第120回社会保障審議会医療部会 議事録

日時

令和7年10月27日(月)14:00~16:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム 7階 大ホール

議題

  • 医療機関の業務効率化・職場環境改善の推進に関する論点について
  • 医療法人の経営状況について
  • 令和8年度診療報酬改定の基本方針について

議事

○医療政策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第120回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、委員の先生方につきましては、あらかじめオンラインまたは現地会場での参加を御選択いただいた上で御出席いただいております。
 委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、内堀雅雄委員、佐保委員、望月幹也委員より御欠席との御連絡をいただいております。
 医療部会の総委員数は24名で、定足数は3分の1の8名でございます。本日は21名の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、松田委員より遅れての御参加との御連絡をいただいております。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1、資料2-1、資料2-2、資料3、参考資料としまして、参考資料1、参考資料2-1、参考資料2-2、参考資料2-3でございます。御準備いただければと思います。
 報道の方で、カメラ撮りをされている方がおられましたら、ここまででお願いしたいと思います。
 では、以降の進行を遠藤部会長にお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 皆様、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、代理出席についてお諮りしたいと思います。
 本日御欠席の内堀雅雄委員の代理としまして、玉川参考人。
 また、佐保委員の代理としまして、永井参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 最初の議題が「医療機関の業務効率化・職場環境改善の推進に関する論点について」でございます。
 事務局から関連資料の説明をお願いいたします。
○医療政策企画官 医療政策企画官でございます。
 それでは、資料1について、御説明させていただきます。
 「医療機関の業務効率化・職場環境改善の推進に関する論点」でございます。
 これにつきましては、9月19日の医療部会においても、医療機関の経営状況や人手不足に関する状況の基本的なデータをお出しして、御議論いただいたところであります。
 今回、さらに追加のデータ資料をお出しして、また、論点も提示させていただいて、議論していただくものであります。
 1~4ページまでが、人口動態に関する資料でございます。
 2040年に向けまして、65歳以上人口がピークになっていく。
一方で、15~64歳人口は減り続けていくということでございます。
 また、2ページ、3ページ、4ページでは、地域に着目した状況をおつけしております。
 特に4ページを見ていただきますと、人口減少の度合いの地域差がかなり顕著でございます。
 二次医療圏ごとに見た場合でも、人口減少の度合いが数%から30%の違いまであるということでございます。
 5ページ、6ページは、2019年に厚生労働省がまとめました「医療・福祉サービス改革プラン」の概要をおつけしております。
 今申し上げた2040年を展望した人口の変化を見据えて、医療・福祉サービスを改革していくということで、5ページの右下を見ていただきますと「2040年時点で、単位時間当たりのサービス提供を5%(医師は7%)以上改善」するという目標を立てて、それに向けて取組を進めてきたものでございます。
 7ページでございます。
 こちらは、今回の新しい資料になりますが、令和7年労働経済白書からの抜粋でございます。
 日本と主要国の医療福祉業での生産性投資についての分析結果でございます。
 右下の「図2」というグラフを見ていただければと思いますが、医療・福祉、卸・小売、宿泊・飲食という労働集約型産業での実質労働生産性の上昇率を比較したものでございます。
 日本は、主要国と比較して、その上昇率が低いという結果となってございます。
 ただし、これにつきましては、各国のデータの取り方によって、かなり差がありますので、結果については、一定の幅を持って見る必要があると考えております。
 8ページからは、各医療職種の養成校の状況の資料をおつけしております。
 8ページ、9ページ、10ページが、看護師に関するものでございます。
 養成所と大学におきまして、近年、充足率が低下傾向でございます。
 特に9ページ、10ページは、それを地域別に見たものでございます。
 かなり地域差があるところではございますが、低い地域では、特に看護師養成所については、50%台となっているところもあるという状況でございます。
 11ページは、看護業務補助者でございます。
 こちらも近年、従事者数が減少傾向でございまして、確保が困難になっている現状があるということであります。
 12ページは、看護師養成所の設置者変更の事例でございます。
 沖縄県名護市の事例でございますが、もともと北部の医師会が運営していた看護学校がございましたが、それを公立大学法人名桜大学の附属の看護学校に設置者を変更したという事例でございます。これによりまして、学費の負担軽減、教育環境の充実、地域への貢献といったことを期待されているものでございます。
 13ページから、歯科衛生士、歯科技工士の同様の養成施設の充足率の変化でございます。
 こちらも近年、低下傾向が続いております。
 また、地域別の状況も15ページ、16ページにおつけしております。
 17ページから、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の同様のデータでございます。
 傾向は大体同じでございまして、定員充足率は低下傾向でありますし、また、地域差もかなりある中で、低い地域においては、50%を切っているところも増えている状況でございます。
 23ページでございます。
 こちらは、文部科学省の資料でございますが、大学進学者数などの将来推計でございます。
 18歳人口が既に減少局面にずっと入ってきておりまして、一方で、大学進学率が上昇傾向でありましたので、トータルとしての大学者数が増えてきていましたが、2026年以降は、大学進学者数も減少に入っていくと予測されているものでございます。
 24ページ、25ページが、医師事務作業補助者に関する資料でございます。
 診療報酬の医師事務作業補助体制加算の算定医療機関の数が増えていっておりますが、25ページでは、医師事務作業補助者は、必要数の確保ができていないというアンケート結果が出ておるということでございます。
 26ページ以降、特定行為の研修制度に関する資料を幾つかおつけしております。
 27ページは、特定行為研修指定医療機関の研修機関数とか、修了者数の推移でございます。
 修了者数については、2025年で1万3887人ということで、増えてございます。
 28ページは「特定行為の実施状況」でございますが、アンケート結果では、約7割が手順書に基づいた特定行為を実施しているという結果でございました。
 特定行為の研修制度につきましては、今年9月にワーキンググループを設置して、効率的・効果的な研修、または特定行為の内容の見直しについて、議論を開始したところでございます。
 30ページからは、業務の効率化に関して、これまでお出ししてきた資料などを中心につけております。
 新しい資料としては、32ページでございます。
 こちらは、愛媛県のHITO病院の事例でございますが、複数のICT機器、または多職種協働のセルケアシステムの導入などによって、看護業務の効率化、質の向上に取り組んでいる事例でございます。
 33ページ以降も、看護業務の効率化の例でございますが、看護業務の内容を類型化しまして、それぞれごとに対応するICT機器による効率化の事例として整理し、お示ししたものでございます。
 38ページ、39ページでございます。
 医師事務作業補助者に関するものでございます。
 以前の医療部会で、看護業務以外の効率化の事例をお示しいただきたいという御指摘がございましたので、医師事務作業補助者の業務効率化の例としてお示ししているものでございます。
 特に39ページを見ていただきますと、生成AIなどを活用した医師事務作業の負担軽減についてということで、医師の作業はもちろんのこと、医師事務作業補助者の退院時サマリとか紹介状などを下書きする作業が効率化されるという結果が、幾つかの病院で確認されているところでございます。
 40ページからが、都道府県医療勤務環境改善支援センターの資料でございます。
 こちらも、以前の医療部会で、国や都道府県によるさらなる支援体制の構築が必要という御指摘をいただいておりました。
 各都道府県に医療勤務環境改善支援センターを設置し、各医療機関への助言・指導などを行っていただいております。
 40ページを見ていただきますと、具体的には、医療労務管理アドバイザーとか医業経営アドバイザーを配置して、医療機関からの相談に応じる形で運営されております。
 医療法にも根拠がございます。
 41ページに医療法の抜粋をつけておりますが、第30条の21にこの根拠が設けられているものでございます。
 具体的な活動状況の資料を43ページ、44ページにおつけしております。
 これは一部の抜粋でございます。
 後ろの参考資料には、もう少し活動状況の詳細をつけておりますが、43ページは、医業経営アドバイザーの配置の状況、活動状況をまとめたものでございます。
 医業経営アドバイザーについては「スポット対応」が7割以上となっております。
 また、配置の人数についても、1~2人が多い状況になってございます。
 44ページに取組内容をつけておりますが、右側の「相談・個別支援の内容」を見ていただきますと、経営改善に関するものとか、タスク・シフト/シェアに関するもの。
 また、真ん中のほうに行っていただきまして、業務効率化、ICT化の推進に関する助言といったことにも取り組んでいただいているところであります。
 45ページ、46ページは、これまで3回の医療部会で、業務効率化・職場環境改善に関していただいた御意見をまとめたものでございます。
 【総論的ご意見】としましては、これから人手を確保するのがだんだん難しくなっていく中で、DX化を進めていく必要がある。
 また、それだけではなくて、働き方改革、医療の質、安全の確保のためにも進めていく必要があるという御意見。
 それから【必要な支援に関するご意見】としましては、今の病院の経営状況では、こうした投資をする余力がないということで、十分な財政支援、あるいは診療報酬上の評価が必須だという御意見もいただいております。
 医療の現場に負担をかけないようなやり方に十分配慮していただきたいという御意見などもいただいております。
 46ページをお願いいたします。
 そのほかにも、ルールや基準の見直しに関する御意見もいただいております。
 人員配置基準が足かせになっているのであれば、その見直し、緩和を検討いただきたいという御意見。
 または、その情報の標準化を進めるべきだという御意見などもいただいております。
 また、エビデンスを積み重ねて、ルールの見直しにつなげていくべきという御意見をいただいております。
 また【タスク・シフト/シェア、多様な働き方の促進等に関するご意見】もいただいております。
 限られた人材で安全かつ効率的な医療を提供するには、タスク・シフト/シェア、ICTの活用、多職種連携が必要という御意見。
 それから、医師の時間外労働の上限規制ばかりではなく、多様な働き方の選択肢をもう少し導入して、担い手を増やす取組を進めていくべきという御意見をいただいております。
 47~49ページまでが、今回の御議論いただく論点でございます。
 47ページは、今、データとしておつけしてきたような現状から課題認識をまとめたものでございます。
 2040年に向けて、高齢者人口がピークを迎える。
 一方で、就業者数は現在よりも多く見込まれていくわけですが、足元でも人手不足の状況にあるということ。
 また、生産年齢人口の減少については、各地域によって、かなり状況が異なるということであります。
 我が国におきましては、十分な省力化投資、デジタル化が進んでおらず、他の先進国と比べても、実質労働生産性の上昇率が低水準であるとの分析もあります。
 今の医療機関の経営状況では、こうした省力化投資を行うだけの余力がないという指摘も多くいただいておりますが、そうした中でも、先行投資を行って、業務のDX化、タスク・シフト/シェアを積極的に実施している医療機関もあると。また、それによって超過勤務の減少、職場満足度の向上といった結果につなげている事例も出てきております。
 厚生労働省では、2019年に、先ほど見ていただきました「医療・福祉サービス改革プラン」を取りまとめて、2040年のサービス改善目標を掲げてやってきておりました。
 また、今年6月にも「省力化投資促進プラン」を医療も含む12業種で策定して、今後、さらに生産性向上の取組を進めていくとしたところであります。
 数年前の状況と比べまして、足元での医療従事者の不足状況はさらに悪化しております。
 また、新型コロナウイルス感染症による医療需要の動向の変化、物価・賃金の上昇など、医療機関を取り巻く状況はさらに変わってきています。
 生成AIやロボット技術など、省力化に資する技術の進歩も著しいことを踏まえまして、さらなる業務効率化・職場環境改善の取組を進める必要があるのではないかと考えております。
 48ページ、49ページで「具体的な論点」として(1)~(4)まで整理しております。
 「業務のDX化の推進について」は、今申し上げたとおりでございますが、これまでいただいた御意見の中でも、人員配置基準の緩和の検討が必要ではないか。
 また、適正な価格でICT機器を導入できるような環境整備が必要。
 また、国、自治体によるさらなる支援体制の構築が必要といった御指摘をいただいております。
 こういった御指摘も踏まえまして、今まで積極的に取り組んでこられた医療機関が、さらにその取組を加速化させるとともに、業務効率化に取り組む医療機関の裾野を広げ、医療界全体での実効ある取組とするために、どのような支援や制度的枠組みが必要か。
