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2019年1月25日 第9回高齢者医薬品適正使用検討会議事録

医薬・生活衛生局

○日時

平成31年1月25日(金) 15:00~17:00

 

○場所

田中田村町ビル8階 会議室8E
東京都港区新橋2-12-15

○議題

(1)高齢者の医薬品適正使用の指針(追補)(案)について
(2)その他

○議事

○課長補佐 開会に先立ちまして、傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たっては、既にお配りしております注意事項をお守りくださるようお願いいたします。また、本日の検討会は、従来の取扱いと同様、公開で行うこととしております。カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただきますので、マスコミ関係などの方々におかれましては、御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、ただいまから「第9回高齢者医薬品適正使用検討会」を開会いたします。御出席の構成員の先生方におかれましては、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。なお、荒井構成員、熊谷構成員、伴構成員、水上構成員、美原構成員は御欠席の旨、伺っております。本日は構成員19名中14名の出席をもちまして、検討会を開催させていただきます。これ以降は議事に入ります。カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、以降の進行は座長の印南先生にお願いしたいと存じます。印南先生、よろしくお願いいたします。
 

(カメラ退室)
 

○印南座長 それでは、議事を進めてまいります。始めに事務局から資料の確認をお願いいたします。
○課長補佐 配布資料の確認をします。お手元にお配りした資料、一番上に議事次第と配布資料一覧、続いて開催要綱、裏面に構成員名簿、さらにその下に座席表となります。資料を順に確認させていただきます。資料1「高齢者の医薬品適正使用の指針(追補)(案)」、資料2-1「別表1高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意点」、資料2-2「別表2事例集」、資料2-3「別表3入院(入所)から退院(退所)までの多職種協働による薬剤調整」。
なお、構成員の先生方の机上のみの配布となりますが、机上配布資料1「指針の副題について」、机上配布資料2「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」。また、参考資料として、高齢者の医薬品適正使用の指針(追補)の骨子があります。また、机上には、赤いファイルでガイドライン集を御用意しておりますので、議論の際に御参考としていただけますと幸いです。なお、机上配布資料2の指針(総論編)とガイドライン集につきましては、会議終了後、机上に残したままにしていただけますと幸いです。本日の資料は以上です。不足等がございましたらお申し付けください。
○印南座長 それでは、議事次第に沿って議事を進めてまいります。議題は、高齢者の医薬品適正使用の指針(追補)(案)についてです。昨年9月末の前回の検討会では、今年度作成する指針(追補)の骨子について御議論いただきました。本日は、この骨子に基づき作成された指針の追補(案)について、ワーキンググループで取りまとめられた結果の報告をお願いしたいと思います。ワーキンググループの皆様におかれましては、年末年始を含め短期間で作業いただき、大変御苦労されたことと思います。改めて御尽力に感謝いたします。
本日ですが、指針(追補)本体、別表1~3、さらには指針(追補)の副題について、一通り御意見をいただきたいと考えております。それぞれのパートごとに区切って御議論いただきますが、時間的な制約もありますので、議論が十分でない場合は、次回改めて検討会を開催する可能性も考えつつ、とりあえず本日用意した資料全てを見ていただこうと思います。
それでは、まず、ワーキンググループの主査をお願いしております秋下座長代理に御説明をお願いしたいと思います。
○秋下座長代理 はい、よろしくお願いいたします。資料1が、今回ワーキンググループで作成した追補(案)ということになります。前回の検討会で了承されました骨子に基づいて、患者の療養環境を大きく3つに分けて留意点をまとめ、追補(案)を作成いたしました。骨子の項目立てについては、執筆を進める過程で各部に共通する内容を「はじめに」の部分へ集約するなど、内容について一部整理いたしました。まず「はじめに」では、指針の目的、患者の療養環境ごとの多剤服用の現状に加えて、各療養環境で共通する留意点として「非薬物的対応の重要性」「多職種の役割、連携」等についてまとめています。
続く第1部から第3部では、それぞれの患者の療養環境における処方確認・見直しの考え方、入院から退院、入所から退所といった療養環境移行時における留意点、処方検討時の留意点をまとめています。
「第1部」では外来・在宅医療・常勤の医師が配置されていない特別養護老人ホーム等の介護施設、「第2部」では急性期後の回復期、慢性期等の入院医療、「第3部」ではその他の療養環境として、常勤の医師が配置されている介護医療院や老健施設等の介護施設について記載しております。なお、第1部の表題について、骨子では「外来・在宅医療」としておりましたが、ここに特別養護老人ホームも含まれることが明確に分かるよう記載を改めています。
最後に、「おわりに」として、患者・国民への啓発及び患者本人・家族の意向を尊重した薬物治療の考え方を記載しています。詳細については、事務局より説明をお願いします。
○印南座長 それでは、資料1の指針(案)についての議論を段落ごとに分割しながら進めていきたいと思います。はじめにお断りいたしますが、追補としている副題についての議論は、各部の議論を通じて全体を御覧いただいた最後に行いたいと思っております。まず、導入部の「はじめに」について議論したいと思いますので、事務局から説明をお願いします。
○課長補佐 それでは資料1を御覧ください。1ページ目、「はじめに」では、最初に(1)指針(追補)の目的を記載しています。指針の目的としては、総論編同様ポリファーマシーにおける診療や処方の際の参考情報を医療現場等へ提供するとした上で、単なる減薬ではなく、高齢者の薬物療法の適正化を目指すためのものであるといったポリファーマシーの概念にも触れ、今回の追補の目的である患者の療養環境ごとの留意事項を明らかにするとしています。21行目からは今回提示する療養環境別に入っていない急性期の入院医療について、更には「処方見直しの基本的な考え方及びフローチャート」等の各療養環境に共通する部分については、昨年度取りまとめた総論編を参照することとしています。25行目からは指針の主たる対象について、総論編同様、医師、歯科医師、薬剤師とした上で、とりわけ追補の対象とした療養環境では、情報共有等で看護師等他の職種の関わりも重要になってくることから、他の職種についても記載していますが、その場合は職種と役割を記載することとしています。
2ページ目からは、「患者の療養環境ごとの多剤服用の現状」になります。3部に分けた療養環境それぞれにおける多剤服用の実態について、各種調査結果や論文の内容をもとに記載しています。まず2ページ9行目からが外来・在宅医療になります。ここでは毎年実施している社会保障診療行為別調査の結果を引用しています。3ページ目の図1は、同一の保険薬局で調剤された1か月間の薬剤種類数です。指針総論編では全年齢区分における平成28年の当該データを掲載しておりましたが、今回は指針の対象である65歳以上について、平成25年~平成29年までの結果を掲載しています。ここ数年で大きな変化は見られておりません。
2ページ目に戻り、13行目からになりますが、一部の保険薬局を対象とした別の調査によれば、特に慎重な投与を要する薬物、PIMsの処方が高齢者の1/4で見られ、特にベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬・抗不安薬、NSAIDsの使用が多く見られていること、さらに一般用医薬品等の使用実態に関する調査について、一般用医薬品やサプリメントの定期的な使用が約1/3に見られ、それらの使用を医師に伝えているケースはそのうち30%程度だったという結果についても記載しています。20行目からは、全国で薬剤師が訪問業務を行っている薬局を対象とした調査結果についてです。内服薬剤種類数は中央値で7種類、薬物有害事象の被疑薬として中枢神経系用薬が含まれていることが多く、薬物有害事象の関連事象として服用薬剤数が示唆されていると記載しています。2ページ25行目からは、在宅療養患者及び特別養護老人ホーム入所者対象の処方調査における処方薬剤数及びその内容について記載しています。
