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2026年3月27日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第11回議事録
日時
令和8年3月27日 13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、赤沢 学委員、木﨑 孝委員、大寺 祥佑委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、後藤 温委員、野口 晴子委員、能登 真一委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、福田 敬専門委員、岡本 渉専門委員、鳥海 弥寿雄専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
梅木医療技術評価推進室長 他
議題
○ トロデルビ点滴静注に係る総合的評価について
議事
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、早速、トロデルビ点滴静注について、公的分析による再分析結果が提出されておりますので、公的分析からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容及び公的分析による再分析結果の審査並びに費用対効果評価案の策定について、先生方に御議論をいただきたいと思います。
まずは、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、まず、本品目に関わる公的分析の再分析結果に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者 入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、トロデルビ点滴静注の総合的評価について御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
それでは、始めてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。
では、意見陳述者の〇〇から説明させていただきます。
資料の2ページ目を御覧ください。
サマリーになっております。
まず、1点目、公的分析の結果と企業分析の結果につきましては、ICERの差が生じております。そちらは、QOLの値から生じているということでございます。
2点目、QOL値は、両群の平均値より、治療群ごとのほうが適切であると考えております。
その根拠として、以下、5点示しております。
まず、2-1から2-3、こちらが治療群ごとのQOL値(PFS)が適切であるという根拠を示しています。
2-1、本剤群は、有意に高い奏効率を示し、PFS期間は腫瘍縮小を維持しております。
2-2、本剤群の高い奏効率は、QLQ-C30のQOL改善と関連しております。
2-3、腫瘍縮小がQOL値を改善する前提は、ロイドらのQOL予測モデルと合致し、日本人データとも一貫しているということから、このPFSが適切であると考えております。
続いて、治療群ごとのQOL値(PD)が適切であるという根拠を1点、2-4、本剤群は、PFS期間中の奏効に伴う使用量減少により、PD移行時点では全身状態がTreatment of Physician's Choice、TPCより良好と解釈できる点でございます。
最後に、両群の平均値が適切でない根拠として1点、2-5、両群の平均QOL値は、状態の悪いTPC群脱落例の影響を無視し、TPC群のQOL値を過大評価していると考えるためでございます。
では、各論について御紹介いたします。スライド3の説明をさせていただきます。
こちらの表は、公的分析と企業分析のアプローチの違いを示しております。
まず、1列目、QOL値設定方法でございます。公的分析のほうは、企業提示の推計値を用い、各健康状態は両群の平均QOL値を採用しております。
一方、企業分析では、ASCENT試験由来のQLQ-C30をEQ-5Dへマッピング及び多変量解析を実施しております。その各健康状態は、治療群ごとのQOL値を採用しております。
2列目、アプローチ選択理由、公的分析では、同じ健康状態に異なるQOL値を設定することは適切ではないとされております。
一方、企業では、ASCENT試験由来の本剤のQOL値が統計的に有意に高く、高い奏効率及び腫瘍縮小による症状緩和という臨床的なメカニズムが、その結果を裏づけていると考えたためでございます。
この相違によって、下から2番目、増分効果に差が生じ、結果としてICERにも差が生じているということでございます。
続きまして、スライドを4御覧ください。
ここから3点は、治療群ごとのQOL値(PFS)が適切である根拠を示しております。
まず、図1を御覧いただきたいと思います。ASCENT試験のITT解析において、本剤群SGはTPC、Treatment of Physician’s Choice群と比較して、統計的に有意かつ臨床的に意義のある高い客観的奏効率を示しております。ORは10.99という数字でございました。
本剤群の多くの患者さんは、単にがんが大きくならないだけでなく、がんが小さくなっている状態でPFS期間を過ごしていることを示しております。
結果としまして、ブルーのところですけれども、本剤群のPFSは高い奏効率に基づく使用縮小を伴う期間でありまして、TPC群の状態とは質的に異なると考えております。
続きまして、スライド5枚目です。
ASCENT試験の結果、EORTC QLQ-C30を用いた混合効果モデルによる解析では、本剤群SGではTPC群と比較して、Global health status/QOL、身体機能、疲労及び痛みの要素において、統計的に有意かつ臨床的意義のある改善を示しております。
図2及び図3を御覧いただきたいと思います。
ASCENT試験のサブグループ解析より、奏効患者の身体機能、役割機能が悪化するまでの期間は、非奏効患者に比べて長いことが示唆されております。
こちらのブルーのラインが奏効患者、赤いラインが非奏効患者ということでございます。
ブルーのラインですけれども、本剤群の奏効率の高さがQOLに与える影響は、このQLQ-C30を用いたPROによって客観的に示されていると考えております。
続きまして、スライド6でございます。
表の1を御覧いただきたいと思います。ロイドらで示された転移性乳がんQOL値の予測モデルにおいて、治療における奏効をトリートメントレスポンス、一番上の列、ステーブルの状態よりもQOL値が0.075高く設定されており、そのQOL値は高いほうから奏効、安定・維持、進行という中に明確化されております。
続いて表2を御覧ください。この転移性乳がんのQOL予測モデルを検証したイワタニらの報告では、実際の日本人患者の測定値と比較した平均誤差が赤字のところで、マイナス0.1055であり、日本人患者のQOL値予測においても、このモデルが有用であると結論づけております。
続きまして、スライド7でございます。
こちらは、治療群ごとのQOL値(PD)が適切である根拠になります。ASCENT試験の結果から、本剤群はTPC群と比べて高い奏効率を示しております。
また、PD状態に移行した場合にも、その腫瘍負荷が縮小した状態から再び進行が始まると想定されております。
よって、PD状態で本剤群がTPC群と比べてよいQOL値が維持されることは、臨床的に解釈可能な仮説であり、少なくとも同一のQOL値ではないと示唆されております。
また、NICEの報告書においても、英国の主要な医療センターの複数の臨床専門医も、ASCENT試験の結果から得られたHRQOLデータに基づき、PD状態において本剤群がTPC群よりも高いQOLを示すことが臨床的に妥当であると同意しております。
その根拠として、本剤額がTPC群よりも多くの患者で腫瘍径が縮小していることが挙げられております。
結論としまして、ブルーのラインですけれども、本剤群はPFSの高い奏効により、TPC群よりもPDでの腫瘍負荷が少なく、全身状態が良好であるため、PDでもQOL上のメリットが持続すると想定されます。
続きまして、スライド8でございます。
こちらが、両群の平均QOL値が適切でない根拠を示しております。
ASCENT試験の結果から、TPC群は本剤群に比べ、治療期間が著しく短く、多くの患者が試験から脱落しております。実際の治療期間中央値は、本剤群が4.4か月、TPC群が1.0から1.6か月、脱落率は、本剤が11.7%、TPC群が30.2%となっております。
TPC群のベースラインデータを用いた事後解析結果から、TPC群の脱落患者は非脱落患者に比べて、QOLスコアが悪化していると想定されます。
解析対象は、TPC群でベースラインデータが利用可能な脱落患者62名及び非脱落患者183名、Global health statusの平均値は、脱落患者が50.0に対して非脱落患者が58.1、PFSの中央値も、脱落患者43日に対して非脱落患者が79日という違いがございます。
最後、ブルーのラインですけれども、ASCENT試験のTPC群のQOLデータ欠損は、病状悪化による早期脱落に起因すると想定されるものであり、平均QOL値を両群に用いることは、TPC群のQOL値を過大評価するバイアスを生じさせるのではないかと考えております。
最後、スライド9でございます。
こちらはサマリーを再掲しております。今回の分析では、ICERの差はQOL値から生じております。そのQOL値は、両群の平均値を用いるという結果より、治療群ごとのほうが適切ではないかという点を御紹介いたしました。
それで、治療群ごとのQOL値、PFSが適切である根拠として2-1から3、治療群ごとQOL値、PDが適切である根拠として2-4、両群の平均QOL値が適切でない根拠として2-5を説明させていただきました。
以上でございます。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、委員の方々から御質問等ございますでしょうか。
