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2019年5月16日 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会(第7回)議事録

医政局医事課

○日時

令和元年5月16日(木)17:00~

 

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター新館ホール12E
東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング12階

○出席者

石川 英樹 (公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会 業務執行理事(法制局長))
磯部 哲 (慶應義塾大学大学院法務研究科 教授)
加護 剛 (奈良県橿原市健康部 副部長)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
木川 和広 (アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士)
坂本 歩 (学校法人呉竹学園 理事長(公益社団法人東洋療法学校協会 会長))
小川 幹雄 (社会福祉法人日本盲人会連合 副会長(竹下構成員代理))
福島 統 (東京慈恵会医科大学 教育センター長(公益財団法人柔道整復研修試験財団 代表理事) )
前田和彦 (九州保健福祉大学 教授)
三橋 裕之 (公益社団法人日本柔道整復師会 理事)
南 治成 (公益社団法人日本鍼灸師会 副会長)
三宅 泰介 (健康保険組合連合会 医療部長)
 

○議事

○松田医事専門官 定刻になりましたので、ただいまより、第7回「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」を開催いたします。
構成員の先生方におかれましては、本日は大変お忙しい中、御出席を賜り、まことにありがとうございます。
構成員の出席でございますが、竹下構成員、山口構成員におかれましては、本日欠席でございます。なお、竹下構成員におかれましては、代理として小川幹雄日本盲人会連合副会長にお越しいただいております。
事務局の佐々木医事課長でございますが、本日は所用がありましておくれることになっております。
本日の資料ですが、最初に議事次第、資料1「広告可能事項の範囲」、参考資料1「これまでの議論を踏まえた論点整理」、参考資料2として医療広告ガイドライン、参考資料3、最後に、座席表をつけさせていただいております。
資料の不足等がございましたら、お申し出ください。
以降の進行につきましては、座長にお願いいたします。それでは、よろしくお願いいたします。
○福島座長 それでは早速、議事に入らせていただきたいと思います。
きょうは、これまでの議論を踏まえた論点整理ということで議論を続けているわけですけれども、施術団体から広告の対象範囲要望とそれに関する表示例、または表示を控えるべき事例について、個別具体的にそれぞれの施術団体からヒアリングを実施したいと思っております。
それでは、まず初めに、あはき団体を体表して石川構成員から、資料を元に御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○石川構成員 全日本鍼灸マッサージ師会の石川でございます。
数日前から、ここに書いてあります4団体、公益社団法人日本鍼灸師会、公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会、公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会、社会福祉法人日本盲人会連合の担当の先生方と話をさせていただきまして、まとめた資料をきょう提出させていただきます。
拡大したい広告事項としまして、まず、国家資格保有者である旨、具体的に言うと表示例として、はり師あるいはきゅう師、あん摩マッサージ指圧師に国家資格保有者と表示させていただければと思っております。あはき以外の表示に関しては規制するべきだと考えております。
次に、療養費の対象疾患は、次のページに書いてあるとおりなのですが、筋麻痺、筋萎縮、神経痛、関節拘縮等、これはマッサージの対象疾患。次が、神経痛、リウマチ(頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症等)、これは、はり、きゅうの対象疾患でございます。
実際に今も使っている同意書には、筋麻痺、筋萎縮、関節拘縮等々はありますが、神経痛が入っていません。これは平成24年2月13日に出されております事務連絡「はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いに関する疑義解釈資料」に書いてあるとおりでございます。具体的に言うと、別添の問1に神経痛と書いてありますので、それを掲載させていただければと考えております。
続きまして、料金については、自費の分だけを書かせてもらえればと。これは、私たちのはり、きゅう、マッサージ業界というのは、明らかに療養費より自費の取り扱いのほうが多いです。一般的な消費者目線で考えても、一番多いメインである自費の料金がないということは、その治療院がどういうことを幾らでやっているのかがわかりにくいので、消費者のためにも表示させてもらえればと思っております。ただし、あくまでも標準的な料金と考えております。
続きまして、ウェブサイトでの情報提供でございます。これは現状では、あはき法を改正するまでは自主的な取り組みになってしまいますが、内容が虚偽にわたる広告、他の治療院と比較して優良である広告、誇大な広告、これは虚偽広告、比較優良広告、誇大広告、それ以外は書いてあるとおりでございますが、患者様を迷わせる広告や誤認を与えるような広告は控えるべきだと考えております。それをあはきの法改正をするまでは自主的に取り組ませてもらえればと思っております。
最後に、引き続き検討していただきたい事項としまして、ガイドラインをつくっても、これを取り締まる方法を検討しなければつくっただけになってしまいますので、ガイドライン施行後は可能な限り速やかに、かつ、地域によって偏りが出ないような取り締まり方法を検討していただければと考えております。
また、あはきに適した専門表示、これは今回ここで合意は得られないと思いますが、引き続き専門表示について検討していきたいと考えています。
最後に、広告事項の内容によっては、今現在ポジティブリストになっておりますが、ネガティブリストのほうが適しているのではないかと考えるものが幾つかありますので、今後はその辺についても検討していただければと考えております。
以上でございます。
○福島座長 ありがとうございました。
ちょっと誤解があるといけないので、広告可能事項のネガティブリスト化というのは、何を意味するのでしょうか。
○石川構成員 ネガティブリスト化を簡単に説明いたしますと、今現在は広告していい事項の羅列になっております。最初のページの左側、現行の広告事項で言うと業務の種類、これははり、きゅう、あん摩、マッサージ、指圧と書いてありますが、ここに書いてある事項だけの形になります。これについてはポジティブリストでいいのですが、例えば、すぐに出てきませんが、検討していくに当たってこれは書いてよいということではなくて、これは書いてはいけないというものをリストにして、それ以外のものはここに書いてあるように、患者様に誤認を与えないあるいは公序良俗に反しないものに関しては許可していただければと考えております。
以上です。
○福島座長 医療広告ガイドラインの中には、こういうものはだめというのがありますけれども、そういう意味でとらえていいですか。
○石川構成員 そうでございます。
○福島座長 要するに、こういう広告は好ましくない、よくないという事例みたいなものですよね。「日本一の何とか」というような、それをネガティブリストという意味でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、あはき団体から御意見をいただきましたので、ぜひ議論したいと思います。何かございますか。
三宅構成員どうぞ。
○三宅構成員 まずは御説明いただきまして、まことにありがとうございました。意見等につきましては後ほど申し上げることといたしまして、まず質問だけさせていただきたいと存じます。
要望事項の中に「療養費の対象疾患」ということで1枚目にございまして、2枚目になりますと「療養費の対象疾患など」という表記に変わっているのですけれども、この「など」というのはどういったものを示されているのか、あるいはどういう意図があるのかということで教えていただきたいと思います。
○石川構成員 今の「など」について説明させていただきます。ここに書いてあるとおり、「筋麻痺、筋萎縮、神経痛、関節拘縮等」と書いてあるこの「等」という意味でございまして、「要望事項」の「など」をとっていただいても構いません。この「など」というのが実際に疑義解釈資料についておりますので書いたということでございます。
○福島座長 よろしいでしょうか。
では、引き続き三宅構成員どうぞ。
○三宅構成員 つまり、平たく言いますと、療養費の対象疾患に限定するということでよろしいでしょうか。
○石川構成員 そういうことでございます。
○三宅構成員 ありがとうございます。
続いて、厚生労働省に御確認させていただきたいのですけれども、私ども保険者も告示や通知等に沿って審査を進めているところでございますけれども、先ほど御説明がございました対象疾患の筋萎縮と神経痛でございますが、通知にはないという認識がございます。疑義解釈にあるのではないかというお話もございましたけれども、この2つについては療養費の対象疾患として正式に厚労省として認めているものなのでしょうか。こういった重要な対象疾患の解釈や追加等につきましては、検討専門委員会という非常に重要な療養費の国の検討会がございますので、そこでいろいろ審議の結果決まっていくものでございます。その場で、専門の医師、整形外科の学会の専門の先生方でございますとか、医師の代表の方々からも十分に意見をいただきながら決めていくものだと認識しているのですが、そこで間違いなくこれは療養費の対象ということで正式に認められているものでしょうか。確認だけお願いいたします。
