第36回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録(2026年3月4日)

日時

令和8年3月4日(水) 14時00分 ~ 16時00分(目途)

場所

全国都市会館 第1会議室

出席者

<委員等 敬称略>
安川文朗(座長)、新田秀樹、今村英仁
鳥潟美夏子、幸野庄司、池田俊明、橋本忠幸
小林潤一郎、往田和章、角本靖司、逢坂忠
<事務局>
吉田保険医療企画調査室長

議題

あはき療養費の令和8年度改定の基本的な考え方(案)について(その2)

議事

○安川座長
 ただいまより第36回社会保障審議会医療保険部会あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 初めに、委員の出席状況について御報告を申し上げます。本日は、橋爪委員、宇都宮委員、安岡委員が御欠席です。
 それでは、本日の議事に入らせていただきます。
 本日は、「あはき療養費の令和8年度改定の基本的な考え方(案)について(その2)」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○吉田室長
 保険医療企画調査室長でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 前回、1月30日に御議論をいただきまして、令和6年度改定の振り返りなどをしながら今回の改定の視点ということで、いろいろと御意見をいただきました。今回、それらを基に論点ごとに分けてまとめておりますので、引き続き御議論いただければと思っております。
 資料あ-1に基づきまして御説明させていただきたいと思います。
 まず1枚めくっていただきますと、令和7年度のあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう施術所経営実態調査というものを実施したということでありまして、そちらの御報告をさせていただきます。
 2ページは、こちらの調査の概要でございます。あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう施術所の対象は、約2万6,000の施術所、主な団体に所属している施術所を対象とさせていただいております。こちらの回答状況は433、有効回答率1.7%という状況になっております。この調査はいろいろ訪問施術の調査などと併せて実施させていただいておりまして、なかなか訪問の辺りの細かい質問などを設定させていただいておりました。そういったことも含めまして、回答数としては若干少ない数になっております。この辺りは、次回以降に向けてどのような改善が図れるかについては検討してまいりたいと思います。
 その上で、やや限られた数ではありますけれども、幾つか分析を試みておりますので、その辺りを御紹介させていただきたいと思います。
 3ページは、まず施術者の属性ということで、個人が8割、法人が2割弱といった状況をお示ししております。
 4ページは、医療保険外施術の状況でありまして、保険外の施術をやっている状況は、個人が少し多いということがありますけれども、おおむね10%前後ということだと思います。
 5ページは、いわゆる収益費用、それらを勘案しての損益率という数字を出しております。こちらは診療報酬のほうの医療経済実態調査でも同様でありますけれども、個人のほうは最後の収益のところから費用を除いた損益差額というところから、最終的な個人の所得に相当するものが出てきますので、相対的に損益率は法人に比べて高くなる傾向にあるといったことに留保が必要かと思います。その上で、令和6年度ベースで言いますと、個人で45.4%、法人で14.1%という平均値になっているところでございます。
 6ページは、分布ということでプロットしておりまして、マイナス60%未満といったところもありますけれども、おおむね0%を超えたところで山があるという状況になっております。
 ただ、パーセンテージというだけではなくて、7ページのほうで実額というところで見てみたいと思いますが、まず個人は収益のところから費用を除いた損益差額も200万程度でありまして、これがいわゆる個人の所得に相当する部分も含んでいるということでございます。法人は費用、賃金を払った上で差額としては500万円程度になっているということでございます。
 8ページ以降、収入とか費用の項目について増減率とか平均額の分析を試みております。
 10ページを御覧いただきますと、項目ごとに御回答いただいた数字の平均額という形でお示ししております。例えば、個人の費用で見ますと、材料費といったところは100を超える回答をいただいている一方で、委託費は9ないし10でありまして、委託をお願いしていない方はここの記入はしないといった形になるということであります。そういった意味では、これを単純に足し上げたものが費用全体になるわけではないということについて留意をさせていただきたいと思っております。その上で、給与費などはこういった数字になっているということについて御紹介したいと思います。
 11ページは賃上げの状況でありまして、令和5年度で言いますと7割を超える施術所、令和6年度で言いますと3分の2の施術所が賃上げを実施できていないという状況でございます。
 12ページは、個人と法人での対応状況でありまして、こちらはかなり顕著に傾向が違うのかなと思います。法人はいわゆる定期昇給を実施しているところが令和5年度でも4割を占めている。その上で、令和6年度にはこのベースアップを実施しているというところが1割強出ているという状況でございます。左側の個人につきましては、多くの施術所において賃上げができていないという状況でございます。
 以上、実態調査については限られた回答数の中での分析でありまして、いろいろとデータのクリーニングがし切れない部分も含まれている可能性がありますけれども、業界の状況について、また引き続き御議論をいただければと思っております。
 次のページ以降は訪問施術制度の在り方でございます。
 14ページなどにお示ししておりますように、前回、訪問施術に関する御意見がかなりいろいろあったかと思っております。令和6年度に訪問施術制度を導入いたしましたので、今回の改定の中での見直しというか、制度がスタートした上でのメンテナンスをやっていくことが一つの大きな論点になるかなと思っております。
 その上で16ページは、例えば我々も様々なホームページなり、いろいろな形の中で把握したものとして幾つか御紹介しておりますけれども、施設と施術所の経営が一体であると思われるケースとしてお示しをしております。具体的にはサービス付き高齢者住宅、住まいのような形のものを運営している中で、一体として施術所も運営されているということであります。その中で、左のところでございますけれども、同意書に関して、施術所が医師の同意書を取得する手続を代行しているところで、患者さんの手続の負担がないという宣伝がされているといった事例でございます。
 17ページも同様の事例でございます。訪問看護ステーションなども入っているということでございます。
 18ページは、令和6年度以降の訪問施術料ということでありまして、通所して治療を受けることが困難であることを要件としているという中で、患者の求めに応じて患家に赴き、定期的ないし計画的に施術を行った場合であります。
 19ページは、あはきの訪問施術と往療料の比較でございます。右側の往療料については、やむを得ない理由等が突発的に発生したことによりということが出てくるということであります。一方で左でございますと、定期的ないし計画的に施術を行った場合に支給するといった形の区分けになっております。
 20ページは、令和6年度改定前の往療料の取扱いでありまして、左側の改定前ですと、定期的・計画的に行う場合も含むといった状況になっているということであります。その上で6番でありますけれども、同一の建築物に居住する複数の患者を同一日に施術した場合は、往療料は別々に支給できない、1人分を取っていただくというところだったと思います。右側は、そこのところの部分で言いますと、往療料は先ほども申し上げましたように突発的に発生したことによる対応に整理されたということでございます。
 21ページは、あはきに関する留意事項に関して幾つかお示しをしております。まず、全体療養費の取扱いに関する留意事項というところで、患者さんが施術所から経済上の利益の提供を受けて当該施術所を選択した場合は療養費の支給対象外となっているということが示されております。
 その上で、参考2でありますけれども、こちらは受領委任の取扱規程という中で、例えば16の「また」というところでありますけれども、施術所が集合住宅等に対して金品を提供し患者の紹介を受けその結果なされた施術については療養費の支給の対象外とすることという記載がございます。一方で、この辺りは受領委任の取扱いということでありまして、全体的な療養費の取扱いの中での整理との関係などが何となく判然としないところもあると思いますので、この辺りは議論の結果も含めまして、対応についてはもう少し置き方などを整理する必要があるのかなと考えているところでございます。
 22ページ以降は、画像を貼り付ける形で大変恐縮でありますけれども、令和8年度診療報酬改定の中身を中医協において答申をいただいております。今回の改定の中では、訪問看護の見直しがかなりのボリュームを占めておるということでございまして、その関係を御紹介しているものでございます。
 例えば25ページを御覧いただきますと、同一建物に居住する利用者への訪問看護の評価の見直しでございまして、この中でも、例えば、20人以上とか50人以上といった区分を設けている、それから1月当たり何日までとか、20日目まで、21日目以降という形で料金を細分化するといった設定がされているものもございます。
 こちらにいろいろとつけておりますけれども、必ずしも訪問看護の見直しに沿って今回の訪問施術の見直しをするという趣旨ではございませんが、訪問看護のほうも前回御議論いただいたような事例なども起こっているということでありまして、様々な対応をしております。こういったものも参考にしながら、あはき療養費の中での対応を引き続き考えていきたいと考えております。
 32ページは、先ほどの経営実態調査と同じ中でやった訪問施術所等実態調査でございます。こちらも431施術所でありまして、回答数としてはなかなか厳しいものがありますけれども、限られたものではございますが、分析を試みたところでございます。
