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2022年3月25日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第11回議事録

○日時

令和4年3月25日(金)13:00~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

田倉 智之委員長 斎藤 信也委員長代理 池田 俊也委員 木﨑 孝委員
新谷 歩委員 新保 卓郎委員 中山 健夫委員 野口 晴子委員
花井 十伍委員 飛田 英祐委員 米盛 勧委員
岩瀬 嘉志専門委員 土谷 一晃専門委員 福田 敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
 

○議題

○Expedium Verse Fenestrated Screwシステムに係る分析枠組みについて

○議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 続きまして、Expedium Verse Fenestrated Screwシステムに関わる分析枠組みについて御議論をいただきたいと思います。
 まずは、事務局及び公的分析から説明をお願いいたします。
(事務局より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、議論に先立ちまして、まず本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
 私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
 早速ですが、10分以内で、Expedium Verse Fenestrated Screwシステムに係る企業分析枠組み案について企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答もさせていただきますので、そちらへの御対応をお願いいたします。
 それでは、始めてください。
○意見陳述者
 それでは、弊社から製品と費用対効果評価の枠組みについて意見表明させていただきます。
 早速2ページをよろしくお願いいたします。こちらのページでは、対象疾患及び治療について簡単に説明させていただきます。脊椎固定術は、脊椎を骨癒合させ、安定させることを目的として行う術式で、変形した脊柱の強制固定、脊椎管狭窄症、すべり症などの変性疾患に対する除圧術後に行われる術式です。年間約6万例が行われており、加齢に伴い症例数は増加傾向にあります。
 次のページをお願いいたします。対象疾患のうち、本品の保険適用時に定められた範囲について記載しております。脊椎固定術を行う患者のうち、骨粗鬆症等により骨強度が低下した患者に対して使用した場合に本機能区分の算定はできることから、本品の分析対象集団は、脊髄スクリューを用いて脊椎固定術を行う患者のうち、骨粗鬆症等により骨強度が低下した患者であると考えます。なお、本品は既存製品と比較して、脊椎固定術そのものが適用となる患者様が増えるものではございません。
 4ページをお願いいたします。ここから現在の治療に対する課題について御説明させていただきます。脊椎固定術の患者様は高齢の方が多く、この年代では骨粗鬆症が好発いたします。骨粗鬆症で骨強度が低下した患者様にこれら脊椎固定術の術式を行いましても、骨自体がスクリューを十分保持できないことから、術後、スクリューの緩みや抜けが起こりやすく、ひいてはインプラントの保持ができないことから全体が脱落し、結果として術式の最終目的である骨癒合率の低下や再手術が必要となる場合がございます。
 既に報告されているメタ解析で、既存のスクリューを使用した場合には6~18%にスクリューの緩みが、9~23%の患者様には骨癒合が得られていないという報告がございます。
 5ページをお願いいたします。現在、これらの患者様には、スクリューを挿入する下穴にあらかじめ人工骨を入れることで固定力を上げることが行われております。国内で使用できる人工骨はハイドロキシアパタイトを用いたもの、リン酸カルシウム骨ペーストを用いたものの2種類があり、いずれも、あらかじめスクリューを挿入する前に椎体内に挿入した後にスクリューを挿入いたします。また、術後に副腎皮質ホルモンであるテリパラチドの注射などはほとんどの患者様で行われておりますし、場合によっては、物理的に固定を追加するということもできますが、本品が代替するという意味では、こちらの人工骨が当たると考えております。
