田村大臣会見概要

(令和3年9月7日(火)10:39 ~ 10:54 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について



大臣:
おはようございます。私からはまず2点ご報告をさせていただきます。1点は、小学校休業等に伴う保護者の休暇取得支援について、新型コロナウイルス感染症に関わる小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるを得ないという保護者の皆様を支援するため、今後、休暇取得支援を見直すということであります。
 今まで両立支援の中で、助成金で、これはコロナ特例という形で対応をしてきたわけでありますが、小学校等休業等対応助成金・支援金制度を再開する予定でございます。令和3年8月から12月までに取得した休暇を対象とする予定であります。
 あわせて、各都道府県の労働局に特別相談窓口を設置いたしまして、企業にこの助成金をご利用いただきたいということで、ご案内させていただいて、相談に応じて窓口の方でいろいろと対応させていただきたいと思っておりますし、あと事業者等にも働きかけをしてまいりたいと思っております。
 なお、昨年度と同様に、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金、これに関しても労働者が直接申請したりできるという対応をさせていただくということでございます。これが1点です。
 それからもう1点は、米国のノババックス社でありますが、技術移管を受けて武田薬品工業株式会社が国内で生産及び流通を行うということで、新型コロナウイルスワクチンに関して日本での薬事承認を前提でありますが、早ければ来年初頭から概ね1年間で1億5千万回分のワクチンの供給を受けることについて、武田薬品工業と契約を締結しましたのでお知らせをさせていただきたいと思います。
 このワクチンは、組換えタンパクワクチンと呼ばれるものでありまして、B型肝炎のワクチン等で用いられて、従来型の手法といいますか、種類であります。
 中には変異株への対応もありますので、そういうものも含めてこの中でそういうものができれば対応をしていくということで、そういうことも一応は約束させていただいているということであります。ワクチンをしっかりと確保していくということは非常に重要でございますので、今回の契約となったということでございまして、ご理解いただきたいと思います。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年9月7日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
昨日の東京都の新規感染者数は7月下旬以来(初めて)1,000人を下回りました。緊急事態宣言の期限は12日になっていますが、解除の見通しと、もし延長となる場合はどの程度期間を延長すれば良いとお考えになるのかお聞かせください。
大臣:
いろいろとアドバイザリーボードで先週も分析・評価をいただいているわけでありますが、東京都のみならず全国的に低下傾向になるということ、これは非常に好ましいことであろうと思います。
 そういう意味でワクチンの接種も一定程度進んできているという、そういう効果もあるだろうと思われますし、それからやはり非常に感染が伸びましたので、非常に悲しい出来事等も、お亡くなりになられる中で起こるなどしまして、国民の皆様方が非常に関心を持っていただいて感染防止をしていかなければならないという思いの中で行動変容等いろいろな形でご協力いただいた、その結果も出ているのだと思います。
 一方で、人流だけ見てみますと、やはりちょっとお盆明けから戻ってきていると、戻ってきているというのは人流が増えてきているという所もございます。学校も始まって、結果として今までと人の行動が変わっていますので、そういう意味ではまだこれをもってして安心はできないわけでございますので、国民の皆様方には引き続き感染予防というような形でいろいろな対応をお願いしていかなければならないと思いますが、いずれにいたしましても数字を見ておりますと、下方に行きつつあるというのは事実でありまして、ただ一方で感染者の数を見ると今までの基準でいくとまだ厳しい状況です。それから病床使用率を見ても、今までの基準で見るとやはり厳しいというような状況です。
 そういうことを念頭に置きながらこの12日の期限に向かってどうするかは、専門家の方々としっかりと意見交換をしながら、最終的には、内閣で判断をしていきたいと思っております。なおその基準に関しては、それも専門家の方々から今いろいろとご議論をいただいておりますので、専門家の方々のいろいろなご意見等を踏まえて、どうしようかということは今後検討を早急にしていかなければならないと思っております。
記者:
総裁選に関して質問です。石破氏は、不出馬で調整という報道がありますが、派閥の一員としてそれに対するお考えをお願いします。更に石破氏が河野氏の支持にまわるという報道もありますが、それに対しての所見もお願いします。
大臣:
まだ何も聞いておりませんが、私としては、総裁選は総裁選で党の方でしっかりといろいろな対応、準備をされておられると思いますが、この内閣はまだ内閣として任期もありますので、とにかくコロナの対応をしっかりやるということが非常に重要だと思います。
 内閣のメンバー全員が、やはり任期まではしっかり自らの職務を全うするということでございますので、総裁選は総裁選でいろいろな動きがあると思いますが、それはそれとしてしっかりと厚生労働行政を私としては対応してまいらなければいけないと思っております。
記者:
緊急事態宣言の解除に関連してなのですが、大臣が今仰ったように、東京では未だに病床使用率が厳しい状況にあると。一応都と国とかでは一緒に呼びかけをして病床を増やしたりしてもなお未だに病床使用率が66%の状況です。今後仮に延長したとしてもそれを改善するために例えば次の手ですとか、大臣いつも臨時の医療施設を作るとおっしゃっているのですが、どういうことをして数字を改善していくようなこと、考えがありますでしょうか。