 例えば33ページは施術者数の平均で、個人は1.3人、法人は4人といった状況があるということでございます。
 その他いろいろ分析を試みておりますが、例えば、38ページを御覧いただきますと、患者1人当たりの平均訪問頻度でございまして、訪問という場合の頻度ということなのですが、専ら出張で施術を行っている施術所に向かってその訪問頻度が増えているということでございます。
 39ページを御覧いただきますと、患者1人当たりの訪問頻度の計画については施術所が決定しているといったところが多く見られるわけでありますけれども、法人では施術所と施設が共同して計画しているといったところに御回答があったということでございます。
 40ページの1日の患者数の決定方法というところでございますけれども、こちらも患者の要望により都度決定ということでありますが、施術所と施設が共同して決定といった数字も法人のほうでは多く見られたといったことを御紹介しております。
 いずれにいたしましても、この辺りは回答数が限られる中でありますので、これだけではなくて、令和7年10月の審査分に関する療養費の頻度調査も、今、数字が上がってきておりますので、そういったものも今後、分析を取り入れながら議論していきたいと考えております。
 続く論点といたしましては、施術部位数による料金包括化でございます。49ページは、この辺りは頻度調査のデータを見ながら検討していただきたいといった御意見、包括化してしまうと粗療になるのではないか、稼働率を上げて収入増につながるのではないかといった懸念が前回の議論の中でお示しされているということでございます。
 50ページは、平成30年の報告書以降、包括化という論点というのはあるわけでございますけれども、その辺りの議論の進展というのを、この訪問施術制度の見直しというか対応も含めて、全体としてどう考えるかということを議論していかなければならないのかなというところでございます。
 次の論点といたしましては、その他ということでございまして、様々な論点をお示ししております。
 まず、54ページは明細書についてでございます。療養費の専門委員会の中では、柔道整復療養費のほうでも御議論いただいておりますけれども、明細書は患者さんにとって施術の内容をきちんと把握していただくといったことも含めて進めていくことを考えられないかという論点でございます。
 現状は、領収書を無償で交付していただくとともに、患者さんから求められたときには一部負担金明細書を交付することとされておりますけれども、この辺りはもう少し何らかの対応は考えられるのか。その際に、54ページの一番下にありますが、明細書発行体制加算といったものがございますが、あはきにはございませんけれども、そういった対応、いわゆるかかる手間も含めた評価を考えられるかどうかについて議論をしていきたいと思っております。
 ちなみに、57ページは医科の取扱いということでございまして、右側にあるような診療明細書、病院や診療所にかかりますとこういったものが必ず出されるということであります。これについては、左側で、再診料に対して明細書発行体制等加算ということで1点を所定点数に加算することになっています。ちなみに初診料に当該加算はないという状況でございます。
 59ページは別の論点でございまして、受領委任制度でございます。こちらは前回の御議論の中でも、なかなか全ての保険者に参加していただけていないといった御発言があったかと思います。受領委任払いについては、それまで民民の契約といった形で進められていたものがありましたけれども、厚労省が関与する形での受領委任制度という形では平成31年以降進めてきております。
 そういった中で、61ページを御覧いただきますと、受領委任数の推移でありまして、協会けんぽ、国保、後期高齢は100%に近い水準で受領委任をやっていただいているということでありますけれども、健康保険組合におかれては20%程度であります。近年では数組合が脱退しているということであります。
 62ページを御覧いただきますと、受領委任払いの意義、メリット、論点を示しております。この辺りは、患者さんの利便とか指導監督のメリットもあるところでありますが、いずれにしてもこの制度に対して信頼感を持っていただかないと進めていくところはなかなか難しい部分もあると思いますので、こういう改定での取組も含めて、こういったものを地道に進めていくのかなと考えているところでございます。
 63ページは次の論点でございまして、自己施術、自家施術といったものでございます。いわゆる自己に対する施術、家族または従業員に対する施術であります。
 64ページは、医科の場合、健康保険法における取扱いなどを示しております。まず健康保険法における自己診療でございますけれども、法の解釈の問題として、医師が自らを診療するものを保険請求はできないことになっているということでございます。自家診療については、禁止規定といったものはございませんけれども、例えば医師が被保険者である医師国保組合においては、規約の中で自家診療については請求を行わないという形になっているということでございます。
 翻って、あん摩、はり・きゅうについて見ますと、自己施術については療養費の支給対象外ということは同様の解釈であります。その上で、自家診療についても禁止規定はありません。一方で、これが公的保険の中でどのように取り扱うべきなのかということについては、改めて今回議論をした上で整理をすべきかなというところでございます。
 65ページ、66ページに関連の規定などを御参考までにお示しをしております。
 68ページ、同意書についてでございます。同意書に関して申し上げれば、あはきについては医師の同意書が起点となりますので、なかなか医師に御理解いただけないといったところで、同意書をどういうふうに出してもらうか、制度の理解も含めて進めてきたところもあります。一方で、同意書が一部の医師において安易に発行されているのではないかという御懸念もあるところでございまして、この辺りは同意書に関する視点がそれぞれのところからあるところでありまして、引き続きどういったところを手当てしていかなければならないのかといったことは議論されるべきものかなと思っております。
 その上で68ページにお示しておりますのは、非常に細かい論点ではございますけれども、いわゆるオンライン診療による同意書の交付の取扱いでございます。真ん中の参考に疑義解釈資料をお示しておりますけれども、電話等による再診による同意書の交付はできないということをお示ししております。
 今、オンライン診療については、「電話等」の「等」ということで見ているという我々の解釈ではありますけれども、この問いと答えがやや時代に即していないようなところもありますので、改めてオンライン診療をどう取り扱うかについては議論の上、明確化してはどうかと考えております。
 1点は、やはり整形外科的な診療領域の診断に基づく施術になろうかと思いますので、そういったものがオンライン診療になじむのかどうかといったことは論点としてはあるのかなと思っております。
 69ページは、今の論点とは直接関係はございませんけれども、令和8年度診療報酬改定の中で生活習慣病管理料Ⅰ及びⅡの見直しが行われております。
 この中で70ページの真ん中の上のほうになるのですけれども、前回令和6年度改定の中で療養費の同意書交付料は生活習慣病管理料Ⅱの包括の範囲に入ってきたと。別途算定ができなくなってしまったということでありますが、今回の令和8年度改定においては、情報提供等に関する評価はきちんと評価をしましょうということで、改めて見直しが行われておりまして、療養費の同意書交付料については生活習慣病管理料Ⅱの包括から外れる、算定ができることになっております。
 この辺りは、施術者の皆さんからすれば医師の同意書の観点では非常に重要な項目かと思いますので、今回の議論とは直接関連するものではございませんけれども、ここで御紹介をさせていただくということでございます。
 71ページの論点でございまして、マッサージ施設の1日当たりの施術回数についてということであります。現状、はり・きゅうについては1日1回に限り支給するものであることといった記載がございます。一方で、マッサージに関してはそういった記載がない中で、1日に複数回とか、複数日にわたってそれが続くといった請求がされているといった事例も耳にしております。この辺りは、通常を考えると1日1回かなと思いますので、その辺りを明確化してはどうかということでございます。
 最後、73ページでございまして、長期・頻回の施術であります。現状では、1年以上、月16回以上の施術については、その理由・状態記入書を記入していただくことになっております。この辺りについて、訪問施術もそうでありますけれども、こういった長期・頻回にわたる施術について何らか対応が必要かどうかといった観点については、今回の改定の中でも御議論いただきたいと考えております。
 極めていろいろな論点がございまして、それぞれについていろいろと各側からの御意見があるかと思います。本日御意見をいただいた中で、そういったものを踏まえてまた次回以降の議論に資するような資料を作成していきたいということでありますし、その上でここに挙げられている以外の論点もありましたら、それについても御議論として挙げていただくということをお願いできればと思っております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○安川座長
 ありがとうございました。
 大変多くの項目が提示されておりまして、議論の進め方として、大きく2つに分けて意見交換を進めさせていただきたいと思います。
 前半として、資料の1番、2番、3番の経営実態調査に関わること、訪問施術の問題、包括化の問題の3点について御意見、御質問、御提言等をいただけたらと存じます。
 まず、施術側の委員の皆様方からはいかがでしょうか。
 小林委員からお願いいたします。
○小林委員
 日本鍼灸師会の小林でございます。よろしくお願いいたします。
 今回、事務局から経営実態の調査、訪問施術の実態調査ということで報告をいただきました。日本鍼灸師会もこのアンケートに御協力をさせていただきましたけれども、会員にはこの調査にしっかりと協力するようにということで何度も伝えたところではありますが、サンプルとして回答まで至ったところが非常に少なかったというところでは、非常に残念な結果になってしまったと思っております。パソコンによる精緻な回答について不慣れだったということもありまして、迷っているうちにどうしてもタイムアウトになってしまったということで、手はつけたのだけれども最終的なゴールまでたどり着けずというところで、サンプル調査の中では非常に少ない数字になっていた。先週の柔整の資料を拝見しますと、あはきのほうはかなり少ないサンプル数ということで、ここに関しては忸怩たる思いでございます。今後このような調査があった場合に、会員に対しても万全を期して対応してまいりたいと考えております。
