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第109回社会保障審議会医療部会 議事録
日時
令和6年7月12日(金)16:00~18:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム 7階 大ホール
議題
- 新型インフルエンザ等対策政府行動計画及びガイドラインの改定の検討状況(医療部分)について(報告)
- 医療DXの更なる推進について(報告)
- 経済財政運営と改革の基本方針等の閣議決定について(報告)
議事
- 議事内容
- ○医療政策企画官 それでは、定刻となりましたので会議を開会させていただきます。
ただいまから、第109回「社会保障審議会医療部会」を開会いたします。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日も前回に引き続きまして、先生方におかれましてはあらかじめオンライン、または現地会場での参加を選択の上で御出席をいただいております。
まず、委員の異動がありましたので御紹介をさせていただきます。
井伊委員の御後任として、新たに日本看護協会副会長、勝又浜子委員でございます。
それから、都竹委員の御後任として新たに全国市長会、村椿晃委員。
それから、小熊委員の御後任として新たに全国自治体病院協議会会長、望月泉委員が就任されております。
それでは、勝又委員が少し遅れて入ってくるという御連絡も受けております。村椿委員、それから望月委員、勝又委員の順に一言、御挨拶をいただきたいと思います。
それでは、村椿委員よろしくお願いいたします。
○村椿委員 市長会のほうから参りました村椿でございます。富山県魚津市の市長をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
続きまして、望月委員から一言いただけますでしょうか。
望月委員は移動中ということで、通信の状況が悪いようでございます。
勝又委員は、少し遅れて入られるということでございます。
ありがとうございました。
次に、本日の出欠状況でございますけれども、今日は内堀委員、松田委員、松原委員、山崎學委員より御欠席との御連絡をいただいております。
医療部会の総委員数は24名、定足数は8名となってございまして、本日は20名の皆様が御出席でございます。定足数に達していることを、まず御報告申し上げます。
それから、井上委員、神野委員、望月委員より途中退席との御連絡をいただいております。
続きまして、資料の確認でございます。議事次第、委員名簿、座席表、それから事務局名簿がお手元にありますほか、資料1-1、1-2、1-3、資料2、資料3、それから参考資料をタブレットのほうに格納してございます。準備をお願いいたします。
それから、前回医療部会以降、事務局において人事異動がございました。森光医政局長、それから森大臣官房審議官をはじめ新たに着任をしてございます。お手元の事務局名簿にも反映しておりますので、紹介をさせていただきます。
カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、協力をよろしくお願いいたします。
それでは、遠藤部会長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 皆様、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、初めに欠席の内堀委員の代理としまして、福島県保健福祉部次長の玉川参考人、また山崎學委員の代理としまして日本精神科病院協会副会長の平川参考人の御出席をお認めいただければと思いますが、よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に移りたいと思います。
本日は、3件の報告事項がございます。報告事項ではございますけれども、委員の皆様の忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。
それでは、最初の報告事項「新型インフルエンザ等対策政府行動計画及びガイドラインの改定の検討状況(医療部分)について」、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 医療提供体制改革担当の参事官です。
資料1-1を用いまして、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画及びガイドラインの改定の検討状況(医療部分)について」の説明をいたします。
資料1-1のページをめくっていただいて3ページです。
政府行動計画、それからガイドラインの位置づけになります。政府行動計画については新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて新型インフルエンザ等の発生に備え、平時の準備、感染症発生時の対応の内容を示すというものになります。感染症発生時には、この政府行動計画に基づいて基本的対処方針を定めて対応を行うということになります。また、政府行動計画の具体的な取組を促進していくということを目指して、各分野におけるガイドラインが策定されているというところです。
これについての現在の改定に向けた検討状況が、その下になります。令和5年9月に内閣感染症危機管理統括庁が発足をして、政府行動計画の改定に着手をしております。それで、昨年9月以降、統括庁のほうの有識者から成る「新型インフルエンザ等対策推進会議」において検討が進められています。
その2つ下の➢ですが、厚生労働省においても感染症部会、それから3月21日の医療部会でこの政府行動計画について議論いただくとともに、推進会議で検討を進めて6月17日の推進会議で政府行動計画案が了承されています。その上で、7月2日に政府行動計画については閣議決定が行われているというところです。
この政府行動計画のガイドラインについても感染症部会、それからこちらの医療部会などで議論するとともに、統括庁のほうの推進会議において検討を行って、今年の夏くらいに改定を行う予定としております。本日いただいた御意見を踏まえて、内閣感染症危機管理統括庁と調整をして、ガイドラインに向けた検討を進めていきたいと考えています。
次の4ページ、政府行動計画を改定したものの概要になります。
4ページの左側の1で「平時の準備の充実」ということで、平時より訓練、研修などの実施ですとか、その次の●で感染症法あるいは医療法の計画に基づいて自治体と関係機関と協定を締結する医療措置協定の締結ということをやっていただくことになっています。それで、医療体制の立ち上げを迅速に行う準備をしておくということです。
