令和4年度第20回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

日時

令和4年11月29日(火) 19:00~20:00

場所

厚生労働省 局議室
(オンライン会議場)

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻より3分ほど早いのですけれども、皆様お集まりいただきましたので、「令和4年度第20回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開催いたします。
 本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてどうもありがとうございます。
 今回の会議の公開については、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほど、お願いいたします。
 議事録については後日厚生労働省のホームページに掲載いたします。また、今回もウェブ開催としておりますので、対面での進行と一部異なる部分があります。議事に先立ちまして、進行方法等について事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問をいただくときはミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。発言のタイミングが重なったりした際は、調査会長から順に発言者を御指名いただきます。その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。
 また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認いただきますようお願いいたします。御不便等をおかけするかもしれませんが、御理解、御協力のほど、お願い申し上げます。
 それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長の岡先生にお願いいたします。
○岡座長 調査会長の岡でございます。座長を務めさせていただきます。委員の皆様には円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
 今回もウェブ開催ということで事務局から御説明がございましたけれども、これまでの御説明に御質問、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入る前に委員の出欠状況等について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況ですが、石井委員より御欠席との御連絡をいただいております。そのため、6名中5名の委員に出席をいただいております。薬事・食品衛生審議会の規程により、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
 また、御紹介が遅くなりましたが、事務局から総務課、医療機器審査管理課、新型コロナウイルス感染症対策推進本部、医政局医薬産業振興・医療情報企画課から担当者が参加しておりますので申し添えます。
 以上になります。
○岡座長 続いて、審議参加に関する遵守事項等について御説明をお願いします。
○事務局 議事参加について御報告いたします。
 まず、本日御出席の委員の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。本日の議題に関して、対象品目・競合品目の製造販売業者については事前にリストを各委員にお送りして確認いただいておりますが、寄附金等をお受け取りの委員はいらっしゃいませんでした。
 最後に、本日御出席の委員の先生方につきまして、薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告いたします。
 以上になります。
○岡座長 よろしいでしょうか。ただいまの事務局からの御説明に御意見、御質問等はございませんでしょうか。
 それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。資料はあらかじめお送りさせていただいており、議題1に関して、資料1と参考資料が1から5までございます。このほか議事次第・資料一覧及び委員・参考人名簿、影響企業リストがございます。お手元に御用意のない委員がいらっしゃいましたら、お知らせください。
 また、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御確認ください。
 以上になります。
○岡座長 よろしいでしょうか。皆様、お手元にございますでしょうか。
 それでは、議題1「一般用医薬品のリスク区分について」の審議を行いたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。それでは、説明させていただきます。
 資料1「一般用SARSコロナウイルス抗原・インフルエンザウイルス抗原キットのリスク区分について」を御覧ください。
 まず、「1.経緯」から御説明します。新型コロナウイルス抗原定性検査キットにつきましては、令和4年8月10日に開催の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおけるOTC化に向けて具体的に検討を進める方向性についての議論を踏まえ、ガイドラインが策定されています。
 これを受けて、一般用SARSコロナウイルス抗原キットは、そのリスク区分について8月17日開催の安全対策調査会、同月23日開催の安全対策部会において審議され、審議の結果、第1類医薬品に指定されております。
 新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの両抗原を同時に検査できる抗原定性検査キットにつきましては、令和4年11月22日開催のアドバイザリーボードにおきまして、様々な意見があるものの、医療逼迫の回避に資するといったことも考えられるため、今冬、新型コロナとインフルエンザが同時期に流行することに備えた対応としての自己検査用のキットについて、新型コロナの抗原定性検査キットを基本としつつも、一つの選択肢として同時検査キットの一般向け販売を可能とすることとの方針について議論が行われ、インフルエンザの検出感度や陽性が出るタイミング等に留意が必要等の指摘はあったものの、大きな反対意見はありませんでした。
 これを踏まえて、厚生労働省として、供給量に制約はあるものの、同時検査キットのOTC化の検討を進めることとしました。
 令和4年11月28日開催の令和4年度第8回薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会における審議を踏まえ、同時検査キットを一般用検査薬として取り扱う際のガイドラインが、参考資料2の別添のとおり、本日発出されております。
