましたので、今日はお示しをしてございませんが、最終的には、アウトカム評価を導入し、それにプロセス評価なりを組み合わせたときに、ポイント制というものに影響するのであれば、どういうポイント設定にするかということに、制度体系としては落とし込まれることになります。したがって、そうしたものを私どもとして考えて、またお示しさせていただいて、ご議論いただくということになろうかと思いますが、今日先生方におっしゃっていただいたバックボーンとなる制度の考え方、それを敷延したものである必要があると思いますので、是非そうした観点でお示しをしたいと思っております。
私どもとして、前回、5月24日の実施方法のこのワーキングでお示しをさせていただきました保健指導の目的、今、このプログラムに書いてある目的というのは、「対象者自身が健診結果を理解して、体の変化に気付き、自らの生活習慣を振り返り、生活習慣を改善するための行動目標を設定・実践でき、対象者が自分の健康に関するセルフケア、自己管理ができるようになること」と書かれているわけでございます。そうした意味において、実際の実施方法の告示におきましても、「この行動変容の状況を把握し、自らの身体状況の変化を理解できるよう促す」、こうしたことが書いてあるわけでございます。
今回の議論の出発点であるモデル実施は、2cm・2kgという成果、それがあったら180ポイント、逆に言うと、その2cm・2kgという成果が達成される限りにおいては、支援の投入量は問わないと、そうした発想であったかと思います。
一方で、その2cm・2kgで0か100かだけではということの中で、1cm・1kgというその中間的な目標とか、あるいは今この特定保健指導の目的に書かれているような行動変容、そうしたものも組み合わせる形で考えられないか。そうしたことと、この従来のプロセス評価とを組み合わせてはどうか、そういう議論なのだと捉えております。
重要な視点だと今日思いましたのは、やはり今までより支援の投入量が増えざるを得ない構造になるのはおかしいではないかと。それは、支援の現場の視点として、大変重要な指摘かと思います。
一方で、古井先生から問題提起がありました、行動変容とか、あるいは禁煙とかというものが、アウトカムなのか、プロセスなのか。アウトカム、プロセスというふうにどちらかに区分けできるものではないのかもしれませんが、やはり私どもとしては、特定保健指導の目的の中に明確にこの行動変容というものが位置づけられている、そうした中で、アウトカムとして、2cm・2kg、1本足ではなく、何らかこの行動変容、あるいは禁煙、そうしたものを評価するということが必要ではないか。ただ、それをどういう理念のもとに、どう組み込んでいくかということは、今日の先生方のご議論を踏まえて、議論したいと思っています。
小松原委員のご指摘の中で、リスクを減らすものは評価すべきだという観点のご発言がございました。そこで、禁煙とか、あるいは服薬につなげたということが例示としてありましたが、まさにこの行動変容というものも、そうした意味で、特定保健指導の仕組みの中で、リスクを減らすものとしてあるのではないかと思います。
ただ、一方で、鈴木先生がおっしゃられたとおり、じゃあ、そうした行動変容が起っていれば、それは体重あるいは腹囲に影響が出ているはずだと、結果が出るはずだと。そうでなければ、きちんとした栄養指導ではないのではないか。それもまた真実であるかと思います。そうした意味において、1回の評価で終わるという2cm・2kgだけでなく、その中間的な行動変容あるいは禁煙というものを、この仕組みの中でどう位置づけてポイント化していくのか。その際、現場の支援の投入量の負担という観点、そうしたものにも配慮しながら、私どもとして考えて、また先生方にご相談させていただきたいと思っています。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。
この議題1につきましては、構成員の皆様のご意見をくみ取り、よりよい制度設計につなげていただくということで、次回のワーキングで引き続き議論したいと考えております。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、議題2、見直しに向けた検討事項について、に進みます。資料2につきまして、事務局より、ご説明をお願いいたします。
(堤医療費適正化対策推進室長) 事務局でございます。
資料2をお願いします。関連して参考資料2と3がございまして、参考資料2については、資料2でご議論いただきます実施状況について、2020年度の実績を公表したものをつけてございます。参考資料3は、先ほど課長から説明申し上げましたとおり、我々がこの間やってきました効果検証について、ご説明したものになります。
それでは、資料2のご説明をさせていただきます。