その下の2番目で、全体を3つの期、準備期、初動期、対応期に分けて計画を記載しています。また、各分野の対策項目について6項目から13項目に拡充をしています。
その13項目が5ページになります。
「医療」については、左側の⑧になります。平時から予防計画、医療計画に基づき、都道府県と医療機関の間で医療措置協定を締結する。それから、有事には通常医療との両立を念頭に置きつつ、柔軟かつ機動的に対応するという計画にしています。
「医療」部分は、7ページに概要の資料をつけています。
政府行動計画の医療部分の抜粋は資料の1-2になっていますが、この7ページで概要をまとめています。
下のほうの「準備期」においては先ほど申した予防計画、医療計画に基づいて体制の整備をしておく。都道府県と医療機関で病床確保、あるいは発熱外来などの協定を締結する。
②番目では研修、訓練による人材の育成、医療人材、それから感染症の専門人材の育成を推進する。
それから、③番目でG-MISの改善などのDXの推進ですとか、医療機関の施設整備、設備整備の支援、昨年の補正予算で感染症の対応力強化事業というようなものを設けています。
④番目で「地域の連携の強化」、都道府県連携協議会を活用して関係機関の連携を強化していくということ。
それから、⑤番目は「特に配慮が必要な患者への医療提供」ということも計画に記載をしています。
真ん中の「初動期」、新型インフルなどの発生から政府対策本部が設置されるまでの期間になります。感染症に関する知見の共有、情報収集、分析、それから関係機関への提供・共有を行う。
②番目は「医療提供体制の確保」として初動期は感染症指定医療機関における患者受入れ態勢の確保、相談センターの整備などを行います。
右側の「対応期」については、発生から3か月を想定した流行初期とそれ以降ということで体制を分けています。
②番目の「時期に応じた医療提供体制の構築」、流行初期は感染症指定医療機関が対応をするとともに、流行初期医療確保措置協定締結の医療機関も病床確保、発熱外来を実施。
流行初期以降は、それらに加えて地域の感染状況などに応じて対応する協定締結医療機関を拡大していく。それから、自宅等での療養体制の強化、後方支援を行う医療機関への転院への実施、必要に応じた医療人材の派遣を行っていこうという計画にしています。
③番目は、事前の想定と大きく異なる場合には機動的な変更などを実施する。
それから、④番目で「予防計画及び医療計画に基づく医療提供体制を上回るおそれがある場合」には広域の対応ですとか臨時の医療施設の設置、それから蔓延防止等重点措置、あるいは緊急事態宣言などの措置、それから重症度や緊急度に応じた医療提供体制の実施ということを政府計画に記載をしています。
8ページ、「医療に関するガイドライン(案)」の概要になります。
ガイドライン案は、医療部分の本体そのものについては資料1-3におつけをしています。ガイドラインでは、政府行動計画の内容を補足する項目について記載をすることにしていますので、ガイドラインだけ見ても全体は分からない。政府行動計画とガイドラインをセットで見ていただくものとなっています。
(ガイドライン(案)の主な記載内容)ですが、「準備期」については都道府県における感染症危機管理部局に限らない全庁的な研修・訓練を行うというようなことを記載。それから、医療機関等における感染症対応に従事する医療従事者以外の職員も含めた研修・訓練に留意するよう記載をしています。
それから、臨時の医療施設について参考として新型コロナ対応における設置事例、想定される活用施設、受入れ患者などを記載しています。
「初動期・対応期」については、患者の流れが円滑に行われるよう都道府県が定期的に状況を確認するためのチェック、確認をするということにして、参考として新型コロナ対応のチェックポイントを記載しています。そこから、人材について感染症に関してDMATの派遣要請を行う場合、DMATの活動内容の記載。それ以外の医療人材の確保のための取組事例、コロナの際の取組事例というものも参考で記載をしています。
一番下のポツですが、新型インフル特措法に基づいて医療関係者に医療実施の要請などを行う場合に留意する事項、実費の弁償、損害補償などを行うというような留意する事項を記載しています。
最後の10ページは参考資料になります。
現在の医療措置協定の状況です。2月9日の医療部会でも協定締結の見込みを報告したところです。それで、今回は各都道府県の予防計画、医療計画に記載をされている目標値、それから今年の6月1日時点の医療措置協定の締結の実績をまとめて御報告をいたします。
医療措置協定については一番上の○ですが、今年の9月末までに協定締結作業を完了することを目指すこととしております。ですので、今回6月1日時点ということになりますので、各都道府県で協定締結作業に取り組んでいる途中段階のものの報告ということになります。まず左上の病床確保については予防計画、医療計画の目標値が4万5148床で、協定締結などの実績では3万6918床となっています。9月までに、この目標値の協定締結というものに引き続き取り組んでいくことになります。
また、一番下の※印、2月の医療部会では全国目標値として昨年5月の厚生労働省の通知に記載をしていたコロナで確保した最大規模の体制を参考に、病床確保では5万1000床というような目標値も報告をしています。
これと今回の4万5000床の関係ですが、まずこの5万1000床には臨時の医療施設2,400床分が入っていたということです。こちらについては協定締結などでは臨時の医療施設は該当しませんので、その分があるということです。また、今回協定締結という仕組みであらかじめ準備をするということになっていますので、都道府県によってコロナの際よりも確保病床の利用率を上げることを想定して地域で協議を行うなどによって、それぞれの地域で次の感染症に対応できる体制の目標値として積み上げられたものになっています。ですので、今回の予防計画、医療計画の目標値によってコロナの最大規模の体制で患者を受け入れることができる目標値になっているというふうに理解をしています。
上の病床確保、流行初期の確保病床数については、協定締結の実績で2万5128床、それから発熱外来協定締結医療機関の予防計画、医療計画の目標値が4万1228機関、協定締結実績が2万2276機関、こちらについても9月末を目指して引き続き取り組んでいくということです。
