2024年12月27日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第7回議事録

日時

令和6年12月27日 13:00~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、福田 敬専門委員、荻野 均専門委員、船崎 俊一専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官

<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他

議題

○ リットフーロに関する総合的評価について

議事

〇費用対効果評価専門組織委員長
リットフーロカプセルについて、公的分析による再分析結果が提出されておりますので、公的分析からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容及び公的分析による再分析結果の審査並びに費用対効果評価案の策定について先生方に御議論いただきたいと思います。
では、リットフーロカプセルについて、まずは事務局から説明をお願いいたします。

(事務局・国立保健医療科学院より説明)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、まず本品目に係る公的分析の再分析結果に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。

(意見陳述者入室)

○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、リットフーロカプセルの総合的評価について御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。

○意見陳述者
〇〇と申します。本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。私から公的分析に対する意見を陳述いたします。
なお、本日の資料におきまして、青字の箇所は企業の見解並びに赤字の箇所は公的側の見解を示しております。
それでは、2ページ目をお願いします。
昨年の分析前協議にて、分析対象集団と比較対照技術が設定されています。分析対象集団(a)は成人、(b)は小児の円形脱毛症患者です。比較対照技術は、成人ではバリシチニブですが、小児ではバリシチニブが使用できず、重症例に対する有効な治療選択肢が限られているため、小児の比較対照技術はBSC(Best supportive care)となります。
3ページ目をお願いいたします。こちらは企業分析と公的分析の結果をまとめた資料になります。
成人では、バリシチニブに対する追加的有用性の有無を判断できず、費用最小化分析を行い、企業も公的側も費用増加という結果でした。一方、小児では、企業も公的側も追加的有用性があると判断し、費用効果分析を行いましたが、分析結果であるICERの値に大きな乖離が認められました。そのため、本日の論点は小児の分析となります。
4ページ目をお願いいたします。こちらには、小児の分析結果が薬価調整率に与える影響をまとめています。
中段の91.9%を占める成人において、我々も費用増加を認めており、価格調整率は0.1が適用され、薬価が下がる見込みです。残りの小児の分析結果によって薬価の引下げ率が変わってきますが、小児の割合は8.1%であり、小児の分析結果が価格調整に与える影響は大きくありません。例えば、本日我々が提案する内容が採用される場合は3.9%、公的分析の結果が採用される場合は4.1%、薬価が下がることになり、その差は薬価全体の0.2%にとどまります。一方で、小児ではバリシチニブが使用できず、リトレシチニブは小児のアンメットニーズに応える薬剤であるため、小児における費用対効果のよしあしは非常に重要な論点と考えています。
5ページ目をお願いいたします。
公的分析では、資料に示す5つの設定が企業分析から変更されました。
6ページ目をお願いいたします。こちらの表は、分析条件の変更がICERに与える影響を示しています。
一番上は企業分析の結果を示しており、ここから1つずつ設定の変更が加えられています。5つの設定変更のうち、赤色でハイライトしたc)-①、15歳以降の後治療並びにc)-②、15歳以降の薬価の設定変更が特にICERに与える影響が大きかったです。そこで本日は、この2つの設定変更について企業の見解をお伝えします。
それでは、7ページ目をお願いいたします。まず、条件c)-①について説明します。これは比較対照技術の設定の違いであり、企業分析では比較対照技術をBSCとし、年齢にかかわらずBSCを受け続ける設定としました。一方、公的分析では、15歳になればバリシチニブが使用可能になることから、12歳から分析を始め、14歳まではBSC、15歳になるとバリシチニブに切り替わる設定を用いています。
昨年の分析前協議では、比較対照技術はBSCに決定しており、公的側の設定は分析前協議での決定事項と異なると考えています。なぜなら、分析期間を生涯とした場合、大半の期間が15歳以降のため、公的側の比較対照技術はBSCではなく、ほぼバリシチニブと言えるからです。また、15歳の時点で全員がBSCからバリシチニブに切り替える設定になっていますが、実臨床では一定数の患者さんは15歳以降のBSCを継続すると考えられるため、新たな不確実性を伴う分析になっています。
