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第111回社会保障審議会医療部会 議事録
日時
令和6年10月30日(水)16:00~18:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム 7階 大ホール
議題
1.美容医療の適切な実施に関する検討会の議論の状況について
2.適切なオンライン診療の推進について
3.医療DXの更なる推進について
4.産科医療特別給付事業等について
5.その他(非密封放射性同位元素を用いた医療機器及び医薬品等の医療法上の取扱いについて)
議事
- 議事内容
- ○医療政策企画官 定刻となりましたので、ただいまから、第111回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席ありがとうございます。
本日につきましても、現地での参加、それからオンラインを選択の上で御参加をいただいております。
まず、出欠状況でございます。本日御欠席の委員でございますが、内堀委員、河本委員、野村委員より御欠席との連絡をいただいております。
医療部会の総委員数24名、定足数8名となってございまして、本日21名御出席となっております。定足数に達していることを御報告申し上げます。
また、山口委員より途中参加、井上委員より途中退席との御連絡をいただいております。
資料の確認でございます。お手元のタブレットに資料1、資料2、資料3-1、3-2、3-3、資料4、資料5、参考資料1、参考資料2ということで、本体資料は7点、参考資料は2点ということで格納させていただいております。もし不具合等ございましたら適宜お手を挙げて事務局にお知らせください。
それでは、カメラの方はここまででお願いいたします。御協力をよろしくお願いします。
では、遠藤部会長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 皆様、こんにちは。本日もまたよろしくお願いいたします。
初めに、代理人の方の御承認をお諮りしたいと思います。本日欠席の内堀委員の代理としまして玉川参考人(福島県保健福祉部次長)、河本委員の代理として松本参考人(健康保険組合連合会理事)の御出席をお認めいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
なお、本日は限られた時間の中でいつも以上に多い5つの議題について議論を行いますので、御発言の際は要点を要領よくまとめていただくなど、円滑な議事の進行に御協力いただければ幸いでございます。
それでは、早速議事に移りたいと思います。
まず、1番目は美容医療の適切な実施に関する検討会の議論の状況について、事務局から関連資料の説明をお願いいたします。
○医事課長 医政局医事課長でございます。
資料1を御覧いただければと思います。「美容医療の適切な実施に関する検討会の議論の状況について」というものでございます。
2ページですけれども、本検討会につきましては、美容医療について近年、施術の幅が非常に広がっている、心理的ハードルも低いという背景もございまして、美容医療に関する被害を防止し、質の高い医療の提供を行うためにどのようなことが考えられるかということで、この検討会を開始しているというものでございます。
5ページ、その検討会のスコープということで、美容医療には様々な目的、医行為の中には外科的・非外科的あるいは内服薬等の治療法がございますけれども、ピンクの部分がこの検討会で取り扱う範囲ということで規定をして検討会を開始してございます。
8ページ、その検討会、第1回目を6月27日から開始しておりまして、都合3回これまで行ってございます。本医療部会におきましては、この3回行った検討会の御議論を今日御報告させていただいて、御意見があれば構成員の先生方から賜りたいという趣旨でございます。この検討会につきまして、右側のところに構成員もございますけれども、美容関係の学会の方々、専門家の方々、ジャーナリスト、そしてそれ以外の団体の方々、保健所の方々にも入っていただいていると。加えて、オブザーバーということで消費者庁の担当課長にもお入りいただいて、契約という観点についても議論をしているところでございます。
その内容についての御紹介でございますが、ページを飛ばしていただきまして、17ページでございます。大きくこれまで2つの柱に分けて議論しておりまして、1つ目の柱が違法あるいは違法疑い事例に関する問題への対応ということでございました。これについて議論をしておりましたところ、ここのページの左側に課題というところでまとめておりますけれども、こういった御議論をこれまで検討会の中でいただいたというものでございます。
具体的な対応案をピンクのボックスで示してございますけれども、美容医療については、現在どういったところでどういう美容医療を行っているか分からないといった課題につきまして、まずは特に違法事例等の実態把握に資するような基礎資料の定期的な報告を医療機関から求めてはどうかということが1つ目のボックスでございます。それ以外に、保健所が実際に立入りをする場合の監査・指導のプロセス・法的根拠を明確化してほしいという保健所からの御要望もございましたので、それをするのが2つ目のボックスです。また、実際に立入り等をした場合に、その診療録を確認するわけですけれども、その記載が十分でないということでございますので、基本的には保険診療を想定している診療録の項目について、美容医療も含めた実態を確認するために必要な美容医療の特徴も踏まえた記載事項を必要な事項として追加してはどうかというのが3つ目のボックスです。4つ目につきましては、国民への理解促進が必要であろうと。また、美容につきましては、オンラインで行っているような事例も多くございますので、併せてオンライン診療指針の位置づけの整理が5つ目のボックスになってございます。
続きまして、24ページを御覧いただければと思いますが、美容医療の検討会での2つ目の柱ということで、美容医療の質の向上の問題に対する対応策ということでございます。1つ目ということで、美容について様々な課題がありますが、それらにつきまして、これまで定められた指針やガイドラインがないということでございましたので、関係団体、関係学会にお集まりいただいて、ガイドラインをまずは策定をしていただいてはどうかというものでございます。実際に左側の課題のところに書かせていただいていますけれども、よく問題になります後遺症の対応・アフターケア、あるいは研修・教育体制など、そのようなことも含めてこのガイドラインに記載をしてはどうかというものでございました。また、それ以外にも国民向けの周知・広報ということもございますし、3つ目のボックスですけれども、自由診療であれ美容医療につきましても安全管理をどう担保するかが非常に大事だということで、各美容医療を行う医療機関の安全管理措置の実施状況等について定期的に報告をいただくと同時に、その報告内容について公表し、見える化をしてはどうかということでございます。
以降、参考資料といたしまして、幾つかお出しをしていますけれども、例えば28ページを見ていただければと思いますが、美容医療、いわゆる「美容外科」を主たる診療科とされるドクターがここ2年間で200人ぐらい増えている。毎年100人ずつぐらいこの3~4年は増えていることも含めて、そういった医師数の推移であるとか、29ページには、2022年のところを見ていただいて、「美容外科」を見ていただきますと、青い色の棒グラフが多いと思いますけれども、これは20代で、ピンクのところが30代ということで、20代、30代の若い医師で美容外科の半分以上を占めるということですので、最近美容外科に入られた方々が多いだろうことがこのようなデータによっても分かると。こういった背景もありますので、必要な教育・研修体制であったり、法律事項の紹介であったり、そのようなことも含めてガイドラインを策定してはどうかと、検討会でこのような御議論があったというものでございます。
事務局からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま報告のありました内容につきまして、御意見、御質問等があればいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
楠岡会長代理、お願いいたします。
○楠岡部会長代理 楠岡でございます。
現状を非常によくまとめていただきまして、対策を立てていただいているところはよく分かったのでありますけれども、美容医療は外国においても自由診療で、いわゆる保険診療の中でやっているところはないと思うのです。そうしますと、イギリス、フランスなどにおいて保険診療がやられている中で日本と同じような問題が起こっているのかどうか、あるいはそれが起こらないようにするためにどのような工夫がされているのかという点に関して検討されていると思いますけれども、その辺りがどうなのか。
それから、あまり規制を強くし過ぎて、今度は美容医療を受けたい方が受けにくくなってしまうと、お隣の韓国では非常にそれがはやっているのでそちらへ流出してしまって、かえって危険性が高まるということもあるので、その辺りも含めてどのように考えていけばいいのか教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、事務局、コメントをお願いします。
○医事課長 ありがとうございます。
基本的に自由診療の世界でやっていると認識してございますが、諸外国の状況と直ちに比較することは難しい状況でございますが、お隣の韓国にしてみても美容についてはニーズも多いこともあり、当然そこに携わるドクターも多いということで、ニーズがあればそこにどうしても医師が集まってしまう現状があると認識してございます。
2点目、委員御指摘の諸外国に行くと逆に危険ではないかということだと思いますけれども、恐らく実際に帰国をされた後に、いわゆる後遺症というか何か症状があったときに日本でかかったとしても、どういう手技をされたか分からないので、なかなかその対応ができない、このような事例の報告も含めてそのようなことを我々も認識をしてございますので、なおさら国内で美容医療を受ける際には、御説明していますように、一定程度医療機関の透明化を図った上で、きちんと正しく利用者が医療機関を選択できる環境を整備することが重要だろうということで、定期的な報告と公表をまずは図ってはどうかということを考えているものでございます。
○楠岡部会長代理 ありがとうございます。
韓国の場合は非常に医師の数を制限しているところで、この間も増やすことで大問題になったわけでありますけれども、そのように人数が制限されるところでも美容外科にかなりのドクターが動くとなると大きな問題になって、その辺りもまたいろいろ参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、泉委員、お願いいたします。
○泉委員 泉でございます。
美容については検討会がやられていますので、この内容については今日は触れるつもりはなくて、社保審の医療部会として非常に重要だと思われることを指摘させていただきたいと思います。
最近、外科系の医師は非常に病院で確保が困難になってきている、それから看護師の確保が困難になってきている大きな原因は、美容にかなり人材が流出しているということだろうと思います。そこで、自由診療に対して医師賠償保険などの適用基準を高くするとか、初期臨床研修も受けないで美容に行ってしまう、自由診療に行ってしまう医師もいるので、こういうときに医師賠償保険に対するハードルをきちんと高くするなどの行政指導ができないかということについての御検討をお願いできないかということです。
もう一つ、大学の教育で医師を育てるのに公的資金が使われていますので、営利目的である美容について正当な理由で規制することが重要だろうと思っています。
先ほど国民への理解という点があったのですけれども、自由診療で行った美容医療について合併症などが起こった場合に、これは自由診療で対応しているわけですが、これをもっと広報をきちんとしていただきたいということです。保険診療を行っているような病院や医療施設に負担をかけないような配慮をお願いしたいということと、美容医療についても高度な医療を必要とするような合併症を受けていることもありますので、こういう高度な医療になっても自由診療なのだということをしっかり国民に周知していただくことが重要かと思っています。
それから、厚生労働省の検討事項ではないのですけれども、この自由診療、美容については営利目的なので、課税を強化して、その分保険診療をやっているような医療従事者の減税など、そういったインセンティブがないかをぜひ考えていただきたいと思っています。美容に行く医療従事者は収入が高いなどということになると思うので、インセンティブがないと今後も人材流出する率が高いと思いますので、何らかのインセンティブを考えていただければと思っています。
それから、あまりこの中で検討されていないのですけれども、もともと保険診療で糖尿病などを受けている、あるいは抗凝固剤を飲んでいる方はたくさんいらっしゃると思うのですが、保険診療の場合はそういうものを入念にチェックするわけですけれども、美容診療についてそういうチェックをされていないのではないかという懸念がありますので、そういう指導をきちんとしていただきたいということでございます。
以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。ありがとうございます。
では、オンラインに移りたいと思います。
神野委員、お手を挙げておられますので、お願いします。
○神野委員 今の楠岡先生、泉先生と重なるところもあるのですけれども、一方で医師偏在の話をしているし、医師をどれだけ養成するかという問題があって、その中でたくさんの人数が直美(チョクビ)とも言われていますけれども、美容に行ってしまうといういびつな関係は、何とかしなければ駄目ですね。もちろん我が国は民主主義国家ですから、どこまで規制をかけるかという話になるかと思います。
