第121回社会保障審議会医療部会 議事録

日時

令和7年11月25日(火)16:00~18:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム 7階 大ホール

議題

  • 令和8年度診療報酬改定の基本方針について
  • 業務効率化・職場環境改善の更なる推進に関する方向性について
  • 基幹インフラ制度への医療分野の追加について

議事

○医療政策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第121回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、あらかじめ、委員の先生方におかれましては、オンラインか現地会場での参加を御選択していただきまして御出席いただいております。
 まず、委員の異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 佐保委員の御後任として、日本労働組合総連合会総合政策推進局長の永井幸子委員が就任されております。永井委員より一言御挨拶をお願いしたいと思います。
 では、永井委員、お願いします。
○永井委員 聞こえておりますでしょうか。
○医療政策企画官 聞こえております。
○永井委員 ありがとうございます。
 ただいま御紹介いただきました連合の永井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、遠藤委員、内堀雅雄委員、望月幹也委員より御欠席との御連絡をいただいております。
 医療部会の総委員数が24名で、定足数は3分の1の8名となっており、本日は21名の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、伊藤委員、井上委員、松田委員、松原委員より途中で退席されるとの御連絡をいただいております。
 次に、議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1-1、資料1-2、資料2-1、資料2-2、資料3、参考資料1-1から参考資料1-3を御準備いただければと思います。
 もし報道の方で、冒頭、カメラ撮りをしておられる方がいらっしゃいましたら、カメラはここまででお願いいたしたいと思います。
 それでは、本日は遠藤部会長が御欠席のため、以降の進行は山本部会長代理にお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○山本部会長代理 それでは、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、欠席の内堀雅雄委員の代理として玉川参考人の御出席をお認めいただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、早速、議事に移りたいと思います。
 まず「令和8年度診療報酬改定の基本方針について」。これを事務局より説明をお願いいたします。
○保険局医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。資料1-1「令和8年度診療報酬改定の基本方針(骨子案の概要)」を御覧ください。
 1ページは骨子案の概要です。
 今までお示ししました資料をまとめたものでございまして、新しい情報はございません。
 2ページがスケジュールでございます。
 本日、11月25日、4回目の御議論をいただきたいと思っております。次回、12月上旬に最終基本方針を定めていただきたいと考えております。
 資料1-2を御覧ください。前回までの御議論などを踏まえまして、基本方針骨子案を示しております。「骨子案」と表現しておりますが、文書の量といたしましては最終的な基本方針と同等の量をイメージして作成しております。前回までの御議論を踏まえまして、より具体化した部分などを中心に御説明させていただきます。
 3ページにお進みください。
 一番上の行の最後の部分からでございますが「人件費、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の事業費用が増加しており」と記載しております。前回までは大まかに書いていましたが、少し具体化させていただいております。また、数行下の部分でありますが「医療分野では、事業収益の悪化を背景に、全産業の賃上げ水準から乖離し」といった文言も加えております。
 進んでいただきまして、5ページです。
 「外来医療の機能分化と連携」、「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」。この辺りの記載も具体化しております。
 (3)に進んでいただきまして、「安心・安全で質の高い医療の推進」の「具体的方向性」の部分。5ページの下段辺り「患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価」、「アウトカムにも着目した評価の推進」、「医療DXやICT連携」。この辺りの記載もより具体的に記載しております。
 6ページにお進みください。
 「質の高いリハビリテーションの推進」の辺りの記載もより具体化させていただいております。
 前回までの議論から新たに書き加えさせていただきましたのは、7ページ以降でございます。
 「3.今後の課題」と記載している部分を前回までの議論から新たに書き加えております。令和8年度の診療報酬改定で対応する部分もございますが、1回の改定では対応し切れない、さらに取組を続けなければいけない大事な御指摘も本部会などでいただいております。そういったものを今後の課題として記載しております。
 1つ目の○です。持続可能な社会保障を実現するためには、診療報酬制度のみならず、制度的枠組みや予算措置など、総合的に政策を講じることが求められる。
 2つ目の○です。現下のような持続的な物価高騰・賃金上昇局面に対応するための支援を、報酬措置においても適時適切に行えるよう検討する必要がある。
 3つ目の○です。患者自身が納得して医療を受けられるよう、政府において、診療報酬制度を分かりやすく、国民に対して社会保障制度の意義などに関する丁寧な説明を行い、理解を得ていく、国民が議論の場へ参加する機会が重要である。
 4つ目の○です。予防・健康づくり、ヘルスリテラシーの向上。国はこうした取組に向けた環境整備に取り組むことが必要である。
 最後の○です。医療DXへの投資はコストの増加だけではなく業務負担の軽減や医療の質の向上につながるものであるから、その推進により、国民の健康の増進などを実現することが必要である。このような記載をしております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、御質問、御意見、いかがでしょうか。
 岡委員、小野委員、そして、神野委員の順でお願いいたします。
○岡委員 日本病院会の岡でございます。
 今、御説明いただいた中で、3ページの、賃上げ水準が医療分野では他産業と乖離しているという、これは非常に重要なことでございまして、ここに書いてありますように、春闘等の賃上げ率は5%を上回る高水準だったと書いてあります。ただ、医療分野では、今年度行った4病院団体の経営調査において、ベースアップ評価料分の賃上げ率の中央値が2.5%です。また、定期昇給とベースアップ評価料の両方を合わせても賃上げ率の中央値は3%と、やはり他産業と大きな乖離があります。
 ここで強調したいのは、既に医療分野の賃上げ率が他産業と比べてマイナスの状況でありますので、令和8年度の診療報酬改定で例えば春闘と同じだけの賃上げを行っても、現在のマイナス分が残り、他産業との差が埋まらないということはぜひ申し上げたいと思います。したがって、令和8年度の改定では、例えば人件費において、春闘の賃上げ率と同じではなく、さらに現在のマイナス分を加えた賃上げ率を可能にする対応をしなければ、他産業との差は続き、医療人材が流出し、人材確保が困難になるということは明らかなので、その点を申し上げたいと思います。
 もちろん、このほか、物件費の高騰の対応も同様と思いますので、この3ページの後半部分にある(具体的方向性)の最初の○で人件費や物件費の高騰を踏まえた対応とありますが、ここに令和6年度改定までの不足分も加えた対応が必要だということを強調したいと思いますし、できれば、この令和6年度改定までの不足分を加えた対応が必要というようなことを追加記載していただくとありがたいと思います。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございました。御意見ということで承ります。
 では、小野委員、お願いいたします。
○小野委員 ありがとうございます。7ページ目の「3.今後の課題」について、1点、意見を申し上げます。
 保険給付の水準に関することなのですけれども、例えば僻地とか不採算医療を行うような場合を除きまして、保険医療機関の地域や診療科に関する適正な分布というものを前提とした上で、医療の質を落とさずに、基本的には保険診療で医療機関が継続していける、言わば食っていけるというような給付水準というものは今後とも確保されることが必要だと考えております。その上で、この1つ目の○については、正面からはそう書いていただいていないのですけれども、そういう趣旨を示していただいているものと私は理解させていただきました。
 関連しまして、以前申し上げたことですけれども、保険医療の水準、保険診療の水準、診療報酬の水準が適切であるかどうかを確実に把握するよう、今後、医療機関の経営実態を把握する各種調査などにおいては、医業収入において保険診療分とその他の分というものを把握できるようにするべきであると考えるところでございます。
 以上でございます。ありがとうございます。
○山本部会長代理 それでは、神野委員、お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。4点、お話をさせていただきます。
 まず、2ページから3ページにかけて、先ほど岡委員が御指摘のところでございますけれども、とにかく物価や賃金、人手不足等の医療機関を取り巻く環境変化への対応を重点課題としていただいたことにつきましては高く評価したいと思います。よろしくお願いいたします。
 その中で、まさに賃金の話でありますけれども、今、人事院勧告に準拠している自治体病院の赤字が非常に大きい。一方で、人事院勧告どおり払えない民間病院には自治体病院に比べれば赤字は少ない。これはいいことか悪いことかということであります。やはり人事院勧告という、国が勧告している以上は、私たち民間病院におきましても同じだけ勧告どおり払える分は診療報酬に乗っけていただくというものが大原則なのではないのか。それが人事院勧告なのではないのかなと思います。
 続いて、2番目でありますけれども、5ページのほうに参りまして、質の高い在宅医療・訪問看護の確保というところでございます。以前にこの医政局の資料で、人口の多いところは在宅サービスが多い、人口の少ないところは在宅サービスが少ないというデータがございました。まさにそういうことで、人口が少ないところの在宅サービスをやろうと思いますと、過疎地の場合は一軒一軒遠いということで、非常に非効率的である。この辺のところは、人口密集地における在宅と人口過疎地における在宅というものは同じ値段では、とてもではないけれども、過疎地ではできないということになりますので、その辺のところの御配慮というものは今後必要なのではないのかなと思うところであります。
 3点目で「3.今後の課題」という7ページの辺りであります。ここに診療報酬を超えて、医療法とか医療保険各法の制度・枠組みとか、報酬措置においても適時適切にということが書いてございます。そういった意味では、これは診療報酬に直接関係ないかもしれませんけれども、診療報酬の改定率そのものをやはり物価・賃金スライド、あるいは日本の経済状態にスライドするような仕組みというものをそろそろ考えていただかないと、2年に1回、改定率が高いや低いでお祭りをしているといったものから脱却する時期ではないのかなと思います。
