第16回厚生科学審議会結核部会 議事録

日時

令和8年7月22日(水)13:00~15:00

場所

中央合同庁舎第5号館 共用第6会議室

議題

(1)病原体サーベイランスにおける都道府県と国のあり方について
(2)BCG接種の方向性について

議事

○小谷結核対策推進室長 定刻となりましたので、ただいまから第16回「厚生科学審議会結核部会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日、議事進行を務めさせていただきます感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。よろしくお願い申し上げます。
 本日の議事は公開となります。議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 本日はウェブ会議で開催することとしております。ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞こえないなどのトラブルが発生した場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事いただければと思います。
 五十音順に、大角委員。
○大角委員 大角です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 木添委員。
○木添委員 木添です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 慶長委員。
○慶長委員 慶長です。本日もよろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 佐々木委員。
○佐々木委員 佐々木でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 笹本委員。
○笹本委員 笹本です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 釣永委員。
○釣永委員 釣永です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 劔委員。
○劔委員 劔です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 由藤委員。
○由藤委員 由藤です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 和田委員。
○和田委員 和田です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
 なお、阿戸委員から御欠席の連絡と、早川委員から遅れて参加する旨の御連絡を頂いております。
 また、本日は参考人として、JIHSの呼吸器内科、髙﨑仁先生に御参加いただいております。
○髙﨑参考人 よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 以上、現在、委員13名のうち11名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○小谷結核対策推進室長 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第、委員名簿、資料1、2になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は慶長部会長にお願いいたします。
○慶長部会長 それでは、本日も結核部会ということでよろしくお願いいたします。
 議事に入らせていただきます。本日の議題(1)「病原体サーベイランスにおける都道府県等と国のあり方について」ということで、資料1につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 事務局より資料1について御説明させていただきます。「病原体サーベイランスにおける都道府県等と国のあり方について」でございます。
 1枚おめくりください。まず、前提として「『結核に関する特定感染症予防指針』の見直しにかかる検討について」、御説明させていただきます。結核に関する特定感染症予防指針につきましては、御提示のとおり、第9までの項目となっております。
 1枚おめくりください。それを踏まえまして、結核に関する特定感染症予防指針の改正に向けた検討事項という形で、委員の皆様の御意見を踏まえながら、現在までの検討状況を一旦まとめております。結核病床・DOTSについては第13回、第14回で議論を行い、サーベイランスについては第15回で都道府県等についての議論が行われましたが、本日、国の果たす役割についての検討とさせていただきます。定期健康診断については、14、15回において議論が行われ、具体的な目標設定については次回検討を考えております。BCGについては今回検討の議論にのせさせていただこうと考えております。今後としましては、次回検討予定の具体的な目標設定を含む改正内容全体について議論を進め、令和8年度中に改定指針の告示を目指すと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 続いて1枚おめくりください。「病原体サーベイランスにおける都道府県等と国のあり方について」の議論をさせていただきます。
 1枚おめくりください。前回議論の方向性としまして、都道府県等は、医療機関・民間検査機関に対して、死亡事例を含め、確実に菌株を提供する体制を構築するように周知しつつ、全ての結核菌株を収集するよう努める方向で了承を得られたところでございます。都道府県等は、加えて医療機関・民間検査機関等で実施された薬剤感受性検査結果の確実な把握を行う体制の確保や、必要に応じて全ゲノムシークエンス等の遺伝子検査等から得られた情報を用い、薬剤感受性検査結果の把握のさらなる向上に努める方向で了承を得たところです。また、分子疫学的サーベイランスを実施することで菌株の関連を可視化し、潜在的なアウトブレークの発見や隠れた感染源の探索、調査の精度の向上などに役立てることができる。自治体を越えて広域な疫学調査ができるよう、国主導で一元的なサーベイランスが可能となる体制を構築すべきといった御意見も頂いているところでございます。
 1枚おめくりください。ここからは前回の資料から一部抜粋しております。病原体菌株収集に関しては、患者から採取された検体は医療機関または民間検査機関において培養検査を行い、結核菌が培養陽性となった際には都道府県等が収集・保存することとなっております。都道府県においては、培養陽性検体についてほぼ全株を収集できている例がある一方で、全く収集を行っていない例もあるということもこのデータから出ております。
