福祉・介護視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会(第14回)議事録


1.日時

令和7年12月4日(木曜日)15時00分~17時00分

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2.場所

全国都市会館3階 第2会議室

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3.議題

1.「読書バリアフリー基本計画(第一期)」にて進捗した施策の紹介
2.「読書バリアフリー基本計画(第二期)」の基本的施策に関する指標の進捗報告等について
3.構成員による視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る取組等について
4.「特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方についての検討ワーキンググループ」の検討状況について

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4.議事録

○中野座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会」第14回を開催させていただきます。進行の慶應大学の中野でございます。よろしくお願いします。
 まず初めに、本日のスケジュールや委員の出席状況、配付資料の確認などを事務局からお願いしたいと思います。事務局、御報告、よろしくお願いします。
○吉元補佐(厚労省) 本日、事務局を務めさせていただきます厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部自立支援振興室長補佐の吉元と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、8月に開催しました第13回の協議会におきましては、事務局の不手際で、委員や関係者の皆様、オンラインでの視聴を予定されていた方々に多大な御迷惑をおかけいたしました。前回の反省を踏まえまして、円滑な協議会の実施に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、御報告に移らせていただきます。
 本協議会の構成員につきましては、お手元にある参考1の設置要綱に記載されているとおりでございますが、今回の会議により御参加いただく委員がお一人いらっしゃいますので、御紹介をさせていただきます。一言御挨拶をいただければと思います。
 一般社団法人日本出版インフラセンターアクセシブル・ブックス・サポートセンター(ABSC)の落合委員が御退任され、後任といたしまして、本協議会に御参画いただくことになりました、同じくABSC管理委員会委員・TTS推進WG座長、そして株式会社小学館監査役の田中敏隆委員でございます。一言よろしくお願いいたします。
○田中委員 今回から参加させていただきます小学館、田中と申します。よろしくお願いいたします。
○吉元補佐(厚労省) ありがとうございました。
 続きまして、本日の構成員の出欠状況について御報告いたします。本日、欠席の委員が6名いらっしゃいます。
 御欠席の方は、日本身体障害者団体連合会会長の阿部委員、日本眼科医会常任理事の井上委員、愛知県福祉局福祉部障害福祉課長の今宮委員、日本点字図書館図書製作部長の澤村委員、全国学校図書館協議会理事長の野口委員、堺市健康福祉局障害福祉部障害施策推進課長の吉田委員、以上の6名の方となります。
 また、一般社団法人日本発達障害ネットワーク理事長の市川委員の代理といたしまして、副理事長兼事務局長の日詰様に御出席いただいております。
 なお、事務的な報告になりますが、厚生労働省自立支援振興室長の前田につきまして、本日国会案件が入ってしまいまして、遅れての参加か、もしかしたら参加が厳しいかもしれないということで、御了承いただければと思います。
 次に、本日の資料について御説明します。本日の会議資料は、先ほど事務局からも連絡がありましたが、構成員の皆様のテーブルにあるタブレットで確認をさせていただいておりますとともに、併せて紙媒体の資料を置かせていただきましたので、適宜御活用いただければと思います。
 なお、傍聴の方につきましては、厚生労働省及び文部科学省のホームページに資料を掲載しておりますので、そちらを御確認ください。
 改めまして、本日の資料ですが、議事次第のほか、資料1から4、参考1及び2、以上の6点となります。タブレットに資料が表示されない、紙媒体でも資料の不足があるなどございましたら、事務局までお声がけいただければと思います。
 また、本日オンラインで御出席の構成員の皆様へのお願いがございます。カメラは通常はオンのままにしていただきまして、御発言の際にはZoomの「手を挙げる」機能の使用をお願いいたします。発言時以外はマイクをミュートにするよう、御協力ください。
 なお、通信障害などで不具合が発生した場合には、事前にお伝えしております事務局の連絡先までお知らせください。
 事務局からは以上となります。
○中野座長 どうもありがとうございました。
 それでは、頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの方は御退場をお願いいたします。
 では、早速議題に入らせていただきたいと思います。
 本日は、4つの議題を用意させていただいております。1番目は、第一期にて進捗した施策の紹介、2番目は、第二期の基本的施策に関する指標の進捗報告等について、3番目は、構成員による視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る取組等について、4番目にワーキンググループの検討状況について報告をさせていただきたいと思います。
 まず、1番目の議題から入りたいと思いますが、1番目の議題は「『読書バリアフリー基本計画(第一期)』にて進捗した施策の紹介」についてです。今回は特に第一期計画で進捗した施策であります国立国会図書館障害者用資料検索「みなサーチ」について、国立国会図書館よりその取組を御紹介いただきたいと思います。それでは、御説明をお願いいたします。
○渡邉課長(国立国会図書館) オンラインで参加させていただいております、国立国会図書館総務部司書監で、図書館協力課長を兼務しております渡邉と申します。本日は御報告の機会を賜りまして誠にありがとうございます。
 それでは、御報告を申し上げます。基本計画第一期期間中の当館の取組のうち、国立国会図書館障害者用資料検索「みなサーチ」に関わるものを御報告申し上げます。
 スライドの2ページ目がみなサーチの概要の御紹介となります。御存知の方も多くいらっしゃるかと存じますが、みなサーチは、障害者用資料・データの統合検索サービスといたしまして、令和6年1月に公開いたしました。
 サピエ図書館、出版書誌データベースの「Books」、国立情報学研究所の読書バリアフリー資料メタデータ共有システムなど、10種類のデータベースを一元的に検索することができます。検索できるメタデータは現在約600万点となっております。DAISY、点字、テキストデータなどのほか、読み上げ対応の電子書籍、オーディオブックなど、24種類の資料形態に対応しております。
 このように、みなサーチは、基本計画第10条関係に位置づけられましたインターネットを利用したサービス提供体制の強化の一翼を担うものといたしまして、アクセシブルな書籍等の情報を集約し、全国的な共有体制の整備を推進しているところでございます。
 スライドの3ページ目のほうは、国立国会図書館による視覚障害者等用データの収集・製作・提供の全体像を表した概念図でございます。図の左上のほう、公共図書館や大学図書館等で製作されたDAISYデータや点字データ、テキストデータ等を国立国会図書館に御提供いただきまして、当館自身で製作したデータと合わせて、さらに海外から取り寄せたデータも加えて、みなサーチを通じて視覚障害者等個人の方には直接、または当館から承認させていただいた全国の図書館を通じて提供しております。
 また、サピエ図書館とはシステム連携をしており、サピエ図書館では当館が提供する視覚障害者等用データのうちDAISY及び点字データの検索・ダウンロードが可能となっております。
 スライドの4ページ目では視覚障害者等用データの収集の概況をお示ししております。製作したデータを当館に御提供くださっているデータ提供館の数は、令和2年度が99館でしたが、令和6年度末には163館ということで、約1.6倍に増加いたしました。図書館の種類別で見ますと、公共図書館が110館、大学図書館が15館、視覚障害者情報提供施設が2施設、学校図書館が3館、ボランティア団体等が33となっております。
 収集データ数の累積でございますが、令和2年度が約2万8000点だったところ、令和6年度末には約4万8000点ほどに増加いたしました。
 収集させていただいた約8割が公共図書館から御提供いただいたものです。次いで、ボランティア団体等から約4,000件、大学図書館から約3,000件となっております。
 御提供いただいたデータの傾向を図書館の種類別、館種別で見ますと、公共図書館から御提供いただいたものの9割以上がDAISYデータで、特に分野としては小説や物語が多いという特徴がございます。一方、大学図書館から御提供いただいたデータは9割以上がテキストデータで、言語や社会科学といった分野が中心となっております。
 このように、基本計画第9条関係に位置づけられましたアクセシブルな書籍等の充実に資する取組として、引き続き着実にデータ収集を進めますとともに、データの多様性を広げ、視覚障害者等の方々の様々なニーズに応えられるようにするためにも、様々な館種が製作するデータの収集を推進する必要があると考えております。
 スライドの5ページ目に移ります。国立国会図書館では、みなサーチを窓口とする形で視覚障害者等用データ送信サービスを行っております。これはみなサーチにログインすることで、当館がデータ提供館から収集させていただくことや、当館自身が製作したデータをダウンロードできるというものでございます。
 このサービスで提供しているデータの数は、令和2年度の約3万点から、令和6年度末には約324万点へと大幅に増加いたしました。内訳を見ますと、後ほど御紹介いたします全文テキストデータと呼ばれるプレーンテキストデータが約319万点と最も多く、次いで音声DAISYが約4万2000点となっております。
 これらのデータへのアクセス数は、月平均でおよそ7万6000件ほどでございます。
