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- 第112回社会保障審議会医療部会 議事録
第112回社会保障審議会医療部会 議事録
日時
令和6年11月15日(金)15:00~17:00
場所
全国都市会館 3階 第2会議室
(東京都千代田区平河町2-4-2 全国都市会館3F)
(東京都千代田区平河町2-4-2 全国都市会館3F)
議題
新たな地域医療構想の現時点の検討状況について(報告)
議事
- 議事内容
○医療政策企画官 それでは、時間となりましたので、会議を開催させていただきます。
ただいまから、第112回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日も現地での参加、それから、オンラインとのハイブリッド開催とさせていただいております。
まず、冒頭、委員の異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
城守委員の御後任として、新たに日本医師会常任理事、黒瀨巌委員が就任されておりますので、一言御挨拶をいただきたいと思います。
では、黒瀨委員、よろしくお願いします。
○黒瀨委員 ありがとうございます。
皆様、こんにちは。黒瀨でございます。これから、どうぞよろしくお願いいたします。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
それでは、本日の委員の出欠状況でございます。
欠席の委員でございますけれども、内堀委員、佐保委員、藤田委員、山口委員、山崎親男委員、山崎學委員より御欠席との御連絡をいただいております。医療部会の総定員数は24名で、定足数が3分の1の8名となってございまして、本日は18名の委員の皆様が御出席となっております。定足数に達していることを御報告申し上げます。
それから、資料の確認でございます。
資料は、議事次第、それから名簿類のほかに、資料1がお手元のタブレットにございます。御準備をお願いしたいと思います。
それでは、カメラは、ここまでといたしますので、よろしくお願いします。
以降の議事進行は、遠藤部会長、よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 皆様、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
初めに、欠席の内堀委員の代理としまして、福島県保健福祉部次長(健康衛生担当)の玉川参考人、佐保委員の代理としまして、日本労働組合総連合会生活福祉局部長、岩城参考人、山崎學委員の代理としまして、日本精神科病院協会副会長の平川参考人、以上、3名の方の御出席をお認めしたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に移らせていただきます。
本日の議題は「新たな地域医療構想の現時点の検討状況について(報告)」でございます。
事務局から関連資料の説明をお願いいたします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 医療提供体制改革担当の参事官です。
そうしましたら、資料の1を用いまして、新たな地域医療構想の検討状況の報告をさせていただきます。
この新たな地域医療構想につきましては、本年の3月から新たな地域医療構想等に関する検討会で検討しているところです。9月5日の医療部会に一度検討状況の報告をさせていただいたところです。その後の検討会の検討状況について報告をいたします。
本日いただいた御意見を踏まえて、また、引き続き、検討会のほうで検討を進めていきたいと考えています。
資料の枚数がかなり多くなっていますので、またポイントを絞って御説明いたします。
資料の最初のページ、2ページになりますが、本年度の骨太の方針で、2040年頃を見据えて、地域医療構想の対象範囲を、かかりつけ医機能、在宅医療、医療・介護連携、人材確保等も含めた医療提供体制全体に拡大する。それから、病床の機能分化・連携に加えて、医療機関機能の明確化、都道府県の責務軽減、市町村の役割、財政支援の在り方などについて検討を行い、2024年、本年末までに結論を得るということとされています。
3ページ目です。
こちらの右側の青い部分になります。新たな地域医療構想等に関する検討会、こちらのほうで検討を進めているということです。
4ページ、第1回の検討会にお示しをした主な検討事項になります。右側になりますが、2040年頃を見据えた地域の類型ごとの医療需要の変化に対応する医療提供体制のモデルですとか、病床の機能分化・連携のさらなる推進、それから地域の入院・外来・在宅などを含めた医療提供体制の議論ということを、検討事項として検討を進めています。
年末に向けて、まずは制度改正に関する事項を検討しています。医療提供体制のモデルなど、具体的な詳細については、制度改正後に施行に向けて、また来年度、ガイドラインを検討する中で検討していこうと考えています。
5ページです。
新たな地域医療構想の基本的な方向性の案ということで、8月の検討会の資料、9月5日の医療部会にも報告をしているものです。
右側の青いところに、新たな地域医療構想について、入院医療だけでなく、外来・在宅、介護連携などを含む医療提供体制全体の課題解決を図るための地域医療構想とするということで検討しています。
下のほうに3つ基本的な方向性を記載しています。地域全体を俯瞰した構想、医療機関機能に着目をした医療提供体制の構築、限られたマンパワーにおけるより効率的な医療提供の実現ということを基本的な方向性として議論を進めているところです。
6ページ、スケジュールになります。
3月に検討会を立ち上げまして、その後、関係団体、有識者のヒアリング、論点の提示、総論の議論をした上で、9月から各論の議論をして進めています。入院医療、在宅、外来医療などの議論を進めてきているところです。
下の矢印の下ですが、年内に取りまとめを行う予定としています。制度改正を行った上で、令和7年度に国でガイドラインの検討・発出を行い、令和8年度に都道府県において、新たな地域医療構想の検討・策定というスケジュールを想定しています。
7ページから入院医療、その中でも医療機関機能に関する検討状況になります。
まず、資料の9ページ、2040年の医療需要、85歳以上の高齢者が増加するということに伴って、9ページの左側、救急搬送の増加が見込まれます。特に赤色の85歳以上の救急搬送が増加するということです。
右側の在宅医療の需要の増加、こちらも特に85歳以上で増加をすると、全体で増加することが見込まれます。
その中で10ページ、老人ホーム、特養、有料老人ホームなどからの救急搬送件数についても増加が見込まれるということです。
11ページ、救急搬送は増加傾向ですが、そのうち高齢者の割合が増加しています。とはいうものの、3割程度は成人、高齢者以外の救急搬送というものも3割程度あるということです。
12ページ、高齢者の急性期における疾病の特徴です。85歳以上の急性期における入院について、若年者と比べると、医療資源を多く要する手術を実施するものは少なくなっているということです。
14ページで、高齢者の救急、高齢者について入院早期からのリハビリの介入、早期の退院後の治療、それから生活を支えるためのリハビリ等の提供できる体制が重要ということです。
16ページ、多くの医療資源を要する医療についてということで、2040年にかけて、全ての診療領域において半数以上の構想区域で手術件数が少なくなるという見込みになっています。
17ページ、夜間、休日等の緊急手術を実施する日数です。360日以上実施する医療圏が3つ、300日以上が31、200日以上が102、100日以下の医療圏が165という状況です。
19ページでは、様々な手術において、症例の多い医療機関ほど死亡リスクが低い傾向ということが報告されています。
20ページ、救急医療体制になります。
二次救急医療施設は3,194、三次救急医療施設が306、二次救急医療施設が全体として救急車の受入件数の約7割を受け入れているという状況です。
21ページで、救急医療施設の救急車の受入れの状況になります。
まず、三次救急医療施設について、半数が年間5,000件以上の救急車を受け入れています。
二次救急医療施設については、同じように年間5,000件以上の救急車を受け入れる医療機関が132あります。
他方で、半数近い二次救急医療施設で、救急車の受入れ件数、500件未満という状況です。
21ページの右側ですが、三次救急医療施設のない二次医療圏、136圏域がございます。
この圏域の中で、救急車の受入れのシェアが一番大きい二次救急医療施設の救急車の受入れシェアを見ると、その圏域の5割以上の救急車を受け入れているという二次救急医療施設が、半数以上の医療圏であるということです。その圏域で救急を中心になっている二次救急医療施設もかなりあるということです。
22ページ、今度は都市部の二次医療圏になります。
人口100万人を超える二次医療圏について、右側で、二次救急医療施設がどれくらいの救急車を受け入れているか、その割合になります。7割、8割程度の救急車の受入れを二次救急医療施設が行っている圏域が都市部では多くなっています。
25ページ、診療科別の時間外・休日労働時間数になります。外科あるいは脳神経外科などが多くなっているということです。
26ページからは、医師養成課程等を通じた医師偏在対策等に関する検討会における議論の内容になります。
下のほう、赤枠で囲っているところです。外科医療の実情について、以下のような指摘があるということで、症例の集約化・重点化を通じて手術の成績が向上するなど、医療の質の向上が示唆される。
外科医師の集約化・重点化を通じた医師の働き方の改善、待遇面での改善を実施することが、外科医師の確保に有効であった事例があるということが指摘されています。
あと、33ページ、病床利用率の推移です。
病床利用率は低下をしている。また、一番右側ですが、病院の医業利益率も低下傾向にあるということです。
