2025年2月28日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第9回議事録

日時

令和7年2月28日 13:00~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、福田 敬専門委員、岡本 渉専門委員、鳥海 弥寿雄専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官

<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他

議題

○ トロデルビ点滴静注用に係る分析枠組みについて

議事

〇費用対効果評価専門組織委員長
トロデルビ点滴静注用に係る分析枠組みについて、御議論いただきます。
事務局から、最初に御説明をお願いいたします。

(事務局より説明)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。

(意見陳述者 入室)

○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですけれども、10分以内で、トロデルビ点滴静注用に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。
続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。

○意見陳述者
承知いたしました。
では、まず、製品概要を御紹介して、続いて臨床試験結果で、各国の医療技術評価機関における評価概要について、最後に、C2Hと合意した分析枠組みについて御紹介いたします。
まず、こちらの製品ですけれども、効能・効果が化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんでございます。
いわゆるTNBC、トリプルネガティブ乳がんに該当しまして、患者数が、およそ日本では1万人、本剤の対象となるStageⅣの患者さんが2,000人強、そこから、本剤の実際に使う対象がセカンドライン以降なので、2,000人弱ということになろうかと思います。
このトリプルネガティブ乳がんというのは、非常にアンメットの高い疾患領域でございまして、特にほかの乳がん、HER2陽性ですとか、HR陽性と比べて、非常に生存期間が短いということが特徴になっております。
乳がんの診療ガイドラインにつきましては、残念ながらまだ掲載はされておりません。こちらがセカンドライン以降で使うというものでございます。
今回、特徴的なのが、本剤は、まず、優先審査に該当しまして、かつドラッグロス品目、産官学で問題になっておりますけれども、そちらの86品目の1つというものでございます。
また、さらに第4回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬の要望にも該当しておりまして、患者会及び学会からお墨つきをいただいたというものでございます。
その結果、有用性加算という点で、薬価算定組織から特に有用であるというまれな加算要件もいただいたという製品でございます。
続いて、作用メカニズムですけれども、本剤は、抗体薬物複合体に該当します。
抗体は、抗TROP-2抗体というもので、世界初の製品ということに該当いたします。
実際に薬効を示すものがペイロード、こちらがSN-38というもので、こちらも初めてかと思います。
実際の作用メカニズムは、本剤がTROP-2に結合しまして、内在化、細胞内輸送、リソソーム内の加水分解を経て、抗腫瘍メカニズムを発揮していくというものでございます。
臨床試験の結果ですけれども、本剤と医師選択による単剤化学療法を1対1に無作為化して割りつけております。その単剤化学療法群につきましては、今回、比較対照技術に選定しましたエリブリンが最も医師選択としては選ばれていたというものでございます。
続きまして、臨床試験の結果ですけれども、主要評価項目である無増悪生存期間につきましては、ハザード比が0.41ということが示されております。
さらに、副次項目の全生存期間、こちらもハザード比0.48ということで、中央値が、本剤が12.1か月のところ、単剤化学療法群は6.7であったというものでございます。
続いて、副作用及び有害事象ですけれども、好中球減少症、下痢、悪心といったものが多く見られておりました。
諸外国の医療技術評価における評価概要につきまして、いずれの国においても推奨あるいはSMR:Important、ASMR:Ⅲといった形で非常に高く評価をいただいているという製品でございます。
対象集団につきましても、いずれの国も日本とほぼ同様の内容で、2回以上の全身療法を受けた切除不能、局所進行または転移性のトリプルネガティブ乳がんという扱いになっております。
比較対照技術も、こちらも日本と同様、医師選択の治療で、エリブリン、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビンといったものの中から選択していくということでございました。
最後に、C2Hと分析した分析枠組みにつきまして、分析対象集団は、効能・効果はそのままで、化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんというものでございます。
比較対照技術につきましては、エリブリンであり、その選定した理由につきましては、2点ございまして、1点目が乳がん診療ガイドライン2022年版によると、HER2陰性転移・再発乳がんの二次化学療法としてはカペシタビン及びエリブリンが弱く推奨されているということがございます。
その中で、臨床試験やネットワークメタアナリシス等の結果によると、エリブリンがカペシタビンに比べて治療効果が高いことが示唆されたことから、今回選定しております。
公的医療の立場以外の分析についてはなし、QALY以外の指標も該当せず、その他も該当せずというものでございます。
簡単ではございますが、以上で説明を終了させていただきます。