 データのダウンロードが可能なのは、国立国会図書館に視覚障害者等として登録された個人の方、または当館の承認を受けられた機関となっております。個人の登録利用者の数は、令和2年度の348名から、令和6年度末には952名に増えております。また、送信サービスに参加されている送信承認館、その図書館等は、令和2年度は148館だったところが、令和6年度末には389館へとそれぞれ大幅に増加しております。
 このように、基本計画第10条関係に位置づけられましたインターネットを利用したサービス提供体制の強化に係る取組の一つとして、今後さらに関係機関様、団体様と連携し、サービスの周知を進めるとともに、利用者の拡大に向けてさらなる取組の強化が必要だと考えております。
 スライドの6ページ目に移らせていただきます。みなサーチにログインしてダウンロードできるデータ約324万点のうち約319万点は、国立国会図書館の所蔵資料をデジタル化した画像データをOCR処理によりテキスト化した全文テキストデータと呼んでいるものでございます。
 プレーンテキスト形式で音声読み上げソフトや点字ディスプレイなどの支援機器による利用が可能となっております。
 当館のデジタル化資料から作製したものでございますため、出版年は少し古く、図書は1987年まで、雑誌は2000年までのものが中心となっております。
 全文テキストデータは未校正のデータで、OCRにかけたものを特に人手で校正しておりません。未校正のデータでございますので、文字認識の誤りも多少ございますが、これまで画像データであるために利用が難しかった資料へのアクセスを大きく改善して、基本計画第9条関係に位置づけられますアクセシブルな書籍等の充実に寄与したものと捉えております。
 ただ、みなサーチでの全文テキストデータの御利用というのがまだ1か月に400件程度にとどまっておりますので、こちらは一層の利活用促進に努める必要があると考えております。
 以上、基本計画第一期期間中の国立国会図書館の取組のうち、みなサーチに関するものについて御報告させていただきました。
 こちらからは以上となります。ありがとうございます。
○中野座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これより、今、御報告いただいた内容に基づいて、議題1の国立国会図書館の取組について意見交換を進めてまいりたいと思います。本日は、時間の関係もございますので、より多くの構成員の方が御発言できるように、発言に際してはできるだけポイントを絞って簡潔にお願いしたいと思います。それでは、発言を希望される方は挙手もしくは声を出していただければと思います。では、藤堂委員、お願いいたします。
○藤堂委員 NPO法人エッジの藤堂と申します。
 今回、国会図書館のみなサーチの利用ということに関して、10月にディスレクシア月間というのをやっておりましたけれども、その中で国会図書館の方たちとJDDnetと一緒に利用に関してのワークショップをZoom、オンラインで開催させていただきました。その中で思ったよりも本当に使い勝手がよさそうなものであるということも分かりました。また、国会図書館は18歳からの利用なのですが、みなサーチに限っては、登録をすれば子供から大人まで使えるということが分かりました。ぜひ使いたいなと思ったところですけれども、使うに際しては登録をしなくてはいけないのと、登録するには証明する文書が必要であるというところです。ディスレクシアというのは、人口の8%いると言われており、また不便を感じていても、診断が下りる人は人口の2%と言われております。残りの6%の人は証明するすべがないということで、そこのところをできるだけ早急に、国会図書館だけではなく、学校図書館などもそうですが、ありとあらゆる読み書きに関するサービスをディスレクシアの方が受けられますよという措置が必要だなと感じたところです。
 国会図書館の方からも要望した際に、この人がそれに該当しますよということが分かる方法が今ないというお話がありました。ここで話すことかどうか分かりませんけれども、こうした課題が、アクセス数が非常に少ないということとつながっていると思うのです。このサービスを私たちが受けられるということを知らないというのもありますし、受けたいなと思ったときに、どうやったら登録できるのか。登録するには、自分がそうであるということを証明するすべがない。3つ課題があるかなと思っております。よろしくお願いいたします。
○中野座長 ありがとうございました。
 国立国会図書館のほうからもしコメントがありましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょう。渡邉様、もしくは川西様。
○渡邉課長(国立国会図書館) 藤堂様、コメント、御質問ありがとうございました。ワークショップの際は大変お世話になりました。
 今、お話のありました登録のところのハードルというのは、これまでも様々な方から御意見等いただいていたところと認識しております。今、藤堂様もおっしゃられたとおり、例えば学校ですと、学校の先生方にもこの制度を知っていただくということが大変重要なのかなと思っております。もちろん、手帳を持っていない方でも医師の診断書という手もありますけれども、それもまたハードルだったりする。そこで、学校に通っていらっしゃるお子さんたちであれば、学校の先生方がこういうことを説明する書面を出していただければ登録できるのだということを知っていただくことが大変重要なことかなと思っております。
 近藤先生が関わっておられる、東京大学様が文部科学省の委託事業で受けていらっしゃるコンソーシアムのほうでも国立国会図書館からオブザーバー参加させていただいておりますが、そちらでも非常に手応えを感じておりまして、学校関係者の方々への認知度の向上、みなサーチや当館のサービスについての認知度を学校関係者の方々にきちんと伝えることが非常に重要だとここ数年感じているところでございます。そうした取組を今後もぜひ積極的に続けていきたいと考えております。引き続き御支援、御協力のほど、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○中野座長 ありがとうございました。
 よろしいですか。
 今の時点でまだ課題は残るかとは思いますけれども、関係して御発言があれば、藤堂委員、お願いします。
○藤堂委員 ありがとうございます。
 私どもで文部科学省から委託を受けまして教科書の音声化をしております、河村さんのところ、DAISYもそうですが、6つの団体で音声化をするということでやっておりますので、そのときに、この子に使っていいですか、どうですかということに関しては、文部科学省のほうで一つの目安のようなものはつくっていらっしゃるので、そういうものを流用するということができるのではないかと思っています。
 ただ、学校の方だけではなく、国会図書館に所蔵しているものを利用したいという方は、小学校、中学校だけではなく、より高度の内容にアクセスしたいと思う方がいっぱいいらっしゃると思うので、そこのところをどうするのかということを取り組んでいただきたいと思います。
○中野座長 ありがとうございます。
 本件に関しましては、日本図書館協会がそのガイドラインの中で、どういう場合に提供することができるかという確認項目リストをつくっておられると思いますが、この辺り、佐藤委員、何か御発言があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤委員 日本図書館協会の佐藤です。
 座長さんの御指摘のとおりですけれども、日本図書館協会やほかの図書館関係団体が著作権の第37条第3項の資料を利用するときの利用登録確認のための、それら全体の利用するためのガイドラインというのを出しておりまして、その中に利用登録を確認するための確認リストというものを出しています。もちろん、障害者手帳があるとか診断書云々とかいう堅いことは一つの条件としてあるのですけれども、そのほかにも、ボランティアの支援を受けていたとか、読むことが非常に困難であるということがある程度利用者のほうで現実的に分かるように言っていただければ、そういう形で利用登録ができるようになっています。なので、書類だけではない形での登録確認、こういう条件を満たしていれば利用できるのではないかということをガイドラインで示しているので、ぜひ参考にしていただければと思います。
 ちなみに、このガイドラインは、もちろん図書館関係団体の名前で出しているものではありますけれども、実際は権利者の皆さん方も一緒になったワーキングチームのようなものを立ち上げて、そこで検討されて皆さんに了承を得られているものですので、非常に意味があるものと考えています。
 以上です。
○中野座長 分かりやすい説明、ありがとうございました。
 藤堂委員、よろしいですか。
○藤堂委員 ごめんなさい。それに対して、国会図書館の方からは文書の提出が必要なのでという説明を受けております。それに関して、いかがでしょうか。
○中野座長 国会図書館のほうでどうでしょう。もし今、御発言できるようであれば御発言いただければと思いますが。
○渡邉課長(国立国会図書館) 渡邉でございます。
 これまで当館の説明がもしかしたら不足していたかもしれません。もしそうでしたら申し訳ございません。
 基本的に今、佐藤委員が御説明くださったとおりで、国立国会図書館でも同じガイドラインに沿って利用者登録の判断をしておりますので、例えば来館された場合には、目視の確認等でも利用登録をしているという実情でございますので、そこは全国の図書館等と同じような扱いをしていると考えているところでございます。
○中野座長 御説明ありがとうございます。
 もしかしたら窓口等の対応で十分に趣旨が伝わっていない場合があるかもしれませんが、ガイドラインは同じガイドラインをお使いだということでございますので、今後窓口を含めてこの対応が一元的に公平に行えるように努めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 いずれにしても、会員を増やしていくために、使いたいけれども、今、手続上の問題で使うことが困難であるというケースがあるということなので、この点が解決されれば、さらに利用者が増えていくということが想定されるお話だったかなと思います。
 それでは、ほかにいかがでしょうか。宇野委員、お願いします。
○宇野委員 宇野です。
 国会図書館におかれましては、全文テキストデータなどをはじめ、これまでの御尽力に感謝申し上げます。