続いて、3ページ5行目からが、急性期後の回復期・慢性期の入院医療として、地域包括ケア病棟を対象として、日本慢性期医療協会で実施したアンケート調査の結果です。この部分については10行目の(注)に記載をしておりますが、厚生労働省の今年度の事業としても調査を実施しているところで、この調査結果も盛り込む予定です。4ページ5行目からが、その他の療養環境となります。ここでは先の日本慢性期医療協会で実施した介護療養型医療施設におけるアンケート結果、更に介護老人保健施設における調査結果を記載しています。図2が療養病床、介護療養型医療施設、介護老人保健施設における入院・入所からの平均薬剤種類数の変化を示したものです。以上、調査結果のパートについては、指針の最後の28ページから記載に用いた参考文献の要約を添付しており、そちらも御覧いただきながら御確認をお願いします。
続いて4ページ11行目からが、「各療養環境において共通する留意点」としてまとめた部分です。この部分はまとめていただいた骨子にはなかった項目ですが、執筆いただく過程の中で、1部、2部、3部に共通して留意するべき点が見られたため、その部分を前に持ってきて、共通する留意点としてまとめたところです。ここでは「ACPアドバンス・ケア・プランニングの実践」、「非薬物的対応」と「多職種の役割、連携」の3点について記載をしております。まず4ページ18行目からですが、ACPが実践されている場合における薬物療法の適正化について、ACPの説明の後に、ポリファーマシー対策を含む薬物療法の適正化についても患者・家族の意向を確認・尊重することが重要であるとしています。4ページ25行目からが、非薬物的対応の重要性についてです。6ページの図3に、代表的な非薬物的対応及びそれに関わる職種を示した上で、薬物療法に先んじて非薬物的対応の実施を推奨することとし、更に6ページ3行目から薬物療法への切り替え、7ページ7行目からは長期間服用しても状態の改善が認められない等の場合における薬物療法からの切り替えについて記載しています。
7ページ12行目からは、多職種の役割、連携になります。処方の確認・見直しは医師、歯科医師、薬剤師が中心とした上で、その他の職種の連携が重要であり、それらの職種について各職種の役割を表1にまとめています。更に8ページ2行目からは、多職種の連携方法、11行目からは留意点の共有として療養環境移行時における情報共有についても記載しています。8ページ30行目からは、お薬手帳を活用した連携・協働について、適正に処方するためには全ての薬剤を把握することが重要であり、そのツールとしてお薬手帳の活用を促し、さらに、お薬手帳に記載する情報としては処方された薬剤のほか、一般薬等の使用状況、病名、血圧等の所見、肝・腎機能の検査値、処方変更の理由等も挙げています。
9ページ9行目からは服薬アドヒアランスについて、多職種、更には患者の家族、介護者との連携に関する部分を記載しています。32行目の※の2では、服薬遵守に対する用語として、医師等の指示を守って服薬するという意味のコンプライアンスに対して、患者の理解と意思に基づいて行われるアドヒアランスの説明を入れています。この用語については指針全般について、大抵の箇所が使い分けというよりは同じ意味で用いられていたことから、ここではコンプライアンスとアドヒアランスの意味を説明するにとどめ、本文中の表現はアドヒアランスに統一しております。以上が、「はじめに」になります。
○印南座長 この部分について御意見、御質問等ありましたらお願いいたします。
○三宅構成員 この4ページ目のACPが実践されている場合における薬物療法の適正化ということで、具体的にACPの場面においてそのポリファーマシー、どういう形のアプローチがされるべきかというような議論はされたのですか。
○秋下座長代理 ありがとうございます。ここで、もういきなりACPが出てきていています。その意図はワーキンググループあるいはその前の作業班からそうだったのですが、ACPが非常に重要であり、かなり早期からこの考えを入れるべきであるということで、冒頭に登場しているということになります。第1部、第2部、第3部と療養環境も違いますし、余命といいますか、エンドオブライフに近い状態なのかどうかというのもそれぞれに違うということで、各パートの中に絵が出てきますが、その中にもACPを盛り込んでおり、ACPにも様々な段階があると思いますが、そういうことを意識して入れ込んでいるのです。ここはあくまでも頭出しということで、言葉とその説明ということにとどめさせていただいています。
○印南座長 よろしいですか。他に、では樋口構成員。
○樋口構成員 ありがとうございます。これ、本当に私一人くらいが全くの素人でございますので、専門家の先生方の前で申し上げるのは本当に恥ずかしいのです。でも、周りの人を見ますと、ほとんど知らないのですね、アドヒアランスという言葉です。確かに、ここにアドヒアランスとコンプライアンスと、どこまでどう違うかということが、9ページの32行目から出ておりまして、この注釈を入れていただいたことはとてもよろしいと思うのですが、だとすると、今度はその初期段階としてのコンプライアンスというのは、私たちがその診療を受けるプロセスにおいて、いつ先生からそのコンプライアンスを、確認を取られた覚えがあるかというと、これまた全くないのでございます。まして一歩、二歩と進んだアドヒアランスとまいりますと、むしろ昨年私どもが行いました一般の高齢者の服薬調査もこの場で発表させていただきましたが、先生方が薬のことを話してくださらないのが非常に不満であるというような自由意見がございました。このアドヒアランスにせよ、コンプライアンスにせよ、あるんだぞということを前提にしてしまっていいのだろうかというようなことを思いました。これは普通の素人が読んだら、「えっ、アドヒアランスって何」と思うだろうし、コンプライアンスのほうは他のことにもいろいろ使われますから分かるとしても、要するにコンプライアンスよりもアドヒアランスというのは一歩も二歩も進んで、患者自身の主体性によって行われるということなのですが。患者調査して、「あなたは服薬アドヒアランスを身に付けているかね」と言われたら、大抵「えー」って言うんじゃないかと思います。ですから、この辺りの※2の説明をもう少し丁寧にお書きいただければ有り難いなといいましょうか、この9ページ目。
それともう1つ、先ほど構成員がおっしゃいましたけれど、やはり我々も早速この正月勉強会はACPに関する勉強会だったのですが、今年の高齢者医療に関しまして、恐らくACPの問題というのは大変話題になり、大きなことになっていくと思います。ここにはっきり書いてないのですが、私の感じでは、ACPを、人生会議を開くような段階になったら当然減薬するという方向で語られているのだろうと思いましたが、そういう理解でよろしいでしょうか。以上でございます。
○秋下座長代理 私からでよろしいですか。アドヒアランスという言葉とコンプライアンスという言葉、さらにもう一歩進んだアドヒアランスの上のコンコーダンスというような言葉もございまして、これを使い分けるかという議論も出たのです。実は、昨年度作成いたしました総論編では、アドヒアランスという言葉を使って、それで通しております。今回の療養環境というのを考えると、アドヒアランスというのは少し難しいのではないかと。言葉の理解というよりも、実践という意味で難しいのではないか。それで、コンプライアンスという言葉を入れて作りかけていたのですが、逆にそれが少し混乱するかなということで、総論編で使ったアドヒアランスで、またここも通すことにしました。解説に関してはこのような説明をさせていただいていますが、一般の方から見ると、確かにこれは分かりにくいのかなと思います。その点は大変樋口構成員には申し訳ないのですが、この指針は一般の方向けに作られたわけではないので、主たる利用者が医師、歯科医師、薬剤師ということで規定されています。そういう方が「主たる」ですが、それ以外の医療・介護関係の専門職の方が目にされるかということで、その辺りのレベルの方には理解できる言葉になっているのだろうというふうには思います。ですので、一般の方に分かる言葉にはなっていないところは他にも多分たくさんあるかと思いまして、それを一般の方に分かるように書くというのも、なかなか難しいのかなと思うので、御了解いただければ有り難いと思うのですが。
