第27回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録

医政局研究開発振興課

日時

令和3年12月23日(木) 10:00~12:00

場所

磯村ビル3階

議事

議事内容

○医政局研究開発振興課治験推進室長補佐 ただいまから、第27回厚生科学審議会臨床研究部会を開催いたします。本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、Webで開催いたします。

 会議全体でのお願いとなりますが、Webで参加されております委員の先生方におかれましては、御発言前にシステムの機能から「参加者リスト」を表示いただき、「手を挙げる」ボタンをクリックしてください。部会長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言いただきますようお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートするとともに、「手を挙げる」ボタンを再度クリックし、手を下げた状態にしていただきますようお願いいたします。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしておりますWeb会議マニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。

 本日は、部会の定数14名に対して、全員の先生に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。

 続いて、本日の会議資料についてですが、会場参加の委員の皆様におかれましては、お手元のタブレットを操作して御覧いただくようお願いいたします。Webで御参加の先生方におかれましては、事前に送付しております資料、あるいはWeb上での資料を御覧いただきますようお願いいたします。資料は、資料12、参考資料1から3となっております。不足等ありましたら、事務局宛てに御連絡をお願いいたします。

 円滑な議事の進行のため、撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。以降の進行については、楠岡部会長にお願いいたします。

○楠岡部会長 それでは、早速議事に入ります。議題1は「臨床研究法に関する検討について」です。事務局より資料1の説明をお願いいたします。今回は、各課題について説明をしていただいた後に議論を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 資料1、臨床研究法の見直しに係る各論点の説明をいたします。統合資料の4ページからを御覧ください。前回の部会で議論いただきました中間取りまとめについては、お陰さまで1213日にホームページに公表することができました。誠にありがとうございました。今回は、この中間取りまとめにおいて引き続き検討とされた論点を御検討いただくとともに、個人情報保護法の改正に基づく対応についても御報告をさせていただきます。

 5ページが今回御議論いただく各論点となっております。順次御説明させていただきます。

 6ページを御覧ください。適応外薬等に関する特定臨床研究の適用範囲についてです。課題と今後の方針案の中間取りまとめの3ですが、「適応外医薬品等を使用する研究であっても、各種の情報に基づき、そのリスクが承認を受けた用法等と大きく変わらないことが明らかなもの」とあります。こういったものについては、特定臨床研究の範囲から除外する方向で見直しを進めるべきとされました。また、このような場合、特定臨床研究の範囲から除外するかどうかに当たっては、根拠となる情報に基づいて厚生労働省が専門家の意見をお伺いする形で制度を構築するべきとされたところです。

 7ページを御覧ください。今回お示しするのは、この該当性判断の手順についてです。まず、研究をなさる学会、あるいはこの「等」の中には個人の方も入ってくると思いますけれども、適応外医薬品等における特定臨床研究の該当性に関して申出をしていただきます。申出先は事務局とし、研究開発振興課に御提出いただくことになろうかと思います。臨床研究部会の下に専門委員会を設けさせていただき、この該当性判断の申出についての御評価を頂くことになります。ここに四角枠で囲っておりますとおり、適応外の用法・用量等が既承認の内容と同程度のリスクかどうかといった観点から御判断を頂き、適する場合には、当該用法・用量等を特定臨床研究から除外するということで、これは行政側で除外の手続を取らせていただきます。また、この専門委員会における審議の結果については、定期的に臨床研究部会に結果を報告させていただきたいと考えております。

 8ページを御覧ください。この専門部会において該当性を判断する際の視点の例を提示させていただきました。1つ目の○ですが、当該用法・用量について、十分な症例数が組み入れられた適切なデザインの臨床研究における安全性の情報が存在するということで、これは、例えば海外などでかなりしっかりした論文などが出ている結果を日本でも適用するようなケースが想定されると考えられます。

 2つ目の○は、既承認の用法・用量より少ないなど、既承認の使用方法に比べてリスクが低いことが判断できるというもので、これまで低用量プロトコルとして申し上げてきた中身になろうかと思います。