あと、35ページで、2040年には日本全体の就業者数が大きく減少する中で、人材の確保がますます厳しくなるということです。
これらの状況を踏まえて、43ページ、矢印の下側ですが、新たな地域医療構想においては、病床機能、医療機関機能の整理を行い、医療提供体制を構築していくということです。
その下の真ん中ですが、地域で求められる役割を担う医療機関機能を新たな地域医療構想に位置づける。
43ページの右下になります。医療機関からの報告として、地域の状況、取組進捗等を把握し、地域で協議を行うとともに、国民・患者に共有することを目的に、病床機能、それから医療機関機能の報告をすることを検討しています。
44ページ以降、それぞれの医療機関機能に関する議論を行った際の論点の資料をおつけしています。
その上で、52ページになります。これまでの主な議論、医療機関機能について一定の整理をしたものになります。
医療機関機能の考え方として、医療機関機能に着目して、地域の実情に応じて、治す医療を担う医療機関と、治し支える医療を担う医療機関の役割分担を明確化する。それで、医療機関から都道府県に地域で求められる役割を担う医療機関機能を報告する。
その地域の医療提供体制の確保に向けて地域で協議を行うとともに、国民・患者に共有する。
2つ目の○です。医療機関機能としては、二次医療圏などを基礎とした地域ごとに求められる機能、それから、より広域の観点から医療提供体制維持のために必要な機能を設定するということ。
その下、ポツを2つ書いています。区域に関する内容になります。
2040年頃を見据えて、人口規模が20万人未満の構想区域など、医療需要の変化などから課題がある場合には、必要に応じて構想区域を拡大する。
それから、従来の構想区域だけでなく、広域の観点での区域、都道府県単位であったり、在宅医療等に関するより狭い区域、市町村単位あるいは保健所単位などの区域を設定する。
それから、実効性のある議論に資するよう、区域ごとに議論すべき内容、議題に応じた主な参加者などについて、ガイドラインで明確化するということです。
次の地域ごとの医療機関機能、こちらは4つ挙げています。
高齢者救急等の機能として、高齢者をはじめとする救急搬送を受け入れるとともに、必要に応じて専門病院、施設等と協力・連携しながら、入院早期のリハビリ、退院調整等を行い、早期の退院につなげ、退院後のリハビリ等の提供を確保するという機能。
※印で書いています、今後の需要の増加に対応するということも踏まえて、地域の実情に応じた幅を持った報告の在り方を設定するということです。
それから、在宅医療連携機能、こちらは地域での在宅医療の実施、ほかの医療機関、介護施設、訪問看護、介護等と連携した24時間の対応、入院対応を行う機能になります。
こちらも※で書いています、需要の増加に対応できるよう、地域の実情に応じた幅を持った報告の在り方の設定ということです。
3つ目が、急性期拠点機能になります。
地域での持続可能な医療従事者の働き方、医療の質の確保に資するよう、手術や救急医療等の医療資源を多く要する症例を集約化した医療提供を行うという機能になります。
※印に書いています、地域シェア等の地域の実情も踏まえた一定の水準を満たす役割の設定をする。
それから、アクセス、構想区域の規模も踏まえ、構想区域ごとにどの程度の病院数を確保するかを設定するということです。
4つ目が、その他の専門等機能になります。上記の機能に当てはまらないが、集中的なリハビリ、一部の診療科に特化した地域ニーズに応じた診療を行う機能になります。
次が、広域的な観点の医療機関機能です。こちらは、大学病院本院が担う医師の派遣、それから、医師の卒前・卒後教育、医療従事者の育成、広域の観点が求められる診療、救命救急センターや移植などを総合的に担い、これらの機能が地域全体で確保されるよう、都道府県と必要な連携を行うという内容です。
大学病院本院以外も、この救命救急センターなどを行う病院があります。ですので、その下の「このほか」のところに書いているように、大学病院本院以外でも、急性期の拠点機能を担う医療機関などが、広域の観点での診療あるいは人材育成、医師派遣等を行っている場合には、その役割についても報告をいただいて、地域全体での機能の確保に向けた協議、議論を行うことを検討しています。
次の53ページからは、病床機能になります。
こちらは、まず、57ページの矢印の下になります。必要病床数の推計に係る病床機能の区分について、こちらは、これまでと同様4区分とした上で、状況の変化も踏まえつつ、基本的に診療実績データを基に推計をするということです。
58ページが、これは、病床機能報告の病床の機能になります。
四角の1つ目のポツですが、病床機能報告の病床機能の区分について、これまでの取組の連続性などを踏まえ、引き続き4つの区分で報告を求めることとしてはどうか。
その際、2040年に向けて増加する高齢者救急の受皿として、これまでの急性期、回復期の機能を併せ持つことが重要ということを踏まえて、回復期については、急性期の機能の一部も担うこととして位置づけ、名称や定義を変更してはどうかという検討を行っています。
下の右側に書いていますが、これまで回復期という部分については、※印のとおり名称、定義等は引き続き検討していくこととしています。
59ページから、外来・在宅・介護連携などになります。
最初のほう、60ページからは、外来患者は、既に減少局面にある圏域が多い。それから在宅患者は、今後多くの地域で増加する。訪問看護についても、多くの二次医療圏で、2040年以降、ピークを迎えることが見込まれるという需要の推計になります。
64ページ、地域別に訪問診療の需要を見たものになります。人口5万人未満の一部の市区町村を除いて、多くの市区町村で訪問診療の需要は増加する見込みとなっています。
65ページ、死亡場所の割合の推移を見たものです。自宅、介護施設等での死亡割合が増加しているということです。
それから、71ページ、医療計画の在宅医療の体制、こういう在宅医療提供体制をイメージして、医療計画で都道府県に体制の構築に取り組んでいただいているということです。
真ん中の左側、四角で囲んでいますが、病院、診療所、歯科も含めて、あと薬局、訪問看護事業所など、多くの関係機関、それから多職種の連携を図りつつ、連携して24時間体制で在宅医療を提供できる、こういう体制の構築というものを進めているところです。
73ページが、医療計画で在宅医療の圏域を設定することとしています。その在宅医療の圏域については、上の四角の真ん中ぐらいですが、従来の二次医療圏にこだわらず、市町村単位、保健所、圏域などの区域で、弾力的、柔軟に設定することとしています。
74ページ、市町村においては介護の取組として、在宅医療・介護連携推進事業に取り組んでいただいているということです。
76ページで、外来医療提供体制に関する主な施策を整理しています。左側の外来医療計画を通じた取組として、紹介患者への外来を基本とする医療機関の明確化ですとか、外来医師多数区域において、新規開業希望者に対し、初期救急、夜間休日の診療あるいは在宅医療など、地域で必要とされる医療機能を担うように求める取組ということを進めています。
また、右側、かかりつけ医機能を発揮される制度整備、かかりつけ医機能報告が令和7年度に施行になります。これらの制度によって、各医療機関のかかりつけ医機能の内容について、国民・患者に情報提供を行う。
それから、各医療機関のかかりつけ医機能の内容について、地域の協議の場で報告をし、地域で不足する機能の確保方策の検討、取組の実施ということを、令和7年度施行で進めていくこととしています。
これらの状況を踏まえて、92ページになります。
地域医療構想における外来・在宅・介護連携などについての考え方の案になります。
上のほうの四角で、外来機能分化・連携、在宅提供体制の確保などに向けて、医療計画の取組、それから、かかりつけ医機能を発揮される制度整備を進めてきています。
2つ目のポツです。多くの地域で外来の需要は減少するが、在宅医療の需要は増加する見込みです。地域の医療需要と資源に応じて、診療所、中小病院などとともに、訪問看護ステーション、歯科医療機関、薬局、介護施設・事業所などが連携しながら、地域ごとに外来・在宅医療の提供が必要ということです。
下のほう、左側が現状と課題、需要の変化への対応、それから担い手の減少への対応、診療所医師の高齢化、医師の偏在、それから医師以外の人材確保の制約という課題への対応。
下のほうの既存制度、外来医療計画、かかりつけ医機能報告制度などによる確保・強化、在宅計画の体制整備などを進めていくということです。
右側が地域医療構想における取組になります。新たな地域医療構想においては、入院だけでなく、外来・在宅、介護連携なども対象とする。
それから、2つ目、議題に応じて、協議を行う区域や参加者を設定し、関係者の協議を実施する。
3つ目の○で、かかりつけ医機能報告、外来機能報告等のデータを基に、地域の現在、将来の医療需要と資源の状況を踏まえつつ、地域の外来・在宅・介護連携などに関する状況、将来の見込みを整理して課題を共有する。
少し小さい字で、具体的に共有する内容、項目を記載しています。
具体的には、このガイドラインの検討の中で、また検討をしていこうと考えています。
4つ目の○で、地域の実情を踏まえ、課題への対応を検討・協議して、必要な外来・在宅医療の提供のための取組を行う。
ここも取組の方向性のイメージを小さい字で、例として項目を幾つか挙げています。こちらについても、具体的にはガイドラインを検討する中で、検討していきたいと考えています。
93ページから構想区域になります。
こちらは、98ページの上のほうの赤枠で囲ったところです。新たな地域医療構想における構想区域の範囲について、2040年頃を見据えると、人口20万人未満の構想区域など、医療需要の変化、医療従事者の確保、医療機関の維持などの観点から、課題がある場合には、必要に応じて、構想区域を拡大する必要があるのではないか。