○樋口構成員 一言、失礼します。申し上げたかっただけなのですけれど。ただ、この理解が、例えば7ページにあります各職種の連携という、必ずしも医師、薬剤師だけでなくても管理栄養士とか、社会福祉士とか、この辺りまでは理解できるように書いていただきたいなという思いがいたしました。よろしくお願いいたします。
○秋下座長代理 ありがとうございます。それについては、日頃お薬にあまり接しない職種の方々にどのくらいまで分かっていただかなければいけないかということによるのかなと思うのですが、他の構成員の方々からも御意見を頂いて良い形にまとめたいと思います。
それから、もう1つの質問に先にお答えできればと思いますが、ACPが入るような方であれば減薬ということでもないだろうと思っています。総論編から今回の療養環境編を通してなのですが、非薬物的対応がここで書かれていますね。そこから始まっているというのは、何でも薬ありきではないですよということを念押ししておきたいということがあるのですが、やはりそれでうまくいかない場合は、ACPが入る人でも薬物療法を取り入れることはある、ということで必ずしも減薬ありきではない。適正にそれを判断していきましょうということですので、減薬の対象になる方は多いと思いますが、一方で増やす方もいると理解して、これを作ってきたということでございます。
○印南座長 他にいかがですか。よろしいですか。後でまた時間を取りますが、取りあえずは、それではこの「はじめに」は以上ということで。
続きまして第1部、「外来・在宅医療・特別養護老人ホーム等の常勤の医師が配置されていない施設」の部分についてです。事務局より説明をお願いします。
○課長補佐 資料1の10ページからになります、御覧ください。第1部は、外来、自宅やサービス付き高齢者向け住宅等における在宅医療のほか、特別養護老人ホーム等の常勤の医師が配置されていない施設についてです。まず8行目から、処方確認・見直しについて。薬剤情報の把握について、外来の場合は正確な薬歴について患者からの報告やお薬手帳からだけでは把握できない場合もあるため、定期的な確認が必要であり、更に在宅であっても一般薬等の使用状況については、患者のほか家族や介護スタッフからの聴取が必要である。一方、特別養護老人ホーム等の施設では、施設スタッフが服薬支援等を行うため、比較的服用状況の確認は確実に行われている旨、記載をしております。24行目からはCGAの評価、多職種からの情報による服薬状況も確認した上で、治療薬の評価や見直しの検討を行うとしています。また、必要に応じてACPを通じて家族等とともに患者本人の価値観に基づく意思決定支援を実施することについても、記載をしております。
11ページ4行目からは、長期的な安全性とリスク・ベネフィットバランスの視点についてです。医師、歯科医師は、特に予防目的に使用している薬剤のリスク・ベネフィットバランスを含め、疾患による症状の有無や重症度を観察し、薬剤の追加、減薬、維持について判断をすること。薬剤師は処方内容の確認・疑義照会にとどまらず、必要に応じて腎・肝機能の検査結果の把握や残薬や他院通院等の医師、歯科医師が確認しにくい情報の収集、更にそういった情報を医師、歯科医師へ報告することについて記載をしています。17行目からは、服薬アドヒアランスの維持について。23行目からは、居宅での生活はQOLを高く維持できる場所として、可能な限り長く過ごせるようにすることも重要であり、そのためには疾患の治療のみならず、療養環境の整備やヘルスケア等の配慮も重要であるとしています。31行目からは長期通院中の処方確認について、他院での薬剤変更や疾患、身体機能の変化も考慮して、常に全ての薬剤の把握に努める必要性を記載しています。
続いて12ページ3行目からは、「外来・在宅医療への移行時における留意点」を記載しています。専門医との協議・連携としては、地域のかかりつけ医が病院の専門医から治療の状況等を的確に引き継ぐとともに、その後の処方見直し等の判断が難しい場合には病院の専門医との連携も検討すること。14行目からは、多職種等からの情報収集と処方見直しプロセスの実施として、退院後の患者の支援体制の変化による服薬アドヒアランスの低下や生活状況の変化により処方見直しが必要となる場合があるため、退院後の患者の治療やケアに関わる多職種との情報共有が必要としています。
13ページの図の4は、病院や施設等から外来・在宅医療への移行時について、これまで記載のあった内容も含めて図示したものです。続いて、13ページ3行目からが「処方検討時の留意点」です。ポリファーマシー関連の問題の評価では、薬歴や処方理由も含めた全体像の把握、処方理由が判然としない薬剤の中止検討について。14ページ5行目からの「処方の優先順位と減量・中止」の項では、外来・在宅等の療養環境を想定した留意点として、処方変更後の詳細モニタリングの難しさ、服薬アドヒアランスの確認の必要性を挙げつつ、モニタリングが必要と考えられる具体的な状況の例を表2に挙げています。22行目からは、施設で想定されるモニタリングとして看護・介護職のモニタリング支援についてです。
さらに、15ページ4行目からは、施設長の理解の必要性について記載しています。施設長は施設の運営を統括し、その方針を入居者と家族へ説明し理解を求める立場にあることから、ポリファーマシーの趣旨を理解していただいた上で、ともにポリファーマシーに対する施設の基本方針を策定、共有することが望ましいとしています。以上、1部の説明になります。
○印南座長 この部分について御意見、御質問等あればお願いします。
○島田構成員 13ページの図4ですが、この図4が外来・在宅医療への移行時というタイトルであれば、これは療養環境の移行が下矢印だけでもよろしいかと思うのですが、再入院というような、この療養環境が移行するということはここではどういうお考えなのかをお伺いしたくて、御質問しました。上向きにはないのかということで。
○印南座長 この点について秋下座長代理、お願いします。
○秋下座長代理 そこはこの絵の中では想定していない問題でありまして、入院したときは総論編に示した急性期病院に行きますので、入院する、あるいは再入院とか、在宅あるいは外来通院中の方が入院することも、もちろん普通にあるわけですが、そのときは総論編のほうを見ていただきたいということです。
○印南座長 よろしいですか。
○秋下座長代理 今の点は第2部、第3部についても同様でございますので。あくまでここで対象としている療養環境に他から移って来るときにどういうふうに考えるかという視点で、そこの矢印は全て一方通行になっているかと思います。
○印南座長 他にいかがですか。
○大井構成員 14ページの表2の下から2つ目のポツなのですが、処方理由の不明な薬剤を長期にわたり使用している場合というのは、これはとても重要だと思うのです。なかなか処方理由のプロセスを辿るのが難しいような場合と、辿ることができる場合とで、疑義照会等を含めやりにくい場合があるかと思うのですが、「処方理由の不明な」ところでの議論というのはありましたか。
○秋下座長代理 その点はこの表に限らずございまして、それは第1部以外でもそうなのですが、もともと処方した医師に、その処方の意図をどこまで辿るのか辿れるのかという議論はかなりいたしまして、やはりそれは可能な限り辿るべきであろうという趣旨で、この表というよりは本文中の、例えば12ページの専門医との協議・連携などのところにそういったことを書き込んだり、第2部の該当するところにもそういったことを書き込んでおります。ありがとうございます、重要な点だと思います。
○大井構成員 ありがとうございます。
○印南座長 他にいかがですか。
○島田構成員 確認なのですが、10ページの処方確認・見直しのところで、お薬手帳について書かれております。それで12行目に「お薬手帳に全ての薬剤情報が記載されてない場合がある」と。全くそのとおりで、ここの部分について、もし不足した場合どうするかというときに、投薬をしているかかりつけの薬局もしくは薬剤師に問い合わせるというような文言があって、この不足した情報を補う手段もここに書き加えてはどうかと思うのですが、いかがですか。
○秋下座長代理 どこかに書いてあるのでしょうか。そのような点も議論したような気がいたしますが、網羅できていない部分があって、今おっしゃっていただいた点がどこにもなければここに書く必要があるかもしれません。事務局は、その点は分かりませんか。