○松田医事専門官 事務局から御説明させていただきます。
療養費の対象疾患については、所管している保健局医療課において、通知等が出ております。私の承知している限りでは、療養費の支給の留意事項通知の中で、例えばあん摩マッサージですと「筋麻痺、関節拘縮等」であって、医療上マッサージを必要とする症例ということが現行の規定になっており、先ほど石川構成員からご説明があった「神経痛」は、医師の同意により必要が認められ保険者がやむを得ないと認めるときは、対象となる認識でございます。あと、はり、きゅうについても今の6疾病、又は6疾病以外の類症疾患であり、かつ医師の適当な治療手段がないものであると、留意事項の中で記載されていると認識しております。
○三宅構成員 ということは、留意事項通知では、この2点については記載がないということは事実としてあるということで間違いないでしょうか。
○松田医事専門官 留意事項通知には「筋萎縮」、「神経痛」の2つは、記載されていないと思います。
○三宅構成員 質問は以上でございます。ありがとうございました。
○福島座長 よろしいでしょうか。
では、釜萢構成員から、お願いいたします。
○釜萢構成員 広告をどういうふうに出すかという検討ですけれども、きょうの資料1ページで、現行の広告可能事項は左側です。今度それを拡大する要望の表示例としては「筋麻痺など」とあって、2ページを見ると、具体的な疾患名が羅列されるわけですが、これまでは疾患名は一切広告の対象にしないということで来たわけです。理由は、診断をするという過程があって、これは療養費の場合ですけれども、医師の診断と同意をもって施術をお願いするという建付けになっているわけで、疾患名を挙げて、その疾患に該当するから施術を受ける人が施術所を訪れるということは想定されていません。これは非常に重要な問題でありまして、これまで疾患名は記載されていなかったわけですが、今回疾患名を記載することは非常に大きな変更になるので、私どもとしては疾患名を書くことはふさわしくないと考えています。疾患によって療養費の対象になるというものは、医師が診断して同意して患者さんに同意書をお渡しするわけですから、療養費との関連で広告に疾患名を書く必要はないと思います。
一方で、自費の場合にどうかということになるわけですが、自費については適応に医師の診断を伴わないわけで、利用される方がこういう状態だと施術所を訪れて利用したいということであって、病名を想定して利用されるわけではないので、やはり広告に疾患名を記載する必要はありません。
以上です。
○福島座長 疾患名を記載することについて、まず議論したいと思いますが、いかがでしょうか。
木川構成員どうぞ。
○木川構成員 私は、自費の料金を書くということは賛成なのですけれども、それとあわせて療養費の対象になっている疾患名を書いてしまうと、見た方が書かれている疾患に対する治療をこの料金でできると誤解してしまう可能性があるのではないかと思いますので、そこは二択というか、自費の料金を記載なさるのであれば疾患名は書かないということにしないと、混乱が生じるのではないかと思います。
○福島座長 では、石川構成員どうぞ。
○石川構成員 今の釜萢構成員、木川構成員からお話をいただいたことは、確かにもっともだと私も思っております。私たちには診断権はございませんし、私たちが筋麻痺、筋萎縮等と判断することはございません。そのような理由から、必ず医師の同意・診断が必要な旨を表示することを大前提にしようと思っております。
また、木川構成員がおっしゃった、対象疾患名と自費の料金が混同するということですが、これは明確に分けて表示する、違うものとして表示する。自費はこれ、療養費の対象はこれということで、混同しないようにわかりやすく分けて明確に表示させてもらえればと思って提案させていただきました。
○福島座長 三橋構成員どうぞ。
○三橋構成員 前々回の検討会のときに石川構成員からお話があって、例えば、自費の場合は適用がふえるというお話があって一例を挙げたことがあったと思いますが、その中に例えば心疾患なども入っていて、いわゆる内科的な疾患も自費であればそこに適用として書くのは構わないのではないかというお話があったと記憶しているのですが、そうなると釜萢構成員がおっしゃっているとおり、これはいわゆる医師の範疇に入っていくのかなと。例えば、自費だから診断もしないで心疾患の適用という形は、患者の安心・安全からいくとちょっと不適当かなという思いがあります。
○福島座長 いかがでしょうか。木川構成員どうぞ。
○木川構成員 前提として伺いたいのですけれども、医師の同意を得た上で療養費が支給されているケースというのは、どのくらいの割合があるのでしょうか。というのは、それが極めて微々たるものであるとすれば、ほとんどがさっきおっしゃったような自費なのだとすれば、そこに極めて例外的な疾患名を書いてしまうというのは、やはりミスリーディングになり得るのではないかと思いますが。
○福島座長 いかがでしょうか。では、石川構成員どうぞ。
○石川構成員 はり、きゅう、マッサージ全部でとった統計ではございませんが、千葉県鍼灸マッサージ師会でとった統計ですと、治療院のうち約3割が大体療養費を使っていて、7割が療養費以外と考えていただければと思っております。
○福島座長 三宅構成員どうぞ。
○三宅構成員 ただいまの木川構成員の御質問は、そういう御質問ではなかったのではないかと思います。恐らく木川構成員の今の御質問は、療養費の対象になるものの中で同意書があるものがどのくらいの割合あるのかという御質問だったかと私は聞こえたのですけれども、それは医師の同意書がなければ対象にはなりませんので、言ってしまえば100%です。
○木川構成員 私が伺いたかったのは、売り上げの中に療養費として支払われるものは何パーセントぐらいあるのでしょうかという趣旨です。
○福島座長 前は20%ぐらいと聞いたこともあったのですけれども。
坂本構成員どうぞ。
○坂本構成員 先ほど三橋構成員が言われた話で確認したいのですが、今回拡大したい広告の中に、自費に関するところで対象疾患を挙げるということは言っていないのですよね。あくまでも療養費の対象疾患はこういうものですよと表示したいということかなと思うのですけれども、それでよろしいですか。
○石川構成員 そのとおりでございます。
○坂本構成員 その上で、療養費の対象疾患はこういうものだよと表示するのは利用者にとって当然の情報かなと私は思っていまして、診断は後でつくわけですので、診断がつかなかったら療養費にはなりませんよということですから、これを表示することに何ら問題はないのかなと私個人的には思っています。
あと、実は、医師のほうも鍼灸あるいはあん摩・マッサージ指圧師さんは何をするのか知らないケースが多いのです。こういうものが対象になっていて、こういうものが療養費で扱われているのですよということを知っている医師のほうが実は少ない。ですから、むしろこういうものが出ていて、そういうことをやっているのかと医師も理解することが重要なことなのかなとも思います。
以上です。
○福島座長 釜萢構成員。
○釜萢構成員 今、坂本構成員が言われたような、医師がわからないで同意書を書くということはあってはならないことで、同意書を書くからには仕組みについて、特に療養費が支払われるというのは大変重要なことですから、そのことが理解されないで同意書を書くようなことがあってはならないと思います。
広告に病名を記載することは、施術所の利用者が自分は筋麻痺だろうとか筋萎縮だろうと判断して施術所を訪れる想定ですから、特に療養費の枠組みからすると全く違うわけです。あくまでもまず診断という行為があって、それに基づいて同意書が書かれて施術につながるというのが療養費の建付けです。患者さんが自分でこれは療養費の対象となるから施術所を訪れるなどということはありえません。
自費で施術所を訪れる場合に、どういう情報があればよいかということについては、広告の検討の中で改めて考えるべき内容になるのだろうと思います。それは診断とは違う形で、利用される方が自費で施術を受ける場合の参考になるような情報が提供できればいいと思います。しかし、これはなかなか書きようがないですね。
○福島座長 前田構成員どうぞ。
○前田構成員 まず、療養費自体から出てきた場合には、いろいろな方がおっしゃられたように、まず医師の診断ありきで疾病まで出てくるということになりますと、自らの判断に基づかないものを広告できるというのは、考え方として無理があるのかなと思います。ですから、このまま診断名が列挙されていくことは難しいものと考えます。
ただし、これは広告の規制だということから考えると、もう一点あるのは、患者さんの利便性を考えた場合は、確かに疾患名があることが必ずしもマイナスでない場合があると思える点です。ただし、この場合は、今ちょうど手元の資料に※で「医師の同意(診断)が必要な旨を明示する」ということが出てくるのですが、※という形ではなくて、これが主たるタイトルとしてあって、その下にこのようなものが範囲に入るというのであれば、広告として患者さんの利便性ということで、ある程度理解ができるのではないかと思います。このどちらかを考えるほうがいいのではと思っております。
○福島座長 場違いな質問で済みません。例えば、患者さんが、最初に医者には行かずにあはきのほうに行って、それからお医者さんに行きなさいと言って同意書をもらってきた場合に、一番最初のところは療養費を申請できるのですか。医者の同意がなくて初見しているわけですよね。
○三宅構成員 できません。
○福島座長 そうすると、お医者さんの同意があって初めて療養費の対象になるという理解でいいのですね。