 1987年までの図書、319万点がテキストデータ化されたのはすごいことだと思います。そこで、今後の見通しについて教えていただきたいです。最終的に何年をめどに何年までの図書をテキストデータ化するのか、また第三弾の公表はいつ頃になるのか、見通しが公表できるようでしたら教えてください。
○中野座長 それでは、国会図書館のほうから御回答をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○渡邉課長(国立国会図書館) 渡邉のほうから御説明、御回答申し上げます。
 最終的な目標までお示しできるというわけではないところ、お許しいただきたいのですが、御存じのとおり、当館の全文テキストデータの場合にはデジタル化の進捗に依存する形になっております。ただし、直近では既に見通しが立っている部分がございますので、御紹介申し上げますと、現在、次の全文テキストデータの追加提供に向けた事前確認手続ということを行っております。これは何かと申しますと、全文テキストデータを準備した後、まず同じ形式で市場に流通しているものがないかどうかを当館側でお調べいたしまして、その後リストを公開して、出版者様のほうでも御確認いただけるようにしているという段階でございます。
 実は11月に出版者様向けの御説明会もさせていただきまして、申出をいただき、流通が確認できましたら、それを除外する作業をこの後行うという予定で今、進んでいるところでございます。
 予定どおり行きますと、今年度中、来年の1月から3月ぐらいをめどに追加で二十数万点ぐらいを公開できるのではないかと考えているところでございます。それが公開されますと、先ほどの御説明では図書が1987年頃までと申しましたが、1995年頃までのものが公開される、提供されるということを目指して今やっているところでございます。
○中野座長 御説明ありがとうございました。
 宇野委員、よろしいでしょうか。
○宇野委員 ありがとうございます。
 自分の書いた文章の誤字脱字をチェックしてもらうというプロンプトをよく使います。実際に瞬時に、誤字や脱字をチェックしてくれます。
未校正のデータですので、時々間違いがあるのはやむを得ないと思いますが、AIを活用して誤字脱字をチェックしてもらうと、人手を介さずに速くチェックすることができます。こういう方法の可能性も探っていただきたいと感じました。
 以上です。
○中野座長 御意見ありがとうございます。
 AIの活用に関しては、著作権の確認が必要ですね。個人利用であったとしても、利用方法によっては、問題が生じる可能性があるので、まず、法律的な確認を行う必要があると思います。特に、今回のご指摘は、国立国会図書館が実施・公開・配付することなので、法律上の問題がないことが確認できた段階で、AI等の最新の技術も活用していくことが重要だと思われます。
 河村委員、お願いします。
○河村委員 (会議資料2の)データを拝見して、質問ですけれども、今年の3月31日現在と9月末現在のデータの提供が可能である数ということだと思うのですが、テキストデータのところを見ますと、数千タイトル減っているのですけれども、これはその下の注記に書いてある37条3項ただし書きに該当するものを除外した結果、減っているということなのでしょうか。その点が1つ。
 もう一つ。完全にプレーンなテキストファイルというものは、私が知る限り、プロテクトのしようがないように思うのです。いわゆるDRMも使えないと。善意、性善説でこれまでやってこられたのはすごくいいと思うのですが、今後1件でも悪用されたようなケースが出たときには、非常に脆弱なシステムということで、不安定になるおそれがあると思うのですが、その辺り、今後の展開、アクセシブルなDRMであるLCPもできたということですし、ほかにもウォーターマークとかいろんな方法があるかと思うのですが、完全にプレーンなテキストファイルというものを今後も続けていかれるおつもりなのかどうか。長期的に考えたときに、安定性を考えると、すぐというわけではないのですけれども、何か検討されたほうがいいのではないかと思うので、その辺りはどのように検討されているのか。このサービスの安定性という点で御検討されているのであれば、それを伺いたいと思います。
○中野座長 それでは、国会図書館のほうからよろしいでしょうか。御回答をお願いします。
○渡邉課長(国立国会図書館) 渡邉でございます。
 1点目につきましては、河村委員がお考えになられたとおりでございまして、流通しているものを除外した結果、このタイミングだと数千点減ったという形になりますので、御認識のとおりということになります。
 2点目につきまして、大変有益な御示唆、御指摘をいただいたと思っております。現時点では、次、どのような形式でということを検討している段階ではございませんが、今、御指摘いただいたことも重く受け止めまして、当館の中で考えていくきっかけにしたいと思っております。ありがとうございます。
○中野座長 河村委員、よろしいでしょうか。
○河村委員 はい。
○中野座長 ありがとうございます。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 出版業界側から付け加えさせていただきますと、LCPに関しては、我々はDRMだとは思っていません。認証はされていますけれども、著作権を保護されているという認識を持っていないので、この場で付け加えさせていただきます。
 以上です。
○中野座長 ありがとうございました。
 宇野委員、お願いします。
○宇野委員 宇野です。
 河村委員の質問にもありました著作権法の件ですが、私も以前に問題提起させていただきました。著作権法37条3項のただし書きは、2009年の著作権法改正のときに、出版社にアクセシブルな出版を促すために加えられたとお聞きしています。
 ところが、お話のあったように、障害者が借りられる図書データから、販売された図書データが削除されているのであれば、法の下の平等という視点からどうなのかなと思います。というのは、障害のない人は、本屋でも本を買うこともできますが、同時にその本を図書館で借りることもできるわけです。つまり、買う自由も借りる権利もあるわけです。
 ところが、障害者の場合、このただし書きがあることによって、もし販売されていれば、借りることができなくなり、その本を読むためには、買うという選択肢しか残らなくなります。これが障害者の読書環境を考えるときにどうなのかということは今もなお疑問です。
 そう考えると、せっかくの関係者協議会なのですから、このただし書きをどう考えるのか。それぞれの利害関係者もいらっしゃいますので、見直すべきなのかどうかを議論していく必要があると思います。
 以上です。
○中野座長 御意見ということで賜りました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議題1は以上とさせていただきたいと思います。
 国立国会図書館からはこれまでの取組について、非常に分かりやすい説明をしていただき、ありがとうございました。
 着実に成果が上がっているということは確認できましたが、同時に、今、何人かから御指摘がありましたような課題があるということも見えてまいりましたので、今後、今、意見としていただいた事柄をさらに精査していけるとよいかなと思います。
 それでは、議題2に移らせていただきます。議題2は、「『読書バリアフリー基本計画(第二期)』の基本的施策に関する指標の進捗報告等について」ということでお願いしたいと思います。では、初めに事務局より説明をお願いいたします。
○吉元補佐(厚労省) 事務局、厚生労働省の吉元です。
 本年4月より始まりました読書バリアフリー基本計画(第二期)のうち、基本的施策に関する指標につきまして、一部更新がございましたので、御報告いたします。年度の途中ということもあり、更新があった箇所につきましては非常に限られているところですが、国立国会図書館さんの指標部分におきまして更新があったところです。
 資料2のほうを御覧いただきますと、更新があった部分につきまして赤字で記載しておりますので、御確認いただければと思います。更新内容につきましては、先ほど国立国会図書館さんから御報告が出てきました部分と重複しておりますが、視覚障害者等用データ送信サービスの運用に関する数値、登録館数とか蔵書数や、データの輸出・輸入数のところにつきましても更新がございました。
 先ほど委員の方からも御指摘がありましたが、一部データにつきましては下がっているところもありますが、基本的にそれ以外の部分につきましては着実に伸びているところでございます。
 計画のほうの進捗の報告については以上となります。
 また、計画上の指標とは別に、文部科学省さんより1点御報告事項等がございますので、文部科学省から説明をよろしくお願いいたします。
○星川室長(文科省) 文部科学省障害者学習支援推進室長の星川です。
 私から、情報提供と御説明をさせていただきます。本指標に関係する取組として、今年度、公立図書館と学校図書館、大学・高専の附属図書館を対象に、読書バリアフリーに係る実態調査を実施することとしております。現在、公立図書館と大学・高専の附属図書館については、調査結果の取りまとめを進めているところで、公表は来年3月下旬以降になるかと思います。結果がまとまりましたら、来年度の関係者協議会にて御報告をさせていただきたいと考えております。
 また、第二期の基本計画の策定時に御説明をさせていただきましたが、ぜひ皆様に、現状どのような実態調査を実施しているのかを御説明させていただいた上で、来年度の我々の事業の中で、新たにどのような項目で実態調査を行うべきかということについて御意見をいただければと考えております。
 資料を御用意いたしまして、次回の関係者協議会でお示しさせていただきたいと思っております。事前の御連絡として、お話をさせていただきました。
 以上でございます。
○中野座長 事務局、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に関しまして意見交換をしてまいりたいと思います。御意見、御質問等ある方は御発言をお願いしたいと思います。まずは挙手もしくは声を出していただければと思います。いかがでしょうか。日詰委員、お願いします。
○日詰氏(市川委員代理) 日本発達障害ネットワークの日詰です。ありがとうございました。
 今の文部科学省さんの調査のことについて、また改めてということだと思いますが、先ほど藤堂さんからお話のあった受付の段階での読み障害の人の確認の仕方について、まだばらつきがあるようですので、その辺りの理解についてもぜひ確認をしていただければと思います。
 以上です。
○中野座長 文科省のほうから御回答ございますか。