○島田構成員 もし書かれたのなら、できるだけページの若いほうに書かれているほうがよろしいかなと思うのですが、いかがですか。
○秋下座長代理 11ページの12行目に、「薬剤師は」ということで、この現場で薬剤師が何をするべきなのかということではありますね。ただ、今、島田構成員がおっしゃったのは、薬局を利用したらというお話ですよね、その情報を収集する場所として。
○島田構成員 そうです。お薬手帳、これからどんどん活用の場面が広がっていくとは思うのですが、どうしても今の段階だと、まだまだ不十分。情報の集約はするわけなのですが、そこにサプリメントが、いろいろなものがこれから書き込まれていくわけなのですが、まだまだ不足しているとすれば、それを書いている外来の薬局、かかりつけ薬局で確認をするというのがとても有効な手立てではないかと思いましたものですから。
○課長補佐 8ページに、一応お薬手帳を活用した連携・協働ということで、お薬手帳の話に特化して記載はしているところではあるのですが。
○秋下座長代理 よろしいですか。そうしますと、これは多分第1部だけの問題ではなくて共通の問題なので、「はじめに」の8、9ページにかけてのところでしょうか。主たる利用者が医師、歯科医師、薬剤師なので、薬剤師も主体ではあるのですが。薬剤師が薬局の薬剤師に問い合わせるということももちろんあるわけで、その薬局という言葉が出てきたほうがリソースとして分かりやすいという趣旨で、そういう言葉を入れたほうがよろしいかもしれません。そういうことで趣旨はよろしいですか。
○島田構成員 くどいのですが、10ページでお話したのは、やはりまだこのお薬手帳は不完全なことがあるというふうに言及されていたので、これはとても大事なところであると思うので、そういう場面であれば、薬剤師が関与するべきだということで発言させていただきました。8、9ページのところでそういったお薬手帳の正確さとかいう、そういう書きぶりの中で薬局というのを使うと。そういったニュアンスで書いていただければ十分かと思うのですが。
○印南座長 他にいかがですか。平井先生、お願いします。
○平井構成員 先ほどの大井構成員の御発言とも関係あるのですが、11ページの長期的な安全とリスク・ベネフィットバランスの一番最初のパラグラフで、「予防目的に使用している薬剤によるリスクが増大」というのと、「ベネフィットは減弱」というのがあるのですが、こういうふうに書かれているのはそのとおりなのですが、では、実際処方されるドクターがお薬をやめるというのは、やはりかなり心理的な抵抗というのがあると思うのです。そういう心理的な抵抗をうまくなくせるような、例えばデータの集積とか、あるいは方法とか、そういったものをどこかで、ここには書けないかもしれないのですが、そういうものがあるということをきちんと示しておいたほうが、処方を見直しされる処方医の先生方の安心というのですか、積極的な見直しが進むのではないかなと思いました。以上です。
○印南座長 総論で書くべきかと思うのですが、でもこれは、こちらのほうは療養環境別の追補なので。ここにどうかなというのは思いますが。
○平井構成員 やはり処方される先生ってなかなか御自分の処方に切り込むというのは難しい方も実際多く見られますので、むしろ、その総論編のほうにもいろいろ書かれていたりするのですが、その療養環境に合わせてそういう見直しがやり易いのかどうかというようなことも少し触れていただいたほうがいいのではないかなと思った次第です。
○課長補佐 データとまではいかないのですが、今回、別表2として事例集というものを準備させていただいております。そこには具体的な実例をもとに、こういう場面においてこういう見直しをしたとか、実はそれについては見直しできなかったというような事例を掲載しているので、一部で参考にはしていただけるとは思います。
○印南座長 よろしいですか。他にいかがですか。
それでは続きまして、第2部「急性期後の回復期・慢性期の入院医療」の部分についてです。事務局より説明をお願いします。
○課長補佐 それでは第2部、「急性期後の回復期・慢性期の入院医療」につきまして、16ページを御覧ください。第2部では、主に回復期の医療について地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟、主に慢性期の医療を担う病棟として医療療養病棟や障害者病棟について記載をしています。
まず7行目からが「入院時の処方確認・見直しの考え方」になります。ここでは、急性期の治療により中止、追加した薬剤の検討も考慮しつつ、CGA、更にはACPを通じて見直しを実施すること。更に21行目からは、在宅や施設療養といった、その後の療養環境移行を考慮することも重要であり、そういった観点から服薬アドヒアランスへの留意、移行先での生活やサポートする同居者の有無等を見据えた検討の必要性も挙げています。
16ページ32行目からは、入院前の医師、歯科医師、薬剤師との情報共有が望まれる事項として、次ページの表3にその項目を挙げており、その中では急性期病院入院前の状況についても共有しておくことが望ましいとしています。
続きまして17ページ4行目からは、「入院中から退院までの留意点」が記載されております。特に回復期・慢性期医療では、12行目から記載している入院担当医を中心とした多職種との情報共有・連携が重要であり、看護師や介護職種、さらに作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション療法関係の専門職等の医療・介護スタッフからの情報、さらに他の病棟横断的な専門医療チームとの連携も重要である旨記載しています。
18ページの表4には、入院中に評価・対応するべき退院後の生活の影響を及ぼす事項について、表5には、「専門医療チームの例」を挙げています。
18ページの5行目からは、退院時の留意点として、地域のかかりつけ医や薬剤師との連携、情報の引継ぎについて、入院中に変更した薬剤が再び処方されないように変更理由も含めた情報の引継ぎや、入院前は複数の医師、歯科医師が処方していた場合、退院後において処方を取りまとめる処方医を決めておくことを推奨しております。以上、入院から退院までの流れをまとめた図が次ページの図5になります。
続きまして、19ページ4行目からが「処方検討時の留意点」になります。入院時は処方の一元管理という観点からも、処方の整理を行う良い機会であるとともに、身体機能や活動性の低下に伴い薬物有害事象が起こりやすくなるため、「現在の患者の状態」に対応した処方であるかを評価することが重要であり、次ページの表6に想定される薬物有害事象とその留意点をまとめております。20ページの15行目になります。薬物有害事象の発現を伴わないPIMsや処方理由が不明確な処方についても対応を推奨する旨記載しています。以上、第2部の説明です。
○印南座長 ありがとうございました。この部分につきまして、御意見、御質問等ありましたらお願いいたします。
○北澤構成員 図4と図5で急性期病院とか回復期・慢性期病院とか在宅とかマルで囲ってあるのですけれども、場所別に色を変えたほうがいいのではないかと思いました。在宅は在宅で図4と図5で同じ色にしてほしいというお願いです。
○秋下座長代理 イメージカラーのようなものでしょうか。ワーキンググループでも、職種をもっと入れろとか、いろいろリクエストがありまして、事務局でかなり苦労して絵を入れていただいているのですが、見たときに、せっかくの絵なので、文字がなくてもある程度イメージできるようにというような趣旨ですよね。統一は考えさせてください。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。続きまして、第3部「その他の療養環境」の部分について、事務局より説明をお願いします。
