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2022年2月25日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第10回議事録

○日時

令和4年2月25日(金)13:00~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

田倉智之委員長 斎藤信也委員長代理 池田俊也委員 木﨑孝委員
新谷歩委員 新保卓郎委員 田倉智之委員 中山健夫委員
野口晴子委員 花井十伍委員 飛田英祐委員 米盛勧委員
弦間昭彦門委員 山口正雄専門委員 福田敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
 

○議題

○レットヴィモに係る分析枠組みについて

○議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 続きまして、「レットヴィモカプセルに関わる分析枠組み」について御議論をいただきたいと思います。
 まずは、事務局及び公的分析から説明をお願いいたします。
○事務局
 (事務局より説明)
○国立保健医療科学院
 (国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者・入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
 私は、費用対効果評価専門組織委員長の○○です。
 早速ですが、10分以内で、レットヴィモカプセルに係る分析枠組み案についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。では、始めてください。
○意見陳述者
 ○○の○○と申します。説明させていただきます。
 2枚目をお願いできますでしょうか。品目概要という資料になっております。
 こちら、今回の対象となる薬剤でございますけれども、一般名がセルペルカチニブ、商品名がレットヴィモカプセルとなっております。
 薬効上の分類は、RET受容体型チロシンキナーゼ阻害剤となっております。RETでございますけれども、例えばEGFのレセプターと同じように、細胞膜の貫通型の受容体たんぱくでございまして、RET遺伝子に融合などの異常が起きますと、発がんにおきましてドライバー遺伝子として機能することが知られております。
 また、本薬セルペルカチニブでございますけれども、RETに対して選択的に阻害するような設計をされた薬剤となっております。
 効能または効果でございますけれども、RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんとなっております。昨年に承認を受けております。
 それから、用法及び用量でございますけれども、1回160mgを1日2回経口投与するとなっております。本薬のデータにつきましては、後ほど説明させていただきます。
 それでは、3枚目を御覧いただけますでしょうか。疾患概要という資料になっております。
 こちらですけれども、左側の図に非小細胞肺がんの治療の選択ということで、疾患に対する治療方針を示させていただきました。御覧いただきますと、例えば肺がんの病変が局所にある場合には、この図の左側にありますように、手術ができるということで、手術が治療の中心になるわけでございます。
 一方で、病変が局所にとどまらないような場合は、手術ができないこととなります。特に、手術後にほかの臓器への転移で再発があった場合ですとか、初回診断時に遠隔転移があった場合につきましては、右側にあります、特にステージⅣという形になりますので、一番右端にあります薬物療法、全身治療が中心となります。特に、この中にあります分子標的薬というのが今回の薬剤に該当することになります。
 また、今回の対象となる疾患でございますRET肺がんでございますけれども、その頻度のデータというものが、右に示されていますように、国立がん研究センターから出されております。非小細胞肺がんの中で大部分を占めます、肺腺がんにおけるドライバー遺伝子異常の頻度ということで円グラフが示されていますけれども、その中で、RET融合遺伝子陽性の肺腺がんが1.9%の方に見られたという報告がされています。これらの報告も含めまして、ほかの報告もそうなのですけれども、RET融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの割合は、約1%~2%の頻度と考えられております。
 続きまして、4枚目をお願いいたします。Ⅳ期非小細胞肺がんにおけるサブグループ別の治療方針という資料になっております。こちらで、本剤の位置づけについて、少し説明させていただきます。
 「肺癌診療ガイドライン」、昨年出された2021年版からのものでございますけれども、左の図にありますように、肺がんにつきましては、大きく分けまして、一番右端にありますように、ドライバー遺伝子変異/転座が陽性であるか、そうでないかで治療方針が分かれます。今回のRET肺がんにつきましては、ドライバー遺伝子変異/転座陽性ということで、この左端の中に含まれることになりまして、本薬は一次治療に各キナーゼ阻害薬とありますけれども、これに該当するような形になります。
 実際にこのガイドラインでの記載というのを右側に文章で示しておりますけれども、例えば、ドライバー遺伝子変異/転座陽性に対する最適な一次治療は何かというクリニカルクエスチョンがございますけれども、これの回答といたしましては、ドライバー遺伝子、EGFRとかALK、ROS1、BRAF、METなどと同様にRETが含まれていまして、それぞれの遺伝子変異/転座を標的とするキナーゼ阻害薬の治療を行うように推奨するという記載がございます。
 さらに、その下にございますCQ63ということで、RET融合遺伝子陽性にセルペルカチニブは勧められるかというクエスチョンが今回追加になりましたけれども、それに対して、セルペルカチニブ単剤療法を行うよう推奨するという記載が追加されております。
 次、5枚目をお願いします。一方で、この薬剤が出てくる前の治療体系につきまして、少し説明させていただきます。