 1枚おめくりください。その中でも特に菌株をきちんと収集いただいている神戸市の取組について前回御報告いただいたところです。菌株収集・保存・解析の意義を携わる各人が理解することが協力体制につながるといった御意見も頂いたところでした。
 1枚おめくりください。続いては、病原体サーベイランスの分子疫学的手法についての資料です。VNTRは大部分の自治体で実施されている一方で、WGSは一部の自治体でしか実施されていないということが分かっております。WGSを実施していない自治体が87%にも上るということも分かっております。ゲノム検査の活用については、管轄地域内の情報共有にとどまっており、具体的な方針が定まっていないことも大きな課題という形で提示されております。
 1枚おめくりください。その中でもVNTRをうまく活用しながら結核の分子疫学的調査を実施されている例として、こちらも前回の資料でございますが、大阪市の取組について御報告いただきました。医療機関により提供された結核菌株を大安研にて保管、必要に応じてVNTR分析を行い、保健所において菌株の由来患者の疫学情報との重ね合わせを行うといった方法を取ることによって、活用事例の一つとして、日本語教育機関での集団感染事例へのフォローアップ等ができたという御報告を頂いております。こちらは次のページにございます。こういったものを踏まえまして、今回提示させていただく案です。
 1枚おめくりください。病原体サーベイランスについて、菌株収集及びゲノムシークエンス情報について現状と対応案を検討させていただきます。現時点では、全国で共通プラットフォームにおけるゲノムシークエンス情報の収集体制は構築されていないといったところがございます。個人情報管理等の観点から、都道府県等の管轄地域を越えたクラスターの発生状況を把握することが困難な状況にあるということも一つの課題だと認識しております。
 そういった中で方向性(案)として提示させていただくものとしましては、菌体収集に関しては、特定の機関に収集・保管することは搬送キャパシティーの観点等から現実的ではないと考えており、引き続き、可能な限り都道府県等において保管する方針としてはどうか。次に、ゲノムシークエンス情報について、都道府県等の管轄地域を越えた情報共有が可能となるよう、国におけるプラットフォームの構築支援を検討してはどうか。3点目は、同プラットフォームについては、結核菌ゲノム情報を結核予防会結核研究所等の学術機関が活用し、日本の結核の現状調査や多剤耐性に関する研究に資することが期待されると考えております。また、公衆衛生の観点からは、クラスター対応の一環として必要な個人情報の活用及び都道府県等の管轄を越えた情報共有が必要となるため、国立健康危機管理研究機構(JIHS)と連携した体制の構築を進めてはどうかという形で提示させていただこうと考えております。
 以上、事務局からの資料の御説明です。御議論、御意見等頂けますと幸いです。よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございました。
 続いて、参考人の髙﨑先生からのお話ですが、髙﨑先生は、NCGMにおいて結核病棟の責任者として臨床医として活躍しておられて、また保健所の感染症審査会で委員をやっていらっしゃると理解しております。病原体サーベイランスに関するご活動については、私、不勉強であまりよく分かっておりませんので、その辺りも含めて御説明いただけると大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。
○髙﨑参考人 御紹介ありがとうございます。国立国際医療センター呼吸器内科の髙﨑と申します。
 今回、病原体サーベイランスにおける、一番最後のスライドのところに関しまして、JIHSと連携した体制の構築を進めてはどうかということを御提案いただきました。私たちは結核に関しましては、先ほどの慶長先生のお話のとおり、臨床で診療に主に臨んでおりますが、昨年からNCGMと感染研が合併いたしまして、JIHSとして感染症サーベイランスに関する情報集約等についてやるようになっておりました。
 先々のことについてということになると、私たちとしては、結核の分野において、まずは菌株収集と解析につきましては、現状としては、私たちの病院で診療を行った患者さんについて結核予防会のほうに菌株を提供して、それで多剤耐性の迅速遺伝子感受性試験をやっているという現状になっております。
 今後の見通しとして、菌株の収集に関しましては、東京都の状況を簡単にお伝えしますと、東京都では、およそ1000人の患者さんがいて、菌株が収集されているのは300人分の検体ということになっておりまして、培養陽性が800、そのうち半分弱ということになります。全国の状況におきましても、新登録結核患者数、2024年で患者が判明しているのは6423人、うち、HRの感受性結果判明が4500人ということで、およそ8割ぐらいしか培養が陽性になっていても感受性が調べられていないという状況になっているのが現状です。
 今後、病原体サーベイランスにおいて菌株の収集を行うに当たっては、まず基本的には全株収集を目指すということを東京都でも提案しております。VNTRを東京都で行っているわけですけれども、VNTRに関しましては、キャパの問題になりますが、現状としては三百数十名が限界になります。東京都におきましては、そもそも検査をやるやらないにかかわらず、まず収集を目指すということが一つの方針となっていくであろうと考えます。
 一方、ホールゲノムでやるか、VNTRでやるかということに関しましては、臨床医としての立場といたしましては、ホールゲノムのほうがより確実であると思われます。なぜかというと、薬剤感受性が同時に確認できるからです。ヨーロッパの先進国、オランダ、ドイツ、イギリス等におきましては、培養陽性検査については国のレベルでホールゲノムを実施して薬剤感受性を確認するということになっております。
 臨床医としては、培養が陽性になって薬剤感受性が確認されないものが数十%あるということは非常に残念なことでございまして、これを上げるためにも、あくまで将来的な構想としては、ホールゲノムで解析する体制をいろんな問題を超えて整えていくのがいいと考えております。
 長くなりましたが、以上です。
○慶長部会長 ありがとうございました。
 それでは、今のお話を含めて、事務局からの説明も踏まえまして、御意見あるいはコメント、御質問等ございますか。
 大角先生、よろしくお願いします。
○大角委員 ありがとうございます。
