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2022年10月28日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第7回議事録
○日時
令和4年10月28日(金)13:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
田倉 智之委員長 斎藤 信也委員長代理 池田 俊也委員 木﨑 孝委員 |
新谷 歩委員 新保 卓郎委員 中山 健夫委員 野口 晴子委員 |
花井 十伍委員 飛田 英祐委員 米盛 勧委員 |
岩瀬 嘉志専門委員 土谷 一晃専門委員 福田 敬専門委員 |
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官 |
<事務局> |
中田医療技術評価推進室長 他 |
○議題
○Expedium Verse Fenestrated Screwシステムに係る企業からの分析結果報告について
○議事
○費用対効果評価専門組織委員長
では、続きまして、Expedium Verse Fenestrated Screwシステムに係る企業分析について御議論いただきます。
対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
まずは事務局から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品に係る企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○事務局
企業の方の御準備が整いましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
私は費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内でExpedium Verse Fenestrated Screwシステムに係る事業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
それでは、始めてください。
○意見陳述者
ありがとうございます。
早速説明を始めさせていただきます。
2ページ目をよろしくお願いいたします。
脊椎固定術は、脊椎を骨癒合させ、安定させることを目的として行う術式で、変形した脊柱の固定矯正、脊椎管狭窄症、すべり症などの変性疾患に対する除圧術後に行われます。
3ページ目をお願いいたします。
脊椎固定術を行う患者のうち、骨粗鬆症等により骨強度が低下した患者に対して使用した場合に本製品の区分を算定できるとあることから、本品の分析対象集団は脊椎スクリューを用いて脊椎固定術を受ける患者のうち、骨粗鬆症により骨強度が低下した患者と考えます。
4ページ目をお願いいたします。
脊椎固定術の患者様は御高齢の方が多く、この年代では骨粗鬆症が好発いたします。骨粗鬆症で骨強度が低下した患者様にこれらの術式を行っても、骨自体がスクリューを十分保持できないことから、既存のスクリューを使用した場合には6~18%のスクリューに緩みが、9~23%の患者様には骨癒合が得られていないという報告がございます。
5ページ目をお願いいたします。
現在、これらの患者様にはスクリューを挿入する下穴にあらかじめ人工骨を入れることで固定力を上げることが行われています。国内でこの目的で使用できる人工骨はハイドロキシアパタイトとトリン酸カルシウム骨ペーストを用いたものの2種類があり、あらかじめスクリューを挿入する前に椎体内に挿入した後にスクリューを挿入いたします。
また、術後に副腎皮質ホルモンであるテリパラチド注射はほとんどの患者様に行われておりますし、場合によっては物理的に固定を追加することもできますが、本品が代替する骨内の固定という意味では人工骨が当たると考えております。
6ページをお願いいたします。
日本で広く使用されている人工骨による骨内固定ですが、臨床試験は限られており、非臨床試験でのみの報告にとどまります。
こちらに示した図は非臨床試験の結果となりますが、人工骨であるハイドロキシアパタイトやリン酸化カルシウム骨ペーストは、コントロールと比較して引き抜き強度に有意差を示せなかったのに対して、ハイドロキシアパタイトと本品と併用するPMMA骨セメントを比較した試験では有意に引き抜き強度が向上することが示されました。
7ページ目をお願いいたします。
海外では、人工骨だけでなくアクリル樹脂であるポリメチルメタクリレート、PMMA骨セメントを用いた固定が行われており、骨粗鬆症患者様のスクリュー緩みや骨癒合率を改善することが報告されていますが、国内では適応がありませんでした。
8ページをお願いいたします。