 これは2020年版の「肺癌診療ガイドライン」になりますけれども、本薬の承認前に出ているガイドラインでの治療体系になります。このときには、セルペルカチニブ承認前ということで、RET融合遺伝子陽性に対して推奨されるようなキナーゼ阻害薬がなかったので、こちらの図の右側に当たります、ドライバー遺伝子変異/転座陰性の場合と同様の治療が行われていたと考えられます。すなわち、一次治療と書いておりますけれども、ペムブロリズマブのようなPD-1/PD-L1阻害剤、あるいは細胞障害性抗がん薬、あるいはこれらの併用療法というものが治療に用いられたと考えられています。
 さらに、その中で、ここに記載させていただきましたけれども、プラチナ製剤、シスプラチンやカルボプラチンと、ペメトレキセドとペムブロリズマブの併用療法というのは、このドライバー遺伝子変異/転座陰性に対する治療の中で、最も有効性の高い結果を示した治療法の一つであると考えられております。
 続きまして、6枚目をお願いできますでしょうか。国際共同第Ⅰ/Ⅱ相試験:LIBRETTO-001試験 試験デザインと書いてあるものでございます。
 御説明いたしましたように、RET肺がんというのは発現割合が非常に少ないものでございましたので、今回、第Ⅲ相試験でなくて、こちらに示します第Ⅰ/Ⅱ相試験で評価をいただきまして承認を受けることになりました。試験デザインを図で示しましたが、簡単に説明させていただきます。
 左側に示しましたように、第Ⅰ相用量漸増パートというところで用量設定をいたしまして、これによって決まった用量、先ほど申しました160mg、1日2回が推奨用量となりましたので、この用法用量で有効性・安全性が確認されました。
 真ん中にコホートということで、かなりいろいろ出ておりますけれども、これはRETの遺伝子異常の形です。RET融合遺伝子であるか、あるいはRET遺伝子変異であるか。それから、使われる治療の場所です。未治療例に対してか、既治療例に対してかということでコホートが分けてあります。
 その中で、今回の非小細胞肺がんにつきましては、右に示しましたように、化学療法がある方がコホート1に含まれていたわけですけれども、それから、化学療法なし、未治療例の方、コホート2。これらの集団につきまして、今回の承認の有効性の評価の対象となりました。
 それで、この試験ですけれども、その下に示してありますけれども、主要評価項目は奏効率ということで設定されておりました。
 次の紙面をお願いできますでしょうか。7枚目になります。こちらは、この試験のプライマリの結果につきまして示させていただきます。
 グラフの右側になりますけれども、先ほどのコホート1、非小細胞肺がんの既治療例の成績になりますけれども、示させていただいていますように、55.2%という奏効率が得られております。それから、未治療例に対しての奏効率が71%という結果が出ております。
 これらの結果を中心に今回、評価をいただきまして、承認を受けているということになっております。
 次の紙面をお願いできますでしょうか。ここから○○さん、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
 ○○から、8枚目、分析枠組み案の説明をさせていただきます。
 記載のとおりでございますけれども、分析対象集団がRET融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん。
 比較対照技術名は、先ほど○○からも説明のありました、プラチナ製剤+ペメトレキセド+ペムブロリズマブのコンビネーションセラピーとなっております。
 こちらの比較対照技術ですけれども、先ほど示しましたセルペルカチニブ承認前のガイドラインにおいて、当分析対象集団に対して最も推奨度の高い薬剤、治療法ということで選択しております。また、有効性の観点からも、当社内で行ったネットワークメタ解析によって、OS、PFS、いずれにおいても、こちらの対照技術が最も有効性が高いという結果が確認されております。
 そして、この枠組み案に関しましては、C2H様と協議の上、合意しております。
 また、C2H様と、プラチナ製剤ということで、この薬剤の選定について以下のような見解をいただいておりますけれども、当社としては、この内容に関して妥当と考えておりまして、異論はございません。その見解と申しますのは、プラチナ製剤がカルボプラチンもしくはシスプラチン。
○事務局
 事務局でございます。
 10分経過いたしましたので、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
 今後検討ということで合意しております。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 では、委員の方及び企業から御質問はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 ○○委員、お願いします。
○○○委員
 説明の中で、比較対照につきまして、これは安価なほうということですが、薬剤費のみならず、例えば入院が必要な治療かとか、そういうことで費用というのは多分変わってくると思いますが、現状ではどちらが比較対照という認識であるかということ。もちろん、これは後発品も出ていると思うので、そちらのほうの価格でも分析されると思うのですが、そのあたり、現状分かっていることを教えていただけませんか。
○意見陳述者
 まず、○○から回答させていただきます。
 こちらの選択に関しましては、枠組み決定後にC2H様と協議を行いまして、しかるべく方法で費用を算出して判断するというふうに合意しております。なので、現時点では、恐縮ながら、どちらがという結果がない状況でございます。
○○○委員
 分かりました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生方、いかがでしょうか。
 では、私から、多少瑣末な御質問なのですけれども、今回、QALYも算定されるということですが、このQOLデータはどのようなものを想定されていらっしゃるのか、教えていただければと思います。例えば、このLIBRETTO-001試験にも、実際こういったQOLのデータが入っていて、そういったものを活用するのかどうかとか、お願いいたします。
○意見陳述者
 ありがとうございます。
 おっしゃっていただいたとおり、治験で得たデータの使用、あるいは文献検索を行いまして、既存のQOLのデータがありましたら、そちらの活用も、より適切なほうを判断して使っていきたいと考えております。
