後藤大臣会見概要

(令和4年7月26日(火)10:48~11:22 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について



大臣:
 こちらから一つ申し上げます。欧米を中心とした国際的なサル痘の流行に関しまして、23日、世界保健機関(WHO)事務局長が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」である旨の宣言を発出いたしました。
 宣言を受けまして、昨日(25日10時)、内閣官房におきまして、サル痘に関する関係省庁対策会議を開催しまして、関係省庁間の連携や政府としての対応方針を確認したところでございます。
 こうした中で、昨晩、都内在住で発疹等の症状を示しサル痘への罹患が疑われた男性1名に関しまして、東京都が実施した検査の結果、サル痘の患者であることが確認されました。本患者が海外渡航時に接触した者が、後にサル痘と診断をされております。 
 サル痘は、感染症法上、4類感染症に指定されており、医師による届出義務の対象となっております。これまで日本国内においてサル痘の発生は確認されておらず、本事例は国内1例目のサル痘患者となります。
 今回の事案につきましては、引き続き、東京都とも連携しつつ必要な調査を進めてまいります。
 サル痘に対しては、既に、国内の感染症サーベイランスを強化するため、自治体や医療機関に対しまして、サル痘の疑い例があった場合には必要な報告を行うように依頼するとともに、自治体と連携して、サル痘の検査体制の強化を行っています。
 また、水際対策についても、検疫所におきまして、出入国者に対する情報提供や注意喚起を実施しています。
 さらに、国内でサル痘患者が発生した場合に備えまして、曝露後の発症予防及び重症化予防に有効とされる天然痘ワクチンを十分量備蓄しているとともに、必要な場合には治療薬を投与する臨床研究体制を構築しております。
 今回の事案を踏まえまして、本日、開催する関係省庁対策会議におきまして、感染の拡大防止に向けた省庁間で取組を確認するとともに、WHO等とも連携しながら、国内外の感染症の発生動向を監視しつつ、必要な対策を講じてまいります。なお、WHOによりますと、これまで、サル痘常在国であるアフリカ大陸以外において、死亡事例は確認されていません。 
国民の皆様におかれても、発熱、発疹等、体調に異常がある方におかれては、医療機関に相談するとともに、手指消毒等の基本的な感染対策をお願い申し上げます。
 また、海外からの帰国者におかれましては、体調に異常がある場合は、到着した空港等の検疫ブースで検疫官に申し出ていただくようお願いいたしたいと思います。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2022年6月17日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
 二問お伺いします。一点目は、冒頭発言と重なるところもあると思うのですが、サル痘の患者が昨日国内で初確認されました。大臣の受け止めと、今後の対応について教えてください。
 つづけて二点目ですが、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長がテレビ番組で、コロナ患者の入院条件を厳格化し、重症者を優先させる体制を整えるべきだという考えを示されました。
 感染拡大により医療現場がひっ迫する中で、政府として入院基準の厳格化や、その他新たな対策の必要性についてどのようにお考えでしょうか。お願いいたします。
大臣:
 まず第一点のサル痘についてでございますが、サル痘に対しては、既に、国内のサーベイランス体制の強化や、検疫所における出入国者に対する情報提供等を行うとともに、ワクチン接種や治療薬の投与体制を構築するなど、対策を講じてきております。
 また、国内で初めての患者が確認されたことを踏まえまして、昨日に引き続きまして、本日も内閣官房において、関係省庁対策会議を開催し、改めて省庁間の取組を確認することといたしておりまして、引き続き、WHOや関係省庁等とも連携しながら、国内外の感染症の発生動向を注視しつつ、必要な対策を講じてまいりたいと思っております。

 それから、コロナ患者の入院条件に関わる質問でございましたが、尾身会長の発言は、重症例対応に重点を置いた対応として、医療の必要性がきわめて高い人を優先させて入院治療を行うことが必要との趣旨であったと承知しております。