○三宅構成員 先生がおっしゃるとおりでございまして、あくまでも療養の給付、まさに保険医の先生にしっかりと診ていただき、あるいは治療していただき、これ以上療養の給付での治療は続けられない、効果がないという場合に施術でという流れが一つの基本の形になっているところでございます。
○石川構成員 今の解釈で若干違うかなと思うところがありますので、補足で説明させていただきます。
はり、きゅうに関しては、確かに医師の治療手段がないものという書き方があります。ですから、これは併用できないとなっております。ただ、マッサージに関してはそういう判断ではなく、必要であれば同意が使えるものと私は理解しておりますが、これは厚生労働省さんからお話を伺えればと思いますので、お願いします。
○松田医事専門官 難しいですね。療養費を所管しているのは医事課ではなく、保険局医療課でございます。ただ、私の認識ですと、あん摩、マッサージについては医療上マッサージを必要とする症例、鍼灸の場合は先ほど石川構成員がおっしゃられたように、医師による適当な治療手段のないものとして医師の同意があったものに対しては、療養費の支給対象になってくるものと考えております。
ここは、あくまで広告に関して検討する場でございますので、療養費の支給対象の詳細については、この場では控えさせていただければと考えております。
○三宅構成員 この場で議論する問題ではないということで了解いたしました。異論はありますけれども、ここで終了させていただきます。
○福島座長 済みません、座長が口を出すのはあれですけれども、例えば、医師が同意してここに行ってくださいねという形で、私に言わせると医療連携しているわけです。だから、医師の診断がないと、今言った疾患名の方々は療養費の対象にはならないということは、患者さんにとっては大事な情報なのかなと思ったのですけれども、これは個人的な意見です、済みません。そういう意味では、広告の内容に含まれていくのかなと考えたものですから、その辺は皆様どうお考えでしょうか。
三橋構成員どうぞ。
○三橋構成員 今までお話を聞いているのですが、今それは医療課の範囲だという話がありましたけれども、そうではなくて、いわゆる広告ができる範囲が我々の施術の範囲ですから、あはきも柔整も同じなわけですから、そこはしっかり明記しないと、いわゆる業務ができるものと広告ができるものは同じなわけですから、そこを逸脱することはできないのかなと。ですから、今の医師の同意に関して業務範囲が何なのかをはっきりしていただかないと、広告でどう明記するのかにつながっていかないのではないかと思いますが、医事課はどうですか。
○松田医事専門官 各職の業務範囲について行政から明確な通知は出されておりません。まず、医師の医業とは、どういったものかというのは出ていないですし、医業を取り巻く柔整・あはきの業の範囲についても同じく抽象的なものになっています。なぜ、業務範囲が明確になっていないかというと、医療の進歩は日進月歩で変化するため、定義的規定を置くことが困難であり、法律で規制することは、妥当ではないからでありまして、一つ一つの事例を総合的に判断し行政解釈があるということを今までの流れの中でお答えさせていただいているところです。柔整、また、あはきの業務がどういった範囲なのかについては、いろいろな法律の専門家等と検討いただかなければ、我々としてもなかなか示すことができないといったところかと思っております。
○福島座長 磯部構成員どうぞ。
○磯部構成員 私は、前田構成員がおっしゃったアイデアはなるほどなと思ったのですけれども、基本的には、患者さんがそこに行ったらどのような施術を受けられるのかという、施術所でやられていることがわかるように、アクセスできるように広告はされるべきだと考えるので、医師の診断を前提にこれこれと診断された場合には、それに対する施術ができるということを広告することは問題ないのではないかと考えておりました。
以上です。
○福島座長 釜萢構成員。
○釜萢構成員 医療のほうの広告でも診療科目は決められたものを書きますけれども、この病気がうちの受け持ち範囲ですという疾患名は書かないです。ですから、疾患名をずらっと書くことは非常に違和感があるということが基本にあります。
そして、医師の同意が必要な疾患がこれこれですということを、利用される方が知ることのメリットがどれだけあるのかなというところで、利用される方が御自身で診断するわけではないので、診断は医師がきちんと責任を持って行った上で、いろいろな療養費に関する枠組みが決まってくるわけですから、疾患名を書かないと利用者が不便だということは了解できないなと感じます。むしろ、どのような施術が行われるのかということがわかるようにするというのは、なかなか難しいと思いますけれども、今、広告手段はウェブを含めていろいろありますから、実際に施術として行われるのはこういう内容だということは表示できる可能性があるのかなと感じております。
病名を書くことの違和感が大変強くあるものですから、発言をいたしました。
○福島座長 南構成員、どうぞ。
○南構成員 私も、前田構成員の意見がいいのではないかと思っています。釜萢構成員からは、どうメリットがあるのかというお話でしたけれども、法律の立て付けや療養費の仕組みの立て付けは重々理解した上でお話しさせてもらいますが、我々が実際、日常業務をしていく上で患者さんから、「保険は使えるのでしょうか」という問い合わせも結構多いわけです。患者さんなので「保険は使えるのですか」みたいな言い方はされますけれども。我々は、その都度詳しく説明させていただくのですが、前田構成員がおっしゃられるように、医師の診断があって初めて療養費の適用疾患かどうかがわかって、はり、きゅうあるいはマッサージの施術を受けに来られると。最初に我々の施術所に来られて、これはちゃんと診断を受けないとだめですよということで、お医者さんのところに行っていただくというルートもあるわけです。
そういうことを考えると、患者さんが自分の置かれている症状であったり、疾患であったりに対して何か対処したいというときに、はり、きゅう、マッサージが療養費あるいは保険が使えるのか、使えないのかというのは非常に大きな欲しい情報であると思います。そのときにそれを正しく伝えるという意味においても、前田構成員がおっしゃられたような、まず医師の診断が必要なんですよと、その中でこういう疾患あるいは症状という形で診断をされて、なおかつその先生が同意された場合には療養費として申請することが可能なんですよという順番での書き方であれば、誤認を与えることもないのではないかと思います。
以上です。
○福島座長 釜萢構成員。
○釜萢構成員 2ページに例示されている筋麻痺、筋萎縮、神経痛、関節拘縮はこういう状態なのだというのが、一般の方がこれを見ることで御自身の今の不都合とつながるかどうかという判断はなかなか難しいのではないでしょうか。腰痛症とか五十肩くらいはある程度わかるかもしれませんが、頸椎捻挫後遺症などというのは、一般の方がこれを見て御自身の不都合とつながるのかと感じますが、いかがでしょうか。
○南構成員 一般の患者さんがこの疾患名を見て、自分の今置かれている症状がこういう疾患名だと判断がつくかどうかというのは、釜萢構成員がおっしゃられるようになかなかつかないと思うのですが、もしかすると、その可能性があるのではないかと患者さんが感じられることもあり得るわけです。例えば、肩が痛いとなられたときに、自分の今の肩の痛みはいわゆる五十肩なのか、そうではないものに起因する痛みなのかについては医師の診察を受けないとわからないわけですが、可能性については患者さんは想起されるわけです。そういう場合を考えれば、正しく、誤認を与えない記載の仕方で一定程度記載していくことは、患者さんに対してある程度の情報を渡すという意味では必要なことなのではないかと考えます。
○福島座長 前田構成員どうぞ。
○前田構成員 もうちょっと整理して話せばよかったのですけれども、私の申し上げたかった点は、今、釜萢構成員が、いろいろ言われていたことに実はつながっている点がありまして、本来医師の診断ありきで始まっている部分がある以上、主たる広告であってはならないと思っています。したがって、国家資格保有者であるとか料金といったものがあって、最後に療養費の使用においては医師の同意・診断があった場合、このようなことが言えるというのがイメージの中としてはあるわけです。それが先にひとり歩きしているのが今の広告です。
つまり今、腰痛だ、肩凝りだといろいろな看板が立っている、例えばこれをOKとそのまま言ってしまった場合に、街中の看板にちょこっと医師の診断が要ると書いてあるけれども、大きな字で筋麻痺とか筋萎縮等が並んでいるという広告をイメージしているわけではありません。あくまで、施術所の広告という話の中ですから、その中で、あはきならあはきの先生方がやられている主たる部分が来た最後に、もし療養費を使う場合は患者さんの利便性というところで、2点考えられます。一つは、医師のほうから診断を受けて、その後施術所にいらっしゃる方のための利便性。もう一つは、これはきちんとされている方は、あはきの先生でも柔整の先生でもされていると思うのですけれども、自分のほうで施術をやったときに、これはまずドクターに診てもらうべきものであろうということで医療機関に紹介されている方もたくさんいらっしゃると思います。そのときに起こるような問題であって、初めから来る患者さんが見る目的としての広告を主たる広告として考えているわけではありませんで、あくまで療養費があって、それがもしわかりにくいのであれば、こういう疾患があります、ただし、それは医師の同意があっての前提だということがある、サブとしての広告だと私は思っていますので、今のように過大な広告の中にこれが入っていくことを望んでいるわけではございません。
以上です。
○福島座長 小川先生どうぞ。
