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2024年12月27日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第7回議事録
日時
令和6年12月27日 13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、福田 敬専門委員、薄井 紀子専門委員、谷口 修一専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他
議題
○ エプキンリ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について
議事
〇費用対効果評価専門組織委員長
エプキンリ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論を始めていきたいと思います。
対象品目について、企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品に係る企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、エプキンリ皮下注に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。意見陳述者の○○でございます。本日はエプキンリ皮下注(エプコリタマブ)について、企業分析の結果を御説明させていただきます。
お手元の資料の2枚目が本日のアジェンダになっております。
3枚目を御覧ください。まず、エプコリタマブ、本剤の概要について御説明させていただきます。
本剤は、T細胞表面のCD3及びB細胞または腫瘍表面のCD20に特異的に結合するIgG1二重特異性抗体です。CD3とCD20に同時に結合することで、CD20陽性細胞に対して、T細胞を介した細胞障害作用を誘導します。海外第Ⅰ/Ⅱ相試験及び国内第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果に基づき、皮下投与の二重特異性抗体として、単剤療法での適応を取得しました。
効能・効果は、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫及び再発または難治性の濾胞性リンパ腫となっております。関連する注意点は下にお示ししているとおりです。
4枚目を御覧ください。
ここからは、企業分析に関しまして、〇〇社から説明いただきます。
○意見陳述者
ありがとうございます。今回実施した費用対効果評価分析の方法と結果について、○○の○○から御紹介いたします。
まずは、分析枠組みについて御紹介させていただきます。エプコリタマブの薬価は、類似薬効比較方式(Ⅰ)によって算定されており、ブリナツモマブを最類似技術として、10%の有用性加算を取得しております。
5ページ目を御覧ください。
分析対象集団は、抗CD20モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも2つの標準的な治療が無効または治療後に再発した、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫、または濾胞性リンパ腫であり、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫(Grade 3b)を含みます。
比較対照技術は、救援化学療法のうち最も安価なものとしております。分析方法はパーティションサバイバルモデルを用い、分析期間は生涯、分析サイクルは28日間、分析の立場は公的医療の立場といたしました。
6ページ目を御覧ください。続いて、本品の追加的有用性の設定について御紹介いたします。
アウトカムをOS、PFSとし、エプコリタマブの臨床試験は単群試験しか存在しないため、MAICを用いた間接比較による評価を実施しました。本品のデータソースには、エプコリタマブのピボタル試験であるEPCORE NHL-1試験を使用し、比較対照技術のデータソースにはSCHOLAR-1試験を使用いたしました。
その結果、EPCORE NHL-1試験におけるOSのハザード比はSCHOLAR-1試験に対し統計学的に有意に低いことが示されました。SCHOLAR-1試験ではPFSの情報は報告されておりませんでしたが、PFSはOSと高い相関があることが報告されており、また、MAICによる調整後のEPCORE NHL-1試験におけるPFSはSCHOLAR-1試験のOSを上回っていたことから、OS及びPFSともに追加的に有用性ありと判断しました。
7ページ目を御覧ください。
分析は、PFS、PPS、Deathの3つの健康状態から成るパーティションサバイバルモデルを使用して実施しました。再発または難治性のDLBCL患者を対象とした各種臨床試験の結果に基づき、分析開始後3年目の時点でPFS状態を維持している集団は、長期寛解を達成したものとみなし、死亡率、QOL値及び疾患管理費用が改善すると仮定しました。
また、前述のとおり、比較対照技術のPFSに関する情報が存在しなかったため、本品と比較対照技術のOSのハザード比を本品のPFSに適用することで比較対照技術のPFSを推定しました。
8ページ目を御覧ください。分析で使用したパラメーターのうち、臨床関連のパラメーターをお示ししております。
