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2024年4月26日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第1回議事録
日時
令和6年4月26日 13:00~
場所
オンライン開催
出席者
田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、野口 晴子委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、石原 寿光専門委員、矢部 大介専門委員、福田 敬専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他
<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他
議題
○ マンジャロ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について
議事
○費用対効果評価専門組織委員長
まずは、マンジャロ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論いただきます。
対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
では、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本品目に関わる公的分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、マンジャロ皮下注に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
HTA担当の〇〇でございます。意見陳述を始めさせていただきます。
スライド2を御覧ください。
分析の枠組みはこちらにお示しいたしますとおりです。分析対象集団は2型糖尿病患者、比較対照はGLP-1受容体作動薬(注射剤)のうち最も安価なものでございます。最も安価なものはエキセナチドであると確認しております。その他の枠組みの条件は標準的なものと考えております。
スライド3を御覧ください。
本剤の追加的有用性を評価いたしました。GLP-1受容体作動薬(注射剤)のうち最も安価なものはエキセナチドですが、GLP-1受容体作動薬の有効性・安全性に差がないという前提の下、分析を行っておりますので、同じくGLP-1受容体作動薬でありますデュラグルチドの有効性・安全性を用いて評価いたしました。これは本邦で行われたデュラグルチドと本剤の直接比較試験であるSURPASS Jーmono試験が存在することによります。SURPASS Jーmonoとは国内第Ⅲ相臨床試験でありますが、この試験の結果、本剤はデュラグルチドに対し統計学的有意にヘモグロビンA1c及び体重を減少させることが確認されております。また、ネットワークメタ解析でも一貫した結果が確認されました。以上のことから、本剤は比較対照と比べ、追加的有用性があると結論づけました。
スライド4を御覧ください。
分析の概要について簡単に御説明いたします。当分析では、英国にて開発された糖尿病の予後予測モデルであるUKPDSモデルを利用し、ヘモグロビンA1cとBMIの経時的変化、また、糖尿病合併症の発生についてシミュレートしました。このシミュレーションにおいて、本剤または比較対照薬の投与を開始し、その後、ヘモグロビンA1cが8%を超えた場合、治療評価の目的で、基礎インスリン治療に移行すると想定しました。また、本剤、比較対照薬の有効性はSURPASS Jーmono試験の値を基にいたしました。この試験は国内第Ⅲ相臨床試験であり、最も本分析に適したものであると考えるためです。
なお、Network Meta-Analysisを用い、ランダム化比較試験と統合したデータも用いた分析も感度分析として行っております。
スライド5を御覧ください。
本分析で追加的有用性の判断及び費用対効果評価に用いたSURPASS Jーmono試験の概要をお示しします。日本国内で行われたランダム化二重盲検比較試験で本剤の3つの用量とデュラグルチドを比較した試験です。評価期間は52週間でした。
スライド6を御覧ください。
結果をお示しします。本分析では、本剤5mg、グラフでは一番左の柱に相当する用量の有効性を使用しております。比較対照の有効性を取得したデュラグルチドは右端の柱です。12週時における変化量は、ヘモグロビンA1c、体重ともに統計学的有意に群間差が出ており、臨床的にも有意な差であると言えます。
スライド7を御覧ください。
目標ヘモグロビンA1c達成率も同様にお示しいたしますが、こちらも一番左の柱が本剤5mg、右の柱が比較対照であるデュラグルチドを示します。本剤が高いヘモグロビンA1cの目標達成率を実現することが見てとれます。
スライド8を御覧ください。
費用対効果評価の結果をお示しします。基本分析のICERは200万円/QALYを下回ることが分かりました。
スライド9を御覧ください。
感度分析の結果を示します。感度分析には、BMIのQOL値に対する影響の想定の変更、Network Meta-Analysisに基づく有効性データの使用を含みます。大きく結果を変化させる要素や想定の変更は特定されませんでした。
スライド10を御覧ください。
企業分析の基本分析において、ICERは200万円/QALYを下回っておりました。さらに、価格引上げの条件である(一)の(ア)~(ウ)、(二)の全ての条件を満たしていると考えております。
まず、本剤のGLP-1受容体作動薬に対するランダム化比較試験の結果が『The New England Journal of Medicine』や『The Lancet Diabetes & Endocrinology』に掲載されております。また、日本人研究でありますSURPASS Jーmono試験において、本剤はデュラグルチドよりヘモグロビンA1c減少作用が高いことが確認されております。
(二)の対象品目の薬理作用が比較対照技術と著しく異なることに関しては、次のスライドから御説明します。
スライド11を御覧ください。
チルゼパチドは、世界で最初に開発されたGIPとGLP-1のデュアルアゴニストです。こちらの図にはGLP-1とGIPの分泌部位及びインクレチン作用の割合を示しておりますが、血糖値が正常な状態では、GIPがインクレチン作用の約3分の2を担っております。しかしながら、2型糖尿病患者においてはGIPの作用が減弱しており、治療薬としてはGLP-1受容体作動薬が先に開発された歴史があります。