 最後、4点目でございます。一番最後のところであります。医療DX云々のところであります。まさに今回の診療報酬改定におきましても、多少、DXの対価としての人員配置基準ということについて御配慮いただけると聞いてはおりますが、今後、これは鶏と卵で、医療DXに投資することによって、その対価として、例えば少ない人数でも質の高い医療ができるとするならば、それを推し進めるような報酬体系というものが必要なのではないのかなと思います。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、オンラインで参加の委員の皆さんから御発言いただきたいと思います。
 まず、長島委員、お願いいたします。
○長島委員 日本医師会の長島でございます。資料1-2の2ページ目の「(1)物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応」を重点課題としていただいたこと、また、前回お願いしたとおり、食材料費、光熱水費を追加していただいたことは評価しております。
 次に、7ページの「(4)効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」の2つ目「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の在り方の見直し」について、もしも、この中に保険適用からの除外についての検討が含まれているのであれば、日本医師会では3つの理由、「患者さん・家族の経済的・物理的な負担の問題」、また、地方や僻地等で市販薬を簡単に入手できない地域などの「アクセス等の問題」、さらに、これらの理由によって診断の遅れや重症化のリスクが高まる「医学的な見地からの問題」は、国民の大きな不利益となりますので、引き続き明確に反対いたします。
 最後に、8ページ、医療DXへの投資に関する記載ですが、これを推進する上では、医療機関等のコスト増に対して、診療報酬上の評価や補助金などの財政支援が必須です。このことを明確に書くべきと思います。したがいまして、例えば医療DXの投資は業務負担の軽減や医療の質の向上につながるものであるから、その推進により、国民の健康の増進、地域医療連携の円滑化、将来にわたる安心・安全で質の高い医療サービスを実現することは必要であるが、医療機関等のコストの増大に対して診療報酬上の評価や補助金等の財政支援も必要であると明確に書くべきと考えます。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 事務局からの回答は、一通り御意見をいただいてからでよろしいですか。何かあれば。
○医療政策企画官 はい。
○山本部会長代理 それでは、続いて、野村委員、お願いいたします。
○野村委員 野村と申します。よろしくお願いします。診療報酬改定の基本方針について異論はございません。記載に関してというわけではありませんが、2点、発言させてください。
 6ページにあります、様々な場面におけるオンライン診療の推進ということで、こうした医療の危機的状態がある中で、オンライン診療は活用の幅も広がっていくことだと思います。ただ、記載にも「安心・安全」とありますが、今後活用していく中で、ぜひ私たちも安全に活用できるように、その規定など、引き続き注視していただきたいと思います。
 「3.今後の課題」につきまして、○の3つ目、4つ目、5つ目まで、まさに記述されているとおりだと思います。その記載をぜひ具体的に策を講じながら実現していただきたいと思います。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 では、続いて、井上委員、お願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。私からは「2.改定の基本的視点と具体的方向性」の(1)について申し上げます。
 これまでも様々なデータで、医療機関の経営状況は病院と診療所等々で違いがあるということが明らかになっております。人件費、様々な材料費等々、物件費が高騰していることについての対応はもちろん必要だとは思いますが、ただ、それによって事業収益がどこまで悪化しているのかということについては機関によってばらばらだと思いますので、より効果的な支援となるように、一律ではなくて、めり張りのある改定とすべきだということはこれまでも申し上げてきたところであり、この点についての記載を御検討いただければと思います。
 もう一つ、質問となりますけれども、先日、閣議決定されました総合経済対策で、令和8年度診療報酬改定の進め方でありますとか、あるいは報酬改定の効果を前倒しするという認識に立った医療・介護等支援パッケージの緊急措置というものも明記されているところですが、これらの経済対策の議論がこの基本的な方針に何か影響を与えるようなことについて御意見を聞かせていただければと思います。
 以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 今、御質問がございましたが、今の段階でお答えになりますか。
 お願いします。
○保険局医療介護連携政策課長 ありがとうございます。経済対策との関係について御質問いただきました。
 医療部会、また、医療保険部会において、今、御議論いただいております、この基本方針は原則、2年に一度行っている診療報酬改定の令和8年度改定に向けた基本的な考え方を整理するものであります。一方で、現下、医療機関などは物価高騰・賃金上昇、医療需要の変化などによって厳しい状況に直面していると認識しております。このため、今般の経済対策は、改定の時期を待たず、経営の改善、職員の方々の処遇改善につながる措置を講じて、効果を前倒すなど、スピード感を持って対応していくために実施されることとなったと承知しております。
 こうした経済対策の内容につきましては、これまで御議論いただいております、この基本方針と同一の方向性のものであると考えておりまして、また、経済対策による措置は時限的なものになることが見込まれますので、こうした措置をできる限り報酬改定により取り組んでいくということが重要と考えております。そういった意味では同じ方向で、基本方針の記載自体に影響はないのかなと考えております。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、続いて、木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 骨子案には重要な項目が過不足なく盛り込まれており、私からは特に異論はございません。その上で3点ほどコメントいたします。
 まず、骨子案の最後の「3.今後の課題」のところに、今回、大変重要なことを書き込んでいただいたと思います。昨今、手取りを増やそう、そのために社会保険料負担をできるだけ減らすべきという声が上がっており、国民の医療費への関心が高まっています。ここに書いてある、診療報酬制度を分かりやすくするための取組、国民に対して社会保障制度の意義等に関する丁寧な説明を行って、理解を得ていくということは、この局面においてますます重要になってくると思います。
 診療報酬といいますと、提供した医療サービスそのものに限った対価と誤解されがちですけれども、実は医療行為に対する対価のみだけではなく、その医療が地域で安全に提供されるために必要なコストが含まれている。それはなかなか理解されにくいところです。例えば結果的に一件も救急の患者さんが来なくても、急患が発生した場合に専門職が迅速・的確に対応する体制で待機している。それにはそれなりのコストがかかっていることなどは国民の皆様にはぜひ知っていただきたいところです。もし医療費を過剰に削減してしまうと、目先のコスト削減にはなるかもしれませんが、それによって命と健康を守る医療のインフラが一度壊れてしまうとなかなか元どおりにはならないことは大変重要なことです。未来を生きる将来世代が安全で質の高い医療が受けられるようにすることはとても大切で、もちろん、費用負担との難しい兼ね合いもありますので、国民みんなでこの問題を共有して一緒に考える必要があります。
 2点目として、診療報酬の議論におきましては、目の前の課題のみならず、医療提供体制を確保するための中長期的な視点が大切と思います。我が国の最大の課題である人口減少は特に地方においては極めて深刻であり、地方創生、そして、国防の観点からも、医療資源の少ない地域における医療提供の確保については特に重点的に対応するべきと思います。
 国民の誰もが住んでいる地域にかかわらず一定水準の安全で質の高い医療サービスを受けられるようにする、いわゆる均てん化ということは大変重要で、場所によって命や健康が左右されることができるだけないようにすることは大変大事なことです。採算が低いものの、地域にとって不可欠な政策医療を維持する仕組みはもちろんのこと、限られたヒューマンリソースをより広域で活用できるよう、例えば不足地域に医療者を派遣したり、オンライン診療などで支援する場合、そうした貢献を適切に評価する仕組みといったものを検討して、偏在対策をより後押しする必要があると思います。
 最後に、3点目として、担い手の確保という観点からでは、現時点における待遇改善ももちろん大切ですけれども、未来の医療提供を担う医療従事者の育成もとても重要です。
 今般、文部科学省のほうで、診療報酬で補塡されない教育研究費の支援を強化し、教育や研究の拡充を図る大学病院に対して人件費などの一部を補助するなど取組を行うと報道がありましたけれども、大学病院だけではなくて、それ以外の多くの医療機関でも、業務効率だけを考えれば、慣れている人がさっさとやれば早いところを、手間暇をかけて、コストもかけて、未来を支える医療従事者の育成を支えています。そうした努力を行っているところをぜひ適切に評価できる何らかの仕組みがあってもいいと日頃から感じております。次回の診療報酬改定にぜひ生かしていただきたいと思います。
 私からのコメントは以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 では、続いて、伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員 医療法人協会の伊藤です。ありがとうございます。今回お示しいただきました令和8年度診療報酬改定の基本方針はおおむね網羅されていることで、大変にありがたいと思っております。その中で2点ほどお話を申し上げたいと思います。
 一点は、3ページの(具体的方向性)の中で、これは人件費、物件費の高騰への対応を重要課題としていただいたことに感謝を申し上げる次第でありますが、効率化、それから、改善による人材確保に向けた取組の中で処遇改善、それから、医師の働き方改革、診療報酬基準の柔軟化。これは、特に人員配置基準の柔軟化が重要と考えておりますので、これらの取組には賛同し、推進を要望するものであります。
 一方、これは神野委員からも発言がありましたが、ICT、AI等の活用に関しては、8ページの最後にも書かれておりますけれども、過去の事例を見ますと、コスト増は避けられないと考えるのが適当であろうと思います。DX等による医療の質の向上は可能ではありますけれども、各医療機関の経費が下がるということにはならないわけであります。人の効率化に効果的だと考えるけれども、初期投資あるいは経費など、コストが重くなり、必ずしも経営の効率化とならないことを明示することが重要だろう、必要だろうと思います。つまり、DX化が医療費上昇の要因になり得るということを明示して、医療の質向上のための投資であると位置づけて、その費用の手当ての方法を考えなければならないということを記載していただいたらいかがかという提案でございます。
