2024年12月27日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第7回議事録

日時

令和6年12月27日 13:00~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、福田 敬専門委員、田中 正巳専門委員、小松 康宏専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官

<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他

議題

○ フォゼベル錠に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について

議事

〇費用対効果評価専門組織委員長
フォゼベル錠に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論いただきたいと思います。
対象品目について、企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論をいただきたいと思います。
まずは事務局から説明をお願いいたします。

(事務局より説明)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品に係る企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。

(意見陳述者入室)

○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、フォゼベル錠に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。

○意見陳述者
○○と申します。それでは、意見陳述を始めさせていただきたいと思います。
資料の投映はせずに、こちらから御紹介する形でよろしいでしょうか。

○事務局
そのような形でよろしくお願いいたします。

○意見陳述者
承知いたしました。
では、始めさせていただきます。
2枚目のスライドを御覧ください。
アジェンダといたしまして、テナパノル塩酸塩に関する概要、分析の枠組み、企業分析の結果の順で御紹介させていただきたいと思います。
3枚目のスライドに、テナパノル塩酸塩の製品概要を示しております。
商品名はフォゼベル錠でございまして、効能・効果は透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善としていただいております。用法・用量の特徴といたしましては1日2回、朝食・夕食直前投与でございます。
一番下に作用機序を示してございます。既存薬といたしまして、リン吸着薬がございます。これは左に書いてございますように、腸管内におきまして、リンに吸着することによって、腸内でのリン吸収を抑制する薬剤でございます。右側がテナパノルの作用機序で、腸管上皮細胞の頂端膜に発現するNHE3を阻害することによりまして、腸管からのリンの吸収を抑制するといった作用機序がテナパノルの特徴で、こちらがファースト・イン・クラスの新規作用機序の薬剤でございます。このように、従来薬と作用機序が異なってございますので、リン吸着薬で効果不十分な症例におきましてテナパノルを上乗せすることによりまして血清リン値の低下が開発試験で成績として得られてございます。
4枚目のスライドに、薬価収載の概要を示してございます。
収載日は昨年11月22日、判定方式はスクロオキシ水酸化鉄を比較薬とした類似薬効比較方式で、補正加算といたしまして有用性加算40%を頂戴してございまして、H1区分で費用対効果の指定をいただいております。
5枚目のスライドにおきまして、現在の高リン血症の既存治療並びにテナパノルの特徴である服薬負荷軽減のデータを示してございます。
透析の患者様は腎機能が廃絶してございますので、尿中からの血清リン値の排出ができなくなってございます。したがいまして、食事で取ったリン値が血液中で高まり、高リン血症状態になりやすく、9割の患者様が何らかの高リン血症の治療が必要となってございます。透析療法も透析の患者様が実施されますが、透析でも血清リン値は除去できますけれども、透析だけでは十分ではございませんで、食事療法と薬物療法を組み合わせて治療が行われます。食事療法では、食事によるリン摂取制限が行われます。しかしながら、透析の患者様は低栄養により予後が悪くなると言われてございますので、栄養状態を担保しながらリン摂取制限を行うことは難しく、実質上、薬物治療に頼らざるを得ない状況になります。
薬物治療といたしまして、既知治療薬はリン吸着薬で、1日3回、錠剤数のリン吸着薬を服用し、リンを管理することになってございます。現在、日本ではリン吸着薬が6成分上市されてございます。一番下にお示ししておりますものが日本透析医学会の年次調査における血清リン値の推移で、真ん中の部分がガイドラインの推奨範囲3.5~6.0mg/dLのレンジになってございますけれども、新しいリン吸着薬は投与いたしましても25%の患者様は6.0mg/dLを超え、十分な管理ができていない現状になってございます。
