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2026年3月27日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第11回議事録
日時
令和8年3月27日 13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、赤沢 学委員、木﨑 孝委員、大寺 祥佑委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、後藤 温委員、野口 晴子委員、能登 真一委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、福田 敬専門委員、朝野 和典専門委員、岩田 敏専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
梅木医療技術評価推進室長 他
議題
○ パキロビッドパックに係る追加分析について
議事
○費用対効果評価専門組織委員長
では、パキロビッドパックについて御議論を始めたいと思います。
公的分析による追加分析結果が提出されておりますので、費用対効果評価案の策定について、先生方に御議論いただきたいと思います。
まずは、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、まず、本品目に関わる公的分析の再分析結果に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者 入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、パキロビッドパックの総合的評価について御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
それでは、始めてください。
○意見陳述者
意見陳述者の〇〇です。本日は、ニルマトレビル・リトナビルに係る意見陳述の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
陳述時間短縮のため、口頭では製品名をラゲブリオ、パキロビッド等を用いて陳述したいと思います。よろしくお願いします。
では、2枚目をお願いします。
本日お伝えしたいことです。まず、お伝えしたいのは、当評価において合意されている比較対照技術は標準治療ではなくラゲブリオです。パキロビッドのラゲブリオに対する追加的有用性は、ラゲブリオとの評価で評価するべきです。
今後、PANORAMIC試験が公表されたとしても比較対照は標準治療です。最低でもラゲブリオのPANORAMICとパキロビッドのPANORAMICで間接比較をしない限り、パキロビッドのPANORAMICのみでは追加的有用性は評価できないと考えております。
2ポツ目です。公的分析は、こちらをSRと書いていますが、追加のハンドサーチで新たに特定された2報のRCTは、1報がデルタ株期のものであるEPIC-SR、もう一報が、他剤のもの、すなわちラゲブリオのPANORAMIC試験のフォローアップ研究であり、当評価を1年中断する前と状況が何も変わっていません。かつ公的分析による追加分析の結果で引用されているパキロビッドのPANORAMIC試験の結果は『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌には、まだ公開されておらず、関係者のみが閲覧できる海外大学のリポジトリにて公開されているのみです。
したがって、公的分析も正式なルートとしては、現時点では、恐らくこれしか閲覧できていないと考えられ、仮にその場合は、アブストラクトのみの内容をもって、その結果を公的分析報告書に記載することは適切ではないような気がしています。
続いて3ポツ目、中医協の分析ガイドラインでは、SRの結果は適切なものが存在しない場合、アウトカムを比較した非RCT(観察研究等)のSRを実施し、追加的有用性を評価すると記載されております。
パキロビッドには、ラゲブリオに対して有意性を示した観察研究のネットワークメタですとか、メタアナリシスが存在します。
4ポツ目、HTAを値づけや償還のときに用いている主要国、例えば、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアにおいて、ラゲブリオの位置づけがパキロビッドより高い国は存在しません。
以上のことから、パキロビッドはラゲブリオに対して追加的有用性が示されているとし、費用効果分析の結果によってパキロビッドの費用対効果の良否を評価すべきであると考えています。
3枚目をお願いします。
分析枠組みと企業分析の結果です。ここでお伝えしたいのは、下半分の企業が2023年に提出した結果ではなくて、あくまで合意されている分析枠組みにおける比較対照技術は標準治療ではなく、ラゲブリオということをお伝えしたいと思います。