 その中で、8ページにお示しいただいたところなのですけれども、令和5年から6年にかけての全体の収益というところが左側にありまして、11%伸びていますということがあります。これに関してn数が少ないというところで、この11%の伸びというのは肌感覚として現実とは少し乖離があるのかなという感じもあります。施術所計というところはどこもこのように伸びているという形ではないのではないかというところで、経営の実態は非常に厳しいというところをコメントさせていただきたいと思います。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございます。
 肌感覚で、経営の状況がこれほどよくはないという御意見をいただきました。
 ほかに施術側の委員の皆様からいかがでしょうか。
 角本委員、お願いいたします。
○角本委員
 日本あん摩マッサージ指圧師会の角本です。よろしくお願いいたします。
 先ほど小林委員から8ページの収益が伸びているというところですが、実際に私も施術にまいっていまして、令和6年といいますと、令和5年にコロナが5類になりまして、世間的にはコロナが終わったようになっているのですが、やはり現場としてはまだコロナが残っているという状況で、令和6年になるにつれてコロナ前の状況に戻ってきたというのが肌感として感じられております。収益が増えたという感覚よりも、やっと以前の状態、正常な状態に戻ってきたという認識を私個人としては持っております。この中で物価高騰とかいろいろな影響を受けておりますので、なかなか個々の施術所は厳しいと認識しております。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。ほかに訪問とか包括化も含めて御発言をいただけたらですが。
 往田委員、お願いいたします。
○往田委員
 全日本鍼灸マッサージ師会の往田でございます。本日もありがとうございます。
 今日は本会として資料を幾つか提出をさせていただいております。資料の御説明をさせていただく前に、冒頭2つ申し添えておきたいことがございます。
 まず1つ目は、このようないわゆる不適切であるとか不正に関わる問題提起がなされると、それと関係しない施術者全体に関して厳しい義務が課されるということが往々にしてあります。しかし、今回私のほうで提起させていただいた問題は、一部のごく限られた施術所の問題であって、大多数の施術所は零細でありながら真面目にやっているところだと認識をしております。ですので、この問題をスタートにして大多数の施術所に全体として厳しい義務が課されることは、逆に零細、個人で真面目にやっているところがその負担から療養費の市場から退場してしまうことも想定されて、かえってそういった不適切なものを助長してしまうという結果をもたらすことも経験として感じている部分ではございますので、その辺は御配慮いただけるとありがたいなと思っております。
 もう一つは、今回の改定の主なテーマ、物価高騰、賃上げ、施術所経営悪化に対する手当てというところもあると思いますし、訪問施術料3に関しては、真面目にやっているところでは、非常に安い金額で抑えられていると認識をしております。ただ、プラス回答を望みながら一方でこのような問題に目をつぶっていくということは、責任ある業界団体としてあるべき姿ではないと思いまして、今回こういった資料を出させていただきました。そういったところも御配慮いただきながら、お聞きいただければと思っております。
 資料の説明をさせていただきます。事務局のほうでA4を3枚で御用意いただきました。今回、私のほうで提起させていただいている問題は大きく分けて2つあります。1つは、主に高齢者施設において、施術所からいわゆるマージンのようなものが支払われて、それによって患者の囲い込みや誘引がなされているのではないかということが1点。もう一つは、高齢者施設そのものが施術所を経営する、もしくは施術所が高齢者施設を経営するなど、経営が一体化していることによってそこの囲い込みや掘り起こしが行われているのではないかということの2点でございます。
 まず、3枚あるうちの1枚目の資料が、1点目のマージンの支払いについての資料でございます。こちらは、全国フランチャイズ展開をされている訪問鍼灸マッサージの施術所を運営されている会社から高齢者施設に対して提示された営業資料になります。資料の1ページ目には取引の3つのメリットとして幾つか示されていますが、1として入居者のADLの低下予防・改善に効果があります。2つ目として、ADL低下予防・改善により従業員の負担の軽減につながります。3つ目として、ここが問題だと思っておりますが、利用実績に応じて保険外収入を得られます。もちろん現場にほとんど負担をかけることはありませんというふうに書かれております。
 裏面がその続きになりますが、今回の提案内容についてということで、法人取引契約とは、御社運営施設にて弊社マッサージサービスを利用した場合、1名につき〇〇円の業務委託料(保険外収益)をお支払いする取引ですということで、事例として年間5,600万円払うことが可能ですみたいなことも書かれているということです。
 これは、フランチャイズ展開をされている本部と高齢者施設の運営会社が契約を結んで、その高齢者施設において独占的にここの業者から施術を行うことを条件として金員が提供されるものになっています。実際に直接お話を聞きましたら、そういう取引になっているそうです。
 マージンの額に関しては金額が伏せられておりますけれども、施設規模によって金額が変わるということを聞いておりまして、複数の施設で入居部屋数が1,000部屋程度の施設においては、患者1人当たり月に5,000円のマージンというか業務委託料が払われている。先ほど室長も御指摘いただきましたが、受領委任規定の中では患者の紹介の対価として金員を払うことは禁じられておりますが、こちらの資料は業務委託料という名目になっておりまして、これはここだけでなく幾つか確認は取れているのですけれども、業務委託料もしくは事務取扱手数料という名目で取引が行われている。その一方で、ここでは業務委託料と書かれていますが、その前のページには、現場(各施設様)にほとんど負担をかけることはありませんと明記されておりまして、実際に何の業務が委託されているのかということは書かれておらず、ほぼほぼ委託されている業務はないのではないかというのが実態としてあります。
 2つ目の資料でございます。2つ目は、先ほど申し上げましたが、施設と施術所の経営が一体となって運営されている事例で、これは推測の資料になります。これはどなたでも閲覧できますが、求人サイト、いわゆる求人を募集する広告になっていまして、黒塗りになっておりますが、一番上の黒塗りのところは施術所を運営する法人の名前が書いてあります。仮に施術所を運営する法人をAとします。そちらがマッサージ師を募集するための求人広告になります。
 3分の1ぐらいのところですけれども、仕事内容のところに「あん摩マッサージ指圧師有資格者◆」とあって、その次の黒塗りはBという老人ホームのグループの名前が書かれています。そこの老人ホームの施設内施術のためお客様先訪問なしと書かれていて、その下の業務概要のところに、この黒塗りに関しては老人ホームの名前が書かれていますが、Bが運営する老人ホームでの訪問マッサージ業務を行う当社で老人ホームに常駐いただきながら施術をお任せしますと書かれております。
 そこの下の黒塗りも基本的にはその老人ホームの名前がずっと書かれているのですけれども、実態として、訪問施術というのは施術所から患家、患者さんが生活する場所に赴いていって施術することによって施術が行われる、もしくは、こちらのケースでは訪問施術料の算定ではなくて通所の料金の算定がされていますけれども、本来であれば、施設内に施術者が常駐して施術を行うのであれば、その施術所内で施術所の開設届を出して、そこの施術所で施術を行うのが本来だと思いますが、実態として施術所は別の場所にあるということです。
 ちなみに、施術所運営会社Aという会社と、高齢者施設を運営するBという会社の登記上の代表者は同一人物でございまして、明らかに経営が一体になっていることが分かっております。
 ここに関しては、独占的に施術が行われているので外部にはなかなか見えにくい部分ではあると思うのですが、受領委任契約の中で国保連に出された施術所単位のレセプトを見ると、そこの施術所から出されたレセプトの患者さん全てが特定の施設の入居者であることが明らかになるような形です。こちらがいわゆる施術所と施設が一体となって運営をされているというところの資料になります。
 私から御提出した資料の説明は以上でございます。
○安川座長
 貴重な資料をありがとうございました。
 ほかに施術側から追加の御質問、御意見等はございますか。
 それでは、保険者側の委員の皆様方から御意見、御質問等をよろしくお願いいたします。
 橋本委員、お願いいたします。
○橋本委員
 東京都後期高齢者医療広域連合給付管理課長の橋本でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。
 事務局におかれましては、丁寧な御説明ありがとうございました。
 私からは、今回の改定につきましては、必要な改定は当然進めていくべきだと考えているのですが、先ほど事務局からもお話がありましたように、併せて制度のメンテナンスは必要だと考えておりまして、運営主体として現場で起きている不正について情報提供をさせていただければなと思います。
 前回、昨年10月に報道発表させていただいた、医師による不正案件、広域連合が13億8,000万円に及ぶ損害を受けたという事案について御説明をさせていただいたのですが、現在、あはきについても3件の不正案件について、いずれも水増し請求なのですけれども、警察署等に相談中でございます。
 医師による不正案件と同様、訪問診療が中心の不正でございまして、判明したきっかけは、毎年1月下旬に送っている医療費等通知書をご覧になった被保険者の御家族の方から問合せをいただいて判明したものとか、あるいは施術所自体が内部調査を行って判明したというものでございます。