8ページ目をお願いいたします。続いて、条件c)-②について説明します。これは15歳以降の積極治療、すなわち、リトレシチニブとバリシチニブの薬価に関するものです。
資料の右側を御確認ください。公的分析では、15歳以降の分析の過大推計を避けるため、15歳以降のリトレシチニブとバリシチニブの薬剤費をバリシチニブの薬価に統一し、差が出ないようにしています。その結果、リトレシチニブ部分におきましては12~14歳、そして、15歳以降と、リトレシチニブの薬剤費が変わる設定になっており、この点は実臨床に即していません。仮に、BSC群において、15歳以降はバリシチニブが使用可能と考えるのであれば、同じようにリトレシチニブも使用可能であるため、15歳以降の薬剤費はリトレシチニブの薬剤費を用いることも検討の余地があります。
この点につきまして、追加解析を行いましたので、次の資料で説明します。9ページ目をお願いいたします。
資料の右側を御確認ください。15歳以降の薬剤費は、リトレシチニブの薬価を用い、その他は公的分析と同じ設定で分析を行いました。その結果、公的分析に比べて増分費用は小さくなり、ICERの2倍以上小さくなりました。このように、15歳以降の条件を1つ変更することによりICERが大きく変わってしまいます。そもそも、本来の目的は小児に対する評価のため、公的分析の設定では不確実性の高い15歳以降の分析は含めないほうがよいと考えています。
10ページ目をお願いいたします。こちらは我々企業からの提案をまとめた資料となります。
我々は、比較対照技術をBSCとする企業分析の設定が適切と考えています。ただ、企業分析が認められないのであれば、公的分析において、小児集団の分析期間を3年とし、15歳以降の期間を含めないでいただきたいと考えています。なぜなら、12~14歳の比較対照技術はBSCであり、分析前協議における決定事項と合致するからです。
また、15歳以降の比較対照技術をバリシチニブにする設定は、既に成人の集団で評価されています。ただ、分析期間が3年間であるために、薬剤の効果を十分評価できていない課題は残りますが、3年間で小児集団の約3分の2はリトレシチニブの投与を中止していることから、3年間の分析であっても、ある程度、薬剤の効果は評価できていると考えられます。
なお、この提案は公的側のシナリオ分析であるため、公的側のシナリオ分析を最終結果として採用いただきたいと考えています。また、公的側に追加分析をお願いすることはありません。
11ページ目をお願いいたします。こちらが最後のスライドになります。
本日は、小児集団の公的分析に対しまして企業の見解をお伝えしました。小児の比較対照技術を、12~14歳の期間ではBSC、15歳以降ではバリシチニブとする設定は、分析前協議で決定された分析枠組みと異なると考えています。また、年齢によってリトレシチニブの薬価が変わる設定は実臨床に即していません。
以上、2点を踏まえまして、我々企業分析の設定が認められないのであれば、公的分析でのシナリオ分析、すなわち、分析期間を3年とする分析結果を採用いただきたいと考えております。
以上、本日お伝えした見解につきまして御検討いただけますと幸いです。
貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。以上となります。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、委員の方々から御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。

○意見陳述者
ありがとうございました。

(意見陳述者退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議論に先立ちまして、企業から公的分析についての御意見がございましたので、科学院から何か御意見等があればお願いいたします。

○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
企業の御主張といたしましては、小児集団において3年間を分析期間とした分析を採用してほしいという御議論でありましたけれども、分析期間を3年間とした分析を実施する場合、その3年以降の影響、特に費用の影響が考慮できなくなるため、過小推計になるのではないかと考えていますので、もしシナリオ分析で御検討いただくのであれば、我々が御提示させていただいたシナリオ分析その1、比較対照技術が生涯にわたってBSCを継続するとした場合について御検討いただくほうがより適切なのではないかと考えている次第です。
我々からは以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該費目について、御議論をお願いしたいと思います。
なお、御議論に当たっては、企業分析結果と公的分析の再分析結果のどちらがより科学的により確からしいかを相対的に評価することを踏まえて御議論を進めていただきますようお願い申し上げます。
では、臨床の先生が御出席されていますので、○○先生、いかがでしょうか。