○日本盲人会連合小川副会長(竹下構成員代理) 私も、前田構成員と大筋考えは、一緒です。診療機関と間違われるようなことは、私たちとしては当然、避けなければならないことですけれども、受領委任の対象に今、筋麻痺等あるいは神経痛等が入ったということは、医師の同意があれば、患者にとっても非常に有意義な体を整えるのにいいということを教えてあげなければいけないだろうと思います。一般の人は、疾患のこともわからないし、療養費のこともわかっていないので、当然医師の同意があるということを前提で今の6疾患を書いてあげたほうが、患者としては適切な医療が受けられるのではないかと思います。
○福島座長 いかがでしょうか。木川構成員どうぞ。
○木川構成員 私が申し上げたかったことをまさに前田構成員に御説明いただいたのですけれども、私も全くそのとおりに考えておりまして、それにつけ加えてもう一つ申し上げますと、どちらがメインでどちらがサブで、どの訴求がメインになってどの訴求がサブになるのかと。療養費はメインであってはならないということを書いたとしても、実際の広告を見たときに、これはメインで書いているつもりはありませんと言われたときに、どうやってそれを直させるのか。どう書いたらどれがメインで、どれがサブになるのかというのを書き切るのがなかなか難しいのではないかと思うんです。そうすると、結局のところ、医師の同意が必要なものというのは、例えば小さく書かれてしまって、自由診療における料金と療養費の対象疾患が大きく書かれると、それをパッと見た消費者は、両方を合わせて読んでしまうということが起こるのではないかと思います。それが私の懸念点です。
○福島座長 この問題は、実は自費の問題ともかかわっているので、自費の問題も議論したいと思います。それこそ医療広告ガイドラインの場合には、自費の場合には4つの条件を満たした場合、ウェブサイトで示していいという書き方になっていますので、あはきの石川構成員から御説明いただいた内容は、医療広告ガイドラインの方向性とは違いますので、その面も含めて。自費を広告に載せるということは結局、広告の中に値段まで入ってくるという形になってきますので、その辺も一緒に議論していただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。
加護構成員どうぞ。
○加護構成員 奈良県橿原市の加護でございます。
今の座長のお話で、自費をどこまで載せていくのか話し合う部分なのですけれども、そもそも自費を表示することによって自費でない部分の誘引を誘発されるおそれを抱いております。ですので、一番前に、例えば、今お話があった、ウェブサイトであったらトップページではなくて、中のほうでそういう記載ができますよというつくり方だと思うんです。ですので、例えば、施術所の表にそれをボンと出す、例として挙げていただいている標準的な料金という意味で、はり30分3,000円ですよという書き方です。今、自費の話をしているのですけれども、無資格者がこういう書き方をしていますよね、60分3,980円。我々は有資格の方々と一緒にやっておりますので、有資格の方が無資格者のほうへ寄っていくのは、私はちょっとどうかなと。ですので、スパッと切るような言い方になってしまうのですが、自費についても前回も言いましたけれども、中へ「こんにちは」と入っていただいて、その中でこういう症状ですという相談をまずはいつもしていただいているはずです。その中できちんと説明していただいているのが大部分だと思うのですけれども、中に入って自費の部分やいろいろな説明書きを書いてもらうのは必要だと思うんです。しかしながら、表へそれを出してしまうと、よからぬ人たちはそれを元に誘引の材料としてしまうおそれを抱いております。なので、私の意見としましては、自費の部分も広告としては表に出していただきたくない。それは、いろいろなことを相談してくださいねということでいいと思うんです。
いろいろ議論はあると思いますので、私からは以上です。
○福島座長 木川構成員。
○木川構成員 医療広告ガイドラインというか医療法のほうでは、承認された医薬品を承認された範囲内で用いる自費診療については広告していいということになっていて、それは先ほど座長がおっしゃった4要件がなくても、ウェブとかでなくても広告していいということになっています。ただし、その際は、標準的な料金を明示しなさいということになっています。だから、きちんと料金を書くことは、国民がそこでどういうことをしたら幾ら払わなければいけないのかということが理解できるように、積極的に情報発信しなさいということになっていますので、必ずしも、あはきや柔整で自費の料金を書くことが医療法と矛盾することにはならないと思います。
それから、無資格の話が出ましたけれども、むしろ私は、無資格者が、1時間幾らとか料金を明確に書くことによって明朗会計だということでお客さんを集めているのであれば、有資格者がそれを書かないで、どんどん資格がない方たちのほうに患者が流れていくほうが、国民にとっての弊害が大きいと思います。
○福島座長 加護構成員どうぞ。
○加護構成員 今、木川構成員がおっしゃった部分については、特殊なケースだと思うのです。お医者さんのほうで、風邪は1万円ですよと書いてあるところはないと思うのです。本当に通常、一般常識において、わからないものをうちはやっていますよという場合には、表示していいという想定だと思うのです。例なのでこれがどうという意味ではないのですが、例えば、はり30分3,000円、これは通常の話ですよね。風邪の注射が3,980円ですよと書いているお医者さんもなければ、そういうことを書いていいよという判断もしておられないと思うんです。ですので、特殊なケースについてはあり得るかとは思います。ただ、通常世間一般にそういうことを記述しておられるかというと、ちょっとしんどいかなと。
それから、今の無資格者の部分ですけれども、根本解決にならないと思うんです。有資格者が同じように書いたら、今、私たちは国家資格保有者であるという表示はしていきましょうねという流れで来ていると思います。それをすることによって差別化して、それならちゃんと資格を持っている人のところに行くでしょうという流れに持っていきたい。ただ、同じように書いてあったら、無資格者は無資格者で食いぶちがなくなるのでいろいろな誘引をすると思うんですよ。ですので、そもそも無資格者がそういう行為をしていいかどうかということを別のところで取り締まっていかないといけないと思うので、そこへすり寄っていくのは私はいかがなものかと思います。
以上です。
○福島座長 石川構成員どうぞ。
○石川構成員 私は木川構成員の先ほどの御意見に大賛成でございまして、加護構成員の今のお話を聞いて「うーん」と思うところがあります。私たちは別にすり寄ろうとしているわけではないのです。消費者に適切な情報を与えさせていただきたいというだけで、しかも現状、私たちはすり寄りたいと思っていなくても、私たちは今、医業類似行為という範疇で同一化されています。片や医業でさえ特定の条件下では自費分の料金を書ける。私たちは医業ではないと言われているのに書けない、これはどういう考えでそうなっているのかと。特定の条件下という言葉もなく全てが現状だめなんです。ですから、私たちは疾病あるいは疾患と料金を書くのではなくて、自分たちの手技、はり、きゅう、あん摩、マッサージ、指圧の対価としての料金を表示させていただきたいというお願いでございますので、ちょっと論点がずれてしまうのかなと思っております。
○福島座長 加護構成員どうぞ。
○加護構成員 そこは、私は前回、前々回から申し上げている部分なのですけれども、拡大していくのではなくて、我々有資格者はきちんとやっているのだから、現在のレールの上からそれておられる無資格者の方とくくりますけれども、そちらのほうを別に規制していくという形を私は望んでおりますので、済みません、すり寄っていくという表現がちょっとよくなかったかもわかりませんけれども、現行法で我々はきちんとどうやっていこうというのをガイドラインとして決めて、一方で、無資格者の方の規制をきちんとしていく。それが根本解決につながると私は思っております。
○福島座長 木川構成員どうぞ。
○木川構成員 1つ前の加護構成員の御意見の中で、一般常識でわからないものは表示していいというのが医療法の立て付けだというお話だったのですけれども、むしろ表示していいということではなくて、表示すべきだと。つまり、風邪になって保険適用でお医者さんにかかったら、大体どのくらいのお金がかかるかということは常識にわかるわけですよね、何度か子どもを連れていっていたら。子どもは医療費無料のところがありますけれども、自分でかかっていらっしゃったら、ふだん幾ら払っているかということはわかると。ところが、自費診療だとそれがわからないから、それを広告するのだったらちゃんと書きなさいというわけです。そうすると、あん摩、マッサージでもはり、きゅうでも、そういうサービスを提供している際に、施術を受ける方が一体幾ら払うのかわからないのでは困るから、きちんと明示しなさいというのは、むしろ医療法の立て付けにも沿っているのではないかと私は思います。
○福島座長 小川さん、どうぞ。
○日本盲人会連合小川副会長(竹下構成員代理) ただ料金を書くというわけではなくて、今、石川構成員が言われたように、はりが幾らか、きゅうが幾らか、あん摩、マッサージ、指圧が幾らかということを書くのであって、決してそのことによって無資格者と混同されることはないと思いますし、ちゃんとあん摩、はり、きゅうが書いてあることが無資格者との差別化を行う一つの方法でもないかと思うのですが。
○福島座長 三橋構成員どうぞ。