 3つ目の○は、日本医学会所属分科会等による診療ガイドラインといったものにおいては、十分な根拠に基づいて様々な使用法について推奨度を変えて提示をされているようなものがありますので、十分な根拠に基づいて当該用法・用量に関する使用が推奨されているようなものが視点として考えられますが、今後この専門委員会で判断を蓄積していくことにより、この判断の視点についても、より具体的あるいは追加をした形での整理ができてくると考えており、こういったものも逐次部会にも紹介をさせていただければと考えております。

 続いて、9ページを御覧ください。疾病等報告の期日に関する議論です。現状について、既知かつ重篤な有害事象の報告期日が論点となっておりました。現行では、未承認・適応外の医薬品については、定期ということで年1回をめどに報告を頂いております。既承認医薬品については、症例が発生するごとに30日以内の報告を求めております。この点について、想定されるリスクと報告期日が相反しているのではないかとの指摘がありました。

 前回までにお示しした方向性についてです。論点の所にありますように、研究対象者の安全の確保という制度趣旨に立ち返って、改めてこの取扱いを検討するということで、その下の検討の方向性ですが、未承認・適応外の医薬品に関しては、既承認のものに対して情報が少ないということもありますし、既知とはいえ重篤な疾病の発生は非常に大きな問題であることから、合理的な期間を設定して、これは症例ごとにCRBへの情報提供が必要ではないかという提案をさせていただきました。一方で、既承認の医薬品等に関する既知の副作用については、重篤なものも含めて通常の診療においても起こり得る事象であり、定期的な報告としてはどうかということでお諮りをしたところです。

 前回までに頂いた御意見です。特に未承認あるいは適応外の医薬品の取扱いに関して、がんの研究などでは既知の重篤な副作用について非常に発生頻度が高いこともあり、個別事案ごとに検討することに余り意味がないということ、また、頻度が高くなれば未知として取り扱われることもあり、個別の報告については煩雑ではないかとの御指摘も頂いたところです。一方で、ゲフィチニブの例においても、既知の事例において発生頻度が高くなれば、未知と判断されるという運用については、実態上はなかなかその頻度の評価が難しいところもあり、また、がん以外の領域も考えると、なべて定期というのはやはり問題があって、個別にCRBに報告をしていただくことが望ましいといった御意見を頂戴したところです。

 10ページの中間取りまとめですが、この中では合理的な期日について引き続き検討を進めるべきということで取りまとめを頂きました。

 11ページを御覧ください。これまでの議論を踏まえて、改めて検討の方向性ということで、この取扱いについての提案をさせていただくものです。まず、1つ目ですが、未承認・適応外の医薬品の臨床研究については、先ほど申し上げたとおり、既承認に比べて情報が少ないということもありますので、研究の継続の可否や計画の変更の要否などについて判断を仰ぐことが引き続き重要と考えておりますので、原則として30日以内の報告とさせていただきたいと思います。

 しかしながら、抗悪性腫瘍剤等の臨床研究においては、もともと研究の特徴として既知・重篤等の疾病などが数多く発生するということで、研究の実施体制の中で、研究組織から独立した形で効果安全性評価委員会が設置されることがあります。この効果安全性評価委員会については、研究中に発生する安全性データについて、研究組織から独立した中立的な評価を行った上で、必要に応じて試験実施者に適切な助言・勧告を行うということで、場合によっては試験の中止あるいは計画の変更といったことを提言するような立場にあります。こういった委員会の業務の中で既知・重篤の疾病についても、発生頻度が従来の知見を上回ることがないか、あるいは対照薬に比較して問題となるような発生頻度になっていないかというようなことが検討されております。

 このように、臨床研究の計画上、研究の実施体制とは独立をした効果安全性評価委員会が設置されて、安全性が評価されている研究については、仮にそれが未知・適応外の医薬品であっても、既知・重篤な疾病等のCRBへの報告は定期としてはどうかと考えております。

 なお、既承認の医薬品等の臨床研究で発生する既知の副作用については、前回示したとおり、重篤なものも含めて通常の診療でも起こり得るという観点から、定期的な報告とさせていただいてはどうかと考えております。

 また、この効果安全性評価委員会ですが、薬機法の側ではGCP省令に位置付けられており、ガイドラインで業務や体制などについても規定がありますので、その辺りを参照しつつ規定をしていくことになろうかと思います。