○課長補佐 それでは、第3部です。22ページを御覧ください。第3部は「その他の療養環境」として、常勤の医師が配置されている介護施設(介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院)について、これらの施設が有する在宅復帰・在宅療養支援の機能、長期療養や看取りの機能に配慮しつつ記載をしております。12行目からが「入所時の処方確認・見直しの考え方」になります。入所前には、支援相談員や介護支援専門員等が、入所予定者の情報を把握することになるため、支援相談員や薬剤師等は診療情報提供書、お薬手帳などから得た服薬内容の情報を医師、歯科医師と共有すること。さらに服薬状況の情報把握にあたっては、移行元の医療機関へ情報提供を求めるとともに、患者の自宅への直接訪問や薬剤師による患者が持参した薬剤の鑑別等により、薬剤の情報を的確に入手することが求められるとした上で、入所前の本人や家族に対して、ポリファーマシー対策の重要性や非薬物的対応の提供に関する説明、理解を得ておくことが望ましいとしています。27行目からは、入所時には処方確認・見直しを必ず実施すべきとした上で、在宅復帰を支援する場合には、比較的入所期間が短いことも考慮の上、薬物有害事象の有無の確認を積極的に行うこととし、例として、ポリファーマシーに認知症とサルコペニアが伴う場合を挙げています。
続きまして23ページです。3行目からは長期療養や看取りを主とする場合の留意点として、ACPを通じた意思決定の必要性についても記載をしています。9行目からは、長期的な安全性とリスク・ベネフィットバランスの視点について、患者本人の価値観を最大限尊重すること。14行目からは、長期療養や看取りを目的とする場合は、薬物有害事象のリスクや服薬可能かどうか等も考慮しつつ、本人あるいはその家族と価値観を共有した上で、薬剤の中止の検討も必要となる旨記載をしております。続きまして19行目からは、「入所中から退所までの留意点」になります。まず、専門医及びかかりつけの医師、歯科医師等の協議・連携について、処方見直しの必要があると判断した場合は、可能な限り入所前の処方医師、歯科医師に連絡し、患者の病態も含めて情報交換を実施するとしています。さらに26行目から、処方見直し後の経過観察については、多職種と処方見直しの内容及び薬物有害事象のモニタリング方法を共有し、多職種がそれぞれの役割を踏まえて、患者の状態の変化を捉える必要があり、異常発生時の報告体制の構築と緊急対処法の共有も重要であるとしています。
24ページ2行目からは、在宅に向けた服薬環境の調整について、服薬が確実になる方法を検討するための対応について記載をしています。14行目からは、退所に向けた連携情報の引継ぎについて、表7に、特に介護老人保健施設と在宅医療の間の連携ツールをまとめています。以上、入退所時の留意点を含めてまとめた図が25ページの図6になります。
続きまして、25ページの3行目からが「処方検討時の留意点」です。入所時は、高齢者介護に精通した多職種がより関わることができるため、見直し後のモニタリングや長期療養の視点で処方見直しできる環境であり、長期療養や看取りも含めて患者の今後の療養環境を見据えた検討が求められるとしています。
26ページ5行目からの「処方の優先順位と減量・中止」においては、想定される状況とモニタリングとして、特に在宅復帰を目指す場合においては、入所中の非薬物的対応の検討が、長期療養や看取りを行う場合には、ACPを通じた意思決定支援が重要である旨を記載しています。また、19行目からの薬物有害事象のリスクの確認については、2部の回復期・慢性期と同様であり、21ページの表6を参照することとしております。
27ページからは、「おわりに」になります。ここでは、主にポリファーマシーの取組については、国民への啓発が重要であることを記載し、「患者・国民への啓発の重要性」、「平易で丁寧な説明と注意喚起」、「患者・家族の意向尊重」といった、3つの見出しをつけています。8行目からが、医療関係者が薬物有害事象のリスクや全ての病状に対して薬物療法を必要とする場合ばかりではないといった点について、具体的な分かりやすい言葉を用いて丁寧に説明する一方で、自己判断による断薬や減薬の危険性について注意喚起を行うこと、服薬状況を医師、歯科医師、薬剤師に正しく伝えることの重要性について理解を求めることも必要であるとした上で、19行目から、本指針の精神である、患者中心の考え方に基づき、CGAの実施やACPの考え方を取り入れる旨についても記載しています。以上でございます。
○印南座長 ありがとうございました。この部分につきまして、御意見、御質問等があればお願いします。
○秋下座長代理 よろしいですか。先ほどこの絵について、1部から3部まで療養環境の移行は一方通行になっていると申し上げたのですが、第3部では両方向を向いておりまして、ここは悩ましいところですね。多分移行しやすい療養環境なのかなとは思うのですが。そろえるか、このままでいいのか、検討が必要かなと。事務局お願いします。
○課長補佐 事務局のほうで整理したものとしては、第1部の13ページの図4については、戻る矢印のところで、正に在宅から急性期の病院に入るところについては、秋下先生が先ほどおっしゃられたように、総論編で読めるという話があって、そこで取り残される、いわゆる介護施設への移行については、逆に3部の25ページの図の両矢印で書いてある片側のほうで、在宅からの3部で読み切れていない矢印の図が読み取れるため、そこで一通り網羅できるという整理をしたところです。
○印南座長 個人的な感想ですけれども、それでしたら13ページの上の矢印を小さく付けて、そちらは総論を参照とか書いておけば、不整合な感じの印象は少しは緩和されるのかもしれないと思いますが。
○秋下座長代理 これは宿題ということで修正をさせていただきます。
○印南座長 ほかに先生方のほうから。
○池端構成員 質問ではないのですが、最後の23ページの「おわりに」という所、この○の3つは、私はワーキングにも入らせていただいたので、非常に重要な点を挙げさせていただいて、先ほど樋口構成員がおっしゃったように、ここをしっかりしないと、専門職だけがいくらやっても国民の理解、患者さんの理解が非常に大事だということを、いかに平易に伝えていくかということを強調させていただいたので、そういう意味でかなり重要な意味合いということで御理解いただけるといいかなと、ワーキングの一員として少し意見を言わせていただきました。
○秋下座長代理 よろしいでしょうか。そういう意味では、先ほど私はこれは一般の方用ではないのでというふうなことを申し上げましたが、では、説明するときにどうやって説明するのかというのが分からないということであれば、先ほどのアドヒアランスとコンプライアンスの所に、もう少し説明を加えさせていただいたほうがいいのかなと。ここも私が自分で作っておいて、今、自分の犯したことに気がつきました。
○城守構成員 今の点に関してなのですが、全般的には先生に大変御尽力いただいて、医師、歯科医師、薬剤師の先生方にとっては、非常に読みやすいというか、分かりやすい平易な表現で取りまとめていただいたと思います。これは、追補版ということよりも、総論にも関係することなのですけれども、基本的にはコンプライアンスもアドヒアランスも医師が投薬をする、ないしは減薬をするという行為の結果として、それを守っていただくのか、それとも理解しているのかということなのですけれども、その前に、根本的なお話で申し訳ないのですが、基本的にはインフォームド・コンセント、説明と同意とも言っていますけれども、最近は「説明と選択」ですよね、ということがあって、この服薬をすることによってのメリット・デメリットと、服薬をしないことによってのメリット・デメリットを説明して、その結果として患者さんが選択をする。これは高齢者だけに限らないのですけれども。ですから、その結果、コンプライアンス、そしてアドヒアランスということが発生してくるという流れだろうと思うのです。
ですけど、何でもかんでもICということを入れるというのは、私もどうかなと思うのですけれども、どこかに説明と患者さんの同意、選択という、そのことがまずありきなので、そのことが余り書かれていないと思いますので、どこかに、多分最初のほうかなと思うのですが、それを書いておかれることによって、コンプライアンス、アドヒアランスという単語が生きてくるのかなと思いますので、御検討をお願いします。
○印南座長 「おわりに」の3つ目は、正しく、もう少し明示的に言葉を入れればいいのかもしれませんが。
○城守構成員 そうですね。
○秋下座長代理 よろしいでしょうか。今、城守構成員がおっしゃったことは非常に重要で、細かくは途中にも出てくるのですが、もしかしたら最後にだけではなくて、最初のほうにもやはり一言あったほうがいいのかもしれないと思いましたので、入れる場所を検討させていただきます。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。全体を通してでも構いませんが、別添はこれから議論しますので。この案について、全体を通してでも構いませんが、御意見、御質問等があればお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。続きまして、別添(案)について秋下構成員より説明をお願いします。