 こういったことを御議論いただければと思っております。
 「(2)タスク・シフト/シェア推進等について」でございます。
 看護師の特定行為研修制度については、本年9月にワーキンググループを設置したところでございます。
 ここでの議論も踏まえまして、さらに特定行為研修を修了した看護師の活躍促進に向けて、どのような取組が必要か。
 それから、タスク・シフト/シェアですが、こちらもかなり取組を進めてきていただいておりますが、これらのさらなる定着化に向けて、どういったことに取り組むべきか。
 また、いわゆるD to P with Nといったオンライン診療を適切に普及・推進していくために、どういった対応が考えられるか。
 49ページでございます。
 (3)が、養成体制の確保でございます。
 前半のデータを見ていただきましたとおり、多くの医療関係職種で養成校の定員充足率が低下傾向でございます。
 また、18歳以上人口が、地域によってはかなり急激に減少していく予測もございます。
 そうした中で、医療職種を目指す若者が、地域において安定的に教育を受けられる体制を確保することが重要ではないかと考えております。そのため、例えば遠隔授業の活用、また、養成校の実情に応じたサテライト化の活用など、学習環境の整備を図る必要があるのではないかと考えております。
 こうした施策を含めまして、医療従事者の需給の状況も見通しながら、養成体制の確保のために講ずることが考えられる施策のメニューを国と県で整理していくことが必要ではないかと考えております。
 (4)が、医療従事者確保の環境整備でございます。
 医療従事者の確保が難しくなっていくわけですが、現在、医療から他産業への人材流出なども進んでいるという指摘もございます。今働いておられる方が、医療の現場に定着して、また、今後も就業者が安定的に医療分野へ参入してくる環境を整備する必要があると考えております。
 これまでも勤務環境改善に取り組んできたところでございますが、他産業との遜色ない賃上げを継続的に実施できるようにすること。
 それから、より少ない人員でも、必要な医療が提供できる環境整備を進める必要があるのではないかと考えております。
 最後になりますが、意欲や能力、ライフコースに合わせて働き方・キャリアを選択できる。
 また、地域において、医療職種の活躍の幅が広がる。
 それから、若者、社会人にとって、医療関係職種がより魅力あるものとなるように、各職種の状況に応じた養成課程を含めた環境整備が必要ではないかと考えておりますので、この点についても御議論いただきたいと考えております。
 資料の説明は以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 前回の資料にさらに新しい資料を加えた御説明と、48ページ、49ページに、事務局としての論点を掲げております。
 これに関連しまして、何か御質問、御意見等があれば、いただければと思います。
 まずは、会場の御参加の委員からお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 岡委員、どうぞ。
 続きまして、山本部会長代理、どうぞ。
○岡委員 ありがとうございます。
 日本病院会の岡と申します。
 非常によくまとめていただいたと思いますが、まず、47ページの2番目に、我が国は、他の先進国と比べてデジタル化が進んでいない、その結果、医療福祉業の実質労働生産性の上昇率は低水準であると。
 また、先行投資を行っている病院においては結果を出していると書いてありますが、このことは何を意味しているかというと、我が国が遅れた原因は、DXへの先行投資を医療機関任せにしたことが大きな原因ではないかと。やはり国が率先して行っていかないと進まないことを示していると思います。
 そういう意味で、48ページの「業務のDX化の推進について」ですが、もちろん、今、国が医療DXとして電子処方箋、あるいは電子カルテの情報共有をしていると思いますが、こういう医療DXが必要なことは重々承知していますが、医療機関の業務効率化にはあまり役に立っていない、逆に負担が増えている現状であります。
 病院での業務効率化は、医療DXではなく、病院DXということで、医療DXと病院DXを切り分けて考えていただきたいとお願いしたいと思います。
 そして、病院DXで私が一番必要だと思うのは、成功事例でもありますが、医療用スマホの今後の導入が必要だと思います。
 一般社会でも、ガラケーからスマホになり、スマホがなければ何もできない世の中になってきたということで、恐らく、間違いなくこの数年以内に、病院でも医療用スマホがないと業務の効率化、あるいは医療従事者の負担軽減、さらには医療安全の確保もままならない状況になると予想されます。
 そして、医療用スマホの導入、これは先行投資になると思うのですが、この先行投資を医療機関が個々に行うのは限界があると思うので、ぜひ国が先行投資として、医療用スマホを全国に普及させる。特に病院です。
 そのための財政支援を含めた施策をぜひ考えていただければと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、山本部会長代理、よろしくお願いします。
○山本部会長代理 私は、48ページ、49ページの「具体的な論点」に沿って、幾つか意見と質問を挙げたいと思います。
 1つ目は、業務のDX化の推進について、余力がないと書いてあって、積極的な投資を進めたいということも書いてありますが、そもそも投資は、リターンが見込めて、初めて投資するのだと思います。
 診療機器をそろえるところを考えていただければ分かるように、5億で機械を買った、それに対してどれだけのリターン、増収が、もちろん、ちゃんと5億が償還できるのに加えて、あとどれぐらいリターン、プラスがあるのか。1億、2億増える、患者が増えるとか、いろいろな診療内容が上がるとか、そういうリターンがあって、初めて投資は成立する。
 ところが、DX系は全然見込めないわけです。むしろ持ち出しで終わってしまう。
 要するに、例えばDXを進めて、それで人件費が幾らか、これぐらい減るとか、そういうものが見込めれば、我々も積極的に投資しますが、今、全てがちがちに固められている状況では、全くそれが見込めない。ここで投資しろと言われても、それは無理。たとえ経営に余裕が出たとしても、よほど余裕が出ない限り、無理だと思います。
 最初のほうに、看護業務の効率化というところで幾つか例示をしていただいていますが、これもカタログというよりは目次程度のもので、これを見て、では、これをやってみようかということには、とても病院経営者はならないと思います。
 具体的にこれで時間外手当がどれぐらいその病院で減らせたのかとか、そういう具体的な投資に結びつくような数字を、いろいろと補助金事業でおやりになっていると思いますが、そこまで見えるような形で見せられないのか、そういうデータをお持ちでないのかと。そこは質問としてお伺いしたいと考えます。
 次に、特定行為研修の部分ですが、人数が増えていると書いていらっしゃいますが、重要なのは、特定行為を実際にどれぐらい行っているかだと思います。
 我々の現場でも、研修は終わったけれども、病院の体制その他が整わない、あるいは人数が少ないとかで、実際に研修した内容をやっていないことも多く見られますので、この辺は厚労省として、実際にどれぐらい現場で手を出しているのかというところをきっちり把握できているのかどうか。ここをお伺いしたいと思います。
 それから、今、希望者はなるべく多く募るようにしていますが、若手の看護師などでは、責任が重くなるのに、処遇はよくならないではないか、何でそんな大変なことをしなくてはいけないのだという声が現実にかなり出てきています。
 我々も、処遇改善でどんどんここを手厚くしようとしますが、診療報酬が追いついていない、財源がないでしょうと。ここを手厚くしたいのだけれどもと言っても、理事長、財源はありませんからと言われるのが落ちで、ここをやりたいのだけれども、責任は重いし、処遇もよくならないしというところのギャップを埋める必要はあるかと思います。ここは意見でございます。
 あと、医療従事者の養成体制の部分なのですが、今回御提示いただいた資料は、あくまでも学校の定員に対する充足率ですね。
 学校の定員は、学校経営者が経営も考えた上での定員設定でありますので、決して必要数ではないと思います。
 特に、2040年まで85歳以上が増えますが、その後、社会全体がしぼんでいく中で、どれぐらい将来的に育てる必要があるのかという数字をしっかりと出す必要があるのではないか。
 逆に、あまりたくさんつくってしまうと、2040年が過ぎた後、どうやってその人たちを医療で支えて養っていくのかという問題が出てきかねない。その辺の数字の検討について、今、厚労省はどのように進めておられるのか。これが質問でございます。
 あと、ちょっと戻りますが、医療DXに関しては、今のようなやり方だと、やれるところはやる、でも、やれないところは全く手が出せないという状況で、この状態を続けると、ただ単に医療機関の格差が広がるだけですから、ぜひそこはボトムをそろえる、ボトムを上げるという観点で、いろいろな施策を考える必要があると思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 重要な御指摘をいただいていると思います。
 事務局に質問がありましたので、質問についてお答えいただければと思います。
 また、質問以外でもいろいろと御発言がありましたので、もしコメントがあれば、追加でお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○医療政策企画官 医療政策企画官でございます。
 山本委員からいただきました、DX化のリターンについての御質問だと思います。
 こちらは、必ずしも網羅的に把握できているわけではありませんが、今、モデル事業などを国が進めてきて、それで分析できていますのは、どちらかというと時間外労働、超過勤務時間がこれぐらい減りましたとか、それぞれの行為で今まで何分かかっていたのが、これぐらい短くなりましたというところが中心になっておりまして、それによる超過勤務手当の額とか、経営状況がどう変わったかというところのデータは、必ずしも十分には分析できていないという現状だと思っております。
 特定行為については、お願いします。
○看護課長 看護課でございます。
 特定行為研修については、実際に特定行為を実施した数が重要ではないかという御指摘をいただいたかと思うのですが、数について、今のところ把握しているような状況ではありません。
 なぜかといいますと、例えばPICCとかドレーンの抜去、動脈血採血といったものについては、行為の実施数も非常に重要で、活動の指標ともなり得るかと思うのですが、脱水時の輸液の補正とか、精神及び神経症状に係る薬剤投与関連などは、全身をよく観察して、その人に合ったケアを実施する。
 例えば脱水であれば飲水を促すとか、日常生活の調整をするとか、そういったことで輸液を行わないとか、薬を使わずに済むといったことも実際にあるので、実施数だけでは、活動を評価することはなかなか難しいと考えております。
 ただ、議論に資するようなデータについては、引き続き収集していきたいと思っております。
○医事課長 医事課長でございます。
 先生からの最後の御質問であります、医療従事者の必要数の推計の件であります。
 先生が御指摘のとおり、将来の需要をどのように考えていくのかについては、私どもも課題として受け止めております。
 例えば今、新しい地域医療構想の検討とか、今日でも、業務効率化の取組等の検討も論点になっておりますので、今後、どのように推計していったらいいのか、検討を行う必要があると考えております。
 一方で、現在の養成校の充足率も、地域で非常に厳しい状況ということもありましたので、その安定的な確保の観点から、当面、どういったことができるのか。今回、こういったことを論点に提示させていただいたという経緯でございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 山本部会長代理、いかがでしょう。
○山本部会長代理 特定行為の件数の把握の件ですが、うちの法人では、もちろん養成者の数、修了者の数も中期目標に入れていますが、今、実際の件数も入れています。
 どのように把握しているのか、細かいところまでは分かりませんが、実際にどれぐらいやっているかは、本来のタスク・シフト/シェアに資する点では重要だと思いますので、この辺はぜひ御検討を進めていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、勝又委員、小野委員の順番でお願いいたします。
○勝又委員 ありがとうございます。
 少し長くなりますが、御容赦いただきたいと思います。
 どの医療関係職種も養成が厳しい状況です。それぞれの職種が専門性を発揮するために、勤務環境の改善、DX、タスク・シフトなどによりまして業務の効率化を推進することは、論点のとおりだと思います。
 ただし、人員配置基準の緩和の検討については、DX等の効果を十分に検討してからにしていただきたいと思います。
 また、他産業と遜色のない賃上げの継続的な実施と併せまして、看護職の地域偏在対策や、潜在看護職の確保として、その発掘と復職支援などを強化するため、ナースセンターの大幅な予算の増額が必要です。基金の対象になっているなどとして、自治体に丸投げするのではなく、国として責任を持って確保していただくよう、強く要望いたします。
 さらに、特定行為研修は、本会においても推進していますが、今後は、共通科目を基礎教育や新人研修で学ぶようにするなど、現在の制度を見直して、加速的に増加させることも必要です。
 次に、論点(3)に示されていますように、養成所において遠隔授業の活用やサテライト化を推進したとしても、18歳の方々は、養成所ではなく、大学を希望している実態に変わりはありません。養成所への受験を希望する者の減少は顕著で、2015年には延べ数で約8万7000人が、2024年には約3万5000人と、半数以下となっております。さらに深刻な定員割れが進み、質の低下が懸念されます。
 一方で、看護系大学の受験者数は、養成所ほどの低下は見られておりません。そのため、大学のサテライト化や医学部のような地域枠の検討、給付型の奨学金の増加など、若者の大学志向を意識した有効な検討をしていただきたいと思います。
