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2024年4月26日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第1回議事録
日時
令和6年4月26日(金)13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、朝野 和典専門委員、岩田 敏専門委員、福田 敬専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
議題
○ ゾコーバ錠に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について
議事
○費用対効果評価専門組織委員長
ゾコーバ錠に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論いただきたいと思います。
対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
まずは事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品に係る企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、ゾコーバ錠に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
それでは、○○より陳述させていただきます。資料はお手元にあるものと理解しております。よろしくお願いいたします。
2枚目を御覧ください。
本日でございますが、企業として行いましたゾコーバの費用対効果評価の企業分析の結果の概要について御紹介いたします。内容に関しては1.から5.までお示しのとおりです。
続いて、4ページ目を御覧ください。こちらは費用対効果評価専門組織にて決定いただきましたゾコーバの分析枠組みでございます。
(a)重症化リスク因子のない患者さんと(b)重症化リスク因子のある患者さん、2つの患者集団に分けております。対象といたしましては、SARS-CoV-2による発熱、咽頭痛、せきなどの症状のある患者さん、軽症・中等症Ⅰを分析対象集団とし、18歳未満は除くとしております。
なお、本邦におけるSARS-CoV-2変異株の流行状況、つまり、オミクロン株流行以降あるいはCOVID-19ワクチンの接種状況を考慮するとしております。また、リスク因子の定義につきましては、この合意時に最新でございました診療の手引第9.0版に準じております。
比較対照技術で(a)の集団に関しましては標準治療(抗ウイルス薬なし)で(b)に関しましてはニルマトレルビル/リトナビル、商品名パキロビッドとしております。
続いて、6ページ目を御覧ください。こちらは追加的有用性の評価となります。
内容に関しましては、a)のリスク因子のない患者さんに関しましては、エンシトレルビルはプラセボに対しまして、5症状が回復するまでの時間及び罹患後症状の発現のアウトカムについて追加的有用性が認められました。
一方、b)の重症化リスク因子のある患者さんに関しましては、Network Meta-Analysisで評価いたしまして「ウイルスRNA量のベースラインからの変化量」に関しまして、両剤は同等として、有用性は同等と評価しております。
続いて、詳細についてお知らせいたします。7枚目を御覧ください。こちらは重症化リスク因子なしの集団でございます。
先ほど申し上げましたとおり、5症状に関しましては、プラセボに対して群間差は38.8時間、p値は0.0321となっております。罹患後症状に関しましては省略させていただきます。
続いて、8枚目、重症化リスク因子ありの集団でございます。
こちらはニルマトレルビル/リトナビルと直接比較の試験はございませんでしたので、Systematic Literature Reviewの結果、認められました本剤のT1221試験とニルマトレルビル/リトナビルのEPIC-HR試験の比較を実施しております。こちらは試験の実施時期、あるいはワクチン接種状況、ウイルス株等は異なりますが、試験それぞれ、これしか特定されませんでしたので、こちらをもって、プラセボを介したIndirect Treatment Comparison、Network Meta-Analysisを実施しております。アウトカムに関しましては、5.に示します重症化(入院、死亡等)も含めて、様々なアウトカムを検討しております。
続いて、9枚目を御覧ください。
詳細は省略させていただきますが、定義あるいはデータの有無の観点から「2.ウイルスRNA量のベースラインからの変化量」をもって評価対象といたしました。
続いて、10枚目を御覧ください。
こちらはNetwork Meta-Analysisの結果、ウイルスRNA量の変化量に関しましては、エンシトレルビルのほうが大きかったものの、Random effect modelで統計的有意差はございませんでした。こちらをもちまして、追加的有用性の評価に関しましては、比較可能なエビデンスの範囲で、エンシトレルビルの有用性は、ニルマトレルビル/リトナビルと同等もしくは同等以上が期待されると結論づけております。
続いて、11枚目を御覧ください。こちらは企業分析に対しまして国立保健医療科学院様より照会事項を頂戴しております。
照会事項1と2、2回に分けて頂戴しております。薄く書いております部分は主にT1221試験のデザインや内容に関しての御確認でございました。こちらは回答しております。
太字の部分、追加的有用性の評価に関しましても確認をいただいております。評価したアウトカムの妥当性や、重症化リスク因子の有無でアウトカムが異なることの妥当性について確認をいただき、回答しております。
また、右側の照会事項2に関しましては、特に重症化リスク因子のある患者さんでの追加的有用性に関して御確認をいただいております。こちらはサブグループ解析の結果と企業分析の内容には含まれなかったものを御提示させていただいて、当方としての御意見を申し上げております。罹患後症状に関しても同様でございます。このように追加的有用性の部分に多く御指摘を頂戴している次第です。
続いて、12枚目を御覧ください。こちらはゾコーバの費用対効果評価ではございませんが、先行しておりますCOVID-19治療薬の追加的有用性の評価、ラゲブリオにおきまして追加的有用性なしとの結論が出ております。
こちらに関しましては、青字で示しておりますように、ウェブニュースではございますが「有用性なし」の衝撃という形で報道等が行われております。今回、この「追加的有用性なし」というところが報道された事実もございますので、本剤エンシトレルビルの評価におきましても丁寧な評価と御発表をいただければと考えている次第です。
続いて、13枚目、再掲となりますが、追加的有用性の評価の結果でございます。
繰り返しになりますが、リスク因子のない患者さんに関しましては、5症状が回復するまでの時間、また、罹患後症状の発現のアウトカムの結果に基づき追加的有用性が示されたことから、以降、費用効果分析を実施しております。
重症化リスク因子のある患者さんに関しましては「ウイルスRNA量のベースラインからの変化量」に関しまして、有用性は同等と評価いたしました。したがいまして、ガイドラインに基づき、効果は同等。そして、費用のみを比較する費用最小化分析を実施しております。
続いて、モデル分析の内容を御紹介いたします。15枚目を御覧ください。こちらは分析概要となります。
エンシトレルビルと抗ウイルス薬なしの標準治療を比較いたしまして、分析の視点は、ガイドラインの記載どおり、公的医療の立場としております。分析モデルに関しましては、判断樹モデルとマルコフモデルの組合せで、分析期間としては30年としております。そのほか、ガイドラインどおりで実施しております。
続いて、16枚目を御覧ください。こちらは分析モデルのうち、判断樹モデルでございます。基本的に、SARS-CoV-2のウイルスも考慮したモデルとしております。症状の改善と、その後の死亡、有症状、入院のありなしのいずれかの状態に遷移するとしております。ウイルスRNA Reboundの有無も考慮しております。また、Symptom Recurrenceなども考慮し、COVID-19の状況を反映したものとなっております。また、生存例に関しましては罹患後症状、いわゆる後遺症でございますが、こちらは各状態に対応するマルコフモデルの状態へと進んでまいります。