 2番目が、4ページのところでございます。2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携に関してですが(基本的視点)で、入院、外来・在宅医療、介護との連携の推進というところで、DXを活用した人口減少区域への支援はとても重要であり、有効な手段であると考えます。
 一方で(具体的方向性)の中にある、医療機能に応じた入院医療の評価というところでは、緩やかに高齢者が減少する都市部では、高齢者救急をはじめ、高齢者に多発する疾患につきましては、特殊な高度医療を要するもの以外は、これまで二次医療を担ってきた中小の、主に民間病院が今後も対応していく体制を構築することは前提となるわけでありますが、20万から30万人口に1か所の高度な医療を提供する急性期拠点医療機関といいますものは、若年人口の減少と、高齢者医療や高齢者救急の多くが地域急性期医療機関にシフトするということで、その対象患者が減少することが想定される中で、高度急性期・急性期病床の総数というものの縮小を削減する再編・統合が前提とならなければ医療機関機能の役割分担と再編は絵に描いた餅になります。都市部における急性期巨大病院の再編を防止する何らかの仕組みを整備することを明示してはどうかという提案でございます。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、石飛委員、お願いいたします。
○石飛委員 全国市長会の石飛です。まずは、現下の医療機関等の置かれている厳しい状況を踏まえ、物価高騰や人件費上昇への取組を急務として位置づけていただいたことに感謝申し上げます。
 現役世代の保険料負担の抑制努力の必要性も認識するところではありますが、現在、政府は経済政策の方向性として賃上げと成長の好循環を目指していると承知しておりまして、賃金が上昇することによる保険料率の引下げ効果にも留意しつつ、診療報酬改定の議論が進むことを期待しております。
 また「3.今後の課題」に記載されている、持続的な物価高騰・賃金上昇局面での報酬措置における適時適切な対応につきましては、診療報酬の期中改定を含む、何らかの新たなシステムの必要性を強く感じているところであります。「今後の課題」とございますが、今回の改定率の決定過程において併せて議論されることを望んでおります。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 続いて、永井委員、お願いいたします。
○永井委員 よろしくお願いいたします。私からは2点発言いたします。
 まず、資料1-1(基本的視点)において、医療従事者の賃上げや業務負担軽減を含む人材確保に向けた取組は不可欠と考えますので、視点(1)を重点課題とすることに異論はございません。ほかの視点もそれぞれ重要なテーマでありますので、併せて行っていく必要があり、とりわけ高度急性期から慢性期まで機能分化がさらに進むよう入院医療の関係項目を適正化する、かかりつけ医機能に関する項目についても実績評価への転換を図り適正化することが重要と考えております。
 2つ目に、資料1-2ですが、骨子案の3ページ目の(基本的視点)の3つ目の○、「ICT、AI、IoTなどの利活用の推進や、これらを通じた診療報酬上求める基準の柔軟化」とある部分につきましては、ICTなどの活用により、医療従事者の業務効率化と負担軽減を行うことが重要ですが、基準の柔軟化によって現場で働く労働者にしわ寄せが行くようなことがないのか、安全性、質の担保の観点からどうなのかと懸念がございます。現場の混乱は患者の利益を損なうことにつながりかねませんので、慎重に検討する必要があると考えます。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 続いて、荻野委員、お願いいたします。
○荻野委員 日本薬剤師会の荻野でございます。基本方針の骨子案をおまとめいただきましてありがとうございます。方向性等について異論はございません。その上で何点か意見を申し上げます。
 資料1-2の「2.改定の基本的視点と具体的方向性」についてでありますけれども、(1)から(4)までの項目ごとに意見を申し上げます。まず(1)の重要課題においては、現下の医療機関・薬局の状況を十分に改善することが可能となる取組を可及的速やかに、そして、確実に進めることが肝要と考えます。また、今回は改定の基本方針でありますが、その際には、保険による対応とともに、それ以外の財源も合わせて確実な対応となることを要望いたします。
 続いて(2)ですが、2040年頃を見据えて人口減少がより顕著な地方部の人口・医療資源の少ない地域を支援すること等は、医療機能を確保する観点から極めて重要だと考えます。(具体的方向性)に示されている項目の確実な取組においては、薬局、医薬品提供体制を含めて進めていただくことに期待いたします。
 「(3)安心・安全で質の高い医療の推進」でありますが、医療DXの活用は必須と理解していますが、規模の小さい薬局においては、各種機器・システムの導入・更新の費用負担が相対的に重くなる現実があります。後段にございます「地域の医薬品供給拠点としての薬局に求められる機能に応じた適切な評価」は必須と考えますが、DX化に係る費用負担についても現状を把握して対応いただきたいと考えます。
 最後に(4)の(具体的方向性)の「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の在り方の見直し」については、医療保険部会において患者団体からのヒアリングも踏まえ、慎重に議論がなされていると承知していますが、何より、必要な方の必要な医療へのアクセスを阻害することがないようにするべきと考えます。なお、「市場実勢価格を踏まえた適正な評価」に関連し、薬価を上回る納入価となっているいわゆる「逆ざや」の医薬品については、次回薬価改定において解消する対応をしていただくよう、これも要望いたします。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、勝又委員、お願いいたします。
○勝又委員 ありがとうございます。骨子案に特に異論はございません。
 その上で1つ質問なのですけれども、7ページの「3.今後の課題」として挙げられているものはいずれも重要なことだと考えています。しかし、令和6年度の診療報酬改定の基本指針においても将来を見据えた課題が示されておりまして、タイトルは違えども、その記載内容はほぼ令和8年度と令和6年度、同じ内容に見受けられます。
 もちろん、これらの課題は診療報酬での対応のみならず、総合的な施策を講じることや現下の状況、それから、国民の理解、多様な観点を踏まえて、継続的かつ総合的に対応を検討していくことが必要だと考えておりますけれども、令和8年度改定での対応に加え、引き続き検討を要するものと認識しておりますけれども、令和6年度の記載と変化がないことを踏まえると、重要な課題への議論や対策が先送りされるのではないかということを懸念しております。今後の課題について、今後、どのように議論を進め、対応していくのか。もし具体的にお考えがあればお教えいただきたいと考えております。
 以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 これは、この先、一体どうなるのか。ここに書いてはあるけれども、どうなるのだろうというものは、皆さん、感じられることと思いますが、これについては、今、回答はいただけますか。事務局、いかがでしょうか。
○保険局医療介護連携政策課長 ありがとうございます。
 非常に難しい、厳しい御質問だと思います。令和6年度にも、同じではないのですけれども、趣旨が似ている記載があることも事実でありますし、診療報酬制度だけで対応できるものではなく、それこそ医療部会だけでない話もいろいろと記載しております。
 ただ、こういったものが課題であるという認識を改めて持ちまして、厚生労働省として、様々な審議会、また、ほかの省庁、関係者と調整しながら、確実に、着実に進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○山本部会長代理 そういうことですが、勝又委員、いかがでしょうか。
○勝又委員 すみません。できるだけ対応をしっかりと御議論いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 特に、総合的に政策を講じるという部分においてがどう具体的に対応されるのかというものはなかなか見えづらいなというのは私も感じるところですので、しっかり御対応いただきたいし、あるいはほかの部会なりで議論するときも、やはり令和8年度の診療報酬改定の基本方針に挙げられていたということを何らかの形で引用するなりなんなりという、関連性を常に持たせて議論が進むといいなと思います。これは私からの意見でございます。ありがとうございます。
 それでは、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 ありがとうございます。基本方針の骨子案について、これまでの意見を本当に真摯に盛り込んでいただいて大変感謝いたします。総合的に賛同いたします。その上で私からは2点あります。
 まず「3.今後の課題」についてですけれども、7ページの最後から始まる3つ目の○ですけれども、国民に対して社会保障制度の意義等に関する丁寧な説明を行い、理解を得ていくことと、国民が議論の場へ参加する機会が重要と書いてくださったことは大変ありがたく存じます。国民が議論の場へ参加する機会が重要というものを追記してほしいとレクの場で言って、今日言おうと思っていたら既に追記してくださって、決定していくプロセスの中で患者が議論に参加して共につくっていけるようになるということが重要ですし、患者にとって、アクセスの面も踏まえて、不安のないようにつくっていくということが何より重要だと考えているので、改めて強調させていただきます。
 また、医療DXについて「医療機関等のコストの増加だけではなく業務負担の軽減や医療の質の向上に繋がるものであることから」と書いてありますが、細かいことですが「医療機関等のコストの増加だけではなく」という負の部分が浮いているように感じて、医療機関等の増加はあっても、業務負担の軽減や医療の質の向上には今後つながることであるものからというような表現にしたほうがいいのではないかと思いました。
 また、既にほかの委員の先生方からも御意見が出ておりますが、特に導入時、成果が出るまではコスト面がかかってしまって、その分の成果が出ない間、医療機関の負担だけを強いることのないように、長期的に見ると業務負担軽減や医療の質の向上につながって、十分、投資価値があったとなるような、長期的な視点での医療が救われるような施策を、ぜひ医療機関側にだけ負担を強いずに、国がしっかりと予算をつけて推し進めていただくことが必要だと考えます。
 今、直前に事務局からもお答えいただいたところですけれども、骨子案はとてもいいものが出来上がっていると感じていて、今日の委員の先生方の意見も踏まえていただいてつくった骨子案は、ぜひ骨子案が実現できるように推し進めていくことをイニシアチブを取ってやっていただければとてもいいなと感じました。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、米川委員、お願いいたします。
○米川委員 ありがとうございます。健保連の米川です。各委員の皆様がおっしゃっていただいているように、基本的にこの基本方針はよくできているのではないかなと思います。
 その中で数点お話し申し上げたいのは、国民の皆さんが議論の場へ参加する機会が重要ということを何人もの委員の方がおっしゃっていたが、今後の課題について全く同感であります。今回の診療報酬改定に向けても、いわゆる国民や患者に向けた重要なメッセージが込められておりますので、その意味で前回申し上げましたように、視点(1)だけを強調するということではなくて、視点(1)~(4)について一体的にアピールするといいますか、対応することがすごく重要だと思います。