 次に、論点(4)でございます。
 各職種の状況に応じた養成課程を含めた環境整備の事務局の意図はよく理解できませんが、看護師について言えば、法律上、療養上の世話に加えて、診療の補助全般を行うことができますので、養成課程をどうこうせずとも、ここに書かれているようなことは可能だと考えております。
 一方、看護師以外の職種の方々について、看護師資格の取得を目指されるのであれば、看護の質の維持の観点から、看護師の正規の養成課程を経る必要があると考えております。
 既に大学設置基準におきまして、各教育機関における既修単位の認定が認められていますので、教育機関における認定がよりやりやすくなるよう、ガイドラインで示すなどの取組をしていただきたいと思います。
 そして、新たな地域医療構想を作成するに当たりまして、看護につきましては、これまでどおりの人数を確保するためだけの議論は限界に来ています。限られたマンパワーで、一人一人がより専門性を発揮していかなくてはならない、それを実現するためにどうすべきか、看護の将来の在り方について、量ではなく、質の向上のための抜本的な議論が必要だと考えております。養成課程についても議論するなら、むしろ質の向上のために、何ができるかを考えていくべきで、そうした議論の場を早急に設けていただきたいと思います。
 最後に、D to P with N等によるオンライン診療への対応につきましては、各診療科の特性を踏まえまして、適切な遠隔医療の実施に当たっては、D to P with Nで、患者のそばにいる看護師が力を発揮する必要がありまして、領域ごとの知識の習得や、特殊な検査の実施等が求められるので、安全で質の高い遠隔医療の提供ができるよう、領域ごとに必要な知見を学ぶ機会や、マニュアルの整備等も必要かと考えております。
 以上でございます。
 ありがとうございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 では、小野委員、引き続きお願いします。
○小野委員 ありがとうございます。
 人口減少社会におきましては、省力化を達成していくのは大事な話なのですが、今のルール自体は、安全性とかサービスの質の観点からそれが決まっているのだと思います。安全性やサービスの質を妥協せずに、例えば5人必要だというところであれば4人にするとか、そういった省力化のイノベーションが必要なのだと思っています。それを実現するためには、例えばですが、介護保険の分野では、見守りセンサーを活用することで、夜勤の配置基準を少し緩和したり、そういったことは介護報酬の分野でありますが、それを医療で実現できるようなエビデンスの蓄積が必要なのだろうと思います。つまり、資料で示していただいたような個別の業務単位での労働時間の短縮とか作業効率の上昇を総合化して、全体としてどれぐらいのマンアワーが縮小されるのかといったデータの蓄積を急ぐべきだと思います。その際には、労働生産性が上がっている従事者の方に対しては、それに報いるような給料をお払いできるような診療報酬とするのは当然だと思います。
 49ページの論点3と論点4についてですが、まず、論点4なのですが、2つ目に書いてあります「より少ない人員でも必要な医療が提供できる」とか、医療関係職種が自身の能力を高めながら、意欲・能力やライフコースに合わせた働き方とかを選択できるとか、そういったものは賛成ですし、社会人にとっても魅力的なものとするのは重要だと思います。そのときには、個別の事情に応じたような就業の期間の柔軟化みたいなものとか、現在でも行われているような、多職種間での履修科目の認定のさらなる検討みたいなことも視野に入れてはどうかと思います。医療DXの進歩に追いつけるように、医療現場のICTリテラシーについて、入職時に共通のことを皆さんが学んで入れることができるように、職種横断的に学べるようにすることも一つのアイデアなのではないかと思っております。
 最後に、(3)でございますが、医療従事者の養成体制の確保につきましては、学校は、分野ごとの教員の数など、基本的なスペックが整わないと成立しないと思いますので、人口がなだらかに減るように、定員をなだらかに減らすことはできないと思います。私立の学校はそれぞれの経営の事情も抱えていらっしゃると思います。また地域によっては、その学校があるからこそ、若者がその地域にとどまっているのだというようなこともあり、学校の統廃合みたいなことは、地域コミュニティーの将来にも関わることだと思います。その事情は、2025年を目指したときの地域医療構想における民間の病院と似ているような部分もあるように思います。であれば、似たような枠組みみたいなものを設けて、例えば国で一定の考え方を示した上で、地域ごとに必要なマンパワーの数とかを計算したものを出して、他方で、それぞれの教育機関の養成数を積み上げたものと比較して、では、どうしたらいいのだろうかということをみんなで考えていくような体制も必要というか、考えてもいいのではないかと思います。その際には、当然、教育関係者も議論に加えるべきだと思っております。あとは、お話にありましたサテライトとかオンラインの教育が使われるのは当然であり、そのときには、大都市に学校が集中するのはしようがないと思うのですが、地元に戻ってこないということがないように、逆算して地元でどれだけ学べるかということを考えた上で、カリキュラムの在り方とか教育の順序性、実習の在り方みたいなことも考えることが必要だと思います。最後に、もう一点だけなのですが、特定の職種ごとにいろいろな需給を考えて、大学や養成校数を考えることは必要だと思います。他方で、ある職種の需給が満たされたとしても、取り合いになってしまって、ほかの職種が満たされないということだと、医療は成り立たないと思います。介護との関係でも同様だと思っておりますので、地域における医療、介護、保健、福祉全体の最適化みたいなものも視野に入れた議論が必要だと思います。以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 会場御参加の委員の方で。
 それでは、永井参考人、お願いいたします。
○永井参考人 ありがとうございます。
 私からも、48ページの論点の「(1)業務のDX化の推進について」申し上げます。
 本日の資料で、看護業務に加えて、医師事務作業補助者につきましても、ICT活用のイメージを示していただき、ありがとうございました。
 ICT活用によって作業効率が上がれば、現場で働く労働者の負担軽減だけでなく、その分、対人業務をしっかりと行えるなど、専門性を十分に発揮できる環境につながるものと考えます。
 一方で、矢羽根の2つ目にあります、業務効率化を実現した場合の人員配置基準の緩和の検討が必要という御意見につきましては、人員配置基準は質の確保、向上を前提としたものであり、労働時間が短縮できた分はほかの業務を行ったりすると思いますので、そこを結びつけて論じるのは違うのではないかと違和感があります。
 本日お示しいただいた取組については、医療界全体での取組にはなっていない状況とのことですので、まずはDX化の推進に向けて、現場の実態把握、効果検証を行いながら、費用面も含め、国からしっかりと支援していただくことが必要と考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインで御参加の委員の方々、お待たせいたしました。
 それでは、神野委員からお願いいたしたいと思います。
○神野委員 ありがとうございます。
 3点、簡単に申し上げたいと思います。
 1点目ですが、先ほど山本委員から御質問があった看護師特定行為研修について、意見を述べさせていただきます。
 これは、特定行為を幾つやったかが重要というよりは、看護師の基礎教育にこれまでなかったフィジカルアセスメントをきちんと取って、臨床推論を駆使して判断する、そして、それが手順書に合致しているかどうか、判断するところが極めて重要であって、こういった教育を受けている看護師が各病院に増えることによって、タスク・シフトだけではなくて、医療の質に寄与すると私は強く思います。その辺を強調したいと思います。
 2番目でありますが、業務効率化の話であります。
 今、私は地方、能登半島におりますので、本当に人がいないのです。人がいない中で、どうやって医療の質を保って、いろいろなサービスをやっていくかということに腐心しております。
 私の病院の話だけで恐縮ですが、まさに
セルにしてスマホにしてRPAを駆使して、パス98%以上をやって、生成AIをやるということで、今、私どもの三百数十名の看護師の時間外労働時間は月1.5時間まで落ちております。
 まさにこういった果実があることを強調したいと思いますし、この先にあるのは、これまでも論点でお話ししましたが、人員配置基準、あるいは専従・専任要件といったところを緩和していかないと、DXの果実が生まれてこないのではないかと強く思います。
 そういった意味では、また診療報酬にも絡むかもしれませんが、こちらでもぜひ人員配置等についての見直しを強く主張したいと思います。
 3点目、まさに医療従事者の確保の話であります。
 今回、看護師の養成所の定員が満たされていないという話もありましたが、それだけではなくて、歯科技工士、あるいは作業療法士、理学療法士の定員も充足されていないという今まであまり見たことがないデータもたくさん頂いたことは、調べていただいて、本当にありがとうございます。
 その中で、また地方の話になってしまいますが、先ほど小野委員からもありましたように、特に地方の医療従事者の養成所、看護師養成所の定員割れは非常に大きな問題になっております。
 では、やめたらと、先ほど大学の話がありましたが、大学は都市部にありますので、まさに地方の医療従事者を確保するという意味では、養成所は必要なのだということであります。
 それから、その子たちがアルバイトで、また、地域のいろいろなサービス業に就いていますので、地域の若者という意味でも必要なのかなと思います。
 もしどうしても大学にしなくてはいけないなら、地方に公立大学、国立大学をつくっていただきたいと強く思うところであります。
 ただ、子供がいませんから、定員割れになって、例えば40人の定員が20人しかいないとなったときに、教員が半分になるかといったら、ならないのです。
 看護学校の経営を考えたときにも、人件費率が一番高くございますから、ならば、人数が半分になって、教員が半分にできるように、先ほど来お話があるようなサテライト、これは別に大学のサテライトでも、養成所間のサテライトでも構わないと思いますが、そういったサテライトできちんとやる、オンライン授業とかをやってもよろしいというような仕組みをきちんと決めていくのが、一番課題解決としてあるのではないかと私は思います。
 私たちは、コロナのときに、看護教育においても、いろいろな教育においても、みんなオンライン授業をやったのです。そのことを思えば、今、コロナが終わった中でも、オンライン教育はできるはずであると強く思うわけであります。
 ということで、3点について意見を述べさせていただきました。
 ありがとうございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、時間も押しておりますので、引き続いていきたいと思います。
 鈴木委員、よろしくお願いします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。
 マギーズ東京の鈴木と申します。
 今回、これまでの議論でお伝えしていた意見を反映して、取りまとめていただいて、ありがとうございます。
 私からは2点あります。
 まず、我が国の医療福祉分野における労働生産性向上の必要性についてです。
 現在、医療福祉業界においては、十分な省力化投資やデジタル化が進んでおらず、データの取り方は多様ということでしたが、ほかの先進国と比較して、実質労働生産性の上昇率が低水準にあるというデータを示していただき、こんなにも遅れているのだと改めて痛感しました。
 この状況を改善するためには、諸外国の事例を参考にすることが有効であると考え、具体的にどのような国で、どのような省力化やデジタル化が進められていて、どのような成果を上げているのか、ぜひ深くリサーチし、具体的な改善策に生かしていただけたらと思います。
 また、国内でうまくいき始めている好事例についても、引き続き、集約と共有を進めていただけたら幸いです。
 2点目として、オンライン診療の適切な普及・推進についてです。
 オンライン診療は、都心と地方では使い方、ニーズが違うと考えていますが、特に医療機関が近くにない地域において、必要な医療にアクセスするための大きな一つの手段となり得るものです。
 しかし、現状のオンライン診療に関する情報発信については「D to P with N」といった専門的な用語が多く、一般の国民は、その言葉を聞いても、何が何だか分からないのが現状だと思います。そうしたこともあって、その制度や活用方法が十分に伝わっていないと感じています。国民や患者がぱっと見て、こういう制度があって、こういう活用ができるのだと理解できるような、分かりやすく端的な言葉遣いだったり、情報発信を考えていくことが不可欠だと感じています。
 国民や患者側がオンライン診療を有効に活用できるようになれば、医療従事者側の皆様にとっても、それが負担軽減につながって、ひいては地域医療を支える重要な柱になると考えています。医療従事者、国民、患者側が一体となって、よりよい医療体制を構築できるよう、適切な理解を広げていくことが大切だと感じます。
 短めということだったので、私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、続きまして、木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 ありがとうございます。
 お示しいただいた論点に沿って、現場の臨床医の立場から二、三コメントします。
 まず「現状・課題認識」の3つ目の○に、時間当たりのサービス提供の改善、生産性向上とあります。
 一般に、我が国のサービス業の生産性は低いとされますが、その原因の一つとして、顧客満足度を上げるために、無料でサービスしたり、価格に見合わない過剰な品質提供に多くの時間を費やしてしまい、それが利益につながらないことが指摘されています。医療においても、安全や質の高さを追求することが、長時間労働や業務効率の低下につながってしまいがちです。
 画一的な対応を多数、型どおりにこなせば、見かけ上の生産性は上がるかもしれませんが、それでいいのでしょうか。