 いずれも通常の国保連の審査では、書面上は整合性が取れているので不正を発見することがなかなか難しいものでございまして、現状では発見するのに、被保険者の方や被保険者の御家族の方からの情報提供や、施術所の内部調査に頼る部分が非常に大きいところでございます。
 現在、先ほどの医師による不正案件を受けて、そういったことが二度と起きないように、その不正疑義案件を検出するためのシステムづくりを我々は進めており、将来的には柔整やあはきについてもこのシステムに載せていきたいと考えているのですが、今はその要件定義自体がなかなか難しいと考えているところでございます。
 医科、柔整あはきで共通している訪問診療を通じた不正では、特に後期高齢者の場合は75歳以上というところで、狙われやすい、発見しづらい部分もありますので、今回のこういった場を通じてその要件定義のヒントが得られるとありがたいなと考えているところでございます。
 本日もどうぞよろしくお願いします。
○安川座長
 ありがとうございました。
 協会けんぽからはいかがでしょうか。
○鳥潟委員
 大丈夫です。特にコメントはございません。
○安川座長
 ありがとうございます。
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 前半の論点ということで、経営実態調査は有効回答率1.7%ということで、ここで何か申し上げても仕方ないと思うので控えますが、この調査結果が全体の縮小版だとしても、特別に対応するほどのインフレの影響は医療機関ほど受けていないのではないかなというのが私の感想でございます。利益率のところを見ても、9割ぐらいが黒字を確保しているというところからもそのような印象を受けました。
 私が声を大にして言いたいのは、訪問施術制度でございます。この制度の見直しは今回の料金改定の中でも最も大きな課題と認識しております。
 今、往田委員から不適切な事例に関する資料の提出と御報告がありました。本当にありがとうございました。施術側の立場の往田委員がこういうエビデンスを出すということは、ある意味リスクを背負い覚悟を持って出されたのだなと思いますし、自分たちの業界でも不正をただしたいという相当な信念の表れだと思いますので、この資料を出していただいた以上、我々も真摯に検討して解決していくすべを一緒に考えていく必要があると思いました。
 全体の感想としては、高齢者をターゲットとした訪問看護療養費と同じようなことが起きているのだということが分かりました。共通しているのは、高齢者施設と施術所が一体となっていることで囲い込みが行われていることだと思います。
 1件目の事例は、まさに金品を提供して、患者の紹介を受けて囲い込んでいる。多分、これをやっている以上、医療上、マッサージが必要でない患者も囲い込んでいるということが容易に想定できるのではないかなと思います。1人当たり5,000円をもらえるのであれば、紹介するのは当然のことですよね。ということで、医療上、本当にマッサージが必要でない方も施術を受ける状態に置かれているのではないかということが容易に想定できると思いました。
 2例目も、グループ間による患者の囲い込み以外の何物でもないと思うのですが、これが本当にビジネスとして成り立つのか、成り立たせていいのかと思っています。施術者が老人ホームに常駐して施術を行っていて、往田委員の説明によると通所料金を取っているということですが、施術所で施術をしていないのになぜ通所料金が取れるのかというところは、事務局の意見も後でお伺いしたいです。施術所から赴いているわけではないので、訪問施術でもない。なのに、なぜ通所の料金を取っているのかというところは分からないということ。それから、医師の同意書は誰がどういう形で取っているのか。患者がかかりつけ医に行ってもらってきたものを施術しているのか、それとも、代行している施術者が医師の同意も取っているのか、その辺のところが分かれば往田委員に教えていただきたいと思います。
 1例目の金品で患者を獲得しているというのは、吉田室長からも説明があった受領委任の取扱規程に、金品を提供して施術を行った場合は療養費の対象外だと書いてあるので、これは不支給に該当すると思われるのですが、これが払われてしまっているのはどう理解したらいいのかなというところです。
 また、このようなことが発覚した場合は、受領委任規程の第2章の15項に取扱いの中止という項目に該当するのではないかということで、保険者はすぐにでも受領委任の取扱いを中止するべきだと思います。こういうことをはっきりとうたっていくべきかと思います。
 往田委員に説明していただいたので、感想をお伺いしたいのですがこれは氷山の一角だと私は思っていて、でも保険者は請求書を見ても分かりませんので、このような実態を知るすべがないのです。往田委員から考えて、これに対してどういう対策を講じるべきかというのを、施術側の立場で現場にお詳しいので、考えをお聞きしたいと思うのですが、今聞いてもいいですか。
○安川座長
 今聞いたほうが、この後の話の流れとしてはいいですか。
○幸野委員
 今聞かせていただけますか。
○安川座長
 分かりました。
 では、往田委員、恐縮ですが、2つ御質問があったかと思いますので、同意書の取り方と全体の状況について、往田委員自身としてどんな御感想、お考えをお持ちかという点だと思いますが、いかがでしょうか。
○往田委員
 まずこの問題に関して、最初におかしいのではないかと気づいたのは、私は国保審査会の委員を拝命していて、その審査会の中でなのですよね。ですので、それがなければ、多分ここに興味を持たなかったかもしれないというところもあって、現場で分かったというよりも、受領委任における国保審査会は施術所単位でレセプトが出てきますから、きちんと見ていれば明らかにおかしいなというのは分かるのではないかと思っています。
 おかしいなと思うところに幾つか傾向がありましたので、そこに対して掘り下げて見ていった。レセプト1枚1枚だけ見ていると全く分からないのですけれども、やはり施術所単位で出てくるものによって、ある程度ちょっとここはということから始まっています。
 それを見ると、例えばそこの施術所から出てくるレセプトは、特定の施設の入居者に全部限定されているわけですが、基本的には、同じグループの複数の施設が1個の施術所に入っていたりするので、その施設ごとに同意書が違っているというパターンです。高齢者施設に入っている方はほぼ歩行ができませんので、通院して同意書を取ることができませんから、基本的にその施設に入られている訪問診療の先生から取られていると認識をしております。
 先ほど通所料金という話がありましたけれども、たまたまここのところは見てみたら通所料金が算定されていましたが、類似のところも幾つか捕捉して、もっと規模が小さいところもあって、そこは全て訪問施術料が算定されているので、通所の料金を算定されているのはそうなのですが、同意書上は歩行困難で往療、訪問の必要性がありと同意書にはなっているということで、多分あまり目立たないようにというか、少し手加減して料金を減らしているのではないのかなというぐらいに思っています。
 あとはどうしたらいいかということですね。まさに先ほども申し上げましたが、施設入居者の方は、基本的に後期高齢かもしくは国保の方が一部いらっしゃって、被用者保険の方はほぼいらっしゃらないと思っています。そうすると、高齢者施設の入居者の方が住所地特例で他の都道府県の保険証を持っていたとしても、大多数はその都道府県の保険証を持っていらっしゃる方なので、県単位の国保審査会で見れば、そこはもう一目瞭然というか明らかなのですよね。それなので、特定の施術所から出てくるレセプトの集中率で、特定の法人が運営する施設に限定されている場合は、何らかのディスインセンティブを働かせるようにしないといけないのではないかと御提案を申し上げているというところです。
 マージンに関しては本当に露見しないというか、経営が一体となっているところは、レセプトを見れば分かるので逆に言うと分かりやすいですよね。ただ、マージンはそれこそレセプトに載ってこないので、受領委任規程の中に別名目、例えば、業務委託料や事務取扱手数料等の名目であっても、いかなる金品の授受を禁じるというところをきちんと明記していただくことがまず第一だと思います。
 もう一つは、マージンの発生に関しては、実際にその施設で働いている方からの内部告発というか、これは私の施術所にもともと入っていた施設の管理者の方が、本来であればうちに頼みたいのだけれども、本社のほうからどこどこに今度一括して頼むことになったから、そこではこういうマージンが発生するからということで申し訳ないみたいな話があり、そこから調べていったというところになるので、やはり現場の施設の担当者とか、もしかしたら現場のマッサージ師も、マージンの存在を知っていながらしようがないみたいに思っているかもしれないので、まさに内部告発みたいなことをやりやすいような仕組みをつくっていくしかないと思っています。
 あとは、療養費の検討専門委員会なのでなかなか難しいと思いますけれども、施設にも必ずケアマネジャーがいて、ケアマネジャーは法定研修も今度廃止になるという話になっていますが、それを受けておりますので、そういった中で施設ケアマネに関しては、あはき療養費だけではなくて、訪問診療、訪問看護も同様な問題が出てきていると思うので、マージンみたいなものの金品授受は絶対に処罰の対象になるのだということをそういった教育の中でやっていくしかないのではないかと思っております。私はケアマネもやっていますけれども、在宅のケアマネはその辺は研修のたびにかなり言われるので、在宅のケアマネでこういうマージンという話はあまり聞いたことがないのです。施設だと、施設ケアマネの立場が組織の中で若干弱いところもあるので、そういった工夫をしながら啓蒙活動していくしかないと思っております。
 あとは、先ほど申し上げたように、同様に集中率のとこで厚生局なりなんなりで、今は明らかな不正が十数件ないと厚生局も指導に乗り出せないという立てつけになっております。ただ、ある程度の疑義があるところに関しては照会をかけるとか、介護保険でいうところの集中減算の報告みたいなものを求められるような仕組みをつくっていくことが現実的なのではないのかなと思っています。
○安川座長
 ありがとうございます。御丁寧な御見解を頂戴しました。
 流れとして、先ほど事務局にも確認したいということで、そもそも通所料で取れるのかという話がありましたけれども、その辺りは今伺いますか。
 事務局、いかがでしょうか。
