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第14回厚生科学審議会結核部会 議事録
日時
令和8年1月26日(月)10:00~12:00
場所
中央合同庁舎第5号館 専用第12会議室
議題
(1)結核発生の予防及びまん延の防止の方向性について(定期健康診断等)
(2)小中学校における定期健康診断の方向性について
(3)日本版DOTS戦略の方向性について
(2)小中学校における定期健康診断の方向性について
(3)日本版DOTS戦略の方向性について
議事
○小谷結核対策推進室長 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第14回「厚生科学審議会結核部会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます感染症対策課の小谷と申します。よろしくお願い申し上げます。
本日の議事は公開となります。議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡をさせていただきます。
御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順に、阿戸委員。
○阿戸委員 よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
大角委員。
○大角委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 お願いいたします。
木添委員。
○木添委員 おはようございます。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
慶長委員。
○慶長委員 慶長です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
佐々木委員。
○佐々木委員 佐々木です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いします。
釣永委員。
○釣永委員 よろしくお願いします。釣永です。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
劔委員。
○劔委員 劔です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
早川委員。
○早川委員 早川です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いします。
三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
由藤委員。
○由藤委員 由藤です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
和田委員。
○和田委員 和田です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
また、本日は参考人として、広島市健康福祉局保健部健康推進課専門員の城間紀之様に御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。
○城間参考人 広島市の城間と申します。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。及び参考人として、新宿区健康部保健予防課長の渡邊様に御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。
○渡邊参考人 新宿区の渡邊です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 また、本日は事務局に関係省庁として、文部科学省総合教育政策局健康教育・食育課にも御出席いただいております。
以上、委員13名全員の御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
議事次第及び委員名簿、資料1、資料2、資料3になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、ここからの進行は慶長部会長にお願いいたします。
○慶長部会長 御紹介いただきました、改めまして結核研究所の慶長です。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議事、議題1ですが、「結核発生の予防及びまん延の防止の方向性について(定期健康診断等)」について、資料1を事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 それでは、資料1を御説明させていただきます。引き続き、感染症対策課の小谷でございます。
1枚おめくりください。
まず、前回開催させていただきました第13回結核部会までの流れを御説明いたします。
本結核部会におきまして、指針改正を念頭に置きながら今後議論を進めていくところでございますが、前回において「従前行ってきた総合的な取組を引き続き徹底しつつ、特にリスクの高いグループに対する重点的かつ効果的な対策を講じていく」という方向性について、委員の皆様の御了承を得たところと認識しております。
もう一点、こちらについては結核病床の議論をさせていただきましたが、都道府県は結核病床の確保を前提とせず、地域の実情に応じ、結核病床のほか感染症病床、またはこれらの病床を適切に組み合わせて必要な病床確保ができることとするという方向性についても御了承を得たところというふうに認識しております。
その他、前回部会で委員の先生方から多くの意見をいただきましたが、本日議論させていただくに当たりまして幾つかの抜粋をさせていただいておりますが、発生の予防及びまん延の防止については外国生まれの新登録結核患者数の増加を踏まえた議論が必要であるということ。
日本のDOTS戦略については患者中心の支援ということが軸になっていることを踏まえたDOTSの在り方を考えていくべきであるということ。
また、特にリスクの高いグループに対する方策として、高齢者と外国生まれの方等のハイリスク層に対する慎重な配慮が必要であるということを皆様方から御意見をいただいたところと認識しております。
これを踏まえまして、本日は定期健康診断の方向性について御意見をいただければと思っております。
続きまして、4ページ目です。
こちらは、現在の「発生の予防及びまん延の防止に係る指針の記載」になっております。まずは高齢者等の議論をさせていただければと思っております。
基本的な考え方として、発生の予防及びまん延の防止については有症状時の早期受診が重要であるという旨をこちらの指針の中にも明記されているところでございます。
同時に、定期健康診断の方針の一部に、早期受診の勧奨というものも記載されているところでございます。
続きまして、少し飛ばしまして6ページ目を御覧ください。
こちらは、新登録結核患者の発見割合について、2024年のデータでございます。
日本出生者について見ると、定期健康診断に係る発見が480人、全体の6.1%と少なく、一方で医療機関に係る発見が6,959人、全体の88%と大多数を占めていることが分かっております。
日本出生者の80歳以上において見てみても、医療機関に係る発見が94.4%と、さらに多くの部分を占めているということが分かります。
外国出生者については定期健診に係る発見が629人と、健康診断は大きな部分を占めている一方で、医療機関に係る発見割合はトータルで54.9%と、日本出生者と比較すると少ないということが分かっております。
続きまして、7ページ目を御覧ください。
うち、日本出生者について見ていきます。
日本出生者は定期健康診断に係る発見が480人と少なく、先ほど述べたとおり医療機関に係る発見が88%、6,959人であるということです。うち有症状者の受診は4,380人、55.4%と、こちらも大多数を占めております。
定期健康診断のうち、20歳前半までは学校健診でも発見されており、80歳代前後については住民健診が中心ではありますが、定期健康診断で発見される割合は5%にも満たないということもこのデータから分かってきているところでございます。
8ページ目を御覧ください。
こちらは参考となりますが、自治体における80歳以上の高齢者における施策の現状でございます。
当初の指針の中でも、ハイリスク層に対してしっかりとした取組を実施することが重要であるということは、現在の予防指針第2の発生の予防及びまん延の防止の中でも記載されているところではございますが、80歳以上の高齢者における施策の取組実施率は全体の4割程度、施策の内訳の実施率は一定ではないということが分かっております。
こちらのグラフを御覧いただきますと、ハイリスクグループへの施策は含まれているか、予防計画等というものに関しては124自治体の回答のうち91の自治体等では実施されており、80歳以上というふうにより限定すると、91のうち50が実施するという形になっております。その具体の内訳としては、定期健康診断の個別医療機関への委託の実施であるとか、通所介護等の事業所・施設において健診案内などを実施しているというところが多く示されているものが分かると思います。
これらのデータを踏まえまして、次のページでございます。
「高齢者における結核発病患者の早期発見対策に向けた取組についての考え方」ということについてお示しさせていただきます。
こちらは平成30年、第9回結核部会において、80歳以上は新登録患者数の約4割を占め、罹患率は60を超えている状況であることより、国内の80歳以上の者に重点を置き、高齢者の結核早期発見を強化していく方針を了承いただいたところです。
こちらについて、定期健康診断における健診受診率向上のため、個別勧奨の実施、結核健診の個別医療機関に委託する等による受診機会の増加等の施策や、高齢者施設、介護サービス利用者に対する受診勧奨の強化についての方針を決定したところでございます。
一方で、現状80歳以上の高齢者に対する受診勧奨を行っている自治体が一定数以上存在すると認識している一方で、定期健康診断での結核の発見は5%にも満たず、大部分が医療機関で発見されているというところが事実となっております。
そういった現状を踏まえまして、「方向性(案)」という形で提示させていただくものとして、一般的に結核まん延防止の観点は早期発見が重要であることを踏まえ、都道府県等は高齢者における結核対策について、医療機関における結核の早期診断の強化に重点を置きつつ、一方で地域の定期健康診断における結核の発見率等の事情に応じた柔軟な対策を検討することとしてはどうかという形。
もう一点は、国は高齢者における結核の早期診断の強化を目的とし、非典型的な症状が高齢者において比較的多いこと等を踏まえ、医療従事者や国民への啓発を継続しつつ、具体的な政策について引き続き検討することとしてはどうかと考えているところですが、こちらについてどうかという形をまず御提案させていただきたいと思います。
続けての議論の説明をさせていただきます。
続いてのページでございます。こちらは、外国出生者に当たるものとなっております。
最初のほうのデータでもお伝えしましたが、外国出生者は定期健診に係る発見が629人である一方で、医療機関に係る発見割合は日本出生者と比較すると少ないということが分かっております。
また、この定期健康診断においては若年層では日本語学校を含む学校等での発見が多いが、小中学校でほとんど発見されていないというものもこちらのデータから分かってきているところでございます。
1枚おめくりいただきます。
そういったものを含めまして、昨年度から我が国としましては入国前結核スクリーニングというものを令和7年3月から開始しております。外国生まれの患者数の出生国別割合が多い国から優先的に制度を導入する方針という形で、3月からフィリピン及びネパール、5月からベトナムに対して制度を開始しております。こちらについては、対象者の国籍を有する中長期在留者等に対して我が国に入国、在留しようとする者に対しては、対象国にある指定健診医療機関で医師の診察及び胸部レントゲン検査を受けるなどし、発病していないと判断された者について在留資格認定証明書交付等が行われる制度となっているところです。御存じのとおり、JPETSという表現をさせていただいているところでございます。
1枚おめくりください。
こういった制度も実施しているところではございますが、結核高まん延国出身者における施策の取組実施率は全体の半数以下ということが分かっております。定期健康診断の具体的な対象者の設定や、多言語パンフレット等の配備等の具体的な対策をしていない自治体も多く存在するということが、こちらのグラフからも読み取れるのではないかと考えています。
1枚おめくりいただきますと、こちらについてはその中でも本日参考人として来ていただいておりますが、新宿区における取組なども御紹介いただきますけれども、まずは事務局のほうから御説明させていただければと思っております。
新宿区における「日本語学校健診」というものになっております。
新宿区では、外国人の結核対策として、区内日本語学校の就学生に対する全額公費負担の胸部エックス線検査を実施しているというところです。2024年は8,915人が受健し、うち患者が14名というふうな形になっております。
1枚おめくりいただきまして、健診の流れとしましてはこういった流れを踏まえながら健診を実施し、精査が必要であれば精査を実施し、医療の提供が必要であれば結核診断等を行っていくという形になっております。
1枚おめくりください。
こちらはむしろ参考人の方からの生のお声のほうがよいかとは思いますが、「外国人への結核対策における課題と対応」という観点からしては大きく分けて3つの壁がある。言語・文化の壁があるという点、受診・治療の継続困難さがあるということ、または関係機関との連携等、重要性があるということに関して、それぞれ多言語対応、DOTS、事前説明会を開催するなどの取組をされているということを現在認識しております。
1枚おめくりください。
厚生労働省としましても、結核・呼吸器感染症予防週間というものを毎年9月24日から9月30日に定め、自治体と協力の下、結核と呼吸器感染症に対する正しい知識の普及啓発を行っているところでございます。特に外国出生者においては言語の問題のみならず、結核は治らない感染症であるなどの誤った認識の様々な問題が早期発見を妨げている可能性がございますので、こちらについてしっかりとした普及啓発を行うことが重要というふうに考えているところでございます。
これらを踏まえまして最終ページにありますが、「外国出生者における結核発病患者の早期発見対策に向けた取組についての考え方」でございます。
「現状」については先ほども述べさせていただいておりますが、外国出生者の医療機関での診断における発見割合は日本出生者と比較すると少なく、3割程度が現状も定期健康診断で発見されているところでございます。
その定期健康診断においては、高まん延国等出身者を含め、小中学校や高齢者層ではほとんど発見されていない一方で、若年層では日本語学校を含む学校等や職場での発見が多いとなっています。
一方で、都道府県等においては高まん延国出身者等に対する結核定期健康診断の対象設定であるとか、早期受診を促す多言語資材の整備等が行われていない場合があるということも判明しております。
つまり、課題としては、都道府県等のうち外国出生者に対する結核対策は不十分な県が一定数存在する可能性があるということ。
その外国出生者に対しては言語の問題のみならず、「結核は治らない感染症である」との誤った認識等の様々な課題が早期発見を妨げる可能性が指摘されているところでございます。
こういった課題に対して「方向性(案)」としましては、外国出生者における新規結核登録患者数が増加傾向にあること、また入国前結核スクリーニング、JPETSの効果の分析等を踏まえながら、都道府県等は高まん延国出身者等に対する結核対策について、市町村が管轄する区域内における結核の発生の状況、定期の健康診断による結核患者の発見率、その他の事情を勘案し、医療機関への有症状受診や定期健康診断の受診勧奨等に関する具体的な方針を示してはどうか。
また、国については、外国出生者特有の問題を踏まえ、人権に配慮しつつ、早期発見の重要性を軸とした啓発の強化というものを行っていくこととしてはどうかという点について、本日は高齢者の論点及び外国出生者における論点、大きくこの2点につきましてそれぞれ現状、課題、方向性という形で皆様方からの御意見等をいただければ幸いでございます。
事務局からの説明とさせていただきます。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございました。
そうしましたら、本日お越しいただいておられる参考人として、新宿区の渡邊様から今お話しいただいた提出部分について、もし補足説明等ありましたらお願いいたします。
○渡邊参考人 新宿区保健所の渡邊です。
では、「新宿区における日本語学校健診」について御説明させていただきます。
まず、新宿区には日本語学校が把握できる範囲で少なくとも27校ございまして、日本で一番多く日本語学校が所在する自治体でございます。
新宿区では外国人の結核対策として1988年度から38年間、区内日本語学校の就学生に対する全額公費負担の胸部エックス線検査(以下、日本語学校健診)を実施しております。
2024年は3回健診を実施いたしまして、合計で8,915人の日本語学校の学生が受健いたしました。うち、結核と診断された患者は14名、患者の発見割合は0.16%でした。
健診の動線といたしましては、受健者はまず写真Aのとおり保健所の建物の外側、壁沿いに沿って並んでいただき、次に保健所の会議室を通過し、受付を行った後、写真Bのとおり保健所の前に駐車しているレントゲン車でレントゲンを撮影いたします。学校ごとに決められた時間に来所していただき、学校の先生が引率してくれますので、スムーズに健診を行えている状況です。
次のスライドをお願いします。
次に、「日本語学校健診の流れ」です。
保健所は日本語学校に入学した初年度の学生を健診の対象とし、毎年各学校に対して健診を案内しています。保健所は、健診を希望した学校に対して事前説明会を実施した上で健診を実施しています。健診結果が要精密となった場合には、保健所の医師が医療機関への紹介状を発行し、医療機関受診につなげます。その際、必ず日本語学校の先生が受診同行することになっているため、確実に医療につなげることが可能です。
受診した結果、要医療となった場合には結核と診断されます。その際、住所地の保健所で結核患者としてフォローされ、患者管理されます。
一方、健診結果が異常なしであった場合には、その結果をお伝えし、健診終了となります。
次のスライドをお願いいたします。
最後に、「外国人への結核対策における課題と対応」についてです。
課題は大きく3つございまして、課題の1つ目は言語・文化の壁です。言語や文化の違いにより、検査や治療の必要性等を説明することが難しい場合や、制度や治療方針の違いに対する理解が得られにくい場合があります。これについては、通訳等を通じて多言語対応を実施し、丁寧に説明を行っています。
課題の2つ目は、受診・治療の継続が困難であることです。医療費の経済的負担に加えて、在留資格や転居、就労形態等の変化も多く、対応に苦慮しています。これについては、服薬支援としてDOTSを実施したり、公費負担制度を案内したりと、治療完遂のための仕組みを活用して対応しています。
課題の3つ目は、関係機関との連携です。日本語学校によって結核対策への理解と協力に差があるため、保健所が学校に対して事前説明会を開催し、その中で保健所と学校との役割分担を明確化しています。実際には、これらの3つの課題に対する対応を組み合わせることで事例の対応に当たっています。例えば、日本語学校健診で「要精密」となり、医療機関を受診することになった場合には、母国語が話せる学校の先生に受診同行してもらうことを徹底しています。
ほかには、入国前の結核スクリーニングで結核と診断後に数か月分の抗結核薬を処方され、入国された方が、日本語学校健診でたまたま「要精密」となり探知した事例がございました。服薬が完遂できないリスクがありましたため、医療機関受診の際に医師から結核の発生届を提出してもらい、保健所が患者管理をして学校にてDOTSを実施しました。
このように、直面する事例に対し、保健所は工夫を凝らしながら対応を行っています。
御説明は以上です。
○慶長部会長 渡邊様、ありがとうございました。非常に苦労していらっしゃると思いますけれども、きっちりとした対策を立てていただいているのがよく分かりました。
それでは、今、事務局のほうからは主に2つのポイントですね。高齢者に対する早期発見対策としての定期健康診断等について、それから今お話しをいただいたような外国出生者の定期健康診断、あるいはそれ以外の早期発見の対策についてと、これら2つのポイントの方向性についての提言をいただいているのですけれども、まずは高齢者に関してですね。
簡単に申しますと、今まで80歳以上で受診勧奨を行って定期健康診断をやっていたのですけれども、あまり発見率が高くなくて、むしろほかの病気で既に医療機関を受診していらっしゃる方が多いために、そちらでレントゲンを撮ってそれで結核が見つかるというようなことが多いというようなお話だったと思います。ですので、そういったところをもう少し柔軟に、今までの80歳以上だけを重点に、といったところを変えていったらどうかというような論点だったと思いますが、何か御質問、あるいはコメント等はございますでしょうか。御意見のある方は、最初にありましたように、挙手機能を使ってお手を挙げていただければと思います。
佐々木先生、よろしくお願いいたします。
○佐々木委員 佐々木でございます。
御説明ありがとうございました。高齢者のことなのですけれども、高齢者の受診の遅れの現状みたいなものについて患者さん御自身が有症状で、その疾患だけで、結核に関わるものだけで受診されているのか、それともほかの疾患のついでというか、その中で見つかってきているのか。そのついでに見つかったもののほうが、例えば受診の遅れが長いとか、そういうデータは厚生労働省のほうでお持ちかどうかを1点伺いたいことがあります。まずそちらをお願いできるでしょうか。
○慶長部会長 事務局からお願いできますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
7ページを御覧いただければと思います。こちらについては、医療機関の受診について他疾患入院中、他疾患通院中の段階で発見されたものというふうに認識しております。この中で、基本的には55.4%が医療機関を受診という形になっておりますので、ほかの疾患の関係で入院したり、ほかの疾患の関係で通院されている方の割合がおおよそ22%程度ですので、基本的には結核を疑う有症状の中で受診されたものというふうに考えております。
○佐々木委員 ありがとうございます。
その中で、もともとのかかりつけ医受診の方と、そうでない初診でほかの病院にわざわざ受診している方の比率というのは分かりますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
こちらにつきましては、かかりつけ医の割合が13.5%となります。
○佐々木委員 ごめんなさい。これは恐らく分け方の問題だと思うのですけれども、ほかの疾患で現状かかっている方の中に、例えば高血圧とかでかかっていて、それでたまたま結核の話が出て受診したのが13.5%に入って、全くさらで、全く受診をしていない方が55.4%、80代の方でいらっしゃるというふうに考えていいんですね。全く医療機関にかかっていない方と、そういうことになりますよね。