 次のページをお願いいたします。人工骨に加えまして、海外ではアクリル樹脂であるポリメチルメタクリレート、PMMA骨セメントを用いた固定が行われており、骨粗鬆症の患者様のスクリュー緩みや骨癒合率を改善することが報告されておりますが、本品について国内では適応がございませんでした。
 次のページをお願いいたします。その理由といたしまして、これまでのPMMA骨セメントは人工骨と同様に、スクリュー挿入前に椎体にセメントを先入れし、その後からスクリューを挿入するのですが、スクリュー挿入時の失敗や骨折によって、PMMAが椎体外に漏出することがございます。PMMAは非常に安価で安定した生体材料ですが、人工骨と異なり生体吸収性がなく、重合時に発熱もすることから、血管や肺の塞栓症や脊髄の神経障害を起こす可能性があることから、これは国内では適応外とされておりました。
 次のページをお願いいたします。ここから本品の説明となりますが、本品は、脊椎スクリューにスクリュー強度を維持したまま横穴を開けることにより、スクリュー挿入後にPMMA骨セメントを挿入できる製品です。これにより、先ほど示しましたような後からスクリューを入れることによる漏れを起こさずに安全にPMMAを併用できるだけでなく、スクリュー挿入時に骨折があった場合や、スクリュー挿入時に患者様の海綿骨のみで十分な強度がある場合にはセメントを挿入しないといった選択的なPMMA骨セメントの挿入を行うことが可能となります。
 次に9ページをお願いいたします。本品を含む横穴つきスクリューの有用性は、チャレンジ申請時にメタ解析を用いて説明を行っております。横穴のないスクリューのFS群と、横穴つきスクリューFS群について、既に臨床的アウトカムが示されているスクリューの緩みに加えまして、脊椎インストゥルメントに関連する再手術を再処置率、脊椎インストゥルメントに関連しない一般的な再手術を再手術率として解析を行っております。
 次のページに結果を示しております。製品概要、臨床的知見、主たる結果のうち、オレンジ色で塗った部分が主要評価項目の結果となります。上から説明させていただきますと、従来の臨床試験で示されていたとおり、FS群は、non-FS群と比較して有意にスクリューの緩みを減らすことを示しました。インプラントに関連する再手術である再処置率について、全患者群において、FS部はnon-FS群と比較して低い傾向にありましたが、有意差は認められませんでした。
 骨粗鬆症患者群においては、FS群はnon-FS群と比較して有意に再処置率を減らすことが示されております。
 本品は、その使用目的に骨強度が低下し、骨内におけるスクリューの固定性が損なわれるおそれがある脊椎に対しては、骨セメントと共に使用するとあり、この結果はその使用目的に即していると考えております。なお、一般的な再手術である再手術率に関しましては、両群で有意な差は認められませんでした。
 次に11ページをお願いいたします。本品は、この結果により、2021年12月8日の中医協にて、類似機能区分を脊椎スクリュー可動型として新機能区分で5%の改良加算を取得しております。
 なお、定義として横穴を有していることに加えまして、骨粗鬆症等により骨強度が低下した患者様を対象とすることが記載されております。
 次のページをお願いいたします。これらのことから、本品の対象群は、既存の脊柱スクリュー可動型と人工骨の中で一番安価なハイドロキシアパタイトを用いた患者であると考えております。
 なお、既存の横穴のないスクリューはPMMA骨セメントと併用できず、横穴つきスクリューはハイドロキシアパタイト等の人工骨と併用できないことが、本品及び併用するPMMA骨セメントであるVertecem V+骨セメントの添付文書上明記されております。
 次に13ページをお願いいたします。繰り返しとなりますが、本品の比較対照技術としましては、スクリューを用いて多椎間の脊椎固定術を行う骨粗鬆症により骨強度が低下した患者のうち、横穴のない脊椎スクリューに加えて人工骨を用いて脊椎内での固定を行った患者と考えております。多椎間というのが出てまいりましたが、こちらは学会の使用基準によって縛られているところでございます。
 なお、人工骨の素材間での臨床的有用性につきましては明確な優劣がないことから、最も安価なハイドロキシアパタイト、機能区分名でいいますと人工骨(専用型・スクリュー併用用)を比較対照と考えることが望ましいと考えております。
 以上まとめます。1ページ飛ばしまして15ページとなります。弊社のほうから提案する分析枠組みをまとめております。まず、分析対象集団としましては、脊椎スクリューを用いて多椎間の脊椎固定術を受ける骨粗鬆症により骨強度が低下している患者と考えます。