発熱外来、流行初期の協定締結医療機関数は協定締結実績で今1万9045機関ということになっています。
右側の自宅療養者等への医療提供ですが、病院・診療所が2万3000機関、薬局が3万機関、訪問看護事業所が5,000機関となっております。
後方支援は4,280機関、人材派遣で医師については3,027人、看護師が4,831人という目標値の状況になっております。
まず新型インフルの行動計画、ガイドラインの検討状況の報告説明を終わります。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの報告内容につきまして御意見、御質問等があればいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 泉です。ありがとうございます。
こういう行動計画をきちんと定めていくことは、極めて重要だと思っております。
それで、7ページの準備期間のところで盛り込まれています。どの医療機関がどのような研修や訓練をするのかということを今後具体的に決めていくということは必要だと思います。医師だけではなくて看護師、それから検査をするとか薬剤とか、様々な訓練をするということで、ぜひ具体的に訓練をするための支援をしっかりお願いしたいということをお願いしたいと思います。
それから、「初動期」のところで、感染症指定医療機関が患者を受け入れるということで、相談センターなどを指定するということを書いているのですけれども、そうしますと感染症指定医療機関の役割が非常に重要になるということで、これまで感染症指定医療機関というのは赤痢とかチフスとかデング熱など、隔離を主体に設置をされていたのですが、この役割が大きく違ってくることになると思います。したがって、今後、感染症指定医療機関の役割を煮詰めないと、これだけ重い責任を果たせないなと思っています。
それで、今日説明はなかったのですが、資料1-2の136ページにも「感染症指定医療機関」についての記載があるのですが、やはり感染症指定医療機関の感染症専門医の設置であるとか、それから今回のコロナのような突発的な重症度の高いような疾患が起こった場合に対応できるということが必要ですし、重症度とか感染力とか感染経路に合わせて病床の確保のやり方が違ってくると思います。
そこで、実際に感染症指定医療機関でも病床稼働率95%などで運用しているわけですので、急にベッドを空けろと言ってもなかなか難しいのかなと思います。したがって、感染症指定医療機関について施設要件とか、どういうふうに対応するかということについて具体的に検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
御意見、御要望ではありましたけれども、事務局から何かコメントがあればお願いしたいと思います。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 医療提供体制改革担当参事官です。
今、感染症指定医療機関については、医政局というよりも感染症対策部のほうが担当をしております。前回の3月の医療部会でも、泉委員から同じように感染症指定医療機関の要件の見直しを検討したほうがいいのではないかという御指摘をいただいたところです。そちらの指摘を受けて、我々のほうで感染症対策部の担当課のほうにも話をしました。
それで、この感染症指定医療機関の指定要件は今回のコロナの経験も踏まえて見直しの検討を進めたいというコメントをいただいているということを御報告いたします。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、木戸委員お願いいたします。
○木戸委員 資料1-1の7ページには、今回のパンデミックの経験を踏まえて、医療分野において何をなすべきかについて各時期に分けて大変分かりやすくまとめられていると思います。これを拝見して、周産期医療に携わる立場から1点だけコメントさせていただきます。
この表の一番左の「準備期」の項目の⑤のところに、「特に配慮が必要な患者への医療提供」として、小児や妊産婦等を挙げて受入れ体制や搬送などについて協議するとあります。このように項目立てて取り上げていることは、とても適切と思います。
少子化が我が国において重大な問題になっている状況におきまして、社会経済活動への影響を最小限にとどめるということと併せて、リプロダクション、次世代を生み育てるところへの影響を最小限にとどめるという視点を常に持って対応するべきと思います。
今回のコロナ禍におきましても、若い世代の行動制限によって出会いが減ったことなどによる婚姻数の減少、不妊治療の制限、里帰り分娩や立合い分娩ができない、分娩時に陽性が判明しますとほとんどが帝王切開となる、あるいは陽性になった場合、なかなか搬送先が見つからないという様々な問題がありました。
また、今は産後ケアも多くの自治体や医療機関で取り組まれつつありますけれども、次なるパンデミックの際には子育て世代が孤立してしまわないよう、必要なサポートをしっかり行う必要があると思います。お産の減少によって、既に多くの周産期の医療機関の経営には深刻な影響が出ています。
次なるパンデミックが起こった際に少子化がさらに加速するだけではなく、周産期医療にはさらなるダメージとなることも大変懸念されております。
子供を望む人が安心して出産、子育てできる環境づくりは、我が国において重要な政策課題であり、準備期のみならず、全ての時期にわたりまして、この妊産婦の支援についてしっかり目配りして対策を考えていただきたいと思います。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
重要な御指摘だと思います。御意見として承りました。
今度はしばらく会場のほうの御発言ということで、加納委員、それから楠岡部会長代理ということでお願いしたいと思います。
○加納委員 ありがとうございます。
まず5ページでございますが、「医療」というところの中で下から3行目に「通常医療との両立を念頭に置きつつ」ということが記載されております。これは、本当に今も出ました小児周産期、がん治療も含めて、ふだん守っていかなければいけない医療が意味するのではないかと思うのですが、もう一つ私は不要不急である中で救急医療をしっかり守っていくということが非常に大事だと思っております。
この会議でも、たしか千葉市の消防局のデータで出ましたけれども、そのデータを見ますと、第5波までの中で救急搬送の患者さんのうちコロナの患者さんの搬送事例は1割以下であったわけであります。