そうしますと、高齢者の方々にじかに啓発をするのか、医師に啓発をするのか、2つ考えなければいけないと思うのです。高齢者の方自身に啓発をすることでこの55.4%がさらに増えてもっと受診の遅れが短くなるし、医師に啓発をすることでこの32.6%の方の診断が早くなるという形になると思っていいんですね。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
かなり細かい分析までは、このデータの中からは難しいかとは思っています。実際に先生が御指摘いただいたように、高血圧があってほかの受診をしていてたまたま症状があってというパターンと、もしくは別の有症状があってほかにかかっていたからという方もあるかもしれませんが、いずれにしても先生が御指摘のとおり、こちらの観点に関して、今回の論点であります、しっかりとした医療機関での早期発見というものについて努めていくのであれば、患者様御本人でもありますし、同時に医療関係者双方に対してしっかりと周知していく、啓発していくということは、医療機関における有症状の早期発見という観点についてはいずれにせよ重要な要素ではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○佐々木委員 そのとおりだと思います。
なぜ私がそこを気にしたかといいますと、最近お金の関係で医療機関に受診しない高齢者が増えてきていて、以前よりも重い状況で受診される方が増えています。そうしますと、無料の健診の機会である健診発見例が高齢者でも少し動くのかどうかということが今、興味のあるところでございます。
また、健診発見は会場に行かないといけないということがありまして、その利便性の問題とか、高齢者の方が健診に行かれない理由としてあるかと思っております。交通費の問題もございます。ですので、様々な高齢者の場合は背景があって今の結果に至っていると思われますので、ポストパンデミックで医療が非常に変わっている現在、どの対策が一番いいかというと、やはり高齢者の方自体に届く何か方法があればいいかなと、直接届く方法が一番有効ではないかと思うところがございます。
ワクチン接種についても日本が十分な成績を上げられていないのは、やはりその効果効能を上げにくいというところがございますので、医療全体の情報について高齢者の方にダイレクトに伝わるようなものが今後も期待されるのかなと思って御質問させていただきました。ありがとうございます。
○慶長部会長 佐々木先生の高齢者に届くということの一番コアになる部分というのは、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○佐々木委員 高齢者の方々というのは、医療情報については非常に敏感ではありますが、現在、様々受診止めの情報も多くなっておりまして、やはり社会保障のところの情報に健康情報が一緒に流れるような形が一番望ましいかなとは思っているのですが、いろいろ領域も違いますし、難しいところかなとは思っております。
私どもが結核の患者さんをお受けするときに、やはり結核の症状がこういうものだとは思わなかったという過去のイメージに取られている高齢者の方も非常に多いですし、実際に施設の方々への教育みたいなものもないと、施設から、いわゆるサ高から受診するということもなかなかないのですので、高齢者に直接伝達する方法を私も全部把握しておりませんが、やはり社会保障関係からの情報が高齢者の方に回られるといいのかなというのは、一番生活に密着しているところでございますので、あるかなと思っております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
現在、おっしゃったように高齢者の受診がやや今後減っていく可能性があるという中で、多面的にでしょうか。いろいろなところから啓発をしていかなければいけないということになるのではないかと思いましたが、ほかに何か御意見等ございますでしょうか。高齢者に関しては、そういった形での進め方でよろしいでしょうか。
木添先生、どうぞ。
○木添委員 木添です。
私も経験上、高齢者の患者さんと今まで関係を持ってきたのですが、かかりつけ医の先生がいらっしゃって、自分はもう先生にかかっているからレントゲンは受けなくてもいいんだというような患者さんが何人も今までいらっしゃいました。高齢者の方はかかりつけ医の先生を信頼していて、自分のそういう病気を任せていらっしゃるので、かかりつけ医の主治医の先生が年に1回はレントゲンを撮りましたかとか、そういう言葉かけを高齢者の方にかけていただければ、そのときのレントゲンを撮っていただくというような仕組みができればいいのかなと思っています。
ですから、今、佐々木先生が言われたように、高齢者の方と主治医の方からの双方の啓発が必要ではないかと考えております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。非常に大事なところを御指摘いただいたと思います。
ほかはいかがでしょうか。この件に関して、事務局のほうでもそのあたりのところは方向性として加味していただけるような形になりますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございます。
大変貴重な御指摘、ありがとうございます。しっかりと加味した形での施策につなげていければと思っております。よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、外国出生者のほうの早期発見対策に移ってみたいと思いますけれども、ここではやはり高齢者の発見の仕方というものが定期健康診断から受診されている方の他疾患での発見というものが多いということに対比して、外国出生者ではむしろなかなか受診に至らずに定期健康診断で見つかるケースが多い。さらに、入国前健診が始まってはおりますけれども、それで全てを解決できているわけではないということもありますので、非常に健康診断が大事なのではないかということで、そういった方向性を出していただいていると思いますが、これに関しては何か御質問、あるいは御意見等はございますでしょうか。
劔先生、初めによろしくお願いいたします。
○劔委員 熊本県の劔ですけれども、職域での定期健診でもレントゲンを撮ってもらうことが大切かなと思うのですが、40歳未満だと医師が必要でないと認めたら省略できる事項になっていたかと思うのです。
その辺が、やはり産業医等に年齢だけではなくてちゃんと総合的に見て必要な人はやったほうがいいですよということをしっかり知ってもらわないと、特に小さい企業でお金がいろいろ大変なところは年齢で区切って必要最低限の健診にしがちかなと思いますので、その辺の働きかけが今どうなっているのかとか、今後どういうふうにしていくのかとか、何かあればお聞きしたいと思って発言しました。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
事務局から、何かこの点についてはございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございます。
申し訳ございません。現状、こういう取組をしていますと言えるものがございませんが、非常に貴重な御指摘だと思います。当然、労働部局ともいろいろ調整しながらという形になるとは思います。
劔先生がおっしゃったように、お金的に厳しい機関もあるとは思いますけれども、公衆衛生上の観点からも我々としてどういったタイプの方とか、どういった国の方に対してとか、あとはどういった症状がある方に関してはやはり積極的にみたいな形のお話ししていくべき課題だと認識いたしましたので、これからの課題とさせていただければと思います。
○慶長部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、笹本先生、お願いいたします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
2点ほどございまして、自治体の皆さんは定期健診を進めるためにご尽力されておりますし、また、新宿区の取組も大変すばらしいものだと思います。
そこで、近年、外国出生者は増えていますけれども、外国出生者全体での定期健診の実施率というのは調査されているのでしょうか。上がっているのかどうか、教えていただきたいと思います。
もう一点、先ほど劔先生がおっしゃいました職場での健診に関しましては、産業医の方のお力が大変重要だと思います。また、50人以下の事業所におきましても産業医の設置は認められておりまして進められておりますので、その方々も含めて職場での健診のほうをしっかりと進めていただきたいと思います。こちらは要望です。
以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
その点に関して、2点御指摘いただきましたけれども、事務局のほうではいかがでしょうか。外国出生者の定期健診の実施率ですね。それから、産業医に対しての取組なのですけれども。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございます。
先に、2問目の御指摘いただきました産業医との連携の点というのは非常に重要な御指摘だと思います。繰り返しになりますが、労働部局との連携という部分はこの外国出生者、いわゆる多くの方が中長期間の労働目的で入国されている関係上、どういった形で取り組むべきなのかということに関して、先ほどは健診の制度の問題もいただきましたが、今回は産業医という切り口、先ほどの高齢者の御指摘、対応とも一緒になりますが、御本人だけではなく医療従事者に対しての周知啓発などの重要性を医師会のほうから御指摘いただいたと思っておりますので、そちらについては今後、大きな一つの課題という形で取り組ませていただきたいと思います。
1点目は事務局のほうで少し確認させていただきたいと思いますので、後ほどの回答でもよろしいでしょうか。
○慶長部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、佐々木先生、よろしくお願いいたします。
○佐々木委員 新宿区の試みは、非常に興味深いお話で伺わせていただきました。ありがとうございます。
1つ伺いたいのは、外国人の語学学校においては初年度だけの健診ということで、入国から5年以内、5年以上と分けたときに、5年以上よりも5年以内のほうが発病率は高いということがコロナのパンデミック以外のときには起きておりまして、入国1年という期間では発症しない。感染を受けてきて日本で発症するということになりますと、1年を超えて発症してくる人たちが出てくると思うのですけれども、職域で健診を受けるだけではなくて、そうすると家族の方の入国も出てくるわけで、職域以外のところで住民健診が全て若年者に画像検査が行われているかというと、私どもの施設の近隣ではオプションという形で有料になっているところがございまして、外国人の方は全体的にその健診を行うためのシステムづくりというのはどのような形で今後お考えになるのでしょうか。
それをやってしまうと、逆に外国人の方だけ特別にやるというのは差別につながるので、例えば在留カードの更新時に健診をするとか、範疇が違うので行政が縦割りになるところで恐縮なのですけれども、そういうところで協力することはできないのでしょうか。それをお伺いしたかったということになります。
○慶長部会長 事務局から、いかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 御指摘ありがとうございます。
佐々木先生の御指摘は何点かあるかと思ったのですが、入国されて1年目以降の5年以内に発症する可能性が高いので、5年間継続的に見ていくべきではないかということでよろしいでしょうか。
○佐々木委員 継続ではなく1年以後に、外国語学校に1年以上いらっしゃる方に健診を勧奨しているのかどうか。これは新宿区の先生方にお伺いしたいところだけなのですが。
○渡邊参考人 新宿区の渡邊です。御質問ありがとうございます。
入学した初年度の学生に対して健診を実施していまして、本当はもう少し広げたいと思っているのですが、そのキャパシティーと予算の関係でなかなか広げられずにおります。
ただ、希望があれば定期的に新宿区では結核健診を広く行っておりますので、誰でも健診枠という枠もございますし、その枠の中で必要に応じて受健していただけるようにしておりますが、それでも十分なものではないかなと認識しております。まさにそこが課題と思っています。ありがとうございます。
○佐々木委員 ありがとうございます。
○慶長部会長 2つ目以降の点に関しては、事務局からいかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 2つ目以降の点につきましては、労働者として入られた方以外の御家族に対する健診というところの制度設計は何か考えているかということでよろしいでしょうか。
○佐々木委員 はい。そのとおりです。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
中長期の労働の枠組みで入られる方の御家族全てに対してという話になってくると、やはり制度的な面でも大きな変革が必要になってくるかと思いますので、そこは現状、検討しているものはございませんが、何ができるか、少し考えさせていただきたいと思います。
○佐々木委員 ありがとうございます。
○小谷結核対策推進室長 一方で、もし有症状で結核と診断された方の御家族という形になれば、当然のことながらその方々に対しては濃厚接触者等の扱いで評価されるものだと思っておりますが、御指摘は多分、症状がない方の御家族にという点だと思いますので、そこまでをどうやれるかはよく考えさせていただきたいと思います。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ほかに手が挙がっていたでしょうか。
木添先生ですね。
○木添委員 木添です。
ここの16ページのスライドに、「「結核は治らない感染症である」等の誤った認識等の」というような文言が書いてあるのですけれども、保健師は結核は治る病気ですよということで患者さんに説明をしております。それによって、患者さんは治療をしようというふうに思っていらっしゃって、それに対しての治療費だったり、仕事のことだとか、そういうことがとても不安になって困っていらっしゃるというような問題が出てきております。
新宿のお話の中でも課題の2つ目に、受診とか治療の継続は困難ということが掲げてありますが、やはり患者さんだけではなくて周りの人がそういうことを考えていかないと、患者さんだけでは対応できないのかなと思いますので、皆さんにこういう問題を抱えているということを啓発していくことも必要なのではないかと考えております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
確かに、課題のところで「「結核は治らない感染症である」等の」ということで、これを一番上に出されたので、そうすると、では結核の病気としての啓発をすれば、それで事足りるのかというと全くそうではないということが問題かと思いますので、その辺りもよろしくお願いいたします。
では、大角先生でよろしいでしょうか。
○大角委員 ありがとうございます。結核研究所の大角です。
2つありまして、1つ目なのですけれども、外国出生の方々の結核の早期診断、早期の適切な治療に結びつけるということでいろいろなバリアがあるという中で、もうお話にも出ていましたが、やはり日本語学校とか、今日は新宿からの御説明もありましたけれども、そこでの対応、あとは監理団体とか企業ですね。技能実習生の方々を中心とする方々の対応ということで、そういう学校と、あとは受入れ側ですね。監理団体への啓発などというのは非常に重要で、御本人だけではなくてその受入れ側の結核の早期発見、適切な治療の提供をするための啓発というのは非常に重要かなと思っています。
もう一つは細かいことなのですけれども、新宿区の御発表の中で、JPETSで結核と診断されて、右下のほうに数か月分の薬を処方されて入国した方ということですが、これは本当はあってはいけないことというか、何で入国できたのか。御本人の背景がどうだったのか、ちょっと分からないですね。本当は、結核と診断されたら結核非発病証明書は発行されないはずなので在留資格証明書が取得できないはずなのですけれども、薬を処方されて入国するというのはあり得ないことだったはずなのですが、もしかしたら数か月分の薬というのは結核の薬ではなくてほかの薬だったのかなとか、もしそういう例がまたあったら、それは本来あってはいけないことだと思うので、いろいろ対処する必要があるのかなと思いました。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
これは私も非常に気になったのですけれども、JPETSでの入国の話だったのでしょうか。新宿区の方に申し訳ないのですけれども、ちょっと確認をしたいと思ったのですが、大丈夫でしょうか。
○渡邊参考人 新宿区の渡邊です。御質問ありがとうございます。
実はこういった事例は3例ありまして、2例がネパールの方、そして1例がミャンマーの方ですので、JPETSではないかもしれません。ミャンマーはまだ未導入だと思いますので、学校との取決めの中で入国前に検査をしたものだったのかもしれませんが、そこまで正確なことは分かりかねます。
○大角委員 そういうことですね。分かりました。恐らく、JPETSではないですね。だから、おっしゃるとおり、想像するにJPETSのシステムではなくて、今まで実際に実施していた健診ですね。入国前の結核健診を受けてそこでと、それだったら分かります。
○慶長部会長 そうですね。またその辺りはどこかで教えていただければと思います。ありがとうございます。まだたくさんありますので。
和田様、どうぞよろしくお願いいたします。
○和田委員 東京都薬剤師会の和田でございます。ありがとうございます。
早期発見の可能性の一部としまして、なかなか受診につながらずに外国出生者のことに限ったことではないと思うのですけれども、例えば今OTC薬品がどんどん増えてまいりますので、OTC薬品で対処されようと来られた患者さんなどの可能性はあるかなと思いました。その場で、その現場で薬剤師がしっかりとその可能性に気づいて、医療機関への受診にしっかりとつなげられるようにするということが私たちの役割としては大切なことかなと思いました。
また、その際、医療機関さんと連携できるようにもしてまいりたいというふうに、私たちの組織の内部でもしっかりと啓発をしてまいりたいと感じました。
以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございました。大変貴重なコメント、ありがとうございます。
それでは、由藤委員、よろしくお願いいたします。
○由藤委員 よろしくお願いします。共同通信の由藤でございます。
最近報じられていることで皆様、御存じだと思うのですけれども、非常に排外的な風潮というか、地域のコミュニティーの中で特定の国名を挙げて非難する、あるいは排外的な言説を浴びせるというようなことは多々起こっております。
それで、今回、一部の国でスタートしたスクリーニングですけれども、こういうデータはあまり一般の方は御存じないのですが、今後だんだんと知られていくようにもなるでしょう。それで、実際に何かが起こったときですね。感染なり、集団感染なりが発生した場合に、そうしたことが起こることは非常に危惧される。これまでの結核と関係のないそういう排外主義的な動きでも、自治体の業務に多大な影響を及ぼしたような事例は枚挙にいとまがないことになります。実際にそういう動きがあったときには、保健所なども大変な思いをされるのではないかとすごく心配をしています。
それで、従来の現状の指針を拝見すると、やはり予防とまん延防止のところにそのことが書いてあるわけですよね。今、見る限りは、最後に人権の保護には十分に配慮すべきであるというふうにきちんと明記はしてあるのですけれども、私の気持ちとしては、そのことの配慮をきちんとしないと、新型コロナのときもそういうことが起こりましたけれども、例えば受診をしていただく。それから、先ほど出たような健康診断をしていただく、あるいは治療を継続していただくというようなことに支障を来して、予防やまん延防止の差し障りになるということを加味した表現があってしかるべきではないかと思います。そこが1点。
それともう一点は、先ほど大角先生から少しメンションがありましたけれども、今、国のほうで用意をされている啓発用の資材ですね。パンフレットとかで外国人向けのものは、健康診断を受けてくださいというようなことや、結核はこういう病気ですということを当事者にお伝えする資材ですよね。
これは、当局にお聞きしたいのですけれども、例えば受け入れる事業者、外国人実習生を受け入れる事業者とか、それから先ほど新宿区のほうからお話があったような学校の運営者、それから先ほど大角先生も御指摘がありましたけれども、受入れのための監理団体ですね。こういったところに向けて啓発するような資材があれば、例えば保健所から御相談に上がるというようなときに非常に役に立つのではないかと思いますが、そういったものの御用意はあるのでしょうか。
以上、2点です。
○慶長部会長 事務局からいかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見をいただいたと思っております。
1つ目の点についても、どう表現すると伝わるのかという部分で、かつ排外主義的な要素であるとか、いわゆる差別とか、人権とか、そういったものにどう配慮しながら書いていくべきなのかということは、また今後ともよく考えていきたいと思っております。
2つ目の啓発用の資材につきましては、今、御指摘いただいた全ての方、当事者であるとか事業者であるとか監理団体、全てにおいて網羅しているものはないかもしれませんが、一部、結核研究所のほうでそういった団体向けに提示いただいているものがございますので、そういったものも併せて周知広報していくことが重要ではないかと考えております。
すみません。事務局からで恐縮ですが、もし結核研究所のほうからコメント等があればいただけると幸いかと考えております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
どうぞ、大角先生。
○大角委員 対策支援部のほうで、結核に関する啓発ですね。多言語のものを活用していただけることはできるかなと。
確かに、ターゲットですね。学校とかの管理者の方々とか、監理団体とか、事業所に絞ったものではないので一般的なものですから、もうちょっと絞った内容のものが必要なのではないかという御意見かと思いますので、それは今後も必要に応じて検討していく必要があるかと思います。
あとは、東京都のほうでもビデオ等々で結核に関する多言語対応というのはユーチューブで見ることができる状態にはなっているかと思いますし、様々あるかと思います。
○慶長部会長 ありがとうございます。
私の知る限りでも、各自治体でやはりこの監理団体との問題等々、大きな問題ですので、自治体として対応されてそういったパンフレット等を作られているところはかなりありまして、そういったものが共有されていくようなシステムができるといいなとは確かに考えております。ありがとうございます。
佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 ありがとうございます。