3つトピックがございまして、2ページ目ですけれども、第4期特定健康診査等実施計画期間における目標値について、特定保健指導対象者の医療機関受診時の考え方について、特定保健指導の実施者についてということであります。
まず1つ目でございますけれども、第4期の特定健康診査実施期間における目標値について。
まず実施率の現状ですけれども、4ページ目をお願いいたします。特定健診受診者数・受診率の推移としてございまして、左側に受診率、右側に保健指導実施率の年次推移がございまして、2019年度までは右肩上がりで上がってきたところですけれども、2020年度に関しましては、コロナ禍ということもありましてか、減少してしまっているというのが現状でございます。
5ページ目ですけれども、こちらは保険者種別で年次推移をご提示させていただいておりますけれども、こちらも時間とともに増加傾向にあったところ、2020年度は少し減ってしまっているというトレンドが見て取れます。
6ページ目は、メタボリックシンドローム該当者及び予備群等の減少率についてでございますけれども、こちらも一番右のところ、減少率についても2016年度より15.5%のところが、その減少率が悪くなっているというのが2020年度の結果でございます。
7ページ目でございますけれども、第3期の実施計画期間の保険者種別の目標値の設定ということで、保険者種別ごとに目標値を設定させていただいておりますけれども、この考え方といたしましては、70%という全体の目標を保険者全体で達成するために、実績に比して、等しく、同じ比率で引き上げた場合の実施率を基準として設定していると。ただ、高すぎるところについては、一定の上限値を設定して、余った部分はより実績の低いところに追加的に頑張っていただくということを、基本的な考え方として設定してきております。
8ページ目、健診未受診の理由としまして、実施率向上ということのご議論もいただきたいと考えておりまして、まず、2019年の年国民生活基礎調査において健診等を受けなかった理由ということで、特定健診のみに限った質問ではないのですけれども、受診しなかった理由としては、上から、「心配な時はいつでも医療機関を受診できるから」、「時間がとれなかったから」、「面倒だから」などが、上位の回答となってきております。
9ページ目は、保険者データヘルス全数調査というものをやっておりまして、回答率が非常に高い調査ですけれども、この中で特定健診の実施率向上対策としての取組内容と、結果として効果があったと考えられている取り組みについてご回答いただいておりまして、効果が高いものとして、上から4つ目のところ「個別通知による受診勧奨」であるとか、下から7番目「他の健診との同時実施」というのが、実際に取り組まれていて、かつ効果もあったというふうに回答がされているというところでございます。
論点としまして、10ページ目ですけれども、高齢者医療確保法において特定健診・保健指導の実施方法や目標の基本的な事項などについて定めているところでございますけれども、第4期の計画における特定健診実施率、保健指導実施率、メタボリックシンドロームの該当者と予備群の減少率の目標値についてどう考えるか。また、先ほどからご議論いただいておりますけれども、効果的・効率的な特定健診・保健指導を行うために、実施率等の向上への取り組みについて、どう考えるかという論点を用意しております。
見直しの方向性(案)としましては、保険者全体の第4期計画期間実施率の目標については、直近の実績では、第3期の目標値と乖離のあるところでございますけれども、引き続き実施率の向上に向けて取り組みを進めていく必要がありますので、それぞれ第3期の目標値と同様に70%以上、45%。また、メタボリックシンドロームの該当者の減少率に関しましても25%を維持することとしてはどうかと。また、実施率等の向上のため、これまでの取り組みに加えて、ICT活用の推進等も進めていくこととしてはどうかとしております。
続いて、特定保健指導対象者の医療機関受診時の取り扱いについてでございますけれども、12ページ、まず指摘事項としまして、特定健診の質問票で服薬中と回答した者は特定保健指導の対象外となっているところ、特定保健指導実施中に服薬を開始した者については、特定保健指導の対象者であり、実施率の分母に含むこととされているということを指摘されております。
現状のルールの確認ですけれども、薬剤を服用している者に対する考え方としては、糖尿病、高血圧症等の薬剤を服用している者については、既に医療機関において医学的管理の一環として必要な保健指導が行われており、別途重複して保健指導をする必要性が薄いという考えのもと、保険者の判断により、かかりつけ医と連携した上で保健指導を行う。特定保健指導の対象とはしないこととされていると。その際も、保険者の判断により、かかりつけ医と連携した上で、保健指導を行うことも可能とされていると。