○星川室長(文科省) ありがとうございます。
 既存の調査との重複ですとか、現状で成果指標に盛り込まれているものの分析を補足するような、またより理解が深まるような調査項目について、御意見をぜひいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○中野座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 進行役から質問させていただくのは適切かどうか分かりませんが、1つお願いと1点質問があります。1つお願いは、今、赤字で変更部分を示していただいたのですが、カラーユニバーサルデザインの観点では、赤と黒がすごく区別がつきにくいので、今後は例えば赤字にすることに加えて、下線を附していただくとか、そういう工夫をしていただけるとありがたいなと思います。
 1点質問ですが、国立国会図書館のデータの中で音声ファイルが1件と書いてございます。みなサーチを見ると、音声ファイルというジャンルは、私が知る限りなかったように思うのですけれども、これは新しく追加されたのかどうかというところ、もしお分かりになればお教えいただきたいのですが、いかがでしょうか。川西課長、よろしいですか。
○川西課長(国立国会図書館) すみません。渡邉課長はお分かりでしょうか。
○渡邉課長(国立国会図書館) 渡邉でございます。
 申し訳ございません。今、失念してしまいましたので、確認して後日お知らせするということでよろしいでしょうか。申し訳ございません。
○中野座長 とんでもないです。ありがとうございます。
 音声ファイルについては藤堂委員がより詳しいと思いますが、音声ファイルになっているものが図書、書籍にアクセスするときに重要だというのは、藤堂委員のところで実施されている音声BEAM等というのがまさに音声ファイルなので、それがあると非常に助かるという方が発達障害や視覚障害の中にもあると思います。音声DAISYというファイル形式がありますが、それとは別な形式なのでこういうふうに分けられているのかなと思って質問させていただきました。そういうジャンルが増えていくのもとても重要なことかなと思っての質問でしたので、もし今後詳細が分かるようになったら、またお教えいただければと思います。
 司会・進行の立場で質問させていただいて申し訳ございませんでした。
 ほかにございませんでしょうか。
 よろしければ、3番目の議題に進めさせていただきたいと思います。3番目は「構成員による視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る取組等について」ということでございます。今回は経済産業省さんから、第13回の協議会で河村委員からも御紹介があった昨年度取り組まれた報告書の説明と、構成員の一般社団法人日本出版インフラセンターアクセシブル・ブックス・サポートセンター、ABSCの田中委員より団体の取組を御紹介いただきたいと思います。それでは、御説明をよろしくお願いいたします。最初に、経済産業省のほうからお願いできますでしょうか。
○渡辺総括補佐(経産省) 経済産業省総括補佐の渡辺と申します。よろしくお願いいたします。
 お手元に配らせていただいておりますが、経済産業省では今年の3月に令和6年度アクセシブルな電子書籍市場等の拡大等に関する調査報告書を発表いたしました。約100ページの報告書になりますので、そちらのダイジェスト版を添付しましたので、御参照ください。
 令和2年より開催されている検討会では、出版産業や電子書籍の製作、流通、利用可能性など現状の調査からアクションプランの策定に至るまで幅広いテーマが討議されてまいりました。当該検討会では、アクセシブルな電子書籍の普及啓発に向けた課題につきまして、EPUBのアクセシビリティ標準と国際動向の調査、及びガイドブック骨子案の策定を目的として報告書が作成されたという経緯になります。
 今回の調査では、W3Cが策定するウェブアクセシビリティの国際標準WCAGに注目し、W3Cが標準化・維持管理を行っている電子書籍ファイルフォーマットEPUBとそのアクセシビリティ、加えて日本のJIS規格、X8341-3との比較をしております。
 国際標準WCAGに注目した背景といたしましては、欧州アクセシビリティ法や障害を持つアメリカ人法ADAなどにおいて具体的な罰則が設けられておりまして、一定の実効性が担保されているのではないかと考えているからでございます。
 欧米諸国につきましては、EPUB Accessibility仕様の導入や認証制度の整備が進んでいることが分かった一方で、日本語に関しましては、縦書き、ルビ、分かち書きなどの表現の特性とか、TTS、音声読み上げとの連携における技術的な課題など、固有の課題が多く発見されまして、アクセシビリティの標準化に向けた解決策の検討は今後の重要な課題とさせていただいてございます。
 アクセシブルな電子書籍の普及に向けては、令和7年度に製作予定のガイドブックにおきまして章立てを著者、編集者、出版者、EPUB製作者、また、ビューア開発者、電子書店、こういった関係者ごとに分けさせていただきまして、より実効性と双方向のある内容を検討してまいりたいと考えております。
 経済産業省としては以上でございます。
○中野座長 ありがとうございます。
 それでは、報告を先に2つしていただいた上で、意見交換に入りたいと思いますので、ABSCの田中委員、御説明をお願いいたします。
○田中委員 ABSCについての報告ということで、御説明をさせていただきます。田中でございます。
 私は、日本書籍出版協会(書協)のAB委員会の委員という肩書でございまして、現状、会社では小学館の常勤監査役という役割を持っております。また日本出版インフラセンター(JPO)の中ではABSCの管理委員会の委員であるということと、先ほども御紹介がありましたが、その傘下にありますTTS推進ワーキング、広報ワーキングのリーダーをさせていただいております。あと、先ほどもBooksという形で、国会図書館さんからも御紹介いただきましたが、Booksの中身をいろいろつくっております日本出版インフラセンター(JPO)の中の出版情報登録センターの管理委員長などをさせていただいております。
 次にこれまでの経歴も含めて、自己紹介をさせていただきます。
 めくっていただきまして、次のページで、小学館では雑誌制作からデジタル事業局、マーケティング局で、なぜか経理担当の取締役になりまして、今の監査役になっております。
 私は1994年頃から雑誌のデジタル化に取り組んでおりまして、その当時からDTPをかなり推進してまいりました。その翌年の1995年に阪神・淡路大震災がありまして、漫画家の作家の方々があれを見て、自分の学校が消失するのではないかと心配されて、漫画学校のデジタル化、デジタル保存みたいなことに取り組むというのがその頃からスタートいたしました。非常にプアな状況の中でどのようにデジタル化していくかということの研究をさせていただきました。
 2000年前後からPCによる漫画の電子配信のプロジェクトに携わりまして、その後、それがガラケーに行き、スマホに行きという形の中でデジタルビジネスを多く手がけてまいりました。ですので、社内ではその当時からどちらかというとデジタルに強い人材ということで、デジタル回りの仕事をかなり任せてもらっております。
 業界関係では、今はなくなってしまいましたけれども、デジタルコミック協議会の立ち上げの近くから、電書協、今は合わさって電書連になっておりますが、長らく監事などをさせていただいております。
 その関連で常任理事会の中で関係者協議会の話をずっと報告を受けておりましたので、書協のAB委員会を立ち上げるときでも、その中で委員になってほしいという形で選任されて、今回、最初から経済産業省さんと国会図書館さんの検討会の委員の立場もさせていただいているということになります。
 先ほどめくるのを忘れておりました。3ページ目に行っていただきまして、ABSCの事始めということで、ABSCというのは、2020年に書協にAB委員会、アクセシブル・ブックス委員会という名前で立ち上がります。その翌年の2021年1月に初回の会合が開催されます。
 併せて、JPO、出版インフラセンターのほうでもそれを受けて、書誌情報のデータセットであるBooksのアクセシブル化に向けて検討をスタートさせていただきまして、併せてABSC準備会がスタートいたします。なぜJPOでABSC準備会がつくられたかというと、当時、書誌情報を登録していただく出版社さんがJPOに2,200社ぐらい加盟されておりまして、出版社の中に広く情報を頒布する上では、JPOがキーになることが望ましいという形で、JPOの中にABSCが置かれております。
 ですので、皆様にも御覧いただけると思いますが、ABSCレポートの作成は、アクセシブルというのはどういうものか等、その当時、出版社から素朴な疑問が多い中でのスタートでしたから、出版社に理解増進が働くためにこのようなレポートという形を取っておりました。
 もう一つ、電子書籍の普及啓発と質の向上というのが必要でしたので、自動音声読み上げというのが結構キーになるだろうと考え、TTSを推進するワーキングと、先ほどからお話を申し上げておりますABSCレポートを広く広報するという形での取組をしてまいりました。
 ABSCレポートに関しましては、2022年7月にABSCの創刊第1号をつくり、これを出版社に送りました。それだけではなく、御希望があれば皆様にもお送りするという取組をしてまいりました。2023年3月に第2号、8月第3号を出し、2025年7月には第4号という形で紙版を出しております。しかしながら、こういうABSCレポートが紙版だけでいいかということがございますので、当然EPUB版とPDF版、マルチメディアDAISY版と点字版も全てつくって展開いたしました。現場はこれだけつくるのは非常に苦労したようです。専用サイトはこのペーパーの右隅に出ておりますけれども、そこにもABSCの専用のホームページをつくって、いろんな紹介をするという取組をしております。
 めくっていただきまして、Booksのトップが出ているところを御覧いただくと、JPOが運営しております書誌情報データベース「Books」のページの書誌検索のページになります。タイトルとか書名を入れて書誌を検索できる形になっております。10月の時点で書籍情報が330万点、電子書籍が81万点、オーディオブックが6,400点。雑誌などを含めまして421点がこの中に収納されて、検索ができるようになっております。