 また、地域の医療提供体制を維持していくことは非常に重要だと思うので、そこに異論は全くありませんけれども、現役世代への保険料負担につきましては、いわゆる賃金が上がって保険料の負担が下がるというのは我々も期待はしておるのですけれども、いわゆる負担の世代間を含めたバランスということがとても重要でありますので、その意味で医療保険制度を将来にわたって守っていくことが重要だと思います。
 その意味で1点だけお願いなのですけれども「3.今後の課題」の○の2つ目で書いていただいております、中段に「保険料負担の抑制努力の必要性にも配意しつつ」という文言で、これは努力の必要性を配慮しつつということはほぼ何も前へ行かないのではないかなという心配がありまして、ここはぜひ「保険料負担の抑制の必要性に配慮しつつ」という形で「努力」という文言はできれば削減していただければと思います。
 大変期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○山本部会長代理 それでは、続けて、内堀典保委員、お願いいたします。
○内堀(典)委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の内堀です。皆さんの意見をまとめていただいたこの骨子案、私は賛同いたします。
 その上で、骨子案につきまして、物価高騰・賃金状況、また、人口減少及びその支え手の減少状況を踏まえて「骨太の方針」の中にも記載されておりましたように、高齢化による増加分に相当する伸びに経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算すると明記されております。その上で、病院とか法人医療機関と同等に、小規模な歯科診療所においても現場の状況に応じた対応を重ねてお願いしたい。
 私からは以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、松原委員、お願いいたします。
○松原委員 ありがとうございます。
 私は、この会で繰り返し指摘させていただいていることが診療報酬の値づけの問題でございます。結局、診療報酬の値づけが今まで適切ではなかった。その原因は何かといいますと、やはり財源がないという、そこに一番の原因があると考えております。従来、この負担の議論を避けてきたと思いますけれども、ここで報酬とか社会保障とか、これを縮小していくということは命の格差をもたらしかねない。それは社会不安をもたらしかねないということを危惧しています。また、そうした社会不安も関係して、経済成長の低下さえ危惧される問題だと思います。人間尊重の面からも、経済的な面からも、医療にちゃんと適切に投下し続けることの必要性、社会保障の充実の必要性をしっかりと国民に、全ての人に伝えていくということが重要だと思います。
 過去、ここ20年間、最も働く人が増えた分野は医療福祉分野です。この分野の賃金を上げるということは内需の拡大に大変効果を上げることだと思います。人口が減っていくということで、すぐ外需に頼ろうとしますけれども、内需の拡大こそ日本の経済を安定化させると思います。ここへの投資が重要だと思います。
 また一方で、他国と比べましても、日本の医療費というものは絶対額で見ても、また、国の経済力であるGDPの比率で見ましても決して高くありません。また、国民負担率を見ましても、消費税を見ましても、日本と同じような経済レベルの国と高所得国と言われるところと比べましても、高いどころか低い部類に該当します。ということは、やはり国民の負担に関してちゃんと議論していく、説明していくことが必要だと考えます。また、国民に負担を求める以上、医療機関側も、より一層、質の向上と効率化を図りまして、また、説明責任、アカウンタビリティーをしっかり果たすことがこれからますます求められると思います。
 また、この部会の範囲を超えてしまいますけれども、負担を求める話をしましたが、一方で、日本では正規社員か非正規社員かで社会保障で受けられる給付と負担に大きな格差がある。社会保障の余計に格差が拡大する部分がまだ1本残っておりますので、この適応拡大の問題と、もう一つ、シングルマザーのワーキングプアの問題など、そうした方々に対する配慮もしっかりと手当てしていく必要があると考えております。
 日本福祉大学の名誉教授でいらっしゃる二木立先生のレポートによりますと、負担だけを聞くと、みんな、負担は嫌だ、負担を下げてと言いますけれども、給付と負担、セットで聞くと、負担をちゃんと許容しているという結果が各種の世論調査で出ているのです。負担を減らせばいいだけではなくて、しっかりと給付と負担をセットで議論して説明していく必要があると思います。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。こちらの取りまとめに関連しまして、3点、意見を述べさせていただきます。
 地域の医療機関におきましては、光熱水費や材料費等の高騰、人件費の上昇などにより、病院・診療所を問わず、医療機関の経営状況はこれまで以上に厳しくなっており、地域医療は今まさに危機的な状況にあります。こうした状況を踏まえ、まずは今般の経済対策において、処遇改善や生産性の向上、経営の安定化等に向けた財政支援を緊急かつ着実に実施していただくとともに、安定的な医療提供体制確保のため、引き続き、社会経済情勢を適切に反映した診療報酬改定となるようお願いいたします。
 また、医療分野全体として医療DXの推進が不可欠であることから、医療DXを活用する医療機関における運用コストが診療報酬において反映されるよう十分な対応をお願いいたします。
 なお、持続可能な全世代型社会保障実現のため、持続的な物価高騰局面における適時適切な報酬措置についても着実な対応をお願いいたします。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございました。
 それでは、事務局からお願いいたします。
○保険局医療介護連携政策課長 ありがとうございます。
 改定の規模・率に関するものから個別の医療に関するもの、短期的なものから中長期に考えなければいけないもの、様々な御議論をいただきましたが、今回お示しさせていただいた骨子案でございますが、今日の御意見も踏まえまして、改めて基本方針案を12月上旬に示させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 ほかに、この件はよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、次の議題でございますが「2.業務効率化・職場環境改善の更なる推進に関する方向性について」。この説明をお願いいたします。
○医療政策企画官 医療政策企画官でございます。資料2-1と2-2をお願いいたします。
 資料2-1につきましては、前回の医療部会における業務効率化・職場環境改善に関する御意見をまとめたものでございます。説明は省略させていただきまして、資料2-2について御説明させていただきます。今まで業務効率化・職場環境改善について何度か御議論いただきました。今までいただいた御意見を踏まえまして、厚生労働省としての対応の方向性の案をお示ししたものであります。
 1ページ目でございます。
 「1.医療機関の業務のDX化の推進について」でございます。(国・自治体による支援等)と(医療機関の責務の明確化)と大きく2つ分けてございます。
 (国・自治体による支援等)ですけれども、○が6つ並んでおります。1つ目の○でございます。こちらは財政支援の関係であります。今までの医療機関のDX化の支援につきましては、モデル事業または実証事業といった形での一部の病院への支援を中心に行ってきたわけですけれども、これからは、より多くの医療機関を対象にした新たな支援の枠組みを創設してはどうかと考えております。その際、先ほど来の議論もありましたが、この業務のDX化の効果の発現には一定の期間が必要だということもありますので、継続的な支援の在り方について検討していく必要があるのではないかと考えております。
 2つ目の○でございます。これはエビデンスの蓄積、データの収集であります。統一的な基準により、労働時間の変化、医療の質や安全の確保、経営状況に与える影響といったデータを収集してはどうかということであります。
 3つ目の○が、診療報酬上求める基準の柔軟化であります。これについては、先ほどの改定の基本方針の中でも御議論がありましたし、今までの医療部会でも御指摘をいただいた点でございますけれども、先ほど申し上げたデータ、エビデンスの蓄積を行いながら、この診療報酬上求める基準の柔軟化を検討してどうかと考えております。
 それから、その次の○です。医療機関が適正な価格で必要なICT機器等を導入できる仕組みでございます。サービスや製品の価格、機能、効果を、透明性を持って把握できる仕組みを構築してはどうかと考えております。
 その次の○が、医療機関への伴走支援の強化であります。現在、都道府県の医療勤務環境改善支援センターにおきまして、この職場環境の改善、またはDX化、業務効率化についての助言・指導等が行われておりますけれども、今後、この体制の拡充の機能強化が必要ではないかと考えておりますので、これを行ってはどうかということであります。
 それから、その次の○でございます。こちらは、この業務効率化・職場環境改善に積極的に取り組むことが、医療従事者確保、また、職場定着においてもプラスになり、また、より有利になるように、国において認定し、対外的にその旨を発信することができることとしてはどうかと考えております。
 一番下で(医療機関の責務の明確化)であります。現在、病院または診療所の管理者につきましては、医療従事者の勤務環境の改善、その他の医療従事者の確保に取り組むよう努めるということになっております。今後、これに加えまして、業務効率化にも取り組むよう努めるという旨を明確化してはどうかと考えております。
 2ページ目をお願いいたします。
 「2.タスク・シフト/シェアの推進等、医療従事者の養成体制の確保、医療従事者確保に資する環境整備等について」でございます。
 まず、タスク・シフト/シェアでございますけれども、これは今まで各医療機関において積極的にお取り組みいただいてきました。その取組がさらに定着するように、最初、DXのところで申し上げましたが、これから国の財政支援を行っていきたいと思っていますが、それを受けて、取り組む際に、このタスク・シフト/シェアについても具体的に取り組んでいただく、また、業務プロセス自体の見直しを併せて進めるということにしてはどうかと考えております。
 2つ目の○でございます。こちらは養成体制の確保の関係であります。前回の医療部会の中で、医療職種の養成校の状況についてデータをお示ししたところであります。地域において、医療関係職種が安定的に確保できるよう、この養成体制の確保が大変重要と考えております。各医療関係職種の需給状況、人口減少の推移などを見通しながら、地域や養成校の実情に応じて、遠隔授業の実施、サテライト化の活用など、安定的な養成体制確保のための必要な施策について、さらに具体的に検討を進めることとしてはどうかと考えております。
 3つ目の○について、養成課程も含めた環境整備についてであります。医療従事者の確保に向けまして、医療関係職種が意欲・能力やライフコースに合わせた働き方・キャリアの選択が可能になる、地域で活躍の場が広がるといったことを目指して、以下の対応を行ってはどうかということであります。
 ポツが3つございます。1つ目のポツでございますが、今でも可能になっています医療関係職種の各資格間における既修単位の履修免除の活用、それから、養成における修業年限の柔軟化など、参入しやすい養成課程となるよう、どのような課題があるかを把握して、職種に応じた支援の在り方を、今後、具体的に検討していってはどうかと考えております。