右側に示しているのは、テナパノルの開発治験における、リン吸着薬で一定のリン値の管理ができている患者様に対しまして、テナパノルに置き換えて長期的な安全性を評価した試験の結果で、安全性とは別に、こちらではリン吸着薬の錠剤数推移を示してございますけれども、リン吸着薬で11.4錠程度1日に必要だった患者様が、テナパノルに置き換えることによりまして、血清リン値を維持しながら、リン吸着薬の錠剤数を減らすことが可能となってございます。半数の患者様はリン吸着薬は不要になってございますが、平均的には3.1錠に低減してございます。テナパノルの2錠を含めて、5.1錠に服薬の負荷が軽減できたことになります。
下にお示しするのが、写真でお示しした2週間当たりの平均処方錠数でございますけれども、服薬負荷の軽減を御覧いただけるかと思います。
6枚目のスライドが、分析枠組みでございます。
今回、2つの分析対象集団で合意させていただいております。aの集団が、未治療あるいは治療されており既存のリン吸着薬でコントロール可能な患者様。bが、治療されており既存治療でコントロールが難しい患者様でございます。aの患者集団におきましては、比較対照薬として既存のリン吸着薬、6種類ある中で、鉄含有リン吸着薬の2種類のうち安いほうを設定することになってございまして、bの集団、既治療ではコントロール不良な患者様におきましては、テナパノル、フォゼベルをラストラインとして上乗せする設定になってございます。
追加的有用性といたしまして、弊社では、aの集団では服薬負荷の軽減によるQOLの改善、bの集団では血清リン値低下に伴うQOLの改善として説明させていただいております。下のモデルにつきましては、申し訳ございません。時間の兼ね合いで割愛させていただきますが、医療費につきまして1つ補足をさせていただきます。今回、基本分析におきましては、透析医療費を費用として加えない形で企業提案をさせていただいております。
7枚目のスライドが、分析モデルの構造でございます。
ショートタームとロングタームフェーズに分かれてございます。8週間のショートタームフェーズにおきまして、血清リン値が分布し、その血清リン値の分布が生涯維持するという仮定の下、高リン血症の患者様で生じやすい心血管イベント並びに死亡の割合をシミュレートしてございます。
8番目のスライドが、分析対象集団(a)のシナリオでございます。
この集団は、既存のリン吸着薬でコントロール可能な集団となってございまして、テナパノルと鉄含有リン吸着薬が比較なされてございます。ショートタームフェーズにおきまして同等に血清リン値がコントロールできるという仮定を用いてございますので、右側における長期予後は両群で差異なしという設定とさせていただいており、QOLの差異を服薬負荷の軽減として説明させていただいております。
9枚目のスライドが、分析対象集団(b)のシナリオでございます。
分析対象集団(b)におきましては、テナパノルをラストラインとして上乗せさせていただいておりますので、それによる血清リン値の改善が認められます。それによる右側における死亡率、心血管イベントの違いをQOLに換算させていただいております。
10枚目から13枚目までのスライドは、用いたパラメーターの一覧でございます。
10枚目は、上から、割引率はガイドラインを参照して2%、患者背景は日本透析医学会の年次調査のパラメーターを抽出させていただいております。血清リン値の分布割合はテナパノルの治験データを用いさせていただいております。
11枚目のスライドは、心血管イベントの関連、死亡のパラメーターでございます。こちらにつきましては、各イベントの発症率並びに血清リン値によるイベント発症率を抽出させていただきました。
12枚目のスライドは、QOLパラメーターでございます。透析の患者様は、心血管イベントによる減少QOL値は既報から抽出させていただきましたが、服薬負荷とQOLの関連のパラメーターは既報では取得できませんでしたので、分析ガイドラインに従いまして、新たな調査といたしまして、一般の人々を対象としたビニエットに基づく時間得失法による調査を行いました。
一番下に結果をお示ししてございますけれども、服薬錠数2錠から36錠と増えることによりましてQOLが低下することが示されてございます。右側のTable.2におきましては、テナパノルの第Ⅲ相治験で認められたリン吸着薬の11.4錠から、テナパノルに切り替えることによってテナパノルを含めて5.1錠に変化したところを切り上げて、6錠と12錠の差をQOLのパラメーターとして利用させていただきました。
13枚目のスライドが、コストでございます。
薬価、医療資源消費量調査に加えて、既報からこれらのパラメーターを抽出させていただきました。
最後に、14枚目のスライドにおきまして、当社の企業提案をまとめさせていただきます。
分析対象集団(a)におきましては、既存のリン吸着薬で管理可能な集団でございますので、テナパノルと鉄含有のうち、安いものといたしましてクエン酸第二鉄を設定して比較させていただきました。死亡率、心血管イベントのパラメーターには差はございませんでしたが、服薬負荷軽減によるQOLといたしまして、テナパノルで増分効果が示されてございます。増分費用も一定認められてございますが、ICERは377万円が企業提案でございます。
分析対象集団(b)は、テナパノルをラストラインとして上乗せをさせていただき、生命予後の延命並びにCVDの軽減が認められてございます。