 このことにつきましては、新型コロナ患者の入院に関して、昨年11月12日にとりまとめた「全体像」においては、「入院を必要とする者がまずは迅速に病床又は臨時の医療施設等に受け入れられ、確実に入院につなげる体制を整備する」としておりまして、オミクロン株による感染拡大への対応に当たっては、高齢者等ハイリスク者への感染拡大に備える等、オミクロン株の特徴に対応する対策の強化・迅速化を図ってきたということが、まずあります。
 今般、BA.5系統へ置き換わりが進む中で、感染が急拡大している状況を踏まえまして、7月15日に「BA.5系統への置き換わりを見据えた感染拡大への対応」を決定したわけですが、その中においては、社会経済活動をできる限り維持しながら、保健医療体制の確保に万全を期すとともに、重症化リスクのある高齢者を守ることに重点を置いた対策に取り組んでおります。
 その上で、7月22日には、事務連絡を発出しまして、「各地域の感染状況を踏まえて、医療提供体制への負荷が高まるにつれ、重症患者や、中等症患者以下の患者の中で特に重症化リスクの高い者など入院治療が必要な患者が優先的に入院できる体制とすること」を、自治体に依頼しておりまして、引き続き、重症化リスクのある高齢者を守ることに重点を置いた対策に取り組むということにいたしておりました。
 そういう意味では、去年の「全体像」以来、7月15日の閣僚会議の決定、そして22日の事務連絡と同旨の立場であると考えております。
記者:
 新型コロナの発熱外来についてお伺いします。感染者数が連日過去最高を更新し、感染疑いも含めて多くの患者さんが発熱外来を訪れている状況ですが、現状の発熱外来のひっ迫状況についての大臣の所感をお願いします。また、厚労省として、これまで発熱外来を安定的に運営するためにどのような対策を取ってきたか、そして今後、発熱外来をひっ迫させないためにどのような対応をしてくかについても教えてください。
大臣:
 新規感染者数の急増に伴いまして、発熱外来へのアクセスがしづらくなっているという声が多く聞かれていることについては承知をいたしております。
 その上で、保健医療提供体制の確保については、昨年とりまとめた「全体像」に基づきまして、オミクロン株の特性を踏まえた重点化・迅速化を図りながら、感染拡大が生じても迅速・スムーズに検査し、安心して自宅療養できる体制等を構築してまいりました。 
 具体的には、4月22日時点において全国約3.8万の診療・検査医療機関(いわゆる発熱外来)を確保するとともに、自宅療養者等への対応を担う健康観察・診療医療機関を全国約2.3万機関まで増やしまして、発熱患者等が迅速・スムーズに検査・診療を受けられ、陽性判明後も確実に健康観察や医療を受けられる体制等を構築すべく対応してまいりました。
 こうした体制の構築については、これまで、診療報酬上の特例を講ずるとともに、健康観察・診療医療機関に対する委託費について、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金により支援を行ってきております。
 さらに、診療報酬上の特例等につきましては、期限を7月末から9月末まで延長することとしております。
 そして、加えて、今回追加的な取組として、症状が軽く、重症化リスクが低いと考えられる有症状者に対しまして、発熱外来の受診に代えて、抗原定性検査キットを配布して、自ら検査した結果を健康フォローアップセンター等に連絡することをもって、迅速・簡易に健康観察を受ける体制の整備を都道府県に要請したところであります。
 また、都道府県が迅速にこうした体制を構築できるよう、国が抗原定性検査キットを一定数買い上げて、都道府県に配布することについての調整も進めております。
 引き続き、必要な方が迅速・スムーズに検査・診療を受けられる体制の確保に取り組んでまいりたいと思っています。
記者:
 サル痘についてお伺いします。現時点で、臨床研究を行う予定の治療薬の投与や医療従事者などへのワクチンの投与について、既に行われているのかどうかということと、濃厚接触者に特定されている人がいれば教えていただけますか。
大臣:
 今の話はサル痘とおっしゃいましたか。
記者:
 サル痘です。昨日の感染確認された方に関しての濃厚接触者と、治療薬の投与と、治療に当たられている医療従事者などへのワクチンの投与についてです。
大臣:
 今、ワクチンの投与や治療薬の投与がどうなっているかということについては、私自身今のところは情報を得ておりません。早速どういう状況になっているか、調べてみたいと思います。