 2つ目のポツでございます。意欲・能力やライフコースに合わせて、キャリアやスキルの向上を目指す者、育児・介護等の事情を抱えて働く者への支援。そうした者が職場や地域でより能力を発揮できる環境整備、セカンドキャリアとして働く上でのマネジメントに関するリカレント教育などの在り方を含めた総合的な対策について、今後、具体的に検討を進めてはどうかと考えております。
 3つ目のポツでございます。前回の医療部会でも御指摘いただきました歯科衛生士・歯科技工士の業務範囲、歯科技工の場所の在り方について、現在設置されている検討会において具体的に検討を進めてはどうかということでございます。
 資料の説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、今の御説明に対して、神野委員、お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。2つ質問と1つ意見を申し上げたいと思います。
 まず、質問ですけれども、1番目として、今、御説明いただいた資料2-2の1ページ目の(国・自治体による支援等)の一番下ですけれども、公的に病院を認定するということでありますけれども、これはどういう認定といいますか、何とか病院は業務効率化、職場環境改善に取り組む病院賞といった、どういう認定をして、それにどういうインセンティブが与えられるのかということが1点目の質問であります。
 それから、2点目の質問ですけれども、タスク・シフト/シェアの2つ目の○ですけれども、前回、この医療部会で、4年制の看護大学は除いて、看護師養成校だけではなくて、歯科衛生士からリハビリ、あるいは義肢装具もあったかもしれませんし、いろいろな資格職の養成校の大きな定員割れといったようなことがございました。この中でも「養成校の実情に応じて、遠隔授業の実施やサテライト化の活用」と書いてあるのですけれども、これは恐らく、こういった養成校は専門学校でありますので、所管は厚生労働省だと思われます。そうすると、これはどこが所管して、これから検討するとしたらどこで、この医療部会なのか、あるいは別の審議会なのか。どういうところで検討することになるのでしょうかというものが2番目の質問であります。
 3番目は意見ですけれども、まさにこのタスク・シフト/シェアということを考えたときに、本来業務があって、それ以外のものをタスク・シフト/シェアしましょうという、例えばですけれども、医師の仕事を看護師さんにお願いした。では、看護師さんの仕事を、看護助手さんですか、あるいはリハビリですか、薬剤師さんですか。また、その仕事をずっと、いわゆるカスケードといいますか、下に流していかないと、どこかでダムをつくってしまうと、決壊すると大洪水が起こるわけでありますので、そういった意味では、このカスケードしていく先に何を求めるのか。全部、例えば事務職に来てしまったら事務職がパンクするわけでありますけれども、そういった意味で、そこにAIとかロボットとかを含めたDXがあるのだということを明確に示したほうがよろしいのかなというものが意見でございます。
 以上です。
○山本部会長代理 御質問がございました。よろしいでしょうか。
○医療政策企画官 医療政策企画官でございます。ありがとうございます。
 御質問の1点目の認定に関するところでございますが、仕組みの詳細はまさにこれからの検討でございますが、公的に認定する上では一定の基準をつくりまして、それに該当するところについて○○病院といった形で認定するということが考えられます。当然、この基準に該当するということをもって、労働者から見れば、こうした業務効率化・職場環境の改善に積極的に取り組んで結果を出しているというところが客観的に分かるということになりますので、そこに労働市場、人材確保の点で有利になるような形の仕組みにしていければと考えております。
 さらに、それに加えて、どういうインセンティブをつけていくかというところはいろいろなやり方があると思います。なかなか予断を持って申し上げることは難しいのですけれども、財政的なインセンティブもあるでしょうし、法規制の上でもインセンティブもあるかもしれませんが、いずれにしても、そういった仕組みをつくって、まさにそういったインセンティブをできるかも含めて、これから詳細に検討していきたいと考えております。
○医事課長 医事課長でございます。2点目の御質問にありました、2ページ目の養成校の定員割れに応じて、遠隔授業とかサテライト化について、養成校は厚労省でございますけれども、学校関係は文部科学省の所管ということもありますので、その点の連携についての御質問がございました。
 私どもといたしましても、学ぶ方はそれぞれの組織で同じく学ぶことになると思いますので、こういった遠隔授業のやり方とかサテライト化に伴うそれぞれの要件については文部科学省とも相談して検討を進めたいと思っています。その上で、では、どのような場で検討していくのかということについては今後検討したいと思っておりますが、かなり詳細な、技術的な点になると思いますので、別途、検討の場を設けて技術的な点を検討する必要があると今の時点では考えております。
 以上であります。
○神野委員 ありがとうございます。
 まず、1番目の認定の話でありますけれども、認定された病院というものは恐らく労働市場の中では非常に有利になると思いますので、透明性を持った認定といったものが必要であるということを追加発言させていただきたいと思います。
 それから、2番目に関しましては、新たな検討の場と伺いましたので、そういったものを早期におつくりになっていただきたいというものがお願いでございます。
 以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 では、小野委員、お願いいたします。
○小野委員 ありがとうございます。幾つか申し上げます。
 1つ目でございますけれども、若年層の人口の激減で、いつまでも、やはり今と同じだけの人手ということをかけ続けるということはかなりチャレンジングであると思っております。そのためには、医療機関の集約化や重点化に加えまして、解決すべき問題として、少ない人手で、いかに質を落とさず、効率的に業務を回して、国民の命や健康を全国で確保し続ける、守り続けるためにはどうしたらいいのかというような問題設定、そのために何をすべきかということを考えることが必要だと思います。人口はかなり急減していくというのは明らかですので、そうした検討を行うことについてちゅうちょしてはいられないのではないかと私は感じております。
 ここに書いていただいているような方針で、継続的な支援の在り方、データ収集、いろいろありまして、それらは賛同いたしますが、同時に、生産性が上がるであろう個々の従事者の賃金水準なども生産性の上昇に見合ったものに上げていくということは当然だと思います。
 2つ目ですけれども、先ほどの神野先生からも御指摘のあった1.の上から6つ目の○のことでございまして、公的認定をしていくということには賛成しております。私は何となくくるみん制度のようなことを想像していたのですけれども、いずれにせよ、どういった仕組みになるかは今後検討していただければと思いますが、やはりそれがハローワークですとか、あと、看護職の方であれば都道府県ナースセンターなどを通じたリクルーティングの際に活用することができれば、メリットがあるのではないかなと考えております。
 また、認定に際しましては、やはり職能なり専門職の当事者の方の目線での評価が入ることができればその意義や価値というものがさらに上がっていくのではないかなと考えております。
 2.のほうなのですけれども、2つ目の○でございます。前回も申し上げたことで恐縮なのですけれども、急速な人口減少が見込まれる中で、もちろん、遠隔授業やサテライト化というものは大切だと思うのですが、それに加えて、学校や養成所が、経営が共倒れにならないように、地域に根づく必要な数の医療職種を安定的に教育し続けるために、学校間の連携とか再編とかも含めたような検討、そういったことを視野に入れた検討を地域ごとにできるように、やはり国として話合いの枠組みみたいなものを提示していくということも考えてはいかがかなと思っております。
 長くなって申し訳ございません。3つ目の○のところでございます。資格の1つ目の黒いポツの点なのですけれども、各職種の状況に応じた支援の在り方を検討するということに関しましては、支援ということに限らない養成課程自体の検討も含めたような幅広い検討が必要なのではないかなと思っております。
 いずれにしても、今後の人口減少社会で、医療や介護を志す若者の職能ごとの奪い合いみたいなことにならないように、特定の職種はオーケーだけれども、ほかの職種が駄目だというようなことになったり、質的にも量的にも劣化するようなことがあってはやはりよくありませんので、職種ごとの最適化ではなく、オール医療従事者といいますか、オール医療・介護従事者といいますか、そういった視点での最適化を目指した議論をするべきだと思います。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 岡委員はよろしいですか。
○岡委員 はい。
○山本部会長代理 それでは、ウェブで御参加の皆さんで、長島委員、角田委員、お二人でしょうか。よろしくお願いします。
○長島委員 では、まず、長島より発言申し上げます。
 「1.医療機関の業務のDX化の推進について」です。私は30年以上にわたって医療のIT化・DX化に深く関わってまいりましたので、DX化の有効性・必要性、意義はもちろんですが、一方、限界や困難さというものもひしひしと実感しているところです。その観点から申しますと、医療機関は3つ足りないものがあります。知識・人材・財源です。特に診療所や病院でも、中小規模の病院はこれが大きく足りません。したがって、DX化が導入できないところ、DX化に対応できないところがかなり多くあるはずです。そこのところをどう考えるかというものが極めて重要な視点です。
 例えば、日本医師会が実施した、現在、紙カルテを利用中の診療所へのアンケート調査では、54%が電子化できません、対応できませんという回答です。恐らく中小病院でもそういうところは多いと思います。では、そういったところは置き去りにしていいのか、取り残していいのか。決して、そんなことはありません。また、DX化に対応できない患者さんを置き去りにしていいのか。そういうことはあってはなりません。その観点からは、まずはDX化に対応できないところもしっかりと業務効率化を進めなければいけない。
 この観点から様々考えるべきことがあります。一つは、DX化ができるだけ負担なく導入できるように、もっとよいものにしていくことです。もう一つが、その医療機関では直接、DX化に対応できないとしても、何らかの形で支援なり仕組みをつくることでDX化の恩恵が被れるようにすること、あるいは全く対応できないところでも、DX化以外の様々な効率化、業務の効率化について様々な支援をしていくこと。この3つは必ず必須であると思います。したがって、業務効率化のためにはDX以外のこと、あるいはDXを使いやすくすること。これをしっかりと書くべきだと考えています。
 その上では、実際に進める上では、そもそも対応が可能なのか、あるいはどのようなものなら対応が可能なのかという実態の把握が重要ですし、また、実際に進めていく上でそれが本当に業務量の減少とか人材不足の解消にどのようなものが、どのような形で役に立つのかという実績、エビデンスをしっかり整えていくということが重要かと思います。その意味では、効果的なエビデンスを蓄積していくことをしっかりと丁寧に進めていただきたいと思います。
 また、先ほども申しましたが、特にDXの導入部においては極めて多大な業務負担と費用負担が医療現場にかかります。ここのところが最大のハードルになりますので、導入に関して、その後の維持あるいは更新。DXはどんどん機能が更新され変わっていきます。ここに対応するのも大きな負担になりますので、先ほどの知識・人材・財源の様々なところから国に対する支援、あるいは医師会や病院団体による共助など、様々な形の支援が必須と考えております。