4枚目をお願いします。
公的分析のハンドサーチの追加の結果、EPIC-SRという研究が新たに特定されました。これは、重症化リスク因子を有するワクチン接種済み患者もしくは重症化リスクを有さないワクチン未接種患者を対象にした、デルタ期に実施されたRCTです。
今回の公的の追加分析の記載をそのまま引用すると、既にデルタ株流行下におけるワクチン接種者には、パキロビッドの症状期間短縮効果が観察されていないと記載されています。
当スライドは、EPIC-HRとSRの統合した結果でして、現在、論文投稿中です。
当結果によると、①番、EPIC-HRにおいてベースラインでCOVID-19の血清を有していた患者群、言わばワクチン接種者と近いと考えられる集団。
そして、②番、EPIC-HRにおいて、ベースラインでCOVID-19の血清を有していた患者とEPIC-SRにおけるワクチン接種者を統合した群において、パキロビッドは標準治療と比較して有意に、COVID-19による入院割合と全死亡割合を減少させたことが示されています。
公的分析のレポートでは、このデルタ期のEPIC-SRも追加的有用性の有無の判断材料の1つになっているかのような記載ぶりでしたので、当スライドを我々から提示しましたが、我々はデルタ期のデータで追加的有用性の有無を主張するつもりはございません。
5枚目をお願いします。
こちらは、冒頭でも話したとおり、追加的有用性に関する中医協ガイドラインです。ここは、適切なものが存在しない場合、アウトカムを比較した非RCTのSRを実施し、追加的有用性を評価するとなっています。
PANORAMICが正式に公開されていない今、適切なものが存在しない場合としては、まさしく今の状況が当てはまるのではないかと思います。
6枚目をお願いします。
こちらは、前回もお見せしましたが、パキロビッドとラゲブリオを含む集団を比較した間接研究のNMAや/メタアナリシスが数報報告されています。全てオミクロン株優勢期以降でワクチン接種者を含む集団が対象です。
一番上は、2024年の試験というか、ネットワークメタアナリシスで、39研究が組み込まれています。パキロビッド群のハザードレシオは、ラゲブリオ群よりも有意に低かったと。
2つ目の試験も、こちらは、メタアナリシスですけれども、パキロビッドは、COVID-19関連入院・死亡リスク、それぞれ21から92及び1から61%著しく低減させたとなっております。
7ページ目を御覧ください。
こちらは、英国NICEにおけるパキロビッドとラゲブリオの推奨に関する最新の状況です。
公的分析の再分析報告書時点では、2025年5月が最新の更新でしたが、現時点では、パキロビッド、ラゲブリオともに、2026年2月のものが最新です。パキロビッドに関しては、2026年2月の更新では、糖尿病、肥満、心不全の患者、70歳以上の高齢者に対する推奨が削除されています。
一方で、依然として、赤字に記載している、最も高い重症化リスク因子を有する集団においては、平均的な治療効果のシナリオ及び低い治療効果のシナリオの両方で、2万ポンド/QALYを下回ると、すなわち、パキロビッドは最高リスク群において費用対効果を維持しているため、本推奨は、いまだ、NICEでは継続されています。
一方、ラゲブリオは、右側の紫のところですけれども、パキロビッドが禁忌及び不耐用の患者にしか推奨されておらず、さらに製造販売業者自身が、軽症から中等症のCOVID-19患者で、重症化リスクが高く、パキロビッドが使用できない場合、ラゲブリオを地域医療の環境下のみで使用するように要請しています。
パキロビッドに関しては、パキロビッドのPANORAMICが正式に公表されても、この推奨は変わらないと言われています。なぜなら、PANORAMICの患者集団と、スライドに記載している最も高い重症化リスクを有する患者では、患者集団がそもそも違うからです。ですので、イギリスでは、もちろん未定ではありますけれども、この推奨が継続されるということが言われております。
8枚目です。
この傾向は、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアでも同様であり、ラゲブリオの位置づけがパキロビッドより高い国は存在しません。むしろ、これらの全ての国でパキロビッドは処方可能ですが、フランス、ドイツ、カナダでは、ラゲブリオを処方することができないという状況です。
日本では、現時点では、オミクロン株期のデータで観察比較を実施している中で、データがないから追加的有用性が示されていない、ニアリーイコール、追加的有用性がないような評価をしようとしていますが、これが本当にグローバルスタンダードな方法なのかも含めて、しっかり議論いただきたいと思っております。
9枚目をお願いします。最後のスライドです。