○○○委員
すみません。途中からだったので、考えさせていただいてよろしいですか。

○費用対効果評価専門組織委員長
分かりました。
では、○○先生、よろしければお願いできますでしょうか。

○○○委員
○○です。よろしくお願いします。
企業さんがおっしゃっていたことももっともだなという感じで、15歳以上に関して始める場合は公的機関のとおりでいいと思うのですけれども、12歳から15歳の間のあれですが、12歳より前に発症したリットフーロの適応になる、割と激しい円形脱毛症の子供を12歳のときに治療しなくて、わざわざ15歳から、ちょっとだけ安いからというのでオルミエントで治療するのは、あまりそんなことはないし、現実的ではないのではないかと思いますので、最初からリットフーロで治療しているか、何か理由があって、12歳から過ぎて15歳になっても内服の治療をしないかという、どちらかになる感じはします。もちろん、病気がだんだん進行してきて15歳を超えたから使うこともあると思うのですけれども、そういう印象を持ちます。
特に、現実的な問題としますと、大抵の場合、中学生は薬剤費がかかりませんし、公的負担があって、家族さんは払わなくて済むので、なるべく早めに導入してあげようと医者側も患者側も考えるので、わざわざ、もしかすると自費負担が増える15歳以降になって導入しようという患者さんは少ないかなと思った次第です。そんなところで、あとは公的分析でいいような気がします。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
では、その他の先生方、いかがでしょうか。今回、分析対象集団(b)における議論となっておりますし、15歳以降の後治療も含めたお薬の取扱いの話だと思います。
○○委員、お願いします。

○○○委員
すみません。公的分析で御説明いただいた論点2(b)15歳以降の後治療についてで、意見書にも書かせていただいて、私が理解できていないところなのですが「後治療の影響により15歳以降でリトレシチニブとバリシチニブの費用の差が蓄積していくことは、費用の群間差を過剰に推計する恐れがある」ということで、リトレシチニブを使っているのにバリシチニブの薬価で分析したと読めたのですが、これは不思議な感じに思いました。
あと、企業のシナリオ分析1、公的分析のやったシナリオ分析1がある意味受け入られるということだと思うのですが、私もシナリオ分析1は非常に理解が、むしろ、先ほどの基本分析よりはシナリオとして理解できるところがございます。というのは、臨床上は何歳から使い始めるとかという連続性のある話なので、15歳になった瞬間に治療を変えることは通常はないのでしょうけれども、今回目的としているのは12歳から15歳の間の患者に使ったときの薬剤の価値でありますので、15歳以降の治療を、2群を比べるときに、15歳以上の治療を別のものに変えてしまうと何の価値を評価しているのかが分からなくなってしまうわけで、12歳から15歳の間はその2群で違う治療ですが、15歳以降は同じ条件でそろえて治療が行われているというふうにしないと、15歳以降の薬の価値の評価がより重みがついてしまいますので、今、提示されている分析結果の中では公的分析のシナリオ1の分析が最も小児の期間におけるこの薬の価値を評価するのには適切な結果ではないかと思いました。
もしさらに追加でやるのであれば、15歳以降に両群ともリトレシチニブを使う場合とか、両群ともバリシチニブを使う場合とかという分析もあり得るとは思いますけれども、今回のシナリオ1の結果がおおむね小児における薬の価値を反映しているのではないかと考えました。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
科学院さん、今のコメントで何かございますか。