泉先生がおっしゃった副作用や合併症、これはたしか24ページにも載っていますけれども、あるいは心理的な副反応として例えば精神を病んでしまうといったことに関して、本当に診療報酬、保険診療を使っていないのですかというところ、ここはきちんと押さえる必要がある。そうでないと、自由診療でやったことの後始末を保険診療でやって保険財政を圧迫するというのはおかしいのです。そこのところをきちんと国民に伝える。それから、美容外科、美容診療の診療側だけではなくて、副反応を受ける診療側にも伝えていくことが一つの規制にもなるのかという気がしております。
実際に美容診療の現場からは、以前はなかなかドクターが来なかったけれども、今は募集したら10倍、20倍の医師がすぐ集まる、そこからいい医師を選ぶことができるというとても羨ましい話まで聞こえてくるわけで、そこのところは美容外科だけではなくて全体の偏在云々の問題になるのかと思います。
以上です。意見です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
では、山崎學委員、お願いいたします。
○山崎學委員 自由診療ということで問題になるのが、今は美容医療が問題になっているわけですが、例えば同じような範疇でがん患者に対する民間療法とか、精神科で問題になっているのは心療内科の診療所が痩せ外来を併設するとか、といった自由診療です。先ほど神野委員がおっしゃったように、この分野で失敗したり、経過がよくない患者さんは保険診療に移ってきて、後始末は保険診療でやらなければいけないというのは非常におかしいと思います。もう一つ、我々保険診療の医療機関は診療報酬で経営していますから、診療報酬で収入は確定しているわけですね。ところが、自由診療は幾ら収入があったかは医療機関によって違うのでしょうけれども、きちんと収入は押さえられない状況になっているわけで、そのところは国税庁の税務調査をきちんと厳しくするなど、そういう正確な収入源を押さえるような、厚生労働省だけの規制ではなくて財務省と合同で規制をかけていくようにしないと、この問題は解決しないと思います。
以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。
それでは、フロアに行きまして、加納委員、お願いいたします。
○加納委員 ありがとうございます。
まず、先ほどからの自由診療に関して今回初めて美容外科に対して厳格にしていこうという姿勢が出てきたのは、非常にいいことだと思っております。ただ、一方で、28ページ、29ページにありますように、若いドクター、20代、30代、本来ですと救急を中心に急性期で頑張ってもらわなければいけない人たちが100人単位で移動していると。100人単位というと大学1つ分がこの2~3年、原因としてはコロナ禍で恐らく韓国に行けなくなって、日本で美容外科の需要が急に高まったことが原因だとは思うのですけれども、100人単位で美容外科に移って毎年出ていかれますと、医師需給の問題に関しても対応を考えなくてはいけないと厚労省は考えていただいているかどうかを確認したく存じます。数として急性期の大事な人たちがこういう形で移っていっているのは、インセンティブの問題でも先ほど出ましたように、非常にあちらへ行けば高額のコストが頂けるということもあるのですけれども、人数がこういう単位でずっと推移すれば医師需給に関してもしっかりと議論してもらわなくてはいけないのではないかと思うのですが、ここらは今後厚労省としてはどういう検討をするか、お答えがあれば教えていただきたいです。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
○医事課長 ありがとうございます。
先ほども少し前まで医師偏在の検討会も実はさせていただいていたのですけれども、その中でも診療科の偏在を今日は議題としてさせていただいていましたが、診療科の偏在という状況が現状あると思ってございます。そのような状況の中で、加納委員のおっしゃるとおり多くの医師が美容外科等の特定の診療科に行ってしまうことは決して好ましい状況ではないと思いますので、美容医療の定員をどうこうということではなく、全体で若い医師がきちんと真に希望する診療科、保険医療の中でも診療科をきちんと選択していただけるように、そういう環境を整えることが非常に大事だと思っていますので、これはこの美容の検討会そのものではないと思いますけれども、ほかの検討会、審議会等でも総合的に議論していく必要があるテーマかと思ってございます。
○遠藤部会長 よろしいですか。
それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
患者の安全・安心が第一であり、事故やトラブルの未然防止とともに、問題が起きた場合の対応策について、監査も含めきちんとした仕組みを構築する必要があると考えております。
また、患者が費用やサービスを踏まえて適切な選択ができるよう、費用の見える化も検討してはいかがかと思っております。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、オンラインに戻ります。
松本参考人、お待たせしました。よろしくお願いします。
○松本参考人 ありがとうございます。
美容医療につきましては、自由診療ということで、直接的には我々がカバーする保険診療の外の話ではございますが、保険者は加入者の健康を守る立場にございますので、美容医療のトラブルには問題意識を持っております。
先ほど神野委員、山崎委員からもありましたけれども、美容医療のトラブルを保険診療でということに関しては、我々も懸念を持っているところでございます。
一方、24ページにもございますが、広告規制につきましては、これまで別の分科会で健保連からも意見を申し上げてきたところでございます。今回はそれに加えまして、医療の中身まで踏み込んだ規制の検討が行われることは非常に重要なことだと考えております。利用者が十分に納得し、安全な医療を受けることができますように、しっかりとした対策を講じていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
引き続きまして、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。都道府県の立場から発言させていただきます。
美容医療に関する被害を防止し、質の高い医療の提供を確保することは、我々としても極めて重要と認識しております。一方、保健所等による立入検査や相談対応、報告制度の創設は、新たに加わる業務でありまして、業務負担が増えることは避けられないことから、負担軽減について最大限配慮いただくとともに、具体的な運用方法や報告内容については、都道府県等に対し検討段階から早期に提示いただき、指導・監督や立入検査の対応など、実務的な観点での調整を丁寧に行うことが重要と考えます。
報告制度については、11月1日に都道府県への説明会を設けていただいておりますが、引き続き都道府県の意見を反映する機会を設けていただきながら検討を進めていただくようお願いいたします。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
それでは、会場でどなたかいらっしゃいますか。よろしゅうございますか。
それでは、オンラインで松原委員、お待たせしました。よろしくお願いします。
○松原委員 ありがとうございます。
美容診療に限らず自由診療による患者の被害についての実態把握が必要だと考えております。例えばがん治療は命に関わってくる問題で、そうした患者の弱みにつけ込んだ質の低い自由診療がはびこっているという報道が散見されます。これは医療への信頼を揺るがす大きな問題だと考えられますので、ぜひ実態把握と検討をしていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 多くの委員の御指摘のとおり、美容医療の副反応やトラブルの対応を保険医療機関が行わざるを得ないというのは大きな問題で、費用だけではなくて通常の医療に関わる医療者にも大きな負担をかけることになります。実際、私も韓国で美容医療を受けて帰国してから出血が止まらないという方の診療に真夜中に関わった経験がありますが、どこでどういう内容の副反応やトラブルの事例が起きているかについては、国内の美容医療側からの報告では把握し切れないと思います。救急を含めた一般の病院全体におきまして、きちんと全国調査を行って状況を把握すべきと思います。
私からは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
ほかにいらっしゃいますか。
島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 先ほど自由診療による美容整形で被害を受けてその後始末を保険診療で行うのはいかがなものかという趣旨の話がありました。その態様にもよると思いますけれども、その分の費用を保険者が原因者に対して請求をすることは健康保険法など医療保険制度上あり得るのではないかと思います。例えば交通事故による被害があったときに健康保険法上で診療を行ったとしても、本来は加害者がその医療費を負担すべきなので、その診療費は保険者が被保険者に代位して原因者たる第三者に対して求償します。美容整形の後始末を保険診療で行った場合も、もちろん全てがそうだということを申し上げているわけではありませんが、同様の対応が当てはまるケースもあり得ると思いますので、その点も検討されたほうがよろしいのではないかと思います。これは意見として申し上げます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。意見ということでございますので、御検討いただければと思います。
ほかにございますか。よろしゅうございますか。
では、本日はアジェンダがたくさんありますので、先に進ませていただきたいと思います。本件につきましては、以上のとおりとさせていただきます。
事務局におかれましては、本日いただいた意見を踏まえまして、引き続き議論を深めていくようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、2番目の議題であります適切なオンライン診療の推進について、事務局から関連の資料の説明をお願いします。
○医療政策企画官 医療政策企画官でございます。
資料2「適切なオンライン診療の推進について」でございます。
現在、オンライン診療につきましては、オンライン診療の適切な実施に関する指針という形で行ってございます。通知という形でこういったことをお示ししているというものでございます。
次のページでございますが、一方で、オンライン診療を受診する場所につきましては、医療法上、これはオンライン診療にかかわらず医療提供施設、居宅等という形で規定がされていると。それぞれにおきまして、通知、Q&Aなどで解釈を累次示しているということでございます。医療部会でも昨年末、年始にかけて議論をいただきました。
次のページでございますけれども、その状況につきまして、今、都道府県に状況を照会しているところでございます。オンライン診療のための医師非常駐の診療所の開設の状況について、それから療養生活の場において行われているオンライン診療について、この2点についてお聞きをしている状況でございます。
4ページ、先ほどありましたけれども、美容の検討会の中でも一番下のところでオンライン診療の指針、これについて法的な位置づけが不明瞭ということで、遵守されていないのではないかという御議論もいただいている状況でございます。
こうした中で、5ページでございますけれども、オンライン診療に関する法制上の位置づけ、これを整理してはどうかということでございます。真ん中あたりの青囲みで2点ございます。1つ目が、オンライン診療を行う医療機関ということで、まずオンライン診療の定義をこうした形で置いた上で、内容といたしまして、オンライン診療を行う医療機関はその旨を都道府県に届出をするということ、それから、先ほどのオンライン指針、これを遵守すべき指針ということでその基準を位置づけること、これを医療機関の管理者は守っていただくということでございます。
もう一つ、特定オンライン診療受診施設と書いてございますけれども、この受診の場についても定義を置くということでいかがかと思ってございます。この場の設置者については、都道府県に届出をいただき、運営者を置くということ、オンライン診療の実施の責任については、オンライン診療を行う病院・診療所の医師が負うということでございます。ですから、この施設の運営者については、オンライン診療実施者からの応答義務を課すとしてはどうかということでございます。
それから、こうすることによりまして、オンライン診療を行う病院・診療所が、その患者の容態急変時には地域の医療機関と受入れの合意、こういったことを含めて地域の関係者と連携して把握をするということで、こうした法制上の整理をした上で、適切なオンライン診療をさらに推進していくということで考えているものでございます。御意見いただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、会場でどなたか。
島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 私はオンライン診療について法制化することについては基本的には賛成だという前提で申し上げます。
その上で、まず外国とまたがる場合のオンライン診療の適用がどうなるかについて確認したいと思います。日本に在住している医師あるいは医療機関が、日本人であれ、外国人であれ、外国に居住している者を対象にオンライン診療を行う場合、これは日本にいる医師あるいは医療機関に対して、今般のオンライン診療に関する規制がかかるという理解でよろしいですね。
それから、逆に外国の事業者が日本にいる患者に対して、美容整形であれ、保険診療であれ、オンライン診療で行ったときに、それについての適用はどうなるか。外国にいる事業者だから医療法や医師法の適用外だと言われるかもしれませんけれども、ちなみに個人情報保護法では、わざわざ域外適用の規定を設けて外国の事業者に対しても適用しています。そういうことについても議論されているのかを事実として確認したいと思います。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょう。
○医療政策企画官 先生御指摘のように、日本国内に所在する医療機関については、今回仮に法制化されれば義務がかかることになるのかと思ってございます。
