2024年8月23日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第4回議事録

日時

令和6年8月23日 13:00~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、薄井 紀子専門委員、谷口 修一専門委員、福田 敬専門委員国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官

<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他

議題

○ ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフトシステムに係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について

議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 続きまして、ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフト・システムに係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論いただきます。
 対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
 まずは、事務局から、説明をお願いいたします。
 
(事務局より説明)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品に係る企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
 
(意見陳述者入室)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
 早速ですが、10分以内で、ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフト・システムに係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
 始めてください。
 
○意見陳述者
 報告書の流れに沿って、御説明させていただきます。
 2ページ目を御覧ください。本品の製品概要を御説明いたします。販売名、CTAG胸部大動脈ステントグラフトは、前世代品からデリバリーカテーテルを変更し、チャレンジ申請にて改良加算5%が認められました。以下に示すように、ステントグラフト本体は前世代分と同一になります。
 3ページを御覧ください。本品は、3つの適応を有し、胸部大動脈瘤、Stanford B型大動脈解離、交通事故や高所からの転落等による外傷性大動脈損傷に使用されます。本品は、足の付け根、鼠径部から血管内に挿入され、医師は、エックス線透視下で血管造影を確認しながら病変部にステントグラフトを留置することで、血液の流れを改善し、病変部の血流を遮断します。
 4ページを御覧ください。本品のデリバリーカテーテル機能を、既収載品と比較して御説明いたします。ステントグラフト留置術は、病変部への血流を遮断し、血管内でステントグラフト自身を支えるために、血管に密着した固定を得ることが重要となります。屈曲した血管にいかにステントグラフトをフィットさせて留置させるかは、大きな課題でした。本品は、3つの新機能を有します。1点目に、展開方式を2段階とすることで、血流の影響を軽減し、全ての展開工程において血流の維持を可能にしました。既収載品は、1段階展開のため、展開中に血流遮断が発生し、術者はステントグラフトにかかる血圧を押し返しながら展開操作を行っておりました。また、本品の2段階目の展開は、末梢側から展開することで、末梢側の位置も決めやすくなり、重要な側枝血管の閉塞防止にも寄与します。2点目、本品は、ステントグラフトの展開後の位置調整を可能にしました、既収載品では、展開を始めたら位置調整をしないようにと注意されておりますが、本品は、中間点まで展開した時点で、再度、位置の確認や透視装置の角度の調整ができ、正確な留置に寄与します。3点目に、本品は、ステントグラフト中枢側の角度調整機能がつき、バードビークと呼ばれるステントグラフト小彎側の血管からの浮きを解消し、血管壁への密着性を向上できます。既存品にはこのような機能はなく、血管との密着が不十分な場合は追加のステントグラフトを留置することもありますが、側枝血管が隣接する場合には、デバイスを留置するスペースが得られず、修正が困難な状況でございました。
 5ページを御覧ください。分析条件です。分析の枠組みに従い、分析対象集団は、本品の3つの適応のうち、大動脈瘤とStanford B型解離とし、外傷は患者割合が限定的であることから除外しました。なお、以降、大動脈瘤患者をTAA患者、解離患者をTBAD患者と呼びます。比較対照は、本邦のガイドラインにてステントグラフト内挿術が推奨されていることから、最も安価な大動脈用ステントグラフト(胸部大動脈用・メイン部分・標準型)としました。分析方法はマルコフモデルを用いて、分析期間は生涯、評価指標はQALYとしました。