 12ページを御覧ください。認定臨床研究審査委員会の更新要件についてです。こちらについては、前回取りまとめをしたものの中身となります。一番下ですが、更新要件について、この中間取りまとめの方針「新規の審議件数は3年間で6件以上(ただし、毎年1件以上)、かつ、開催回数については毎年7回以上」に基づいて、施行規則の見直しを行わせていただきたいと考えております。

 13ページを御覧ください。届出・変更手続の合理化についてです。こちらについても、取りまとめの中で、研究の本質に関わらないような事項を軽微の変更とするとともに、軽微な変更も要らないようなものについて、届出の項目と公開データベースであるjRCTへの掲載項目を分離すべきということで、取りまとめを頂いたものです。

 これに基づき、次の14ページで、軽微な変更とするもの、それからjRCTの掲載項目とするものを改めて提示をさせていただいております。軽微な変更の事項としては、ここにありますように、研究に従事する方の氏名・連絡先・所属機関などの形式的な変更、試験の苦情等受付窓口の変更、実施医療機関の管理者の氏名の変更、実施の可否に関する管理者の承認に伴う変更、実施状況の確認の変更、CRBの名称・連絡先の形式変更などを軽微の事項としたいと考えております。また、そのほかに研究実施の適否・留意事項に影響を与えない変更として、これは局長通知で具体的に規定をしてお示しをさせていただきたいと考えております。

 また、下の○ですが、jRCTへの掲載項目のみとして届出からは除外をする項目としては、多施設共同研究における各機関の問い合わせ窓口、こちらはメインの窓口のみを残すという形にしたいと考えております。データマネジメント担当、モニタリング担当、監査、研究開発支援、調整管理実務それぞれの機関責任者についても、公表項目のみとして届出からは外させていただきたいと考えております。

 続いて、15ページを御覧ください。先ほども申し上げました改正個人情報保護法の施行に伴う臨床研究法制における対応について御説明いたします。これまで、臨床研究における個人情報の保護に関しては、個人情報の保護に関する法律(個情法)の従来の取扱いとして、図の左側に現行法とありますが、大学などの学術研究機関等が学術研究の用に供する目的で実施をするといった個人情報の取扱いについては、個情法における個人情報取扱事業者の義務等は適用が除外されてきたところです。このため、臨床研究法施行規則において個人情報保護法と同様の規定を置いて、個人情報の取扱いを規定してまいりました。

 このたび、個情法において令和3年度に改正があり、これが令和441日から一部施行されます。図の見直し後という所ですが、基本的には学術研究機関等の学術研究に対しても個情法の規定が適用することになりました。その上で、義務の規定ごとに、例外のない規定、赤の部分で学術研究においても求められる手続と、それから、学術研究に対して例外規定を置いている部分、青の四角枠ですが、利用目的などの3つがありますが、こうした形での規定が置かれることとなりました。

 このような背景の下、令和441日以降、改正個情法の施行以降には、臨床研究法下における研究においても、この個情法の適用を受ける部分が出てまいります。このため、個情法との手続あるいは法令の重複を避けるという観点で、重複をしている部分、具体的に言いますと、図の中の赤の部分、安全管理措置等、保有個人データの開示等の部分になりますが、この部分については、臨床研究法のほうから削除を行うための施行規則の見直しを行いたいと考えております。特に後半にお示しした部分については、法律の改正の前に速やかに改正ができるものとして、施行規則の改正をさせていただきたいと考えております。参考資料1-2に改正の概要を書いておりますが、本日の部会で御議論いただいた上で、所定の手続を進めたいと考えております。説明は以上です。

○楠岡部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について御議論いただきたいと思いますが、5つの項目に分けて順番に進めていきたいと思います。

 まず、最初に適応外の部分に関してですが、これに関して御意見があれば「手を挙げる」ボタンでお願いしたいと思います。いかがでしょうか。藤原委員、お願いします。

○藤原委員 8ページの妥当性判断における視点の例として、今後、専門委員会で検討されていくのだとは思いますが、対外的に示すときに、今は保険診療上では社会保険診療報酬支払基金の審査情報提供事例というのが適応外の保険償還には普通のように使われていて、この社保の審査情報提供事例というのは、社保の基金の中にある審査情報提供委員会で様々なガイドラインを確認した上で事務連絡が出ているので、結構揉まれて保険償還が可能になっているので、この例示もしていただければなというように思います。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。実質的には、御指摘のように、エビデンスに基づいて御判断をされているものというように理解しております。一方で、役所側の理屈のようなことを申し上げて大変恐縮なのですが、あくまで保険の適応をするという観点での中身に対して、こちらは承認のものとのリスクの中身ということで、実質上、今、御指摘を頂いたようなものは、実は3つ目の「診療ガイドライン等において」という部分で、私どももある程度は想定をしていたところですので、そこは今後、制度の周知をする中でも誤解のないようにお知らせをしていきたいと思います。