 まず、最後のスライド、菌体収集に関して、搬送キャパシティーの観点から現実的ではないというのがよく分からなくて、結局、日本の現実の結核菌の検査に関しては、病院からラボのほうに委託しているのがほとんどで、企業のプライベートラボですが、そこで多くの検体が陽性になっているというのが現状です。病院でやっているところも当然あると思いますが、そこからまた、このアイデアだと、都道府県に保管するということは、地衛研のほうに搬送するということですね。その手間と、今、髙﨑先生からありました話ですが、集約化して幾つかの国のラボ、国レベルのラボに集約化するというふうにしたほうがいいのではなかろうかと、いいというのは、精度管理も含めて、あと、効率ですね。WGSに集約化するという方向であれば、集約化したほうがいいのではないかと思います。菌体収集に関して都道府県に集めるということよりも集約化したほうがいいのではないかというのが私の意見です。
 あと、共通プラットフォームのシステムです。何回も話が出ていますが、結核研究所のほうで使用されていまして、幾つかの地衛研、保健所が参加してゲノム解析のプラットフォームを利用しているという状況になっています。ほかにもそういうシステム、運用があるということであればいいですが、既存のものを集約するということでいいのかなと、そこの3番目のポツの「結核研究所等の学術機関が活用」というところにJIHSの役割分担としてのフィールドへのフィードバック、モレエピに関するところは当然そこでそのシステムを使ってということになりますので、連携、協働していくということになろうかと思います。今後、そういう連携をどう構築していくかが課題という状況かと思いますが、そこは重要な観点かと思いますので、御考慮をお願いいたします。この2点です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 今、大事なことをお話しいただきましたので、1番目の件に関して、例えば地衛研のほうでどう考えていらっしゃるのか、三﨑先生の御意見を伺ってもよろしいでしょうか。それぞれの自治体で保管する方針を決めていってほしいと思っていらっしゃるのか、それとも集約して、例えば、逆に都道府県で保管のキャパがない場合に、もうちょっと広域で保存するとか、あるいはほかの施設に持っていくとかいうことをこのような形で決めてしまうことがそれぞれにとってよいことなのかどうかという点についてどんなふうにお考えになっているか、伺ってみたいと思いますが、よろしくお願いします。
○三﨑委員 川崎市健康安全研究所の三﨑です。
 地衛研は現時点で全国に87か所あります。それぞれのキャパシティーや検査技術もそうですし、勤務する人数についてもかなり差があります。検査ができるところもあれば難しい地衛研もありますし、先ほど見せていただいたように、ゲノムシークエンスそのものもできるところと、できないところ、あるいはこれからやろうとしているところもあります。私は川崎市なので、川崎市について言えば、コロナが発生する前からゲノムシークエンスの機器を導入して検査ができるようにしていて、その中で、ウイルスだけではなくて細菌も検査したほうがいいということで、結核研究所の先生方にいろいろと御指導を仰ぎながら、結核のゲノム解析もなるべく行うようにしております。
 うちで収集している菌株は、市内全ての医療機関から菌株が集まってくるわけではなくて、協力を仰いでいる医療機関からコンスタントに出たものを搬入していただいて、それを、一部ではあるのですが、菌株としてうちの研究所の中にストックしています。市内でクラスターが発生したときに、実際にDNAとゲノムシークエンスを組み合わせて経路が分かった事例もあり、地衛研に菌株が保管されていると、疫学的な情報を踏まえて、その場で検査もすぐにできて、シンプルに状況が分かるというメリットは非常に大きいと思います。ですので、全てを中央集約するだけではなくて、状況に合わせて検討することで役立つ部分もあるのではないかと思います。
 ただ、先ほどどなたかおっしゃっていたように、もっと先のことを考えると、技術はどんどん進歩していますので、やはり全ゲノムをきちんと解析する、そういった検査を全国的に統一してできるような方向にしたほうがいいと考えています。まとまらない発言になってしまいましたけれども、そのような状況かと思います。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 状況に応じて柔軟に対応したほうが、今、一律に決めてしまわなくても、というような御意見と感じたのですが、ほかの先生方、このトピックに関しての御意見があればお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 佐々木委員、よろしくお願いします。
○佐々木委員 まず、基本的に病原体サーベイランスを行うということには賛成しておりまして、フルゲノムの解析に賛成しております。東京都の会議に私も参加しておりますので、東京都の御意向も承っているところでございますが、今まで結核研究所がなさってきた解析についても非常によく整理されて利用されているということも敬意を持って見ているところでございます。
 ただ、一つ、病原体サーベイランスは、結核の場合は今までの病原体と異なるという意識を持たなければならないということがあります。今までは急性の感染症に対する病原体サーベイランスであったわけで、すぐその場でその情報が使えるということが原則でありました。ただ、結核の場合は菌株保存ということをなぜするかというと、将来的に潜在している方が起こってくるかもしれない道筋をたどるという、一般の方が理解しがたいところ、あるいは今、現場の方たちが自分たちが使う情報以外のものを将来的に得るために保存しておくという目的があることが明確に示されない限りは協力してもらえないのではないかということがあります。ここをちゃんと表明しないで、病原体サーベイランス、菌株保存の話はできないと考えております。その目的を今まで果たしてこられた結核研究所でデータを出してこのようにやっていらっしゃってということが結核を学んでいる者からすると見えることができるので、それを知っている人たちは多分賛成すると思っています。
 あともう一つ、例えば菌株が年間に6000株出たら日本のどこで保存できるかという問題があります。例えば、年間に300検体集まった、5年分で1500株、どこに置くのだということを考えると、多分一つの県の健康安全研究所では保存できない。長い間保存しておいてくれといってもできないというところがあります。適切な形で保存する方法あるいは技術の開発も今まで保存を含めてそのお仕事をやっていらっしゃったところで、統一して行っていただくのが、制度管理の点で最も良いのでは、と考えております。コストの面でも、まとめて遺伝子解析をしたほうが安いということも言われておりますし、将来的にデータの散逸をしないという点でも非常に重要な考え方ではないかということです。