○費用対効果評価専門組織委員長
 分かりました。ありがとうございます。
 その他、いかがでしょうか。
 ○○委員、お願いします。
○○○委員
 主要評価項目で奏効率になっていますけれども、増悪、生存期間など、他のものができなかった理由ということをもう少し教えていただけますでしょうか。なぜ奏効率にされたのか。
○意見陳述者
 御質問ありがとうございます。
 ほかの例えば生存時間解析とかはやっていないわけではなくて、PFS、OSなども一応並行してデータを取っております。ただ、まだフォローアップの期間が短いものなので、今後、フォローアップも継続する予定でございます。
○○○委員
 分かりました。では、今回は無理だけれども、近い将来はそういったデータも活用できるということですね。了解しました。
○意見陳述者
 ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は退室ください。お疲れさまでした。
(意見陳述者・退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、レットヴィモカプセルに係る分析枠組みについて御議論をお願いいたします。
○○○委員
 ○○ですけれども、基本的に議論するようなところは余りなくて、妥当かなと思っています。先ほどの御質問のエンドポイントとしては、レスポンスデュレーションとかOSといったものは出ていて、圧倒的にこちらのほうが既存のものより良いような状態ですので、価値という意味でいくと、レスポンスレートのほうが微妙になっているぐらいの感じのもので、本当は企業としてはそちらを出したかったぐらいの話だと思っています。肺がんの専門家としては、そんなふうに思っています。
 これは別立てになるのでしょうけれども、適用拡大とか、そういったものはほかの臓器ではされていくので、そういったものも先々は影響するのかもしれないなと思って聞いていました。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 では、○○先生、お願いいたします。
○○○委員
 ○○ですけれども、分析枠組み、比較対照技術、いずれも特に問題ないというか、これがちょうど妥当だと思います。細かいコメントに関しては、○○先生からおっしゃっていただいたとおりだなと思いました。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 その他の先生、いかがでしょうか。御意見ございますでしょうか。
 今の御意見ですと、非常にいいお薬のようでありますし、今のところ、分析枠組みについて、対象、選択されるパラメータ等について問題はないと御意見をいただいているところであります。
 いかがでしょうか。どうぞ、お願いいたします。
○○○委員
 比較対照について、この2剤というのは、費用以外は全く同等、変わらないという理解でいいのか。それとも、例えば入院が多くなるとか、安全性の点での差があるとか、2剤の使い分けのようなものがあるのか、あるいは優劣が何かあるのかどうか、そこはいかがでしょうか。
○○○委員
 ○○ですけれども、基本的にそう大差はないと思っています。これは、ペムブロリズマブが絡まないときには、大規模な試験をするとシスプラチンがカルボプラチンを微妙に勝るというデータがありますけれども、メタアナリシスで何とか出るぐらいの差でありまして、特にペムブロリズマブを使うと、そちらの効果がかなりあるので、打ち消されているような状態です。
 それで、価格的には、基本的には外来で全部できるものですけれども、施設によってシスプラチンを入院という施設も若干あるかと思っています。薬価としてはカルボプラチンのほうが高いので、そのあたりについては、実際どっちがどうというのは、少し微妙かもしれません。入院はシスプラチンのほうが多いでしょうけれども、薬価としてはカルボプラチンが高いので、入院させる施設の割合によって変わってくるので微妙かなと思っています。
 私は以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○先生のほうからいかがでしょうか。
○○○委員
 確かに、シスプラチンは入院も必要ですし、点滴も時間がかかるということで、我々の施設だと入院の例が確かに多いのですが、全例というわけではありません。ですので、○○先生がおっしゃったとおりで、シスプラチンの入院の率がカルボプラチンより多いので、カルボプラチンのほうが値段は高いという、まさにそのとおりかなと思います。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生、いかがでしょうか。
 一応、まとめさせていただきますと、分析枠組みについて、比較対照技術、選定理由、あとは効果指標など、先生方、同意されるような御意見を、意見書も含めていただいていると理解しております。
 よろしければ、これで議決に入らせていただきたいと思います。
 それでは、議決に入る前に、該当委員におかれましては、議決の間、一時御退席ください。また、私も一時退席となりますので、退席中の議事進行は委員長代理の○○委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○○○委員長代理
 承知しました。では、費用対効果評価専門組織委員長の代理として議事を進めさせていただきます。
(費用対効果評価専門組織委員長、該当委員・退席)
○○○委員長代理
 それでは、費用対効果評価専門組織委員長、該当委員を除く先生方の御意見をまとめますと、レットヴィモカプセルに係る費用対効果評価に係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○○○委員長代理
 ありがとうございます。
 それでは、事務局は委員長、該当の委員に入室いただいてください。
(費用対効果評価専門組織委員長、該当委員・入室)
 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第2係

代表: 03-5253-1111(内線)3140

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