2つ目のポツ、在宅医療については、二次医療圏よりも狭い区域での議論が必要と。在宅医療の圏域、先ほどの市町村単位あるいは保健所単位などの圏域ごとに、医療機関、訪問看護ステーション、歯科医療機関、薬局、介護施設等が連携しながら、この在宅医療提供体制の確保を図る。
それから、市町村の在宅医療・介護連携推進事業の取組との連携をより一層深めることができる枠組みが必要ではないかということです。
最後の項目、99ページからが「新たな地域医療構想における精神医療の位置付け」になります。
最後のページで、5つ目の一番下の○ですが、精神医療について、現行の地域医療構想では精神病床の病床機能報告あるいは将来の必要量の推計等は行われていない、対象になっていないところです。これまでの精神医療に関する施策などを踏まえて、関係者が参画して専門的な検討を行うプロジェクトチームを開催して、新たな地域医療構想において精神医療を位置づける場合の課題等に関する検討を行っているところです。こちらの検討プロジェクトチームで、また検討した結果を、新たな地域医療構想等に関する検討会のほうに報告して、必要な制度改正などを進めていくことを想定しています。
資料の説明は以上になります。
○遠藤部会長 大部の内容についての御説明、ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明のあった内容につきまして、御意見、御質問等あれば、いただきたいと思います。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 3月から検討会が始まって、非常に膨大な内容を具体的にまとめて来られたなと思います。
まず、社保審ですので御意見を申し上げたいと思いますけれども、人口が非常に多い、50万あるいは100万以上の医療圏と非常に少ない地域では、かなり違いがあるということで御説明があって、22ページ、23ページなどは、そのとおりだと思います。
ここまで様相が違うと、条件が違うということであれば、50万以上の医療圏と100万以上の医療圏で、どちらで切るか分からないのですけれども、そういう医療圏と、それから、それ以外の医療圏を分けて検討する、全部一緒にしてしまうと、なかなか混乱してしまうので、分けるという点も考慮されてはどうかなと思います。
98ページの構想区域についても同じようなことを記載されていますので、非常に人口が多いところと、そうでない地域を分けるような方策が、地域における課題が抽出されて見やすくなるのではないかと思っています。
2点目なのですけれども、外科系の診療科のことが、26ページから28ページに、確かに集約化したほうが安全で質の高い医療ができるということは、そのとおりだと思っています。
もう一つ、35ページに病院で働く職員のマンパワーが減るということも記載されておりますので、なかなか外科系の集約化だけを絞っていくと、なかなか論点が絞りにくくて、うまく解決できないと思いますので、病院のマンパワーが減るということと、外科系の集約化で、安全な高度の医療が、質の高い医療が提供できるということを、一緒にくっつけて説明して、そうすると、今後どういうことを工夫してやっていけば進むのかということが見えてくるのではないかと考えます。
それから、3つ目なのですけれども、大学病院の役割について、特に地域における医師派遣機能が重要であるということが指摘されているということですけれども、内科の専門医とか救命救急センター及び周産期母子医療センターは、大学以外の病院が一定の役割を果たしているという御説明のとおりだと思います。
やはり、地域医療構想においては、行政と大学、都道府県と大学が一緒に協力して協議をすることが、地域医療構想が進むのに非常に重要だと思いますので、1県に大学が1個であればやりやすいのかもしれませんが、少し困難な地域もあるかと思いますけれども、大学と行政が一緒になって検討することが、非常に具体的に進める道としてはいいのではないかと思います。
それから、4つ目のポイントですけれども、高齢者を診る病院の役割として、44ページのとおり、早期にリハビリを行うほうがいいということで、そのとおりだと思います。やはりリハビリと分類される病院の中に幾つか種類があるので、この名称をもう少し皆さんが機能を融合できるような形で考えていただくということで、58ページの病床の区分としても書かれているわけですけれども、皆さんが協力できるような名称を考えていただいたほうがいいのかなと思っています。
もう一つ、今、御説明あったとおり、構想区域で20万人未満の地域医療構想の区域については、構想区域を拡大するということに賛成ですので、やはり具体的な方策を打ちやすいような区分にしていただいたほうがいいのではないかなと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
ほかに、対面参加でいらっしゃいますか。
望月委員、お願いいたします。
○望月委員 大分まとまってきているのかなと思うのですけれども、まず、52ページのこれまでの主な議論のところの医療機関機能で、この前の新たな地域医療構想の検討委員会でも、このネーミングの問題が出たと思うのですけれども、確かに、これは高齢者救急等機能と急性期拠点機能というので、これは、いわゆる二次救急病院を2つに分けていくようなイメージになるわけですね。
今、二次救急指定病院が、救急車は、今、70%程度取っているというデータからいっても、それと、58ページの回復期のネーミング、回復期に軽度急性期を、高齢者の救急がここに入ってくるのかなと思うようなイメージで、今、話されていると思うのですけれども、ここのネーミングの問題もありますので、これがうまく整合性が取れるように、医療機関の高齢者救急等というネーミングは、ちょっと老人病院のようなイメージを与えてしまって、高齢者救急も受け入れる、あるいは高齢者救急を積極的に受けていけるのだという病院だと思うので、ネーミングとしては、救急に軽症とか重症とかを入れると、また複雑になりますので、それは入れないほうがいいと思うのですけれども、例えば、救急一般、特に高齢者等とかと入れることも可能なのでしょうかね、要するに、先頭に高齢者と持ってきてしまうと、どうも間違った印象を与えるような気がしています。
あと、先ほどの回復期という名前を入れる前に、亜急性期という議論がありましたね。亜急性期という言葉を使った議論。あの辺の議論を、もう一度、最後の回復期と軽度急性期を併せた機能を持たせるというところの議論が、また出てくると思うのですけれども、でも亜急性期という言葉は、あまりぴんとこないので、いい言葉があればいいなと思うのですけれども、医療機関の機能のところに関しては、この4つの分類で高齢者救急等、在宅医療連携機能、急性期拠点機能、専門等機能という言葉で、内容を読んでいけば分かるのですけれど、ぱっと文字を見たときの印象があまりよくないのかなと思いますので、また、知恵を出し合って決めたらいいのかなと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインに移りたいと思います。
神野委員、お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。神野です。
3点、意見と伴う質問をしたいと思います。
まず、1点目でありますけれども、全体の方向性としても集約化という話があるわけですけれども、18ページにありますように、二次医療圏で時間外の緊急手術、1日のうちに1から4件程度の二次医療圏でもあるのですね、ゼロではないのです。
この集約化話は、実は、私、医師養成課程を通じた医師偏在対策の委員でありますけれども、そのときにも、消化器外科学会、脳神経外科学会から集約化の話があって、そのときにも申し上げたのですけれども、この後のほうの資料にもありますけれども、難しい手術、例えば、食道がんとか、膵臓がんとか、あるいは脳外科の脳腫瘍といった手術の集約化はありだと思います。ただ、それらの手術は待てる手術なのです。
一方で、腹膜炎とか、待てない手術があるわけです。待てない手術に対して、この集約化だけでいいのでしょうかということ、待てない手術に関しては、ある程度分散が必要であるということからすると、集約化するのは確かに高難度手術というものかもしれませんけれども、そうではない手術に関して、まさにスペシャリストとジェネラリスト外科医といいますか、そういったところの配置ということも考えなくてはいけないという意味では、集約化だけではなくて、あるところでは、やはり分散化するというのが、国民皆保険制度の日本国では必要なのかなと思います。
それを踏まえてということになるところもあるのですけれども、今、望月委員からもありましたけれども、52ページの医療機関機能であります。私もこのネーミングというのは、ちょっといかがなものかと。
というのは、例えば、若い人で軽症の方はどこへ行くのですかということになります。高齢者救急等機能のところに行かないですよ、こんな名前をつけておいたら、あるいは小児科のお母さんたちは、うちの子供が急にひきつけを起こした、熱を出して具合が悪い、これは高齢者救急等機能の病院に連れて行けません。急性期拠点機能に連れて行きます。
ですので、このネーミングは、絶対に見直すべきだと思いますし、高齢者救急等機能を、例えば地域一般救急とか、あるいは地域包括救急とか、もう少しネーミングを変えないと、かえって国民に混乱を招くと思ってならないところであります。
質問としては、後でよろしいのですけれども、例えば、もし、このままだとしても、うちの病院は、例えば、高齢者と在宅をやりますとか、高齢者救急と急性期拠点をやりますとか、そういう2つ、3つを選ぶこともできるのですねというのは、後で答えていただきたいと思います。
それから、3つ目は、今日あまり触れられていないのですけれども、この新たな地域医療構想の検討会の所管として、医師偏在対策があると伺っております。それも今年度末までに決めるという話になっていると思います。