一方、高血糖状態が改善されると、GIPのインスリン分泌作用が可逆的に回復することが報告されており、国内第Ⅲ相試験のSURPASS Jーmono試験で、チルゼパチドが投与された患者の半数以上が、血糖正常化の目安であるヘモグロビンA1c5.7%未満を達成したのは、本剤がGLP-1の作用だけでなく、本来のインクレチン作用の3分の2を担うGIPの作用を併せ持つことが影響している可能性があると考えております。
スライド12を御覧ください。
こちらの図は、国内第Ⅲ相試験のSURPASS Jーmono試験のベースラインと52週時における代謝異常の有病率を示します。代謝異常は、メタボリックシンドロームの診断基準を参考に、こちらにお示ししている内臓脂肪型肥満、脂質、血圧、血糖の複合エンドポイントとしました。今回は平均BMIが28という肥満傾向の対象集団であり、ベースラインでは61~72.5%の方が代謝異常を有していましたが、デュラグルチド群でほぼ変化がなかったのに対して、チルゼパチド群では有病率が14.2~31.7%に低下しました。このように、チルゼパチドは血糖降下作用に加え、その他の代謝異常も改善することが示されています。
スライド13を御覧ください。
本剤の新規性の分類上、また、薬価制度上の観点から補足いたします。
まずは、WHOのATC分類でございます。本剤は、既存のGLP-1受容体作動薬とは異なる、Xを含むカテゴリーに分類されております。ATC分類の条文には、新規性と革新性のある薬剤がこのX groupに分類されると記載されております。
さらに、同一薬理作用類似薬の有無を判断するために用いられる薬剤分類表において、本剤はGLP-1受容体アゴニストとは独立した分類となっております。本分類において、糖尿病用薬は、このほかにSU剤、ビグアナイド、DPP-4、GLP-1、SGLT2等に分類されており、これらの線引きが薬理作用等が大きく異なるものに適用されていることは明らかです。
最後に、本剤は薬価算定に当たって、薬理作用類似薬がない新薬に対して適用される「外国平均価格調整」を受けており、薬価算定ルール上も新規作用機序を有することは明らかでございます。
以上、医学的な見地並びに分類上、薬価制度上も、本剤の薬理作用は比較対照技術と著しく異なるものと考えます。
スライド14を御覧ください。
リベルサスの公的分析では、Takahara先生の研究により、BMIが35を超えた時点で初めてQOL値に影響があると想定しました。一方で、当社はBMIのQOL値への影響は、BMIが25を超えた時点から勘案されるべきと考えます。BMI35という数値は、例えば身長1.7mに対して101kgの体重に相当し、日本人でそのような体重に至ることはまれであります。Takahara先生の論文においても、BMI35を超えた患者割合は2.4%にすぎませんでした。
また、本分析の対象である2型糖尿病患者は、BMIが25を超えた場合、日本肥満学会の定義する肥満症の診断基準を満たします。肥満症である患者において、その疾患の影響をQOL値に勘案することは臨床感覚と合致すると考えます。一方、Takahara先生の研究を採用する場合、BMI35以下の肥満症患者さんの体重改善をQOL値の変動に反映させることができません。
感度分析のシナリオとして、Takahara先生の研究を用いても、結果に基本分析との大きな差異がないことは確認しております。よって、本品目の分析においては大きな論点とはならないのかもしれませんが、2型糖尿病のみならず、今後も費用対効果評価の俎上に上がり得る肥満症治療薬の価値づけにも影響を与えることでございますので、慎重な議論が必要である論点と考えております。
以上で、企業の意見陳述を終了いたします。御清聴いただきありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
説明ありがとうございました。
UKPDSモデルを使っていると理解しましたが、これはどうなのでしょう。人種差とかはあまり考慮しなくていいのですか。心筋梗塞やら脳卒中というものは、そもそも人種によってかなり発生状況は違うと思いますが、これはこのまま使ったのか、何か補正などをされたのか。それがまず1つ目です。
2つ目は、死亡に関してはUKPDSモデルでシミュレートしているのですか。というのは、糖尿病関連以外の死亡もあるので、そこはどのように分析をされたかという、2点教えてください。
○意見陳述者
○○先生、御質問いただきありがとうございます。
まず1つ目の御質問である、UKPDSモデルを使用し、人種差を勘案したのかどうかという点について御回答いたします。人種差につきましては、UKPDSのパラメーターをそのまま使用しておりますので、人種差が勘案されていない点では限界がございます。
一方で、UKPDSは多くの研究で使用されている確立されたモデルと認識しておりますのでそのまま使っておるのと、UKPDSを日本の疫学データで部分的に差し替えることの全体の妥当性の観点から困難があるのかと考えております。
あと、臨床の〇〇から補足させてください。
○意見陳述者
チルゼパチドの社内専門家をしております○○と申します。よろしくお願い申し上げます。
チルゼパチドに関しましては、第Ⅲ相試験におきましても肥満傾向の方が多く組み入れられておりまして、平均のBMIが28という集団でした。このことからも、一般的な合併症発現割合よりも高い発現割合が期待される集団ではないかと考えております。
○意見陳述者
ありがとうございます。
そして、2つ目の御質問でありました糖尿病関連でない死亡について、日本人のデータを使ったのか、あるいは海外のデータを使ったのかという御質問でございますけれども、こちらにつきましては、糖尿病関連でない死亡については日本人の標準的な死亡率を使っております。
統計担当の○○から詳しく補足できるかなと思いますが、○○さん、大丈夫ですか。
○意見陳述者
はい。
報告書の表-4-3に書かれたように、イベントのない方は日本人の生命表を使用しました。それ以外のイベントのあった最初の年とイベント歴はあるが、イベントのなかった年とかのようなものはUKPDSのものを採用しました。これは全て報告書の表-4-3、多分、97ページのところで書いてあります。
○○○委員
説明ありがとうございます。
日本の生命表を使うと、そこは糖尿病関連死亡と非関連死亡と両方入っているような気がするのですが、糖尿病非関連死亡のみを検討していることになりますか。つまり、糖尿病関連死亡はUKPDS、糖尿病非関連死亡は生命表から何かの操作をして糖尿病関連死を除いたものを使っているという意味ですか。