○吉田室長
 今の幸野委員の関係でありますけれども、まず今、往田委員に御紹介いただいた事例というのが、この資料だけからは分からない部分はいろいろありますので、例えば施設の中に施術所があるとか、そういった場合があるかもしれませんといったところが一つ、この状況だけでは判断できないというところは留保させていただきたいと思います。
 さらに申し上げれば、往田委員の御発言の中にもありましたけれども、施設の中に同じ系列の複数の施術所が入っていれば、そういった形で人数の調整をするみたいなことも考え得ると思いますので、そういったところも含めてどういう対応をすべきかというところはあると思います。
 その上で、いろいろな話を伺っている中で言いますと、訪問しているにもかかわらず通所の施術という形でやったりという形で、実態と合っていないような請求も発生し得るということであります。この辺りは、診療報酬の中でも当然そういったものは発生し得るわけでありますけれども、カルテなどとの関係でそういったチェックをしていくといったことも含めて、あまりそういうことが起こるということが医療の世界ではなかなか想定されにくい部分かなと思っています。
 その辺りはきちんと、訪問するのであれば訪問施術料を算定していただくといった形での対応というのは、ルールメイキングという意味ではきちんとしなければならないかなと思いますし、その上で、実効性をどう確保していくかというところは非常に難しいところでありますので、そういった辺りも含めてセットでどういう形でやっていくかということは考えなければならないかなと思っております。
 以上です。
○安川座長
 幸野委員、お願いします。
○幸野委員
 ありがとうございました。
 細かい算定の仕方などは疑義解釈等で通知していただければと思いますが、今、往田委員が私の問いに対して重要な対策を3点ほど言っていただいたと思います。1つは国から、金品を提供して患者を紹介するということはやめるようにということを明確に発出していただく。それを高齢者施設や職員へ周知を行い、内部告発でもしてもらえるような体制を取る。きちんと国から明示して高齢者施設や介護施設に通知すべきだと思います。
 2点目は、国保連が行う審査の中で1つのところに対してだけビジネスを行っているような、効率性のみを追求しているような施術等、どうしても高い集中率が見えてくるというのがあると伺いましたが、高い集中率を持っているところは国民に広く機能していないので、減算措置を設けるべきだと思います。調剤薬局が一定の医療機関からしか処方せんを取っていない場合は減算するように、集中減算というのを往田委員も言われましたが、私はこの料金改定を機にやっていくべきだと思います。
 もう一点は、老人施設の患者というのはやはり高齢者で、高齢者はどこに加入しているかというと、国保または広域連合です。ですから、国保や広域連合の審査会がこのような申請書を見つけて、受領委任規程の強みである国からの指導・監査を行うルートをつくるということをしてはどうかと思います。今は残念ながらそのルートはないと思います。審査しているかどうかも疑問ではありますが、こういった施設における集中率とか、一定の施設でしか施術を行っていないというところは、広域連、国保連の審査会がまず見つけるべきだと思います。
 往田委員から対策として掲げられたのは、私はこの3つと理解していますので、非常に貴重な現場からの御意見だと思っていますので、真摯に検討していくべきだと思います。
○安川座長
 幸野委員、引き続き、この資料については訪問施術の議論として続けてくださいますか。
 では、幸野委員、引き続きお願いいたします。
○幸野委員
 今までの発言は往田委員からの不適切な事例に対するやり取りだったのですが、私の訪問施術制度に対する意見も述べさせていただきます。まず資料の22ページに示されております訪問看護療養費についてで、今回の診療報酬改定で室長の説明にもあったように結構メスが入ったと。これは昨年、訪問看護療養費の中でかなりの不正、水増し事件が起きて問題視されたことの対策の一つということで、中医協の中で議論されて見直されたかと思うのですが、訪問看護は柔整、あはきよりもっと厳格にやっているはずで、医師の指示書が出発点になって患者ごとに訪問看護計画書をつくって、それに基づいて訪問看護をするというやり方を取っています。原則として1日1回、特別な疾患、末期のがん患者などを除いては週3回の訪問が上限とされていて、看護時間も最低30分が標準時間とされているという結構細かな規則がある中でこういった不正とか水増しが起きているということなのですが、翻って訪問施術を見てみると、全くルールがない、何の上限もないというところがあって、これは少しルールをつくったほうがいいのではないかというところです。
 現場ではどんなことが行われているかというと、限度がある訪問看護とか介護保険を目いっぱい使って、どうしようもなくなったから、後は医療保険の訪問マッサージというふうに流れていると聞きますので、やはり、はり・きゅうでも一定のルールをつくるべきだと思います。
 私のほうからは3点ほど、どういうルールをつくったら良いか提案させていただきたいのですが、1点目は、訪問看護と同じように、施術の実態に合わせてもっと料金を細分化すべきではないかと思います。そして、患家とか施設にかかわらず、1回の訪問施術を行うときの標準時間といいますか、最低時間も設けるべきで、あるいは一定期間に施術できる回数の上限も設定すべきではないかと思います。今回、中医協で訪問看護が見直されたように、1か月当たりの訪問日数と単一建物に居住する利用者数によって、もっと料金を細分化してはどうかと思います。訪問看護と同じ考え方で、料金を一律ではなくて細分化してもいいのではないかと思います。
 2点目は、往田委員から紹介いただいた大手事業者による患者の囲い込みを対策する必要があるということで、これは重複しますけれども、一定の施設に集中している場合は施設の集中度合いに応じた施術料の減算を設けるべきではないかと思います。
 3点目は、訪問施術をもっと見える化すべきではないかというところです。1回の施術がどこでどんな患者にどんな施術を行っているのかというのを、請求書と同時に見える化して請求すべきではないかと思っていて、そこで私が思いついたのが私が出した委員提出資料になります。
 訪問施術内訳表というのをつくってはどうかということです。これは、2年前に廃止された往療内訳表の形を変えたものです。往療料が1人ずつから取れるようになったので、往療内訳表が廃止されたのですけれども、廃止というのはまずかったなと。要は施術の内容が見える化されなくなったということで、月々の請求書の中にこういった訪問施術内訳表というのをつくって、どこに行ってそのときに何料を取った、そのとき同一建物で全体で何人を診ました、大体施術は何分ぐらいありましたといった日計表みたいなものを請求書等に添付していただくことを復活していただきたいと思います。
 これをもし添付していただけるのであれば、今回ウェブでいろいろ実態調査をして、1.7%で何も分析できなかったのですが、内訳表を請求書につけ、これを集計すればその代わりになるので、ウェブによる調査もしなくてよくて、いろいろな分析ができると思います。訪問施術料は何がたくさん多く取られてて、訪問施術料3だったら大体何人の人数を見ているのか、大手チェーンだったらたくさん見ているけれども、個人だったら5~6人だねというようなことが把握できるので、これを復活させていただくということをぜひ提案させていただきたいと思います。
 国保連等が審査会で審査するときも、請求書を1枚1枚突合させて見ていくよりも、これをつければ、これは患者1人分の訪問施術ですから、これを集計していけば分かるわけですから、集中率もより早く集計できることになるので、審査会の事務負担軽減にもなると考えています。イメージとして案を用意したので、これに修正を加えたようなものを月々の請求書に添付していただくことを提案したいと思います。
 訪問施術で言いたいことは以上なのですが、あと一つ、マッサージ料金の部位の包括化は皆さんから意見がなかったのですけれども、これはまだ検証ができてなくて、今回も残念ながら検証できなかったと。その途中に訪問施術というまた違った制度が入ったということで、何も検証できていないのにここで部位の包括化をやりますかというところについては、私は今回は継続課題にすべきだと。もう少し分析をして、これなら包括化はできると皆さんが納得した暁にやるべきかと思います。
 以上、前半部分の私の意見です。長くなりました。時間を割いていただきましてありがとうございます。
○安川座長
 ありがとうございました。
 今、幸野委員からの資料、また往田委員からの資料及びその見解等も出ましたが、それを踏まえて、前半の部分についてさらに御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。
 小林委員、お願いします。
○小林委員
 ただいま幸野委員から訪問施術内訳表ということで御提案をいただきました。はり・きゅうの立場から考えてみますと、時間の概念というところも今回の御提案の中にあるのですね。今まで介護保険では時間当たりという考え方がありましたけれども、私たちのはり・きゅうについては、時間当たりということではなく、1回についての料金ということで行われてきました。
 施術所のレベルで見ますと、ベッドが例えば2台、3台あった場合に、1人の患者さんに施術をして、腰なら腰にはりをして、今度隣に寝ている別の患者さんにすぐやるということで、同時並行ということも施術所の中ではできているということは現実としてはあります。訪問ということになりますと、患者さんがいる居室でやるとなればなかなか現実的に目が離せないこともあろうかと思いますけれども、物理的にはりの場合、1人の患者さんに必ずしもかかりきりではないという状況もあり得るのですということはお伝えしていかなければいけないかなと思います。
 その上で、今、訪問施術がビジネス化していて問題になっていて、特に施設絡みの訪問が問題になっているということがありますので、確かな施術、確かな請求をどう担保していくかということは考えなければいけないと思いますと、こういった内訳表ということで見える化という御提案と捉えました。
