中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和4年度第7回、第8回

日時

第7回:令和5年2月14日(火)
第8回:令和5年2月21日(火)

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
第7回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、眞野成康委員、諸井雅男委員
石原寿光専門委員、河原昌美専門委員、神田善伸専門委員、佐藤陽治専門委員、古田淳一専門委員、三澤園子専門委員、向井博文専門委員、樅山幸彦専門委員、山田清文専門委員、山田恭輔専門委員

第8回
前田愼委員長、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、眞野成康委員、諸井雅男委員
佐藤陽治専門委員
         
<事務局>
安川薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について
市場拡大再算定の要件該当性等について

 

議事

 
ラジカット内用懸濁液2.1%
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 ラジカット内用懸濁液2.1%です。特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、お願いいたします。
○委員
 要するに、リルテックを比較薬とした類似薬効比較方式にするということですから、比較薬の有用性と比べて本剤の有用性があるかという点が原則とすれば、経口剤であることは本剤のメリットだろうとは思うのですけれども、強いてここでそれに加算をする必要はないということだと思います。また、実際に市場に出たときには、点滴薬に比較して本剤が多く使用されると予想されます。経口剤ということで市場が広がる可能性があることから、強いて有用性加算をつける必要はないと私は思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 臨床的意義について簡単に共有させていただきますと、ALSの患者は非常に予後が悪いのは皆さん御存知のとおりで、既存のラジカットは、最初の28日間のうち、連日14日間投与し、その後は14日間のうち10日間連日注射投与が必要で、懸濁液はだいぶ有用ということは確かです。比較薬と比較して有用性加算に値しないということですけれども、薬価算定の基準についての通知には「類似薬又は既存治療に比して」とされているので、通知に従うと、ラジカット注と比較したという申請者の主張も理解できますが、そこに関しての御説明をお願いできればと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 御指摘いただいたとおりでございますけれども、本剤は類似薬効比較方式を採用して算定をしています。□□先生からも御指摘がありましたけれども、この類似薬効比較方式におきましては、比較薬と一日薬価を一旦合わせた上で、さらにそこに加算を加えるという手順を踏みます。したがって、事務局としては、比較薬に対して優れている部分を評価して加算するというのが基本的な考え方と捉えており、その考え方で運用してきているところです。一日薬価を合わせる比較薬と、加算を検討する上での比較薬は同一であることが基本であると考えておりますので、ラジカット内用懸濁液につきましても、一日薬価合わせは錠剤のリルテックを比較薬とし、一方で、加算に関しては静注製剤を比較薬にするとの、いいとこ取りのような算定はしないというのが基本と考えています。
○委員
 よく理解できました。御説明ありがとうございます。
 なかなかこの手引きで読み取れない部分があって、齟齬が生じているという点もありますので、何かガイダンスですとかQ&Aといったものも今後御検討をお願いします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から他に御意見があれば、御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 事務局にお聞きしたいのですけれども、注射薬を最類似薬とするという方法もあることはあるのですよね。
○事務局
 ラジカット注を比較薬とする可能性でございますけれども、まず、類似薬効方式の比較薬はG1/G2品目を除いたものということで、後発品が収載されて10年を経過しているなど、長期収載されている品目は比較薬に持ってくることができないルールになっています。というのも、後発品が出て長く収載されているということは、繰り返し改定を受け、薬価が大きく下がっているだろうということもあり、比較薬として適切ではないというような考え方と解釈しているところです。ラジカット注につきましてはG2品目に該当しており、通知の規定上、比較薬とすることができなかったというところでございます。申請者もこの静注製剤は薬価算定の原則に基づいて比較薬にはならないと説明していますので、申請者も同じ認識と思います。
○薬価算定組織委員長
 よく分かりました。
 その他よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 

タバリス錠100mg、タバリス錠150mg
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 タバリス錠100mg、タバリス錠150mgです。特に意見を伺う委員として、深山先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私は、先生方の御意見にあるように、有用性加算が35%か5%かは大きな差だと思うのですけれども、事務局から説明があった③-aに対する解釈が正しいと思いますので、事務局案でよろしいと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 作用機序の新規性という観点では全く新しいもので、これまでと違う点で非常に期待している薬剤ではあるのですけれども、一方で、治療方法の改善というところに関しては、セカンドラインでこれまで使ってきたリツキシマブ、レボレード等との比較データもありませんので、現状においては少なくともそれを大きく変えるというデータはないと思います。事務局案が妥当と思いました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生方からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特にないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
クレセンバカプセル100mg、クレセンバ点滴静注用200mg
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 クレセンバカプセル100mg、クレセンバ点滴静注用200mgです。特に意見を伺う委員として、弦間先生、田﨑先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 基本的に開発時期の問題はあるのですけれども、比較試験等のデータがないということで、確かに評価はされている薬ではあるのですが、事務局の案でやむを得ないと思いました。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私も同意で、有効性は事務局案のとおり比較されていないと考えるのが妥当と考えました。また、注射剤の有用性加算について、既存の治療方法で有用性が認められない患者群に対して効果があるという主張については、こちらも事務局の説明のとおり、腎機能障害のある患者に既存治療薬が使用できないわけではないので、事務局案が妥当と考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の委員から何か御発言があればお願いいたします。
 補正加算なしということでよろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 

パキロビッドパック300、パキロビッドパック600
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 パキロビッドパック300、パキロビッドパック600です。特に意見を伺う委員として、齋藤先生、山田清文先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 事務局案が適当と考えます。
 申請者がドイツとアメリカとイギリスの当局の評価も高いということを主張しているので、資料を確認したところ、海外の当局ではそれなりの評価を受けているのかなという印象を受けました。しかしながら、必ずしもそれほど優れているとは言えないという観点で言えば、この補正加算が適当と考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 意見書に書きましたように、規格間調整の考え方、それから、補正加算、有用性加算に関する事務局案が適当だと判断しております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他に御意見があれば御発言をお願いいたします。
○委員
 事務局の御指摘は非常によく理解できております。
 1点お伺いしたいのは、今回、例えば本剤は妊婦と小児に対して使用ができる、他の薬は使用ができないといった点があって、一方で、他の部分の何らかの禁忌であったりして使えないというのが、本剤が使えなくて他の薬は使えますよということでした。
例えばトータル100の患者さんがいたときに、そこのカバーする割合は違うわけなのですけれども、ある薬Aは例えばもともと70%という範囲をカバーしています。今回はその70%と重なる部分はあるのだけれども、A薬ではもともとカバーしていない30%のところをカバーする形で、例えばトータル50%の患者さんをカバーしていますという薬Bがあったと仮定いたします。今の御指摘であると、例えば今回は70%対50%ですとか、そういうカバーの仕方が異なってくる中で、それぞれカバーしていない部分がそれぞれに存在するため、最終的に薬剤の価値としては相殺されますよという御説明でした。実質的にはそれはカバーされていない患者さんの質というものも本来あるはずで、例えば小児の加算にしているとか希少疾病の加算にしているとか、そういう形で評価されているように、カバーされない部分の質というのは考慮されないものなのでしょうか。
 同じ70%でも、30%今までカバーされてなかったところの質が本当にみんな困っているところだったので、そこをカバーされたのだから今回は、既存の薬剤より高い評価になって良いという話はあり得ないのかというご質問になります。
単純に同じ評価するべき薬であれば、もともとAという薬がカバーしている70%にさらに80%、90%と上乗せしたら、それは加算として評価してあげますよというのが③-aの該当性ですという御説明だと思うのです。そうではなくて、③-aにより、既存の薬剤でカバーされていなかった範囲の追加カバーの質というところは評価されないのか、という御質問でございます。
○事務局
 なかなか一概にお答えするのは難しいのですけれども、カバーできていない部分を何%という数字にしたときにどの程度ならいいのか、例えば新たにカバーできるようになった部分がすごく広くて、一方で本剤がカバーできない部分がすごく小さいというときなら相殺し切れないとか、そういったこともあるのだろうと思いますけれども、いずれにしても個別の評価になってくるのかなと思います。
 特に本剤に関しては、使用状況が厚生労働省のホームページに載っていますけれども、先ほど□□先生からも御指摘があったとおり、非常に良いという評価もありながら、使用実績を見るとそれほど使われていないこともございます。本剤は薬価算定より先に流通しているという特殊な事情があるのですけれども、そういったことも加味して、本剤はそこまでの評価をするものではないのかなと事務局では考えた次第です。
○委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員から御意見はいかがでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、マンジャロ皮下注5mgアテオス、