一方で、外国からオンライン診療を受ける場合も含めて、その適用については精緻に検討しているかと言われると、そこまで想定をした上で精緻に検討している状況にはございません。ですから、御指摘も踏まえて必要な検討をしていきたいと思っております。
○遠藤部会長 島崎委員。
○島崎委員 分かりました。そこはぜひ検討されたほうがよろしいかと思います。
その次ですけれども、私は以前から、医師と医師間、いわゆる D to D についても、規制の対象にすべきだということをこの部会でずっと申し上げてきたと思います。オンライン診療に関して言うと、このガイドラインのほかに、オンライン診療だけでなくその他の遠隔医療も含めて推進方策についても検討すべきだということになり、令和5年6月に「オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針」を策定したわけです。つまり、DtoPだけではなくてDtoDを含め、広い意味での遠隔医療についていろいろと議論を重ねてきたわけで、オンライン診療以外にもDtoDをはじめ遠隔医療にはいろいろな形態が実はあるのだということを前提にした上で、DtoDについてもいろいろな課題があるのだということをこの基本方針の中で明記しているわけです。
ところが、今回の方針を見ますと、DtoP、つまり医師と患者の関係のオンライン診療に限定し、DtoDの形態は対象外にしてしまっています。私の疑問は、なぜわざわざ「先祖返り」してしまったというか、規制の範囲をオンライン診療のガイドラインの範囲にとどめてしまったのかということです。私は決して仮想の話をしているわけではなくて、遠隔画像診断をはじめ様々なDtoDの形態が医療現場に出てきているので、それを放置してしまうのはおかしいと思っているのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、お願いします。
○医療政策企画官 DtoDにつきましては、オンラインにかかわらず様々な論点があると認識してございます。以前の医療部会でも委員の御指摘にあったように、医師間での責任の在り方、それからそもそも医療機関の業務の委託といった論点、そうしたところがオンラインの関係以外にもかなり大きな論点としてあるのかと思ってございます。今回はオンライン指針の対象としているいわゆるDtoPを対象として考えておりまして、御指摘のDtoDにつきましては、実態把握も含めて調査研究事業もやっておりますので、引き続き研究はしていきたいと思ってございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
島崎委員、よろしいですか。
○島崎委員 あまりよろしくないのですけれども、今日は議題が多過ぎるのでこの問題はこのくらいにしておきますけれども、私は決して架空の話をしているのではなくて、DtoDについては現実にいろいろな問題が起きているのだということはぜひ認識していただきたいと思います。
○遠藤部会長 研究をしているということですので、調査か何かされているわけですか。
企画官、どうぞ。
○医療政策企画官 先生からも御指摘いただいておりますので、引き続き調査研究も含めてしていきたいと思ってございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、勝又委員、お願いいたします。
○勝又委員 ありがとうございます。
今回医療法に規定を設けることについては賛成をします。
また、患者が看護師等と一緒にいてオンライン診療を受けていくということについては、地域での療養生活を支えていくために今後本当に必要なことだろうと思っておりますので、その上で確認しておきたいのですけれども、例えば看多機ですね。看護小規模多機能型居宅介護、こういうところにおいて利用者にオンライン診療を行う場合には居宅等に該当するということで、従前どおり特段の届出は必要ないということでよろしいかということだけお尋ねしたいと思います。
○遠藤部会長 事務局、お願いします。
○医療政策企画官 現行での居宅等という解釈の中で、いわゆる医師と患者の1対1の関係の中で行われているオンライン診療があると認識してございます。そうした取扱いを変えるということではございませんで、現行の取扱いにプラスアルファをするという観点でこの見直し案を考えてございます。
○勝又委員 ありがとうございます。
○遠藤部会長 それでは、オンラインに移りたいと思います。
神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。
この総体的な規定の創設については賛成いたします。
5ページ、最後のページですけれども、その中のオンライン診療を行う医療機関というところに、※で小さい字で書いてありますけれども、オンライン診療指針に記載されている云々は、説明事項・病状急変時の体制確保等について法令で定めると。下のほうの※でも、患者の所在地近隣の医療機関と受入れの合意等を取得しということが書いてあります。事務局に質問ですけれども、これは保険診療だけでしょうか。それとも先ほどの美容外科、美容内科にもつながるのですけれども、自由診療でもこの規定を守らせるのか、いかがでしょうかということであります。今、テレビコマーシャルで例えばAGAなどで広く全国の方々にオンライン診療で薬が自動的に届きますよという話をやっているわけですけれども、これは不特定多数の地域で急変時に対して近隣の医療機関に果たしてそういう準備を明らかにしているのかどうか、契約しているのかどうかということになるのかと思いますし、これが法令化されたならば、それに対しては当然罰則規定もありますねということも確認したいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、事務局、お願いいたします。
○医療政策企画官 医療法での規定を想定してございますので、保険診療、自由診療にかかわらずこうした規定を設けてはどうかという御提案でございます。罰則につきましては、ほかの並びもある話ですので、引き続き検討するということでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
井上委員、お待たせいたしました。
○井上委員 ありがとうございます。
このオンライン診療自体は、医療機関への移動が困難な患者であるとか、あるいは時間の短縮とか、患者の負担の軽減に資するとともに、医療資源の有効活用に資すると思いますので、基本的には推進していくものと認識しております。ですから、今回の件につきましても、患者の視点に立って安全性が確保されることを大前提に向上を図っていただきたいと思います。
他方で、先ほどの美容医療と同じように、オンライン診療による過剰な診察が誘発をされないような手当ても同時に検討していく必要があると思っております。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、会場に戻りたいと思います。
泉委員、お願いします。
○泉委員 ありがとうございます。
今、厚生労働省から応招義務という言葉があって驚いたのですが、最近非常に多いのが、オンライン診療を強く求める患者さんがいらっしゃって、ぜひオンラインにしろという意見が非常にあるので、これを応招義務などと言われたら大変なことになるかと心配をしています。私どもは紹介重点医療機関や地域医療支援病院で紹介状がないと駄目ということで、難しい病気だとか、緊急手術が必要だとか、非常にそういう重篤な病気を診る病院として、オンライン診療をやらないと応招義務に違反するみたいなことになると大変なことになるので、ここはオンライン診療の対象にならないということもぜひ検討していただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○遠藤部会長 では、事務局、お願いします。
○医療政策企画官 私の説明というか滑舌が悪かったのかもしれませんけれども、5ページに書いてございますのは応答義務でございまして、医療機関が特定オンライン受診施設、この運営者にその場所について確認をするということになります。その確認に対して、この運営者は医師にちゃんと答えなければいけないという応答義務を課すということでございます。
○泉委員 申し上げたいのは、紹介重点医療機関や地域医療支援病院というのは、開業医の先生方などから難しい病気あるいは病院でなければならない病気を診るということが役割で、紹介状を持ってくることが条件になっているのですね。ところが、患者さんからオンライン診療をぜひやれという御意見が非常に強くて、これをきちんと断る理由がないということで、対象にならないという規定もぜひつくっていただきたいと思っています。
○遠藤部会長 そもそもはそういう御質問ですので。
○医療政策企画官 応招義務に関する議論をこの中で取り扱うことは、まず考えてございません。その中で、各病院の中で医療資源をいかに使っていくのかということは、それぞれの医療機関の御判断があるということでございますので、オンライン診療をある意味強制的にやっていただくことを考えていることではないということは御理解いただきたいと思います。
○遠藤部会長 泉委員、今の回答についてはいかがですか。
○泉委員 私が申し上げたのは、今、オンライン診療をやってほしいという意見が患者さんから随分出てくるのですね。あなたは紹介状もないのだし、適用にならないのだということを申し上げたいのですが、そういう説明がどこにもないので、そういうこともぜひ書いておいていただきたいと。今、病院の役割分担がきちんとなっているので、そういうことが理由で断れるということもちゃんと一文書いておいていただきたいと思っています。
○遠藤部会長 その答えについてあればまた答えていただきますが、今は保留させていただきます。
先ほど手を挙げておられました佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 佐保でございます。ありがとうございます。
医療法にオンライン診療の総体的な規定を設けることに異論はございませんが、保険診療と自由診療で分けて規定を設けるのかお伺いをしたいと思います。もしかしたら先ほど御回答があったかもしれないですけれども、確認のためにお伺いをしたいと思います。
資料の4ページに指針が必ずしも遵守されていないと記載があるように、とりわけ診療報酬上の要件がない自由診療では不適切な事案も多いのではないかと考えております。オンライン診療の推進に当たっては、患者の安全の担保が大前提であり、今後行われる不適切な診療所や療養の場におけるオンライン診療の調査結果も踏まえながら、適切な実施に向けてしっかりと御対応いただきたいと考えております。
以上です。教えていただければと思います。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○医療政策企画官 保険診療、自由診療を問わず、このような形で考えてございますというお答えでございます。
○遠藤部会長 先ほどのとおりですね。
泉委員の質問に対しては。
○医療政策企画官 詳細な規定ぶりは確認しております。
○遠藤部会長 今、お答えできますか。
総務課長、どうぞ。
○総務課長 今のオンライン診療の指針では、基本的に「オンライン診療の実施が望ましくないと判断される場合には対面による診療を行うべきである」ということで、基本的に医師の判断でしていただくことになっています。したがいまして、患者さんがオンライン診療を求められても、医師の判断で対面かどうかを判断していただくことになります。基本的にはこの指針が今度は法的に位置づけられていくということになります。
○泉委員 その部分についても、地域医療支援病院や紹介重点医療機関とわざわざ病院の中でもハードルをつくっているわけなので、それもぜひ国民に周知していただくことをお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
オンラインに戻りたいと思います。
では、角田委員、お待たせしました。
○角田委員 遠藤部会長、ありがとうございます。
まず、3ページのところで御意見を申し上げます。この1番、2番の調査について、私どもからも以前から申し上げていたとおり、この検証の必要性についてはしっかりとしていただいて、早期にしっかりと調査して、実態把握、検証をしていただきたいと思っております。
2点目は、5ページの部分です。医療法でオンライン診療をしっかりと規定するということは、従来の医師法や医療法などの医療提供体制に関する法的根拠を得ることになります。これは責任のある医療提供体制の中で、オンライン診療が一つの手段になると認識しております。今後都道府県によって適切に対応されることを期待いたしております。
また、法に定めることによって、最初はオンライン診療の受診施設などについても従来の通知とQ&Aをしっかりと踏襲したものであるというようにしていただきたいと思いますし、これは本当に医療安全に関わる問題ですので、よろしくお願いしたいと思います。
その上で、真ん中の青囲みの下のところの注釈と、下の図の右端に緑色の網かけ部分がございますが、この「地域の関係者と協議」については、地域医療をしっかりと担っている地域医師会との協議の場を設けることは大変重要であると考えますので、より明確に位置づけていただきたいと思っています。
また、その左側のグレーの網かけ部分の特定オンライン診療受診施設については、ここで都道府県Bと書いてありますが、しっかりと指導・監督をしていただいて、デイサービスや不特定多数の人がいる施設において、プライバシーの確保等で不適切な事例があった際は、こういった都道府県が立入検査できる仕組みをつくっていただくように検討いただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
玉川参考人、お待たせしました。
○玉川参考人 ありがとうございます。
オンライン診療につきましては、今後ますます普及が進んでいく診療方法であり、適切な実施を図るためにも、法的な位置づけを明確化することは重要であると認識しております。
その上で、2点発言をさせていただきます。