 比較対照技術は、横穴のない脊椎スクリューである脊椎スクリュー可動型と、加えて、ハイドロキシアパタイト、人工骨(専用型・スクリュー併用用)を用いた患者様で、評価対象技術としましては、横穴つきスクリューであるExpedium Verse Fenestrated Screwに加えて、脊椎用骨セメントを用いた患者様というふうに考えております。
 その理由としまして、脊椎スクリューを用いて脊椎固定術を受ける患者に対しては、骨強度が低下している場合には椎体内に人工骨を挿入してスクリューの固定強度を高めることが一般的であると、C2H様のほうから専門家への聴取によってもこちらは確認いただいております。
 また、人工骨材料の中では有効性や安全性の点で明確な優劣が示されていないため、最も安価である人工骨(専用型・スクリュー併用用)、ハイドロキシアパタイトを比較対照技術の人工骨材料とすることが適当であると考えております。
 なお、本解析は公的医療費の立場からの分析となりまして、効果指標としましてはQALYを用いることを考えております。
 この枠組みに関しましては、国立保健医療科学院保健医療経済評価研究センター様と分析前協議を行いまして、合意に至っております。
 弊社からの意見表明は以上となります。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 委員及び企業から御意見、御質問はございますでしょうか。
 ○○委員、お願いします。
○○○委員
 すみません。ちょっと私が理解できていないだけだと思うのですけれども、製品概要のところで教えていただいたFS群とnon-FS群を比較したデータがあるのですが、今回の分析ではそれがそのまま使えるのですか。それとも臨床データは直接利用できないということなのですか。
○意見陳述者
 今のところは一部使用できるというふうに考えております。人工骨を使った部分に関しましては追加で解析が必要と考えておりますが、横穴つきスクリューと横穴のないスクリューの比較部分に関しましては、この解析も使用できると考えております。
○○○委員
 そうすると、このデータ以外に利用可能な臨床データはあるということですか。それとも、この製品概要のところに書いてある臨床データを再解析というか、その中のデータを部分的に解析して使うということなのでしょうか。
○意見陳述者
 ありがとうございます。一応、これはメタ解析自体が2021年6月までの解析となりますので、いずれにせよ再解析は必要かなと考えております。答えになっておりますでしょうか。
○○○委員
 分かりました。
 あと、製品概要のところに書いてあるのだと、入院期間に関しては患者背景の違いによるところが大きいとあるので、ほかのものも、もしかして患者背景の違いでこういう有意差が出たり出なかったりということも想定されるのかなと思うのですが、それはいかがですか。
○意見陳述者
 先生のおっしゃるとおりかと思います。実際にRCT自体、この解析の中では3~4件程度しか使用できるものが含まれておらず、それ以外は後ろ向き試験であったりとか、オブザベーション研究であったりとか、集めておりますので、そこら辺はリミテーションになると考えております。
○○○委員
 既存の公表された研究のみからなかなか再解析は難しいと思うのですが、この中には例えば企業のほうでデータをお持ちで、個票があって、それを用いた再解析が可能というようなものがあるのか、それとも、もうこれは公表された集計値のみしか今は使えない状況なのか、いかがですか。
○意見陳述者
 本解析は弊社のほうで行いましたメタ解析になっておりますので、中身をもう一度再検討して解析することは可能であると考えております。
○○○委員
 メタ解析に使ったいわゆる1次データというか、個々の臨床試験の個票というのは利用可能なのですか。
○意見陳述者
 すみません。個票につきましては利用不可能でございます。あくまで発表されたものを集めてメタ解析したものとなっております。
○○○委員
 分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生、いかがでしょうか。ございますでしょうか。
 ○○委員、お願いします。
○○○委員
 今のシステマティックレビューに関して独自のことということでしたけれども、一般的にそのプロセスですね。PRISMAのフローチャートなどはないのかということと、最終的にこれを統合されたのはどんな研究デザインのものが幾つあったのかという情報をもう少し追加していただければと思います。
○意見陳述者