○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
○○先生のおっしゃっていることは全くそのとおりかなと思いますので、ぜひ専門組織で御議論いただければと考えています。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
科学院さんの行われたシナリオ1が一つ、選択肢としてあるのではないかという御意見でもあったと思いますし、科学院さんからもそのような御意見がございましたが、先生方、いかがでしょうか。

○○○委員
すみません。○○です。先ほどは申し訳ありません。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○先生、お願いいたします。○○先生、ちょっとお待ちください。

○○○委員
もしかしたら全体をきちんと把握し切れていないかもしれなくて大変申し訳ないのですが、12歳から15歳の小児にこのリトレシチニブが使えることを正しく評価するシナリオがいいのではないかと思いました。15歳以降で全部バリシチニブに変わることも実際には考えにくいですし、そのまま12歳から15歳でもしリトレシチニブを使っていればそれを継続するとか、そういった形が多いかと思います。実際の臨床の現場ですとそういうことが多いので、やはり対象がバリシチニブになるのは15歳以降ですと、○○先生がおっしゃったように、バリシチニブにする群、リトレシチニブにする群の両方で比べる必要があるのではないかと思いました。
また、完全に15歳以降BSCにすることも、そういう方も、子供さんの場合はもしかするとうまくいって、その後、BSCにどこかの時点でなる可能性もあるかとは思いますけれども、それはケース・バイ・ケースで相当変わってきます。15歳以降、BSCにしてしまうのもまた極端な話になると思うので、それぞれを比較するしかないのかと思いましたので、12~15歳の小児のリトレシチニブの評価をきちんとするのが、今回、一番重きを置くべきところなのかと思いました。
リトレシチニブとバリシチニブは全くJAK阻害薬の中でもメカニズムが異なって、抑える部分が違いますので、必ずしも同じ効果を同じ人がリトレシチニブを使ったものをバリシチニブにしたとき、あるいはバリシチニブからリトレシチニブにしたときに、以前と同じ効果を得られるとは限らないと思いますので、ある意味では全くメカニズムが違う薬なので、JAK阻害薬の中でも違うので、ある程度、独立したお薬としても考える必要があるのではないかと臨床の場からは感じています。
副作用に関しても、まだ3年、5年使わないと分からないですけれども、これに関してもそれぞれ異なることが出てくるのではないか。有効性・安全性それぞれ、何か特性を持ったものが出てくる可能性があると考えています。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
では、○○委員、お待たせしました。お願いします。

○○○委員
ありがとうございます。
統計のことは全く分からないので、こうやって評価したらこうなるのかなと思いましたが、アプレイザルということであるならば、現在、やはり小児のアンメットについては何とか開発を促進しようという政策をやっており、今回の薬機法改正においてもかなりそこは力を入れて小児のアンメットニーズを何とかしようとしていることもあるので、専門家の先生にお尋ねしたいのは、本来、殊に人生は小児期が一部で、成人期が長いわけなので、そういったときに、小児の価値をどのような枠組みで評価するかに関して考えると、今回のいろいろな方法論はどれもこれも十分ではないような気もするのです。
先生方の御判断だと思いますけれども、企業の言う主張にも一定の利があるように思うので、先ほどシナリオ分析1であればということで、実態を考えると、これも実態とどうなのかというのはありますが、やはり全体として、ある程度、小児用を開発した価値を評価できる選択肢を選ぶことがあればよいのかなと考えました。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の委員の先生方、いかがでしょうか。なかなか難しいというか、ジレンマのあるテーマではあります。
○○先生、どうぞ。

○○○委員
ありがとうございます。
今、○○先生から小児期についてのお話がありましたけれども、やはり小児期は、もっと小学校の低学年ぐらいからこういった脱毛症で悩んでいらっしゃる方はかなり多くて、治療が本当にない状態でした。したがって、小学生のときの、ある意味、いじめだったり、不登校だったりとか、その辺の詳しいデータがあるか、エビデンスがあるかというと、もしかしたら○○先生が御存じかもしれませんが、実際にはそういうお話も患者さん個人から伺っていますし、実際にあると私たちも考えています。
ですので、12歳からということで、中学生からになってしまいますけれども、それでもやはり重要なこの治療法があるということで、将来、学生さんのときも含めて、登校拒否にならない、あるいは勉学も継続できる、将来の夢をもつとか、身体的な障害が将来の選択肢に左右しないようにする点では非常に重要なことで、この小児期に、これまで全く治療がなかった時期に適応のあるお薬ができたことは非常に意味のある、重要なことだと私たちは考えています。ありがとうございます。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他、いかがでしょうか。