 ただ、訪問施術料金というのは、今の段階では1、2、3と3つあって、1人の場合は訪問施術料1、お二人だったら訪問施術料2ということで、今回お示しいただいた資料によると1と2で90%というところで、そうすると訪問施術料3というところが複数人、3名以上または10人以上というところで料金区分が分かれていますけれども、ここが約1割というところですので、どこを一番見ていかなくてはいけないかというところでは、現行の区分で言うと訪問施術料3にまずは限ってやってみたらどうかということも一つの検討材料になるのかなと。訪問施術の全体的にこれを求めるのが必要かどうか。申請書の中にこの情報はほとんど入っているということでもありますので、どこのところに一番重きを置くかというところで、その対象はまた考えていく必要もあるのかなというところでございます。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございました。
 往田委員、お願いいたします。
○往田委員
 幸野委員、貴重な御意見ありがとうございました。
 先ほど私の意見に全面的に御賛同いただいたのに、こんなことを申し上げるのは大変恐縮なのですけれども、まず僕は往療内訳表が存在している時点で国保審査会に行っていて、当時は同一建物で同日にやった場合は1人からしか往療料を算定してはいけなくて、2人目は通所の料金を取らなければいけない。往療内訳書表が当時は何のためにあったかというと、患家の距離によって料金が違っていたので、移動距離をその日その日で明らかにするということが一つと、同一建物内で複数名に行った場合に1人からしか往療料を取ってはいけなくて、あとは取ってはいけないというのを見える化するためにあったのです。
 とはいえ、例えば、複数あって施術した場所も当時はレセプトに書かれなくて、施設名は往療内訳表に書かれていたのですけれども、それを100枚だと100枚を全部見て、同じ施設に行っている人のレセプトを全部抜き出して、結局は往療内訳表を見ても分からないので、全部の患者のカレンダーのところをずっと重ねて、その日に何をやっているかみたいなことを見て、適切に往療料が算定されているかされていないかを調べるという作業をしていました。
 現在は、往療内訳表はなくなりましたので、レセプトの中に施設名が書いてあるから、1枚の中で審査が完結するという意味では、以前よりは審査がやりやすくなっているのですよね。
 先ほど申し上げましたけれども、今回、僕が提起している問題はレセプト1枚1枚では分からないのですよね。特定の施術所が出てくる、まとまったものの全体としての傾向を見ないと分からないところがあるので、正直、時間の部分がある程度データになり得るというのは確かだと思うのですけれども、実態として今回僕が提起していた問題を解決するために往療内訳表を復活することによって、見えてくる部分はほぼないと思っています。
 その一方で、各施術者がこれをつくらなければいけないという事務的な負担が増えてくるので、どちらかというと個々の1件1件のレセプト単体に書類を増やしていくというよりは、施術所全体として見ていかないと、大手のところは幾らでも書類をつくれますので、結局、体裁が整っている書類だけ出てきてそれで終わりということになるのではないのかなと思っています。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございます。
 幸野委員、お願いします。
○幸野委員
 ありがとうございました。
 少し説明不足でした。2つの目的があって、1つは、どこの施設に集中しているかというのは少しは助けになると思うのですが、もう一つは、今回のウェブ調査が1.7%で分析ができなかったという事実があって、同じようなやり方をしていたらいつまでたっても分析できなくて、いつまでたっても料金の包括化はできないということになります。少しデータは変えてもらってもいいので、この内訳表を取り入れることによってウェブ調査をしなくても、訪問施術料はどれが多く算出されていて、どこに行ったときにこれが算出されてて、そのときに全体では何人を診ているといったことはこの表で分かるのではないかと思うのですが、そのためにはなりませんか。
○安川座長
 往田委員、お願いします。
○往田委員
 趣旨としてはよく分かりましたが、結局これをつけたところでレセプトを見るのと同じように、往療内訳表を1つの施術所から100件のレセプトが出てれば100枚全部見て、それを縦計みたいな感じにしないと施術場所は分からないことになりますよね。それであれば、現行はレセプトには施術した場所が明記されているので、そこは全部分かると思いますし、仮に住所地特例の保険証を持っている方は保険者さんが分かるはずなのですよね。
 むしろ、審査のときに幸野委員がおっしゃっているようなことが、電子請求で行えるようになれば、割とすぐにいろいろなデータが取れてくると思うのですけれども、現行はまだ紙ベースになっていて、多分、後期とか国保中央会の方はお分かりになると思うのですけれども、例えば100件のレセプトを出したとしても、往療内訳書と同意書と施術報告書とくっついてくると枚数としては20センチぐらいの厚さになってくる。それを1枚1枚手作業でめくってくみたいなことは、なかなか工数的に難しいし、やらない保険者さんは多分多いと思っています。
 先ほど言った往療料を誰から取っているかみたいな審査も、僕は神奈川県で国保審査員をやっていますけれども、そんなことをやっている審査員は僕だけなのですよね。ほかの方はそんなことは大変なのでやらないということになっているので、それであれば、レセプトの施術をした場所というところを全部見ていけば、特定の施設に偏っているよねというのは、内訳書を見るよりは簡単になるのではないかと思っています。
 ただ、もう一つ、幸野委員がおっしゃったように、各種のデータを取っていくということであれば、それはまた別の問題になるので、それは別立てで議論をしていって私もそこは考えていきたいなと思っていますが、少なくとも今回提起させていただいた不正対策に関しては、工数の割には見えてくるものが少ないのではないかなと思っています。
○安川座長
 ありがとうございます。
 保険者側も施術者側も、同じ問題意識をお持ちになって、同じ解決目標に向かって御議論していただいていると思います。それをどうやるかという細かい点で、ここでは意見がまとまらないと思いますので、一旦これは事務局預かりという形でとどめさせていただきたいと思います。よろしいですか。
 ほかに前半のほうで、これはという御意見がございましたら。
 池田委員、お願いいたします。
○池田委員
 ありがとうございます。
 全体を通しての意見でございますけれども、今回実態調査、大変詳細な調査をやっていただきまして、本当に厚労省の皆様方には敬意を表したいと思います。
 ただ、この実態調査の回答状況が先ほども出ておりますとおり1.7%というのは、大変残念な結果だなと言わざるを得ないと思います。この調査に対して施術者団体の皆様方からの協力要請があったと思いますが、実際に1.7%にとどまったということは、調査方法の問題なのか、あるいは調査の内容が答えることが難しいものなのか、その原因の究明はしっかりとやるべきではないかと思います。
 また、先ほど来、料金の包括化の問題につきましても少し御意見が出ておりますけれども、料金包括化につきましては、審査の効率化には資するものではあると思いますけれども、施術料が高止まりするおそれもあるということでございますので、慎重な検討が求められるところであります。
 しかしながら、今回1.7%に調査の協力団体がとどまったということに対しましては、施術の実態を踏まえて料金の包括化の検討をしていかなくてはならない状況の中で、なかなか信頼できる実態調査の結果が出てきていないということは大変残念なことでございまして、料金包括化の議論が今後ややもすれば後ろ向きのものになる可能性もあるのではないかということは指摘しておきたいと思います。
 以上でございます。
○安川座長
 御意見ありがとうございました。
 時間も押しておりますので、前半の項目の議論については一応ここまでとさせていただいてよろしいでしょうか。
 引き続き、後半のその他が5点ほどあったかと思うのですが、この辺りにつきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。また施術側の委員の皆様からでよろしいでしょうか。
 では、小林委員からお願いいたします。
○小林委員
 63ページ以降に、自己施術、自家施術とございまして、これは私たちのあはき療養費においては規定が設けられていないという御指摘がありました。
 64ページには、健康保険法では、医師国保においては自家施術の請求を行わないこととしているという記述もありました。私たちあはきが慢性疾患を取り扱うということを考えますと、一般的には施術期間は長くなる傾向があるということもございます。見直しというカテゴリーの中にこの項目が入っているということで、確かな施術、確かな請求という観点からすると、自己施術、自家施術に関しては何らかの規定を今回導入してはどうか、としてコメントをさせていただきます。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございました。
 では、往田委員、お願いいたします。
○往田委員
 往田でございます。
 先ほど同意書の件について、事務局から68ページ、オンライン診察による同意書の交付の取扱いに関して、あはき療養費の対象となる方は現役世代の方よりは比較的高齢の方が多くいらっしゃって、なおかつこういった方は多病を抱えていらっしゃるということはあります。それなので、事務局から整形外科的というお話もあったのですけれども、実態として同意書の交付を受けるドクターというのは訪問医であったり内科医であるケースが非常に多いというところもあります。
 そういった部分で、症状が出ているところだけではなくて、ほかの疾病やリスクみたいなことを考えていくと、やはりオンライン診察による同意書の交付というのは現行ではあまり望ましくないのではないかと思っておりますし、施術者側と医師との多職種連携の観点からいっても、医師とのコミュニケーションの取り方が、特にオンライン診療だと遠方で例えば同意書だけ出しますみたいな話があったりすると聞いておりまして、それは適切ではないのではないかと思っております。