 医療においては、病状や背景が一人一人異なる中で、患者さんや御家族に寄り添って、いろいろな職種が関わりまして、手間暇かけて対応することが求められています。
 そのコストは、今の診療報酬では到底賄えないと思います。しかるべき予算の裏づけがなく、現場の医療従事者の善意に頼るだけのシステムは持続性がありません。生産性と医療安全、医療の質の確保の在り方については、医療を受ける国民も含めた丁寧な議論が必要と思います。
 続いて、49ページの論点2ですが、タスク・シフト/シェアについてです。
 専門職ができるだけ自分の専門性の高い業務だけに専念できるのは、一見効率がよいように見えますが、タスクのシフトを受ける側の人がいないと成り立ちません。これだけ医療関連職種の確保が難しくなっている中で、これをさらに進めていいかどうか、今、立ち止まって検討する必要があります。
 もちろん、医師不足のところで特定行為研修を受けた看護師さんが業務を行ってくれるといったいろいろなメリットもありますが、人手がたくさんあれば、タスク・シフトで自分の専門業務だけに専念でき、ありがたいかもしれませんが、現場ではどの職種が担当すべきか、曖昧な業務はかなりありまして、専門でなくても、協力し合って業務を行っているのが実情です。これは私の専門ではない、誰かほかの人がやってというスタンスであれば、仕事の押しつけ合いになって、業務が回りません。担い手が確実に減る社会において、タスク・シフトするほどの人的余裕は、我が国にはもうありません。むしろ少ない人数で安全に業務を行うための工夫、DXの導入などの方策をより積極的に推進すべきだと思います。
 続いて、医療従事者の養成ですが、医療職を目指す若者が教育を受けられる体制の確保が重要とありますが、養成校において、既に定員をかなり割り込んでいる深刻な状況が本日の資料で示されました。
 大学で学ぶ方法もありますが、学費もかかり、その地域には大学がない可能性があります。
 進路の選択肢としての養成校の役割は確かにあります。ニーズが減れば、定員を減らすことも検討されますが、一定数の生徒数がないと、養成校の経営が成り立ちません。地域で養成できないところが出てくる可能性があります。
 そこで、新卒の若者だけにこだわらず、幅広い年齢の方が医療分野の担い手となることがますます重要になってきます。社会人の方がその経験を生かして、医療現場で活躍しようと思っても、一旦仕事を辞めて、養成校に入学しなければなりませんが、働きながらオンデマンドで講義を受けられるなどの環境整備や、学費の負担軽減などで、できるだけ就業支援ができるように、幅広い対策が求められます。
 最後に、育児や介護、長時間労働がつらいなどで、フルに働けない人でも現場に戻って、担い手を増やす環境整備も必要で、短時間勤務などの多様な働き方の選択肢、人員配置基準における専任要件などの見直し、中途採用の拡大、副業・兼業の促進、保育所や介護支援の整備、やることはたくさんあります。そうした取組をぜひ一体的に進めることが必要と思われます。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、内堀典保委員、お願いいたします。
○内堀(典)委員 ありがとうございます。
 私は、歯科の立場で発言させていただきます。
 本日の資料に示されておりますように、少子高齢化とともに、人口減少の局面では、業務効率化は避けては通れない課題であるということは認識しております。
 歯科分野におきましても、歯科専門職種の歯科衛生士、歯科技工士の確保は、今、喫緊の課題になっております。
 これまでも歯科医師会等が設立した歯科医師会立の学校は多くありますが、入学者数が減少している養成施設もたくさん出てきております。特に歯科技工士の養成施設においては、残念ながら閉校に至ったところも少なくありません。免許を取った後のニーズは非常に高いものがあるのですが、今、歯科専門職への認知度が下がっており、歯科専門職を目指そうという入学希望者が非常に少ないという養成施設からの意見もたくさん寄せられております。これらの実態も踏まえて、課題の抽出など、丁寧な議論をしていただければありがたいと思っております。
 また、49ページの(4)です。
 「医療関係職種が自身の能力を高めながら、意欲・能力やライフコースに合わせた働き方・キャリアを選択できたり」と書かれておりますが、今後の歯科医療ニーズなどを踏まえますと、歯科衛生士、歯科技工士についても、業務範囲や業務内容などを含む検討が必要であろうと思っております。
 今まさに歯科技工士については、歯科技工士不足が喫緊の深刻な問題になっており、歯科医療体制を提供することが困難な状況にまで至っております。
 今、職場環境の改善を行ったら、すぐに人気が出て、入学希望者が増えるというわけでもございませんので、即効性のある施策を考えていただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、引き続きまして、長島委員、よろしくお願いします。
○長島委員 ありがとうございます。
 長島でございます。
 時間が押しているところではございますが、重要な内容ですので、少し時間をいただいて、47~49ページの各論点に沿って意見を申し上げます。
 最初に「現状・課題認識」についてです。
 医療分野における業務効率化・職場環境改善をより一層進める必要があるのではないかとのことですが、これまでも医療現場では十分な努力がなされてきております。
 現状の極めて厳しい経営環境の下でさらなる効率化、あるいは改善を求めるのであれば、医療の公定価格を引き上げていただくことは必須です。もし引き上げなければ、医療機関のさらなる経営悪化、最終的には、地域医療の崩壊を招くからです。
 7ページに、労働経済白書のデータに基づき、日本の医療・福祉業の実質労働生産性が諸外国に比較して低いとの指摘がされております。
 しかし、実質労働生産性の計算式の分子は金額単位です。他の業種と異なり、医療は公定価格で行われているという特性を考慮せずに、単純に比較することは、極めて不適切な評価であると言わざるを得ません。
 次に「(1)業務のDX化の推進について」です。
 各医療機関における医療DXの取組が、実際に業務負担の減少、人材不足の解消に本当に、あるいはどの程度寄与するかは、現時点では確証を持って言うことはできません。
 特に導入を進める中で、従来どおりの紙、アナログでの対応と、電子化での対応の両方が求められることも多く、対応できる人材が不足する現状の中では、逆に負担が増えてしまい、経営を圧迫することが多いと思われます。各医療機関における実情を無視して、一律に拙速に進めていくことは、国民に提供される医療の質の低下という医療DXの本来の目的と正反対の結果になりかねません。したがって、導入の負担と効果の実態をしっかりと見ながら丁寧に進めていくべきです。
 その上で、医療機関のDX導入で発生する多大な費用負担に対する公的な支援は、危機的経営状況に置かれている今、絶対に必要です。国、自治体の補助金による支援に関しては、導入自体に大きな負担がかかることも踏まえ、分かりやすく、使いやすい運用を前提とした十分かつ迅速な支援を要望いたします。
 また、DXを持続的・安定的に運用していくためには、導入の費用だけではなく、維持、更新、さらにサイバーセキュリティーにかかる費用も含めて補助することが必要です。
 それ以外のアプローチとして、DXに関わる経済産業省など、他の省庁も巻き込み、例えばシステムベンダーや医療機関への産業支援や産業育成という視点からアプローチすることで、ベンダーの保守費用やリース料の値下げに結びつくような取組も、国が一体として進めることが望まれます。
 加えて、電子カルテとの連携、サイバーセキュリティー対策など、医療機関において進められている各種電子化の取組の費用負担も踏まえ、全体的な、省庁横断的な視点を持った対応をお願いいたします。
 次に「(2)タスク・シフト/シェア推進等について」です。
 これまでどおり、地域連携のさらなる強化と、現在の特定行為研修の推進を継続していくことが重要と考えております。
 特に周術期の現場では、特定行為研修修了看護師の活躍が期待されます。
 働き方改革については、若手医師の時間制限により、経験豊富な医師に業務が偏る、経験を増やしたいのに、増やせないなどの問題が発生していないか、地域医療への影響をしっかりと検証しながら、柔軟な運用によって取組を進めていく必要があると考えます。
 タスク・シェアについては、受け手側のことも考慮する必要があります。
 人材も不足している実態があると思いますので、その手当てを考える必要もあります。
 オンライン診療については、対面診療に比べれば、できることは限られ、医療の質が下がることは避けられません。業務効率化のみではなく、医療の質、安全性を最優先に、あくまでも対面診療の補完として、具体的には、離島、僻地、在宅医療、専門的な医療等、アクセスが困難な課題に対する解決方策として活用していくのが、真に地域住民に有益な結果が得られるものと考えます。
 また、営利を優先したと考えられる不適切な事例が、自由診療も含めて指摘されております。関連する医療法改正も予定されているところですが、まずは「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って、医療の質、安全性を確実に担保して、丁寧に進めていただくことが重要です。
 国の政策として、新たな地域医療構想、医師偏在対策における活用について言及されている中で、オンライン診療を地域における様々な課題の解決策として有効に活用していくため、今後は、各地域で自治体や医師会等の関係者の密な連携を促進し、地域の医療提供体制という枠組みの中に組み込んで進めていくことが求められると考えます。
 次に「(3)地域における医療従事者の養成体制の確保」です。
 「治し、支える医療」のニーズが高まり、地域に密着した医療機関が重要になっています。
 その中で、大学と違い、各地の養成所を卒業された医療関係職種の方々は、地元への定着率が高く、地域に根ざして、大切な役割を担っていただけるものと期待しております。
 医師会も、各地域で看護職を養成しておりますが、ここ2~3年で加速度的に看護職志望者が減少し、閉校が相次いでいます。
 大学は増加していますが、大学でも充足率が低い地域もありますし、京都などでは、卒業後は府外に出てしまう、あるいは看護以外の職に就く人が非常に多いという話も聞いています。これまでとは次元が異なる危機的な状況だと感じています。
 今後も、各地域で必要な医療提供体制を維持するためには、充足率が低いとしても、地域に根ざした養成所が存続し続けることは重要です。特に人口過疎地域において養成所がなくなれば、医療人材の供給見通しが立たなくなってしまいます。
 医療は社会インフラですので、医療従事者の確保は、本来、自治体の責務であると考えますが、これまでは医師会等が運営してきたこともあり、自治体には、自分たちの責務であるという意識が薄いように思います。
 医師会が何千万円も赤字を補塡して運用するのは限界に来ておりますので、沖縄県の事例のように、公立化していただけると大変ありがたいことですが、少なくとも自治体の財政支援は必須です。福井県などの好事例をお聞きしておりますが、厚生労働省から自治体に対し、各地域で養成所に対する支援が促進されるよう、後押しをお願いします。
 また、補助金に関して、看護学校も物価や人件費の上昇に対応しなければなりませんので、引上げは必須と考えます。
 加えて、地域では、複数の学校が一緒になって運営するサテライト化も検討しておりますが、補助金が1校分になってしまう点もネックになります。サテライト化したとしても、一定数の教員を配置する必要もありますし、施設の運用にかかる経費はそれぞれかかりますので、サテライト用の補助単価を示すなど、厚生労働省でもしっかりと対応していただきたいと思います。
 最後に、(4)、医療従事者の確保に資する養成課程を含めた環境整備等についてです。
 医療従事者の業務内容と重い責任に見合う賃金水準にならなければ、医療従事者を目指す方を増やすのは極めて困難です。今後、医療従事者の確保策を実施していく上で、需給見通しの策定は必須だと思います。
 看護職員の需給見通しは、2019年に2025年時点での見通しを策定したのが最後になっています。需給の分析を行い、ある程度の根拠に基づいて、昨年の「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」のように、様々な方法を組み合わせて、総合的に進めていくことができないか、しっかりと検討をお願いいたします。
 また、医療機関の人材確保について、大きな課題となっているのが、有料職業紹介事業者を利用せざるを得ない状況です。
 高額な紹介手数料が医療機関の経営を強く圧迫しています。早期離職や人材のミスマッチなど、トラブルも生じており、悪質事例もご報告いただいております。医療界として、有料職業紹介事業の健全性に極めて強い疑念を抱いています。
 職業安定局でもいろいろと対応されていることは承知していますが、現在の医療機関の危機的経営状況に鑑みれば、手数料の上限規制や、在職期間に応じた成果報酬型の手数料制度にするなど、国でも検討していただくとともに、ハローワークやナースセンターの機能強化もお願いいたします。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、石飛委員、お願いいたします。
○石飛委員 
 全国市長会の石飛です。
 私からは、3点お話しさせていただきます。
 1点目のDXの推進についてでございます。
 DXを推進するに当たっては、当然、合理的・効率的な整備によって、コストを抑制するという視点が非常に重要になってまいります。
 病院のシステムについても、例えばネットワークを介してクラウドに置くことによってコストを下げるようなことが可能となるわけですが、ネットワークがどうしても必要なものでございます。
 そうした意味では、例えば自治体間のネットワーク、これは「LGWAN」と呼んでおりますが、そうしたものに匹敵する医療のネットワーク、例えば診療報酬請求のネットワークをベースにしたような、セキュリティーが確保された医療間のネットワーク、そうした基盤をつくるなど、国の主導によりまして、戦略的な取組が必要ではないかと考えております。
 2点目が、タスク・シフト/シェアの問題点でございます。