1点目は、制度の周知についてです。医療機関から都道府県へのオンライン診療実施の届出と特定オンライン診療受診施設の設置届が新たに創設され実施されることについて、医療機関や都道府県の現場で混乱が生じないよう、事前に十分な周知が必要と考えます。
2点目は、円滑な制度施行に向けた支援についてです。都道府県がオンライン診療基準の遵守について指導・監督することとされておりますが、指導・監督する際に基準となりますマニュアルやチェックリストを作成するなどの技術的な支援等、円滑な制度施行のための国の支援が必要と考えます。
私からは以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。ありがとうございます。
大体よろしゅうございますか。
それでは、楠岡部会長代理、お願いいたします。
○楠岡部会長代理 楠岡です。
まず、5ページにあるオンライン診療の定義なのですが、これは通常のオンライン診療の定義だと思うのですけれども、例えば最近行われつつあるロボット手術機器を使って遠隔地で術者が手術を行うというところまで含めるのか、それはまた今後別の課題として考えるのか、要するに範囲をどこまでにするかという問題。
それから、現実に問題となっているのは、DCT、ディセントラライズドクリニカルトライアル、分散型治験において、これまでは内服薬治験だったのでオンライン診療の範疇だったのですが、今は注射薬を使う治験が計画され実施されております。そうしますと、実際の治験薬の投与を判断する医師が直接注射するのではなくて、パートナー医療機関における医師が注射する。そうすると、この関係がどうも医療法あるいは薬機法の中でもう一つはっきりしていないところがあるので、ここを整理しておかないと今後混乱するのではないかということで、この点についてもぜひ注意をお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
事務局、注意すべきことを御指摘いただいたということですけれども、何かコメントがあればいただきたいと思います。
○医療政策企画官 御指摘として受け止めたいと思います。遠隔のロボット手術等々についてまで想定しているかという問いにつきましては、例えば特定オンライン受診施設でそういう手術を行うことまでは想定をしていないということでお答えしたいと思います。
○遠藤部会長 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡部会長代理 いろいろ技術は発展しているので、そういうものがかなり恒常的に行われ出したときに、それはオンライン診療の規制に引っかかると止める方向ではなくて、それを含めて安全な方向に進めるようにぜひお願いしたいと思います。実際、国内のみならず日本とタイの間でも遠隔手術をやられている時代ですので、その辺り、世界の名医に手術してもらいたいという患者さんも出てくるかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。重要な御指摘だと思います。
大体よろしゅうございますか。
ありがとうございます。
それでは、本件についてはこれまでとしたいと思います。
事務局におかれましては、本日いろいろな御意見をいただきましたので、引き続き議論を深めていくようにお願いしたいと思います。
それでは、3番目の議題であります医療DXのさらなる推進について、事務局から関連の資料の説明をお願いしたいと思います。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官 医政局参事官でございます。
資料3-1、電子カルテ情報共有サービスについて御説明をさせていただきます。
現在、医療DXについては、令和5年6月に公表されました医療DXの推進に関する工程表に基づき取組を進めているところでございます。7月12日の109回医療部会においても、この全体像などについて御説明をさせていただきました。
1ページ、全国医療情報プラットフォームの全体像をそのときにもお示しをしておりますが、本日はこの左上の電子カルテ情報共有サービスについて詳細を御説明させていただきます。
2ページ、御覧いただきまして、電子カルテ情報共有サービスの概要でございますが、いわゆる3文書6情報を電子的にやり取りするというものでございます。3文書のうち診療情報提供書につきましては、これを電子的に医療機関間で共有できるサービス、この中には退院時サマリーを添付できるようにしております。また、健診結果報告書につきましては、健診結果を医療保険者及び全国の医療機関や御本人が閲覧できるサービスでございます。これらの情報の中に含まれる6情報については、患者様の6情報を御本人の同意の下、全国の医療機関や本人等がマイナポータルを通じて閲覧できるサービス、そして患者サマリーの閲覧サービスも今後リリースをしていく予定でございます。2ページ図の上段ブルーのほうの医療機関から電子カルテ情報共有サービスを経て紹介先の医療機関に行くのが、診療情報提供書等になります。また、オンライン資格確認等システムの中にデータベースを保持して全国の医療機関や御本人がマイナポータルを通じて見られるのが、6情報と健診結果報告書等になります。医療保険者については、健診結果報告書は閲覧ができるようになるという仕組みを現在構築しております。
3ページ、そのときに共有をされる検査の項目について、より具体的なものをお示ししております。こちらに書いてあります生活習慣病の関連項目や救急時に有用な項目で指定された43項目と5項目の感染症情報を提供する予定でございます。
4ページ、3文書6情報の概要になっていますけれども、電子的に提供するためには、例えば記述仕様や主要なコード、こういったものを決めていかなくてはならないということで、4ページにあるような内容で現場のベンダー様への周知などを進めています。この中で6情報のところの病名、それから感染症、こういったものについて少し特殊な取扱いをしていこうと思っています。病名につきましては、長期に保管するべき病名があるだろうということで、医師の判断で長期保管フラグを立てることが可能になっています。また、検査の途中の過程や未提供の病名については、未告知/未提供フラグを医師の判断でつけることができます。これがついた場合には患者様御本人に病名が伝わることはないというものでございます。また、感染症、アレルギーについても同様に長期保管フラグを立てる予定でございます。いずれもこちらの右側にありますが、保管期間は病名、感染症、アレルギーについては5年間、検査、処方についてはこちらに記載のある期間の保管期間とさせていただいております。
5ページを御覧いただきまして、患者様のマイナポータルでデータが閲覧できるということで、適切にこのデータはできるだけ早く登録をしていただきたいということではございますが、一方で、患者様への御説明が、検査によってはその日のうちに出ないこともありますので、どんなに遅くてもその次の診療の日中までには登録をしていただくように検査や感染症についてはお願いをしていくということでございます。それ以外の病名等につきましては、こちらに書いてあるような入力と登録をタイミングで行っていただくという内容を周知を進めているところでございます。
6ページ、モデル事業の予定地域でございますが、来年1月以降、こちらに記載のある地域で電子カルテ情報共有サービスのモデル事業を開始したいと思っております。
7ページ、全体的なロードマップをお示ししております。一番上の電子カルテ情報共有サービスは、来年度令和7年度中の本格稼働を目指して、1月以降モデル事業を開始いたします。医療機関等の対応、システムベンダー等の対応については、これに合わせて現在進めているところでございます。
8ページ、この電子カルテ情報共有サービスで想定されるメリットについて書いております。患者様や被保険者の皆様には、救急時や災害時も含めて全国の医療機関等で患者の医療情報を踏まえたより質の高い安全な医療を受けることが可能になる、外来での待ち時間が減る、御自分の医療情報を健康管理や疾病予防に役立てることができるといったメリットがあると考えています。また、医療機関については、裏返しになりますが、より質の高い安全な医療を提供することが可能になること、診療情報提供書の電子的な共有による事務コストの低減、効率的な働き方が可能になるなどのメリットがあると考えております。医療保険者につきましては、より効率的な医療提供体制に加えて、特定健診や事業者健診の結果をこれまでよりも迅速かつ確実に取得することができて、速やかな保健指導等に資するということが想定されています。また、健診結果を保険者で電子化する手間も削減されることが期待をされています。電子カルテ情報共有サービス自体は医療のアウトカムが分かるということもございまして、今後医療・介護サービスの費用対効果や質の評価に関する分析が可能になることを期待しております。
9ページは、この電子カルテ情報共有サービスの法律への位置づけについて具体的に記載をさせていただいております。まず、医療機関から支払基金等へ3文書6情報を提供することについて、医療機関等は3文書6情報について支払基金に対して電子的に提供することができる旨を法律に位置づけます。質の高い医療の提供や医療機関における負担軽減を目指す観点から、法令に根拠を設けることにより、個人情報保護法の第三者提供に係る本人同意の例外として、3文書6情報を提供する都度の患者の同意取得を不要としたいと思っております。なお、ほかの医療機関が登録された情報を閲覧するときには、患者の同意が必要になります。
3文書6情報の目的外利用の禁止について、この3文書6情報については、支払基金等は電子カルテ情報共有サービスによる医療機関等への共有以外の目的には使用してはならない旨を規定する予定です。
運用費用の負担については、今後さらに検討を進めてまいりますが、負担者や負担方法等について規定をする予定でございます。
電子カルテ情報共有サービス導入の努力義務について、先ほどメリットでもお示しをしておりますが、救急や災害時を担う医療機関には、その役割や機能に鑑みて、努力義務を規定してはどうかということを考えております。
次の感染症危機に備えた対応については、発生届を届け出る際に、電子カルテに記録した診療情報を改めて入力することなく、同一端末上で発生届を作成して共有サービスを経由して感染症サーベイランスに届け出ることができることを規定します。感染症対策上必要なときは、厚生労働大臣が支払基金等に対して電子カルテ情報等の提供を求めることができる、それから支払基金等は提供を受けた電子カルテ情報等を用いた調査研究を国立健康危機管理研究機構に委託できることを規定、こういったことを実施することとしてはどうかということでございます。
10ページ、先ほど申し上げました費用でございますが、全体的なこのサービスを運用するに当たっての費用は、出力元の医療機関では電子カルテシステムの改修費や運用費用、真ん中にございます電子カルテ情報共有サービスを運用する支払基金においては開発費用は国が全額補助をしておりますけれども、今後運用費用が発生をしてまいります。こういった費用負担の在り方について、関係者のメリット等を踏まえ考えることが必要ではないかということで、まずは全体像をお示ししたところでございます。
そのほか、参考資料は工程表等を記載しておりますので、適宜御覧をいただければと思います。
3-1の説明は以上でございます。
○大臣官房情報化担当参事官室政策企画官 続きまして、資料3-2、自治体と医療機関・薬局をつなぐ情報連携基盤の構築を通じた医療費助成の効率化について御説明します。
情報化参事官室で企画官をしています草野と申します。よろしくお願いいたします。
1ページを御覧ください。左側、いつもの絵ですけれども、この中の赤で囲った部分、自治体と医療機関等をつなぐ情報連携基盤、この部分についての御説明になります。具体的なメリットとしては、右側に赤で囲ってございますけれども、医療機関・自治体サービスの効率化・負担軽減に資するというものでございます。
2ページを御覧ください。いわゆるPMHと呼ばれる情報連携基盤の中に何個かユースケースがございますが、今回御議論いただく部分としましては、マイナ保険証を医療費助成の受給者証としても利用できるようにするという部分となります。
3ページを御覧ください。医療DXの推進に関する工程表、政府決定でございますが、この中にございますように、この医療費助成のオンライン資格確認については、2023年度中に先行実施事業を開始し、順次、参加する自治体や医療機関を拡大し、全国展開をしていく、これが政府の決定として決まってございます。
4ページを御覧ください。医療DXの工程表の全体像、矢羽根になったものでございます。赤で囲った部分を御覧いただきたいと思いますけれども、マイナンバーカードを活用した医療費助成の効率化につきましては、令和5年度から先行実施事業を実施し、順次、参加する自治体を拡大し、令和8年度以降、全国的に運用する、こういう内容が政府の決定として決まってございます。
5ページを御覧ください。デジタル社会の実現に向けた重点計画、ここでも同じようなことを規定してございます。
6ページを御覧ください。先行実施事業の結果も踏まえまして、このマイナンバーカードを活用した医療費助成の効率化のメリットをまとめてございます。具体的には、例えば子どもの場合、マイナ保険証と別にもう一枚受給者証を持っていくことが一般的ですが、これがマイナ保険証1枚で済むことによるメリットでございます。
患者さんのメリットとしましては、紙の受給者証を持参する手間が軽減する、紛失リスクがなくなる、持参忘れによる再来院が防止されるということがございます。また、マイナ保険証の利用率を年齢階級別に見ますと、子どもは受給者証をもう一枚持っていかなくてはいけないということがあるのだと思うのですけれども、利用率が低くなっておりますので、マイナ保険証1枚になることによって、マイナ保険証の利便性の向上によって利用が促進されて、質の高い医療の提供に結びついていくというメリットがございます。