 承知いたしました。PRISMAに関しましては、それにのっとる形で解析を行っております。今すぐにメタ解析の中身、内訳は出ないのですけれども、また後ほど提出させていただくか、もしくは結果のときには内訳をつけさせていただこうと考えております。
○○○委員
 結構です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ○○先生、お願いします。
○○○委員
 統計的なことではないのですけれども、分析手段と比較対照の患者さん、全部骨粗鬆症ということですけれども、骨粗鬆症の客観的評価は、骨密度もいろいろな測り方があるのですが、何かある程度統一されているか、その辺を教えていただけますか。
○意見陳述者
 先生、ありがとうございます。非常に重要な点と考えておりますが、骨粗鬆症自体がどちらかといいますと骨塩量のみだけではなく病態から診断されるものと考えておりますので、正直なところ明確にこれを超えれば骨粗鬆症であるというふうな基準を基に集計しているものではございませんで、あくまで文献上骨粗鬆症と書かれたもののみ集計しているということでございます。
○○○委員
 多分nが多くなれば誤差はなくなると思うのですけれども、ただ、その辺は客観的なことを言っておかないと偏ってしまわないかなというのをちょっと心配したものですから。ありがとうございました。
○意見陳述者
 ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他はいかがでしょうか。
 ○○先生、お願いします。
○○○委員
 評価対象技術が横穴つきと骨セメントになっていて、比較対照が通常の横穴なしの人工骨になっているのですけれども、横穴つきと骨セメントが一つの技術としてこれを評価したいということでよろしいのでしょうか。
○意見陳述者
 先生のおっしゃるとおりというふうに考えております。
○○○委員
 ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。
 企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
○意見陳述者
 ありがとうございました。失礼いたします。
(意見陳述者退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、Expedium Verse Fenestrated Screwシステムに係る分析枠組みについて、御議論をお願いしたいと思います。
 御専門の先生がいらっしゃいますので、○○先生、○○先生、コメントをお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
○○○委員
 一応、対象の症例は問題ないと思いますし、あと、一番心配したのはやはり骨粗鬆症という患者さんの中で症例が偏ってしまったらどうするかということなのですけれども、その辺も一応企業のほうである程度の数で差はなくなるということをおっしゃったので、僕は問題ないと思います。このままいければいいと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ○○先生、いかがでしょうか。
○○○委員
 私も基本的にはこの枠組みの比較対照研究ということで構わないかと思います。ただ、製品自体に関しまして、私が少し危惧いたしますのは、横穴式スクリューが持つ潜在的なリスクというものに関しては、専門的に考えますとやはり骨皮質を穿破した場合、腹腔内にセメントが流出してしまうおそれがあるというようなリスクは本品ならではといいますか、ほかの製品にはないリスクと考えます。そういった重大な合併症が起きた場合のリスクは、常にこの製品にはつきまとうものと考えております。ただ、本研究の趣旨は、既存品と比べて本品が骨脆弱性を有する椎体の初期固定においてどのような強度を持ち、それがまた臨床的にどのようなよい効果をもたらすかということを客観的、定量的に評価するという趣旨と考えますので、本研究の趣旨からいたしますと、この枠組みというのは、私は適切だと思っています。
 ただ、1つだけ老婆心ながらつけ加えさせていただきますと、本製品は極めて新規性の高いアイデアのある新製品でございまして、当然それを使う外科医というのは、新たなものにチャレンジするということで、新たなものに対するある程度歓迎の意思があり、本品を手術で使うというようなことがきっと多いかと思います。そのときに若干評価する側にはある程度バイアスがかかっております。