マンジャロ皮下注7.5mgアテオス、マンジャロ皮下注10mgアテオス、
マンジャロ皮下注12.5mgアテオス、マンジャロ皮下注15mgアテオス
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、同5mgアテオス、同7.5mgアテオス、同10mgアテオス、同12.5mgアテオス、同15mgアテオスです。特に意見を伺う委員として、眞野先生、石原先生、河原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 安全性ということも加味すると、やはり今の事務局の説明どおりでロに該当するけれども、イは該当しないという考えでよろしいのではないかと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 有用性のほうについては、海外臨床試験で比較薬に対してHbA1cのベースラインからの低下量に有意差がついているので、そのとおりなのですけれども、日本人データが必要なのと、治験データを見る限り、ほとんど有効性は同じなので、やや懸念はします。総合的に見て事務局案でいいと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 GIPとGLP-1受容体作動薬という非常に有用性の高い画期的な新薬だとは思いますが、反面、未知の部分が大きいと思います。特に私としては、資料を読んでおりまして、BMIが18.5kg/m2以下に体重が減少した日本人被験者が多く認められたと。非常に大きな体重減少だと思うのです。だから、こういう点は、市場に出てからとても注意しなくてはいけない薬だと考えております。一部、ネットに非常に不適切なのですけれども、新しい痩せ薬が出たみたいなこともありまして、薬価と関係ないかもしれないのですけれども、慎重に扱ったほうがいい薬ではないかなと考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。
 □□委員、いかがでしょうか。
○委員
 体重減少については確かに添付文書に注意喚起のような形で書かれていますけれども、比較薬も副作用の項目に体重減少という効果が添付文書に書かれていますので、そこだけを捉えて効果を悪いものがあるからというのは判断しにくいのではないかと考えました。一方で、イとロを同時につけると40%となることから、それは過剰かなと思いましたので、事務局案を支持します。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、□□先生、御意見はございますか。
○委員
 両方の有用性加算の該当性が本当にあればそれは評価してもいいという事務局の御説明に納得したものの、一方でこれが該当するかというと、安全性の懸念等もございまして、文句なしに画期的とまでは言い難いということも理解いたしまして、事務局案に賛成でございます。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 一見、すばらしい薬なのではないかという印象ではありますけれども、確かに資料を読み込んでみると、あまりにも過剰な評価というか加算をつけると、世の中ではすごく薬価で評価したということでたくさん使われてしまう懸念は理解できます。安全性をもう少し確認しながら、よりエビデンスが高くなれば、またそれを評価するという方向でよろしいかなとは思いますけれども、事務局、何か追加でございますか。
○事務局
 事務局からは特に追加はございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他、御意見はございませんでしょうか。
 では、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
モノヴァー静注500mg、モノヴァー静注1000mg
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 モノヴァー静注500mg、モノヴァー静注1000mgです。特に意見を伺う委員として、森山先生、山田恭輔先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 申請者は臨床試験の結果を示しているのですけれども、直接比較ではないので、やはり有用性は認められないと思います。
 また、低リン血症も臨床的に問題になることは少ないので、その辺も直接比較したわけではありませんし、事務局案が妥当と考えます。
○薬価算定組織委員長
 委員の先生方から他に御意見があればお願いいたします。
 基本的に、前回の薬価算定組織での説明と変わらないということなのですけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
モノヴァー静注500mg、モノヴァー静注1000mg
日時:令和5年2月21日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 モノヴァー静注500mg、同静注1000mgです。特に意見を伺う委員として、森山先生、山田恭輔先生でございます。
 本剤については、前回、薬価算定についてはご了承をいただきましたが、市場規模予測と本剤の留意事項通知についても論点があったということですので、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より説明。)
○薬価算定組織委員長
 特に御意見はございませんでしょうか。
 特に御意見がないようですので、事務局、特によろしいですか。
○事務局
 ありがとうございます。
 このたびは事務局からの論点の提示が不十分でございまして、お手間をかけまして申し訳ございませんでした。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アーウィナーゼ筋注用10000
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 アーウィナーゼ筋注用10000です。特に意見を伺う委員として、田﨑先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 一般管理販売費の査定については、事務局案でよいと思います。
 有用性加算についてですけれども、③-bについて、NCCNのガイドラインに標準的療法として推奨されていないということですので、こちらも該当しないとの事務局案でよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 極めて少ない症例で臨床試験が実施されており、この疾患の患者構成上、小児も含めて承認されないとあまり意味がなくなるというものでもあるのですが、試験内容からは努力した感じはないのですけれども、小児加算はやはりつくものなのですね。
○事務局
 もう少し症例が組入れられたのではという御指摘はごもっともとは思うのですけれども、小児加算の要件といたしましては、承認されている用法・用量において小児も含まれているということがまず一つの判断基準です。本剤につきましては、小児という文言はないのですけれども、小児に使えることが自明な用法・用量となってございます。また、臨床試験において、ある程度の小児患者を組み入れた成績が得られており、その点を評価して、小児加算5%を適用するのは、過去の例を踏まえても妥当と考えております。
○薬価算定組織委員長
 その他、よろしいでしょうか。御質問はないでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
イジュド点滴静注25mg、イジュド点滴静注300mg
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 イジュド点滴静注25mg、イジュド点滴静注300mgです。特に意見を伺う委員として、眞野先生、向井先生にお願いしております。
 発言を控えていただく委員として弦間委員、退室委員は下井委員です。
(下井委員退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 御説明いただいたとおりで、特に問題はなく、妥当だと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 最類似薬をどうするかが論点だと思いますが、事務局から非常に詳しく説明いただいたことで十分納得できましたので、このとおりでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の委員から御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 事務局、追加効能等の開発状況について情報はありますか。
○事務局
 本剤につきましては、尿路上皮癌と限局型小細胞肺癌、肝細胞癌、筋層浸潤性膀胱癌の4種類につきまして、国際共同第Ⅲ相試験を実施中と伺っております。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 特に意見もないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
リブタヨ点滴静注350mg
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 リブタヨ点滴静注350mgです。特に意見を伺う委員として、眞野先生、向井先生にお願いしております。
 発言を控えていただく委員としては弦間委員、退室委員は下井委員です。
(下井委員退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 事務局の説明のとおりでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 有用性加算に関しては、③-aでよろしいと思っています。
 一方で、③-fがやや微妙かなと思うところがあります。といいますのも、再発の子宮頸がんの二次治療において標準治療が確立されているかどうかという点でありますけれども、確かにガイドラインでは候補としての薬剤が複数挙げられています。そして、現実問題としても、二次治療として、子宮頸がんに対して治療は一般的には必ず行うというのが現実です。そういった意味では標準治療と言ってもいいと思いますので、事務局案に賛同はいたしますが、これを標準治療と本当に言えるのかどうかというところはやや微妙かなと思いましたが、事務局案に反対はいたしません。
○薬価算定組織委員長
 事務局、この標準治療が確立していないとは言えないという表現の意図がわかりにくいのですが、いかがでしょうか。
○事務局
 有用性加算の③-f、特にガイドラインの取扱いにつきましては、例えば、二次治療、三次治療、四次治療と切り分けた場合に、疾患としては標準治療があるものの、後ろの治療ラインだと治療法がないという患者に対して、果たして標準的治療法があるのかないのかというところは度々議論になるところでございます。
 治療ライン別に加算することを認めた場合に、開発の仕方として対象患者をまずは絞って加算を取るというような考えも生じかねないという懸念もあり、なかなか評価の難しいところではあり、評価上の課題であると認識しております。
 臨床での使われ方という点を御評価いただくものかと思いますので、専門の先生方にガイドラインの取扱いというのは個々に御意見いただきながら算定させていただければと思います。
○薬価算定組織委員長
 委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アドトラーザ皮下注150mg シリンジ
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 アドトラーザ150mgシリンジです。特に意見を伺う委員として、小方先生、古田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 事務局の見解と申請者の主張が同じですので、特に問題ないと思います。よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 先ほど事務局から説明がありましたように、作用機序や使用方法、治療上の位置づけなどを考えまして、デュピルマブと類似ということでよろしいと思います。また、デュピルマブを超える特段の有用性が示されているわけではありませんので、そういう加算もつかないということで、デュピルマブと同じということでよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から他に御意見があれば御発言をお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 特に意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アリドネパッチ27.5mg、アリドネパッチ55mg