 過疎地域を含む雲南市においても、既にD to P with Nの体制による遠隔診療を実施しております。その成果には、将来の地域の医療を維持していく上で、大きな期待をしているところでございます。
 そうした中、現状、特定行為研修を受講した看護師は、専ら急性期病院でのタスク・シフトという目的のほうがどちらかというと優先されているのかなと思っておりますが、遠隔医療の分野で十分な育成・活用がなされていない可能性もあると感じております。今後、遠隔医療を推進する立場から、課題の整理や必要な見直し、育成に向けたインセンティブの確保などを御検討いただければと思っております。
 最後に、医療従事者の確保に資する環境整備につきまして、医師の地域偏在という視点から御意見を申し上げます。
 医療資源が乏しい地域に若手の医師が赴任する際に、自身のキャリア形成への支援、あるいは日常の診療に対する相談等の体制の有無が大きなポイントになっているものと認識しております。そうした点も含めた環境整備の御検討もお願いできればと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。
 引き続きまして、望月泉委員、よろしくお願いします。
○望月(泉)委員 ありがとうございます。
 時間もないので、1点のみでいきたいと思います。
 まず、業務のDX化の推進は、多くの委員の方が述べておりますように、現状、厳しい経営状況の病院の中で、なかなかその余力がないということがありますので「財政支援」とか「診療報酬での評価」という文言が出てきます。DXを推進していくことによって効率化が進むと、人員の減少につながっていく事例も出てきているようです。現状、診療報酬の評価基準はストラクチャー評価になっていますが、頭数をある程度そろえないと、高点数にならない仕組みになっていますので、ここを診療報酬とリンクするという意味では、プロセス、あるいはアウトカム評価を入れていただきながらDX化して、過程を評価できるような診療報酬にしていただけると、DX化が進んでくるのではないかと思っております。
 この検討は、診療報酬に加えて、次の資料2にもあると思うのですが、ぜひそのような観点を入れていただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、井上委員、お待たせしました。
 よろしくお願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。
 資料にもありましたが、2040年にかけて生産年齢人口が15%減っていくということで、年に換算すると1%以上。これは全ての業種ということですから、とりわけ地域差のある医療福祉分野での効率化、あるいは生産性向上、省力化が重要だということが分かると思います。
 論点でDX化の推進、タスク・シフト/シェアが示されておりますが、これに加えて、医療機能の分化・連携・集約化もしっかりと進めていただきたいと思います。
 DX化に関しましては、47ページにあるように、2019年に「医療・福祉サービス改革プラン」が取りまとめられておりますが、その後の変化も踏まえて、また、今年「省力化投資促進プラン」も取りまとめられましたので、2040年に向けた投資、DXを含めたサービス改革プランのようなものを検討し、国の成長投資や危機管理投資の非常に重要な分野だと思いますので、ここは保険制度ではなくて、国でしっかりと予算をつけて投資を行っていくことが必要ではないかと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤委員、よろしくお願いします。
 伊藤委員、マイクが切れております。
○伊藤委員 失礼いたしました。
 ありがとうございます。
 時間のないところで、3点ほどコンパクトにお話しさせていただきますが、今日発表いただきました、若い働き手の問題、特に看護師養成の問題で、平成30年以降、出生数の減少以上に、急激に入学者が減っているところは、もう少しきちんと精査する必要があるのではないでしょうか。というのは、医療という業界に対しての大きな何らかの失望感があるのではないかと私は考えているところでございます。
 コロナによる影響、危険な業務や過重な労働とかもありましたし、さらに、近年の医療機関の経営状況の悪化による賃金の低迷は非常に大きなイメージダウンになっているのではないでしょうか。国の方針として、若者が減少する中でも、医療業界への参入・参加人員を確保するという意味で、医療業界は希望を持つことができる安定的な業界であるという、きちんとした理解の醸成が必要なのだろうと考えます。
 つまり、医療は国策であり、社会保障システムの中核を担うものであって、当然、やりがいのあるものであるし、雇用が安定していて、給与水準も一定のレベルにあるという状況にしなければならない、そういう文化をつくっていく必要があるだろうということで、ここについては、ぜひさらに詳細をチェックした上で、対策を打っていただきたいという要望であります。
 それから、ICT、DXの問題でありますが、ICT、DX化の目的自体が人手不足の解消ということでお話が進むようでありますが、実はそうではなくて、ICT、DXを加速させることで、医療の質を向上させることは当然ですが、本来ならば業務を効率化することで、個人個人の働きやすさ、個人個人の業績が向上して、働きがいが向上して、さらに個人個人の処遇の改善を果たせることこそがICT、DX化の目的であると思っております。ここを明確にしないと、ただ単なる効率化でICTを終わらせてはいけないと思っております。
 効率化の阻害因子の最も大きなものは、望月委員がおっしゃいましたが、診療報酬の人員配置基準であります。
 これまでの頭数のストラクチャーの基準から、プロセス、アウトカム評価による診療報酬への改革がなければ、効率化計画、働き方改革の実現とかは成功し得ないだろうと思っています。これは医療の質評価に学ぶところはあるのだろうと思っております。
 もう一点、これも木戸委員から御指摘がございましたが、タスク・シフト/シェアは、いわゆる医療の世界の人手不足の根本的・抜本的な解決法でないということをもう一度認識する必要があるだろうと思っています。
 若者が減少する中で医療の業界を目指す人が他の業界より減少する理由は何なのか。看護の人たちが現状では医療業界に希望が持てない、未来が見えてこないところが一つの要因ではないかという点をしっかりと検証して課題を解決する具体的な対策が必要ではないかと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 医療の現場における人手不足については、現時点においても喫緊の課題であり、この危機的課題に対しては、医療界全体、そして国主導で取り組む必要があります。
 業務のDX化の推進については、今後、限られた医療従事者で現場を支えていく観点と、医療者の離職防止、長期にわたり勤務の継続を図る観点からも、国全体で取り組むべき重要課題です。
 このため、病院や診療所の規模ごとに事例を類型化し、横展開を図るなど、国による技術的・財政的支援を強化するとともに、医療DXに係るシステム等の運用コストに対応できる診療報酬の検討を重ねてお願いします。
 タスク・シフト/シェアの推進については、特定行為研修修了者が現場で活躍できるよう、個人への報酬に反映可能な評価の在り方や、それを支える診療報酬での対応、さらには研修施設に対する支援の充実を含め、検討をお願いします。
 また、医療従事者を今後も安定的に確保していくためには、少子化による入学者数の急激な減少に対応できる教育体制の見直しなど、養成学校に対する支援の強化が必要と考えます。
 一方、医療従事者確保のために都道府県に措置される地域医療介護総合確保基金の区分においては、要望額が予算額を超過していることから、当該予算の拡充を図るとともに、医療機関が医療従事者をしっかりと確保できるよう、診療報酬の改定を含め、生産性向上や処遇改善、環境整備等に向けた必要な財源を確保いただくよう、お願いいたします。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、松原委員、よろしくお願いします。
○松原委員 ありがとうございます。
 担い手がどんどん不足して、減っていく中で、DXへの取組は必須だと考えております。
 一方で、DXを進めるための理由として、医療業界が他産業や他国よりも生産性が低いということを理由に挙げることについては、私は、それはミスリードだと考えております。
 生産性は、物的労働生産性と付加価値労働生産性と2つありますが、こちらは付加価値労働生産性の話だと認識しております。
 医療は、他産業のように、支払い能力に応じてではなくて、ニーズに応じてサービスが受けられることを重視して、そのために社会保険制度の下で担われております。そのために、この事業では、経営上の重要戦略である価格決定権が供給側にはないという特色があります。
 そのような事業におきまして、付加価値生産性で自由価格が取れる他産業と比べて低いと言うことは間違いだと思います。
 ましてや、医療を市場に任せているアメリカと比べて、アメリカよりも生産性の伸び率が低いと言うのは、これはアメリカの医療価格がどんどん上がっているからそうなっているので、これをもって、生産性が低いからDXとかという論理の持っていき方は違う。生産性が低いと指摘することは、完全に違うと思います。
 また、付加価値生産性だけではなくて、物的労働生産性につきましても、日本ほどベッド当たりの医師数とか看護師数が非常に少ない中で頑張っている高所得国は、ほかにないわけです。なおかつ、乳児の死亡率とかは世界で最も低い、また、世界一の高齢化を達成しているという非常にすばらしい結果も出しているわけです。
 こういう努力だけではなく、結果を出していることに対して生産性が低いと言うのはミスリードで、事実認識が違いますと、処方箋も間違っている可能性がありますので、この点については指摘させていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、お待たせしました。山崎委員、お願いします。
○山崎委員 ありがとうございます。
 今までの議論を拝聴していまして、神野委員とか木戸委員、長島委員の御発言に対して、全面的に支持したいと思います。
 まず、こういう問題がどうして起きているのかというと、自由主義経済の中で、診療報酬を統制経済でやっているところに大きな問題点があるのではないかと思います。
 ほかの産業は、かなり規制改革をして、大分制度を改善しているのですが、医療業界は統制経済のまま、全然規制緩和が行われていないのです。
 私の言う規制緩和は、医療法の緩和、あるいは療養担当規則という実際に診療に結びつくような法律の規制緩和を、診療報酬の改定と別に、きちんと議論して、規制緩和をしなければいけないと考えています。
 また、医療DXの推進含めてですが、診療報酬に何でも詰め込んで、
 2年に1回の改正しかしないことで、医療DXとか入院時食事療養費は、診療報酬から切り離した独立財源できちんと運用していくようにしていかなければいけないのかなと思っています。
 それと、先ほど気になったのは、看護協会の勝又委員の発言にあったのですが、神野委員が言った人員配置基準の緩和の検討は、医療DXの結果が出てからすればいいだろうというお話があったのですが、これは全くの暴論だと思います。
 というのは、医療DXは、あと何年たったら結果が出るのですか。何十年たったら結果が出るのですか。そんなことをしていたら、病院は潰れてしまうと考えています。
 それから、養成校が減ったのは、ほかの先生方がおっしゃっていたように、賃金格差がひど過ぎるのが原因です。一般職に比べて、医療関係職種の賃金が安過ぎるから一般企業に行ってしまうということで、診療報酬の引上げを適正にしなければいけないと思っています。直近の診療報酬はたった2.5%しかアップしてくれなかったのに、一般の企業は5.5~6%の賃上げをしているわけで、そんなことをやっていたら、一般の企業に行くのは当たり前だと思っています。
 もっと問題なのは、看護協会は、今まで診療報酬の引上げを日本の医師会や病院団体と一緒に言ったことはありますか。
 私の記憶では、診療報酬の引上げなどは言ったことがないような気がするのです。間違っていたらごめんなさい。
 それから、精神医療の現場は、准看護師の方々がすごく頑張って、地域の精神科の医療が成り立っているのです。したがって、そういう中で養成校が減ってしまって、准看護師の数が減っていくのは、地域の精神科医療が壊れることを意味しているのです。
 最後に、特定看護師をつくって、どんどんその看護師に特定業務を移行していくのも私は反対でして、そんなに特定業務を看護師にさせたいのだったら、あと4年間頑張って、学士入学して、優秀な看護師は医師になればいいと思っています。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、米川委員、お願いします。
○米川委員 ありがとうございます。
 最初はやめようかなと思ったのですが、せっかくなので、一言。
 お願いいたします。
 医療分野でICTを活用した、また、生成AIを利活用して労働生産性を高めることに全く異論はありません。必要な人材の手当てがこれから困難になる状況ですから、このようなDXの取組は大賛成です。
 資料の中に、何人かの先生もおっしゃるように、今の現場は生産性が低いという前提と取られるようなものがあったので、何人かの先生がコメントされましたが、私は、今の医療の皆さんが置かれている立場では、非常に頑張ってやっていらっしゃるのだと。そこは論を待たないと思うのです。
 だから、現状の生産性が低いということではなくて、これからこうやってDXを活用すれば、さらに効率よく、よりよき医療が提供できるのではないか、その仮定の下に、みんなで議論しましょうということでないと、議論が前へ進まないと思います。
 また、その議論の中では、では、進めたらどうなるのだということからすると、ほかの方もおっしゃいましたが、一つの投資なのですから、投資に見合うリターンは、何らかの経済的な指標とか、要は、その意味においていうと、同じ仕事をするに当たっては、マンパワーをこれだけ減らすことができましたということにしか基準がないと思うのです。
 何億円残業代が減りましたと言うよりも、これからの人員減に備えて対応することができるようになりますということが、一番皆さんにとって分かりやすいKPIになるのだと思うのです。