今、伺っていて考えていたのが、実施の臨床の場所におきまして外国人の方が結核疑いないしは結核症で紹介されてくる場合に、学校の先生ないしは保健所の方がついて来られるということが行われているというふうには承ったのですが、恐らく今後、外国人の方、外国出生の方の数、あるいはその広がりを考えると、全ての行政で行っていくことはかなり難しくなるだろうということがあります。
それからもう一つ、いつも臨床が挟まれてしまうのですけれども、特に労働力として来られている場合、就労の期限をつけられてしまうんです。いついつまでに退院できれば就労が継続できるけれども、いついつまでに退院しないと帰国させますみたいな通告が病院に直接送られてくることがございます。そうしますと、患者さんにとって非常に不利になってしまって、臨床現場は苦労するわけなのですけれども、一回治療を始めた労働者の方の立場上の保持みたいな、研修生で国の宝で労働力として来ていただいているわけですから、何かそういう形で健康に関する滞在の維持に対する国からの要請みたいなものを出していただけないかなということが1点ございます。
あとは、治療が退院してから外来になった後は全く実は保健所等からの支援がない場合もございまして、非常に途中で中断される例も見受けられますので、DOTSについて後でお話があると思うのですけれども、再度、若い方であっても、日本語がそのときに分かると思われている方であっても、最後までDOTSを見届けていただければということを臨床の現場からお願いしたいと思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
これも何か今の時点で事務局からコメントございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
今の時点で、こういう制度になっていますというものがお伝えできるものはございませんが、やはり労働力という視点に立った際の観点と、あとは公衆衛生的な視点に立った際というところのせめぎ合いの要素がどうしてもこの分野には出てくるのかなと感じておりますので、また関係部局ともよく御相談させてもらいながらというところで、本日は課題、宿題という形でいただきたいと思います。
○慶長部会長 よろしくお願いします。
由藤委員、もう一度よろしくお願いいたします。
○由藤委員 今の事務方の御説明で質問の必要がなくなったかとは思うのですけれども、先ほど大角先生も私も申し上げた、監理団体や事業者、それから学校の運営者等々に対する、いわゆる人を受け入れる側に対する資機材というのは全く多言語である必要はなくて、まさに今おっしゃったような厚生と労働の一体で進めるべき仕事であろう。これは統一的な資料ではなく、そこに特化したものをきちんとお作りいただいて、それをどういうふうに現場に下ろすかということについても御検討いただければと思います。
○慶長部会長 よろしくお願いいたします。
時間も大分たっておりますけれども、三﨑様、よろしくお願いいたします。
○三﨑委員 では手短に、今までの先生方の御意見と同じようなところになりますけれども、やはり事業主が新宿区でされていたようにきちんと一緒についていくというのは非常に大きな課題ではあるけれども、よいことだと思います。事業主が結果をきちんと把握して、必ずその治療につなげるような継続性を持った対応をしていただくことがとても重要だと思いますので、その辺りを方向性の中に盛り込んでいただいたらいかがかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
非常にこの問題は大きな問題で、本当にいろいろな先生方からも御意見をいただいたと思いますが、全体を踏まえて事務局から方向性(案)に関して何かさらに追加するか、あるいはこれは一応このような形にしておいて詳細なところを詰めていきたいというふうにお考えか、その辺りをコメントいただけますでしょうか。事務局よりお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 皆様方、大変貴重な御意見、御指摘等をいただき、ありがとうございます。
1点、先ほど笹本委員のほうから御指摘いただいておりました外国人の全ての方に対する定期健診の実施率で感染者等の値なのですが、今、事務局の手元にはございませんし、恐らく出ていないのではないかと思うのですけれども、そういったものになっているということはまず御報告させていただきます。
その上で、本日いただいた御意見、大きな方向性については先生方も非常に重要な取組であるということについては総論的には私たちとしては御認識いただいて特段異論はないものかと思っている一方で、多くの制度面の課題であるとか、あとは外国人特有の問題であるということ、さらには排外主義的な形にならずに、いかにこういった人権であるとか、そういうものに配慮しながら施策を打っていくべきなのかということについて、多くの宿題はあるものの、その宿題を解決するための方向性としてこの取組を皆様方から後押しいただいているものだと思っておりますので、我々としてはこの方向で進めさせていただきながら課題について一つ一つ解決に取り組んでいけるような形にさせていただければと思っておりますが、いかがでしょうか。
○慶長部会長 いかがでしょうか。本当に大きな課題がいろいろあって、宿題というふうに言っていただきましたけれども、特に外国出生者の場合の受診の遅れというのは、いろいろとお話しいただきましたように社会経済的な不安から非常に難しいのではないか。自分に不利益が生じるのではないかというところで遅れが大分あると思いますので、それは制度的な改革でいろいろなことをやっていただくことで安心して受診して、それで治療に結びつけていただけるというのは非常に大事なことだと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、方向性については今お話しいただいたような形で了承していただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 ありがとうございます。それでは、多くの課題を残しておりますけれども、その辺のところは今後ぜひ事務局、あるいは厚生労働省自体でよろしくお願いいたします。
では、続いてですけれども、議題2の「小中学校における定期健診の方向性について」というとこで、資料2について、これは実は厚労省だけではなくて文部科学省の管轄ということもありますので、まず文部科学省から、次いで厚生労働省ということで順番に御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省総合教育政策局健康教育・食育課の赤星と申します。
小中学校におきます結核の健診につきましては、学校保健安全法における学校健診の中で実施されておりますので、まずは文科省のほうからその現状と課題について御説明をしたいと思います。
まず左上を御覧いただければと思いますけれども、学校健診につきましては学校教育の円滑な実施と成果の確保というものを目的としており、その役割としましては大きく2つ、学校生活を送るに当たり支障があるかどうかについて疾病をスクリーニングし、健康状態を把握すること、2つ目としまして、学校における健康課題を明らかにして健康教育に役立てること、こういった役割を持っております。
また、実施時期につきましては毎学年、原則として6月30日までに実施することとなっております。
ただし、臨時の健康診断として実施することも可能となっておりまして、例えば転入時などに際して必要な検査があれば臨時に行うことができることとなっております。
その下を御覧ください。具体的な結核健康診断の方法についても、学校保健安全法施行規則において定めております。
結核の有無につきましては、まず小学校、中学校につきましては全学年に対して問診を行うこととされております。問診を踏まえて、学校医その他の医師が認める者に対して胸部エックス線等の精密検査を行うという形になっております。
また、高等学校、高等専門学校につきましては、入学時、第1学年に対して胸部エックス線検査を行うこととなっております。具体的には下の表でおまとめしておりますので御覧いただければと思います。
また、右側の表に学校健診の全体像をおまとめしております。
こういった形で様々な項目がある中の一つとして、結核の有無というものも併せて健診を行っているという状況でございます。
次のページをお願いいたします。
文部科学省におきましては、結核健診につきましては結核対策マニュアルというものを作成し、具体的な方法についてお示しし、それを参考に学校現場でやっていただいている状況でございます。
具体的には、左のフローチャートを見ていただければと思います。
まず、問診票として保護者に主に6つの項目について記載をいただいております。本人の結核罹患歴、予防投与歴、また家族の罹患歴、高まん延国での居住歴、そして自覚症状、BCGの接種歴、こういったものについて問診票に記載をいただき、それを学校の養護教諭が全て確認を行い、健康診断の事前の準備として一覧表の作成等を行っております。
それを踏まえて、学校医が内科健診の中で診察を行い、精密検査の要否を判断します。学校におきまして結核健診の報告書というものを作成し、これを教育委員会に提出をし、教育委員会の中で自治体によっては結核対策委員会という形で保健所や結核の専門家を交えた委員会を設置している自治体もございまして、こういった中で精密検査の対象者について議論を行っているところもございます。
そうしたことを踏まえまして、精密検査の実施、学校への結果報告、また感染者がいた場合には保健所への報告を行うこととなっております。
事後措置としましては、保護者への結果の通知はもちろんですけれども、経過観察が必要な児童生徒がいれば学校生活の中でも注視をしていくという形になっております。
右側を御覧ください。こうした運用の中で学校医、養護教諭における課題としましては、学校医につきましては基本的には結核または感染症の専門医ではないということが大半ですので、先ほど御説明したような教育委員会に結核対策委員会が設置されていないような自治体については、学校医一人で精密検査の対象者を決定しています。
また、学校健診におきましては限られた時間の中で多くの児童生徒の診察を行っておりますし、併せて結核以外にも様々な診察の項目がございます。
養護教諭につきましては、先ほど御説明しましたように事前に問診票の確認、一覧表に取りまとめるなどの作業を行っておりまして、学校には養護教諭は一人しかいないというのが基本ですので、大規模校、多くて700人から800人くらいの児童生徒の問診票を養護教諭が確認を行っているような実態もございます。
また、問診票の中の4番の高まん延国での居住歴があった場合につきましては精密検査を受けたかどうかの確認を行い、受けていない場合について精密検査の対象とするような運用を行っております。
また、ほかの項目と比較しましても、報告書の作成が多いなど、少し負担が多いという声も聞いております。
こうしたことの中で、結核の発見につきましては文部科学省におきまして学校健診の結果に基づき行っている学校保健統計調査というものがございます。こちらは全数調査ではなく抽出の調査になっておりますので、結果としては割合での表示になりますけれども、小中学校における精密検査の対象者及び結核と診断された者の割合としては記載のとおりになっており、ほとんど結核が見つかることがないというのが実態だと認識をしております。
次をお願いいたします。
現在、文部科学省におきまして、結核に限らないものですが、学校における健康診断、日常の健康観察など、保健管理の在り方に関して「学校における持続可能な保健管理の在り方に関する調査検討会」というものを開始しております。
現在、様々な観点から関係団体のヒアリングを実施しているところでございまして、今後教育関係団体のヒアリング等を実施して論点整理をしていく段階というところになっております。
この検討会の趣旨といたしましては、まず児童生徒の健康課題が多様化、複雑化しているということで、例えば不登校や子供の自殺などが増えている中でメンタルヘルスへの対応をどうするかといったところが大きな論点となっております。また、学校側におきまして、現在文部科学省の中で学校の働き方改革を進めておりますので、教職員の負担軽減についても検討事項になっております。さらに、学校医につきましても現在高齢化が進んでいるとともに、医師偏在等で確保が難しいという現状がございまして、こうした課題を背景に学校における保健管理の在り方を検討しております。
現状、関係団体のヒアリングを実施中ですけれども、結核につきましては既にヒアリングを実施しておりますので、その状況について簡単に御説明します。
まず日本小児科医会、こちらは学校医をされている方々が多く所属をされているところですが、そこからの御意見としては、健康診断の項目として結核の有無を調べることは必要ではあるけれども、学校健康診断の中で評価することは難しいというお声をいただいております。
また、結核研究所を代表して加藤先生にも御出席をいただいて、結核の現状の御説明をいただいた中で、4つ目にありますけれども、小中学校の健康診断については実質的に外国出生者のみが精密検査の対象になっており、健康診断での発見については15年間の中で23人、その中で外国出生者が20人、結核発見の87%を占めるような状況だということ、また、小中学校における結核の集団感染は2014年以降発生していないという状況について御報告をいただきました。
これに対して検討会の委員からの御意見としましては、1年に1回の学校健診で結核感染が拡大する前に同定できるということの費用対効果、効率的な問題について疑問を感じている、学校健診の中でピックアップされた大部分が外国出生者であったということならば、対象を絞ることなどにより効率的に対応できるという考え方があるのではないか、そういった御意見が出ております。
今後はさらにヒアリング等を進めまして、学校健診における結核健診の方法等について議論を進めさせていただきたいと考えているところでございます。
文科省からは、以上です。
○小谷結核対策推進室長 では、続きまして厚生労働省のほうから御説明させていただきます。
資料の5ページ目を御覧ください。
「小中学校における定期健康診断の現状と課題及び方向性(案)」についてです。
「現状と課題」につきましては、先ほど文部科学省のほうから御説明がありましたとおり、現在、小中学校における学校での定期健康診断の結核発見者数及び集団発生件数は以下の表のとおりという形になっております。結核健康診断により発見された結核患者数の推移で、6歳から14歳になっておりますが、2015年から2024年のデータです。
一方で、小中学校における結核の集団発生件数の推移としましては、2014年から2023年まで一例も確認されていないという状況になっております。
こうした「現状と課題」を踏まえまして「方向性(案)」としましては、小学校及び中学校で毎学年実施されている定期健康診断の実施頻度及びその内容について、小中学校における定期健康診断の結核発見率であるとか、結核の集団発生の現状を踏まえながら、その在り方について改めて検討していってはどうかという形にさせていただいているところでございます。
以上、よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
それでは、両事務局からの説明を踏まえまして、何か御意見、御質問等ありますでしょうか。
大角委員、どうぞ。
○大角委員 その方向性の具体的に学校における定期健康診断の在り方を検討すると、そこに書いてあることを踏まえてということなのですけれども、具体的に言うとどういうことかということなんです。
恐らく、例えば案としては就学時、小学校1年生、中学校1年生プラス転居してきた、もしくは帰国した方、そのときに状況を把握するということで、必要な場合に精密検査に回すということは一つの在り方として考えられるかと思います。
今まで毎年ずっと一応聞き取り、情報収集ということでしてきているやり方をそういうふうに変えるというのは一つの案としてはあるのかなということです。だから、方向性の具体的なことはどういうことなのかがこの文章ではよく分からないということがありますので、どういうことなのかをもうちょっと説明していただいたほうがいいかなと思いました。
○慶長部会長 事務局から今、何かこれについてコメントできますでしょうか。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省です。
文科省の検討会ではまだヒアリングの段階ということもありまして、具体的な方向性はお示しできていないところではあるのですけれども、方法論としては先生が今おっしゃったような、毎年全員に行っているものについて、もう少しその頻度や内容について負担軽減が図れるようなところがないかというところを御議論させていただきたいと思っております。
○大角委員 ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
釣永先生、どうぞ。
○釣永委員 釣永です。小児科医として、方向性としては在り方を見直してどんどん減らすというか、軽減の方向でいいのかなと個人的には思っています。
それで、乳幼児医療証があったり、東京都とかは多分18歳まで医療費はただだと思うので、子供の医療へのアクセスがかなりよくなっている状況で、ここで見つけなくても多分、気軽にクリニックとかに行ってしまうのではないか、そこで十分見つけられるんじゃないかと、実際の現場として感じているところでございます。
ただし、現状である問診4の「高まん延国の居住歴」があった場合に、その人がちゃんと精密検査を受けたかどうかの確認は残すというのは欲しいかなと思います。多分、生まれたときからずっと日本にいた人とかは、いわゆるかかりつけ医みたいなところがあると思うのですけれども、外国から来た人というのは先ほどとちょっと反するかもしれないですけれども、医療へのアクセスのハードルが高くなってしまうのではないかと思うので、そこだけは確実に押さえておいてもらいたいかと思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
これらの点に関しまして私のほうからもちょっとあるのですけれども、そういうわけで入国前健診が3か国で始まっていますが、それで非発病証明書が出た小児の方に関してもどういうふうにその後の健診をやっていこうかというようなことを議論されているのでしょうか。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省でございます。
御指摘いただいた点については、既に我々としても課題としては認識しておりまして、今、有識者の先生からの御意見を伺いながら、どういった対応にするかをまさに検討しているところでございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ほかにコメント等ございますでしょうか。
三﨑先生、どうぞ。
○三﨑委員 三﨑です。
ちょっと結核から外れるかもしれないのですが、少しお聞きしたいことがありまして質問させていただきます。
文部科学省で現在、学校における持続可能な保健管理の在り方に関して検討しているということなのですけれども、保健調査票など、学校の子供たちのお母さんやお父さん、保護者の方が紙ベースでたくさん書かないといけないような調査票があると思うのですが、これは例えば在り方検討委員会の中で後々、DX化というか、デジタル化するような対応というか、そういったことを考えておられるのかどうかをお聞きしたかった次第です。
というのも、学校医や養護教諭の負担というのは本当に大きくて、言われたように800名規模の学校だと本当に一人一人確認するのも大変なくらいで、ほかの調査でも結構難渋することが多いので、対応に時間が限られる、あるいは人数、人材が限られるという場合にはそういったことをするといいのかなと、そういったものが今後結核とか、そういったことの対応とかにもつながってくるかと思いましたのでお聞きしたかった次第です。よろしくお願いします。
○慶長部会長 よろしくお願いします。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省でございます。
おっしゃるように、本当に今、紙ベースでやっているところが多いということもありまして、学校側もそうですし、保護者側の負担軽減ということも含めてDX化を進めることは非常に重要だと認識しておりますし、この検討会で直接議論しているところではないですけれども、別途そういう学校健診を含む学校保健全体のDX化というところの検討は進めさせていただいているところでございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
笹本先生、どうぞ。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
スライド5についてお聞きしたいのですけれども、集団発生は既に2014年以降起きていないということですが、その上の2023年、2024年におきましても健診で見つかったという事実がございますけれども、こういった方の背景というのは何か分かっているのでしょうか。
○慶長部会長 いかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございますが、個別の事例の背景までは、現状において事務局としては把握しておりません。
○慶長部会長 私のほうから1つお聞きしたいのですけれども、どういうやり方でやっていくかという点に関して、確かに入国してから何年かの間ということが非常に結核の発病のリスクの高い期なので、その辺のところも踏まえて何年かはフォローをしっかりやるというようなことがあるのかどうか。
それから、やはり問診が大事だというふうに私は感じております。というのも、初発患者は恐らく家族内というか、成人の方が多いですね。それで、子供さん自身はなかなか結核菌が少なかったり、あるいは排菌は少ない、あるいは空洞が少ないとかという特徴がありますので、子供さん同士でうつすということはそんなに多くはないと私は認識しているんです。
そうすると、どうしても成人で排菌していらっしゃる方をしっかり見つけて、それをまず治療することが大事というふうに感じますので、問診を毎年やるのは必要なのではないかと勝手に想像したのですけれども、その辺はいかがなものなのでしょうか。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省でございます。
我々としましては、もちろん問診も大事だと思いますけれども、日常の健康観察というのは日頃学校でも行っておりますので、そういった中で気になる症状があるような児童生徒がいた場合に適切に医療機関の受診を勧めるなどして、そういった形で学校健診以外のところでもきちんと感染拡大防止対策を図っていくということも一つは考えられるかと思っております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。御意見ありますでしょうか。
この問題は、基本的には文部科学省の検討委員会等で、その中には結核の専門家の先生方が入っていらっしゃるということですので、そちらで最終的な案をつくっていただくことになると思いますけれども、そういった意味合いで今こちらの厚労省としては今の状況を踏まえて在り方を再検討する必要はあるだろうということで、少し漠然とした形ですが、全体的な方向性を出していただいていると思いますが、それ自体に関してはよろしいでしょうか。
そうしましたら、この方向性については了承ということで進めさせていただければと思います。ありがとうございます。