 本来のところとは外れてしまうのですが、ぜひお願いしたいことが1点あります。過去にレセプトや同意書について押印の廃止で署名が可という流れの中で、あのときはかなり拙速にその制度が導入されましたので、同意書に関しても基本的には医師の署名で可となっております。これも、私は取り扱っていて疑問に思うのですが、例えば提出したレセプトに記載漏れとか不足があって返戻をした場合に、同意書の修正を求めるわけですけれども、修正に対するルールが明記されておらず、本来であれば修正箇所に修正した医師の署名とか訂正印が必要なのではないかと思っているのですが、そういう規定が今はないので、基本的には誰が修正や訂正をしたのか分からないというところが審査の場ではかなり問題になっていると自分は認識をしております。
 ですので、医師の同意書に関するそこの部分の記載のルールみたいなところが、先ほども言ったように、押印から署名に移行するところでかなり漏れている部分があるのではないかと思っているので、今回これを機に、同意書の修正がもし事後に発生する場合には、同意書の訂正箇所に署名もしくは訂正印を求めることというのを疑義解釈通知に明記していただきたいなと思っております。
 以上でございます。
○安川座長
 ありがとうございます。
 ほかに施術側の委員の皆様から御意見等はございますでしょうか。
 小林委員、お願いいたします。
○小林委員
 もう一件、同意書に関しまして、67ページに前回の御意見ということからコメントをさせていただきたいのですけれども、療養費は同意書が起点となって施術が始まるわけですけれども、医師宛てに照会をしますということが述べられています。医師からの答えが患者さんから頼まれましたということでの同意であったということですけれども、同意ということを考えたときに、何もないところから同意は出てこないのではないかと思っておりまして、やはり何らかの投げかけがあったときに、医師がそれではということで診察をして、患者さんの背景なり患者さんの状況、例えば、内科の先生が触診でどこが痛いの、どこが硬いのというところでさわる。そうすると、さっき往田委員からもありましたけれども、オンライン診療の中で同意書の発行は厳しいのではないかというのは私も意見としては往田委員と同じですけれども、その上で同意書が発行されているということなので、保険者さんによる調査の聞き方で、どのような状況で同意書が発行されたのですかというところがあるのではないかなと思います。
 そういう事例が幾つかありました。1番、患者の希望、2番、施術者からの依頼、3番、医師による適当な治療手段がなかったためという選択肢があったとして、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症の6疾患であれば、医師による適当な治療手段のないものとみなし、医療費の支給対象としてよいということが支給基準の中にはあるわけですので、その辺りを踏まえて御対応していただけると、やはり同意書は一番大事なところで施術の起点になるものですので、先ほどどのような状況で、訪問施術の中で、同意書の確からしさという話も出ていましたけれども、多くは真面目な施術者で、医師に同意を求めて、それで同意がなされる、そこのところを大事にしていただきたいというところです。
 厚生労働省からも、医療機関の皆様へということでペーパーが出ていまして、「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱いを改めてお知らせします」ということで令和7年4月版というのが出ていて、医師向けに出ている書類ですけれども、留意事項として、3番目に診察をした上で同意書の交付をしてください。来院した患者から同意書の発行の依頼があった場合、患者を診察し、患者に同意書を交付するようお願いいたします。これにより同意書を発行する場合に、療担規則の第17条に違反するものではありませんということまで細かく書いてある書類がございます。「保険医療機関及び保険医の皆様へ」という書類が出ておりますので、こういった流れに沿ってやっていただければと思います。
 残念ながら、過去にあった保険者さんからの不支給決定通知の中に、医師への照会により、今回の施術に対する同意書は御本人の希望により記入されたことを確認いたしましたということで、そうすると、保険者としてやむを得ないということには認められませんので、療養費の支給対象とはいたしませんという不支給決定の通知も出ているという現状がございます。
 ですので、この辺りの厚労省の通知で、かなり精緻に細かいところにわたって通知の規定がなされているところがありますので、こういった通知に沿った取扱いをお願いするものでございます。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございました。
 ほかに施術側の御意見、御質問等はございますでしょうか。オンラインから御参加の委員の方でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、保険者側のほうから御質問、御意見をお願いいたします。
 橋本委員、お願いいたします。
○橋本委員
 広域連合でございます。
 私たちは、往田委員や小林委員がおっしゃるように、大多数の施術者、施術所の方が真面目に適正にやられているという認識を持っております。そんな中で、先ほど申し上げましたような不正が起きているので、そういったことが起きてしまうのは、我々にとってもそうですし、施術所側にとっても制度の信頼性が損なわれてしまうので、これはお互いに共通の課題だと考えております。そういった意味で、同意書についても課題を感じております。
 先ほど最初に述べさせていただいた3件の不正の中の1件については、私もその施術者とヒアリングをしたのですけれども、白紙の日付の入っていない同意書を複数持っていまして、医師のほうでたくさん渡したというよりは、恐らく施術者のほうで何らかの形で用意したのかなと考えていて、この件は既に東京都とも情報共有をしております。原因が明確になったわけではありませんが、同意書の在り方としては非常に課題があると考えています。
 もう一点、往田委員からもお話があったオンライン診療についての部分で、ちょうど昨日、ある施術所さんから電話で情報提供がありまして、内容としては具体的な名前は控えますけれども、〇〇協会というところが同意書をなかなか書いてくれない、お医者さんが見つからなくて困っているような施術所あるいは患者さんに対して、○○協会が提携している医師を紹介して、その医師がオンライン診療を通じて同意書を発行するサービスを提供している、こういうことは許されるのかといった内容でございました。我々としても肌感覚としてはオンライン診療というのはそぐわないのではないのかなと考えていたものですから、ちょうど今日話題になるといいなと思っていた中で、往田委員からも先ほどお話があったので情報を伝えさせていただき、議論の種にしていただきたいと考えています。
 私からは以上でございます。
○安川座長
 ありがとうございました。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 論点が幾つか出ているので意見を言わせていただきます。
 まず、これはオンライン診療のガイドラインに書かれるべきなのか、療養費のほうで縛るべきなのか分からないのですが、やはりオンライン診療では同意書ができないというのを明確にすべきではないかと思います。
 一番言いたいのは同意書のところです。今いろいろ御意見が出ているのですが、保険者の立場から言わせていただくと、先ほど小林委員が御指摘されましたように、患者の希望のみによる同意というのが非常に多くて、そのときに保険者は何をするかというと、医師照会をするのです。本当にこれははり・きゅうやマッサージが必要ですかといったときに、必要ですという医学的見地を答えていただく医師もいますが、治療方法はあるのだけれども、あるいは、何もしないで絶対安静のほうがいいのだけれども、患者から頼まれて仕方なく出したという答えが散見されます。そういうものを防ぐために、患者の希望のみによる同意というのは縛らなくてはいけないということになります。
 では、どうすべきかという一つの例ですが、今は同意書にいろいろと書く欄があるのですが、例えば、はり・きゅうであれば、医師による適当な治療手段がないということに関する医学的所見、医学的見地、マッサージであれば、医療上、マッサージが必要だという医学的見地を書いていただきたい。この欄をぜひつくっていただければ、医師照会というのも少しは減るのではないかと思うので、この欄を追加していただきたいなと思います。
 特にはり・きゅうの場合は、医師の治療手段がないのではり・きゅうにお任せしますという同意書ですから、そういったものであれば、本当に治療手段がないということをきっちりと書いていただきたいというところです。
 だから、同意書についてはそういった見直しをしていただきたいし、先ほど往田委員から報告された高齢者施設の事例でも、私も質問しましたが医師の同意書はどうなっているのだというところも、医師は本当にその患者を真摯に診て判断しているのかというと、施術所が代行して医師に書いてもらっていると思うのです。そういったところがないように、もう少し厳格に同意の内容を患者ごとに書くという習慣を医師につけてもらうためにも、同意書の見直しを強く今回の改定で、注意事項と書いてあるところに医学的見地というところを加えていただきたいと思います。必要な患者に同意書を出していただくことは必要なことだと思いますので、その根拠を保険者に明示してもらいたいという趣旨で提案させていただきます。
 ほかに、1日当たりの施術回数の論点が出ているのですが、これは1日1回はもちろんのこと、先ほど発言したとおり、週の制限回数等も定めるべきだと思います。
 最後に、長期・頻回施術のことが触れられているのですが、1年以上、月16回以上はあまりないかと思うのですけれども、前回の参考資料に書いてあったのを見てみると、月16回以上施術しているのは2%~3%だったという資料が出ていました。これを10回にしたら4分の1が相当しているのですけれども、せめて10回以上で4分の1が該当するようなことにしないと、理由書を出しても実効性に欠けると思うので、これは16回から10回に見直しはどうかということを言わせていただきます。
 その他は以上でございます。
○安川座長
 ありがとうございました。
 そのほか、保険者側の委員の方から御質問、御発言等はございますか。
 オンラインで御参加の委員の方はいかがでしょうか。
 今、専ら同意書の問題と長期・頻回の問題が出ましたけれども、あとその他には明細書の問題とか受領委任制度の問題もございました。この辺りも含めて、いかがでしょうか。
 小林委員、お願いいたします。
○小林委員