ということは、コロナの間は救急車が搬送する多くの患者さんが実はコロナ以外の患者さんで、10倍近くあったということでありますが、これを日本の場合はしっかりと維持したのではないかなと私は思っております。
これがこの通常医療の中での一つの大事なところだと考えていただいて、今後の感染症に関する議論の中にしっかりと掲げていただきたいということなのですが、実は感染症が増える大都会において救急医療というものは民間病院が主体で結構やっておりますので、この民間病院がいかにコロナ禍、感染禍、今度の新しい感染症の中でも頑張れる体制をぜひともお願いしたいと思います。
それにリンクする話なのですが、大阪における例を取りますと、第8波でいきますと、令和4年の12月の数字でG-MISからのデータによりますと、大阪においては実はコロナの入院患者さんの76%が民間病院に入院をしておりました。そのデータを見ましても、やはり民間病院がいかに感染症に対して参加する状況が整うかどうかということが非常に大事になってくるかと思っております。
また、今回も参考資料の中に出ておりますが、流行初期の締結に関しまして大阪府においては2,653をつくる予定が今2,736の協定を結んだというデータも出ております。これは、実は大阪の民間病院がかなり参加しております。こういったことも踏まえて、今後のガイドラインを含めて民間病院が参加しやすいガイドライン、または今後の方針をぜひとも決めていただけたらと思います。これは要望です。
もう一点お願いで、毎回私は言わせていただいていることなのですが、3ページ目の議論をする中で、ここは医政局マターの話だと思うのですけれども、感染症部会は健康局マターになるかと思うのですが、ここに病院団体からの参加をぜひともお願いしたいということを前からお願いしているわけなのですけれども、やはりこれは私は大事ではないかなと思っておりますので御考慮いただけたらと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 御要望及び御意見、承りました。ありがとうございます。
では、楠岡部会長代理お願いいたします。
○楠岡部会長代理 楠岡です。
私も、4ページの1番の「平時の準備の充実」のところの1番目にあります、訓練を定期的に実施というところをぜひしっかりやっていただきたいと思っております。
災害医療に関しましては、災害拠点病院等は大体年に1回、大規模災害が起こったときに、その患者の受入れ態勢をつくるために半日から場合によっては1日かけた訓練を実施しております。
それに匹敵するものとしても実態がなかなか分からないので難しいとは思うのですが、例えば発熱外来をオープンするときに何が要るか。それから、PPEの着脱などは基本的なところでありますし、場合によっては病室の確保要請がきたときに、その時点での入院患者の状況からどうやって確保するかという机上のシミュレーションなどを一度やってみることなどが考えられます。これ必ず年に1回くらいはやらないと、経験者が人事異動でみんないなくなってしまって、いざというときには誰も経験者がいないということになりますので、年に1回どういうような訓練をやればいいかというガイダンスのようなものをぜひつくってお示しいただければと思います。
あとは、病院単位でできること以外にも、自治体とか、あるいは地域の医師会と一緒にやるものもありますので、そういうような広域的な訓練に関しましても、ぜひこういうものをやったほうがいいというようなメニュー的なものもつくっていただければ訓練もやりやすいと思います。
前の新型インフルエンザの対応のときには訓練があったのですが、非常にお粗末な訓練で実際何の役にも立たなかったということがありますので、そういうことのないようにしっかりした訓練の計画を立てていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
訓練の重要性についての御指摘だと思います。事務局としては御検討いただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、早くお帰りになるというお話もありましたので、神野委員お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。
私も今の4ページの「平時の準備の充実」の話でありますけれども、感染症ではありませんが、能登半島地震を経験して災害に関しても平時からいかに準備しておくかというのがその後の対応につながっていったのかなと思います。
ただ、そのためにはやはりそれなりのサージキャパシティーを充実するための補助金ないしは資金というものが必要になります。
同時に、新型インフルエンザの場合は災害と違って1地域だけではなくて、来るとしたら全国にきてしまうわけですけれども、そういった意味ではこのサージキャパシティー、いろいろな準備をするための補助金ないしは資金といったものの手当をぜひ御考慮いただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。サージキャパシティーの確保及びその他のファイナンシャルな支援についての御提案でありました。
それでは、オンラインに移りたいと思います。玉川参考人、お手を挙げておられますのでよろしくお願いします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
新型インフルエンザ等対策政府行動計画の閣議決定を踏まえまして、今後各都道府県では行動計画の改定作業を本格的に進めていくこととなります。改定作業等を行う都道府県の立場から、2点発言をさせていただきます。
1点目ですが、ガイドラインの作成についてであります。
政府行動計画に定める各対策の具体的な内容や実施方法などを示すガイドラインは、都道府県や市町村が計画を策定する上で重要となるものです。作成に当たりましては、実務を担う都道府県等の意見の丁寧な反映をお願いいたします。また、ガイドラインについては新たな知見等の反映も重要です。策定後における適時・適切な見直しについても検討をお願いいたします。
2点目は、都道府県や医療機関に対する支援についてです。
政府行動計画等には、有事に備えた訓練・研修による人材の育成や医療機関の施設・設備整備の支援など、都道府県が担う役割が盛り込まれております。次なる感染症危機に備えた体制の確保を進めるためにも、国による技術的・財政的な支援の継続・拡充をお願いいたします。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、荻野委員お願いいたします。