それでは、時間もちょっと押していますので、続いて議題3ですが、「日本版DOTS戦略の方向性について」ということで事務局から御説明をお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 感染症対策課でございます。
資料3につきまして、「日本版DOTS戦略の方向性について」を御説明させていただきます。
2ページ目でございますが、現在の特定感染症予防指針の第3の「医療の提供」の中においては、DOTSを基本とした包括的な治療戦略、DOTS戦略を引き継いでおり、我が国においても日本版DOTSを進めていくということについて御説明をさせていただいております。
その具体的な実施に当たっては、DOTSカンファレンスの開催、コホート検討会の実施、地域連携パスの導入、保健所を拠点とした対応等についても明記させていただいているところでございます。
3ページ目を御覧ください。
「日本版DOTS戦略推進に係る取組」としまして、前回の指針改正時に同通知において潜在性結核感染症(LTBI)がDOTS対象者であるということを明確化するなどの一部改正を行い、この戦略がさらに進むようにという形で取り組んでいるところでございます。
続いてのページをおめくりください。
こちらが現状のデータとなっておりますが、「全患者及び潜在性結核(LTBI)患者に対するDOTS実施率の状況」でございます。
平成25年時点に比して令和5年時点では、全ての結核患者及びLTBI患者に対してDOTSの実施率が目標値である95%に達したものと考えております。
下のグラフにもございますが、平成25年の時点で87.5%だったものが令和5年の時点では97.2%という形になっております。
改善の原因として、結核研究所の分析によると以下が挙げられております。
院内DOTSの実施に加え、DOTSカンファレンスやコホート検討会の開催が全国的に普及したことで行政と医療の連携が深まった。
学会の指針整備などにより、全国的にDOTS推進の体制が整えられたなどの項目が挙げられているところでございます。
5ページ目をおめくりください。
ここでも述べられておりました「DOTSカンファレンス及びコホート検討会の実施状況」について、「すべての保健所管内で実施」または「一部で実施」と回答した自治体の割合は、平成25年から令和7年にかけていずれも増加しております。DOTSカンファレンスの実施状況につきましては、一部以外でも実施されているものが全140自治体のうち139自治体だったものが、令和7年度時点では157自治体中156自治体で実施いただいているという形になっており、コホート検討会におきましても128団体だったものが154団体まで増加しているという形になっております。
6ページ目を御覧ください。
本日、多くの点で議論になっております「外国出生者に対するDOTSに係る支援等」については幾つか御意見をいただいております。
「国による対策・支援」としましては、感染症予防事業費等国庫負担金交付要綱で定める結核対策特別促進事業において、特に必要性・重要性等が高いと考えられる事業等に対して国庫補助を実施しており、具体的には外国人に対するDOTSを行うために必要な通訳事業について国庫補助を行っております。
また、結核研究所においても無料での電話相談であるとか、結核研究所のホームページに多言語での説明などもいただいているところでございます。
7枚目から9枚目までは、広島市におけるDOTSの取組について御説明いただいているところでございますが、7枚目においては関係機関と切れ目なく連携し、協議を行いながら対応を行うということを御説明いただいております。
8枚目においては、その具体的な例として外国出生者事例についても御説明いただいているところでございます。
詳細部分はこの後、参考人として来ていただいている広島市から御説明いただくほうがよろしいかと思いますが、9枚目には「外国人におけるDOTS上の課題と対応」という形でそれぞれ述べていただいているところでございます。
続きまして、10ページ目を御覧ください。
WHOにおける現在の結核治療の方針につきましては、結核終息宣言については統合的な患者中心のケアと予防を大きな柱としております。数値目標の一つとして、新規及び再発例の結核治療カバー率を90%以上にすることというものを掲げているところでございます。
そういった中で11ページ目でございますが、「現状と課題」という形において、現状につきましては、指針において日本版DOTS戦略の全国的な普及・推進を掲げていたところ、多くの方々のお力もあり、DOTS実施率については全結核患者及びLTBI患者のいずれにおいても目標値の95%以上を達成しているところでございます。また、DOTSカンファレンス及びコホート検討会の実施率についても、平成25年から令和7年にかけて増加しております。
そうした目標値は達成されている一方で、外国出生患者への対応に苦慮している旨の意見が挙げられているところでもございます。
こういったことを踏まえ、「方向性(案)」としましては、引き続き日本版DOTS戦略を基本方針として、潜在性結核感染症の者も含めた全結核患者に対し、一人一人の人権に配慮した患者中心の服薬支援を引き続き進めていくということでどうか。
また、多言語サービス・資材の強化などを活用しながら、引き続き結核の発症率が高い住民層への対策を充実させつつ、日本版DOTS戦略に係る目標値については全結核患者及びLTBIに対するDOTS実施率を95%以上維持するという形にしてはどうかという形でお諮りさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、今日お越しいただいております参考人の城間様から資料3の広島市の提出部分についての補足説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○城間参考人 広島市の城間と申します。本日は、参考人として発言の機会を頂戴し、改めて厚く御礼申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、「広島市におけるDOTSの流れ」について説明いたします。
本市には8つの行政区ごとに保健センターが設置されており、患者の居住地を管轄する保健センターが患者に対する服薬支援を切れ目なく行うこととしております。入院患者の場合、入院先の医療機関において院内DOTSを実施した後、退院のめどが立ってきたタイミングでDOTSカンファレンスを実施しております。この会議には、保健センターと入院先の医療機関が出席し、退院後のDOTSの実施方法について検討することとし、その検討内容ごとに保健センターは患者にとって最も適切かつ確実な方法で服薬状況を確認し、治療完遂を目指しております。また、外来患者の場合、疫学調査の情報を基に保健センター内でDOTSカンファレンスを実施しております。
地域DOTSの方法としては、主に外来DOTS、訪問DOTS、電話やメール等による連絡確認DOTSを実施しております。本市では、患者本人やキーパーソンに対する連絡確認DOTSがメインですが、患者の状況等によっては必要に応じて訪問DOTSを実施しております。また、患者の状況に変化があった場合など、その都度、保健センター内でカンファレンスを行い、患者が確実に服薬できる方法や確認方法を検討しております。
次のスライドをお願いいたします。
次に、実際に本市で対応した外国出生者の事例を紹介いたします。
患者は20代男性、留学生としてX国から来日しました。
診断は肺結核で喀痰塗抹陰性でしたが、入院が必要な呼吸器症状があると判断され、入院勧告及び就業制限を実施しております。
患者本人は簡単な日本語のみやり取りが可能だったため、結核に関する詳細な説明等は本人が所属する専門学校の先生を通して行いました。
入院当初は院内DOTSにて服薬確認を実施し、退院のめどが立ってきた頃から自身で薬袋に服薬日を記入してもらい、服薬後は空の薬袋の写真を学校の先生に送付することで服薬確認をするという習慣づけを行いました。
その後、症状が軽快したため、退院できる基準で退院する方針となりました。
退院前のDOTSカンファレンスでは、就業制限中にアルバイトができないことによる経済的負担、アルバイト再開後の服薬中断のリスクに関する意見などが挙がり、保健センターと学校が連携しながら服薬支援を行うこととなりました。
退院後も入院中と同様、患者さんには学校の先生に空の薬袋の写真を送付し、保健センターは月1から2回、学校の先生と連携しながら薬が正しい内容、量で飲めているか確認する連絡確認DOTSを実施しております。
こうした取組を続け、良好な服薬コンプライアンスの下、標準治療6か月間で服薬を終了することができました。
次のスライドをお願いいたします。
最後に、一般的な外国人結核患者におけるDOTS上の課題と対応についてお話しいたします。
「課題」としては、患者の母国語で服薬の必要性等を説明することが難しい。
国や文化の違いから、治療や制度に対する理解が得られにくい。
就業制限中は働くことができず、経済的な負担が大きい。
在留期間の期限切れ等、外国人特有の制度上の難しさがある。
治療中の帰国に伴うなど、治療中断のリスクがあるなどが挙げられます。
こうした課題に対して、本市では、職場や学校、その他関係機関(監理団体等)との連携。
説明時の通訳の同伴。
服薬確認アプリの活用。
帰国時結核治療支援による服薬完遂の支援等を行うことで、患者に対する服薬支援を切れ目なく行うことができるよう努めています。
私からの説明は、以上となります。ありがとうございました。
○慶長部会長 ありがとうございました。
それでは、通しまして事務局からの説明も踏まえて何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
劔先生、どうぞ。
○劔委員 熊本県の劔です。
保健所の現状というか、困っていることをちょっと御紹介させていただければと思います。
まず、ICTツール等なのですけれども、外国出生の方と連絡するに当たって、外国出生の方はLINEとかフェイスブックメッセンジャー等、SNSツールしか持っていない場合が多いのですが、そういったものを行政で使うことが非常に難しくて、なかなか電話やメールでは連絡がつかない例が多いので、何かそういうSNS的なものを行政も使えたら、もうちょっとコミュニケーションがよくなるかなということが1つあります。
もう一つ、国庫補助等で通訳事業等に補助をいただいていて、それも非常に助かりますし、もちろん病気の詳細な説明等はしっかりとした通訳が必要だと思いますけれども、日常的なDOTSでの関わりなどになりますと、特に技能実習生とかは簡単な日本語とかも習得して来られていますので、むしろ保健所職員が易しい日本語で対応する必要があるのかなと思うのですが、なかなか易しい日本語をきちんと学ぶ機会がなかったりもするので、そういったところにも少し何か援助が得られると、より対応が、質の向上が見られるのではないかと思って発言させてもらいました。
以上になります。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
事務局から、今の点ですけれども、何かコメントございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
行政としてなかなか対患者であるとか、個々人に対するSNSの使い方が難しいという御指摘だったかと思います。
我々としても、どういったICT支援ツールが適切なのかとか、そういうことについては一律に何かをお示しできるものはないかと思っております。当然のことながら、使用されているアプリであるとか、使用されるツールも全部変わってくると思いますので、そういったものに対して総合的な形で進めていくことが適切ではないかという伝え方をするというふうに考えているところで、そこのICTの有用性ということは今、御指摘いただいたところだと思っておりますので、その示し方は考えていきたいと思っております。
もう一点の易しい日本語を使っていくということに関して言うのであれば、まさに御指摘のとおりだと思っております。我々としましても、今日の部会の中でもずっと出ているところではございますけれども、普及啓発というのは受け取り手側がどう捉えていくのかということについての重要性と、それに関わる医療従事者に対しての理解というのは、DOTSに関しては医療従事者側がしっかりと理解いただきながら処方されているとは思うのですけれども、そういった方々に対していかにどう伝えていくのかという普及啓発のやり方についてはしっかりと取り組み方を考えていきたいと思っております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 佐々木でございます。
DOTS戦略をきめ細かくやっていただくということは非常に重要なのですけれども、入院病床を持っております医療機関から、入院されてしまうと一旦、行政からの支援が途絶えるということがよく起こります。それで、私どもが今お話ししているのは海外の出生の方で、私たちの努力によって医療を受け入れてくださるという前提でやっているのですが、必ずしも外国出生の方が医療を受け入れてくれるわけではなく、入院ということによって逆の姿勢を示される方も少なからず経験しております。医療従事者に対する暴言暴力を伴う場合もございます。
そのときに、医療従事者のほうから行政に相談できるシステムが同時並行にあれば、医療機関のほうも例えば通訳業務は入院中にはなかなか難しいということも承っておりますので、そういう形で外国出生の方が医療を途切れさせないようにする努力は入院中もお願いしたいところであるかと思っております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
木添先生、どうぞ。
○木添委員 私は宮崎県の紹介をさせていただきたいのですけれども、宮崎県では県内の保健所の担当者が一堂に集まってコホート検討会を実施しています。それで、地域の課題、宮崎県の課題というものが分かりますし、今、全国では実施率が高くなっておりますので、保健所ごとではなくて地域ごと、あるいは圏域ごととか、そういうふうに地域の課題が分かるようなコホート検討会の進め方というものもあっていいのではないかと思っております。
それが1点目と、2点目は最後の「方向性(案)」の中でDOTSの実施率を95%以上にしてはどうかというふうなことが書かれておりますけれども、今、既にもう95%以上をDOTSの実施率はできておりますので、スライドの4ページには完全実施率と準完全実施率の割合が記されております。私は、今後このDOTSの質を高めるためにも完全実施率を高めていったほうがいいのではないかと思っております。世界的にも世界的な標準というのは完全実施率を求めていると思いますので、日本もそういうような方向性を見つめて、今後DOTSの実施率はそういうような考え方で求めていってはいかがかなと考えております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
今の1つ前の佐々木先生の御意見、あるいは今の木添先生の御意見に関して事務局からのコメントがございましたらよろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
佐々木先生から御指摘いただいた点は、結核という切り口ではございますけれども、多分外国人の医療に係る総合的な課題なのではないかと考えております。そういったものにどう適切に対処していくのかということに関しては、当然我が部局も関わりますが、多分、省もしくは政府全体で考えていくことになるかと思っております。大きな課題に対してどういう対策ができるかということについての一つの視点という形でいただいたものだと思っておりまして、この検討部会だけではなく多くの機関を用いて検討されるべき課題だと思っておりますので、貴重な御意見として受け止めさせていただきたいと思っております。
2つ目の木添先生からいただきました、保健所での単位ではなく地域単位もしくは圏域単位でのコホート検討会の推進ということについては、我々も非常に重要だと思っております。なかなか症例が減ってくる中において、知見の集積が難しくなってきたりということであれば、県単位であるとか、多くの地域を超えてそういう議論をしながら、どういうふうに対処していくのが適切なのかということを共有していくということについて重要な機会だと思っておりますので、コホート検討会については引き続き地域、圏域を超えた形でも検討をお願いしたいという形で進めていければと思っております。
もう一点、95%以上のところを完全実施率にすべきということにつきましては、またこの結核部会の中でも御意見をいただきたいところではあるのですが、我々としましてはこの95%以上というのを完全に達成できるか、完全実施率にすべきかどうかというのは悩ましいところではございますが、95%という数字自体はあくまでも維持していくということに関して数字を上げるのではなくて、日々の不断の努力の中で達成されているものだと思っておりますので、それを改めての数値目標として設定していくということの意義はやはりあるのではないかと思っております。
これを完全実施率にするのか、いわゆる全結核患者に対して3分の2以上の期間については少なくとも治療が行われているというトータルでの患者に対するDOTSの実施率にするべきなのかということについては、まだ皆さんにも御意見をいただきながら検討させていただきたいと思っております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
確かに維持するということでこの95%をお出しいただいたというのは非常に理解できるところと同時に、その残りの5%が実際のところは非常に保健所の方々も苦労されているところだと思いますし、そういったところが治療の失敗や中断に関わるところが多いのであれば、そこのところにどんな対策をさらに進めるかというようなことも重要になるのではないかと考えます。
何かこの辺のところも併せて、それからもう一つ、最初の頃にWHOがDOTSということはなくしたので、そちらをどうするのかというような話も出ていると思いますが、確かにDOTSカンファレンス等、非常に定着していますし、それを新たに変えるということではなくて、DOTS戦略自体、コンセプトとしてもう既に患者中心の支援であるということも踏まえると、そのままこの言葉は維持して、ただ、実際の問題としては既にコンセプトとしてあります患者中心のケアのことをやっていくんだということなのかなと理解しています。
この2つの部分に関しまして、何かコメントとか御意見がございましたらお願いいたします。
それで、1つは今、木添先生からいただいたように完全実施を増やしていくというところ、その数値目標として95%は全体としても、完全実施を増やしていくということは重要ということも含めてですけれども、何かございますでしょうか。
大角先生、どうぞ。
○大角委員 ありがとうございます。
指標として、結核対策は患者さんが治療をきちんと終えるようにしていただくということができていますかということで、DOTS実施率というのはそういう努力をしていますということですよね。
それで、具体的に例えば今、木添先生がおっしゃったように治療失敗がどのくらいあるのか、治療中断がどれくらい出ているのか。あとは、トランスファーアウトですね。転出がどれくらいいるのか。つまり、治療をきちんと終えていることが確認できない人たちがどれだけいるのかというところをモニタリングするという視点は必要かと思うのです。
WHOが成功率というのは出していますけれども、成功率は日本では無理なので、それよりも治療がきちんと行われていますよ、完遂できていますかというところの視点を入れた指標でモニタリングするという視点を、今日これからというのではないですが、DOTS実施率というものは必要だと思うのですけれども、それで結果どうでしたかというところの指標というのがやはり必要なのかな、あったほうがいいのかなと思いました。
それが非常に低く抑えられている。私は今、言った3つのあまり喜ばしくない指標ですよね。その3つが低く抑えられているということであれば、結果として有効な結核対策が行われている一つの指標になるのかなとは思いました。
意見です。以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
佐々木先生、続けてどうぞ。
○佐々木委員 私も、大角先生の御意見に賛成させていただきます。
というのは、最近、中断して発症してくるという患者さんも散見されておりますし、やはりDOTSの内容的に今まで電話等での確認を中心におやりになってきたと思うのですけれども、実際には彼らが一番中断するわけで、なかなかパンデミックの中で最後まで見届けることが難しかったということもあって、経験も積まれていると思いますので、治療中断率等々の成績で評価していただくことが一番かと思います。
実際、保健所の方は熱心なのでちゃんと入るのですけれども、受けてくださる方の気持ちの問題はございますので、ぜひその辺りをお願いしたいと思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
事務局から何かコメント等ございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
一応、我々として治療中断率自体についてはデータとしてはいただいておりません。受け取っている限りで令和5年のデータですけれども、LTBIに関してのところで大変恐縮なのですが、全年齢では7.5%、日本出生者数が7.9%、外国出生者数が6.1%という形になっております。
それで、いただいた御意見はいわゆるDOTSの値だけではなくて、トータルで見た際に中断がどうなのかとか、あとは今日広島市の資料にもございましたが、帰国される方に対してのフォローという視点、そこまでを制度として持っていくのかというと、またここは難しい要素があるかもしれませんが、そういった意味で考えた際に様々な経路が今後考えられる。国内にずっととどまるわけではないという形の中で、公衆衛生的にどういった指標を持つことが適切なのかということに関しては、引き続き検討をさせていただくものかなと思っております。
一方で、現状、我々としては目に見えるところの中で言うと、全結核患者及びLTBIに対してのDOTSの実施率、このDOTSという日本版DOTSという戦略自体、部会長からもいただいたとおり日本全国的にかなり普及している単語になっているので、今さら切り替えるのではなくこれを引き続きやりながら、一つの数値目標設定としてDOTSの実施率を指針として我々としては打ち出していくということについては、ある意味適切なのではないかという御意見をいただいたと認識しております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
中身についていろいろとまだ検討しなければいけない課題は残っているが、方向性としてはこれでいかがでしょうかということだと思いますが、よろしいでしょうか。ほかには大丈夫でしょうか。
そうしたら、いろいろ宿題が残ってしまって申し訳ないのですけれども、今日の議論は非常に大事な部分で、今後、将来的に外国出生者の結核の比率はどうしても増えてきますでしょうから、そのことも踏まえて、今の時点ででき得ることをということで様々コメントいただきましたので、ぜひ反映させていただければと思います。
それでは、この議題3に関しても方向性としてはよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局のほうにお返しいたします。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 皆様方、ありがとうございました。本日の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