最後になりますが、パキロビッドの追加的有用性が認められ、費用最小化分析ではなく、費用効果分析で、たとえ評価することになったとしても、パキロビッドにとってよい結果が出るとは、私は、実は思っていません。なぜなら、現時点でパキロビッドは、ラゲブリオよりも薬価が●●%高いからです。なぜなら、ラゲブリオが先に費用対効果評価で薬価が下げられているからです。
ただ、データはないイコール、データが示されていない、イコール、追加的有用性がなしは、パキロビッドのグローバルにおける評価と比較して、許容することは難しいのかなと考えております。
パキロビッドのPANORAMICはまもなく公表される予定であり、少なくともそれが公表されてから、その内容も踏まえて評価していただくことを強く要望したいと。
製造販売業者からは以上です。御清聴いただきまして、ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
委員の方から御質問等ございますでしょうか。
いかがでしょうか。よろしければ、それでは、これで質疑応答を終了したいと思います。
企業の方は御退室ください。どうもお疲れさまでした。
(意見陳述者 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議論に先立ちまして、企業から公的分析について御意見がございましたが、科学院様から何か御意見等ございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。科学院です。
企業側が御主張されるとおり、海外において、ラゲブリオよりパキロビッドのほうが位置づけとして高いということは、そのとおりかと理解しています。ただし、PANORAMIC試験の結果を見ますと、パキロビッドと標準治療は差がないという状況でありますので、ラゲブリオのほうが、効果があろうがなかろうが、少なくともパキロビッドが優れているということは、PANORAMIC試験の結果からは言えないのではないかなと考えているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
なお、御議論に当たっては、企業分析結果と公的分析の再分析結果のどちらがより科学的により確からしいかを相対的に評価することを踏まえて御議論を進めていただきますよう、お願い申し上げます。
論点は、費用最小化分析の実施についてでありますけれども、いかがでしょうか、臨床の先生から御意見をいただきたいと思うのですが、○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
前回の議論も踏まえて、今回があると思うのですけれども、PANORAMIC試験のデータがある程度、アブストラクトだけでも分かるようになったということで、その結果をもって判断するというのが前回の議論だと思いますので、基本的には公的分析の結果のとおりで、費用対効果の分析としては問題ないかなと思います。
ただ、こういったパキロビッド、ラゲブリオ、あるいはゾコーバも含めて、新型コロナウイルス感染症に使う薬、実際、現在も特に重症化しやすい方とかにも使われているところで、費用対効果分析は、これでいいのかなという思いはございます。実際、費用対効果分析の結果がこうなったとしても、実際の臨床上の新型コロナウイルスに対するお薬の位置づけというか、重要性というのは現在も変わらないのかなと、将来的にまた新たな変異株等も出現する可能性もありますし、実際は、今、そういうことも踏まえて臨床の中でも使われていると認識しております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
事務局さん、○○先生は御欠席でしたでしょうか。
○事務局
○○先生は御欠席と、失礼しました、いらっしゃいます。
○○○委員
すみません、今、○○先生のおっしゃったとおり、臨床的に考えれば、費用対効果分析がどうであれ、使わざるを得ないというか、使うお薬であるということは全くそのとおりだと思っております。
また、最近の論文では、ゾコーバと比べても、ウイルスの減少量も非常に早かったという、抗ウイルス学的な作用というのも報告されておりますので、使うと、でも、どの人に使うかは、やはり、PANORAMIC試験をもう少し詳細に解析いたしまして、どの集団に使うべきかというのは、臨床的な考え方を持っていくべきかと思っております。
そこに書いてありますように、現在、かなりコロナの疫学が変わってまいりまして、コロナウイルスの感染症について、今、定点に移行しておりますが、冬のピークがほとんどなくなってしまいまして、西日本に関しては冬になくなって、夏だけになって、今、沖縄は今から上がり始めて、多分、7月の初めぐらいにピークが来るのではないかと思うのですけれども、そういう疫学的な、今まで二峰性だったのが変わってきたということ、そして、患者数もピークを比べていくと、最初の定点報告のあった頃の10分の1ぐらいまで患者数が減ってきていると、それは、多分、受診していないからだろうということもあるのですけれども、やはり、下水サーベイランスを見ても患者数は、やはり減ってきているということで、コロナ自体が非常にこのワクチン、あるいは既感染者が増えることで、コロナそのものも、今、社会的には抑制されているという状況になってきております。