 めくっていただきまして、紙の情報のデータサイトでございましたが、先ほどの様々な法律の形を受けまして、アクセシブル化をするだけではなく、2023年3月には電子書籍とオーディオブックを追加いたしまして、そして紙の本とオーディオブックとか電子書籍のひもづけをしていきました。そして、これは最近ですが、電子書籍のTTS対応があり・なしの表示ができるようにいたしました。そして、2024年3月にはNDLのみなサーチ、サピエ図書館とも連携いたしましてデータを相互に検索できるようにいたしました。
 我々もこれをつくっておりまして何かが足りないなと思ったのが、本を探しても、書誌情報まで行き着いても、それがアクセシブルかどうかが分からないというのはちょっと困るだろうということで、次のページをめくっていただきまして、この中に「アクセシブルブックを探す」という窓をつくりました。これは下に「大活字版」「視覚障害者等資料」「読み上げ可能電子版」「オーディオブック」ということで、チェックボックスが入っておりまして、探したいところにチェックを入れて、何か入れていただきますと、書誌情報を含め全文検索をします。非常に多く出てきてしまうので、その下に詳細を調べるというボタンがありますので、それを押していただきますと、出版社名とか著者名の絞り込みができるという形になっております。このような形で、なるべく我々は国会図書館様とも連携しながら、割とアクセスをしやすい形でアクセシブルブックを探せるような取組をつくることができました。
 めくっていただきまして、ABSCの現状ということで、ABSCとして皆様にこういう成果ですという成果をお見せするというのは非常に難しいです。これは小さな取組の積み重ねで、こんなことをやりましたというのは非常に難しくて、先ほど出た窓をつくりましたというのは、逆に見える化できた非常に珍しい形だと思うのですが、我々がやっていることは、出版社の皆様への広報の窓口や、今、実証実験をさせていただいておりますので、このような形で出版社に一つ一つコンタクトをして理解してもらって、取組みを知ってもらうことが非常に大事ではないかと考えております。
 もちろん、現状、出版団体であります書協、雑協、電書連の皆様にも御協力をいただきつつ、JPOがJPROをうまく使いながら出版インフラのアクセシブル化も進歩させていきたいと思います。
 今年度も実はビューアの開発会社のボイジャーさんとアクセシブルな電子書籍のビューアを経産省様の補助金を頂戴いたしましてつくることができました。今、最終的なチェックに入っておりますので、かなりBinBのブラウザが使いやすくなった形ができたなと考えております。
 また、現状の取組で、先ほども御紹介がございましたが、経産省さんの検討会でつくっているアクセシブルなEPUBガイドブックに関しても、我々の中のPTのメンバーで通常の検討会の外側にいる人たち、電書連さんとか皆様にも協力していただいて、今、報告書が最終段階に入っているというところを御報告させていただきました。
 以上でございます。
○中野座長 御報告ありがとうございました。
 では、ただいまの経済産業省及びABSCからの御説明に関して意見交換を行いたいと思います。御意見、御質問等ある方は挙手もしくは御発声をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。宇野委員、お願いします。
○宇野委員 宇野です。いろいろな取組、ありがとうございます。
 3点質問があります。
 1点目は、Booksの検索について、例えば視覚障害者にとっての使い勝手を検証されているのか、または当事者を巻き込んで開発を進めているのか、教えてください。
 2点目です。このBooksは、ブラウザ上だと思うのですが、アプリケーション、ソフトウェアで使えたほうが使い勝手がよいという障害者が多いかと思います。アプリ開発の可能性はどうなのでしょうか。
 3点目です。出版社の中には、本の巻末にテキスト引換券をつけたり、QRコードをつけたりしています。Booksの中に、この本にはテキスト引換券があるとか、QRコードがついているという情報が掲載されているかどうか、教えてください。
○田中委員 宇野先生、御質問ありがとうございます。
 まず、Booksのほうは、検証をお願いしたのが専修大学の植村先生のところにもお手伝いいただきまして検証させていただいております。100%とはいかないと思うのですけれども、一応JIS規格ベースのAAのベースではつくっていると聞いております。
 アプリ版に関しましては、誠に申し訳ないのですが、無料サイトでございますので、アプリ版をつくると、OSが上がるたびにかなりの金額をかけてアップデートをし続けなければいけませんので、我々が無償で提供しているものをアプリ版にするというのはかなりハードルが高くなっております。
 今、様々な機能を追加する機能改善だけでもJPOの会費の中でやるのは厳しいような状況で、少しずつしかできない状況を、多少経産省さんにフォローしていただきながら前向きに進めているというところでございますので、アプリ版が使いやすいというのは非常に理にかなったお話ではございますが、我々の一般社団の無料サイトの中でそれを実現するのはちょっと厳しいなということでございます。
 あと、今、お話しいただきました引換券とかお問合せが何とかという部分、QRコードがついているかという部分に関しましては、今のところそういう取組の段階には至っておりません。今、お話を宇野先生のほうから頂戴いたしましたので、JPOがつくっているのはインフラで、チェックボックスを入れられる場所をつくるのは可能ですけれども、入れていただくのは、あくまでも出版社に書誌情報としてこれは引換券つきですとか、これはQRコードでダウンロードがいつからいつまではできますというのを書いていただかなければいけないので、現状でも百数十項目の入力項目があるのに、もう少し足していくというのはなかなか大変なのかもしれないなと思いつつ、でも、お話を頂戴いたしましたので、戻って様々検討したいと考えております。
 以上でございます。
○中野座長 宇野委員、よろしいでしょうか。
○宇野委員 はい。ありがとうございます。
○中野座長 ほかにいかがでしょうか。河村委員、お願いします。その次に藤堂委員、お願いします。
○河村委員 経産省さんのこのパワポ資料について伺いたいのですけれども、この中で4番目に「ガイドブック骨子案策定に向けた論点整理」ということがありますが、このガイドブックというのは、電書協のガイドブックとはまた別のものなのでしょうか。同じものなのでしょうか。
○田中委員 私のほうから回答させていただきます。これは電書協のEPUBのガイドブックとは全く別のものでございまして、基本はアクセシブルであることというのは、例えば電子書籍のリフローのものがTTSにかかった場合に、どういうふうになっていると、せっかく読み上げの機能があるのに、こういうのを気をつけてもらうともっとよくなりますよということが出版社の人に分かりやすく、著者にも説明できるように、どういうところに気配りをしましょうということが、出版社とEPUB製作者、あとファイルビューア、ビューアのメーカー。逆にEPUBが幾らきれいにできても、電子書店のほうが変えにくいと変えませんので、電子書店さんもこういうことはしましょうねというところで、割と丁寧につくらせていただいているというのが現状のガイドブックになります。これは私も携わっておりますので、そのような形でつくらせていただいております。
○中野座長 河村委員。
○河村委員 関連で。ありがとうございます。
 そうしますと、電書協の10月末に発表された10年ぶりに改定されたガイドは、まだEPUB Accessibilityには対応していないと最初に書いてありますね。そうすると、これは、今おっしゃられた経産省のほうのガイドブックでアクセシビリティへの対応を図るというふうに期待してよろしいのかどうかというのが1点。
 もう一つ。実際に市販される出版物が流通するときには、それに必ずDRMが伴います。その際に、先ほどおっしゃられていたLCPはDRMとは考えておられないということだとすると、では、どういうふうにプロテクトをされるのか。そのプロテクトによって内容をアクセシブルにすると。コンテンツはアクセシブルになっているけれども、DRMでもってアクセシビリティが妨げられるというこれまでの状況はどのように解消されるのか。その点について伺いたいと思います。
○中野座長 まず、田中委員、その次に眞鍋委員。
○田中委員 では、先のほうがいいかもしれないですね。
○中野座長 では、順番を変えます。
○眞鍋委員 デジタル出版者連盟の眞鍋でございます。御質問ありがとうございます。
 手前どものガイドブックという部分は、2012年につくってから大分時間がたっているのです。そういう意味で、アップデートをそろそろしなければいけないということで、この10月にやりました。英語版も用意して、11月のTPAC、W3Cの世界会議の中でもそれをお披露目いたしました。アクセシビリティについて、そこは入れていない理由は、今、経産省を主体としてやっているガイドがこれから出てくるので、それを見ながらアップデートをしていくということになろうかと思います。ただ、ヨーロッパの動きとアメリカの動きとか、大分厳しさも増してきているので、その辺のところを踏まえながら両方向で見ていくかなというところでございます。
 2番目の御質問のDRMのところは、日本のマーケットにおいてDRMは配信事業者の問題で、それぞれが違うものを使うということもあるので、これは出版者側から介入はしていないのです。そういう意味で、DRMのところはアクセシビリティのところのガイドの中では入れていないというところだと思います。
○中野座長 眞鍋委員、ありがとうございました。
 続いて、田中委員、お願いします。
○田中委員 DRMのところを追加すると、電子書店で買っていただいた段階で電子書店のビューアとコンテンツがDRMで保護されているという状態は、現状、日本でそういうのが広がっておりますので、ヨーロッパ、フランスとかで使われているReadium LCP、どのビューアでも使えるという形のものが導入されるということの可能性は低いだろうと考えております。国内の問題としてはそういうふうに考えております。
○中野座長 河村委員、お願いします。
○河村委員 LCPについてちょっと誤解があるような感じがするので、本当はもうちょっとお話ししたいのですけれども、あまりにもテクニカルな話になると、この場にふさわしくないので、また別途私の考えを述べさせていただきたいと思うのですが、やはり重要なのは、最終的に本を買って手にしたときにスクリーンリーダーが使えるのか、使えないのかというのが、視覚障害のユーザーにとっては決定的に重要なことなのだと思うのです。スクリーンリーダーと協調するブラウザ、リーディングシステムであれば、それはかなりアクセシビリティが担保されていると思うのですが、結局、出版者は流通業者が決めることなのであまり関与できないというお話があったと思うのですが、それは著作権者も出版者もむしろアクセシブルな環境を一緒につくっていくという立場で、DRMについてもアクセシブルなDRMを基本にして、誰でも使えるようになっていくということにぜひ御尽力いただきたいと思うのですが、その点、いかがでしょうか。