その理由として、従来のPMMA骨セメントは人工骨と同様にスクリュー挿入前に椎体にセメントを先入れし、その後にスクリューを挿入するのですが、スクリューの挿入時の失敗や骨折によってPMMAが椎体外に漏出することがありました。PMMAは非常に安価で安定した生体材料ですが、人工骨と異なり生体吸収性がなく、骨癒合時に発熱することから、血管や肺の塞栓症や脊髄の神経障害を起こす可能性があることから、国内では適応外とされてきました。
9ページ目をお願いいたします。
本品は、脊椎スクリューにスクリューの強度を維持したまま横穴を開けることにより、スクリューを椎体内に挿入後、PMMA骨セメントを挿入することができる製品です。これにより、安全にPMMAを併用できるだけでなく、スクリュー挿入時に骨折があった場合や患者様の海綿骨のみで十分な強度がある場合にはセメントを挿入しないといった選択的なPMMA骨セメントの挿入を行うことが可能になります。
10ページ目をお願いいたします。
本件の有用性は単群試験を組み合わせたメタ解析で示されております。骨強度が低下した患者群に対して、横穴つきスクリューを使用した患者群は、セメント併用の有無にかかわらず、従来のスクリューを用いた患者群に対してデバイスに関連する再手術、これはここでは再処置率と定義しておりますが、再処置率を有意に減らすことが示されました。
11ページ目をお願いいたします。
本品は、この結果により、2021年12月8日中医協にて類似機能区分を脊椎スクリュー(可動型)として新機能区分で5%の改良加算を取得しております。
12ページ目をお願いいたします。
これまで骨内の固定に使用されていた人工骨は横穴つきスクリューと併用できず、PMMA骨セメントも従来の横穴のないスクリューとは併用が不可能であることから、本品は国内での固定を目的に従来のスクリュー及び人工骨を併用する症例と置き換わると考えられます。また、本品は学会使用指針で多椎間固定のみの使用、かつセメント注入は頭尾側1椎体に限られております。
13ページをお願いいたします。
以上のことから、本品の分析対象は、多椎間の脊椎固定術を受ける、骨粗鬆症により骨強度が低下した患者であり、比較対象は従来のスクリューに加えて人工物のうち最も安価なハイドロキシアパタイトを患者群として、事前協議、第1回専門組織で合意を頂戴しております。
14ページをお願いいたします。
ここからは解析結果について御説明させていただきますが、14ページから16ページは要旨となり、後の情報と重複することから割愛させていただきます。
17ページをよろしくお願いいたします。
まず、追加的有効性を判断する基準として、Yagi論文の結果を示します。この論文は保険申請時に用いたものと同一で、2021年5月14日までに報告された文献を含んでおりますが、その後の出版物についてはハンドサーチを行い、2022年2月の段階で追加で加えるべき論文がないことを確認しております。
結果は2点、一つは横穴つきスクリューは通常のスクリューと比較してスクリュー緩みの発生が少ないことが示されました。
18ページをお願いいたします。
それに加えて、前にお示ししたとおり、本品を骨粗鬆症完全に使用した場合は再処置率を減らすということが示されました。
19ページ目をお願いいたします。
Yagiらの報告は、当初、PMMA骨セメントの有無を問わない横穴つきスクリューと、PMMA骨セメントを除く、つまり人工骨併用を含む横穴のないスクリューの比較といたしましたが、結果的に横穴のないスクリュー群に人工骨を用いた患者群は含まれませんでした。
また、従来のスクリューと人工物を併用した臨床試験の報告はなく、臨床でも対照群と比較して強度の向上が示せていないことから、人工骨の有無にかかわらず横穴なしスクリューに対する横穴つきスクリューの優位性は変わらず、骨内での固定及びそれに伴う再手術の向上が見込めると考えました。
20ページは非臨床試験の結果を示します。
ここからは○○に説明を交代いたします。○○、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
ありがとうございます。
21ページ目を御覧ください。
今回の費用効果分析の方法について御説明いたします。
先ほど御説明させていただいたとおり、本品はスクリューの緩み発生率及び脊椎インストゥルメンテーションに関連する再処置率について追加的要請ありと考えました。
一方で、本品を用いた脊椎固定術は、比較対照技術を使用した場合と比べて費用の削減が見込まれたため、本分析では効果に対する本品の追加有用性は考慮せず、費用最小化分析を行いました。
モデルで使用した仮定は御覧のとおりです。
続きまして、22ページ目を御覧ください。