次の青いところは、自治体のメリットとしてまとめてございます。正確な資格情報に基づき医療機関・薬局から請求が行われることにより、資格過誤請求が減少し、支払いの事務負担を軽減できる。2点目が、紙の受給者証だと実際に本当に資格があるかどうか分からないため、医療機関から自治体さんに照会がかかってくる場合があるとのことですが、こういうものが減る、それから患者さんが受給者証を忘れてしまった場合は償還払いになってしまう、これは自治体にとって手間ですけれども、こういうことが防げる、こういう事務負担の軽減がございます。3点目が、これは個別制度、自治体ごとの判断ですけれども、マイナ保険証での対応を希望する受給者の方に受給者証を発行しないという場合は、受給者証の印刷・発行のコスト、事務負担が減ることになります。4点目は、住民の利便性の向上や、より良い医療の提供につながるという点でもメリットがあるということでございます。
一番下のオレンジのところ、これは医療機関・薬局のメリットとして書かせていただいています。1点目ですが、今までのマイナ保険証、これは医療保険の資格情報は自動入力になりますけれども、その次に受給者証情報を手で入力しなければいけなかったわけですけれども、マイナ保険証1本になることで、受給者証情報も含めてセットで自動入力になるというメリットがございます。また、先ほど申し上げましたように、資格を有しているかどうかの確認、これを自治体さんに確認するようなことがなくなり、事務負担を軽減できる。2点目にございますけれども、正確な資格情報に基づき請求できるため、資格過誤請求が減って、請求の事務負担を軽減できるというメリットがございます。一番下のところは、マイナ保険証の利用促進につながるというメリットでございます。
7ページ、政府決定を踏まえました全国展開の案ということでまとめてございます。このマイナンバーカードを活用した医療費助成の効率化については、システムが設計・開発されるとともに、令和5年度・6年度に183の自治体、都道府県さんは22なので半分ぐらい、市町村さんは1割ぐらいの161市町村に先行実施事業に参加をしていただいています。政府の医療DX工程表、デジタル社会実現重点計画に基づきまして、順次、参加自治体を拡大しつつ、令和8年度以降、具体的には令和9年度を想定してございますけれども、全国展開の体制を構築し、公費負担医療・地方単独医療費助成におけるオンライン資格確認を推進していきたいと考えてございます。※にございますけれども、公費負担医療や地方単独医療費助成には様々な制度がありますし、自治体ごとに多様なシステムが構築されている、また、自治体システム標準化の取組状況等も踏まえる必要がございますので、全国展開の体制を構築した上で、順次、自治体や医療機関・薬局におけるシステム対応を推進していきたいと考えてございます。
具体的な仕組みは、下にございますように、今、マイナ保険証と紙の受給者証は2枚要りますが、これをマイナ保険証だけで医療保険と同時に公費負担医療などの資格も確認できるようにするというものでございます。法的な整備が必要になっておりまして、赤で書いておりますけれども、一つは公費負担医療におけるオンライン資格確認を制度化すること、もう一点が全国規模でこのシステム等の管理・運営業務を実施する仕組みを整備する、こういった法的措置が必要になると想定しております。なお、その下の※にございますが、例えば、福祉事務所が実施主体である生活保護のオンライン資格確認など、既存のオンライン資格確認における費用負担を勘案しつつ、こうした業務に要する費用負担の在り方を検討することが必要でございます。
最後、8ページでございますけれども、これはご説明申し上げた先行実施事業の実施状況ということでまとめてございます。
以降は参考資料となります。
説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○医薬局総務課薬局地域機能推進企画官 続きまして、医薬局総務課から資料3-3に基づきまして「医療機関・薬局間の情報」の共有・標準化等について、現在の検討状況を御説明します。
1ページを御覧ください。上側の枠、医療DX工程表では、枠内の下のほうの下線部のとおり「薬局側から医療機関側に提供される、服薬状況等のフィードバック情報に関し、その内容や共有方法、必要性等についても今後検討する」とされています。また、下の枠、いわゆる骨太の方針2024におきましては、枠内の一番下の下線部「調剤録等の薬局情報のDX・標準化の検討を進める」とされているところでございます。
2ページを御覧ください。このような方針等を踏まえまして、健康・医療・介護情報等利活用検討会の電子処方箋等検討ワーキンググループにおきまして、医療機関や薬局間の情報の共有・標準化等について、まずどのような情報がどのような方法でやり取りがなされているのか、現状の把握等を行ってまいりました。ワーキンググループの構成員や開催実績につきましては、それぞれ左下、右下の枠内の記載のとおりでございます。
3ページを御覧ください。このページでは医療機関・薬局間でどのような情報のやり取りがなされているかをまとめております。上の○の1つ目ですが、薬局では、処方箋に基づき薬剤師が調剤した薬剤に係る情報のほか、患者への服薬指導に係る情報が保有されています。それらの情報は、他の医療機関・薬局に郵送やファクス等で文書として共有されています。このような薬局から他の医療機関等へ共有される情報は、服薬情報提供書、トレーシングレポート等と呼ばれ、医療保険上においても薬局から医療機関への情報が要件に組み入れられているところでございます。
下のほうは、実際に行われている情報提供の例であり、青い矢印のところ、上から化学療法に関する情報提供文書でありますとか、吸入薬指導に関する情報提供文書が発行されているところでございます。
4ページを御覧ください。このページでは、医療機関・薬局間で共有が行われている情報の項目や様式を例示しております。緑の枠の上、例1ですが、診療報酬の区分15の5、服薬情報等提供料では、中ほどの表の様式1-1及び1-2に基づき、記載のような項目の情報を提供することとなっております。また、下の例2では、同じく服用薬剤調整支援料における項目などをお示ししております。なお、情報共有する際の様式については、国が示している様式のほか、これに準ずる様式を用いることも可能となっております。
5ページを御覧ください。このページでは、情報共有で使用されているトレーシングレポート等の様式について、実際にどのようなものが用いられているか情報収集し、大まかにまとめたものでございます。まず、紺色の見出しのパターン1として様式上は記載項目を規定せず汎用的な様式となっているもの、パターン2として国が示している様式1-1などに各地域で必要な項目や目的に応じて専門的な項目を付加したもの、パターン3として国が示している様式の項目にとらわれず各地域で目的に応じて必要な項目を定めたものがございました。また、一番下の○ですが、ファクスで送られたトレーシングレポート等について、医療機関の職員が電子カルテに打ち込んで電子的に閲覧できるようにしている実態などがありました。
6ページを御覧ください。こちらが御説明の資料の最後になります。これは右上に記載のとおり9月24日に開催された電子処方箋等検討ワーキンググループにおける検討で用いられた資料でございます。
上の1つ目の○ですが、薬局から医療機関等へ共有されている情報についても、電子的な共有を進めることで、以下のようなメリットが考えられるのではないかとされております。具体的には左の緑色の枠の中ですが、医療機関や薬局では電子カルテへ反映する一連の手間が減ったり、コミュニケーションが円滑化したり、電子化の促進等につながるのではないかと考えております。また、右側ですが、医療を受けられる患者さんにとっても、医療機関・薬局間の連携が進み、適切なコミュニケーションが促進され、副作用の重篤化の回避等や最適な処方の検討等、医療の質の向上につながる可能性があると考えております。
その上で、2つ目の○ですが、現在医療DXの工程表に基づき、様々な情報共有の取組が進められており、オンライン資格確認の基盤を基に、保健・医療・介護の情報を共有可能な全国医療情報プラットフォームの構築が進められているところでございます。
一番下の○ですが、電子処方箋の普及拡大や、電子カルテ情報共有サービスの構築等も進められている中、情報の受け手である医療機関等の負担や実情も踏まえて、医療機関・薬局間で共有されている情報の電子的な取扱いをどう考えるか、引き続き関係者を交えて議論を進める必要があるとされております。
また、一番下の注釈ですが、今後医療DX全体の進捗状況とも整合性を取りながら検討を進めるとされています。
事務局といたしましては、引き続き「医療機関・薬局間の情報」の共有・標準化等について検討を進めてまいりたいと考えております。
資料3-3の御説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
以上が事務局からの報告ですけれども、これについて御質問、御意見等がおありになる方、挙手をお願いしたいと思います。
藤田委員、お願いいたします。
○藤田委員 歯科の立場から発言をさせていただきます。
この3-1の資料でございますけれども、これは既に医療保険部会や医療等情報利活用ワーキングでも示されておりまして、電子カルテ情報共有サービスの概要についてはおおむね理解をしておりますけれども、歯科に関してはこれから検討されると聞いております。歯科医療現場に混乱が生じないよう、できるだけ前広に情報提供をいただきたく、まずはお願いをいたします。
また、現段階では3文書6情報とされている情報共有の項目に加え、歯科診療に関連する情報についてどのような内容なのかとともに、現状歯科では電子カルテが普及しておりません。ほとんどがレセコンを使用していることも踏まえまして、今後の検討をお願いいたします。
8ページに想定されるメリットが示され、医科歯科連携、コスト削減等が記載されていますが、小規模な医療機関にもメリットがあり、かつ費用面も含め過度な負担を負うことのないよう、これも御配慮をお願い申し上げます。
9ページの法律への位置づけについて、次の感染症危機に備えた対応等に関する記載がありますが、有事としては大規模災害もあるかと思います。歯科診療の情報は大規模災害時の身元確認に有用であることは、東日本大震災において示されております。電子カルテ情報等が大規模災害時にも活用できる仕組みなども検討をいただくよう要望いたします。
資料3-2でございますけれども、PMHの構築を通じて様々な医療費助成部分の効率化が進むことは医療機関の負担軽減につながると考えますが、8ページの先行事業の参加市町村数を見ますと、今後いつ頃までに取組がどこまで進むのか、地域差が広がらないかなどの懸念を感じます。また、マイナンバーカード保有者率の向上とともに、医療機関への別途のシステム改修費などの負担がかからないように御配慮いただき、進めていただきたいと考えます。要望でございます。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見、御要望でございました。
それでは、お待たせしました。望月委員、お願いいたします。
○望月委員 ありがとうございます。
全国医療情報プラットフォーム、非常に期待するところが大きいと思います。私は東日本大震災のときにお薬手帳も薬も流された患者さんを避難所で診察をしたのですけれども、本当に薬が分からないのですね。それがこういう大災害のときでもこのプラットフォームを利用できれば分かるということは、非常にありがたいと思います。
質問なのですけれども、4ページの3文書6情報の保存期間のところなのですけれども、5年保存が傷病名、感染症ともあるのですけれども、処方は100日間分もしくは直近3回分ということになって、これは自然に消えてしまうということであれば、患者さんにお薬手帳を持ってもらわないと駄目なのかと。これができればもうお薬手帳は持たなくても可能かと思っていたものですから、いろいろな情報を載せておくことは難しいのかとは思うのですけれども、もうちょっとここは検討して、例えばお薬手帳を持ってもらわなくてもこのプラットフォームにアクセスすればほかのところで出ている薬が見られるとか、もう少し長い期間見たいと思います。技術的に可能であれば、こんなに短く消去してしまうのではなくて、もう少し情報として持ち続けておければと思います。
診療情報提供書、退院時サマリーもそうなのですけれども、自院の電子カルテはもちろんあるのですけれども、他院、患者さんはいろいろな病院にかかりますね。そして、そういったものの情報を得るということでも、この保存期間についてもう一度御検討は技術的に難しいのかどうか教えていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、事務局、コメントがあればお願いします。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官 ありがとうございます。
まず、診療情報提供書等の文書につきましては、最新の情報を共有することが重要かと思いますので、こちらに記載をしてあるような保存期間で議論をしてまいりました。あまり古いものを共有することに対して意味がないかということで、6か月保存とさせていただいております。
一方で、6情報の処方情報については、実はこの処方情報は診療情報提供書に含まれている処方情報を想定しております。電子処方箋が別に仕組みとしてございまして、電子処方箋はデータベースで同じように処方情報を閲覧できるようになっていて、その期間がたしか5年とかではないのですけれども、保存期間が決まっています。あわせて、これらの情報はマイナポータルで御本人が閲覧できる期間がその期間なのですが、ダウンロードすることが可能になっておりまして、そういった情報を御本人がちゃんと意識してダウンロードしていただければ、適切に保管ができるものでございます。ただ、そこが手間だというお話があるかもしれないのですけれども、一方で、処方情報については、先ほど申し上げたように、処方を毎回出されたものが電子処方箋で入るのと、この診療情報提供書ではこの人が今こういうお薬を全部飲んでいますという情報が入りますので、そういったまとまった情報を処方情報として100日間もしくは直近3回分ということで記載をさせていただいているものです。この期間につきましては、4ページのワーキンググループなどで議論をしておおむね決まったものでございますので、今回御意見をいただいたことを踏まえて、改めて事務局で少し整理をさせていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
望月委員。