 6ページを御覧ください。追加的有用性について、製品コンセプトから、クリニカルポジションとして、4つのアウトカムを検討しました。まず、本品を正確に留置できるシステムにより、デバイスの留置本数が抑制され、患者の体内に留置するステントグラフトを最小限にとどめると考えました。2点目、血流を維持しながらデバイスを展開できることから、ラピッドぺーシングの併用を回避できると考えました。ラピッドケーシングは、心拍出量を低減することで、目的地への正確な留置をサポートしますが、使用後に心房細動が発生し、合併症による死亡も報告されており、リスクを伴います。3点目に、本品は血管壁への密着性を向上させ、固定が得られることから、バードビークやType1エンドリークの発生率を低下させ、それによる再手術発生率の抑制につながると考えました。4点目、これらの総合的な結果として、全生存率の向上が期待されると考えました。
 7ページを御覧ください。クリニカルクエスチョンに基づき、システマティックレビューを実施しました。その結果、直接比較している研究が確認されなかったため、デバイスの留置本数については、本品を評価するレジストリであるSURPASSと本品の前世代品を評価するレジストリであるGREATの個票データ同士を比較しました。ラピッドぺーシング実施率は、本品はSURPASSを、比較対照は共変量の情報が利用可能で十分なサンプルサイズを有していた唯一の研究であるTRAVIATAレジストリを持ってきて、MAICの手法を用いた間接比較を行いました。再手術発生率と全生存率について、本品の成績はSURPASSの追跡期間が1年で長期のアウトカム評価に使用できないため、全世代品のGREATを本品のデータの代替としました。なお、前世代品と本品のステントグラフトは同一ですが、前世代品のGREATデータには、本品の正確な留置による当期成績への影響は含まれないため、本品を評価する上で、保守的な方法でした。比較対照は、共変量の情報が利用可能で、分析対象集団別に長期成績を報告し、十分なサンプルサイズを有していた唯一の研究である、MOTHERレジストリを比較対照とし、MAICの手法を用いた間接比較を行いました。その結果、本編は、比較対照技術に対して、追加的有用性ありと判断しました。
 8ページを御覧ください。分析モデルは、初回手術、術後経過観察、再手術、死亡の4つの健康状態を考慮したマルコフモデルとし、仮定として、再手術は12か月置きに発生し、手技に関連する有害事象は影響が限定的と考えられたため、分析には考慮せず、生存中のQOL値は健康状態によって変わらず、再手術に使用されるステントグラフトは1本と仮定して、費用を推計しました。
 9ページを御覧ください。分析でのパラメータとその根拠をお示ししています。パラメータは、動物のレジストリに加え、QOL値は文献報告が少なかったため、現在スペインとイタリアで患者登録中の本品の医師主導レジストリのEQ-5D-5Lデータの中間解析を依頼し、日本語版スコアリング法を用いて換算しました。費用は、レセプトデータベースを利用しました。
 10ページを御覧ください。基本分析の結果、TAA患者、TBAD患者、ともに効果は同等、費用は61万円及び66万円の減少でした。
 11ページを御覧ください。一元感度分析の結果、TAA患者、TBAD患者、ともに、増分費用の変動範囲はマイナスであり、分析結果に最も大きく影響を及ぼした変数はデバイスの留置本数の対数率比でした。
 12ページを御覧ください。確率的感度分析の結果、本品が費用削減となる確率は、TAA患者が99.0%、TBAD患者は98.0%でした。
 13ページを御覧ください。基本分析では、再手術率に使用するGREATレジストリの解析対象者について、デバイス留置本数の間接比較との一貫性を重視して、比較対照であるMOTHERより幅広い範囲の疾患定義を用いていましたが、シナリオ分析ではMOTHERと一貫性を持たせたところ、統計学的な有意差は確認できなかったものの、その点推定値は1を上回り、本品による再手術発生率の低下効果について一定の有用性が示唆される結果となりました。これに加えて、急性B型大動脈解離患者に対するTEVARの費用対効果を検討したLuebkeらの先行研究では、エンドリーク発生に伴う介入時に、QOL値を0.1減少させており、これに基づき、初回手術状態及び再手術状態のQOL値を0.1減少させて分析した結果、TAA患者、TBAD患者、ともにドミナントとなりました。
 14ページを御覧ください。本論についての結果、本品は比較対照技術より効果が高いことが示され、価格の引上げのための条件①を満たすと考えました。本品のSURPASSレジストリは、米国の市販前承認申請のサポート資料とするために欧州で実施された市販後レジストリ試験であり、GCPに準拠し、リスクベースドモニタリングによる原資料の直接閲覧も実施され、品質が担保された臨床試験です。RCTではないことから保守的に評価しても、本品は比較対照技術と同等以上であると考えます。また、条件②について、上述のとおり、本品は、3つの新機能である、2段階展開機構、ステントグラフト展開後の位置調整機能及び中枢側の角度調整機能を有しており、これらの機能は、手技時のみならず、長期的な成績に影響を及ぼすため、重要と考えます。これらの機能を、血管内に通すデリバリーシステムの直径を小さく保ち、さらに血管の屈曲に沿うよう柔軟性を持たせた上でデバイスに搭載することは技術的に難しく、比較対照技術にはこのような機能を有するデバイスはないことから、本品は、比較対照技術と比べて、一般的な改良の範囲を超えた品目であると考え、その結果、条件①及び②の両方に該当すると考えました。
 以上でございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、委員の方々から、御意見、御質問はございますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ○○委員、お願いします。
 