OS及びPFSについては、MAICで調整した臨床試験の結果を基に、パラメトリック関数を当てはめることで長期推計を行いました。長期寛解を達成した集団の死亡率は、一般集団の死亡率に標準化死亡比1.22を適用した値としました。
有害事象については、本品または比較対照技術のいずれかにおいて発生率が5%以上であったGrade 3以上の事象を考慮しました。ただし、入院を伴い治療費用が高額となる肺炎及び発生時のQOLへの影響が比較的顕著であるGrade 2以上のCRS及びICANSについては発生率が5%未満であっても分析に考慮しました。
9ページ目を御覧ください。続いて、QOL値関連のパラメーターをお示ししております。
健康状態別のQOL値には、臨床試験で得られたEQ-5D-3Lのデータを使用いたしました。長期寛解状態のQOL値は、一般健常人と同等と仮定いたしました。
有害事象の発生によるQOL値の低下も分析に考慮いたしました。
10ページ目を御覧ください。続いて、費用関連のパラメーターをお示ししております。
本分析では、評価対象技術または比較対照技術の薬剤費用、後続治療の薬剤費用、管理費用、終末期医療費用、有害事象治療費用を考慮いたしました。本品の治療継続率は、臨床試験の結果を基に、パラメトリック関数を当てはめることで長期推計を行いました。比較対照技術については、国立保健医療科学院との協議に基づき、救援化学療法のうち最も安価なものとしてR-ICE療法を選定いたしました。
後続治療における救援化学療法には、R-ICE療法に次いで安価なR-DHAP療法を想定し、費用を算出いたしました。後続治療の実施割合、管理費用、終末期医療費用、有害事象治療費用は、再発または難治性のDLBCLの治療に精通する専門医●●名に対するインタビューを行い、推定いたしました。
11ページ目を御覧ください。続いて、分析結果について御紹介いたします。
基本分析の結果は御覧のとおりとなり、救援化学療法を比較対照とした場合のエプコリタマブによる増分効果は4.885QALY、増分費用は約3973万円となり、ICERは813万円/QALY程度となりました。
12ページ目を御覧ください。
一元感度分析の結果、ICERの変動範囲は651万円/QALYから975万円/QALYとなり、分析結果に最も大きく影響を及ぼした変数はエプコリタマブ48mgの薬価でした。
また、確率的感度分析の結果、ICERが750万円/QALY、1125万円/QALY、1500万円/QALYを下回る確率はそれぞれ55.2%、93.5%、98.9%であることが示されました。
13ページ目を御覧ください。続いて、費用対効果評価専門組織からの指示に基づいて実施した、Pola-BR療法を比較対照技術としたシナリオ分析の結果をお示しいたします。
本分析では、本品とPola-BR療法の効果は同等とみなし、費用最小化分析を実施いたしました。分析モデル構造及び使用するパラメーターは基本分析と同様とし、後続治療費用及び有害事象の治療費用は分析には考慮しませんでした。
分析の結果、Pola-BR療法に対し、エプコリタマブは2514万円の費用増加となりました。
14ページ目を御覧ください。
以上より、救援化学療法を比較対照とした場合のICERの所属する確率が最も高いと考える区間は750万円超かつ1125万円以下となると考えております。
企業からの説明は以上になります。御清聴ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方々から御質問はございますでしょうか。
いかがでしょうか。
○○先生、どうぞよろしくお願いします。
○○○委員
すみません。遅くなりました。○○でございます。
最初のほうが聞き取れなかったものですから御説明があったかもしれませんが、EPCORE NHL-1のスタディーの治療成績の中で、ロングタームに治療が続けられている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。教えていただければと思います。お願いいたします。
○意見陳述者
○○さん、御回答をお願いします。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
先生のおっしゃられるロングタームで治療を続けていらっしゃる方は、どれのことを指していらっしゃるのかにも依存するかと思うのです。
○○○委員
JCOのデータを見ますと、あれは2022年か何かだったので、その後、継続して治療が行われている人はいらっしゃると思うのですが、あの論文ではたしか3割ぐらいの人がまだオン・プロトコルだったと思うのです。現在は、2024年ですから、その後、1~2年でどれくらいの期間続けられるのかが非常に重要なところかなと思いました。何年くらい続けていらっしゃるのでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
全体集団に関しましては、先生に御覧いただいているデータ以降、論文などではフォローアップのデータがまだ公表されていない状況ではございます。ただ、今回、企業分析の中で実際にTime to Discontinuationという形でデータを評価させていただいているのですけれども、そちらの曲線の中ではかなり実際に続けていらっしゃる方は極めて限定的であったと記憶しております。今すぐに正確な数字は少しお答えできないのですが、現状としてはそのような状況になっております。
○○○委員
ありがとうございます。