○○○委員
では、すみません。○○です。

○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員、お願いします。

○○○委員
確かに小児のことについて議論を深める機会だと思いますので、この病気自体がやはり我々は十分な認識がなくて、もう少し教えていただきたいのですけれども、遺伝的な素因、または環境要因、場合によっては、それこそ児童虐待みたいなものが背景にあったり、そのようなことについて、どの程度知られているのか。Best supportive careと言われているものがどんなことをされるのか、長期予後などはどういったことなのかも、せっかくですので、もう少し教えていただければと思いました。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○先生、お願いできますか。

○○○委員
ありがとうございます。
今、何%とか、具体的なことは申し上げることはできないのですけれども、遺伝的な背景はある可能性はあるのですが、はっきりとした、例えば優性遺伝とか、そういったものが分かっているものではなくて、もっと環境因子が加わった、多因子遺伝プラス環境因子が加わったという意味で、多因子遺伝ですので、まだまだ分からないということです。
アトピー素因がある方に多いと言われ、学生さんのときに、小児期からある場合は、アトピー素因がある方、いわゆるアレルギー素因がある方が多いと言われていますけれども、全員がそういうわけでもないです。そして、例えばストレスとか、メンタル的なことから発症するではないかということが大分言われていましたが、そういうケースもあるし、全くそういうことが当たらないケースもあって、メンタル的な要素については、円形脱毛症の専門家の中でも全く否定していらっしゃる先生もいます。遺伝的な素因プラス環境因子が複雑に絡んでいる疾患で、はっきりとした原因とか病態もまだまだ分かっていない点が多い疾患の一つになります。
そして、児童虐待については、そういうことが当たるようなケースを私自身はあまり出会ったことはないですし、そこにフォーカスしたようなことが議論されているのもあまり聞いたことはないですので、恐らくそういったものよりも、もともとの自己免疫疾患という考え方が一番当たっていると思います。自己免疫ですので、遺伝的な素因と環境因子によって発症するということだと思います。
ですので、何らかの手当てをしなければ一生このまま治らないケースも多く、先ほど一部は自然に、ある程度、治療するとよくなってくるケースもありますが、一生持続してしまう方もたくさんいらっしゃるということです。恐らく50%以上は一生続く方が多いのではないかと思いますが、その統計については、詳細な正しい統計はまだないのではないかと思います。
Best supportive careについては、ステロイドの外用、しかもストロンゲストの薬が中心で使われていて、それでも十分ではない。そこでステロイドの局所注射を継続的に、1~2か月に1回行うケースもありますが、ただ、それも一時的なので、結局、やめてしまえばまた抜けてしまう。副作用が大きく出ますので、子供さんには長期に行うことはまずないです。
あとは、ナローバンドUVBとかPUVAとか、そういった紫外線治療を併用することによって一時的によくなる方もいらっしゃいます。ただ、それも継続しないとまた抜けてしまうという、やはり自己免疫的なことが作用しているので、そういう結果になるのだと思います。
あとは○○先生に補足していただいたほうがいいかと思います。ありがとうございます。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○先生、お願いできますでしょうか。