今、医師の養成数を絞ろうという動きがありますけれども、これは偏在対策と対になっているべきであって、この偏在対策の議論が、本当に今年、年内に終わっていくのか、きちんとした強い偏在対策ができるのかといったところに関して、新たな地域医療構想の検討会での決意といいますか、どうしていくのかということを質問したいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、事務局、よろしくお願いいたします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 52ページのところの医療機関機能の報告です。
先生おっしゃるように、1つの医療機関が複数の医療機関機能、それぞれに該当すると、それの役割を将来やろうと思っているということで該当するということであれば、複数の医療機関機能を選択して報告することも可能と想定しています。
また、御指摘いただいた医療機関の機能の名称については、また、引き続き検討会のほうでも議論、調整をしていきたいと考えています。
もう一つ、医師偏在是正対策について、地域医療構想検討会で議論していると思うけれども、強い対策ということで、どうかという御質問がございました。こちらについても、新たな地域医療構想の検討会で、また、今後しっかりと検討、議論をして、年末のパッケージの策定に向けて進めていきたいと考えています。
以上になります。
○遠藤部会長 神野委員、よろしいですか。
○神野委員 結構忙しいと思います。よろしく検討ください。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、お待たせしました。角田委員、お願いいたします。
○角田委員 遠藤部会長、ありがとうございます。
私からは、3点御指摘したいと思います。まず、33ページをお願いいたします。
この地域医療構想の検討会に参加しています、私どもの役員からも、これは指摘しておりますが、このグラフの右側です。現在、医療機関の経営状況は大変厳しい状況でございます。新たな地域医療構想を策定しても、その地域に医療機関が存在しなければ、そもそも成立いたしませんので、厚労省としては、ぜひこの医療機関がしっかりと存続できるような措置について、御検討をお願いしたいと思います。
続きまして、52ページに参りたいと思います。
先ほどからいろいろ御指摘がございますように、ここに示された4つの医療機関の名称、定義、これは医療機関だけではなくて、国民の皆様にも分かりやすく、しかも、かつ誤解のないようにしていただきたいと思います。
医療機関機能は、全ての医療機関が該当する機能を報告する制度としていただきたいと思います。
また、先ほど御指摘もありましたが、高齢者救急等の機能と、在宅医療連携機能の説明部分、※印の部分に、地域の実情に応じた幅を持った報告の在り方を設定と記載されております。この考えを、ぜひしっかりと堅持していただきたいと思います。
また、急性期拠点機能についても、決して構想区域だけでは収まらないので、構想区域を越えて、都道府県下全域で議論することも多いと思います。必ずしも構想区域だけでの議論にはならないという考え方をしっかり御検討いただきたいと思います。
続きまして、58ページをお願いしたいと思います。
2つ目のポツです。回復期については、急性期機能の一部を担うこと、そして、その名称や定義を変更することが示されています。
現行の地域医療構想では、一部で回復期という用語に対して明確でなくて、また、自院の提供する医療にそぐわないと考えて、報告されないケースも実はありました。もし、仮に回復期のネーミングを変えるのであれば、例えば、包括期などと、入院早期から多職種の共同で包括的な医療を提供してくれる、在宅生活につなげるというイメージがしっかりと湧くような名称にしていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、野村委員、よろしくお願いいたします。
○野村委員 野村です。よろしくお願いします。
2040年を見据えて、高齢者人口がさらに増加することや、人口減少、医療資源も限られることから、きちんと検討していかなくてはいけないと認識しております。
まだまだ実際に、どのような部分がどう変化していくかというところの具体的なイメージは湧きませんが、5ページにもあります基本的な方向性など、必要性は感じております。
2点発言させてください。
今後は、一定の疾患や治療に関しては、集約しての医療提供も必要になってくるということは十分理解しております。今までとは、やはり同じように医療が受けられないとか、患者側をサポートする側の周りの負担も増えるかと思います。必要なことではありますが、今後も安全な医療が受けられなくならないように検討を進めていただきたいと思います。
あと2点目です。高齢者人口が増えることは十分理解しておりますが、高齢者とは疾病構造の違う子供では、また違う議論も必要かと思います。小児医療についても様々なところで議論されていると思いますが、引き続き丁寧な検討をしていただきたいと思います。
医療が都市部でしか受けにくくなると、若い世代にとっては、地方での子育ては困難になっていくのではと感じております。安心して産み、安心して質の高い医療が受けられるよう、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
では、お待たせしました。木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 私からは、現場の勤務医の立場からのコメントを2点と、御質問を2点したいと思います。
先ほど神野先生からも、待てる手術と急ぐものがあるということでお話がありましたけれども、全くそのとおりで、例えば産科でも胎児の状態が悪くて、すぐ帝王切開が必要な場合もあれば、少し待っての対応でも間に合うものもあります。
こういった場合、単なる距離だけではなくて、特に地方では山道とか雪道などアクセスが悪いところもありますので、集約化、特に救急医療を集約化する場合は、どの程度の距離なら許容できるかについて、住民によく説明してコンセンサスを得る必要があると思います。
コメントの2点目ですが、集約化、重点化というと別に新しい建物をつくって、組織も統合して、そこで始めると考えられがちですけれども、それには時間もコストもかかるので現実的ではありません。
できるだけ早期に少ない費用で、かつ、スタッフの雇用にも影響しないようにするには、やはりハードの集約ではなくて輪番制などを上手に、運用を工夫することで、医療機能を上手に集約化していくことが重要かと思います。
特に、救急や周産期など、時間外の対応を要する医療については、対応するスタッフの働き方改善のためにも、地域の輪番制を一層推進していただきたいと思います。
都市部や県庁所在地などでは、地域に幾つも病院があって、それぞれ1人ずつ当直していることが多いのですが、大変もったいないです。できることは限られてしまいます。現在、多くの病院で宿日直許可の取得が進んで、多少患者さんの診療に携わっていても、全体としては労働時間と見なされないことになっていますが、実際には、ほとんど診療が発生しないところも、もちろんある一方、少なからず救急対応を行っているところも相当数あると聞いています。むしろ、この機会に時間外対応のシステムを整備していくことが将来的に重要ではないでしょうか。
ただ、救急対応をするには、いざというときにすぐ対応できるために、その整備が必要で、人手もお金もかなりかかります。輪番制とした場合に、ほかの医療機関から、その日はスタッフの応援が得られるとか、地域のマンパワーを柔軟に活用できる仕組みをぜひ考案していただきたいと思います。
ここから質問なのですけれども、資料の18ページのグラフについてです。
このグラフで、右側のグラフですけれども、これは少なくとも1件は緊急手術の実績がある医療機関のデータですけれども、これ以外に、実際、手術には応需できる体制があるにもかかわらず、結果的に手術数がゼロだったという医療機関が含まれていないと思うのですけれども、これはあるのか、実際、その数が把握できるのか、それについてお聞きしたい。
すなわち、この書かれている医療機関数の合計イコール、緊急手術可能施設数と考えていいのか、そこが知りたいところで、これは今後の集約化を考える上で知りたいところかと思います。
それと、このグラフの下のほうに全身麻酔の手術とともに帝王切開が含まれていると書いてあるのですけれども、帝王切開は、今後、少子化でかなり減ることが言われていて、それは16ページの手術件数のグラフの一番下の性器のところが相当減っているという衝撃的なデータでも表されていますけれども、緊急帝王切開は有床診療所でも結構行われていて、緊急手術の中でも少し特殊な位置づけがあると思います。やはり周産期医療は分けて考える必要があるのではないかと思いますけれども、この18ページのデータを、帝王切開を除いた形で出していただくことが可能なのかというのが2点目の質問です。
やはり時間外手術への提供体制というのは、住民が安心して生活するためにも大変重要なところですので、検討においては、そういったいろいろなデータを踏まえて議論したほうがいいかと思いますが、いかがでしょうか。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局、質問がございましたので、回答できる範囲で結構ですけれども、よろしくお願いします。
○地域医療構想推進室長 事務局でございます。
18ページの資料について御質問いただきました。右側のグラフですけれども、下の※に書いておりますとおりで、二次医療圏において緊急手術を実施実績のある医療機関数の合計としております。これは、時間外以外であっても、この緊急手術に該当するような手術について行っている医療機関数を全て集計したものですので、基本的には広く実施可能な医療機関を拾っているものだとは思いますけれども、もしかしたら、年間当該手術を全く行っていないけれども、実は、スタッフはそろっているというところも、理論的にはあり得るかなとは思っております。