そのことは今後、先ほども御説明があったかもしれませんけれども、この薬は治療が効かなくなるまで、あるいは有害事象があるまで基本的に続けていくわけですね。48mgですね。ずっと続けていくということで、寛解が、例えばCRが取れても続けていくというお薬ですから、その先のロングタームのCRがどれくらい続いていって、それがどの程度QOLに、いわゆるOSに寄与していくかはとても大事だと思います。実際にはどれくらい、例えば5年間続けているのか、あるいはやめても、その後、治療効果が続いているのか。情報があればと思いましたのでお聞きしました。ありがとうございます。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
今、先生が御指摘くださった、やめた後、どの程度、状態を持続できるのかといったところは、やはり臨床医の先生方から多く御質問いただくところでございます。弊社としましても今、臨床試験の中で可能な範囲でデータを集めているところですので、来年以降、恐らく主要学会の中で御報告させていただけることかと思います。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○委員、どうぞ。
○○○委員
資料6ページ目の「3.追加的有用性」と書いてあるスライドなのですけれども、こちらはやはりアンカーのないMAICを使われているところで、バイアスがまだ大分残っていると考えております。特にSCHOLAR-1試験は、こちらは試験と呼ばれていますが、内容は観察研究のデータが混じってきているということで、EPCORE NHL-1試験はトライアルのデータで、一般的に観察研究のほうが悪いデータが得られやすい。組入れ基準等が緩いところで考えられているところと、SCHOLAR-1試験とEPCORE NHL-1試験は時代背景が多分10年ぐらい異なってくるデータかなと思いますので、やはり古いデータほどアウトカムは悪いデータが出ると考えられます。その点においては、解析では調整されていないと見受けられるのですけれども、その理解でよろしいでしょうか。
以上です。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
今回のMAICにおいて患者背景を調整させていただいた因子は、企業報告書にも記載させていただいておりますとおり、性別とか、65歳以上の割合、あと、一時治療に抵抗であった割合、連続する2つ以上の治療ラインに対して抵抗性であった割合、自家造血幹細胞移植後12か月以内に再発した割合、それから、ECOGのPerformance Statusが0~1である割合、病気のステージが3~4である割合。こういった因子を調整させていただいている状況でございます。先生の御指摘のあった調整できていない範囲に関しましては、今回のMAICにおける限界点になるかとは考えております。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。
続きまして、科学院から、エプキンリ皮下注に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。
○国立保健医療科学院
国立保健医療科学院です。資料ですけれども、費-4-4「エプコリタマブ(エプキンリ)に関する公的分析のレビュー結果」を御参照ください。
1ページ目ですけれども、製造販売業者によって御提出いただいた分析の課題についてまとめております。
2ページ目ですけれども、論点の1番目としまして、生存曲線の外挿方法についてであります。先ほど新谷先生から御指摘いただきましたが、製造販売業者はEPCORE NHL-1試験とSCHOLAR-1試験のアンカーのないMAICによる比較結果を用いて全生存期間と無増悪生存期間を推計しております。比較対照技術のPFSについては、エプコリタマブのPFSの長期推計結果に、比較対照技術に対するエプコリタマブのOSのハザード比を適用することで推計しています。
製造販売業者によりパラメトリックに推計された生存曲線は、PFSとOSの曲線が独立して推計されております。そのため、PFSで治癒した以上の患者割合が、OSでキュアすることになっておりまして、生存期間が過剰に推計されている可能性が否定できないところです。生存曲線の長期的な外挿方法については結果への影響が大きいため、その推計方法について妥当性を検討させていただきたいと考えています。
2点目、治療継続率の設定についてです。製造販売業者は、MAICによって調整したEPCORE NHL-1試験の集団における臨床試験結果を用いて、エプコリタマブの治療継続率を設定しています。また、3年時点で生存する患者は長期寛解を達成し、5年時点でエプコリタマブによる治療が全て終了するものと仮定しています。
しかし、現時点でエプコリタマブの投与をいつまで継続するかの基準については明確に定められておりません。5年時点でエプコリタマブの治療が全て終了するという設定の十分な根拠も示されていません。また、治療中止後も治癒状態が継続するかについては、データも存在せず、不確実性が大きいところです。したがって、これらの治療継続に関する設定の妥当性について検討したいと考えています。
4ページ目です。論点3の長期寛解後のQOL値の設定についてです。
製造販売業者は、3年時点で生存する患者さんについては長期寛解を達成したものとみなし、これを達成した患者においては、一般健常人と同等のQOL値。これは性年齢別のものですけれども、こちらを獲得するものと設定しています。