○荻野委員 ありがとうございます。私からは、1点意見を申し述べさせていただきたいと思います。
今回、医療に関するガイドライン案を単独でお示しいただきましたけれども、本ガイドラインでは医薬品の供給・流通に関しては言及されておりません。新型コロナウイルス感染症流行の際にはワクチンや抗ウイルス薬はもとより、解熱鎮痛薬、鎮咳薬、去痰薬など、対症療法薬全般についても需給逼迫、あるいは偏在等が生じました。医療提供体制を構築したけれども、そこに必要な薬がないといった状況に陥ることのないよう、医療提供体制と平仄を合わせて、医薬品の供給・流通に関してもガイドラインで明確にしておく必要があろうかと考えております。
資料1-1の5ページでは「⑨治療薬・治療法」、あるいは「⑫物資」等に対応するガイドラインが関連してくるものと思いますが、ぜひ現場で必要な医薬品を円滑に供給いただけるよう、引き続き感染症部会、新型インフルエンザ等対策推進会議で御検討いただければと存じます。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
医薬品の安定供給に関して、何か事務局からコメントございますか。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 医薬品に関しては荻野委員も言及されましたが、治療薬、治療法、あるいは物資、あとはワクチンについて、ワクチンのそれぞれのガイドラインを策定しますので、そちらのほうで対応させていただきたいと考えています。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、お待たせしました、平川参考人、お願いいたします。
○平川参考人 日本精神科病院協会の平川です。2つ、御意見を言わせていただきたいと思います。
今、精神障害者は地域移行を推進していくということで、町で暮らす精神障害者の方は大変増えております。町で平時の状態でも、何か身体的な合併症が起きたときに救急車を呼んでもなかなか受け入れる一般病院がないというようなことがありまして、数年前には東京都でも亡くなったケースがあるぐらいです。特に感染症等で精神障害がある方々は非常に命の危険に及ぶということで、東京都では松沢病院等が中心になって対応したわけですけれども、このような特別な人たちは、母子保健は救急で何か特別に配慮する状態というふうに定義をされているようですが、精神科は特にそこについては具体的な策がないように思いますので、ぜひとも具体的な対応策を考えていただきたいと思います。
特に、結核病棟と精神病棟が一緒くたに統計上の処理もされておりますので、これを分けてお願いしたいこと、特に結核病棟については陰圧室がある唯一の病棟ですので、この辺も活用できるような体制が望ましいかなと思います。
もう一つは、認知症の問題です。認知症の方はかなり地域で増えておりまして、認知症があるとコロナの身体的な治療プラス介護の問題が大変重くのしかかってきます。特に救急病院で抗ウイルス薬の治療はうまくいったけれども、その後、介護が大変だとか、あとは介護をしていた方がコロナになって、家にコロナにはなっていないけれども要介護の方が自宅に1人でいるというようなことも起きています。
こういう地域に密着したことを我々精神科で地域包括ケアといいますけれども、そういうものを地域で支える仕組みもこのような感染対策に入れていただきたいと思います。
2点です。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。精神科医療の問題と認知症に関する問題、重要な御指摘だと思いますが、何か事務局からコメントございますか。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 御指摘ありがとうございます。
まず精神疾患を有する方に対する対応ですが、資料1-1の概要資料には、特に配慮が必要な患者の例示として小児と妊産婦と書いてありますが、政府行動計画本体には精神疾患を有する方も配慮が必要な患者の中に入っておりますので、その中で関係機関との連携体制の確保、あるいは患者の特性に応じた受入れ医療機関の病床の設定というようなものの協議を進めていくという計画にしております。
また、結核病床、あるいは精神病床が今回10ページのところで分類を分けて把握をしていないという御指摘があったと思います。こちらについては、今回は1つの病床数ということで調査を行いましたが、今後、次の調査においては精神病床なども把握ができるように調査を行いたいと考えています。
以上です。
○遠藤部会長 平川参考人、いかがでしょうか。
○平川参考人 認知症について、介護との連携みたいなお話はいかがでしょうか。
○遠藤部会長 認知症の問題はいかがでしょうか。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 先ほど申し上げた配慮が必要な患者の中に、精神疾患を有する患者だけでなくて認知症の方も記載をしております。ですので、認知症のある方に対する体制をどう確保するかというものも含めて、平時から準備を行っていくという計画になっております。
○平川参考人 ありがとうございました。
○遠藤部会長 それでは、会場に戻りたいと思います。
先ほどお手を島崎委員が挙げておられましたので島崎委員、それから佐保委員、山口委員の順番でお願いしたいと思います。
では、島崎委員どうぞ。
○島崎委員 島崎です。
何回か前の医療部会で、全国集計だけではなくて都道府県ごとに数字を見る必要があるということを申し上げたこととの関連で質問します。参考資料を見ると、非常に字が小さいので拡大してみないと分からないのですけれども、例えば一番左側の病床確保の協定締結数のところを見ると、東京は4桁で、6,789という数字になっています。ほかの道府県も4桁のところもありますが、大体は3桁の数字なのですけれども、例えば秋田県を見ると、300の目標値に対して協定締結数は37であり、福島県は目標850に対して50、長野県は目標560に対して53といったように、目標数と協定締結数が大幅に乖離しており、ちょっと気になるのですが、これは9月の末までに協定を締結するということになっているので、その手続的な面での遅れが生じているということなのでしょうか。それとも、例えば病院団体とか医師会とかと調整が遅れているといったことなのですか。数字の乖離の原因について簡単にコメントしていただければと思います。
○遠藤部会長 では、事務局お願いします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 本日のこの協定締結の実績は、6月1日時点ということで途中段階のものになっています。