○楠岡部会長 ただいまの藤原委員の御質問の趣旨は、この専門委員会での結果というのが個別研究に対する判断であるので、それを取りまとめて一般化した形で公表をしてほしいという御趣旨ですか。

○藤原委員 対外的に、そういう審査情報提供事例というものがあるということが余り医者の中で周知されていないところもありまして、こういう機会ですので、こういった公表資料の中にその名前が入るといいかなと思った次第です。

○楠岡部会長 分かりました。ありがとうございます。それでは、がんセンターの佐藤委員、お願いいたします。

○佐藤()委員 特に出た点に関連してなのですが、多分検討はされているとは思いますけれども、ここで判断された事例に関しては、できるだけ公表をしていただいて、同じような事例であれば、専門委員会に諮らず判断できるような形で運用をしていただければなと思います。

 もう1つ、多分これも大丈夫だとは思っているのですが、用法・用量だけではなくて、効能・効果、例えばオペ後に使うステロイドをオペ前に使うという臨床研究があったときに、これは適応外なのですかというところが、用法・用量は変わらないのですけれども、効能・効果の点で迷った事例というのは当院でもありました。それは結局、地方厚生局に聞いても判断が付かず、CRBで判断という形になって運用したものもありましたので、多分これも自然とされることにはなるとは思うのですが、判断の観点に入れておいていただければなと思いました。以上です。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。適とされたものについては、役所のほうで手続を取ると申し上げましたが、ホームページ等で分かりやすい形で公表させていただきたいと思います。おっしゃるように、効能・効果も含めて判断をさせていただくということになるので、この辺りは、また運用の通知などにおいて、中身について少し詳しく説明ができればと考えております。

○楠岡部会長 それでは、近藤委員、お願いいたします。

○近藤委員 今、佐藤(暁)委員がおっしゃったように、他の研究で同一のケースというのも申請されることが十分想定されるので、今、野村室長もおっしゃったように、その場合の取扱いというのを講じておくような形で進めていただければというように感じました。以上です。

○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにありますか。よろしいでしょうか。もし、またありましたら最後の所でお願いしたいと思います。

 それでは、引き続いて疾病等報告のほうに移りたいと思います。これに関して御意見があればお願いいたします。山口委員、どうぞ。

○山口委員 質問なのですが、11ページの検討の方向性の2つ目の所に、抗悪性腫瘍剤等の臨床研究においてはということで、「研究組織から独立した効果安全性評価委員会が設置されることがある」という表現が少し気になったのですが、どういうときに自主的に設置されるのか、何か基準が決まっているのか、あるいは抗悪性腫瘍等の臨床研究の中で設置される割合というのがどれくらいあるのかというようなことが少し分からなかったので、その辺りのことを教えていただいてよろしいでしょうか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 効果安全性評価委員会に関する御説明が不足していて申し訳ございませんでした。平成25年に、これは薬機法側になるのですが、こういった委員会のガイドラインが出ておりまして、その辺りの情報から少し御紹介をさせていただきたいと思います。

 まず、設置をするかどうかについては、試験ごとに設置主体が判断をするという形になっていまして、外形的に設置をしなければいけないものというものが定まっているわけではありません。

 実際に、こういった効果安全性評価委員会が設置をされるものというものについて、典型的に言うと、今申し上げたような、医薬品や被験者の特徴などからリスクが高いと想定される試験、いわゆる抗がん剤のように患者さんが重篤であったり、その薬の特徴として疾病や副作用といったものが相当の頻度で発生することが想定される試験、それから大規模かつ長期にわたって、例えば循環器の医薬品のように、死亡あるいは重篤な転帰を評価の対象とするような試験、こういったものについては、定期的にこの委員会が独立して、その人たちだけダブルブラインドを外した形で評価をして、医薬品が有害な影響を与えていないかといったようなものを評価するというケースがあります。

