後藤大臣会見概要

(令和4年6月7日(火)9:23~9:38 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭発言はありません。

質疑

記者:
塩野義製薬が開発した新型コロナの治療薬について伺います。企業が製造販売の承認を申請してから約3か月が経過しました。承認の目処や審査の進捗状況について教えて下さい。また、一部報道で「緊急承認制度」を利用し初めて審議される見通しとありましたが、事実関係や検討状況について教えて下さい。
大臣:
塩野義製薬の経口薬につきましては、2月25日に条件付き承認を求める申請がなされましては、現在、PMDA(医薬品医療機器総合機構)において審査しているところです。
 この申請において、企業から緊急承認の適用の希望がなされたかどうかにつきまして、企業秘密に当たるものであり、当方からお答えは差し控えさせていただきます。また、承認審査の見通しについては、お答えはできない状況でございます。
 いずれにせよ、早期実用化に向けて、提出されたデータに基づきまして、有効性、安全性の観点から優先かつ迅速に審査を進め、認められれば、速やかに承認の手続きを行いたいと考えています。
記者:
経済産業省がスポーツ賭博の解禁に向けた議論を本格化させることが明らかになりました。仮に解禁されれば、ギャンブル依存症の懸念があると思うのですが、依存症対策を進める厚生労働省として、大臣の現状のお受け止めをお聞かせ願えますでしょうか。
大臣:
経産省で検討中の内容として7日付の報道された内容について、今後の方針として定まったものとは承知をしておりません。
 現在、ギャンブル等依存症にかかっている方が数多くいらっしゃると承知しております。ギャンブル依存症は、適切な治療と支援により回復が可能な疾患であることから、厚生労働省としては、精神保健福祉センターにおける相談支援や、医療機関等における治療体制など、支援体制の充実に取り組んでおります。
 引き続き、「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」に基づきまして、関係省庁とも連携しながら、ギャンブル等依存症対策を推進してまいりたいと考えております。
記者:
3日に公表された2021年の出生数は81万1千人で統計開始以来最少で、合計特殊出生率も6年連続低下しました。少子化の加速に歯止めがかからない状況ですが、厚労大臣として危機感は感じていますでしょうか。また、どうすればこの状況を打破できるとお考えか、何か具体的な政策など指示を出すことは考えていますでしょうか。
大臣:
少子化の進展は、我が国の社会経済の根幹を揺るがす大変大きな問題であり、我が国の最優先で取り組むべき課題の一つとして、しっかりと対策を講じていく必要があると考えています。
 少子化の背景には、若者の経済的不安定さや長時間労働、子育てにかかる経済的負担など、結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因があると考えています。
 厚生労働省としては、「少子化社会対策大綱」に基づき、不妊治療への支援、保育の受け皿整備、男性の育児休業取得促進などを進めているところであります。
 また、現在、国会において御審議いただいている児童福祉法改正法案においても、全ての子育て世帯の包括的な相談支援等を行う「こども家庭センター」の設置や、訪問による家事支援を行う事業等の新設などを盛り込んでおります。
 さらに、こどもに関する取組を我が国社会の真ん中に据えて進めるという「こどもまんなか社会」を目指すために、司令塔として、こども家庭庁を、令和5年4月に創設すべく、関係法案を国会で審議いただいているところであります。
 こうした取組を通じまして、子どもを安心して産み育てることができる環境の確保を図っていく必要があると、そのように考えております。
記者:
アドバイザリーボードで厚生労働省が公表してきた「ワクチン接種歴別の新規陽性者数」の資料について、5月11日以降データの取り扱いが変更されたことについて質問します。HER-SYS上で、接種歴の入力がない人はそれまで「未接種」に分類していたものを「接種歴不明」に分類するように変更したことで、変更後は「未接種」の新規陽性者が大幅に減ることになりました。変更前のデータは実態を反映していなかったことになると思うのですが、この分類が適切だったのか、大臣のご認識をお聞かせください。
大臣:
HER-SYSにおける発生届の入力画面におきまして、ワクチン接種歴を入力する欄は、当初、ワクチン接種者が非常に少なかったことから、医療機関や保健所などの現場の入力負担を少しでも軽減する観点から、接種歴を特に選択しない場合には、「未接種」という分類をしていたのはご指摘のとおりです。
 このような形で入力されたデータに基づき、これまで、単純集計ではありますが、ワクチン接種歴別の新規陽性者数に関する資料を作成してきたことから、昨年12月(12/1)、HER-SYSの入力画面のデフォルトを「未記入」に変更した後も、従来どおりの取扱いに則りまして、入力データを機械的に集計して、アドバイザリーボードに毎回公表してきたものでございます。
 そうしたことでありますから、「未接種」としていたというのは、当初の段階においてはワクチン接種者が非常に少なかったことから、そういう取り扱いをしてきたということでございます。
 その後、国立感染症研究所では、昨年12月以降、ワクチン接種歴が「未記入」の方を一律に「接種歴不明」という形にしておりまして、資料を作成しアドバイザリーボードでも公表してきた経緯もありまして、厚生労働省の資料の数字と感染研の資料の数字の乖離が次第に時間の経過とともに大きくなってきたということで、取り扱いの整合性を確保する観点から、厚生労働省の資料においても接種歴が未記入の方は、感染研と同様に「接種歴不明」として取り扱うとしたものであります。
記者:
質問にお答えいただきたいのですが、大臣がいま仰ったように、厚生労働省と感染研のデータが乖離したまま厚生労働省の方は「未接種」のまま扱ってデータを公表してきた訳ですが、そこが適切であったかどうか、ご認識をお聞かせください。
大臣:
接種歴を特に選択しない場合に、「未接種」としてきた取り扱いは、そういうことでありましたから、両方のデータが食い違っていた扱い自身についてはこのデフォルトをどう扱うかという発表のことなので、特に問題があったとは考えておりません。ただ、これはいろいろなところで指摘がありましたが、同じ種類の数字について、感染研と厚生労働省がデフォルトの扱いが違うということで、統計数字が異なってくるというのは、やはり、不適切だということで、揃えたということであります。
記者:
感染研が(昨年)12月に扱いを変えたのに、そのことを把握しながら厚生労働省は扱いを変えなかった訳ですが、これは実態を反映しないデータと認識しながら公表を続けたことにならないでしょうか。つまり、意図的だったのではないですか。
大臣:
このデータ自身は元々、ブレイクスルー感染(ワクチン接種後の感染)の人数を調べるために集計したという目的で発表していたデータでありますから、そういうことから言いますと、目的はそういうデータとして発表しているということで、何か他意があるということではありません
記者:
ブレイクスルー感染を調べるためのデータであれば、実態を反映していなくてもいいということですか。
大臣:
いえ、実態というのは回答がはっきりしていないものについて、どういう分類にして整理をするかという表の問題なので、そのことについてきちんと説明もしていますし、仰っている意味がよくわかりませんが。
記者:
つまり、なぜ感染研に合わせて取り扱いを変えなかったかということなのですが。
大臣:
ですから、変えたではないですか。
記者:
感染研が昨年12月に変えた時点で、厚生労働省はそのことを把握しながら、なぜ変えなかったのか、という質問です。
大臣:
感染研が集計を変えたという事実についてよく把握しておりませんので、そこは調べさせていただきます。ただ、我々はデフォルトの「未記入」についての扱いを12月の段階で、実を言うと、修正をしてはいるのですが、同じルールで発表をしているのは従来からのルールに従って発表をしているということです。感染研が取り扱いを変更したというご質問の趣旨がよく分かりませんので、それは調べさせていただきます。ただ、我々の方は、昨年12月1日の段階で、HER-SYSの入力画面のデフォルトを「未記入」に変更したあとも、従来どおりの取り扱いに則って発表していたのは、アドバイザリーボードでそれまで、毎回ずっと(この取り扱いで)公表していたので、そういうデータとして発表し続けたということです。その後、両方のデータがだいぶ大きく食い違ってくることで、双方のデータが大きく違うということは、発信としてどうなのかという御議論もあって、発表の仕方を変えたということです。私は、少なくとも仰っていた感染研が発表の仕方を変えたということについては、承知していませんので、調べさせていただきたいと申し上げています。細かい事実については、事前に言っておいていただければ、よく調べてはおきます。

(了)