○○○委員
 御説明をどうもありがとうございました。
 アウトカムのところで、デバイス初回留置と、ラピッドぺーシングが一応追加的有用性ありということなのですけれども、TBADのデバイスのほうはPが0.27なので、明確な優位ではないのかなと思った点と、これらのことが臨床的なアウトカムとどれくらい関係するかということを、もう少し説明していただければと思います。どちらかというと、プロセス的なものなのかなと思いました。
 お願いいたします。
 
○意見陳述者
 まず、デバイス初回留置本数のP値についてですが、TBAD患者のほうですと、本品の患者症例数が○○程度というところがございまして、統計的有意差をもって差をお示しすることがそもそも難しいという背景がございました。ただ、今回、この製品によって初回留置本数を減らすことができることにつきましては、TAA患者に対してもTBAD患者に対しても同じような効果があるというところから、統計的有意差はないものの追加的有用性ありと、TBAD患者のほうでは、考えました。また、この初回留置本数が、患者様、アウトカムにどのような影響があるかというところに関して御説明いたしますと、ステントグラフト留置術は、手術に伴って有害事象が生じることは以前から報告されておりまして、具体的には、脳卒中あるいは医原性の血管損傷が挙げられます。これらの有害事象は手技に伴い発生するものでございますので、手技による操作を最小限にとどめることができることは重要であると考えます。そのため、ステントグラフトの留置操作を定量化できる指標であるデバイス留置本数を評価することは、留置の正確性を向上した本品の有用性を説明するための真のアウトカム評価になると考えました。もう1点、ラピッドぺーシング実施率に関しましては、ラピッドページングは、心拍出量を低減することで、目的位置への正確な留置をサポートしますが、使用後には、心房細動が発生し、合併症による死亡も報告されており、リスクを伴います。また、神経障害、脳卒中のリスクを増大させることも報告されておりまして、併用を回避できることは患者様にとってもベネフィットのある真のアウトカムであると考えました。
 
○○○委員
 分かりました。ありがとうございます。有害事象の真のアウトカムにかなり近いサロゲートまたは真のアウトカムだという判断ということですね。了解しました。
 
○意見陳述者(専門家)
 ○○です。
 臨床医、日々、アクティブコントロールを使っている者からの補足をさせていただきますが、本数が劇的に減るわけなのですけれども、それは我々外科医にとってもストレスが極端に減ります。今回の限られた症例数の中でこのアクティブコントロールの臨床的なメリットを統計学的に証明することは難しかったというか、かなり難しい作業だったと思うのですけれども、実際に使ってみて、1発で決まって、瘤が、空置というのは治療される際ですね。従来品の場合は、少しロシアンルーレット的な感じで、うまくいくかどうか分からないけれども、やってみようというもので、それを、1回、2回と繰り返さざるを得ないことは、隔世の感があるぐらい違うのですね。実際、患者さんのアウトカムも、nを増やせば確実に明暗が分かれるという印象を持っています。このラピッドぺーシングも、単に、今言った心房細動や死亡などの合併症が増える可能性があることに加えて、また1つ、手術が増えるわけなのですよ。静脈から心房にカテーテルを入れて、そのカテーテル入れる操作をする間にも、時間も取られるし、そこにまた当然リスクも発生するし、そこの費用も、ラピッドペーシング用のカテーテルを使わなくてはいけない。様々に手技が煩雑になって、心房細動以外のいろいろな事象も起こる。心臓を止めるのですよ。かなり野蛮な、完全に血圧をゼロにして心臓を止めるという手技なので、それをやらないで済むことの臨床的な価値も非常に大きくて、nを増やせば、脳梗塞やエンドリークや全死亡といったハードエンドポイントにも差が出るだろうなということは、実感として、持っています。
 以上です。
 