しかし、既に2つ以上の治療で無効あるいは再発し、三次治療を行っているような本分析対象集団において、一般健常人の方々と同等のQOL値を獲得できるという想定は過剰である可能性が否定できません。そこで、長期寛解後のQOL値の設定の妥当性について検討したいと考えております。
5ページ目ですけれども、以上から、科学院としましては、今後再分析を実施させていただければと考えているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方から御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
○意見陳述者
ありがとうございました。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
論点については、先ほど御説明のあった生存曲線の外挿方法と、あとは治療継続率の設定と、長期寛解後のQOL値の設定といただいておりますが、いかがでしょう。
では、○○先生、追加でコメントがございましたらお願いします。
○○○委員
ありがとうございます。
科学院の先生方の御指摘はそのとおりだと思います。いずれのポイントもそのとおりで、不的確性がかなり高いと思っておりますので、御指摘に沿って再分析をするのは妥当なことだろうと思います。
特に、先ほど先生が御指摘になったように、SCHOLAR-1とか、過去のいわゆる観察研究を比較対照にしてOSを過剰によく見せているところをやはり懸念するところもありますものですから、そこもきちんと、長期成績も踏まえた上で、その中で検討する必要があるだろうと思いますので、私は科学院の先生方の御指摘は非常に妥当と思っております。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
先生方の意見を拝見しますと、基本的には再分析の御指示ということでありますので、それに沿ってまとめさせていただきたいと思います。
それでは、議決に入らせていただきます。
先生方の御意見を参考に、先生方の御意見をまとめますと、企業分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がなされているということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
次に、企業の分析データ等の科学的妥当性は妥当でないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
最後に、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当ということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、公的分析において、生存曲線の外挿方法について及び治療継続率の設定について、さらに、長期寛解後のQOL値の設定についてという論点で再分析を実施していただきたいということにさせていただきます。
こちらもよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
エプキンリ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論を始めていきたいと思います。
対象品目について、企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品に係る企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、エプキンリ皮下注に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。意見陳述者の○○でございます。本日はエプキンリ皮下注(エプコリタマブ)について、企業分析の結果を御説明させていただきます。
お手元の資料の2枚目が本日のアジェンダになっております。
3枚目を御覧ください。まず、エプコリタマブ、本剤の概要について御説明させていただきます。
本剤は、T細胞表面のCD3及びB細胞または腫瘍表面のCD20に特異的に結合するIgG1二重特異性抗体です。CD3とCD20に同時に結合することで、CD20陽性細胞に対して、T細胞を介した細胞障害作用を誘導します。海外第Ⅰ/Ⅱ相試験及び国内第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果に基づき、皮下投与の二重特異性抗体として、単剤療法での適応を取得しました。
効能・効果は、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫及び再発または難治性の濾胞性リンパ腫となっております。関連する注意点は下にお示ししているとおりです。
4枚目を御覧ください。
ここからは、企業分析に関しまして、〇〇社から説明いただきます。
○意見陳述者
ありがとうございます。今回実施した費用対効果評価分析の方法と結果について、○○の○○から御紹介いたします。
まずは、分析枠組みについて御紹介させていただきます。エプコリタマブの薬価は、類似薬効比較方式(Ⅰ)によって算定されており、ブリナツモマブを最類似技術として、10%の有用性加算を取得しております。
5ページ目を御覧ください。