○意見陳述者
そちらについては〇〇から回答いたします。
生命表を使っておりますので、御指摘のとおり、生命表に含まれる糖尿病関連死亡も踏まえた形での推定になると思いますので、その観点に関してはダブルカウントになっているのかなと思われます。
○○○委員
分かりました。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○先生、どうぞ。
○○○委員
ありがとうございます。○○でございます。
ただいまの御質問とも関連して、やはり日欧になりますか。人種によって合併症が糖尿病では随分違ってくるので、例えば我が国であればJ-DOIT3研究などの結果も開いているので、そういったものを今後用いて解析されるのも大事かなと思いましたので、これは一点、コメントです。
もう一つは、今回、GLP-1のクラスで一番安いことを強調されているわけなのですけれども、実際、諸外国に比べて、日本ではチルゼパチドを含め、GLP-1受容体作動薬関連のものはかなり薬価が低いので供給ができない問題がありますね。マンジャロに関しては現在もそういう状況が続いていることかと思いますが、一層、もう少し薬価をしっかり上げて、諸外国並みで費用対効果分析をすべきではないかと思うのですが、その辺り、何かコメントがあったら教えてください。
○意見陳述者
すみません。当社の立場から何か申し上げられるのかといいますと、薬価担当の〇〇のほうからコメントできるのかなと思いますが。
○○○委員
すみません。むしろ、諸外国で、例えば米国などでは既に使用されていると思いますけれども、そこでの費用対分析の結果はどうなのでしょうか。
○意見陳述者
基本的には私どもで米国での費用対効果の情報は現在持ち合わせてはいないかと思いますけれども、○○さん、何か補足はありますか。
○意見陳述者
私も情報は持ち合わせておりませんので、そちらについて申し上げることはございません。
○○○委員
分かりました。
結局、いいお薬なのですけれども、使えなかったら全く意味がないので、その辺りがもうちょっと現実路線として、諸外国のデータなども加味して議論ができたらいいかなと思って質問させていただきました。
以上です。
○意見陳述者
ありがとうございます。
補足で、諸外国での費用対効果評価の結果につきましては報告書で現状の状況という形では御報告させていただいておりますので、そちらもひょっとしたら御参考いただけるかもしれません。
○費用対効果評価専門組織委員長
その件はまた後で皆さんと議論させていただきたいと思います。
その他、委員の方々、コメントはいかがでしょうか。
では、○○先生、どうぞ。お願いします。
○○○委員
体重がBMI25を超えて、1kg増えるごとにQOLが少しずつ下がる設定かと思うのですけれども、この設定の根拠になった研究はどういった研究だったのか、教えていただきたいのです。
○意見陳述者
こちらは根拠とした文献につきまして、スライド14にお示ししておりますけれども、Bagust et alの2005年の研究になります。欧州人のデータという限界はございますが、こちらはBMIのデータとQOL値のデータを合わせて取ることで、回帰分析をすることでBMI1kg/m2当たりQOL値が0.0061下がっているようなものという報告をされている内容になります。
○○○委員
すみません。その文献がまだ確認できていないのですけれども、その回帰分析をするときに、糖尿病とか、いろいろな合併症が出るかと思うのですが、こういったものは調整して、純粋に体重が増えたことの影響が評価されているという理解でいいのでしょうか。
○意見陳述者
そちらにつきましては、私のほうでは、今、情報が手元にございませんで、申し訳ございませんが、回答することはできません。
○○○委員
懸念したのは、体重ごとでQOLが下がる。そのままのデータを使うと、UKPDSのシミュレーションモデルの中で恐らく糖尿病等のいろいろな合併症のQOLの損失、低下が評価されますので、ダブルカウントにならないか。そこを気にした次第です。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。
続きまして、科学院からマンジャロ皮下注に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。その後、質疑応答をさせていただきます。
では、お願いいたします。
○国立保健医療科学院
国立保健医療科学院です。資料の費-1-4を御覧ください。「チルゼパチド(マンジャロ)に関する公的分析のレビュー結果」をお示ししております。
1ページ目に、提出いただいた分析に関する課題と考えられるところについて4点挙げております。この4点をそれぞれ御説明させていただきます。
2ページ目です。
まず1点目は長期的なパラメーター推計についてでありまして、先ほど来、議論がありますように、製造販売業者によって提出されたモデルはUKPDS Outcomes Model 2に基づいて長期推計を行っているものでありますが、このモデルの中においては、BMIや収縮血圧、LDLコレステロールなど13のリスク因子の長期推計が可能となっています。ただし、このモデルにおいて、HbA1cを除くリスク因子には経時的な変化がないものとして取り扱っておりまして、このことはそれなりに強い仮定だと考えておりますので、その妥当性について検討させていただければと考えておるところです。
3ページ目です。
QOL値についてで、製造販売業者の分析モデルにおいては、合併症及び体重、有害事象について複数の文献からQOL値を引用されて分析されているところであります。体重及び有害事象については、お示しした研究に基づいてやられているところでありますが、測定方法等に課題があることから、QOL値の妥当性について検討する必要があるのではないかなと考えています。
1つ目が、体重減少によるQOL値の増加。これは分析モデルの1年目に適用されたものであります。また、BMIが25を超えることによるQOL値の減少。これについては、分析モデルの2年目以降に適用されたもの。また、有害事象である悪心によるQOL値の減少。これらについて検討させていただければと思っている部分です。
3点目ですけれども、4ページ目になります。