○○○委員
 ありがとうございます。
 1点、追加で教えていただきたいのですけれども、初回留置率が、率比で、relativeの結果なのですけれども、実際、absoluteだと何本ぐらいしていたものが何本ぐらいまで減るというイメージなのでしょうか。教えていただければと思います。
 
○意見陳述者
 承知いたしました。TAA患者ですと、本品で1.32本、既存品で〇〇本でございました。
 
○○○委員
 ごめんなさい。普通は何本のものが○○に減るのですか。
 
○意見陳述者
 TAA患者ですと○○本程度減る。
 
○○○委員
 そのぐらいになるのですね。分かりました。どうもありがとうございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他、いかがでしょうか。
 
○意見陳述者(専門家)
 今の数値、1.32、○○は、本数が単位ですので、その差分だけ減るということです。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。
 続きまして、科学院から、ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフト・システムに係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。
 
○国立保健医療科学院
 国立保健医療科学院です。
 資料ですけれども、費用対の費-2-3を御参照ください。ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフト・システムに関する公的分析のレビュー結果について、御説明いたします。
 1ページ目、課題について、2点ほど、挙げさせていただいております。
 2ページ目です。まず、1点目ですけれども、追加的有用性におけるアウトカム指標についてということであります。先ほど御説明がありましたが、製造販売業者では、追加的有用性の評価に際して、アウトカムを4つ、デバイスの初回留置本数、全生存率、再手術発生率、ラピッドペーシング実施率を用いて検討されているところです。しかし、デバイスの初回留置本数あるいはラビッドぺーシングの実施率は、アウトカム指標というよりもプロセス指標の側面が強く、必ずしも効果指標として適切とは言い難い部分があるものと考えています。ですから、これらのアウトカム指標について、効果指標として使用することの妥当性について検討していく必要があるのではないかと考えているところです。
 2点目ですけれども、追加的有用性の評価で使用するデータについてということであります。追加的有用性の評価においては、製造販売業者ではレジストリのデータを用いて評価を行っていただいたところです。ただし、間接比較においては、アウトカム指標ごとに様々なデータベースが組み合わされて使用されていまして、例えば、GREATのデータベースは評価対象技術の有効性データとしても比較対照技術のデータとしても参照されているなど、一貫性が欠けている部分があります。また、全生存率及び再手術の発生率の評価では、SURPASSレジストリの追跡期間が限定的であることを理由に、ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフト・システムの前世代品のレジストリであるGREATと他の比較対照技術のレジストリであるMOTHERを比較することで、追加的有用性を検討しております。しかし、評価対象技術の前世代品は比較対照技術として設定されているものであるため、GREATレジストリを用いて評価を検討することの妥当性については検討が必要なのかなと考えているところです。
 4ページ目は、先ほどの表になります。
 5ページ目、以上の点をもちまして、公的分析としては、今後、再分析を実施させていただきたいと考えているところです。
 以上になります。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 今の科学院の御説明に対して、委員の方々から、御質問、御意見はございますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。
 企業の方は、御退室ください。お疲れさまでした。
 
(意見陳述者退室)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 御議論をありがとうございました。
 それでは、当該品目について、御議論をお願いしたいと思います。先生方も御存じのとおり、論点は2つ、追加的有用性におけるアウトカム指標についてということと追加的有用性の評価で使用するデータの内容についてということであろうかと思います。
 臨床の御専門の先生方が参加されております。○○先生、最初に、御意見がございましたら、いただけたらと思います。特に先ほどの企業側の説明に対して、コメントがあれば、お願いしたいと思います。
 