○三橋構成員 無資格に対してずっと意見を言っているのですが、加護構成員がおっしゃったとおり、無資格に対して規制をかけることはできないと前からずっと国は言っているわけですから、それに対して無資格が上げているから我々の自費の部分は書いてもいいだろうというのは、根本的に無資格の対応ができる、あるいは無資格の料金の表記ができないような形にするということであれば、我々有資格者に対して自費の部分は最低限ここまでというのもあるかもしれませんけれども、我々はさっき加護構成員がおっしゃったとおり、広げるのではなくて悪いものをもっと規制して狭めていこうと。その上で、無資格のほうにも何かの規制がかけられるだろうというのを一番最初に目指したような気がするんです。だから、いわゆる有資格の我々のところも広げよう、広げようとやっていったら、恐らく無資格のほうも何も制限ができなくなってしまうような気もするので、何らかの形でいわゆる有資格者の襟をきちんと正すことによって無資格の制限ができる。本当は無資格に業務をさせたくないわけですよ。だからせめて、ここは広告の検討会ですから、広告ぐらいはきちんと無資格については規制はかけられないかもしれませんけれども、制限ができるのであればしていきたいというのが、最初の狙いだった気がするのですが。
○福島座長 石川構成員どうぞ。
○石川構成員 私たちの業務に関して、何でもかんでも規制すれば無資格と差別化できるという考え方は、私はちょっと違うのかなと思っておりまして、今回も全てにおいて制限すればいいという考え方も私は違うと思っております。逆に言うと、善悪の判断をきちんとして、消費者にとって必要であればそこは拡大してもいいし、逆に、規制するべき事項は規制するべきだと私は考えております。なので、冒頭に話をさせていただいたように、ウェブに関してあはき法で取り締まりの対象になっていなくても自主規制はするべきだと思っていますし、それとは逆に、消費者が適切にはり、きゅう、マッサージを受けるためには、料金の掲示は必要だと考えております。
○福島座長 釜萢構成員どうぞ。
○釜萢構成員 今、料金の問題をどうするかということも大事なのですけれども、先ほど座長が言われた、あはきの7~8割を占める自費分については、どのような情報を利用者にお伝えして、施術所に来てもらうのかについて少し教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○福島座長 石川構成員どうぞ。
○石川構成員 適切な答えになるかどうかわかりませんが、本来であれば私たちは書きたいものがたくさんありました。ただ、それを全て書いていいかどうかというと、とても悩ましいところです。先ほど私が善悪の判断と言いましたが、善悪だけではなくて、例えば私たちは医業類似行為と現状言われていますが、医業のガイドラインも見た上で何が適切なのか、適切ではないのか判断させていただいた中で、自費の料金についてはそれが適切ではないかと思っております。それ以外も当初は、はり、きゅう、マッサージでこれは効果があるという症例に関してもいかがなものかと考えはしましたが、それは4団体で話すうちに、今すぐこれを出すのは適切ではないのではないかという考えでしたので、まず、消費者が判断する一番の理由、逆に言うと、電話で問い合わせが多いのが料金あるいは療養費の疾患の対象となったので、今回提案させていただきました。
○福島座長 木川構成員どうぞ。
○木川構成員 そもそもはり、きゅう、マッサージは自費が原則で保険が例外なのだとしたら、はり、きゅう、マッサージをやっていますということを広告で説明することを許容すること自体が、自費診療の広告を許容しているということだと思うのです。そうすると、むしろそれについて料金を明示しなさいということが医療法と整合するのであって、自費診療をやっていること自体は広告していいけれども、料金は書いてはだめというのは、むしろ医療法と矛盾する考え方なのではないかと思います。
○福島座長 加護構成員どうぞ。
○加護構成員 済みません、今の木川構成員の流れからは外れるのですけれども、以前、経産省の方に来ていただいて、景品表示法(景表法)のお話をしていただきました。そのときに私は、ここでの会議の効力は景表法があったにせよ、それは影響していいのですねという、ちょっと言葉尻は違いますけれども、質問をさせていただきました。そもそもあれは営業内容を書いてあるのだと。それに対して規制するかしないか、適用しているかどうかだけですと。今私どもが話をしているのは、体を触って、例えば、何かの悪い部分を快方に持っていく。そのためにこういうことをやっていますという中で、現行法では料金を書くということは記載されていない。そこをつなげていくと、私の意見は、金額を書くことによって景表法の無資格者の、先ほど言った60分3,980円を正当化してしまわないか。ここで、いやいや、やはり現行法では各項目に入っていないのだから、そういう行為をする場所では書かないでおきましょうよというのをはっきり出して、無資格者の広告の部分にも影響が出るようにしたいなと考えているのです。ですので、済みません、今の話の流れからはちょっとずれますけれども、私自身はそういう意味で金額の表示は適さないのではないかと考えております。
○福島座長 木川構成員どうぞ。
○木川構成員 私は景表法の案件もかなりの数取り扱っていますけれども、今の御懸念の点でいえば、それは無資格者が料金を書いて、その料金が事実に反しないのであれば、それは景表法違反にはならないですね、不当表示にはならない。だから、有資格者に料金を認めることによって無資格者の不当表示該当性が低くなって、それに対する景表法の進行が鈍ってしまうのではないかというのは、御心配には及ばないと申し上げておきます。
○福島座長 三宅構成員どうぞ。
○三宅構成員 自費の施術とはどういうものなのか、例えば、保険外のマッサージとはどういうものなのかということでございますけれども、私どもいろいろ看板調査などを保険者としてやってきておりますけれども、ちまたの看板広告などを見ますと、例えば、リラクゼーションマッサージをやっていますとか、あはきさんも含めてですが、カイロとかマッサージとかフェイシャルマッサージとか骨盤矯正とか、いろいろなことを広告されて看板で患者さんにアピールされている実態がございます。例えば、それぞれがどんな症状を対象に、どういう疾患を対象に、どういう施術をしてどういうことをするのかということ自体が国民の皆様はわからない。いろいろな名称のマッサージ等々があって、我々も正確にはわからない状況でございまして、私はこの場で何度も、国民向けにそれぞれの施術ごとの内容等については、国が中心となって、まずガイドライン等にまとめて国民に対してしっかり周知していく。これはこういうものです、こういうものを対象にしているものです、こういうことをやるんです、安全基準はこういうものですということをしっかり国民に明示して、それを浸透させていかないといけないと主張してまいりました。それを限られたスペースの看板でやるのは無理があると考えております。国民にとってわからない状況の中、そういったことが整理されていない状況で、その上にそれに対する料金を書くことについては、国民の皆さんに混乱あるいは混同、疑問を覚えさせるという懸念がありますので、私どもとしては、そこを整理しなければ料金を書くということは適さないのではないかと考えております。
料金を書くには、加護構成員がおっしゃられたように、ウェブサイトで適切に書いていただくとか、院内掲示、パンフレット等で書いていただくということはもちろん考えられると思うのですが、現状において自由施術の料金を看板等に書く、例えば針1本幾らというのであれば何となくわかりやすいかもしれないとは思うのですけれども、例えば、カイロでこんなことをやって幾らと書かれても国民の皆さんはわかりませんので、看板に表示することは基本的には適切でないと考えております。基本的に、加護構成員の御意見に賛成しております。
以上でございます。
○福島座長 石川構成員どうぞ。
○石川構成員 今の話の中で、例えば、アロマとかほかの名称のマッサージと言っておりますが、私たちはそのような手技ではございません。あくまで、はり、きゅう、あん摩、マッサージ、指圧でございます。ですから、はり、きゅう、あん摩、マッサージ、指圧の料金として表記させてもらえればと思っておりますので、ほかの表記をさせてもらいたいとは思っておりません。
また、それを書くことによって、今いろいろ議論されていましたけれども、ほかの無資格の業者と混同するのではないかとか、あと、疾病をちゃんと書いてわかりやすくしたほうがいいのではないかとありましたが、逆に言うと、私たちは今、医業ではないと言われている立場で、医業類似行為と言われている中で、どうすれば一番患者さんの利益に即するのかということを考えたいと思っております。であれば、その一点を突き詰めたら、疾病名あるいは疾患名等ではなくて、手技名プラス料金ではないかと考えておりますので、これは認めてもらえればと思います。
○福島座長 釜萢構成員どうぞ。
○釜萢構成員 今の御説明からすると、利用される方にどういう不都合があったらば施術を受けるというところは特に示さずに、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうという施術名を表示すれば、それをもとに利用者は施術所に来る、あるいは施術所を選ぶという御意見と考えてよろしいのでしょうか。
○福島座長 石川構成員どうぞ。
○石川構成員 今の御質問の内容と違う答えになってしまうかもしれませんが、私たちははり、きゅう、あん摩、マッサージの治療院として料金を掲示させてもらえればと思っております。
○釜萢構成員 私が伺いたいのは先ほどの療養費の関係で、これは医師の同意書があった場合にということで疾患名を羅列するというお話があって、一方で、自費に関しては疾患名を書くということはなかなかできないわけなので、利用者はどういう状態のときに施術所を訪れるのかということは、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうという施術を書けば、全てわかっているという御認識なのかどうかを伺いたいと思います。
○石川構成員 了解しました。実は、書きたいことは山のようにあります。ただ、全て書けるものではないと考えております。ですので、最低限必要な情報として、今言ったように手技名と料金とを考えております。
○福島座長 南構成員どうぞ。