○望月委員 そうすると、従来どおり患者さんにお薬手帳を持ってもらわなくてはいけないということなのでしょうかね。これはかなりなくしたりして、せっかく電子情報で持てるのであればこちらで持っていきたいと思うわけですけれども、この辺、あまり変わらないということなのでしょうか。患者さんはどうしてもいろいろな病院にかかっていますね。そこは重複しないようにチェックもしなければならない、これは薬局でやっていると思うのですけれども、自分でダウンロードするということでしょうか。教えてください。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官 基本はダウンロードができることをサービスとして提供する予定にしています。お薬手帳自体、私、担当の部局ではないのですけれども、電子処方箋で様々な異なる病院で処方された、そして薬局で調剤された情報は、全て網羅的に確認をできると承知をしております。一方で、お薬手帳については、必ずしも全部の情報が入っているわけではないというところが、少し電子処方箋とお薬手帳の違いかと認識をしておりまして、電子処方箋サービスでは100日間保存されているということで、当然同じようにダウンロードが可能と思っていますので、それではお薬手帳を持っていないといけないのかというところについて医薬局とも確認をさせていただいて、改めて御説明させていただきたいと思います。
○望月委員 よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
お待たせしました。松本参考人、よろしくお願いいたします。
○松本参考人 ありがとうございます。
電子カルテ情報共有サービス、PMHによる医療費助成の効率化は、いずれも医療DXの重要な要素としてぜひ推進すべきと考えております。特に電子カルテ情報共有サービスにつきましては、資料の8ページにも示されておりますけれども、患者・被保険者、医療保険者に多くのメリットがあるということで我々も期待をしているところであります。
ただし、このサービスが医療現場で普及しなければ、患者や保険者が十分なメリットを享受することはできません。本日の資料を見ましても、仕組みの概要、開発計画は記載されておりますけれども、普及の見通しについては、資料の13ページにありますように、遅くとも2030年にはおおむね全ての医療機関で導入ということが書かれているだけで、具体的な普及促進策や導入率の中間目標のようなものは示されておりません。具体的な普及促進策やマイルストーンのような導入目標を工程表のような形で国が定め、関係者が認識を共有しながら、着実に推進すべきと考えます。これについては、医療費助成の効率化についても同様かと考えます。
また、電子カルテの資料の10ページに記載のあります費用負担につきましては、まずは先ほど述べました普及促進の工程表が示されることが議論の前提になると考えておりますので、少なくとも一定程度普及するまでは導入期ということで、運用についても国が責任を持つべきであることを改めて指摘させていただきます。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見、御要望として承りました。
では、井上委員、お待たせしました。
○井上委員 ありがとうございます。
電子カルテ情報共有サービスは、医療DXのコアの部分だと思っておりますので、工程表に基づいてしっかりと進めていただきたいと思います。将来的にはこの全体イメージ図にありますように、データの二次利用や民間のヘルスケアサービスに活用して、日本全体の医療の発展につながるような形で進めていただきたいと思います。
9ページ、10ページ、その費用負担の在り方がございますけれども、先ほど御意見もありましたけれども、なかなか広く普及するまでは国民あるいは関係者のメリットがどこにあるのかはよく分からない状況が続くと思いますので、普及状況を踏まえながら、普及した段階で負担の在り方をしっかり検討していくことがよいのではないかと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、会場に移りたいと思います。
それでは、加納委員、お願いいたします。
○加納委員 ありがとうございます。
この医療DXが始まって厚労省で議論が始まったときには、我々は電子カルテの一元化などいろいろな夢を持ったわけなのですが、3文書6情報のプラットフォーム化という形で、どうもこれで収まってしまいそうだということで、決して我々の医療現場で今負担になっている電子カルテそのもののコスト負担が全然考慮されていないということをひしひしと感じる次第です。電子カルテに関しましては、1ベッド当たり以前は100万円単位だったのが今は安くて200万円、トップのベンダーに頼めば300万、400万以上というすごい負担になっておりまして、100万円のときでさえ我々の売上げの数パーセント、2~3%を占めているということで考えますと、我々がベンダーさんのために働く姿は変わらないのかということを非常にひしひしと感じる次第です。当初、オンラインの資格確認のときは国からは10割負担で頂いたのですが、いつの間にやら病院はこれに関する費用が2分の1になっていますし、10ページなどを見ますと、ようやく運用費用が考えられるようになっていますが、本当に運用費用はイニシャルコストの10分の1ぐらい毎年かかるということになります。
9ページ、今回電子カルテの情報共有サービス導入努力義務という形で救急等が入っています。救急と二次救などに関しまして担っている病院は、急性期のところは昨年、今年と真っ赤な状態、マイナスの経常利益率を出している、赤字であるというところで、どのようにしてやるのか、これらに関しましてもぜひとも御考慮いただいて、対応を考えていただきたいと思います。
医療DXに関して、今日はさらなる医療DXということで新しいものが出てくるのかと思っていまして、医療情報に関する医療DXはこういう形でどんどん進んでいるわけですけれども、実際にこれで現場のコストが安くなるかというと、先ほど申しましたように安くはならないし、人もそんなに減らない、逆にシステムエンジニアを入れなくてはいけないとかそういう負担がかかっている中で、一方では、現場としましては、人を減らせる、例えば監視システムとか、ロボットとか、そういった面での新しい開発を厚労省がどこまで考えているのか、もしそういうことが進んでいるようでしたらお教えいただいて、少しでも夢が持てるようにお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 事務局、何かコメントはありますか。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官 そもそもこの医療DXの工程表の中では、システム経費の高騰も一つの課題として、人自体、DXを担うベンダーさん自体も少なくなる、医療機関でも対応できる人がいない、そういうことも併せて解決していくことが大きな目的としても掲げられています。この医療DXの取組、電カル共有サービスは今日御説明したものだけではなくて、診療報酬改定DXなど幾つかの柱立てで進めております。クラウドの活用や各コストを下げるために、我々としても標準型電子カルテの検討、こういったことを併せて進めておりますので、先生方の御要望にどこまで添えるかお約束はできませんが、少なくともそういったマインドを持って現在厚労省では検討を進めているところでございます。
御要望のあった例えば監視のシステムやロボットみたいなことについては、今、私どもの部局だけではございませんが、例えば看護の領域であるとか、介護の領域であるとか、これは研究なども行われ、好事例の展開、それから幾つかAMEDの研究なども進んでいると承知をしておりまして、そういったことを皆様に分かりやすくお示しをしつつ、一部導入に関しての補助みたいなことを領域によっては進めていると承知をしております。そういうものにも投資ができるように、全体の医療情報に係るシステムの負担軽減を実現することで、御指摘をいただいた病院の中の実務に直結するようなDXに投資ができるような環境をできるだけつくるように努力をしてまいりたいと思います。
○加納委員 これから労働人口が減っていく中で、実際にこれから20年後の医療・介護を支える方法は医療DXを進めるしかないと思っていますので、そういった面での本当に人が減るような医療DXの運用をぜひともお願いしたいと思っております。ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
佐保委員、続いて泉委員でお願いしたいと思います。
佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。
資料3-1、電子カルテ情報共有サービスについて2点申し上げたいと思います。
1点目、資料4ページの電子カルテの保存期間についてです。以前にも申し上げましたが、カルテは5年より前のものが必要となる場合もありますので、患者の情報保全の観点から、保存期間の延長についてもきちんと検討いただきたいと思っております。
2点目、資料10ページの運用費用の負担の在り方について、「関係者のメリットなどを踏まえ考えることが必要」との記載がございます。電子カルテ情報共有サービスの想定されるメリットが記載されていますが、これはあくまで想定されるということであり、実際の効果はどうなるのかといったことや、それがいつ実現するのかといったことも分かっておりません。そういった中で、仮に患者・被保険者に負担を求めるということになれば、給付と負担の関係性に基づく社会保険の原則からしても、なかなか納得が難しいものと考えております。
私からは以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。
では、泉委員、よろしくお願いします。
○泉委員 ありがとうございます。
3-1、3-2、3-3、いずれもこれがちゃんと機能すれば非常に効率的になって、我が国の医療としては非常にいいものになるかと思って期待しております。これは国の医療におけるインフラ整備に当たるのではないかと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思っています。
その中で、加納委員もおっしゃいましたけれども、非常に今は病院の経営が苦しい中で、電子カルテの改修をしなくてはならないということですね。特に3文書6情報だけでも改修しなくてはならないわけで、非常に電子カルテのコストが高いということですね。ですから、これは国のインフラ整備に合わせて改修するということですので、ここに補助金の額が示されていますので、ぜひこの補助金の中に収まるようにベンダーさんに強くきちん厚労省から指導していただいて、病院の費用負担が発生することをできるだけ抑えていただくような御指導をお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、会場で最後お一人、島崎委員、お願いします。
○島崎委員 一連の説明を聞いていて改めて思うのですけれども、おそらく医療の現場におけるプライオリティーと国が考えているプライオリティーが違うのではないかという印象を受けます。
確かに医療DXは進めていかなければいけない課題だと私ももちろん思うのですけれども、全体としてどのぐらい費用がかかるのか。もっと言うと、イニシャルコストとランニングコストがかかるのか。また、費用の推計はどの程度の不確定な要素があるのか、開発しようと考えているシステムの相互依存関係はどうなっているのか。例えば、開発しようと思っているあるシステムはマイナ保険証の普及度合によっていかなる影響が生じるのか。少なくともしばらくの間は、マイナ保険証は100%普及しないとすると、従来の紙によるシステムと並行して走る形になると思うのですけれども、それによってどのくらいのコスト増になるのかといったことをメリットと併せ示した上で、国としてはこういう取組をぜひ進めたいということを言っていかないと、なかなか医療現場や国民の理解と協力は進まないと思います。おそらく今回医療DXに関して法律改正をするということであれば、費用負担も含めて医療DXの全体像を示すことはせ、当然のことながら国会で求められると思いますので、ぜひそのことについてチャレンジしてみていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
では、オンラインに移りたいと思います。
城守委員、お待たせいたしました。
○城守委員 ありがとうございます。
本日も医療DXの様々な政策に関して進み具合を御説明いただいたわけですけれども、資料3-2の4ページにもありますように、医療DXの全体像、これに関しては現在、そしてこれからもその各システムを構築していく上において、個別の検討会等でその考え方、要件等を定めていかれることになろうと思うのですけれども、特にこの4ページの赤枠の一番右の部分、公費負担や地単公費、母子保健等々、いろいろな運用を全国的に展開していくという検討も現在されていると聞き及んでおりますが、その検討をするのが全て厚生労働省ということでもないでしょうし、厚生労働省の中でもそれぞれの部局の検討会で、そして例えば母子保健ですとこども家庭庁と、省庁の枠を超えて一定程度検討の場があるということで、それぞれが違った考え方で議論をしておられるとお聞きをしております。しかし、この医療DXの主務省庁は基本的には厚生労働省であろうと思いますし、そういう意味においては、厚生労働省で全体的な物の考え方とか、方針とかを一定程度、関係する検討会においては示した上でそれぞれにおいて議論していただくと、構築されるシステムを今後統合していく上において齟齬を来さないと思いますので、その辺り、ぜひともしっかりとグリップをしていただければと思います。
個別には、同じ資料3-2の6ページを見ても、さらには先ほどの資料3-1の中にもありましたけれども、患者さんにとっても、自治体、医療機関・薬局等にとってもそれぞれメリットがあるということですので、このメリットに関しては、どなたかもおっしゃっておられましたけれども、しっかりと周知・広報をしていただきたいと要望したいと思います。