○○先生、お願いいたします。
○○○委員
ありがとうございます。○○病院の○○と申します。
1点目は確認ですが、企業様が使われましたQOL値は、エリブリン群だけを抽出して評価しているということでよろしかったですか。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
今回は、Treatment of Physician‘s Choice群ということで、エリブリンを含む5つの製剤が含まれたものでございます。そのエリブリンが半数以上の患者さんが使われていたということでございます。
○○○委員
分かりました。
もう一点は、QOLをマッピングされたということですが、これは個票に基づいてマッピングをされたのでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。個票に基づくマッピングをされていると私は理解しているのですけれども、確定した御回答ができずに、申し訳ないです。
○○○委員
承知しました。
もし個票に基づいたマッピング解析ができるということであれば、群分けも可能という理解でよろしいでしょうか。群分けと言いますのは、TPC群を治療毎に群分けをし直すということも可能ということでよろしいでしょうか。
○意見陳述者
技術的には可能だとは思っております。
○○○委員
承知しました。ありがとうございます。
私からは以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、いかがでしょうか。
では、○○委員、お願いします。
○○○委員
御説明ありがとうございました。
先ほどの○○先生の質問と重なるのですが、TPC群のQOL値については、半数以上にエリブリンが投与されていたためTPC群全体のQOL値と設定して、これまで分析されてきたということですね。
一方で、御社は同じ健康状態であっても、本剤とエリブリンの治療方法によってQOL値が変わるという説明をされていますが、このTPC群の中でエリブリンがほかの治療とQOLが異なるのか、異ならないのかというところについて、特に説明がないのですが、TPCは全てエリブリンと同じQOL値を取ると判断された説明をいただけると助かるのですが、いかがでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
そちらに関しましては、具体的にエリブリンとほかの製剤に違いがあるかどうかという点のデータは、グローバルでも出していなかったという状況でございます。実際に、他剤の中ではエリブリンが比較的良好な(通信途切れる)。
○事務局
厚生労働省事務局です。すみません、通信のトラブルがありまして、一時中断させていただいてもよろしいですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、少しお待ちください。よろしくお願いいたします。
○事務局
申し訳ありません。よろしくお願いします。
○費用対効果評価専門組織委員長
お待たせいたしました。このまま進めさせていただきます。
では、○○委員、御発言をお願いします。
○○○委員
ありがとうございます。
両群間で異なるQOLの重みが用いられた件での御質問なのですけれども、費用対効果では公的分析で述べられましたように、同一の健康状態に対しては、同じ重みが使われるということが原則だと思うのですね。
それで、御社の企業分析のほうの健康状態的には、PFSとPDと死亡の3ステートしかモデル化されていないわけです。ですので、腫瘍の縮小というのがQOLを変えるということであれば、腫瘍が縮小するまでの時間というところで、そこも健康状態として、本来であればモデル化した上で、同じユーティリティーウェートを使うというのが本来の解析ではなかったかと思います。
ですので、そのようにされずに腫瘍縮小というのを健康状態のほうで考慮せずに、重みのところだけで群間の重みを変えることで考慮されたというのは、何か特別な理由があったのでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
基本的には○○先生のおっしゃるとおりなのかなと思っております。それで、これは、あくまでグローバルベースのモデルでやっているところですので、基本的には、抗がん剤を使用されるパーティションドサバイバルモデルの3状態のモデルを使うことがベースなのかなと思っていまして、逆にこのモデルを変更することの妥当性の評価というのがなかなか難しいのかなと考えて、このモデルを採用されたのかなと思っております。
その中で、この1状態の1ステート中の患者さんのステートを変えるというよりも、ここに入っている患者さんの状態が、トロデルビ群とTPC群で違うのではないかというところの観点で、QOL値を同一にするとなると、なかなか臨床的な説明がつかないのではないかというような観点で、今回QOLを違う値というもので計上させていただいたと理解しております。
○○○委員
ありがとうございます。
これは、すみません、公的分析に対しての質問でもあるので、後でもいいのですけれども、そのヘルス状態を増悪の前と後でしか分割できないというのは、何かルールがあるのでしょうか、それなりに理由があれば、もう少し細かな群分けでもよかったのではないかと思うのですけれども、アカデミックな論文等では、もう少し詳細な群分けでやられている費用対効果の分析もありますので、ですので、そこがはっきりとルール化されているのでしょうか、もしよかったら、意見陳述者のほうで答えていただければと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
いかがでしょうか、今までそちらのほうで、そのような議論があったら、それを踏まえた範疇でのお話で結構なのですが、いかがでしょうか。
○○先生、その件は、後で皆さんとお話ししたいと思いますが。
○○○委員
分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
意見陳述者さんのほうは、よろしいですね。
○意見陳述者
大丈夫でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、先生方は、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、これで意見聴取、質疑応答を終了させていただきたいと思います。企業の方は御退席ください。お疲れさまでした。
○意見陳述者
ありがとうございました。失礼いたします。
(意見陳述者 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議論に先立ちまして、企業から公的分析について御意見がございましたので、科学院から何か御意見等がございましたら、お願いいたします。先ほどの○○委員の御質問についても御回答いただけるのでしたら、お願いいたします。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
科学院の見解ですけれども、まず、企業側の1番と4番と5番というのが、臨床的な観点からの見解かなと理解しておりますけれども、必ずしもQOLに差がつくことを強く否定するものではないのですが、この1、4、5に伴う臨床的な改善というのは、2番のQLQ-C30のQOL改善をして評価されているのだと、我々は理解しているところです。
しかし、QLQ-C30というのは、いわゆるプロファイル型の尺度であって、EQ-5D等のPBM、選考に基づく尺度とは異なるものであり、EQ-5Dのスコアとしては、直接的には測定されていないということになります。
このQLQ-C30からEQ-5Dへのスコアの改善として、いわゆるマッピングという手法が用いられているのですが、このマッピングについては、非常に不確実性が大きい手法だと理解しておりまして、差があることを否定するものではないのですが、十分な根拠とは考えられないのではないかと考えております。
また、イギリスのNICEにおきましても、PD後、こちらについては差がつくということが必ずしも妥当ではないのではないかという議論がなされているところです。
また、3点目、予測モデルの話ですが、こちらロイドらの評価というのは、いわゆるビニエット法、仮想的なシナリオに基づいて評価する方法に基づいて算出されているものでありまして、これの予測モデルというのは、なかなか難しいのではないかと考えております。
○○先生がおっしゃっていたようなモデル上の問題ですけれども、近年、多くの研究は個票レベルの、ペイシェントレベルのデータを用いるために、Progression Free SurvivalとPDの2状態あるいは死亡を含めた3状態で評価するというのが一般的なのですけれども、モデルの組み立て方によっては、PD、寛解状態ですとか、そういうものを組み込んで、そのステートごとに応じたQOL値を設定することも可能であり、そういう研究も存在していると考えています。
科学院からは以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
この段階で、もし、○○先生、今の御説明に対してコメントがあれば、お願いいたします。
○○○委員
ありがとうございます。
ですので、許容されないわけではないということですね、腫瘍縮小により明らかなQOLの改善があるという根拠があるのであれば、健康状態のほうもそちらを考慮に入れたモデリングをしていただくほうが、より正解に近かったと理解しているのですが、それでよろしいでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
そのようなモデルで設定していただくと、健康状態の差異のようなものは評価できると考えているところです。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