再処置回数の設定について御説明いたします。再処置回数は本品と比較対象で同じと仮定し、Yagiらによるメタ解析で報告されている骨粗鬆症患者集団における横穴なしスクリューを用いた場合の再処置実施割合を報告している6つの研究を統合した値を両群に適用をいたしました。
23ページ目を御覧ください。
脊椎固定術にかかる費用の設定について御説明いたします。多椎間の脊椎固定術を行う場合のスクリューの使用最小本数が6本であること、それから、学会発行の使用基準において本品への骨セメント使用は頭尾側の1椎体に限定されるのに対し、比較対象の場合は設置する全てのスクリューで人工骨の併用が想定されることから、本分析の脊椎スクリューの使用本数は本品にとって最も保守的な条件となる6本に設定し、それぞれの費用の合計は、本品の場合68万3280円、比較対象の場合71万9200円といたしました。
24ページ目を御覧ください。
有害事象の設定について御説明いたします。本品特有の有害事象として、セメント漏出に伴う有害事象である症候性肺塞栓症、神経血管合併症、隣接椎体骨折、感染症合併症が挙げられます。
このうち、症候性肺塞栓症以外の有害事象は、先行研究のシステマティックレビューにおいてセメントの併用有無で統計学的有意差が認められなかったことから、本分析では症候性肺塞栓症のみを考慮いたしました。
症候性肺塞栓症発生時の費用は、先行研究で報告されている肺塞栓症の入院費用の中央値を現在価格に換算して利用いたしました。
25ページ目を御覧ください。
分析結果について御説明いたします。分析の結果、本品によって有害事象費用が○○円増加いたしますが、材料費用は○○円減少するため、合計で○○円の減少となりました。したがって、ICERの所属する確率が最も高いと考える区間は「費用削減あるいはドミナント」となると考えております。
私からは以上となります。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
委員の方々から御質問はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
説明いただいた中で、システマティックレビューでセメント併用のみで統計学的有意差が認められないものについては今回計算に入っていないということだと思うのですが、統計学的有意差が認められないとは言っても、どちらのほうがこうした合併症の発生率が高かったのかということをまず教えていただきたいというのが1点目。
2点目は、appendixにFS群のほうが入院期間が有意に長かったとありますので、その入院期間については今回どのように分析に含めているのか、その2点を教えてください。
○意見陳述者
○○先生、質問ありがとうございます。回答させていただきます。
まず、1つ目の質問としましては合併症の発生率に関してですが、こちらはシステマティックレビューの中で明らかに差がないと説明されております。実際の結果に関しましても、どちらが多い、少ないということはコントラバーシャルで、そもそも差自体が存在しないという結果になっております。
御回答になっておりますでしょうか。
○○○委員
差が存在しないのですか。全く同じですか。
○意見陳述者
全く同じではありません。
○○○委員
単純な集計値だとどちらのほうが合併症が多いのですか。
○意見陳述者
単純な集計値ですと、横穴なしスクリュー群のほうが数字は大きいという結果になっておりました。
○○○委員
では、それを含めたとしたら、今回の製品のほうがより費用対効果がよくなるという理解でいいですか。
○意見陳述者
そのとおりでございます。ありがとうございます。
2つ目、入院期間のほうになります。先生の御指摘のとおり、アペンディクスのほうで本解析のほうが入院期間が長くなっておりますが、こちらはそもそもこの解析のリミテーションとなりますが、どうしてもオブザベーションスタディーを含む単純な比較であることから、背景情報として、骨粗鬆症患者群、フェネストレーテッドスクリューを使った患者群のほうがそもそもの患者状況が悪いという中から解析を始めておりましたので、それが影響している可能性があると文献内で考察しております。
○○○委員
今、在院日数は同じで計算しているのですか。
○意見陳述者
おっしゃるとおりでございます。
○○○委員
仮にここで示された入院期間を使うと、結果はどのように変わりますか。
○意見陳述者
申し訳ございません。その点に関しては現在解析を行っておりません。
○○○委員
入院期間が何日長かったのでしょうか。
○意見陳述者
入院期間は1.6日長かったという結果になっております。
○○○委員
今回出ている○○円ぐらいの差は十分超えてしまうようなぐらいの差があるということですね。
○意見陳述者
詳細に関しては解析しておりませんが、先生がおっしゃるとおり可能性はあると考えております。
○○○委員