○中野座長 田中委員、お願いします。
○田中委員 田中でございます。
 今おっしゃられた我々の運動の中で、ガイドブックの中で電子書店さんもちゃんとしなければいけませんよねと入れたのはおっしゃるとおりで、今、様々な電子書店さんで皆さん、いろいろ電子書籍を売っています。最初はコミックが多かったかもしれませんけれども、文字物もかなり多様に扱われております。でも、そこの中で我々が言いたいのは、電子書店というのはきちんとした形でDRMをかけて、ビューアもちゃんとして、こうやってアクセシブルな形でやるのも、逆に言うと合理的な配慮を持ったビジネスをしなければいけないのは出版者もそうだし、ビューアをつくる側もそうだし、EPUBをつくる人もそうだし、もちろん売る人もそうだというのは当たり前の話だと思っていて、そのことは、逆に言うと出版者、売る人は勝手でしょと思ったことは1回もなくて、これは電流協さんにも直接伺いまして、こういうことをやってくださいというお願いをしに行っております。
 それがコストとしてできる・できない問題というのは、逆に言うと電子書店をやるというのもビジネスですから。アクセシブルを考えてどこまでできるかというのは、ビジネスの中でちゃんとやっていただかなければいけないというのは、我々としてはお願いをしております。
 ですので、河村委員がおっしゃられたように、出版者はもうぶん投げておけばいいのだというふうに考えたことは一度もありません。我々はこれに真摯に対応しなければいけないと思っていますし、例えばどこの書店で買ったから、せっかく本文のほうはリフローでちゃんとしているのに、ちゃんと読めなかったということが起こってはいけないので、逆に言えば、それがちゃんとできるまではこの書店は対応しています、していませんというマークでもつけるぐらい、ランクをつけなければいけないのではないかと思うぐらいこれは大きな問題だと思っています。ちゃんと対応してもらっているところは、我々としてはなるべくここで買ってくださいというような話をしていかなければいけないなと思いますし、そういう対応というものも、逆に言うと私たちがBooksの中でこの書店のものはちゃんと読めますというのを書いていいのか、悪いのか。あまりにも微妙で、アクセシブルでなくて、普通に読みたい人の利益をそちらに誘導することになるから、それをどこまで出していいかという問題に関してはちょっと悩みどころで、自分たちのコンテンツがTTS対応しているか、していないかということに関して、我々はちゃんと表示をしていくべきだと思っていますが、売り先の先のこと、商売の邪魔をするようなことをどこまでやっていいのか。晴眼者の方が買うには問題ないところを省いて誘導していいのかというのは、ちょっと悩みどころになるかもしれませんね。
 雑感で申し訳ないのですが、そういうことでございます。
○中野座長 河村委員どうぞ。
○河村委員 ありがとうございます。安心しました。
 そこで、先ほどの国立国会図書館のほうの既にあるテキストデータを削除しているということと関連するのですけれども、連動しているBooksのデータでアクセシブルなものが出ているというものについて削除されるという連携がなされているのではないかと思うのですが、その際に、今おっしゃられたように、実際に流通したときの流通先によっていろんなリーディングシステムがあり、プロテクトがあるので、そこが本当にアクセシブルなのかどうかという検証はされていないと思うのです。自己申告でこれはアクセシブルだということで、Booksの中でチェックが入っているのだと思うのですが、それを今度は国立国会図書館さんのほうで参考にして、あるいは検証してテキストデータから削除するのかというところに、障害者のほうの読む権利の立場から行くと、一つ何らかの検証、あるいは保障、これはアクセシブルなものが出ているのだから国会図書館のデータから削除しても大丈夫なのだと。そういう現実的なつながりを持った検証のための仕組みというものが欲しいなと思います。
 これはヨーロッパのアクセシビリティ法の実施において、それぞれの国で検証機関というものを設けて具体的にどう検証するのかということで、EUの加盟国は今、一生懸命始めているところですので、その辺りもぜひ参考にされて、DRMに関してもそれが理由でアクセシビリティが妨げられるということがないように、私どもも頑張りますけれども、ぜひ出版者の方のほうでも御配慮いただきたいと思います。
○田中委員 では、御意見として承ります。河村委員の御意見は拝聴いたしましたので、参考にさせていただきます。
○中野座長 少し専門的な議論になりましたけれども、ここのメンバーが向かっている方向性は同じであるということは今、確認できましたが、技術的な細かな点では今後詰めていかないといけない課題がまだあるということが明確になりました。今後この会議体の中では細かな今のような技術的な話はなかなか難しいかと思いますが、今後ヒアリング等をしていただきながら、さらによい方向に向かっていただければなと思います。
 ちなみに、アクセシブルな電子書籍等が市販
されている場合というのは、例えば私ども大学の図書館等では製作できないわけですが、アクセシブルな電子書籍等を図書館が購入して学生たちが閲覧できるというふうにすることは現状でも可能かなと思います。その際に入手したデータが、大学で言うと、当該の学生が使える形式でなかった場合には、必要な手続をした上で、合理的配慮としてその学生さんが利用できるような形に複製すれば良いのではないかと思います。このような手順を踏むことは時間がかかることではございますが、もしかしたら利用する図書館等でそういった対応をしながら、そこにある課題を情報として提供させていただきながら、いいシステムを今後考えていくのがよいのかなと個人的には思いました。
 この件に関しましてほかに御質問、御意見等ありますでしょうか。オンラインからも出ていますが、まず日視連の三宅委員、その後に佐藤委員、お願いいたします。三宅委員、お願いいたします。
○三宅委員 日本視覚障害者団体連合の三宅です。
 田中委員に質問が1点と意見が1つです。
 Booksの御紹介をいただきましてありがとうございました。アプリでという御意見もありましたが、実際はウェブサイト上でビューア、あるいはBooksの検索システムを使っていくかと思うのですけれども、使われる環境によってもそれぞれ読み方が異なってくる可能性もあるかなというところがあるものですから、それを確認されている状況について、例えばスクリーンリーダーに対しても複数使われているのか、あるいはOSもいろいろなパソコンあるいはスマホを使ってのアクセスというのもいろいろ考慮されて実証実験等々を進められているかということをお伺いしたいです。
 意見のほうですが、確かにテキストデータの提供をどのようにされるかというのは非常に欲しい情報としてあるわけです。ただ、これを書誌の中に入れていこうとなると、今までそういう項目が書誌の中になかったと思うのですが、それを追加するのはなかなか難しいのだろうなとなってくると、例えば内容紹介というところが書誌情報にあったと思うのですが、そういうところに入れていただくことを検討していただけると、視覚障害者も、テキストデータ、こういうのを提供してくれているのだなというのが分かりやすくなると思っております。
 以上です。
○中野座長 では、御質問について御回答をお願いします。
○田中委員 すみません。私はテスト環境に関してはそこまでは詳しくなくて、このあたりは植村さんの方が回答していただけるかなと思うのですが、植村さん、お願いできますでしょうか。
○中野座長 オンラインの植村委員、入っておられたらお願いします。
○植村委員 私どものほうでも視覚障害者の方に御協力いただいてやっていますが、限られた範囲の中なのですが、基本的に視覚障害者の方が一番多く使っているiPhone、タブレット、そしてPC。PCに関してもスクリーンリーダーを各種というところで一応組み合わせをしながら検証しております。ただ、慣れがありますので、検証する関係のときには割と使い慣れた方に検証していただいて、そのときにその仕組みの問題みたいなことを上げていって、フィードバックして直していただくという形でやってきました。
 ただ、これは広がって使ってきていただいてからのほうがはるかに多くのデータが入ると思いますので、使っていただいたものにどうやってフィードバックしていくのかというのも次の手続としては考えています。御意見をいただければ、いつでも反映させていくのは、私も田中さんなどと協力しながらやっていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
 それでよろしいでしょうか。
○中野座長 三宅委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○三宅委員 はい。ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○中野座長 いただいた御意見の方については御意見として今後御検討いただければと思います。
 では、お待たせしました。佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 日本図書館協会の佐藤です。
 まず、国会図書館のTTSが販売されている場合、データを削除しますよという話のところで、私が言うことかどうか微妙な話なのでありますが、TTSの電子書籍が販売されているから、それで全てアクセシブルであるとは考えられないということです。それはここにいる方々は御承知だと思うのですが、例えば図表の説明がないものは、資料によっては非常に不十分なものもあります。ですから、そのような場合は、TTSのものが販売されていても、公立図書館等や点字図書館などでは37条の資料製作をすることがあるというふうに考えていますが、国会図書館の場合は、TTSのもので販売されている場合に、それで自分の読書がちゃんとできるという方がいらっしゃるわけです。今までは読めなかったけれども、TTSであれば読めるという方がいらっしゃるから、そういう方が少しでもいるのであるから、データそのものは削除しますよという理屈になっていると理解しているので、この辺を間違えないように。TTSを出されれば全てはアクセシブルでいいのだということはないということをお話ししておきたいと思います。