 そのKPIを基に、人員の配置基準の見直しは、いわゆる横串を通すような形で、無理のないような形で落としどころを見つけたらいいのであって、医療機関の業務効率化・職場環境改善によって、まずはどれだけマンパワーを削減できるのだ、そのマンパワーの削減によって、これから起きる将来の人的リソースが不足する分について対応できるのではないか。こういったことで会議としての議論を進めていったほうが、よりよき何かしらの答えを見いだす上では建設的な議論になるのではないかと思いました。
 ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 御意見をお話しされたい方は、ほぼ全て御発言いただけたと思います。
 大幅に時間はオーバーしておりますが、多様な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 事務局におかれましては、本日、非常に多様な御意見をいただきましたので、これらを踏まえまして、引き続き検討を進めていただくようにお願いしたいと思います。
 ということで、時間がかなりオーバーしておりますので、3つ議題がありましたが、2番目の「医療法人の経営状況について」と3番目の「令和8年度診療報酬改定の基本方針について」は、類似の性格もあるということなので、事務局からまとめて説明をお願いしまして、議論もまとめてやりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、事務局、関連資料の説明をお願いします。
 簡潔にお願いします。
○医療経営支援課医療法人支援室長 承知しました。
 2番目の「医療法人の経営状況について」医療法人支援室長です。
 まず、資料の送付が直前になってしまいまして、申し訳ございませんでした。
 資料2-2を先に取り出していただけますでしょうか。
 資料2-2の右上に「R7.8月末収集時点の速報値」とあります。
 これは、医療法人の経営情報が令和6年度、今年3月末に決算が終わって、遅くとも4か月以内に提出するということで、7月末に理論上はそろうのですが、実際にはなかなかそろわない。そろった後も、データクリーニング等をしておりましたので、できるだけ直前の数が多いデータで御紹介したいと思いまして、8月末の速報値を本日御用意したものです。
 上の段が令和5年度の決算、下の段が令和6年度です。
 左端が病院で、赤字の病院がどれだけあったか。
 真ん中が無床診療所で、赤字の診療所がどれだけあったか。
 右端が有床診療所で、赤字の施設がどれだけあったか。
 例えば左端の「病院」の列を上から下に見ていただきますと、令和5年度は、55%が医業収支で赤字だった。これが令和6年度になりますと、59%に増えている。
 あるいは真ん中の列を見ていただきますと「無床診療所」は、32%が赤字だったものが、下の段ですと40%に増えている。
 あるいは「有床診療所」も、49%から50%に増えているという傾向があります。
 今御覧いただいたページが、医業収支と申しまして、補助金などを除いた収支なのですが、めくっていただきまして、2ページが、経常収支と申しまして、補助金や健診事業など、その施設が行っている全ての収支を含めたもので、同じように赤字割合、黒字割合を見たもので、左端の「病院」を見ていただくと、傾向としては基本的に一緒です。
 「病院」が、令和5年度の41%から49%に増えている。
 「無床診療所」が25%から34%。
 「有床診療所」が38%から40%に増えております。
 3ページ目は、今の「病院」について、さらに病院の類型別に分けたものです。
 3ページ目は医業収支ですが、左端から「一般病院」。
 真ん中が「療養型病院」。
 左端が「精神科病院」でございます。
 左端の「一般病院」の赤字割合を見ていただきますと、58%から60%に増えている。
 「療養型病院」ですと49%から53%。
 「精神科病院」ですと55%から65%に増えている傾向があります。
 おめくりいただきまして、先ほどと同じように、医業収支ではなくて経常収支で見たものです。
 傾向としては基本的に一緒でございますが、左端の「一般病院」が44%から50%。
 「療養型病院」が38%から44%。
 「精神科病院」が37%から52%に増えています。
 赤字の施設、黒字の施設の割合ではなくて、トータルとして平均すると、利益率がどのようになっているかを示したものが5ページです。
 5ページ目は、医業利益率ですが、同じように上の段が令和5年度、下の段が令和6年度です。
 例えば「病院」の列を上から縦に見ていただきますと、令和5年度の医業利益率の平均値はマイナス0.8%でした。
 それから、中央値とは、利益率の高いほうから低いほうにずらっと全部並べて、ちょうど真ん中に来る施設の値ですが、中央値で申しますとマイナス1%だった。
 これが令和6年度、下にそのまま行っていただきますと、平均でマイナス1.4%、中央値でもマイナス1.4%です。
 それから、その右の列「無床診療所」ですと、令和5年度の平均値が7.8%、中央値が4.5%だったものが、下で、平均値で4.9%まで下がっている。中央値も2.1%まで下がっています。
 それから「有床診療所」は、平均が2.0%、中央値が0.0%で、平均値2.4%、中央値マイナス0.2%になっておりますが、このページは、令和5年度と令和6年度でそれぞれ調べた施設ですので、もう一枚めくっていただきますと、次のページは、令和5年度と令和6年度とどちらの年度も報告した施設を対象として、2期連続で収支を見たものです。
 令和5年度から令和6年度に増えたのか、減ったのかという観点からすれば、こちらの2期連続の施設データを見ていただいたほうが正確だと考えております。
 「病院」で申しますと、平均値だけで見ていただきますと、利益率がマイナス0.4%からマイナス1.1%。
 「無床診療所」も7.6%から4.2%。
 「有床診療所」も3.3%から2.3%で、いずれも減少しているのが、令和5年度から令和6年度にかけての利益率の状況です。
 7ページです。
 同じものを経常利益率で見たものです。
 基本的に傾向は一緒ですが「病院」の列を見ていただきますと、令和5年度の平均値は、利益率1.2%だったものが、平均してもマイナス0.2%という結果になっております。
 また「無床診療所」も9.3%から6.2%。
 「有床診療所」が3.8%から4%となっております。
 今平均値で申し上げましたが、8ページを御覧いただきますと、平均値だけではなくて、どのように分布しているかを表しています。
 左上の小さい表は、前のページの表を載せております。
 今申しましたように「病院」ですと、例えば令和6年度の利益率の平均値がマイナス0.2%でした。
 一番左下の山のグラフを御覧いただきますと「病院」の利益率の分布の真ん中の一番飛び出しているところが、ちょうど0~1%の範囲内にある。だから、大体ここが利益率0%です。
 右に行っていただきますと、利益率がマイナス十何%という病院も山の裾の下のほうにある。
 もちろん、利益率が高い病院もあるのですが、それを全体で平均してもマイナス0.2%になっているということです。
 それから、その右の「無床診療所」の山を見ていただきますと、利益率の平均は6.2%と申しました。
 確かに平均して6.2%なのですが「無床診療所」も山の頂点が0~1%でして、それの左側に来ている無床診療所は、それこそマイナス十何%という無床診療所もございます。
 一方で、もちろん、利益率が出ている診療所もありますので、平均すると6.2%となりますが、かなりの割合の赤字の診療所があることが分布を見ていただけると分かるかと思います。
 「有床診療所」も同じ傾向でございます。
 9ページ、10ページ目は、今申し上げた内容を2期連続、令和5年度、令和6年度どちらも対象にしている施設で調べたものでございます。
 傾向としてはほぼ同じでございますので、説明は省略させていただきます。
 もう一点だけ。
 分厚い資料で、資料2-1があります。
 開いていただきまして、右下1ページ目で、右上に「R7.7月末収集時点の速報値」とございまして、先ほど申し上げたように、最初は7月末時点で御説明しようかと考えていたのですが、より新しいデータのほうがよいと考え、8月末を用意しました。
 めくっていただきますと、7ページに、先ほどと同じフォーマットなのですが、7月末時点での利益率を出したものがあります。
 例えば「病院」の列の令和6年度の平均値を見ていただきますと、0.1%で、先ほど「病院」は、令和6年度は平均してマイナス0.2%となっておりました。
 実は「無床診療所」も「有床診療所」も、8月末時点のデータのほうがやや下がっております。
 なぜ下がっているかは分からないのですが、より新しいデータのほうが正確な数字と考えておりますので、今回は8月末で切っているのですが、あくまで速報値ということで、よりデータ数を積み重ねていくことで正確な数値をまとめていきたいと考えております。
 ちなみに、御参考までに、11ページ目から、今申し上げた内容のより詳細な分析をWAM(福祉医療機構)のホームページで公表しておりまして、11ページ目からずっとぱらぱらとめくっていただきますと、それぞれより詳細な分析を載せております。
 こちらは、福祉医療機構のホームページに載せ、また国としても今後活用しながら進めていきたいと思っております。
 議題2の説明は以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、診療報酬改定の基本方針について、お願いします。
○保険局医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長です。
 資料3「診療報酬改定の基本方針について」の1ページをお開きください。
 基本認識につきましては、4点挙げております。
 1点目の基本認識は、日本経済が新たなステージに移行しつつある中での物価・賃金の上昇、人材確保、現役世代の負担の抑制努力の必要性です。
 1つ目の○ですが、日本経済は持続的な物価高騰・賃金上昇の中にあり、一方で、医療分野は公定価格である。医療機関等の経営の安定や現場で働く幅広い職種の賃上げに確実につながる的確な対応が必要である。
 2つ目の○ですが、いわゆる骨太の方針を踏まえ、医療機関等が厳しい状況に直面している、地域の医療提供体制を維持する必要がある。
 2点目の基本認識は、2040年頃を見据えた医療提供体制の構築です。
 人口構造や地域ごとの状況の変化に対応するため、限りある医療資源を最適化・効率化しながら「治す医療」と「治し、支える医療」の役割分担を明確化する。
 また、労働環境の改善、業務負担軽減のさらなる推進が必要である。
 2ページ、3点目の基本認識であります。
 医療DX、イノベーションの推進など、医療技術の進歩や高度化を国民に還元する。
 また創薬力・開発力を維持・強化するとともに、医薬品などの生産供給体制の構築を行う。
 4点目の基本認識は、社会保障制度の安定性・持続可能性の確保です。
 国民皆保険を堅持して、次世代に継承するためには、より効率的・効果的な医療政策を実現するとともに、国民の制度に対する納得感を高めることが不可欠。
 3ページをお開きください。
 4つの視点はそれぞれ重要でありますが、物価高騰・賃金上昇、医療従事者の人材確保が大きな課題となっていることに鑑みまして、視点1「物価や賃金、人手不足などの医療機関等を取りまく環境の変化への対応」に重点を置くこととしてはどうかと考えております。
 4ページ以降は、基本的視点・具体的方向性になります。
 視点1、物価や賃金、人手不足など、環境の変化への対応です。
 1つ目の○、人件費や委託費、医療材料費などの物件費が増加している。
 全産業において賃上げ率が高水準となっている中、医療分野はこれに届いていない。
 また、医療従事者が健康に働き続けることのできる環境を整備することは、医療提供体制を維持していく上で重要である。
 下段に具体的方向性を書いております。
 人件費、委託費や医療材料費等といった物件費の高騰を踏まえた対応。
 医療従事者の処遇改善。
 ICTなどの利活用の推進などを記載しております。
 5ページです。
 視点の2つ目は、2040年頃を見据えた地域包括ケアシステムの推進になります。
 2040年頃を見据えては、医療機関の機能に着目した分化・連携、外来医療・在宅医療、介護との連携が重要である。
 具体的方向性の欄でありますが、機能に応じた入院医療の評価。
 「治し、支える医療」の実現。
 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師機能の評価を記載しております。
 6ページであります。
 視点の3つ目は、安心・安全な医療です。
 具体的方向性としまして、救急医療、小児・周産期、がん、精神医療、難病患者等に対する医療。
 そのほかに、口腔疾患の重症化予防、地域の医薬品供給拠点としての薬局の評価などを記載しております。
 7ページ、視点の4つ目は「効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」です。
 不断の取組が必要です。
 また、考えられる具体的方向性としまして、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進、 OTC類似薬等の薬剤給付の在り方の検討などを記載しております。
 最後に、9ページをお開きください。
 今後の議論のスケジュールです。本日は3回目の御議論になります。
 本日の議論を踏まえまして、11月下旬に骨子案を示させていただきます。
 骨子案は、最終的な基本方針と同程度の文書量に書き下しまして、お示ししたいと考えております。
 骨子案を基に、もう一度御議論いただきまして、12月上旬に基本方針を定めていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明があった内容について、御意見、御質問等をいただければと思います。
 では、再び会場参加の委員からいただきたいと思います。
 いかがでございましょうか。
 岡委員、どうぞ。
○岡委員 ありがとうございます。
 令和5年、令和6年は、非常に経営が厳しいということを示していただきました。
 これまでも各病院団体や医師会でも同じようなデータを出して、そういうことを共有した結果、診療報酬では、視点1の「物価や賃金、人手不足などの医療機関等を取りまく環境の変化への対応」を重点課題としていただいたことは高く評価しております。
 その上で、少しお願いなのですが、診療報酬で対応するということは、国民の負担が増えることもあると思います。