なお、御議論に当たっては、企業分析結果と公的分析の再分析結果のどちらがより科学的により確からしいかを相対的に評価することを踏まえて御議論を進めていただきますよう、お願い申し上げます。
○事務局
○○先生、すみません、1点、こちらから補足をさせていただいて、よろしかったでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ、お願いします。
○事務局
委員の意見書のほうで、私、1か所お伝えするのを失念しておりまして、各論点における分析結果についてということで、本剤のQOL値について論点に挙がっていると考えますが、本件については、公的分析の見解を支持する方が9名、企業分析を支持する方が1名でございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
補足ありがとうございました。
では、議論に戻らせていただきますが、論点は、QOL値の取扱いについてということであります。先生方、御議論をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
御専門の先生に少しお話を伺いたいと思います。臨床的な意義とか、考え方が大変重要な視点かと思いますが、○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
○○でございます。
QOLを数値化して評価するというのは、1つ、すごくいい取組かなと思うのですけれども、群分けの仕方が必ずしもフェアではない部分があるようにも感じられまして、単純に比較していいのかどうか、そして、ほかの皆さんも感じておられるかもしれませんけれども、腫瘍が大きくなっても、PDになっても、Quality Of Lifeがいいというのが、現場といたしましては、ちょっと臨床的にどういう感じなのかなというところが分からないところであります。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
○○です。
先ほど、企業側の1票は、私なのかなと思うのですけれども、治験ですので、腫瘍が収縮して最も小さい腫瘍径から2割の増大がPDと判断されますので、ベストレスポンスの縮小効果がかなり高いということであれば、PDになったときの全身状態はよくなっている可能性があるという見解は、一定の理解ができるかなと、私自身は考えました。
ただ、エリブリンとそれ以外の治療をTPCとして一緒くたに評価しているということに関しては、これは、○○先生のほうが各薬剤の治療効果の違いをよく御存じかもしれませんが、エリブリンがよいほうに引っ張る可能性はあり得るのかなと考えましたので、5割いて、個票レベルで見られるのであれば、その辺りの解析もできるのかなという印象を持ちました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、何か追加でコメントはございますか、今の件も含めて。
○○○委員
ほかの抗がん剤に比べると、エリブリンは、割と患者さんの評価はいいというか、Quality Of Lifeはいいほうだと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
今の臨床のお立場の御意見も踏まえながら、その他の先生方から御意見、御質問等があれば、お願いいたします。
○○委員、どうぞ。
○○○委員
私は、意見というか、質問というか、教えていただきたいのですけれども、例えば、同じステータスであっても、抗がん剤の副作用の発現が強いものだったりすると、その同じステータスの中で、例えば、副作用の発現率とか、それによって低下するみたいな形で補正とかをやっているモデルもあるかと思うのですけれども、今回の中では、例えば、PFSの段階で、それは同じ値ですけれども、その縮小効果、つまり縮小の度合いによって、何か段階的に上がりますよとか、そういうことでエビデンスがあれば、値が違ってもいいのかなと思うのですけれども、ただ、今回は、ばっさりと縮小するから値がいいのだ、みたいな大ざっぱな説明なので、そうすると何となく理解できないかなと思うのですけれども、その辺はどうなのでしょうか、方法論的にそういうことができるのかどうか、ちょっと教えてください。QOLの専門家がいっぱいいるので教えてください。
○費用対効果評価専門組織委員長
方法論の話ですけれども、先に科学院さん、もし、何か今の件でコメントがあったらお願いしてもいいですか。
○国立保健医療科学院
もちろん副作用の頻度と、それで低下するQOLの値が分かっていれば、それを差し引いて評価するということは可能だと思います。
○○○委員
同じロジックで腫瘍が落ちる、例えばどのくらいいい人が何%いるから、その分は何%上げますよということもできなくはないということですね。
○国立保健医療科学院
はい、原理的にはできなくもないと思いますが、いろいろなデータ上の制約等はあるかと。
○○○委員
ただ、今の話でいうと、やはり腫瘍効果が大きい、改善がでかくて、その分だけいいよというのであれば、では、どのくらいの改善があるからQOL値がどう変化するみたいなことがない限りは、何となく理解しづらいなと思いました。
これはコメントです。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の先生方、いかがでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
分析モデルの上では、恐らく1つのステートでも、評価対象群と比較対照群のQOL値を変えることは、恐らく可能ではないかなと思っているところです。
それで、しっかりとしたQOLが測定されているならば、違うQOLを使ってもいいのかなという気はしているというところです。
それで、それがしっかりとした測定かどうかというところなのですけれど、マッピングも少し議論はあるかと思うのですけれども、メーカーの使ったアルゴリズムは、多分それなりにしっかりとしたアルゴリズムかなという印象を持っているのですけれども、ただ、測定した対象者が、RCTで群分けされた方たちが等しく測定されているわけではなさそうなので、その辺が問題かなという気はしていると、そういうところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
貴重な御意見をありがとうございます。
科学院さん、今の○○委員のお話に関して、何か追加でコメントはございますか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
マッピング式については、恐らく海外で作成されたものをつくってマッピングしているのではないかと考えていて、また、なかなかそこの部分の国内の値との差異もあるのかなと、そういう点で非常に限定的なのかなと考えています。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他いかがでしょうか。
どうぞ、○○委員、お願いします。
○○○委員
状態によってモデルをもう少し細かくするというところに関しては、本当に私も同意見なのですけれども、実際にそのモデルが妥当なのかどうなのかというところの議論は、また別なのかなという気はしています。
また、別の視点なのですけれども、今回QOLの扱い方に関しては、公的分析は基本的に企業分析のマッピング多可変量解析によって、QOL値を評価することは合意した上で、状態の中で薬剤ごとによってQOL値が変わるのがおかしいだろうということで、算出されたQOL値の薬剤間の平均値をPFS及びPDのQOL値と設定しています。ここで疑問は平均値を取るというところの意義、解釈が難しいのではないかと思っていて、仮に企業分析の多変量解析を認めているなら、群の効果だけ除いたモデルで検討すれば、健康状態によって治療法によらないQOLを推定できたりもしますが、単に平均値を選択したことの理由について教えていただければと思います。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
理論上、先生のおっしゃるとおりかなと思うのですけれども、なるべく企業が出してきた値を使いたいというのと、簡易に推計したいという観点から、そのような対応をしていただいたという次第です。
○○○委員
企業側に追加の解析や検討をしてもらう必要はないということですか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
値を多少ずらしても、あるいは企業モデルをそのまま受け入れても、ICERの値として、■■ しているところですので、先生方に御議論いただくような意思決定としては変わらないのではないかなと考えています。
○○○委員
最終的な区分そのものは変わらないことは、十分理解していますが、QOL値については公的分析で問題視されていたという経緯がある中で、単純に平均値を取るだけで十分なのかについては、少し懸念点があったというコメントです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他いかがでしょうか。
今までの先生方の御意見を簡単ながらまとめさせていただくと、QOLの水準というのは等しくあるべきという原則論が先にあって、その使用の状態によって、QOLに一定の何がしかの影響というか、差異は生じる可能性もあるという御意見もあったかと思います。ただ、それを議論するのであれば、しっかりとした精度の高いデータが必要ではないかというようなお話であったと思います。
そういう観点で議論するのであれば、そのデータがあったのかどうかという話も少し先生方と共有する必要もあるかなと、思っていました。それに加えて、今、○○委員もお話をされていましたが、企業側が出したものについての対応として、もう少し細かい議論進めていれば、企業側も、さらに納得しやすかったのかもしれないという話かなと思っております。一方で、科学院さんもお話しされていたとおり、費用対効果、ICERの最終結果に関しては、配慮をしてもあまり影響がないというような話もあったということで、多少運営の効率化というのも念頭に置きつつ対応していただいたのかなと思います。