 最後のところですが、医療機関の責務の明確化ということで、業務効率化にも取り組むことを努めることを追加するということですが、このページの冒頭にも記載されておりますが、既にこれまでも医療機関では十分な努力をしてまいりました。あるいはさっき申しましたように、DX化に対応できないところもあります。したがって、この責務を追加することで医療現場に何らかの負担が加わるということは避けるべきと考えます。
 私からは以上です。
○角田委員 続きまして、私、角田からお話しいたします。2.のタスク・シフト/シェアの推進等についてお話しさせていただきます。
 まず、タスクシフト/シェアについては、シフト・シェアされる側のこともしっかりと考慮する必要があります。人材も不足している実態がありますので、その手当や対応をしっかり考える必要があるということを申し上げます。
 また、2つ目としまして、医療従事者の養成体制の確保については、今後も各地域で必要な医療提供体制を維持するためには、例えば、各地区の医師会が運営している養成所など、地域に根ざした人材を養成する養成所・学校が存在し続けることが極めて重要です。特に人口の過疎地域においては、以前から指摘もあるように、しっかり将来的な必要数の推計は必要ですが、やはり養成所がなくなれば地域の医療人材の供給見通しが立たなくなります。厚生労働省には、そうした地域に寄り添う人材確保に重点を置いた財政支援の確保に努めるとともに、自治体に対しても各地域でそういった養成所に対する支援が促進されるよう後押しすることが求められます。
 最後に、例えば看護学校等のサテライト化の活用についても非常に有効だと思いますが、現在、補助金としては1校分しか出ていないという現状が実はございます。サテライト化しても、運営にかかる経費はそれぞれかかってしまいますので、しっかりとサテライト用の補助単価を示すなどの対応はお願いします。
 私からは以上でございます。
○山本部会長代理 それでは、続けて、木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 資料2-2の項目1.のタイトルが「医療機関の業務のDX化の推進について」となっておりますけれども、ここはDX化などによる業務の効率化の推進などについてなど、より広いものにしたほうがいいと思います。業務の効率化にはもちろん、DX化は相当有効であることは予測されますけれども、それだけではなく、現場におけるいろいろな工夫、作業動線のこととか業務分担といったコストがそこまでかからない取組も必ずあるはずですので、より包括的なタイトルが適切と思います。御検討をよろしくお願いします。
 さて、1ページ目の(国・自治体による支援等)の5つ目の○のところに、業務効率化や職場環境改善における、医療勤務環境改善支援センターの体制拡充・機能強化を図るとありますが、これはとてもよいアイデアで、ぜひ、その方向性で進めるべきと思います。この医療勤務環境改善支援センターでは、医療現場における人材不足による過重労働や長時間労働の是正など、いろいろな業務において医療機関を支援しています。それはいずれも業務の効率化や職場環境改善につながるものですけれども、これまでは働き方改革、特に時間外労働の上限規制の対応が医療勤務環境改善支援センターの業務のメインとなっていて、なかなか本質的な業務改善の支援までには至っていなかったのが現状です。医療勤務環境改善支援センターには労務管理や医業経営に関する専門家が配置されており、医療機関の現状の課題に応じたアドバイスや改善の計画策定を支援する枠組みがあり、多くの医療機関が自施設での対応が難しい状況において大変頼りになる存在です。もし今後、DX化の推進をメインにするのであれば、そうしたことに詳しい職員を積極的にそういったところに配置することをぜひお願いしたいと思います。
 続いて、2ページ目ですけれども、育児・介護等の事情を抱えて働く人への支援について記載していただきましたけれども、医療や介護の担い手が近い将来、大幅に不足することが予測されている中で、大変適切な記載と思います。もちろん、これは人口減少社会において全産業で実施するべきことではありますけれども、女性職員の割合が多い医療界が率先してその課題に対応して、国全体のほかの産業のモデル・模範となれるよう、ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 では、続けて、井上委員、お願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。
 この医療DXは待ったなしの課題だと思います。今回、この(国・自治体による支援等)というところで、特に効果などのエビデンスの蓄積ということが組み込まれたことは非常に重要だと思います。評価したいと思います。さらに進めますと、こういうエビデンスを蓄積して、その分析を踏まえて、例えば人員配置の柔軟化であるとか、そういうものも同時に進めていただきたいと思います。
 それから、先ほどから、報酬改定も同じですけれども、今後、このDXのコスト、財源の話が出ておりますけれども、この医療DXというものは国としても、これからの日本にとって非常に重要なインフラだと思うのです。単に保険料ということではなくて、やはりこれは国として投資すべき分野だと思います。したがいまして、このDXの対応についてはしっかりと公費による予算を確保して対応すべきだと思います。
 以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 では、勝又委員、お願いいたします。
○勝又委員 ありがとうございます。
 まず、1つ質問なのですけれども、2ページのところの2行目に「タスク・シフト/シェアの実施や業務プロセス自体の見直しを進める」とありますけれども、この業務プロセス自体の見直しというものは具体的にどのようなことを示しているのかということについて、例を示して教えていただけるとありがたいかなと思っております。
 それから、意見ですけれども、前回申し上げましたが、超少子化の中で量の確保というものは非常に重要だと思いますが、看護師国家試験合格者5万5000人を確保するというのは非常に困難な状況にあると想定されます。資料の3つ目の○には「医療水準を維持しつつ、より少ない人員でも必要な医療が提供」とありますけれども、それに対応した記載はその下には見当たりません。より少ない人員で対応するためには、タスクシフトやDXも重要ですけれども、根本的には人員の質の確保、量から質への転換が必要です。修業年限の柔軟化などは、数の確保には役立つかもしれませんけれども、今後の人口減少・高齢化に伴う医療ニーズの質・量の変化や生産年齢人口の減少を見据えれば、量的確保のためだけの養成課程の議論のみに限定せず、もっと根本的に、2040年の看護のあるべき姿、あるいは看護提供体制の在り方について議論することが必要と考えます。
 他の委員からも意見がありましたように、量の確保のみならず、少ないマンパワーで一人一人の看護職がより専門性を発揮していくための方策、地域・領域偏在の是正、それから、勤務環境や処遇の改善などを含めた総合的な検討の場を設置していただいて、早急に検討していただきますよう強く要望いたします。
 以上でございます。
○山本部会長代理 冒頭、質問があったと思いますが、いかがでしょうか。
○医療政策企画官 医療政策企画官でございます。ありがとうございます。
 1点目の御質問の業務プロセスの見直しですけれども、これにつきましては、これまでの医療部会でも御指摘いただいた点だったかと思いますが、今まで、この業務のDX化などに取り組まれてきた病院などを見ていますと、やはり単にICT機器を入れただけではなかなかうまくいかないといったことも報告・指摘をされております。それに合わせて、導入と合わせて、今までの業務のやり方自体を見直していくことが必要ということも今までの経験の中から出てきております。ここで申し上げているのはそういった意味でございます。どういったDX化を進めるか、また、それぞれの病院の実情に応じて、単に今までの中にICT機器を入れるということではなくて、プロセス、業務の在り方自体を見直していただくといったことを書いてございます。
 以上でございます。
○山本部会長代理 勝又委員、よろしいでしょうか。
○勝又委員 ありがとうございました。
○山本部会長代理 では、続けて、内堀典保委員、お願いいたします。
○内堀(典)委員 ありがとうございます。
 まず、最初の○のところに書かれている、支援する枠組みの創設は大病院を中心としたものと考えられますけれども、やはり地域医療を担う小規模な、歯科を含む診療所も含めて、取り残されないような配慮をお願いしたいということが一点。
 そして、もう一点は、3つ目の○ですか。先ほど長島委員が御発言になられましたので、かぶるところで、それは割愛させていただきますけれども、業務の効率化を図る場合における診療報酬上求める基準の柔軟化を検討してはどうかというところですが、歯科医院のように経営の規模が小さいところですと、経済的または人的要素も含めて、こういった医療DXが進むに従って施設基準を通すことができなくなってしまう。特に高齢な歯科医師においては、これについていけない。これはブレーキがかかってしまって、逆に言うと、ついていけない高齢の歯科医師の先生方は辞めてしまいたいというような方向性が、今、見られます。
 そういった中で、僻地等における高齢者の診療所がなくなってしまうと地域歯科医療も提供できないようなことになってしまいますので、こういった急速な医療DXの進行についていけないような高齢者の歯科医師に対する対応、誰も取り残されないような丁寧な議論を重ねていただきたいと思います。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 では、永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。私からは医療機関の業務のDX化の推進に関して申し上げます。
 (国・自治体による支援等)の1つ目と2つ目の○のところになりますが、さらなる推進に向けて、資料にあるとおり、効果の発現には一定の期間を要すると思いますので、国や自治体などから継続的な支援の在り方を検討すること、効果などのエビデンスの蓄積に向けて統一的な基準で必要なデータを収集することは重要と考えます。
 一方で、3つ目の○ですが、業務の効率化を図る場合における診療報酬上求める基準の柔軟化という点については、まずは業務効率化に取り組む医療機関の裾野を広げながら、労働時間の変化、医療の質や安全の確保はどうなのかなどを検証し、エビデンスに基づいて検討すべきものでありますから、この段階で検討するというのは時期尚早ではないでしょうか。議題1でも申し上げましたとおり、人員配置基準の緩和により、現場の負担が増えたり、勤務環境が悪化すれば患者の利益を損ねることにつながりかねないと考えますので、くれぐれも慎重な判断が必要と考えます。
 以上です。
○山本部会長代理 では、続いて、米川委員、お願いいたします。
○米川委員 健保連の米川です。よろしくお願いします。限られた人材で無理なく医療を続けられるようにするために、医療機関がDX化やICTを活用して、積極的に業務を効率化し、労働生産性を高めていただく。これは保険者の立場としても大いに期待しておりますので、この方針で大賛成であります。
 ただ、その際に、どのような効果があったのかを客観的に示すということで、ほかの委員の皆さんからもありますような、どのようなデータを蓄積していくか。ここはまだ具体的な、このデータを集めましょうという段階まで至っていませんから、これは早急にやるほうがいいと思います。さっき勝又委員から業務プロセス自体の見直しをという発言がありましたけれども、まさしく業務プロセスが見えていないのにどこが改善されたのかということは分かりませんから、そこの定義づけというものは非常に重要ですし、急ぐべきだと思います。