ただし、○○先生のおっしゃったように、新たな変異株が出たら、また、大きな波が来る可能性はありますので、やはり抗ウイルス薬の使用というのは、重要なことではないかなと思っております。
また、実際に使われているかどうかということも調べてみましたところ、アメリカのほうではMMWRといってCDCのレターのほうで、約30%の人が抗ウイルス薬を使われて、主には、それは、パキロビッドであるというようなことが書いてありまして、アメリカでは高く17万円ですけれども、それをどうやって使っているのかなというのは、少し気になるのですけれども、恐らく政府の補助が、ある一定の人たちに入っているから使っているのだろうなと思います。
一方で、日本はどうかというと、日本でもエムスリーというサイトでアンケートを取られまして、重症リスクのある人は、やはり30%ぐらいお使いになっている。恐らくは、ゾコーバが一番安いので、ゾコーバが圧倒的に多数使われていると思いますが、一方で、全くリスクのない人でも、やはり8%、10%弱使われているということで、このような使い方が本当に適切なのかどうかということも含めて、もう少し臨床側は考えなければならないなと思っておりますが、私も、まとめますと、やはり○○先生のおっしゃるとおり、費用対効果分析は、パキロビッドのPANORAMIC試験のアブストラクト段階で、既に全体として見れば、短期的な効果は認められないということですので、今後、恐らく長期的なもの、3か月、6か月のデータとかも公表されると思いますので、そういうものを参考にしながら臨床では使っていきたいと思っております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の先生方、御意見いかがでしょうか。
今までの先生方の意見書と、あと今の御説明を踏まえると、基本的には、公的分析の追加分析結果を支持するという形で異論はないのかなと思います。そういう形でまとめさせていただきたいと思っております。
それでは、議決に入らせていただきますが、その前に、○○委員におかれましては、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議決に入らせていただきます。
○○委員を除く先生方の御意見を参考に、パキロビッドパックに関する費用対効果については、公的分析による追加分析結果を費用対効果評価案として決定するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、以上の追加分析結果を費用対効果評価案として中医協に報告いたします。
なお、内示及び中医協に提出する資料に関しては、委員長に一任いただくということで、こちらもよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
では、パキロビッドパックについて御議論を始めたいと思います。
公的分析による追加分析結果が提出されておりますので、費用対効果評価案の策定について、先生方に御議論いただきたいと思います。
まずは、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、まず、本品目に関わる公的分析の再分析結果に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者 入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、パキロビッドパックの総合的評価について御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
それでは、始めてください。
○意見陳述者
意見陳述者の〇〇です。本日は、ニルマトレビル・リトナビルに係る意見陳述の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
陳述時間短縮のため、口頭では製品名をラゲブリオ、パキロビッド等を用いて陳述したいと思います。よろしくお願いします。
では、2枚目をお願いします。
本日お伝えしたいことです。まず、お伝えしたいのは、当評価において合意されている比較対照技術は標準治療ではなくラゲブリオです。パキロビッドのラゲブリオに対する追加的有用性は、ラゲブリオとの評価で評価するべきです。
今後、PANORAMIC試験が公表されたとしても比較対照は標準治療です。最低でもラゲブリオのPANORAMICとパキロビッドのPANORAMICで間接比較をしない限り、パキロビッドのPANORAMICのみでは追加的有用性は評価できないと考えております。