いかがでしょうか、先生方の方で、今のような考え方で、その他御意見とかがあればいただきたいと思いますが。
そうすると、主要な論点、QOL水準の話に関してですがデータの観察方法、精度等について、○○委員からは、アルゴリズムがしっかりしているが、あまねく悉皆性を持って観察されているかどうか疑問である、という話もあったかと思いますが、科学院さん、先ほどの腫瘍とQOLの関係については、何か今までの議論の中で話題に上がっていたのか、データとかがあるのかということに関しては、お持ちの情報で結構なのですけれども、あればいただきたいと思います。
○国立保健医療科学院
それは、過去の分析例ということですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
過去の分析例及び今まで企業さんとのやり取りの中でというのも含めてですけれども。
○国立保健医療科学院
そうですね、過去の分析例では差をつけているものはほとんどないかなと理解しています。企業の側と具体的にこの件を議論したことはあまりなくて、申し訳ありません。
○費用対効果評価専門組織委員長
分かりました。
参考までに、臨床の先生のお聞きいたします。御存じかどうか分からないのですけれども、○○先生、もし何かこの領域で、QOLと腫瘍径の関係とか、議論できるような論文とか、研究とかがあったら御紹介いただきたいのですが、いかがでしょうか。
○○○委員
今、論文として提示できるものは持ち合わせておらず、先ほどのコメントは、あくまで臨床的な印象も含めた観点ということになります。申し訳ございません。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
私のつたない経験ですと、転移性脳腫瘍に関しては、特に乳がんからの転移性のものについては、やはり腫瘍径で結構中央生存率とかQOLが随分違っているという論文は、日本人のデータでもあったので、こちらの乳腺の領域でもあるのかなと思って伺っていたのですけれども、データはまだなかなかなさそうでしょうか。
○○先生、いかがでしょうか、もし御存じでしたら。
○○○委員
すみません、僕もそういう論文は分からないのですけれども、脳腫瘍ですとね、脳腫瘍の直径とQuality Of Lifeが、やはり比例するとか、そういうのはある程度分かるのですけれども、乳がんの腫瘍径とか、あるいはがん性胸膜炎の状態とか、なかなか大きさとしてはかれない部分というのがあるので、なかなかこの分野は、その腫瘍径とQuality Of Lifeというので、乳がんの領域で論文化するのは、なかなか難しいのではないかなと、臨床的には思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の先生方から、今の議論も含めて、○○委員、どうぞお願いします。
○○○委員
すみません、結果的には、これでもいいのかもしれないのですけれども、ただ、企業が出してきたデータを、やはり数値が違うのは、おかしいから平均値を取りましたというのは、結構、乱暴というか、後々までこの結果で残っていいのかなと、つまり、こういう事例が残ると、結局そういう形が標準的な形で、今、検証もやっていますけれども、残るのですけれども、それに耐え得る話なのか、それとも、やはり腫瘍の縮小によってQOLが違うのは、科学的に妥当だという話のほうが、後々残すためにはいいような気もするのですけれども、その辺は、何か議論をしなくていいのかなという質問です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
大変重要な御指摘かなと思います。そうすると、少し議論を進めていって、次は、科学院が採用された平均値で処理をされている件について、先生方から少し御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。やや乱暴というか、もう少しほかの方法があってもいいのではないかというような御意見だったと思いますが、統計の御専門の○○先生は、何かコメントはございますでしょうか。
○○○委員
私は、モデルから抜いても、平均を取っても、同じような値になるのではないかなと思いますので、そこは、そんなに問題ではないのかなと思っています。
私が思っているのは、QALYを計算するときに、健康状態がPFSとPDだけで本当にいいのだろうかという議論はすべきだと思うのですね。ですので、PFSの中にも、今日は腫瘍径でたまたま議論に出ましたけれども、副作用が起こっている状態と起こらない状態で、QOLも全く違ってくると思うのですね。ですので、腫瘍径によらず、同じPFSの状態でもQOLに影響を及ぼすような事柄は、もっとたくさん起こってくると思いますので、そうすると、それら全てを拾って、もっと細かなQALYの基準をつくっていくのかどうかという議論は重要だと思います。ただ、一方、きりがないなというところもありますので、今のPFS、PDという切り分けは、あまりにも単純過ぎるのかなと、ですので、今後どこまで広げていくべきかという議論は必要かなと思います。ただ、副作用等を差し置いて腫瘍径のみに議論を集中させるのも、何かおかしいなという気もしております。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の先生方いかがでしょうか。
どうぞ、○○先生、お願いします。
○○○委員
私も腫瘍径の縮小にこだわった話をしましたが、○○委員がおっしゃられていたように、複合的な要素での違いを表したものだと思いますので、やはり腫瘍縮小だからどうだという議論は(通信途切れる)。
○費用対効果評価専門組織委員長
先生、音声のほうがよくないようですけれども、通信が止まっていますかね。
ありがとうございます。モデルをつくるときに、もう少し臨床実態に即したモデルをつくるべきというお話なのかなと思って伺っておりました。御意見としていただきます。
その他の先生方いかがでしょうか。
○○先生、お願いします。
○○○委員
先ほどの○○委員の御意見を受けてなのですが、今回は、どちらになっても意思決定にはそんなに変わらないと思うのですが、これからということも考えたときに、明らかにQOLが両群で違いますよというデータがしっかりしているときは、両群を変えるというやり方も考えてもいいのではないかなという気がしているところです。
今回もQLQ-C30ではかると差があったということで、単に余命が延びるというだけではなくて、それから副作用が多くなるけれども、それでもQOLがいいのだということを企業も主張したかったということだと思うのですけれども、もし非常に明確なエビデンスがあるのであれば、両群でQOL値を変えるというやり方もあり得るのではないかなという気がしたと、そういうところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
合理的な御意見、大変ありがとうございます。
その他、同様な御意見があればいただきたいと思います。
○○委員、どうぞお願いします。
○○○委員
○○です。
モデル的にはユーティリティーの重みを1つの健康状態で同じにしたとしても、各健康状態にとどまる時間というのを群間で変えてやれば、そこは反映させることは可能だと思うのです。
ですので、逆にユーティリティーの重みまで群間で変えて、各ステートにとどまる時間まで変えてしまうと、結局両方動いてしまって、モデルとして何をやっているかが、ちょっと複雑になり過ぎてしまうような懸念も感じております。
ですので、私は、個人的な意見ではユーティリティーをルールどおり1つの健康ステートでは同じものを使う。ただ、QOLに本当に影響及ぼす健康状態というところを、もう少し細かく考えた上で、そこは群間に差を持たせるやり方で、今、やっていますので、そこが群間の差に反映してくれるので、トータルではうまくいくのではないかなと思っています。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他いかがでしょうか。
そうすると、この辺りで少しまとめさせていただきます。いろいろな御意見をいただいたのですけれども、今回、科学院さんのほうで進めたものについては、データがあるのかないのかという指摘とともに、今までの前提条件で整理をすると、多少、結果に対する影響を見ながら分析の程度というのでしょうか、レベルを調整されているというような意見もありました。それらも踏まえながらですけれども、科学院さんのほうが提示された結果を、今回は先生方と選択させていただくような流れであったと思います。プラス、今、御議論いただいたような平均値という数字をつくるのであれば、もう少し説明が必要であるうえ、モデル自体についてもう少し留意をすべきだという話もございました。あとは、大変重要と思って伺っていたのが、健康状態とQOLの関係についてで、固定のまま、今までの考えどおりとするのに対して、その他の要件で、群間の差を議論できるようにしていくという話がありました。それは多分、臨床的な実態とか、分析の目的に合わせて多少考えていくということになるという話だったかと思います。
この辺は、一応会議録というか、附帯事項として記録に残るような形として、今後の費用対効果評価の向上につなげていく材料にしていただければと思っておりますが、先生方いかがでしょうか。
事務局さん、そのような形のまとめでもよろしいでしょうか。
○事務局
はい。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、議決に入らせていただきます。
議決に入る前に、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議決に入らせていただきます。
○○委員を除く先生方の御意見を参考に、トロデルビ点滴静注に関する費用対効果については、公的分析による再分析結果を費用対効果評価案として決定するということで、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