追加で、このデータについて帝王切開以外のデータもつくれないかということですけれども、これは、今後も地域医療構想を推進していくに当たって、様々なデータをお示しすることが重要だと思っておりますので、来年ガイドラインの検討もございますので、用意ができた場合は、お示しさせていただこうかなと思います。
○遠藤部会長 木戸委員、いかがでしょうか。
○木戸委員 分かりました。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 それでは、お待たせしました。井上委員、よろしくお願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。
検討会での状況を御報告いただきまして、感謝を申し上げます。
2040年を見据えたということですから、この人口の減少は、とりわけ生産年齢の人口が急激に減少してくるということであります。
さらに重要なのは、2040年より先においても同様に人口が減少していきますし、特に大都市圏以外では、高齢者の人口自体も減少していく地域が増えていくということでありますので、こういうことも視野に入れて検討を続けていくことが必要だと思います。
5ページに基本的な方向性が示されておりまして、この四角の中にありますように、全ての地域、全ての世代の患者が適切な医療を受けられる体制を構築するということが、最重要な課題でありますけれども、この下のほうにありますとおり、限られたマンパワーでどうやってこの体制を構築していくかということとともに、生産年齢人口が減少するわけですから、財源面、負担面でも実現可能なものなのかどうかという観点も重要かなと思います。
医療DXの推進などを含めて生産性を上げて、効率的で質の高い医療提供体制を実現することが必要だと思います。
また、医療・介護の連携なども考えますと、特に都市部におきましては、今後、三次医療圏間の連携ということも視野に入れて検討する必要があるのではないかと思います。
いずれにいたしましても、2040年以降に予想される人口構成の変化にも対応できる柔軟性を持った構想にしていただきたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、平川参考人、お願いいたします。
○平川参考人 日本精神科病院協会の平川です。
こちらから意見を3点と、1つ質問をさせていただきます。
まず、1点目ですけれども、精神科病床は、大正7年から精神病院法に基づいて、本来、公的病院がやるべき精神科医療を、民間がしなければ政策が進まないということで、代用精神病院という制度が始まっております。その中で、国の代用として、日本の精神科病床数は35万床を目標にということで政策が行われてまいりました。
それが、だんだん精神科医療の質が変わってまいりまして、35万床は多いと、地域移行を進めろということで政策転換をしてきた歴史がございます。
この辺の半公的な機能を担ってきた精神科病院が、地域医療構想に入るということで、これについては、診療報酬だけではなく、公的資金の投入が、ぜひ必要であると我々は考えております。
2つ目は、患者さんが高齢化してきたり、認知症の高齢患者が増加してきているということで、医療施設だけでは、やはり介護の問題が相当出てきておりますので、介護施設への病院からの転換というのも1つ重要な課題だと思いまして、これを議論に入れていただきたいと思っております。
3番目ですけれども、精神障害は生活障害ですので、精神障害者が町で暮らすようにするためには、地域への移行サービスはもちろん、就労とか生活困窮者に対しては、地域生活支援サービス、若しくは地域生活支援施設、こういうものを病院の中でつくるとか、転換する施設が必要になってくると思われます。ここら辺についても、やはり公的な資金の投入が必要だと考えています。
1つ質問なのですけれども、精神科医療においても、在宅医療が重要であるということは、お話があるのですが、2040年を見据えて、先ほどおっしゃっていましたけれども、人口減少の中で、在宅サービスについては、かなり人材が不足するというのが予測されていて、病院等よりも、まず在宅サービスの人を確保することができなくなってくるということが言われています。
これが2040年に向けた計画の中で、これほど在宅に重きを置いた施策をとっていって、人材確保ができるかどうか、その辺の議論がなされているか、これは質問でございます。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、事務局、よろしくお願いいたします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 御質問ありがとうございます。
在宅医療の提供における人材の確保の課題というところも含めて、検討しているのかという御指摘でした。
新たな地域医療構想の検討会の中では、人材制約が、これからますます厳しくなるということを共有した上で御議論いただいています。
在宅医療に関しても、そのような人材制約がある中で、地域ごとに在宅医療を行う資源、人材も含めた資源がどうなるか、さらに、在宅医療だけではなくて、いわゆる自宅の在宅医療、それから施設を含めた在宅医療、それから介護施設でしたり、療養病床も含めて慢性期の医療、在宅医療の需要をどうするかというのを地域で議論していく、検討していくというのが必要ではないかという指摘をいただいているところです。
さらに、人口がかなり少なくなるような過疎地域などにおいては、高齢者の集住などのまちづくりの取組と合わせた、在宅医療提供体制の検討というものも必要になるのではないかという御指摘を受けて、今、検討を進めているところです。
あと、効率的な在宅医療提供体制の構築ということの観点から、医療DXなどの活用も含めた取組というものが重要という指摘もいただいています。
以上になります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました、加納委員、お願いいたします。
○加納委員 ありがとうございます。
私からは、4つのことをお聞きしたいと思っております。
1つは、先ほどから外科医の集約化という話で、手術の例を出しながらということなのですが、やはり外科医に関しましては、先ほど神野先生が割とはっきりとおっしゃったような、スペシャリストとジェネラル的な外科医というのが、やはり役割として分かれるのではないかなと思っております。
そういう意味では、食道外科とか、そういったところでは、がんの治療に関しては集約化が必要かもしれませんが、一般外科的なドクターというのは、先ほどから出ています高齢者救急、二次救急においても必ず必要な先生方でありまして、高齢者の転倒、打撲、挫傷などは内科医では診られないわけですし、整形外科医が毎晩当直しているか、整形外科医も部位によっては、得意、不得意がありますので、集約化に関しましては、うっかりすると、分散化したほうがいい機能まで集約化し過ぎるということがありますので、この点、重々注意していただきたいと思っております。これは、意見でございます。
2つ目が、先ほどから議論があります、52ページの件でございます。
やはり、高齢者救急等の機能という形で、先ほどから出ておりますように、二次救急の役割というのは、この前の第8次医療計画の中で、二次救急医療機関は高齢者救急をはじめ、地域で発生する救急患者の初期診療と入院治療を主に担うということで、役割が明記されたわけでありますので、先ほども3割の方は若い人ということも含めて、地域の救急というものをしっかりやっているということをここに書かないことには、やはりいけないのではないかということなのです。
高齢者救急等という形にしてしまうのは、やはり危険だということで、ここらの説明を含めて、文言に対しては、やはり考慮すべきではないかと思っております。
もう一点は、急性期拠点機能というところなのですが、これも二次救急病院のことをかなり今回は詳しく明記して書いていただいたと思うのですが、例えば、大阪においては、特定機能対応医療機関という形で、二次救急でも、例えば脳卒中、循環器、消化器、外傷等々に分かれてあるのですが、いわゆる二次救急でも、例えば脳卒中の血管内治療ができる病院とか、そういったものがありますので、ここらも含めて急性期拠点機能が全て三次救急だけのものにならないように、ぜひとも考慮いただきたいかなと思います。
この件に関しましては、先ほど神野先生が御質問しかけたことなのですが、例えば、病院としては、4つとも機能を持ってもいいのかどうかいうことを、もう一度確認だけ、この時点でさせていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょう。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 医療機関によっては、複数の医療機関機能に該当する場合には、複数の医療機関機能の報告を行うということも想定されると考えています。
ただ、4つの機能のうち、最後の専門等機能、その他のようなものですが、こちらのほうは具体的な内容のところで、上記の機能に当てはまらないが、集中的なリハビリなどを行う機能というもので考えてはどうかなと考えています。
以上です。
○遠藤部会長 加納委員、いかがですか。
○加納委員 ということは、重なって幾つか役割分担で、機能として持つことができるという認識でよろしいのでしょうか。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) はい、おっしゃるとおりです。
○加納委員 ありがとうございます。
3つ目の話なのですが、83ページを御覧になっていただきたいと思います。
83ページ、本当に今、明らかに有料老人ホーム、サ高住等が増えております。
一方で、老健にしろ、いわゆる特養にしろ、今、空きが出てくるような状況が出てきているということで、やはり有料老人ホーム、サ高住の増加がかなり影響しているのではないかと思うのですが、実は、あくまでも、ここでやる治療は在宅という形に今後なってくると、これにまつわる訪問看護とか、訪問診療とか、いろいろなものが、ここに絡んでいって、ここの実態をどのようにして、今後、厚労省としてはつかんでいくのかいうことを教えていただきたいと思います。