○秋下座長代理 今回の別添ですが、薬効群ごとの留意点、それから処方見直しの事例集、多職種の役割についてまとめた表を作成しています。別表1ですが、総論編の別表でまとめたものに追加する形として認知症治療薬、骨粗鬆症治療薬、COPD治療薬、緩和医療で使用される薬剤の4つの薬効群について留意点を記載したものとなります。つまり、総論編の別表で、本来入れる必要があったかなということで追加したものになります。別表2の事例集については、各療養環境における処方見直しの事例について、実例を踏まえて、個人が識別されないように加工して作成しております。そして別表3は、第2部と第3部の各療養環境における、入院・入所から退院・退所までの多職種の役割について、時系列にまとめたものになります。以上です。
○印南座長 ありがとうございます。それでは、別添について説明をお願いします。
○課長補佐 それでは、資料2-1の別表1から説明いたします。資料2-1を御覧ください。これは総論編と同様のフォーマットで、追加で4種類の薬効群について、高齢者の特性を考慮した薬剤選択、投与量、使用方法に関する注意、他の薬効群と薬剤との相互作用に関する注意についてまとめたものです。薬剤の名称は、医療現場における利用のしやすさを考慮し、総論編同様、一般名だけでなく商品名、先発薬の名称についても併記をしています。また、コリンエステラーゼ阻害薬等を薬理作用で記載している部分については、こちらも総論編同様、売上推計データ等を参考に代表的な薬剤を挙げています。
それでは、表の簡単な説明に入ります。別表1を御覧ください。Mの認知症治療薬からになります。AからLまでは総論編の別表でまとめている部分なので、Mから始めています。まず、認知症治療薬について、主にアルツハイマー型の認知症の進行を遅らせる薬であり、副作用が疑われる場合は、中止や他剤への変更を検討することとし、非薬物的対応の併用が推奨されるとしています。薬剤選択の項目では、消化性潰瘍のリスクを踏まえた留意点や薬剤選択等を、既往歴や他の疾患を持つ場合についての留意点のほか、メマンチンは中等度以降の治療薬として分けて記載しています。投与量、使用方法に関する注意としては、どの薬剤も少量から漸増するとした上で、貼付剤については、貼付箇所の変更やメマンチンの高度腎機能障害の患者に対する上限を記載しています。さらに相互作用に関する注意としては、CYPの関与する相互作用についての記載のほか、コリン作動薬やほかのコリンエステラーゼ阻害薬との併用に関する注意事項について記載しています。
続いて、Nの骨粗鬆症治療薬になります。骨粗鬆症治療薬は薬剤ごと、投与方法や服用回数、頻度が多岐にわたるため、それぞれの患者のライフスタイルや介護者の介入タイミングに合った製剤を選択すること。さらに投与量、使用方法に関する注意では、ビスホスホネート製剤等の使用における定期的な歯科受診の勧めや、アルファカルシドールに関する注意喚起。相互作用に関する注意の部分では、ビタミンD3製剤とCa製剤との併用等による高Ca血症のリスクや、それを踏まえた血清Caモニタリングが必要なことも記載しています。
続いて、OのCOPD治療薬になります。薬剤選択としては、基本は気管支拡張薬とした上で、気流閉塞が重症で増悪を繰り返す場合には、吸入ステロイドの併用、全ての患者に対し、インフルエンザワクチンの接種の必要性を記載しています。使用方法に関する注意の項目では、主にLABA、ICSについて記載しています。相互作用の項目では、ICS及び一部のLABAのCYP3A阻害剤との併用、テオフィリン製剤とCYP1A2の併用に注意が必要な点について記載しています。
4つ目がPの緩和医療で使用される薬剤についてです。主にここでは、疼痛緩和の薬剤について記載していますが、一部精神的苦痛であるせん妄の対応として、抗精神病薬を使用する際の留意点についても記載しています。疼痛については、WHOの除痛ラダーに沿って、段階ごとに使用薬剤が選択されると記載した上で、NSAIDsにオピオイド鎮痛薬を併用することがあるが、NSAIDsは腎障害、消化管出血等の副作用を生じる場合があるため、継続投与の必要性を定期的に検討すること。オピオイド鎮痛薬であるモルヒネとコデインは活性代謝物が腎排泄のため、腎機能が低下している患者には使用しないことが望ましい旨を記載しています。さらに、オピオイドの副作用である悪心・嘔吐に対するドパミンD2遮断薬投与による薬剤性錐体外路症状、鎮痛補助薬としてのプレガバリンの注意点等を記載しています。相互作用の項目では、オキシコドンとフェンタニルとCYP3A阻害剤との併用、オピオイドと中枢神経抑制薬との併用に関する注意を記載しています。なお、オピオイドについては多数の商品名があり煩雑になってしまうこと、一般名で広く通用されていることから、ここでは一般名のみの記載としています。以上が資料2-1です。
それでは続いて、資料2-2を御覧ください。こちらは別表2になります。ここでは処方見直しの具体的な事例を掲載しています。個別の事例に入る前に説明として、本事例集は実例を基に特定の個人を識別することができないように加工したもの、減薬した事例を掲載しているが、見直しによる薬剤数が増える場合もあること、さらに、減薬を試みてもうまくいかない場合があることに留意いただきたい旨、この資材については患者の生活状況や、それを踏まえた多職種の関わりについても記載しているため、多職種の勉強会等の資材としても活用していただきたいと記載しています。
各事例について、症例ごとに事例の特徴、療養環境、問題点、患者背景を記載し、処方見直しの内容について、介入前と介入後の薬剤名、服薬管理。経過欄には介入のきっかけと介入のポイント、介入後の経過をそれぞれ記載しています。なお、薬剤名は一般名称を記載しております。
簡単に事例の内容について触れていきます。まず1ページ目、事例1です。こちらは脳出血後のADL低下に伴い、ふらつき等の薬物有害事象が発現した事例です。ふらつきや低血糖の症状を踏まえ、降圧薬や糖尿病薬の減薬を行っています。
続いて事例2、3ページです。こちらは退院後の生活リズムに服薬タイミングを合わせるべく見直した事例です。退院後の生活リズムを考慮して、1日1回昼食後の服用に変更し、残薬が多い薬も中止等を行っている事例です。
続いて事例3です。5ページ目になります。こちらは複数医療機関・薬局の受診により、処方カスケードを生じた事例です。薬物有害事象の原因と考えられる薬剤の減薬等により、食事量・活動量の増加が見られ、それによって更なる減薬が実施できた事例です。
続いて事例4、7ページ目になります。こちらは在宅医療における身体状況の変化を踏まえ、処方を見直した事例になります。腰痛により外出できなくなり、食欲低下、低血糖の症状があり、糖尿病薬、降圧薬等の中止を実施した事例です。
続いて事例5、9ページになります。こちらは徐放錠を粉砕したことで、薬物有害事象が発現した事例です。パーキンソン病の薬を粉砕することで血中濃度が急激に上がり、意識変容等の薬物有害事象が発現した事例です。
続いて事例6、11ページになります。複数医療機関の受診による多剤併用状態から、老健施設への入所がきっかけで処方見直しを行った事例です。同効薬の重複による見直し、効果がはっきりしない薬、処方意図が分からない薬の減薬等を行った事例になります。
続いて事例7は、看取りを前提に老健施設へ入所した事例です。
続いて事例8は、急性期病院における複数診療科からの多剤併用事例になります。腎機能低下の患者における糖尿病薬の薬剤選択、そのほか、腎排泄型薬剤等を踏まえた処方見直しの事例です。
以上が事例集になります。この資料2-2については、今日御欠席の看護協会の熊谷先生から事前にコメントを頂いていますので、御紹介いたします。熊谷先生のコメントです。「指針本編、指針追補案に述べられている多職種協働によるポリファーマシーの取組が事例でも見えるように修正をしてはいかがでしょうか」という御意見です。
具体的には介入のきっかけ欄について、「日常生活のどのような出来事がきっかけで、それはどのような職種からの情報によるのかを示してほしい。さらに介入のポイントでは、多職種で話合いの結果、患者又は利用者の何を大事に考え、どのような介入を行ったのか、その介入はどのような職種が関わったのか、分かるようにしてほしい」。以上が熊谷先生の意見です。