 私が言いたかったのはそこでなくて、今の論議とも関係あるのですが、経産省の先ほどの報告の中で、特にビューアのアクセシビリティや、田中委員のお話で出版、書店と言っていましたか。要は、販売サイトのアクセシビリティが重要だと思っています。データ形式の問題はもちろんあるのですけれども、それだけでなくて、ビューアは、販売サイトのほうは私ども視覚障害者等が使えないと、結局、使えないのです。なので、そこのところをぜひよろしくお願いしたいと思っています。
 あと、その部分でスマホの問題とパソコンの問題。先ほど植村委員からも両方やっていますよという話があったのですが、iPhoneなどスマホでは使用できるけれども、パソコンでは使えないというものが結構多いと思っています。視覚障害者の中にスマホが使える人がどんどん増えてきていますけれども、正直言ってパソコンとスマホでは使い勝手は相当違います。特に文字入力の部分がスマホのほうが難しくて、キーボードに比べると非常に難しいのです。ですので、スマホでしか使えないものはもう駄目なのです。そこのところも考えていただきながら、経産省が言われたビューアと販売サイトのアクセシビリティについてぜひ頑張っていただきたいなと思います。これは意見です。
 以上です。
○中野座長 貴重な御意見、ありがとうございます。
 では、関係するとこで田中委員お願いします。
○田中委員 佐藤委員、TTSに関しましては、図表とかがあると、代替テキストがないから駄目だろうというお話がありましたけれども、これはリフローで、ほぼほぼそういうものがないもの以外はTTS対応という形にしていないです。我々は、お話があったとおり、図表に代替テキストを入れていくということは、今後そういうのが多いものに関してはやらなければいけないという認識はあります。そうなって初めてこれが音声読み上げで理解していただけると思っていますから。例えばちょっとイラストが入っているから、これは全体的な文章の流れを阻害するもの、意味が無いようなものであれば、それは図面ですという形で飛ばしてしまいますけれども、基本的には内容を理解するために必要なものに代替テキストが入っていないようなものに関して、今回、別にTTSがやっているという形を取っているものはございませんので、それは誤解だなと思ったので、併せて説明をさせていただきました。
 以上です。
○中野座長 補足説明、ありがとうございました。
 それでは、藤堂委員、お願いします。
○藤堂委員 すごい専門的なお話から入門的なお話になりますが、経済産業省のヒアリングに利用者として発達障害、ディスレクシアを入れていただいて、ありがとうございました。その中で、ディスレクシアは千差万別なので、最大公約数のところで音声で聞くというのが一番ありがたいねという結論かなと考えております。そのファーストステップとして音声読み上げとキーボードによる操作に対応するということを目指していただけるというのは、ありがたいことだと思っております。というのが1つ。
 田中さんの発表に関して、一般の方にも使えるということを今日初めて知ったのです。つまり、ディスレクシア、読みに困難がある人たちというのがこの業界、読書が大変な人たちの中に入ったのが浅いです。ということで、情報の流れがなかなかこちらまで来ない。サピエを使う人もほとんどいない。国会図書館もこの前初めてワークショップで、発達障害の人たちにもこう言う風にしますよという話があったというくらいなので、こういうのを使えますよということを利用者である私たちに知ってもらうという広報をやっていただきたい。それの受け皿としてJDDnetとか、私たちがそういう啓発の場をつくるとか、一緒に何かできたらなと思ったところです。
○中野座長 ありがとうございます。とても前向きな御提案をいただいて、ぜひそのようにしていただければと思いますし、広報に関しましては国のほうでも御尽力いただけるとありがたいなと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、4番目の議題に進めさせていただきます。「特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方についての検討ワーキンググループ」の検討状況について、御報告をいただきたいと思います。まず、事務局から説明をお願いいたします。
○星川室長(文科省) このワーキンググループについては、今年は文部科学省が事務局を務めておりますので、私から御説明をさせていただきます。資料4を御覧ください。
 1に概要がございますが、読書バリアフリー法第11条に基づきまして、特定書籍等の効率的な製作を促進するために、出版者から図書館等の特定書籍等製作者への円滑な電子データの提供体制について、実証調査を通じて検討をしているというところです。文部科学省、厚生労働省、経済産業省の三省連携で進めている取組になります。今回の御報告は、中間地点での御報告となります。速報値であり、また、データのクリーニングなども十分にできているものではございませんので、そのような状況にあるというところを御承知いただければと思います。
 2の実施状況を御覧ください。データ提供依頼の実績として、前回8月の関係者協議会で、この実証調査がスタートしたというお話をしたところですが、8月1日に調査が開始されました。今日は12月4日ですので、最新値として11月末までのデータをお見せできると良いのですが、調査の参加図書館からのデータは、翌月の5日締めで提出していただくことになっており、まだ11月のデータが整っておりませんので、10月末時点が最新の状況となります。調査全体の終了時期は12月19日を予定しています。
 8月1日から10月31日までの3か月間のデータ提供依頼の状況ですが、全体で219件ございました。「内訳」と書かれていますが、これはデータの提供依頼があった結果の内訳の意味です。結果的にデータを提供いただけたものが66件、提供の意思表示はあったけれども、10月31日に締めた時点でデータがまだ届いていないというものが6件ございました。219件に対して合計72件ですので、約3割が御提供いただける、もしくはいただくという意思表示をいただいた、というところです。この調査では、図書館からABSCにデータ提供依頼をしてから5営業日以内にデータ提供の有無について御回答いただくことになっているのですが、その御回答において、「データを出せるかどうか確認する」という回答が27件ありました。データ提供の有無が分からない状態で10月31日を迎えたところです。
 次に、データ提供できませんという回答は58件ございました。また、先ほど申し上げた5営業日以内にそもそも回答自体がなかったものも58件ということで、併せて116件となり、全体の53%がデータ提供できない、もしくは回答がなかったというところです。
 また、データ提供依頼したものの、製作者の側から何らかの理由で取下げがあったというものが4件あったというところでございます。
 データ提供ができないという回答があったところについて、その理由を複数回答で聞いているものがございます。「出版者で最終データを保有していない」「データ作成の経費が捻出できない」「著作者の許諾が必要と考えている」「データ作成にかなりの時間を要する」「データ流出の懸念がある」、そういった回答が多く見られたという状況がございます。
 また、データ提供があった66件のうち、データを活用して、特定書籍等の製作がこの期間内に完了した件数が、公立図書館、点字図書館合わせて8件でございました。
 一方で、データは提供いただいたが活用しなかった、もしくはできなかったということについても理由を聞いており、「データ提供可否の回答期限内に出版者から回答なし」。つまり、遅れてデータが届いたということになるかと思います。次もそうですが、「データ提供までに要する時間が長かった」ということで、既に作成を始められた状況があったかと思います。また、提供されたデータ形式がその製作者において対応ができず、データの提供は受けたけれども使わなかったという回答をされているところもございました。
 そういったことを含めて、次のページを御覧いただければと思いますが、データ提供体制に関する検討課題、今後ワーキンググループで検討いただきたいものをこちらに書いております。
 まず、ひとつは事務負担の軽減がございます。これはABSCにかなり負担がかかっているという状況もございますので、どういった形で円滑に進められるのか。また、将来これを実装する際にどういった形が望ましいのかということも検討を進めていく必要があるかと思っています。
 次に、出版者側の理解促進のための普及啓発が必要なのではないかと考えております。これもABSCを中心に御対応いただいているところでございますが、まだ著作権者の了解が必要だという御回答があったということを踏まえて、今後検討が必要かと思っております。
 一方で、製作者への効率的な製作方法の普及。これも必要かと思っております。EPUBからテキストを抽出できるツールをどうやって使っていいのか分からないとか、そもそもそういうものがあるということも御存じないような製作者もいらっしゃいましたので、そういった方への普及も必要かと考えているところです。
 最後に、今後のワーキンググループのスケジュールですが、資料の差し替えが間に合いませんでしたが、次回第4回、令和7年度の第3回のワーキンググループは1月13日に開催する予定をしております。内容としては、今申し上げた実証調査の途中経過が進展しているはずですので、実証調査の結果の共有。それから、三省合同でそれぞれ取得されているデータを持ち寄って最終的な結果報告をする必要があると思っておりますので、その内容の検討。それから、各省の予算の状況を共有しつつ、令和8年度はどういう形で実証調査を進めるかということも検討してまいりたいと思っております。
 また、今年度はもう一回、令和7年度第4回のワーキングも開催したいと思っております。こちらは3月下旬になるかと思いますけれども、最終的に結果報告書をどういう形でまとめるか、それから実証調査を来年度はどういうふうにするのかということ。この時期であれば入札の準備なども始まっているところかと思いますので、それの状況などを共有したいと考えております。
 また、本ワーキンググループの検討状況につきましては、このような形で関係者協議会のほうで随時御報告をさせていただきたいと考えております。
 私からは以上となります。
○中野座長 御説明ありがとうございました。