 ただ、対応しないと、医療機関が潰れて、また国民の負担が増えることになりますので、今の医療の経営の環境が厳しいことは、我々医療団体もいろいろなところで話してまいって、大分浸透していますが、まだまだと思うのです。国民の理解が得られないと、これだけ医療経営の状況が厳しいことをぜひ何らかの形で国民に知っていただいて、国民と共に、お互いに理解しながら病院のことを考えて、特に診療報酬をやっていくことは非常に大事だと思います。
 もちろん、医療関係者の中だけで診療報酬改定をするのは大事ですが、国民の理解なくしてできませんので、ぜひそのような対応は、国としてできることをしていただくよう、お願いします。
 我々病院団体も例えばYouTubeとかでいろいろと頑張っていますが、限界があります。国が先導してやっていただくことは大事だと思うのですが、その点だけお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、小野委員、永井参考人の順番でお願いします。
 どうぞ。
○小野委員 ありがとうございます。
 まず、議題2でございますが、事業収益のデータを示していただきまして、こちらの分布率を見ると、0%のところで線を引っ張ってみると、左右対称になっているようなところがあって、すごく愕然とするような数字が出たと思っております。それの評価については、恐らく、先生方からも評価があるかと思いますが、これはゆゆしき事態だと思っていますが、今後、議論をいろいろとしていく上で、今は難しいかと思うのですが、将来的には、事業収益において、保険診療分と保険診療外、いわゆる自由診療の部分が分けてとれるようになると、さらに保険診療がどうなのかという診療報酬改定に資する議論をしていく上では有益かと思いますので、そこは御検討いただければと思っております。
 議題3に関してでございますが、視点1に関しましては、自由診療の話の続きになるのですが、お医者さんが保険診療に携わることに関して否定的な感情を持つようなことがないように、医療従事者の処遇改善という中には、医師、特に厳しさが指摘されるような診療科の医師がきちんと含まれることが確認できればと思っております。また、保険診療内での医師の資源配分の問題に加えて、自由診療への流出を防ぐという意味合いの文脈に取れるような書き方にすべきだと思っております。
 あと2点なのですが、視点2に関しましては「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」でございますが、介護分野の関係にもなりますが、看護小規模多機能型居宅介護の普及と利用は含めるべきではないかと思っております。
 最後に、視点4でございます。医療資源を効率的・重点的に配分して、費用負担の不必要な増を抑制するのは当然のことだと思います。一方で、今後とも相当な規模の従業者を支えて、裾野が広くて、地域において存在感のある産業である医療分野の雇用が、安定的なものとして、就業者にとって魅力的なサラリーを払い続けるようにする。そのための原資を確保することも、医療資源の効率的・重点的な配分を行う重要な理由だと思っております。なので、医療資源の効率的・重点的な配分の前に、必要な人材を今後とも安定的に確保するためにもというようなニュアンスの表現を入れるべきではないかと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 御意見として承りました。
 それでは、永井参考人、お願いいたします。
○永井参考人 ありがとうございます。
 まず、議題2「医療法人の経営状況について」申し上げます。
 医療法人の経営状況が厳しいことについては、御説明いただき、理解できるところです。
 ただし、病院や診療所、無床と有床、類型によっても状況が異なると考えますので、今回「一般病院」としてまとめて集約されていますところは、機能ごとの違いもあると考えますので、機能ごとの分析も必要ではないかと考えております。
 また、医療機関に対する経営支援は、地域医療介護総合確保基金など、公費による対応が基本と考えますので、地域で必要な医療の確保という点も踏まえ、必要な対応を行っていただきたいと考えます。
 続きまして、議題3、診療報酬改定の基本方針ですが、前回も佐保委員から発言したと聞いておりますが、医療従事者の賃上げや業務負担軽減を含む人材確保に向けた取組は不可欠と考えますので、視点1を重点課題とすることに異論はございません。
 一方で、視点1の上から3つ目の○に「ICT、AI、IoT等の利活用の推進や、これらを通じた診療報酬上求める基準の柔軟化」とあります。
 ICT等の利活用により、医療従事者の業務効率化と負担軽減を行うことは重要であり、推進するに当たり、費用面を含め、国による支援が必要と考えます。
 ただし「診療報酬上求める基準の柔軟化」という点については、具体的な内容は中医協での議論になろうとは思いますが、議題1でも申し上げましたように、看護職員等の人員配置基準、各種加算における専従等の要件は、医療の質の確保・向上を前提としたものであるべきですので、くれぐれも現場で働く労働者にしわ寄せが行くようなことがないよう、慎重に検討する必要があると考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、山本部会長代理、よろしくお願いします。
○山本部会長代理 視点1から視点4まで、幾つか意見と質問もさせていただきたいと思います。
 視点1については、私も含めて、これまで本当に皆さんが悲鳴をいっぱいあげていますので、ここが重点課題となるのは当然のことだと思います。賛成いたします。
 視点2についても、かねてより私は、地域医療構想と診療報酬改定は寄り添うという表現が今までありましたが、もっと密接に関与すべきではないかと思います。
 地域医療構想は、どっちかというと、バーチャルと言っていいかどうかは分かりませんが、頭の中でみんなが考えていることで、何となくそのほうがいいねみたいなところがあるかと思いますが、診療報酬はもろに生身に刺さってきますので、いろいろな行動変容、あるいは意識改革をする上では、相当なパワーがあると考えています。
 今度の地域医療構想では、医療機関機能という新たな区分が出たことで、特にそこで高齢者の救急、高齢者の急性期に非常に重点を置いて構想が立てられていることもあって、これまではどっちかというと、なんちゃって急性期だった医療機関がこっちにシフトしなくてはいけないのだという行動変容を起こすいい機会にはなっていると思います。
 ただ、一方で、診療報酬改定の中で、そっちへ軸足を移した病院が格下げになったり、はしごを外されてしまう。こんな処遇なのですかみたいなことがないように、そこももちろん、医療資源投入量に応じた診療報酬のつけ方は必要だと思いますが、極端に下がることがないような配慮が必要ではないかと思います。
 視点3につきましては、とても重要なことで、これまでの議論の中ではあまり触れられていないのが夜間の医療体制の確保。
 特に病院における夜間の診療体制の確保が現状ではまだ手薄ですし、特にこれから高齢者の入院とかになると、夜間にかなり少ない人手でいろいろな業務をこなさなければいけないという問題が現実に起きていますので、ここはぜひ手当の引上げ、あるいは夜間業務に関しても多職種連携というような視点で考えていただくことが必要かと考えます。
 最後に、視点4ですが、一番上の○に後発医薬品の使用促進とあって、これは毎回出ているように思いますが、今までの数量ベースだと、完全に天井に張りついてしまっている状態なので、ここはそろそろ金額ベースにならないのかなというのが私からの質問でございます。数量ベースは、これ以上、上げようがないところもあるかと思いますが、いかがでしょうか。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局、いかがですか。
 それを探している間に、ほかの質問があれば、先に進めたいと思いますが、会場参加の方でございますか。
 よろしいですか。
 では、今、資料を探しておりますので、少し先へ進ませていただきます。恐縮です。
 それでは、オンライン御参加の方に移らせていただきたいと思います。
 それでは、お手を挙げておられますのは角田委員ということでよろしゅうございますか。お名前を。
○角田委員 はい。
 遠藤部会長、ありがとうございます。
 私からは議事2についてお話しさせていただいて、その後、長島委員から議事3についてお話しさせていただきます。
○遠藤部会長 分かりました。
 お願いします。
○角田委員 よろしいでしょうか。
 資料2の1ページの医業利益でございますが、令和6年度の状態でさえ、医療法人立の病院の約6割、無床診療所の約4割、有床診療所の5割は赤字。これは非常に危機的な状況でございます。
 5ページのデータは、令和5年度と令和6年度のn数がかなり異なっておりますので、2か年の動きを適正に反映しているのかという点は、多少疑問がございます。
 また、6ページの2期連続の医業利益率を見ますと、令和6年度で病院がマイナス1.1%、無床診療所は4.2%、有床診療所2.3%と、いずれも前期よりも明確に悪化しております。
 また、7月に収集した資料2の数字よりも、今回の資料2-2のほうが、いずれの数字も悪化しております。
 経常利益率も同様でございます。
 特に診療所の利益率は、中央値で見ると、平均値より大幅に低い状況で、資料2-2の10ページ、経常利益率の最頻値は、無床診療所は0~1%、有床診療所は1~2%と、御説明のとおり、病院だけではなく、診療所も非常に厳しい状況でございます。
 これは物価高騰であったり、人件費上昇に加えて、コロナ関連の補助金や診療報酬上の特例の終了も含めた影響と考えられます。
 私ども日本医師会の調査でも、診療所は減収・減益でございまして、これは診療科や地域にかかわらず、経営が悪化しています。利益率は半減し、さらに平均値よりも中央値は大幅に低く、また、決算月が直近になればなるほど、利益率が低くなっており、経営環境の悪化が今も進んでいることを示唆しております。
 同じく、私どもの調査では、医療法人立の病院は、医業利益率がマイナス1.6%、経常利益率がマイナス0.5%と、いずれも平均で赤字となっております。
 医業利益が赤字の病院が約63.9%に上っておりました。
 このままの状態では、多くの病院や診療所が立ち行かなくなり、患者さん、ひいては国民を守る地域医療の崩壊につながります。早期の補助金、並びに期中改定、コスト増に見合った診療報酬上の評価を緊急かつ最大限に行うことが必須と考えております。
 また、先ほどの議題1でも述べられておりましたが、現在、医療や介護の現場では、有料職業紹介事業の問題が経営に非常に深刻な影響を及ぼしています。
 先ほど申し上げました日本医師会の調査でも、人材紹介会社に紹介手数料を支払っている病院では、令和5年度から令和6年度にかけて、100床当たりの紹介手数料の支出は7.8%増加しています。ただでさえ高額な手数料で紹介してもらい、さらに早期離職された場合には、再び手数料を負担して、新たに紹介してもらうことになります。
 2023年の骨太の方針や、規制改革実施計画では、有料職業紹介事業の規制強化、ハローワークなど公的機関の機能強化も打ち出されました。
 しかし、依然として悪質な事例も報告されていますし、いわゆる丸適マークの認定制度や、医療・介護・保育の都道府県労働局特別相談窓口も、現場にはほぼ知られていないような状況でございます。
 厚生労働省として、手数料の適正化、規制の厳格化、公的機関の機能強化や業界の健全化に、早急に強力な対策を講じるべきと考えております。何より、大切な保険料や税金を財源とする保険診療の現場で、このような事態になっていることをしっかりと認識し、対応していただくよう、お願いいたします。
 その上で、本日の資料にも添付されている24日のWAM NETで公表された令和5年度、令和6年度のMCDBの経営情報等の集計データについて、短く申し上げます。
 資料2-2によれば、病院の施設数は、令和5年度までで3,033施設、令和6年度2,098施設と、減少しています。
 病院は3月決算が多いと思いますが、WAMのデータは7月時点の収集ということですので、3月決算の法人をどこまで取り込めているのかという点は、気になるところでございます。
 今回の令和6年度のデータは、速報ということですが、本日お示しいただいたような利益率の最頻値を含めた分布についても、令和5年度と同様に、WAM NETで公表していただきたいですし、今回取り込めなかった施設も含めて、データの更新をお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、長島委員、続けてお願いします。
○長島委員 続いて、長島から議事3、基本方針について、意見を申し上げます。
 ただいま角田委員が指摘しましたように、資料2-2で示された最新の医療機関の経営状況の調査結果を見れば、どれだけ深刻な状況であるかということが、委員の皆様におかれましても改めて明確されたものと思います。
 それを踏まえれば、視点1から視点4まで、全て重要ではありますが、その上で、視点1の「物価や賃金、人手不足などの医療機関等を取りまく環境の変化への対応」を重点に置くことに賛同いたします。
 なぜなら、視点2や視点3は、視点1の経営問題が解決されなければ達成できないからです。
 また、視点4に関しても、医療機能の効率化・適正化を行おうとするのであれば、まずは公定価格をしっかりと引き上げた上で、地域医療の悪化を招かないような形での効率化や適正化を考える必要があるからです。
 さらに、1番目の議題で具体的な論点とされているDX、タスクシェア、医療従事者の養成など、これら全ての課題の解決には、現在の医療機関の危機的経営状況が改善されなければ実現不可能であります。
 医療現場においては、何とか地域医療を継続している一方で、DXをはじめとする多くの取組を求められている状況の中では、重点というよりも「最重点」という表現を用いてもよいぐらいと思っております。令和8年度診療報酬改定での大幅な手当てと早期の補助金、並びに期中改定による緊急かつ最大限の支援を要望いたします。
 視点1の【考えられる具体的方向性の例】として挙げられている「医療機関等が直面する人件費、委託費や医療材料費等といった物件費の高騰を踏まえた対応」に関して、前回の資料では、食材料費等のみとなっており、その他の費用項目の明記についても要望いたしましたが、今回は逆に食材料費が含まれておらず、指摘した光熱水費も抜けているようですので、改めて追加をお願いできればと思います。
