もっとはたらきかたススメ! 建設業、ドライバーの長時間労働等の改善に向けて



働き方改革は、働く方のいのちと健康を守り、働く方一人一人が多様で柔軟な働き方ができるようにするため、これまでも長時間労働の短縮等に取り組んできました。
 
働き方改革関連法に基づき、働く方の健康を守るための時間外労働の上限規制(※)が、平成31年4月から順次開始されました。建設業、自動車運転の業務など、一部の職業では、時間外労働の上限規制の適用が猶予されていましたが、昨年4月からこれらの職業にも適用が始まりました。
 
※時間外労働の上限規制とは
労働基準法上、労働時間は、原則として、1週40時間、1日8時間と定められていますが、使用者(事業主側)と労働者の話し合いにより時間外・休日労働に関する協定(以下「36協定」)が結ばれている場合には、その範囲で上記の原則の労働時間を延長して労働させることができます。
 
上限規制というのは、この36協定による労働時間の延長の時間の上限を規制するものです。これまで、一般の業種については、厚生労働大臣告示において規制がされていましたが、時間外労働の建設業やドライバーについては、36協定で定める限度が規定されておらず、働き方改革関連法により、法律に労働時間の延長の限度(上限時間)が定められました。なお、これらの特例は将来的には時間外労働の上限規制の一般則の適用を目指す旨の規定が設けられています。


(建設事業・自動車運転者の時間外労働の上限規制)



一方で、建設業、運送業では、ほかの産業よりも労働時間が長いといった実態があります。
 
(建設業・運輸業の年間労働時間の推移)


その背景には、短い工期の設定や長時間の荷待ち時間などといった、取引慣行上の問題が見られます。
 
建設業で働く方や、トラックドライバーなどの方は、インフラや物流を支える重要な存在です。こうした方々の健康を守り、働き方改革を進めていくためには、取引関係者をはじめとした国民の皆さま一人一人のご理解とご協力が必要となります。
 
厚生労働省では、建設業で働く皆さまやトラックドライバーなどの労働環境を改善するため、これらの業界が抱える課題や、国民の皆さまにご協力いただきたいことを広く伝えていく活動を行っています。

特設サイト:はたらきかたススメ
 
この活動の一環で、国土交通省と連携して、俳優の玉木宏さんが出演するPR動画「くらし、はたらき、もっとススメ」を作成し、8月4日から公開しています。
この動画では、玉木宏さんが建設業やトラックドライバーなどの長時間労働の改善に向けて、国民の皆さまへ呼び掛けています。
 
PR動画「くらし、はたらき、もっとススメ」【ロングver.】
     「くらし、はたらき、もっとススメ」【ショートver.】

このほか、荷主や発注者に向けて、上限規制の内容や、業界の問題点とその改善に向けた取り組み等を周知広報するため、「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」、「建設業従事者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」で、国土交通省の施策も含めた情報発信を行っています。

自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト
建設業従事者の長時間労働改善に向けたポータルサイト
 
また、今年度、厚生労働省では、荷主や発注者の皆さまの取り組みの参考となる事例を集めた事例集の作成を予定しています。今年の9月末までの間、荷主や発注者の皆さまが短い工期や長時間の荷待ちなど取引慣行上の課題を解決していくために取り組んでいること、心掛けていることをテーマに取組事例を募集しています。
改善に取り組む荷主、発注者の皆さまからの投稿をお待ちしています。

企業取組事例募集ページ
 
参考として、トラックドライバーの長時間労働の問題に荷主側の立場から取り組んだ住宅業界の積水ハウスの取組事例を紹介していますので、ぜひこちらもご視聴ください。
 
働き方改革取組事例紹介動画『現場を変える、未来を変える ~積水ハウスの挑戦~』
 
建設業で働く方や、トラックドライバーなどの皆さまの働き方改革をより進めていくために、厚生労働省は、引き続き国土交通省とも連携し、取引環境の改善に努めていきます。
 
皆さまのご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。