第4回 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会議事録(2023年3月29日)

 

 


○日時


令和5年3月29日(水)16時00分~18時00分


○場所


AP東京八重洲 F+Gルーム (オンライン開催)


○議題


1.標準的な健診・保健指導プログラムの改訂(案)について
2.システム改修について
3.特定保健指導の見える化について
4.特定健康診査情報の随時提出について
5.その他


 
○議事

厚生労働省健康局健康課小林補佐:
定刻となりましたので、ただいまより第4回第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、ご参加いただきありがとうございます。
本日は、オンラインによる開催としております。まず始めに発言の仕方などを説明させていただきます。
会議中、ご発言の際は、「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除しご発言をお願いいたします。ご発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。
また、議題に対してご賛同いただく際には、カメラに向かって「頷いていただく」ことで、「異議なし」の旨を確認させていただきます。
標準的な健診・保健指導プログラム改訂に関するワーキング・グループの主査である静岡社会健康医学大学院大学社会健康医学研究科教授田原康玄先生に参考人としてご出席いただいております。
厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課、産業保健支援室、医政局歯科保健課はオンラインで参加しております。本日の会議ですが、局長の佐原は公務の都合で途中退席とさせていただきます。ご了承ください。それではまず事務局を代表いたしまして、健康局長の佐原よりごあいさつ申し上げます。
 
厚生労働省健康局佐原局長:
健康局長の佐原です。第4回の第4期特定健診・保健指導の見直しに関する検討会の開催に当りまして、ごあいさつを申し上げます。まずは委員の皆さま方におかれましては、ご多忙のところ本検討会に出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
この特定健診・保健指導につきましては、令和6年度から第4期の開始となります。この実施計画の策定に向けまして、一昨年末より本検討会を立ちあげまして委員の皆さま方にご議論いただき、昨年10月の検討会において取りまとめをいただきました。今回の検討会では、審議事項として次第に記載しておりますとおり4つの項目を掲げております。1つ目、2つ目は、先般の取りまとめに基づきまして、事務局において標準的な健診・保健指導プログラム改訂作業とそれから第4期システムの改修について、それぞれワーキング・グループ、それから作業班で検討してまいりました。それらの結果をご報告し、委員の皆さまにご議論をお願いしたいと考えております。
それから3つ目は、特定保健指導の見える化の推進について取りまとめいただいたことを踏まえまして、見える化に係る項目を、厚生科学研究の成果に基づき検討いたしましたのでご議論をお願いいたします。
そして4つ目、これは2021年10月よりマイナポータルを通じてご自身の特定健診・保健指導の結果を閲覧可能となりました。しかしながら、実際に健診や保健指導を受けてからその結果が閲覧可能となるまでに、まだ時間がかかります。それを短縮するための対応案についてご議論をお願いいたします。本日ご議論いただきたい点は、以上4点であります。
本日のご議論の結果も踏まえまして、いよいよ来年度は保険者において計画を策定いただくことになります。令和6年度からの次期計画の円滑な運営に向けて、厚労省としても引き続き関係者の皆さまと連携してまいりたいと考えております。委員の先生方には奇譚のないご意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 
厚生労働省健康局健康課小林補佐:
次に資料の確認をお願いいたします。開催要項、構成員名簿、議事次第、座席表、資料1、資料2、資料3、資料4、資料5、参考資料1~7となっております。過不足等ございましたら、マイクもしくはコメントでお知らせください。会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。それでは以降の進行を座長にお願いいたします。
 
中山座長:
皆さん、お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。京都大学の中山健夫です。座長を務めさせていただきます。それでは議事に入りたいと思います。議事次第をご覧ください。
本日の議題は、1つ目が標準的な健診・保健指導プログラムの改定案について、2つ目がシステム改修について、3つ目が特定保健指導の見える化、4つ目が特定健康診査情報の随時提出についてとなっております。議題の1について、資料の1と2を健康局からご説明お願いいたします。
 
厚生労働省健康局健康課佐々木課長:
それでは健康課長佐々木のほうから、資料1につきましてご説明いたします。資料1、標準プログラム案健診作業班における主な変更点でございます。1枚おめくりいただきまして、スケジュールでございます。先ほど局長からもご説明申し上げましたように、昨年10月、第3回の見直し検討会10月12日に開催いたしました。そこで得られました方向性に基づきまして、今度はいよいよ施行に向けての準備ということでワーキング1つ立ちあげました。それが標準的なプログラム改訂に関するワーキング・グループでございまして、田原先生に主査となっていただいているところでございます。
その下に作業班を、それぞれ保健指導と健診とで設けまして、鋭意会議を開催しながら作業を進めてまいりまして、右のほうでありますけれども3月でございますが、第2回のワーキング・グループ3月7日に開催し、ここで了承を得られました案を本日提示させていただいているところでございます。
3ページ目をご覧ください。そのうち健診作業班におきましては、この見直し検討会の取りまとめを踏まえまして3点ございます。質問項目、健診項目、そして受診勧奨判定値の取り扱いにつきまして得られた決に基づいて定義をさせていただいております。まず最初、質問項目について、でございます。こちらはご覧のとおり、喫煙・飲酒・保健指導、それぞれについて変更あったところについて改定を行ってございます。
続きまして4ページでございます。合わせまして標準的な質問票でございますけれども、これまで解説と留意事項がございましたが、これに加えまして例えば聞き取りポイントだとか声かけの例、こういったものを盛り込みまして、より現場で使いやすいように工夫をさせていただいているところでございます。
続きまして5ページ目でございます。今度は健診項目でございます。健診につきましては、中性脂肪の保健指導判定値等につきまして随時採血時の値の追加を行いました。それに伴う改定でございます。ご覧になっていただいて分かりますように、赤字で修正追加しているところが変わったとこでございます。さらに脚注のほうでございますように、少し解説を加えてございます。
 