実施率における取り扱いについては、特定健診実施後及び特定保健指導実施後に生活習慣病に係る服薬指導を開始した場合は、特定保健指導の要否について判断することとされているところですけれども、特定保健指導の実施率においては、実際の特定保健指導の実施有無にかかわらず実施率の計算対象となるというのが、現状のルールでございます。
論点といたしまして、13ページでございますけれども、特定保健指導対象者が糖尿病等の生活習慣病に係る服薬を開始した場合等についての実施率についてどう考えるか。また、もう1つの論点として、糖尿病等の生活習慣病等以外で医療機関に受診した場合の取り扱いについてどう考えるか。
見直しの方向性ですけれども、特定健診実施後及び特定保健指導開始後に糖尿病等の生活習慣病に係る服薬を開始した方については、医療機関において医学的管理を受けており、特定保健指導を実施しないと判断された場合には、保険者が対象者ごとにその判断を受けたことが分かる形で報告をいただいた上で、実施率の計算において、分母に含めないことも可能としてはどうかと。
2点目、それ以外の疾病で医療機関にて受療中の方や、糖尿病の服薬を行っていない方について、生活習慣病に関して、保健指導により健康の保持に努める必要があり、特定保健指導対象者であるため、当然、実施率についても、分母として含めることとしてはどうかということで、ご提案させていただいております。
最後、特定保健指導の実施者についてでございますけれども、15ページをお願いいたします。現状ですけれども、特定保健指導について、初回の面接時の行動計画の策定等については、医師・保健師・管理栄養士が行うこととされている。また、制度開始当初より、産業保健の現場で事業者が雇用する看護師が従業員の健康管理・指導等を行っていた実績を考慮し、「一定の実績を有する看護師」については、経過措置として、制度開始当初より、これらの業務が可能としており、見直しごとに延長されてきたということがあります。
今回、その取り扱いにつきましては、見直しの方向性(案)のところですけれども、特定保健指導の実施率向上のためには、実施者の確保が重要であり、看護師も一定量の特定保健指導を担っていると。左下にグラフをつけておりますけれども、初回面接の実施者のうち5.4%を看護師がやっていただいているということがわかっておりますので、このため、平成20年度から一定の要件を満たして特定保健指導を実施している看護師については、引き続き従事できるよう、令和11年度末まで暫定期間を延長してはどうかということを提案しております。
以上でございます。
(津下主査) ご説明ありがとうございました。
それでは、見直しに向けた検討事項は3点ございますので、順に議論をしたいと思っております。
まず、第4期特定健康審査等実施計画における目標値についてということで、また、実施率向上策について、10ページのところに論点が掲げられております。これについて、これまでどおり、この目標値を掲げること、またそれについてどう考えるか。また、特にこれは健診のことが書かれておりますけれども、実施率向上の取り組みについて、どう考えるかということが、この論点となっておりますが、いかがでしょうか。事務局案では、第4期の目標も、第3期に引き続き、国全体としての目標については、健診受診率70%、保健指導実施率45%、メタボ該当者・予備群の減少率25%ということになっております。これは起点が2008年度ということでちょっと時間が経ってきていることはありますけれども、第3期を踏襲してはどうかということで挙げられておりますが、ご意見はいかがでしょうか。安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) 目標値の設定について、特に反対はありません。反対する意見ではございませんが、2点申し上げたいと考えております。
1点目は、特定健診の受診率向上のための方策でございます。各保険者において、特定健診の目標を達成することに向けた努力は当然必要であると考えております。協会けんぽにおいても、従前の取り組みを強化するとともに、新たな努力を今後していきたいと考えています。ただ、被用者保険では特にそうだと思うのですけれども、協会けんぽが力を入れて推進しているのが、事業主健診データの取得でございます。2020年12月に、新たに示された保険者に対する事業主健診データの迅速かつ確実な提供スキームについては、まだまだ浸透していないというのが私どもの認識でございます。協会といたしましても、事業主団体であるとか、健診団体、医師会など、関係団体に協力依頼を行って、周知、広報には努めているところでございますけれども、まだまだこのスキームの浸透には至っていないというところがございますので、この現在の状況について、あるいは今後の方策について、どのようにお考えになっているのかを教えていただきたいというのがございます。