○事務局
申し訳ありません。あと30秒になります。

○意見陳述者
これらが増分効果として示させていただいております。ICERは340万円程度でございます。
下のものが各集団の価格調整係数で(a)(b)いずれの集団におきましても価格調整係数は1.0が企業提案でございます。
以上で意見陳述を終了させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。

○○○委員
すみません。御説明いただいた中で、費用のこととQOLのことで確認したいと思います。
6枚目、分析枠組みのところで「基本分析では、“透析医療費”を費用に加えないこととした」と書いてありますが、これは何か事前の分析枠組みの相談のときにこういうことに決まったのか、それとも、何かの御判断でそうしたのか。もし何か御判断でされたとしたら、その根拠を教えていただきたいと思います。それが1点目です。

○意見陳述者
極めて重要な御指摘ありがとうございます。
分析枠組みの協議におきまして、企業側から申請時にこのようなことを懸念として持っていることを打合せさせていただきまして、その結果、企業提案といたしましては、透析医療費を基本分析から外させていただいております。
その根拠のスライドとして、お手元の18枚目のスライドがございます。分析ガイドラインにおける非関連医療費といたしまして、例えば高血圧治療によってイベントが減少するとき、余命が延長し、非関連医療費が増大する可能性があり、これらを原則として費用に含めないこととしているということも記載されてございますし、カナダにおけるリン吸着薬の一つであるスクロオキシ水酸化鉄の評価事例におきましても、ベースケースから透析費用は除いているということが事例としてございましたので、我々といたしましてはこのような提案をさせていただいたということでございます。

○○○委員
ありがとうございます。
そうしましたら、2点目、このQOLの件なのですが、服薬の負荷に関するQOLの低下ということで0.036という減少QOL値なのですが、確認させていただきたいのは、12枚目のスライドになりますが、まずは透析患者のQOL値は0.772という値を使っておりますけれども、その下に書いてあるTable.1、併用錠剤数別のQOL値だと、これは割と低い値が出ているのですが、これは一般の方に効いてのQOL値だとしましても大分数字が違うと思うのですが、まず、これはどのように解釈したらいいのかが1つ目の質問です。

○意見陳述者
○○先生、ありがとうございます。
これは我々も驚いた結果ではあったのですけれども、今回、一般の方を対象といたしまして、ビニエットといたしまして、透析ならではの病態、週に3回、3時間以上、透析で時間が拘束される点とか、水分摂取の制限がある点とか、透析に伴う貧血とか、様々な合併症が生じるところのビニエットを説明させていただきました。恐らく、それを受け止められている透析の患者様のQOLと、それが分からない中で説明を受けて一般の方が受け止める印象に違いがあったものと考えております。

○○○委員
そうすると、このTable.1の値を使って、今回、透析患者に聞いた透析患者のQOLの値と、一般の方に聞いた服薬の負担の値を同じように足し算・引き算していいのかというところは懸念はあるとは感じました。
-0.036というものは多分、6錠から12錠に増えるともちろん服薬は大変だと思うのですが、服薬にかかる時間はどのくらいなのでしょうか。

○意見陳述者
ありがとうございます。
こちらに関しまして、1日2錠のケース以外の、3錠、6錠から36錠につきましては、1日3回計3錠あるいは36錠という質問をさせていただいておりますので、その回数、服用いただいているという形になってございます。

○○○委員
0.036、QOL値が下がるということは、0.036は28分の1ぐらいの値だと思うのですが、1日のうちの28分の1の時間、死亡と同じ、肝心な健康の状態から死亡のゼロに下がるような時間が50分以上続いているような状態でないと多分、こういう数値の低下は起きないので、要するに、服薬6錠から12錠になると、それによって6錠分のものに追加で50分ぐらい、死ぬのと同じぐらいのつらい思いをしながら服薬をされているのかなと、この数字から読み取れてしまうのですが、そういう理解でいいですか。