中山座長:
すいません。音声が途絶えて、途切れてしまったようです。ご確認お願いします。
 
厚生労働省健康局健康課佐々木課長:
どの辺りから途切れましたでしょうか。
 
中山座長:
今、ほんと10秒くらい前です。
 
厚生労働省健康局健康課佐々木課長:
じゃ、5ページ目のとこですね。じゃ、もう1度繰り返します。ありがとうございます。
5ページ目は健診項目について、でございます。こちらは中性脂肪の保健指導判定値等につきまして、随時採血時の値の追加が行いましたので、これに伴う改定を行ってございます。具体的にはご覧になっていただいているページのとおりでございまして、赤字で追記をさせていただいております。加えて脚注a、b、cとございますけれども、このうちのaにございますように、空腹時の中性脂肪は絶食10時間以上、それから随時中性脂肪は食事開始から3.5時間以上、絶食10時間未満に採血が実施されたものとするという形で、明記させていただいているところでございます。
続きまして6ページ目をご覧ください。合わせてフィードバック文例集につきましても、最新の科学的知見等を踏まえて改定を行ってございます。ここでお示ししている提示例では先ほど申し上げました、空腹時、随時、その関係の部分を赤字で追記をさせていただいているとこでございます。
7ページ目、ご覧ください。受診勧奨判定値の取り扱いについて、でございます。これにつきましては、この値を超えるレベルの場合に、直ちに服薬等の治療が開始されるという誤解が生じているというご指摘がございました。そのため、これを防ぐための注釈等の記載の追加だとか、それからプログラムのページの構成等を工夫したりしてございます。
具体的はということで次のページ、8ページ目でございます。構成としてこのような形で見開きにしまして、向かって左側のページでございますけれども受診勧奨判定値の下に、赤字で判定値を超えるレベルの場合、再検査や生活習慣改善指導などを含め医療機関での管理が必要な場合があるというふうにさせていただいた上で、脚注にございますように健診受診者本人に健診結果を通知するなどの場合にはフィードバック文例集を参照・活用くださいとしてございます。そしてこの見開きの右側にございますように、このフィードバック文例集の頭出しを血圧、脂質、血糖とさせていただきまして、一応こちらも確認できるような形となってございます。従来この間が20ページぐらい開いていたわけですけれどもこうやって見開きにすることによって、しっかりここを確認できるようにさせていただいております。
続きまして9ページ目でございます。それと合わせまして、健診受診者と医療関係者の間の情報共有が円滑に進むようにと、それを支援するために持参できる文書案の様式を今回盛り込んでございます。こちらはその例示でございます。
下のほうにございますように、血圧の値を記載していただきながら右側の健診判定と対応のところで赤で囲っていただいて、これによって健診受診者ご本人も、それから医療機関に行った時も医療従事者も、それから産業医の方々の意識合わせができるようになっているとこでございます。資料1については以上でございます。
 
厚生労働省健康局健康課保健指導室五十嵐室長:
それでは続きまして資料2についてご説明させていただきます。保健指導室長の五十嵐でございます。よろしくお願いいたします。
ページおめくりいただきまして、保健指導作業班の改定でございます。こちら健診作業班と同様に検討会における取りまとめに基づきまして、以下3点をポイントに改定を実施しております。1点目はアウトカム評価の導入について、でございます。2点目、ICTを活用した特定保健指導の推進について。3点目、質向上のための取り組みについて、でございます。それぞれ概要をご説明させていただきます。
3ページおめくりいただきまして、1つ目のアウトカム評価の導入に関しての主な変更点でございます。基本的な考え方の部分で、今回の見直しにもございますとおり、アウトカムにつながるよう効果的な保健指導を行うということについて追記してございますが、基本的にはこの保健指導、これまでもしっかりとアウトカムにつながるというようなことをもって実施しておるわけですけれども、今回の見直しを含めてということでさらなる追記をしているということでございます。さらに今後、行動目標が自ら設定し、対象者の方、実行できるように個人の行動変容をしっかりと促すものとするということを、さらに追記をしてございます。
実施方法につきましては、例えば初回面接、健診当日から1週間以内の早期介入が特に重要である、この点検討会でもご指摘ございまして、この辺りについてもいくつかの箇所で記載をしております。さらに積極的支援における支援ポイントの達成例だったりだとか保健指導の内容につきましては、特に継続的な取り組みについて新規の項目を記載したりだとか、あとは行動変容に関する評価、評価者の判断、これの支援をするための具体例、こちらについても記載をさせていただいております。
ページをおめくりいただきまして、腹囲・体重について2点、ご説明をいたします。1つ目、参考値としてございますが、こちらが積極的支援における支援ポイントの達成例でございます。パターンを4つに分けさせていただいておりますが、例えばパターンAであれば腹囲2cm・体重2kgの目標の達成によるアウトカム評価で180ポイントに達成した例として、例えば支援の種類であったり時期、支援形態、支援内容について具体の例をここに記載させていただいておりますとおり、イメージを持って保健指導に取り組んでいただき、評価をしていただくということがされるような形での記載をさせていただいております。
次、おめくりいただきまして、こちらのほうは特定保健指導において目標の設定および評価を行うための行動変容の例、ということでございます。特に特定保健指導において、これらの、下に示しております目標の例を参考に用いることで、対象者の方が2カ月間行動変容を継続することによって、腹囲1cmかつ体重1kg以上の減少と同程度の効果が期待されるよう目標を設定する必要がございますので、これらを使っていただくと。で、生活習慣の中には5つの、食生活、運動習慣、喫煙習慣、休養習慣、その他の生活習慣といったような形で項目を設けさせていただいております。
目標設定に当りましては、初回面接において、この標準プログラムでも記載しておりますが標準的な質問票を活用していただいたりだとか、動機づけ支援、さらに積極支援に必要な詳細な質問項目のページもございますので、この表も活用していただきながら、しっかりと対象者の生活習慣を把握した上で、対象者にとって実践可能でありかつ保健指導実施者によって評価可能なものとする、ということが重要であるということについても記載をさせていただいておりますが、その他目標設定、評価に当っての留意点については手引きであったりだとか、その他のこのプログラムのページ等々にもお示ししておりますので、それを参考にしていただくということにしてございます。
ページをおめくりいただきまして、次にICTを活用した特定保健指導の推進の項目でございます。2つ目の○にもございますとおり、事業のマネジメントを担う者に求められる能力であったりだとか、例えば健診・保健指導実施者に求められる能力、この辺りを追記の項目として明示をさせていただいております。特に個人情報の保護に関する措置等々についても非常に重要だというご指摘もございましたので、その辺りも記載してございます。一番最後の○にございます、保健指導の評価についても、ICTを活用した場合においてもしっかりとこれらの評価ができるような形で活用する、ということについても記載をさせていただいております。
次ページをおめくりいただきまして、7ページございます3.の質向上のための取り組みでございます。人材育成体制の整備ということで、健診実施機関・保健指導実施機関の役割ということころを新規に追加させていただきまして、保健指導の質の担保というところを強調させていただいております。また、保険者の役割であったりだとか保険者中央団体の役割、これらも新規に追加をさせていただいて、質の向上に努めるというところの記載をさせていただいております。さらに健診・保健指導の研修ガイドライン、こちらにつきましても今回の見直しに沿った内容とさせていただいております。ICTの活用であったりだとか、やはり評価の部分をしっかりと行うというところの追加をしてございます。資料2につきましては以上でございます。
 