 一つは、まとめて保存するほうが地方にも負担はかからない。情報の散逸も起こらない。ただ、目的をきちんと示さなければ、今までの病原体サーベイランスとは異なることを日本はやらなくてはならない。その目的は何かというと、日本の結核をなくすためですね。そこをはっきりお示しして、この事業をやるべきではないかと思っております。
 以上です。
○慶長部会長 佐々木先生、ありがとうございました。最初のトピックについても御意見を頂きまして、ありがとうございます。
 これに関して事務局のほうでは、最後のページに戻っていただいて、1番目の丸ポツ、分散型みたいな形で書かれたものですが、必ずしもそういう形をつくらなくて、むしろいろいろなことを考えたときに集約させることも大事なのではないか、そういう御意見が出ていると思いますが、いかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。貴重な御意見を頂いたと思っております。
 三﨑委員がおっしゃったように、地衛研の中でのキャパというのもかなり差がある中において、我々としましても、原則として、今までの取組の中でやれるところについては、各県の中で取組としてプラクティスを積み上げていくことの重要性もあるという御意見だったかと思っておりますが、他方で、キャパ的に無理という形になった際には、これを一律に回すというような形にするのではなくて、実情に応じた形でお示しするのが適切なのではないかと考えております。
 一方で、佐々木委員からおっしゃっていただいたように、そもそもこれをやる意義をしっかり明記すべきであるということは非常に重要な点だと思っております。それは今後、指針等の中に盛り込んでいったり、あるいは指針に書いたから終わりではなくて、様々な機会を用いて自治体の方々に理解していただく取組を続けていく必要があるのかなと感じた次第です。
 感想みたいになってしまいましたが、基本的には御意見を踏まえて検討させていただきたいと思っております。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 そのような御回答を頂きましたが、よろしいでしょうか。
 大角先生のお話に戻りますと、3番目の問題に関しても触れられておりましたけれども、JIHSとの連携の話、これは、もともとJIHSが個人情報を扱える機関として、そういうことで連携が必要ではないかということが恐らく背景にあったと思いますが、この点に関しては何か御意見等、委員の中でございますか。
 釣永先生、どうぞ。
○釣永委員 釣永です。
 そもそも論で教えてもらいたいのですが、JIHSだと、どこまで情報が取れて誰がアクセスできるか、個人情報の問題はJIHSはどこまで解決できて、現状、制度上問題なのか。ここに書かれているように、都道府県を越えての適用、個人情報は、大阪府庁に行ったときですが、何を根拠に患者情報とかデータを渡すのですかと、根拠がないので渡せませんと、記録的につながるデータかもしれないのですが、その情報を出す根拠がないと言われたことがありました。JIHSだと、それがどういう位置づけで乗り越えられるかというところを整理して教えていただけるとありがたいです。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 これはどうしましょうか。事務局からか、あるいはJIHSの髙﨑先生からか、どちらでも結構ですけれども、現状を教えていただければと思います。
○小谷結核対策推進室長 では、私のほうから。JIHSは、もともとはベースとして国立感染症研究所という枠組みがございましたので、今回、新しく国立健康危機管理研究機構法(JIHS法)に基づく法という形の中で明確に記載されております。感染症法に基づく形で収集されているデータ、NESIDに基づいて情報は収集されて、感染症発生届に基づいた個人情報は全て収集されておりますし、その中で公衆衛生学的目的に合致する情報については県域を越えた対応で情報提供を行い、必要な公衆衛生学的行動ができるということについては明記されております。条文のどことまでは手元にございませんが、一応そのような形になっております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 JIHS法というのができて、その中に感染症法との関係が書かれている。ただ、実際にそれをどのように運用していっているのかという点に関しては、今回の参考人の髙﨑先生を含めて、実際のところ、まだやっていらっしゃらないのではないかという気がするのですが、何かコメントございましたらお願いいたします。
 三﨑先生、どうぞ。
○三﨑委員 ありがとうございます。
 感染症法に基づいてJIHS感染研で発生動向調査事業を行っておりますけれども、結核だけは週の数、報告された数のみを計上しておりまして、結核の詳しい内容については恐らく現在の疫学センターなどでも把握していないと思います。各自治体では、結核担当者が細かい情報を集めて疫学調査をして、個人的に患者さんにアプローチして情報を頂いて、それらをまとめています。その地域の中で、拠点病院の先生方から頂いた情報や検査結果を基に解析して、患者さんを見つけて特定していくというような流れを取っていて、感染研との情報共有はしていないと思います。私も疑問に思ったのが、JIHSの中のどの部署が結核について担当してくれるだろうかということです。できればそういった細かい記録情報や臨床情報を含めて、結核研究所の先生が入ってくださるほうが患者さんにとってはいいのではないかと思っておりました。それがどういうやり方でできるかは、今、思いつかないところですが、そんなふうに思うところです。
 以上です。
○慶長部会長 三﨑先生、ありがとうございました。
 髙﨑先生、どうぞ。
○髙﨑参考人 ありがとうございます。
 今、御指摘のあったとおりで、現在の状況でJIHSが把握できるのは発生届の一部の状況ということらしいです。実際のところ、私たちも、これからJIHSとして何ができるかということに関しては、今後、検討していこうというようなことを考えております。私たちのNCGMと、あとは感染症研究所、いわゆるFETPを擁する応用疫学研究センターであったり、感染症サーベイランス研究部であったり、疫学センター、その辺りの新しく感染研からJIHSにまとまっている中でチームをつくって、厚労省の先生方とよく御相談しながら今後検討していくということになろうかと思います。