大臣:
臨時の医療施設は、もちろん足下もそうなのですが、冬に向かってのまた大きな波が来ないとも限りません。それに対してしっかりと東京のみならず、必要のある地域はお作りいただきたいということをお願いいたしております。
 一方で、病床使用率と入院率というのが実はトレードオフ的なところがあるわけです。ある程度病床が、仮に感染が収まって減ってきても、新規感染者はおられますから、するとやはり自宅で今までおられた比較的軽い方々も病床に入りだすと、その方が安心でしょうから、そうすると病床使用率は下がらないということも起こってまいります。
 実はそういうことを踏まえていろいろと検討していくということが必要なのだろうと思いますし、専門家の方々もそういう意味で入院率というものを前回新しい指標に入れているわけでありますから、そういうものも踏まえた上で最終的にはご判断をしていただくものだと思います。
 いずれにいたしましても、今足下のこともそうなのですが、まだまだこれでコロナが収まっていくというような状況では世界的に見てもございませんので、引き続き臨時の医療施設含めて病床をしっかりと確保していくということは重要ですし、今ある病床をコロナにどんどん変えていくということ自体、前から申し上げております通り、一般医療にすごく負荷がかかる話で、そちらでもやはりそれぞれ健康を保っていただいている、生命を保っていただいている方々がおられますので、そこを常態的にコロナに使うというのは、日本の医療行政としては、やはりいろいろな部分で問題も出てくると思います。そのような中でどうやってコロナ病床を確保していくのか、というのは臨時の医療施設も含めて考えていかなければならない。
 これは大きな課題でありますので、コロナが終息すればいいのですがまだまだ、終息というのは終わるという意味です。このコロナという感染症は終わらない、まだまだ我々はコロナと闘っていかなければならないということでございますから、そういうことも含めてしっかりと体制を早急に整備していく、これは国だけではなく、各都道府県と協力し合って整備していくということが非常に重要になってくると思っております。
記者:
東京都の確保病床についてお伺いします。「すぐにコロナ患者の受入が可能」と東京都に申告しながらもほとんど受け入れていない、いわゆる「幽霊病床」の実態が弊社の調べで明らかになりました。国として今後そうした事例にどう対応されていくかお願いします。
大臣:
東京都もお調べをいただいていると思いますので、東京都の方からしっかりと情報をいただきながら我々も検討していかなければならないと思います。その時点で、例えば3つなり5つなり病床を持っておられて(受入れが)ゼロということは、それはあり得ると思います。
 なぜかというと、誰かほかにそのベッドに入っておられた、もしくは今までコロナ患者の方が入っておられて、その方が退院されたあと、次の方を受け入れるのに若干時間がかかるということは、これはあり得ると思いますので、そういうそれぞれどういう状況だったのかということをしっかりと確認しなければいけないと思います。
 一方で、ずっとコロナ病床で登録して、もう何か月も入っていないというのは、これは問題だと思います。そういうところがあれば。そういうところに関してはより厳しく我々としても対応していかざるを得ないと思いますが、いずれにしてもどういう事情があるのかということをしっかりとお聞きしませんと、今ここで、その時空いていたからというだけではなかなか判断できませんので、よく東京都と連携して検討してまいりたいと思います。
記者:
病床に余裕が出てくると、今では入院できていないような軽症の方の入院できるようになってくるというのはその通りだと思います。この場合、軽症の方が、病床が空いていても自宅で過ごしてくださいということを徹底していくというような方向で進むということはあり得るのでしょうか。
大臣:
それは程度にもよりますよね。例えば、本当に感染者が少なくなった場合に、感染を拡げないという観点から、よく県の知事さんらは全て病院に入院をさせて、要するに感染拡大防止の観点から、そこで感染管理をやりたいという話もありますから、それはそれで元々感染症での入院制度というのはそういう部分がありますから、それはそれであり得ると思います。
 いずれにいたしましても、状況ですよね、その時の感染者の。そこをいろいろと見ていかなければならないと思いますので、一概にこの症状の方は入院させないということではございませんので、ベッドの状況、感染の状況、そういうものをいろいろと勘案しながら、基本的には各都道府県でご判断いただく話になってこようと思いますが、感染が拡大しだしてベッドが非常にタイトになってきた場合には、国と相談させていただきながら、という話になると思います。
記者:
現在、日本でもワクチン接種後にも感染するブレイクスルー感染のケースが増加し始めています。現在、新型コロナウイルス感染者数と死亡者数は国内の発生状況として厚労省のホームページに毎日公表されていますが、国内でブレイクスルー感染が確認されている今、感染者数と死亡者数だけでなく感染者・死亡者それぞれのワクチン接種の状況についても併せて公表すべきではないかと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
定期的にアドバイザリーボードで数字等をお示ししていたと思います。これですね、要はワクチン接種がどんどん進んでいきますよね。やがてはほぼ国民の皆様方の(接種を)望む方々が全員ワクチンの接種が終えられると、感染者に占める割合が、これブレイクスルー(感染のケース)しかなくなってくると。基本的な考え方として。
 そうなると割合が増えてきますので、そこがなかなか、日々公表するとなると、ある意味国民の皆様方に誤解を招く恐れがありますので、そういうものは定期的にご評価を専門家の方々にいただいた上で、お示しをしていくということが適当ではないのかと思います。いずれにいたしましても、そういうご意見もあるということは我々も理解して、より国民の皆様方に分かりやすい正確な情報をお伝えさせていただきたいと思います。

(了)