続いて、17枚目を御覧ください。こちらのマルコフモデルのものでございます。
一番右側に「Long Covid」とございます。こちらが罹患後症状の状況でございます。これがFull resolution、Long COVIDから回復した状態になりますとQOL値が一般人の集団と同じとなった形でございます。また、罹患後症状の状態は毎月、一定確率で回復していく設定としております。
続いて、18枚目を御覧ください。以上の分析モデルを用いまして分析を実施いたしました。
その結果、エンシトレルビルと標準治療に関しましては、増分効果(QALY)として0.012、費用としては増分費用3万8907円で、ICERとしては327万4950円と結論づけております。したがいまして、ICERの所属する確率が最も高いと考える区間は500万円/QALY以下としております。
続いて、19枚目を御覧ください。こちらは重症化リスク因子ありの患者さんの分析の概要でございます。
エンシトレルビルの有用性はニルマトレルビル/リトナビルに対して同等と判断いたしましたので、費用最小化分析を実施いたしました。したがいまして、薬剤費比較と治療期間中の費用の比較、費用のみを候補としております。
20枚目を御覧ください。こちらは費用最小化分析の結果でございます。
パキロビッド、ニルマトレルビル/リトナビルに関しましては、300と600という2つのものでございますので、処方割合を考慮して薬剤費を算出しております。結論といたしましては、ニルマトレルビル/リトナビルに対してエンシトレルビルは費用削減となっております。
続いて、22枚目を御覧ください。リスク因子ありとなしの患者さんの割合でございます。
こちらに関しましては、2023年10月以降に薬剤の一部自己負担が開始された時点の最新時点を考えまして1か月間のデータを入手し、こちらに示しましたように、72.6%、27.4%の数値を用いております。
最後となります。24枚目を御覧ください。価格調整係数と調整後の薬価でございます。
以上、申し上げましたとおり、重症化リスク因子のない患者さんの割合、結果であります500万円/QALY以下というICER、(b)の重症化リスク因子の患者さんの割合、また、費用最小化分析の薬価削減を考慮いたしまして、価格調整としては変更なしという形で企業分析を提出させていただいております。
陳述は以上となります。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、委員の方から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
説明ありがとうございました。
すみません。12枚目だったと思うのですけれども、結果については丁寧な説明が必要だというふうに伺ったように思ったのですが、誰が誰に対してどのように具体的に説明することが御希望なのですか。企業が説明すればいいようにも思ったのですが、誰が誰に対してどう説明すればいいのでしょうかというのを教えてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。
あくまでの私からまずお話しさせていただきますと、もちろん、企業からも正確に説明していく必要性はあると考えております。ただ一応、公的な分析結果として発表されるものでございますので、できるだけ分かりやすい形での発表がもし可能であればというものを考えまして、本日、こちらで意見を述べさせていただいた次第でございます。
○○○委員
すみません。何か不正確な発表があったのですか。正確な説明とおっしゃったけれども、正確に説明されているように思います。それをマスコミがどのように捉えて報道するかはマスメディアのほうの問題だと思いますが、どこが説明として不適切だったのかということを教えてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。
不適切であるということを申し上げているわけではございません。結果としてこのような報道がなされた事実を述べさせていただいている次第でございます。これまで追加的有用性が報道という形で出ることがなかったと認識しておりますので、特にコロナの治療薬に関しましては世間の注目が高いことから、その点を十分御考慮いただきたいという立ち位置で今回述べさせていただいております。
すみません。○○先生、もし追加がございましたらお願いします。
○○○委員
すみません。翻訳の問題かもしれないけれども、管内では追加的有用性という同様の言葉でこの薬剤に限らず報道されているわけで、この日本語訳がまずいということですか。
○意見陳述者
日本語訳がまずいかどうかは、すみません。私は判断できかねます。
○○○委員
これは全く同じような追加的有用性に関しては外国でも同様に報告されていると思うので、日本だけが何かおかしな言葉を使って間違った取上げ方をしているのかどうかというか、そういう御主張なのかなということの確認なのです。
○意見陳述者
間違っているという意味で主張しているつもりはもちろんございませんが、有用性という言葉がガイドラインで定義されておりますRCT等に基づいた有効性・安全性というところの理解はなかなか一般の方には難しいのかなと理解しております。
○○○委員
すみません。では、ドイツ人やフランス人より日本人は理解力が悪くて追加的有用性という言葉が理解できないということなのですか。それとも、追加的有用性という翻訳がまずくて、何か別の言葉で言い換えたほうがいいという御見解ですか。
○意見陳述者
すみません。正直申し上げて、そこまで、海外等に比べてという見解は持っておりませんでした。
○○先生、お願いできますか。
○意見陳述者
○○先生、ありがとうございます。
○事務局
すみません。事務局でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ。
○事務局
申し訳ないのですけれども、企業におかれましては、今回の分析と直接関係がないと思われますので、議論する場ではない、問題提起する場ではないので、十分、資料でお示ししていただいておりますので、税金で運営されている専門組織で先生にもお時間を使っていただいているので、特に分析と関係ない御主張については節度を持って御対応いただければと思います。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、続けさせていただきますが、企業様からまだ御意見というか、何かございますか。
○意見陳述者
いえ、ございません。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、その他の委員の先生方、いかがでしょうか。御質問、御意見をいただければと思います。よろしいでしょうか。
○事務局
費用対効果評価専門組織委員長、事務局でございます。すみません。
○費用対効果評価専門組織委員長
事務局さん、どうぞ。お願いします。
○事務局
1点だけお願いします。現在、本品目については国際共同第Ⅲ相試験、SCORPIO-HR試験が実施中であること。それから、ClinicalTrials.govのホームページ上もStudy completionが本年5月という表示がございました。そのうち、進捗について分析に影響があるのではないかという御指摘をいただいておりますが、いかがでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
から○○より御回答いたしますので、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
の○○でございます。聞こえておりますでしょうか。
SCORPIO-HR試験でございますけれども、現在、まだ試験が終わっておりませんので、解析も全て終わっている状況ではございません。
まず、この回答でよろしいでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
事務局さん、いかがでしょうか。
○事務局
ありがとうございます。
事務局としましても状況を確認させていただきたかったのと、今後、分析がさらに行われるとすれば情報は非常に大事かなと思いましたので、タイムライン等を御確認できればと思った次第でございます。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他、先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。