 ただ、実際にどんなことができるかということに関しましては、今後の検討になるのですが、例えば私たちの病院で診療していた患者さんの中には、日本人で海外渡航歴もなくリスクもなくという20代の若い患者さんが、いきなり初回の結核でプレXDRの患者さんが出た、そういう事例が起きてきていますので、私たちが非常に関心を持っているということに関しましては、いわゆる耐性菌サーベイランスという形になろうかと考えております。これは今の段階では私見であります。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 ありがとうございます。
 JIHS法は、先ほど三﨑先生がおっしゃったような内容も法律の条文の中に書かれていて、医療に関わる科学的知見等の情報収集もJIHSの中でやるということが書いてあるので、結核に携わっていくと、保健所の方々が収集した情報も収集の対象になってくるということになるのではないかと思います。恐らく心配されているのは、その使い方というか、集めた情報をどういう形で扱っていくか、それをどうやって応用していくかということについての使い先がはっきり見えないということではないかと思います。これらの情報収集は、先ほども少し申し上げましたが、結核は現在の感染症ではなく、何年か前まで遡るものです。その人たち、過去にこれらの法律がなかった時代に感染した方たちの結果としての情報が集められるわけなので、倫理的に難しくならないかと考えます。取扱いが難しく、患者さんたちに御理解いただいて、その人たちの行動を明らかにするときに、患者さんたちのプライベートなところに踏み込むようなことをしなくてはならない。それが保健所の人間である場合とそうでない場合、相手の方の対応が異なってくると思えるわけで、どのような形で医療情報の収集をし、それをどのような形で返していくかという形が見えていない現状では、今、議題に上がっている協力関係のところは、現行の結核研究所あるいは保健所の活動以上のところは我々は見えないのかなと思うところです。それは髙﨑先生、いかがなのでしょうか。
○慶長部会長 髙﨑先生、どうぞ。
○髙﨑参考人 ありがとうございます。
 今の時点でJIHSが何か行動を開始するといった場合は、先ほど三﨑先生がおっしゃったとおり、結核予防会との連携は絶対に必要なものだと考えております。まずは、今、御指摘のあったように、実際にJIHSとして結核に、正直に申し上げますと、どれくらいのウエートで参加できるかということに関しましては、内部での調整はまだ行っておりませんので、これは今後の課題というふうに申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 今の皆様の御意見を踏まえると、3番目については、もうちょっと結核研究所とJIHSの間が近い状態でないといけないというふうに取れるのですが、例えば佐々木先生であれば、ここのところをどういうふうに書けばしっくりすると思われますか。
○佐々木委員 管轄を越えた情報共有が必要となるため、JIHSと連携したというところの、何と連携するかというのがないのですね。結核研究所等の学術機関ではなく、従来、研究を行ってきた結核予防会結核研究所とJIHSとの連携による新たな体制の構築を検討してはどうかと。
○慶長部会長 そういった考え方に関して、逆に事務局のほうで、それはできないとか、あるいは委員会の考えであればそういうふうにすることは可能であるとか、そのあたりのところをコメントいただけますか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、現時点においてはJIHSが多くの意味で結核の何かを担っていないというのが現状だと思っておりますが、他方で、我々が求められている一つの結論でございますけれども、県域を越えた形で見逃されているようなクラスターとか拾い切れていないものをきちんと拾っていくという形が、佐々木委員がおっしゃるように、日本から結核をしっかりとなくしていくことにおいて重要であるという点に立つのであれば、JIHSと、今まで担っていただいている結核予防会結核研究所との連携ということは非常に重要だと思っております。文言としてどう書けるかについては、また関係機関の意見もございますので、そこは調整させていただき、検討させていただければと思っておりますけれども、ビジョンとしては同じだと、事務局としても同じだと思っております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 学会も存在しております。学術的な検討は学会も行っておりますので、ぜひ学会のことも御考慮いただければと思います。
○慶長部会長 ほかの先生方から前半に関しての何かコメント等ございますか。
 釣永先生、どうぞ。
○釣永委員 先ほどからそもそも論で申し訳ないですけれども、ホールゲノムを読んだら菌株は保存する必要性はやはりあるのですか。電子データとして保存してしまえば菌株保存は要らないのではないかと、安易な考えで申し訳ないのですが、臨床医的には、VNTRなら限界があって一致しないと思うので、やはりホールゲノムを読むべきで、ホールゲノムさえ読んでしまえば菌株は必要なのかなと、5年ぐらいは置いていてもいいのかもしれないですが、5年たてばカルテのように捨てていくみたいな、5年でいいのかどうか難しいところですけれども、そうすれば結核研究所に集約しても現実的ではないかと思ったりします。また新たなゲノムの情報が変わる、シークエンスの技術も変わるから、やはり保存しておくべきなのかどうか、詳しくなくて申し訳ないのですが、教えていただけたら幸いです。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 佐々木先生、お答えでしょうか。
○佐々木委員 科学的な意味ではなくて、釣永先生の疑問は私も思ったのですが、科学は何が起こるか分からないので、日本は結核がどんどん減少していって新しい観点から見なければならないときに、やはり違う技術が出てくる可能性があるかなと思っておりますので、今、この議論はちょっと早いかなという気がします。廃棄の問題に関しては難しいと思います。微生物の先生方がそれはいろんなことを考えて検討しなければならないかと思っております。
 余計なことかもしれません。すみません。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 大角先生。
○大角委員 ありがとうございます。