というのは、例えば、大阪で難病に関しては、パーキンソンの患者さんを紹介してもらうと、あるサ高住は、150万円ぐらいのお金を出すとか、そういったもので非常にブラックな状況になってきているのではないかと思います。
患者さんの受診抑制ではなくて、施設の受診抑制みたいな形で、入院等に回ってこないような変な形の状況も生まれている可能性もありますので、ここらを今後どうやって厚労省としては監視していくのか、教えていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 事務局、何かコメントはありますか。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) サ高住、有料老人ホームなどにおける訪問診療あるいは訪問看護の実態というものの御質問です。
ここについて、訪問診療、訪問看護を、診療報酬を算定して行っている場合には、レセプトあるいはNDBというもので把握することになるでしょうし、あるいは医療保険者、それから厚生局による指導、監査という中で、情報があれば把握、指摘をしていくことが考えられると思います。
あとは、医療の質、実態として医療法などの観点から問題があるような場合には、保健所による医療監視というものの対象にもなるということだと考えています。
以上です。
○遠藤部会長 加納委員、いかがでしょう。
○加納委員 これは、今後、日本の医療のことを考え、あるべき姿をしっかりと厚労省として監督していただきたいかなと思っております。
4つ目なのですが、98ページのところの構想区域の考え方ということで、20万人未満の話が出たわけなのですが、例えば大阪ですと、約280万人で1つの構想区域になっております。
ただ、議論をするときには東西南北に分けて、大体六十数万人ずつ分けて議論しているのですが、今の構想区域の状況では、東西南北でありましたら、例えば、南の病院が、南部以外に移動できなくしないと、実は、今の地域医療構想の考え方の理屈でいきますと、大阪中どこでも移動できるという話になりまして、東西南北で分けて議論しても急に降って湧いたかのように、よその地域から来るということが可能な状況であります。
こういう問題も含めて、100万人を超える構想区域に関しては、ぜひともしっかりと議論していただく必要があるのではないかなと思っておりますが、この点、議論はされていくということでよろしいのでしょうか、この大きな構想区域の問題についてですが。
○遠藤部会長 事務局、お願いいたします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 人口規模の多い、100万人を超えるような二次医療圏については、現行の医療計画の中でも、構想区域として運用の課題が生じている場合が多いということを踏まえて、必要に応じて区域の設定の見直しを検討することとしています。
そういう流れから、今後、新たな地域医療構想における構想区域の考え方の中でも、人口の規模の大きい構想区域の在り方についても、また検討を進めていきたいと考えています。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
加納委員、よろしいですか。
○加納委員 ぜひともよろしくお願いします。ありがとうございました。
○遠藤部会長 それでは、対面参加に戻りまして、楠岡部会長代理、お願いいたします。
○楠岡部会長代理 楠岡です。
1つは、在宅医療に関してですけれども、病院に関しましては、今回までの地域医療構想の中で、いろいろ機能等を検討し、いろいろなシステムをつくることができたわけでありますけれども、在宅に関しては、これから極めて大事になる的な認識であって、細かく検討がされていない状況です。しかし、これから2040年にかけて、在宅もいろいろなタイプのものが出てくるのではないかと思います。
通常の、今、普通に行われている在宅以外にも、もう既に行われているような緩和医療を中心とした在宅とか、あるいは先ほど少し話が出ましたけれども、特定の疾患あるいは特殊な処置等を必要とするような、そういう疾患を対象にした在宅とか、例えば、国立病院機構ですと、重症心身障害児者に対する在宅とかをやっております。
そうしますと、在宅もある程度専門化が進むと考えられ、1つの構想区域あるいは在宅の医療圏を超えた、言うならば、かなり広域を対象とするところと、それから地元でやるところと分かれてくるので、在宅に関しましても、2040年を見据えてどのような体制としていくかを考え出す必要があるのではないかということを、指摘させていただきたいと思います。
もう一つは、構想区域の大きさの問題なのですけれども、20万人よりも少ないような構想区域というのは、特別な例外はあるかもしれませんけれども、ほとんどは非常に広域で人口が少ない。したがって、人口密度でいうと、非常に少ないところが、そういう中心になっていますので、そうしますと、その中でいろいろなことを進めようとすると、やはり距離というか、ダイバーシティの問題がやはり出てくるかと思います。
先ほど木戸委員からも御指摘がありましたけれども、こういうところをどうやって解決していくかを考えないと、ただ、人口だけで考えるのではなくて、人口密度的な要素も考えて計画していかないと、都市部ではうまくいくのだけれども、地方に行くと全然そういうのが成り立たないところも出てくるかもしれませんので、ぜひその辺の検討をお願いしたいと思います。
そういう中では、先ほど事務局のほうのお答えにもありましたけれども、まちづくりとの連携、これは、やはり考えていかざるを得ないところで、既に地方においてもそういう問題が出てきておりますので、その点に関しましても2040年を見据えて、入れていっていただく必要があるのではないかと思います。
以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、オンラインに戻らせていただきます。
島崎委員、お待たせいたしました。
○島崎委員 非常に率直に申し上げると、土俵を相当広げたなという印象を持ちます。
私はそのこと自体は決して悪いことだとは実は思っておりませんが、まず、法律上は、
現行の地域医療構想は医療計画の一部であるという立てつけになっていると思うのですけれども、ここまで広げると、医療計画との関係どころの話ではなくなると思います。
それは、単に法律上の位置づけという話だけではなくて、言ってみれば、これまで一次方程式や二次方程式を解いていたのが、七次方程式、八次方程式を解くような話です。必要になるオペレーションが全然違いますし、集まる関係者が全く違ってくるだろうと思います。
たとえば、ただ今、御指摘がありましたように、集住の在り方まで考えるとなると、住宅や交通システムをどうすればいいのかということまで考える必要があり、そうしないと地域医療の問題は解決できないというのはそのとおりだと思いますが、そうなりますと、県と市町村との連携というレベルだけの話ではなくなります。また、都道府県の中でも医療・介護部局とかという福祉部局だけではなくて、交通とか住宅であるとか、そこまでの広がりを持たさざるを得ないのだろうと思うのですけれども、そこまでの覚悟が厚生労働省及び自治体のほうにあるのか。それから、検討会では、その辺りの議論についてはどうなっているのかということをお尋ねしたいと思います。
もう一つ、2つ目の御質問なのですけれども、地域医療構想を単なるビジョンではなくて、実効性を確保していかなくてはなりませんが、その実効性を確保する仕掛けといいましょうか、その仕組みというのは、何を考えているのかということです。
例えば、ある地域でA病院、B病院、C病院を集約化しなくてはいけないという共通認識が得られたとしましても、それでは、その後どうするのか、集約化を進めるために一体どういう方法を考えていらっしゃるのか。そのことの当否はともかく、例えば、都道府県知事の権限を強化するのか、経済的な誘導、インセンティブを付与する方法を考えていくのか、一体どういうことをお考えになっているのでしょうか。
ちなみに、私は都道府県知事の権限を強化したとしても、地域医療構想は将来に向けた構想であり、いろいろな変動要素があり過ぎて権限行使は難しい。特に民間医療機関に対して強制的な方法というのは、仮に都道府県が権限行使したとすると訴訟リスクが抱えるので現実的ではないと思いますけれども、申し上げた質問をもう一回言いますと、地域医療構想の実効性を確保する仕組みとして何を考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○遠藤部会長 では、事務局、よろしくお願いいたします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) まず、1点目ですが、現行の地域医療構想は、医療計画の中の一部の記載事項になっています。新たな地域医療構想の検討会の中でも、この地域医療構想を将来のあるべき医療提供体制の姿の方向性を示すもの、そして、それを踏まえて、医療機関の役割分担を推進していくものに位置づけ、足元の6年間の実効的な計画として医療計画を位置づけることにすべきという意見をいただいています。ですので、そのような法律の立てつけも含めた見直しも含めて考えたいと考えています。
その際、集住あるいは交通システムなども含めて考えなければ、医療提供体制をどうするかというところの議論ができないのではないかという御指摘をいただきました。
こちらについて、地域医療構想の中で、なかなか交通システムをどうするか、そのものを決める、検討するというのは難しいのかなと考えています。
今回の新たな地域医療構想では、検討する議論の場を、二次医療圏単位を基本とする調整会議だけではなくて、都道府県全体で考える必要があるような事項については、都道府県単位の議論をする場もつくってはどうかという議論をして検討しています。