基礎インスリン治療への移行についてで、製造販売業者の分析モデルでは、両群においてHbA1cが経時的な変化に伴って8.0%以上に上昇した時点で基礎インスリン療法に切り替えるものと仮定して分析されています。ただし、HbA1c値8.0%は閾値として必ずしも一般的に使われていることの根拠が必ずしも明確に示されておりませんので、このパラメーターは最終的な分析結果に一定の影響を与えるものでありますから、その妥当性について検討させていただきたいと考えている次第です。
それから、最後、シミュレーションモデルの設定についてです。
企業に御提出いただいたモデルはシミュレーション形式で分析するものでありまして、シミュレーションですので、確率的に算出されるICER等の値が変動するものであります。これについて、製造販売業者は1万例のシミュレーションを1回試行するということで御提出いただいているわけでありますが、この試行ごとに結果が変動することをどのように考えるか。シード値の設定、あるいはモデルの試行回数。こういったものについて少し検討したほうがいいのではないかなと考えている次第です。
最後に、6ページ目です。
再分析が必要な箇所の有無についてですけれども、上記で御説明させていただきましたように、このような点について検討させていただきたいということでありますので、再分析を実施したいと考えている次第です。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の方から御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
○意見陳述者
失礼いたします。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
委員の先生方、御意見、御質問はいかがでしょうか。
では、臨床の御専門の先生が御参加されておりますので、○○先生、もし何かコメントがありましたらお願いいたします。
○○○委員
そんなに多く使っていませんけれども、非常に有用な薬剤であって、効果はこういう方向でいいのだと思いますが、ICERの値が量的にどういう感じになるかは感覚的には分かりませんけれども、方向としてはこんなものかなとは思っています。
それから、さっき言っていた8%でというのは、確かにちゃんとした根拠はないかもしれませんけれども、臨床的にはそんなものかなというところはあって、製造販売業者もその辺を使われたのかなと思います。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
〇〇先生、いかがでしょうか。
○○○委員
すみません。先ほどは唐突な質問でしたけれども、費用対効果としてはとてもいいということで、そこは同意できますが、結局、実臨床の中でいまだに自由に処方ができないことがあるので、この辺りがほかの国のそういう費用対効果分析を基に、どれぐらいまでだったら薬価が上げられるのかとかも御検討いただくと、これは厚労省にお願いできればと思ってコメントをさせていただきました。
とてもいいお薬ではありますし、ただ、外用処方に関してはまだ分かっていない部分もあるので、あくまでもシミュレーションに基づくところで、これについても、私が先ほどコメントしましたが、日本のデータとしてJ-DOIT3などもそろそろ使えるようにはなってきていると思いますので、今後はそういったことも活用いただいてもいいかなと思いました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
冒頭のお話についてはコメントとしていただく形で、事務局等で御検討いただけるかもしれないなと思っております。この案件についてはありがとうございます。
ちなみに、先生、基礎インスリン治療への移行の8%という話についてはいかがでしょうか。何か先生からコメントはございますでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
実際に基礎インスリン治療への移行ということで、8%という数字が現実問題としてそれぐらいでできているかというところは疑問なところはありますけれども、専門医という立場ではそれは妥当ではないかなと思います。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の先生方、いかがでしょうか。
〇〇先生、先ほどの御質問の件ですけれども、ダブルカウントも含めて、もう少し細かく見ていただいたほうがよろしいでしょうか。
○○○委員
体重が増えるごとにQOL値が下がるという、それはそうなのだと思うのですが、それが純粋に体重だけを見ているのか、体重に伴ういろいろな、生活習慣病の合併症も含めて見ているのか。もし生活習慣病の合併症も含めて見ているということであれば、モデルの中で既にいろいろな合併症は評価されていて、QOLの損失も評価されているので、そういう点で、もしかするとダブルカウント、損失を2度計算していることにならないのか。そこを気にした次第ですので、元の文献がまだ読めていなかったので、その辺、大丈夫ならいいかなとは思っているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○委員、先ほどUKPDSのモデルについての御質問がございましたが、何か追加でございますか。
○○○委員
人種差のところを補正するのはなかなか難しいかもしれませんが、特に大血管合併症といいますか、心筋梗塞と脳梗塞とか、そこの数字が例えば多少動いても結果に影響がないかどうかの感度分析なりシナリオ分析で、公的分析のほうで御確認いただけるといいかなと思いました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
科学院さん、今の御意見等を踏まえて御検討いただければと思うのですが、この段階で何か追加で御意見はございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
このUKPDSは基本的に、名前のとおり、UKベースのモデルであることは御指摘のとおりであるかと思いますので、日本人との差異等については、御指摘いただきましたように、感度分析等で検討させていただければと思っています。
○費用対効果評価専門組織委員長
全体を通して、先生方から、その他、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきますが、議決に入る前に、○○委員におかれましては議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、○○委員を除く先生方の御意見をまとめますと、枠組みに沿って分析がなされていることについての御確認ですが、では、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