中山座長:
ご説明、どうもありがとうございました。このワーキング・グループにつきましては、主査をお務めいただいた田原先生、どうもありがとうございました。岡村構成員は厚生労働科学研究のほうで学術的な検討を踏まえた上でのご提案をいただきまして、改めて御礼を申し上げます。それでは全体通して、ご質問、ご意見がありましたらよろしくお願いいたします。茂松構成員、お願いいたします。
 
茂松構成員:
ありがとうございます。聞こえてますでしょうか。
 
中山座長:
はい、大丈夫です。
 
茂松構成員:
特定健診を実施する医療機関というのは、ほとんど一般保健指導もやっておりまして、やはり空腹時の中性脂肪とか随時の中性脂肪といった検査の名称をあまり使用しておりません。ですから特定健診における報告の表現におけるルールということをしっかりと、厚労省とか並びに関係学会の先生方にも十分周知をしていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
中山座長:
貴重なご助言、どうもありがとうございます。他、いかがでしょうか。河本構成員、お願いいたします。
 
河本構成員:
ありがとうございます。今回、短期間で標準的な健診・保健指導プログラムやあるいは技術解説書を取りまとめていただいた事務局の厚労省はじめ関係者の皆さまに感謝申し上げたいと思います。また今回、本会が求めておりました特定保健指導におけるアウトカム評価の制度化、特定保健指導開始後の服薬者に対する取り扱いの変更について高く評価をしております。円滑な運用に向けて私どもも努力してまいりたいと考えております。以上です。
 
中山座長:
河本構成員、どうもありがとうございました。これからがスタートですので、ほんと改めてよろしくお願いいたします。中島構成員、お願いいたします。すいません、ちょっと中島構成員、ミュートのままのようです。
 
中島構成員:
申し訳ございません。
 
中山座長:
大丈夫です。
 
中島構成員:
2点申し上げたいと思います。資料2の5ページにあります特定保健指導における目標設定及び評価を行うための行動変容の例について、1cm・1kg減相当、いわゆる約7,000kcal減の行動変容の例が示されていますが、これは現場において保健師さんや管理栄養士さんが行動目標を設定される際に複数の行動変容の分野に跨って合計して1cm・1kg減となるという目標を設定することは認められないと理解しています。その点について現場で混乱が起こらないように、複数の行動変容の分野に跨った合計の目標値は認められないということを、手引書等に明記していただければと思います。
2点目は、特定保健指導の質の向上に向けた研修について、国のみならず、日本看護協会や日本栄養士会等の職能団体において、保健師さん、管理栄養士さんの研修を充実させていただき、特定保健指導のより一層の質の向上に努めていただきたいと思います。当協会の保健師や管理栄養士もそうした研修の場に積極的に参加させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 
中山座長:
ありがとうございました。ご指摘の点反映できるように、また事務局のほうでも確認していきたいと思います。どうもありがとうございました。それでは鎌田構成員、お願いいたします。
 
鎌田構成員:
ご説明ありがとうございました。今、中島委員から職能団体として看護協会において、研修の充実等質の向上についてお話されましたが、看護協会としても保健指導を実施していくための質の向上はとても大事であると思っています。
現場では、これまでも成果につながる保健指導については実施してきておりますが、看護協会の取組をご紹介いたしますと、さまざまのオンデマンド研修を実施しており、例えば「健診センター等における効果的な継続支援につながる保健指導のコツ」や、特定健診・保健指導の結果から地域の健康づくりにも取り組むためには、ポピュレーションアプローチと連携した保健活動が重要であると考えています。このため、「保健指導におけるポピュレーションアプローチの企画と評価のポイント」について、オンデマンドを配信しておりますので、活用していただければと思っております。
合わせて、今回の特定保健指導の実施方法の見直しについては、これまでの課題に対して細やかに対応した見直しが図られていると考えています。特にアウトカム評価において、行動変容が評価されることや特定保健指導の早期介入が促されるような評価というのは、とてもいい見直しだと思います。また説明にもありましたが、特定保健指導者が対象者の個人自ら生活につながる生活習慣を見直して、生活習慣の改善による生活習慣病の予防評価ができるようこれまでも保健指導行ってきておりましたけども、さらにこれらアウトカム評価の導入によりまして、対象者と保健師が目標を一致させ、生活習慣改善に向けて取り組んでいけたらと思っております。
最後に今回の見直しについては評価したいというふうに思っております。引き続き、看護協会としても取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。
 
中山座長:
看護協会のご支援、ご協力、ほんとに大変ありがたいところですので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。それでは鈴木構成員、お願いいたします。
 
鈴木構成員:
日本栄養士会の鈴木です。おまとめいただきましてありがとうございます。特定保健指導の質の担保につきまして、日本栄養士会は毎年実施しております特定保健指導の研修会を第4期に向けた内容に充実させ、夏ぐらいから研修会を実施する予定でおります。実際に実施するに際しまして、協会健保さまをはじめ中島構成員からも動いていただきまして、特定保健指導に関連する団体や組織の方々と連携をして進めてまいりたいと思います。日本栄養士会、頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
中山座長:
大変心強いお言葉、どうもありがとうございます。ぜひ、より良い形で管理栄養士の方々に関わっていただけることを願っております。ありがとうございます。それでは、津下構成員、お願いいたします。
 