 一方、従来品を使っているスタディーでは、あらかじめ掘っておいた穴に人工骨を詰めてスクリューを挿入するものと、また、そうでないものではどういった違いがあるのかというような既存の技術を客観的に評価したいというような、いわばバイアスが比較的少ない状態でスタディーを進める場合が多いかと思います。そういった場合、新規製品に関して評価をする外科医の側に多少精神的にバイアスがかかってくるというようなスタディーデザインにおいて症例を選んだり、あるいはテクニックにおいても多少はバイアスがどうしてもあります。ただ、それをいったら臨床的なものの評価ができなくなってしまいますので、そこまで厳密にするのは臨床においてかなり難しいと考えておりますが、やはり臨床においてはいろいろなことがバイアス、あるいは変数として入ってくるということは了解した上で研究を進める必要があると思います。
 以上です。長くなりました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 貴重な御意見を大変ありがとうございます。今のお話は、医薬品と違ってデバイスの場合はオペレーションの要素があるという御指摘なのかと思いました。私から少し瑣末な御質問なのですけれども、先生がおっしゃったことに関わり、新製品のデバイスについて、術者のラーニングカーブというのがよくバイアスとして議論されることがあるのですが、今回、骨セメントの注入とかを含めて何かそういったようなところを配慮した議論をしていく必要があるかどうかというと、先生のお考えはいかがでしょうか。
○○○委員
 ありがとうございます。私は、本製品を使う医師というのは、ラーニングカーブにおいては過去にペディクルスクリューをかなり手慣れた者が恐らくチャレンジするというか、使うように思います。と申しますのは、やはりどうしても穿破してしまうと重大な合併症を起こす可能性があるというような危険性がありますので、やはりある程度自信のある、腕に覚えのある外科医が本製品を最初に使ってくると思います。そういう意味では、ラーニングカーブには本製品を使用する外科医はある程度スキルを持った外科医がこのスタディーに参加すると考えてよろしいかと思います。また、一方、既存品のペディクルスクリューの評価に関しましても、ある程度そういうスタディーをパブリッシュする外科医というのはラーニングカーブの点においても安定している外科医が比較対照研究の発表をパブリッシュすることが多うございますので、私は、ラーニングカーブの点では、なかなかこの比較対照の研究においてさほど神経質にならなくていいのではないか……。
○費用対効果評価専門組織委員長
 先生、ちょっと音声が途切れましたけれども、趣旨は理解させていただきましたので、ありがとうございます。
 その他の委員の先生方、いかがでしょうか。御意見、御質問ございますでしょうか。
 ○○委員、ありますか。
○○○委員
 今の臨床上のバイアスは非常に大事なことだと思いました。例えばスクリュー緩みのリスクというのが指標の一番上に書かれていますけれども、ほかの再処置率や再手術率はかなり客観性の高いものですが、スクリュー緩みというのはどのように判定されるのか、臨床の場でもし情報があったらお教えいただければと思いました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 いかがでしょうか。○○先生、○○先生からコメントいただければと思いますが。
○○○委員
 やはりエックス線所見とかでも緩みがわかると思います。あと、変形とか外観の角度とかですね。
○費用対効果評価専門組織委員長
 よろしいですか。
○○○委員
 私も○○先生と同じで、主に画像による評価かと思います。
 以上です。
○○○委員
 分かりました。では、施術者が評価したらちょっとバイアスが入るし、ブラインドで別の評価者がすれば、そこのバイアスは避けられるかもしれないということなわけですね。
○○○委員
 恐らくそういった意味で、その辺は施術者以外も見て納得できるような事実に基づいた評価を下すと考えます。
 以上です。
○○○委員
 ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生、いかがでしょうか。御意見ございますでしょうか。
 お願いします。
○○○委員
 先ほど横穴のスクリューからセメントを入れるため既存の医療機器にはない骨セメントが流出するようなリスクに関するお話がありましたが、骨セメントは日本で保険適用外ということで、こういう骨セメントが漏出したりする場合、そのリスクに対する手立てというか、治療というのは何か方法があるものなのでしょうか。