続きまして、科学院からゾコーバ錠に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
お手元の費-4-4の資料の「エンシトレルビル(ゾコーバ錠)に関する公的分析のレビュー結果」を御参照いただければと思います。
1ページ目に、製造販売業者による御提出いただいた分析の課題の点についてa)からf)まで並べております。1つずつ御説明させていただきます。
2ページ目ですけれども、まず1点目、追加的有用性評価におけるアウトカム指標についてであります。
製造販売業者は、エンシトレルビルの追加的有用性評価における評価指標として、重症化リスク因子のない患者においてはCOVID-19の症状が回復するまで、5症状が回復するまでの時間、重症化リスク因子のある患者ではウイルスRNA量の変化量を用いて分析されております。しかし、分析枠組み決定時における費用対効果評価専門組織決定事項では「重症化予防を効果の指標としたときの追加的有用性について、まずは検討するべきではないか」とされているところです。
また、分析ガイドライン5.2.3節においては「(前略)アウトカム(O)指標は、臨床的な有効性・安全性・健康関連QOLの観点のうち、評価対象技術の特性を評価する上で、適切なもの(真のアウトカム指標など)を用いる」とされております。これらを踏まえまして、アウトカム指標として「症状回復までの時間」あるいは「ウイルスRNA量」を使用することの妥当性について検討する必要があるのではないかと考えております。
また併せて、先ほど御説明いただきましたピボタル試験であるT1221試験のPhaseⅡb Partは解析終了後に、PhaseⅢ Partはキーオープン直前に、研究参加者の患者特性を分析した上で、治験計画の大きな変更が行われております。このことは、得られた結果を解釈する際に考慮する必要があるのではないかと考えているところです。
2点目ですけれども、追加的有用性評価に用いられた結果の臨床的な意義についてという点であります。
重症化リスク因子のない患者においては、エンシトレルビルの追加的有用性評価に用いられたCOVID-19の症状(5症状)が回復するまでの時間は、5症状全てが回復するまでの時間を評価しているものであります。そのため、通常の感冒等における症状経過などを御想像いただければ御理解いただけると思いますけれども、最後に回復した症状としましては「咳」や「鼻水又は鼻づまり」が大半でありまして、より臨床的に重症と考えられる「熱症状」などはほとんどエンドポイントに寄与していない状況であります。
また、せきや鼻水、鼻づまりにつきましては、ウイルス感染における炎症に伴う症状であり、ウイルスの消失効果とは必ずしも関係ないというコメントを臨床の専門家からもいただいております。加えて、T1221試験では実臨床において標準治療として用いられる鎮咳薬や抗ヒスタミン剤を含む感冒薬等が使用禁止とされており、それらが併用された場合の有効性、治療効果の差については明らかではありません。
また、重症化リスク因子のある患者においては、追加的有用性評価に用いられたウイルスRNA量の変化量については、そもそもPMDAの審査において「当該ウイルス力価の減少の臨床的意義を評価することは困難である」とされております。仮にCOVID-19の症状が回復するまでの時間やウイルスRNA量の変化量を効果指標として用いるとしましても、その結果の臨床的意義については慎重に検討する必要があるのではないかと考えておる次第です。
3点目、4ページ目になりますが、COVID-19罹患後症状に関する有用性についてであります。
このピボタル試験は、治療期、追跡期及び探索期の3期に分けて治療期間が設定されております。探索期においては、プラセボと比べてエンシトレルビルで症状発現割合が小さかったことから、製造販売業者はエンシトレルビルがCOVID-19罹患後症状に対する有用性を有することを主張されております。
しかし、COVID-19罹患後症状に関する調査については、T1221試験から、別途、探索期への参加同意が得られた症例のみを調査対象にしていることに加えて、探索期における調査時に、重症の4症状については、この事例であるもの自体全てについて回答が得られた症例のみが分析対象になっております。
この探索期における調査については、ランダム化が崩れていることに加えて、強い選択バイアス、例えば症状に対する強い不安感を有する患者が多く参加する傾向があるなど、そのようなバイアスが生じている可能性がありまして、COVID-19罹患後症状に対する有用性については、そもそもの評価結果の妥当性を検討する必要があるのではないかと考えているところです。
4点目ですけれども、COVID-19罹患後症状の発症率についてという点であります。
製造販売業者は、エンシトレルビルの費用対効果分析におけるCOVID-19罹患後症状発症率のパラメーターとして、T1221試験から得られた発症率のデータを用いております。しかし、T1221試験におけるCOVID-19罹患後症状に関する調査は、先ほど御説明したように、探索期への観察の継続が同意された患者にのみ分析対象になっていることから、罹患後症状を多く擁する症例が多く含まれた可能性が否定できないものと考えております。
また、症状について、COVID-19罹患前の状態については調査が行われておらず、探索期の調査時点で、その症状について「COVID-19との関連があり又は不明」と患者自身が判断した場合に症状ありと定義されるものであります。そのため、例えばプラセボ群においては全患者の約20%弱が不眠、30%弱が物忘れ、25%弱が集中力・思考力の低下を発現すると訴えているなど、罹患前に既に有する症状との区別がついていない可能性が懸念される次第であります。仮に、COVID-19罹患後症状についての追加的有用性を認めたといたしましても、その発症率については、製造販売業者が設定した値の妥当性を検討する必要があるのではないかと考えております。
5点目ですけれども、COVID-19罹患後症状の回復における設定についてという点であります。
製造販売業者は、エンシトレルビルの費用効果分析において、2年経過時点で罹患後症状を有する症例は、分析期間30年の生涯にわたって回復せずに、QOL値の減少や治療費用が発生し続けると仮定されております。しかし、T1221試験探索期の最終調査は337日目であることに加えて、製造販売業者がQOL値減少の主な根拠とされているTsuzukiらの研究の調査時点は約250日前後となっております。
また、モルヌピラビルあるいはパキロビッドにおける費用対効果評価においても、そのような生涯にわたる設定はなされていないところであります。生涯にわたるCOVID-19罹患後症状によるQOL値の減少、あるいは治療費用の推移。これは費用対効果に非常に強い影響を与えるものでありますけれども、一方で、十分な根拠がないため、仮にCOVID-19罹患後症状について有用性を認めたとしても、このような設定の妥当性については改めて検討する必要があるものと考えています。
最後、QOL値についてです。
製造販売業者は、COVID-19罹患中の入院を伴う健康状態のQOL値として、ビニエット法に基づくQOL調査データを用いております。当該データは英国の一般人を対象に、ビニエットに基づいてEQ-5D-5Lの調査を行い、得られたデータを英国の換算表を用いてQOL値に変換したものであります。このようなQOL値のデータソース、すなわち、このビニエットを用いたEQ-5D-5Lの調査方法、あるいは英国の換算表を用いることについては、この妥当性を検討する必要があるものと考えております。
8ページ目です。
以上をまとめますと、上記の御説明させていただいた点から、今後、再分析を実施させていただければと考えているところです。
科学院からは以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
委員の方々から御質問はございますでしょうか。
いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
御専門の先生がいらっしゃいますので、まずは御意見をいただきたいと思います。○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
ゾコーバは、度々議論になりますけれども、重症化抑制効果の科学的証明はされておりません。これはオミクロン株ワクチン下という限定的な状態でありましたので、やむを得ないかと思います。