津下構成員:
ありがとうございます。よろしいでしょうか。これまでの健診・保健指導の標準的なプログラムの策定などに関わってまいりました。5年ごとにバージョンアップしてより充実した内容になってきていること、これが制度として積み上がってきていることに、関係者の皆さまの、ほんとにご努力を感じているところでございます。
今回特に、健診後の受診勧奨もについて議論されました。受診勧奨の判定値とそれから日常臨床での判断が若干かみあわないところがありました。健診後の受診勧奨により医療機関に行っても「まだいいよ」って言われちゃって何だったのかな、と不信感をいだかれるみたいなところがあったんですけれども。今回、そういう意味ではフィードバック文例集にかなりきちんと書き込みがなされていまして、適切な医療と健診のつながりといいますか、継続的な治療にもつながっていくということがまとめられていること、これが非常に重要なことだと思っています。活用を期待したいです。
それから2点目ですけど、アウトカム評価ということで。今、看護協会それから栄養士会の皆さまの発言にもありましたように、保健指導実施者にとっては非常に緊張感もあることだと思います。けれども、この制度の根幹としてはこれまでも行動変容だったりと内臓脂肪減量を目指してやってきたわけです。ポイント取るためにやってきたわけではないので、そういうことが再確認されてこういう形に動いていっているということは、この制度の基本理念がしっかり反映された形なのかなというふうには思います。
一方では3カ月の評価で、そこまで頑張った後で途切れてしまったと、行動が続かないということのないように、今後1年後の健診データの収集とか、どのような行動変容が効果が継続できやすいのかということも検証しながら、より質の高い保健指導の実施につながっていくことを期待しております。保健指導者が不安に思うことなくこの制度に取り組んでいただけることを期待したいと思います。
3点目はICTの活用です。これは、コロナ禍でオンライン面接やアプリの活用が進んでまいりましたけれども、これで今まで保健指導の場面に来られなかった人に対象を広げることができるし、継続率も高めることが期待されます。ICTの運用について、保健師指導者、また保健指導者をバックアップする組織のチーム力が必要だというふうに思いますので、これは保健指導実施者だけではなく、マネジメントサイドまたはサポートをする体制がなければうまくいかないと思います。チーム一丸となってこの体制を築いていくことが重要だと思います。ですので、マネジメントサイドに対する研修なども十分行っていくということが必要かなと感じております。全体的には今回の改正に賛同するものでございます。ありがとうございました。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。津下先生はこの制度の最初期からずっとご指導ご尽力いただいてきております。今いただいたご助言をきちっと実のある形に実現していかないといけません。引き続きご指導、どうぞよろしくお願いいたします。それでは田中構成員、お願いいたします。
 
田中構成員:
ありがとうございます。私のほうも、とても素晴らしい内容に変わっているというふうに思っております。皆さまのご努力によってこのような形で方向性は進んでいくことでありがたく感じております。
私も、先ほど津下先生の、最後のほうにおっしゃられたICTのところを少し、素晴らしいことではあるんですけれども、特に自治体の市町村国保などにおきましては、個人情報の考え方っていうのが、かなりバラバラでございます。必要以上に慎重なところもございますし、そういうところですね。したがって健康部門だけでなくその後ろで、ICTを使うにはその後ろのバックアップのところの環境が非常に重要な位置を持ってまいりますので、ぜひとも研修等々、それから情報連携等を、健康部門だけでなく特にICTの部分のところは、後ろ側といいますか環境側のところにも、マネジメントのところにもご配慮いただくようなことで、そういうふうにするとぐっとまた進んでいくんではないかと思われました。以上です。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。重要なご指摘で、個人情報はいつも保護ばかりが強調されますけれども、個人情報の活用と保護をどの高いレベルで調和させるかことが大切なことです。それはぜひ私たち自身また厚労省、いろいろ行政のほうも、協力した取り組みが欠かせないと思います。どうもありがとうございました。それでは、いろいろご指摘、ご提案どうもありがとうございました。この修正等につきましては、私どもに一任いただければというふうに思います。それでは続きまして議事の2、議事の3について保険局の連携政策課、水谷課長からお願いいたします。
 