日時:令和5年2月14日(火)※企業陳述あり

○薬価算定組織委員長
 アリドネパッチ27.5mg、アリドネパッチ55mgです。特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 この薬剤はいわゆるアリセプトという薬のパッチ剤ということで、おそらくそれなりに有用性は高いと思うのですけれども、これまでにリバスタッチという薬があって、例えば臨床的な観点からするとどう違うのかというところもありますし、メマリーとは少し作用機序も違いますから、経口剤ですし、これを比較対照とするのはやはりおかしいと思います。それで、類似薬効比較方式をリバスタッチとしたときには、パッチ剤という点での特別の有用性をここで加算する必要はありませんし、薬効から言っても、大半は軽症と中等症の人に使われると想定されるので、事務局案が妥当という考えでいいと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 先ほどの□□先生のご意見とほぼ同じです。事務局からも御説明していただいたとおり、類似薬の選定及び有用性加算の考えについて、事務局案に賛同いたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から他に御意見があれば、御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、企業からの意見聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に、アリドネパッチについての御意見を5分以内で御説明をお願いいたします。なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。
 続いて、委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○申請者
 お時間ありがとうございます。帝國製薬の□□でございます。
 資料の2ページ目になります。
 アリドネパッチは、アルツハイマー型認知症の治療において汎用されているドネペジルを貼付剤化したもので、全重症度をカバーできる国内で初めての薬剤でございます。これにより、特に重度認知症において問題となる嚥下障害をはじめ、経口投与が難しい方でも切れ目なく治療を続けていただくことができ、患者様や御家族、介護される方々のQOLの維持、向上にも期待ができるものと存じます。
 それでは、本剤の臨床的有用性について、□□□□の□□医師から御説明申し上げます。
○申請者(専門家)
 □□□□の□□です。よろしくお願いいたします。
 アリドネパッチ27.5mgはアリセプト5mg錠との非劣性が治験において検証されております。
 アルツハイマー型認知症を長期にわたって評価していく際に重要となりますのはこのMMSEというスケールで、これは世界的に標準的なスケールで、30点満点になります。
 どのような検査かと申し上げますと、今、何時ですかとか、ここはどこですかとか、あと、記憶の検査、五角形の模写など、様々な検査をする認知機能検査になっております。
 海外のデータではございますけれども、MMSEは大体約1年でアルツハイマー型認知症では悪化するというデータがございます。
 こちらの左側ですけれども、これは日本のデータではございますが、中等度から高度のアルツハイマー型認知症では、半年で約1点悪化するというデータがございます。
 本剤アリドネパッチは55mgが高度の適応となり、この左側にございますように長期で投与試験が行われています。本剤の臨床的な効果は、24週でほぼ0点の低下、52週で約1点の低下です。先ほど申し上げましたように、海外では3点、日本では約1年で2点の悪化というデータがございますので、高度においても本剤アリドネパッチ55mgは安定的な効果を発揮したと言えると思います。
 実際に高度のアルツハイマー型認知症で適応があるのは、従来でございますと経口剤のドネペジル塩酸塩製剤のみでございました。リバスチグミン貼付剤、レミニール錠剤は安全性の理由で増量ができませんので、高度に適応がございません。したがって、高度で適応がございますのはアリドネパッチ貼付剤のみということになっております。
 アルツハイマー型認知症は、御存知のように、ごく早期から末期まで非常に長い経過がございますけれども、前半部分は主に生活機能の障害、後半部分は嚥下障害や歩行障害などの身体障害がメインになってまいります。
 図示しますとこのようになりまして、いわゆる生活機能の障害と身体機能の障害があるわけですけれども、アリドネパッチはこの身体機能に障害のある方々、患者様の役に立てていると思います。
 これは私が取らせていただいたアンケート調査なのですけれども、認知症の薬物治療でどのような剤形がよいのかということを御家族、介護士、看護師、薬剤師に聞きましたところ、2割以上の方々で貼付剤がよいというような御判断をいただいております。特にその傾向は看護師さんや薬剤師さんで強い傾向があります。
 実際にどのような利点があるのかということですけれども、やはり薬を嫌がる方、飲むのを嫌がる方や、お薬を飲ませるのは非常に手間がかかりますので、介護負担の軽減、あと、貼付剤に字が書けますので、いわゆる誤薬の軽減に役立つと思われます。
 実際にアルツハイマー型認知症における服薬困難事例というのは、約3,700名おると推測されております。高度アルツハイマー型認知症になりますと、摂食嚥下障害が発生しまして、その結果、誤嚥性肺炎が起こることがあります。実際に誤嚥性肺炎を発症されている方にアリドネパッチを投与することはできますし、元からアリドネパッチを使用されている方であれば、誤嚥性肺炎になっても切れ目なく使用することができると思います。
 実際に御高齢の方で肺炎で入院される方というのは多いわけですけれども、その中では、やはり年齢が上がってくるにつれて誤嚥性肺炎の割合が増える傾向にございます。
 これは最後のまとめのスライドになりますけれども、先ほどの図でございますが、やはりこのアリドネパッチはアルツハイマー型認知症で高度になればなるほど、その有用性が高まるものと考えております。
 以上です。どうも御清聴ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から何か御質問があればお願いいたします。
○委員
 治験に含まれていた高度のアルツハイマー型認知症はどのぐらいの割合だったのでしょうか。高度のアルツハイマー型認知症に対してということをすごく強調されていたわけですから、それについて教えてください。
○申請者
 64例です。
○委員
 それはMMSEで何点以下の方ですか。定義の問題ですけれども。
○申請者
 重症度の高度の患者さんなので、10点以下の方を対象にしております。
○委員
 それが全体の数の中の何人、何%ぐらいだったのですか。
○申請者
 全体382例中の64例です。2割ぐらいです。
○委員
 それでMMSEの低下が比較的少なかったとおっしゃられているわけですね。
○申請者
 そうです。
○委員
 また、よく分からなかったのは、このドネペジルのパッチ剤を使うことによって、嚥下障害が少し改善するというか、進行を防げるという意味合いのようにも取れたのですけれども、そういう主張ですか。
○申請者
 実際は効能・効果にはそういうのはございませんけれども、アセチルコリン系を賦活するとやはり嚥下障害が起こりにくい、ないしは嚥下障害が軽減するというような報告はあります。
○委員
 そういうエビデンスはありますか。
○申請者
 そういうエビデンスはあると思います。ただ、きちんとした治験などで検証されたような、いわゆる高度にエビデンスのあるものではないですけれども、一応こういったアセチルコリン系を賦活することによってある程度嚥下障害が起こりにくくなる、嚥下障害が軽減するというような報告はあると思います。
○委員
 そうですか。私はよく知らないですけれども、結構です。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 重症の方に非常にニーズが高いということはよく分かるのですけれども、だからといって比較薬を中等度から高度に適応のあるメマリーとするとの論理が、いま一つ分からないなと思うのですが、この点についてもう一度御説明をお願いします。
○申請者
 メマリーは□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□治験の対象者はやや高度です。今回のアリドネは高度、もう一つの重症度の高いところですけれども、やや高度というところで治験を行っておりますので、実際は高度の治験に近いような、わずかに重症度の軽い方でメマリーは行っております。
○委員
 薬価算定の比較薬としてメマリーを置かれる根拠については、どのように考えればいいでしょうか。
○申請者
 我々として、イ、ロ、ハ、ニの観点から最類似薬を考えました。ニの剤形からは、リバスチグミンが貼付剤でございますので、本剤と同じ剤形ではございます。
 イの観点から、先ほど中村先生から申し上げましたとおり、我々としては、リバスチグミンの貼付剤に高度の適応はございませんので、中等度から高度の適応としてメマリーが類似性があるのではないかと。
 あと、薬理作用の観点から、本剤もリバスチグミンと同様のアセチルコリンエステラーゼ阻害ではあるのですが、メマンチンもその上流に作用点がございまして、そちらと薬理作用についても類似があると考えまして、総合的にメマリーが最類似薬ではないかと我々は考えました。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
○委員
 貼付剤があると助かるという点は、とても実臨床的にはよく分かります。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局からよろしいですか。特に何か御質問はございますでしょうか。
○事務局
 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、これで企業意見の聴取は終了したいと思います。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、再度御意見をお願いしたいと思いますが、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 やはりこれはリバスタッチとするのが普通ではないですかね。そう思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 メマリーを比較薬にするというような根拠は乏しいと思いました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から他に御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 事務局に伺いたいのですけれども、規格間比が18mgでも9mgでも最終的に値段がほぼ変わらないような状態なのですけれども、これはこれでよろしいのですね。企業のほうは汎用と準汎用では結構差がある。規格間比0.897で来ているのですけれども、こちらはよろしいのでしょうか。
○事務局
 最類似薬として選定したものがございますので、その比を採用させていただいているところでございます。
 確かにおっしゃるとおり、規格の間で格差が生じないような形にはなってしまってございますが、最類似薬として選定したものをあえて外すというところまでの理由が今のところあるかと言われると、なかなかないというところでございまして、こちらを採用させていただいているところでございます。