 また、視点2ではなく、視点1で「診療科偏在対策」という記載があります。
 診療科の医師偏在対策は、もちろん進めていかなければなりませんが、特定の分野や集約先の拠点病院をどのように評価していくか。地域に密着した医療機関も重要ですので、適切な対応が求められます。
 視点2の【考えられる具体的方向性の例】では「かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価」と記載してありますが、ここは「かかりつけ医機能報告」というように、「かかりつけ医機能」などと「の」を入れずに、つなげて記載すべきではないでしょうか。
 かかりつけ医は、何でも相談できる身近で頼りになる医師として、患者の自由意思により、自然発生的に関係が構築されるものであり、制度的に位置づけるものではありません。
 視点4の【考えられる具体的方向性の例】の例では「OTC類似薬等の薬剤給付の在り方の検討」とありますが、日本医師会としては、必要かつ適切な医療は保険診療で確保すべきという国民皆保険の理念に反することと、患者さんが自己判断で薬を使用することで、診断の遅れや重症化のリスクが高まることなどから、OTC類似薬の保険適用からの除外については時期尚早であり、明確に反対しております。あくまでも在り方の検討であるということを強調させていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ここで、先ほど山本委員から御質問があった内容につきまして、事務局で回答の準備ができたようですので、よろしくお願いします。
○保険局医療介護連携政策課長 山本代理から、7ページの後発医薬品の使用促進の部分で、金額についてもう少し考えるべきではないかという御意見をいただきました。
 まず、現状ですが、第四期の医療費適正化計画は、2029年までを目標としております。
 この計画をつくるときに、それまでは数量だけの目標にしておりましたが、副次目標として、金額シェア65%と入れるようになりました。
 おっしゃるとおり、今までずっと数量だけを目標としてきたところから、少しずつ金額にも注目しながらやるという段階に入ってきた状況でございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 山本委員、よろしいですか。
 大変お待たせして失礼しました。
 井上委員、よろしくお願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。
 今回も、医療法人の経営状況につきまして、様々な資料を示していただきまして、ありがとうございます。
 大変な状況だということは理解いたします。
 その上で、危機的な状況に見舞われている医療機関に重点的に支援が回るように、めり張りのある対応が必要ではないかと考えております。
 もう一つは、基本方針につきましては、1ページ目の基本認識の最初に「現役世代の負担の抑制努力の必要性」と掲げられておりますので、ぜひこの必要性の回答となるような具体的な方向性をお示しいただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、内堀典保委員、お手を挙げておられますので、よろしくお願いします。
 内堀委員、ミュートになっております。
 お願いいたします。
○内堀(典)委員 ありがとうございます。
 視点1を重点課題としていただいたことに本当に感謝申し上げます。
 物価高騰を喫緊の課題としておりますので、この点をしっかりと議論していただきたいと思います。
 また、視点2「2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進」におきましては、中医協の歯科医療その1でも資料が出ていますが、歯科医療提供においても、既に人口の減少、医療資源が少ない地域が存在しておりますので、何らかの対応ができるように、御配慮をお願いしたいと思います。
 時間も押しておりますので、各論は避けて、最後に一言だけ。
 公的医療保険を担う医療機関が、様々なデータの中で経済的に赤字、または経営状態が非常に逼迫している状態の中で、医療提供体制を維持するためには、公的な資金の導入は不可欠であろうと考えておりますので、既存の枠組みにとらわれずに、幅広い対策をお願いしたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、野村委員、よろしくお願いいたします。
○野村委員 ありがとうございます。
 議題3の「令和8年度診療報酬改定の基本方針について」ということで、4つある中の基本的視点は、どの視点も重要なものだと思っております。
 視点3の「安心・安全で質の高い医療の推進」は、医療を受ける私たちにとっては非常に重要な視点となります。
 そして、子供は、大人とは疾病構造が違う部分も多くあるので、ぜひ子供にとっても安心・安全が守られるような改定を進めていただきたいと思っております。
 そして、診療報酬制度は、国民にはなかなか分かりにくい部分もあると思いますので、こうした改定に伴う増額などに対しても、必要なことということは十分に理解しておりますが、ぜひ分かりやすく、丁寧な説明を引き続きよろしくお願いします。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、荻野委員、よろしくお願いします。
○荻野委員 ありがとうございます。
 日本薬剤師会の荻野でございます。
 私からも、議題3の診療報酬改定の基本方針について、幾つか意見を申し上げます。
 まず、基本認識についてはおおむね異論はございませんし、視点1を重点課題とすることについても賛成させていただきます。
 その上で、視点1については、薬局におきましても、物価高騰・賃金上昇等、医療機関同様、深刻な状況でございますので、効果のある対応をお願いしたいと考えております。
 次に、視点3でございます。
 「地域の医薬品供給拠点としての薬局に求められる機能に応じた適切な評価、薬局・薬剤師業務の対人業務の充実化」とお示しいただいておりますが、医薬品の安定供給が確保できない現状では、薬剤師は、対人業務にかけるべき時間が奪われているという現実がございますので、早急な医薬品安定供給の確保を進めていただきたいと存じます。
 視点4について、後発品等の使用促進でございますが、これまでも薬剤師は使用促進に積極的に取り組んできておりますが、医薬品の在庫・廃棄、いわゆる逆ざや、とりわけ高額薬剤の在庫・廃棄等の負担が増していることに御配慮をいただきたいと思います。
 また、OTC類似薬につきましては、長島委員からもお話がありましたとおり、私どもといたしましても、同様な考え方を持ってございます。医療提供の中でのいわゆるOTC類似薬の取扱いと、セルフケアの観点からのOTCの取扱いは性質を異にするものと考えております。
 最後に、効率化・適正化の具体的方向性の例では、医薬品に関する項目が多くあります。
 これまでも後発医薬品使用促進などで薬局は医療費の削減に取り組んでまいりましたが、医薬品のみの効率化・適正化では限りがあると申し上げます。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。
 米川委員、よろしくお願いいたします。
○米川委員 ありがとうございます。
 健保連の米川でございます。
 診療報酬改定の基本方針は、基本的には承知しております。
 ただ、基本認識につきましては、直近の決算でも、私ども相当数の健保組合は、保険料の引上げという形で対応しておりまして、既に現役世代の保険料負担は限界水準に達していることもぜひ補記いただきたいと思います。
 これは、いわゆる政局のポイントにもなっておりますように、社会保険料を引き下げるという大きな世論がありますので、それを国民の目とするならば、基本的視点とか具体的方向性に記載されております視点1~4は、先生方皆様は視点1を重点課題にすることは当然だとおっしゃっておりますし、私も医療現場の苦渋は分かっておりますが、いわゆる世間の目から見て、視点1だけを重点課題にすると、これは医療機関の賃上げのための今回の検討なのかと、いわゆる矮小化して会議の論点が見られるのはいかがなものかと思っております。
 その意味では、視点2~4も含めて、4つの視点いずれも関係する重要なテーマなので、殊さら視点1だけを重点課題とすることについては、やや違和感があるということだけは申し上げさせてください。
 具体的方向性の中身につきましては、新たな地域医療構想も踏まえて、医療提供体制をしっかりと見直していただき、とりわけ急性期病院の集約化については、既に検討も進んでおりますので、これについてはしっかりと記載いただくと、より理解が深まるのではないかと思います。
 どうもありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 続きまして、玉川参考人、よろしくお願いします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 議題3を中心にコメントさせていただきます。
 議題2でも示されましたとおり、光熱水費や材料費等の高騰、人件費の上昇等により、病院・診療所を問わず、医療機関の経営状況はこれまで以上に厳しくなっており、地域医療は危機的な状況にあります。
 この状況を踏まえ、社会経済情勢を適切に反映した診療報酬改定とともに、医療機関に対する緊急的な財政支援など、早期の取組をお願いします。
 また、改定後においても、物価や賃金が上昇した場合に、適時適切に対応できるよう、診療報酬をスライドさせる仕組みの導入についても、引き続きお願いいたします。
 加えて、医療分野全体として、医療DXの推進が必要不可欠であることから、十分な対応をお願いいたします。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、神野委員、お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。
 「赤字に苦しむ医療機関や介護施設の対応は待ったなしです。診療報酬、介護報酬については、報酬改定の時期を待たず、経営の改善及び従業員の処遇改善につながる補助金を措置して、効果を前倒しします」とおっしゃったのは、所信表明演説の総理大臣でございます。
 まさに今申し上げましたように、恐らく、医政局のマターとしては、前倒し分の補正予算に絡まってくると思います。
 その辺をまた総理の所信表明演説の実現も含めてよろしくお願いしたいと思いますし、今回のいろいろなデータを見ますと、より経営状況が悪化していることを考えると、前回の令和6年改定で十分な改定率が保たれなかったことになると思いますので、その辺も前倒しという中で考えていただきたいと思います。
 当然、財源は、物価が上がることによって消費税収は増えていますし、賃金が上がることによって保険料収入が増えている。そこに財源がある。
 あるいは、全て保険ということではなくて、税金をどこまで入れていくのかということも考えていただきたいと思います。
 3番ですが、視点1が重点項目になったことは全面的に賛成いたします。
 前回は「医療を取り巻く環境の変化」という軟らかい言い方でしたが、今回からは厳しいということを書いていただいたことを高く評価したいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 神野委員と同じ意見でございます。
 資料2-1の8ページを見ていただいたら、お分かりいただけると思いますが、MCDB、つまり、医療法人のデータがここに示されております。
 つまり、民間である医療法人が、全く支援のない状況で半数が赤字であるということ。しかも、2年続けて赤字であるということ。これはすなわち、市中の金融機関からの借入れが非常に厳しくなる現状がここで示唆されているわけでございます。
 したがいまして、倒産リスクが極端に跳ね上がるような状況の中で、全体の民間病院が赤字ということになりますと、医療体制が維持できないことは明白であります。
 したがいまして、物価・賃金への対応は大変に急がれるものでありますし、期中の手当、さらに、次期診療報酬改定の大幅な引上げが実現しなければ地域医療は立ち行きません。
 それと同時に、対応が不十分だった前回の診療報酬の影響によって、医療機関の赤字が積み重なったということを考えますと、この間、民間の医療機関は資産を全く使い切ってしまって余裕がない状況に陥っています。つまり、今後コロナの様な感染症が再燃したり、大規模な災害が起こったら、たちまちにして医療機関が倒産するような状況に追い込まれていることを考えますと、次の手当、あるいは期中の支援、あるいは診療報酬改定の中で、過去の不足分も勘案していただいて、そこへもきちんとした補塡をしていただくことが必要だろうと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 松原委員、よろしくお願いします。
○松原委員 社会保障と言うと、負担ばかりが強調されるのですが、社会保障は、市場の格差を是正していく重要な役割がありますので、社会保障を引き下げるということは、この重要な役割を持っている社会保障を小さくしてしまうということであって、今、これだけ医療現場が苦しんでいる中で、ここを小さくするということは、医療が崩壊して、国民の統合という面でも非常に問題、治安という面でも問題を引き起こすほどのレベルに今あると認識しております。意見です。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 大体御意見は頂戴したかと思います。
 それでは、本日の議論はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 非常に活発な御意見を頂戴いただき、ありがとうございました。
 また、司会の不手際で時間を大分オーバーしてしまいました。申し訳ありませんでした。
 それでは、本日、多様な御意見をいただきましたから、今後の議論は、それらを踏まえて議論を深めていければと考えております。
 では、事務局、何かございますか。
○医療政策企画官 次回の医療部会につきましては、決まり次第、改めて御連絡させていただきます。
 以上です。
○遠藤部会長 それでは、本日の議論はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 どうも長時間ありがとうございました。