○南構成員 今の釜萢構成員からの御質問の趣旨ですが、いわゆる適応症ですよね。はり、きゅう、マッサージにおける自費の部分での適応部分だと思いますけれども、いわゆる病名は医師の診断がついて初めてなので、書けるものではないということははっきりしています。ただ、患者さんが抱えている、困っている症状、痛みがあるとか、疲れがあるだとか、そういう症状の部分に関しては、できれば私たちは患者さんへの情報提供として、どこかでお伝えさせていただきたいと思っています。ただ、先ほどのネガティブリスト、ポジティブリストにかかわってくるのですが、基本的に広告のガイドラインはポジティブリストが原則なので、今までは適用範囲が余りにも広くて書き切れないわけですよ。なので、書き切れないのであれば逆に誤認を与える可能性があるということで、今のところはそれを私どもは主張していないと御理解いただければと思います。もちろん、病名は書けると全く思っていないです。それは医師の診断があっての話ですので。
○釜萢構成員 そういうお考えからすると、今回確かに受領委任が新たに可能になるということをきっかけに、療養費の適用についてしっかりお書きになるという御意見なのですけれども、実際にあはき部分での療養費の実績がそんなに主たるものでないという場合に、前田構成員から言われましたように、医師の同意書があった場合にということが主に書かれるとしても、疾患名がずらずらと並ぶことについては、先ほど来申し上げているように、非常に違和感があるなと思います。
それは、療養費を請求するという枠組みの中でそのことはいずれ出てくるのですけれども、疾患名を書いてよいということになると、むしろそれが前面に出てくるのではないかとも思いますので、そのあたりが南構成員が言われたように、いろいろお書きになりたいことはあるけれども、まだそこの整理ができていない中で、療養費に係る部分は確かに疾患名が特定されているから書けないことはないということかもしれないけれども、現状においては疾患名がひとり歩きして、それがボンと前面に出てくるということもあり得るので、我々は疾患名に関しては非常に懸念を抱いているところです。
○南構成員 御懸念は十分理解するのですけれども、いわゆる患者さん、一般消費者に対する情報提供という意味合いからいくと、適切に情報提供するということは非常に重要なことだと思うんです。今、釜萢構成員がおっしゃられた療養費の適用疾患の記載についてですけれども、これまで議論になってきましたが、前田構成員がおっしゃられた書き方の部分、サブ的な部分ということも私は同意します。そうであるならば、書き方そのものを規定してしまうとか、何かの形で例示をするということに縛りをかけることで、御懸念されているような、野放図に疾患名がメインに出てしまうのではないかというところを防げるような何か工夫を考えるというのも、一つの手ではないかと思います。
それと、もう一点、自費の料金部分ですけれども、前から何遍も申し上げているとおり、サービスの対価が幾らかかるかというのは、消費者にとって物すごく重要な情報でありまして、これは明示しないとかえって消費者に不利益を与える可能性も大きいと思っていますので、木川構成員がおっしゃられたように、書くべきと言ったら変ですけれども、自費の部分については施術内容、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうといった種類の部分と料金については書くほうがいいのではないかと印象を持っていますし、今回の広告のガイドラインでもそれは可としていただきたいと考えています。
○福島座長 済みません、あはきだけやっているわけではないので、時間のこともあるので、これは未解決問題として残しておいて、用意していただいていますから、今度は柔整のお考え、要望をお伺いしたいと思うのですが、三橋構成員よろしいでしょうか。お願いします。
○三橋構成員 日本柔道整復師会の三橋でございます。
前から言っているとおり、柔整とあはきを一緒に議論することはちょっとどうなのかなと思うのですが、先ほどからのいわゆる自費診療にしても我々は全く違うので何とも言えないのですが、我々柔整のほうから要望ということでお出ししているのは、共通しているのは国家資格保有者であるということで、これは前回お話ししたとおり、国家資格を有しているということで国から何らかのマーク、あるいはシールでも構わないのですが、施術所に張れるようなもの、これはいわゆる無資格者との差別化を図るためにも、ぜひ実行いただきたいというのが一番上でございます。
さっきからずっと議論に出ておりましたけれども、一番下にある国家資格を有しない、いわゆる無資格者が、正しく施術をしている我々柔道整復師を逼迫している今の一番の要因なものですから、とにかく無資格者を何とかしてほしい。法的に何とかできないのであれば広告をきちんと、例えば、リラクゼーションであればそれに統一して、これ以上のものはできないのだとしてほしいというのが我々の一番の要望です。これが通るのであれば、一線を引いてもらっても構わないという思いです。
それから、いわゆる施術の対象は疾患名ではなくて、国民が無資格者と接骨院との差別化がしっかりとされていない、わからないというのが現状なものですから、しっかりと施術の対象ということで、接骨院では骨折、脱臼、打撲、捻挫、ただし応急手当の場合はこの限りではないと書いても構わないのですが、療養費の支給申請の対象の範囲になっているものをしっかり明記させていただくことで国民がわかるのかなと。骨折、脱臼、打撲、捻挫をしたら接骨院に行けばいいのだという理解をいただけるのかなという表示例として、我々の要望はこれが一番大きいところです。
それから、規制するべき表示ということで、もちろん無資格がやっているような、あるいはずっと議論の中で私も発言をさせていただいていますが、我々の自費診療というのは、例えば巻き爪、小顔、カイロ、整体行為ではないのだと。今、ウェブサイトを見ますと、何をやっているかわからないような状況があるので、柔道整復師の施術所の中では、柔道整復師しかできないのだということをしっかりと、そのためにも巻き爪、小顔、カイロ、整体ではないということをしっかりと規制がかけられれば一番いいかなと。特にウェブサイト、検討専門委員会でいわゆる不適正な広告の是正ということで、一番大きな問題として私たちはウェブサイトを出させていただきましたが、特に療養費の部分ではなくて、いわゆる損害保険の交通事故の問題でウェブサイトが余りにもひど過ぎるということで、何とか規制がかけられればということで出させていただいています。
前からずっと国にこれに関して法改正ができるのかと聞くと、法改正はなかなか難しいという答えが返ってきていますので、例えば、医療機関のウェブサイトに準ずるという形でまとめていただいても結構なのかなと。また、その中でウェブサイトについてはネットパトロールで何らかの規制がかけられれば、あるいは制限がかけられれば、非常に有意義かなと思っているところです。
我々から望んでいることは、本当に無資格のところをとにかく何とかしていただきたいと。整骨院とか接骨院という議論も出ていますけれども、無資格を何とかしていただければ、我々は例えば接骨院で統一しても構わないという思いもあります。本当に逼迫しています。さっき料金表示とかいろいろありましたけれども、無資格は何をやっても構わないので、とんでもないことを書いてきます。例えば、「外傷」という言葉を使っている無資格の治療院もありますので、しっかり表記できること、無資格はこれだけだよということを言っていただければ、一番我々としては望むところだろうと思っております。本当に簡単なのですが、我々の要望はこれだけです。
○福島座長 ありがとうございました。
柔整からプレゼンしていただきましたけれども、いかがでしょうか。
釜萢構成員、お願いします。
○釜萢構成員 今、三橋構成員からお話がありましたけれども、私どもも厚生労働省に、例えば、ウェブの問題は解決できるのかということもいろいろ指摘しているのですけれども、医療のほうで行っているような法改正まではなかなか難しいとのことでした。私度尾は納得はしていませんけれども、せっかく検討したこれらの検討結果が今後に生かされるように、特に医事課長さんにはそのあたりをお願いしたいと思うのですが、何かコメントいただけますでしょうか。
○佐々木医事課長 御指名でございますので、医事課長でございます。
今回の広告の検討会でどこまでできるかというのはありますけれども、時間をかけて皆様にも出席いただいて、いろいろと熱心に御議論いただいていることでございますので、今回できることはここまでというようなところはあっても引き続きの課題ということで、御報告の形でまとめて状況を見ながら、追加の何らかの対応ができるかということも含めて記述することもできると思いますので、その辺は、また御議論を踏まえて事務局で案のようなものをまとめて、今回やることと継続でやることを整理するということを考えているところでございますので、また御相談できればと思っております。
○福島座長 三橋構成員どうぞ。
○三橋構成員 前にも申し上げましたけれども、我々に一番近いところの無資格に関しては、経産省がいわゆるヘルスケアビジネスということで推奨しているわけですよね。一方では、この検討会で何らかの規制をしようと、広告の部分でも規制をしようという議論に入っていますけれども、いわゆるほかの省庁の部分では無資格を推奨して、どんどんやってください、どんどん表記して構いませんよみたいなことをやっているのが非常に矛盾していると思うんです。規制をかけるのであれば、そこも一つ省庁の間で何らかのコンタクトをとっていただいて話し合いをしていただくのも一つかなと思うのですが。
○福島座長 それはお願いするしかないですね。
釜萢構成員どうぞ。
○釜萢構成員 今のことに関連して、消費者庁からも御説明をいただきましたけれども、私の認識では、景品表示法でやるのは個々の事例がどうかを一つ一つ見ていくだけで、1つ事例があったから、それがあまねく一般に広がっていくというわけにはとてもいかないと思うんです。ですから、今の形では、とても難しい。国民に対してしっかりした安心・安全のサービスが、提供されるというのとはほど遠い状況なので、そこは今後ぜひ何とかしなければならないなという強い危機感を持っておりますので、発言しておきます。