ただ、先生方からは大変貴重な、今後の費用対効果評価に資する御意見がございまして、それについては附帯事項として、記録に残す形で次の運営につなげていくという形にさせていただければと思います。
それでは、以上の再分析結果を費用対効果評価案として中央社会保険医療協議会のほうに報告させていただきます。
なお、内示及び中央社会保険医療協議会に提出する資料に関しては、委員長に一任していただくということで、こちらもよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、早速、トロデルビ点滴静注について、公的分析による再分析結果が提出されておりますので、公的分析からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容及び公的分析による再分析結果の審査並びに費用対効果評価案の策定について、先生方に御議論をいただきたいと思います。
まずは、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、まず、本品目に関わる公的分析の再分析結果に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者 入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、トロデルビ点滴静注の総合的評価について御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
それでは、始めてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。
では、意見陳述者の〇〇から説明させていただきます。
資料の2ページ目を御覧ください。
サマリーになっております。
まず、1点目、公的分析の結果と企業分析の結果につきましては、ICERの差が生じております。そちらは、QOLの値から生じているということでございます。
2点目、QOL値は、両群の平均値より、治療群ごとのほうが適切であると考えております。
その根拠として、以下、5点示しております。
まず、2-1から2-3、こちらが治療群ごとのQOL値(PFS)が適切であるという根拠を示しています。
2-1、本剤群は、有意に高い奏効率を示し、PFS期間は腫瘍縮小を維持しております。
2-2、本剤群の高い奏効率は、QLQ-C30のQOL改善と関連しております。
2-3、腫瘍縮小がQOL値を改善する前提は、ロイドらのQOL予測モデルと合致し、日本人データとも一貫しているということから、このPFSが適切であると考えております。
続いて、治療群ごとのQOL値(PD)が適切であるという根拠を1点、2-4、本剤群は、PFS期間中の奏効に伴う使用量減少により、PD移行時点では全身状態がTreatment of Physician's Choice、TPCより良好と解釈できる点でございます。
最後に、両群の平均値が適切でない根拠として1点、2-5、両群の平均QOL値は、状態の悪いTPC群脱落例の影響を無視し、TPC群のQOL値を過大評価していると考えるためでございます。
では、各論について御紹介いたします。スライド3の説明をさせていただきます。
こちらの表は、公的分析と企業分析のアプローチの違いを示しております。
まず、1列目、QOL値設定方法でございます。公的分析のほうは、企業提示の推計値を用い、各健康状態は両群の平均QOL値を採用しております。
一方、企業分析では、ASCENT試験由来のQLQ-C30をEQ-5Dへマッピング及び多変量解析を実施しております。その各健康状態は、治療群ごとのQOL値を採用しております。
2列目、アプローチ選択理由、公的分析では、同じ健康状態に異なるQOL値を設定することは適切ではないとされております。
一方、企業では、ASCENT試験由来の本剤のQOL値が統計的に有意に高く、高い奏効率及び腫瘍縮小による症状緩和という臨床的なメカニズムが、その結果を裏づけていると考えたためでございます。
この相違によって、下から2番目、増分効果に差が生じ、結果としてICERにも差が生じているということでございます。
続きまして、スライドを4御覧ください。
ここから3点は、治療群ごとのQOL値(PFS)が適切である根拠を示しております。
まず、図1を御覧いただきたいと思います。ASCENT試験のITT解析において、本剤群SGはTPC、Treatment of Physician’s Choice群と比較して、統計的に有意かつ臨床的に意義のある高い客観的奏効率を示しております。ORは10.99という数字でございました。
本剤群の多くの患者さんは、単にがんが大きくならないだけでなく、がんが小さくなっている状態でPFS期間を過ごしていることを示しております。
結果としまして、ブルーのところですけれども、本剤群のPFSは高い奏効率に基づく使用縮小を伴う期間でありまして、TPC群の状態とは質的に異なると考えております。
続きまして、スライド5枚目です。
ASCENT試験の結果、EORTC QLQ-C30を用いた混合効果モデルによる解析では、本剤群SGではTPC群と比較して、Global health status/QOL、身体機能、疲労及び痛みの要素において、統計的に有意かつ臨床的意義のある改善を示しております。
図2及び図3を御覧いただきたいと思います。
ASCENT試験のサブグループ解析より、奏効患者の身体機能、役割機能が悪化するまでの期間は、非奏効患者に比べて長いことが示唆されております。
こちらのブルーのラインが奏効患者、赤いラインが非奏効患者ということでございます。
ブルーのラインですけれども、本剤群の奏効率の高さがQOLに与える影響は、このQLQ-C30を用いたPROによって客観的に示されていると考えております。
続きまして、スライド6でございます。
表の1を御覧いただきたいと思います。ロイドらで示された転移性乳がんQOL値の予測モデルにおいて、治療における奏効をトリートメントレスポンス、一番上の列、ステーブルの状態よりもQOL値が0.075高く設定されており、そのQOL値は高いほうから奏効、安定・維持、進行という中に明確化されております。
続いて表2を御覧ください。この転移性乳がんのQOL予測モデルを検証したイワタニらの報告では、実際の日本人患者の測定値と比較した平均誤差が赤字のところで、マイナス0.1055であり、日本人患者のQOL値予測においても、このモデルが有用であると結論づけております。
続きまして、スライド7でございます。
こちらは、治療群ごとのQOL値(PD)が適切である根拠になります。ASCENT試験の結果から、本剤群はTPC群と比べて高い奏効率を示しております。
また、PD状態に移行した場合にも、その腫瘍負荷が縮小した状態から再び進行が始まると想定されております。
よって、PD状態で本剤群がTPC群と比べてよいQOL値が維持されることは、臨床的に解釈可能な仮説であり、少なくとも同一のQOL値ではないと示唆されております。
また、NICEの報告書においても、英国の主要な医療センターの複数の臨床専門医も、ASCENT試験の結果から得られたHRQOLデータに基づき、PD状態において本剤群がTPC群よりも高いQOLを示すことが臨床的に妥当であると同意しております。
その根拠として、本剤額がTPC群よりも多くの患者で腫瘍径が縮小していることが挙げられております。
結論としまして、ブルーのラインですけれども、本剤群はPFSの高い奏効により、TPC群よりもPDでの腫瘍負荷が少なく、全身状態が良好であるため、PDでもQOL上のメリットが持続すると想定されます。
続きまして、スライド8でございます。
こちらが、両群の平均QOL値が適切でない根拠を示しております。
ASCENT試験の結果から、TPC群は本剤群に比べ、治療期間が著しく短く、多くの患者が試験から脱落しております。実際の治療期間中央値は、本剤群が4.4か月、TPC群が1.0から1.6か月、脱落率は、本剤が11.7%、TPC群が30.2%となっております。
TPC群のベースラインデータを用いた事後解析結果から、TPC群の脱落患者は非脱落患者に比べて、QOLスコアが悪化していると想定されます。
解析対象は、TPC群でベースラインデータが利用可能な脱落患者62名及び非脱落患者183名、Global health statusの平均値は、脱落患者が50.0に対して非脱落患者が58.1、PFSの中央値も、脱落患者43日に対して非脱落患者が79日という違いがございます。
最後、ブルーのラインですけれども、ASCENT試験のTPC群のQOLデータ欠損は、病状悪化による早期脱落に起因すると想定されるものであり、平均QOL値を両群に用いることは、TPC群のQOL値を過大評価するバイアスを生じさせるのではないかと考えております。
最後、スライド9でございます。
こちらはサマリーを再掲しております。今回の分析では、ICERの差はQOL値から生じております。そのQOL値は、両群の平均値を用いるという結果より、治療群ごとのほうが適切ではないかという点を御紹介いたしました。
それで、治療群ごとのQOL値、PFSが適切である根拠として2-1から3、治療群ごとQOL値、PDが適切である根拠として2-4、両群の平均QOL値が適切でない根拠として2-5を説明させていただきました。
以上でございます。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、委員の方々から御質問等ございますでしょうか。
○○先生、お願いいたします。
○○○委員
ありがとうございます。○○病院の○○と申します。
1点目は確認ですが、企業様が使われましたQOL値は、エリブリン群だけを抽出して評価しているということでよろしかったですか。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
今回は、Treatment of Physician‘s Choice群ということで、エリブリンを含む5つの製剤が含まれたものでございます。そのエリブリンが半数以上の患者さんが使われていたということでございます。