分析対象集団は、抗CD20モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも2つの標準的な治療が無効または治療後に再発した、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫、または濾胞性リンパ腫であり、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫(Grade 3b)を含みます。
比較対照技術は、救援化学療法のうち最も安価なものとしております。分析方法はパーティションサバイバルモデルを用い、分析期間は生涯、分析サイクルは28日間、分析の立場は公的医療の立場といたしました。
6ページ目を御覧ください。続いて、本品の追加的有用性の設定について御紹介いたします。
アウトカムをOS、PFSとし、エプコリタマブの臨床試験は単群試験しか存在しないため、MAICを用いた間接比較による評価を実施しました。本品のデータソースには、エプコリタマブのピボタル試験であるEPCORE NHL-1試験を使用し、比較対照技術のデータソースにはSCHOLAR-1試験を使用いたしました。
その結果、EPCORE NHL-1試験におけるOSのハザード比はSCHOLAR-1試験に対し統計学的に有意に低いことが示されました。SCHOLAR-1試験ではPFSの情報は報告されておりませんでしたが、PFSはOSと高い相関があることが報告されており、また、MAICによる調整後のEPCORE NHL-1試験におけるPFSはSCHOLAR-1試験のOSを上回っていたことから、OS及びPFSともに追加的に有用性ありと判断しました。
7ページ目を御覧ください。
分析は、PFS、PPS、Deathの3つの健康状態から成るパーティションサバイバルモデルを使用して実施しました。再発または難治性のDLBCL患者を対象とした各種臨床試験の結果に基づき、分析開始後3年目の時点でPFS状態を維持している集団は、長期寛解を達成したものとみなし、死亡率、QOL値及び疾患管理費用が改善すると仮定しました。
また、前述のとおり、比較対照技術のPFSに関する情報が存在しなかったため、本品と比較対照技術のOSのハザード比を本品のPFSに適用することで比較対照技術のPFSを推定しました。
8ページ目を御覧ください。分析で使用したパラメーターのうち、臨床関連のパラメーターをお示ししております。
OS及びPFSについては、MAICで調整した臨床試験の結果を基に、パラメトリック関数を当てはめることで長期推計を行いました。長期寛解を達成した集団の死亡率は、一般集団の死亡率に標準化死亡比1.22を適用した値としました。
有害事象については、本品または比較対照技術のいずれかにおいて発生率が5%以上であったGrade 3以上の事象を考慮しました。ただし、入院を伴い治療費用が高額となる肺炎及び発生時のQOLへの影響が比較的顕著であるGrade 2以上のCRS及びICANSについては発生率が5%未満であっても分析に考慮しました。
9ページ目を御覧ください。続いて、QOL値関連のパラメーターをお示ししております。
健康状態別のQOL値には、臨床試験で得られたEQ-5D-3Lのデータを使用いたしました。長期寛解状態のQOL値は、一般健常人と同等と仮定いたしました。
有害事象の発生によるQOL値の低下も分析に考慮いたしました。
10ページ目を御覧ください。続いて、費用関連のパラメーターをお示ししております。
本分析では、評価対象技術または比較対照技術の薬剤費用、後続治療の薬剤費用、管理費用、終末期医療費用、有害事象治療費用を考慮いたしました。本品の治療継続率は、臨床試験の結果を基に、パラメトリック関数を当てはめることで長期推計を行いました。比較対照技術については、国立保健医療科学院との協議に基づき、救援化学療法のうち最も安価なものとしてR-ICE療法を選定いたしました。
後続治療における救援化学療法には、R-ICE療法に次いで安価なR-DHAP療法を想定し、費用を算出いたしました。後続治療の実施割合、管理費用、終末期医療費用、有害事象治療費用は、再発または難治性のDLBCLの治療に精通する専門医●●名に対するインタビューを行い、推定いたしました。
11ページ目を御覧ください。続いて、分析結果について御紹介いたします。
基本分析の結果は御覧のとおりとなり、救援化学療法を比較対照とした場合のエプコリタマブによる増分効果は4.885QALY、増分費用は約3973万円となり、ICERは813万円/QALY程度となりました。
12ページ目を御覧ください。
一元感度分析の結果、ICERの変動範囲は651万円/QALYから975万円/QALYとなり、分析結果に最も大きく影響を及ぼした変数はエプコリタマブ48mgの薬価でした。
また、確率的感度分析の結果、ICERが750万円/QALY、1125万円/QALY、1500万円/QALYを下回る確率はそれぞれ55.2%、93.5%、98.9%であることが示されました。
13ページ目を御覧ください。続いて、費用対効果評価専門組織からの指示に基づいて実施した、Pola-BR療法を比較対照技術としたシナリオ分析の結果をお示しいたします。
本分析では、本品とPola-BR療法の効果は同等とみなし、費用最小化分析を実施いたしました。分析モデル構造及び使用するパラメーターは基本分析と同様とし、後続治療費用及び有害事象の治療費用は分析には考慮しませんでした。
分析の結果、Pola-BR療法に対し、エプコリタマブは2514万円の費用増加となりました。
14ページ目を御覧ください。