 先生の御指摘のとおり、企業の主張のものと価格はかなり乖離している部分がございますので、本日御審議いただいた後に企業に内示をした結果どうなるかというところではございますけれども、事務局としてはリバスタッチが適切ではないかと今は考えているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アリドネパッチ27.5mg、アリドネパッチ55mg
日時:令和5年2月21日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 アリドネパッチ27.5mg、同55mgとなります。特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、説明をお願いいたします。なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 もともと差が少ないなとは思っていたのですけれども、事情はよく分かりましたし、原価から考えても0.6ぐらいを用いるほうがやはり妥当だろうと説明を伺って感じましたので、これでいいのではないかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 委員の先生方から他に御意見があれば、御発言をお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初にアリドネパッチ27.5mg、同55mgについての意見を10分以内で御説明をお願いいたします。なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。続いて委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いします。
○申請者
 帝國製薬の□□でございます。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
 早速ですが、2ページ目を御覧ください。
 今回の意見陳述内容を示しております。
 2月14日の薬価内示におきまして、アリドネパッチ55mgの規格間比がリバスタッチパッチ9mg及び同パッチ18mgの0.1615で算定されておりますが、ルール上、規格間比は比較薬のものを用いなければならないとされていないことを踏まえて、弊社はニュープロパッチ18mg及び同パッチ9mgの規格間比0.6069が妥当と考えております。
 その理由及び根拠を以下の3点から説明させていただきます。
 まず、リバスタッチ9mg及び同パッチ18mgの規格間比が0.1615であることについて。
 続いて、本剤の原価構造、製造コストについて。
 最後に、本剤の類似薬の規格間比としてニュープロパッチとする妥当性についてでございます。
 3ページ目を御覧ください。
 右にリバスタッチパッチ及びイクセロンパッチの算定を示しております。リバスタッチパッチ及びイクセロンパッチですが、ノバルティス社から申請され、2011年7月に薬価収載されたものです。比較薬はアリセプトでありますが、その規格間比は同じノバルティス社のニコチネルTTSの規格間比0.1712が適用されております。
 4ページ目を御覧ください。
 右にニコチネルTTSの算定を示しております。ニコチネルTTS10、同20、同30の薬価算定方式は原価計算方式であり、製品総原価から結果的にニコチネルTTSの規格間比が0.1712となっており、規格間での価格差はほぼないものになっております。
 5ページ目を御覧ください。
 外用貼付剤の規格間比の例を示しております。リバスタッチパッチは規格間比0.1615でございますが、鎮痛剤のノルスパンテープでは0.626、抗パーキンソン病薬のニュープロパッチ及びハルロピテープではそれぞれ0.6069、0.6330、抗精神病薬のロナセンテープでは0.8972の規格間比となっております。
 また、NSAIDsを含有する局所の消炎鎮痛剤で汎用的なものとして、ロキソニンテープでは0.5470、モーラステープでは0.5827となっており、リバスタッチパッチの規格間比0.1615は、他の貼付剤と比べても非常に小さいものでございます。
 6ページ目を御覧ください。
 こちらは内服薬の規格間比を参考として示したものになりますが、薬価算定の基準について、別表4の注意書きですが、内服薬については0.5850とすることが示されております。
 7ページ目を御覧ください。
 まず、一般的な外用貼付剤についての説明をさせていただきます。
 一般的に、外用貼付剤は内容薬等の他の剤形と比較して製剤も大きく、左にその模式図を示しておりますが、支持体、有効成分を含む粘着層の膏体、ライナーの3層構造から成っており、原材料費も比較的高いものから構成されております。
 右に貼付剤の製造工程を示しておりますが、抗体を調整する練合工程、膏体をライナーに延ばし、支持体で挟み込む展延工程、所定の大きさに裁断する裁断工程を経て、包装がされていきます。
 8ページ目を御覧ください。
 本剤の外形と大きさについて、添付文書より抜粋した図を示しております。本剤は、有効成分を含有した粘着層に固定用シート重ね合わせた形状であり、7ページ目でお示しした一般的な外用貼付材が3層構造であるのに対し、本剤ではさらに固定用シートを一体型とした5層構造となっております。また、大きさでは27.5mgと、55mgの薬物層では面積が2倍となっております。
 9ページ目を御覧ください。
 左の表に規格別の製造原価の価格差の割合を示しております。55mg製剤と27.5mg製剤では、原料費では□□倍、製造原価では□□倍高いものとなっております。
 10ページ目を御覧ください。
 本剤の原価構造についてのまとめとなりますが、本剤の両規格間における製造原価の価格比は□□倍でございます。本剤の原価構造から、リバスタッチパッチの規格間比0.1615を本剤に適用した場合、55mg製剤は□□□となります。
 11ページ目を御覧ください。
 そこで、リバスタッチパッチ及びイクセロンパッチ以外で、本剤の類似薬として110番台の貼付剤に広げて検討したところ、以下が該当いたしました。まず、鎮痛剤のノルスパンテープ、抗パーキンソン病のニュープロパッチ及びハルロピテープでございます。
 12ページ目を御覧ください。最後のスライドとなります。
 本剤は、アルツハイマー型認知症の軽度から中等度にはアリドネパッチ27.5mg、高度には同55mgを使用する、重症度に応じた使い分けがされるものであります。
 まず、疾患の類似性としてですが、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症はともに神経変性疾患であります。パーキンソン病では脳内ドーパミン作動性神経系の機能低下が原因であるため、ドーパミン系の賦活薬が治療に用いられます。アルツハイマー型認知症ではアセチルコリン作動性神経系の機能低下が原因であるため、アセチルコリン系の賦活薬が治療に用いられます。
 また、用法・用量における類似性ですが、ハルロピテープには維持量がなく、患者ごとに至適用量を決める使われ方であるため、本剤とは用法が大きく異なります。一方、ニュープロパッチは有効用量の製剤が複数規格ありますので、本剤と用法が類似しております。
 以上のことから、本剤の規格間比にはニュープロパッチの規格間比0.6069を用いることが妥当であると考えました。
 説明は以上となります。
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 説明はよく理解できたのですけれども、ニコチネルパッチがもともと比較の最初ということなのですが、非常に他に比べて低いですよね。それはどういうことなのでしょうか。何でそれだけ低かったとお考えですか。
○申請者
 算定資料の製品総原価からは、ニコチネルTTSの10、20、30でそれほど大きな製造原価の差はないのですが、まず、□□□□□が大きく違うのではないかと考えております。
○委員
 それは、要するにニコチネルの場合は□□□□□はもっと安いという意味ですか。
○申請者
 そうです。
○委員
 どうもありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 これは前回データに出ていたかもしれないですけれども、汎用規格と大きいほうの規格はどれぐらいの比で使われると予測されているのでしょうか。
○申請者
 27.5mg製剤が汎用規格でございまして、軽度から中等度の患者様に使用され、55mg製剤につきましては高度の患者様ということで、患者の比率から考えまして、27.5mg製剤が8割、55mg製剤については2割と想定しております。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。ないでしょうか。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、質問もないようですので、企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、改めていかがでしょうか。
○委員
 原価割れするというのは、やはりよろしくないと思いますし、主張は妥当ではないですか。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局からもよろしいですね。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
トレプロスト吸入液1.74mg
日時:令和5年2月14日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 トレプロスト吸入液1.74mgです。特に意見を伺う委員として、田﨑先生、樅山先生にお願いしております。
 退室委員に関して事務局からご説明をお願いします。
○事務局
 諸井先生につきましては、今回、競合品目であるベンテイビス吸入液の治験関与委員に該当するというところでございますので、御退室をお願いすることになってございます。
(諸井委員退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 有用性加算の回数について、私は著しくとは捉えなかったとものの、少しはよくなってはいるというのは確かにそのとおりかなと思います。ただし、企業のほうは、どちらかといえばニの製剤工夫によるほうが該当すると主張していまして、製剤が工夫されていることによって交換頻度が少なくなっているのではないかというのはある程度考えられるのかもしれないのですけれども、どういうふうな工夫をされているのかというところはよく分からない部分がありまして、また、それ以外の部分、例えば準備時間が短いとか、吸入時間が短いとかというのは、事務局どおりのむしろネブライザ等の構造によるもので、製剤工夫ではないのではないかと考えました。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 半減期がイロプロストに対して5倍近く長いということを加味して、それから、4回と6回というのは患者さんの面から見ると、6回というと4時間ごとにやらなければいけないのに対して、4回で済むとすると、6時間というのは日常生活をする上でも随分利便性というか、患者さんにとってはメリットが大きいかなと思っていて、有用性加算をつけてもいいのではないかなということを一応挙げさせていただいたところではあります。4回と6回でどのぐらい違うかは確かに難しいところでありますけれども、僕のイメージ的には、6回というと、4時間ごとというのは結構きついなという印象です。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から御意見があればお願いいたします。
 事務局、今の4回、6回のお話ですけれども、どれぐらい回数が、例えば1日3回が1回になったらいいかなという何となくのイメージはあるのですけれども、過去の算定の中では、どのぐらいの減少なり、期間が長くなったら加算をつけているというようなことがあるのでしょうか。
○事務局
 過去の例を御紹介させていただきますと、最近のもので言えば、例えば去年の6月収載のボカブリア、HIV-1の感染症の治療薬でございますけれども、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□というところを評価して加算している事例がございます。