 今回については、こういった評価委員会を置いていただいた研究については、既知・重篤の副作用を定期にしてよいということで、個別の試験ごとにそういったものを置いて評価をするということが規定されている場合において、疾病等の報告を定期にできるというような制度設計にさせていただければという御提案でございます。

○山口委員 はい。よく分かりました。そういうことであれば、そこを経ている場合はというような条件ということですね。よく分かりました。ありがとうございます。

○楠岡部会長 それでは、花井委員、お願いいたします。

○花井委員 今の山口委員の質問の件なのですが、私は効果安全性評価委員会について字面でしか分からなくて実体を知らないので、それを承知の上での意見なのですが、結局これは報告頻度の話をしているので、実際問題として、効果安全性評価委員会が定期報告と同様の頻度であれば、私どもからすると、結局のところコミュニティ以外の第三者的な視点がどの頻度で入るかという問題がこの論点だったのだから、この評価委員会が定期報告と同様の開催頻度であれば、CRB報告と全く同じことになるのではないかと思うのです。この開催頻度との関係は、どのように整理をされているのでしょうか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 試験ごとに、その規模や内容によって、開催頻度も規定をしているということがあるかとは思いますが、御指摘のように、正に年に一度以上の頻度の確認が必要だという心配や懸念ということが前提となっているので、適切な開催頻度については、運用に関して通知などでも指標を示させていただければと考えております。

○花井委員 そういうことであれば、一応CRBの定期報告でも足りるという意味が了解できました。ありがとうございます。

○楠岡部会長 それでは、東京大学の渡部委員、お願いいたします。

○渡部委員 お願いなのですが、この11ページの図に関しては、あくまで情報の流れが変わったということが赤の矢印で示していただいたものかと思うのですが、この青の矢印の所がどういうように変わっていくのかとか、時間軸というのでしょうか、いつまでに報告をする必要があるのかということも、少し分かりやすい形で通知等を出していただければと思います。よろしくお願いいたします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。通知を出す際に、その辺も明らかになるような形とさせていただきたいと思います。

○楠岡部会長 ほかにありますか。私から質問ですが、事例が発生した場合、効果安全性評価委員会への報告期日というのは30日以内なのか、その辺りはプロトコルの中で決めるのかということと、それから疾病等報告となると結構手続が複雑というか、いろいろ書類とかも作成しないといけないのに対して、効果安全性評価委員会にはかなり簡易なメールベースでの報告と、それを事務局が効果安全性評価委員会の委員に送って意見を求めるということで、そういう意味では、かなり簡略な方法も可能なので、比較的、定期開催以外でも臨時に開催することはやりやすいかと思うのです。

 実際、私も効果安全性評価委員会を担当していたこともあるのですが、事務局からメールが来て、これをどう判断するかということで、そして問題になるような事例ではないという判断であれば、それはまとめて定期的に評価委員会を開くときに報告をするということになります。それから、緊急に評価委員会の中で判断をしなければいけないというものに関しては、それは評価委員会をメールベース等で開催してという、それは今、疾病等報告で行われていることを、効果安全性評価委員会というか、研究実施主体者の中でやっていただくという形になるかと思うのですが、その期日の問題とやり方に関しては、何か決めるのか、それとも研究プロトコル上で記載するというような形にするのか、その辺りはどういうような方向になりそうなのでしょうか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 今日は実物を御紹介できておらずに大変恐縮なのですが、薬機法側でデータモニタリング委員会というような言葉でガイドラインが出ておりまして、この中で、この委員会の役割として、被験治療及び対象における有害事象発生率の比較、それから重篤な有害事象に関する詳細な検討など、こういったことも含めて、安全性のモニタリングをするということになっております。

 実際に、どれくらいの頻度で、あるいはどういった速度で報告をしていくのか、研究は様々ですので、余り細かいことを規定してしまってはということがありますが、先ほど御指摘を頂いたように、そもそも年に一度では足りない頻度を適切に評価をするに足りる報告速度あるいは内容で運営をしていただくことが必要になってくるので、その辺の趣旨については十分に理解いただけるように提示をしたいと思いますし、CRDで実施の体制というのを評価していただく際に、この評価委員会の効果安全性評価委員会の設定の中身が適切なのかどうか、もちろんそういったことにも目配りを頂くことになろうかというように考えております。