以上より、救援化学療法を比較対照とした場合のICERの所属する確率が最も高いと考える区間は750万円超かつ1125万円以下となると考えております。
企業からの説明は以上になります。御清聴ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方々から御質問はございますでしょうか。
いかがでしょうか。
○○先生、どうぞよろしくお願いします。
○○○委員
すみません。遅くなりました。○○でございます。
最初のほうが聞き取れなかったものですから御説明があったかもしれませんが、EPCORE NHL-1のスタディーの治療成績の中で、ロングタームに治療が続けられている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。教えていただければと思います。お願いいたします。
○意見陳述者
○○さん、御回答をお願いします。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
先生のおっしゃられるロングタームで治療を続けていらっしゃる方は、どれのことを指していらっしゃるのかにも依存するかと思うのです。
○○○委員
JCOのデータを見ますと、あれは2022年か何かだったので、その後、継続して治療が行われている人はいらっしゃると思うのですが、あの論文ではたしか3割ぐらいの人がまだオン・プロトコルだったと思うのです。現在は、2024年ですから、その後、1~2年でどれくらいの期間続けられるのかが非常に重要なところかなと思いました。何年くらい続けていらっしゃるのでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
全体集団に関しましては、先生に御覧いただいているデータ以降、論文などではフォローアップのデータがまだ公表されていない状況ではございます。ただ、今回、企業分析の中で実際にTime to Discontinuationという形でデータを評価させていただいているのですけれども、そちらの曲線の中ではかなり実際に続けていらっしゃる方は極めて限定的であったと記憶しております。今すぐに正確な数字は少しお答えできないのですが、現状としてはそのような状況になっております。
○○○委員
ありがとうございます。
そのことは今後、先ほども御説明があったかもしれませんけれども、この薬は治療が効かなくなるまで、あるいは有害事象があるまで基本的に続けていくわけですね。48mgですね。ずっと続けていくということで、寛解が、例えばCRが取れても続けていくというお薬ですから、その先のロングタームのCRがどれくらい続いていって、それがどの程度QOLに、いわゆるOSに寄与していくかはとても大事だと思います。実際にはどれくらい、例えば5年間続けているのか、あるいはやめても、その後、治療効果が続いているのか。情報があればと思いましたのでお聞きしました。ありがとうございます。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
今、先生が御指摘くださった、やめた後、どの程度、状態を持続できるのかといったところは、やはり臨床医の先生方から多く御質問いただくところでございます。弊社としましても今、臨床試験の中で可能な範囲でデータを集めているところですので、来年以降、恐らく主要学会の中で御報告させていただけることかと思います。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○委員、どうぞ。
○○○委員
資料6ページ目の「3.追加的有用性」と書いてあるスライドなのですけれども、こちらはやはりアンカーのないMAICを使われているところで、バイアスがまだ大分残っていると考えております。特にSCHOLAR-1試験は、こちらは試験と呼ばれていますが、内容は観察研究のデータが混じってきているということで、EPCORE NHL-1試験はトライアルのデータで、一般的に観察研究のほうが悪いデータが得られやすい。組入れ基準等が緩いところで考えられているところと、SCHOLAR-1試験とEPCORE NHL-1試験は時代背景が多分10年ぐらい異なってくるデータかなと思いますので、やはり古いデータほどアウトカムは悪いデータが出ると考えられます。その点においては、解析では調整されていないと見受けられるのですけれども、その理解でよろしいでしょうか。
以上です。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
今回のMAICにおいて患者背景を調整させていただいた因子は、企業報告書にも記載させていただいておりますとおり、性別とか、65歳以上の割合、あと、一時治療に抵抗であった割合、連続する2つ以上の治療ラインに対して抵抗性であった割合、自家造血幹細胞移植後12か月以内に再発した割合、それから、ECOGのPerformance Statusが0~1である割合、病気のステージが3~4である割合。こういった因子を調整させていただいている状況でございます。先生の御指摘のあった調整できていない範囲に関しましては、今回のMAICにおける限界点になるかとは考えております。
○○○委員
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。
続きまして、科学院から、エプキンリ皮下注に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。
○国立保健医療科学院