 生の菌、生きた菌を保存すべきかどうかということですが、佐々木先生がおっしゃったように、将来の技術をいろいろ適用するときに、生の菌からスタートしなければ駄目だという面が起こり得るということが一つです。
 もう一つは、DST自体もWGSをやればみんな分かってしまうかというと、必ずしもそうではないこともある。今のところ、培養して今までどおりやらなければならない部分が残っているという面があるみたいで、WGSをやれば全て追えるだけの完璧なものかというとそうではないみたいです。そこは将来のためというのと、あと、DSTの結果次第で必要なところを適用することはあるということかなと思います。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 私もホールゲノムは関わっておりまして、結核菌も対象とするのですが、そういった研究者の立場からお話しいたしますと、今のホールゲノムと言っておりますのは、多くの場合、ショートリードシークエンサーを使っていて、結核菌を扱う医療分野では何が欠けるかといいますと、一つはリピートの部分がかなり欠けます。リピートの部分はショートリードではうまく読めないところがあって、それは削ってしまうのですが、実は結構重要な情報を持っています。ロングリードシークエンサーが出てくることによってそれが補完されてきている状況ですが、一般的な菌の病原体サーベイランスでは、まだほとんど使わない技術なので、そういう点で生の菌を残しておくという意味があります。
 もう一つは、エピゲノムという言葉があると思いますけれども、これもゲノムのA、T、G、Cとか塩基の情報だけではなくて、それのメチル化、そういったことが病原性にどのように関わっているかなど、今のゲノムでは十分な情報を得ていないところがあります。そういったことが将来的な課題として残っているので、やはり生の菌を取っておくことは意味があると私も考えております。
 ほかはいかがでしょうか。
 木添先生、どうぞ。
○木添委員 先ほどJIHSと結核研究所との連携のところが出てきたのですが、現場から見ますと、今までいろんな患者さんの発生がありますと、結核研究所に御相談させていただいて、対応の仕方などの助言をいただいたりしながら、やってきました。今までのことを考えますと、できれば結核研究所のほうを近くに置いて、そしてまた結核研究所とJIHSとの連携というところを考えていただくといいのかなと思っておりますので、その点よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 現場からそういうふうに言っていただける状況ですので、事務局としてもぜひその辺のところを取りまとめていただければと思います。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、事務局のほうで検討いただきまして、新しい方向性(案)ということでまた出していただければありがたいと思います。
 よろしければ、次の議題へ進んでよろしいでしょうか。
 議題(2)「BCG接種の方向性について」ということで、資料2について事務局から御説明をお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 続きまして、BCG接種の方向性について御説明させていただきます。
 1枚おめくりください。現行の特定感染症予防指針においては以下の事項について記載されております。概要になりますが、乳幼児期における高いBCG接種率が小児結核の減少に重要であるということ、BCG接種率の目標値を95%以上とすることという形になっております。
 1枚おめくりください。現在のBCG接種率及び小児結核の発生数の推移でございますけれども、BCG接種対象年齢における接種率は95%以上で推移しております。15歳未満の新登録結核患者数については年間約30人から60人という状況であり、近年は減少傾向にあると考えております。
 1枚おめくりください。BCGは小児結核の予防に対して有効性が証明されており、世界の大多数の国では乳幼児期を対象にした一律接種が実施されています。BCG接種は小児結核の予防に対して有効性があり、特に結核性髄膜炎・播種性結核の予防に対して高い効果があるとされております。世界の大多数の国では、BCGは乳幼児期を対象にした一律接種が実施されておりますが、一部の国ではBCG接種対象者を両親が各国が定義する高蔓延国出身者である児などのハイリスク者に限定しております。国際結核肺疾患連合(IUATLD)によるBCG接種の中止を検討する基準については、1994年のものですが、3つが示されているところです。
 1枚おめくりください。BCG接種についての取組についての考え方でございます。
 現状と課題ですが、BCGは小児結核の予防に対して高い有効性が証明されており、国内での乳幼児期の高いBCG接種率が小児結核の減少に大きく寄与していると考えられます。指針において、BCGの接種対象年齢における接種率の目標値を95%以上としていたところ、BCG接種率は目標値以上を維持しており、15歳未満の新登録結核患者数は年間30人から60人で推移し、減少傾向にあります。一部の国ではBCGの接種対象者をハイリスク者に限定しているものの、世界の大多数の国では現在も乳幼児期を対象にした一律接種が実施されているところです。
 こうしたことに向けての方向性でございます。市町村は、地域の医師会や近隣の市町村等と十分な連携の下、乳児健康診断との同時実施、個別接種の推進、近隣の市町村の住民への接種機会の提供により、対象者が接種を円滑に受けられる環境を地域の実情に即して確保し、BCGの接種対象年齢における接種率の目標値を引き続き95%以上としてはどうか。引き続き、国においては、予防接種に用いるBCGについて円滑な供給が確保されるよう努めることとしてはどうか。また、国は、結核低蔓延国になり、国際結核肺疾患連合によるBCG接種の中止を検討する基準を満たしていることを踏まえ、定期のBCG接種の中止または選択的接種の導入に関する将来の検討に資するため、必要な研究を引き続き進めることとしてはどうか。
 こういう方向性を御提案させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 それでは、この件に関しまして、事務局からの説明を踏まえまして、何か御意見や御質問等ございますか。
 釣永先生、どうぞ。
○釣永委員 小児科医として発言させていただきます。全体の方向性としてはいいのかなと思いますが、では、どうなったらやめるのか、BCGの定期接種を中止、選択接種に移行する基準はどうするのかというのは方向性を示していかなければというところ、世界地図を見れば大多数の国が一律接種を実施されているのは確かですが、そこの罹患率は日本よりはるかに高かったりして、日本の罹患率を踏まえて、あと、BCG接種を中止する基準を満たしている国の中でどれだけBCG接種しているのかというところも疑問ですし、その辺の方向性について御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 御意見のある方、いらっしゃいますか。
