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福祉・介護視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会(第12回)議事録
1.日時
令和6年12月16日(月曜日)15時00分~17時00分
2.場所
全国都市会館3階 第1会議室
3.議題
1.視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(第二期)案について
2.今後のスケジュールについて
3.その他
・基本的施策に関する進捗状況の確認について
・特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方についての検討ワーキンググループについて
2.今後のスケジュールについて
3.その他
・基本的施策に関する進捗状況の確認について
・特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方についての検討ワーキンググループについて
4.議事録
【中野座長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会(第12回)を開催させていただきます。
まず最初に、本日の出席状況や資料の確認など事務局から御報告をお願いいたします。
【星川室長】 本日事務局を務めます、文部科学省障害者学習支援推進室長の星川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本会議の構成員については、参考資料1の設置要綱に記載されているとおりです。
ここで、前回の会議より構成員となられましたが、前回は御欠席でした、公益社団法人全国学校図書館協議会理事長の野口委員より一言御挨拶をいただきたいと思います。野口委員、お願いいたします。
【野口委員】 皆様、改めまして、公益社団法人全国学校図書館協議会の理事長を9月から務めることになりました野口武悟と申します。本務は専修大学の文学部で教員をしておりまして、学校図書館、それから公共図書館を中心に障害者サービスの研究をこれまで行ってきております。どうぞよろしくお願いいたします。
【星川室長】 ありがとうございました。
続きまして、構成員の出欠状況について御報告をいたします。本日は欠席の委員が3名いらっしゃいますが、うち1名については代理の方に御出席をいただいております。御欠席は、愛知県福祉局福祉部障害福祉課長の坂上委員、そして、堺市健康福祉局障害福祉部障害施策推進課長の吉田委員です。また、一般社団法人日本発達障害ネットワーク理事長の市川委員の代理として、副理事長兼事務局長の日詰様に御出席をいただいております。
以上、会場参加13名、オンライン参加8名となっております。
次に、本日の資料について御説明をいたします。本日の会議はペーパーレス開催とさせていただいております。資料については、机上のタブレットにございますので、そちらを御覧ください。また、傍聴の方は、厚生労働省及び文部科学省ホームページに資料を掲載しておりますので、そちらを御確認ください。
本日の資料は、議事次第に続きまして、資料1から3、そして参考資料1から3、以上の6点になります。資料が表示されないなど、御不明な点などございましたら、事務局にお声掛けください。
また、本日、オンラインで御出席の構成員の皆様へお願いでございます。カメラは通常はオンのままにしていただき、御発言の際にはZoomの「手を挙げる」機能の使用をお願いいたします。御発言時以外はマイクをミュートにするよう御協力ください。なお、通信障害などで不具合が発生した場合などは、事前にお伝えしております事務局の連絡先までお知らせください。
事務局からは以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
それでは早速、議題に入っていきたいと思います。本日議題は三つありまして、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(第二期)の案についてです。それから、2番目が今後のスケジュールについて、そして3番目にその他という三つの議題がございます。
まず、議題1から議論をしていきたいと思います。第二期の案について、事務局から資料と議事の進行について御説明をお願いいたします。
【星川室長】 資料1について御説明をいたします。先日の第11回関係者協議会でいただいた御意見を踏まえまして修正したものが資料1となります。なお、第一期からの変更点は赤字で、前回から修正した箇所については赤字に黄色マーカーで表示をしております。修正の全体については、参考資料3に対照表の形でお示しをしております。
議事の進め方ですが、事務局から前回会議での御意見を受けての修正箇所について御説明をしまして、その後、意見交換を行うという形で進めていただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【中野座長】 ありがとうございました。それでは、意見交換を進めてまいりますが、より多くの構成員の方が御発言できるように、発言される際には、できるだけポイントを絞って簡潔に御発言いただきますよう、御協力をお願いいたします。
先ほど説明がありましたように、事務局から一括で説明をしていただいて、その後に議論をさせていただきます。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【星川室長】 それでは、修正箇所について御説明をさせていただきます。前回会議の議事録を確認しまして、改めて関係省庁で確認をさせていただき、修正に関する意見、そして今後に向けた御意見などを精査しまして、資料のとおり修正を行ったところでございます。なお、誤字、それから文言の整理、修正漏れなどもございましたので、そちらについては説明を割愛させていただきます。
それでは、全体を通して説明をさせていただきたいと思います。
まず、3ページ、1の「はじめに」の2ポツ、基本計画についての(4)基本計画の対象のところでございます。こちらは御意見として、「眼球使用が困難である身体障害者」という部分がございましたけれども、こちらについては身体障害者福祉法の定義に照らして考えると、単に「障害者」と記載した方が誤解がないのではないかという御意見をいただきました。事務局の方で確認をいたしまして、こちらは第一期基本計画からの変更となりますけれども、「身体障害」という文言を削除しまして、単に「眼球使用が困難である者」と修正をさせていただきました。理由としましては、下の注釈の※2のところで、マラケシュ条約における対象者の範囲を記載してございますので、単に「者」としましても対象の範囲が変わるものではないということが判断できますので、削除させていただくことといたしました。
続きまして、5ページを御覧ください。5ページの「はじめに」の3ポツ、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る意義と課題の注釈のところでございます。こちらも御意見としましては、注釈のアクセシブルな書籍の数は資料の種類ごとに記載をした方が実態を理解しやすいのではないかという御意見をいただいてございます。こちらにつきましては、注釈の※6になりますけれども、御意見を踏まえまして、全部を記載すると少し細かくなり過ぎてしまうということも考慮しまして、代表的なものを資料の種類別に記載をさせていただいたところでございます。
続きまして、資料の、こちらも、5ページ、「はじめに」の御意見の中で、「拡大図書」という言葉について、本文内では「大活字本」とか「大活字図書」といった言葉が同じように使われているけれども、行政の文書としては統一した用語を用いるのが適当ではないかという御意見がございました。また一方で、図書館では「拡大図書」という言葉は余り使わないというような御意見もございましたので、事務局で検討いただきたいという御意見をいただいたところでございます。こちらについても確認をいたしまして、「拡大図書」は法律で使われている用語でございますので、こちらを基本的に使うという形にしております。一方で、図書館での使用実態なども踏まえまして、「大活字本」といった用語については注釈として※7に説明を記載するということとしております。
続きまして、8ページを御覧ください。2の基本的な方針の2、アクセシブルな書籍等の量的拡充・質の向上のところでございます。こちらについては、アクセシブルな書籍等の製作を進めるということだけではなくて、オーディオブックだけでも既に数万点あるという状況もございますので、既存のライブラリーを活用するだけでも読書バリアフリーに貢献できるということについて言及してはどうかという御意見をいただきました。こちらについては、御意見を踏まえて、該当部分に既存の電子書籍販売サイト等の積極的な活用を進めるという旨の記載を追記したところでございます。
続きまして、少し飛びまして13ページを御覧ください。13ページの3の1ポツ、視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等の(3)その他のところでございます。こちらについては、17条の図書館サービス人材育成の関係でいただいた御意見ですけれども、公立図書館等に読書活動へのアクセシビリティ保障などを職務とする担当者を置くことが重要であるといったことが書けないか、また、公立図書館が域内の障害者サービスにおいて大事な役割を持つといった御意見をいただきました。17条でいただいた御意見ですけれども、図書館関係の御意見ということで、9条関係の新たに第二期で設けました(3)のその他というところに、公立図書館が地域における視覚障害者等の読書活動におけるアクセシビリティの向上に向けて、障害者サービスや支援技術に関し専門性を有する職員や、読書活動へのアクセシビリティ保障に関する担当者の配置を明示するなど、より積極的に関わることが期待されるという旨の記載をさせていただいているところでございます。
続きまして、その下にございますけれども、その他の二つ目のポツになります。「りんごの棚」の取組に関して、視覚障害者等だけではなくて、広く市民全体にお知らせすることを目的に進めているので、その点を説明に入れてもらいたいというような御意見がございました。御意見を踏まえまして、「視覚障害者等を含めて広く社会に」と追記をしたところでございます。
また、その下のポツでございますけれども、こちらは16条関係の御意見として出てきたところですが、端末機器の研究開発への支援に加えて、製作システムや製作機についての支援も必要である点についても考慮に入れてもらいたいという御意見をいただきました。こちらについては、点字図書館の関係と整理しまして、9条の(3)その他に、「点字図書を安定的かつ効率的に製作することが可能となるよう、製作現場に必要な運営支援を行う」旨を追記したところでございます。
続きまして、14ページを御覧ください。こちらは第10条関係のところでございます。国立国会図書館のサービスに関して、「みなサーチ」や「視覚障害者等用データ送信サービス」といった言葉が使われているので、違いについて説明するなど整理をしてはどうかという御意見をいただきました。再度確認をしましたところ、本文中の用語の使い方については問題はないと考えているところですが、各サービスの関係性が分かりにくいという御意見であることを踏まえまして、「視覚障害者用データ送信サービス」が最初に出てくる14ページの最初のところの該当箇所に注釈を追記しまして、視覚障害者等用データ送信サービスの利用窓口がみなサーチであるということを注釈として入れたところでございます。
続きまして、15ページにございます、3ポツ、特定書籍・特定電子書籍等の製作支援の(2)のところでございます。こちらについては事務局からの修正になります。(2)の一番下のところが全面黄色になっているのですけれども、こちらについては、第一期の計画では、現資料における2ポツ目が1ポツ目としてございまして、その下に実証調査についての記載があったのですが、前回お示しした案では、1ポツ目として実証調査についての記載を盛り込んだがために、1ポツ目と3ポツ目の内容に重複が生じているということがございました。そのため、今回二つの記載を整理して1ポツ目として入れたところでございます。新たな何かを追加したということではございませんが、少し大きめの修正でしたので、改めてこちらの方で御説明をさせていただきました。
続きまして、16ページ目でございます。4ポツ、アクセシブルな電子書籍等の販売等の促進等の(1)技術の進歩を適切に反映した規格等の普及の促進のところでございます。こちらの新しい技術というところで、国際標準規格であるアクセシブルなDRM、LCPについて脚注に記載がされていないのではないかという御意見がございましたので、注釈にISO規格、ISO/IEC23078について追記をさせていただきました。
少し飛びまして、続いて20ページを御覧ください。20ページの8ポツ、製作人材・図書館サービス人材の育成等のところでございます。こちら、(1)司書、司書教諭・学校司書、職員等の資質向上の部分ですが、ICTの研修や機器の整備についての記載が多くあるけれども、それを扱う職員については、まず障害がある人の気持ちに寄り添う視点を持つことが大切ではないかという御意見をいただいたところでございます。こちらにつきまして、御指摘を踏まえて、職員を対象とした研修の文章の中に「障害に関する理解」という文言を新たに追加したというところでございます。
続きまして、21ページでございます。21ページの(2)点訳者・音訳者、アクセシブルな電子データ製作者等の人材の確保と養成のところについての御意見です。ボランティアの高齢化や減少といった課題がある中で、ボランティアの交通費等の支援、それからボランティアのみに頼る製作体制について、第二期では積極的に検討することというような前向きな記載として盛り込むことはできないかといった御意見をいただきました。御意見を踏まえまして、前回お示しした案では「検討していく必要がある」と文末を書いていたのですけれども、今回は「製作環境の整備も含めて……検討する」ということで前向きな記載と修正をさせていただいたところでございます。
続きまして、22ページ、基本的な施策に関する指標でございます。こちらについては、複数の委員の先生方から、より代表的な指標とか、分かりにくい表記があるのではないかということがございましたので、多数御意見をいただいたところでございます。改めて担当省庁の方で確認をいたしまして、特段こちらの記載については修正は要しないのではないかということとさせていただいたところでございます。
続いて、最後、23ページ、「おわりに」のところでございます。こちらも御意見としましては、読書バリアフリー法の対象と、それから、図書館の障害者サービスにおける複製等に関するガイドラインの対象が異なっていることについての御意見、それから御議論があったと思います。また、ユニバーサルサービスを目指すべきといった御意見とか、将来的にいろいろな読書に障害のある方を対象に含むことを目指すのは国の目標としてあってもよいのではないかという御意見をいただきました。こちらにつきましては、前回も御説明のとおり、法律の記載を超えて基本計画の対象を広げるということは難しいところではございますけれども、「おわりに」では、図書館のガイドラインについて注釈を入れて紹介しまして、法で対象とされる方以外に様々な障壁がある人がいることの例示的な役割を持たせるということで、より広く対象を意識できるような記載としたところでございます。
私からの説明は以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。それでは、これから議論をさせていただきたいと思います。御発言を希望される方は、挙手若しくはマイクのミュートをオフにしていただいて声を出していただいて、司会の中野から指名されたら御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
では、宇野委員、小池委員の順番でお願いいたします。
【宇野委員】 前回の会議で、12条について、もう少し積極的にアクションプランにつながるような記載はできないものかと申し上げましたが、それについての検討はいかがだったのでしょうか。
【中野座長】 それでは、事務局への御質問だと思いますので、事務局より御回答をお願いします。
【星川室長】 事務局でございます。事務局の方で改めて確認の方はさせていただいたところですけれども、こちらの記載で進めたいということで書かせていただいているところでございます。御意見としては頂戴をしているところですので着実に進めてまいりたいとは思いますけれども、基本計画の記載としてはこの形で進めさせていただきたいと思っております。
【宇野委員】 この第二次基本計画案も法律の条文や第一次基本計画からそれほど大きくは変わっていません。第12条は本当は今年までの5年間で進めるべき条文だったと思います。2024年から民間企業による合理的配慮の提供も法律上の義務規定となりました。そう考えると、読書バリアフリー法の12条を具現化していくのは喫緊の課題であると思います。この文言では、ここから先の5年間で何ができるのか、何をやろうとしているのかが少し読み取りにくいように思います。実際に次の5年間でどういう計画をお考えでしょうか。
【中野座長】 それでは、経済産業省からお願いします。