国立保健医療科学院です。資料ですけれども、費-4-4「エプコリタマブ(エプキンリ)に関する公的分析のレビュー結果」を御参照ください。
1ページ目ですけれども、製造販売業者によって御提出いただいた分析の課題についてまとめております。
2ページ目ですけれども、論点の1番目としまして、生存曲線の外挿方法についてであります。先ほど新谷先生から御指摘いただきましたが、製造販売業者はEPCORE NHL-1試験とSCHOLAR-1試験のアンカーのないMAICによる比較結果を用いて全生存期間と無増悪生存期間を推計しております。比較対照技術のPFSについては、エプコリタマブのPFSの長期推計結果に、比較対照技術に対するエプコリタマブのOSのハザード比を適用することで推計しています。
製造販売業者によりパラメトリックに推計された生存曲線は、PFSとOSの曲線が独立して推計されております。そのため、PFSで治癒した以上の患者割合が、OSでキュアすることになっておりまして、生存期間が過剰に推計されている可能性が否定できないところです。生存曲線の長期的な外挿方法については結果への影響が大きいため、その推計方法について妥当性を検討させていただきたいと考えています。
2点目、治療継続率の設定についてです。製造販売業者は、MAICによって調整したEPCORE NHL-1試験の集団における臨床試験結果を用いて、エプコリタマブの治療継続率を設定しています。また、3年時点で生存する患者は長期寛解を達成し、5年時点でエプコリタマブによる治療が全て終了するものと仮定しています。
しかし、現時点でエプコリタマブの投与をいつまで継続するかの基準については明確に定められておりません。5年時点でエプコリタマブの治療が全て終了するという設定の十分な根拠も示されていません。また、治療中止後も治癒状態が継続するかについては、データも存在せず、不確実性が大きいところです。したがって、これらの治療継続に関する設定の妥当性について検討したいと考えています。
4ページ目です。論点3の長期寛解後のQOL値の設定についてです。
製造販売業者は、3年時点で生存する患者さんについては長期寛解を達成したものとみなし、これを達成した患者においては、一般健常人と同等のQOL値。これは性年齢別のものですけれども、こちらを獲得するものと設定しています。
しかし、既に2つ以上の治療で無効あるいは再発し、三次治療を行っているような本分析対象集団において、一般健常人の方々と同等のQOL値を獲得できるという想定は過剰である可能性が否定できません。そこで、長期寛解後のQOL値の設定の妥当性について検討したいと考えております。
5ページ目ですけれども、以上から、科学院としましては、今後再分析を実施させていただければと考えているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方から御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
○意見陳述者
ありがとうございました。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
論点については、先ほど御説明のあった生存曲線の外挿方法と、あとは治療継続率の設定と、長期寛解後のQOL値の設定といただいておりますが、いかがでしょう。
では、○○先生、追加でコメントがございましたらお願いします。
○○○委員
ありがとうございます。
科学院の先生方の御指摘はそのとおりだと思います。いずれのポイントもそのとおりで、不的確性がかなり高いと思っておりますので、御指摘に沿って再分析をするのは妥当なことだろうと思います。
特に、先ほど先生が御指摘になったように、SCHOLAR-1とか、過去のいわゆる観察研究を比較対照にしてOSを過剰によく見せているところをやはり懸念するところもありますものですから、そこもきちんと、長期成績も踏まえた上で、その中で検討する必要があるだろうと思いますので、私は科学院の先生方の御指摘は非常に妥当と思っております。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
先生方の意見を拝見しますと、基本的には再分析の御指示ということでありますので、それに沿ってまとめさせていただきたいと思います。
それでは、議決に入らせていただきます。
先生方の御意見を参考に、先生方の御意見をまとめますと、企業分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がなされているということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
次に、企業の分析データ等の科学的妥当性は妥当でないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
最後に、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当ということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、公的分析において、生存曲線の外挿方法について及び治療継続率の設定について、さらに、長期寛解後のQOL値の設定についてという論点で再分析を実施していただきたいということにさせていただきます。
こちらもよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。