 私から、議論の種といいますか、お話を少しさせていただきます。国際結核肺疾患連合のBCG接種中止を検討する基準、現在、3つとも満たされているという理解でよろしいでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 我々の認識はそのとおりです。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 大角先生、どうぞ。
○大角委員 今回、国としてBCGの一律接種を中止するということは選択しないという予防指針になっているのですが、これは10年以上前から議論されていることで、AMEDの加藤班のほうで徳永先生を中心に、BCG接種の中止または選択接種の導入もしくはこのまま継続するかということに関しての継続的な検討が進められていまして、その中でも、今、釣永先生がおっしゃった質問として、具体的にどういうことになったらやめるのだということに関しては、はっきりしたものはないですね。今のこの状況でやめると、BCGで抑制されている発病者が当然発病してくることになると予想されます。ただ一方では、BCG接種による副作用が起こっているのも、まれですが、事実としてあるというところです。国として予防接種を一律接種というところで大きな予算をかけて継続することに対してどうするかということをはっきりと、イチゼロできれいにこうなったから決断できるということは恐らくなくて、やめることもしくは選択的に接種することのプロコン、接種することによる利益もしくは不利益を両方とも当然考えなければならないというところ、将来の検討に資するためというところで継続してもう少し検討しましょうというのが今回出された方向性の案だと思います。研究班のほうで継続してBCG接種に関する検討をして、いつかは決断するということを当然しなければならないと思いますが、もう少し知見を重ねた上で決断することにしましょうということと理解しました。意見です。
○慶長部会長 髙﨑先生、これを受けてでしょうか、どうぞ。
○髙﨑参考人 ありがとうございます。
 私は結核医であって小児科医ではありませんが、当院の小児科でかなりたくさんの接触者健診等の対応を行っております。私も前例があるのは見ているのですが、小児科の医師と話をするに当たって、BCG未接種者の接触者あるいはBCG未接種者の発病者、これらの患者さんと既接種者(LTBI)の発病者、これらに対応する医師の立場からお話ししますと、やはり未接種者の発病者の重症化リスクに対する懸念は物すごく大きなものがあるということは申し添えておきたいと思います。将来的にいつかの段階で具体的にもう少し踏み込んだ議論がされると思いますが、その後の結核の接触者、発病者、小児の結核に関しましては、BCG未接種者としての対応が必要になるということで、重症化が非常に懸念されることを踏まえた上での検討が必要であると考えます。
 以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 ありがとうございます。
 先ほど世界地図が出ていて、アメリカは特定の例に限って打つということがあって、だんだんこういう方向に行くのではないかと、日本の中でも高罹患地域とそうでない地域があるということもありますので、思ってはいたのですが、社会的に考えると、これは差別につながる行為になりますので、一律に地域あるいはグループを特定した接種は、健康に関する話題の場合、危険ではないかということも考えられます。
 日本は比較的アジアに近いという特性から考えて、米国は中南米に近いという特徴があるのですが、グローバル化の波を受けやすいということが一つはあると思います。これから介護職にグローバル化の波が来ることも考えておりますので、全部一度にやめるということに対する影響が一時的なものかということもまだ分からないところかと考えて、これはあくまでおそれにしかすぎなくて、失礼な話なのですが、日本は達成したからやめるということが言いにくい理由は様々で、今までの背景で感染症に対する偏見が強かったとか、小児・乳幼児の結核に対する施設が少ないとか、様々な問題がまだあって、それが解決できないからこそBCGに頼ってきたところもあったと思っております。
 釣永先生の御意見で、どこまでいけばというのは、既に達成しているところで、ここから先というのは、社会的な意義とか、国としてどういう人口構造になっているかということも考えなければ決められないところではないかと思っておりました。学会的に言わせていただくと、徳永先生を中心とした研究班で結論がつかないところであるとするならば、やはりそれはそれなりの理由があって継続しているところがあると思っております。私は、BCG接種者の副作用を全部、年間見ている立場でありまして、どういう副作用が発症しているか分かるのですが、それを凌駕するぐらい小児結核の患者さんの予後は悪いと思っております。今、事務局がお示ししていただいたように、今後の研究の継続を待って正しい日本の道を決定するみたいな形でニュアンスを残していただいたほうが今の日本の状況ではいいのかと思っております。
 以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 確かに前回の予防指針の中でもこのような研究を進めるということは書かれていて、各国でどうやってきたか、あるいはそれを中止するとどのくらいの発生がみられるかというサイエンティフィックな部分をよく検討してきたと思います。しかし、今の日本の体制の変化にどういうふうに対応するのか、あるいは一般の方々にどれだけ理解が得られるのか、任意接種と定期接種(A類)、この枠の中でどのようにできるのか、いろいろなことを社会的な面に関しましても深めていかなければ最終的な結論が出にくいですし、予防接種については科学的な側面以外にいろいろな問題があって、今まで他のワクチンでもいくつか問題が生じていて慎重な対応が必要ですので、さまざまな側面をさらに研究していただく必要があります。
 もう一つは、厚生科学審議会の予防接種部会との連携をどういうふうにするのかということも気になっていますが、事務局のほうで何か御意見ございますか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