そういう都道府県単位の議論をする会議体の中で、そのような直接的な医療に関する事項だけではなくて、まちづくり、集住の観点ですとか、交通システム観点、都道府県の県庁の中では、それぞれ議論がされていると思いますので、そういうそれぞれの分野の議論との連携を、都道府県単位の議論の中で結びつけていくことは考えられるのではないかと考えています。
あと、新たな地域医療構想、実効性を上げるためのどういうツール、どういうことを考えているのか、知事の権限あるいは財政的な支援基金ということかと思います。
こちらは、都道府県知事の権限ですとか、医療・介護総合確保基金、財政的な支援の在り方については、まだ、新たな地域医療構想の検討会では議論していませんで、今後、この課題についても検討をしたいと考えています。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
島崎委員、いかがでしょう。
○島崎委員 ぜひ、そういう観点も含めて検討していただきたいと思います。
一言だけ申し上げると、特に過疎地のところなどですと、単なる医療圏の統合とかという話だけではなくて、住民の生活をいかに支えるかという視点が必要になります。つまり自治体としての機能そのものが失われている、危ういと言ったほうがよろしいかもしれませんが、そういうケースもありますので、もちろん一律に交通、住宅や産業といった他の部局を交えろということを申し上げているわけではないのですけれども、ぜひ丁寧な議論をしていただければと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、勝又委員、お待たせいたしました。
○勝又委員 ありがとうございます。2点、意見がございます。
まず、1点ですけれども、医療機関の機能についてなのですけれども、それぞれがどういった機能を担う医療機関があるのかということが、国民に分かるような定義の設定とか、あるいは説明が必要だと考えています。
その際に、52ページに具体的に記載されているイメージの中の高齢者救急等機能と、在宅医療連携機能は重複感があるので、さらに検討が必要なのではないかと考えております。
また、広域な観点の医療機関機能の具体的な内容としてですけれども、医師のみならず、看護職をはじめとした医療従事者の育成、派遣、それから出向等の機能についても、今後しっかりとガイドラインにお示ししていただきたいと考えております。
2つ目ですけれども、92ページの外来・在宅医療・介護との連携についてです。
地域で24時間医療や看護を提供するための体制構築が求められているために、地域医療構想において、外来や在宅、それから介護との連携を対象とすることは、非常に重要なことだと考えております。
そのために、ガイドラインの中に医療機関の外来、それから訪問看護、介護施設等における看護職の対応力、それから、連携の強化、特に看多機でございますけれども、2023年に介護保険法第8条の改正によりまして、看護のサービス、すなわち、療養上の世話と診療の補助の行為を行う事業所として位置づけられたところでございます。
ますます医療ニーズの高い方々を、地域で支える事業所として拡充・強化することが必要であるということなども、これからガイドラインに盛り込んでいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、お待たせいたしました、村椿委員、お願いいたします。
○村椿委員 ありがとうございます。
資料の92ページにあります、地域医療構想における外来・在宅医療・介護との連携などについてということですけれども、ページの左側に、外来・在宅医療に係る現状と課題、この2つ目の「担い手の減少への対応」という項目であります。
まさしく、私どもの地方のほうにおきましては、診療所医師の高齢化の問題ですとか、あるいは大都市のほうに医師や看護師等の人材が流れていくと、こういったようなことによりまして、実際に在宅医療に関わる人材の不足が見込まれるわけであります。
この課題の対応ということで、右側のほうに、地域医療構想における取組ということで、将来の医療需要と資源の状況を踏まえながら、地域の外来・在宅、介護連携等に関する状況や将来の見込みを整理して、課題を共有すると書いてあるわけですけれども、実際に医師の高齢化、あるいは先ほど言ったような偏在によりまして、これに関わる方々の不足が顕著な状況が進んでいます。
そういたしますと、こういった人材の確保の見通しがつかない中で、かかりつけ医機能ですとか、外来・在宅医療等を担う医療機関の確保という問題に対しまして、例えば、都道府県などが調整してやろうとしても、なかなか簡単にはいかないのではないかなということが、現場の市町村としては危惧されるわけであります。ぜひこれについて、実効性が担保されるような御議論をお願いしたいと思います。
また、今後、医療と介護をより一層複合的に議論する必要があるわけですけれども、介護サービスの分野におきましても、地方では人材確保に非常に苦慮をしております。
そんな中で、令和6年度の介護保険報酬におきましては、訪問介護の基本報酬は引き下げられました。訪問介護サービスを担う地域の中小規模の事業者の存続も危惧をしているところであります。
ぜひ国におかれましては、医師や看護師をはじめとする医療従事者、介護人材の絶対数の確保と、それらの偏在対策を併せて講じていただきまして、地域における将来の医療資源と介護サービスの提供体制を見通しながら、議論ができるような必要な措置を講じていただきたいと思います。
最後ですけれども、公立病院や公的医療機関をはじめ、地域医療を支える医療機関におきましては、昨今の物価高騰ですとか、賃上げ等の社会経済情勢もありまして、病院経営に影響を大変受けております。
将来の医療提供体制を議論している間に、地域に必要な医療機関が存続できなくなってしまうことがないように、国におかれましては、地域の実情に即した財政措置など、取組の御検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、河本委員、お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
私ども保険者の立場としましては、財政の支え手、これが減ってくる、医療費が増えると、そういう厳しい状況がさらに深刻化するということに強い危機感を持っております。
限られた医療資源で最大限の効果を発揮するためには、医療ニーズの変化を踏まえて、医療DXやICTも活用して連携を強化しながら、地域単位で治す医療、これを集約化して、治し支える医療、こちらに医療資源を振り向けていくことが不可欠であると考えております。
その観点で申し上げますと、20ページ、21ページにございますように、3,000以上存在する二次救急医療施設の救急車の受入れ件数、これは様々で、救命センターがない医療圏で地域を支えている医療機関、これがある一方で、ほとんど救急車を受け入れていない医療機関もあると、そういったデータもございます。
都市部においても、救急の受入れ実績が低い医療機関は存在していると思われます。都市部においては、増加する高齢者の救急受入れ、この受皿を確保することは、極めて重要ですけれども、だからこそ、効率的な医療提供を行うことが重要ですし、医療の質とか、あるいは医師の働き方、これを確保する観点からも必要な連携、再編、集約化、これはしっかりと進めていただきたいと考えております。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、荻野委員、よろしくお願いいたします。
○荻野委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の荻野でございます。
薬剤師・薬局の立場で意見を2点ほど申し上げます。
59ページからの外来・在宅医療・介護との連携等については、新たな地域医療構想等に関する検討会ヒアリングでも申し上げました意見を御反映いただき、感謝申し上げるところでございます。
92ページでお示しいただいているとおり、外来・在宅医療・介護との連携の中で薬局が担う医薬品提供体制をさらに充実させる方向で取組を進めているところですので、ぜひガイドライン作成においてもお示しをいただいた考え方を反映いただき、薬剤師・薬局の役割が読み込めるように御配慮いただきたいと思います。
もう一点は、93ページからの構想区域についてであります。
第8次医療計画等に関する検討会でも議論がありましたとおり、在宅医療については、二次医療圏よりも狭い区域での議論が必要であり、計画作成においては圏域を議論する上で弾力的な対応も必要とされています。在宅医療に必要な連携を担う拠点の必要性も考慮した、二次医療圏より狭い圏域とすることは、議論されるべきだと考えます。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、お待たせしました、玉川参考人、よろしくお願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
実務を担います都道府県の立場から、5点、発言をさせていただきます。
1点目は、都道府県意見の反映です。厚生労働省におかれては、9月18日に新たな構想の検討状況などについて、都道府県向けの説明会を開催いただいたことについて、感謝を申し上げます。ありがとうございます。
引き続き、意見照会や意見交換の場を設けるなど、都道府県意見の十分な反映をお願いいたします。
2点目は、症例の集約化、重点化についてです。
集約等の必要性は理解いたしますが、地域により医療環境は様々です。集約化が画一的な取組にならないよう、地域の実情を踏まえた論点の整理が必要と考えます。
3点目は、地域の差異を踏まえた検討についてです。大都市、地方都市、過疎地域などの類型により、前提となる医療ニーズや医療資源の状況が大きく異なります。実効性を高める上でも、地域類型ごとの差異を踏まえた検討が必要です。
4点目は、地域医療構想の位置づけです。新たな構想は、病床機能だけではなく、外来・在宅医療・介護との連携などを含む医療提供体制全般を対象としており、医療計画をはじめとした既存の計画と対象範囲がかなり重なってまいります。新たな構想においては、将来ビジョンとしての側面と、アクションプランとしての側面があると考えますが、重複の負担が生じないよう、既存の計画等との関係性を整理し、位置づけていくべきと考えます。