○楠岡部会長 ありがとうございました。藤原委員、お願いいたします。

○藤原委員 改定の方向性に関してはありがとうございます。ただ、先ほども野村室長がおっしゃってましたが、今後、通知等が出されていくときに1つお願いしたいのは、くれぐれも薬機法との齟齬だけはないようにしてほしいということです。今回も微妙にずれているところもありますが、現場でこういったことをやっていると、臨床研究法対応や薬機法対応、倫理指針とか、あるいは海外の国際共同試験などをやっていると、FDAのとおりにやれとか、規制が乱立しているので、ばらばらにやっているとリスクがものすごく高くなるのです。ですから、必ず国内だけでも、こういう大事な疾病等報告については、期限等について詳細を決めていく際には是非とも薬機法並びにしてください。もう臨床研究法が独立して規定するのだけはやめてほしいと思います。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。

○楠岡部会長 ほかにありますか、よろしいでしょうか。それでは、次にCRBの要件に関して御意見があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。ここは前回、かなり御議論を頂いて、事務局提案では少しゆる過ぎるということで、この形で合意を頂いたところで、特に御異論はないかと思いますが、よろしいですか。

 それでは、次に進みます。届出変更手続の合理化について御意見があればお願いしたいと思います。北海道大学の佐藤委員、お願いいたします。

○佐藤()委員 ありがとうございます。今回、軽微なものの拡大と、実施計画とjRCTとの分離ということで、かなり項目も増やしていただきましたし、具体的なことを入れていただきまして、現場としては有り難いところが多いかなというように感じています。

 一方で、事務局のほうでも、どういった項目を外すとか、分離するとか、いろいろな方に聞いて確認をしたのだと思うのですが、私が聞いている範囲ですと、現場で実施計画の修正で、頻度が高くてこれがなくなったらいいなというものが幾つかあったりします。この場で項目を挙げてというのもちょっと細か過ぎるかもしれませんが、例えば管理者の氏名といったものは多施設共同になればなるほど、結構いろいろな施設で起こってきて、これが現場ではストレスになっているというように聞いています。今回の例示で全てが決定で、一旦決定するとなかなか次の変更は難しいのではないかと思っていまして、いろいろな方の御意見を聞いたと思うのですけれども、もし可能であれば、もう少しそういった要望も聞いて、野村室長が最初におっしゃったとおり、全体の研究の推進に必要がないものに関しては、削除するものは削除する方向でやっていただければ有り難いなと思います。

 もう1つ、確か議論の中で、オンライン化といいますか、電子申請的なものを進めるということがありましたので、それも併せて進めていただけるものだと理解しておりますが、現場では、皆さん御存じのとおり、実施計画は厚生局に郵送という手続がまだ残っております。印鑑は要らないということはやっていただいて、それはいいのですが、相変わらず実施計画はjRCT、変更もそうですが、厚生局に送って、厚生局の方が確認してという手続がまだ残っておりまして、厚生局の方にもお忙しい中、随分迅速に対応していただいているようですが、そこがネックになっているところもありますので、オンライン化は大変かもしれませんが、可能な限り早目に進めていただければということをお願いしたいと思います。

 それから、これはやむを得ないところがあるかもしれないのですけれども、今回のコロナの臨床研究に関して厚労省の先生のお話を聞いたことがあるのですが、急いでやらなければならない、いろいろな施設にお願いしなければならない、そうすると、本当に五月雨式に参加機関を増やすという作業をしなければならないのですが、これは実施計画とかjRCTに反映させることは当然なのですが、先ほどのことでいうと郵送の手続ですとか、1回変更するとjRCTにアップするまで次の変更を待たなければならないという、つまり次の施設を追加するということで、非常に時間が掛かるのです。日本のコロナの臨床研究が進まなかった理由はいろいろあると思うのですが、このことも若干あるのではと思いますので、どこをどう変えるということではないのですが、いろいろなことが迅速化に向かうことができるということも、今回で終わりではなくて、今後も御検討を続けていただければと思っております。長くなりましたが要望です。以上になります。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。まず、実施医療機関管理者の氏名の変更につきましては、14ページの軽微な変更の中の左側の3つ目にありますとおり、こちらに追加させていただいております。それから、今回御紹介は省きましたが、御指摘を頂きましたとおり、中間取りまとめにおきましても、届出のオンライン化を進めるべきという御意見を頂いておりますので、対応してまいります。ただ、御指摘を頂きましたように、システムの改修を伴うものですので、大変申し訳ないのですが少々お時間を頂きたいと考えております。なお、仮にこれがオンラインの手続になったといたしましても、地方厚生局による確認は画面上で確認をするという形になりますので、確認手続がなくなるというものではなくて、物理的に郵送がなくなるということでして、ここについては一応確認をさせていただきたいと思います。