 また、少し前になりますが、令和1年の5月、テリルジー100エリプタでございますけれども、慢性閉塞性肺疾患、呼吸器疾患ということで本剤と類似性が高そうではございますが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□というところを評価しまして、③-cをつけているという事例がございます。
 他も見てみますと、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□というものですとか、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□というものについても評価をして、③-cをつけている事例がございます。
○薬価算定組織委員長
 この点、企業の意見を聞いた上で、議論をしたいと思います。
 それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思いますので、事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に、トレプロスト吸入液についての御意見を5分以内で説明をお願いいたします。なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。
 続いて、委員側から質問をさせていただきますので、御回答をお願いします。
○申請者
 それでは、よろしくお願いいたします。
 トレプロスト吸入液の有用性加算(Ⅱ)への該当性についてということで、本日は医学専門家である□□□□□の□□先生に御同席いただいております。
 本剤の効能・効果は肺動脈性肺高血圧症で、新投与経路医薬品でございます。
 有用性加算(Ⅱ)への該当性でございますけれども、本剤トレプロスト吸入液はベンテイビス吸入液に比べて吸入回数が少ないこと、また、製剤工夫によりアンプルの交換頻度が少ないことから、1日の吸入回数はイロプロストに比べて大幅に短いという特徴があります。イロプロストから本剤の切替え後に実施したアンケートにおいて、QOL、利便性、全般満足度が明らかに改善していることが報告されております。
 詳細を説明いたします。T1/2は本剤43.3分、イロプロストは8~9分で、本剤の消失半減期はイロプロストに比べて長く、1日の吸入回数は、本剤は4回、イロプロストは6~9回で、本剤に比べてイロプロストの吸入の患者負担は大きいと考えております。吸入の例を下にお示ししております。
 また、本剤は1アンプル中に1日分を充填しておりますが、イロプロストは1アンプルに1回吸入分しか充填されておらず、アンプルの交換頻度が多いため、ネブライザの洗浄時間が長いということになっております。比較表を下にお示ししております。
 本剤からイロプロストに切り替えたときの臨床試験の成績について御説明いたします。吸入に必要な総時間はイロプロストが123.2分、本剤が39.1分で大幅に時間が短縮されております。この総時間の短縮については、グラフにお示ししておりますが、吸入時間と洗浄時間による短縮が82%を占めており、イロプロストとのネブライザの違いによるものではなく、この吸入時間と洗浄時間の短縮が主に寄与していると考えております。
 なお、本成績によってネブライザの吸入速度を算出した結果、吸入時間の違いについては、吸入回数と吸入液量の違いに基づくと考えられました。
 イロプロストからの切替え後の有効性についてですけれども、12か月時に6分間歩行距離、ボルグ呼吸困難スコアの改善が認められております。また、CAMPHORのTotal、Symptom、QOLスコアについても12か月時に有意に減少したことが報告されております。
 12週時に実施した治療満足度のアンケートにおきまして、効果、利便性、全般満足度がイロプロストからの切替え後に明らかに改善していることが確認されております。
 ベンテイビスの状況ですけれども、ネブライザの取扱い終了に伴って、本年12月に出荷を終了することが発表されております。これに伴いまして、日本循環器学会、日本肺高血圧・肺循環学会様から、本剤の早期発売を期待するとともに、ベンテイビスと同様に在宅患者指導管理料並びにネブライザ加算の算定対象となるよう、御要望書が提出されているという状況でございます。
 結論です。以上より、本剤は有用性加算(Ⅱ)の要件であるハの治療方法の改善が客観的に示されていること、またはニの製剤工夫により、類似薬に比して高い医療上の有用性を有することが客観的に示されていることに該当すると考えておりまして、弊社としては有用性加算(Ⅱ)5%を希望しております。
 本剤の希望薬価については、こちらにお示ししております。
 以上、よろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員からの意見をお願いしたいと思います。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 説明ありがとうございました。
 説明資料の3ページ目の「本剤は1アンプルに」というところでありますけれども、「1日使用分を充填した『製剤設計』であるが」と説明されておりますが、1アンプルに1日分を充填できるようにした製剤に関しての工夫というのは何かございますか。
○申請者
 これは、そもそもイロプロストのほうが本剤よりも先に上市されていまして、UT社のほうはイロプロストの吸入回数の多さというところに着目して、1日分を1アンプルに充填するような製剤設計にしたのだと考えております。
○委員
 溶解度を増やすようにしたとか、液剤に関して工夫したとか、そういう点は何かございますか。
○申請者
 イロプロストに比べて薬物濃度が高いという工夫があります。イロプロストは日本での濃度の2倍量のものが米国では販売されておりまして、それによると、薬物濃度が濃くて吸入時間が短いほうがアドヒアランスが向上したということが報告されていますので、そういった濃度の点も含めて工夫していると思います。
○委員
 ありがとうございます。
 もう一つお伺いしたいのですけれども、4ページ目の青い字で書かれているところ、製剤設計等の寄与がネブライザの構造上の違いに比べて大きいと考えられているようなのですけれども、製剤設計の寄与とネブライザの構造上の違いによる寄与はどれぐらいの比率だとお考えでしょうか。
○申請者
 製剤設計による寄与が82%で、ネブライザの構造上、パーツを集めたりする部分も含めるところは18%と考えてございます。
○委員
 分かりました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私たちは半減期が長いところに非常に興味があるわけなのですけれども、5ページ目のスライドで見ても、イロプロストから切り替えるとかなり有効であったということであります。このとき、イロプロストは結構6回以上使っていたということでしょうか。
○申請者
 ここは一部6回未満の被験者も含まれていましたが、大部分は6回以上吸入しているという状況です。
○委員
 大体苦しくなって使ってしまうという感じなのでしょうか。
○申請者
 もともと6回から9回が承認された用法・用量ですので、それは守らないといけない。ただ、それでも回数が多いので、守れない患者さんも一部いらっしゃった。
○委員
 この薬に関しては4回を守ってやったということですね。
○申請者
 そうです。本剤は第Ⅲ相試験でも4回の遵守率というのは98%とかと非常に高いので、守ることができます。
○委員
 この試験の後、イロプロストからこの薬に切り替えた後、また元のイロプロストに戻った後のデータみたいな、逆のパターンというのはあるのですか。
○申請者
 そちらのデータは収集していないと思います。
○委員
 分かりました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から何かございましたら御発言をお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 長期的な予後という観点で、比較薬と比してよい成績がえられているということなのですか。それとも、そこは非劣性ということで同じだけの効能・効果があるというのは、長い間使ったときはまだ成績がないのでしょうか。
○申請者
 この分野は患者数が限られているので、head-to-headでの臨床試験というのは行われてはいないというところになりますが、最近の米国でのレセプトデータの分析によりますと、本剤のほうが投与継続率が2倍ぐらいイロプロストに比べて高いということが最近報告されております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 事務局からいかがでしょうか。特にないでしょうか。
○事務局
 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、よろしいでしょうか。何か御発言があればお願いいたします。
○申請者(専門家)
 私自身、□□□□□□□□□□□□□としてこの領域に長らく関わっている者でございます。
 もともと肺動脈性肺高血圧症の治療薬は経口薬、静注薬、皮下注薬がございます。しかしながら、本疾患は肺血管に限定した疾患ですので、吸入薬がドラッグデリバリーシステムとしては最も理想的な用法になります。しかしながら、この薬剤を使うことによって全身的な副作用を減らせるというメリット、さらに、先ほど御意見がありましたように、吸入によって患者さん自身が自覚症状が楽になるという大きなメリットを持っている一方で、半減期が短いことから吸入回数が非常に多く、デバイスの管理、維持も非常に煩雑であるということから、有効でありながらアドヒアランスが非常に悪く、継続率が低いというのが吸入薬の大きな欠点でした。
 本薬剤は、製剤の工夫とデバイスの工夫により飛躍的にアドヒアランスを改善させ、継続率を高めたという画期的な薬剤でございます。患者さんの側からも、本薬剤の早期使用を要望する声が広く上がっております点を追加でコメントさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。それでは、これで企業の意見陳述を終了したいと思います。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の方々から御意見を改めて伺いたいと思いますが、□□先生、加算の件も含めて御意見をお願いいたします。
○委員
 難しいなと思うのですけれども、効果として半減期が長くなっているというところは認めてもいいのかなと少し伺っていて思いました。ただ、これまでの薬剤と比べてはるかに著しく高くなっているのかというところが、これまでの算定と比べてどうなのかなというところが一つ疑問の残るところです。
 もう一つ、製剤工夫に関してはあまり明確な答えがなかったかなと思いまして、基本的には半減期が長いことによる効果によるものなのかなとも感じました。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、お願いいたします。
○委員
 やはり半減期が長いことによる効果をどう見るかということと、これは例数の多い疾患ではないので、予後を見るのはなかなか難しいとは思うのです。その一方で、予後が悪いという疾患であることを考えると、やはりQOLをよくするというのは大事なように思うので、その点で、半減期が長くて6回が4回になる。要するに、4時間ごとの吸入というのは、私からすると結構面倒くさいものでもあるかなと思うので、その辺をどう評価するかなというところだと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。なかなか難しいですね。
 それでは、委員の方々から何か御発言があれば。どうでしょうか。
○委員
 いろいろな薬がこれまであったと思うのですけれども、例えば1日6回とか7回という投与回数だったものが3回とか4回になったことで加算をつけてきたというようなことが前例としてあるのだったら、こういう薬も、確かに自分が薬を飲む立場からしたら、朝昼晩と寝る前みたいな飲み方というのは比較的飲みやすいけれども、中に入れていくというのは忘れがちになるというのはよく分かるのです。だから、これまでの前例では、別にこういうふうな、このタイプの薬ではなくてもいいのですけれども、そういうのはいかがなのでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 事務局、先ほどお聞きした内容もありましたけれども、極端なHIVの2か月に1回になったとかそういうのはあるのですが、こういう同じような例はなかなかないのでしょうか。
○事務局