 ガイドラインにおいて添付文書の例が示されていますので、簡単に御説明します。参考資料2、別添のガイドラインの4ページを御覧ください。このガイドラインは基本的に一般用SARSコロナウイルス抗原キットと同様の内容が盛り込まれておりますが、添付文書例の「この検査の使用について」の項では、両ウイルスのウイルス量が最大になる時期が異なる等、それぞれのウイルスの性質が異なることが知られていることから、留意点が示されています。また、その下の米印として、特にインフルエンザは、発病初期はウイルス量が少なくウイルス抗原を検出できない場合があることが知られていますといった記載がされております。
 続いて、資料1に戻っていただき、2ポツに記載しております、今般ガイドラインが取りまとめられた同時検査キットの定義について御説明します。一般的名称は「一般用SARSコロナウイルス抗原・インフルエンザウイルス抗原キット」で、鼻腔ぬぐい液中のウイルス抗原の検出を目的としたキットであり、使用者が自ら検体を採取し、SARS-CoV-2感染疑いまたはインフルエンザウイルス感染疑いの判定補助として使用されるものを指します。
 なお、SARSコロナウイルス抗原及びインフルエンザウイルス抗原以外のものも同時に検査可能な製品は対象外となっております。
 続いて、一般用医薬品のリスク区分を説明させていただきます。参考資料1の「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」の5ページを御覧ください。第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するものとされており、薬剤師により販売され、購入者に対する文書による情報提供の義務がございます。
 第2類医薬品につきましては、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、厚生労働大臣が指定するもので第1類医薬品を除くとされております。薬剤師または登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。第2類医薬品のうち特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、対応する専門家や情報提供は第2類医薬品と同様ですが、薬局開設者等は、情報提供をするための設備から7メートル以内の範囲に陳列すること、購入する場合は禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を購入者が確実に認識できるようにするなどの措置を取ることなどとされております。
 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師または登録販売者により販売されます。
 本日は、一般用SARSコロナウイルス抗原・インフルエンザウイルス抗原キットの一般用医薬品としてのリスク区分をどのように設定すべきか、御意見いただけますと幸いです。
 なお、昨日開催されました医療機器・体外診断薬部会においては、使用者はキットの使用方法や判定方法、結果判明後の受療行動につきまして、十分に理解して行動することが重要であるため、薬剤師による情報提供が重要という御意見があり、また、第1類医薬品とするべきといった御意見がありましたので、御参考までに報告します。
 説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきましたけれども、委員の先生方、御意見、御質問等はございますでしょうか。
 そうしましたら、柿崎委員、その次に舟越委員でお願いいたします。
○柿崎委員 コロナ抗原定性検査同様に第1類のリスク区分でいいかと思うのですが、コロナ抗原定性検査が先に8月から第1類で承認されていますけれども、8月以降、そのリスク区分に関して第1類に分類したことで不都合等が起きていないという理解でよろしいでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがですか。
○事務局 事務局よりお答え申し上げます。事務局においては、特に第1類医薬品であることによって安全上何か不都合があるといった御意見についてはいただいていないと承知しております。
○柿崎委員 承知しました。
○岡座長 そうしましたら、舟越委員、お願いします。
○舟越委員 舟越です。
 柿崎委員と同じですが、抗原検査キットは要指導のカテゴリーがないこと、また、前回の新型コロナ単独の抗原検査キットとは異なって、同時抗原検査キットですと御説明があったとおり、コロナのウイルス量は感染前後より増加する一方で、インフルエンザについては感染後少したってからということで特徴が異なります。その点の偽陰性の可能性が検査するタイミングによって異なること、また、これまでインフルエンザの検査は医療機関で鼻腔粘膜での検体採取が一般的だったため、今回の鼻腔2センチ範囲を患者自身が行うに当たっても十分に説明して、陰性判定に用いないことも含めて理解していただくのに十分な説明時間が必要です。そのため、1類が妥当ではないでしょうかとコメントさせていただきます。
 1つ事務局に確認なのですが、こういった抗原検査キットは、医療用の場合ですと、綿棒を鼻腔内に入れるときに無理に圧を加えないでくださいとか、無理に圧を加えると鼻粘膜が傷ついたり、出血したり、綿棒が折れたり、けがをする可能性がありますという記載がございます。鼻腔内であってもそういったリスクはあるとは思いますが、こちらはOTCに向けて記載はされていないのでしょうか。
○岡座長 今の点はいかがですか。
○事務局 直接の記載ではないのですけれども、例えば参考資料2の別添のガイドライン5ページ目において、「検査のしかた」というところに「鼻の穴から綿棒を約2cm挿入してください」といった具体的な記載とか、各社で工夫して図示をしてくださいといったことを求めることとしております。
○舟越委員 ありがとうございます。
 私も使ったことがあるのですが、鼻の穴に入れることについての部分もそうですが、それに対するリスクについても、実績がなければしようがないのですが、医療用のほうではそういった記載があるので、できたらそういったことも本来は注意喚起したほうがいいのかなと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。その点、参考にしていただければと思います。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 私もやはり薬剤師がきっちりと説明をして、使い方もそうですし、例えば陽性だったときにどうするかといったことも含めてきちんとした説明が必要だと思いますので、1類とすることに賛成いたします。