もう1点でございます。特定保健指導につきましては、これを見ていただいたらわかるとおり、まだ倍以上やらなければならないということがございます。そういう意味でも、効果を出している特定保健指導がどういうものかということを、各保険者の好事例なんかを収集して、要因を分析するなど行い、関係者間に共有して、効果的・効率的な保健指導を共有することが必要ではないかと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
(津下主査) ありがとうございます。
それでは、河原構成員、お願いいたします。
(河原構成員) 先ほど来、特定保健指導の実施率の話が出ているかと思います。こういう形で目標値をつくるというのは、この目標値自体には賛成とか反対とかという意見は今持っていないのですが、ただ、例えばこの45%にするといったときに、どうやって45%にしていくのかということをもっとしっかり議論をしていかないと、目標は立てたけれども、結局いかなかったということになってしまうのではないかと思いますので、是非、この場などで、実施率がどうして上がってこなかったのかと。通常だと、第3期のときに45%を掲げましたが、実際半分しかいきませんでしたと。では、何で半分しかいかなかったのか。では、次は第4期で45%にしますといったときに、何が課題で、何をどうやれば45%にいくのかということをしっかりやる、議論をするのが必要なのかなというふうに思っております。
特に私どものような事業者側から見ていくと、やっぱり保険者の方の努力だけではなくて、事業主の方々の協力とかが必要だろうというのはわかっておりますが、では、それは具体的にどういうことをやったらいいのかとか、対象者の方々に、もっとどういうリテラシーとか意識を持ってもらったらいいのかとか、そういうことは少し細かく方向づけをしないと、せっかく立てた目標がまた絵に描いた餅になってしまうのではないかと思います。そういったことで議論をする機会があれば、この場で議論ができればというふうに思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
小松原構成員、お願いいたします。
(小松原構成員) 
全体の目標を下げることは国としてできないと、重々理解をしております。それから、河原構成員の発言に、45%と20数%という、この乖離をどう埋めていくか第4期にかけて真剣に考えていかないと、これは絶対に埋まらないと思っています。
今までは、保険者インセンティブ等いろいろな形で、実施率を上げようとしていたと思うのですが、それも限界に来ていると思っています。対象者がこの仕組みに参画しやすいようにして、事業主がこれに協力できる仕組みに変えていかないと、保険者のお尻をたたいて、45%を頑張ってやりましょうと言っても、毎年1%上がるのがもう限界という状態です。現にコロナがあったので、1%が上がっていない状態になっています。6年後を考えると、頑張っても6%ぐらいしか上がっていないと思います。それで45%という目標を掲げても、絵に描いた餅になってしまうので、保健指導のやり方も抜本的に変えつつ、参加者、企業や対象者が参加しやすい仕組みも、あわせて考えていただきたいと思います。
(津下主査) ありがとうございます。
古井委員、お願いします。
(古井構成員) ありがとうございます。
実施率向上策のほうですが、先ほど申し上げたように、共通の要素というのと、保険者の種別によって異なる要素と、2つあるかと思います。保険者の種別は置いておきますと、共通して言えることは、特定健診と、特定保健指導、重症化予防も含めた健診後の保健事業が別々になってしまっているのは、非常にもったいないと思います。特に特定保健指導とか重症化予防というのは、特定健診の結果に基づいてフォローされるものですので、なるべく特定健診の結果を丁寧に戻していくことが大事です。
国保では、集団健診を含めて丁寧に健診結果を戻して、そして保健指導をやっているところは実施率が高い構造は、先進事例で示されているかと思います。東京都の区市町村国保では、医師会、健診機関から健診結果を丁寧に返したときに、保健指導の実施率が大体2倍になったという事例があります。協会けんぽの東京支部では、健診機関から受診勧奨すると、医療機関への受診が2倍超になりました。そういった実際の取組がありますので、基本的に、健診とそのあとのフォローが大切だということです。
それから、保険者種別では、例えば被用者保険では、今おっしゃっていた事業主がどうやって連携しやすいようにするか、国保では医師会と連携していく構造を、丁寧に明示をしていく必要があるのではないかと思います。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。具体的な例示もありがとうございました。