厚生労働省保険局医療介護連携政策課水谷課長:
保険局医療介護連携政策課長でございます。資料3システム改修ワーキング・グループ・作業班での検討について、に沿ってご説明申し上げます。
システム改修に関するワーキング・グループそして作業班において、今回お取りまとめをいただいた、検討会におけるお決めいただいた事項に基づきまして、どのようにシステム改修を行っていくか、システム改修の方向性、そして電子的な標準様式、こうしたものについて検討するということでワーキング・グループ、この2ページの3番のとこでございますが、昨年10月から今年の3月までワーキング・グループを全3回、作業班を全5回開催して検討してまいりました。
3ページをご覧いただきますと、そこをどのような時系列で開催してきたかということを整理をしてございます。具体的にお取りまとめいただいたものは参考資料の3というところに付けてございますが、ここでシステムの詳細をご説明するということではないと思いますので、4ページ・5ページでこの項目のところをご確認いただければと存じます。
システム改修につきましては1~6番で特定健診。特定健診につきましては、今回この検討会でおまとめをいただいたような標準的な質問項目や選択肢の変更、あるいは検査項目の変更、階層化の基準が変更、こうしたことをどのようにシステム上反映させるかということについて、ご検討いただきお取りまとめいただきました。7番以降は特定保健指導の関係でございますが、今もご議論いただきましたような、アウトカム評価の関係、ICTを用いた支援の関係、早期の介入の評価の関係、こうしたことをシステム上どのように取り扱っていくかということについて、お取りまとめをいただいてございます。詳しくは参考資料の3をご覧いただければと存じます。
そして6ページ目でございます。マイナポータルの表示に関する見直し事項でございます。オンライン資格確認システム等により出力される健診情報を、これをPDFの帳票という形で表示されることになってございます。ここに特定健診、あるいは後期高齢者の健診情報が反映されるわけでございますが、今回の見直しを踏まえまして帳票の見直しを行うというものでございます。これも参考資料の4のほうに詳しい内容を付けてございますが、ここでは主な項目のみご説明差し上げたいと存じます。
まず1番でタイトルと書いてございます。これまでのタイトル、特定健康診査受診結果ですとか、後期高齢者健診受診結果等々、その健診結果の中身に応じましてタイトルが変わってございました。今回、40歳未満の事業者健診情報につきましてもここで表示されることになりますので、この際「健診結果」という形で統一してはどうかというものでございます。
それから2番目。保険者番号等ということで書いてございますが、こちらにつきましてはデジタル臨時行政調査会のほうにおきまして、生命保険会社のほうから、顧客から受領する健診結果、ここに保険者番号等が記載されている場合、告知要求制限により保管に当ってマスキングが必要になるということで、提示された健診結果にマスキングがなされていない場合、受領後にマスキングをするという業務が非常に負担となっていると。したがってマイナポータルから出力されるPDF帳票から保険者番号等を削除してほしいと、そうしたご要望をいただいてございました。今回の見直しにおきましては、マイナポータルでご自身で閲覧する際には当然こうした情報は閲覧できるわけですが、PDF帳票として打ち出す際、そこではこの保険者番号、被保険者証等記号・番号、枝番、こうしたものを削除する、そうした見直しをしてはどうかというものでございます。
3番以降につきましては、今回お取りまとめいただいた内容、中性脂肪の基準値の関係ですとか、質問票の見直し等々につきまして、これも同様にマイナポータルでの表示において反映をする、そうした内容でございます。以上が資料3でございます。
続きまして資料4特定保健指導の見える化について、についてご説明申し上げます。2ページでございますが、第3回の見直しの検討会において、おまとめをいただいた取りまとめの中で、この「見える化」につきまして以下のような記述がございます。「見える化」を推進するということで、対象者の行動変容に係る情報等を収集して、保険者等がアウトカムの達成状況等を把握し、達成に至った要因の検討等を行って、対象者の特性に応じた質の高い保健指導を対象者に還元していく仕組みを構築していくことが重要。
具体的にはということで、その次の段落でございますが、腹囲2cm・体重2kg減の達成割合ですとか、行動変容指標の改善割合、次年度以降の特定健診時の階層化や体重等の状況、喫煙者の次年度禁煙割合、リピーターの特定保健指導の終了状況、複数年継続した健診結果の変化等が考えられる、とされてございました。こうしたことにつきまして第4期で、どのような項目につきまして実績報告をいただくかということにつきまして、中山先生、研究代表者といたします厚労科研での検討をベースに作成したもの、これが3ページでございます。
3ページに集計項目の定義ということで書いてございます。これまで公表しておりましたもの特定保健指導の対象者、そして終了者、こうした情報だけであったわけでございますが、今般このアウトカム評価を導入する、あるいはアウトカム評価の指標となるさまざまな指標があるという中で、こうした項目について実績報告をまとめてはどうかということでございます。
具体的にはこの積極的支援終了者の中で、腹囲2cm・体重2kg減の達成者、腹囲1cm・体重1kg減の達成者、そしてその後、食習慣、運動習慣、喫煙習慣、休養習慣、その他の生活習慣。こうした行動変容を認めた者の数、そして保健指導の介入のみで、すなわちこうしたアウトカム指標でポイント化されることなく保健指導を終了した、そうしたことも含めまして、今まで保健指導の終了と一括りにしていたものにつきまして、その中でどういうようなアウトカムが見られたかということも含めてご報告をいただくこととしてはどうか。
そしてもう1つ、前年度の積極的支援の終了者が次年度の健診においてどのような階層化の状況になってるか、ということでございます。ここでは特定保健指導の対象外となったとか、動機づけ支援の対象となった、積極的支援の対象となった、こうした階層化の状況。それから前年度禁煙達成者については、そうした方が特定健診、どれだけ受診をされ、その中で喫煙の状況につきまして喫煙してる、あるいは禁煙を継続してる、こうしたふうにお答えいただいた方がどれだけいるか、そうした状況もご報告いただいてはどうかというものでございます。
一番上のとこに書いてございますが、こうした実績報告、実際にこのデータが集まるのが2026年以降ということになりますが、こうしたもの、保険者ごとの集計結果というものを順次公表することにしてはどうかと考えてございます。駆け足でございますが、説明以上でございます。よろしくお願いいたします。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。限られた時間の中でのシステムの改修、この機会にいろいろ改善点も組み込まれたかと思います。「見える化」についても課題を整理していただきまして、どうもありがとうございました。それではご質問、ご意見ございましたらよろしくお願いいたします。中島構成員、お願いいたします。
 
 
中島構成員:
 ご説明いただいた資料4の3ページでございます。見える化の項目とスケジュールについて、このような項目の集計結果を保険者で収集し、公表することについて異存はございません。
ただし、今後保健指導の実施率を高めていくためには、当協会でも外部委託を増やしていかなければならない傾向にあります。その中で、特定保健指導の専門事業者さんの実績が公平な形で公表されることが望ましいと思っております。このような実績のデータは、保険者が委託先を選定する際の重要な情報になるため、業界団体等でそうした取り組みが行われることについて、国からも働きかけていただきたいと思います。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。保健指導の委託先もこの機会に、ほんとに良い形でレベルアップしていただければと思いますので、また厚労省ぜひそのような環境整備をお進めください。ありがとうございます。それでは木野構成員、お願いいたします。
 
木野構成員:
ありがとうございます。今、ご説明いただいた資料4の3ページ等でも示されております特定保健指導の見える化の集計項目については、それぞれの先生方も治療してこられて、現場の負担にも十分配慮されて検討されていると思われるが、それでも、小さな保険者にとっては相当な負担になるのではないかと感じました。
また、昨年10月の取りまとめにも記述がありますように、「見える化」推進の目的は、「対象者の特性に応じた質の高い保健指導を対象者に還元していく」ことなので、小さな保険者が仕事に追われ、集計や一般への公表に焦りを感じながら仕事を進めることにもなりかねませんので、手段が目的化することがないように、バランスを取りながら取組を推進していかなければならないという印象を持ちました。そういう意味では、趣旨は十分理解できまして内容についても異論はないが、小さな保険者にも作業上の配慮をしていただけるとありがたいと思っております。以上です。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。ほんとにおっしゃるとおりで、今回、アウトカムを重視する、それに向けたプロセスの見える化ということで進んできましたけれども、それが冷たい制度にならないように、心に刻んで進めていかないといけないと思いました。どうもありがとうございます。
 
 
木野座長:
よろしくお願いします。
 
中山座長:
他、いかがでしょうか。河本構成員、お願いいたします。
 
河本構成員:
 ありがとうございます。資料4の特定保健指導の見える化の推進での記載内容について異存はございません。その上で、従来から何度も申し上げております、特定健診・保健指導制度について、さまざまな観点からの効果検証は、大変重要であり、保険料の半分を負担する事業主からも効果検証を求められています。事業主にとってどんなメリットがあるのか、エビデンスを持った説明ができるよう効果検証を検討いただきたいと思います。以上です。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。この仕組みは入れっぱなしでは全く本末転倒で、評価は厳しくきちんと継続的にしていかないといけない、ほんとに必須と感じております。これもまた厚労省のほうでぜひご検討お願いできればと思います。ありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは次は議題の4特定健康診査情報の随時提出について、に進みたいと思います。資料5について事務局より説明をお願いいたします。
 