 1つ教えていただきたいのですけれども、資料1の1ページ目の途中に11月22日開催のアドバイザリーボードの御意見として「新型コロナの抗原定性検査キットを基本としつつも、一つの選択肢として、同時検査キットの」とあるのですけれども、これはどういった意図なのでしょうか。例えば新型コロナでしたら、同時検査キットではなくて単独のキットのほうが感度がいいということは特にないのでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○新型コロナウイルス感染症対策推進本部 コロナ本部でございます。
 この同時期流行に対して、私どもは医療の受け方というものを、新型コロナの抗原定性検査キットを軸にして組んでおります。重症化リスクの低い、例えば若者のような方の場合には抗原定性検査キットを使っていただいて、ポジティブであるならば、健康フォローアップセンターに登録する。もしそうでなければ、家で自宅療養をしていただき、調子が悪くなったら医療を受けていただく。重症リスクが高い方、例えば高齢者、小児、妊婦、持病を持つ方に関しましては、できるだけ外来を受けていただくことによって、医療資源をできるだけ重症化リスクの高い方に振り向けるということをお願いしております。
 このような中で使われる資材として抗原定性検査キットがあり得るわけですが、このたび、抗原定性検査キットの中にはインフルもできるものをオーケーとするということになったということになります。それを同時に検査することは一つのオプションとしてはあるのだとは思いますが、まずは単品のコロナだけを測れる抗原定性検査キットを使っていただきたいということをお願いしたいという意図でございます。
 以上です。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 例えば今、インフルエンザも少しはやり始めているかなというときに、やはり両方を検査したいという気持ちがあるかなと思うのですけれども、なるべくコロナの単品のほうを使っていただきたいということなのでしょうか。
○新型コロナウイルス感染症対策推進本部 それはコンボのキットを使うことを否定するわけではないのでございますけれども、基本的に皆さんは発熱があったらすぐ検査したいと思います。そのときに、インフルが偽陰性が出やすいという性質があることを考えますと、できれば単品を使っていただいて、ネガティブだった場合に、しばらく時間がたってからコンボのキットを使うほうがリーズナブルであるということは言えるのではないかなと思います。
 いずれにしましても、私どもは症状が出たときにすぐ使うキットとしては、コンボではなくて単品のほうが使われたほうがいいと思っておりますので、基本とするという言い方になっているわけでございます。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 検出感度につきましては、両者で同じと考えていいのでしょうか。
○医療機器審査管理課 医療機器審査管理課でございます。
 検出感度につきましては、コロナの単品であっても、コロナとインフルのコンボであっても、特段違いはないと考えております。
○伊藤委員 承知いたしました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 いろいろなパターンが想定されるかなと思って、伺っていました。
 というのは、新型コロナ陽性の場合は基本自宅で療養いただくとあるのですけれども、これで例えばコンボのほうで調べて、ダブルポジティブの場合にインフルエンザのお薬がいただけないわけですね。それもよろしくないのではないでしょうか。
 キットの使い方と、結局自宅療養なのか、病院での実際の判別までいくのかというところのパターンをもう少し分かりやすくしていただいたほうがよいとおもうのですがいかがでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがですか。検査の後の受診行動についてですね。
○佐藤委員 はい。
○新型コロナウイルス感染症対策推進本部 おっしゃることは懸念として分かります。
 今まで私どもが議論してきて、皆さんに提示してきた受療行動というのは、基本的にはコンボキットは一般の方々が使えないことが前提でのフローでありますので、今回、こういったものが出てきたことによって若干乱される可能性はあるのかなという思いは確かにございます。
 ただ、こういうことを言うと身も蓋もないのでございますけれども、出荷量がそんなにない、つまり手に入る人間がそんなに多くないということも考えますと、大きな問題にはならないだろうと。ただ、やはり迷われる方が出てくるだろうとは思いますので、私どものほうで何か整理をできればとは思います。
○佐藤委員 ぜひその辺りは分かりやすいフローチャートみたいなものがあればと思いました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。その点については、分科会あるいは医療機器・対外診断薬部会で検討いただくということで、こちらとしてはどういうふうに販売して、説明していくかというところかなと思います。先ほど舟越委員からは、採取時の注意喚起については御指摘があったところかと思います。
 そのほかはいかがですか。よろしいでしょうか。
 そうしますと、皆様の御意見を伺いますと、先ほどの分類をどうするかということを今日決めないといけないわけですが、第1類でよろしいのではないかという御意見が多かったかなと思っております。
 それでは、議決に移りたいと思いますけれども、一般用SARSコロナウイルス抗原・インフルエンザウイルス抗原キットのリスク区分については、先日のSARSコロナウイルス抗原キットと同様に第1類医薬品ということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 皆さんうなずいていただいたかと思います。
 これはSARSコロナウイルス抗原のキットもそうだったのですけれども、採取のところの説明をちゃんとしていただくということは大事かなと思います。
 それでは、第1類にするということで御異議なしとさせていただきます。
 それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。
 本件は、新型コロナウイルス感染拡大の防止に万全を期す観点から、迅速に対応する必要があるものと認識しております。本日、調査会で御議論いただきました結果については、12月1日に安全対策部会の開催を予定しておりますので、そこで御審議をいただき、パブリックコメントを経ずに告示改正の手続を進めたいと考えております。
○岡座長 事務局からの御説明に何か御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、本議題は終了したいと思います。
 予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かありますか。
○事務局 特にございません。次回開催については改めて御連絡をさせていただきます。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、本日の調査会は閉会とさせていただきます。ありがとうございました。