三好構成員、お願いいたします。
(三好構成員) ありがとうございます。
こちらの目標値に対して、第4期もこのまま継続でということでいいと思っております。それから、今回、評価指標へのアウトカムの導入が今検討されているところですが、それにあわせて行動変容なども前向きに評価していけるような仕組みを運用することが、1つ突破口になるというか、ご本人の生活をうまく変える、健康のほうに向けていくための指標にする、そのこと自体が意味を持っていけるように、方法的にもポピュレーションアプローチなどもうまく生かしていくことが、今後、実施率を上げる方向にもつなげられないかなと、先ほどの議論から思っていたところです。
今回は、本当に大きな改革の1つだと思っておりまして、ポピュレーションアプローチをうまく組み合わせるというご紹介がありましたが、そこをいかに生かしていくか。国保としても、保健指導の実施率を上げること自体は苦戦しています。いずれの保険者も厳しい、健診よりもさらに難しいのかもしれません。そのあたりは、各保険者も、連携するような取り組みに、今回の改定は生かせるのではないかなと思ったりもします。よろしくお願いします。
(津下主査) ありがとうございます。
田中構成員、お願いいたします。
(田中構成員) お願いいたします。
この目標はなかなか達成されないというところですけれども、保険者によって全く違うという現況もある中で、長野県でも、保険者協議会という機能を生かしまして研修等行っております。特定健診や保健指導の実施率の向上や保健指導の質の向上など、今年も研修を行うにあたり保険者の皆さんと話をしました。やはりメタボの改善はとても難しく、皆さんはどのような保健指導をしているのだろうという話になり、そのような情報を私たちは全く把握していないという事で、これからみんなで一緒に考えていくような研修会をすることとなりました。教材の学習や成功事例を情報交換しながら、保険者の枠を超えて地域全体で特定健診・保健指導の実施率を上げ改善を目指していくということを考えていきたいと思っております。
(津下主査) ありがとうございました。
委員の皆様からは、目標値の設定については、お示しのとおりでいいのかなと。ただ、目標値を掲げるだけではなく、そこを縮めていく策が必要ということでした。保健指導の見直しなどもそうですし。それから、本人が健診のメリットを感じられることが重要と思いました。たとえば、現在デジタル化が進んでいますが、PHRなど健診データがあることが、本人にとっても、医療を受けるときなどに有利となるとよいかと思います。その人の普段の健康状態がわかることが、治療方針を立てる際などにどういうメリットがあるかということなども、よりちゃんとお知らせしていくこと。健診データをきちんと説明するということもそうですし、健診を受けてよかったということをどう実感していただくか、そういうことが必要なのかなと思いました。健康経営、PHR、それから重症化予防等で、健診データから対象者を抽出したり、さまざまな使われ方をしている中で、受診率向上策を具体化していくというのが大事かなと思います。
河原構成員、お願いいたします。
(河原構成員) 私ども事業者のほうで、特定保健指導の実施率を上げている事例などがいくつかありますので、ちょっとご紹介をさせていただければと思います。被用者保険の中では事業主との連携が大変重要かと思います。今やはり事業主の方は、健康経営に関して、関心がすごく上がってきています。SDGs、ESG、人材投資ということも、追い風となっています。そういうことも含めて、健康経営への取組みが非常に加速しています。健康経営度調査票の中に、特定健診・特定保健指導の実施の協力の項目があります。これは、例えば勧奨を行っているかとか、特定保健指導の実施の場を提供しているとか、就業時間内に認めているとか、経営層がそういったことに関心を持っているとか、ということがありますので、事業主側からそういったアプローチをしてもらうような働きかけをしているということに呼応して、保険者側からも、同じような方向で連携をしていくことが事業主の方との連動が図りやすいかと思っています。
また、やはり数字で物事を語るということがとても大事で、そういう意味だとスコアリングレポートの活用をもっと進めていく。あれは、企業のトップの方が見ているケースというのは、そんなに多くないと思うのですね。そういったものをもっと経営陣に活用していただくというものもいいかと思います。