○○○委員
分かりました。
もう一点は、QOLをマッピングされたということですが、これは個票に基づいてマッピングをされたのでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。個票に基づくマッピングをされていると私は理解しているのですけれども、確定した御回答ができずに、申し訳ないです。
○○○委員
承知しました。
もし個票に基づいたマッピング解析ができるということであれば、群分けも可能という理解でよろしいでしょうか。群分けと言いますのは、TPC群を治療毎に群分けをし直すということも可能ということでよろしいでしょうか。
○意見陳述者
技術的には可能だとは思っております。
○○○委員
承知しました。ありがとうございます。
私からは以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、いかがでしょうか。
では、○○委員、お願いします。
○○○委員
御説明ありがとうございました。
先ほどの○○先生の質問と重なるのですが、TPC群のQOL値については、半数以上にエリブリンが投与されていたためTPC群全体のQOL値と設定して、これまで分析されてきたということですね。
一方で、御社は同じ健康状態であっても、本剤とエリブリンの治療方法によってQOL値が変わるという説明をされていますが、このTPC群の中でエリブリンがほかの治療とQOLが異なるのか、異ならないのかというところについて、特に説明がないのですが、TPCは全てエリブリンと同じQOL値を取ると判断された説明をいただけると助かるのですが、いかがでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
そちらに関しましては、具体的にエリブリンとほかの製剤に違いがあるかどうかという点のデータは、グローバルでも出していなかったという状況でございます。実際に、他剤の中ではエリブリンが比較的良好な(通信途切れる)。
○事務局
厚生労働省事務局です。すみません、通信のトラブルがありまして、一時中断させていただいてもよろしいですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、少しお待ちください。よろしくお願いいたします。
○事務局
申し訳ありません。よろしくお願いします。
○費用対効果評価専門組織委員長
お待たせいたしました。このまま進めさせていただきます。
では、○○委員、御発言をお願いします。
○○○委員
ありがとうございます。
両群間で異なるQOLの重みが用いられた件での御質問なのですけれども、費用対効果では公的分析で述べられましたように、同一の健康状態に対しては、同じ重みが使われるということが原則だと思うのですね。
それで、御社の企業分析のほうの健康状態的には、PFSとPDと死亡の3ステートしかモデル化されていないわけです。ですので、腫瘍の縮小というのがQOLを変えるということであれば、腫瘍が縮小するまでの時間というところで、そこも健康状態として、本来であればモデル化した上で、同じユーティリティーウェートを使うというのが本来の解析ではなかったかと思います。
ですので、そのようにされずに腫瘍縮小というのを健康状態のほうで考慮せずに、重みのところだけで群間の重みを変えることで考慮されたというのは、何か特別な理由があったのでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
基本的には○○先生のおっしゃるとおりなのかなと思っております。それで、これは、あくまでグローバルベースのモデルでやっているところですので、基本的には、抗がん剤を使用されるパーティションドサバイバルモデルの3状態のモデルを使うことがベースなのかなと思っていまして、逆にこのモデルを変更することの妥当性の評価というのがなかなか難しいのかなと考えて、このモデルを採用されたのかなと思っております。
その中で、この1状態の1ステート中の患者さんのステートを変えるというよりも、ここに入っている患者さんの状態が、トロデルビ群とTPC群で違うのではないかというところの観点で、QOL値を同一にするとなると、なかなか臨床的な説明がつかないのではないかというような観点で、今回QOLを違う値というもので計上させていただいたと理解しております。
○○○委員
ありがとうございます。
これは、すみません、公的分析に対しての質問でもあるので、後でもいいのですけれども、そのヘルス状態を増悪の前と後でしか分割できないというのは、何かルールがあるのでしょうか、それなりに理由があれば、もう少し細かな群分けでもよかったのではないかと思うのですけれども、アカデミックな論文等では、もう少し詳細な群分けでやられている費用対効果の分析もありますので、ですので、そこがはっきりとルール化されているのでしょうか、もしよかったら、意見陳述者のほうで答えていただければと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
いかがでしょうか、今までそちらのほうで、そのような議論があったら、それを踏まえた範疇でのお話で結構なのですが、いかがでしょうか。
○○先生、その件は、後で皆さんとお話ししたいと思いますが。
○○○委員
分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
意見陳述者さんのほうは、よろしいですね。
○意見陳述者
大丈夫でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、先生方は、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、これで意見聴取、質疑応答を終了させていただきたいと思います。企業の方は御退席ください。お疲れさまでした。
○意見陳述者
ありがとうございました。失礼いたします。
(意見陳述者 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議論に先立ちまして、企業から公的分析について御意見がございましたので、科学院から何か御意見等がございましたら、お願いいたします。先ほどの○○委員の御質問についても御回答いただけるのでしたら、お願いいたします。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
科学院の見解ですけれども、まず、企業側の1番と4番と5番というのが、臨床的な観点からの見解かなと理解しておりますけれども、必ずしもQOLに差がつくことを強く否定するものではないのですが、この1、4、5に伴う臨床的な改善というのは、2番のQLQ-C30のQOL改善をして評価されているのだと、我々は理解しているところです。
しかし、QLQ-C30というのは、いわゆるプロファイル型の尺度であって、EQ-5D等のPBM、選考に基づく尺度とは異なるものであり、EQ-5Dのスコアとしては、直接的には測定されていないということになります。
このQLQ-C30からEQ-5Dへのスコアの改善として、いわゆるマッピングという手法が用いられているのですが、このマッピングについては、非常に不確実性が大きい手法だと理解しておりまして、差があることを否定するものではないのですが、十分な根拠とは考えられないのではないかと考えております。
また、イギリスのNICEにおきましても、PD後、こちらについては差がつくということが必ずしも妥当ではないのではないかという議論がなされているところです。
また、3点目、予測モデルの話ですが、こちらロイドらの評価というのは、いわゆるビニエット法、仮想的なシナリオに基づいて評価する方法に基づいて算出されているものでありまして、これの予測モデルというのは、なかなか難しいのではないかと考えております。
○○先生がおっしゃっていたようなモデル上の問題ですけれども、近年、多くの研究は個票レベルの、ペイシェントレベルのデータを用いるために、Progression Free SurvivalとPDの2状態あるいは死亡を含めた3状態で評価するというのが一般的なのですけれども、モデルの組み立て方によっては、PD、寛解状態ですとか、そういうものを組み込んで、そのステートごとに応じたQOL値を設定することも可能であり、そういう研究も存在していると考えています。
科学院からは以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
この段階で、もし、○○先生、今の御説明に対してコメントがあれば、お願いいたします。
○○○委員
ありがとうございます。
ですので、許容されないわけではないということですね、腫瘍縮小により明らかなQOLの改善があるという根拠があるのであれば、健康状態のほうもそちらを考慮に入れたモデリングをしていただくほうが、より正解に近かったと理解しているのですが、それでよろしいでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
そのようなモデルで設定していただくと、健康状態の差異のようなものは評価できると考えているところです。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
なお、御議論に当たっては、企業分析結果と公的分析の再分析結果のどちらがより科学的により確からしいかを相対的に評価することを踏まえて御議論を進めていただきますよう、お願い申し上げます。
○事務局
○○先生、すみません、1点、こちらから補足をさせていただいて、よろしかったでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ、お願いします。
○事務局
委員の意見書のほうで、私、1か所お伝えするのを失念しておりまして、各論点における分析結果についてということで、本剤のQOL値について論点に挙がっていると考えますが、本件については、公的分析の見解を支持する方が9名、企業分析を支持する方が1名でございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