 こういうリスクがどれぐらい起きるかによって、今後、費用としてその治療にどれぐらいのお金がかかるかというところにも多分関係するかと思うので、特に骨セメントが日本では適応外という状況なので、実際の先生方は、もし漏出した場合とかにはどういう手立てを行われるのかなというところをお聞きしたいという趣旨です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○先生、○○先生、よろしければお願いできますでしょうか。
○○○委員
 まず、骨セメントは、ハイドロキシアパタイトは一般的に先生がおっしゃるとおり確かに脊椎手術の保険でなかなか賄われることはないかと思いますが、ただ、人工骨は普通に脊椎手術でも保険適用されて使用されておりますというのがまず1点目です。
 それから、椎体、脊椎の骨外にスクリューの先端が穿破してしまって、穿破した先端からハイドロキシアパタイト、ペースト状の人工骨が腹腔内に流出した場合の何らかリカバリーショットの方法でございますが、通常は重要な臓器に損傷が及ばない穿破、漏出に関しては放置すると思います。つまり、わざわざそこから腹膜を開けてあふれ出た骨ペーストを除去するということは、リスクと効果を考えまして、しないと思います。
 一方、何らか重要な臓器に圧迫ないしは影響を及ぼしたと考えらえる場合は、恐らくは消化器外科医を呼んで腹膜を開けて腹腔内臓器の損傷の確認で、何らかの損傷があれば消化器外科医による損傷部位の外科的な治療を行うことになると思いますので、万が一腹腔内に穿破したスクリューないしスクリューからはみ出た骨ペーストで腹腔内臓器に何らかの障害が出たと考えられる場合は、消化器外科と共同でリカバリーショットの手術に当たるということになるかと思います。
 以上です。
○○○委員
 このスクリューを使う場合は、透視を使いながら入れるので、そんな大量に腹腔内の漏れることはまずないのではないかと考えます。もし本当に○○先生が言われたように重要臓器にくっついて障害が出るという場合には外科的処置しかなくなってしまうので、整形外科医ではなくておなかを見る先生に来ていただくということだと思いますけれども、さっき言いましたように透視を見ながら入れていくので、そういうリスクはかなり少ないのではないかと。
 逆に言うと、僕は骨セメントで一番心配しているのは、感染してしまったときに抜けなくなってしまうのですね。人工骨だと感染したときにスクリューを抜いて洗うことができるのですけれども、骨セメントだと抜けなくなってしまうので、合併症としてはそちらのほうがかえって心配に思っています。
 以上です。
○○○委員
 ありがとうございました。
 今回この製品がチャレンジ申請という申請枠組みの中で承認された機器ですので、まだ臨床試験のデータもは多分そんなに十分にあるわけではなさそうなので、有効性及び安全性に関して、どこまでのデータがあるのかということと、リスクに対する対処に関する情報がどのくらいあるのかというところに注意が必要かと思い、質問させていただきました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 今のところ、先生方の御意見を伺いますと、大きく4点ほどの指摘がありました。まず、骨粗鬆症への偏りの対策と、あとは骨セメントの合併症の取扱いと感染症などの対策みたいなもので、新しいデバイスであるというところも含めて、スクリューが抜けないということに関してどこまで考慮するのかであったり、結局のところ、どの程度安全性、有効性に関するレベルの高いデータが集められるかというような辺りが今後、枠組みを決めた後の次の議論になるのかなと先生方の御意見をまとめさせていただいたところでありますが、その他、委員の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、議決のほうに入らせていただきたいと思いますが、私が一時退席となりますので、退席中の議事の進行は委員長代理にお願いしたいと思います。○○先生、よろしくお願いいたします。
○○○委員長代理
 承知しました。委員長の代理として議事を進めさせていただきます。
(費用対効果評価専門組織委員長御退席)
○○○委員長代理
 それでは、議決に入らせていただきます。委員長を除く先生方の御意見をまとめますと、Expedium Verse Fenestrated Screwシステムに係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○○○委員長代理
 ありがとうございます。



 

(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第2係

代表: 03-5253-1111(内線)3140

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