それと、先ほど健診の受診率向上策のスライドがありました。取り組んだものと効果があったものという形で、青と赤と線があったかと思うのですが、やっぱりメールアドレスとか電話というものが、すごく効果があります。私どももメールで勧奨したりとか。ここですね。ここを私は見て思ったのですが、要は、この青の棒に対して赤の棒が占める割合が高いところが、効果が高いということですよね。だから、ここの、ハガキ、手紙、e-メールと電話のところが高いということになっているかと思うのですが、要は、個別に話をしたり、個別に通知をしたりする機会が多いほど効果が高いと思っています。しかるに、今、保険者の、被扶養者の方に対する電話番号とか連絡先というのはなかなか保有されているところが少ないと思っています。そういう対象者の連絡先をある程度確保して、活用していけたら、有効な勧奨につなげられると思っています。
あと、利便性の向上ということでは、やはりICTの活用が、さまざまな職場において初回支援を可能にするケースがあります。特に、交通事業者さん、バスとかタクシーの運転手の方とか、あるいは店頭販売をされている方とか、営業の方などは、非常に受けやすい状況がありますので、そういったICTを推奨する。
そして、最後なのですけれども、やはり特定保健指導は、もう13年たって、なかなかネガティブなイメージを持っている方もいらっしゃいます。7割以上の方が受けないわけですから、やっぱり特定保健指導を受けると、ちょっと我慢しなさいとか何か厳しいことを言われるみたいなイメージを持っている方がいらっしゃるということはあるかと思いますから、そういったものを何か払拭する形の対応がとれたらいいのかなと思っております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。具体的な例示等をいただきました。個別的に、あなたが対象ですということをきちんと伝えるということも重要ですし、特に脱落防止のときに、保険者、企業の連携があると、保健指導機関がいくら呼びかけても反応してくれない場合にも反応していただけることになる。関係者が協力して行うというのが、脱落防止にもつながるという事例もありますので、今後とも、そこの実施率向上に向けて、保険者だけではなく、全ての関係者が協力していくというのが重要かなと思いました。
事務局に伺いたいですが、これでよろしいでしょうか。目標値の論点でございますが。
(水谷医療介護連携政策課長) 医療介護連携政策課長です。どうもありがとうございます。
目標値につきましては、この第3期の目標を全体として維持することについては、おおむねご了解いただけたのではないかと思っております。一方で、その実施率の向上策につきまして、保険者だけでなく、事業主あるいはその実際の加入者の方々のご協力が必要である。これはもうおっしゃるとおりだと思います。まさに、三好委員がおっしゃられたとおり、今回、先ほど議論いただきました評価体系の見直しの中で、アウトカム、あるいは行動変容、こうしたものを評価していく流れの中で、改めて加入者に対して訴求するような、そうしたことも含めて必要だと思います。
また、私どもは、経済産業省のほうと、そうした健康経営などの取り組みにつきましては、連携して対応しておりますので、そうした面からも取り組みを深めていきたいと思います。
冒頭、安田委員からご指摘ございました事業主健診情報の活用につきましては、先般の健康保険法の改正におきまして、40歳未満の事業主健診情報につきましても「保険者から求めた場合、事業主は提供しなければならない」、そうした規定が今年1月から施行されてございます。
40歳未満だけに限らず、40歳以上も含めまして、こうした事業主健診情報を保険者に集約していくためには、単にこうした規定が施行されるというだけではなくて、さまざまな環境整備が必要だと思っております。そうしたことにつきましては、今、この場には事業主の方はいらっしゃいません。事業主の方も含めた中できちんと議論をして、そうした環境整備を進めて、まさに事業主健診情報を保険者に集約し、コラボヘルスを推進して、加入者の方の健康づくりを進めていくのだ、そうしたことを事業主も含めて認識を共有した上で、そうした環境整備のもとに進めていくということが重要だと思っておりまして、そうしたことについては、また別の場でご議論いただきたいと考えております。
以上です。
(津下主査) ありがとうございました。
それでは、次の論点ですが、特定保健指導対象者の医療機関受診者の考え方についてということで、資料13ページにありますけれども、受診勧奨して受診したとき、服薬が始まってしまうと、特定保健指導としては脱落の扱いになってしまうと。これは修正しなければいけないというご意見だったと思いますが、事務局案につきまして、ご意見等をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。小松原構成員、お願いいたします。
(小松原構成員) 