ただし、症状改善と抗ウイルス作用の因果関係については、先ほど申しましたように、明確な証明にはなっていないと思います。例えばより抗ウイルス作用の強いパキロビッドパック、先ほどの薬ですけれども、そのとき、先ほど紹介しましたように、EPIC-SR試験が行われまして、それによると、ウイルス量については減るのですが、この症状の改善の有意差は見られなかったという結論になっております。そういうことで、評価する症状の組合せによる影響も考慮する必要があるというのは科学院の御説明のとおりだと思います。
また、さきに意見を述べましたように、意見書にも記載しておりますけれども、標準治療としての対症療法を限定している点もこの試験の問題点ではないか。正しい評価をするのは難しいのではないかと思います。意見書にも書きましたが、例えばインドメタシンとアセトアミノフェンを比べたオープンラベルのランダム化試験がございますけれども、これではインドメタシンが2分の1の期間で症状を改善したデータもありますので、何かと3日、4日というエビデンスもありますので、やはりこの抗ウイルス薬による症状の改善が評価の対象として適切かどうかは、一度、議論を進めていただければと思います。
また、Long COVID。これはかなり費用対効果に影響していると思うのですけれども、これにつきましても、先ほど申しましたように、今まで得られたデータは十分な、科学的な、適切な臨床試験が行われたとは言い難いということは科学院の御説明にも合わせて考えておりますので、これをどう評価するかは重要な問題点ではないかと思います。
以上のようなことから、再分析が必要であると考えております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
大体、○○先生におっしゃっていただいたのですけれども、先ほどのパキロビッドとか前に検討したラゲブリオと違って、ゾコーバの場合は臨床試験自体が、実施時期がオミクロン株流行期にかぶってワクチン普及後に実施されたということで、なかなか重症化防止と抑制をエンドポイントにした場合の有効性評価は難しいということで、途中からそういう評価をするには相当な症例を集めなくては評価できないだろうということで、症状改善までの時間短縮とかウイルスRNAのバリエーションなどによる評価が行われたと記憶しております。
先ほどから述べられたように、ウイルスRNAの減少はどのように臨床効果に結びつくかというのはなかなか難しくて、もともとこういった抗ウイルス薬はウイルスに効くお薬ですから、ウイルスの減少が認められるのはお薬の効果が十分にあったと理解していいと思うのですけれども、それと臨床症状の改善がパラレルに結びつくのかどうかが多分、評価をするときには結構問題になってくるのかなと思います。
抗インフルエンザ薬などではかなり、そういった意味ではパラレルに動いていったように記憶しているのですけれども、コロナのほうでまた少しその辺は違うかも分かりません。ただ、臨床家としては、ウイルスRNAの減少はウイルス薬の効果としては十分効果が出ていると判断できますし、あと、周りの方への感染の拡大を防ぐ意味でも有用性はあるのかなとは思っております。いずれにしても、こういった有効性に関しては、現時点でのデータから導き出す結果としては、メーカーさんの言う結果が限界ではないかなと思っています。
それから、Long COVIDに関しては、確かにこの試験でそういうものは非常に難しい面がありますし、これからまたきちんとしたスタディーが行われる中で抗ウイルス薬の効果は評価されてくるのだと思いますが、ワクチンに関してはLong COVIDをある程度防ぐだろうということはコンセンサスが得られていると思うのですけれども、抗ウイルス薬がどういう効果を及ぼすかについては、今後、検討が必要だろうということで、そういう意味で今回再分析をすることは、また新しいデータもぜひ加えることができればよりよい結果が得られるのではないかと考えております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の先生方、いかがでしょうか。
○○○委員
先生、よろしいですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員、お願いします。
○○○委員
先ほど科学院から、臨床試験、ピボタル試験のキーオープン後に何か変更を加えたとか、研究倫理上どうかという説明がありました。それは、オミクロン株下になったので、それから、ワクチン下になったので、当初の予定どおりやっていたのでは望ましい結果が得られないからということで、相当なコンセンサスを持ってそういうことがなされたという理解でいいのでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
このT1221試験については既にオミクロン株の流行下で開始された試験だと認識しておりまして、流行株の変化というよりは、キーオープンの直前にプロトコルのバージョンの9から10へと変更しているのですが、その際に主要評価項目が12症状の消失から5症状に変わっている、サンプル数設計、目標症例数が減少している、高用量群が落とされている、あるいは解析対象集団を、全体では120時間なのですが、ITTのうち72時間以内の患者さんに絞っているという大きなプロトコルの変更が行われているということで、それはこのT1221試験のPhaseⅡb PartあるいはPhaseⅢ Partのデータを参照しながら御検討されたということだと認識している次第です。
○○○委員
ありがとうございました。
もう一点、委員長、すみません。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ。
○○○委員
先ほど、5月にCompletionするSCORPIO-HRに対して製造販売業者は、まだ終わっていないし、これから解析に時間がかかる的なことを言われたのですけれども、勝手なことを決めつけてはいけないのですが、あまり製造販売業者にとって有利ではないようなものだったら積極的に解析をスピードアップしないような気も、ごめんなさい。それは、たらればの話ですけれども、その辺に関して、これが利用できる可能性はどういうふうに、さっきタイムラインについて事務局もおっしゃっていましたが、考えていらっしゃるのでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
事務局さん、逆に言うと、どういうタイミングだったら活用ができるとか、その辺りは何かお考えがあればいただいてもいいですか。
○事務局
ありがとうございます。
基本的には、5月にStudy completionで、その後のデータクリーニングとか、いろいろな過程はあると思っております。それに関しては、基本的には企業のタイムラインに沿ってやることになっておりますので、我々から強制的に何か言うことはできないのかなとは考えております。
一方で、明らかに出せそうなデータがある場合にはデータをしっかりと出してもらう、提供していただくということで企業にはお伝えすることはできますので、やはり進捗状況によるというのが答えになるのではないでしょうか。
以上になります。
○○○委員
決めつけてはいけないと思います。
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
できるだけ最新のデータで議論できるといいでしょうね。ありがとうございます。
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
先生方の今までの意見書の内容を踏まえて、これから少しまとめをさせていただきたいと思います。
それでは、議決に入らせていただきます。○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
先生方、3つ確認させていただければと思います。
まず、先生方の御意見をまとめますと、企業の分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がなされているということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
続いて、企業の分析データ等の科学的妥当性は妥当でないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