○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方々から御質問等ございますでしょうか。
いかがでしょうか、よろしいですか。
よろしければ、それでは、これで質疑応答を終了させていただきます。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。

○意見陳述者
ありがとうございました。失礼いたします。

(意見陳述者 退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、トロデルビ点滴静注用に係る分析枠組みについて御議論をお願いいたします。
御専門の臨床の先生が参加されておりますので、○○先生、もしよろしければ、最初にコメントをいただければと思います。

○○○委員
あまりコメントらしいコメントもないのですけれども、今回はトリプルネガティブ対象ということで、化学療法の起用前に条件があって、それでトリプルネガティブに使えるということで、比較的似ている立場のお薬として適当だろうと思いまして、この比較の仕方でいいのではないかという意見書を出させていただきました。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○先生、いかがでしょうか。

○○○委員
○○です。
私のほうも○○先生と大きな違いはなく、よろしいのかなと感じました。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
他の委員の先生方、いかがでしょうか。御意見いただければと思いますが。
お願いします。

○○○委員
比較対照技術については、特に妥当かなと思っております。少し脱線する話かもしれないのですけれども、プレゼンテーションで有用性加算の話があったのですが、要望があったという話が出ておりまして、確かにそういう経緯なのですけれども、海外で開発されて承認された後に、日本での開発がされるような品目ですね。要は、■■■■■■、ラグが起きていて、それが、要望が出てリクエストがあったから、それにプラスして薬価が、有用性加算があるとか、■■■■■■みたいなことのケースになると、ちょっと困るかなと思って、少し聞いていて気になったところです。すみません、本質的な議論とは少し異なりました。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
費用対効果には、直接関係ないという御説明でしたけれども、非常に重要な指摘かなと思いますので、これは御意見として事務局側のほうで、必要に応じて御整理いただければと思います。
その他、委員の先生方、いかがでしょうか。
どうぞ。

○○○委員
今の○○先生の視点は、非常に重要だと思いました。かえって日本の開発を遅れさせる要因にもなると思うのですね。必要に応じてとおっしゃっていただきましたが、これは本当に重要な問題ではないかと、今、伺って思いました。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
事務局様のほうで、重々この点については、御留意いただけたらと思いますが、○○先生も、もしよろしかったら、今の点に関して、コメントがあれば、いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○○○委員
コメントというか、本当に○○先生に御指摘をいただくまでは気づいていなかったです。今、日本でのドラッグ・ラグが、再び起こってきているというところは、非常に問題になっていると思いますので、かえって他国と一緒に開発しないほうがいいのではないかと思われてしまうと、本当に問題だと思いました。さすが○○先生、的確な御指摘だと思って、私も賛同したいと思いコメントをさせていただきました。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
ちょっと私のほうで、お名前というか、画面の関係があって、少し混乱したのですけれども、○○先生も、追加で何かコメントがあればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○○○委員
もちろん、僕も同意見であります。そういう加算がついてくることで、やはり薬剤の開発そのものに影響も出てくると思いますし、私個人的に、■■■■■■も出てくることが多くございます、現実的に、ですので、○○先生の憂慮されていることにつきましては、一緒に賛同させていただきたいと思います。

○費用対効果評価専門組織委員長
いいえ、大変ありがとうございます。
事務局さんは、何か今の御意見に関して、この場でコメントがあればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○事務局
事務局のほうからは、特に追加はございません。

○費用対効果評価専門組織委員長
特にありませんか、ありがとうございます。
その他の委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
御意見を伺っていると、特に御提案の枠組みについて異論はないというお話であったと思います。
それでは、議決に入る前に、○○委員におかれましては、議決の間、一時退席をお願いいたします。

(○○委員 退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、○○委員を除く先生方の御意見をまとめますと、トロデルビ点滴静注用に係る費用対効果評価に係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。