 御指摘のとおり、例えば1日3回内服のようなお薬で1日1回で済むといった内服薬が出た場合には、基本的には加算とまでは言えないかなというのがこれまでの判断であったかと考えております。先ほどのHIVの薬は極端な例ではございましたけれども、それ以外においても、点滴静注だったものに対して、期間も長くて皮下注で済むものは評価してきたところでございますが、明らかに期間というところで評価できる部分であったのかなと思います。
 一方で、今回の剤につきましては、疾患の特性から鑑みて、本剤の投与経路が吸入というところで、内服、注射に比べて吸入という投与方法が、患者にとってどのような負担になっているのかというようなところの評価も一定程度必要なのかなとは考えているところでございます。
 先ほど御紹介いたしましたけれども、テリルジー100エリプタが吸入剤で、慢性閉塞性肺疾患の治療薬でございますけれども、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□が評価されて加算の対象となっている例もございますので、一つの御参考にしていただければと思います。
○薬価算定組織委員長
 その他、よろしいでしょうか。
 事務局としては、ある意味委員の中で決めていいということだと思いますけれども、これは加算をつけるべきでは、皆さんつけなくていいという御意見を最初にいただいているのですけれども、いかがでしょうか。
 □□先生、いかがですか。
○委員
 おっしゃるとおりで、今回のお話でいうと、6回という吸入回数が4回に減るというところの価値判断が一つあるのかなと思っていまして、申し訳ないのですが、そんなに大したことはないのではないのかというのが最初の印象でございましたし、事務局からいただいたところでの感覚ではあるのですけれども、ところが、委員の先生方からの御指摘はその2回というのは非常に貴重なのですよという御指摘、もう一つは疾患の重篤性等を鑑みてということですので、この点に関して加算をということに関しては、本当に価値判断のお話なので、あってもいいかなとは思います。
 その点で、もともと今回主張がなされている加算の要件で言いますと、③-cにそこは該当ということになり得るのでしょうか。それとも④-bのほうになるのかというところが、言われたところでいうとどちらの御主張に該当するのかなというところでございまして、事務局の書かれておられる回数の低下に関しては、どちらかというと③-cではあるのですけれども、ただ、それは製剤の性質の工夫であって、少ないところの価値判断の話ではないのかなと思ったので、もう一個の同じ回数が書かれているところでいうと④-bのほうがより若干該当しやすいのかなというのは、該当性を考えると感じたところです。
 なので、私としては加算をつけてあげるというところに関しての先生方の御意見には賛同いたしますが、その場合は④-bでしょうかという質問でございます。
○薬価算定組織委員長
 その他、いかがでしょうか。どうしましょうか。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 難しいところかなと思いますけれども、加算をつけるにしてもどこでつけるのかという□□先生のお話もそうだと思いますし、あと、例えばどういう疾患だったらこれぐらいの回数の変化でつけるのかとか、その辺も多分基準がすごく難しくなってくるのかなと。今まで全くこういうものをつけてなかったということだと思うのですけれども、この疾患ではいいけれども、他は駄目という話になってくると、またそれは整理が難しいなと思いますので、そういう意味では、今までは極端な差があるようなケースにしかつけていなかったということを考えると、私はつけなくてもいいのかなとは思っています。
○薬価算定組織委員長
 その他、何か御発言はございますでしょうか。
○委員
 5ページにあるように、QOLがよくなったという割には数値が下がっているようにも見えたのですが、低いほうがQOLがいいようなスコアかなと思って調べてみました。それ専用のPRO尺度にQOLの項目もないみたいなので、企業が強く言うQOLの改善があるというのは、少なくともあまり客観的なデータでは示せていないのかなと思いました。患者の利便性や満足度という評価はあると思うのですけれども、QOL値の観点からは、加算しなくていいという判断があっていいと思います。
○薬価算定組織委員長
 その他、いかがでしょうか。
○委員
 一概に6回が4回をどうするかというのは疾患の特性というのがあるかなと思って、私自身も循環器内科ですので、やはり肺高血圧の人を診ているわけですが、すぐに息切れして、要は手間をかけて1日6回以上吸入している。そうしないと息が苦しくなってしまうという人になってみれば、そして、かつ予後が悪いということを考えると、やはりその中で6回から4回というのは、この疾患の患者さんが特にすぐに息切れしてしまうというのに関しては大きいのではないかなというのが私の思ったところで、最初、事務局案を見ていいのかなと思ったのが、読んでいるうちに実際に診ている患者さんを考えると、やはり大きい意味があるなと思った次第です。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、何かございますか。
○委員
 私は、これは実はほとんど素人に等しいと思うのですが、6が4になるというのはそれほど大きな効果がないというか、メリットはないのではないかなと思います。これは6が1日1回になりましただったら劇的な効果で、患者さん方も大変評価が高まるのではないかと思うのですけれども、マイナス2というのは非常に微妙な数字ではないかと感じました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
○事務局
 今回の剤では、回数が6~9回であったものが4回に減るというところでございますが、投与方法が吸入というところもございまして、1回噴射して瞬時に終わるというものではなく、吸入にそれなりの時間がかかるというものです。企業の主張の中にも、今までの製剤ではトータル123.2分ほどかかっていたところ、本剤ではかなり短くなって39.1分で済むという点もございまして、患者負担も加味した上での加算ができるかどうかという観点が論点になると考えているところでございます。
 また、□□先生からも御指摘がありましたけれども、③-cなのか④-bなのかというところもございますけれども、仮に加算をお認めいただけるということであれば、本剤につきましては、やはり消失半減期が比較薬と比べてとても長いというところで4回になっている点というのが評価できるのではないかということで、③-cではどうかと事務局では考えていたところでございます。企業が主張するようなカートリッジの取りかえの回数ですとか洗浄のしやすさみたいなところは、やはりネブライザ、機器の性能によるところかと思いますので、それを薬価算定の中で評価するというのはなかなか難しいのではないかと考えているところではございます。そういった剤形といいますか、吸入方法といったところも加味して御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 意見が割れましたので、今の時点で何か御発言のある委員の方はいらっしゃいますでしょうか。
○薬剤管理官
 回数については、結構悩ましい点があるのは事実でございます。何回から何回になったということだけを見たときの印象ではあるのですが、実際の1回当たりのいろいろな負担や、疾患の特殊性等を加味しながら総合的に判断するのかなと思っております。
 そういった中で、当初、我々事務局案としては、シンプルに数字だけ見たら、これまでの事例の並びから考えると不十分かなというところがある一方で、実際に現場のいろいろな状況とか先生方の御意見を踏まえると、一定の評価というところをやるということも一つの要素としてあるのかなと思うことで、今のような形で読める要素はあるのではないかと考えているところでございます。
 そこの辺りで、我々がもっと気にするのは、これを加算した場合に、今後、剤形工夫とかをして同じように6回が4回なりました、前に加算を取ったでしょうという話になったときに、並びにするかというのは個々の判断にするのかなと思っています。必ずしも数値だけの問題ではないし、実際に1回当たりの負担がどうなるかとか、総合的に見るということで、ある程度裁量を算定組織の中で考えるという前提に立てば、この薬ということでのいろいろな状況下においての今の先生方の御意見を踏まえて、一定の負担軽減には役立っているのではないかという意見もあってもいいのかなと考えているところでございます。それを含めて、御意見をまたいただければと思っております。
○薬価算定組織委員長
 今の御意見を踏まえまして、何かございますでしょうか。
 吸入時間が123分から39.1分になるということで、こういう重症とか重篤な疾患の患者さんにとっては相当な時間的な余裕ができるという考え方だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○委員
 先ほど企業が出したスライドの5枚目で、要するに、ベースラインから改善したというのをどういうふうに、やはりそれが非劣性というのではなくて、そちらのほうがより効果があると見るかどうかにもまたかかってくる。単に回数が減っただけではなくて、さらに有効であるというのもこの薬の一つのメリットかなども思うのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。先ほど私も長期予後はどうなのだというお話を聞きましたけれども、これは疾患として多数例で比較するのはなかなか難しいのですよね。
○委員
 長期は難しいし、取りあえず12か月までの経過でいうとよりよくなったということをどう評価してあげるかということだと思うのですけれども、そこが難しいですね。単に利便性と有効性と両方を評価してあげるというところかなと思うのですけれども。
○薬価算定組織委員長
 それでは、改めて御意見はいかがでしょうか。
 □□先生、もう一度聞いてよろしいですか。
○委員
 私としましては、今、御指摘がございました有効性、利便性というところでございますけれども、単純に1日6回吸入を毎回しなくてはいけない、かつ呼吸に制限がある患者さんが多いということ、予後も限られている患者さんであるという前提に立った場合に、1日6回という時間を通常は定期的に決まった時間に恐らくネブライザを準備して行うのだと思うのですけれども、6回となると4時間ごとでありますので、十分な睡眠がなかなか取れない中、断眠で取らなくてはいけなかったところを、まず今回4回にすることで、ある程度の長い時間の休息も取れるような形に変わるという患者さんにとってのメリットはあろうかなと思います。
 もともとシェアが小さい規模ではありますけれども、今の吸入剤があった中で、今回のが置き換わるからみんなそちらになっていいではないか、シェアが変わるからいいではないかというのは恐らく期待ができるのでしょうけれども、一方で、そういう希少な疾病であって、かつこういう薬剤の改良によって患者さんのQOLをより上げていこうというのは、こういう疾病の少なさからしても、企業が頑張るインセンティブにもなるし、それは最終的に患者さんに還元されるというところを感じております。そういうトータルを考えますと、今回の患者さんの利便性が上がるという点は、思っていたよりも非常に大きいのではないかなと考えておりまして、その点では、追加の加算を評価するというところに私は1票でございます。
○薬価算定組織委員長
 その他、よろしいでしょうか。何かいかがでしょうか。
 □□先生、もう一度お願いいたします。
○委員
 先生方の御議論を伺っていて、やはり疾患によって、この疾患に関しては結構大きなことなのだなというのは改めて分かりました。半減期が大体5倍ぐらい長くなっていて、先ほどの吸入時間も大体5分の1になっているのですよね。そういう意味では、半減期を長くしたということは、最終的に患者さんの利便性を上げていると考えれば、有用性加算はつけてもいいのかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 その他、委員の皆様、御発言はございますでしょうか。
 今の御発言の意見をまとめますと、③-cという形ですかね。5%の加算をつけてもいいのではないかというような御意見だと思いますけれども、それに対して反対の方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。