最後になりますが、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当であるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、公的分析においては再分析を実施していただくことといたします。よろしいですね。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
ゾコーバ錠に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論いただきたいと思います。
対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
まずは事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品に係る企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、ゾコーバ錠に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
それでは、○○より陳述させていただきます。資料はお手元にあるものと理解しております。よろしくお願いいたします。
2枚目を御覧ください。
本日でございますが、企業として行いましたゾコーバの費用対効果評価の企業分析の結果の概要について御紹介いたします。内容に関しては1.から5.までお示しのとおりです。
続いて、4ページ目を御覧ください。こちらは費用対効果評価専門組織にて決定いただきましたゾコーバの分析枠組みでございます。
(a)重症化リスク因子のない患者さんと(b)重症化リスク因子のある患者さん、2つの患者集団に分けております。対象といたしましては、SARS-CoV-2による発熱、咽頭痛、せきなどの症状のある患者さん、軽症・中等症Ⅰを分析対象集団とし、18歳未満は除くとしております。
なお、本邦におけるSARS-CoV-2変異株の流行状況、つまり、オミクロン株流行以降あるいはCOVID-19ワクチンの接種状況を考慮するとしております。また、リスク因子の定義につきましては、この合意時に最新でございました診療の手引第9.0版に準じております。
比較対照技術で(a)の集団に関しましては標準治療(抗ウイルス薬なし)で(b)に関しましてはニルマトレルビル/リトナビル、商品名パキロビッドとしております。
続いて、6ページ目を御覧ください。こちらは追加的有用性の評価となります。
内容に関しましては、a)のリスク因子のない患者さんに関しましては、エンシトレルビルはプラセボに対しまして、5症状が回復するまでの時間及び罹患後症状の発現のアウトカムについて追加的有用性が認められました。
一方、b)の重症化リスク因子のある患者さんに関しましては、Network Meta-Analysisで評価いたしまして「ウイルスRNA量のベースラインからの変化量」に関しまして、両剤は同等として、有用性は同等と評価しております。
続いて、詳細についてお知らせいたします。7枚目を御覧ください。こちらは重症化リスク因子なしの集団でございます。
先ほど申し上げましたとおり、5症状に関しましては、プラセボに対して群間差は38.8時間、p値は0.0321となっております。罹患後症状に関しましては省略させていただきます。
続いて、8枚目、重症化リスク因子ありの集団でございます。
こちらはニルマトレルビル/リトナビルと直接比較の試験はございませんでしたので、Systematic Literature Reviewの結果、認められました本剤のT1221試験とニルマトレルビル/リトナビルのEPIC-HR試験の比較を実施しております。こちらは試験の実施時期、あるいはワクチン接種状況、ウイルス株等は異なりますが、試験それぞれ、これしか特定されませんでしたので、こちらをもって、プラセボを介したIndirect Treatment Comparison、Network Meta-Analysisを実施しております。アウトカムに関しましては、5.に示します重症化(入院、死亡等)も含めて、様々なアウトカムを検討しております。
続いて、9枚目を御覧ください。
詳細は省略させていただきますが、定義あるいはデータの有無の観点から「2.ウイルスRNA量のベースラインからの変化量」をもって評価対象といたしました。
続いて、10枚目を御覧ください。
こちらはNetwork Meta-Analysisの結果、ウイルスRNA量の変化量に関しましては、エンシトレルビルのほうが大きかったものの、Random effect modelで統計的有意差はございませんでした。こちらをもちまして、追加的有用性の評価に関しましては、比較可能なエビデンスの範囲で、エンシトレルビルの有用性は、ニルマトレルビル/リトナビルと同等もしくは同等以上が期待されると結論づけております。
続いて、11枚目を御覧ください。こちらは企業分析に対しまして国立保健医療科学院様より照会事項を頂戴しております。
照会事項1と2、2回に分けて頂戴しております。薄く書いております部分は主にT1221試験のデザインや内容に関しての御確認でございました。こちらは回答しております。
太字の部分、追加的有用性の評価に関しましても確認をいただいております。評価したアウトカムの妥当性や、重症化リスク因子の有無でアウトカムが異なることの妥当性について確認をいただき、回答しております。
また、右側の照会事項2に関しましては、特に重症化リスク因子のある患者さんでの追加的有用性に関して御確認をいただいております。こちらはサブグループ解析の結果と企業分析の内容には含まれなかったものを御提示させていただいて、当方としての御意見を申し上げております。罹患後症状に関しても同様でございます。このように追加的有用性の部分に多く御指摘を頂戴している次第です。
続いて、12枚目を御覧ください。こちらはゾコーバの費用対効果評価ではございませんが、先行しておりますCOVID-19治療薬の追加的有用性の評価、ラゲブリオにおきまして追加的有用性なしとの結論が出ております。
こちらに関しましては、青字で示しておりますように、ウェブニュースではございますが「有用性なし」の衝撃という形で報道等が行われております。今回、この「追加的有用性なし」というところが報道された事実もございますので、本剤エンシトレルビルの評価におきましても丁寧な評価と御発表をいただければと考えている次第です。
続いて、13枚目、再掲となりますが、追加的有用性の評価の結果でございます。
繰り返しになりますが、リスク因子のない患者さんに関しましては、5症状が回復するまでの時間、また、罹患後症状の発現のアウトカムの結果に基づき追加的有用性が示されたことから、以降、費用効果分析を実施しております。
重症化リスク因子のある患者さんに関しましては「ウイルスRNA量のベースラインからの変化量」に関しまして、有用性は同等と評価いたしました。したがいまして、ガイドラインに基づき、効果は同等。そして、費用のみを比較する費用最小化分析を実施しております。
続いて、モデル分析の内容を御紹介いたします。15枚目を御覧ください。こちらは分析概要となります。
エンシトレルビルと抗ウイルス薬なしの標準治療を比較いたしまして、分析の視点は、ガイドラインの記載どおり、公的医療の立場としております。分析モデルに関しましては、判断樹モデルとマルコフモデルの組合せで、分析期間としては30年としております。そのほか、ガイドラインどおりで実施しております。
続いて、16枚目を御覧ください。こちらは分析モデルのうち、判断樹モデルでございます。基本的に、SARS-CoV-2のウイルスも考慮したモデルとしております。症状の改善と、その後の死亡、有症状、入院のありなしのいずれかの状態に遷移するとしております。ウイルスRNA Reboundの有無も考慮しております。また、Symptom Recurrenceなども考慮し、COVID-19の状況を反映したものとなっております。また、生存例に関しましては罹患後症状、いわゆる後遺症でございますが、こちらは各状態に対応するマルコフモデルの状態へと進んでまいります。
続いて、17枚目を御覧ください。こちらのマルコフモデルのものでございます。
一番右側に「Long Covid」とございます。こちらが罹患後症状の状況でございます。これがFull resolution、Long COVIDから回復した状態になりますとQOL値が一般人の集団と同じとなった形でございます。また、罹患後症状の状態は毎月、一定確率で回復していく設定としております。