 また、その定義に従って出てくるデータ自体は、外から見たとき、患者さんから見たとき、いわゆる説得力のあるものでなければいけないと思いますので、できるだけ分かりやすく、かつ入手に簡単なといいますか、集計に1年も2年もかかるようなものではなくて、簡便に蓄積できるようなものを研究していただきたいなと思います。
 よろしくお願いいたします。
○山本部会長代理 それでは、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 医療現場における人手不足については危機的な課題となっている中、これまでの議論を踏まえ、医療界、そして、国主導でしっかりと取り組んでいく必要があります。その上で、業務のDX化に向け、データ収集を行う場合には、医療機関の業務負担が重くならないよう配慮をお願いしますとともに、導入後の運用コストに対応できる診療報酬等の検討を重ねてお願いいたします。
 また、都道府県の医療勤務環境改善支援センターの体制拡充・機能強化を図る上では、財政面での支援に加え、国全体での取組水準の向上のため、国による技術的支援の強化をお願いいたします。
 タスク・シフト/シェア、養成所等の支援についても同様に、財政面での支援の強化に加え、国による技術的支援を強化するなど、実効性のある施策の構築をお願いいたします。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 それでは、伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 私のほうからは、国策である社会保障自体が継続している限りは、医療従事者の養成だとか確保は国の責務だと考えています。今回は、この提案の中で医療現場あるいは養成校の環境改善に偏るような形で人材確保が提案されていますけれども、現状はもっと根本的な国の対策が必要なフェーズになってしまっています。
 今後、例えば医療職としての仕事のすばらしさの理解を深めるような国民への何らかの啓発、あるいは働きがいの創造など、あるいは外国人医療従事者の導入等、様々な施策が求められているところではないでしょうか。現場の努力だけでは限界があると懸念していることを意見として申し伝えます。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 最後に、私からも意見をさせていただきたいのですけれども、冒頭、小野委員がおっしゃったように、やはり既に急激に進んでいる少子化に対する危機感がこの方向性全体で非常に薄いと私は感じます。新しい地域医療構想で問題になっているのは、2040年に向けて、85歳以上の人口が1.5倍になるけれども、そこで決してピークアウトしませんね。しばらく20年ぐらいは85歳以上の人口が高い状態が続く。ところが、その間に、今から35年ぐらいの間には医療の担い手である年齢層は急激に減少する。そのギャップを一体、どうやって埋めていくのかというところが非常に大きな問題だと思います。
 ここに書かれているのはどちらかというと、医療を魅力あるものにして、他分野からかっさらってくるみたいなことが書いてありますけれども、それよりも、やはり日本全体で考えた場合に、医療に割ける人口というものは当然限りがあるわけですから、そこの今のギャップをどう埋めていくかというと、今あるのは外国人の人材を活用するのか、あとはDXを活用するのかというところにならざるを得ない。そこの危機感をもっと強調すべきではないかと思います。
 それから、これまでの会議で幾つかDXの実際例というものをお示しいただいていますけれども、実際、あれを見て、そのギャップを埋められるようなものがあるかというと、とても無理だ。表現が悪いですけれども、おもちゃに毛の生えたようなものが多いので、やはりそういう新しい技術の推進というところこそ国が積極的に推し進めるべきところではないかなと私は考えるところでございます。
 あと、先ほど来、出ているDXの導入が小規模な診療所あるいは病院もそうですけれども、なかなか導入が難しいというところに関しては、これは私の法人でも同じで、小さい病院はなかなかやれなくて、大きい病院はお金があるのでやっているということ、進むということがありますけれども、ここは何らか、小規模な経営主体であっても連携して、共同で導入できるような仕組みづくりというものは国がつくることはできるのではないかなと思います。
 以上、意見を申し上げさせていただきましたが、まとめて何かございますでしょうか。
○医療政策企画官 医療政策企画官でございます。部会長代理、御意見ありがとうございます。この少子化への危機感といいますか、需給ギャップをどう埋めていくかということでの危機感が薄いという御指摘だったかと思います。
 これについては、改めまして、今日、様々な先生方からいただいた御意見を踏まえて、こちらの資料も修正したいと思いますので、その中でしっかりと反映したいと思います。
 また、このDX化、新技術の推進というものが必要なことだと思っております。これまで先進的に取り組まれた医療機関の中ではしっかりと結果を出されているところもかなりあると考えておりますので、まさにこういったところを我々としては横展開をしていきたいと思っております。ただ一方で、予算にも限りがあるところでありますので、薄まきになって効果が出ないというのはあまりよくないと思いますので、きちんと効率的でしっかり結果が出るような形での財政支援はしていきたいと思っています。
 一方で、いずれは全ての病院・医療機関のほうでこういったものに取り組んでいかなければ、日本社会の問題解決はなかなか難しいと思っていますので、時間はかかるかもしれませんが、そういった方向性で進めていきたいというところは強く思っているところであります。
 すみません。以上でございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、今日いただいた御意見を踏まえて、引き続き検討を進めていただきたいと思います。
 最後の議題でございます。「3.基幹インフラ制度への医療分野の追加について」。この説明をお願いいたします。
○地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進・医務指導室長でございます。資料3の「基幹インフラ制度への医療分野の追加について」を御説明いたします。
 おめくりいただきまして、1枚目でございますが、こちらは前回9月19日に開催いたしました第118回社会保障審議会医療部会での資料でございます。こちらにございますのが、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度という制度全体の概要でございます。
 この基幹インフラ制度というものでございますが、こちらは我が国における基幹的なインフラを提供している事業者、特定社会基盤事業者という形でございますけれども、そういった事業者が基幹インフラ事業を実施するに当たって重要な設備、特定重要設備を導入または維持管理の委託をしようとする際に、事前審査を行うというものでございます。イメージといたしましては、そういった大事なサービスを提供するに当たって必要な設備を導入する際に、そういった設備にバックドアみたいなものが仕掛けられていないかとか、あとは維持管理をする際に不適切な業者に委託していないかみたいなことを事前に審査いたしまして、許可を得た上で導入していく、また、維持管理を委託していくといった仕組みでございます。現在、この基幹インフラにつきましては対象事業が15個指定されてございまして、この中に新たに医療を付け加えるということで検討が進んでいるというところでございます。
 1点付け加えることといたしましては、これはあくまでも当該設備を導入する、または維持管理の委託をするという際の事前審査でございまして、これをクリアしたからといって日頃のサイバーセキュリティ対策を一切する必要がないみたいな話ではなく、日頃のサイバーセキュリティ対策はそれはそれであった上で、特定の設備の導入ですとか維持管理に対する委託の部分の事前審査が入っているといった立てつけでございます。
 おめくりいただきまして、2ページ目でございますが、前回の御議論の中で、この基幹インフラ制度への医療分野の追加につきまして、個別の医療機関と、あと、医療DX、2つの論点について御議論いただいたところでございます。
 後段の医療DXにつきましては、こちらは医療DXの推進に当たって中心的な役割を果たしていただいております社会保障診療報酬審査支払基金を特定社会基盤事業者、そして、その支払基金が提供している電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋管理サービス、オンライン資格確認等システムに関する設備を特定重要設備とすることを念頭にする方向で、制度改正に向けた検討を進めるという形で御議論いただいております。
 もう一方の個別の医療機関に関しましては、そもそもの個別の医療機関が他の分野に比べますと事業規模が比較的小さいということでございますとか、医業収入は公定価格であることから、特定社会基盤事業者としての対応が負担となり得ることに留意しつつ、引き続き精査をする、また、設備につきましても引き続き精査をするということになってございました。
 3ページ目からは今回の新たな資料でございまして、個別の医療機関の検討につきまして、事務局において一定の整理を行ってございます。
 1つ目の○でございますけれども、個別の医療機関の対象範囲につきましては、事業規模でございますとか、代替可能性、救急医療や災害医療の拠点及びそれらのバックアップとしての機能などを総合的に検討いたしまして、特定機能病院を念頭に指定することとしてはどうかと考えてございます。
 もう一つ、2つ目、指定の範囲の考え方でございまして、指定の範囲の広げ方についてでございまして、下のほうにある○でございます。こちらは、具体的に指定する病院は、特定機能病院の事業規模でございますとか、その他、機能を踏まえて選定することといたしまして、また、いずれにしても事業規模がやはり小さいということは事実でございますので、十分な準備期間を確保するなどの観点から、まず、改正法施行時には1地方に少なくとも1病院、そこから3年度目までに各都道府県につき1病院といった形で徐々に拡大していくということを想定してございます。
 4ページ目につきましては、こちらは設備についてでございます。
 設備につきましては、主に検討する観点として2つございまして、1つ目は、当該設備が停止した場合の社会的混乱の規模。もう一つは、まさに患者の生命に直結するか否かといった観点で、ここに書いてございます電子カルテに関する設備や、手術部門に関する設備、集中治療部門に関する設備から、こういったものの中から指定する方向で引き続き精査をしたいと考えてございます。
 5ページ目からは参考資料でございます。こういった内容につきまして御議論いただければと思っております。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 この件に関して、御意見、御質問いただきたいと思いますが、まず、フロアはいかがでしょうか。
 では、小野委員、岡委員、続けてお願いします。
○小野委員 御説明ありがとうございます。私は、特定機能病院とすることについて基本的に賛成でございまして、また、医療機関の負担を考えて、なるべく少ない範囲というのも理解いたします。
 最後のとりでという趣旨を鑑みれば、今後、改正法施行時に、1地方につき少なくとも1病院で、3年目までに各都道府県につき1病院で、場合によっては複数という方針も賛同いたしますが、順次、指定というところの順次のプライオリティーに関しましては、事業規模、事業所数の多い病院ということもあるかと思うのですけれども、この地域分布という中に、例えば人口の問題であるとか安全保障上の要衝であるかというような要素も入れて検討いただくのがいいのではないかと考えました。
 私の意見を申し上げました。ありがとうございます。
○山本部会長代理 では、岡委員、お願いします。