○委員
 もちろんそういう意味では反対ではないのですけれども、さっき、6回から9回だけれども、現実には調べたら6回だということで、それがデフォルトになって6回と4回を比べているのですが、さっきの1日にかかる時間も6回で計算しているのですか。6~9回だったら、企業があれだったら9回で計算するだろうし、そこまでにしないにしても7.5回ぐらいで計算しているのかなと思いました。事務局の準備されたものが6回をデフォルトにして、6回、4回、6回、4回とずいぶん言われていたので、そこはいかがなものかと気になりました。
 企業がいるときに聞けばよかったですね。すみませんでした。
○事務局
 吸入に必要な総時間123分ほどというのが、試験の中で出てきた数字のようですので、恐らく平均の吸入回数6.3回に基づく数字と思われます。
○委員
 なるほど、ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 事務局、何かございますか。追加の情報は特によろしいですか。
○事務局
 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、今までの御意見から5%の加算をつけるという方向にしたいと思いますけれども、皆さんよろしいでしょうか。
 事務局、これは③-cということでよろしいでしょうかね。
○事務局
 製剤工夫というよりは、本剤の半減期が延びたというところの御評価をいただいたということで、物質としての性質を御評価いただいたというところも評価しやすいのはどちらかということでございますけれども、③-cが適当ではないかと事務局では考えております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 有用性加算に関しましては③-cに該当することとします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 事務局、よろしいですか。
○事務局
 ありがとうございます。
 加算した場合の薬価は、1万8,914.20円になります。
 
 
ゾコーバ錠125mg
日時:令和5年2月21日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 個別品目の算定(3月薬価基準収載新薬)で、ゾコーバ錠125mgになります。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から御意見があればお願いいたします。
 中医協で薬価算定の前に議論をすることになったというのは高額医薬品だからということですか。高額医薬品で感染症治療薬だからという意味ですか。それとも、この薬剤が特殊だからでしょうか。これを中医協で最初に議論をした理由ははっきりとしているのでしょうか。
○薬剤管理官
 背景を御説明させていただきます。もともとコロナの治療薬自体はすでに収載されたものがございます。ただ、これまでの品目は重症化リスクを有する患者に対しての薬だったのですけれども、本剤は軽症患者に対して、幅広く、重症化リスクの有無にかかわらず投与される可能性があるというものです。学会のガイドラインで対象患者が示されており、投与し得る対象患者がかなり広く想定されるものでございます。
 現時点において本剤がどこまで使われているかにつきましては、中医協でも示しておりますけれども、実際にはそこまでまだ使われておりません。ですが、年間1500億円の市場規模を超えることが見込まれる品目については薬価算定の手続に先立ち、中医協であらかじめ議論するということになっていますので、今後の感染動向や投与率の変化等によっては、本剤もそういうことがありうるということで、今回は最初に中医協で議論いただきました。
 市場規模に関しては、昨年1年間の新型コロナの感染者数というのが約2700万人でございます。今後同程度の感染者数であった場合にどの程度本剤が使われるかですけれども、仮にインフルエンザと同じくらい使われる場合を想定すると、薬価がいくらになったとしても、何千億円単位の市場規模になる可能性もあり得るということになりますので、実際にそうなってから対応を考えるのではなく、高額医薬品に該当する取扱いとして、あらかじめそうなったときにどうするか、ということを想定して中医協で議論いただいたものでございます。
 中医協では、今年の1月25日から議論を開始して、2月15日に本剤の取扱いについてとりまとめられました。その中で、算定方法につきましては、比較薬の選定にあたって、類似薬の中から複数の比較薬を選定し薬価を算定するなど、特例的な対応を行うこととされました。算定にあたり特例的な対応を行うのは比較薬の選定のみであり、それ以外のルールは通常どおりの考え方で算定することになっています。また、市場規模予測は、感染動向の予測や本剤の投与状況が変わりうるため難しいということがありますが、中医協のとりまとめでは、今後の感染予測や、本剤の現時点の投与割合を踏まえながら対応することになりましたので、今回は事務局でも投与割合を精査しています。
 本剤は緊急承認品目ですが、とりまとめの中では、本剤は1年間の期限を付して緊急承認されたものなので、本承認後速やかに中医協総会に報告して、当該承認にかかる審査の結果等を踏まえて、改めて本剤の薬価について検討することになっています。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 その他、いかがでしょうか。
 □□委員、どうぞ。
○委員
 事前の御確認の部分にはなってしまうのですけれども、先ほど薬剤管理官からも御説明いただいたように、本薬剤に関しては緊急承認という形ではございましたけれども、まず有用性加算に関しては、条件付きの早期承認制度であっても、本緊急承認であっても、いずれも対象になるという前提で考えてよいということでしょうか。
○事務局
 御指摘いただきましたとおり、条件付き早期承認制度であっても、有用性加算の要件を満たすと考えられれば対象になると事務局としても考えております。
 緊急承認品目の取扱いにつきましては、今回初めてということにはなりますけれども、中医協における高額医薬品の議論の中で、緊急承認品目である本剤は、比較薬の選定のところにつきましては特例的な対応を行うこととされましたけれども、それ以外のところについては通常どおりの扱いとすることが今回のとりまとめにおいて認められているというところも踏まえまして、同様に要件を満たせば有用性加算の対象になると考えております。
 加えて、有用性加算の対象となれば、新薬創出等加算の対象にもなると考えているところでございます。
○委員
 もう一点、本臨床試験の結果、国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験の第Ⅲ相パートもデータが出てはいるのですけれども、今回の場合に関しては緊急承認でありましたけれども、コンファーマトリーな試験というか、条件付き早期承認の場合の検証試験みたいなものは特になく、このまま確定ということで考えてよろしいでしょうか。
○事務局
 本剤は緊急承認の経緯もありますけれども、第Ⅲ相のパートの全ての資料が提出される前に速報値等に基づいてPMDAで評価がされ、緊急承認に至ったと認識しております。御指摘いただいた、有効性を改めて評価するような試験が追加で課されているという品目ではございません。第Ⅲ相パートの全てのデータが得られ次第、改めて当該臨床試験成績に基づき評価を行った上で本承認、というステップを踏むものと考えております。
○委員
 分かりました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。
○薬剤管理官
 改めて、委員の先生方にも認識の共有になりますけれども、中医協の議論の中で、今回、比較薬の選定のところで、2つの類似薬のいずれを優先するかによって算定薬価が大きく変動してしまうということで、複数の比較薬を用いることが可能ということになっています。ただ一方で、その算定に当たっての考え方は明らかにすべきということが中医協でも指摘されているところでございます。
 したがいまして、今回の資料の中でかなり丁寧に、詳細に書いているのは、そういった背景もございます。中医協で審議する際には、どのような考えを基に類似性を考えて算定をしたのかというところの説明をさせていただくことになろうかと思っております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 □□委員、どうぞ。
○委員
 私も仕方ないというか、実は2剤を比較したときに、この1対1ということについて、他に手がないなと思って、私も賛成したのですけれども、例えばインフルエンザだと基本的に予防でいくと、1人が感染すれば何人かに使ったりする状況があり、この薬剤を実際に投与するに当たって併用禁忌があるので、2剤に対する適切な位置付けの予測はできないのです。説明根拠を明確に考えておかなくていいのですかね。1対1とすることについては、誰もが納得できるように説明が必要なのかなと思ったのですけれども。
○事務局
 1対1という点についての御指摘でございますけれども、本剤と比較する薬を2つ、ラゲブリオとゾフルーザを挙げております。その類似性というのを、通常、類似薬を選定する際の観点、イ、ロ、ハ、ニで並べて比べてみますと、お示しした表に整理したような形になります。効能・効果につきましては、ラゲブリオとは同一の効能であるという点と、ゾフルーザと比べると、原因のウイルスは違いますけれども、同様の呼吸器感染症であるというところで一定の類似性が認められるだろうとは考えております。
 また、薬理作用の点でございますけれども、当然、本剤は新規の薬理作用でございますので、ラゲブリオともゾフルーザとも違うものではございますが、その結果として得られる効果が、ウイルス増殖抑制を目的にした薬であるというところは、ラゲブリオ、ゾフルーザ、いずれも類似性が一定程度あると考えております。
 ハの組成、化学構造式ですけれども、全く違う構造をしていますので、ここはラゲブリオとゾフルーザともに似てはいないと考えております。
 最後、投与形態のところでございますけれども、ラゲブリオもゾフルーザもいずれも経口剤ですし、本剤も経口剤でございますので、一定の類似性があると考えております。
 このようにマルバツをつけて数を数えますと、同程度の類似性があろうと考えておりまして、現時点では1対1、類似性の程度を同等であるとみなして算定することが、現時点では最も妥当と事務局としては考えているところでございます。
○委員
 難しいことは分かっているので、分かりました。
○薬価算定組織委員長
 かなり難しいですけれども、こういうふうに説明するしかないということで、中医協等で納得されるのでしょうか。
○薬剤管理官
 中医協でどういうご意見をいただくかというところは、予想しづらいですけれども、この辺りの説明が限界なのかなとは思っております。
 あともう一つの考え方は、患者数の比較です。類似薬効比較方式ですのであまり患者数を想定してはいけないのですが、仮に、コロナ治療薬の想定している投与対象患者数を比較すると、ラゲブリオと本剤の比率から考えて、価格はラゲブリオの半分ぐらいの程度というところは一定の合理性はあるのではないのかというところで、すごくかけ離れた価格にはなっていないと思っているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。
 どうぞ。
○委員
 コメントのところにも少し書かせていただきましたが、やはり1対1はあまり根拠がないような感じはしましたけれども、今の説明でも一定の合理性はあるのかなと思いましたが、逆に患者数の数値がどれぐらい妥当か分かりませんけれども、そこに出ている□□□という数値を使って、例えば1対□□にするとか、何かしら量に関する定量的な数字で考えないと、先ほどの類似性の観点でマルバツの数が同じだというのは、やはりこれはまるっきり定性的な話なので、これを量に変換するのはやはり無理があるのではないかという気がするので、何かしらの数字を使ってこの比率を出さないと、あまり納得してもらえないのではないかなという気がしますので、何か工夫したほうがいいような気がします。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
○薬剤管理官
 事務局からよろしいでしょうか。