5点目です。関係者の負担軽減についてです。
新たな構想では、対象が拡大し、取組がより深くなることに加え、医療機関機能報告が新設される方向です。現場の医療機関や自治体など、関係者の負担が大きくなることが懸念されるため、構想の対象とする範囲の適正化、業務重複を回避した制度設計、スタート段階からの各種支援体制の確保など、負担軽減の観点からも検討を進める必要があります。
私からは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、お待たせしました。黒瀨委員、お願いいたします。
○黒瀨委員 ありがとうございます。
まず、この膨大な資料を取りまとめていただきました事務局に感謝申し上げたいと思います。
私のほうからは、4点意見を述べさせていただきたいと思いますけれども、まず、第1点目、52ページ及び58ページに書いてございます医療機関の機能と、それから病床の機能の問題でございますけれども、これの分類あるいはそのネーミングの問題、様々御指摘をいただいております。
また、新しい地域医療構想等に関する検討会で江澤委員が、さらには本部会でも、先ほど角田委員が、それぞれ当会から意見を述べさせていただいておりますので、詳細は省かせていただきますけれども、やはり大切なのは、残念ながらなかなか難しいネーミングであり、また、分類の考え方であると思いますので、100%正解というのはなかなか得られないと思いますので、そういったものが決まったときに、より丁寧に国民の皆様に理解していただくための説明が重要であろうということだけは、ここでもう一度改めて確認をしておきたいと思います。
続きまして、ページ21から23に書かれております救急医療に関してでございますけれども、先ほど来からも御指摘ありましたように、やはり救急医療に関してはアクセスの問題、それから地域の広さの問題、いろいろバイアスがございます。
ここにも書かれていますように、二次救急医療施設でも、ほぼ三次救急と同じぐらいの、あるいは同レベル以上の救急車の受入れを行っているような医療機関もあるという状況でございます。
その中で、二次救急の中でも、特に三次救急よりも二次救急では、いわゆる疾病別のレベルのばらつきというのが非常に大きいと私は理解しておりますけれども、そういったことも勘案した上で、例えば、この圏域に住んでいるのだけれども、隣の圏域に、すぐ隣に住んでいる、近くに隣接しているところに住んでいるような方が、どちらを選ぶかということも、ある程度考慮に入れる必要もございますし、また、大都市圏であれば、例えば、新宿などですと、昼間人口は100万人もいるのですけれども、夜間人口は30万人しかいない、こういった人口が非常に流動性の高いような地域で、どういったところで区切って、構想区域を論じるのかという問題もあると思います。
先ほど人口のレベルに合わせた構想区域の考え方ということも議論に上がっておりましたけれども、今後、ガイドラインを作成するに当たっては、そういった人口の流動性の問題ですとか、あるいは二次救急病院における、そういったアクセスの問題、あるいは圏域を越えた治療の問題、あるいは都道府県を越えた問題、そういったこともしっかりと議論できるような、そういったガイドラインにしていただければと思っております。
それから、35ページ目のグラフでございますけれども、これは、いろいろな会議体で使われておりまして、非常によく見る、ある意味、ベストセラーに近いようなグラフだと思いますけれども、ここにも書かれている健康寿命の延伸というのは、2番目の命題にありますけれども、ここでは男女ともに3年以上延伸して、75歳以上にすると書かれております。
実際、今は、もう既に2024年が終わろうとしているわけですけれども、本当に男女ともに健康寿命が3年延伸できるのかというのは、非常に疑問を感じているところでもあるのですけれども、これが達成されるとしても、いつのタイミングで達成されるのか、それによっては、残念ながら、今、こちらで想定しているような、いわゆる生産年齢人口と、それから医療・福祉で働く人口との比率が変わってくる可能性も十分にあり得るだろうと思いますし、また、高齢者が健康になったのはいいけれども働く機会がないと、あるいは、病気と共生しながらでもしっかりと働けるような共生社会が本当に構築できていくのかどうかということ、これは、先ほどまちづくりの問題にも絡んでくるという御指摘もあったように、我々としては、もちろん地域医療構想の中で論じるものではないとしても、やはりまちづくりということをきちんと意識しながら、その議論を進めていく必要があるのではないかと思います。
最後に、もう一点なのですけれども、こちらもマンパワーに関する問題でもあるのですが、他の省庁の会議体におきまして、現在、いわゆる医師の偏在問題あるいは地域の医療提供体制の偏在問題を議論されている中で、地域によっては、ディスインセンティブのものを導入するとか、あるいは自由開業制を一部制限して、開業規制を行うといった、そういった偏在対策を議論されている会議体も多いと承知しております。
ただ、私どもとしては、やはり今後2040年に向けて、やはり日本の医療をしっかりと守っていくためにも、今まで根幹としていたフリーアクセスとか、あるいは自由開業制というのを前提とした議論を、今後も、やはり継続していかなければいけない。その覚悟を持った上で、この地域医療構想を議論していかなくてはいけないということを、改めて、もう一度確認をさせていただいて、私の意見とさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、岩城参考人、お願いいたします。
○岩城参考人 ありがとうございます。
検討の方向性に異論はございませんが、人口減少、超少子高齢化が地域ごとに異なったスピードで進行している中、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、日本全体の大局的な視点も示しつつ、地域の実情を踏まえた良質で効率的な医療提供体制を再構築する必要性があると考えます。
そのためには、医療機能の分化や連携、切れ目のない医療・介護連携の強化が不可欠だと思っておりますので、その観点からそれぞれ意見を申し述べます。
まず、医療機関機能ですが、これまでの病床機能報告に追加し、その役割を明確にすることは、患者の適切な医療機関の選択に当たっても重要と考えます。的確な報告に向けては、国が都道府県をしっかり支援することが必要だと思っております。
次に、外来・在宅医療・介護との連携等についてですが、さらなる連携強化に向けては、設置主体にかかわらず全ての医療機関、地域の関係者が関与し、一丸となって地域医療構想の着実な実現に向けて取り組んでいくことが重要となりますので、地域医療構想調整会議の在り方も含めて強化を図る必要があると思います。
なお、医療機能の集約化、重点化は重要ですが、患者のアクセスの問題もございますので一律に考えるのではなく、地域の実情も踏まえた丁寧な検討が求められると思います。
最後に、精神医療の位置づけですが、精神障害者の地域移行や生活支援には、地域における多様な社会資源との連携が重要になると思っておりますので、プロジェクトチームでの検討に期待しております。
私からは以上です。ありがとうございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、お待たせしました、松原委員、よろしくお願いします。
○松原委員 高度急性期機能の集約化は、大変重要なことだと思っております。これは、不可欠だと考えます。
一方で、周囲の中小病院とか診療所がしっかり機能を担っているからこそ、高度機能を発揮できると思います。先日も私、実は左肩骨折で手術入院しましたが、そうしたことを地域の病院ができる体制を維持しないと、住民が安心して暮らせないということを考えますと、特に地方においては、医療提供体制の如何が人口減少を加速させる問題が起きますので、高度急性期機能の集約化という問題と、日常的な医療や手術が受けられる体制構築の問題を分けて考えていく必要があると思っております。
一方で、訪問医療、訪問看護、訪問介護、こちらは、私はまた別の考えを持っておりまして、これは移動時間をいかに効率化できるかということが重要なので、こちらこそ集約化が重要だと思います。寡占化も一考に値すると考えます。普通寡占というと、競争上の問題が一般にはあるのですけれども、公的な医療、公的な介護であれば、価格は公定価格で無理に上げることもできませんし、質も資格である程度担保できるということで、人口減少下で地域医療・介護を守るためにも、在宅については、もっと集約、寡占というのを進めていく必要があると考えております。
以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
ありがとうございました。大体御意見は出尽くしたということで、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
非常に貴重な御意見等々をいただきました。どうもありがとうございました。
それでは、本件につきましては、これまでとさせていただければと思います。
事務局におかれましては、本日、多様な意見をいただきましたので、引き続き、今後の議論に資するような形で資料等を作成していただければと思います。
それでは、事務局におかれては、何かございますか。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
次回の医療部会につきましては、また、決まり次第、御連絡をしたいと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
それでは、本日の会議は、これまでとさせていただきます。大変お忙しい中、委員の先生方、どうもありがとうございました。