 別の部会になりますので、向こうの部会の議論として私たちが連携することは難しいのですが、少なくとも連携しつつではございますが、結核部会としての考えをまず頂きたいと思っております。
○慶長部会長 結核部会としての考えが出ると、それを予防接種部会に持っていって、それが実際できるかできないか、そんな話になるのでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 そのように御理解いただく形が適切かと思っております。
○慶長部会長 恐らく選択接種の場合にどれだけ強く推奨できるかということが問題になると思います。任意接種に近い形ですと、例えば公費負担などあるのか必要な方がやらないということになってしまうといけませんので、いろいろな側面があると思います。その辺に関して、ほかの委員の先生から御意見ありますか。
 今までの専門の先生方の御意見ですと、基本的に今回の方向性に関しては妥当であろうと、また、時期としては早いのではないかということ、ただ、今までにやってきた研究以外の部分で多面的な評価をしていただく必要があるのではないかと個人的には思っております。同じような研究を進めるだけではいけないのではないかと、科学的な側面でこうなったらどうなるというだけではうまくいかないところが出てきそうな気がしております。
 さらにコメントいただけるような先生方、いらっしゃいますか。
 由藤先生、どうぞ。
○由藤委員 話がこれまでのところとずれてしまって申し訳ないのですが、事務方も含めて諸先生方にお尋ねしたいことがございます。方向性の案の中に、引き続き、国においては円滑な供給の確保に努めるということが書いてありますが、コロナの後に日本の薬剤とかワクチンなどの供給についての話がたくさん出たと思います。調べてみると、結核についてBCGは1社製造であって、ラインも1つしかない。冗長性という点で心配なところがあります。それから、実際に数か月単位で供給が止まったことがかつてあります。こうしたことについて先生方は一定の危機感をお持ちなのかということと、諸外国でそうしたバックアップというか、オルタナティブを用意されているのかどうか。それと事務方にぜひお聞きしたいのは、例えば備蓄、ストック、在庫状況、製造している会社のBCP(事業継続計画)等については何かコミットされているのかどうか。もし知見がある先生方がおられたら教えていただけると助かります。お願いします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 2つの面で頂いたと思いますが、専門家に対する御質問については、では、佐々木先生のほうで。
○佐々木委員 ありがとうございます。
 昨年でしたか、BCGの製造会社から価格についての御相談は学会でお受けさせていただいて、今のままでいくと維持が難しい可能性があるということは伺っております。
 また、BCGは、知っている人は知っているという言い方をして恐縮ですが、日本は管針法といって、円形の筒の中に針を9本刺したもので皮膚に傷をつけて、なすりつけてBCG接種をしますが、ほかの国は違うのです。接種法になってしまって、コスメティックに汚くなってしまうということで、日本のBCGは韓国が個人輸入してくれるぐらい優秀なのだそうです。あと、日本の株は優秀だということを聞いています。いろんな国のBCGはあるのですが、接種法が違うので、バックアップするということが難しいのかなという気もします。この辺、管針法でやったらどんなふうになるか、私は存じ上げないのですが、そんな問題も含んでいて、BCGの維持についてはちょっと心配だなと思っております。
 以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 ほかの先生方から何か追加のコメントありますか。
 事務局のほうでバックアップ等の話に関しましていかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
 現状においては、おっしゃるとおりBCGは安定供給というより1社で作っていただいているという形になっております。特段、現状において対応策は行ってはいないという認識でおります。その中において、今後、個社ともきちんと議論させていただきながらですけれども、かなり古くから使われてきているワクチンであり、昨今の物価高、様々な要素で問題点があるということをお伺いしていますので、どういったことができるのかということに関しては、省内、省外含めたところで必要に応じて検討させていただくという形になるかと思っております。
○慶長部会長 ほかはいかがでしょうか。
 方向性(案)自体に関しては大丈夫でしょうか。
 大角先生、どうぞ。
○大角委員 細かいですけれども、先ほど慶長先生がおっしゃった、3つ目のポツの最後の文章の「必要な研究を」というところを「多面的な研究を」ということで、今までと同じ、前回とほとんど変わらない状況では確かにあるので、もう少し多面的な側面での研究を進めるということを書いたらと思いました。
○慶長部会長 ありがとうございます。
 ずっと同じような形で進んでいるのですが、ただ、確かに日本の結核の構造自体は、かなりドラスティックに、外国生まれの方が増えて変わってきているので、そういう意味合いで、10年、20年前にBCGはこれから減らしていきましょうと言っていた時代とはまたちょっと違う、いろいろな問題が出てきていると思います。ぜひその辺も含めての研究をということでお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、これに関しましては、若干の修正は必要があるかもしれませんけれども、大筋では了承ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 ありがとうございます。
 ほかに何か全体を通じて言い残したこととかございましたら、よろしいでしょうか。
 それでは、事務局のほうにお返しします。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 本日はありがとうございました。皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思っております。
 この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を御説明させていただきます。
 次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
 本日は、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。