続いて、18枚目を御覧ください。以上の分析モデルを用いまして分析を実施いたしました。
その結果、エンシトレルビルと標準治療に関しましては、増分効果(QALY)として0.012、費用としては増分費用3万8907円で、ICERとしては327万4950円と結論づけております。したがいまして、ICERの所属する確率が最も高いと考える区間は500万円/QALY以下としております。
続いて、19枚目を御覧ください。こちらは重症化リスク因子ありの患者さんの分析の概要でございます。
エンシトレルビルの有用性はニルマトレルビル/リトナビルに対して同等と判断いたしましたので、費用最小化分析を実施いたしました。したがいまして、薬剤費比較と治療期間中の費用の比較、費用のみを候補としております。
20枚目を御覧ください。こちらは費用最小化分析の結果でございます。
パキロビッド、ニルマトレルビル/リトナビルに関しましては、300と600という2つのものでございますので、処方割合を考慮して薬剤費を算出しております。結論といたしましては、ニルマトレルビル/リトナビルに対してエンシトレルビルは費用削減となっております。
続いて、22枚目を御覧ください。リスク因子ありとなしの患者さんの割合でございます。
こちらに関しましては、2023年10月以降に薬剤の一部自己負担が開始された時点の最新時点を考えまして1か月間のデータを入手し、こちらに示しましたように、72.6%、27.4%の数値を用いております。
最後となります。24枚目を御覧ください。価格調整係数と調整後の薬価でございます。
以上、申し上げましたとおり、重症化リスク因子のない患者さんの割合、結果であります500万円/QALY以下というICER、(b)の重症化リスク因子の患者さんの割合、また、費用最小化分析の薬価削減を考慮いたしまして、価格調整としては変更なしという形で企業分析を提出させていただいております。
陳述は以上となります。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、委員の方から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
説明ありがとうございました。
すみません。12枚目だったと思うのですけれども、結果については丁寧な説明が必要だというふうに伺ったように思ったのですが、誰が誰に対してどのように具体的に説明することが御希望なのですか。企業が説明すればいいようにも思ったのですが、誰が誰に対してどう説明すればいいのでしょうかというのを教えてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。
あくまでの私からまずお話しさせていただきますと、もちろん、企業からも正確に説明していく必要性はあると考えております。ただ一応、公的な分析結果として発表されるものでございますので、できるだけ分かりやすい形での発表がもし可能であればというものを考えまして、本日、こちらで意見を述べさせていただいた次第でございます。
○○○委員
すみません。何か不正確な発表があったのですか。正確な説明とおっしゃったけれども、正確に説明されているように思います。それをマスコミがどのように捉えて報道するかはマスメディアのほうの問題だと思いますが、どこが説明として不適切だったのかということを教えてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。
不適切であるということを申し上げているわけではございません。結果としてこのような報道がなされた事実を述べさせていただいている次第でございます。これまで追加的有用性が報道という形で出ることがなかったと認識しておりますので、特にコロナの治療薬に関しましては世間の注目が高いことから、その点を十分御考慮いただきたいという立ち位置で今回述べさせていただいております。
すみません。○○先生、もし追加がございましたらお願いします。
○○○委員
すみません。翻訳の問題かもしれないけれども、管内では追加的有用性という同様の言葉でこの薬剤に限らず報道されているわけで、この日本語訳がまずいということですか。
○意見陳述者
日本語訳がまずいかどうかは、すみません。私は判断できかねます。
○○○委員
これは全く同じような追加的有用性に関しては外国でも同様に報告されていると思うので、日本だけが何かおかしな言葉を使って間違った取上げ方をしているのかどうかというか、そういう御主張なのかなということの確認なのです。
○意見陳述者
間違っているという意味で主張しているつもりはもちろんございませんが、有用性という言葉がガイドラインで定義されておりますRCT等に基づいた有効性・安全性というところの理解はなかなか一般の方には難しいのかなと理解しております。
○○○委員
すみません。では、ドイツ人やフランス人より日本人は理解力が悪くて追加的有用性という言葉が理解できないということなのですか。それとも、追加的有用性という翻訳がまずくて、何か別の言葉で言い換えたほうがいいという御見解ですか。
○意見陳述者
すみません。正直申し上げて、そこまで、海外等に比べてという見解は持っておりませんでした。
○○先生、お願いできますか。
○意見陳述者
○○先生、ありがとうございます。
○事務局
すみません。事務局でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ。
○事務局
申し訳ないのですけれども、企業におかれましては、今回の分析と直接関係がないと思われますので、議論する場ではない、問題提起する場ではないので、十分、資料でお示ししていただいておりますので、税金で運営されている専門組織で先生にもお時間を使っていただいているので、特に分析と関係ない御主張については節度を持って御対応いただければと思います。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、続けさせていただきますが、企業様からまだ御意見というか、何かございますか。
○意見陳述者
いえ、ございません。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、その他の委員の先生方、いかがでしょうか。御質問、御意見をいただければと思います。よろしいでしょうか。
○事務局
費用対効果評価専門組織委員長、事務局でございます。すみません。
○費用対効果評価専門組織委員長
事務局さん、どうぞ。お願いします。
○事務局
1点だけお願いします。現在、本品目については国際共同第Ⅲ相試験、SCORPIO-HR試験が実施中であること。それから、ClinicalTrials.govのホームページ上もStudy completionが本年5月という表示がございました。そのうち、進捗について分析に影響があるのではないかという御指摘をいただいておりますが、いかがでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
から○○より御回答いたしますので、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
の○○でございます。聞こえておりますでしょうか。
SCORPIO-HR試験でございますけれども、現在、まだ試験が終わっておりませんので、解析も全て終わっている状況ではございません。
まず、この回答でよろしいでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
事務局さん、いかがでしょうか。
○事務局
ありがとうございます。
事務局としましても状況を確認させていただきたかったのと、今後、分析がさらに行われるとすれば情報は非常に大事かなと思いましたので、タイムライン等を御確認できればと思った次第でございます。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他、先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。
続きまして、科学院からゾコーバ錠に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
お手元の費-4-4の資料の「エンシトレルビル(ゾコーバ錠)に関する公的分析のレビュー結果」を御参照いただければと思います。
1ページ目に、製造販売業者による御提出いただいた分析の課題の点についてa)からf)まで並べております。1つずつ御説明させていただきます。