次に、分析です。企業の分析データ等の科学的妥当性は妥当でないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
最後に、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
まずは、マンジャロ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析レビュー結果について御議論いただきます。
対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
では、事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本品目に関わる公的分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内で、マンジャロ皮下注に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。
○意見陳述者
HTA担当の〇〇でございます。意見陳述を始めさせていただきます。
スライド2を御覧ください。
分析の枠組みはこちらにお示しいたしますとおりです。分析対象集団は2型糖尿病患者、比較対照はGLP-1受容体作動薬(注射剤)のうち最も安価なものでございます。最も安価なものはエキセナチドであると確認しております。その他の枠組みの条件は標準的なものと考えております。
スライド3を御覧ください。
本剤の追加的有用性を評価いたしました。GLP-1受容体作動薬(注射剤)のうち最も安価なものはエキセナチドですが、GLP-1受容体作動薬の有効性・安全性に差がないという前提の下、分析を行っておりますので、同じくGLP-1受容体作動薬でありますデュラグルチドの有効性・安全性を用いて評価いたしました。これは本邦で行われたデュラグルチドと本剤の直接比較試験であるSURPASS Jーmono試験が存在することによります。SURPASS Jーmonoとは国内第Ⅲ相臨床試験でありますが、この試験の結果、本剤はデュラグルチドに対し統計学的有意にヘモグロビンA1c及び体重を減少させることが確認されております。また、ネットワークメタ解析でも一貫した結果が確認されました。以上のことから、本剤は比較対照と比べ、追加的有用性があると結論づけました。
スライド4を御覧ください。
分析の概要について簡単に御説明いたします。当分析では、英国にて開発された糖尿病の予後予測モデルであるUKPDSモデルを利用し、ヘモグロビンA1cとBMIの経時的変化、また、糖尿病合併症の発生についてシミュレートしました。このシミュレーションにおいて、本剤または比較対照薬の投与を開始し、その後、ヘモグロビンA1cが8%を超えた場合、治療評価の目的で、基礎インスリン治療に移行すると想定しました。また、本剤、比較対照薬の有効性はSURPASS Jーmono試験の値を基にいたしました。この試験は国内第Ⅲ相臨床試験であり、最も本分析に適したものであると考えるためです。
なお、Network Meta-Analysisを用い、ランダム化比較試験と統合したデータも用いた分析も感度分析として行っております。
スライド5を御覧ください。
本分析で追加的有用性の判断及び費用対効果評価に用いたSURPASS Jーmono試験の概要をお示しします。日本国内で行われたランダム化二重盲検比較試験で本剤の3つの用量とデュラグルチドを比較した試験です。評価期間は52週間でした。
スライド6を御覧ください。
結果をお示しします。本分析では、本剤5mg、グラフでは一番左の柱に相当する用量の有効性を使用しております。比較対照の有効性を取得したデュラグルチドは右端の柱です。12週時における変化量は、ヘモグロビンA1c、体重ともに統計学的有意に群間差が出ており、臨床的にも有意な差であると言えます。
スライド7を御覧ください。
目標ヘモグロビンA1c達成率も同様にお示しいたしますが、こちらも一番左の柱が本剤5mg、右の柱が比較対照であるデュラグルチドを示します。本剤が高いヘモグロビンA1cの目標達成率を実現することが見てとれます。
スライド8を御覧ください。
費用対効果評価の結果をお示しします。基本分析のICERは200万円/QALYを下回ることが分かりました。
スライド9を御覧ください。
感度分析の結果を示します。感度分析には、BMIのQOL値に対する影響の想定の変更、Network Meta-Analysisに基づく有効性データの使用を含みます。大きく結果を変化させる要素や想定の変更は特定されませんでした。
スライド10を御覧ください。
企業分析の基本分析において、ICERは200万円/QALYを下回っておりました。さらに、価格引上げの条件である(一)の(ア)~(ウ)、(二)の全ての条件を満たしていると考えております。
まず、本剤のGLP-1受容体作動薬に対するランダム化比較試験の結果が『The New England Journal of Medicine』や『The Lancet Diabetes & Endocrinology』に掲載されております。また、日本人研究でありますSURPASS Jーmono試験において、本剤はデュラグルチドよりヘモグロビンA1c減少作用が高いことが確認されております。
(二)の対象品目の薬理作用が比較対照技術と著しく異なることに関しては、次のスライドから御説明します。
スライド11を御覧ください。
チルゼパチドは、世界で最初に開発されたGIPとGLP-1のデュアルアゴニストです。こちらの図にはGLP-1とGIPの分泌部位及びインクレチン作用の割合を示しておりますが、血糖値が正常な状態では、GIPがインクレチン作用の約3分の2を担っております。しかしながら、2型糖尿病患者においてはGIPの作用が減弱しており、治療薬としてはGLP-1受容体作動薬が先に開発された歴史があります。
一方、高血糖状態が改善されると、GIPのインスリン分泌作用が可逆的に回復することが報告されており、国内第Ⅲ相試験のSURPASS Jーmono試験で、チルゼパチドが投与された患者の半数以上が、血糖正常化の目安であるヘモグロビンA1c5.7%未満を達成したのは、本剤がGLP-1の作用だけでなく、本来のインクレチン作用の3分の2を担うGIPの作用を併せ持つことが影響している可能性があると考えております。
スライド12を御覧ください。