この後、当方のほうで記者ブリーフィングとして議事の概要を御説明させていただく予定としております。
次回については、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日は、お忙しい中、皆様御出席いただき、ありがとうございました。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日、議事進行を務めさせていただきます感染症対策課の小谷と申します。よろしくお願い申し上げます。
本日の議事は公開となります。議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡をさせていただきます。
御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順に、阿戸委員。
○阿戸委員 よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
大角委員。
○大角委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 お願いいたします。
木添委員。
○木添委員 おはようございます。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
慶長委員。
○慶長委員 慶長です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
佐々木委員。
○佐々木委員 佐々木です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いします。
釣永委員。
○釣永委員 よろしくお願いします。釣永です。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
劔委員。
○劔委員 劔です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
早川委員。
○早川委員 早川です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いします。
三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
由藤委員。
○由藤委員 由藤です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
和田委員。
○和田委員 和田です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。
また、本日は参考人として、広島市健康福祉局保健部健康推進課専門員の城間紀之様に御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。
○城間参考人 広島市の城間と申します。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 よろしくお願いいたします。及び参考人として、新宿区健康部保健予防課長の渡邊様に御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。
○渡邊参考人 新宿区の渡邊です。よろしくお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 また、本日は事務局に関係省庁として、文部科学省総合教育政策局健康教育・食育課にも御出席いただいております。
以上、委員13名全員の御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
議事次第及び委員名簿、資料1、資料2、資料3になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、ここからの進行は慶長部会長にお願いいたします。
○慶長部会長 御紹介いただきました、改めまして結核研究所の慶長です。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議事、議題1ですが、「結核発生の予防及びまん延の防止の方向性について(定期健康診断等)」について、資料1を事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 それでは、資料1を御説明させていただきます。引き続き、感染症対策課の小谷でございます。
1枚おめくりください。
まず、前回開催させていただきました第13回結核部会までの流れを御説明いたします。
本結核部会におきまして、指針改正を念頭に置きながら今後議論を進めていくところでございますが、前回において「従前行ってきた総合的な取組を引き続き徹底しつつ、特にリスクの高いグループに対する重点的かつ効果的な対策を講じていく」という方向性について、委員の皆様の御了承を得たところと認識しております。
もう一点、こちらについては結核病床の議論をさせていただきましたが、都道府県は結核病床の確保を前提とせず、地域の実情に応じ、結核病床のほか感染症病床、またはこれらの病床を適切に組み合わせて必要な病床確保ができることとするという方向性についても御了承を得たところというふうに認識しております。
その他、前回部会で委員の先生方から多くの意見をいただきましたが、本日議論させていただくに当たりまして幾つかの抜粋をさせていただいておりますが、発生の予防及びまん延の防止については外国生まれの新登録結核患者数の増加を踏まえた議論が必要であるということ。
日本のDOTS戦略については患者中心の支援ということが軸になっていることを踏まえたDOTSの在り方を考えていくべきであるということ。
また、特にリスクの高いグループに対する方策として、高齢者と外国生まれの方等のハイリスク層に対する慎重な配慮が必要であるということを皆様方から御意見をいただいたところと認識しております。
これを踏まえまして、本日は定期健康診断の方向性について御意見をいただければと思っております。
続きまして、4ページ目です。
こちらは、現在の「発生の予防及びまん延の防止に係る指針の記載」になっております。まずは高齢者等の議論をさせていただければと思っております。
基本的な考え方として、発生の予防及びまん延の防止については有症状時の早期受診が重要であるという旨をこちらの指針の中にも明記されているところでございます。
同時に、定期健康診断の方針の一部に、早期受診の勧奨というものも記載されているところでございます。
続きまして、少し飛ばしまして6ページ目を御覧ください。
こちらは、新登録結核患者の発見割合について、2024年のデータでございます。
日本出生者について見ると、定期健康診断に係る発見が480人、全体の6.1%と少なく、一方で医療機関に係る発見が6,959人、全体の88%と大多数を占めていることが分かっております。
日本出生者の80歳以上において見てみても、医療機関に係る発見が94.4%と、さらに多くの部分を占めているということが分かります。
外国出生者については定期健診に係る発見が629人と、健康診断は大きな部分を占めている一方で、医療機関に係る発見割合はトータルで54.9%と、日本出生者と比較すると少ないということが分かっております。
続きまして、7ページ目を御覧ください。
うち、日本出生者について見ていきます。
日本出生者は定期健康診断に係る発見が480人と少なく、先ほど述べたとおり医療機関に係る発見が88%、6,959人であるということです。うち有症状者の受診は4,380人、55.4%と、こちらも大多数を占めております。
定期健康診断のうち、20歳前半までは学校健診でも発見されており、80歳代前後については住民健診が中心ではありますが、定期健康診断で発見される割合は5%にも満たないということもこのデータから分かってきているところでございます。
8ページ目を御覧ください。
こちらは参考となりますが、自治体における80歳以上の高齢者における施策の現状でございます。
当初の指針の中でも、ハイリスク層に対してしっかりとした取組を実施することが重要であるということは、現在の予防指針第2の発生の予防及びまん延の防止の中でも記載されているところではございますが、80歳以上の高齢者における施策の取組実施率は全体の4割程度、施策の内訳の実施率は一定ではないということが分かっております。
こちらのグラフを御覧いただきますと、ハイリスクグループへの施策は含まれているか、予防計画等というものに関しては124自治体の回答のうち91の自治体等では実施されており、80歳以上というふうにより限定すると、91のうち50が実施するという形になっております。その具体の内訳としては、定期健康診断の個別医療機関への委託の実施であるとか、通所介護等の事業所・施設において健診案内などを実施しているというところが多く示されているものが分かると思います。
これらのデータを踏まえまして、次のページでございます。
「高齢者における結核発病患者の早期発見対策に向けた取組についての考え方」ということについてお示しさせていただきます。
こちらは平成30年、第9回結核部会において、80歳以上は新登録患者数の約4割を占め、罹患率は60を超えている状況であることより、国内の80歳以上の者に重点を置き、高齢者の結核早期発見を強化していく方針を了承いただいたところです。
こちらについて、定期健康診断における健診受診率向上のため、個別勧奨の実施、結核健診の個別医療機関に委託する等による受診機会の増加等の施策や、高齢者施設、介護サービス利用者に対する受診勧奨の強化についての方針を決定したところでございます。
一方で、現状80歳以上の高齢者に対する受診勧奨を行っている自治体が一定数以上存在すると認識している一方で、定期健康診断での結核の発見は5%にも満たず、大部分が医療機関で発見されているというところが事実となっております。
そういった現状を踏まえまして、「方向性(案)」という形で提示させていただくものとして、一般的に結核まん延防止の観点は早期発見が重要であることを踏まえ、都道府県等は高齢者における結核対策について、医療機関における結核の早期診断の強化に重点を置きつつ、一方で地域の定期健康診断における結核の発見率等の事情に応じた柔軟な対策を検討することとしてはどうかという形。
もう一点は、国は高齢者における結核の早期診断の強化を目的とし、非典型的な症状が高齢者において比較的多いこと等を踏まえ、医療従事者や国民への啓発を継続しつつ、具体的な政策について引き続き検討することとしてはどうかと考えているところですが、こちらについてどうかという形をまず御提案させていただきたいと思います。
続けての議論の説明をさせていただきます。
続いてのページでございます。こちらは、外国出生者に当たるものとなっております。
最初のほうのデータでもお伝えしましたが、外国出生者は定期健診に係る発見が629人である一方で、医療機関に係る発見割合は日本出生者と比較すると少ないということが分かっております。
また、この定期健康診断においては若年層では日本語学校を含む学校等での発見が多いが、小中学校でほとんど発見されていないというものもこちらのデータから分かってきているところでございます。
1枚おめくりいただきます。
そういったものを含めまして、昨年度から我が国としましては入国前結核スクリーニングというものを令和7年3月から開始しております。外国生まれの患者数の出生国別割合が多い国から優先的に制度を導入する方針という形で、3月からフィリピン及びネパール、5月からベトナムに対して制度を開始しております。こちらについては、対象者の国籍を有する中長期在留者等に対して我が国に入国、在留しようとする者に対しては、対象国にある指定健診医療機関で医師の診察及び胸部レントゲン検査を受けるなどし、発病していないと判断された者について在留資格認定証明書交付等が行われる制度となっているところです。御存じのとおり、JPETSという表現をさせていただいているところでございます。
1枚おめくりください。
こういった制度も実施しているところではございますが、結核高まん延国出身者における施策の取組実施率は全体の半数以下ということが分かっております。定期健康診断の具体的な対象者の設定や、多言語パンフレット等の配備等の具体的な対策をしていない自治体も多く存在するということが、こちらのグラフからも読み取れるのではないかと考えています。
1枚おめくりいただきますと、こちらについてはその中でも本日参考人として来ていただいておりますが、新宿区における取組なども御紹介いただきますけれども、まずは事務局のほうから御説明させていただければと思っております。
新宿区における「日本語学校健診」というものになっております。
新宿区では、外国人の結核対策として、区内日本語学校の就学生に対する全額公費負担の胸部エックス線検査を実施しているというところです。2024年は8,915人が受健し、うち患者が14名というふうな形になっております。
1枚おめくりいただきまして、健診の流れとしましてはこういった流れを踏まえながら健診を実施し、精査が必要であれば精査を実施し、医療の提供が必要であれば結核診断等を行っていくという形になっております。
1枚おめくりください。
こちらはむしろ参考人の方からの生のお声のほうがよいかとは思いますが、「外国人への結核対策における課題と対応」という観点からしては大きく分けて3つの壁がある。言語・文化の壁があるという点、受診・治療の継続困難さがあるということ、または関係機関との連携等、重要性があるということに関して、それぞれ多言語対応、DOTS、事前説明会を開催するなどの取組をされているということを現在認識しております。
1枚おめくりください。
厚生労働省としましても、結核・呼吸器感染症予防週間というものを毎年9月24日から9月30日に定め、自治体と協力の下、結核と呼吸器感染症に対する正しい知識の普及啓発を行っているところでございます。特に外国出生者においては言語の問題のみならず、結核は治らない感染症であるなどの誤った認識の様々な問題が早期発見を妨げている可能性がございますので、こちらについてしっかりとした普及啓発を行うことが重要というふうに考えているところでございます。
これらを踏まえまして最終ページにありますが、「外国出生者における結核発病患者の早期発見対策に向けた取組についての考え方」でございます。
「現状」については先ほども述べさせていただいておりますが、外国出生者の医療機関での診断における発見割合は日本出生者と比較すると少なく、3割程度が現状も定期健康診断で発見されているところでございます。
その定期健康診断においては、高まん延国等出身者を含め、小中学校や高齢者層ではほとんど発見されていない一方で、若年層では日本語学校を含む学校等や職場での発見が多いとなっています。
一方で、都道府県等においては高まん延国出身者等に対する結核定期健康診断の対象設定であるとか、早期受診を促す多言語資材の整備等が行われていない場合があるということも判明しております。
つまり、課題としては、都道府県等のうち外国出生者に対する結核対策は不十分な県が一定数存在する可能性があるということ。
その外国出生者に対しては言語の問題のみならず、「結核は治らない感染症である」との誤った認識等の様々な課題が早期発見を妨げる可能性が指摘されているところでございます。
こういった課題に対して「方向性(案)」としましては、外国出生者における新規結核登録患者数が増加傾向にあること、また入国前結核スクリーニング、JPETSの効果の分析等を踏まえながら、都道府県等は高まん延国出身者等に対する結核対策について、市町村が管轄する区域内における結核の発生の状況、定期の健康診断による結核患者の発見率、その他の事情を勘案し、医療機関への有症状受診や定期健康診断の受診勧奨等に関する具体的な方針を示してはどうか。
また、国については、外国出生者特有の問題を踏まえ、人権に配慮しつつ、早期発見の重要性を軸とした啓発の強化というものを行っていくこととしてはどうかという点について、本日は高齢者の論点及び外国出生者における論点、大きくこの2点につきましてそれぞれ現状、課題、方向性という形で皆様方からの御意見等をいただければ幸いでございます。
事務局からの説明とさせていただきます。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございました。
そうしましたら、本日お越しいただいておられる参考人として、新宿区の渡邊様から今お話しいただいた提出部分について、もし補足説明等ありましたらお願いいたします。
○渡邊参考人 新宿区保健所の渡邊です。
では、「新宿区における日本語学校健診」について御説明させていただきます。
まず、新宿区には日本語学校が把握できる範囲で少なくとも27校ございまして、日本で一番多く日本語学校が所在する自治体でございます。
新宿区では外国人の結核対策として1988年度から38年間、区内日本語学校の就学生に対する全額公費負担の胸部エックス線検査(以下、日本語学校健診)を実施しております。
2024年は3回健診を実施いたしまして、合計で8,915人の日本語学校の学生が受健いたしました。うち、結核と診断された患者は14名、患者の発見割合は0.16%でした。
健診の動線といたしましては、受健者はまず写真Aのとおり保健所の建物の外側、壁沿いに沿って並んでいただき、次に保健所の会議室を通過し、受付を行った後、写真Bのとおり保健所の前に駐車しているレントゲン車でレントゲンを撮影いたします。学校ごとに決められた時間に来所していただき、学校の先生が引率してくれますので、スムーズに健診を行えている状況です。
次のスライドをお願いします。
次に、「日本語学校健診の流れ」です。
保健所は日本語学校に入学した初年度の学生を健診の対象とし、毎年各学校に対して健診を案内しています。保健所は、健診を希望した学校に対して事前説明会を実施した上で健診を実施しています。健診結果が要精密となった場合には、保健所の医師が医療機関への紹介状を発行し、医療機関受診につなげます。その際、必ず日本語学校の先生が受診同行することになっているため、確実に医療につなげることが可能です。
受診した結果、要医療となった場合には結核と診断されます。その際、住所地の保健所で結核患者としてフォローされ、患者管理されます。
一方、健診結果が異常なしであった場合には、その結果をお伝えし、健診終了となります。
次のスライドをお願いいたします。
最後に、「外国人への結核対策における課題と対応」についてです。
課題は大きく3つございまして、課題の1つ目は言語・文化の壁です。言語や文化の違いにより、検査や治療の必要性等を説明することが難しい場合や、制度や治療方針の違いに対する理解が得られにくい場合があります。これについては、通訳等を通じて多言語対応を実施し、丁寧に説明を行っています。
課題の2つ目は、受診・治療の継続が困難であることです。医療費の経済的負担に加えて、在留資格や転居、就労形態等の変化も多く、対応に苦慮しています。これについては、服薬支援としてDOTSを実施したり、公費負担制度を案内したりと、治療完遂のための仕組みを活用して対応しています。
課題の3つ目は、関係機関との連携です。日本語学校によって結核対策への理解と協力に差があるため、保健所が学校に対して事前説明会を開催し、その中で保健所と学校との役割分担を明確化しています。実際には、これらの3つの課題に対する対応を組み合わせることで事例の対応に当たっています。例えば、日本語学校健診で「要精密」となり、医療機関を受診することになった場合には、母国語が話せる学校の先生に受診同行してもらうことを徹底しています。
ほかには、入国前の結核スクリーニングで結核と診断後に数か月分の抗結核薬を処方され、入国された方が、日本語学校健診でたまたま「要精密」となり探知した事例がございました。服薬が完遂できないリスクがありましたため、医療機関受診の際に医師から結核の発生届を提出してもらい、保健所が患者管理をして学校にてDOTSを実施しました。
このように、直面する事例に対し、保健所は工夫を凝らしながら対応を行っています。
御説明は以上です。
○慶長部会長 渡邊様、ありがとうございました。非常に苦労していらっしゃると思いますけれども、きっちりとした対策を立てていただいているのがよく分かりました。
それでは、今、事務局のほうからは主に2つのポイントですね。高齢者に対する早期発見対策としての定期健康診断等について、それから今お話しをいただいたような外国出生者の定期健康診断、あるいはそれ以外の早期発見の対策についてと、これら2つのポイントの方向性についての提言をいただいているのですけれども、まずは高齢者に関してですね。
簡単に申しますと、今まで80歳以上で受診勧奨を行って定期健康診断をやっていたのですけれども、あまり発見率が高くなくて、むしろほかの病気で既に医療機関を受診していらっしゃる方が多いために、そちらでレントゲンを撮ってそれで結核が見つかるというようなことが多いというようなお話だったと思います。ですので、そういったところをもう少し柔軟に、今までの80歳以上だけを重点に、といったところを変えていったらどうかというような論点だったと思いますが、何か御質問、あるいはコメント等はございますでしょうか。御意見のある方は、最初にありましたように、挙手機能を使ってお手を挙げていただければと思います。
佐々木先生、よろしくお願いいたします。
○佐々木委員 佐々木でございます。
御説明ありがとうございました。高齢者のことなのですけれども、高齢者の受診の遅れの現状みたいなものについて患者さん御自身が有症状で、その疾患だけで、結核に関わるものだけで受診されているのか、それともほかの疾患のついでというか、その中で見つかってきているのか。そのついでに見つかったもののほうが、例えば受診の遅れが長いとか、そういうデータは厚生労働省のほうでお持ちかどうかを1点伺いたいことがあります。まずそちらをお願いできるでしょうか。
○慶長部会長 事務局からお願いできますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
7ページを御覧いただければと思います。こちらについては、医療機関の受診について他疾患入院中、他疾患通院中の段階で発見されたものというふうに認識しております。この中で、基本的には55.4%が医療機関を受診という形になっておりますので、ほかの疾患の関係で入院したり、ほかの疾患の関係で通院されている方の割合がおおよそ22%程度ですので、基本的には結核を疑う有症状の中で受診されたものというふうに考えております。
○佐々木委員 ありがとうございます。
その中で、もともとのかかりつけ医受診の方と、そうでない初診でほかの病院にわざわざ受診している方の比率というのは分かりますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
こちらにつきましては、かかりつけ医の割合が13.5%となります。
○佐々木委員 ごめんなさい。これは恐らく分け方の問題だと思うのですけれども、ほかの疾患で現状かかっている方の中に、例えば高血圧とかでかかっていて、それでたまたま結核の話が出て受診したのが13.5%に入って、全くさらで、全く受診をしていない方が55.4%、80代の方でいらっしゃるというふうに考えていいんですね。全く医療機関にかかっていない方と、そういうことになりますよね。