全体でかかる費用が、いろいろ省いている費用もあるのであれですけれども、七十数万の中で○○という差は、いろいろな条件が変われば逆転してしまうようにも思うのですが、そのような感度分析をされた場合、どういう条件が変わると結果が逆転することがあり得ますか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
感度分析の結果は○○%で本品のほうがfavorという結果が出ておりますが、そもそも解析に入れていない結果としまして、フェネストレーテッドスクリューのほうが再手術率が少ないはずであるということは解析結果に含まず、あくまでこの2つを用いた有効性の結果が同等であるということから費用最小化分析を行っております。それらを加味しますと、こちらは費用対効果分析自体は行っておりませんので、費用対効果分析をしますと、今までよりもう少しfavorな結果が出るのではないかと想像しております。
○○○委員
確率感度分析の結果はここにも書いてあるとおりで理解しましたが、どのパラメーターが変わると結果に一番大きい影響を与えそうですか。
○意見陳述者
スクリューの金額でございます。
○○○委員
つまり、このようにいわゆるドミナントや費用の削減にならずに費用増加になってしまうのは、どのようなパラメーターを変化させたときにそういうことが起こり得ますか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○○さん、もし私の説明が不十分でしたら入っていただければと思いますが、現在の結果では、まずスクリューの金額が一番大きな影響を及ぼしていると考えております。
○意見陳述者
あともう一つ、先ほど御説明させていただいた本数に関しても結構大きな影響があるのですけれども、今回の感度分析に関しましては、前提として両群を同じにしているというところもあるのですけれども、ばらばらに動かした場合についてある意味かなり保守的に感度分析をしているところがありますので、この不確実性に関しましてはかなり大きめに推定されていると御理解いただければと思います。
○○○委員
例えば本数がどのように変わると結果が逆転するのですか。結果が逆転することが本当にわずかな可能性だということを確認したいので伺っているのですが、どういう条件になると例えばこの結果は。というのは、全体の金額からして○○というのは割と少ないので、何らかの条件が変われば結果は逆転しそうな気がするので、どういう条件が変わるとこれは結果が逆転してしまうのか知りたいのです。
○意見陳述者
すなわち、本品で使うスクリューの本数が多い、明らかに多くなるケースも感度分析として今回取り扱っておりまして、今回、これらの設定に関しては何らかの統計値に基づいて行われたわけではなくて、いわゆるプラスマイナス20%で変動させてその影響の大きさを検証しているという状況になりますので、現実的には起こりにくい可能性についても今回感度分析で取り扱っているという状況だと考えております。
そのため、先生のほうで御心配いただいている可能性としてどれぐらいの高い割合がありそうかというところで言うと、確率としては非常に低いのではないかと考えております。○○○委員
これは閾値分析をした場合、どのような条件で結果が逆転しますか。
○意見陳述者
申し訳ありません。閾値分析を実施していないので明確にお答えできないのですけれども、作図から推察すると、少々お待ちください。
○意見陳述者
一番大きな影響を及ぼしますのは本品の価格が上がった場合ですかね。
○○○委員
それは全員使っているからきっとそうでしょうけれども、それはこれから価格調整がなされるわけなので、それは固定された値段だとした場合に、ほかのどういう条件を変えるとこの結果は逆転してしまう可能性がありますか。
○意見陳述者
プラスマイナス20%で行っているので、上限値としては6本の20%なので、どうでしょうか。1本増えるとというところだと思います。なので、1本以下の本数が増えると、増えるというところがどこまで現実的かというところの議論になろうかと思いますけれども、パラメーターとしては1本以下、1本増えてしまうときっと逆転してしまうという分析になっているのではないかと思います。
○○○委員
分かりました。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員、いかがでしょうか。
○○先生、お願いします。
○○○委員
○○です。
私も整形外科医でございますが、1つ質問させていただきたいのは、製品概要でPMMAの骨外への漏出が本品では起きないというような趣旨の御説明に理解しましたが、カニューレで入れようが、フェネストレーテッドスクリューで入れようが、PMMAを椎体に挿入すれば骨皮質の連続性が破綻していれば、どちらもPMMAは漏出する可能性はありますよね。なので、本品が今どのぐらい市場に出ているか分かりませんが、今後、市場により拡大されれば、本品を使っても骨外へPMMAが漏出するというような事案は当然起こり得ると思います。