【髙野係長】 経済産業省です。御意見ありがとうございます。今後の5年間でまずは電子書籍、アクセシブルな電子書籍をどう普及させるかというところを考えておりまして、そのためのガイドラインを今作っているところでございます。このガイドラインにつきましては、今年度、まず草案を作って、来年度完成させる。それに向けて業界に普及させていくというところを考えているところでございます。同時に、国内電子書籍の販売サイトへのアクセシブルなところとか、そういったところも改善していく。アクセシブルな電子書籍が買いやすい環境をどう作っていくかということを5年間で考えていきたいと考えております。
以上です。
【宇野委員】 電子書籍のガイドラインとは、販売する書籍のガイドラインを作成するということでしょうか。
【髙野係長】 おっしゃるとおりです。
【宇野委員】 中小出版社も含めてデータを販売していくには幾つか問題が残されていると思います。その問題を解決して、中小出版社でもデータ販売ができていく、という状態を目指すべきだと思います。電子書籍のガイドラインができた後、具体的に販売されるまでのプロセスが少し見えにくいように思います。
障害者団体へのヒアリングのときに、11条2項のアクションプランは出されていたと思います。しかし、12条については出されていませんでした。本当は電子書籍の販売と図書館への提供の全体像のようなグランドビジョンとなる森を描いて、そして木を1本ずつ立てていくという順序が求められていると思います。
ガイドラインを周知したとしても、学術文献図書のテキストデータの販売は、今の電子書籍のサイトでは難しいわけです。やはり最終理想像を描いて、一つずつ解決していくというプロセスが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
【髙野係長】 まず、テキストデータをダウンロードして販売するというところに関しては今、検討はしていないというところになります。そもそもテキストデータをダウンロードしてどういう使われ方がされるのか分からないという状態の中では、出版社さんが乗ってきづらいのではないかというところがあります。
専門書の電子データの提供については、出版業界の方で今後ワーキンググループを作るということはお聞きしていますので、そのワーキンググループの動きに合わせて、経済産業省としてもどういう支援ができるのかというところは考えていきたいと思っています。
【宇野委員】 テキストデータのダウンロードを考えていないということですが、第一次計画から、児童生徒や学生、研究者等が必要とする書籍については重要であることに留意するという記述がありました。学術文献図書は、読み上げだけではなく、どういう漢字が使われているかを確認したり、正確に引用したいというニーズがあります。つまり一次計画のときから、このような書籍は文芸書よりも一段上で留意して検討していこうというのは4年前に出ていたわけです。現段階においてテキストデータの販売を考えていないということは、電子書籍をどうやって点字にするのか、どうやって漢字の確認や引用をするのか、どのようにお考えでしょうか。
【中野座長】 では、植村委員、お願いいたします。
【植村座長代理】 経産省の方のプロジェクトの座長もさせていただいていますので、植村の方から少し補足と現状についてお話しさせていただければなと思います。
今の御指摘は17ページの(3)「出版社からの書籍購入者に対する電磁的記録等の提供の促進のための環境整備に関する検討への支援」についてかと思います。大学等で学生が教科書を購入した場合、そのテキストデータを出版社が提供し、特に点字等にする作業を促進しようということは、一部出版社が自主的に取り組んできたことです。ただし、これまで経産省のプロジェクトでは、これを大きくロードマップの中では書かれていなかったと思います。
これまでは多くの方が読みたいと思っている一般電子書籍を、購入して全てがTTSで読めるということをなるべく早く実現すべく、第1の目標にしてきました。これは経産省のロードマップで説明してきたところだと思います。多くの方がより多くの一般書を読めるように、という声が、アンケート等でも上がっていました。
一方、宇野先生が当初から指摘されていた教科書等の精度の求められるものの対応も、決して忘れていたわけではありません。ただ、その仕組みづくりが少し後手に回ったというんでしょうか、中小零細出版社が多いので、意見の取りまとめに時間が掛かったということは事実です。
今、専門書出版社と議論を始めているところです。私の想定以上に、多くの大学出版部、学術出版部、専門書出版社が要望に応えて提供していたという事実がありました。その辺の事実を整理して、専門書出版社の教科書等を購入した人に対するテキストの提供の在り方とかをなるべく早く整備したいと思っています。
既にABSCの中でワーキングを作りましたので、落合さんから、よろしければ補足していただければと思います。座長に、ここは1回お返しします。
【中野座長】 それでは、落合委員、お願いします。
【落合委員】 ABSCからお答えいたします。第1段階としましては一般書をなるべく早めに、今でもアマゾン辺りだとTTSには対応しているのですけれども、より多くの電子書店様に対応していただこうと動いているところです。一般書、エンターテインメント系のものは比較的早い段階でもう実現できるのではないかと思っております。
前回も言ったかもしれないのですが、出版物は本当に多様なので、整理の仕方としましては、出版物の後ろにCコードというのが付いているのですけれども、これの一桁目が対象者を規定しています。例えば、0番が一般書というような感じで、一般書、実用書、専門書、それで今の時代になぜか婦人用というのがあるのですけれども、ほかに学参。その学参が高校と小・中かという二つがあって、さらに児童書といったように、幾つか対象年齢、ターゲットが明確に分かれております。ですので、この一桁目を基にして書籍を分類しまして、専門書のチームを作っていく。そのワーキングが先日のABSCの管理委員会で正式に承認されましたので、その研究をしていきたいと思います。
TTSですぐに対応できるのは一般書ですけれども、今の段階ですと、そもそも専門書の電子書籍というのがPDFであったり、EPUBの固定レイアウトであったりですぐに読み上げができない形式なんですね。ですので、そうすると、やはりテキストデータを提供していく、もしかしたらPDFを提供していくということになると思うんですけれども、出版社にしてみると、テキストデータをそのまますぐに販売するということについては抵抗があるわけです。といって、ただで提供するのか、特定書籍を作るために提供するのかといったことも含めて研究をしていきたいと思っていまして、それを、ワーキングを正式に発足することになりまして、1月から動くことになりましたので、この場を借りて御報告したいと思います。
【宇野委員】 ありがとうございます。私も11条2項の借りる権利と12条の買う自由を両立させ持続可能な仕組みにしていくのはとても難しいと思います。前回も申し上げたとおり、電子書籍になって読める人と、音声読み上げが実現して読める人、テキストが手に入って読める、学習できるという三つの層があります。私は学校に籍を置いている関係もあり、学齢段階の第3のグループの学習保障や教育を受ける権利を保障することが喫緊の課題だと思っています。せいては事をし損ずるという側面もあろうかと思いますが、学術文献図書の重要性に留意するという、一次基本計画も意識し、是非次の5年間で加速していただきたいです。次の5年間は借りる権利だけではなく、学齢期における学術文献図書の買う自由を保障していただけるようお願いいたします。以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。今、ご説明があったように、現在、着々と進めているということでございますので、御理解をいただければと思います。
ほかに……、小池委員、同じ話題でしょうか。
【小池委員】 違う話です。
【中野座長】 では、小池委員、お願いします。
【小池委員】 ありがとうございます。前回お話しさせていただいた拡大図書について、先ほど御説明いただいて納得はしたところですけれども、注記のところに説明がありますように、「拡大図書」という言葉自体は法律用語として定着させているということで、ここからは基本的に変えないと。そこに含まれるものについては、ここにあるようにいわゆる写本の方といわゆる大活字と呼んでいるものの大きく二つがあるのだという認識を持っているという、そういう理解でよろしいわけですね。ここの拡大図書というものにはこういうものが含まれているのだということを今後も普及していく、説明していくという理解でよろしいでしょうかね。
【星川室長】 はい。
【小池委員】 ありがとうございます。
【中野座長】 今の御質問については、そのとおりであるということでございます。
ほかにいかがでしょうか。河村委員、お願いします。
【河村委員】 今の意見交換を聞いていても、やはり前回も申し上げたのと同じようなことなんですけれども、文科省が読書バリアフリー法の啓発リーフレットを作っておりまして、それには日本図書館協会も参加して作ったと記憶しているんですが、タイトルとしては、「誰もが読書をできる社会を目指して 読書のカタチを選べる「読書バリアフリー法」」というものが発行されております。これの中は明らかに、障害があってもなくても誰もがというふうに書いているんですね。つまり、かなり長期の目標として掲げて書いていると。
第一期のときは、第一段階だから、障害のある人たちをとにかく重点的に置いてということで理解はできるんですけれども、今、第二期で2030年までを展望して、今、読書に関する状況としては、前回申し上げましたように、日本語に通じない児童生徒に対する著作権法上の扱いを変えて、教科書バリアフリー法を改正して、これまで障害者だけが使えていた音声教材等を使えるようにしたという、障害以外への対応というのが一歩進んだと思うんです。
さらに、2020年の国勢調査で初めて分かった、全国にいる最終学歴が小学校卒の方、つまり、義務教育を完了していない方の数が80万人を超えていたという結果が出ていて、これらの方々を、学び直しも含めて、基本的に読めないわけですから、どのように社会的に包摂していくのかということが非常に重要な課題として、これは文科省が夜間中学校を各地に作って、とにかく受皿にしようという方針を出されていると思うんです。
同じく夜間中学校に関しては、特に障害としては認められてないですけれども、不登校の特に中学生については夜間中学でもって、もともと在籍している学校に行きたくなければ、夜間中学校でどうかという、フリースクールとともに打ち出すとか、必ずしも従来の障害という概念ではない、十分に読めない人たちというのが100万人単位で今申し上げた範囲ではいるわけですね。
これはものすごく大きな数で、読書というものが非常に大事なものであるという前提でこの読書バリアフリー法というのは成り立っていると思いますので、そこら辺を考えると、普通に買う本が読み上げができるというのは、大変重要な、その方々にとっての問題解決の手掛かりになるわけですね。
今後の5年間の計画の中に徹底して、これから出していく本はどんどん電子書籍化して、それが読み上げできるようなものになっていくんだという展望が欲しいわけなんです。そこがはっきり書き込まれていないというのは何とも残念だなと思う次第です。これは感想なんですけれども、何らかの形で、今申し上げました、文科省が読書バリアフリー法成立のときに出した啓発リーフレット、その中にははっきり書き込んでいるんですね。障害のある人もない人も、自分の読書の形が選べるようになる、そのための法律ですと。そのようなことがやはりどこかに明確に、次の5年の中でここまで行きますよというふうなことが見えてくるといいのではないのかなと思う次第です。
【中野座長】 御意見ということで賜らせていただきました。
ほかにいかがでしょうか。では、佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】 ありがとうございます。日本図書館協会の佐藤です。お世話になっております。今のテキストデータの話を私の方からも。例えばアマゾンのキンドルとかは、あの形で点字にすることもできるし、もちろん音声は出来ているわけですね。ですので、かなりのことができる形になっている。元はEPUBリフローだとは思うんですけれども、例えばEPUBリフローでも、全くのプレーンなものであればテキストデータの抽出もできるんですね。だけど、そうすると、やはり先ほどの不正利用の問題とか出てくると思います。
ですので、EPUBリフローの中でどういうふうにすれば、音声だけじゃなくて、点字なり文字の確認なりができるのかというところまでちゃんと研究すればできると思うんですね。つまり、そこの可能性というか、それはまさに今回の計画にも書いてあるように、例えばヨーロッパでやっているものの例とかでどこまでできているのか、どういうふうにやっているのかというのをもうちょっとちゃんと検証していただいて、宇野先生が言われていた、文字の確認までできるというところまで持っていけばいいので、そういう形で、不正コピーがされないけれども、障害者の方々は例えば字を確認したりもできるんだというようなものを作っていただければいいんじゃないかと思うので、そういう視点で検討を進めていっていただければと思います。これは意見です。すみません。
それから、全体的な、全部読んできたので、いろいろ、簡単なことから言わせていただきたいんですけれども、まず、これは簡単な文字の問題なんですが、大きな2番の基本的な方向性の3番ですけれども、視覚障害者等の障害者の「がい」の字が平仮名になっているので、直していただければと思います。いいでしょうか。テキストデータだけそうなっているんじゃないですよね、きっとね。
続いて、大きな3番で施策の方向性についてのところです。先ほど説明がありましたけれども、※21のいわゆるりんごの棚に関する部分ですけれども、広く社会の人たちにということを加えていただいて本当にありがとうございます。ここはそのお礼だけです。
それから、そこの中の次の、今の大きな3番の中の6番、端末機器などに関するところで、14条・15条関係と書いてあると思うんですけれども、大きな6番です。そこのところで、前回もお話ししたんですけれども、例の日常生活用具給付事業についてです。表現としては書き方で余り変更がなかったように記憶しているんですけれども、多分この書き方では、拡大しにくい、いや、しないだろうと思われます。
前回の委員会、ここの検討会での討議では、予算的に拡大しにくいというような回答をいただいていると記憶しているんですけれども、私の理解は、お金がないから給付しないんじゃなくて、各自治体のルールが、障害者を特定した形、また、給付年限や金額などが特定されている自治体のルール、特に障害の種類と等級を特定しているようなやり方の方に問題があるのではないかと私は理解しています。そこで、本当にお金がなくて、もう目一杯頑張っているけれども、お金が尽きちゃっているというのに近いような答弁をいただいたと思っているんですけれども、そうすると、このままでは全然増えないということになりますので、厚労省さんがもっとお金を付けようと思っていらっしゃるのか、それとも自治体にはもっと伸ばす余地があるのか。
そこで、今回のこの計画の文章ですけれども、大きな6番の丸3の部分に給付事業に関する部分があるわけですが、そこのところに、その文章はそのままでいいので、その後ろになお書きか何かに、例えば、給付に当たっては、従来の方法がその普及促進に障害になるような場合にはそうならないように留意するとか、何らかの追加の文書を入れていただけるといいのではないかなと。もっと別の言い方でも結構ですけれども、もうちょっと促進できるような言い方はないのかなと考えました。
次に、指標の話に行っちゃっていいですか。
【中野座長】 一旦、今のところで切っていただき、日常生活用具の御指摘に関して、厚生労働省から御回答お願いします。
【川部室長】 佐藤委員のところは、18ページの丸3の表現ということでよろしいですか。
【佐藤委員】 はい、そうです。
【川部室長】 今書いているのは、最終的には読書環境の整備を推進するというふうに給付を行うなどということで、地域生活支援事業のことは言及していません。ほかの計画とかも私、読ませてもらったんですけれども、基本的に補助事業とか予算に関わることは計画に書き込まないような暗黙のルールがあったので、地域生活支援事業という文言も書いていませんし、給付を行うなどということで国費が入るようなことがひも付けられるかどうか分かりませんが、給付を行うということは国の計画に書くということなので一般的には補助金に連動するという意味合いで、書けるのはここまでがぎりぎりかなという表現になっていますので、もしこれより何かほかに表現の仕方があれば御提案いただければ考えますが、今のところ私どもで見た感じではこれが目一杯かなと考えています。
【佐藤委員】 今の発言というか趣旨は分かりましたけれども、これだとやっぱり自治体に対して、従来の日常生活用具給付事業をちゃんとやりましょうねというふうに読めるんですね。このままでは自治体の方がより積極的に読書に困難のある人のためにやろうという感じにならないので、何かもうちょっと積極的な運用とか何らかの形で、従来の制度は不足しているんだということが分かるようにしていただけるといいんじゃないかなと思います。それでは、取りあえず意見として。
【川部室長】 意見は賜りました。
【中野座長】 意見として承ったという御回答いただきましたので、佐藤委員、引き続き質問をお願いします。
【佐藤委員】 ありがとうございます。指標について読ませていただいて、特に先ほどの説明で、内容を変更することはなかったというふうに聞きました。また、指標については、どういうところを根拠にこの指標が出ているかというのも資料を作っていただいて、ありがとうございます。既にやっている調査とか、すぐ数字が出る問題とか、その辺が分類をしていただいて、非常に分かりやすくなりました。