そして、同じ資料3-2の8ページですけれども、先行事例として22都道府県の実施状況について御案内がございますが、これは言わば先進的な事例ということであろうと思います。ですから、これ以外の自治体において普及促進をするためには、どのようなポイントがあるとか、またそのメリットはどういう形で示せるのかということを、いかにその自治体等に示していっていただくかに関して、ぜひとも御検討をお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
では、お待たせしました。村椿委員、お願いいたします。
○村椿委員 ありがとうございます。
資料3-2の7ページでございますけれども、先ほど御説明がありましたとおり、このページの右側のPMHシステムに係る赤枠の下に「既存のオンライン資格確認における費用負担を勘案しつつ、上記業務に要する費用負担の在り方を検討することが必要」という記載がございます。PMHシステムに関しましては、医療費助成のみならず、予防接種情報、自治体健診情報や母子保健情報なども含めましたシステムになるとお聞きしておりますので、それらを含めた全体のシステムに係る運用費用額の規模などをお示しいただいた上で、今後費用負担を負っていく、発生する関係者の意見を十分に踏まえて御検討いただきたいと思います。
また、令和8年度以降のPMHシステム等の全国展開に向けました体制構築が求められるわけでございますけれども、体制構築に必要なシステムの仕様や具体的な情報につきましては、できるだけ早期に自治体にお示しをいただければと思います。その上で、自治体が行いますシステム改修等に必要な経費に対しましても、十分な財政措置を講じていただきたいと考えます。
なお、現在自治体は基幹業務システムの標準化に向けた取組を進めておりますけれども、令和8年度以降の医療DXの全国展開に向けた体制構築ということも入ってまいりますと、自治体によっては進捗状況にかなり差が出てくることが見込まれますので、国におかれましては、必要な御支援、御配慮をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
では、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
医療DXの推進は重要と認識しております。その上で意見、要望を発言いたします。
まず、電子カルテ情報共有サービスについてです。システムの費用負担につきましては、費用の全体額や誰がどのくらい負担するかなど、負担の在り方を早急に示した上で、関係者と丁寧に調整をしながら検討を進める必要があると考えます。
また、電子カルテシステムの導入や更新については、その普及のためにも、具体的な低コスト化の推進や医療機関に対する支援策の検討を引き続きお願いいたします。
次に、マイナンバーカードを活用した医療費助成の効率化についてです。地方単独医療費助成には様々な制度があり、自治体ごとにシステム改修等の対応に一定の期間を要するため、全国運用について自治体への早期のアナウンスを引き続きお願いいたします。
また、こちらについてもシステムの費用負担については電子カルテ情報共有サービスと同様に、負担の在り方を早急に示した上で、自治体を含む関係者と丁寧に調整をしながら検討を進める必要があります。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、引き続きオンラインで荻野委員、お願いいたします。
○荻野委員 ありがとうございます。荻野でございます。
私からは資料3-3について意見を申し上げさせていただきたいと思います。6ページの3つのマルでお示しいただいたように、双方向の情報連携、共有、これが大変重要であると思っており、それを実現するための基盤となる標準化ということとなりますので、引き続きワーキンググループにおける議論を深めていただきたいと存じます。
なお、今回は現在の情報提供文書といった視点から、まずはいわゆるトレーシングレポートについて検討を進めていただいていると認識しておりますけれども、骨太2024に従い、調剤録の標準化に係る検討も遅滞なくお進めいただければと存じます。
また、先ほどお薬手帳に関しての御意見がございましたので補足ですが、お薬手帳に関しましても電子化が進んできており、その中ではマイナポータル連携機能の実装も進んでおりまして、取得した情報を電子お薬手帳側で保持できるようになっております。また、お薬手帳は患者自身のものでありまして、アレルギー情報や自身が気になること、あるいはOTC医薬品の情報なども含まれるなど、いわゆる薬剤情報の履歴というだけのものではありません。その意味では役割が異なると思っております。その中で、災害時の活用の観点も含め、また、薬剤情報の提供期間も踏まえて医薬局で整理・検討いただければと思います。これも要望でございます。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、会場に戻りたいと思います。会場でどなたかいらっしゃいますか。
勝又委員、どうぞ。
○勝又委員 これまでも発言をしてきたところですけれども、看護に関して看護情報提供書、様式50の実装に向けた検討を早急に進めていただきたいということと、もう一点は、同時に訪問看護ステーションについても、全国医療情報プラットフォームの中で訪問看護の指示書、訪問看護の計画書、そして報告書、これは3点セットだと考えておりますので、電子上で送受信できる環境を早急に整えていただきたいと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
会場でほかにいらっしゃいませんか。
それでは、オンラインに戻りたいと思います。
山崎親男委員、よろしくお願いいたします。
○山崎親男委員 よろしくお願いします。
議題3の医療DXのさらなる推進についてはスピード感も必要であると考えるところでありますが、資料3-1の電子カルテ情報共有サービスの費用負担について御意見を申し上げます。電子カルテ情報共有サービス導入によりまして、想定される関係者の主なメリットが資料8ページに定性的に示されておりますけれども、少なくとも言えるのが、医療機関あるいは診療所への電子カルテの導入が一定の規模に達しまして活用されたときにメリットが生じてくるものと考えております。資料10ページの中におきまして、電子カルテシステムの保守費用あるいは運用費用の負担の在り方については、様々に皆さん方の御意見があったところでありますけれども、関係者のメリット等を踏まえ考えることが必要ではないかと示されています。その上で、費用負担の在り方を考えるに当たりましては、電子カルテの導入が一定程度進んだ上で、各関係者が電子カルテの導入によって得られるメリットを丁寧に評価した上で検討していくことが必要だろうと、このように思います。そのため、関係者のメリットがある程度確認できるまで、当面の間、保守費用あるいは運用費用につきましては、国が責任を持って負担すべきではないかと考えております。
以上であります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、神野委員、お願いいたします。
○神野委員 資料3-1について確認のための質問をさせてください。資料3-1の10ページの左のほうの医療機関のシステム改修の話でありますけれども、7月にあった第109回のこの社保審の医療部会で、医療DXについてお話があったと思います。その際にも質問させていただいた件なのですけれども、大きな病院の電子カルテについてはHL7対応を10ページの上に書いてあるように国2分の1補助でやる。診療所で電子カルテがないところに関しては標準型電子カルテを普及させる、国がつくるということで、対応する。それでは、電子カルテがない中小病院に対してどうするのかという話だったと思いますけれども、そのときには標準型のものをつくるべくこれから検討したいというのが7月のときのお答えだったと思っています。それから随分たちましたので、その後電子カルテがない中小病院に対しての支援あるいは作戦といったものをどうするのかということをお聞きしたいと思います。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官 ありがとうございます。
中小病院への標準的な電子カルテの開発は、もともと検討すると工程表の中でも記載がございますが、現在皆様に御説明しているとおり、医科の診療所向けの標準型電子カルテをデジタル庁において厚労省と協力をして開発を進めているところでございます。この開発状況を見て、いわゆる中小規模の病院についてどうするか検討を進めていくということなのですが、まだこの開発が途中ということもございまして、大きな病院にまで発展させるのができるかどうかを現在検討しているところでございます。まだお示しできる段階ではないということを御理解いただければと思いますが、少なくとも先生の御懸念の中小の病院の電子カルテが普及していないところについては、どのように普及していくかということは考えていかないといけないという認識がございますので、改めてお示しできる段階になりましたらお示しをさせていただきたいと思います。
○神野委員 ありがとうございます。
先ほど松本参考人や井上委員がおっしゃったように、みんながやらなくてはこれは進まないということを御理解の上、全体に進めていただきたいと思いました。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、山崎學委員、お待たせしました。よろしくお願いします。
○山崎學委員 医療DXの検討が始まってからずっと感じるのが、政府の規制改革会議が主導して行っているスマートシティ構想というものがありますが、これとすごく似ているような感じがしております。ほかの委員の先生からも発言があったように、マイナ保険証自体が全然普及していない段階で、なおかつ事業を行うのならば総事業費がどれぐらいかかって、その総事業費に対して国がどれぐらい負担するのか、あるいは事業者がどの程度負担するのか、そういう数字が全くないのですね。したがって、総事業費をある程度概算して財務省にきちんと説明しているのですか。そこのところを教えていただきたいのです。
○遠藤部会長 では、事務局、よろしくお願いします。
○大臣官房情報化担当参事官室政策企画官 資料3-2の7ページにございますように、例えばマイナンバーカードの活用による医療費助成の効率化の関係ですと、自治体のシステムの改修、それから医療機関・薬局のシステムの改修が要りますので、それに伴いまして先行実施しているところについては、そのための事業なり、補助なりを行っています。そこは財務省さんに御説明してそういう事業などを行っております。例えば自治体システムの関係だと、これはベンダーさんによって違うみたいですけれども、目安として示した基準額1システム当たり500万円程度ということで全額負担するような事業を行ったりとか、医療機関・薬局のシステム改修ですと、そこに書いてあるように、病院の場合、事業費56.6万円を上限にして補助率2分の1、こういう補助を令和5年度の補正予算で組んで実施、財務省さんと御相談して行っている状況でございます。
○遠藤部会長 山崎委員、どうぞ。
○山崎學委員 そういうお金がまずきちんとしていないのと、いろいろこういう事業をすることによってメリットがあると個別にずっと書いてあるわけですけれども、私がこのメリットを読んで、病院のメリットになることはほとんどないのです。
それと、中小病院に標準のカルテをつくってガバメントクラウドに載せると言いますが、ガバメントクラウドに載せたときのクラウドの保守点検料は誰が払うのですか。日本独自にクラウドをつくれるのですか。いまのところアマゾンのクラウドに載せないとつくれないのですよ。日本はその程度の技術力しかないのに強引にこういう政策を進めていくのは非常に危険だと私は感じています。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
まだ御意見はあるかと思いますけれども、かなり時間が押しておりますので、本件につきましてはこのぐらいにさせていただきたいと思います。
お願いします。
○医薬局総務課薬局地域機能推進企画官 医薬局総務課でございます。
先ほど望月委員から処方データの保存期間についてお尋ねがあったと思います。電子処方箋管理システムにおきまして、登録された電子処方箋や、薬局から登録された調剤データの保管は100日間となっております。
なお、オンライン資格確認システムに基づく調剤済み処方箋の保存サービスに登録した場合には、その調剤済み処方箋を5年間保管することが可能となっております。
また、念のためですが、電子処方箋の場合でも処方箋の有効期間は4日間でございますので、100日間登録されていても実際に使えるのは4日間となっています。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、本件につきましてもいろいろな御意見が出ましたので、引き続き議論を深めていくように事務局は御対応をお願いします。
それでは、4番目の議題であります産科医療特別給付事業等について、事務局から説明をお願いします。
○地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進・医務指導室長の松本でございます。
資料4を御覧いただければと思います。
まず、特別給付事業の前に、産科医療補償制度の本体について御説明いたします。6ページまで飛んでいただけますでしょうか。少し時間が押しているので早口になってしまいますが、申し訳ありません。産科医療補償制度本体ですけれども、目的のところ、制度創設の経緯のところに、分娩による医療事故により障害が生じた方への救済、紛争の解決、それから事故の原因分析を通して質を上げるということになっておりまして、平成21年に創設された制度でございます。対象としては、下の箱のところにございますように、重度の脳性麻痺になってしまった方ということで、7ページにございますように、脳性麻痺になった方に3,000万円を給付しております。
8ページを御覧いただきまして、給付対象基準を2回見直しをしております。左上を見ていただきまして、2009年のところですけれども、水色のところと濃い青がありまして、水色のところに個別審査と書いてございます。個別審査の対象となるのは33週よりも週数が浅い方、28週から33週までと2,000グラム未満ということになりますが、これらの方は、下に書いてありますように、低酸素の要件を審査して、それによって給付対象かどうかを決めている、個別審査で対象外となったお子さんがいるということです。一番右を見ていただきまして、22年1月以降ですが、この個別審査を廃止したという経緯がございます。