こちらの図は、国内第Ⅲ相試験のSURPASS Jーmono試験のベースラインと52週時における代謝異常の有病率を示します。代謝異常は、メタボリックシンドロームの診断基準を参考に、こちらにお示ししている内臓脂肪型肥満、脂質、血圧、血糖の複合エンドポイントとしました。今回は平均BMIが28という肥満傾向の対象集団であり、ベースラインでは61~72.5%の方が代謝異常を有していましたが、デュラグルチド群でほぼ変化がなかったのに対して、チルゼパチド群では有病率が14.2~31.7%に低下しました。このように、チルゼパチドは血糖降下作用に加え、その他の代謝異常も改善することが示されています。
スライド13を御覧ください。
本剤の新規性の分類上、また、薬価制度上の観点から補足いたします。
まずは、WHOのATC分類でございます。本剤は、既存のGLP-1受容体作動薬とは異なる、Xを含むカテゴリーに分類されております。ATC分類の条文には、新規性と革新性のある薬剤がこのX groupに分類されると記載されております。
さらに、同一薬理作用類似薬の有無を判断するために用いられる薬剤分類表において、本剤はGLP-1受容体アゴニストとは独立した分類となっております。本分類において、糖尿病用薬は、このほかにSU剤、ビグアナイド、DPP-4、GLP-1、SGLT2等に分類されており、これらの線引きが薬理作用等が大きく異なるものに適用されていることは明らかです。
最後に、本剤は薬価算定に当たって、薬理作用類似薬がない新薬に対して適用される「外国平均価格調整」を受けており、薬価算定ルール上も新規作用機序を有することは明らかでございます。
以上、医学的な見地並びに分類上、薬価制度上も、本剤の薬理作用は比較対照技術と著しく異なるものと考えます。
スライド14を御覧ください。
リベルサスの公的分析では、Takahara先生の研究により、BMIが35を超えた時点で初めてQOL値に影響があると想定しました。一方で、当社はBMIのQOL値への影響は、BMIが25を超えた時点から勘案されるべきと考えます。BMI35という数値は、例えば身長1.7mに対して101kgの体重に相当し、日本人でそのような体重に至ることはまれであります。Takahara先生の論文においても、BMI35を超えた患者割合は2.4%にすぎませんでした。
また、本分析の対象である2型糖尿病患者は、BMIが25を超えた場合、日本肥満学会の定義する肥満症の診断基準を満たします。肥満症である患者において、その疾患の影響をQOL値に勘案することは臨床感覚と合致すると考えます。一方、Takahara先生の研究を採用する場合、BMI35以下の肥満症患者さんの体重改善をQOL値の変動に反映させることができません。
感度分析のシナリオとして、Takahara先生の研究を用いても、結果に基本分析との大きな差異がないことは確認しております。よって、本品目の分析においては大きな論点とはならないのかもしれませんが、2型糖尿病のみならず、今後も費用対効果評価の俎上に上がり得る肥満症治療薬の価値づけにも影響を与えることでございますので、慎重な議論が必要である論点と考えております。
以上で、企業の意見陳述を終了いたします。御清聴いただきありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、委員の方から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
説明ありがとうございました。
UKPDSモデルを使っていると理解しましたが、これはどうなのでしょう。人種差とかはあまり考慮しなくていいのですか。心筋梗塞やら脳卒中というものは、そもそも人種によってかなり発生状況は違うと思いますが、これはこのまま使ったのか、何か補正などをされたのか。それがまず1つ目です。
2つ目は、死亡に関してはUKPDSモデルでシミュレートしているのですか。というのは、糖尿病関連以外の死亡もあるので、そこはどのように分析をされたかという、2点教えてください。
○意見陳述者
○○先生、御質問いただきありがとうございます。
まず1つ目の御質問である、UKPDSモデルを使用し、人種差を勘案したのかどうかという点について御回答いたします。人種差につきましては、UKPDSのパラメーターをそのまま使用しておりますので、人種差が勘案されていない点では限界がございます。
一方で、UKPDSは多くの研究で使用されている確立されたモデルと認識しておりますのでそのまま使っておるのと、UKPDSを日本の疫学データで部分的に差し替えることの全体の妥当性の観点から困難があるのかと考えております。
あと、臨床の〇〇から補足させてください。
○意見陳述者
チルゼパチドの社内専門家をしております○○と申します。よろしくお願い申し上げます。
チルゼパチドに関しましては、第Ⅲ相試験におきましても肥満傾向の方が多く組み入れられておりまして、平均のBMIが28という集団でした。このことからも、一般的な合併症発現割合よりも高い発現割合が期待される集団ではないかと考えております。
○意見陳述者
ありがとうございます。
そして、2つ目の御質問でありました糖尿病関連でない死亡について、日本人のデータを使ったのか、あるいは海外のデータを使ったのかという御質問でございますけれども、こちらにつきましては、糖尿病関連でない死亡については日本人の標準的な死亡率を使っております。
統計担当の○○から詳しく補足できるかなと思いますが、○○さん、大丈夫ですか。
○意見陳述者
はい。
報告書の表-4-3に書かれたように、イベントのない方は日本人の生命表を使用しました。それ以外のイベントのあった最初の年とイベント歴はあるが、イベントのなかった年とかのようなものはUKPDSのものを採用しました。これは全て報告書の表-4-3、多分、97ページのところで書いてあります。
○○○委員
説明ありがとうございます。
日本の生命表を使うと、そこは糖尿病関連死亡と非関連死亡と両方入っているような気がするのですが、糖尿病非関連死亡のみを検討していることになりますか。つまり、糖尿病関連死亡はUKPDS、糖尿病非関連死亡は生命表から何かの操作をして糖尿病関連死を除いたものを使っているという意味ですか。
○意見陳述者
そちらについては〇〇から回答いたします。
生命表を使っておりますので、御指摘のとおり、生命表に含まれる糖尿病関連死亡も踏まえた形での推定になると思いますので、その観点に関してはダブルカウントになっているのかなと思われます。
○○○委員
分かりました。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○先生、どうぞ。