○福島座長 加護構成員どうぞ。
○加護構成員 先ほど来、広告として載せる、載せないということで、私の発言は、現行法にのっとって拡大解釈しないと言わせていただいております。それは誤解していただきたくないのは、ガイドラインを作成する上では周知をしたらいけないという話ではありませんで、広告としてはそぐわない。以前、前田構成員から地域包括ケアシステムということも、ちょっと言っていただきました。私も前田構成員の意見に賛成でして、私どものほうでしたら、地区地区でブランチがございます。そこは地元の自治会と連携して、いろいろなことをやっております。大体施術を受けられる方は、結構年齢が高いと思うのです。そういうところに来ていただく方々は、実際に年齢が高いです。地元行政と連携した上で、適正な施術の受け方や、疑問があれば話せるような説明会や実体験をさせるようなイベントがあってもいいと思うんです。逆に言ったら、もっと入り込んでくださいと私は言いたい。そういう方法もとれますよと。前に前田構成員がそんなことを言っていたなと思って。そういう方法もあるので、一概に書き切れないものを無理やりギュッと書こうというものでもなくて、できることを適切にしましょうよと考えております。それはまた皆さん方で、またここでも引き続きの懸案事項として議題に載せていただけたらありがたいと思っております。
以上です。
○福島座長 前田構成員どうぞ。
○前田構成員 まずは、柔整のほうに話が一旦移ったので、さっき三橋構成員が言われたことから話をしたいと思うのですけれども、無資格の人たちということになるのですが、現行法の中では無資格の人に対する規制がかかっている部分ではないものですから、先ほど加護構成員もおっしゃっているように、そこは釜萢構成員、その他の先生方が言われたように、多分、他の会議等をやらないと出てこないことなのだろうなと思っております。問題は、先ほど加護構成員が前の段階で言われたように、自費の料金を書くと無資格者と同じようになってしまうのではないかということは、結局、無資格者に何らかの規制をかけない限りは、さまざまな問題が最終的にはクリアーにならないだろうということは思っております。
ですから、先ほど柔整の問題としては唯一というくらい、三橋構成員が無資格者の問題についてはどうしましょうかという話が出たのは、実はこの根本に関する問題で、恐らく全部なかったことにしてここで現行法どおりに決めても、それは根本解決にはならないと思っています。
それが柔整で出てきた問題で、あと、ほかの先生方は前の問題に話を振られていたので、それについて、もう一つお話しさせていただきます。例えば、私が先ほどから申し上げていたように、疾病名については、もともと決まっていますよね。ここまではいいと、これは使えると。だから、一定の範囲があるものについては、私は広告する可能性は持つと思っています。
ただ、料金については、どの料金が、どこの施術所がどう出すのかが全く決まっていない状態で、言ってみればさまざまなバリエーションがあるわけです。そうすると、それについて広告に載せるとなると、まず規制がかけられない状態で広告する話になるのではないかと。つまり、3,000円のところと4,000円のところと5,000円のところがあってもいいわけですよね。そうすると、さっき加護構成員がおっしゃったような、無資格との差異がちょっと見えづらくなるところもあると思います。ただ、料金例として、それこそ私が先ほどから言っているイメージの下のほうにちょっと載せるとか、あとホームページ等、それから施術所に入った後にその手のものがあって説明されることは、全然問題ないと思っているのです。それと広告の看板あたりに上げてくるのとは多分少し話が違うのだろうと思って聞いておりました。そういうところが全体のところであります。
ですから、範囲が決まったものについては規制がかけられるということで、何らかの方法をとって、例えば、疾病名を出すにしても医師の同意が要るのだということを前提として出すなら可能ですけれども、自費の料金については、個々において違っているならば、広告という概念からすると個々のものになってしまうので、全体論として職種としてこうするのだ、施術としてこうするのだという話にはならないような気がして、これはホームページか中でやっていただくか、もしくは例示としてやるぐらいだと思っていました。
最後に一つだけ。マッサージの話も出て、そうだなと思って聞いていたのですが、ただ今も新規マッサージの国家試験に関わっているのですけれども、何分やったということが効能としての評価なのでしょうかとずっと思っています。たとえ30分であれ、きちんとされる方はされます。時間だけで判断されるような職種ではないなと思っておりましたので、これは料金として表示するというのは、出張であって、慰安的なマッサージで、よくホテルとかで書いてあるようなそういったもので理解するのですけれども、施術所の前に1時間幾らと書くのは少し難しいのかなと。それよりも、その職種としてもっと大切なものができているはずなのに、なぜ時間だけで料金が発生するのかというのは、もう少し考えられてもいいのかなと聞いておりました。
以上です。
○福島座長 石川構成員どうぞ。
○石川構成員 2点ありますが、まずは1点目の無資格の件です。三橋構成員が無資格の話をされていましたが、私たちもそれは全く同じで、皆様の中で無資格のいわゆる治療にかかったこのある方たくさんいると思うのですが、私もいろいろ調査のために受けております。ほぼ100%と言っていいくらいあはきの学校で習った手技です。何かというと、あん摩、マッサージ、指圧です。それをやっているんですね。ここは今後、どういう妥協点を探るのか、また、たとえ妥結点があったとしても、どこかで検討会を開いて解決いただかないと、問題が出てくるのではないかと考えております。
今度は、先ほど前田構成員もおっしゃっていた料金についてですが、まず、柔整さんのほうは自費と保険適用はどのくらいの割合であるものなのでしょうか。その質問から話を続けさせていただきたいと思っておりますので、先に教えていただければと思います。
○三橋構成員 前からずっと発言させていただいているのですが、自費と誤解してやっている施術者もいると思います。例えば、手技をやったから、これは自費なのだという誤解をして料金を取っている場合もあると思うんですね。前から発言させていただいているとおり、我々が施術所の中でできるのは柔整の施術の範囲しかできないわけです。それをずっと発言させていただいて、違うんだよということを言わせていただいているのですが、自費で我々の中で一番問題になっているのは、交通事故の自賠責は自費施術という形になっているわけです。今困っているのは、それがどんどん波及している傾向があります。恐らく、あはきの方々の自費に関しては多分どんどん料金が下がっていく傾向があると思います。施術所ごとにどんどん料金が下がってしまって、どこまで下がっていくのかみたいな。我々は逆に言うと、例えば、自賠責に関しては社会通念上妥当な金額しかないわけです。そうすると、例えば、内容によっては目安料金として3カ月たったら、4カ月たったら低減するとか、元の料金に戻るという形でやっているところもあれば、ずっと料金が変わらないということで余り変化がないような、逆に高くなるような料金設定をしている自費もあるわけです。
我々の自費というのは、割合というのはほとんどないです。例えば、危害を及ぼさない光線治療機器を使った場合、あるいは材料費とか、そういう部分でいわゆる自費ということで保険外ということでとっている部分はありますけれども、例えば、腰椎捻挫でここまでは保険だよ、ここから先は自費だよということはあり得ない話なので、その辺の把握は多分誤解をしてやっている施術者の方々はいらっしゃると思いますけれども、我々、特に日本柔道整復師会とかお医者さんの法人でそういう指導は全くしておりませんので、把握しておりません。
○石川構成員 では、続けて話をさせていただきますが、今、柔整さんのほうではほとんど療養費、保険治療だということでございます。先ほど言ったように私たちは多くが自費でございます。先ほど、明確に調査はしていないけれども千葉県では大体3割の治療院が保険を使っていると言いましたが、内訳で言うと、その3割の治療院も中には5万円くらいしか毎月療養費を使っていない治療院もある。だから売り上げで言うともっと少ない、20%くらいではないかと思っているのですが、そう考えると売り上げの8割近くが、自費という現状があります。ということは消費者目線で考えると、自費を表示するのは、妥当なのではないかと考えております。
ただ、先ほど時間で表示するのはおかしいという意見をいただきましたが、確かに、時間で区切るのは正直微妙なところです。どういう区切りにしたらいいのか悩みました。全く表示をしない、時間の表示をしない、手技と料金だけ、これも検討に入れました。ただ、そのやり方をしてしまうと、鍼100円という書き方もできてしまうと。変な誘引をしてしまう可能性があるのです。そこで、内部でどういう表示が、一番多いのか、アンケートをとりました。そうしたら、一番多い表示が、手技と時間と料金であったということで、ここで表示させていただいています。中には本数で幾ら、あるいは、時間と本数で幾らとあります。また、はり、きゅう、マッサージ、時間、料金と書いたときに反対する意見もたくさん出てくると思います。ただ、大多数がこうなのでということで、標準的な料金を表示するためにやむなくこういう書き方にしたということでございます。そこは御理解いただければと思っております。
○福島座長 前田構成員どうぞ。