補足ありがとうございました。
では、議論に戻らせていただきますが、論点は、QOL値の取扱いについてということであります。先生方、御議論をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
御専門の先生に少しお話を伺いたいと思います。臨床的な意義とか、考え方が大変重要な視点かと思いますが、○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
○○でございます。
QOLを数値化して評価するというのは、1つ、すごくいい取組かなと思うのですけれども、群分けの仕方が必ずしもフェアではない部分があるようにも感じられまして、単純に比較していいのかどうか、そして、ほかの皆さんも感じておられるかもしれませんけれども、腫瘍が大きくなっても、PDになっても、Quality Of Lifeがいいというのが、現場といたしましては、ちょっと臨床的にどういう感じなのかなというところが分からないところであります。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
○○です。
先ほど、企業側の1票は、私なのかなと思うのですけれども、治験ですので、腫瘍が収縮して最も小さい腫瘍径から2割の増大がPDと判断されますので、ベストレスポンスの縮小効果がかなり高いということであれば、PDになったときの全身状態はよくなっている可能性があるという見解は、一定の理解ができるかなと、私自身は考えました。
ただ、エリブリンとそれ以外の治療をTPCとして一緒くたに評価しているということに関しては、これは、○○先生のほうが各薬剤の治療効果の違いをよく御存じかもしれませんが、エリブリンがよいほうに引っ張る可能性はあり得るのかなと考えましたので、5割いて、個票レベルで見られるのであれば、その辺りの解析もできるのかなという印象を持ちました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、何か追加でコメントはございますか、今の件も含めて。
○○○委員
ほかの抗がん剤に比べると、エリブリンは、割と患者さんの評価はいいというか、Quality Of Lifeはいいほうだと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
今の臨床のお立場の御意見も踏まえながら、その他の先生方から御意見、御質問等があれば、お願いいたします。
○○委員、どうぞ。
○○○委員
私は、意見というか、質問というか、教えていただきたいのですけれども、例えば、同じステータスであっても、抗がん剤の副作用の発現が強いものだったりすると、その同じステータスの中で、例えば、副作用の発現率とか、それによって低下するみたいな形で補正とかをやっているモデルもあるかと思うのですけれども、今回の中では、例えば、PFSの段階で、それは同じ値ですけれども、その縮小効果、つまり縮小の度合いによって、何か段階的に上がりますよとか、そういうことでエビデンスがあれば、値が違ってもいいのかなと思うのですけれども、ただ、今回は、ばっさりと縮小するから値がいいのだ、みたいな大ざっぱな説明なので、そうすると何となく理解できないかなと思うのですけれども、その辺はどうなのでしょうか、方法論的にそういうことができるのかどうか、ちょっと教えてください。QOLの専門家がいっぱいいるので教えてください。
○費用対効果評価専門組織委員長
方法論の話ですけれども、先に科学院さん、もし、何か今の件でコメントがあったらお願いしてもいいですか。
○国立保健医療科学院
もちろん副作用の頻度と、それで低下するQOLの値が分かっていれば、それを差し引いて評価するということは可能だと思います。
○○○委員
同じロジックで腫瘍が落ちる、例えばどのくらいいい人が何%いるから、その分は何%上げますよということもできなくはないということですね。
○国立保健医療科学院
はい、原理的にはできなくもないと思いますが、いろいろなデータ上の制約等はあるかと。
○○○委員
ただ、今の話でいうと、やはり腫瘍効果が大きい、改善がでかくて、その分だけいいよというのであれば、では、どのくらいの改善があるからQOL値がどう変化するみたいなことがない限りは、何となく理解しづらいなと思いました。
これはコメントです。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の先生方、いかがでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
分析モデルの上では、恐らく1つのステートでも、評価対象群と比較対照群のQOL値を変えることは、恐らく可能ではないかなと思っているところです。
それで、しっかりとしたQOLが測定されているならば、違うQOLを使ってもいいのかなという気はしているというところです。
それで、それがしっかりとした測定かどうかというところなのですけれど、マッピングも少し議論はあるかと思うのですけれども、メーカーの使ったアルゴリズムは、多分それなりにしっかりとしたアルゴリズムかなという印象を持っているのですけれども、ただ、測定した対象者が、RCTで群分けされた方たちが等しく測定されているわけではなさそうなので、その辺が問題かなという気はしていると、そういうところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
貴重な御意見をありがとうございます。
科学院さん、今の○○委員のお話に関して、何か追加でコメントはございますか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
マッピング式については、恐らく海外で作成されたものをつくってマッピングしているのではないかと考えていて、また、なかなかそこの部分の国内の値との差異もあるのかなと、そういう点で非常に限定的なのかなと考えています。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他いかがでしょうか。
どうぞ、○○委員、お願いします。
○○○委員
状態によってモデルをもう少し細かくするというところに関しては、本当に私も同意見なのですけれども、実際にそのモデルが妥当なのかどうなのかというところの議論は、また別なのかなという気はしています。
また、別の視点なのですけれども、今回QOLの扱い方に関しては、公的分析は基本的に企業分析のマッピング多可変量解析によって、QOL値を評価することは合意した上で、状態の中で薬剤ごとによってQOL値が変わるのがおかしいだろうということで、算出されたQOL値の薬剤間の平均値をPFS及びPDのQOL値と設定しています。ここで疑問は平均値を取るというところの意義、解釈が難しいのではないかと思っていて、仮に企業分析の多変量解析を認めているなら、群の効果だけ除いたモデルで検討すれば、健康状態によって治療法によらないQOLを推定できたりもしますが、単に平均値を選択したことの理由について教えていただければと思います。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
理論上、先生のおっしゃるとおりかなと思うのですけれども、なるべく企業が出してきた値を使いたいというのと、簡易に推計したいという観点から、そのような対応をしていただいたという次第です。
○○○委員
企業側に追加の解析や検討をしてもらう必要はないということですか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
値を多少ずらしても、あるいは企業モデルをそのまま受け入れても、ICERの値として、■■ しているところですので、先生方に御議論いただくような意思決定としては変わらないのではないかなと考えています。
○○○委員
最終的な区分そのものは変わらないことは、十分理解していますが、QOL値については公的分析で問題視されていたという経緯がある中で、単純に平均値を取るだけで十分なのかについては、少し懸念点があったというコメントです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他いかがでしょうか。
今までの先生方の御意見を簡単ながらまとめさせていただくと、QOLの水準というのは等しくあるべきという原則論が先にあって、その使用の状態によって、QOLに一定の何がしかの影響というか、差異は生じる可能性もあるという御意見もあったかと思います。ただ、それを議論するのであれば、しっかりとした精度の高いデータが必要ではないかというようなお話であったと思います。
そういう観点で議論するのであれば、そのデータがあったのかどうかという話も少し先生方と共有する必要もあるかなと、思っていました。それに加えて、今、○○委員もお話をされていましたが、企業側が出したものについての対応として、もう少し細かい議論進めていれば、企業側も、さらに納得しやすかったのかもしれないという話かなと思っております。一方で、科学院さんもお話しされていたとおり、費用対効果、ICERの最終結果に関しては、配慮をしてもあまり影響がないというような話もあったということで、多少運営の効率化というのも念頭に置きつつ対応していただいたのかなと思います。
いかがでしょうか、先生方の方で、今のような考え方で、その他御意見とかがあればいただきたいと思いますが。
そうすると、主要な論点、QOL水準の話に関してですがデータの観察方法、精度等について、○○委員からは、アルゴリズムがしっかりしているが、あまねく悉皆性を持って観察されているかどうか疑問である、という話もあったかと思いますが、科学院さん、先ほどの腫瘍とQOLの関係については、何か今までの議論の中で話題に上がっていたのか、データとかがあるのかということに関しては、お持ちの情報で結構なのですけれども、あればいただきたいと思います。