○意見陳述者
ありがとうございます。
こちらに関しまして、実は類似した服薬錠数に関する研究がヨーロッパの研究におきましてC型肝炎とエイズの治療薬という形で行われてございます。そのパラメーターでは、同様の錠剤数の変化で0.01~0.02ぐらいの変化で、それに比べて大きくなってございます。
恐らくなのですけれども、今回、我々が作成したビニエットにおきまして、透析の専門医に監修をいただいたのですが、透析の患者様は水分摂取制限といった追加した条件がございまして、その限られた水分摂取を、錠数を飲まなければいけない。それによって、ほかで水分摂取ができなくなるというトレードオフもありながら、この被験者としては一定の苦しみを想起されたのではないかと考えております。

○○○委員
この数字は、確かに広い意味でQOLといえばQOLを捉えているのかもしれませんが、この数値は健康関連QOLを捉えた数字と理解して大丈夫なのでしょうか。
健康関連QOLというものは、改めて御説明する必要もないと思うのですが、健康関連QOLが下がった。例えばどちらが望ましいとか、どちらの薬の飲み方で選びますというのは広い意味でのQOLかもしれませんが、健康関連QOLではないように思うのですが、ここに示している数値は健康関連QOLの数字だと理解していいですか。

○意見陳述者
私はQOLの専門家ではない者でございますので、○○様、もし可能でしたらヘルプいただけないでしょうか。申し訳ございません。

○意見陳述者
○○の○○でございます。貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
健康関連QOLかどうかに関しては、はっきりそうですと申し上げにくいパラメーターではないかとは思っているのですけれども、患者さんの服用に際して感じられている御負担が健康関連QOLとして含められるかどうかに関しては、今回、委員の先生方の御議論と御判断によるのかなと思っております。

○○○委員
ありがとうございました。

○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員、いかがでしょうか。
○○先生、お願いします。

○○○委員
では、私もQOL関連でお尋ねしたいのですけれども、錠数が増えることあるいは減ることによるQOLが、評価するときに、水分摂取量の問題なのか。あるいはもう一つは、水分摂取量が増えた場合に、透析中の体重増加が増えて、除水量が増えて、患者さんにとっては相当血圧が下がったり、足がつったり、あるいは透析中断による透析量不足、それによる今度は心血管イベントの発症率が増加するということも考えられるのですが、そこを考慮されているかどうか。
具体的に言いますと、1回の錠剤を服用するときに100ccの水を飲むとして、1日300ccで、週末、2日空きますので、そのときは300×3の900cc、1L、体重増加が変わります。それで、錠数が半分になることによって体重増加が減る、あるいは逆に錠数が増えることによって透析の除水量が1kgというのは相当な負担になりますので、その辺も検討されているかどうか、お尋ねしてよろしいでしょうか。

○意見陳述者
ありがとうございます。
今回の12ページ目でお示ししているQOL調査におきましては、そういったところは評価には加えさせていただいておらず、あくまでも一般的に服薬の際に飲める水分量はこれだけである、透析の患者様はそれ以上飲めないのだというところを一般の方にも御説明させていただいております。
先生の御指摘は非常に透析治療として重要な点になっておるかと思いますので、そういった観点からも、服薬錠数の軽減は臨床的には非常に重要な位置づけになるのではないかと考えております。

○○○委員
ありがとうございました。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、続いて、○○委員、お願いします。

○○○委員
ありがとうございます。
QOL関連で、先ほど剤数とのQOLとの関係で肝HIVのヨーロッパのデータとおっしゃったのですけれども、両方とも長い年月付き合っているので個人的によく知っているのですが、年代によって全然違っていて、だから、いつ頃の、ちょっと古いデータになると確かに健康に関連するほど錠数が減るというか、薬自体がかなり剤形も、それから、いわゆる副作用もすごい大きいので、服薬自体で七転八倒するみたいな時代から単なる利便性の時代に移り変わっているので、何年の論文でそうおっしゃっているのか、確認しておきたいと思います。
つまり、2000年代中盤以降であれば、それは単なる利便性というか、1タブレット型とか、2タブレットが1タブレットになった感じなのですけれども、それ以前だと服薬が減ること自体が大きくQOLに反映する時代があったので、何年の論文でしょうか。

