2023年6月23日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第3回議事録

日時

令和5年6月23日(金)13:00~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、矢部 大介専門委員、石原 寿光専門委員、福田 敬専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官

<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他

議題

○ マンジャロ皮下注に係る分析枠組みについて

議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 マンジャロ皮下注に係る分析枠組みについて御議論を始めさせていただきます。
 まずは事務局から説明をお願いいたします。
 
(事務局より説明)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、議論に先立ちまして、まず本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
 
(意見陳述者入室)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 私は費用対効果評価専門組織委員長です。
 早速ですが、10分以内でマンジャロ皮下注に係る分析枠組み案について企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答もさせていただきます。
 では、始めてください。
 
○意見陳述者
 〇〇でございます。
 チルゼパチドのHTAにつきまして、企業より意見陳述を行わせていただきます。
 2枚目のスライドを御覧ください。
 まず、品目につきましてお示しいたします。
 チルゼパチド、商品名はマンジャロでございますが、GIP受容体とGLP-1受容体の両方に作用するアゴニストです。効能・効果は2型糖尿病、用法・用量は記載のとおり、週1回投与で開始用量が2.5mg、維持用量5mgに対し適宜増減が可能です。
 3枚目のスライドを御覧ください。
 2型糖尿病について簡単に御説明いたします。環境要因と遺伝要因の双方により引き起こされることが知られておりますが、国民健康栄養調査の結果から、2016年時点で糖尿病が強く疑われる者、可能性を否定できない者を含めますと、2000万人の患者がいると見込まれております。
 4枚目のスライドを御覧ください。
 最新の糖尿病治療ガイドによりますと、2型糖尿病の治療はまず適切な食事療法と運動療法に始まりますが、それらで目標の血糖コントロールが達成できない場合は薬物療法に移行します。初期の薬物療法は、低血糖のリスクの低い経口血糖降下薬またはGLP-1受容体作動薬を用います。追加の薬物療法が必要となりましたら、複数の薬剤が併用して使用されます。
 5枚目のスライドを御覧ください。
 本剤チルゼパチドの作用機序につき御説明いたしますと、GIP受容体とGLP-1受容体の両方に結合、活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させる働きがあります。
 6枚目のスライドを御覧ください。
 本剤の臨床試験につきまして、代表してSURPASS J-monoの試験の結果をグラフにお示しいたします。試験デザインは第Ⅲ相、多施設共同、無作為化、実薬対象、二重盲検、並行群間比較試験です。対象患者は18歳以上の日本人2型糖尿病患者459例であり、本剤5mg、10mg、15mg及びデュラグルチド0.75mgが設定されました。
 結果、主要評価項目として設定されました52週時点でのHbA1cの変化量につきまして、デュラグルチドと比較してマンジャロ5mg、10mg、15mgは、いずれも統計学的有意に差があることが確認されました。
 7枚目のスライドを御覧ください。
 同試験の副次的評価項目であります投与後52週時まででHbA1c目標値を達成した被験者の割合をこちらにお示しします。目標値がそれぞれ7.0%未満、6.5%以下、5.7%未満のいずれにおいても、本剤の各群はデュラグルチドに対し有意に高い割合を示しました。
 8枚目のスライドを御覧ください。
 体重につきましても、デュラグルチドと比べ、有意に減少させることが分かっております。
 9枚目のスライドを御覧ください。
 こちらが分析枠組みの案です。この枠組みについて科学院と企業で見解が一致しております。分析対象集団は2型糖尿病、比較対照技術はGLP-1受容体作動薬の注射剤のうち最も安価なものを選定しております。公的医療の立場のみで分析を行い、効果指標はQALYのみを用います。
 10枚目のスライドを御覧ください。
 分析枠組み案のうち、分析対象集団につきましてですが、本来の適応症である2型糖尿病と合致しておりますので、妥当と考えております。比較対照技術につきましても、GLP-1受容体作動薬が最も類似した薬剤でありますので、妥当かと考えております。
 なお、GLP-1受容体作動薬について、有効性、安全性に明確な違いが示されていないという前提条件は、同じく2型糖尿病の治療薬でありましたリベルサスにつきまして採用されており、その後、この前提条件を覆すような新たな研究が行われたり、知見が得られてはおりませんので、前例として用いることでよいかと考えます。
 また、GLP-1受容体作動薬のうち、ほかのGLP-1受容体作動薬と比べてHbA1cの変化量の優越性を示したものがないということも補足をさせていただきます。
 以上で企業の意見陳述を終了いたします。御清聴いただきましてありがとうございました。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 では、委員の方々及び企業から御質問はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
 
(意見陳述者退室)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、マンジャロ皮下注に係る分析枠組みについて御議論をお願いいたします。
 先生方から何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 臨床の専門の先生が御出席されておりますので、○○先生と○○先生からコメントがありましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 ○○先生、いかがでしょうか。
 
○○○委員
 こういう費用対効果ですので、対照薬としてデュラグルチド、一番安価なものということでよろしいのだと思う。ただ、臨床的には、薬としてはというか薬効的にはオゼンピックのほうがより近いかなというのがコンセンサスかなと思うのですけれども、一方、注射器がアテオスというものでデュラグルチドとこのマンジャロは一緒ですので、比較もしやすい。いろいろ総合的に考えるとこれでよろしいと思いますが、そんなところがちょっと引っかかりました。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 貴重な御意見ありがとうございます。
 ○○先生、いかがでしょうか。
 
○○○委員
 このマンジャロにつきましては、先ほどのプレゼンにも恐らくあったかと思いますけれども、GLP-1受容体作動薬には類似しているのですが、作用機序からすると少し違うというところで、現行、類似性の高い薬剤としてはGLP-1受容体作動薬と比べてほしいです。特に有効性のところでHbA1cの改善というところに関してはよろしいかなと思いますが、今後エビデンスが蓄積される中で、例えばCKDに対する効果とか虚血性心疾患に対する効果などが出てくれば、またそこは別途議論が必要になってくるかなと思いますが、現時点で血糖改善に対する効果と現時点での国内でのフェーズ3等の安全性という観点では、GLP-1と比較していただくということで現時点では妥当かと思いました。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 比較対照、コントロールについての御意見を中心にいただきましたが、その他の先生、いかがでしょうか。御意見はございますでしょうか。
 科学院さん、比較対照についてはいつも議論があるところですが、何か特段コメントはございますでしょうか。
 
○保健医療科学院
 この件については、企業側とも分析前協議で協議しまして合意したところでありますので、こちらから特にコメントはございません。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 御意見がなければ議決に入らせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですね。
 それでは、議決に入らせていただきますが、議決に入る前に、〇〇委員におかれましては議決の間、一時御退席をお願いいたします。
 
(○○委員退室)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、○○委員を除く先生方の御意見をまとめますと、マンジャロ皮下注に係る費用対効果評価に係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。