続いて資料2-3、別表3です。A3版の大きな資料になります。こちらは主に第2部、第3部における「入院(入所)から退院(退所)までの多職種協働による薬剤調整」ということで、患者が入院もしくは入所してから、退院若しくは退所するまでにおいて、多職種の役割を時系列ごとにまとめたものです。なお、題名の下の(*)のとおり、「本表は実際の活動を踏まえた望ましい形の1つとして示したものであり、画一的に推奨するものではない」ということを記載しています。以上が別表3になります。以上です。
○印南座長 この別添部分について議論したいと思いますが、御質問、御意見等あったらお願いいたします。
○三宅構成員 別添、別表1の緩和医療で使用される薬剤ですが、オピオイドの所の3行目に、「第二段階は弱オピオイド(コデインなど)」になっていますが、通常、我々は、コデインとトラマドールを併記することが多く、強オピオイドは現在使われている薬が網羅されているので弱オピオイドがコデインだけだと少し違和感があったのですが、いかがでしょうか。
○印南座長 秋下先生、いかがでしょうか。
○秋下座長代理 つまり、トラマドールが抜けているという趣旨でしょうか。
○三宅構成員 強オピオイドに関しては下段で全て網羅されていて、上段は「など」になっているので、このままでももちろんいいとは思うのですけれども。
○秋下座長代理 例えば今だとトラマドールのほうが、むしろよく使われるのかもしれませんが、「コデイン、トラマドールなど」、あるいは「トラマドール、コデインなど」というような形であればよろしいですか。
○三宅構成員 その方が自然な感じがします。
○秋下座長代理 どちらが先のほうがよろしいでしょう。
○三宅構成員 古いのはコデインなので、コデインが先で良いかと思います。
○秋下座長代理 典型的にという意味では、「コデイン、トラマドールなど」。
○三宅構成員 そうですね。通常、コデインは鎮咳剤として使うことのほうが多いと思いますけれども。
○秋下座長代理 では、そうしますと、トラマドールは商品名を入れたほうがよろしいですか。多分、トラマールか。
○三宅構成員 コデインが一般名だけなので、トラマドールで良いかと思います。
○秋下座長代理 そうなのですね。Pの緩和医療で使用される薬剤だけは、商品名を選べない状況にあるということで、こういう一般名だけになっているのですが、ほかの所は可能な限りは商品名を入れていまして。
○三宅構成員 あえてなくてもいいとは思いますけれども、薬剤師の先生方のご意見はいかがでしょうか。
○印南座長 では林委員、お願いします。
○林構成員 今、おっしゃっていただいたように、ここのオピオイドの所は商品名を挙げていないので、一般名だけで通すということが一貫性があっていいように思います。
○印南座長 それでは、事務局のほうでそのように。ほかにいかがでしょうか。
○島田構成員 別表3で、お伺いしたいのですが、入所前の所の入院担当の医師・歯科医師の所に、「全ての薬剤、特にPIMsの確認」というような記載がありまして、その下の歯科医師の下に薬剤師の欄があります。ここには「サプリメント」というのが出てきています。上の医師・歯科医師の所には、ただの薬剤だけでサプリメントがなく、下にだけサプリメントがある、何か特別な理由があればと思いまして。
特に最近、イチョウ葉エキスだとかキトサンだとか、サプリメントでも、かなりいろいろなものが出回っているということからすると、これは施設の薬剤師から医師へのフィードバックがあるのかとは思いますけれども、書き込むので、バランスを考えた上でもサプリメントがあってもいいのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○印南座長 事務局、いかがでしょうか。
○島田構成員 省かれている意味でも分かればいいのですが。
○秋下座長代理 あとは表現ですね、サプリメントより一般用医薬品という書き方のほうがよろしいかもしれません。今回の追補のほうにもそういうものが出てきますし。
○課長補佐 表現のほうは少し見直しをさせていただきたいと思いますが、特に薬剤師ということなので、そこの部分については1部の記載になるのですが、例えば11ページに「医師、歯科医師が確認しにくい情報」の所に「一般用医薬品等の使用状況など」というのを挙げていますが、特に、ということで一般用医薬品等を入れさせていただいているというところはあります。逆に医師とそろえたほうがいいということであれば、そのように御意見いただければと思いますが。
○島田構成員 少しここの部分だけ特出しのように見えてしまったので、なければ気が付かなかったところなのですけれども。
○医薬安全対策課長 遅れてきて申し訳ないのですが、今の部分に関しましては、薬剤師がお仕事をされている薬局とかではサプリメントもかなり扱われているということもあり、また、サプリメントと実際に服用している医薬品との間の相互作用も含めて、薬剤師が指導を一元的に、その辺りの把握をする必要があるということで、こういったところの記述も必要ではないかと考えてはおります。ほかの医師、歯科医師もということであるならば、その辺は医師、歯科医師のお立場の先生からも御意見を頂ければと思いますが、少なくとも薬剤師においては、一般用医薬品を含む医薬品・薬剤のみならず、やはり相互作用等のことを考えたら、この辺りの把握ということも大事ではないかなと思っている次第です。
○島田構成員 大事なところだと思っていたので。
○印南座長 医師の先生方、いかがでしょうか。
○秋下座長代理 そうですね、別表3がかなり大きな表で、それぞれの中の表記は、なるべくシンプルにしたほうが、見やすさという点ではよいのかなと、まず思います。それで、全ての薬剤といえば、そもそも一般用医薬品も、それから健康食品等サプリメントも含まれるという考え方もあるし、その辺が書きぶりによるのかなと。
だから例えば、医師、歯科医師の所は、全ての薬剤、特にPIMsの確認のままにして、薬剤師の所の括弧の中にその辺を入れてしまうとどうでしょう。少し曖昧さは出ますけれども、本来、全ての薬剤といえば全てなので、そこで理解してくださいという形にもできるかなと思いますが。
○印南座長 平井先生、どうぞ。
○平井構成員 これは多職種協働ということなので、それぞれの職種の特徴を書いていると思うのですね。だから、もちろん医師が全部、そういうお薬について把握するというのは当然のことだとは思いますけれども、特に相互作用だとか一般用医薬品、それからサプリメントのことに関しては、薬剤師が得意とするところであるので、それをここに強調して書かれているというふうに私は解釈したので、全部を一緒にしなくても、この表現で私は非常に、むしろ薬剤師の特色を強調して書かれているという意味ではいいのではないかと思った次第です。
○城守構成員 同じ意見です。
○池端構成員 私も同じ意見です。
○秋下座長代理 一般用医薬品やサプリメントの把握を医師が得意なのかというと、結構苦手というふうには思いますので、もし、このままで認めていただければ、私はそのままでもいいかなと思います。
○島田構成員 そういうお答えを頂けると、とても私たちも違う意味でやりがいがありますけれども。とにかく入院するときには持参薬、サプリメントも含めてたくさん情報があるものですから、院内の薬剤師も、そこのところは十分に理解していると思いますので、御活用いただければと思います。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。
○斎藤構成員 確認をさせていただきたいのですけれども、別表3の医師・歯科医師、そして薬剤師のカラムと看護師からのカラムと分けられているのは、やはり指針が医師、歯科医師、薬剤師の先生方を主たる対象としておられて、看護師からの職種は、関与されていれば、こういうことをやってほしいという意図で書かれたという理解でよろしいのでしょうか。
○秋下座長代理 そのとおりです。
○斎藤構成員 ありがとうございます。
○印南座長 ほかはいかがでしょうか。
○北澤構成員 先ほども、この「おわりに」の3点が非常に重要だというお話があって、私も全くそう思います。私自身は医療職ではないのですが、このポリファーマシーの問題を何とかしていくためには、医療職の方々もさることながら、やっぱり患者や家族がある意味、意識を改めるとか覚悟を決めるみたいなところまで考えを変えないと、実質的には変わらないのではないかという気もします。なので、この文書はこの文書でいいと思うのですが、患者とか介護をしている家族とか、あるいは国民一般へ、ポリファーマシーの問題について啓発をもっと力を入れて行政はやってほしい。多職種協働という表も拝見したのですが、患者や家族は何をすればいいのか。裏返しですけれども、例えば入院するときには自分のもらっている薬は全部持っていくとか、やらなくてはいけないことがあるはずですよね。そういうことをきっちりメッセージとして出してほしいと思います。