それでは、1ページに戻っていただきまして、特別給付事業の説明になります。申し上げたように、経緯の1ポツですけれども、令和4年1月に個別審査を廃止いたしましたので、今まで個別審査で対象外となった方の親御さん等から、新しい基準で救済を求める声が上がったということでありまして、それを受けて自民党の政調から新しい特別給付の枠組みについて御提案をいただいて、厚生労働大臣宛てに要請がなされているということでございます。
厚生労働省の対応でございますけれども、2点ございまして、1点目ですが、この要請を踏まえて、個別審査で対象外となった方等に特別給付事業を実施することとしてはどうか、2点目ですけれども、このような補償対象基準の見直しに際して、事前に厚生労働大臣に協議をするという形で、健保法の施行規則の改正や厚生労働大臣告示の新設等を行いたいということでございます。
2ページを御覧いただきまして、特別給付事業の概要ですけれども、対象としましては、先ほど申し上げたように個別審査で対象外となった方、または同じ状態で申請をしていない方に対して1,200万円を一括給付するというものでございまして、申請期間は5年間でございます。財源ですけれども、今まで特約に基づいて返還された保険料が積み上がっておりますので、そちらを活用していきたいと考えております。実施は日本医療機能評価機構にお願いしたいと考えています。
3ページ、先ほど申し上げた法令改正のところですけれども、趣旨としましては、1マルにありますように、産科医療補償制度の安定的な運営を行うために返還保険料等の運営に関して一定の関与を明確化するための法令改正でございます。2マルにございますように、2点ございまして、健保法の施行規則等のところに、1ポツ目、産科医療補償制度の安定的な運営に重大な影響を及ぼすような事項、特に支払い基準や返還保険料の取扱い等を変更等する場合に、あらかじめ厚生労働大臣に協議を求めるということ、それから返還保険料の使途についても明示をしたいと思っておりまして、この保険料自体を運用することや掛金の軽減に使う、もしくは厚生労働大臣が定めた事業にしか使えないということを明示したいと考えております。
今日お認めいただきましたら、パブリックコメント等を行いまして、今年中に公布して、特別給付事業も来年1月から開始をしたいと考えております。
御説明としては以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ただいまの内容について御意見、御質問等はいかがでしょう。
山口委員、お願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
私、産科医療補償制度の運営委員を務めておりまして、今、御説明があったのですけれども、最初は、見直しがあった以前に対象外になった保護者の方の、今回の基準だったら対象になったはずなので遡及して認めてほしいという要望のところから始まりました。例えば過去の基準に誤りがあったということであれば遡及するということも分かるのですけれども、医療の進歩であったり、知見を積み重ねてきた実績で基準の見直しが行われたわけです。ですから、私はルールが変更になったらその時点から適用されるもののはずだと思って、そういう発言もしてまいりました。今回はこういう特別給付事業になったわけですけれども、今回のことで今後の基準の見直しに影響が及ばないような配慮をぜひともお願いしたいと思っておりますので、厚労省としてその辺りの見解があれば教えていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、事務局、コメントをお願いします。
○地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長 ありがとうございます。
そのような御指摘も踏まえて、今回法令改正をして、位置づけ等も明確にしていくということでございますので、今後も様々な医療の変化等はございますけれども、厚生労働大臣、厚生労働省等への協議等をいただきながら制度を運営していくことになろうかと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
松本参考人、お願いいたします。
○松本参考人 ありがとうございます。
この産科医療補償制度につきましては、脳性麻痺児並びにその子供さんをお持ちになる保護者に対する救済制度として、非常に意義のある制度だと考えております。一方で、この制度は資料7ページにもございますけれども、国の制度でありながら民間保険の仕組みを活用しているという特徴がございます。そうした中で、今回の特別給付事業については、幾つかの問題点があると考えております。先ほど山口委員からもありましたけれども、過去に遡って給付範囲を変更して適用することであり、このことは保険契約の概念を逸脱していると考えております。もう一つは、この制度から生まれた剰余金、3ページでは返還保険料という言葉になっておりますけれども、本来、将来の妊婦の保険料負担の軽減に充当すべきものであり、今回の特別給付事業に活用することは、この制度の趣旨とは異なるものでございます。
以上2点は、制度の運営において極めて重大な影響を及ぼすものであり、今回特別給付事業を実施するにしても、極めて例外的、限定的なものとして、今回限りの取扱いとすべきと考えます。
また、省令改正を通じまして国による関与を明確化するとされておりますが、脳性麻痺児を持つ保護者の救済を目的とした制度であることをより明確にするために、国の直接の制度として運用するなど、制度の位置づけについても検討すべきと考えます。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかに御意見はございますか。
佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。
この事業の実施に当たっては、対象となる患者、御家族の方にきちんと案内が行き届くよう、丁寧な周知、対応を行っていただきたいと思います。
産科医療補償制度は、原因分析と再発防止の取組を通じて産科医療の質を高めることに意義があると認識をしております。
資料3ページに国が一定の関与を行うことが重要とありますが、本来であれば財源については返還された保険料ではなく、国の制度として運営すべきだと思っております。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 1点だけなのですけれども、今、分娩が保険適用になることが検討されていますので、仮定の話なのですけれども、そうするとこの制度も大きく影響を受けると思いますので、今から準備をして検討しておいていただいたほうがいいのではないかと思っております。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにございますか。よろしゅうございますか。
様々な御意見が出されたわけでございますけれども、事務局の原案について基本的な方向性については、様々な附帯的な御意見はございますが、おおむね御了承いただいたという理解でよろしゅうございますか。特段反対をされる方はいらっしゃいますか。よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤部会長 分かりました。
いろいろと重要な御指摘をされていると思います。私も昔医療保険部会長だったときには、この制度についてはいろいろと議論した覚えがありますので、非常にそういう意味では課題もいろいろあるかと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
私から事務局に確認ですが、これは医療保険部会との関係はどうなりますか。
○地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長 明日、医療保険部会にもお諮りをする予定でございます。
○遠藤部会長 同じことをやるわけですね。分かりました。
では、医療部会としましては、基本的にこの方向については了承したということにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、最後になりますが、その他について事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長 医療安全推進・医務指導室長でございます。
資料5を御覧ください。
非密封の放射性同位元素を用いた医療機器という新しいカテゴリーの医療機器がございますので、医療法に位置づけるという取扱いについての報告事項でございます。こちらは医療放射線の適正管理に関する検討会で審議を行いまして、本日の御報告になっております。
資料5の1ページを御覧いただければと思いますけれども、現状・課題のところに2つ○がございまして、この非密封性の放射性医療機器は日本にこれまでなかったということでございますので、ヒトへの投与を想定した医療法の規制対象ではなくてRI法の規制対象であったため、事実上、ヒトへの投与ができておりませんでした。今般、治験をしたいという申出がございまして、それが実施できない状況でございますので、この対応をしたいというのが1点目です。
2点目は、この非密封放射性同位元素でございますが、医薬品、それから今回お認めいただきたい医療機器がございますけれども、医療法で認めるときに使用場所の制限がかかりますが、今まではカテーテル室で使うことがなかったので、エックス線診療室というカテゴリーになりますけれども、これが規定されていなかったのですけれども、そうなってしまいますと、新しくお認めいただく下のところのY-90マイクロビーズというもので、目に見えないビーズが液体に浮いているものを肝臓に投与して、腫瘍に詰めて、放射線でがんを殺すというものですけれども、これを使うカテーテル室も今回の取扱いに合わせて医療法上使用可能な場所として位置づけたいということでございます。
その対応方針が下にございまして、今申し上げた非密封の医療機器を医療法の規制対象にするということで、非密封の放射性医薬品のほうに診療用放射性同位元素がございますので、同じ内容で規制をしたいということ、それから厚労科研のエビデンス等を踏まえてエックス線診療室でこれらの投与が可能になるように省令等を改正したいという事項でございます。
御説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
本件について何かございますか。よろしゅうございますか。
それでは、基本的に事務局が出された案については御了承いただくという対応をさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局はしかるべき対応をよろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、本日の議題につきましてはこれまでとさせていただきます。
最後に、本日の部会を最後に御退任をされます委員を御紹介いたします。
城守委員におかれましては、令和5年より医療部会委員に御就任をいただいてから約1年間、当医療部会において多大なる御尽力をいただきました。
城守委員より一言御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○城守委員 遠藤部会長、ありがとうございます。
御案内いただきましたとおり、昨年の9月からこの医療部会に参加をさせていただいておりましたが、今回、本日本医師会の業務分掌の一部見直しを踏まえまして、退任をさせていただくことになりました。後任は同じく常任理事の黒瀨先生が参加をされることになると思います。
1年余りということでございますが、少しお時間をいただきましたので、御挨拶をすることをお許しいただければと思います。
この医療部会は、先生方よく御案内のとおり、医療提供体制の確保に関する事項を審議するという大変重要な部会という位置づけで、現在も新しい地域医療構想をはじめとして様々な医療制度また制度の改革等に関しての審議が行われていると思います。
医療の提供体制を議論する場ということでございますので、そのメンバーに関しては、明日ございますけれども、私も参加をしております医療保険部会とは全く異なっておりまして、医療提供体制のメインプレーヤーである医療サイドの様々な立場の方々が多く委員として参加をされておられます。
今後2040年、さらにはそれ以降のことを見据えて医療提供体制に関して議論していかれることであろうと思いますが、ご存じのとおり現在の医療提供体制はその地域の実情に応じて出来上がってきたものでございますので、その地域によってばらばらになっているということでございますし、現在実際に医療の提供も行われているということでございます。将来にわたって現在提供されている医療を途切れることなく連続して進めていくという制度設計であるべきであるということは、ここにおられる皆様方も同じ思いでいらっしゃると思います。ですから、これからこの議論をされるに際しまして、地域の実情をあまり勘案しないいわゆる机上の論理によって制度設計や制度の改革が行われますと、必ず現在の地域医療の提供体制にゆがみが生じたり、さらには現に提供しているこの医療提供に隙間ができたりするということになることを、皆様方にはしっかり踏まえた上で御議論をしていただければと願っております。
短い間ではございましたが、面白いこともございましたし、大変いい経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。
○遠藤部会長 城守先生、ありがとうございました。ますますの御活躍を祈念させていただきます。(拍手)
それでは、事務局から何かございますか。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
次回の医療部会につきましては、決まり次第御連絡したいと思います。
○遠藤部会長 それでは、本日の会議はこれまでとさせていただきます。
本日は大変お忙しい中御参集いただきまして、どうもありがとうございました。