○前田構成員 今聞いていて思ったのですが、できれば個々ではなくて、せめて県単位であるとか、全体である程度の標準料金があれば国民も納得できると思います。個々の方が自分の技術・施術の力において料金を設定されているのかなというところもあったんです。それであれば、時間というよりも施術なのかなと思っていたのですけれども、今、石川構成員がおっしゃられたような形で、消費者が、わかりやすく安心できるというのであれば、ある程度の団体なら団体の中で、千葉なら千葉は幾らでやるよという形で、例えば、標準料金として県の標準料金とは何か、だれがどこで出しているのかわからないのではなくて、何らかの団体であるとか社団であって、その後は中で、少し延ばすと、このくらいになりますという相談を患者さんとさせていただくという形で、個々に別々の表示をされるというのがなかなか理解しがたいところがあったものですから、お話しさせていただきました。
○福島座長 木川構成員どうぞ。
○木川構成員 県単位で決めるという御提案なのですけれども、それはちょっと独占禁止法(独禁法)の上のカルテルの問題があって難しいと思います。
○福島座長 いかがでしょうか。三宅構成員どうぞ。
○三宅構成員 先ほど、石川構成員から、あはきのほうは、自費がメインで、また三橋構成員からは、柔整の場合は、ほぼ療養費の対象ということでお話をいただいておりまして、まさに保険者としては、そこで苦しんでいるところがございます。特に、両方免許を持たれている方は、非常にたくさんいらっしゃいます。あはきの自費に関する広告を派手に打って、患者さんを多く誘引して、そこでわからないように柔整の保険としてつけかえて請求してくるという不正案件、この場でも幾つか事例を御紹介しましたけれども、この不正が多く大変苦しんでおりまして、恐らくその実態は施術者の先生方もよく御存知なのだろうと思います。皆保険を守る立場、あるいは患者さんを守る立場のあくまでも保険者の立場としては、そういった自費で誘引する部分の拡大については、強い抵抗があるということだけは申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
○福島座長 では、一言だけどうぞ。
○石川構成員 三宅構成員のおっしゃっていることもっともですし、そんなことはあってはならないことだと思っております。ですが、不正請求があるから規制しようという、その考え方はちょっとここにはそぐわないのかなと。あくまで広告として、消費者が必要なものであればそれは広告させていただければと考えております。不正は、また別問題で、そこは徹底的に厳しく指導すればいいのではないかと考えております。
○福島座長 三宅構成員どうぞ。
○三宅構成員 それをおっしゃるのであれば、まずは業界として不正をゼロにしていただきたい。保険者を安心させ、患者を安心させていただきたい、そこからの議論だと私どもは考えております。
以上でございます。
○福島座長 南構成員どうぞ。
○南構成員 石川構成員の今の御発言と同じような感じになると思いますけれども、三宅構成員は反論されましたが、確かに広告と不正をどうするかというものは分けて考えたいなと思います。保険者側から業界として不正をなくしてくださいよという要望もわからなくはないのですけれども、私個人の意見としては、何度も出ていますが、不正をしたときの罰則規定でしっかり縛るべきだと思いますし、今の罰則規制では緩過ぎて、言ったら罰則を受けてもやった方が得という状態では全然罰則の意味合いにならないのではないかと考えます。
自費の料金の部分についてですけれども、先ほど前田構成員からお話がありましたし、木川構成員から独禁法の話が出ましたけれども、やはりこの業界でも相場観というのはあるのはあるのです。それにしても患者さんからすれば、ここの施術所は幾らで、ここの施術所は幾らぐらいするのか、あるいは当然技術内容についても選択の判断基準になりますが、それと合わせて料金も判断基準になるわけですから、個々の施術所で幾らなのかというのは記載したほうがいいのかなと、変わらずの意見を述べさせていただきます。
○福島座長 では、小川先生どうぞ。
○日本盲人会連合小川副会長(竹下構成員代理) 私も、南構成員と一緒なのですけれども、やはり国民は料金が知りたいんですよね。今の不正が起こるからいけないというのは論点が違うと思うんです。不正対策は当然別個にやらなければいけないと思いますし、そういうことはやってはいけないことで、不正があるから国民に対して情報を知らせないというのは、筋が違うのではないかと思います。
○福島座長 三橋構成員どうぞ。
○三橋構成員 不正対策は今、違うという議論もありましたけれども、柔整のほうも療養費を長く使っていて、健康保険組合連合会さんからも、いろいろ指摘を受けて、保険者さんからも指摘を受けて、今、面接・懇談という形で面接委員会を開いているのですが、その際にウェブサイトをチェックしますと、必ず違法広告といいますか、目に余るような広告が出ています。その最たるものが、いわゆる自賠責もそうですし、自費の部分でも、保険の部分でもおかまいなしにとんでもない広告を上げている。不正請求の裏には不正な広告があるのは間違いないです。ですから、不正な広告をこの広告の検討会の中である程度議論してここまで、あるいはガイドラインでここまでという形ができれば、かなり不正に対する対策にもつながっていくのかなと思います。
○福島座長 余り座長は、話すなと言われているのですけれども、あはきにしても柔整にしても、日本の中での医療供給体制の一つだと私は理解します。例えば、あはきの場合は、にわか勉強で済みません、西洋医学の人間が言ってはいけないですけれども、西洋医学では十分対処し切れないものに対して患者さんの症状を緩和するために使うものであって、だから、医師が診断して療養費を使っていくというものですし、柔道整復の場合には骨折・脱臼の応急処置をして、その後、後療法するときには医師の許可が必要で、それ以外のことに関しては、例えば、捻挫に関しては、独自でやっていいと法律で決められているものだし、それが国家資格になっています。しかも、あはきが今や償還払いではなく受領委任という形になったということは、患者さんの便宜からそういう体制が引かれたのだと私は理解します。それを患者さんに、もしくは地域住民に正しく伝えていくというのが、私は広告なのではないかと考えるんです。つまり、医療の供給体制の中で、国家資格としてこれをやっている、あれをやっているということを国民に知ってもらう、そして、必要ならそこで選んでもらうというための情報提供をしていく。それが実は国家資格でない人と大きく違うのだということを、まず言わなくてはいけないと思うわけです。そうすると、国家資格の件と療養費の受領委任払いの話、療養費の支給対象の話は知っていただかなければいけないし、そのときにどこからどこまで医師のコントロールのもとにあるのか、だから安全なのだということを患者さんにお伝えすることは重要なのだと思います。
それから、ここは広告の検討の場ですから、法律を改正しろとか、厚生労働大臣に告知を出せと言うところではないと思います。今あるところで何ができて、むしろ逆に何をしてはいけないのか、これは患者さんのために伝えて、これは明らかに患者さんの誤認だからいけませんよねというネガティブリストといったものをつくって、その第1段階ということをできるだけ早くやっていかなければいけないと思います。こんなことを言うと怒られてしまいますけれども、余り長く議論していても、それは次の段階の議論にすべきことであって、今できることをはっきりとやっていかなければいけない。それは患者安全という視点で極めて重要だからということだと思いますし、もう一つは、日本の医療の供給体制に対して、国家資格がやるべきものを明示していくということは大事なのではないかと思っています。
実は、だんだん時間が迫ってきているのでクロージングしようと思っているのですけれども、きょうこれだけでは議論が尽きないので、座長としては実は8月中にガイドラインをつくるぞと思っていたのですが、そうはいかないと思っていますので、もう一度事務局でまとめ直していただいて、きょう議論しなかった問題もございますので、それこそ治療院の話はまだやっていませんので、それは次回にやらなければいけないことだと思っています。そこまでの論点整理をちゃんとさせていただいて、次回につなげると考えておりますけれども、それでよろしいでしょうか。
どうぞ。
○石川構成員 最後に1つだけ。釜萢構成員に質問でございますが、先ほどの話で、療養費の対象疾患と料金が並列しているとわかりにくいという話でしたが、先生の個人的な考えでも構わないのですが、もしこれが明確に分けられているか、あるいは対象疾患が書かれることがなければ、料金だけの表示については先生のお考えではあってもいいのではないかと思っておられるかどうかを、医師の立場としてお伺いしたいと思います。
○釜萢構成員 料金の表示と疾患名を書くということは別の話なので、疾患名を外すから料金は書いてもいいということではないと思います。料金の問題についてはきょうもいろいろ御意見が出ましたけれども、国民にどう理解してもらうかという視点から料金を表示したほうがいいという意見と、これはすべきではないという両方の意見が出ていて、まだ結論が出ていないと思います。そのことと疾患名を書くかどうかは、また別の問題です。
疾患名については、私は看板に疾患名を書くということは適切だとは思っていません。そこに医師の指示がどうのこうのと細かく書かれていても、疾患名を看板に書くというのは適切ではないと思っています。そのことは今後もずっと主張していこうと思います。
以上です。
○福島座長 どうもありがとうございました。
先ほど申し上げましたように、まだ解決していないことがたくさんありますので、論点を整理して次回につなげたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
では、事務局から御連絡をお願いします。
○松田医事専門官 次回の検討会の日程については、また追って事務局から御連絡いたします。
○福島座長 今日は、ここまでとさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(了)

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