厚生労働省保険局医療介護連携政策課水谷課長:
医療介護連携政策課長でございます。資料5特定健康診査情報の随時提出について、に沿ってご説明を申し上げます。
特定健診の結果につきましては、現在保険者から随時報告と法定報告の2つの方法によりご報告をいただき、そうした情報についてマイナポータルでご本人から確認をいただくことが可能になっているという状況でございます。現在のこの随時報告と法定報告の状況について整理をしたのがこの真ん中の表でございます。全体でご覧をいただきますと、随時提出でご登録をいただいてるのが46.7%で、うち健診結果が保険者に到着した後1カ月以内に提出をいただいてる保険者、これが30.1%ということでございます。その右に保険者種別別の状況ということを機械的に計算したものを載せてございます。全国健康保険協会、協会健保では高くなってございます。一方で健保組合あるいは共済組合というのは相対的に割合が低くなっている、そうした状況が見て取れるかと存じます。
一番上の・にもどっていただきまして、今、法定報告という形でこの健診結果についてご報告をいただきますと、マイナポータルにその結果が反映をされる時期というのが、健診を受けた年度の翌年の12月頃ということになってしまうということで、健診を受診してから実際にその結果が閲覧可能となる時期まで解離が生じてしまうということでございます。こうした状況を踏まえますと、私どもとしてはぜひこの機会を捉えて随時提出を推進していきたいというふうに考えてございます。
また3つ目の・でございますが、40歳未満の事業主健診情報につきましても保険者にご登録をいただいたものについて、2023年度中からマイナポータルで確認可能とする、そういった仕組みもスタートすべく今準備を進めているところでございます。したがって、こうした情報につきましてはいわば法定報告の仕組みはございませんので、保険者によりどのように形で随時提出いただくか、そうした仕組みも考えていく必要があるわけでございます。
そうした中で、これまでのこの法定報告の仕組みに加えて、まさにこのご報告いただいた特定健診の情報、これをマイナポータルで閲覧することが可能になる、そうした意味合いも持つようになったことを踏まえますと、私どもとしてはこの加入者本人が自らの健診情報等を速やかに閲覧できるよう、保険者の皆さまには健診結果を受領してから1カ月以内に閲覧用ファイルを提出することが望ましいということを通知等で明記をさせていただいてご協力をお願いしたい、そのように考えている次第でございます。駆け足でございますが説明以上です。どうぞよろしくお願いします。
 
中山座長:
どうもご説明ありがとうございました。このマイナポータルのデータの活用というのは、今までにはなかったとても大きな情報インフラに違いありません。いろいろ課題はあるかと思いますけれども、引き続き前向きの検討が必要と思います。茂松構成員、お願いいたします。
 
茂松構成員:
ご説明ありがとうございます。これをまず登録頻度のところにかなり、やはり法定報告にしましても随時にしましても、バラツキが非常にあるように思うんですが、できるだけそこを公平に、公正にデータを出していただけるようにしていただきたいと、進めていただきたいと思っております。それと医療機関の問題、資格確認によって特定健診・事業者健診がより直近の結果として閲覧できるようにしていただければ、われわれ医療機関にとっても大変ありがたいことでありますので、どうぞその辺はよろしくお願いしたいと思っております。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。新しい仕組みづくりについてですね。ありがとうございます。それでは木野構成員、続いて河本構成員、お願いいたします。木野構成員、お願いいたします。
 
木野構成員:
聞こえてますか。
 
中山座長:
はい。大丈夫です。
 
木野構成員:
すいません。町村会の木野です。資料5について、特定健診情報の随時提出を行っている保険者が、例えば市町村国保では57.3%、そのうち1カ月以内の随時報告が34.3%にとどまっており、これを促進したいという意図・目的は十分理解できますが、随時提出を実施しない、もしくは実施できないのは小さな保険者それぞれの人材面、財務面等の事情があってのことだと思うんです。マイナポータル等で、自分でチェックできるような体制になるということも踏まえますと、スピーディーなデータの提供等の対応が当然必要になってくると思っておりますが、それぞれの保険者の状況を考えますと、対応案にあるように、「受領してから1カ月以内に提出することが望ましいということを周知する」ことから、まずは初めていただくのが適切だと感じております。そんなことで、私どもも頑張りますけれども、ひとつ保険者の状況にもご理解いただいた中で今後も進めていただけたらありがたいと思っております。どうかよろしくお願いします。
 
中山座長:
 どうもありがとうございました。この方針を十分周知することと、いろんな保険者ありますので支援的な環境も作っていくこと、ほんとうに不可欠なことです。ありがとうございます。
 
木野構成員:
ありがとうございました。
 
中山座長:
それでは河本構成員、お願いいたします。
 
河本構成員:
ありがとうございます。特定健診情報の随時登録については、今後の保険証の一体化やPHRの利用促進も視野に、私どもも健保組合の随時登録をサポートしたいと考えております。
その上で質問です。健診情報が事業主を経由して健保組合に届くまでには、受診から数カ月かかることも多ございます。加入者本人や同意を得た医療機関が健診情報をタイムリーに閲覧するためには、健診機関からマイナポータルに直接、健診情報を登録する、そういったルートも設けることも有用ではないかと思います。もちろん保険者には別途送致していただくってことになりますが、その点について事務局はどうお考えなのかということを伺いたいと思います。
また2023年度から40歳未満の健診データもマイナポータルで閲覧可能な仕組みとなりますが、その場合に事業主から保険者に提出される事業主健診データを、特定健診と同じXML形式のデータであることが望ましいということでございます。国としても、マイナポータルに登録する健診データはXMLデータが標準であって、XMLデータで提出するように関係団体に協力を求めていただきたいと思います。これは要望でございます。以上です。
 