 コロナの御指摘もありがとうございました。確かに一度変更している間のシステム上の手続ができないといった御要望も頂戴しておりますので、順次対応してまいりたいと思います。ありがとうございました。

○楠岡部会長 よろしいでしょうか。

○佐藤()委員 ありがとうございます。くどいようで申し訳ないのですが、実施管理者の氏名の変更を軽微にしていただいたのは有り難いのですが、現場感覚からいうと、軽微に入れていただくのは有り難いことは有り難いのですが、実施計画そのものから削除していただかないと、そこの手続が残るものですので、非常に細かいことで恐縮ですが、実施計画から削除してjRCTへの分離という項目をなるべく増やしていただきたいというのが、私の所に聞こえてくる現場の声ですので、可能な限り御配慮いただければと思います。以上です。

○楠岡部会長 ほかにございますでしょうか。1つお聞きしたいのは、jRCTの記載内容が変わった場合には、その前のバージョンというか、過去の履歴というのはどこかに残っているのでしょうか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 はい、残ります。

○楠岡部会長 それは外から確認することは可能なのですか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 いえ、確認は、私どものほうのシステムの中には残っていますが、対外的には新しく登録をされた中身が提示されるという形になります。

○楠岡部会長 それは例えば、何かリクエストがあれば別途示すというようなことは可能なのでしょうか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 恐らく公文書の手続のようなことを踏まえながらとなると思いますが、まずは現状の状況を御提示をさせていただくということが主たる目的となりますので、その辺りの取扱いをどうするかについては、今日御指摘を頂きましたので、中でも検討させていただきたいと思います。

○楠岡部会長 実施計画書とか、当初jRCTなどにデータマネジメント、モニタリング等の責任者の氏名を掲載するというのが、こういう方々は言うなれば縁の下の力持ち的存在であって、論文などになってもそういう方々の名前が載る機会がほとんどないわけです。そういう方々が、大きな試験に関してどうコントリビュートされたかというのを、どこかで残しておきたいというのが、そもそもこういう項目を入れるということの動機の1つになっていたかと思うのです。計画書であれば今の段階だと全部古いバージョンが残るのが、jRCTのみの記載となると、それを過去何代かにわたっての場合に、どうなっていたのかというのを見るのが難しくなってしまうところはあるので、その辺り、また何か別途方策があれば御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。jRCTのほうへは載せていただくということと、研究体制の中でそういった貢献をされた方をどのように記録いただくのか、その辺も併せて考えてまいりたいと思います。

○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、個人情報保護法の所に移りたいと思います。御質問等ございましたらお願いいたします。藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 ありがとうございます。事務局に教えていただきたいのですが、私も不勉強でまだ個人情報の改正の流れを把握できていないので、今回の15ページにある安全管理措置等と保有個人データの開示等について、学術研究も適用ということになっていますが、通常の薬機法傘下の企業治験、医師主導治験については、同じようにここのところは個情法委員会のチェックが入るような規定に変わるということなのでしょうか。

○医政局研究開発振興課長補佐 あくまで今回、個人情報保護法に一元化される、新たに適用されるのは学術研究ということになります。御指摘の治験については、学術研究ではありませんので、もともと個情法が適用されているということかと思います。

○楠岡部会長 よろしいでしょうか。

○藤原委員 もともと適用されているということですね。

○楠岡部会長 現行、学術研究では、個人情報保護法から除外されているのに対して、今回赤で囲まれている所は、学術研究は当然のことながら特定臨床研究も含まれる形になるので、臨床研究法のほうでカバーしないからそこは外すという、そういう理解でよろしいのでしょうか。