 それから、少なくともご本人からどのような状態で感染をしたのか、あるいは、どういう形で接触があるのかということについてはお話を伺っている状況でありまして、そういう意味で、本患者さんが海外渡航時に接触した方がおられて、後にサル痘と診断されていること等、そうしたこともわかっているわけですが、細部についてはこれから確認を進めていくことだと思っております。
記者:
 サル痘対策のため厚労省が輸入している天然痘治療薬は国内でどれくらい確保されているのでしょうか。非公表の場合、理由とサル痘の感染拡大時に十分対応できる量を確保できているのかお考えをお聞かせください。
大臣:
 サル痘については、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」である旨の宣言を発出している中で、我が国では昨日、初めての患者が発生しました。
 サル痘につきましては、国際的に感染が急激に拡大しておりまして、国内での感染拡大防止に細心の注意を払う必要があると考えておりますが、性的な接触など感染者の発疹等への接触や、接近した対面での飛沫への長時間の曝露等により感染がおこるものであることを踏まえまして、直ちに新型コロナウイルス感染症のような大規模な直接感染拡大が起こっていくというものではなく、少なくとも現時点では、保健医療体制への影響は限定的であると考えております。
 サル痘の治療薬についての具体的な確保量につきましては、企業との間で契約上の守秘があるためにお答えは差し控えいたしますが、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」である旨の宣言をする以前から、我が国で感染例が確認された場合に備えるために、初動対応として必要な量を確保していると申し上げさせていただきたいと思います。
記者:
 新型コロナの濃厚接触者の待機期間短縮についてお伺いします。これまで、濃厚接触者の待機期間短縮では厚労省のアドバイザリーボードの専門家に意見を諮ることが多かったと思いますが、今回の短縮において、アドバイザリーボードの専門家に諮られたのか、もし諮られたのであればいつ、どのように諮られて、どのような意見をもらったのか、あるいは、政府が独自に判断したことなのかということをお聞かせいただきたいのと、これに関連して、短縮において検査キットを使用することになると思うのですが、これが、大臣は1.8億回分確保されているとおっしゃっていたのですが、薬局ではやはり不足しているというような話も聞きますので、実効性を確保するためにはここがしっかり流通が行き届いていないといけないと思うのですが、ここについて、目詰まりの原因であるとか解消のための対応策についてどのように考えておられるのか。
 今の専門家への意見ということと、検査キット話の二つ、お答えいただければと思います。お願いします。
     
大臣:
 濃厚接触者の待機期間については、今ご指摘のあったように、7月22日に、感染拡大を防止しながら、社会経済活動を維持する観点から、感染状況や科学的知見等を踏まえまして、濃厚接触者の待機期間について、7日間を経過するまでは、検温などご自身による健康状態の確認等を行っていただくことを前提として、原則5日間待機で6日目に解除、社会機能維持者の方に関わらず、2日にわたる検査を組み合わせることで、3日目に解除という取扱いに変更いたしました。
 この取扱いについては、1月に待機期間の短縮を行った時よりも、新規感染者数の水準が高い状況が継続しておりまして、感染が急拡大している中で、感染拡大防止対策としてのあり方を検討すべきとの専門家等からの提言のほか、アドバイザリーボードにおける専門家の意見、そうしたものを踏まえまして、事務局におきましてとりまとめたものでありまして、公表する際に専門家にその概要について共有しているものであります。 
 その際、感染が拡大している中で、待機期間の変更による影響を最小限とするべきとのご指摘を踏まえまして、変更前と同様の、7日間を経過するまでは、検温などご自身による健康状態の確認等を行っていただく条件も、このアドバイザリーグループの先生方のご意見によって対処案として付け加えたものでございます。
 それから、抗原定性検査キットにつきましては、新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大に伴いまして、薬局などからの発注数が急増したため、一部納品の遅れが生じていることや、特定の製品への発注が偏ったりした場合に、入手が困難な製品が一部流通の過程で生じている等の状況にあることは承知いたしております。