○意見陳述者
すみません。今、一緒の会議室の者に調べてもらおうかと思うのですけれども、実はその論文を使わせていただいた理由は、今の画期的なC型肝炎治療に関するものではございませんで、分析ガイドラインで示されているタイムトレードオフ法を用いた研究ということで、我々がガイドラインの範疇で参考にし得る先行研究であったからでございます。今の治療状況を肝炎で適当かどうかという観点では拝見しておりませんでしたので、この点につきましては申し訳ございませんでした。

○○○委員
だから、DAA以降だと単なる利便性で、リバビリン、インターフェロン時代だと利便性のレベルではなくて、回数が減ることが身体的に全然違う時代なので、やはり年代によってそれは違うかなと思いました。ありがとうございます。

○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
では、追加がなければ、ここまでとさせていただきまして、質疑応答を終了いたします。
続きまして、科学院から、フォゼベル錠に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。

○国立保健医療科学院
国立保健医療科学院です。資料ですけれども、費-1-4「テナパノル(フォゼベル錠)に関する公的分析のレビュー結果」を御参照ください。
1ページ目ですけれども、製造販売業者によって御提出いただいた分析の課題についてまとめております。
論点1が分析対象集団の比較対照技術について、2点目が服薬負担をアウトカムとすることについて、3点目が患者割合についてになっております。
2ページ目ですけれども、論点の1番目として、分析対象集団(a)の比較対照技術についてを挙げさせていただきました。
専門組織(i)においては、先ほど事務局から御説明がありましたように、比較対照技術として、既存の鉄含有リン吸着薬のうち、安価なものとすることが決まっております。御提出いただいた分析によれば、クエン酸第二鉄とスクロオキシ水酸化鉄の1日薬価を計算し、クエン酸第二鉄が安価であるとして比較対照技術として、クエン酸第二鉄を用いた分析を提出いただいておりますが、この点について、科学院と製造販売業者の間で協議を行いましたが、必ずしも見解が一致しなかったところであります。
どちらを比較対照技術にするか、クエン酸か、スクロオキシ水酸化鉄かという点については、分析上の設定において、例えば服薬錠数の問題、服薬の規格の問題、あるいは医療費の問題。こういったことを考慮することによって、どちらが安価である、あるいはどちらにすべきかは変動し得ることから、この点、論点に挙げさせていただいております。
3ページ目、論点2、服薬負担をアウトカムとして考慮することについてです。
製造販売業者は分析対象集団(a)の追加的有用性を服薬負担のみから検討しており、クエン酸第二鉄に比較して追加的有用性ありとして費用効果分析を実施しています。費用効果分析では、一般の人々を対象にしたビニエットで収集されたQOL値を基に、服薬負担が大きいほど低いQOL値になる結果を用いて推計されております。
しかし、このような調査に基づいてアウトカムを考慮することは以下のような課題があり、その妥当性について検討する必要があると思います。1点目については、服薬負担は必ずしも健康状態の変動を示すものではなく、○○委員からも御指摘がありましたが、必ずしも健康関連QOLとは言えないのではないかという観点から検討させていただきたいと思っております。2点目ですけれども、臨床試験ではEQ-5D-5Lを用いてQOL値を評価していますが、服薬負担の軽減の前後で値に変動がないことが示されております。また、ビニエットでは同じ対象者に複数の服薬負担のシナリオが提示されておりまして、例えば6錠よりも12錠がQOL値を低く回答するように誘導されるような問題が生じている可能性がありまして、その点も懸念として挙げさせていただいております。
4ページ目ですけれども、論点3、患者割合についてです。
製造販売業者の皆さんは、我が国の透析患者に関する疫学データを用いて患者割合を推計されています。しかし、分析対象集団(a)については高リン血症未治療例を含み得るものですけれども、製造販売業者の推計では除外されているため、その妥当性を検討する必要があるものと考えています。
5ページ目で、以上の議論から、今後再分析を実施させていただきたいと考えています。
公的分析からは以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
委員の方から御質問、御意見はございますでしょうか。