 同意書につきまして、医師による適当な治療手段がないということの理由づけをすべきだという御提案をいただいたところですけれども、現在のはり・きゅうの支給対象というところでは、6疾患とその他というところで明確に扱いが分かれているということがあって、Q&Aの中にもこういったQ&Aがあって、保険者が同意書に対して行う照会について、6疾患の神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症及び頸椎捻挫後遺症等に対するものと、6疾患以外の疾病に対するものとでその取扱いに違いはあるかという問いがあります。
 これについて、6疾患以外の疾病については、保険医より同意書の交付を受けて行われた施術であっても、同意書の記載内容等から保険者が改めて慢性的な疼痛を主症とするものかどうか、医師による適当な治療手段のないものであるかどうかといった支給要件を個別に判断し、支給の適否を決定することとされている。一方、6疾患については、慢性的な疼痛を主症とすることが明らかであり、かつ施術による効果が期待できる疾病であることから保険医より同意書の交付を受けて行われた施術であれば、医師による適当な治療手段のないものとして療養費の支給対象として差し支えないこととされているということです。なお、6疾患以外の疾病、6疾患とも、治療の先行(一定期間の治療の有無)については要件とされていないというところが療養費の支給基準の448ページの問8に記載がございます。
 そうすると、幸野委員がおっしゃったところでは、6疾患ということでは今までずっとこの規定の下で行われてきているということですから、むしろ医師側にそこのところで、同意書の裏側にも書いてあるのですけれども、それをもう一度、医師による適当な治療手段がないものの理由を書けとなるとルールがこんがらがるというか、今まで運用されているルールが既にありますので、そこを踏まえるとそこまでの記述までは必要ないのではないかと。現行ルールを御理解いただいた上で対応していただくほうがよろしいのではないかというところで、意見とさせていただきたいと思います。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございました。現行ルールの遵守ということでございますね。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 通達をもう少し詳しく読んでみますけれども、支給要件として医師による適当な治療手段がないということが書かれているわけですから、例えば6疾患であっても、五十肩であっても腰痛症であっても重軽があると思います。その負傷名がつくと自動的に行くというものではないと思って、そこに医師による医学的見地が入って、医師による治療手段がないからはり・きゅうに行ってくださいということを医師が判断して初めて支給対象になると思っていて、疾病名がつくと自動的に医師の判断によらずにそっちに行くのだというのは解釈として違うのではないかと思うのですけれども、違いますか。
○安川座長
 事務局、お願いいたします。
○吉田室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 先ほど小林委員から御紹介があった疑義解釈というのは448ページの問8ということであります。そういったものは改めて御確認いただきたいと思いますし、我々も資料として提示したいと思います。
 医師による適当な治療手段のないものといったところの解釈は、これまで長きにわたり議論されてきて、今こういう形の運用になっているところでありますので、これを支給基準という形で大きく見直すのはかなり大きな議論になると思いますので、2回目以降からこの論点を改めて議論するには少し時間が足りないかなという感じもします。
 その上で、実際の同意書の交付の中で起こっている様々な問題というか、それぞれの立場からの思いというか疑念があると思いますので、そういった中で運用なりでできることがないかといったことも含めて、この改定の中でもまた議論、検討したいと考えております。
○安川座長
 ありがとうございました。
 今の事務局の御回答で、幸野委員、よろしいですか。
 往田委員、お願いします。
○往田委員
 ありがとうございます。
 同意書の問題に関しては、実際に医師が交付していないのに勝手につくるのは有印私文書偽造に該当するので、もってのほかではないかと思っております。
 その一方で、私自身も毎月多くの患者さんの同意書を医師に依頼をさせていただくのですけれども、同意書の交付を受けるのは大変というか、同意書の交付は一義的に医師の診断行為の一種だと思っておりますので、こういうふうに書いてくれみたいなことをこちらが申し上げることも当然できませんし、医師の先生からお願いをしても断られるということが今でもあります。ですので、そういう事例があれば、適正化を進めていくのは当然だと思いますが、そのハレーションとして、きちんとやってお願いしているところの同意の手が止まらないようにだけ御配慮いただきたいなと思っております。それが1点です。
 あと明細書の件です。今回、事務局からも柔整では明細書発行体制加算がつくみたいな話、あはきの場合は平成30年の受領委任の創設当時に、不正対策の一環として、患者さんに患者さんが印鑑を押したレセプトのコピーを交付する、もしくは一部負担金明細書を交付するのが義務となっていて、かつ無償となっています。当時から、医療のほうでは明細書の交付に対して点数がついているのは分かっていたし、柔整のほうではそもそもそういう義務が発生していなかったので、あはきだけそういったものが課されることに関しては当時も疑問の声を上げさせていただいたところでございます。
 今回、議論の内容によっては、あはきに関しても明細書の交付に対して評価がつくかもしれないということを示唆されているのだと思いますが、その際には、あはきの場合は、先ほど申し上げたように明細書の交付、もしくは患者がサインまたは押印したレセプトのコピーを交付してもよいことになっておりまして、どちらかというとレセプトの本体のコピーのほうが一部負担金の明細書よりは患者さんとしてはどういう請求が行われているかが明らかになっている書類でもあるので、もし明細書に対して何かの評価が行われる場合は、併せてレセプトのコピーに対しても同様の取扱いとしていただけるように、今のうちに御要望を申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
○安川座長 
 ありがとうございます。
 その点、事務局から何かここでコメント等はございますか。
○吉田室長
 今は特にございません。
○安川座長
 分かりました。
 ほかにいかがでしょうか。
 角本委員、お願いいたします。
○角本委員
 よろしくお願いします。
 施術回数の制限のお話が出ましたけれども、前回もお話をさせていただいたのですが、2年以上施術して、5か月以上、月16回以上の施術に関しては長期・頻回警告通知というのがあるということで、この辺が実際にどのように現状は扱われているかというのもやはり検証していくべきだと思います。
 先ほど、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書につきまして、月10回以上の施術にとありましたが、患者様によっては特にマッサージに関しましては複数の病気、複数の症状がたくさん出ている場合もありまして、場合によってかなり頻回に必要な場合もあると思います。確かにそこを記述して報告することも必要かと思うのですが、医師の同意書が交付されている以上、この回数を低くすることによって施術のハードルを上げてしまうこともよくないと思っております。回数に関しては、しっかり議論させていただきたいと思っております。
 患者様が施術する機会というのが、同意書の件に関してもそうですが、同意書を取ることに関して、あはき療養費というのは一般の患者様にはなかなかなじみのないことで、同意書を取るという行為も、施術を受けたいなと思ってもなかなか分かりにくい、どうしていいのか分からないということがたくさんあると思います。そこにいろいろとハードルをつけていきますと、国民の方々、患者の皆様が適切な施術を受けるハードルになってしまいますので、そこは慎重に議論していただいて、もちろん今日お話をさせていただいたビジネス的な不適切な運用というのは決してよくないと思っておりますので、そこは一緒に議論させていただきながら、ハードルを必要以上に上げないようにしていただきたいと思います。
 以上です。
○安川座長
 ありがとうございました。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 私への御意見だと思うのですけれども、私が言わせていただいたのは、基準の実効性から考えて、資料によるとエビデンスでは月16回以上は2.7%という数字が出ていたのですが、98%ぐらいのカバー率を置いているところを基準にして実効性のある基準と言えるのかなと思っていて、それを10回にすると4人に1人、75%ぐらいなのです。やはり実効性のある基準を置くのであれば、その辺りに基準を置くのが妥当ではないかということで言わせていただいた。必要な方がいらっしゃるというのは十分承知しているので、そのパーセンテージをどこに置くかを実効性のあるところに置くのがあるべき姿なのかなということで発言させていただいたというところなので、勘違いされないようにお願いします。
○安川座長
 ありがとうございました。
 それでは、全体を通して、前半の議論も含めて、もし何か言い足りない、あるいは追加で御発言をしたいという委員の方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。オンライン御参加の委員の方、あるいは有識者の委員の方もいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 いろいろ尽きないところではありますが、御質問、御意見等はおおよそ出たかなと思いますので、質疑はこれまでとさせていただきます。
 事務局におかれましては、本日また多様な御意見をいただきましたので、その議論を踏まえて、次回以降、御準備をよろしくお願いいたします。
 本日の議題は以上でございます。
 次回の日程については、追って事務局から御連絡をいたします。
 それでは、第36回あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会を終了いたします。
 本日は皆様、お忙しい中、本当にありがとうございました。