○○○委員
ありがとうございます。○○でございます。
ただいまの御質問とも関連して、やはり日欧になりますか。人種によって合併症が糖尿病では随分違ってくるので、例えば我が国であればJ-DOIT3研究などの結果も開いているので、そういったものを今後用いて解析されるのも大事かなと思いましたので、これは一点、コメントです。
もう一つは、今回、GLP-1のクラスで一番安いことを強調されているわけなのですけれども、実際、諸外国に比べて、日本ではチルゼパチドを含め、GLP-1受容体作動薬関連のものはかなり薬価が低いので供給ができない問題がありますね。マンジャロに関しては現在もそういう状況が続いていることかと思いますが、一層、もう少し薬価をしっかり上げて、諸外国並みで費用対効果分析をすべきではないかと思うのですが、その辺り、何かコメントがあったら教えてください。
○意見陳述者
すみません。当社の立場から何か申し上げられるのかといいますと、薬価担当の〇〇のほうからコメントできるのかなと思いますが。
○○○委員
すみません。むしろ、諸外国で、例えば米国などでは既に使用されていると思いますけれども、そこでの費用対分析の結果はどうなのでしょうか。
○意見陳述者
基本的には私どもで米国での費用対効果の情報は現在持ち合わせてはいないかと思いますけれども、○○さん、何か補足はありますか。
○意見陳述者
私も情報は持ち合わせておりませんので、そちらについて申し上げることはございません。
○○○委員
分かりました。
結局、いいお薬なのですけれども、使えなかったら全く意味がないので、その辺りがもうちょっと現実路線として、諸外国のデータなども加味して議論ができたらいいかなと思って質問させていただきました。
以上です。
○意見陳述者
ありがとうございます。
補足で、諸外国での費用対効果評価の結果につきましては報告書で現状の状況という形では御報告させていただいておりますので、そちらもひょっとしたら御参考いただけるかもしれません。
○費用対効果評価専門組織委員長
その件はまた後で皆さんと議論させていただきたいと思います。
その他、委員の方々、コメントはいかがでしょうか。
では、○○先生、どうぞ。お願いします。
○○○委員
体重がBMI25を超えて、1kg増えるごとにQOLが少しずつ下がる設定かと思うのですけれども、この設定の根拠になった研究はどういった研究だったのか、教えていただきたいのです。
○意見陳述者
こちらは根拠とした文献につきまして、スライド14にお示ししておりますけれども、Bagust et alの2005年の研究になります。欧州人のデータという限界はございますが、こちらはBMIのデータとQOL値のデータを合わせて取ることで、回帰分析をすることでBMI1kg/m2当たりQOL値が0.0061下がっているようなものという報告をされている内容になります。
○○○委員
すみません。その文献がまだ確認できていないのですけれども、その回帰分析をするときに、糖尿病とか、いろいろな合併症が出るかと思うのですが、こういったものは調整して、純粋に体重が増えたことの影響が評価されているという理解でいいのでしょうか。
○意見陳述者
そちらにつきましては、私のほうでは、今、情報が手元にございませんで、申し訳ございませんが、回答することはできません。
○○○委員
懸念したのは、体重ごとでQOLが下がる。そのままのデータを使うと、UKPDSのシミュレーションモデルの中で恐らく糖尿病等のいろいろな合併症のQOLの損失、低下が評価されますので、ダブルカウントにならないか。そこを気にした次第です。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。
続きまして、科学院からマンジャロ皮下注に係る企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。その後、質疑応答をさせていただきます。
では、お願いいたします。
○国立保健医療科学院
国立保健医療科学院です。資料の費-1-4を御覧ください。「チルゼパチド(マンジャロ)に関する公的分析のレビュー結果」をお示ししております。
1ページ目に、提出いただいた分析に関する課題と考えられるところについて4点挙げております。この4点をそれぞれ御説明させていただきます。
2ページ目です。
まず1点目は長期的なパラメーター推計についてでありまして、先ほど来、議論がありますように、製造販売業者によって提出されたモデルはUKPDS Outcomes Model 2に基づいて長期推計を行っているものでありますが、このモデルの中においては、BMIや収縮血圧、LDLコレステロールなど13のリスク因子の長期推計が可能となっています。ただし、このモデルにおいて、HbA1cを除くリスク因子には経時的な変化がないものとして取り扱っておりまして、このことはそれなりに強い仮定だと考えておりますので、その妥当性について検討させていただければと考えておるところです。
3ページ目です。
QOL値についてで、製造販売業者の分析モデルにおいては、合併症及び体重、有害事象について複数の文献からQOL値を引用されて分析されているところであります。体重及び有害事象については、お示しした研究に基づいてやられているところでありますが、測定方法等に課題があることから、QOL値の妥当性について検討する必要があるのではないかなと考えています。
1つ目が、体重減少によるQOL値の増加。これは分析モデルの1年目に適用されたものであります。また、BMIが25を超えることによるQOL値の減少。これについては、分析モデルの2年目以降に適用されたもの。また、有害事象である悪心によるQOL値の減少。これらについて検討させていただければと思っている部分です。
3点目ですけれども、4ページ目になります。
基礎インスリン治療への移行についてで、製造販売業者の分析モデルでは、両群においてHbA1cが経時的な変化に伴って8.0%以上に上昇した時点で基礎インスリン療法に切り替えるものと仮定して分析されています。ただし、HbA1c値8.0%は閾値として必ずしも一般的に使われていることの根拠が必ずしも明確に示されておりませんので、このパラメーターは最終的な分析結果に一定の影響を与えるものでありますから、その妥当性について検討させていただきたいと考えている次第です。
それから、最後、シミュレーションモデルの設定についてです。