2ページ目ですけれども、まず1点目、追加的有用性評価におけるアウトカム指標についてであります。
製造販売業者は、エンシトレルビルの追加的有用性評価における評価指標として、重症化リスク因子のない患者においてはCOVID-19の症状が回復するまで、5症状が回復するまでの時間、重症化リスク因子のある患者ではウイルスRNA量の変化量を用いて分析されております。しかし、分析枠組み決定時における費用対効果評価専門組織決定事項では「重症化予防を効果の指標としたときの追加的有用性について、まずは検討するべきではないか」とされているところです。
また、分析ガイドライン5.2.3節においては「(前略)アウトカム(O)指標は、臨床的な有効性・安全性・健康関連QOLの観点のうち、評価対象技術の特性を評価する上で、適切なもの(真のアウトカム指標など)を用いる」とされております。これらを踏まえまして、アウトカム指標として「症状回復までの時間」あるいは「ウイルスRNA量」を使用することの妥当性について検討する必要があるのではないかと考えております。
また併せて、先ほど御説明いただきましたピボタル試験であるT1221試験のPhaseⅡb Partは解析終了後に、PhaseⅢ Partはキーオープン直前に、研究参加者の患者特性を分析した上で、治験計画の大きな変更が行われております。このことは、得られた結果を解釈する際に考慮する必要があるのではないかと考えているところです。
2点目ですけれども、追加的有用性評価に用いられた結果の臨床的な意義についてという点であります。
重症化リスク因子のない患者においては、エンシトレルビルの追加的有用性評価に用いられたCOVID-19の症状(5症状)が回復するまでの時間は、5症状全てが回復するまでの時間を評価しているものであります。そのため、通常の感冒等における症状経過などを御想像いただければ御理解いただけると思いますけれども、最後に回復した症状としましては「咳」や「鼻水又は鼻づまり」が大半でありまして、より臨床的に重症と考えられる「熱症状」などはほとんどエンドポイントに寄与していない状況であります。
また、せきや鼻水、鼻づまりにつきましては、ウイルス感染における炎症に伴う症状であり、ウイルスの消失効果とは必ずしも関係ないというコメントを臨床の専門家からもいただいております。加えて、T1221試験では実臨床において標準治療として用いられる鎮咳薬や抗ヒスタミン剤を含む感冒薬等が使用禁止とされており、それらが併用された場合の有効性、治療効果の差については明らかではありません。
また、重症化リスク因子のある患者においては、追加的有用性評価に用いられたウイルスRNA量の変化量については、そもそもPMDAの審査において「当該ウイルス力価の減少の臨床的意義を評価することは困難である」とされております。仮にCOVID-19の症状が回復するまでの時間やウイルスRNA量の変化量を効果指標として用いるとしましても、その結果の臨床的意義については慎重に検討する必要があるのではないかと考えておる次第です。
3点目、4ページ目になりますが、COVID-19罹患後症状に関する有用性についてであります。
このピボタル試験は、治療期、追跡期及び探索期の3期に分けて治療期間が設定されております。探索期においては、プラセボと比べてエンシトレルビルで症状発現割合が小さかったことから、製造販売業者はエンシトレルビルがCOVID-19罹患後症状に対する有用性を有することを主張されております。
しかし、COVID-19罹患後症状に関する調査については、T1221試験から、別途、探索期への参加同意が得られた症例のみを調査対象にしていることに加えて、探索期における調査時に、重症の4症状については、この事例であるもの自体全てについて回答が得られた症例のみが分析対象になっております。
この探索期における調査については、ランダム化が崩れていることに加えて、強い選択バイアス、例えば症状に対する強い不安感を有する患者が多く参加する傾向があるなど、そのようなバイアスが生じている可能性がありまして、COVID-19罹患後症状に対する有用性については、そもそもの評価結果の妥当性を検討する必要があるのではないかと考えているところです。
4点目ですけれども、COVID-19罹患後症状の発症率についてという点であります。
製造販売業者は、エンシトレルビルの費用対効果分析におけるCOVID-19罹患後症状発症率のパラメーターとして、T1221試験から得られた発症率のデータを用いております。しかし、T1221試験におけるCOVID-19罹患後症状に関する調査は、先ほど御説明したように、探索期への観察の継続が同意された患者にのみ分析対象になっていることから、罹患後症状を多く擁する症例が多く含まれた可能性が否定できないものと考えております。
また、症状について、COVID-19罹患前の状態については調査が行われておらず、探索期の調査時点で、その症状について「COVID-19との関連があり又は不明」と患者自身が判断した場合に症状ありと定義されるものであります。そのため、例えばプラセボ群においては全患者の約20%弱が不眠、30%弱が物忘れ、25%弱が集中力・思考力の低下を発現すると訴えているなど、罹患前に既に有する症状との区別がついていない可能性が懸念される次第であります。仮に、COVID-19罹患後症状についての追加的有用性を認めたといたしましても、その発症率については、製造販売業者が設定した値の妥当性を検討する必要があるのではないかと考えております。
5点目ですけれども、COVID-19罹患後症状の回復における設定についてという点であります。
製造販売業者は、エンシトレルビルの費用効果分析において、2年経過時点で罹患後症状を有する症例は、分析期間30年の生涯にわたって回復せずに、QOL値の減少や治療費用が発生し続けると仮定されております。しかし、T1221試験探索期の最終調査は337日目であることに加えて、製造販売業者がQOL値減少の主な根拠とされているTsuzukiらの研究の調査時点は約250日前後となっております。
また、モルヌピラビルあるいはパキロビッドにおける費用対効果評価においても、そのような生涯にわたる設定はなされていないところであります。生涯にわたるCOVID-19罹患後症状によるQOL値の減少、あるいは治療費用の推移。これは費用対効果に非常に強い影響を与えるものでありますけれども、一方で、十分な根拠がないため、仮にCOVID-19罹患後症状について有用性を認めたとしても、このような設定の妥当性については改めて検討する必要があるものと考えています。
最後、QOL値についてです。
製造販売業者は、COVID-19罹患中の入院を伴う健康状態のQOL値として、ビニエット法に基づくQOL調査データを用いております。当該データは英国の一般人を対象に、ビニエットに基づいてEQ-5D-5Lの調査を行い、得られたデータを英国の換算表を用いてQOL値に変換したものであります。このようなQOL値のデータソース、すなわち、このビニエットを用いたEQ-5D-5Lの調査方法、あるいは英国の換算表を用いることについては、この妥当性を検討する必要があるものと考えております。
8ページ目です。
以上をまとめますと、上記の御説明させていただいた点から、今後、再分析を実施させていただければと考えているところです。
科学院からは以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
委員の方々から御質問はございますでしょうか。
いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
御専門の先生がいらっしゃいますので、まずは御意見をいただきたいと思います。○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
ゾコーバは、度々議論になりますけれども、重症化抑制効果の科学的証明はされておりません。これはオミクロン株ワクチン下という限定的な状態でありましたので、やむを得ないかと思います。
ただし、症状改善と抗ウイルス作用の因果関係については、先ほど申しましたように、明確な証明にはなっていないと思います。例えばより抗ウイルス作用の強いパキロビッドパック、先ほどの薬ですけれども、そのとき、先ほど紹介しましたように、EPIC-SR試験が行われまして、それによると、ウイルス量については減るのですが、この症状の改善の有意差は見られなかったという結論になっております。そういうことで、評価する症状の組合せによる影響も考慮する必要があるというのは科学院の御説明のとおりだと思います。