そうしますと、高齢者の方々にじかに啓発をするのか、医師に啓発をするのか、2つ考えなければいけないと思うのです。高齢者の方自身に啓発をすることでこの55.4%がさらに増えてもっと受診の遅れが短くなるし、医師に啓発をすることでこの32.6%の方の診断が早くなるという形になると思っていいんですね。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
かなり細かい分析までは、このデータの中からは難しいかとは思っています。実際に先生が御指摘いただいたように、高血圧があってほかの受診をしていてたまたま症状があってというパターンと、もしくは別の有症状があってほかにかかっていたからという方もあるかもしれませんが、いずれにしても先生が御指摘のとおり、こちらの観点に関して、今回の論点であります、しっかりとした医療機関での早期発見というものについて努めていくのであれば、患者様御本人でもありますし、同時に医療関係者双方に対してしっかりと周知していく、啓発していくということは、医療機関における有症状の早期発見という観点についてはいずれにせよ重要な要素ではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○佐々木委員 そのとおりだと思います。
なぜ私がそこを気にしたかといいますと、最近お金の関係で医療機関に受診しない高齢者が増えてきていて、以前よりも重い状況で受診される方が増えています。そうしますと、無料の健診の機会である健診発見例が高齢者でも少し動くのかどうかということが今、興味のあるところでございます。
また、健診発見は会場に行かないといけないということがありまして、その利便性の問題とか、高齢者の方が健診に行かれない理由としてあるかと思っております。交通費の問題もございます。ですので、様々な高齢者の場合は背景があって今の結果に至っていると思われますので、ポストパンデミックで医療が非常に変わっている現在、どの対策が一番いいかというと、やはり高齢者の方自体に届く何か方法があればいいかなと、直接届く方法が一番有効ではないかと思うところがございます。
ワクチン接種についても日本が十分な成績を上げられていないのは、やはりその効果効能を上げにくいというところがございますので、医療全体の情報について高齢者の方にダイレクトに伝わるようなものが今後も期待されるのかなと思って御質問させていただきました。ありがとうございます。
○慶長部会長 佐々木先生の高齢者に届くということの一番コアになる部分というのは、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○佐々木委員 高齢者の方々というのは、医療情報については非常に敏感ではありますが、現在、様々受診止めの情報も多くなっておりまして、やはり社会保障のところの情報に健康情報が一緒に流れるような形が一番望ましいかなとは思っているのですが、いろいろ領域も違いますし、難しいところかなとは思っております。
私どもが結核の患者さんをお受けするときに、やはり結核の症状がこういうものだとは思わなかったという過去のイメージに取られている高齢者の方も非常に多いですし、実際に施設の方々への教育みたいなものもないと、施設から、いわゆるサ高から受診するということもなかなかないのですので、高齢者に直接伝達する方法を私も全部把握しておりませんが、やはり社会保障関係からの情報が高齢者の方に回られるといいのかなというのは、一番生活に密着しているところでございますので、あるかなと思っております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
現在、おっしゃったように高齢者の受診がやや今後減っていく可能性があるという中で、多面的にでしょうか。いろいろなところから啓発をしていかなければいけないということになるのではないかと思いましたが、ほかに何か御意見等ございますでしょうか。高齢者に関しては、そういった形での進め方でよろしいでしょうか。
木添先生、どうぞ。
○木添委員 木添です。
私も経験上、高齢者の患者さんと今まで関係を持ってきたのですが、かかりつけ医の先生がいらっしゃって、自分はもう先生にかかっているからレントゲンは受けなくてもいいんだというような患者さんが何人も今までいらっしゃいました。高齢者の方はかかりつけ医の先生を信頼していて、自分のそういう病気を任せていらっしゃるので、かかりつけ医の主治医の先生が年に1回はレントゲンを撮りましたかとか、そういう言葉かけを高齢者の方にかけていただければ、そのときのレントゲンを撮っていただくというような仕組みができればいいのかなと思っています。
ですから、今、佐々木先生が言われたように、高齢者の方と主治医の方からの双方の啓発が必要ではないかと考えております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。非常に大事なところを御指摘いただいたと思います。
ほかはいかがでしょうか。この件に関して、事務局のほうでもそのあたりのところは方向性として加味していただけるような形になりますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございます。
大変貴重な御指摘、ありがとうございます。しっかりと加味した形での施策につなげていければと思っております。よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、外国出生者のほうの早期発見対策に移ってみたいと思いますけれども、ここではやはり高齢者の発見の仕方というものが定期健康診断から受診されている方の他疾患での発見というものが多いということに対比して、外国出生者ではむしろなかなか受診に至らずに定期健康診断で見つかるケースが多い。さらに、入国前健診が始まってはおりますけれども、それで全てを解決できているわけではないということもありますので、非常に健康診断が大事なのではないかということで、そういった方向性を出していただいていると思いますが、これに関しては何か御質問、あるいは御意見等はございますでしょうか。
劔先生、初めによろしくお願いいたします。
○劔委員 熊本県の劔ですけれども、職域での定期健診でもレントゲンを撮ってもらうことが大切かなと思うのですが、40歳未満だと医師が必要でないと認めたら省略できる事項になっていたかと思うのです。
その辺が、やはり産業医等に年齢だけではなくてちゃんと総合的に見て必要な人はやったほうがいいですよということをしっかり知ってもらわないと、特に小さい企業でお金がいろいろ大変なところは年齢で区切って必要最低限の健診にしがちかなと思いますので、その辺の働きかけが今どうなっているのかとか、今後どういうふうにしていくのかとか、何かあればお聞きしたいと思って発言しました。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
事務局から、何かこの点についてはございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございます。
申し訳ございません。現状、こういう取組をしていますと言えるものがございませんが、非常に貴重な御指摘だと思います。当然、労働部局ともいろいろ調整しながらという形になるとは思います。
劔先生がおっしゃったように、お金的に厳しい機関もあるとは思いますけれども、公衆衛生上の観点からも我々としてどういったタイプの方とか、どういった国の方に対してとか、あとはどういった症状がある方に関してはやはり積極的にみたいな形のお話ししていくべき課題だと認識いたしましたので、これからの課題とさせていただければと思います。
○慶長部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、笹本先生、お願いいたします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
2点ほどございまして、自治体の皆さんは定期健診を進めるためにご尽力されておりますし、また、新宿区の取組も大変すばらしいものだと思います。
そこで、近年、外国出生者は増えていますけれども、外国出生者全体での定期健診の実施率というのは調査されているのでしょうか。上がっているのかどうか、教えていただきたいと思います。
もう一点、先ほど劔先生がおっしゃいました職場での健診に関しましては、産業医の方のお力が大変重要だと思います。また、50人以下の事業所におきましても産業医の設置は認められておりまして進められておりますので、その方々も含めて職場での健診のほうをしっかりと進めていただきたいと思います。こちらは要望です。
以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
その点に関して、2点御指摘いただきましたけれども、事務局のほうではいかがでしょうか。外国出生者の定期健診の実施率ですね。それから、産業医に対しての取組なのですけれども。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございます。
先に、2問目の御指摘いただきました産業医との連携の点というのは非常に重要な御指摘だと思います。繰り返しになりますが、労働部局との連携という部分はこの外国出生者、いわゆる多くの方が中長期間の労働目的で入国されている関係上、どういった形で取り組むべきなのかということに関して、先ほどは健診の制度の問題もいただきましたが、今回は産業医という切り口、先ほどの高齢者の御指摘、対応とも一緒になりますが、御本人だけではなく医療従事者に対しての周知啓発などの重要性を医師会のほうから御指摘いただいたと思っておりますので、そちらについては今後、大きな一つの課題という形で取り組ませていただきたいと思います。
1点目は事務局のほうで少し確認させていただきたいと思いますので、後ほどの回答でもよろしいでしょうか。
○慶長部会長 よろしくお願いいたします。
それでは、佐々木先生、よろしくお願いいたします。
○佐々木委員 新宿区の試みは、非常に興味深いお話で伺わせていただきました。ありがとうございます。
1つ伺いたいのは、外国人の語学学校においては初年度だけの健診ということで、入国から5年以内、5年以上と分けたときに、5年以上よりも5年以内のほうが発病率は高いということがコロナのパンデミック以外のときには起きておりまして、入国1年という期間では発症しない。感染を受けてきて日本で発症するということになりますと、1年を超えて発症してくる人たちが出てくると思うのですけれども、職域で健診を受けるだけではなくて、そうすると家族の方の入国も出てくるわけで、職域以外のところで住民健診が全て若年者に画像検査が行われているかというと、私どもの施設の近隣ではオプションという形で有料になっているところがございまして、外国人の方は全体的にその健診を行うためのシステムづくりというのはどのような形で今後お考えになるのでしょうか。
それをやってしまうと、逆に外国人の方だけ特別にやるというのは差別につながるので、例えば在留カードの更新時に健診をするとか、範疇が違うので行政が縦割りになるところで恐縮なのですけれども、そういうところで協力することはできないのでしょうか。それをお伺いしたかったということになります。
○慶長部会長 事務局から、いかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 御指摘ありがとうございます。
佐々木先生の御指摘は何点かあるかと思ったのですが、入国されて1年目以降の5年以内に発症する可能性が高いので、5年間継続的に見ていくべきではないかということでよろしいでしょうか。
○佐々木委員 継続ではなく1年以後に、外国語学校に1年以上いらっしゃる方に健診を勧奨しているのかどうか。これは新宿区の先生方にお伺いしたいところだけなのですが。
○渡邊参考人 新宿区の渡邊です。御質問ありがとうございます。
入学した初年度の学生に対して健診を実施していまして、本当はもう少し広げたいと思っているのですが、そのキャパシティーと予算の関係でなかなか広げられずにおります。
ただ、希望があれば定期的に新宿区では結核健診を広く行っておりますので、誰でも健診枠という枠もございますし、その枠の中で必要に応じて受健していただけるようにしておりますが、それでも十分なものではないかなと認識しております。まさにそこが課題と思っています。ありがとうございます。
○佐々木委員 ありがとうございます。
○慶長部会長 2つ目以降の点に関しては、事務局からいかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 2つ目以降の点につきましては、労働者として入られた方以外の御家族に対する健診というところの制度設計は何か考えているかということでよろしいでしょうか。
○佐々木委員 はい。そのとおりです。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
中長期の労働の枠組みで入られる方の御家族全てに対してという話になってくると、やはり制度的な面でも大きな変革が必要になってくるかと思いますので、そこは現状、検討しているものはございませんが、何ができるか、少し考えさせていただきたいと思います。
○佐々木委員 ありがとうございます。
○小谷結核対策推進室長 一方で、もし有症状で結核と診断された方の御家族という形になれば、当然のことながらその方々に対しては濃厚接触者等の扱いで評価されるものだと思っておりますが、御指摘は多分、症状がない方の御家族にという点だと思いますので、そこまでをどうやれるかはよく考えさせていただきたいと思います。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ほかに手が挙がっていたでしょうか。
木添先生ですね。
○木添委員 木添です。
ここの16ページのスライドに、「「結核は治らない感染症である」等の誤った認識等の」というような文言が書いてあるのですけれども、保健師は結核は治る病気ですよということで患者さんに説明をしております。それによって、患者さんは治療をしようというふうに思っていらっしゃって、それに対しての治療費だったり、仕事のことだとか、そういうことがとても不安になって困っていらっしゃるというような問題が出てきております。
新宿のお話の中でも課題の2つ目に、受診とか治療の継続は困難ということが掲げてありますが、やはり患者さんだけではなくて周りの人がそういうことを考えていかないと、患者さんだけでは対応できないのかなと思いますので、皆さんにこういう問題を抱えているということを啓発していくことも必要なのではないかと考えております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
確かに、課題のところで「「結核は治らない感染症である」等の」ということで、これを一番上に出されたので、そうすると、では結核の病気としての啓発をすれば、それで事足りるのかというと全くそうではないということが問題かと思いますので、その辺りもよろしくお願いいたします。
では、大角先生でよろしいでしょうか。
○大角委員 ありがとうございます。結核研究所の大角です。
2つありまして、1つ目なのですけれども、外国出生の方々の結核の早期診断、早期の適切な治療に結びつけるということでいろいろなバリアがあるという中で、もうお話にも出ていましたが、やはり日本語学校とか、今日は新宿からの御説明もありましたけれども、そこでの対応、あとは監理団体とか企業ですね。技能実習生の方々を中心とする方々の対応ということで、そういう学校と、あとは受入れ側ですね。監理団体への啓発などというのは非常に重要で、御本人だけではなくてその受入れ側の結核の早期発見、適切な治療の提供をするための啓発というのは非常に重要かなと思っています。
もう一つは細かいことなのですけれども、新宿区の御発表の中で、JPETSで結核と診断されて、右下のほうに数か月分の薬を処方されて入国した方ということですが、これは本当はあってはいけないことというか、何で入国できたのか。御本人の背景がどうだったのか、ちょっと分からないですね。本当は、結核と診断されたら結核非発病証明書は発行されないはずなので在留資格証明書が取得できないはずなのですけれども、薬を処方されて入国するというのはあり得ないことだったはずなのですが、もしかしたら数か月分の薬というのは結核の薬ではなくてほかの薬だったのかなとか、もしそういう例がまたあったら、それは本来あってはいけないことだと思うので、いろいろ対処する必要があるのかなと思いました。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
これは私も非常に気になったのですけれども、JPETSでの入国の話だったのでしょうか。新宿区の方に申し訳ないのですけれども、ちょっと確認をしたいと思ったのですが、大丈夫でしょうか。
○渡邊参考人 新宿区の渡邊です。御質問ありがとうございます。
実はこういった事例は3例ありまして、2例がネパールの方、そして1例がミャンマーの方ですので、JPETSではないかもしれません。ミャンマーはまだ未導入だと思いますので、学校との取決めの中で入国前に検査をしたものだったのかもしれませんが、そこまで正確なことは分かりかねます。
○大角委員 そういうことですね。分かりました。恐らく、JPETSではないですね。だから、おっしゃるとおり、想像するにJPETSのシステムではなくて、今まで実際に実施していた健診ですね。入国前の結核健診を受けてそこでと、それだったら分かります。
○慶長部会長 そうですね。またその辺りはどこかで教えていただければと思います。ありがとうございます。まだたくさんありますので。
和田様、どうぞよろしくお願いいたします。
○和田委員 東京都薬剤師会の和田でございます。ありがとうございます。
早期発見の可能性の一部としまして、なかなか受診につながらずに外国出生者のことに限ったことではないと思うのですけれども、例えば今OTC薬品がどんどん増えてまいりますので、OTC薬品で対処されようと来られた患者さんなどの可能性はあるかなと思いました。その場で、その現場で薬剤師がしっかりとその可能性に気づいて、医療機関への受診にしっかりとつなげられるようにするということが私たちの役割としては大切なことかなと思いました。
また、その際、医療機関さんと連携できるようにもしてまいりたいというふうに、私たちの組織の内部でもしっかりと啓発をしてまいりたいと感じました。
以上でございます。
○慶長部会長 ありがとうございました。大変貴重なコメント、ありがとうございます。
それでは、由藤委員、よろしくお願いいたします。
○由藤委員 よろしくお願いします。共同通信の由藤でございます。
最近報じられていることで皆様、御存じだと思うのですけれども、非常に排外的な風潮というか、地域のコミュニティーの中で特定の国名を挙げて非難する、あるいは排外的な言説を浴びせるというようなことは多々起こっております。
それで、今回、一部の国でスタートしたスクリーニングですけれども、こういうデータはあまり一般の方は御存じないのですが、今後だんだんと知られていくようにもなるでしょう。それで、実際に何かが起こったときですね。感染なり、集団感染なりが発生した場合に、そうしたことが起こることは非常に危惧される。これまでの結核と関係のないそういう排外主義的な動きでも、自治体の業務に多大な影響を及ぼしたような事例は枚挙にいとまがないことになります。実際にそういう動きがあったときには、保健所なども大変な思いをされるのではないかとすごく心配をしています。
それで、従来の現状の指針を拝見すると、やはり予防とまん延防止のところにそのことが書いてあるわけですよね。今、見る限りは、最後に人権の保護には十分に配慮すべきであるというふうにきちんと明記はしてあるのですけれども、私の気持ちとしては、そのことの配慮をきちんとしないと、新型コロナのときもそういうことが起こりましたけれども、例えば受診をしていただく。それから、先ほど出たような健康診断をしていただく、あるいは治療を継続していただくというようなことに支障を来して、予防やまん延防止の差し障りになるということを加味した表現があってしかるべきではないかと思います。そこが1点。
それともう一点は、先ほど大角先生から少しメンションがありましたけれども、今、国のほうで用意をされている啓発用の資材ですね。パンフレットとかで外国人向けのものは、健康診断を受けてくださいというようなことや、結核はこういう病気ですということを当事者にお伝えする資材ですよね。
これは、当局にお聞きしたいのですけれども、例えば受け入れる事業者、外国人実習生を受け入れる事業者とか、それから先ほど新宿区のほうからお話があったような学校の運営者、それから先ほど大角先生も御指摘がありましたけれども、受入れのための監理団体ですね。こういったところに向けて啓発するような資材があれば、例えば保健所から御相談に上がるというようなときに非常に役に立つのではないかと思いますが、そういったものの御用意はあるのでしょうか。
以上、2点です。
○慶長部会長 事務局からいかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見をいただいたと思っております。
1つ目の点についても、どう表現すると伝わるのかという部分で、かつ排外主義的な要素であるとか、いわゆる差別とか、人権とか、そういったものにどう配慮しながら書いていくべきなのかということは、また今後ともよく考えていきたいと思っております。
2つ目の啓発用の資材につきましては、今、御指摘いただいた全ての方、当事者であるとか事業者であるとか監理団体、全てにおいて網羅しているものはないかもしれませんが、一部、結核研究所のほうでそういった団体向けに提示いただいているものがございますので、そういったものも併せて周知広報していくことが重要ではないかと考えております。
すみません。事務局からで恐縮ですが、もし結核研究所のほうからコメント等があればいただけると幸いかと考えております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
どうぞ、大角先生。
○大角委員 対策支援部のほうで、結核に関する啓発ですね。多言語のものを活用していただけることはできるかなと。
確かに、ターゲットですね。学校とかの管理者の方々とか、監理団体とか、事業所に絞ったものではないので一般的なものですから、もうちょっと絞った内容のものが必要なのではないかという御意見かと思いますので、それは今後も必要に応じて検討していく必要があるかと思います。
あとは、東京都のほうでもビデオ等々で結核に関する多言語対応というのはユーチューブで見ることができる状態にはなっているかと思いますし、様々あるかと思います。
○慶長部会長 ありがとうございます。
私の知る限りでも、各自治体でやはりこの監理団体との問題等々、大きな問題ですので、自治体として対応されてそういったパンフレット等を作られているところはかなりありまして、そういったものが共有されていくようなシステムができるといいなとは確かに考えております。ありがとうございます。
佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 ありがとうございます。
今、伺っていて考えていたのが、実施の臨床の場所におきまして外国人の方が結核疑いないしは結核症で紹介されてくる場合に、学校の先生ないしは保健所の方がついて来られるということが行われているというふうには承ったのですが、恐らく今後、外国人の方、外国出生の方の数、あるいはその広がりを考えると、全ての行政で行っていくことはかなり難しくなるだろうということがあります。