それで、まず9条関係では、やはり公立図書館と点字図書館についてのところなので、公立図書館の基本的な障害者サービスの実施を聞かないと、要は、資料や設備については聞かれているんですけれども、実際のサービスをやっているかどうかを指標にしないと非常に厳しいなと。分かりにくい。例えばですけれども、郵送・宅配などの、来館が困難な読書困難者のためのサービスの実施体制があり、かつ実績がある程度のことも、マル・バツ程度にしかならないんだけれども、実際そういう来館困難者のためのサービスを実施していて、実際に実績があるぐらいのことを何とか聞けないのかなと、そういうふうに思っているところです。
あと、ここの特に9条の公共図書館の話のサービスで言っておきたいことは、例えば郵送サービスとかそういうものって、全国3,000の図書館がやらなくてもいいんですよね。自治体単位で窓口がちゃんとあれば。自治体というのは1,600ぐらいでしたっけ、要は、自治体単位で窓口があればいいわけですよね。ですので、全3,200ぐらいの図書館が母数になるのでいいのかなというのもちょっと気になっていて、この辺の図書館数をベースにするかどうかというのはかなり考える必要があるのではないかと思っています。
それから次に、11条関係では、公共図書館や点字図書館の資料の製作の話のところですけれども、今、指標では11条2項の方の私たち資料製作者に対してのデータ提供についてが指標になっているところです。だけど、本当は、私どもがどのぐらい資料を製作しているのかなというのを示すべき1項の方が大事なのではないかと。「方が」という言い方がいいかどうか分かりませんが、1項も大事だと思うので、そのことが指標になっていないのはどうかなと思ったところです。
ただ、よく読んでみると先ほどの9条の方で、みなサーチとサピエに登録しているデータ数みたいなことは9条の方の指標としてなっていて、製作数がそこで分かるようになっているというのがよく見るとあります。ただし、みなサーチとサピエに登録している数が本当に製作の全てなのかなというのを考えると、実はかなりそこには差異があるので、この辺をどう考えればいいのかなというのは、この指標のところで思ったところです。だから、9条のところなのか、11条のところなのかというのもあると思います。
それから、続いて12条。これは12条関係の方はアクセシブルな電子書籍の刊行の話ですけれども、アクセシブルな電子書籍のところでは、実際どのくらいの数のアクセシブルな電子書籍が刊行されているかというのを指標にされていると書いてあると思うんですけれども、本当は数字だけじゃなくて、それが全体の何割、何%なのかという、全電子書籍の中で一体何十何%がアクセシブルなのかという、そこのところも大事なので、そこも併せて提示していただければと思います。
それから次に、第14条・16条関係というのが指標ではあります。もう一度また申し訳ないんだけれども、日常生活用具に関する部分がそこにはあるわけで、できれば給付の何らかの数値化ができないのかなと。例えば全体の金額なのか。ただ、情報機器に関してだけとやるのがなかなか難しいかもしれないので、これは可能性があればですけれども、私は、今ここで取り上げているのは、情報機器に関する給付について何らかの数値化ができれば進展の状況が見えるのかなと思うので、それも御検討いただきたいと思っています。
続いて、第17条関係、図書館の職員や点訳者・音訳者など資料製作者の問題です。これも前回お話しましたけれども、大学における司書教育についてどうやったら指標にできるかなとちょっと考えたんですけれども、それで、余り難しくない、取りやすい数値が必要だと思ったんです。そこで、例えば各大学における障害者サービスの授業時間をどのぐらいやっているか。例えば90分授業を15回やっている、2単位出している大学もあります。でも、大学によっては、図書館概論のような中の1こま90分をそれに充てているところもあるでしょう。だから、それは90分と書いていただいて、90分掛ける15回でやっているところはその時間で書いていただいて、そういう形で各大学がどのくらい司書講習なり司書の勉強の中で障害者サービスを扱っているかという、そのくらいの数値化はできるのではないかなと思いました。
以上です。
【中野座長】 ありがとうございます。今の指標に関しまして多岐にわたる御指摘をいただいたのですが、事務局の方でもし、すぐに回答できるところがあれば、御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【川部室長】 佐藤委員から、14条・16条関係で、地域生活支援事業と言われたんですが、自立支援振興室でICT機器の開発事業の予算がありまして、それは年間、予算の範囲で採択数を幾つかしてそれぞれ開発をしていますので、その国の補助金は、地域生活支援事業じゃない補助金の採択数と、あと、総務省の事業の採択数ということになっております。事実関係だけお伝えをしておきます。
【佐藤委員】 それは承知しています。
【星川室長】 事務局でございます。図書館関係で御指摘をいただきました、今、どの調査でどのデータが取れるのかというところの詳細が分かりませんので、確認はさせていただきますけれども、例えば今回9条関係で載せているのは社会教育調査をベースにしておりますので、そちらの方の項目で取れていないデータについては新たに取る形になりますので、それが実際取れるのかどうかということも確認が必要かと思っております。
また、最後にご指摘いただいた、例えば大学における状況、そういったものも、大学でどの程度協力を得られるのかということも含めて検討しないといけませんので、この場で、こういったことができそうです、と言うことは難しいかなと思っております。
また、そもそもの話にまた戻ってしまって恐縮なのですが、代表的な数値としてそれを載せるべきなのか、それとも、先ほどお話がございましたけれども、第12条関係のところでしょうか、登録数というよりも全体の割合で示した方がいいのではないかというお話もございましたので、そこは示し方をどういうふうにするのかということはまた別途御議論をいただければと考えているところでございます。
以上です。
【佐藤委員】 ありがとうございます。
【中野座長】 経済産業省からも、御回答をお願いします。
【髙野係長】 12条関係、全体の何%、割合をということなんですけれども、こちらはABSCさん、JPOのデータとかもいろいろ見ながら、出せるものは出していきたいなと思います。
【佐藤委員】 お願いします。
【中野座長】 野口委員、お願いします。
【野口委員】 今、佐藤委員が言われた17条関係のこの指標の件なんですけれども、実は私も同じことを考えておりました。これ、調査が、大学宛てに、文部科学省のどの部局なのか分からないんですけれども、司書・司書教諭の養成科目の中で読書バリアフリーに関する内容がどれくらい取り上げられているかという調査を確か、かけていたと思うんです。というのは、私が回答した記憶が実はありますので、何かその辺のデータをうまく活用できるのかなと思いましたので、御確認いただければと思います。
以上です。
【中野座長】 では、文部科学省、お願いします。
【毛利専門官】 文科省でございます。今、野口先生から御指摘いただきましたけれども、アドホックにそういった司書養成課程における障害者サービスの取扱いについて調査したことはございまして、結果としては92%が障害者サービスの内容を取り扱っているというような結果も出たところです。しかしながら、回答者負担など、いろいろなことを考えていかなければいけないので、なかなか毎年取るというのは難しい状況とは思っております。指標に含められないかとの御意見は、以前も他の委員の方から御指摘もいただいたことがありましたが、関係部署で検討したときに、これを毎年の指標として位置付けるのはちょっと難しいというような結論になっていたところです。
また、先ほど佐藤委員から御指摘いただいたような郵送サービスなど、各図書館でどのような障害者サービスを行っているかというサービスの状況については、文科省の調査となりますと、3年に一回の統計でかなり長期にわたって取っていく必要があるもので、項目の数等の厳選もしなければいけない状況にあり、抑制的に考えているものなのですが、全国公共図書館協議会さんが令和3年度にかなり細かく調べられていたり、その前は国立国会図書館さんが平成30年辺りに調べられていたり、それらの調査のように、かなり専門的な見地から捉えた調査なども把握しながら進捗というのは把握できるかとは思っておりますので、計画の中の指標に落とし込むというところは少し難しいかと思っておりますが、私どもはそういった調査、関係団体・機関の調査等も活用しながら、状況について行政説明等でも普及することはふだんより常にしているのですけれども、そういった形で進捗を把握・共有していくのがいいのかなとは事務局の中では思っていたところです。
すみません、以上でございます。
【中野座長】 ありがとうございました。これは前回も話がありましたように、ここに挙げている指標は定期的に取っていくというものです。今、御指摘があったようなアドホックに行われた調査等というのは都度取り上げていくということで御理解いただければと思います。
では、小池委員、お願いします。
【小池委員】 すみません、今の話題を少し考えたというか感想めいた話になってしまうのですけれども、今御説明にありましたように、調査をしてみたらば92%が何らか取り上げているという回答はあったということなのですけれども、そもそも科目の中にないもので、司書課程の話でいえば、恐らくやるとすれば図書館概論とか、サービス論とか概論とか、その辺りで取り上げられる。それも1時間が30分か分かりませんけれども、それが実態だとは何人かから聞いたことがあります。そうすると、92あるといっても、それは事実上さっと触れただけという、ここに書かれている理解というようなことに通ずるのかというのは少し疑問があるのかなと正直思うところです。
これは学校図書館の方でも話題になっているのだと思うんですけれども、図書館利用について、教員養成で学校図書館を使って、教員になるときに必ず1こまとか何かやったらいいのではないかというアイデアは語られるんだけれども、とてもとてもそこまでは多分難しいだろうというのと近い話だと思っています。
取りあえず障害者サービスと言いますけれども、すごく障害者サービスについて一つ集中的にやるとなると、実際の単位認定のところまで持っていくとなると、事実上かなり厳しいのだろうなと。しかし例えば取り上げる話題としては入れるけれども、その取り上げる内容について、もう少し標準化というのでしょうか、何かそういうことがされると、養成課程においての取り上げ方の質というな、そういうのが少しは出来てくるのではないかなとは思うところです。今回の計画の中で触れられるというところの中で、少し具体的な養成のところで何かされるとよろしいのではないかなと思ったところです。
今日の資料でいえば21ページのところにあるような、製作環境の整備も含め、人材の話、ここのところというのがやっぱり同じようにもう少し標準化というのかな、それが何か示せるといいのではないかなと思ったところです。具体的なことを今どうしようというのはないのですけれども、ちょっと発言させていただきます。
以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。是非参考にしていただければと思います。
ほかに御意見いかがでしょうか。それでは、宇野委員、河村委員、川崎委員の順番でお願いします。
【宇野委員】 アクセシブルな図書の紹介コーナーの※21の説明について2点あります。
1点目は些細なことと思われるかもしれませんが、とても重要な問題です。文中に「特別な配慮」という文言があります。この「特別な」という言葉ですが、私たちが今取り組んでいる問題は、果たして特別と位置付けてよいのでしょうか。国連障害者権利条約では、障害は、個人モデルや医学モデルから社会モデルや人権モデルへ変えていこうという流れです。それから、国際障害者年から、ノーマライゼーションということも、ずっと言われています。ノーマライズは、スペシャライズと逆です。ですから、特別という言葉で障害者や様々な媒体の図書をスペシャライズしていくのは、これからの共生社会やノーマライゼーションの進展を考える時よくないだろうと思っています。
ちょっと話がそれますが、私は特別支援教育や特別支援学校という言葉からも「特別」を省いた方がよいのではと思っています。世の中で障害者に対する偏見・差別をなくしていく上でもこのような特別視を助長するような表現は避けた方がいいと思っています。例えば大学入試センターも、以前は「特別措置」といっていましたが、今は「配慮申請」としています。厚労省のハローワークも「特別窓口」ではなく、「専門窓口」として、「特別」いう表現をなくしてきています。
もう一つは、アクセシブルな書籍の紹介コーナーの説明の中に「りんごの棚」という言葉が紹介されています。どちらが一般的に分かりやすいかというと、おそらくアクセシブルな書籍の紹介コーナーの方がピンとくると思います。「りんごの棚」という言葉を聞いて分かる人はまだ少ないと思います。ですから、りんごの棚という名称でアクセシブルな書籍を紹介することを推進している図書館が増えてきているというように、分かりやすさを重視した記述にした方がいいのではと感じました。
【中野座長】 御意見ありがとうございました。では、河村委員、お願いします。
【河村委員】 16ページの一番下の行に注の23がありまして、ここには前回私が繰り返し申し上げましたアクセシブルなDRMに関する記述として、ISO/IEC23078と書かれたんだと思うんですけれども、これですと、ほとんどの方が理解できないんじゃないかと思うんです。ISO/IEC23078を見ても恐らく、これがアクセシブルなDRMのことであって、実際に実装されているのはReadium LCPであり、それが例えばThoriumリーダーであれば対応してリーダーになっているというふうなところにつながっていく重要な技術なんですけれども、このISO/IEC23078だけだとほとんどそこにつながっていかないので、ここについてはアクセシブルなDRMに関する国際標準規格であるISO/IEC23078等を含むというふうな、これを少し冗長化していただいた方が次につながっていくのではないかと思います。せっかく書いていただいているので。それが1点でございます。
それから、もう一つこれの関連で申し上げますと、欧州のアクセシビリティ法の施行とともに、では、DRMをどうするのかということが、これまでは全くアクセシビリティを排除するDRMが当たり前だったところに、それでは、欧州アクセシビリティ法をクリアできないということで、アクセシブルなDRMというのを一斉に模索している状態だと思います。今年の夏ぐらいの段階で、ヨーロッパの出版社の中では5%ぐらい、このReadium LCPに対応しているところが出てきているという状況のようで、これはこれからどんどん増えていくんだと思うんです。
そういう意味で、ここには抽象的に「新たな技術」と書いてございますけれども、それが全体として、出版物そのものが出版と同時にアクセシブルである、アクセシビリティがどんどん高まっていくための技術という鍵になる技術がこの23のところに書かれているものであるというふうな理解がもうちょっと明確になるような書き方というのが可能であればしていただければと思います。
それと、これは先ほど来あります、出版社からテキストデータ等アクセシブルなデータを製作者に渡すときに全くプロテクトを掛けない状態というのは多分考えにくいというお話が最終的には出てくるのかなと思うんです。その場合にやはり有力な候補になるのはこのReadium LCPしか今のところないのではないかなと思いますので、そういった点でもかなり喫緊の調査研究が必要な項目であるのではないかと思います。
以上、意見です。
【中野座長】 ありがとうございました。修文案を一つと御意見をいただきました。御検討いただければと思います。
それでは、川崎委員、お願いします。
【川崎委員】 川崎です。まず、13ページの最後のところ、9条の最後のところに「製作現場に必要な運営支援を行う」ということで力強い言葉を入れていただきましたこと、ありがとうございます。私どももこれはこういった支援がないと、今後、私どもが製作をしている電子書籍・特定電子書籍の製作にもこれは大きく関わってくることでもございますので、これはいわゆる支援、企業の支援も含めてになりますので、これは厚労省だけの問題ではないかもしれませんけれども、ここは是非よろしくお願いしたいところです。
それと、11条に関わるワーキングチームを作っていただきまして、ありがとうございます。こちらは、データの授受に関することでこれから進んでいくことと思います。私どもは、データをただ頂くだけではなくて、私どもは特定電子書籍等を今まで製作してきた実績がございますので、様々なマニュアル等、この間も経産省の方へ提供させていただきましたけれども、そういったこともできますので、これと相乗効果で、12条の方も先ほどから懸念が随分出されておりますけれども、12条の方も進むように是非ともスピードアップさせていただければと思っております。これがないと、やはり私たちもただ製作するだけではなくて、本来であれば12条で製作されるものが、ちゃんとアクセシブルな電子書籍が販売されることが一番いいことだと思っておりますので、是非ここは読書バリアフリー法の肝でもありますから、よろしくお願いしたいと思います。
それと、最後の17条のところですけれども、我々が本当にずっと述べ続けていたことが、やっと「望ましい」から「検討する」になりました。これはもうボランティアに本当に頼ってきたことを、今後、関係者間でこういう協議をする場が本当に設置されて、本当にこれが進んでいくことによって、今までの努力が報われるといいますか、環境整備が整うのかなと思いますので、今行われているそのデータの授受に関するワーキングチームと共にこれもお願いできればと思います。