2ポツ目です。公的分析は、こちらをSRと書いていますが、追加のハンドサーチで新たに特定された2報のRCTは、1報がデルタ株期のものであるEPIC-SR、もう一報が、他剤のもの、すなわちラゲブリオのPANORAMIC試験のフォローアップ研究であり、当評価を1年中断する前と状況が何も変わっていません。かつ公的分析による追加分析の結果で引用されているパキロビッドのPANORAMIC試験の結果は『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌には、まだ公開されておらず、関係者のみが閲覧できる海外大学のリポジトリにて公開されているのみです。
したがって、公的分析も正式なルートとしては、現時点では、恐らくこれしか閲覧できていないと考えられ、仮にその場合は、アブストラクトのみの内容をもって、その結果を公的分析報告書に記載することは適切ではないような気がしています。
続いて3ポツ目、中医協の分析ガイドラインでは、SRの結果は適切なものが存在しない場合、アウトカムを比較した非RCT(観察研究等)のSRを実施し、追加的有用性を評価すると記載されております。
パキロビッドには、ラゲブリオに対して有意性を示した観察研究のネットワークメタですとか、メタアナリシスが存在します。
4ポツ目、HTAを値づけや償還のときに用いている主要国、例えば、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアにおいて、ラゲブリオの位置づけがパキロビッドより高い国は存在しません。
以上のことから、パキロビッドはラゲブリオに対して追加的有用性が示されているとし、費用効果分析の結果によってパキロビッドの費用対効果の良否を評価すべきであると考えています。
3枚目をお願いします。
分析枠組みと企業分析の結果です。ここでお伝えしたいのは、下半分の企業が2023年に提出した結果ではなくて、あくまで合意されている分析枠組みにおける比較対照技術は標準治療ではなく、ラゲブリオということをお伝えしたいと思います。
4枚目をお願いします。
公的分析のハンドサーチの追加の結果、EPIC-SRという研究が新たに特定されました。これは、重症化リスク因子を有するワクチン接種済み患者もしくは重症化リスクを有さないワクチン未接種患者を対象にした、デルタ期に実施されたRCTです。
今回の公的の追加分析の記載をそのまま引用すると、既にデルタ株流行下におけるワクチン接種者には、パキロビッドの症状期間短縮効果が観察されていないと記載されています。
当スライドは、EPIC-HRとSRの統合した結果でして、現在、論文投稿中です。
当結果によると、①番、EPIC-HRにおいてベースラインでCOVID-19の血清を有していた患者群、言わばワクチン接種者と近いと考えられる集団。
そして、②番、EPIC-HRにおいて、ベースラインでCOVID-19の血清を有していた患者とEPIC-SRにおけるワクチン接種者を統合した群において、パキロビッドは標準治療と比較して有意に、COVID-19による入院割合と全死亡割合を減少させたことが示されています。
公的分析のレポートでは、このデルタ期のEPIC-SRも追加的有用性の有無の判断材料の1つになっているかのような記載ぶりでしたので、当スライドを我々から提示しましたが、我々はデルタ期のデータで追加的有用性の有無を主張するつもりはございません。
5枚目をお願いします。
こちらは、冒頭でも話したとおり、追加的有用性に関する中医協ガイドラインです。ここは、適切なものが存在しない場合、アウトカムを比較した非RCTのSRを実施し、追加的有用性を評価するとなっています。
PANORAMICが正式に公開されていない今、適切なものが存在しない場合としては、まさしく今の状況が当てはまるのではないかと思います。
6枚目をお願いします。
こちらは、前回もお見せしましたが、パキロビッドとラゲブリオを含む集団を比較した間接研究のNMAや/メタアナリシスが数報報告されています。全てオミクロン株優勢期以降でワクチン接種者を含む集団が対象です。
一番上は、2024年の試験というか、ネットワークメタアナリシスで、39研究が組み込まれています。パキロビッド群のハザードレシオは、ラゲブリオ群よりも有意に低かったと。
2つ目の試験も、こちらは、メタアナリシスですけれども、パキロビッドは、COVID-19関連入院・死亡リスク、それぞれ21から92及び1から61%著しく低減させたとなっております。
7ページ目を御覧ください。
こちらは、英国NICEにおけるパキロビッドとラゲブリオの推奨に関する最新の状況です。
公的分析の再分析報告書時点では、2025年5月が最新の更新でしたが、現時点では、パキロビッド、ラゲブリオともに、2026年2月のものが最新です。パキロビッドに関しては、2026年2月の更新では、糖尿病、肥満、心不全の患者、70歳以上の高齢者に対する推奨が削除されています。