中山座長:
河本構成員、どうもありがとうございました。今の点について事務局、いかがでしょうか。健診機関からマイナポータル・・・。では、事務局、お願いいたします。
 
厚生労働省保険局医療介護連携政策課水谷課長:
医療介護連携政策課長でございます。河本委員、ご質問どうもありがとうございます。
健診結果、あるいはオンライン資格確認の仕組み上で申し上げれば、健診結果に限らずさまざまな情報を取り扱っているわけでございますが、そうした情報、セキュアな回線、あるいはそうした既存のインフラがある、そうした中で積めるということがシステムを構築する上での効率性という観点も含めて、そして安心・安全の確保という観点も含めて有効であると、そうした考えの下、今、保険者の皆さまから情報を登録いただく、そのルートの中で特定健診の結果等々もご登録いただいておりますし、今回の40歳未満の事業主健診情報につきましても、例えば事業主から直接ご登録いただくということになると事業主から直接そうした回線を引かなきゃいけないので、それから今、河本委員からご指摘いただいたように健診実施機関から直接ご登録いただくということになると、それぞれの健診実施機関から直接ご登録いただくラインを整備する必要があるということになります。
そうしたこと、もちろん選択肢としては考えられるわけでございますが、私どもとしては今の既存のインフラを考えますと、この保険者からご登録いただくという仕組みでご協力をいただくということでこれまでやってきておりまして、そこはご理解をいただければありがたいというふうに考えてございます。
一方で40歳未満の事業主健診情報、これにつきましては保健指導で活用する、あるいはそうしたものをご自身のPHRとしても有効に活用していくということで、ただそれを活用するためには40歳未満の事業主健診情報、これを紙で保険者に登録をすればそれが有効活用できるというものではございませんので、これにつきましては別途の、関係者にお集まりいただいた検討会の中で、この40歳未満の事業主健診情報を有効活用していくためには、XML形式で管理保存の段階から、そして提供する段階でもそうした形でやることが望ましいということ、これは報告書にも明記をいたしまして関係者には周知を図っていくということにしております。引き続きそうしたことについて、私どもが周知をすることでそうしたことが適切に進んでいくよう、後押しをしてまいりたいというふうに考えてございます。以上です。
 
中山座長:
どうも、ご説明ありがとうございました。それでは小林構成員、お願いいたします。
 
小林(司)構成員:
ありがとうございます。今回お示しの内容は賛成いたします。依然としてマイナンバーカードへのさまざまな疑問・不安の声があることを、私どもも把握しているところですが、こうした対応をすることで、結果的に「やはりこういうの、いいね」という声が広がっていって、より制度が普及するという面もあるかと思いますので、皆さん大変なご苦労もあるかと思いますが、ぜひ推し進めていただければと思っております。
その上で、こういった情報がマイナポータルで見ることができるといたしまして、例えば医師の判断の欄とか、そういった欄っていうのは最低限のことしか書かれてない例もあると承知しております。本当はもう少し、これを見ればだいたい状態が分かる、忘れていたことも思いだせるようになっていけばよいと考えております。これは運用の中で改善できればとは思っておりますので、少しお含みおきいただけないかと思います。以上です。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。間もなく国民が自然にマイナポータル、自分のいろいろな健診結果がこの何年かでどういうふうになっていったのかな、と必要な時にチェックできるような形になると、ほんとに良いですね。津下構成員、お願いいたします。
 
津下構成員:
ありがとうございます。特定保健指導の見える化っていうのは、この制度始まった時から必要とされてきたことで、どのような保健指導がどのように行われているのかをきちんと把握する必要があると思います。今回の参考資料6の手引きの30ページ図表の14に、特定保健指導支援計画および実施報告の例、というのがございます。また電子的標準様式の中でも、特定保健指導の内容をきちんと報告するという様式があると承知しております。しかし、以前、特定保健指導の効果検証を試みた時に、この保健指導の状況に関するデータの入力状況が不十分であったため十分できなかったということがありました。一方、今回、モデル実施では保健指導の情報をきちんと把握ができたので、効果検証が適切に行われたということになると思います。
そこで確認したいことなんですけれども、今後「見える化」とか、特定保健指導の質、実施方法などを、よりきちっと検証していくためには、この報告をきちんと行っていただく必要があると思うんですけれども、現在これについてはかなり報告状況が良くなってるのか、また第4期に向けて報告の精度を上げていくような取り組みをされるのか、その辺りご確認させていただきたく、よろしくお願いいたします。
 
中山座長:
どうもありがとうございました。今の点につきまして事務局いかがでしょうか。
 
厚生労働省保険局医療介護連携政策課水谷課長:
医療介護連携政策課長でございます。まず効果検証につきましては、先ほど河本委員からもご指摘いただきました。私どもとしてもこの特定健診・保健指導につきまして、これだけ保険者あるいは事業主の皆さまにもご協力いただきながらお願いしているものでございますので、どういった効果があるのか、これについては不断の検証をしていかなければならないというふうに思ってございます。私どもとして、この検討会の場でも一部今回の議論の過程でお示しをさせていただきましたが、NDBのデータ等を使いまして、あるいは諸外国の文献データを検索するなどいたしまして、私どもとしてもエビデンスの蓄積に努めているところでございます。
一方で今回のこの「見える化」ということ、もちろん個々の対象者に対して質の高い保健指導を還元していく、そうした意味合いももちろんあるわけでございますが、一方でこの「見える化」によって実績報告いただく項目のこれを、それこそクロスで集計することなども通じまして、私どもとして、より深い効果分析ができるのではないかということも考えているわけでございます。それとNDBのデータなんかも交えれば、さらに私どもとしてもこうしたものについて効果検証を深めていくことができるんではないかというふうに考えています。
そうした意味においても、この「見える化」の項目というのについては、しっかりと実績報告をお願いしたいというふうに考えてございます。今回、新しい制度に伴いまして、さまざまな新しい報告をいただくことになって、現場の皆さまには一部ご負担をかけるところがありますが、やはりこれは個々の対象者の方により良い保健指導を還元していく、そしてこの特定健診・保健指導という仕組み自体をよりエビデンスに基づいたしっかりとしたものにしていくためにも重要なことでございますので、これは私どもとして、しっかりと現場からご報告いただくように引き続きお願いしてまいりたいというふうに考えております。以上です。
 
中山座長:
ご回答どうもありがとうございました。では中島構成員、お願いいたします。
 
中島構成員:
 40歳未満の事業者健診情報について、一言申し上げたいと思います。40歳未満の事業者健診情報については、医療保険部会において、マイナポータルに保険者が登録したものをNDBに収載するとの方向性が示されたところでありまして、当面の間は私どももその方向でやらざるを得ないと考えています。ただ、労働安全衛生分野における事業者健診についても、生涯を通じた予防健康づくりの主要な柱の1つという形で、これまで歴史的な経緯もあるわけであり、中期的には保険者を経由する方法ではなくて、労働安全衛生サイドから直接NDBに登録できるような体制を整備すべきと考えます。
事業主から個別に情報を集めるというのは大変難しい課題だと思っておりますが、今後、産業保健分野で産業保健施策を充実させていくためにも、事業主健診結果データを産業保健分野において集約して分析をしていくという取り組みも必要ではないかと考えております。そうしたことも含めますと、事業主健診の結果データを集約し、それを直接NDBに登録できるという体制の整備を中期的に考えていく必要があるのではないかと思います。
 