それと、日常生活用具の関係で先ほど御意見が出ておりましたけれども、現在、拡大読書器はおかげさまで視覚障害者の等級制限が撤廃されておりますが、その他の機器に関しては、ほとんどが1・2級の視覚障害に限っております。これはこの読書バリアフリー法の中でだけと言うことではないのかもしれませんけれども、やっぱりその他の障害の特性に応じてそれが柔軟に給付できるような形で、視覚障害に限らず、また、視覚障害の中でも3級から6級の中で必要とされる方に的確に給付ができるような道筋が出来るような形で、私どもが何とか監視ができるようなシステムといいますか、これは基本的には厚労省の方にお願いする形になると思うんですけれども、学校現場の方たちはまた学校現場から声を上げていただくとか、本当は本来であればまた当事者団体から声を出していただくとかということになると思いますけれども、是非これは心に留めておいていただければと思います。
以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
オンラインから、日本オーディオブック協議会の上田委員から挙手がございますので、御発言をお願いしたいと思います。上田委員、お願いします。
【上田委員】 発言機会をいただきまして、ありがとうございます。
アクセシブルな書籍の量的拡充・質の向上のところで、電子書籍サービス等の積極的な活用を進めるというところを御記載いただきまして、ありがとうございます。ただ、オーディオブックに関しては、電子書籍とは定義が異なっているので、電子書籍サービスとだけ書くと、オーディオブックはそこから除かれるイメージがありますので、可能であれば、オーディオブック販売サイト及び、ないしは電子書籍販売サイト及びオーディオブック販売サイトみたいな形で並列するような形で御記載いただけるとありがたいなと思っております。
あと、オーディオブックは既に販売サイトで売っているもの以外に、図書館にもかなり卸し始めているんですけれども、やっぱり図書館側の導入の問題で一番大きいのは、再三申し上げているところですが、予算の問題というのが大きいですね。なので、量的拡充をしていくというところに関する障壁として、図書館サイドに関しては予算の問題がどうしても発生しているということは記載いただいた方がいいと思うんですね。なので、図書館及び点字図書館等の購入に関しては、予算が少ないことが問題になっているということで、それを補填するために政府ないし地方自治体からの補助金ないしは助成金の導入が望ましいというような具体的な方法まで突っ込んだ形でのコメント記載をいただければありがたいなと考えておりますが、いかがでしょうか。
【中野座長】 どうも御意見ありがとうございました。文科省の方から何か御回答ありますか。
【星川室長】 事務局でございます。御指摘いただきまして、ありがとうございます。予算の部分、どこまで書けるかということも含めまして、文言のことは改めて検討させていただきたいと思います。
以上です。
【上田委員】 ありがとうございます。
【中野座長】 ありがとうございました。
そのほか、よろしいでしょうか。近藤委員が手を挙げておられますね。近藤委員、お願いします。
【近藤委員】 ありがとうございます。近藤でございます。私からはまず、全体的に、これは当初の議論からなんですけれども、特に教育において、学校教育、それからあとは、入試とか職業生活とか進学とか資格取得とかそういうところを様々なところにしっかりと含めてくださってありがとうございます。
それから、これ全体いろいろなところに入れてくださっているのと、それから、ページで申しますと13ページのローマ数字3の1の(3)その他のところ、こちらにおいては、アクセシビリティ保障に関する担当者を配置するとかそういったところまで踏み込んだ記述を入れてくださって本当にありがとうございます。
教育に関しては様々なところで出てくるので、特に加えてくださったこの(3)の部分、ここでしっかり横串を刺しておきたいなと思いまして、もし可能であれば、(3)の「公立図書館等においては、地域における視覚障害者等の読書活動における」と続いていくんですけれども、この「地域における」というところを是非、「地域の学校教育や職業生活、地域生活等を支えるため」というふうに、あともう一度その他の場面のところに横串を刺すような念押しをしていただけると、このアクセシビリティ保障の担当者がまず第一歩として何を取り組んでいくのかということで、地域の様々な活動を意識しながら取り組んでいくんだなと分かるので大変ありがたいかなと思いました。
今、追加した部分については、これは何を指しているかというと、まさに、当初から加えていただいているローマ数字1の3の意義と課題のところの冒頭の「読書は」というところ、これ以降の一文、これをまさに指していると思いますので、例えば今の「地域の学校教育や職業生活、地域生活を支えるため」のところに、この1の3の意義と課題の冒頭の「読書は」というところの定義に戻るような示唆がいただけるとありがたいかなと思いました。
教育については、本当に大変重要なところと御認識いただいて、細部のことまで言及してたくさん書いてくださってありがとうございます。ここで是非、公立図書館の活動の中に横串が刺せればと思いますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
【中野座長】 近藤委員、ありがとうございました。修文案もいただきましたので、御検討いただきたいと思います。
そのほか、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、この辺りで議題1については終了させていただきたいと思います。今回改めていただいた御意見に関しましては、それぞれの省庁等でもう一度検討していただいた上まとめさせていただきたいと思います。
議題2に進みたいと思います。議題2は、今後のスケジュールについてでございます。今日の議論を含めて、基本計画(第二期)案に関する全体での協議を終了させていただいて、全体の整合性・取りまとめの作業に入っていく予定でございます。今後の進め方について、事務局より御説明をお願いしたいと思います。
【星川室長】 委員の皆様におかれましては、基本計画に関して活発な御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
資料2を御覧ください。資料2は第11回の本協議会でお示ししたものについて時点更新を行ったものでございます。本日お示しした基本計画(第二期)の案を清書して、また、本日いただいた御意見などを改めて検討させていただきまして、来年1月から2月頃にパブリックコメントを行いたいと思っております。パブリックコメントは1か月期間を設ける必要がございます。そちらで出された意見について、また関係省庁で対応・検討を協議いたしまして、できれば2月下旬頃に関係省庁等会議及び関係行政機関への協議を実施しまして、3月中に基本計画(第二期)を公表したいと考えているところでございます。
また、法第7条6項の規定によりまして、基本計画を策定した際には、遅滞なくこれをインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならないとされておりますので、速やかに公表を行うとともに、委員の皆様にはメールなどでお知らせをさせていただきたいと思っております。
また、今後、パブリックコメントでの御意見、それから省内決裁の過程、また、各省との協議等の過程で出た意見などについて、変更・修正等が生じる場合には、座長と御相談をさせていただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
【中野座長】 御説明ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明について、御質問、御意見等ございますでしょうか。宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 今日出された意見について、パブリックコメントの公表までにフィードバックというのはないんでしょうか。
【中野座長】 事務局、お願いいたします。
【星川室長】 本日、幾つか御意見が出ましたので、フィードバックの形を取らせていただきたいと思います。
【中野座長】 宇野委員、よろしいでしょうか。
【宇野委員】 はい。お願いいたします。
【中野座長】 今日の御意見を更に反映させられるものは反映して、もう一度皆さんところに修正案を流させていただきます。その後で、それぞれの、先ほど御説明があったようなスケジュールに基づいて、各省庁等に確認等を行いながら進めていきたいということでございますが、よろしいでしょうか。
三宅委員、お願いします。
【三宅委員】 日本視覚障害者団体連合の三宅です。パブリックコメントについて確認をさせてください。二つあります。
一つが、パブリックコメントの資料の提供方法はどのようにされるかということです。
もう一つが、回答方法についてどのような回答形式が用意されているかということで確認ためにお答えをお願いいたします。
以上です。
【中野座長】 では、事務局、お願いいたします。
【星川室長】 当然、視覚障害者の方含めて皆様に見ていただけるような形で、前回の第1期のときに倣い、誰にでも見られるような形で配慮した形で実施をしたいと考えております。
以上です。
【中野座長】 三宅委員、いかがでしょうか。今の御説明だと、単純にエクセルをPDFにして提示するというものではなく、アクセシビリティを配慮して資料は提示するし、なおかつ回答もアクセシビリティに配慮した方法で実施するということでございますが、三宅委員、よろしいでしょうか。
【三宅委員】 では、そのように是非お願いいたします。
【中野座長】 もし、第1回目のパブリックコメントのときの課題等がありましたら、事務局に、具体的な御提案をお寄せいただければと思いますので、よろしくお願いします。
それ以外いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、パブリックコメント等で更に審議しなければならないようなことが出てきたときには、座長の立場としてしっかりと事務局と連携をさせていただきながら進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。では、議題2は以上とさせていただきます。
最後、議題3、その他でございます。議題3のその他の一つ目は、基本的施策に関する進捗状況の確認についてでございます。事務局から資料と議事の進行について御説明をお願いいたします。
【星川室長】 資料3を御覧ください。前回会議において御説明をさせていただいたところでございますが、基本計画の進捗状況を確認する際の指標については、様々な御意見をいただいております。基本計画に記載する指標については定期的に把握可能な指標とする一方で、進捗状況の確認に有意な情報については、関係省庁等において必要に応じて実態調査を実施して把握に努める旨を御説明したところでございます。
今回そのような趣旨を踏まえて、基本計画に示した指標の示し方や、これ以外の項目についても個別に調査を行うべきといった御意見、などについて、その指標にぶら下がっている調査の名称や、現在把握できている数値、などについてまとめたものが資料3でございます。
先ほど佐藤委員はじめ御意見いただいているところでございますけれども、もしまたございましたら、この場で御意見をいただければと思っております。また、いただいた御意見に関しては、関係省庁等で改めて検討をさせていただきまして、可能なものについて、次年度の関係者協議会でお示しできればと考えております。
以上です。
【中野座長】 御説明ありがとうございました。それでは、今の件に関しまして、御意見等ありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【星川室長】 すみません、1点、事務局から補足させていただければと思います。13条関係のところ、マラケシュ条約に基づく視覚障害者等用データの国際交換サービスの輸出入データについて今二つ並んでいるのですけれども、上が国会図書館様の方から頂いたもので、下が厚労省様の方から頂いたデータになっているのですが、少しこの数値が合っていない状況になっておりますので、こちらについては事務局で精査をしまして、改めて御提示をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
【中野座長】 ありがとうございました。御意見等いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。特にないようでございますので、二つ目の議題に移りたいと思います。その他の二つ目は、特定書籍等の製作に関わるデータ提供の在り方についての検討ワーキンググループについてです。事務局より説明をお願いいたします。
【川部室長】 ワーキンググループの趣旨を振り返ってみますと、7年度から第11条の2項、出版社から特定書籍等製作者に対する書籍のデータを円滑に提供する仕組みを確立するための実証検証ということで、各省で予算取りをして実証検証事業を行うということを御報告させていただいたと記憶しております。
その実証検証に各省が入る前に、ワーキングチームを立ち上げて、主には出版社側、それから図書館側に事前に整理すべき事項について、予算を獲得した後、事業を回すに当たって、当然どういう事業をするかというのは仕様を作らなければいけませんので、その仕様のためのヒアリング等を行いました。9月18日に第1回のワーキングでヒアリング等を行いまして、今の時点でいいますと、仕様書のたたき台を作成中でございます。併せて、今、各省、今日は12月16日でございますので、ちょうど予算の折衝が最終段階でございます。各省、予算が取れたものがどういう形になったかというのと、改めてワーキングで頂いたデータの仕様書のたたき台を事務局の方でまとめていますので、次回等のこの会議でまた報告させていただければと思います。
以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。ただいまの御説明について何か御質問や御意見等ございますでしょうか。宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 前回申し上げましたが、構成員についてです。会議メンバーに図書館関係者として、全視情協と日図協が入っています。しかし学校図書館関係や大学図書館関係が少し手薄という気がします。前回、学校図書館関係者として野口委員に入っていただいたらどうかという意見を申し上げました。本当は大学図書館関係者にも入っていただいた方がいいと思います。メンバーは前回提示があったものから変わっていないのでしょうか。
【中野座長】 事務局、お願いいたします。
【川部室長】 そうですね、特にそこは変更を加えていません。
【宇野委員】 図書館へのデータ提供は、公共図書館のみならず、学校図書館や大学図書館にとっても重要になってくると思いますが、いかがでしょうか。
【中野座長】 今確認をしておりますので、少々お待ちください。
【川部室長】 御意見いただきましたので、事務局でそこは検討してまいりたいと思います。
【星川室長】 文部科学省でございます。現状、初年度については公立図書館を対象として考えておりますので、そのような形でメンバーは人選されているところでございます。将来的に、増やせませんという話ではないかと思いますので、進捗状況を踏まえて検討してまいりたいと思います。
以上です。
【中野座長】 宇野委員、よろしいでしょうか。
当初から必要に応じて、委員のメンバーではなくてもヒアリングを実施するというようなお話はあったかと思いますので、それぞれ必要な時期になったら、メンバーに入れていただくか、若しくはヒアリングをしていただきながら、先ほど御指摘があった大学図書館等の意見も集約できるように進めていただければと思います。
そのほかいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それではそろそろ、時間も大分経過しておりますので、この辺りで、議題に上がっていた三つの観点での議論は終わらせていただきたいと思います。
本日予定していた議事は以上の三つの点でございましたので、これにて終了となります。
最後に、事務局より一言お願いしたいと思います。
【中園課長】 担当課長の中園でございます。前回、そして今回と長時間にわたりまして活発な御議論をいただきまして、大変ありがとうございました。これまでの皆様の御協力に深く感謝申し上げます。
基本計画案につきましては、いただいた御意見を踏まえまして、座長と御相談しながら、議題2で申し上げたとおりの進め方にて調整をしてまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【中野座長】 どうもありがとうございました。今回を含め、12回に渡って、委員の皆さまと議論を繰り返させていただいて、段々に議論も集約され、内容も少しずつ充実してきたのではないかと思います。
私も大学図書館等と一緒にアクセシブルな書籍の製作を担当しておりますし、研究室では、ボランティアとしても製作を行っております。製作を行い、子供たちや学生たちにアクセシブルな書籍等を提供したり、これらの書籍を使って指導したりしている立場からすると、まだまだ足りない点も多いと思っております。ただ、読書バリアフリー環境をいきなり充実させることはできないので、少しずつでも歩を進めていくことが大切だと思います。なお、アクセシブルな書籍等を製作している立場からすると、今回の施策がスタートしたことでかなり活動しやすくなったことは大きな成果だと思います。