○医政局研究開発振降課治験推進室長 御指摘のとおり、結果的に重複になるところがありますので、それは個情法を優先する形になりますので、臨床研究法のほうは今回、外させていただくということで、ただ、手続としては個情法側のものが残りますので、実施いただく中身が変わるというものではございません。

○楠岡部会長 今回の省令改正の部分はこれでいいかと思うのですが、実は学術研究の除外というのが、結構微妙な話が起こっているために、特定臨床研究の場合は同意を頂いて進めることなので、それに関しての問題はないのですが、それ以外の第三者提供の制限等に関しては、同意書の中で十分検討しておかないと、実施主体によって少し取扱いが変わってしまうという問題が出てくる可能性もあります。個情法の適用がはっきりした時点において、同意書にこのようなことを盛り込まなければいけないというのは、これは通知とか何とかではなくて、実務者レベルで情報共有する必要が出てくるかもしれないということがありますので、この辺はまた今後フォローしていきたいと思います。藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 今の楠岡先生の御指摘も踏まえてなのですが、先日この臨床研究部会でも医薬・生活衛生局の医薬品審査管理課長が、将来的に先進医療Bのデータ等を薬機法の申請資料に加える流れがありますよというお話をされたことも踏まえて、先進医療Bも特定臨床研究として行われていますので、こういう第三者提供のところ、データを将来、企業さんに移管して、その企業さんが申請作業をするとかということも想定されますので、これが改定になったときには、QAなどで、そういう事例もあるのでインフォームド・コンセント作成の際には十分配慮をしてくださいというような記載を作っていただけたらと思います。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 はい、ありがとうございます。

○楠岡部会長 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、全体を通じて何か御意見ございましたらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、本日の事務局からの御提案に関しまして、今、頂きました意見を十分に反映して、更に整理したものにしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございました。本日御議論いただきました論点のうち、取り急ぎ省令改正が可能なもの、具体的には345になるかと思いますが、こちらにつきましては、所定の手続、パブリックコメントなどに進めさせていただきまして、その結果も踏まえて部会のほうに御報告をさせていただきます。このパブリックコメントなどの状況につきましては、参考資料1-2にありますので、適宜御確認いただければと思います。以上です。

○楠岡部会長 ありがとうございました。続きまして、議題2「臨床研究法における疾病等報告について」に移りたいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 それでは、通し番号18ページ、資料2を御覧ください。臨床研究法に基づきまして、定期的に疾病等報告、厚生労働大臣に報告を頂くものについて御提示をしております。こちらにつきましては、PMDAのほうに情報の整理をしていただいた結果を御提示させていただくものとなっております。

 具体的な中身については、2021ページを御覧いただきたいと思います。20ページが未承認医薬品による疾病等ということで、今回2症例ありました。いずれもアミノレブリン酸による消化器症状ですが、いずれも回復ということです。

 続きまして21ページ、こちらは適応外の医薬品による疾病等報告ということで、今回7件の報告がありました。いずれも、特に重篤な転帰にはならず終了しているということになります。この9症例につきましては、いずれも報告が入った時点で、迅速に部会長、部会長代理の、楠岡先生、藤原先生にも中身を御確認いただいております。両先生方の御判断、CRBも含めて、残床研究を中止すべきなどの判断に至ったものはありませんので、以上報告とさせていただきます。

○楠岡部会長 ありがとうございます。疾病等報告に関しまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、これに関しましては了解いただいたということにしたいと思います。

 続きまして、議題3「その他」ですが、事務局のほうからございますでしょうか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 いつもこの疾病報告と同じタイミングで御紹介をしているものですが、ちょっと飛んで55ページからの参考資料2ということで、CRBの設置状況を、57ページにjRCTに登録をされている特定臨床研究などの状況についても御紹介をしておりますので、適宜御覧いただければと思います。以上です。

○楠岡部会長 CRBの設置状況、臨床研究の状況に関して何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。今年度は、他の年度に比べて若干少ないような感じもしますが、大体いつも研究費などが決まってから計画を立ててということで、審査にかかってくるのが年度後半に多いかと思いますので、この状況に関しましては3月にかけて見ていきたいと思います。

 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。年末のお忙しい中、ありがとうございました。皆様方、どうぞ良いお年をお迎えください。それでは失礼いたします。ありがとうございました。