それで、字がちょっと小さいですが、例えばこの参考資料の一番下の愛媛県などでは既に医療機関との調整というのは進んでいて、ただ、事務手続中、7月中を目途に一括して協定を提供することにしているというようなところで協定締結は実績としてはゼロ件ですというような県もございます。ほかの都道府県についてもその協定締結をする事務作業が進んでいないので、まだ少ない数字のところが残っている状況だというふうにお聞きをしていますので、どこか確保病床について協定締結の協議自体が滞っているような状況があるというようなことではお聞きはしていない状況です。
○遠藤部会長 よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、佐保委員お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。私からは、2点発言させていただきたいと思っております。
1点目は、今ほど島崎委員が御発言なさった医療措置協定についてです。まだ事務的な作業は進んでいないといったところで、目標値に近づいていないという地域もあると先ほど御説明がございましたので、9月末までの確実な締結に向けて御対応をお願いしたいと考えております。
2点目は、ほかの委員からも発言がございました、協定締結した医療機関が都道府県、それから各締結医療機関と連携した訓練、研修についてです。実際に感染症が発生したときにスムーズに対応できるよう、より効果的な訓練、研修をお願いしたいと思いますし、今後のフォローアップが重要だと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、山口委員お待たせいたしました。
○山口委員 ありがとうございます。
私は島崎委員と全く同じ質問だったので大半はいいのですけれども、今日出てきている数字は全体の何割くらいと受け止めればいいのでしょうか。何割くらい完了しているところの数字が今回出てきていると受け止めればいいのでしょうか。
大体でいいです。8割くらいは終わっているということなのか。
○参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 何割くらいかということですが、予防計画、医療計画の目標値、4万5000床に対する割合ということで言うと、協定締結実績は今81%を超えるくらいになっています。
○山口委員 でも、最終的な結果が出たときには目標値よりも同じくらいのところが出てくるかもしれないですし、それよりはるかに超えているところも出てくるかもしれないです。ですから、完了しましたと提出してきた都道府県がどれくらいあるのかなと思ったのですけれども。
これは全国でまとめてあるのでばらつきがあるのだろうなと思ったのですけれども、その辺が見えなかったので、すぐ分からなければ結構です。先ほどの島崎委員への回答で大体のことは分かりましたが、原因は何なのかなと思っておりました。
○遠藤部会長 それは、今は分かりませんよね。ですから、後ほどまた調べていただければと思いますが、質問の意図はよろしゅうございますか。事務局から何かコメントがあればですが、よろしいですか。
では、そういう対応をさせていただきます。ありがとうございました。
ほかに何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。それでは、本件につきましては以上とさせていただきます。新型インフルエンザ等の対策政府行動計画のガイドライン案につきましては、引き続き新型インフルエンザ等対策推進会議で御議論されるということでございますので、事務局におかれましては本日様々な重要な御意見をいただきましたので、これらの意見を踏まえた議論が行われるよう、内閣感染症危機管理統括庁と連携して対応するようお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、次の議題でございます。次も報告事項で、「医療DXの更なる推進について」でございます。
事務局から、関連資料の説明をお願いします。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室企画官 医療DX担当企画官でございます。
資料2につきまして「医療DXの更なる推進について」御報告を申し上げます。
医療DXにつきましては、昨年7月の医療部会で政府の工程表の内容を御報告いたしました。本日は、それ以降の進捗につきまして電子カルテを中心に御報告申し上げます。
まず、資料の2ページでございます。
こちらは骨太2024の抜粋でございまして、下から5行目の下線の箇所でございます。「医療・介護DXを推進し、医療の効果的・効率的な提供を進めるための必要な法整備を行う。」というふうに書かれてございます。今後、必要な法改正に向けまして、秋以降に医療部会でも具体的な御議論をお願いしていきたいと考えております。
次に、3ページと4ページでございます。
こちらは、今年5月の経済財政諮問会議に武見大臣から説明をした資料でございます。
3ページの左側でございますけれども、「医療DXの推進に関する工程表」に基づき、各取組をより実効的に進めていくということで、①大病院の電子カルテ情報の標準化の加速化、感染症発生届と電子カルテ情報との連携の推進など全国医療情報プラットフォームの構築。
②番が医療等情報の二次利用の推進、③番が社会保険診療報酬支払基金の抜本的な改組、国のガバナンス強化、④番はマイナ保険証の利用促進、または生成AIの医療分野への活用などとなっております。
5ページ、6ページが政府の工程表の概要でございます。
8ページでございますけれども、「全国医療情報プラットフォームの全体像(イメージ)」でございます。
こちらは左側の絵をちょっと見ていただきますと、左半分に薄いブルーの医療情報基盤というものがございます。これは、オンライン資格確認ネットワークの上に現在様々なサービスが構築されていっているところでございます。もう既に医療情報の閲覧ということで、レセプトや特定健診の情報が見られるようになっており、また、昨年の1月からは電子処方箋管理サービスが始まっております。
それに加えて、現在構築中なのが電子カルテ情報共有サービスということでございます。
それから、右上には介護情報基盤というものがございます。こちらも現在、構築中であります。