個々一人一人の障害のある人たちが自分のアクセスしたい方式で、読みたい書籍にアクセスできるような状況を、ここに参集した全ての者が目指していると思いますので、それぞれの立場でできることを更に進めながら、読書バリアフリー法の理念を実現していけるように力を集結することができるといいなと思っております。今後も引き続き御協力をお願いしたいと思います。
それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
まず最初に、本日の出席状況や資料の確認など事務局から御報告をお願いいたします。
【星川室長】 本日事務局を務めます、文部科学省障害者学習支援推進室長の星川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本会議の構成員については、参考資料1の設置要綱に記載されているとおりです。
ここで、前回の会議より構成員となられましたが、前回は御欠席でした、公益社団法人全国学校図書館協議会理事長の野口委員より一言御挨拶をいただきたいと思います。野口委員、お願いいたします。
【野口委員】 皆様、改めまして、公益社団法人全国学校図書館協議会の理事長を9月から務めることになりました野口武悟と申します。本務は専修大学の文学部で教員をしておりまして、学校図書館、それから公共図書館を中心に障害者サービスの研究をこれまで行ってきております。どうぞよろしくお願いいたします。
【星川室長】 ありがとうございました。
続きまして、構成員の出欠状況について御報告をいたします。本日は欠席の委員が3名いらっしゃいますが、うち1名については代理の方に御出席をいただいております。御欠席は、愛知県福祉局福祉部障害福祉課長の坂上委員、そして、堺市健康福祉局障害福祉部障害施策推進課長の吉田委員です。また、一般社団法人日本発達障害ネットワーク理事長の市川委員の代理として、副理事長兼事務局長の日詰様に御出席をいただいております。
以上、会場参加13名、オンライン参加8名となっております。
次に、本日の資料について御説明をいたします。本日の会議はペーパーレス開催とさせていただいております。資料については、机上のタブレットにございますので、そちらを御覧ください。また、傍聴の方は、厚生労働省及び文部科学省ホームページに資料を掲載しておりますので、そちらを御確認ください。
本日の資料は、議事次第に続きまして、資料1から3、そして参考資料1から3、以上の6点になります。資料が表示されないなど、御不明な点などございましたら、事務局にお声掛けください。
また、本日、オンラインで御出席の構成員の皆様へお願いでございます。カメラは通常はオンのままにしていただき、御発言の際にはZoomの「手を挙げる」機能の使用をお願いいたします。御発言時以外はマイクをミュートにするよう御協力ください。なお、通信障害などで不具合が発生した場合などは、事前にお伝えしております事務局の連絡先までお知らせください。
事務局からは以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
それでは早速、議題に入っていきたいと思います。本日議題は三つありまして、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画(第二期)の案についてです。それから、2番目が今後のスケジュールについて、そして3番目にその他という三つの議題がございます。
まず、議題1から議論をしていきたいと思います。第二期の案について、事務局から資料と議事の進行について御説明をお願いいたします。
【星川室長】 資料1について御説明をいたします。先日の第11回関係者協議会でいただいた御意見を踏まえまして修正したものが資料1となります。なお、第一期からの変更点は赤字で、前回から修正した箇所については赤字に黄色マーカーで表示をしております。修正の全体については、参考資料3に対照表の形でお示しをしております。
議事の進め方ですが、事務局から前回会議での御意見を受けての修正箇所について御説明をしまして、その後、意見交換を行うという形で進めていただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【中野座長】 ありがとうございました。それでは、意見交換を進めてまいりますが、より多くの構成員の方が御発言できるように、発言される際には、できるだけポイントを絞って簡潔に御発言いただきますよう、御協力をお願いいたします。
先ほど説明がありましたように、事務局から一括で説明をしていただいて、その後に議論をさせていただきます。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【星川室長】 それでは、修正箇所について御説明をさせていただきます。前回会議の議事録を確認しまして、改めて関係省庁で確認をさせていただき、修正に関する意見、そして今後に向けた御意見などを精査しまして、資料のとおり修正を行ったところでございます。なお、誤字、それから文言の整理、修正漏れなどもございましたので、そちらについては説明を割愛させていただきます。
それでは、全体を通して説明をさせていただきたいと思います。
まず、3ページ、1の「はじめに」の2ポツ、基本計画についての(4)基本計画の対象のところでございます。こちらは御意見として、「眼球使用が困難である身体障害者」という部分がございましたけれども、こちらについては身体障害者福祉法の定義に照らして考えると、単に「障害者」と記載した方が誤解がないのではないかという御意見をいただきました。事務局の方で確認をいたしまして、こちらは第一期基本計画からの変更となりますけれども、「身体障害」という文言を削除しまして、単に「眼球使用が困難である者」と修正をさせていただきました。理由としましては、下の注釈の※2のところで、マラケシュ条約における対象者の範囲を記載してございますので、単に「者」としましても対象の範囲が変わるものではないということが判断できますので、削除させていただくことといたしました。
続きまして、5ページを御覧ください。5ページの「はじめに」の3ポツ、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る意義と課題の注釈のところでございます。こちらも御意見としましては、注釈のアクセシブルな書籍の数は資料の種類ごとに記載をした方が実態を理解しやすいのではないかという御意見をいただいてございます。こちらにつきましては、注釈の※6になりますけれども、御意見を踏まえまして、全部を記載すると少し細かくなり過ぎてしまうということも考慮しまして、代表的なものを資料の種類別に記載をさせていただいたところでございます。
続きまして、資料の、こちらも、5ページ、「はじめに」の御意見の中で、「拡大図書」という言葉について、本文内では「大活字本」とか「大活字図書」といった言葉が同じように使われているけれども、行政の文書としては統一した用語を用いるのが適当ではないかという御意見がございました。また一方で、図書館では「拡大図書」という言葉は余り使わないというような御意見もございましたので、事務局で検討いただきたいという御意見をいただいたところでございます。こちらについても確認をいたしまして、「拡大図書」は法律で使われている用語でございますので、こちらを基本的に使うという形にしております。一方で、図書館での使用実態なども踏まえまして、「大活字本」といった用語については注釈として※7に説明を記載するということとしております。
続きまして、8ページを御覧ください。2の基本的な方針の2、アクセシブルな書籍等の量的拡充・質の向上のところでございます。こちらについては、アクセシブルな書籍等の製作を進めるということだけではなくて、オーディオブックだけでも既に数万点あるという状況もございますので、既存のライブラリーを活用するだけでも読書バリアフリーに貢献できるということについて言及してはどうかという御意見をいただきました。こちらについては、御意見を踏まえて、該当部分に既存の電子書籍販売サイト等の積極的な活用を進めるという旨の記載を追記したところでございます。
続きまして、少し飛びまして13ページを御覧ください。13ページの3の1ポツ、視覚障害者等による図書館の利用に係る体制の整備等の(3)その他のところでございます。こちらについては、17条の図書館サービス人材育成の関係でいただいた御意見ですけれども、公立図書館等に読書活動へのアクセシビリティ保障などを職務とする担当者を置くことが重要であるといったことが書けないか、また、公立図書館が域内の障害者サービスにおいて大事な役割を持つといった御意見をいただきました。17条でいただいた御意見ですけれども、図書館関係の御意見ということで、9条関係の新たに第二期で設けました(3)のその他というところに、公立図書館が地域における視覚障害者等の読書活動におけるアクセシビリティの向上に向けて、障害者サービスや支援技術に関し専門性を有する職員や、読書活動へのアクセシビリティ保障に関する担当者の配置を明示するなど、より積極的に関わることが期待されるという旨の記載をさせていただいているところでございます。
続きまして、その下にございますけれども、その他の二つ目のポツになります。「りんごの棚」の取組に関して、視覚障害者等だけではなくて、広く市民全体にお知らせすることを目的に進めているので、その点を説明に入れてもらいたいというような御意見がございました。御意見を踏まえまして、「視覚障害者等を含めて広く社会に」と追記をしたところでございます。
また、その下のポツでございますけれども、こちらは16条関係の御意見として出てきたところですが、端末機器の研究開発への支援に加えて、製作システムや製作機についての支援も必要である点についても考慮に入れてもらいたいという御意見をいただきました。こちらについては、点字図書館の関係と整理しまして、9条の(3)その他に、「点字図書を安定的かつ効率的に製作することが可能となるよう、製作現場に必要な運営支援を行う」旨を追記したところでございます。
続きまして、14ページを御覧ください。こちらは第10条関係のところでございます。国立国会図書館のサービスに関して、「みなサーチ」や「視覚障害者等用データ送信サービス」といった言葉が使われているので、違いについて説明するなど整理をしてはどうかという御意見をいただきました。再度確認をしましたところ、本文中の用語の使い方については問題はないと考えているところですが、各サービスの関係性が分かりにくいという御意見であることを踏まえまして、「視覚障害者用データ送信サービス」が最初に出てくる14ページの最初のところの該当箇所に注釈を追記しまして、視覚障害者等用データ送信サービスの利用窓口がみなサーチであるということを注釈として入れたところでございます。
続きまして、15ページにございます、3ポツ、特定書籍・特定電子書籍等の製作支援の(2)のところでございます。こちらについては事務局からの修正になります。(2)の一番下のところが全面黄色になっているのですけれども、こちらについては、第一期の計画では、現資料における2ポツ目が1ポツ目としてございまして、その下に実証調査についての記載があったのですが、前回お示しした案では、1ポツ目として実証調査についての記載を盛り込んだがために、1ポツ目と3ポツ目の内容に重複が生じているということがございました。そのため、今回二つの記載を整理して1ポツ目として入れたところでございます。新たな何かを追加したということではございませんが、少し大きめの修正でしたので、改めてこちらの方で御説明をさせていただきました。
続きまして、16ページ目でございます。4ポツ、アクセシブルな電子書籍等の販売等の促進等の(1)技術の進歩を適切に反映した規格等の普及の促進のところでございます。こちらの新しい技術というところで、国際標準規格であるアクセシブルなDRM、LCPについて脚注に記載がされていないのではないかという御意見がございましたので、注釈にISO規格、ISO/IEC23078について追記をさせていただきました。
少し飛びまして、続いて20ページを御覧ください。20ページの8ポツ、製作人材・図書館サービス人材の育成等のところでございます。こちら、(1)司書、司書教諭・学校司書、職員等の資質向上の部分ですが、ICTの研修や機器の整備についての記載が多くあるけれども、それを扱う職員については、まず障害がある人の気持ちに寄り添う視点を持つことが大切ではないかという御意見をいただいたところでございます。こちらにつきまして、御指摘を踏まえて、職員を対象とした研修の文章の中に「障害に関する理解」という文言を新たに追加したというところでございます。
続きまして、21ページでございます。21ページの(2)点訳者・音訳者、アクセシブルな電子データ製作者等の人材の確保と養成のところについての御意見です。ボランティアの高齢化や減少といった課題がある中で、ボランティアの交通費等の支援、それからボランティアのみに頼る製作体制について、第二期では積極的に検討することというような前向きな記載として盛り込むことはできないかといった御意見をいただきました。御意見を踏まえまして、前回お示しした案では「検討していく必要がある」と文末を書いていたのですけれども、今回は「製作環境の整備も含めて……検討する」ということで前向きな記載と修正をさせていただいたところでございます。
続きまして、22ページ、基本的な施策に関する指標でございます。こちらについては、複数の委員の先生方から、より代表的な指標とか、分かりにくい表記があるのではないかということがございましたので、多数御意見をいただいたところでございます。改めて担当省庁の方で確認をいたしまして、特段こちらの記載については修正は要しないのではないかということとさせていただいたところでございます。
続いて、最後、23ページ、「おわりに」のところでございます。こちらも御意見としましては、読書バリアフリー法の対象と、それから、図書館の障害者サービスにおける複製等に関するガイドラインの対象が異なっていることについての御意見、それから御議論があったと思います。また、ユニバーサルサービスを目指すべきといった御意見とか、将来的にいろいろな読書に障害のある方を対象に含むことを目指すのは国の目標としてあってもよいのではないかという御意見をいただきました。こちらにつきましては、前回も御説明のとおり、法律の記載を超えて基本計画の対象を広げるということは難しいところではございますけれども、「おわりに」では、図書館のガイドラインについて注釈を入れて紹介しまして、法で対象とされる方以外に様々な障壁がある人がいることの例示的な役割を持たせるということで、より広く対象を意識できるような記載としたところでございます。
私からの説明は以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。それでは、これから議論をさせていただきたいと思います。御発言を希望される方は、挙手若しくはマイクのミュートをオフにしていただいて声を出していただいて、司会の中野から指名されたら御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
では、宇野委員、小池委員の順番でお願いいたします。
【宇野委員】 前回の会議で、12条について、もう少し積極的にアクションプランにつながるような記載はできないものかと申し上げましたが、それについての検討はいかがだったのでしょうか。
【中野座長】 それでは、事務局への御質問だと思いますので、事務局より御回答をお願いします。
【星川室長】 事務局でございます。事務局の方で改めて確認の方はさせていただいたところですけれども、こちらの記載で進めたいということで書かせていただいているところでございます。御意見としては頂戴をしているところですので着実に進めてまいりたいとは思いますけれども、基本計画の記載としてはこの形で進めさせていただきたいと思っております。
【宇野委員】 この第二次基本計画案も法律の条文や第一次基本計画からそれほど大きくは変わっていません。第12条は本当は今年までの5年間で進めるべき条文だったと思います。2024年から民間企業による合理的配慮の提供も法律上の義務規定となりました。そう考えると、読書バリアフリー法の12条を具現化していくのは喫緊の課題であると思います。この文言では、ここから先の5年間で何ができるのか、何をやろうとしているのかが少し読み取りにくいように思います。実際に次の5年間でどういう計画をお考えでしょうか。
【中野座長】 それでは、経済産業省からお願いします。
【髙野係長】 経済産業省です。御意見ありがとうございます。今後の5年間でまずは電子書籍、アクセシブルな電子書籍をどう普及させるかというところを考えておりまして、そのためのガイドラインを今作っているところでございます。このガイドラインにつきましては、今年度、まず草案を作って、来年度完成させる。それに向けて業界に普及させていくというところを考えているところでございます。同時に、国内電子書籍の販売サイトへのアクセシブルなところとか、そういったところも改善していく。アクセシブルな電子書籍が買いやすい環境をどう作っていくかということを5年間で考えていきたいと考えております。
以上です。
【宇野委員】 電子書籍のガイドラインとは、販売する書籍のガイドラインを作成するということでしょうか。
【髙野係長】 おっしゃるとおりです。
【宇野委員】 中小出版社も含めてデータを販売していくには幾つか問題が残されていると思います。その問題を解決して、中小出版社でもデータ販売ができていく、という状態を目指すべきだと思います。電子書籍のガイドラインができた後、具体的に販売されるまでのプロセスが少し見えにくいように思います。