また、臨床でのこういった製品のリリースした後での評価というのはやはり非常に重要だと思われますが、現時点では本品を評価する市場での規模、スケールが小さいので、どういったことが起きてくるかということがまだまだ予測が難しい。ただ、企業様がおっしゃっているとおり、一側面を捉えてみて、本品に確かに既存の製品から見て優れた点があるということは言えるかなと私は思っておりますが、ただ、実臨床で特に手術インストゥルメントでございますので、どういったことが今後起きてくるかということはリリースした後で慎重に観察する必要があると感じました。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
御意見としていただきました。
その他の委員、いかがでしょうか。
○○先生、お願いいたします。
○○○委員
○○です。
臨床成績で初期工程がしっかりしていて再手術率も低いというのは十分理解できました。そうすると、何故入院期間だけが長くなってしまうのかというのは理解できなかったのですけれども、患者さんの背景が違うとかというのは分からないですよね。ADLや骨密度などが同じ患者背景だったかどうかというのが分かれば、その理由がつくと思うのですけれども。
○意見陳述者
先生、ありがとうございます。
非常にお恥ずかしい話なのですが、このメタ解析はきっちり患者の背景があったものではなくて、やはり本品を使われる皆様というのは御高齢かつ骨粗鬆症以外の合併症も多い患者が多かったという理由がございますので、そこら辺が入院期間に影響しているのではないかと考えております。
また、先生も御存じのとおり、骨粗鬆症自体が特にアジア人の患者様においては定数的に示すことが非常に難しい病態でして、こちらの解析でも幾つ以上が骨粗鬆症といった定数的な評価は行っていないところでございます。
お答えになっておりますでしょうか。
○○○委員
そのとおりだと思って、骨密度の評価もいろいろなものがあって、それをそろえることは難しいと思うので、患者背景の違いとか対象が違うのがこういう結果になっているのだなと思いました。ありがとうございます。
○意見陳述者
ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員、いかがでしょうか。御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。どうもお疲れさまでした。
○意見陳述者
ありがとうございました。失礼いたします。
(意見陳述者退室)
○事務局
事務局でございます。
企業の方の退室が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
できれば、最初に、御議論のあった入院期間が延びている辺りについて、患者さんの背景とその他、骨セメント、漏出などについて、先生方から、御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
○○でございます。
ただいま発言させていただきましたとおり、やはりまだまだこの製品はそれほど世の中に出ているものではございませんので、比較対照する群としては極めて小さなスケールの群だと思います。
それから、どうしてもこれは初期ロットに近いようなものを製品として外科医は使うことになりますので、よく世の中で言われますテストパイロットの原理で、テストパイロットは最初のジェット機を雑に操縦する人はいないということで、みんな慎重に手術をすると思います。だから、そういう意味でのケースセレクションバイアス、サージカルテクニックバイアスというのは当然かかってくる。まだそういう時期のデータだと思いますし、また、企業様がおっしゃったとおり、アジア人とヨーロッパ人の骨質や医療体制等も違いますので、同じ対照群で比較する研究というのが現時点では臨床的に不可能であるというようなことを踏まえますと、現時点で非常に純粋に統計学的にこの製品が今まである製品とどのぐらい優れているのかということを正当に評価する方法というのは、今のところなかなか非常に難しいというように考えました。
ただ、今回俎上に上がりました分析方法はある一定の評価ではあるということで、こういった作業は意味のある作業であるとは感じました。
以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
○○先生、お願いできますでしょうか。
○○○委員
私はデータを見て、患者対象が違っても再手術率が低いというデータは出ているので、そこは評価したいと思います。