それから、右下には行政・自治体情報基盤という薄いオレンジのところがございます。こちらも後ほど御説明いたしますけれども、自治体の公費負担医療費の助成、予防接種や母子保健の資格情報を医療機関側と共有するための基盤になるものでございます。
これらの全国医療情報プラットフォームで共有される情報について、二次利用にも供していくということで、下のほうに二次利用基盤ということの絵も入れさせていただいております。
9ページ以降が「電子カルテ情報共有サービス」など、個別の施策についての資料になっております。
10ページを御覧いただければと思います。
「電子カルテ情報共有サービスの概要」ということでございます。こちらは、全国の医療機関で3文書6情報の電子的な共有を行うためのサービスということで現在構築中でございます。
左下に3文書6情報の内容を記載しておりまして、健康診断の結果報告書、診療情報提供書、退院時サマリー、それから6情報が①から⑥でございます。これらにつきまして、医療機関からHL7FHIR、国際標準規格で登録をいただきまして、こちらは支払基金のほうでサービスを構築しておりますので支払基金のほうに登録をしていただく。紹介状につきましては、宛先の医療機関のほうに送られる。また、6情報については患者の同意の下に全国の医療機関で閲覧することができる。また、患者自身のマイナポータルで閲覧することができるということを目指しております。
11ページが、「運用開始までのロードマップ」でございます。
現在、支払基金におきましてサービスのシステムを開発中でございます。上から3つ目辺りの矢印でございますが、来年1月をめどにモデル事業を開始したいと思っています。現在、全国9か所ぐらいの地域と調整中でございます。その後、モデル事業を経まして、令和7年度中に本番稼働することを目指しております。
12ページにつきましては、この電子カルテ情報共有サービスの運用費用の負担に関する政府の工程表、または自民党のPTでの提言の関係部分の抜粋でございます。
運用費用の負担の在り方については今後検討して、また秋以降の医療部会などでも御議論いただけるようにしていきたいと考えております。
続きまして、13ページから「電子カルテ情報の標準化等」でございます。
14ページを御覧いただければと思います。
標準型電子カルテについては、電子カルテ未導入の診療所向けにまずアルファ版を開発するということで現在進めております。クラウド型の電子カルテということで構築をし、医療機関のレセコンシステムですとか検査などの部門システム、または政府で構築しました電子処方箋管理サービスなどともAPI連携できるような形で構築することを目指しております。
15ページですけれども、今後標準型電子カルテの開発体制でございます。
こちらは、デジタル庁が開発をするという形になってございます。デジタル庁の下にプロジェクトチームをつくってやっております。今年の4月に開発ベンダーが決まりまして、15ページの下にありますが、FIXER社というところに決まったところであります。これに加えて幾つかの電子カルテベンダーにもチームに入っていただきまして、開発に当たっているところでございます。
16ページが、今後のスケジュールでございます。
既に開発に着手しておりますが、来年の3月に向けてこのアルファ版を構築していくということでございまして、構築後は幾つかの地域で診療所を対象にモデル事業を開始していきたいと考えております。
その後、モデル事業の結果を踏まえて、必要なアルファ版の改修も行いまして、本格版を診療所に提供できるようにしていきたいと考えております。
次は、17ページでございます。
今、申し上げた標準型電子カルテの提供も含めまして、病院・診療所の電子カルテ情報標準化のスケジュール、想定でございます。
真ん中の赤字のところですけれども、病院向けについては政府の医療情報化支援基金、150億円を使って今年3月末から標準化対応の改修への補助を開始したところでございます。病院の電子カルテシステムにつきましては5年から7年で大規模な更改があるわけですけれども、そのタイミングを捉えてこの150億円を活用していただきながら標準化対応の改修をお願いしていきたいと考えております。
標準型電子カルテについては今、申し上げたとおりアルファ版の提供を踏まえて、その後、本格版にして、令和8年度ないし9年度以降に提供していくということを目指しております。
18ページでございます。
こちらは「400床以上の病院における電子カルテシステムのリプレースタイミング」をプロットしたものでございます。
電子カルテ情報の共有を早く進めていくために、地域の中核病院であります大病院に御参加いただくことが不可欠だろうと考えております。こちらは前回、400床以上の大病院の電子カルテ大規模更改があったタイミングから、機械的にプラス7年ということでプロットしたものでございます。この自然体でいきますと、2028年以降にもこれだけの病院の改修タイミングがくるわけですけれども、電子カルテ情報の共有の部分につきましてはできるだけ早く改修をしていただくことができるようにお願いをしていくということが課題だろうと考えております。
次の19ページでございます。
医療機関の電子カルテの導入、または標準化に関する現在の支援について整理をした表でございます。
資料の空欄になっているところが、現在支援がないというところでございまして、電子カルテ未導入の病院と診療所でございます。ここにつきましては、標準型電子カルテの普及を促していくということでございますけれども、その導入に際しての支援の在り方について今後検討が必要だと考えてございます。
20ページからが「医療等情報の二次利用」でございます。
21ページを御覧いただければと思います。
医療情報の二次利用につきましては、DXの工程表、または昨年の規制改革実施計画におきまして制度や運用の整備、または情報連携基盤の構築を検討していくこととされたところであります。
これを受けまして、昨年の秋からワーキンググループを設置して5回議論を重ねてきました。
次の22ページをお願いいたします。
今後、二次利用につきましてはここにありますような方向性で進めていきたいと考えてございます。
1つ、欧米を中心とした諸外国での情報の利活用、仕組みなども参考にしながら、現在厚生労働大臣が保有している医療・介護関係のデータベース、ナショナルデータベースや介護のデータベースなどがございますけれども、これらのデータ提供について匿名化だけではなくて仮名化情報での提供を可能にしていきたいと考えてございます。
また、データ利活用の申請につきましても一元的な受付体制、また審査体制を構築していきたいと考えてございます。