それからもう一つ、いつも臨床が挟まれてしまうのですけれども、特に労働力として来られている場合、就労の期限をつけられてしまうんです。いついつまでに退院できれば就労が継続できるけれども、いついつまでに退院しないと帰国させますみたいな通告が病院に直接送られてくることがございます。そうしますと、患者さんにとって非常に不利になってしまって、臨床現場は苦労するわけなのですけれども、一回治療を始めた労働者の方の立場上の保持みたいな、研修生で国の宝で労働力として来ていただいているわけですから、何かそういう形で健康に関する滞在の維持に対する国からの要請みたいなものを出していただけないかなということが1点ございます。
あとは、治療が退院してから外来になった後は全く実は保健所等からの支援がない場合もございまして、非常に途中で中断される例も見受けられますので、DOTSについて後でお話があると思うのですけれども、再度、若い方であっても、日本語がそのときに分かると思われている方であっても、最後までDOTSを見届けていただければということを臨床の現場からお願いしたいと思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
これも何か今の時点で事務局からコメントございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
今の時点で、こういう制度になっていますというものがお伝えできるものはございませんが、やはり労働力という視点に立った際の観点と、あとは公衆衛生的な視点に立った際というところのせめぎ合いの要素がどうしてもこの分野には出てくるのかなと感じておりますので、また関係部局ともよく御相談させてもらいながらというところで、本日は課題、宿題という形でいただきたいと思います。
○慶長部会長 よろしくお願いします。
由藤委員、もう一度よろしくお願いいたします。
○由藤委員 今の事務方の御説明で質問の必要がなくなったかとは思うのですけれども、先ほど大角先生も私も申し上げた、監理団体や事業者、それから学校の運営者等々に対する、いわゆる人を受け入れる側に対する資機材というのは全く多言語である必要はなくて、まさに今おっしゃったような厚生と労働の一体で進めるべき仕事であろう。これは統一的な資料ではなく、そこに特化したものをきちんとお作りいただいて、それをどういうふうに現場に下ろすかということについても御検討いただければと思います。
○慶長部会長 よろしくお願いいたします。
時間も大分たっておりますけれども、三﨑様、よろしくお願いいたします。
○三﨑委員 では手短に、今までの先生方の御意見と同じようなところになりますけれども、やはり事業主が新宿区でされていたようにきちんと一緒についていくというのは非常に大きな課題ではあるけれども、よいことだと思います。事業主が結果をきちんと把握して、必ずその治療につなげるような継続性を持った対応をしていただくことがとても重要だと思いますので、その辺りを方向性の中に盛り込んでいただいたらいかがかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
非常にこの問題は大きな問題で、本当にいろいろな先生方からも御意見をいただいたと思いますが、全体を踏まえて事務局から方向性(案)に関して何かさらに追加するか、あるいはこれは一応このような形にしておいて詳細なところを詰めていきたいというふうにお考えか、その辺りをコメントいただけますでしょうか。事務局よりお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 皆様方、大変貴重な御意見、御指摘等をいただき、ありがとうございます。
1点、先ほど笹本委員のほうから御指摘いただいておりました外国人の全ての方に対する定期健診の実施率で感染者等の値なのですが、今、事務局の手元にはございませんし、恐らく出ていないのではないかと思うのですけれども、そういったものになっているということはまず御報告させていただきます。
その上で、本日いただいた御意見、大きな方向性については先生方も非常に重要な取組であるということについては総論的には私たちとしては御認識いただいて特段異論はないものかと思っている一方で、多くの制度面の課題であるとか、あとは外国人特有の問題であるということ、さらには排外主義的な形にならずに、いかにこういった人権であるとか、そういうものに配慮しながら施策を打っていくべきなのかということについて、多くの宿題はあるものの、その宿題を解決するための方向性としてこの取組を皆様方から後押しいただいているものだと思っておりますので、我々としてはこの方向で進めさせていただきながら課題について一つ一つ解決に取り組んでいけるような形にさせていただければと思っておりますが、いかがでしょうか。
○慶長部会長 いかがでしょうか。本当に大きな課題がいろいろあって、宿題というふうに言っていただきましたけれども、特に外国出生者の場合の受診の遅れというのは、いろいろとお話しいただきましたように社会経済的な不安から非常に難しいのではないか。自分に不利益が生じるのではないかというところで遅れが大分あると思いますので、それは制度的な改革でいろいろなことをやっていただくことで安心して受診して、それで治療に結びつけていただけるというのは非常に大事なことだと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、方向性については今お話しいただいたような形で了承していただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 ありがとうございます。それでは、多くの課題を残しておりますけれども、その辺のところは今後ぜひ事務局、あるいは厚生労働省自体でよろしくお願いいたします。
では、続いてですけれども、議題2の「小中学校における定期健診の方向性について」というとこで、資料2について、これは実は厚労省だけではなくて文部科学省の管轄ということもありますので、まず文部科学省から、次いで厚生労働省ということで順番に御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省総合教育政策局健康教育・食育課の赤星と申します。
小中学校におきます結核の健診につきましては、学校保健安全法における学校健診の中で実施されておりますので、まずは文科省のほうからその現状と課題について御説明をしたいと思います。
まず左上を御覧いただければと思いますけれども、学校健診につきましては学校教育の円滑な実施と成果の確保というものを目的としており、その役割としましては大きく2つ、学校生活を送るに当たり支障があるかどうかについて疾病をスクリーニングし、健康状態を把握すること、2つ目としまして、学校における健康課題を明らかにして健康教育に役立てること、こういった役割を持っております。
また、実施時期につきましては毎学年、原則として6月30日までに実施することとなっております。
ただし、臨時の健康診断として実施することも可能となっておりまして、例えば転入時などに際して必要な検査があれば臨時に行うことができることとなっております。
その下を御覧ください。具体的な結核健康診断の方法についても、学校保健安全法施行規則において定めております。
結核の有無につきましては、まず小学校、中学校につきましては全学年に対して問診を行うこととされております。問診を踏まえて、学校医その他の医師が認める者に対して胸部エックス線等の精密検査を行うという形になっております。
また、高等学校、高等専門学校につきましては、入学時、第1学年に対して胸部エックス線検査を行うこととなっております。具体的には下の表でおまとめしておりますので御覧いただければと思います。
また、右側の表に学校健診の全体像をおまとめしております。
こういった形で様々な項目がある中の一つとして、結核の有無というものも併せて健診を行っているという状況でございます。
次のページをお願いいたします。
文部科学省におきましては、結核健診につきましては結核対策マニュアルというものを作成し、具体的な方法についてお示しし、それを参考に学校現場でやっていただいている状況でございます。
具体的には、左のフローチャートを見ていただければと思います。
まず、問診票として保護者に主に6つの項目について記載をいただいております。本人の結核罹患歴、予防投与歴、また家族の罹患歴、高まん延国での居住歴、そして自覚症状、BCGの接種歴、こういったものについて問診票に記載をいただき、それを学校の養護教諭が全て確認を行い、健康診断の事前の準備として一覧表の作成等を行っております。
それを踏まえて、学校医が内科健診の中で診察を行い、精密検査の要否を判断します。学校におきまして結核健診の報告書というものを作成し、これを教育委員会に提出をし、教育委員会の中で自治体によっては結核対策委員会という形で保健所や結核の専門家を交えた委員会を設置している自治体もございまして、こういった中で精密検査の対象者について議論を行っているところもございます。
そうしたことを踏まえまして、精密検査の実施、学校への結果報告、また感染者がいた場合には保健所への報告を行うこととなっております。
事後措置としましては、保護者への結果の通知はもちろんですけれども、経過観察が必要な児童生徒がいれば学校生活の中でも注視をしていくという形になっております。
右側を御覧ください。こうした運用の中で学校医、養護教諭における課題としましては、学校医につきましては基本的には結核または感染症の専門医ではないということが大半ですので、先ほど御説明したような教育委員会に結核対策委員会が設置されていないような自治体については、学校医一人で精密検査の対象者を決定しています。
また、学校健診におきましては限られた時間の中で多くの児童生徒の診察を行っておりますし、併せて結核以外にも様々な診察の項目がございます。
養護教諭につきましては、先ほど御説明しましたように事前に問診票の確認、一覧表に取りまとめるなどの作業を行っておりまして、学校には養護教諭は一人しかいないというのが基本ですので、大規模校、多くて700人から800人くらいの児童生徒の問診票を養護教諭が確認を行っているような実態もございます。
また、問診票の中の4番の高まん延国での居住歴があった場合につきましては精密検査を受けたかどうかの確認を行い、受けていない場合について精密検査の対象とするような運用を行っております。
また、ほかの項目と比較しましても、報告書の作成が多いなど、少し負担が多いという声も聞いております。
こうしたことの中で、結核の発見につきましては文部科学省におきまして学校健診の結果に基づき行っている学校保健統計調査というものがございます。こちらは全数調査ではなく抽出の調査になっておりますので、結果としては割合での表示になりますけれども、小中学校における精密検査の対象者及び結核と診断された者の割合としては記載のとおりになっており、ほとんど結核が見つかることがないというのが実態だと認識をしております。
次をお願いいたします。
現在、文部科学省におきまして、結核に限らないものですが、学校における健康診断、日常の健康観察など、保健管理の在り方に関して「学校における持続可能な保健管理の在り方に関する調査検討会」というものを開始しております。
現在、様々な観点から関係団体のヒアリングを実施しているところでございまして、今後教育関係団体のヒアリング等を実施して論点整理をしていく段階というところになっております。
この検討会の趣旨といたしましては、まず児童生徒の健康課題が多様化、複雑化しているということで、例えば不登校や子供の自殺などが増えている中でメンタルヘルスへの対応をどうするかといったところが大きな論点となっております。また、学校側におきまして、現在文部科学省の中で学校の働き方改革を進めておりますので、教職員の負担軽減についても検討事項になっております。さらに、学校医につきましても現在高齢化が進んでいるとともに、医師偏在等で確保が難しいという現状がございまして、こうした課題を背景に学校における保健管理の在り方を検討しております。
現状、関係団体のヒアリングを実施中ですけれども、結核につきましては既にヒアリングを実施しておりますので、その状況について簡単に御説明します。
まず日本小児科医会、こちらは学校医をされている方々が多く所属をされているところですが、そこからの御意見としては、健康診断の項目として結核の有無を調べることは必要ではあるけれども、学校健康診断の中で評価することは難しいというお声をいただいております。
また、結核研究所を代表して加藤先生にも御出席をいただいて、結核の現状の御説明をいただいた中で、4つ目にありますけれども、小中学校の健康診断については実質的に外国出生者のみが精密検査の対象になっており、健康診断での発見については15年間の中で23人、その中で外国出生者が20人、結核発見の87%を占めるような状況だということ、また、小中学校における結核の集団感染は2014年以降発生していないという状況について御報告をいただきました。
これに対して検討会の委員からの御意見としましては、1年に1回の学校健診で結核感染が拡大する前に同定できるということの費用対効果、効率的な問題について疑問を感じている、学校健診の中でピックアップされた大部分が外国出生者であったということならば、対象を絞ることなどにより効率的に対応できるという考え方があるのではないか、そういった御意見が出ております。
今後はさらにヒアリング等を進めまして、学校健診における結核健診の方法等について議論を進めさせていただきたいと考えているところでございます。
文科省からは、以上です。
○小谷結核対策推進室長 では、続きまして厚生労働省のほうから御説明させていただきます。
資料の5ページ目を御覧ください。
「小中学校における定期健康診断の現状と課題及び方向性(案)」についてです。
「現状と課題」につきましては、先ほど文部科学省のほうから御説明がありましたとおり、現在、小中学校における学校での定期健康診断の結核発見者数及び集団発生件数は以下の表のとおりという形になっております。結核健康診断により発見された結核患者数の推移で、6歳から14歳になっておりますが、2015年から2024年のデータです。
一方で、小中学校における結核の集団発生件数の推移としましては、2014年から2023年まで一例も確認されていないという状況になっております。
こうした「現状と課題」を踏まえまして「方向性(案)」としましては、小学校及び中学校で毎学年実施されている定期健康診断の実施頻度及びその内容について、小中学校における定期健康診断の結核発見率であるとか、結核の集団発生の現状を踏まえながら、その在り方について改めて検討していってはどうかという形にさせていただいているところでございます。
以上、よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
それでは、両事務局からの説明を踏まえまして、何か御意見、御質問等ありますでしょうか。
大角委員、どうぞ。
○大角委員 その方向性の具体的に学校における定期健康診断の在り方を検討すると、そこに書いてあることを踏まえてということなのですけれども、具体的に言うとどういうことかということなんです。
恐らく、例えば案としては就学時、小学校1年生、中学校1年生プラス転居してきた、もしくは帰国した方、そのときに状況を把握するということで、必要な場合に精密検査に回すということは一つの在り方として考えられるかと思います。
今まで毎年ずっと一応聞き取り、情報収集ということでしてきているやり方をそういうふうに変えるというのは一つの案としてはあるのかなということです。だから、方向性の具体的なことはどういうことなのかがこの文章ではよく分からないということがありますので、どういうことなのかをもうちょっと説明していただいたほうがいいかなと思いました。
○慶長部会長 事務局から今、何かこれについてコメントできますでしょうか。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省です。
文科省の検討会ではまだヒアリングの段階ということもありまして、具体的な方向性はお示しできていないところではあるのですけれども、方法論としては先生が今おっしゃったような、毎年全員に行っているものについて、もう少しその頻度や内容について負担軽減が図れるようなところがないかというところを御議論させていただきたいと思っております。
○大角委員 ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
釣永先生、どうぞ。
○釣永委員 釣永です。小児科医として、方向性としては在り方を見直してどんどん減らすというか、軽減の方向でいいのかなと個人的には思っています。
それで、乳幼児医療証があったり、東京都とかは多分18歳まで医療費はただだと思うので、子供の医療へのアクセスがかなりよくなっている状況で、ここで見つけなくても多分、気軽にクリニックとかに行ってしまうのではないか、そこで十分見つけられるんじゃないかと、実際の現場として感じているところでございます。
ただし、現状である問診4の「高まん延国の居住歴」があった場合に、その人がちゃんと精密検査を受けたかどうかの確認は残すというのは欲しいかなと思います。多分、生まれたときからずっと日本にいた人とかは、いわゆるかかりつけ医みたいなところがあると思うのですけれども、外国から来た人というのは先ほどとちょっと反するかもしれないですけれども、医療へのアクセスのハードルが高くなってしまうのではないかと思うので、そこだけは確実に押さえておいてもらいたいかと思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
これらの点に関しまして私のほうからもちょっとあるのですけれども、そういうわけで入国前健診が3か国で始まっていますが、それで非発病証明書が出た小児の方に関してもどういうふうにその後の健診をやっていこうかというようなことを議論されているのでしょうか。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省でございます。
御指摘いただいた点については、既に我々としても課題としては認識しておりまして、今、有識者の先生からの御意見を伺いながら、どういった対応にするかをまさに検討しているところでございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ほかにコメント等ございますでしょうか。
三﨑先生、どうぞ。
○三﨑委員 三﨑です。
ちょっと結核から外れるかもしれないのですが、少しお聞きしたいことがありまして質問させていただきます。
文部科学省で現在、学校における持続可能な保健管理の在り方に関して検討しているということなのですけれども、保健調査票など、学校の子供たちのお母さんやお父さん、保護者の方が紙ベースでたくさん書かないといけないような調査票があると思うのですが、これは例えば在り方検討委員会の中で後々、DX化というか、デジタル化するような対応というか、そういったことを考えておられるのかどうかをお聞きしたかった次第です。
というのも、学校医や養護教諭の負担というのは本当に大きくて、言われたように800名規模の学校だと本当に一人一人確認するのも大変なくらいで、ほかの調査でも結構難渋することが多いので、対応に時間が限られる、あるいは人数、人材が限られるという場合にはそういったことをするといいのかなと、そういったものが今後結核とか、そういったことの対応とかにもつながってくるかと思いましたのでお聞きしたかった次第です。よろしくお願いします。
○慶長部会長 よろしくお願いします。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省でございます。
おっしゃるように、本当に今、紙ベースでやっているところが多いということもありまして、学校側もそうですし、保護者側の負担軽減ということも含めてDX化を進めることは非常に重要だと認識しておりますし、この検討会で直接議論しているところではないですけれども、別途そういう学校健診を含む学校保健全体のDX化というところの検討は進めさせていただいているところでございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
笹本先生、どうぞ。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
スライド5についてお聞きしたいのですけれども、集団発生は既に2014年以降起きていないということですが、その上の2023年、2024年におきましても健診で見つかったという事実がございますけれども、こういった方の背景というのは何か分かっているのでしょうか。
○慶長部会長 いかがでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 事務局でございますが、個別の事例の背景までは、現状において事務局としては把握しておりません。
○慶長部会長 私のほうから1つお聞きしたいのですけれども、どういうやり方でやっていくかという点に関して、確かに入国してから何年かの間ということが非常に結核の発病のリスクの高い期なので、その辺のところも踏まえて何年かはフォローをしっかりやるというようなことがあるのかどうか。
それから、やはり問診が大事だというふうに私は感じております。というのも、初発患者は恐らく家族内というか、成人の方が多いですね。それで、子供さん自身はなかなか結核菌が少なかったり、あるいは排菌は少ない、あるいは空洞が少ないとかという特徴がありますので、子供さん同士でうつすということはそんなに多くはないと私は認識しているんです。
そうすると、どうしても成人で排菌していらっしゃる方をしっかり見つけて、それをまず治療することが大事というふうに感じますので、問診を毎年やるのは必要なのではないかと勝手に想像したのですけれども、その辺はいかがなものなのでしょうか。
○赤星文科省学校保育対策専門官 文部科学省でございます。
我々としましては、もちろん問診も大事だと思いますけれども、日常の健康観察というのは日頃学校でも行っておりますので、そういった中で気になる症状があるような児童生徒がいた場合に適切に医療機関の受診を勧めるなどして、そういった形で学校健診以外のところでもきちんと感染拡大防止対策を図っていくということも一つは考えられるかと思っております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。御意見ありますでしょうか。
この問題は、基本的には文部科学省の検討委員会等で、その中には結核の専門家の先生方が入っていらっしゃるということですので、そちらで最終的な案をつくっていただくことになると思いますけれども、そういった意味合いで今こちらの厚労省としては今の状況を踏まえて在り方を再検討する必要はあるだろうということで、少し漠然とした形ですが、全体的な方向性を出していただいていると思いますが、それ自体に関してはよろしいでしょうか。
そうしましたら、この方向性については了承ということで進めさせていただければと思います。ありがとうございます。
それでは、時間もちょっと押していますので、続いて議題3ですが、「日本版DOTS戦略の方向性について」ということで事務局から御説明をお願いいたします。
○小谷結核対策推進室長 感染症対策課でございます。
資料3につきまして、「日本版DOTS戦略の方向性について」を御説明させていただきます。