事務局ご提案の分母に含めない、ことについては、一定程度、我々も評価しております。ただ、特定健診を受けて、その検査結果をもとに、保健指導介入前に医療機関にかかられている場合、分母から外すのは、賛成です。しかし、保健指導介入をして、専門職のアプローチによって、受診をされた場合は、そこの保健指導介入したという行為に対し、評価をしていただきたいと思っています。これで支援終了がいいのかどうか、それはまた別の議論はあると思いますが、例えば動機づけ支援相当とし、最終的にその後の経過を確認する等、何かそういった介入に対する評価を検討いただきたいと思います。
(津下主査) ありがとうございました。
安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) ありがとうございます。
方向性について特に異論があるわけではないのですけれども、実務上、これをどうやって、やっていくのかというところについて、検討が必要だと考えております。医療機関において、「特定保健指導を実施しないと判断された場合」となるのですけれども、いつの時点で、どこから、どのような形で保険者に情報が来るのかなど、実務上、実施可能な方法を検討する必要があるのではないかと考えております。
以上でございます。
(津下主査) ありがとうございます。
中西構成員、お願いいたします。
(中西構成員) やはり現場で何が起っているのかといいますと、内服自己中断をしてしまい、そして重症化になってしまうという方が非常に多いです。ということも考えますと、やはり特定保健指導の最中に服薬が始まり、服薬指導という保健指導で効果が得られれば、それは1つ評価できるのではないかなと考えます。以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
そうしますと、小松原構成員、中西構成員は、分母、分子とも含むというような提案をされているという理解でよろしいでしょうか。
(中西構成員) はい、そうです。
(小松原構成員) 積極的支援で残すという分母、分子ではなく、中西先生からの発言のような服薬等が継続されているかどうかなど、経過確認をとる介入、保健指導が必要と思っているので、動機づけ支援相当でもいいと考えます。つまり、180ポイントの介入は要らないのではないかということです。
(津下主査) ありがとうございます。
今、受診勧奨の話も、技術的事項のワーキングでも話題になっております。受診勧奨しても受診しない、医療機関へ行っても、まだこのぐらいだから薬は要らないよと言われてというような話もあります。受診勧奨の扱いについては、どういう目的で受診していただくのか。また、数字が非常に高い場合には緊急性が高く、すぐ服薬なのだけれども、例えば血圧でも140から159ぐらいですと、まずは生活習慣改善とか、糖尿病でもまずは生活習慣改善から入っていって服薬が始まらないという期間もありますので、そういう診療とのちょうど接点の部分について整理すべき段階にきていると思います。制度開始時点では、なるべく医療と特定保健指導の接点が小さい形で整理されたと思うのですけれども、今、重症化予防など受診勧奨という事業が進んできている中で、どう評価していただくかというのは、重要な点ではないかなと思います。少なくとも脱落になってしまってはいけないのですけれども、さらにプラス評価をしていただけたほうがいいかなというのが、この構成員の皆さんのお考えではないかというふうに思っておりますが、引き続き、省内でご検討いただけますでしょうか。
(水谷医療介護連携政策課長) はい。いただいたご指摘を踏まえて、検討させていただきます。以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
それでは、最後の論点でございます。特定保健指導の実施者について、15ページにございますが、一定の実務の経験を持った看護師が実施することも引き続き可能にしてはどうかというご提案でございますが、これについてはいかがでしょうか。安田構成員、お願いいたします。
(安田構成員) ありがとうございます。実施者についてでございますけれども、まず、今5.4%という数字を出していただきましたが、この数字というのは経年的に今まで減ってきているのか増えているのかというのが、1つ論点になるのかなと思っております。
あともう1つは、保健師が不足していて、なおかつ、この看護師の手を、力を借りなければ、いまだに保健指導の実施に差し障りがあるのかということが課題になるのかなというふうになっておりますので、看護師の方が、先ほど申し上げたとおり、経年的にどのぐらいこの業務に携わっているのかを保健指導の効果を検証しつつ、延長の必要性を判断する必要があるのではないかと考えます。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。従前でもう特定保健指導に従事されている看護師さんが、保健指導できなくなるということについては、ちょっとそれは避けたほうがいいのかなというふうには思いますが、今後、積極的にこれを進めていくかどうかというのは。保健師という資格ですね。田口構成員から、少し何かコメントがあれば。