○○○委員
○○です。
特に補足することはないですけれども、最後で言ってくださったように、これは自己免疫疾患ですので、ストレスとか、昔から言われていることは全く考えないほうがいいです。ストレスで悪くなるわけでもないし、虐待で起こるわけでもなく、理由なく若年性のリウマチが起こったりSLEが起こったりするのと同じで、誰に起こるか分かりませんが、急に起こる、誰にでも起こる疾患で、多少は遺伝的背景があるでしょうけれども、全く遺伝する病気でもないです。
○○先生が言った、円形脱毛症という病名を一般で言ってしまうと、みんな、100円はげとか500円はげみたいなものが1~2個出ているものを感じるでしょうし、人生の中でそういった100円はげを何個か出る人は幾らでもいるので、あんなものだと思ってしまうのですけれども、この全頭性円形脱毛症はそういうものとは全く違って、ある閾値を超えてしまうと全然止まらなくて、自己免疫がずっと一生続いてしまって、眉毛もまつ毛も陰毛も全部落ちてしまうところまでいってしまう自己免疫疾患で、今までの治療、自己免疫疾患ですから、結局はステロイドを使えば非常に有効ではあるのですが、しかも、完全に止めてしまうには、ほかのリウマチなどよりはるかに強いステロイド量が必要なのですよ。だから、全く持続性がないので、今まで治療は全くなかったです。
確かに私たちも、ずっと頭に直接皮下注してあげていますが、生えてくるというのですけれども、このJAK阻害薬の生え方と全く違って、正常な毛が生えるわけではないのです。ラーメンおじさんみたいにひょろひょろとした毛が数本生えてくるのを生えてきたという、それを子供たちが大事にする程度の治療効果しかないので、あまりにも効果が違うので、従来のものと比較するのはとてもかわいそうではあります。ただ、リットフーロもオルミエントも両方よく効くとは思うのですが、その優劣はないかもしれないです。
そんな感じです。

○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員、よろしいでしょうか。

○○○委員
どうもありがとうございます。
思っていた以上に、はるかに深刻な状況だということが分かりました。どうもありがとうございました。

○費用対効果評価専門組織委員長
その他の先生方、いかがでしょうか。
お時間の関係もあるので、少しまとめていきたいと思いますが、議論の対象であった、3年間に限定するのは今まで先生方からもコメントがなかったので、それをまず外します。つづいて、15歳以降の後治療について、BSCなのか、バリシチニブなのかについてとなります。前提としては、科学院さんが今回、再分析でいろいろと調整された条件の下で、その後治療をどうするかという整理かと思います。
先ほど企業の方も含め、科学院さんの御提案したシナリオ1が一つ落としどころかと、今までの意見を伺って考えるところであります。この辺りについて、先生方から御意見は特にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
今の状況で全ての論点を理想的に整理するのはなかなか難しい中において、それはベストではないですけれども、アプレイザル的な観点も含めて、数字を先生方と御議論できていたのではないかと思っておりました。
科学院さん、そうすると、この1QALY当たり712万円という数字でよろしいですか。

○国立保健医療科学院
はい。シナリオ1であればそのような数字になるかと思っています。

○費用対効果評価専門組織委員長
こういう数字であれば、小児期のこのような創薬の価値の議論にも、ある程度たえうるのではないかと思って伺っておりました。
その他、これを含めて、先生方から御意見があればと思います。
よろしければ、そういう方向で今回整理させていただきたいと思っております。よろしいですか。
では、議決に入らせていただきますけれども、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。

(○○委員退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、議決に入らせていただきます。
○○委員を除く先生方の御意見を参考に、1つ目の論点、本薬剤のQOL値の設定について、公的分析による分析結果を受け入れるということでよろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
また、2つ目の論点、15歳以降の後治療についても、公的分析による分析結果の中で、今回、シナリオ1を御提案いただいておりますけれども、その条件で進めていく、受け入れるということでよろしいですね。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、リットフーロカプセルに関する費用対効果については、公的分析による分析結果を費用対効果評価案として、中央社会保険医療協議会に報告いたします。なお、内示及び中央社会保険医療協議会に提出する資料に関しましては、委員長に一任していただくということで、こちらもよろしいでしょうか。

(異議なしの意思表示あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。