○岡委員 私も、この特定機能病院から始めるということには賛同いたします。
 その理由として、従来の特定社会基盤事業者を見ますと、この15は、電気、ガス、石油と、非常に大きな組織でございます。その点、やはり病院は小規模でありますので、ここは慎重に進めたほうがいいということ。
 それと、実際に始めてみると、どれだけ病院が事務的手続の負担があるかも分かりませんし、あと、審査した結果、サイバー攻撃等に対する対応がかなり大きなものになると、コストが増大することが予想されます。そうすると、当初はベンダーが負担すると思いますが、結局は最後、その負担は病院に来るということでございますので、これはあまり多くの病院で一気に始めますと、やはりコストの増大が予想以上にかかる、病院に来るということで、今の病院の経営状況を考えても、まずはスモールスタートということで、特定機能病院、しかも、まずは1地方から1病院というものに賛同しております。
 その中で、この1地方で1病院選ぶときに、あと、今、小野委員からも御意見ありましたけれども、もう一つが、これは新たなシステム導入ですが、恐らく電カルの更新ということになると思うのです。そうすると、既に特定機能病院がいつ電カルを更新したかというものは分かると思うのです。大体6年ごとなので、そこを見ながら全ての需要が一気に電カルの更新のタイミングで選んでしまうと大変になると思うので、そこは電カルの更新の時期、各病院、特定機能病院を見て、地方ごとに年間2病院ずつとか、そういうものはスモールスタートでぜひやる。
 その結果、病院の負担はどれぐらいあるかということを検証して、まずは各都道府県で1病院指定、そしてその後、災害拠点病院とか三次救急の病院とか、そういうものまで広げるということで、まずはスモールスタートということには賛同したいと思います。ぜひ慎重に進めていきたいと思います。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 神野委員はよろしいですか。
○神野委員 はい。
○山本部会長代理 それでは、ウェブで御参加の伊藤委員から御発言をお願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございました。
 今、小野委員、岡委員から発言されたとおりでありますけれども、これは特定機能病院を追加することに対しては賛同するわけでありますけれども、本制度の病院の参加というものは、病院にとっては安心・安全ということになるわけでありますけれども、現在、地域の病院、特にここで示されている救急とか災害医療の拠点になっている病院といいますのは経済的にも、それから、人材的にも非常に厳しい状況、経営の危機に直面しているところでございまして、このタイミングで新たな役割を担うというのはやはり大きな負担になるだろうと考えております。
 現在、厚生労働省からサイバーセキュリティーの対策が示されているところでありますし、これを進めているところでもありますから、まずは特定機能病院に限定して対応してもらって、その効果を十分に検証・確認した上で対象医療機関を拡大すべきだと考えます。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 続けて、長島委員、お願いします。
○長島委員 医療DXに関してもサイバーセキュリティーに関しても医療機関には3つ足りません。知識・人材・財源です。これは特定機能病院、大学病院においても、他の医療機関よりは足りていますが、他の分野、基本インフラの分野の大規模と比べると比べ物になりません。ただし、ほかの小規模な医療機関よりは十分あるということで、特定機能病院をまず指定するというのは合理的かと思います。
 一方、やはり知識・人材・財源が足りませんので、ここは国がしっかりと支援する。このときに、むしろ、このことを積極的に活用して、しっかり国が支援して、地域のサイバーセキュリティーの中核施設をしっかり各地につくっていく。そして、それを進める上で、各都道府県にも1つずつ、サイバーセキュリティーの中核施設をしっかりつくって、それが地域を様々な支援をしていくとポジティブにぜひ進めていただきたいと思っております。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 それでは、石飛委員、お願いします。
○石飛委員 私は、前職で病院の情報システム部門に勤めておりまして、電子カルテの更新等も経験したことがございます。、そういう意味で、現場を知る者の一人として御発言させていただきたいと思います。
 先ほど来、お話がありますように、本制度の適用となる鉄道等の大規模事業と異なり、医療分野は極めて多数の、個々の事業者の集合体です。そこでは当然、セキュリティーの考え方も事業者ごとに異なりますし、サイバー攻撃に対するサービス継続の対応方法、その考え方も実はまちまちでございます。電子カルテが停止しても一定程度の医療サービスが提供できる、そうした対策をとっている病院もあるわけでございます。
 さらに言いますと、例えば電子カルテシステムが、今回対象に挙がっておりますが、実際には、いわゆるプログラムやサーバー以外にも、ネットワークやそれに接続する端末機器など、極めて幅広い範囲になってまいりまして、セキュリティーの維持という意味で対象範囲を限定していくことが非常に難しいと思っております。、仮にこういう形で設定されますと、特定機能病院といえども、追加された影響はかなり大きいのではないか。まして一般病院はこれに対応することは難しいのではないかと考えており、大変慎重な検討が必要な事項であると認識しております。
 そうした中で、ある程度のサービスを維持していくという意味では必要性は感じておりますので、他の業種とは異なるアプローチ、相当程度の期間をかけながら、順次、セキュリティーの強度を高めていくというような視点が必要ではないかと感じております。例えば、まずはネットワークを構成する機器から行うとか、あるいは国が安全性を確認した機器について導入促進を図るといった、別の視点での対応も御検討いただく必要があるのではないかと感じております。
 以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。御提案の方向に異論はございません。
 医療機関に加えて、支払基金においても過度な負担とならないように、現場の声を踏まえながら対応いただければと考えます。
 以上です。
○山本部会長代理 それでは、続けて、米川委員、お願いします。
○米川委員 健保連の米川です。今回の御提案は、国の責任で最後の砦を維持することが趣旨と理解しております。その意味で、通常のサイバーセキュリティのレベルとは違うわけですから、その対象となる範囲というものはまずは絞った上で選定するべきだと考えています。事務局からの御説明であれば、特定機能病院の中でも、特に大規模で広域をカバーする病院に絞って指定するということなので、妥当な対応だと思います。
 また、その特定重要設備の中の個々の設備においても、まず、患者さんが重篤な状況に陥ることがないようにということから、絞って徐々に広げていくということが望ましいのではないかなと思います。最初から何でもかんでもとか広範囲にとかということで広げ過ぎるとかえって患者を守れなくなると思いますので、慎重に進めていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○山本部会長代理 それでは、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。対象医療機関の範囲について、総合的観点から特定機能病院を念頭に指定することはおおむね理解いたします。
 一方、対象医療機関となる特定機能病院は、公定価格であります診療報酬が収入の中心となることから、基幹インフラ制度に基づく特定重要設備の導入に伴うコスト増など、新たに生じる負担に対しては十分な支援が必要です。
 私からは以上です。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、これは私からも元大学病院の病院長としての立場で発言させていただきたいと思いますけれども、確かに大学病院・医療機関の中では相対的に事業規模が大きいとは言えますが、ただ、実際には300億円から400億円規模ですので、ほかの基幹インフラ産業と比べたら明らかに1桁も2桁も事業規模は小さいということは、まず、皆さん御留意いただきたいなと思います。御承知のように、非常に大学病院は経営が苦しい状況に追い込まれておりますので、その中でまたさらにこういう負荷をかけるということで、やはりそれなりの処置を、対策を取らないと、とてもではないけれども、対応できないのではないかなと考えます。
 あと、これは質問ですけれども、例えば電子カルテを守ろうとすると、これは10ページの参考の構成図を見て分かるとおり、いろいろなシステムがぶら下がっていて、従来、これまでのいろいろなサイバー攻撃を受けたところはみんな、このシステムの末端から入られています。そうすると、バックドアを守るとなるととんでもないことになる。どこからどこまで守ればいいのだという話になりますが、この辺はどうやっていくとお考えなのか伺いたいのが一つ。
 それから、大体、大学病院も6年から7年、経営状況においては少し延ばして、8年から9年でリプレースを行いますが、その際には相当な、2年とか3年の準備期間をかけて、次のシステムをどうするかという選定を行っていきますが、そのスピード感とこの制度のスキームのスピード感というものはどう合うのか。つまり、かなり時間をかけて選んだのに、いや、それでは危ないから駄目ですと言われるととんでもないことになりますので、その辺のスピード感についてもお伺いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長 御質問ありがとうございます。
 システム構成図の中でどの部分を守っていくのかということにつきましては、まさに今後検討させていただければと思ってございますけれども、この制度自体は特定のサイバー攻撃を、日常的に起きているサイバー攻撃を防ぐというよりは、特定のシステムにバックドアが仕込まれていないかということでございますとか、あとは保守管理が適切に行われるかといった観点で行うものでございますので、基本的にはシステム自体が止まったときの影響、個別のシステムが止まったときの影響というものを中心に考えていくのかなと思ってございます。
 もう一点、準備にかかる期間と、あと、本制度のスピード感との関係ということで御質問を頂戴いたしましたが、本制度自体、届出をいただいてから30日以内に結論を出すという部分はございますけれども、事前に御相談いただくということをあらかじめ想定してございまして、既に行われているものにつきましても、システム導入の審査が始まるより前の段階で一旦御相談いただいて、適切にコミュニケーションを取りながら進めているというものでございます。
○山本部会長代理 ありがとうございます。
 特定機能病院の要件の見直しの中でも、またいろいろ要件が乗っかってきている中で、さらにこういうこと、特に財政的な裏づけなしにいろいろかぶさってくると本当に大学病院は死んでしまいますので、十分な御配慮をいただきたいと思うところでございます。
 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の意見を踏まえた上で、引き続き御検討をよろしくお願いいたします。
 本日用意した議題は以上でございますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○医療政策企画官 次回の医療部会につきましては、12月8日に開催させていただきます。
 以上です。
○山本部会長代理 皆様、円滑な議事運営に御協力いただきましてありがとうございます。無事、時間内に収まりました。
 それでは、本日の会議はこれで閉めさせていただきます。
 どうもありがとうございました。