また、さきに意見を述べましたように、意見書にも記載しておりますけれども、標準治療としての対症療法を限定している点もこの試験の問題点ではないか。正しい評価をするのは難しいのではないかと思います。意見書にも書きましたが、例えばインドメタシンとアセトアミノフェンを比べたオープンラベルのランダム化試験がございますけれども、これではインドメタシンが2分の1の期間で症状を改善したデータもありますので、何かと3日、4日というエビデンスもありますので、やはりこの抗ウイルス薬による症状の改善が評価の対象として適切かどうかは、一度、議論を進めていただければと思います。
また、Long COVID。これはかなり費用対効果に影響していると思うのですけれども、これにつきましても、先ほど申しましたように、今まで得られたデータは十分な、科学的な、適切な臨床試験が行われたとは言い難いということは科学院の御説明にも合わせて考えておりますので、これをどう評価するかは重要な問題点ではないかと思います。
以上のようなことから、再分析が必要であると考えております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
大体、○○先生におっしゃっていただいたのですけれども、先ほどのパキロビッドとか前に検討したラゲブリオと違って、ゾコーバの場合は臨床試験自体が、実施時期がオミクロン株流行期にかぶってワクチン普及後に実施されたということで、なかなか重症化防止と抑制をエンドポイントにした場合の有効性評価は難しいということで、途中からそういう評価をするには相当な症例を集めなくては評価できないだろうということで、症状改善までの時間短縮とかウイルスRNAのバリエーションなどによる評価が行われたと記憶しております。
先ほどから述べられたように、ウイルスRNAの減少はどのように臨床効果に結びつくかというのはなかなか難しくて、もともとこういった抗ウイルス薬はウイルスに効くお薬ですから、ウイルスの減少が認められるのはお薬の効果が十分にあったと理解していいと思うのですけれども、それと臨床症状の改善がパラレルに結びつくのかどうかが多分、評価をするときには結構問題になってくるのかなと思います。
抗インフルエンザ薬などではかなり、そういった意味ではパラレルに動いていったように記憶しているのですけれども、コロナのほうでまた少しその辺は違うかも分かりません。ただ、臨床家としては、ウイルスRNAの減少はウイルス薬の効果としては十分効果が出ていると判断できますし、あと、周りの方への感染の拡大を防ぐ意味でも有用性はあるのかなとは思っております。いずれにしても、こういった有効性に関しては、現時点でのデータから導き出す結果としては、メーカーさんの言う結果が限界ではないかなと思っています。
それから、Long COVIDに関しては、確かにこの試験でそういうものは非常に難しい面がありますし、これからまたきちんとしたスタディーが行われる中で抗ウイルス薬の効果は評価されてくるのだと思いますが、ワクチンに関してはLong COVIDをある程度防ぐだろうということはコンセンサスが得られていると思うのですけれども、抗ウイルス薬がどういう効果を及ぼすかについては、今後、検討が必要だろうということで、そういう意味で今回再分析をすることは、また新しいデータもぜひ加えることができればよりよい結果が得られるのではないかと考えております。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の先生方、いかがでしょうか。
○○○委員
先生、よろしいですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員、お願いします。
○○○委員
先ほど科学院から、臨床試験、ピボタル試験のキーオープン後に何か変更を加えたとか、研究倫理上どうかという説明がありました。それは、オミクロン株下になったので、それから、ワクチン下になったので、当初の予定どおりやっていたのでは望ましい結果が得られないからということで、相当なコンセンサスを持ってそういうことがなされたという理解でいいのでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
このT1221試験については既にオミクロン株の流行下で開始された試験だと認識しておりまして、流行株の変化というよりは、キーオープンの直前にプロトコルのバージョンの9から10へと変更しているのですが、その際に主要評価項目が12症状の消失から5症状に変わっている、サンプル数設計、目標症例数が減少している、高用量群が落とされている、あるいは解析対象集団を、全体では120時間なのですが、ITTのうち72時間以内の患者さんに絞っているという大きなプロトコルの変更が行われているということで、それはこのT1221試験のPhaseⅡb PartあるいはPhaseⅢ Partのデータを参照しながら御検討されたということだと認識している次第です。
○○○委員
ありがとうございました。
もう一点、委員長、すみません。
○費用対効果評価専門組織委員長
どうぞ。
○○○委員
先ほど、5月にCompletionするSCORPIO-HRに対して製造販売業者は、まだ終わっていないし、これから解析に時間がかかる的なことを言われたのですけれども、勝手なことを決めつけてはいけないのですが、あまり製造販売業者にとって有利ではないようなものだったら積極的に解析をスピードアップしないような気も、ごめんなさい。それは、たらればの話ですけれども、その辺に関して、これが利用できる可能性はどういうふうに、さっきタイムラインについて事務局もおっしゃっていましたが、考えていらっしゃるのでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
事務局さん、逆に言うと、どういうタイミングだったら活用ができるとか、その辺りは何かお考えがあればいただいてもいいですか。
○事務局
ありがとうございます。
基本的には、5月にStudy completionで、その後のデータクリーニングとか、いろいろな過程はあると思っております。それに関しては、基本的には企業のタイムラインに沿ってやることになっておりますので、我々から強制的に何か言うことはできないのかなとは考えております。
一方で、明らかに出せそうなデータがある場合にはデータをしっかりと出してもらう、提供していただくということで企業にはお伝えすることはできますので、やはり進捗状況によるというのが答えになるのではないでしょうか。
以上になります。
○○○委員
決めつけてはいけないと思います。
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
できるだけ最新のデータで議論できるといいでしょうね。ありがとうございます。
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
先生方の今までの意見書の内容を踏まえて、これから少しまとめをさせていただきたいと思います。
それでは、議決に入らせていただきます。○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員 退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
先生方、3つ確認させていただければと思います。
まず、先生方の御意見をまとめますと、企業の分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がなされているということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
続いて、企業の分析データ等の科学的妥当性は妥当でないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
最後になりますが、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当であるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、公的分析においては再分析を実施していただくことといたします。よろしいですね。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。