2ページ目でございますが、現在の特定感染症予防指針の第3の「医療の提供」の中においては、DOTSを基本とした包括的な治療戦略、DOTS戦略を引き継いでおり、我が国においても日本版DOTSを進めていくということについて御説明をさせていただいております。
その具体的な実施に当たっては、DOTSカンファレンスの開催、コホート検討会の実施、地域連携パスの導入、保健所を拠点とした対応等についても明記させていただいているところでございます。
3ページ目を御覧ください。
「日本版DOTS戦略推進に係る取組」としまして、前回の指針改正時に同通知において潜在性結核感染症(LTBI)がDOTS対象者であるということを明確化するなどの一部改正を行い、この戦略がさらに進むようにという形で取り組んでいるところでございます。
続いてのページをおめくりください。
こちらが現状のデータとなっておりますが、「全患者及び潜在性結核(LTBI)患者に対するDOTS実施率の状況」でございます。
平成25年時点に比して令和5年時点では、全ての結核患者及びLTBI患者に対してDOTSの実施率が目標値である95%に達したものと考えております。
下のグラフにもございますが、平成25年の時点で87.5%だったものが令和5年の時点では97.2%という形になっております。
改善の原因として、結核研究所の分析によると以下が挙げられております。
院内DOTSの実施に加え、DOTSカンファレンスやコホート検討会の開催が全国的に普及したことで行政と医療の連携が深まった。
学会の指針整備などにより、全国的にDOTS推進の体制が整えられたなどの項目が挙げられているところでございます。
5ページ目をおめくりください。
ここでも述べられておりました「DOTSカンファレンス及びコホート検討会の実施状況」について、「すべての保健所管内で実施」または「一部で実施」と回答した自治体の割合は、平成25年から令和7年にかけていずれも増加しております。DOTSカンファレンスの実施状況につきましては、一部以外でも実施されているものが全140自治体のうち139自治体だったものが、令和7年度時点では157自治体中156自治体で実施いただいているという形になっており、コホート検討会におきましても128団体だったものが154団体まで増加しているという形になっております。
6ページ目を御覧ください。
本日、多くの点で議論になっております「外国出生者に対するDOTSに係る支援等」については幾つか御意見をいただいております。
「国による対策・支援」としましては、感染症予防事業費等国庫負担金交付要綱で定める結核対策特別促進事業において、特に必要性・重要性等が高いと考えられる事業等に対して国庫補助を実施しており、具体的には外国人に対するDOTSを行うために必要な通訳事業について国庫補助を行っております。
また、結核研究所においても無料での電話相談であるとか、結核研究所のホームページに多言語での説明などもいただいているところでございます。
7枚目から9枚目までは、広島市におけるDOTSの取組について御説明いただいているところでございますが、7枚目においては関係機関と切れ目なく連携し、協議を行いながら対応を行うということを御説明いただいております。
8枚目においては、その具体的な例として外国出生者事例についても御説明いただいているところでございます。
詳細部分はこの後、参考人として来ていただいている広島市から御説明いただくほうがよろしいかと思いますが、9枚目には「外国人におけるDOTS上の課題と対応」という形でそれぞれ述べていただいているところでございます。
続きまして、10ページ目を御覧ください。
WHOにおける現在の結核治療の方針につきましては、結核終息宣言については統合的な患者中心のケアと予防を大きな柱としております。数値目標の一つとして、新規及び再発例の結核治療カバー率を90%以上にすることというものを掲げているところでございます。
そういった中で11ページ目でございますが、「現状と課題」という形において、現状につきましては、指針において日本版DOTS戦略の全国的な普及・推進を掲げていたところ、多くの方々のお力もあり、DOTS実施率については全結核患者及びLTBI患者のいずれにおいても目標値の95%以上を達成しているところでございます。また、DOTSカンファレンス及びコホート検討会の実施率についても、平成25年から令和7年にかけて増加しております。
そうした目標値は達成されている一方で、外国出生患者への対応に苦慮している旨の意見が挙げられているところでもございます。
こういったことを踏まえ、「方向性(案)」としましては、引き続き日本版DOTS戦略を基本方針として、潜在性結核感染症の者も含めた全結核患者に対し、一人一人の人権に配慮した患者中心の服薬支援を引き続き進めていくということでどうか。
また、多言語サービス・資材の強化などを活用しながら、引き続き結核の発症率が高い住民層への対策を充実させつつ、日本版DOTS戦略に係る目標値については全結核患者及びLTBIに対するDOTS実施率を95%以上維持するという形にしてはどうかという形でお諮りさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○慶長部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、今日お越しいただいております参考人の城間様から資料3の広島市の提出部分についての補足説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○城間参考人 広島市の城間と申します。本日は、参考人として発言の機会を頂戴し、改めて厚く御礼申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、「広島市におけるDOTSの流れ」について説明いたします。
本市には8つの行政区ごとに保健センターが設置されており、患者の居住地を管轄する保健センターが患者に対する服薬支援を切れ目なく行うこととしております。入院患者の場合、入院先の医療機関において院内DOTSを実施した後、退院のめどが立ってきたタイミングでDOTSカンファレンスを実施しております。この会議には、保健センターと入院先の医療機関が出席し、退院後のDOTSの実施方法について検討することとし、その検討内容ごとに保健センターは患者にとって最も適切かつ確実な方法で服薬状況を確認し、治療完遂を目指しております。また、外来患者の場合、疫学調査の情報を基に保健センター内でDOTSカンファレンスを実施しております。
地域DOTSの方法としては、主に外来DOTS、訪問DOTS、電話やメール等による連絡確認DOTSを実施しております。本市では、患者本人やキーパーソンに対する連絡確認DOTSがメインですが、患者の状況等によっては必要に応じて訪問DOTSを実施しております。また、患者の状況に変化があった場合など、その都度、保健センター内でカンファレンスを行い、患者が確実に服薬できる方法や確認方法を検討しております。
次のスライドをお願いいたします。
次に、実際に本市で対応した外国出生者の事例を紹介いたします。
患者は20代男性、留学生としてX国から来日しました。
診断は肺結核で喀痰塗抹陰性でしたが、入院が必要な呼吸器症状があると判断され、入院勧告及び就業制限を実施しております。
患者本人は簡単な日本語のみやり取りが可能だったため、結核に関する詳細な説明等は本人が所属する専門学校の先生を通して行いました。
入院当初は院内DOTSにて服薬確認を実施し、退院のめどが立ってきた頃から自身で薬袋に服薬日を記入してもらい、服薬後は空の薬袋の写真を学校の先生に送付することで服薬確認をするという習慣づけを行いました。
その後、症状が軽快したため、退院できる基準で退院する方針となりました。
退院前のDOTSカンファレンスでは、就業制限中にアルバイトができないことによる経済的負担、アルバイト再開後の服薬中断のリスクに関する意見などが挙がり、保健センターと学校が連携しながら服薬支援を行うこととなりました。
退院後も入院中と同様、患者さんには学校の先生に空の薬袋の写真を送付し、保健センターは月1から2回、学校の先生と連携しながら薬が正しい内容、量で飲めているか確認する連絡確認DOTSを実施しております。
こうした取組を続け、良好な服薬コンプライアンスの下、標準治療6か月間で服薬を終了することができました。
次のスライドをお願いいたします。
最後に、一般的な外国人結核患者におけるDOTS上の課題と対応についてお話しいたします。
「課題」としては、患者の母国語で服薬の必要性等を説明することが難しい。
国や文化の違いから、治療や制度に対する理解が得られにくい。
就業制限中は働くことができず、経済的な負担が大きい。
在留期間の期限切れ等、外国人特有の制度上の難しさがある。
治療中の帰国に伴うなど、治療中断のリスクがあるなどが挙げられます。
こうした課題に対して、本市では、職場や学校、その他関係機関(監理団体等)との連携。
説明時の通訳の同伴。
服薬確認アプリの活用。
帰国時結核治療支援による服薬完遂の支援等を行うことで、患者に対する服薬支援を切れ目なく行うことができるよう努めています。
私からの説明は、以上となります。ありがとうございました。
○慶長部会長 ありがとうございました。
それでは、通しまして事務局からの説明も踏まえて何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
劔先生、どうぞ。
○劔委員 熊本県の劔です。
保健所の現状というか、困っていることをちょっと御紹介させていただければと思います。
まず、ICTツール等なのですけれども、外国出生の方と連絡するに当たって、外国出生の方はLINEとかフェイスブックメッセンジャー等、SNSツールしか持っていない場合が多いのですが、そういったものを行政で使うことが非常に難しくて、なかなか電話やメールでは連絡がつかない例が多いので、何かそういうSNS的なものを行政も使えたら、もうちょっとコミュニケーションがよくなるかなということが1つあります。
もう一つ、国庫補助等で通訳事業等に補助をいただいていて、それも非常に助かりますし、もちろん病気の詳細な説明等はしっかりとした通訳が必要だと思いますけれども、日常的なDOTSでの関わりなどになりますと、特に技能実習生とかは簡単な日本語とかも習得して来られていますので、むしろ保健所職員が易しい日本語で対応する必要があるのかなと思うのですが、なかなか易しい日本語をきちんと学ぶ機会がなかったりもするので、そういったところにも少し何か援助が得られると、より対応が、質の向上が見られるのではないかと思って発言させてもらいました。
以上になります。ありがとうございます。
○慶長部会長 ありがとうございます。
事務局から、今の点ですけれども、何かコメントございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
行政としてなかなか対患者であるとか、個々人に対するSNSの使い方が難しいという御指摘だったかと思います。
我々としても、どういったICT支援ツールが適切なのかとか、そういうことについては一律に何かをお示しできるものはないかと思っております。当然のことながら、使用されているアプリであるとか、使用されるツールも全部変わってくると思いますので、そういったものに対して総合的な形で進めていくことが適切ではないかという伝え方をするというふうに考えているところで、そこのICTの有用性ということは今、御指摘いただいたところだと思っておりますので、その示し方は考えていきたいと思っております。
もう一点の易しい日本語を使っていくということに関して言うのであれば、まさに御指摘のとおりだと思っております。我々としましても、今日の部会の中でもずっと出ているところではございますけれども、普及啓発というのは受け取り手側がどう捉えていくのかということについての重要性と、それに関わる医療従事者に対しての理解というのは、DOTSに関しては医療従事者側がしっかりと理解いただきながら処方されているとは思うのですけれども、そういった方々に対していかにどう伝えていくのかという普及啓発のやり方についてはしっかりと取り組み方を考えていきたいと思っております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 佐々木でございます。
DOTS戦略をきめ細かくやっていただくということは非常に重要なのですけれども、入院病床を持っております医療機関から、入院されてしまうと一旦、行政からの支援が途絶えるということがよく起こります。それで、私どもが今お話ししているのは海外の出生の方で、私たちの努力によって医療を受け入れてくださるという前提でやっているのですが、必ずしも外国出生の方が医療を受け入れてくれるわけではなく、入院ということによって逆の姿勢を示される方も少なからず経験しております。医療従事者に対する暴言暴力を伴う場合もございます。
そのときに、医療従事者のほうから行政に相談できるシステムが同時並行にあれば、医療機関のほうも例えば通訳業務は入院中にはなかなか難しいということも承っておりますので、そういう形で外国出生の方が医療を途切れさせないようにする努力は入院中もお願いしたいところであるかと思っております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
木添先生、どうぞ。
○木添委員 私は宮崎県の紹介をさせていただきたいのですけれども、宮崎県では県内の保健所の担当者が一堂に集まってコホート検討会を実施しています。それで、地域の課題、宮崎県の課題というものが分かりますし、今、全国では実施率が高くなっておりますので、保健所ごとではなくて地域ごと、あるいは圏域ごととか、そういうふうに地域の課題が分かるようなコホート検討会の進め方というものもあっていいのではないかと思っております。
それが1点目と、2点目は最後の「方向性(案)」の中でDOTSの実施率を95%以上にしてはどうかというふうなことが書かれておりますけれども、今、既にもう95%以上をDOTSの実施率はできておりますので、スライドの4ページには完全実施率と準完全実施率の割合が記されております。私は、今後このDOTSの質を高めるためにも完全実施率を高めていったほうがいいのではないかと思っております。世界的にも世界的な標準というのは完全実施率を求めていると思いますので、日本もそういうような方向性を見つめて、今後DOTSの実施率はそういうような考え方で求めていってはいかがかなと考えております。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
今の1つ前の佐々木先生の御意見、あるいは今の木添先生の御意見に関して事務局からのコメントがございましたらよろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
佐々木先生から御指摘いただいた点は、結核という切り口ではございますけれども、多分外国人の医療に係る総合的な課題なのではないかと考えております。そういったものにどう適切に対処していくのかということに関しては、当然我が部局も関わりますが、多分、省もしくは政府全体で考えていくことになるかと思っております。大きな課題に対してどういう対策ができるかということについての一つの視点という形でいただいたものだと思っておりまして、この検討部会だけではなく多くの機関を用いて検討されるべき課題だと思っておりますので、貴重な御意見として受け止めさせていただきたいと思っております。
2つ目の木添先生からいただきました、保健所での単位ではなく地域単位もしくは圏域単位でのコホート検討会の推進ということについては、我々も非常に重要だと思っております。なかなか症例が減ってくる中において、知見の集積が難しくなってきたりということであれば、県単位であるとか、多くの地域を超えてそういう議論をしながら、どういうふうに対処していくのが適切なのかということを共有していくということについて重要な機会だと思っておりますので、コホート検討会については引き続き地域、圏域を超えた形でも検討をお願いしたいという形で進めていければと思っております。
もう一点、95%以上のところを完全実施率にすべきということにつきましては、またこの結核部会の中でも御意見をいただきたいところではあるのですが、我々としましてはこの95%以上というのを完全に達成できるか、完全実施率にすべきかどうかというのは悩ましいところではございますが、95%という数字自体はあくまでも維持していくということに関して数字を上げるのではなくて、日々の不断の努力の中で達成されているものだと思っておりますので、それを改めての数値目標として設定していくということの意義はやはりあるのではないかと思っております。
これを完全実施率にするのか、いわゆる全結核患者に対して3分の2以上の期間については少なくとも治療が行われているというトータルでの患者に対するDOTSの実施率にするべきなのかということについては、まだ皆さんにも御意見をいただきながら検討させていただきたいと思っております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
確かに維持するということでこの95%をお出しいただいたというのは非常に理解できるところと同時に、その残りの5%が実際のところは非常に保健所の方々も苦労されているところだと思いますし、そういったところが治療の失敗や中断に関わるところが多いのであれば、そこのところにどんな対策をさらに進めるかというようなことも重要になるのではないかと考えます。
何かこの辺のところも併せて、それからもう一つ、最初の頃にWHOがDOTSということはなくしたので、そちらをどうするのかというような話も出ていると思いますが、確かにDOTSカンファレンス等、非常に定着していますし、それを新たに変えるということではなくて、DOTS戦略自体、コンセプトとしてもう既に患者中心の支援であるということも踏まえると、そのままこの言葉は維持して、ただ、実際の問題としては既にコンセプトとしてあります患者中心のケアのことをやっていくんだということなのかなと理解しています。
この2つの部分に関しまして、何かコメントとか御意見がございましたらお願いいたします。
それで、1つは今、木添先生からいただいたように完全実施を増やしていくというところ、その数値目標として95%は全体としても、完全実施を増やしていくということは重要ということも含めてですけれども、何かございますでしょうか。
大角先生、どうぞ。
○大角委員 ありがとうございます。
指標として、結核対策は患者さんが治療をきちんと終えるようにしていただくということができていますかということで、DOTS実施率というのはそういう努力をしていますということですよね。
それで、具体的に例えば今、木添先生がおっしゃったように治療失敗がどのくらいあるのか、治療中断がどれくらい出ているのか。あとは、トランスファーアウトですね。転出がどれくらいいるのか。つまり、治療をきちんと終えていることが確認できない人たちがどれだけいるのかというところをモニタリングするという視点は必要かと思うのです。
WHOが成功率というのは出していますけれども、成功率は日本では無理なので、それよりも治療がきちんと行われていますよ、完遂できていますかというところの視点を入れた指標でモニタリングするという視点を、今日これからというのではないですが、DOTS実施率というものは必要だと思うのですけれども、それで結果どうでしたかというところの指標というのがやはり必要なのかな、あったほうがいいのかなと思いました。
それが非常に低く抑えられている。私は今、言った3つのあまり喜ばしくない指標ですよね。その3つが低く抑えられているということであれば、結果として有効な結核対策が行われている一つの指標になるのかなとは思いました。
意見です。以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
佐々木先生、続けてどうぞ。
○佐々木委員 私も、大角先生の御意見に賛成させていただきます。
というのは、最近、中断して発症してくるという患者さんも散見されておりますし、やはりDOTSの内容的に今まで電話等での確認を中心におやりになってきたと思うのですけれども、実際には彼らが一番中断するわけで、なかなかパンデミックの中で最後まで見届けることが難しかったということもあって、経験も積まれていると思いますので、治療中断率等々の成績で評価していただくことが一番かと思います。
実際、保健所の方は熱心なのでちゃんと入るのですけれども、受けてくださる方の気持ちの問題はございますので、ぜひその辺りをお願いしたいと思います。
以上です。
○慶長部会長 ありがとうございます。
事務局から何かコメント等ございますでしょうか。
○小谷結核対策推進室長 ありがとうございます。
一応、我々として治療中断率自体についてはデータとしてはいただいておりません。受け取っている限りで令和5年のデータですけれども、LTBIに関してのところで大変恐縮なのですが、全年齢では7.5%、日本出生者数が7.9%、外国出生者数が6.1%という形になっております。
それで、いただいた御意見はいわゆるDOTSの値だけではなくて、トータルで見た際に中断がどうなのかとか、あとは今日広島市の資料にもございましたが、帰国される方に対してのフォローという視点、そこまでを制度として持っていくのかというと、またここは難しい要素があるかもしれませんが、そういった意味で考えた際に様々な経路が今後考えられる。国内にずっととどまるわけではないという形の中で、公衆衛生的にどういった指標を持つことが適切なのかということに関しては、引き続き検討をさせていただくものかなと思っております。
一方で、現状、我々としては目に見えるところの中で言うと、全結核患者及びLTBIに対してのDOTSの実施率、このDOTSという日本版DOTSという戦略自体、部会長からもいただいたとおり日本全国的にかなり普及している単語になっているので、今さら切り替えるのではなくこれを引き続きやりながら、一つの数値目標設定としてDOTSの実施率を指針として我々としては打ち出していくということについては、ある意味適切なのではないかという御意見をいただいたと認識しております。
○慶長部会長 ありがとうございます。
中身についていろいろとまだ検討しなければいけない課題は残っているが、方向性としてはこれでいかがでしょうかということだと思いますが、よろしいでしょうか。ほかには大丈夫でしょうか。
そうしたら、いろいろ宿題が残ってしまって申し訳ないのですけれども、今日の議論は非常に大事な部分で、今後、将来的に外国出生者の結核の比率はどうしても増えてきますでしょうから、そのことも踏まえて、今の時点ででき得ることをということで様々コメントいただきましたので、ぜひ反映させていただければと思います。
それでは、この議題3に関しても方向性としてはよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○慶長部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局のほうにお返しいたします。よろしくお願いします。
○小谷結核対策推進室長 皆様方、ありがとうございました。本日の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
この後、当方のほうで記者ブリーフィングとして議事の概要を御説明させていただく予定としております。
次回については、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日は、お忙しい中、皆様御出席いただき、ありがとうございました。