○○○委員
 企業側の説明も今の分析に関する説明も納得できることで、なかなか評価しにくいことです。実際、臨床医として何を感じてるかというと、○○の○○教授がおっしゃったとおりなのです。したがって、アウトカムが出るようなレジストリを正確にやる必要があります。特にこの価格を上げるという話になると、そこまでやらないと無理ではと思います。ステントグラフト実施基準委員会が行っているステントグラフト治療の全国登録システムがあり、長期成績も調査しています。難しいかも知れませんが、ステントグラフト実施基準委員会に要望し、精確な調査結果を入手し適切に評価すべきと改めて思いました。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ステントの本数等に関わる御提案も含めてという御意見だったと思います。
 ○○先生、いかがでしょうか。
 
○○○委員
 企業側の御説明は、今のお話もありましたように、臨床現場では、確かに、位置の設定、かなりデリケートな場所を含む大動脈ステントグラフトを置くという状況であると考えますと、かなり説得力のある説明にはなっていると思っています。ただ、一方で、逆に言うと、部位によって、例えば、さっき、○○さんはああいうかなり誇張した言い方をしていましたけれども、心停止をさせてとかは、心拍出量を落としてということが適切な言い方で、要するに、フローに対して逆行性にステントを持っていくわけですので、血流に対して、VT、心室頻拍、ペーシングをすることで、出てくる血液の流量を下げる、血圧を下げる、それで抵抗を落として処置をするということで、当然なのですけれども、心停止を起こすという意味合いでは、本来はないのですね。手技を容易にするためにそういう工夫をしないといけないという説明をされていて、かなりの本数が変化するのかというと、もともとのデバイスを置く量、個数は1個や2個の範囲でやっている話です。そうだとすると、先ほど出たような本数の変化は、置く場所によって、置く状況によって、やむを得ず追加をしなくてはいけない事象が起きているということだと思うのです。アウトカムで見たときには、確かに、本数やラピッドページングの実施率は大切といえば大切かもしれないのですけれども、最終的にうまくいっているのか、逆に言うと、再手術がそれで必要になったのかどうかということが、本質的には重要なアウトカムであって、それ以外はあくまで手技に伴うプロセスの手間等を論ずるためのアウトカムになるので、プライマリーアウトカムとして全てを同一化して論ずることは、あまりよい考え方とは言えないのではないかと思います。いずれにしても、大動脈弓部にかかるところの処置は、アングル、サイズ、様々な屈曲の状況を考えると、企業が説明していた部分を含む説明だと思いますが、下行大動脈、いわゆる胸部大動脈と言っても、いろいろな部位がありますし、状況があるので、一元的にそれをまとめて説明して、企業の方の御説明でもありましたけれども、必ずラピッドぺーシングをすると心房細動が起きるのかというと、当然そうではなくて、患者さんの状態によって全然違います。どうも包括的にまとめた言い方になっていることが、大切な商品の提供する額を決定するという点では、少しデリケートさに欠けるプレゼンではないかなと聞いています。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 今のお2人の先生方の御意見を踏まえつつ、委員の皆様方から、御意見、御質問はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 ○○委員、先ほどの本数のところは、逆に言うと、結構重要なお話であったのかなと思っておりますが、今のお2人の先生のお話を踏まえつつ、何か追加で御専門の先生に御意見を伺うものがあれば、お願いします。
 
○○○委員
 先ほどの企業側の先生のお話を納得しながら聞いていたのですけれども、またさらに今の先生の丁寧なお話を伺って、私もそちらは不十分ではないかなという気持ちがより強くなりました。やはりプロセス指標にとどまっているし、再手術を本来は見るべきものなのかなということを感じた次第です。
 どうもありがとうございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。事前の先生方の御意見は、レビューが妥当であるという前提でございますので、再分析をするような話も含めてということかなと思っておりますが、新しい論点とかを含めて、何か追加で御意見があれば、いただきたいと思っております。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入らせていただきたいと思います。
 先生方の御意見をまとめますと、企業の分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がなされているということでよろしいでしょうか。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 次に、企業の分析データ等の科学的妥当性は妥当ではないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 こちらも、ありがとうございます。
 最後となりますが、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当であるということでよろしいでしょうか。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、公的分析において、追加的有用性という論点及び追加的有用性の中の評価に関わるデータ等について、その論点を含めて再分析を実施していただくことにしたいと思っております。
 ありがとうございます。