○印南座長 いかがでしょうか。
○池端構成員 私も今、北澤構成員の話に全く同意するのですが、ただ、この追補も総論編も含めて、これは、あくまでも最初のスタートの段階で専門職をということだったのでこういう書きぶりになった。でも、この啓蒙も非常に大事なので、私は期待したいのは、この後にまた、患者、国民が中心に出して、このポリファーマシーをどう考えるかという何か別の資料が出せればもっといいのかなと思って、そこに私は期待をしたいと思っています。今回は、こういう書きぶりにならざるを得なかったかなという感じがしています。これは感想です。
○城守構成員 先ほどもお話しましたが、そこはIC的な要素の御説明を最初に入れられたら、医療安全的な視点からのものも加味されていますよというメッセージは、ここに十分に反映できると思いますので、そういう形を取られたら、先生方の御苦労もクリアできるのかなと思いますので、よろしくお願いします。
○印南座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、最後に、副題について議論をしたいと思いますので、秋下構成員より、説明をお願いします。
○秋下座長代理 資料1の指針の副題について、机上配布の資料1を御覧ください。先ほどの御議論いただいた資料1にも並んでいたのですが、ここには更に1つ追加されて、案1~案5ということで並んでいます。もともと指針の「追補」という副題については、前回の検討会の際に議論となって、御意見を頂いた複数の副題を並記した形としております。ワーキングでも様々な意見が出て、案1がワーキングからの追加の案ということになっています。そのワーキングでの意見というのは、療養環境という言葉が入っていたほうがよいということ。それから、総論編というものを昨年度出していますので、それの対義語としては各論編ではないかということ。それから、「留意点」について記載しているので、留意点が入っているほうがよいのではないか。それから、各論編、療養環境編と「編」が重なるのは違和感があるため、療養環境編ではなく、療養環境別としてはどうか。つまり、各論編(療養環境編)ではなくて、各論編(療養環境別)ということで、最終的にはこの5案について、議論を頂きたいという意見になり、ワーキンググループの構成員にメール上で投票を行っていただいて、その得票数を案の横に記載しております。案1:各論編(療養環境別)が最も多く6名、案2:療養環境編が3名、案3:各論編(療養環境ごとの留意点)が3名ということで、この2つが次席となっております。副題については、これらの点も参考に御議論をお願いいたします。
○印南座長 いかがでしょうか。一応、ワーキングの御意見は出ていますが、この会議で変えることも可能ではありますし、ただ、前の会議でもやっていますし、ワーキングでもやっているので、今日この場で完全に決めてしまいたいと思います。それで、ここに挙がっている案以外にも、特段にこれがいいとか、あるいは、ここで0名でしたけれども、私はこれを強く推したいという御意見があれば、おっしゃっていただいて、その上で皆様に決めていただくということでいいと思うのですが。いかがでしょうか。では、よろしいですか。何かあれば、最後のチャンスですので。何もなければ、一応、ワーキングで最も得票数の多い、「各論編(療養環境別)」ということにしてよろしいでしょうか。それでは、そのように決定させていただきたいと思います。
これで、一通り議論が終了しましたが、全体を通して何か御意見等がありますでしょうか。よろしいですか。本日頂いた御意見等を踏まえて、更に事務局に修正をお願いし、私のほうで確認をして、事務局から構成員の皆様に御確認をお願いし、最終的な取りまとめは私に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。また、指針本文の「はじめに」の2ページ目の(2)の多剤服用の現状で、その次のページの図の部分ですが、本年度事業として実施している調査結果を追記する部分がありましたけれども、これにかかる部分については、調査の結果がまとまり次第、構成員の先生方に別途御確認をお願いする形としたいと思いますが、こちらについてもそれでよろしいでしょうか。
特に御意見がないようですので、そのような形で取りまとめは座長に一任とさせていただきたいと思います。
それでは、今後の事務局の方針について説明をお願いします。
○課長補佐 はい、それでは、本日、御審議いただいた結果に基づき、取りまとめていただいた指針(案)について、先生方に御確認いただいた上で、パブリックコメントの実施のための手続を進めさせていただきます。次回検討会では、パブリックコメントの結果も含めて改めて御確認をお願いする予定です。
○印南座長 以上で本日予定していた議題は終了となりますが、その他に御発言等があるでしょうか。よろしいでしょうか。
○秋下座長代理 では、予定より議事が早く進んでいるので、ワーキングで議論になった点で、今回付けている、別表などの扱いについて御意見を頂ければと思います。まず、別表1で、今回追加した薬効群、これは見ていただくと分かるように、認知症治療薬がMから始まっています。というのは、総論編のほうに、Aから始まってLまであると。その続きという意味でここはMから始まっていますので、今後、この総論編と今回、各論編(療養環境別)となりましたが、どのようにセットで扱っていくのかという場合に、少なくとも別表1に関しては、総論編の表の後ろに入ってくるということです。ここもまた、少し御意見を頂いておけば、また次のワーキングが立ち上がったときに助かるなと思うのは、この総論編と今回の各論編(療養環境別)をどういう形で今後まとめるのか、このまま2つを並べて、先ほど言いました薬の説明については入れるにしても、どうするのかということも事務局といつも悩んでいるところでしたので、何か御意見があれば伺っておいてもいいのかなと、ワーキンググループの主査として追加で。
○印南座長 ただいまの点についていかがでしょうか。第1点目は、当面の間はMということで中に入れることでよいかということですよね。それから、第2点目は、今後、先を見たときに、この2つの冊子を統合するのか、あるいはこのままでいくのか。その点に関して、何か御意見等があれば、参考にさせてほしいということですよね。
○秋下座長代理 はい。
○印南座長 いかがでしょうか。
○島田構成員 今の2番目の御質問について、深く準備をしてきておりませんので、今の感想なのですが、まず、これから各論が実際に作られて、現場で活用されていく中で、様子を見ていくことも必要なのではないかなと思います。今の段階では、まずは別々に動いてもよろしいのではないかと私は思いますけれども。
○印南座長 あるいは、パブリックコメントで、分かれているのは使いづらいとかいう意見がたくさん出てくれば、また変わるかもしれませんが。
○秋下座長代理 また、御意見を頂ければ有難いと思います。このような投げ掛けをさせていただくのが目的でもあるので、これでまとめて、何かまた足りないものがあるといって作ったら、また追加を出してという、継ぎ接ぎだらけみたいな感じになりかねないので、別々のほうがそこはすっきりするかもしれません。この検討会はまだ次年度も続く予定があるということなので、またそこで何か意見が出てくるかもしれませんし、取りあえずは、別々のものとして進めていくということでさせていただければと思います。
○印南座長 それでは、後は事務局から何か連絡等ありますでしょうか。
○課長補佐 本日もたくさんの御意見を頂き、ありがとうございました。次回の検討会の日程ですが、改めて日程調整をさせていただき、事務局より御連絡させていただきます。なお、本日の議事録については後日送付させていただきますので、内容の御確認をお願いいたします。修正・御確認いただいた後は、厚生労働省のホームページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○印南座長 それでは、これで閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
 

(了)

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