(田口構成員) ありがとうございます。継続して保健指導をされている方なので、ある程度、保健指導の質は担保されていると思いますし、マンパワーの不足もあるかと思いますので、このまま継続していいのではないかと思います。
(津下主査) ありがとうございます。
ほかにはよろしいでしょうか。この件については、この方向で継続してはどうかというのが構成員の合意ということにしたいと思います。
そのほか、何かよろしいでしょうか。事務局よりご提示いただいた論点については全て議論したということになろうかと思いますが、追加的に何かご発言等があれば。三好構成員、お願いいたします。
(三好構成員) ありがとうございます。
途中で気になっていた点があって、質問を含めて意見を申し上げたいと思います。
6ページ。もしかしたらページが違うかもしれません。メタボリックシンドローム該当者及び予備群等の減少率ということで、表にしていただいているページがございましたが。こちらです。関連の3つの目標値の変更はしないということだったのですが、この減少率に関しては、リピーターなどの対象者も含んだ形で、変わっていっているのか、ここには実施数がないのと、その内訳などが分析されているのであれば、教えていただけたらなと思っていたところでございます。
以上です。
(津下主査) ありがとうございます。
事務局より、何かこのデータについてのコメント、詳細には参考資料2のほうにはありますけれども、いかがでしょうか。
(堤医療費適正化対策推進室長) 事務局でございます。
メタボリックシンドローム該当者割合のこの減少率の数の中で、リピーターなどの細かい分析については、今手元に数値は持ってございません。
以上でございます。
(津下主査) ということで、減少率がちょっと低下しているという感じになっていると。
(三好構成員) 予備群が増えているから、結果として対象とする人も増えてきているのだなと思うのですけれども、減少率も上がって。下が直近なので、減少率もよくなってきているということで見てよろしいのでしょうか。
(堤医療費適正化対策推進室長) すみません。この減少率の数字はわかりにくいのですけれども、2016年度、15.5%減少していたところ、その減少率が10.9%になっているということで、数値としては悪くなっているという解釈でございます。
(三好構成員) 逆に、悪くなっているとしたら、前にも議論になっていたもう少し精緻な分析から、どこをターゲットとして見ていかないといけないのか。丁寧に実施上の課題を減らすといいますか、その取り組みに向けた検討を進めやすくしていただけるといいのではないかと思いました。以上です。
(津下主査) ありがとうございます。そうですね。残念ながら、ここの6ページの表を見ますと、2016年度と比較すると、その減少率が小さくなっているということになっています。1つには、健診受診率も上がってきて、掘り起こし効果なども言われているということもありますし、これは保健指導を受けていない人が多い中でのデータになっているということになりますので、やはりポピュレーションというか、保健指導実施率を上げるとともに、そのメタボというのは既に解消した話題ではなくて、なかなか手ごわいぞということを実感させる数字ではないかなというふうに思っております。健康日本21(第二次)の中間評価までは下がってきたのですけれども、最近どうも増えてきているというような結果が国民健康・栄養調査からも出ています。まだまだこれは解決済みの課題ではないという認識は、この数字を見て思うところでございます。
ほかによろしいでしょうか。全体を通じて、事務局より何か確認しておきたいこと、このような議論で本日はよろしいでございましょうか。
(水谷医療介護連携政策課長) 事務局から特にございません。どうもありがとうございます。
(津下主査) ありがとうございました。
ということで、本日の議事につきましては、多くのご意見をいただきました。ただ、全体的に、第4期に向けて議論はまとまりつつあるのかなというふうに考えております。今後、いただいたご意見は整理をしていただいて、次回につなげていただければと思います。
それでは、事務局から次回の日程と連絡事項をお願いいたします。
(事務局) 次回の日程は、事務局で調整の上、改めてご連絡をさせていただきます。
(津下主査) それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
お忙しい中、ご参集いただき、活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
〔了〕