もう一個、さっき言ったのですけれども、患者背景が違っているから多分入院の期間が長くなっていると思うのですが、患者背景をそろえるとか骨密度の程度とか術前のADLかどうかというのを全部同じにするというのはできないので、そこがバイアスになっているのではないかと思うので、評価のときにそういうのをちょっと頭に入れていただければと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。では、その他の先生方、御意見はございますでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
○○です。
専門委員の先生にお伺いしたいのですけれども、先ほどの企業の説明では横穴からセメントを入れる、しかも後から入れるということで、メカニズム的に漏れが起きないみたいな説明がありました。一方先生方は、はがれていたらやはりこの方法でやってももセメントは漏れることがあるとおっしゃいましたが、それはそれでよろしいのでしょうか。
○○○委員
○○でございます。
この場合はスクリューがカニューレになっているだけですから、物理的にストローで液体を注入するわけですから、スクリューで入れようがカニューレで入れようが漏出するときは漏出すると思います。条件は一緒だと思います。
○○○委員
ありがとうございます。
それを踏まえて、一応こちらの横穴のほうが漏れて肺塞栓になった例があったので、それに対して治療費を計算していたと思うのですけれども、そういうことは、今おっしゃったようにもっと使ってみないと分からないというのはあるのですけれども、漏れて肺塞栓というのはかなり想定しておかないといけない合併症という理解でよろしいでしょうか。
○○○委員
私どもの関連施設でPMMA等の漏出で肺塞栓を起こしたという例は聞いたことがございませんので、あったとしても、もしあれば学会に、少なくとも専門学会ではケースレポートとして上がるぐらいの珍しい例かと思います。
ただ、漏出している例というのは、ペースト状のものが骨外に少しはみ出ているというCT写真やレントゲン写真はよくお目にかかります。ただ、だからといって肺塞栓を起こすという例は極めてまれだと思います。
○○先生、それでよろしいでしょうか。
○○○委員
まれかどうかは分かりませんけれども、やはり起きる可能性はあると思いますが、○○先生と同じぐらいの感覚で、僕も頻度的にはそんなに大きくないと思います。多分入れる先生がその辺を注意しながら、セメントの固まる時間とかそういうものを考えて入れているので、その辺はかなり注意してやっていると思います。
○○○委員
ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他の委員の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
今までの先生方の御議論を簡単に少しまとめさせていただくと、企業は引き抜き強度、これはvitroになるのでしょうか。この評価を踏まえつつ、緩み、再処置の率の追加的有用性について整理をされて、保守的に差がないという結論で今回資料を御説明されていると思います。専門委員のほうからも、こちらについては妥当ではないかというようなお話があったかと思います。
それを踏まえて、費用最小化分析を行っていらっしゃいますけれども、費用計算においては前回組織が指摘した有害事象、肺塞栓症などを考慮していただいて、最終的に費用は減じるという話になっておりますけれども、先ほど来の議論のとおり、患者さんの背景等を踏まえて、わずかな誤差でありますので、幾つかの要素によって大きく変わってしまうのではないかというような話もあったかと思います。特に入院期間については私も質問しようかなと思っていたのですけれども、こちらについてはどのような背景であのような結果なるのか、それを費用計算に入れているかどうかによって今回の費用と効果のバランスは随分変わってくるというような御指摘であったのかなと考えております。
このような考え方、整理を踏まえてまとめていきたいと思いますが、御意見とかその他ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきたいと思います。
先生方の御意見をまとめますと、決定された分析の枠組みに基づき、企業分析がなされているということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、公的分析において、今幾つか論点として挙げられた項目を丁寧に検討していただいて、レビューもしくは再分析のいずれかの方針を科学院より表明していただくことといたします。ありがとうございます。
<照会先>
厚生労働省保険局医療課企画法令第2係
代表: | 03-5253-1111(内線)3140 |
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