一方で、依然として、赤字に記載している、最も高い重症化リスク因子を有する集団においては、平均的な治療効果のシナリオ及び低い治療効果のシナリオの両方で、2万ポンド/QALYを下回ると、すなわち、パキロビッドは最高リスク群において費用対効果を維持しているため、本推奨は、いまだ、NICEでは継続されています。
一方、ラゲブリオは、右側の紫のところですけれども、パキロビッドが禁忌及び不耐用の患者にしか推奨されておらず、さらに製造販売業者自身が、軽症から中等症のCOVID-19患者で、重症化リスクが高く、パキロビッドが使用できない場合、ラゲブリオを地域医療の環境下のみで使用するように要請しています。
パキロビッドに関しては、パキロビッドのPANORAMICが正式に公表されても、この推奨は変わらないと言われています。なぜなら、PANORAMICの患者集団と、スライドに記載している最も高い重症化リスクを有する患者では、患者集団がそもそも違うからです。ですので、イギリスでは、もちろん未定ではありますけれども、この推奨が継続されるということが言われております。
8枚目です。
この傾向は、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアでも同様であり、ラゲブリオの位置づけがパキロビッドより高い国は存在しません。むしろ、これらの全ての国でパキロビッドは処方可能ですが、フランス、ドイツ、カナダでは、ラゲブリオを処方することができないという状況です。
日本では、現時点では、オミクロン株期のデータで観察比較を実施している中で、データがないから追加的有用性が示されていない、ニアリーイコール、追加的有用性がないような評価をしようとしていますが、これが本当にグローバルスタンダードな方法なのかも含めて、しっかり議論いただきたいと思っております。
9枚目をお願いします。最後のスライドです。
最後になりますが、パキロビッドの追加的有用性が認められ、費用最小化分析ではなく、費用効果分析で、たとえ評価することになったとしても、パキロビッドにとってよい結果が出るとは、私は、実は思っていません。なぜなら、現時点でパキロビッドは、ラゲブリオよりも薬価が●●%高いからです。なぜなら、ラゲブリオが先に費用対効果評価で薬価が下げられているからです。
ただ、データはないイコール、データが示されていない、イコール、追加的有用性がなしは、パキロビッドのグローバルにおける評価と比較して、許容することは難しいのかなと考えております。
パキロビッドのPANORAMICはまもなく公表される予定であり、少なくともそれが公表されてから、その内容も踏まえて評価していただくことを強く要望したいと。
製造販売業者からは以上です。御清聴いただきまして、ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
委員の方から御質問等ございますでしょうか。
いかがでしょうか。よろしければ、それでは、これで質疑応答を終了したいと思います。
企業の方は御退室ください。どうもお疲れさまでした。
(意見陳述者 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議論に先立ちまして、企業から公的分析について御意見がございましたが、科学院様から何か御意見等ございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。科学院です。
企業側が御主張されるとおり、海外において、ラゲブリオよりパキロビッドのほうが位置づけとして高いということは、そのとおりかと理解しています。ただし、PANORAMIC試験の結果を見ますと、パキロビッドと標準治療は差がないという状況でありますので、ラゲブリオのほうが、効果があろうがなかろうが、少なくともパキロビッドが優れているということは、PANORAMIC試験の結果からは言えないのではないかなと考えているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
なお、御議論に当たっては、企業分析結果と公的分析の再分析結果のどちらがより科学的により確からしいかを相対的に評価することを踏まえて御議論を進めていただきますよう、お願い申し上げます。
論点は、費用最小化分析の実施についてでありますけれども、いかがでしょうか、臨床の先生から御意見をいただきたいと思うのですが、○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
前回の議論も踏まえて、今回があると思うのですけれども、PANORAMIC試験のデータがある程度、アブストラクトだけでも分かるようになったということで、その結果をもって判断するというのが前回の議論だと思いますので、基本的には公的分析の結果のとおりで、費用対効果の分析としては問題ないかなと思います。