○○○委員
よろしいでしょうか。

○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、お願いいたします。

○○○委員
先ほどの私のキリンさんに対する質問にもかぶるのですけれども、服薬負担がプロセス指標になるのか、あるいは健康関連QOLになるのかという点で、服薬の錠数が増えることのみではプロセスなのかもしれませんが、結果的に錠数が増えると透析時の体重増加につながって、透析時の体重増加は透析疲労、近年、透析患者さんの研究では透析自体の疲労が問題になっています。それで、体重増加量が増えることによって、透析中の苦痛、それから、血圧低下が増えるということであれば健康関連QOLにもつながるのではないかと思います。
ただ、一般的にはそう言われているのですけれども、実際に透析の錠数と水分増加量、透析負担、透析中の透析疲労に関する研究がどの程度はっきりしたエビデンスがあるかに関しては私も不明なのですが、その点は今後、評価対象にしていいのかなと思いました。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
今の点に関して、科学院さんから何か、エビデンスとかの関係も含めて、ございますか。

○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
御指摘の点、理解するところなのですけれども、なかなか明確なエビデンス、水分摂取量とQOLの関係に対するエビデンスは必ずしも十分でないような印象がありまして、その点を含めて、再分析で検討させていただければと考えています。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。

○意見陳述者
どうもありがとうございました。

(意見陳述者退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
御議論ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論を進めたいと思います。
論点は、科学院さんのレビューにございますとおり、分析対象集団(a)の比較対照技術と、あと、御議論があった服薬負担のアウトカムの取扱いと、最後、患者割合ということでございますが、臨床の御専門の先生方が御出席されていますので、よろしかったら○○先生から御意見をいただいてもよろしいでしょうか。

○○○委員
ありがとうございます。
確かに、この透析患者さんで錠数が減ることは、飲む水の量も必要な量も減りますし、確かにいいことだとは思うのですけれども、その反面、やはり服薬錠数の健康関連QOLを判断することに少し違和感があるかなという気がしています。
あと、企業が追加で行ったアンケート調査で、先ほどQOLの値が違うという御指摘もありましたし、やはり透析患者さんとそうでない方で対象が違うので、これをそのまま話に進めていくのは荒っぽいのかなという印象を持っています。
以上です。ありがとうございます。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
○○先生、追加でございますでしょうか。

○○○委員
私も、一般の方と透析患者さんを比較するのはかなり難しい。透析中の負担、除水量が増えることによる透析疲労とかはなかなか透析患者さん、あるいはそれを間近で見ている医療者でないと評価しにくいのかなと思いました。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員、いかがでしょうか。特にQOLの指標の取扱いですが、いかがでしょうか。
○○委員、お願いします。

○○○委員
○○でございます。
QOLに関しましては、企業あるいは調査をした方へ質問してもなかなかすっきりした答えではなかったように思いましたので、ここについてはやはり再検討が必要で、あと、臨床の先生方からの御指摘のあった部分については、今回のビニエット法では捉えられていないので、ほかの方法でそれをQALYのサイズに含められるかどうかについては科学院あるいは公的分析でさらに御検討いただければと思っております。
あと、すみません。費用の点で企業に確認したことについてよろしいでしょうか。

○費用対効果評価専門組織委員長
お願いします。

○○○委員
先ほど透析医療費は非関連費用ということで、分析には含めないということで、私もそういう考えでいいのかなと思うのですが、というのは、この透析を受けられている患者さんが延命されますと、それだけで多分、透析の費用だけで1年間に500万円、600万円とかかって、なおかつ健康状態は完全な健康の一致ではないような状態の方が多いわけですから、それだけで費用対効果が悪くなってしまうので、いろいろな新たな、それに関連した医療技術の評価とかを行う上で非常に透析費用が大きく影響してきますし、そもそも、それで費用対効果が悪いという値が出てくることの解釈も困難になってまいりますので、私は、この場合は含めなくていいのかなとは思いますが、このガイドライン上、そういう非関連費用とこれが読み取れるのかどうかも含めて、あるいはこれも検討課題にしたほうがいいのかどうか。つまり、透析費用も入れた分析も行ったほうがいいのかどうかということについての御検討をいただければと思います。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
科学院さん、今の件、コストのところはいかがでしょうか。特にありますか。