 このため、厚生労働省としては、大量発注の場合で特定の卸売業者がすぐに対応できない場合には、国が卸売業者に直接連絡して調整する取組を進めるとか、あるいは特定の製造販売業者や特定の製品の使用に偏ることがないように、発注元に対して、納品可能な製品への発注に変更を促すこと、あるいは、製造販売業者に対しまして、不足している製品の増産要請を行う等、安定供給について厚生労働省としてもできる限りの協力をさせていただいている状況であります。
 引き続き、検査キットの流通状況をしっかりとモニタリングしまして、今言ったような流通の過程での目詰まりを把握した場合には速やかに必要な対策を執るということで、円滑に検査キットを入手できる環境の整備に取り組んでまいりたいと思っております。 総数として1億8千万回分の検査キットを持っていることが量として十分であるということの認識については変わりありませんが、そうした流通の過程での過不足、あるいは目詰まり、あるいは不均衡については安定流通確保のためにしっかりと厚生労働省も流通の皆さんに全てお任せするのではなく、しっかりと責任ある対応をしていきたいと思っています。
記者:
 一点目の回答の確認なのですが、あくまでアドバイザリーボードの専門家には諮ったという認識だということで理解してよろしいのでしょうか。
大臣:
 そういう認識です。具体的に、ご指摘の点につきまして、いろいろな意見をいただいておりますし、諸先生方からも濃厚接触者の社会活動ができないことによる損失と比較すべきで、無症状の濃厚接触者自らの感染対策を前提とすれば行動制限は不要とか、行動制限の廃止とか、科学的知見を含めて議論すべきだとか、あるいはあえて濃厚接触者にだけ現在のような感染拡大防止を求めるようなどうなのか、感染状況に応じた検討をすべきではないのかとか、そういう意見も多数いただいておりますし、その過程で、これまでの例えば10日間を7日間にしたときのような考え方、そうしたものもご説明させていただきながらご相談をしてきているということでありますので、アドバイザリーボードの先生方と十分連携をとりながら話を進めているという認識であります。
 また、案の作成に当たってはアドバイザリーボードの先生方のご意見も含めて7日間を経過するまでの検温などのご自身による健康状態の確認いただくことを前提としてやるべしということについては、専門家の皆様方とご相談の上でご意見を伺ってそうしたことも特に条件として付け加えたというような経緯もございます。
記者:
 コロナに関連してなのですが、取材をしているともう一般の医療にも相当影響が出ているというような声が現場からも聞こえてきますが、既に医療は相当ひっ迫しているような状況ではないのか、大臣の今のご認識をお願いします。
大臣:
 感染の急拡大に伴いまして、療養者数がどんどん増加しておりまして、病床使用率も総じて上昇傾向にあります。地域差はありますが救急搬送困難事案も全国的に急増していまして、一部地域において厳しさを増しているという認識を持っています。このため、医療提供体制への影響も含めまして、最大限の警戒感をもって注視していく必要がある状況だと考えています。
 厚生労働省としては、7月5に、都道府県に対して、「全体像」に基づき整備してきた確保病床をしっかりと稼動させることや、先週22日に、体制の点検・強化をしっかりと実行に移すような新たな通知をさせていただいておりますが、あわせて救急搬送困難事案の急増を踏まえまして検査のためだけの救急外来受診を控えていただくことを周知するとともに、発熱等症状がある場合の相談窓口の十分な周知と、必要な方の受診控えが起こらないようにと、そういう対策も講じているところです。
 そして、度々になりますが、そうした状況に加えて、発熱外来へのアクセスがしづらくなっているとの声に対して、今回発熱外来の受診に代えて抗原定性検査キットを配布して、自ら検査した方々に(健康)フォローアップセンターとの連絡をすることをもって、迅速に健康観察を受けられる体制に進めていくような、そういう体制もしておりますし、今申し上げた(抗原定性検査)キットの買い上げをするとか、あるいは各種財政支援措置の特例を9月末まで延ばす等の様々な対策を講じているということであります。