障害者団体へのヒアリングのときに、11条2項のアクションプランは出されていたと思います。しかし、12条については出されていませんでした。本当は電子書籍の販売と図書館への提供の全体像のようなグランドビジョンとなる森を描いて、そして木を1本ずつ立てていくという順序が求められていると思います。
ガイドラインを周知したとしても、学術文献図書のテキストデータの販売は、今の電子書籍のサイトでは難しいわけです。やはり最終理想像を描いて、一つずつ解決していくというプロセスが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
【髙野係長】 まず、テキストデータをダウンロードして販売するというところに関しては今、検討はしていないというところになります。そもそもテキストデータをダウンロードしてどういう使われ方がされるのか分からないという状態の中では、出版社さんが乗ってきづらいのではないかというところがあります。
専門書の電子データの提供については、出版業界の方で今後ワーキンググループを作るということはお聞きしていますので、そのワーキンググループの動きに合わせて、経済産業省としてもどういう支援ができるのかというところは考えていきたいと思っています。
【宇野委員】 テキストデータのダウンロードを考えていないということですが、第一次計画から、児童生徒や学生、研究者等が必要とする書籍については重要であることに留意するという記述がありました。学術文献図書は、読み上げだけではなく、どういう漢字が使われているかを確認したり、正確に引用したいというニーズがあります。つまり一次計画のときから、このような書籍は文芸書よりも一段上で留意して検討していこうというのは4年前に出ていたわけです。現段階においてテキストデータの販売を考えていないということは、電子書籍をどうやって点字にするのか、どうやって漢字の確認や引用をするのか、どのようにお考えでしょうか。
【中野座長】 では、植村委員、お願いいたします。
【植村座長代理】 経産省の方のプロジェクトの座長もさせていただいていますので、植村の方から少し補足と現状についてお話しさせていただければなと思います。
今の御指摘は17ページの(3)「出版社からの書籍購入者に対する電磁的記録等の提供の促進のための環境整備に関する検討への支援」についてかと思います。大学等で学生が教科書を購入した場合、そのテキストデータを出版社が提供し、特に点字等にする作業を促進しようということは、一部出版社が自主的に取り組んできたことです。ただし、これまで経産省のプロジェクトでは、これを大きくロードマップの中では書かれていなかったと思います。
これまでは多くの方が読みたいと思っている一般電子書籍を、購入して全てがTTSで読めるということをなるべく早く実現すべく、第1の目標にしてきました。これは経産省のロードマップで説明してきたところだと思います。多くの方がより多くの一般書を読めるように、という声が、アンケート等でも上がっていました。
一方、宇野先生が当初から指摘されていた教科書等の精度の求められるものの対応も、決して忘れていたわけではありません。ただ、その仕組みづくりが少し後手に回ったというんでしょうか、中小零細出版社が多いので、意見の取りまとめに時間が掛かったということは事実です。
今、専門書出版社と議論を始めているところです。私の想定以上に、多くの大学出版部、学術出版部、専門書出版社が要望に応えて提供していたという事実がありました。その辺の事実を整理して、専門書出版社の教科書等を購入した人に対するテキストの提供の在り方とかをなるべく早く整備したいと思っています。
既にABSCの中でワーキングを作りましたので、落合さんから、よろしければ補足していただければと思います。座長に、ここは1回お返しします。
【中野座長】 それでは、落合委員、お願いします。
【落合委員】 ABSCからお答えいたします。第1段階としましては一般書をなるべく早めに、今でもアマゾン辺りだとTTSには対応しているのですけれども、より多くの電子書店様に対応していただこうと動いているところです。一般書、エンターテインメント系のものは比較的早い段階でもう実現できるのではないかと思っております。
前回も言ったかもしれないのですが、出版物は本当に多様なので、整理の仕方としましては、出版物の後ろにCコードというのが付いているのですけれども、これの一桁目が対象者を規定しています。例えば、0番が一般書というような感じで、一般書、実用書、専門書、それで今の時代になぜか婦人用というのがあるのですけれども、ほかに学参。その学参が高校と小・中かという二つがあって、さらに児童書といったように、幾つか対象年齢、ターゲットが明確に分かれております。ですので、この一桁目を基にして書籍を分類しまして、専門書のチームを作っていく。そのワーキングが先日のABSCの管理委員会で正式に承認されましたので、その研究をしていきたいと思います。
TTSですぐに対応できるのは一般書ですけれども、今の段階ですと、そもそも専門書の電子書籍というのがPDFであったり、EPUBの固定レイアウトであったりですぐに読み上げができない形式なんですね。ですので、そうすると、やはりテキストデータを提供していく、もしかしたらPDFを提供していくということになると思うんですけれども、出版社にしてみると、テキストデータをそのまますぐに販売するということについては抵抗があるわけです。といって、ただで提供するのか、特定書籍を作るために提供するのかといったことも含めて研究をしていきたいと思っていまして、それを、ワーキングを正式に発足することになりまして、1月から動くことになりましたので、この場を借りて御報告したいと思います。
【宇野委員】 ありがとうございます。私も11条2項の借りる権利と12条の買う自由を両立させ持続可能な仕組みにしていくのはとても難しいと思います。前回も申し上げたとおり、電子書籍になって読める人と、音声読み上げが実現して読める人、テキストが手に入って読める、学習できるという三つの層があります。私は学校に籍を置いている関係もあり、学齢段階の第3のグループの学習保障や教育を受ける権利を保障することが喫緊の課題だと思っています。せいては事をし損ずるという側面もあろうかと思いますが、学術文献図書の重要性に留意するという、一次基本計画も意識し、是非次の5年間で加速していただきたいです。次の5年間は借りる権利だけではなく、学齢期における学術文献図書の買う自由を保障していただけるようお願いいたします。以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。今、ご説明があったように、現在、着々と進めているということでございますので、御理解をいただければと思います。
ほかに……、小池委員、同じ話題でしょうか。
【小池委員】 違う話です。
【中野座長】 では、小池委員、お願いします。
【小池委員】 ありがとうございます。前回お話しさせていただいた拡大図書について、先ほど御説明いただいて納得はしたところですけれども、注記のところに説明がありますように、「拡大図書」という言葉自体は法律用語として定着させているということで、ここからは基本的に変えないと。そこに含まれるものについては、ここにあるようにいわゆる写本の方といわゆる大活字と呼んでいるものの大きく二つがあるのだという認識を持っているという、そういう理解でよろしいわけですね。ここの拡大図書というものにはこういうものが含まれているのだということを今後も普及していく、説明していくという理解でよろしいでしょうかね。
【星川室長】 はい。
【小池委員】 ありがとうございます。
【中野座長】 今の御質問については、そのとおりであるということでございます。
ほかにいかがでしょうか。河村委員、お願いします。
【河村委員】 今の意見交換を聞いていても、やはり前回も申し上げたのと同じようなことなんですけれども、文科省が読書バリアフリー法の啓発リーフレットを作っておりまして、それには日本図書館協会も参加して作ったと記憶しているんですが、タイトルとしては、「誰もが読書をできる社会を目指して 読書のカタチを選べる「読書バリアフリー法」」というものが発行されております。これの中は明らかに、障害があってもなくても誰もがというふうに書いているんですね。つまり、かなり長期の目標として掲げて書いていると。
第一期のときは、第一段階だから、障害のある人たちをとにかく重点的に置いてということで理解はできるんですけれども、今、第二期で2030年までを展望して、今、読書に関する状況としては、前回申し上げましたように、日本語に通じない児童生徒に対する著作権法上の扱いを変えて、教科書バリアフリー法を改正して、これまで障害者だけが使えていた音声教材等を使えるようにしたという、障害以外への対応というのが一歩進んだと思うんです。
さらに、2020年の国勢調査で初めて分かった、全国にいる最終学歴が小学校卒の方、つまり、義務教育を完了していない方の数が80万人を超えていたという結果が出ていて、これらの方々を、学び直しも含めて、基本的に読めないわけですから、どのように社会的に包摂していくのかということが非常に重要な課題として、これは文科省が夜間中学校を各地に作って、とにかく受皿にしようという方針を出されていると思うんです。
同じく夜間中学校に関しては、特に障害としては認められてないですけれども、不登校の特に中学生については夜間中学でもって、もともと在籍している学校に行きたくなければ、夜間中学校でどうかという、フリースクールとともに打ち出すとか、必ずしも従来の障害という概念ではない、十分に読めない人たちというのが100万人単位で今申し上げた範囲ではいるわけですね。
これはものすごく大きな数で、読書というものが非常に大事なものであるという前提でこの読書バリアフリー法というのは成り立っていると思いますので、そこら辺を考えると、普通に買う本が読み上げができるというのは、大変重要な、その方々にとっての問題解決の手掛かりになるわけですね。
今後の5年間の計画の中に徹底して、これから出していく本はどんどん電子書籍化して、それが読み上げできるようなものになっていくんだという展望が欲しいわけなんです。そこがはっきり書き込まれていないというのは何とも残念だなと思う次第です。これは感想なんですけれども、何らかの形で、今申し上げました、文科省が読書バリアフリー法成立のときに出した啓発リーフレット、その中にははっきり書き込んでいるんですね。障害のある人もない人も、自分の読書の形が選べるようになる、そのための法律ですと。そのようなことがやはりどこかに明確に、次の5年の中でここまで行きますよというふうなことが見えてくるといいのではないのかなと思う次第です。
【中野座長】 御意見ということで賜らせていただきました。
ほかにいかがでしょうか。では、佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】 ありがとうございます。日本図書館協会の佐藤です。お世話になっております。今のテキストデータの話を私の方からも。例えばアマゾンのキンドルとかは、あの形で点字にすることもできるし、もちろん音声は出来ているわけですね。ですので、かなりのことができる形になっている。元はEPUBリフローだとは思うんですけれども、例えばEPUBリフローでも、全くのプレーンなものであればテキストデータの抽出もできるんですね。だけど、そうすると、やはり先ほどの不正利用の問題とか出てくると思います。
ですので、EPUBリフローの中でどういうふうにすれば、音声だけじゃなくて、点字なり文字の確認なりができるのかというところまでちゃんと研究すればできると思うんですね。つまり、そこの可能性というか、それはまさに今回の計画にも書いてあるように、例えばヨーロッパでやっているものの例とかでどこまでできているのか、どういうふうにやっているのかというのをもうちょっとちゃんと検証していただいて、宇野先生が言われていた、文字の確認までできるというところまで持っていけばいいので、そういう形で、不正コピーがされないけれども、障害者の方々は例えば字を確認したりもできるんだというようなものを作っていただければいいんじゃないかと思うので、そういう視点で検討を進めていっていただければと思います。これは意見です。すみません。
それから、全体的な、全部読んできたので、いろいろ、簡単なことから言わせていただきたいんですけれども、まず、これは簡単な文字の問題なんですが、大きな2番の基本的な方向性の3番ですけれども、視覚障害者等の障害者の「がい」の字が平仮名になっているので、直していただければと思います。いいでしょうか。テキストデータだけそうなっているんじゃないですよね、きっとね。
続いて、大きな3番で施策の方向性についてのところです。先ほど説明がありましたけれども、※21のいわゆるりんごの棚に関する部分ですけれども、広く社会の人たちにということを加えていただいて本当にありがとうございます。ここはそのお礼だけです。
それから、そこの中の次の、今の大きな3番の中の6番、端末機器などに関するところで、14条・15条関係と書いてあると思うんですけれども、大きな6番です。そこのところで、前回もお話ししたんですけれども、例の日常生活用具給付事業についてです。表現としては書き方で余り変更がなかったように記憶しているんですけれども、多分この書き方では、拡大しにくい、いや、しないだろうと思われます。
前回の委員会、ここの検討会での討議では、予算的に拡大しにくいというような回答をいただいていると記憶しているんですけれども、私の理解は、お金がないから給付しないんじゃなくて、各自治体のルールが、障害者を特定した形、また、給付年限や金額などが特定されている自治体のルール、特に障害の種類と等級を特定しているようなやり方の方に問題があるのではないかと私は理解しています。そこで、本当にお金がなくて、もう目一杯頑張っているけれども、お金が尽きちゃっているというのに近いような答弁をいただいたと思っているんですけれども、そうすると、このままでは全然増えないということになりますので、厚労省さんがもっとお金を付けようと思っていらっしゃるのか、それとも自治体にはもっと伸ばす余地があるのか。
そこで、今回のこの計画の文章ですけれども、大きな6番の丸3の部分に給付事業に関する部分があるわけですが、そこのところに、その文章はそのままでいいので、その後ろになお書きか何かに、例えば、給付に当たっては、従来の方法がその普及促進に障害になるような場合にはそうならないように留意するとか、何らかの追加の文書を入れていただけるといいのではないかなと。もっと別の言い方でも結構ですけれども、もうちょっと促進できるような言い方はないのかなと考えました。
次に、指標の話に行っちゃっていいですか。
【中野座長】 一旦、今のところで切っていただき、日常生活用具の御指摘に関して、厚生労働省から御回答お願いします。
【川部室長】 佐藤委員のところは、18ページの丸3の表現ということでよろしいですか。
【佐藤委員】 はい、そうです。
【川部室長】 今書いているのは、最終的には読書環境の整備を推進するというふうに給付を行うなどということで、地域生活支援事業のことは言及していません。ほかの計画とかも私、読ませてもらったんですけれども、基本的に補助事業とか予算に関わることは計画に書き込まないような暗黙のルールがあったので、地域生活支援事業という文言も書いていませんし、給付を行うなどということで国費が入るようなことがひも付けられるかどうか分かりませんが、給付を行うということは国の計画に書くということなので一般的には補助金に連動するという意味合いで、書けるのはここまでがぎりぎりかなという表現になっていますので、もしこれより何かほかに表現の仕方があれば御提案いただければ考えますが、今のところ私どもで見た感じではこれが目一杯かなと考えています。
【佐藤委員】 今の発言というか趣旨は分かりましたけれども、これだとやっぱり自治体に対して、従来の日常生活用具給付事業をちゃんとやりましょうねというふうに読めるんですね。このままでは自治体の方がより積極的に読書に困難のある人のためにやろうという感じにならないので、何かもうちょっと積極的な運用とか何らかの形で、従来の制度は不足しているんだということが分かるようにしていただけるといいんじゃないかなと思います。それでは、取りあえず意見として。
【川部室長】 意見は賜りました。
【中野座長】 意見として承ったという御回答いただきましたので、佐藤委員、引き続き質問をお願いします。
【佐藤委員】 ありがとうございます。指標について読ませていただいて、特に先ほどの説明で、内容を変更することはなかったというふうに聞きました。また、指標については、どういうところを根拠にこの指標が出ているかというのも資料を作っていただいて、ありがとうございます。既にやっている調査とか、すぐ数字が出る問題とか、その辺が分類をしていただいて、非常に分かりやすくなりました。
それで、まず9条関係では、やはり公立図書館と点字図書館についてのところなので、公立図書館の基本的な障害者サービスの実施を聞かないと、要は、資料や設備については聞かれているんですけれども、実際のサービスをやっているかどうかを指標にしないと非常に厳しいなと。分かりにくい。例えばですけれども、郵送・宅配などの、来館が困難な読書困難者のためのサービスの実施体制があり、かつ実績がある程度のことも、マル・バツ程度にしかならないんだけれども、実際そういう来館困難者のためのサービスを実施していて、実際に実績があるぐらいのことを何とか聞けないのかなと、そういうふうに思っているところです。