ただ、こういったパキロビッド、ラゲブリオ、あるいはゾコーバも含めて、新型コロナウイルス感染症に使う薬、実際、現在も特に重症化しやすい方とかにも使われているところで、費用対効果分析は、これでいいのかなという思いはございます。実際、費用対効果分析の結果がこうなったとしても、実際の臨床上の新型コロナウイルスに対するお薬の位置づけというか、重要性というのは現在も変わらないのかなと、将来的にまた新たな変異株等も出現する可能性もありますし、実際は、今、そういうことも踏まえて臨床の中でも使われていると認識しております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
事務局さん、○○先生は御欠席でしたでしょうか。
○事務局
○○先生は御欠席と、失礼しました、いらっしゃいます。
○○○委員
すみません、今、○○先生のおっしゃったとおり、臨床的に考えれば、費用対効果分析がどうであれ、使わざるを得ないというか、使うお薬であるということは全くそのとおりだと思っております。
また、最近の論文では、ゾコーバと比べても、ウイルスの減少量も非常に早かったという、抗ウイルス学的な作用というのも報告されておりますので、使うと、でも、どの人に使うかは、やはり、PANORAMIC試験をもう少し詳細に解析いたしまして、どの集団に使うべきかというのは、臨床的な考え方を持っていくべきかと思っております。
そこに書いてありますように、現在、かなりコロナの疫学が変わってまいりまして、コロナウイルスの感染症について、今、定点に移行しておりますが、冬のピークがほとんどなくなってしまいまして、西日本に関しては冬になくなって、夏だけになって、今、沖縄は今から上がり始めて、多分、7月の初めぐらいにピークが来るのではないかと思うのですけれども、そういう疫学的な、今まで二峰性だったのが変わってきたということ、そして、患者数もピークを比べていくと、最初の定点報告のあった頃の10分の1ぐらいまで患者数が減ってきていると、それは、多分、受診していないからだろうということもあるのですけれども、やはり、下水サーベイランスを見ても患者数は、やはり減ってきているということで、コロナ自体が非常にこのワクチン、あるいは既感染者が増えることで、コロナそのものも、今、社会的には抑制されているという状況になってきております。
ただし、○○先生のおっしゃったように、新たな変異株が出たら、また、大きな波が来る可能性はありますので、やはり抗ウイルス薬の使用というのは、重要なことではないかなと思っております。
また、実際に使われているかどうかということも調べてみましたところ、アメリカのほうではMMWRといってCDCのレターのほうで、約30%の人が抗ウイルス薬を使われて、主には、それは、パキロビッドであるというようなことが書いてありまして、アメリカでは高く17万円ですけれども、それをどうやって使っているのかなというのは、少し気になるのですけれども、恐らく政府の補助が、ある一定の人たちに入っているから使っているのだろうなと思います。
一方で、日本はどうかというと、日本でもエムスリーというサイトでアンケートを取られまして、重症リスクのある人は、やはり30%ぐらいお使いになっている。恐らくは、ゾコーバが一番安いので、ゾコーバが圧倒的に多数使われていると思いますが、一方で、全くリスクのない人でも、やはり8%、10%弱使われているということで、このような使い方が本当に適切なのかどうかということも含めて、もう少し臨床側は考えなければならないなと思っておりますが、私も、まとめますと、やはり○○先生のおっしゃるとおり、費用対効果分析は、パキロビッドのPANORAMIC試験のアブストラクト段階で、既に全体として見れば、短期的な効果は認められないということですので、今後、恐らく長期的なもの、3か月、6か月のデータとかも公表されると思いますので、そういうものを参考にしながら臨床では使っていきたいと思っております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の先生方、御意見いかがでしょうか。
今までの先生方の意見書と、あと今の御説明を踏まえると、基本的には、公的分析の追加分析結果を支持するという形で異論はないのかなと思います。そういう形でまとめさせていただきたいと思っております。
それでは、議決に入らせていただきますが、その前に、○○委員におかれましては、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議決に入らせていただきます。
○○委員を除く先生方の御意見を参考に、パキロビッドパックに関する費用対効果については、公的分析による追加分析結果を費用対効果評価案として決定するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、以上の追加分析結果を費用対効果評価案として中医協に報告いたします。
なお、内示及び中医協に提出する資料に関しては、委員長に一任いただくということで、こちらもよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。