○国立保健医療科学院
それは、過去の分析例ということですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
過去の分析例及び今まで企業さんとのやり取りの中でというのも含めてですけれども。
○国立保健医療科学院
そうですね、過去の分析例では差をつけているものはほとんどないかなと理解しています。企業の側と具体的にこの件を議論したことはあまりなくて、申し訳ありません。
○費用対効果評価専門組織委員長
分かりました。
参考までに、臨床の先生のお聞きいたします。御存じかどうか分からないのですけれども、○○先生、もし何かこの領域で、QOLと腫瘍径の関係とか、議論できるような論文とか、研究とかがあったら御紹介いただきたいのですが、いかがでしょうか。
○○○委員
今、論文として提示できるものは持ち合わせておらず、先ほどのコメントは、あくまで臨床的な印象も含めた観点ということになります。申し訳ございません。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
私のつたない経験ですと、転移性脳腫瘍に関しては、特に乳がんからの転移性のものについては、やはり腫瘍径で結構中央生存率とかQOLが随分違っているという論文は、日本人のデータでもあったので、こちらの乳腺の領域でもあるのかなと思って伺っていたのですけれども、データはまだなかなかなさそうでしょうか。
○○先生、いかがでしょうか、もし御存じでしたら。
○○○委員
すみません、僕もそういう論文は分からないのですけれども、脳腫瘍ですとね、脳腫瘍の直径とQuality Of Lifeが、やはり比例するとか、そういうのはある程度分かるのですけれども、乳がんの腫瘍径とか、あるいはがん性胸膜炎の状態とか、なかなか大きさとしてはかれない部分というのがあるので、なかなかこの分野は、その腫瘍径とQuality Of Lifeというので、乳がんの領域で論文化するのは、なかなか難しいのではないかなと、臨床的には思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の先生方から、今の議論も含めて、○○委員、どうぞお願いします。
○○○委員
すみません、結果的には、これでもいいのかもしれないのですけれども、ただ、企業が出してきたデータを、やはり数値が違うのは、おかしいから平均値を取りましたというのは、結構、乱暴というか、後々までこの結果で残っていいのかなと、つまり、こういう事例が残ると、結局そういう形が標準的な形で、今、検証もやっていますけれども、残るのですけれども、それに耐え得る話なのか、それとも、やはり腫瘍の縮小によってQOLが違うのは、科学的に妥当だという話のほうが、後々残すためにはいいような気もするのですけれども、その辺は、何か議論をしなくていいのかなという質問です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
大変重要な御指摘かなと思います。そうすると、少し議論を進めていって、次は、科学院が採用された平均値で処理をされている件について、先生方から少し御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。やや乱暴というか、もう少しほかの方法があってもいいのではないかというような御意見だったと思いますが、統計の御専門の○○先生は、何かコメントはございますでしょうか。
○○○委員
私は、モデルから抜いても、平均を取っても、同じような値になるのではないかなと思いますので、そこは、そんなに問題ではないのかなと思っています。
私が思っているのは、QALYを計算するときに、健康状態がPFSとPDだけで本当にいいのだろうかという議論はすべきだと思うのですね。ですので、PFSの中にも、今日は腫瘍径でたまたま議論に出ましたけれども、副作用が起こっている状態と起こらない状態で、QOLも全く違ってくると思うのですね。ですので、腫瘍径によらず、同じPFSの状態でもQOLに影響を及ぼすような事柄は、もっとたくさん起こってくると思いますので、そうすると、それら全てを拾って、もっと細かなQALYの基準をつくっていくのかどうかという議論は重要だと思います。ただ、一方、きりがないなというところもありますので、今のPFS、PDという切り分けは、あまりにも単純過ぎるのかなと、ですので、今後どこまで広げていくべきかという議論は必要かなと思います。ただ、副作用等を差し置いて腫瘍径のみに議論を集中させるのも、何かおかしいなという気もしております。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の先生方いかがでしょうか。
どうぞ、○○先生、お願いします。
○○○委員
私も腫瘍径の縮小にこだわった話をしましたが、○○委員がおっしゃられていたように、複合的な要素での違いを表したものだと思いますので、やはり腫瘍縮小だからどうだという議論は(通信途切れる)。
○費用対効果評価専門組織委員長
先生、音声のほうがよくないようですけれども、通信が止まっていますかね。
ありがとうございます。モデルをつくるときに、もう少し臨床実態に即したモデルをつくるべきというお話なのかなと思って伺っておりました。御意見としていただきます。
その他の先生方いかがでしょうか。
○○先生、お願いします。
○○○委員
先ほどの○○委員の御意見を受けてなのですが、今回は、どちらになっても意思決定にはそんなに変わらないと思うのですが、これからということも考えたときに、明らかにQOLが両群で違いますよというデータがしっかりしているときは、両群を変えるというやり方も考えてもいいのではないかなという気がしているところです。
今回もQLQ-C30ではかると差があったということで、単に余命が延びるというだけではなくて、それから副作用が多くなるけれども、それでもQOLがいいのだということを企業も主張したかったということだと思うのですけれども、もし非常に明確なエビデンスがあるのであれば、両群でQOL値を変えるというやり方もあり得るのではないかなという気がしたと、そういうところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
合理的な御意見、大変ありがとうございます。
その他、同様な御意見があればいただきたいと思います。
○○委員、どうぞお願いします。
○○○委員
○○です。
モデル的にはユーティリティーの重みを1つの健康状態で同じにしたとしても、各健康状態にとどまる時間というのを群間で変えてやれば、そこは反映させることは可能だと思うのです。
ですので、逆にユーティリティーの重みまで群間で変えて、各ステートにとどまる時間まで変えてしまうと、結局両方動いてしまって、モデルとして何をやっているかが、ちょっと複雑になり過ぎてしまうような懸念も感じております。
ですので、私は、個人的な意見ではユーティリティーをルールどおり1つの健康ステートでは同じものを使う。ただ、QOLに本当に影響及ぼす健康状態というところを、もう少し細かく考えた上で、そこは群間に差を持たせるやり方で、今、やっていますので、そこが群間の差に反映してくれるので、トータルではうまくいくのではないかなと思っています。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他いかがでしょうか。
そうすると、この辺りで少しまとめさせていただきます。いろいろな御意見をいただいたのですけれども、今回、科学院さんのほうで進めたものについては、データがあるのかないのかという指摘とともに、今までの前提条件で整理をすると、多少、結果に対する影響を見ながら分析の程度というのでしょうか、レベルを調整されているというような意見もありました。それらも踏まえながらですけれども、科学院さんのほうが提示された結果を、今回は先生方と選択させていただくような流れであったと思います。プラス、今、御議論いただいたような平均値という数字をつくるのであれば、もう少し説明が必要であるうえ、モデル自体についてもう少し留意をすべきだという話もございました。あとは、大変重要と思って伺っていたのが、健康状態とQOLの関係についてで、固定のまま、今までの考えどおりとするのに対して、その他の要件で、群間の差を議論できるようにしていくという話がありました。それは多分、臨床的な実態とか、分析の目的に合わせて多少考えていくということになるという話だったかと思います。
この辺は、一応会議録というか、附帯事項として記録に残るような形として、今後の費用対効果評価の向上につなげていく材料にしていただければと思っておりますが、先生方いかがでしょうか。
事務局さん、そのような形のまとめでもよろしいでしょうか。
○事務局
はい。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、議決に入らせていただきます。
議決に入る前に、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議決に入らせていただきます。
○○委員を除く先生方の御意見を参考に、トロデルビ点滴静注に関する費用対効果については、公的分析による再分析結果を費用対効果評価案として決定するということで、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
ただ、先生方からは大変貴重な、今後の費用対効果評価に資する御意見がございまして、それについては附帯事項として、記録に残す形で次の運営につなげていくという形にさせていただければと思います。
それでは、以上の再分析結果を費用対効果評価案として中央社会保険医療協議会のほうに報告させていただきます。
なお、内示及び中央社会保険医療協議会に提出する資料に関しては、委員長に一任していただくということで、こちらもよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。