あと、ここの特に9条の公共図書館の話のサービスで言っておきたいことは、例えば郵送サービスとかそういうものって、全国3,000の図書館がやらなくてもいいんですよね。自治体単位で窓口がちゃんとあれば。自治体というのは1,600ぐらいでしたっけ、要は、自治体単位で窓口があればいいわけですよね。ですので、全3,200ぐらいの図書館が母数になるのでいいのかなというのもちょっと気になっていて、この辺の図書館数をベースにするかどうかというのはかなり考える必要があるのではないかと思っています。
それから次に、11条関係では、公共図書館や点字図書館の資料の製作の話のところですけれども、今、指標では11条2項の方の私たち資料製作者に対してのデータ提供についてが指標になっているところです。だけど、本当は、私どもがどのぐらい資料を製作しているのかなというのを示すべき1項の方が大事なのではないかと。「方が」という言い方がいいかどうか分かりませんが、1項も大事だと思うので、そのことが指標になっていないのはどうかなと思ったところです。
ただ、よく読んでみると先ほどの9条の方で、みなサーチとサピエに登録しているデータ数みたいなことは9条の方の指標としてなっていて、製作数がそこで分かるようになっているというのがよく見るとあります。ただし、みなサーチとサピエに登録している数が本当に製作の全てなのかなというのを考えると、実はかなりそこには差異があるので、この辺をどう考えればいいのかなというのは、この指標のところで思ったところです。だから、9条のところなのか、11条のところなのかというのもあると思います。
それから、続いて12条。これは12条関係の方はアクセシブルな電子書籍の刊行の話ですけれども、アクセシブルな電子書籍のところでは、実際どのくらいの数のアクセシブルな電子書籍が刊行されているかというのを指標にされていると書いてあると思うんですけれども、本当は数字だけじゃなくて、それが全体の何割、何%なのかという、全電子書籍の中で一体何十何%がアクセシブルなのかという、そこのところも大事なので、そこも併せて提示していただければと思います。
それから次に、第14条・16条関係というのが指標ではあります。もう一度また申し訳ないんだけれども、日常生活用具に関する部分がそこにはあるわけで、できれば給付の何らかの数値化ができないのかなと。例えば全体の金額なのか。ただ、情報機器に関してだけとやるのがなかなか難しいかもしれないので、これは可能性があればですけれども、私は、今ここで取り上げているのは、情報機器に関する給付について何らかの数値化ができれば進展の状況が見えるのかなと思うので、それも御検討いただきたいと思っています。
続いて、第17条関係、図書館の職員や点訳者・音訳者など資料製作者の問題です。これも前回お話しましたけれども、大学における司書教育についてどうやったら指標にできるかなとちょっと考えたんですけれども、それで、余り難しくない、取りやすい数値が必要だと思ったんです。そこで、例えば各大学における障害者サービスの授業時間をどのぐらいやっているか。例えば90分授業を15回やっている、2単位出している大学もあります。でも、大学によっては、図書館概論のような中の1こま90分をそれに充てているところもあるでしょう。だから、それは90分と書いていただいて、90分掛ける15回でやっているところはその時間で書いていただいて、そういう形で各大学がどのくらい司書講習なり司書の勉強の中で障害者サービスを扱っているかという、そのくらいの数値化はできるのではないかなと思いました。
以上です。
【中野座長】 ありがとうございます。今の指標に関しまして多岐にわたる御指摘をいただいたのですが、事務局の方でもし、すぐに回答できるところがあれば、御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【川部室長】 佐藤委員から、14条・16条関係で、地域生活支援事業と言われたんですが、自立支援振興室でICT機器の開発事業の予算がありまして、それは年間、予算の範囲で採択数を幾つかしてそれぞれ開発をしていますので、その国の補助金は、地域生活支援事業じゃない補助金の採択数と、あと、総務省の事業の採択数ということになっております。事実関係だけお伝えをしておきます。
【佐藤委員】 それは承知しています。
【星川室長】 事務局でございます。図書館関係で御指摘をいただきました、今、どの調査でどのデータが取れるのかというところの詳細が分かりませんので、確認はさせていただきますけれども、例えば今回9条関係で載せているのは社会教育調査をベースにしておりますので、そちらの方の項目で取れていないデータについては新たに取る形になりますので、それが実際取れるのかどうかということも確認が必要かと思っております。
また、最後にご指摘いただいた、例えば大学における状況、そういったものも、大学でどの程度協力を得られるのかということも含めて検討しないといけませんので、この場で、こういったことができそうです、と言うことは難しいかなと思っております。
また、そもそもの話にまた戻ってしまって恐縮なのですが、代表的な数値としてそれを載せるべきなのか、それとも、先ほどお話がございましたけれども、第12条関係のところでしょうか、登録数というよりも全体の割合で示した方がいいのではないかというお話もございましたので、そこは示し方をどういうふうにするのかということはまた別途御議論をいただければと考えているところでございます。
以上です。
【佐藤委員】 ありがとうございます。
【中野座長】 経済産業省からも、御回答をお願いします。
【髙野係長】 12条関係、全体の何%、割合をということなんですけれども、こちらはABSCさん、JPOのデータとかもいろいろ見ながら、出せるものは出していきたいなと思います。
【佐藤委員】 お願いします。
【中野座長】 野口委員、お願いします。
【野口委員】 今、佐藤委員が言われた17条関係のこの指標の件なんですけれども、実は私も同じことを考えておりました。これ、調査が、大学宛てに、文部科学省のどの部局なのか分からないんですけれども、司書・司書教諭の養成科目の中で読書バリアフリーに関する内容がどれくらい取り上げられているかという調査を確か、かけていたと思うんです。というのは、私が回答した記憶が実はありますので、何かその辺のデータをうまく活用できるのかなと思いましたので、御確認いただければと思います。
以上です。
【中野座長】 では、文部科学省、お願いします。
【毛利専門官】 文科省でございます。今、野口先生から御指摘いただきましたけれども、アドホックにそういった司書養成課程における障害者サービスの取扱いについて調査したことはございまして、結果としては92%が障害者サービスの内容を取り扱っているというような結果も出たところです。しかしながら、回答者負担など、いろいろなことを考えていかなければいけないので、なかなか毎年取るというのは難しい状況とは思っております。指標に含められないかとの御意見は、以前も他の委員の方から御指摘もいただいたことがありましたが、関係部署で検討したときに、これを毎年の指標として位置付けるのはちょっと難しいというような結論になっていたところです。
また、先ほど佐藤委員から御指摘いただいたような郵送サービスなど、各図書館でどのような障害者サービスを行っているかというサービスの状況については、文科省の調査となりますと、3年に一回の統計でかなり長期にわたって取っていく必要があるもので、項目の数等の厳選もしなければいけない状況にあり、抑制的に考えているものなのですが、全国公共図書館協議会さんが令和3年度にかなり細かく調べられていたり、その前は国立国会図書館さんが平成30年辺りに調べられていたり、それらの調査のように、かなり専門的な見地から捉えた調査なども把握しながら進捗というのは把握できるかとは思っておりますので、計画の中の指標に落とし込むというところは少し難しいかと思っておりますが、私どもはそういった調査、関係団体・機関の調査等も活用しながら、状況について行政説明等でも普及することはふだんより常にしているのですけれども、そういった形で進捗を把握・共有していくのがいいのかなとは事務局の中では思っていたところです。
すみません、以上でございます。
【中野座長】 ありがとうございました。これは前回も話がありましたように、ここに挙げている指標は定期的に取っていくというものです。今、御指摘があったようなアドホックに行われた調査等というのは都度取り上げていくということで御理解いただければと思います。
では、小池委員、お願いします。
【小池委員】 すみません、今の話題を少し考えたというか感想めいた話になってしまうのですけれども、今御説明にありましたように、調査をしてみたらば92%が何らか取り上げているという回答はあったということなのですけれども、そもそも科目の中にないもので、司書課程の話でいえば、恐らくやるとすれば図書館概論とか、サービス論とか概論とか、その辺りで取り上げられる。それも1時間が30分か分かりませんけれども、それが実態だとは何人かから聞いたことがあります。そうすると、92あるといっても、それは事実上さっと触れただけという、ここに書かれている理解というようなことに通ずるのかというのは少し疑問があるのかなと正直思うところです。
これは学校図書館の方でも話題になっているのだと思うんですけれども、図書館利用について、教員養成で学校図書館を使って、教員になるときに必ず1こまとか何かやったらいいのではないかというアイデアは語られるんだけれども、とてもとてもそこまでは多分難しいだろうというのと近い話だと思っています。
取りあえず障害者サービスと言いますけれども、すごく障害者サービスについて一つ集中的にやるとなると、実際の単位認定のところまで持っていくとなると、事実上かなり厳しいのだろうなと。しかし例えば取り上げる話題としては入れるけれども、その取り上げる内容について、もう少し標準化というのでしょうか、何かそういうことがされると、養成課程においての取り上げ方の質というな、そういうのが少しは出来てくるのではないかなとは思うところです。今回の計画の中で触れられるというところの中で、少し具体的な養成のところで何かされるとよろしいのではないかなと思ったところです。
今日の資料でいえば21ページのところにあるような、製作環境の整備も含め、人材の話、ここのところというのがやっぱり同じようにもう少し標準化というのかな、それが何か示せるといいのではないかなと思ったところです。具体的なことを今どうしようというのはないのですけれども、ちょっと発言させていただきます。
以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。是非参考にしていただければと思います。
ほかに御意見いかがでしょうか。それでは、宇野委員、河村委員、川崎委員の順番でお願いします。
【宇野委員】 アクセシブルな図書の紹介コーナーの※21の説明について2点あります。
1点目は些細なことと思われるかもしれませんが、とても重要な問題です。文中に「特別な配慮」という文言があります。この「特別な」という言葉ですが、私たちが今取り組んでいる問題は、果たして特別と位置付けてよいのでしょうか。国連障害者権利条約では、障害は、個人モデルや医学モデルから社会モデルや人権モデルへ変えていこうという流れです。それから、国際障害者年から、ノーマライゼーションということも、ずっと言われています。ノーマライズは、スペシャライズと逆です。ですから、特別という言葉で障害者や様々な媒体の図書をスペシャライズしていくのは、これからの共生社会やノーマライゼーションの進展を考える時よくないだろうと思っています。
ちょっと話がそれますが、私は特別支援教育や特別支援学校という言葉からも「特別」を省いた方がよいのではと思っています。世の中で障害者に対する偏見・差別をなくしていく上でもこのような特別視を助長するような表現は避けた方がいいと思っています。例えば大学入試センターも、以前は「特別措置」といっていましたが、今は「配慮申請」としています。厚労省のハローワークも「特別窓口」ではなく、「専門窓口」として、「特別」いう表現をなくしてきています。
もう一つは、アクセシブルな書籍の紹介コーナーの説明の中に「りんごの棚」という言葉が紹介されています。どちらが一般的に分かりやすいかというと、おそらくアクセシブルな書籍の紹介コーナーの方がピンとくると思います。「りんごの棚」という言葉を聞いて分かる人はまだ少ないと思います。ですから、りんごの棚という名称でアクセシブルな書籍を紹介することを推進している図書館が増えてきているというように、分かりやすさを重視した記述にした方がいいのではと感じました。
【中野座長】 御意見ありがとうございました。では、河村委員、お願いします。
【河村委員】 16ページの一番下の行に注の23がありまして、ここには前回私が繰り返し申し上げましたアクセシブルなDRMに関する記述として、ISO/IEC23078と書かれたんだと思うんですけれども、これですと、ほとんどの方が理解できないんじゃないかと思うんです。ISO/IEC23078を見ても恐らく、これがアクセシブルなDRMのことであって、実際に実装されているのはReadium LCPであり、それが例えばThoriumリーダーであれば対応してリーダーになっているというふうなところにつながっていく重要な技術なんですけれども、このISO/IEC23078だけだとほとんどそこにつながっていかないので、ここについてはアクセシブルなDRMに関する国際標準規格であるISO/IEC23078等を含むというふうな、これを少し冗長化していただいた方が次につながっていくのではないかと思います。せっかく書いていただいているので。それが1点でございます。
それから、もう一つこれの関連で申し上げますと、欧州のアクセシビリティ法の施行とともに、では、DRMをどうするのかということが、これまでは全くアクセシビリティを排除するDRMが当たり前だったところに、それでは、欧州アクセシビリティ法をクリアできないということで、アクセシブルなDRMというのを一斉に模索している状態だと思います。今年の夏ぐらいの段階で、ヨーロッパの出版社の中では5%ぐらい、このReadium LCPに対応しているところが出てきているという状況のようで、これはこれからどんどん増えていくんだと思うんです。
そういう意味で、ここには抽象的に「新たな技術」と書いてございますけれども、それが全体として、出版物そのものが出版と同時にアクセシブルである、アクセシビリティがどんどん高まっていくための技術という鍵になる技術がこの23のところに書かれているものであるというふうな理解がもうちょっと明確になるような書き方というのが可能であればしていただければと思います。
それと、これは先ほど来あります、出版社からテキストデータ等アクセシブルなデータを製作者に渡すときに全くプロテクトを掛けない状態というのは多分考えにくいというお話が最終的には出てくるのかなと思うんです。その場合にやはり有力な候補になるのはこのReadium LCPしか今のところないのではないかなと思いますので、そういった点でもかなり喫緊の調査研究が必要な項目であるのではないかと思います。
以上、意見です。
【中野座長】 ありがとうございました。修文案を一つと御意見をいただきました。御検討いただければと思います。
それでは、川崎委員、お願いします。
【川崎委員】 川崎です。まず、13ページの最後のところ、9条の最後のところに「製作現場に必要な運営支援を行う」ということで力強い言葉を入れていただきましたこと、ありがとうございます。私どももこれはこういった支援がないと、今後、私どもが製作をしている電子書籍・特定電子書籍の製作にもこれは大きく関わってくることでもございますので、これはいわゆる支援、企業の支援も含めてになりますので、これは厚労省だけの問題ではないかもしれませんけれども、ここは是非よろしくお願いしたいところです。
それと、11条に関わるワーキングチームを作っていただきまして、ありがとうございます。こちらは、データの授受に関することでこれから進んでいくことと思います。私どもは、データをただ頂くだけではなくて、私どもは特定電子書籍等を今まで製作してきた実績がございますので、様々なマニュアル等、この間も経産省の方へ提供させていただきましたけれども、そういったこともできますので、これと相乗効果で、12条の方も先ほどから懸念が随分出されておりますけれども、12条の方も進むように是非ともスピードアップさせていただければと思っております。これがないと、やはり私たちもただ製作するだけではなくて、本来であれば12条で製作されるものが、ちゃんとアクセシブルな電子書籍が販売されることが一番いいことだと思っておりますので、是非ここは読書バリアフリー法の肝でもありますから、よろしくお願いしたいと思います。
それと、最後の17条のところですけれども、我々が本当にずっと述べ続けていたことが、やっと「望ましい」から「検討する」になりました。これはもうボランティアに本当に頼ってきたことを、今後、関係者間でこういう協議をする場が本当に設置されて、本当にこれが進んでいくことによって、今までの努力が報われるといいますか、環境整備が整うのかなと思いますので、今行われているそのデータの授受に関するワーキングチームと共にこれもお願いできればと思います。
それと、日常生活用具の関係で先ほど御意見が出ておりましたけれども、現在、拡大読書器はおかげさまで視覚障害者の等級制限が撤廃されておりますが、その他の機器に関しては、ほとんどが1・2級の視覚障害に限っております。これはこの読書バリアフリー法の中でだけと言うことではないのかもしれませんけれども、やっぱりその他の障害の特性に応じてそれが柔軟に給付できるような形で、視覚障害に限らず、また、視覚障害の中でも3級から6級の中で必要とされる方に的確に給付ができるような道筋が出来るような形で、私どもが何とか監視ができるようなシステムといいますか、これは基本的には厚労省の方にお願いする形になると思うんですけれども、学校現場の方たちはまた学校現場から声を上げていただくとか、本当は本来であればまた当事者団体から声を出していただくとかということになると思いますけれども、是非これは心に留めておいていただければと思います。