○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
透析費用については、企業から分析前協議時に御相談いただいたところでありまして、我々としましても御懸念は理解したというふうにお返ししたところであります。公的分析において透析医療費を加えるべきかどうかという点については検討させていただければと考えています。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。

○○○委員
ということは、論点には入らないけれども、一応、加えるかどうかについての検討はしていただけるということで理解いたしました。

○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員、どうぞ。

○○○委員
ありがとうございます。
錠数とQOLの関係なのですけれども、通常、錠数が減れば副作用も減るはずなのですが、クエン酸第二鉄とか、どの程度の副作用、消化管関係かと思うのですけれども、それが軽減するのだったら普通に健康関連QOLに跳ねてもおかしくないと思うのですが、実際問題としてはそれほど、これ自体の副作用は重くないという理解でよろしいのでしょうか。

○費用対効果評価専門組織委員長
今の点に関して、○○先生、いかがでしょうか。

○○○委員
副作用は、確かにそれほど考慮しなくていいのではないかと思います。多量に服用したときの鉄過剰みたいなものが懸念される程度で、ただし、鉄に関しては腸管から吸収されるのも限度がありますので、副作用に関してはあまり考慮しなくていいのではないかと思います。

○費用対効果評価専門組織委員長
○○先生、もしございましたらお願いいたします。

○○○委員
私も同感で、そこまで深刻な副作用というものは経験がございませんので、そこまで深く心配しなくてもいいのではないかと思っております。

○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員、よろしいでしょうか。

○○○委員
そうなると、やはりなかなか健康関連QOLという評価は難しいかなと思いました。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他、いかがでしょうか。
意見書を拝見すると、リン値の水準とか要素について幾つか御指摘いただいているところはありますけれども、この点に関して、○○先生、いかがですか。

○○○委員
基本的にリンの高いほうが生命予後が悪いということで、これは恐らくそうなのだろうと思うのですけれども、ただ、では、リンを補正したときに生命予後が改善するのか。その辺、どの程度エビデンスがあるのかというのはちょっとだけ懸念していたところで、これはリンが下がると生命予後がよくなる機序といいますか、その辺はどう考えればいいのかと思っていたのですが、もしどなたか教えていただければと思います。

○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員から同じような御指摘がありました。今の件、追加でコメントはございますか。

○○○委員
若干、○○先生と主張していることが異なる内容ではあるのですが、よろしいですか。

○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ。構いません。

○○○委員
今回、服薬錠数が軽減するのが本当に健康関連QOLに該当するのかに関してなのですけれども、基本的には、これは血清リン濃度のコントロールが十分できた上で減る話であれば有用性は確認できるのかなと思ったのですが、そもそも服薬錠数だけをアウトカムにしていること自体が実はあまり納得できていないという意見です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
今の点に関して、○○先生、何かコメントはございますか。

○○○委員
いや、特に私からは新たにはございません。

○費用対効果評価専門組織委員長
よろしいですか。
○○先生、いかがでしょうか。

○○○委員
私も特に追加はありません。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、御意見としていただくだけで、今回はそのまま進めさせていただければと思います。
何か、今の件に関して、御助言といいますか、コメントがあればいただきますが、よろしいですね。
その他、全体を通して御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきます。
先生方の御意見を参考にまとめさせていただきますと、企業の分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がなされているということでよろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
こちらもよろしいということですね。
次に、企業の分析データなどの科学的妥当性は妥当でないと考えられる部分があるかということで、あるということでよろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
最後に、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむねよろしいということでよいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、公的分析において御指摘された、分析対象集団(a)の比較対照技術についてと、あとは、服薬負担をアウトカムとして考慮すること及び患者割合と、あとは透析の医療費の取扱いについて、御留意して分析していただければと考えております。
こういう形での再分析を実施していただくということで、皆様方、よろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。