 その辺りも大事なポイントとして考えております。また、今、緊急承認品目に対して薬価をつけるということになりますが、恐らく1年以内に緊急承認から本承認になるときに改めて薬価について、使用実態がどうなっているかといったところも加味しながら整理するというのも一つあるのかなとは思っております。
 やはり本承認の際の承認事項によって考え方を整理すべきだろうというところは中医協の中でも議論がありましたし、とりまとめにも書かれていますので、今後、そういったところを加味して改めて検討するというやり方はあるのかなと思っているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員から御意見はいかがでしょうか。
 どうぞ。
○委員
 患者さんの数もやはり相当変わると思うのです。ただ、やはりそれに対してのある程度の根拠がないと納得できないような面もあるのではないかと思いました。
○薬価算定組織委員長
 その他いかがでしょうか。
 事務局、いかがでしょうか。これは、逆に1対1でないとすると、先ほどの値だと□□□という患者数があるということですけれども、そのあたりを正確に1治療当たりの薬価と患者数の比率からというのは、これはラゲブリオとトータルで大体同じ値段ぐらいになるという意味なのですか。軽症と中等症以上というか、その辺の1治療当たりの値段を大体同じにしたほうがいいというような、この説明はそういうことなのでしょうか。
○事務局
 本剤の1治療の薬価は、補正加算を考慮しない場合でございますけれども、そこにお示しした額となっておりまして、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□%程度の薬価になってございます。そこに患者の推計数を加味いたしますと、ラゲブリオの収載時の□□□□□□□□□□□□□□□□□人に対しまして、本剤は□□□□□□□□□□□□□□□□□□人となっております。ラゲブリオの収載時の予想と比較しますと、患者の規模としては□□□程度いるのだろうと。大体□□□程度の患者が想定されるのに対して、本剤の薬価としては□□□□というところで、総体として見たときにつり合いがとれているのではないかと考えているところでございます。もちろん先生に御指摘いただきましたとおり、対象とする患者の重症度というところに多少の違いはございますけれども、総体としてはつり合いがとれているのではないかと考えています。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、何か御意見はございますか。
○委員
 なかなか難しい問題なので、数字も確かな数字ではないと思いますので、どの数字を使っても難しいのだろうと思います。先ほど薬剤管理官も言われたように、今は緊急承認だからざくっと決めておいて、1年後に本承認するときに、その辺がもう一回ある程度数字で議論できるような状態になったときに見直すという形でもよろしいのかもしれないなと思いました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 事務局、何かございますか。
○薬剤管理官
 非常に悩ませてしまい、恐縮でございます。
 我々の考え方として、今回資料で示しているものは類似性の程度がどうなのかということと、患者数との規模感から考えた比較論というところも書いております。患者数のところが悩ましいのは、もともと感染予測が難しいという中で、仮の仮定を置きながらの規模感ということで、ラゲブリオももともとそうでした。では、どこまでこれが妥当なのかというところは、正直、今後の感染状況でも変わってきますし、本来そこは再算定のときに初めて検証されていくべきものなのかなと思っていますので、そういう意味で、この程度の規模感で了承いただければ、改めて本承認の際にどうするかという御検討をいただくというのも一つの考え方なのかなと我々としては感じているところでございます。
 そういった意味で、類似性の程度が同程度だから、そういったところを前提に置いたというところでございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□先生、よろしいですか。今回も、では何対何にするのだという議論も我々もなかなか難しいですので、中医協にこれを上げさせていただいて、中医協での御意見も最終的にどうなるかというところもあると思うのですけれども。これは中医協でもめた場合、差し戻しになったりすることもあるのですか。
○薬剤管理官
 枠組みとしてはあり得ます。了承が得られなければ、再度算定の仕方の精査をいただくということはルール上あり得ると思います。それはそのときの議論次第というところになりますし、ただ一方で、そういったことをできる限り避けるために、我々としては納得感のある説明を事務局として資料としても提示したいと考えています。
○薬価算定組織委員長
 現段階では、事務局案を覆すような我々の意見というのは出そうもないということでございますので、事務局案を持って中医協に臨みたいということでよろしいかなと思うのですけれども、それ以外に御意見がある先生はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
 それでは、現時点での薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
タグリッソ錠40mg、同錠80mg
日時:令和5年2月14日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 市場拡大再算定の要件該当性等についてということで、タグリッソ錠40mgと同錠80mgに関してでございます。
退出委員は弦間委員です。
(弦間委員退室)
○薬価算定組織委員長
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 収載時のどれぐらい評価しているかというのは、どこを見れば分かるのですか。
○事務局
 本日お配りしております資料5-3の後ろに通知を引用してございまして、別添2として、薬価算定組織において了解された評価方針がございます。こちらに基づいて評価をしていただいております。
○薬価算定組織委員長
 これは、やはり収載時の評価を参考にする必要があるのですか。例えば真の有用性といってPFSまでしか出ていなかったのを評価して、今になってOSが出てきたときというのは、評価はOSの部分だけになるのだと思うのですけれども、それが資料としてどこに書いてあるのかなというのが分からなかったので。
○事務局
 効能追加の承認時の評価につきましては、資料5-3の4ページに、審査報告書を引用させていただいております。
 審査報告書から引用された部分につきましては斜体にしてございますけれども、審査報告書の機構の見解として、主要評価項目の設定では、「本試験において主要評価項目とされたPFSの結果に加えて、OSの結果についても確認して総合的に評価する必要があると判断した」と記載されており、その評価としましては、「副次評価項目とされたOSの結果について、ゲフィチニブとエルロチニブ群と比較して本薬群でOSが短縮される傾向は認められなかった」と記載されており、総合的に評価するという観点でOSの結果も踏まえて判断しています。今回企業から提出された資料で、長期的な投与によってもOSに有意差が認められております。
○薬価算定組織委員長
 理解しました。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 補正加算率5%ということでよろしいでしょうか。
 参考に聞きたいのですけれども、途中で対象患者というか、効能変更というのが行われていると思うのですが、これはどこでどういうふうに行われるものなのですか。これは収載したときにはEGFRのT790Mだけだったのですよね。そのうち変異陽性に変わってくるのですけれども、これはもちろん、あまり我々の目には触れないうちになるのですよね。
○事務局
 資料5-3の1ページ目、表でまとめております効能変化等について、取消し線と下線部で示しています。要はこの効能変化は、ファーストラインから本剤が使えるようになったということにはなりますけれども、企業がセカンドライン以降の承認を取った後に何らか試験等をやってきて一変申請をして、PMDAで審査した結果、ファーストラインから使えるということで文言が修正されたという形で、どんどん試験が積み重なっていけば、企業の申請に基づいて効能・効果というのは変わっていくものと承知していますし、別効能という形で追加されるというのはどんどんこれからもなされてくるものと考えています。
○薬価算定組織委員長
 そうですよね。恐らくこれがあったから最初の企業予測とは全く異なった巨額に売れる薬になってしまったのだと思うのですけれども、企業としてはよかったのだと思いますので、いいと思うのですけれども、ここに出てきて初めてこうなったのだなというのを数年たって気づいたという感じで、感想だけ述べさせていただきました。
 何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、事務局の見解が適当ということでまとめたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ベクルリー点滴静注用100mg
日時:令和5年2月21日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 市場拡大再算定の要件該当性等についてということで、ベクルリー点滴静注用100mgについての審議をしていただきます。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 本剤を議題とした経緯についての説明をお願いいたします。
○事務局
 四半期再算定の対象品目については、効能変更等又は主たる効能若しくは効果に係る用法及び用量の変更が承認された既収載品、または収載時に2年度目の予測販売額が規定値以上である既収載品となってございまして、変更の承認がなされたかどうかという手続の有無ですとか、年間販売額の数値の大小で判断ができると考えておりまして、事務的に判定をしていたところでございます。
 一方で、本剤につきましては予測販売額が規定値以上との要件は満たすものの、効能又は効果、用法及び用量の承認事項一部変更承認がなされておりません。そういった変更がなされたものではないのですけれども、添付文書の「効能又は効果に関連する注意」の改訂によって、投与対象患者について変更が生じているという事情がございましたので、念のためお諮りする品目でございます。
 今回、事務局の案といたしましては、投与対象患者の変更が生じているものの薬事承認による変更ではないので、四半期再算定の要件には該当しないというものでございます。先生方の御意見をいただければと思いますので、御審議の程、どうぞよろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、御出席の委員で御意見がありましたら御発言をお願いいたします。何かございますでしょうか。
 特にございませんでしょうか。対象としないということですので、よろしいでしょうか。
 事務局、何かございますか。
○事務局
 四半期再算定の要件のところ、効能・効果、用法・用量の変更があるかというところでございますけれども、添付文書の改訂によって生じた投与対象患者の変化を読み込むかどうかという点が論点になろうかと思います。ただ、規定上、効能・効果、用法・用量の変更の承認というのを要件としており、それは本剤については生じていないところでございますので、事務局としては対象とならないと考えていたところでございまして、そこについて御意見があればいただければと思っているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 今後、コロナ関係の薬剤に関しては、こういうものがまた再び出てくる可能性もあるのでしょうか。
○事務局
 特にコロナの治療薬は、今後も患者数の考え方等によって、こういったことが生じる可能性はあるかとは思いますけれども、個別にどういった変化が生じたのかというのを確認しながら、先生方にも御相談をさせていただければと思います。
○薬価算定組織委員長
 御意見はありませんでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 資料の事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局の考えのとおりといたします。