企業に御提出いただいたモデルはシミュレーション形式で分析するものでありまして、シミュレーションですので、確率的に算出されるICER等の値が変動するものであります。これについて、製造販売業者は1万例のシミュレーションを1回試行するということで御提出いただいているわけでありますが、この試行ごとに結果が変動することをどのように考えるか。シード値の設定、あるいはモデルの試行回数。こういったものについて少し検討したほうがいいのではないかなと考えている次第です。
最後に、6ページ目です。
再分析が必要な箇所の有無についてですけれども、上記で御説明させていただきましたように、このような点について検討させていただきたいということでありますので、再分析を実施したいと考えている次第です。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の方から御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
○意見陳述者
失礼いたします。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
委員の先生方、御意見、御質問はいかがでしょうか。
では、臨床の御専門の先生が御参加されておりますので、○○先生、もし何かコメントがありましたらお願いいたします。
○○○委員
そんなに多く使っていませんけれども、非常に有用な薬剤であって、効果はこういう方向でいいのだと思いますが、ICERの値が量的にどういう感じになるかは感覚的には分かりませんけれども、方向としてはこんなものかなとは思っています。
それから、さっき言っていた8%でというのは、確かにちゃんとした根拠はないかもしれませんけれども、臨床的にはそんなものかなというところはあって、製造販売業者もその辺を使われたのかなと思います。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
〇〇先生、いかがでしょうか。
○○○委員
すみません。先ほどは唐突な質問でしたけれども、費用対効果としてはとてもいいということで、そこは同意できますが、結局、実臨床の中でいまだに自由に処方ができないことがあるので、この辺りがほかの国のそういう費用対効果分析を基に、どれぐらいまでだったら薬価が上げられるのかとかも御検討いただくと、これは厚労省にお願いできればと思ってコメントをさせていただきました。
とてもいいお薬ではありますし、ただ、外用処方に関してはまだ分かっていない部分もあるので、あくまでもシミュレーションに基づくところで、これについても、私が先ほどコメントしましたが、日本のデータとしてJ-DOIT3などもそろそろ使えるようにはなってきていると思いますので、今後はそういったことも活用いただいてもいいかなと思いました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
冒頭のお話についてはコメントとしていただく形で、事務局等で御検討いただけるかもしれないなと思っております。この案件についてはありがとうございます。
ちなみに、先生、基礎インスリン治療への移行の8%という話についてはいかがでしょうか。何か先生からコメントはございますでしょうか。
○○○委員
ありがとうございます。
実際に基礎インスリン治療への移行ということで、8%という数字が現実問題としてそれぐらいでできているかというところは疑問なところはありますけれども、専門医という立場ではそれは妥当ではないかなと思います。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
その他の先生方、いかがでしょうか。
〇〇先生、先ほどの御質問の件ですけれども、ダブルカウントも含めて、もう少し細かく見ていただいたほうがよろしいでしょうか。
○○○委員
体重が増えるごとにQOL値が下がるという、それはそうなのだと思うのですが、それが純粋に体重だけを見ているのか、体重に伴ういろいろな、生活習慣病の合併症も含めて見ているのか。もし生活習慣病の合併症も含めて見ているということであれば、モデルの中で既にいろいろな合併症は評価されていて、QOLの損失も評価されているので、そういう点で、もしかするとダブルカウント、損失を2度計算していることにならないのか。そこを気にした次第ですので、元の文献がまだ読めていなかったので、その辺、大丈夫ならいいかなとは思っているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○委員、先ほどUKPDSのモデルについての御質問がございましたが、何か追加でございますか。
○○○委員
人種差のところを補正するのはなかなか難しいかもしれませんが、特に大血管合併症といいますか、心筋梗塞と脳梗塞とか、そこの数字が例えば多少動いても結果に影響がないかどうかの感度分析なりシナリオ分析で、公的分析のほうで御確認いただけるといいかなと思いました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
科学院さん、今の御意見等を踏まえて御検討いただければと思うのですが、この段階で何か追加で御意見はございますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
このUKPDSは基本的に、名前のとおり、UKベースのモデルであることは御指摘のとおりであるかと思いますので、日本人との差異等については、御指摘いただきましたように、感度分析等で検討させていただければと思っています。
○費用対効果評価専門組織委員長
全体を通して、先生方から、その他、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきますが、議決に入る前に、○○委員におかれましては議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、○○委員を除く先生方の御意見をまとめますと、枠組みに沿って分析がなされていることについての御確認ですが、では、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
次に、分析です。企業の分析データ等の科学的妥当性は妥当でないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
最後に、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性はおおむね妥当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。