 では、意見交換に進みたいと思います。御意見や御質問等ありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。宇野委員、お願いします。
○宇野委員 宇野です。様々な検討、ありがとうございます。
 出版者から提供していただけなかった理由のところが、これからの出版社からのデータ提供がうまくいくかどうかを占う象徴的なことが書かれていると思います。これを一つ一つ検討していき、解決策を導いていくということが大事なことかと思います。
まず一番気になるのは経費が捻出できないというという理由です。これは、出版社からのデータ提供の制度設計を考えるときにも申し上げました。植村先生もおっしゃられていますが、出版は生業であり、ビジネスです。そういう意味では、障害者も定価を支払いますので、障害者が読める媒体を販売するという制度設計が先だったのではないかという気がします。そうでないと、図書館に提供するときに誰がその経費を捻出するのかという問題が当然出てくると思います。星川さんがおっしゃったように、事務負担の軽減ということで、例えば文化庁が映画のバリアフリーに対して補助金を出しているのと同じような仕組みが作れるのであればいいのかもしれません。しかし、持続可能ということを考えると、まずは消費者が買うという仕組みがデータ提供の制度設計の第一であるべきだったのではないかという気がします。
 これについては、今からでも買う自由の制度設計が同時にできないか、後でお答えいただければありがたいです。
 それから、出版社が最終的なデータを保有していないという問題も以前から出されていました。出版者が印刷所にデータを渡し、最終的には印刷所がデータを持っているということかと思います。これについては、小さな出版社にとって、どこまで可能か分かりませんが、これからは紙の本と電子書籍をハイブリッドとして売っていくほうがビジネス的には明るいだろうと思います。そういうこともインセンティブとして展望しながら、解決策を提示していくということが必要なのではないかと思います。
 著者の許諾が得られないという問題も前から出ています。本を書いてもらうときに、これは電子書籍でも販売しますとか、障害者のためにテキストを販売・提供していきますということを予め契約書に書いておくことかと思います。そのひな形もかつて一度検討されたと思います。そのような契約書のひな形の周知が必要なのだろうと思います。
 それから、テキストデータを準備するのにかなりの時間を要するという問題は、恐らく古いものなのではないかという気がします。2000年代に入ってDTPが始まったということですが、それより前の本については、出版社に今さら文字を起こしてくださいというのはかなり難しいと思います。うれしいことに、テキスト化を精力的に進めてくれています。ですので、2000年初頭までの本については、国会図書館のみなサーチにアクセスする。そして、新しい本については出版社から提供していただく。そういうスキームでいくということかと思います。で古い本のデータ化に時間がかかったり、著者の許諾が得られなかったりして滞るより、年代を区切って、本当にできること、やりやすいことに集中して進めたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。
○中野座長 ありがとうございました。
 では、今、回答の御要望があった点、及びこれはもしかしたら御説明上、説明が不十分だった部分もあるかもしれませんので、その部分を補足していただきたいと思います。お願いします。
○星川室長(文科省) 文部科学省、星川です。御意見、ありがとうございます。
 まず、このワーキング自体が、「買う」ではなくて、既にあるものについて、図書館での製作の円滑な電子データの提供体制についての検討グループですので、「買う」権利の検討を優先すべきだったのではないかということについては、このワーキングでは検討しておりません。当然ですけれども、並行的に何らかの検討は必要かと思いますが、ワーキングとしての意見は、特段今、申し上げるのは難しいかと思っております。
 その他の点につきましても、また最終報告までにワーキングの皆さんに御意見などをいただきながら、何らか方向性みたいなものを出せるといいかと思っているところです。
 以上でございます。
○中野座長 ありがとうございました。
 では次に、川崎委員、お願いします。
○川崎委員 全視情協の川崎です。
 1つ誤解があるといけませんから申し上げますけれども、このデータ授受の事業、実証調査については、図書を製作する我々は必ず図書、原本を買います。もちろん、12条の関係ではないのですけれども、製作するに当たっては必ず原本を求めて。データだけをいただくということではなくて、製作をするためにそれがスピードアップ化するとか、その実証調査のために行うものですので、以前から必ず原本は1冊ないし2冊は購入した上でお願いをしており、データ依頼をするものも全てそのようにするということです。これは点字図書館も公共図書館も皆そのようになっていますので、そこだけは誤解のないように。ただでデータだけくれということではないので。
 せっかくの機会ですので、先ほどから国会図書館の関係で宇野委員から貴重な示唆が出ておりましたので、全視情協としてABSC様のほうへ提供依頼をさせていただいている中間的なところで、これは御報告といいますか、御意見も含めて申し上げたいのですが、よろしいでしょうか。
○中野座長 お願いします。
○川崎委員 全視情協のほうでさせていただいているのは、219件のうちの124件ですけれども、主に何を製作したいがためにデータを依頼したかと申しますと、点字図書を製作したいがために依頼したものが18件、約15%。それからテキストDAISYを製作したいためにお願いしたものが94件。ですから、ほぼ75%を超えるぐらいです。そういう形でデータを依頼したことになります。
 ただ、その際に、TTS対応の電子書籍が販売されている、またはオーディオブックがある、現在製作中だということを理由にデータ提供ができないということがありました。先ほどの議論の中でも出ておりますけれども、利用者が求めるデータ形式というのが、私どものほうではDAISY形式であるということ。そうなりますと、今、アクセシブルな電子書籍が販売されているからといって、必ずしもそれが有効ではないという背景もあって、私たちは依頼をしておりますので、そこのところが、まだ1年目ということもあって、出版者の方に私どもの意向がなかなか伝わっていないというのが出ております。2年目、3年目とこれが続いていくのであれば、そこはお互いに誤解のないように私どもからも申し述べていかないといけないかなと思います。
 今、私どもは、アクセシブルなもので言うと、完全なものをつくるためにやっており、そのためのスピードアップ化をするためにデータ授受というこの事業、実証調査に参加しておると思っておりますので、ぜひそこのところを今後も進めていただければと思います。いろいろと問題点も出ておりますので、こちらは改めてワーキングのほうでも出しながら、報告書等に書かせていただきつつ、次年度以降、またこれを進めさせていただければと思っています。そういう意味では、田中様をはじめ、出版の方、またABSCの落合様をはじめ、皆さんにお手数をおかけしていることは分かっておりますので、ここはお礼を申し上げたいと思います。本当に誤解のないように意見交換がいっぱいできればいいなということを思っております。
 以上です。
○中野座長 ありがとうございました。
 より正しい理解ができるように補足をしていただきまして、ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。オンラインから近藤委員、お願いします。
○近藤委員 近藤です。
 今の御報告、ありがとうございました。今後このワーキンググループの検討結果の詳しい報告が出てくることを楽しみにお待ちしております。
 一方で、データの提供ということ、どういうデータの形式で提供されるのかとか、あと、図書館との連携なのですが、その図書館に対してどういった形でデータ提供が行われていくのかということは、私たちが文部科学省の皆さんと一緒にやっている教科書。教科書を出版しておられる出版者の皆さんからデータ提供いただいて、それは特定形式のデータ提供をいただいているのですけれども、そのデータ提供いただいたものをまた点字に変えたり、拡大の教科書に変えたり、DAISYに変えたりする。いろいろな団体の皆様に中間的なデータ形式をつくってお渡しするということを私たちはやってきているのですが、その辺りのところで大分お役に立てるような情報があるのではないかなと思っています。現在私たちのほうでやっているようなこと、ボランティアや図書館の皆さんとやっていることと、この調査の中で上がってきている情報のすり合わせのようなことができると、今後現場で視覚障害等がある皆さんにデータ提供をしていく上で役立つことがあるのではないかなと思っていますので、ぜひその辺りはコミュニケーションを取らせていただけたらありがたいと思いました。
 本件については以上です。
○中野座長 近藤委員、ありがとうございました。近藤委員のところはまさにABSCと同じような役割を教科書に関して担当していただいています。そして、藤堂委員や私のところでは図書館と同じようにボランティア活動としてアクセシブルなデータ製作をしているわけですが、教科書のほうはかなりの蓄積がございますので、近藤委員のところをはじめとして、既に先行している取組についてはぜひヒアリング等をしていただけるとありがたいかなと思います。
 ほかにいかがでしょうか。大丈夫でしょうか。
 それでは、本日予定させていただいていた議題は以上で終了となります。
 最後に、今後のスケジュールにつきまして、事務局より説明をお願いしたいと思います。
○吉元補佐(厚労省) 事務局の吉元です。
 本日は長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございました。
 今後の日程についてですが、年度内に第15回開催を予定しております。日程につきましては、追って事務局より調整の依頼をさせていただきますので、委員の皆様におかれましては、年度末のお忙しいところ恐縮ですけれども、御協力いただければと思います。
 以上で説明を終わらせていただきます。
○中野座長 ありがとうございました。
 皆様のおかげで順調に議事を進行することができました。少し早めではございますが、本日はこれで閉会とさせていただきます。御協力、どうもありがとうございました。
 

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