以上です。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
オンラインから、日本オーディオブック協議会の上田委員から挙手がございますので、御発言をお願いしたいと思います。上田委員、お願いします。
【上田委員】 発言機会をいただきまして、ありがとうございます。
アクセシブルな書籍の量的拡充・質の向上のところで、電子書籍サービス等の積極的な活用を進めるというところを御記載いただきまして、ありがとうございます。ただ、オーディオブックに関しては、電子書籍とは定義が異なっているので、電子書籍サービスとだけ書くと、オーディオブックはそこから除かれるイメージがありますので、可能であれば、オーディオブック販売サイト及び、ないしは電子書籍販売サイト及びオーディオブック販売サイトみたいな形で並列するような形で御記載いただけるとありがたいなと思っております。
あと、オーディオブックは既に販売サイトで売っているもの以外に、図書館にもかなり卸し始めているんですけれども、やっぱり図書館側の導入の問題で一番大きいのは、再三申し上げているところですが、予算の問題というのが大きいですね。なので、量的拡充をしていくというところに関する障壁として、図書館サイドに関しては予算の問題がどうしても発生しているということは記載いただいた方がいいと思うんですね。なので、図書館及び点字図書館等の購入に関しては、予算が少ないことが問題になっているということで、それを補填するために政府ないし地方自治体からの補助金ないしは助成金の導入が望ましいというような具体的な方法まで突っ込んだ形でのコメント記載をいただければありがたいなと考えておりますが、いかがでしょうか。
【中野座長】 どうも御意見ありがとうございました。文科省の方から何か御回答ありますか。
【星川室長】 事務局でございます。御指摘いただきまして、ありがとうございます。予算の部分、どこまで書けるかということも含めまして、文言のことは改めて検討させていただきたいと思います。
以上です。
【上田委員】 ありがとうございます。
【中野座長】 ありがとうございました。
そのほか、よろしいでしょうか。近藤委員が手を挙げておられますね。近藤委員、お願いします。
【近藤委員】 ありがとうございます。近藤でございます。私からはまず、全体的に、これは当初の議論からなんですけれども、特に教育において、学校教育、それからあとは、入試とか職業生活とか進学とか資格取得とかそういうところを様々なところにしっかりと含めてくださってありがとうございます。
それから、これ全体いろいろなところに入れてくださっているのと、それから、ページで申しますと13ページのローマ数字3の1の(3)その他のところ、こちらにおいては、アクセシビリティ保障に関する担当者を配置するとかそういったところまで踏み込んだ記述を入れてくださって本当にありがとうございます。
教育に関しては様々なところで出てくるので、特に加えてくださったこの(3)の部分、ここでしっかり横串を刺しておきたいなと思いまして、もし可能であれば、(3)の「公立図書館等においては、地域における視覚障害者等の読書活動における」と続いていくんですけれども、この「地域における」というところを是非、「地域の学校教育や職業生活、地域生活等を支えるため」というふうに、あともう一度その他の場面のところに横串を刺すような念押しをしていただけると、このアクセシビリティ保障の担当者がまず第一歩として何を取り組んでいくのかということで、地域の様々な活動を意識しながら取り組んでいくんだなと分かるので大変ありがたいかなと思いました。
今、追加した部分については、これは何を指しているかというと、まさに、当初から加えていただいているローマ数字1の3の意義と課題のところの冒頭の「読書は」というところ、これ以降の一文、これをまさに指していると思いますので、例えば今の「地域の学校教育や職業生活、地域生活を支えるため」のところに、この1の3の意義と課題の冒頭の「読書は」というところの定義に戻るような示唆がいただけるとありがたいかなと思いました。
教育については、本当に大変重要なところと御認識いただいて、細部のことまで言及してたくさん書いてくださってありがとうございます。ここで是非、公立図書館の活動の中に横串が刺せればと思いますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
【中野座長】 近藤委員、ありがとうございました。修文案もいただきましたので、御検討いただきたいと思います。
そのほか、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、この辺りで議題1については終了させていただきたいと思います。今回改めていただいた御意見に関しましては、それぞれの省庁等でもう一度検討していただいた上まとめさせていただきたいと思います。
議題2に進みたいと思います。議題2は、今後のスケジュールについてでございます。今日の議論を含めて、基本計画(第二期)案に関する全体での協議を終了させていただいて、全体の整合性・取りまとめの作業に入っていく予定でございます。今後の進め方について、事務局より御説明をお願いしたいと思います。
【星川室長】 委員の皆様におかれましては、基本計画に関して活発な御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
資料2を御覧ください。資料2は第11回の本協議会でお示ししたものについて時点更新を行ったものでございます。本日お示しした基本計画(第二期)の案を清書して、また、本日いただいた御意見などを改めて検討させていただきまして、来年1月から2月頃にパブリックコメントを行いたいと思っております。パブリックコメントは1か月期間を設ける必要がございます。そちらで出された意見について、また関係省庁で対応・検討を協議いたしまして、できれば2月下旬頃に関係省庁等会議及び関係行政機関への協議を実施しまして、3月中に基本計画(第二期)を公表したいと考えているところでございます。
また、法第7条6項の規定によりまして、基本計画を策定した際には、遅滞なくこれをインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならないとされておりますので、速やかに公表を行うとともに、委員の皆様にはメールなどでお知らせをさせていただきたいと思っております。
また、今後、パブリックコメントでの御意見、それから省内決裁の過程、また、各省との協議等の過程で出た意見などについて、変更・修正等が生じる場合には、座長と御相談をさせていただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
【中野座長】 御説明ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明について、御質問、御意見等ございますでしょうか。宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 今日出された意見について、パブリックコメントの公表までにフィードバックというのはないんでしょうか。
【中野座長】 事務局、お願いいたします。
【星川室長】 本日、幾つか御意見が出ましたので、フィードバックの形を取らせていただきたいと思います。
【中野座長】 宇野委員、よろしいでしょうか。
【宇野委員】 はい。お願いいたします。
【中野座長】 今日の御意見を更に反映させられるものは反映して、もう一度皆さんところに修正案を流させていただきます。その後で、それぞれの、先ほど御説明があったようなスケジュールに基づいて、各省庁等に確認等を行いながら進めていきたいということでございますが、よろしいでしょうか。
三宅委員、お願いします。
【三宅委員】 日本視覚障害者団体連合の三宅です。パブリックコメントについて確認をさせてください。二つあります。
一つが、パブリックコメントの資料の提供方法はどのようにされるかということです。
もう一つが、回答方法についてどのような回答形式が用意されているかということで確認ためにお答えをお願いいたします。
以上です。
【中野座長】 では、事務局、お願いいたします。
【星川室長】 当然、視覚障害者の方含めて皆様に見ていただけるような形で、前回の第1期のときに倣い、誰にでも見られるような形で配慮した形で実施をしたいと考えております。
以上です。
【中野座長】 三宅委員、いかがでしょうか。今の御説明だと、単純にエクセルをPDFにして提示するというものではなく、アクセシビリティを配慮して資料は提示するし、なおかつ回答もアクセシビリティに配慮した方法で実施するということでございますが、三宅委員、よろしいでしょうか。
【三宅委員】 では、そのように是非お願いいたします。
【中野座長】 もし、第1回目のパブリックコメントのときの課題等がありましたら、事務局に、具体的な御提案をお寄せいただければと思いますので、よろしくお願いします。
それ以外いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、パブリックコメント等で更に審議しなければならないようなことが出てきたときには、座長の立場としてしっかりと事務局と連携をさせていただきながら進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。では、議題2は以上とさせていただきます。
最後、議題3、その他でございます。議題3のその他の一つ目は、基本的施策に関する進捗状況の確認についてでございます。事務局から資料と議事の進行について御説明をお願いいたします。
【星川室長】 資料3を御覧ください。前回会議において御説明をさせていただいたところでございますが、基本計画の進捗状況を確認する際の指標については、様々な御意見をいただいております。基本計画に記載する指標については定期的に把握可能な指標とする一方で、進捗状況の確認に有意な情報については、関係省庁等において必要に応じて実態調査を実施して把握に努める旨を御説明したところでございます。
今回そのような趣旨を踏まえて、基本計画に示した指標の示し方や、これ以外の項目についても個別に調査を行うべきといった御意見、などについて、その指標にぶら下がっている調査の名称や、現在把握できている数値、などについてまとめたものが資料3でございます。
先ほど佐藤委員はじめ御意見いただいているところでございますけれども、もしまたございましたら、この場で御意見をいただければと思っております。また、いただいた御意見に関しては、関係省庁等で改めて検討をさせていただきまして、可能なものについて、次年度の関係者協議会でお示しできればと考えております。
以上です。
【中野座長】 御説明ありがとうございました。それでは、今の件に関しまして、御意見等ありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【星川室長】 すみません、1点、事務局から補足させていただければと思います。13条関係のところ、マラケシュ条約に基づく視覚障害者等用データの国際交換サービスの輸出入データについて今二つ並んでいるのですけれども、上が国会図書館様の方から頂いたもので、下が厚労省様の方から頂いたデータになっているのですが、少しこの数値が合っていない状況になっておりますので、こちらについては事務局で精査をしまして、改めて御提示をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
【中野座長】 ありがとうございました。御意見等いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。特にないようでございますので、二つ目の議題に移りたいと思います。その他の二つ目は、特定書籍等の製作に関わるデータ提供の在り方についての検討ワーキンググループについてです。事務局より説明をお願いいたします。
【川部室長】 ワーキンググループの趣旨を振り返ってみますと、7年度から第11条の2項、出版社から特定書籍等製作者に対する書籍のデータを円滑に提供する仕組みを確立するための実証検証ということで、各省で予算取りをして実証検証事業を行うということを御報告させていただいたと記憶しております。
その実証検証に各省が入る前に、ワーキングチームを立ち上げて、主には出版社側、それから図書館側に事前に整理すべき事項について、予算を獲得した後、事業を回すに当たって、当然どういう事業をするかというのは仕様を作らなければいけませんので、その仕様のためのヒアリング等を行いました。9月18日に第1回のワーキングでヒアリング等を行いまして、今の時点でいいますと、仕様書のたたき台を作成中でございます。併せて、今、各省、今日は12月16日でございますので、ちょうど予算の折衝が最終段階でございます。各省、予算が取れたものがどういう形になったかというのと、改めてワーキングで頂いたデータの仕様書のたたき台を事務局の方でまとめていますので、次回等のこの会議でまた報告させていただければと思います。
以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。ただいまの御説明について何か御質問や御意見等ございますでしょうか。宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 前回申し上げましたが、構成員についてです。会議メンバーに図書館関係者として、全視情協と日図協が入っています。しかし学校図書館関係や大学図書館関係が少し手薄という気がします。前回、学校図書館関係者として野口委員に入っていただいたらどうかという意見を申し上げました。本当は大学図書館関係者にも入っていただいた方がいいと思います。メンバーは前回提示があったものから変わっていないのでしょうか。
【中野座長】 事務局、お願いいたします。
【川部室長】 そうですね、特にそこは変更を加えていません。
【宇野委員】 図書館へのデータ提供は、公共図書館のみならず、学校図書館や大学図書館にとっても重要になってくると思いますが、いかがでしょうか。
【中野座長】 今確認をしておりますので、少々お待ちください。
【川部室長】 御意見いただきましたので、事務局でそこは検討してまいりたいと思います。
【星川室長】 文部科学省でございます。現状、初年度については公立図書館を対象として考えておりますので、そのような形でメンバーは人選されているところでございます。将来的に、増やせませんという話ではないかと思いますので、進捗状況を踏まえて検討してまいりたいと思います。
以上です。
【中野座長】 宇野委員、よろしいでしょうか。
当初から必要に応じて、委員のメンバーではなくてもヒアリングを実施するというようなお話はあったかと思いますので、それぞれ必要な時期になったら、メンバーに入れていただくか、若しくはヒアリングをしていただきながら、先ほど御指摘があった大学図書館等の意見も集約できるように進めていただければと思います。
そのほかいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それではそろそろ、時間も大分経過しておりますので、この辺りで、議題に上がっていた三つの観点での議論は終わらせていただきたいと思います。
本日予定していた議事は以上の三つの点でございましたので、これにて終了となります。
最後に、事務局より一言お願いしたいと思います。
【中園課長】 担当課長の中園でございます。前回、そして今回と長時間にわたりまして活発な御議論をいただきまして、大変ありがとうございました。これまでの皆様の御協力に深く感謝申し上げます。
基本計画案につきましては、いただいた御意見を踏まえまして、座長と御相談しながら、議題2で申し上げたとおりの進め方にて調整をしてまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【中野座長】 どうもありがとうございました。今回を含め、12回に渡って、委員の皆さまと議論を繰り返させていただいて、段々に議論も集約され、内容も少しずつ充実してきたのではないかと思います。
私も大学図書館等と一緒にアクセシブルな書籍の製作を担当しておりますし、研究室では、ボランティアとしても製作を行っております。製作を行い、子供たちや学生たちにアクセシブルな書籍等を提供したり、これらの書籍を使って指導したりしている立場からすると、まだまだ足りない点も多いと思っております。ただ、読書バリアフリー環境をいきなり充実させることはできないので、少しずつでも歩を進めていくことが大切だと思います。なお、アクセシブルな書籍等を製作している立場からすると、今回の施策がスタートしたことでかなり活動しやすくなったことは大きな成果だと思います。
個々一人一人の障害のある人たちが自分のアクセスしたい方式で、読みたい書籍にアクセスできるような状況を、ここに参集した全ての者が目指していると思いますので、それぞれの立場でできることを更に進めながら、読書バリアフリー法の理念を実現していけるように力を集結することができるといいなと思っております。今後も引き続き御協力をお願いしたいと思います。
それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
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