中山座長:
 どうもありがとうございました。非常に大きな課題をいただいたかと思います。事務局のほうで、今の時点で何かご回答ありますでしょうか。
 
厚生労働省保険局医療介護連携政策課水谷課長:
医療介護連携政策課長でございます。ご指摘どうもありがとうございます。私、先ほど申し上げたこと、今の現行の仕組みを前提として答弁申し上げました。
一方で今、中島委員おっしゃられたとおり、まず1つは産業保健という観点から、これは産業保健のあり方について、私どもの安全衛生部のほうを事務局といたしまして、別途検討会が持たれております。まさに、産業保健のあり方の中でこうした事業主健診情報をどう捉まえていくか、そうした議論の中からひとつ方向が見えてくる部分というのは当然あろうかと思います。
そしてもう1つ、今、中島委員から生涯を通じた予防健康作りという観点でご指摘を頂戴いたしました。私どももオンライン資格確認の仕組みの中で特定健診の情報取り扱い、その枠組の中で、今、40歳未満の事業主健診情報、これについては保険者にご登録いただいた情報について同じように扱っていく、そうした流れの中でNDBへの収載も、この前ご了承いただいたところであります。一方で私ども、今、このオンライン資格確認のネットワークを基盤として、全国医療情報プラットフォームとして、医療介護全般にわたる情報、こうしたものを共有・交換できるプラットフォームといった大きな構想の創設を掲げてございます。
ただ私どもがオンライン資格確認のネットワークで取り扱っている情報は、保険者の保有しておられる資格情報であったり、あるいはレセプト由来の情報であったり、特定健診の結果であったり、そうしたものが中心となってございますが、健康医療介護に関わる情報ということになりますと、今、議論になっているようなもちろん事業主の健診の情報もございます。自治体が持っている時自体健診の情報、介護保険関係の情報、それから医療機関が持っておられる電子カルテの情報、さまざまな情報がございます。
こうした保有主体が異なる情報をこのプラットフォーム上でどのように扱い、集めていくか、そしてまたそれを利用する場面につきましても、今は医療機関・薬局でこれをご覧いただく、あるいはマイナポータルでご自身でご確認いただく、そうした場面が想定されてございますが、この他にも自治体で、介護事業者で、さまざまは活用があるなど想定されるわけでございます。
そうした意味におきまして、今の議論というのがこうした大きな全国医療情報プラットフォーム、そうした中で情報をどのように扱っていくかという観点、そしてもう1つは産業保健の中でこうした事業主健診情報をどのように扱っていくかという観点、そうした観点の中でご議論を進めていきたいというふうに考えてございます。以上です。
 
中山座長:
どうもご説明ありがとうございました。それでは室原構成員、お願いいたします。
 
室原構成員:
ありがとうございます。資料5の2ページ目の表でございますけれども。これは見ていきますと一番右側の協会健保97%すでに達成されておられるということで、例えば私どもが加入しております共済組合では1カ月以内が28%ですね。他も同じような形で。そうしますと現行、協会けんぽさん、人口カバー率もかなり高いと思うんですけれども、このノウハウを他の組合さんにも広げていくというようなことが1つの対応案の中に入れてもいいんではないかなというように思います。以上です。
 
中山座長:
ご指摘、ご提案どうもありがとうございました。協会けんぽはカバー率が非常に高いですので、ぜひノウハウを横に共有していければと思います。ありがとうございます。それでは太田構成員、お願いいたします。
 
鈴木氏(太田構成員代理):
後期高齢者医療広域連合協議会、太田の代理の鈴木と申します。事業者健診情報について、でございます。今40歳未満の事業者健診情報についてマイナポータルで見れるようになるということですけれども、私ども、広域連合のほうでは基本的に75歳以上の方でございます。75歳以上の方でも事業者健診を受けられる方というのはそれなりにいらっしゃると思います。実際にどれぐらいの方がいらっしゃるかは把握してございませんが、いらっしゃると思います。ですから、そういった方も自分の事業者健診の情報がマイナポータルで確認できるようなこともご検討いただければなと思います。それが現行の枠組の中の話なのか、先ほど出ました産業保健全体の枠組の中での話なのか、あるでしょうけれども、75歳以上という高齢者もそういった確認ができるように、しっかりご検討いただきたいと思いますので、意見として申し上げます。以上です。
 
中山座長:
ご指摘、ご提案どうもありがとうございました。これはぜひ事務局で引き続きご検討いただければというふうに思います。ありがとうございました。他、いかがでしょうか。
どうもありがとうございました。ほんとにいろいろなご指摘、ご意見、ご提案いただくことができました。本日の議事は、皆さまのご協力いただきまして無事終了いたしました。事務局、すいません。私のほうでこれはもう閉会に向けてということで進めてよろしいのでしょうか。それともいったん事務局に、最後は戻したほうがよろしいでしょうか。
厚生労働省健康局健康課小林補佐:
先生のほうで進めていただいて大丈夫です。
 
中山座長:
了解しました。分かりました。改めてですけれども、第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会は本日で終了となります。今後こちらで取りまとめたものを公表し、令和6年度からの第4期特定健診・特定保健指導に向けてご尽力いただくことになります。
少しだけ、結びに変えてお話しをさせていただきます。2021年12月の第1回の開催から1年4カ月、足掛けになりますと3年になります。構成員の皆さま、ご所属の各組織、各ワーキング・作業班の方々、そして厚生労働省の健康局、保険局、事務局の方々、これまでのご尽力に改めて心から御礼を申し上げます。こうして皆さまのご協力をいただいて作り上げた成果を2024年度からの実装に向けて来年度2023年度それぞれの現場での準備を進めていただくことになります。
ただ、私たちが本当に目指しているところは、特定健診・特定保健指導の円滑な実施にとどまるものでは決してないと思います。そもそも健診・保健指導は何のために行っているのでしょうか。今回のアウトカム評価ということで、2kg・2cmという非常に大きな方針が明確になりました。しかし本当のアウトカムはもっと先にあると思います。健診や保健指導の先にあること、それは言わずもがなですけれども健康であることとか、元気で少しでもより幸せに、できるだけ、できれば長く生きていけること、そのための1つの方法としての健診や保健指導があるのだと思います。
健診・保健指導という国の大きなシステムが、国民一人一人がそれぞれの大事なものを振り返る機会となれば本当に素晴らしいと思います。第4期だけではなくその先の健診の姿も、皆さんとまたいろいろなところでお話ししていけることを願っております。本当にどうもありがとうございました。それでは、これにて検討会を閉会とさせていただきます。ほんとにどうもありがとうございました。
 
各出席者:ありがとうございました。