 いずれにしても、できる限り多くの国民の皆さんに基本的な感染対策をはじめとして、個々の皆様方でなるべく感染の危機を下げるように行動していただきながら、それでも全体としては経済社会活動を止めないということでこの状況を乗り切っていくということで進めておりますので、できる限りそういう活動によって感染を抑えていくということを前提として病床の確保等をはじめとした保健医療提供体制を確保しつつ、高齢者を守るということを重点に置いた体制をとることによって、しっかりとこうした感染拡大に対応できる体制もあわせて講じていくということで、今の感染急拡大の状況に対応すべく取り組んでいくということであります。
記者:
 厚労省が先月末に発表した「高度プロフェッショナル制度に関する報告の状況」によると、会社にいる時間と社外で働く時間を合わせた健康管理時間がかなり長くなってしまうケースが相次いでいると。例えばその職場の最長だった人の時間によりますと「月間400時間以上~500時間未満」だった職場が2カ所。これは過労死ラインが100時間なのでそれを更に100時間以上上回っています。それから職場全体での平均が「300時間以上~400時間未満」だったという職場が2カ所あったと。
 高プロについては働き過ぎを誘発するのではないか、助長するのではないかという議論が国会でも成立するときにかなりあったと思うのですが、厚労省としてこういった形で出てきている現状をどのように受け止めているかお聞かせ下さい。
大臣:
 高度プロフェッショナル制度は、高度専門職の方で制度適用を希望する方が、健康をしっかり確保した上で、仕事の進め方や働く時間帯等を自ら決定し、その意欲や能力を有効に発揮することを図る制度でございます。
 制度を導入した事業場には、労働者の健康管理時間、健康管理時間というのは対象労働者が事業場内にいた時間と事業場外で労働した時間の合計の時間ということで、一般の働いている方の労働時間とは違う指標を作りまして、その状況等を労働基準監督署に定期的に報告することが義務づけられておりまして、今般、その内容を取りまとめて公表したところでございます。
 この制度では、労働者の健康確保を図るために、使用者が健康管理時間を把握しまして、休日確保や医師の面接指導などの健康確保措置を実施することといたしており、これを徹底していくことが重要であると考えております。 ご指摘の「週40時間を超える健康管理時間が1か月当たり100時間を超えた労働者」等と、この対応についてどのようになっているのか、労働基準監督署は国会の決議に従いまして全ての事業場に労働基準監督官が行って、監督指導を全ての高度プロフェッショナル制度を採用している事業場に行って見ておりますので、不適正な運用となっているような場合には、労働基準監督署がこれを是正しているという認識であります。
 しかしいずれにしても、こうした取組を通じまして、今後とも制度の適正な運用を徹底していくことは必要だと考えております。
記者:
 厚生労働省としては、1か月あたりの健康管理時間が法定労働時間の40時間を超える部分が100時間を超えた人、こういう人たちには医師による面接義務というのは課されるわけですが、こういう人たちが何人いたのかというのは把握なさっているのか、これについては国会附帯決議でも制度運用の実態把握を速やかに行うべきと言われているのですが、きちっと把握なさっているのでしょうか。
大臣:
 ご指摘の「週40時間を超える健康管理時間が1か月当たり100時間を超えた労働者」等の人数について、定期報告の事項にはなっていないので、定期的にこの人数が報告されているということにはなっておりませんが、今申し上げたみたいに労働基準監督署は全ての事業所に対して監督指導を行って実態を把握しておりまして、不適正な運用となっている場合にはこれを是正するという、そういう対応になっております。
記者:
 話題が変わってしまい恐縮なのですが、最低賃金について伺います。昨夜(25日)最低賃金の目安に関する小委員会において大詰めの協議が行われましたが、結論は持ち越しということでした。これに関する大臣の受け止めと、今後どのように協議する方針かお聞かせ下さい。
大臣:
 最低賃金の問題については、三つの考慮事項を考慮した上で経営側、労働側、公益側としっかりその立場から議論していただいて、やはり我々としてはこういう物価の状況ですから実質賃金の上昇ということも踏まえた最低賃金の上昇を望むという観点と、もう一方で中小企業が現在においてどういう支払い能力であるのかという点もあるので、そういう意味では今後のいろいろなタイミングからみますと、あまり時間をとっているのも、ということではございますが、しかし、重要な議題でありますので、その審議の結果についてしっかりと見守って、それを受け止めた上での施策決定になっていくと思います。

(了)