それから、先ほど申し上げました電子カルテ情報につきましても、個人が特定できない形で加工した上で二次利用に供していくということで、新たに電子カルテデータベース(仮称)でございますが、こちらの構築についても検討していきたいと考えてございます。
そして、これらの公的なデータベースにつきまして、一つのクラウド環境の下で解析ができるような情報連携基盤についても構築をしていきたいと考えてございます。
23ページ、24ページはこのワーキンググループの5月にまとめました中間的な整理でございます。
次に25ページでございます。
「医療DXの実施主体」ということで、こちらは社会保険診療報酬支払基金を抜本的に改組するということになってございます。今回、具体的な改革の案についてはお出しをしておりませんが、また秋以降にお示しをして御議論いただけるようにしたいと思っております。
26ページは、そのDXの工程表の関係部分の抜粋でございます。
真ん中の太字のところですけれども、同基金を審査支払機能に加え、医療DXの開発・運用主体の母体とし、抜本的に改組する。その改組に当たっては、地方関係者の参画を得つつ、国が責任を持ってガバナンスを発揮できる仕組みを確保する等とされております。この工程を踏まえて、具体的な改組案を検討していきたいと考えてございます。
最後に27ページ、28ページでございます。
自治体と医療機関をつなぐPublic Medical Hubでございます。こちらにつきましては、国や自治体が実施する医療費助成の資格情報、または予防接種、母子保健に関する情報を医療機関と電子的に共有することで、紙の受給者証ですとか接種券、または予診票などを持っていかなくてもよいようにしていく。マイナンバーカードで利用できるようにするという取組でございます。令和5年度からデジタル庁で自治体を公募しまして、下のブルーのところに進捗状況として書かせていただいております。これらの自治体で現在、先行的な実施をしているところであります。こちらにつきましても、必要な法改正の後に令和8年度以降に全国的な実施を目指しているところでございます。
資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの報告内容について御意見、御質問をお願いいたします。
では、神野委員からお願いいたします。
○神野委員 神野でございます。
質問と、ちょっと確認が2点ございます。
このデータのことが1つと、それから電子カルテそのものについての質問をさせていただきたいと思います。
まずデータのほうなのですけれども、3文書6情報をこれから共有していくということだと思うのですが、例えばこの文書、あるいは検査データ等々の保存期間、あるいは電子処方箋の保存期間はどれくらいなのか。どこかに書いてあるのかもしれませんけれども、ちょっと私は見つけられなかったので質問したいと思います。
というのは、後のほうに出てきた二次利用の話もあるわけです。とするならば、二次利用に供するならば、デジタルデータとして非常に長期間保管しておくべきなのかなと思いますし、それからサーバーの容量とかがあればどこかで消さなければいけない。その辺のジレンマがあって、それをどうするのかと思いますし、例えばアレルギー情報などの検査データですけれども、これは一生変わるものではないのでずっと残してほしい。それから、都度、都度の検査データは消えてもいいよねとか、そういったことで切り分けというものが非常に重要だと思うのが1点になります。
それから、電子カルテのほうでありますけれども、大きな病院における先ほどの厚労省の予算の150億の大規模改修における標準化、この標準化とは何ぞや、これがもしかしたら3文書6情報をもって標準化と言うのか、それともそれ以外に何らかの標準化というものがあるのかということがあります。
それからもう一つ、診療所のほうはデジタル庁においてアルファ何とかというものをつくるということでありますけれども、16ページのほうには無床診療所と書いてあります。それから、19ページのほうには診療所の未導入、それから病院のほうの中小病院は標準型電子カルテ本格版の導入ということで、16ページで無床だと言っていますけれども、有床診と未導入中小病院も19ページでは使えるような雰囲気で書いてあるわけですが、その辺はどちらが本当なんですかというのが質問でございます。
以上です。
○遠藤部会長 では、事務局からお答えをお願いいたします。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室企画官 3文書6情報のデータのところですけれども、こちらの保存年限につきましては診療録の保存年限と合わせて基本的には5年、検査結果は1年もしくは直近3回分としておりますが、例えばその上で傷病名などについては医師の判断で長期保存も可能なようにしております。長期保存フラグを立てていただければ、長期保存ができるようにしております。
一方で、電子処方箋については100日間というふうになっており、処方情報については100日間もしくは直近3回分ということにしてございます。
その上で、二次利用にもこれを使っていくということで、そのときに二次利用用のデータベースをつくっていくわけですけれども、そこでのデータ保存期間については今後の検討としたいと思っております。かなりデータ量が多くなっていくようですと、ある程度保存年限に一定の上限を設けないといけないかもしれませんが、そこはどのようなデータベースのつくり方をしていくかも含めて考えていきたいと思っております。
それから、150億円を使った病院向けの標準化対応の改修ですけれども、こちらについては3文書6情報をFHIR形式でやり取りする部分の改修ということで、そこにのみ充てられる補助金ということになってございます。
それから、無床診療所と有床診療所の話がございました。標準型電子カルテアルファ版につきましてはあくまでも無床診療所向けに今つくっているということでございまして、有床診療所と中小病院につきましては標準型電子カルテアルファ版をつくった後にどのようなものにできるかというのを検討していくということにしております。
以上でございます。
○遠藤部会長 神野委員、いかがでしょうか。
○神野委員 今の最後のお話をすると、中小病院と有床診は19ページには令和8年度以降ということで、令和8年度ではないということなんですね。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室企画官 そこはまだちょっと分かりませんが、早くて令和8年度だと思っております。
○神野委員 もう一点だけよろしいですか。
○遠藤部会長 お願いします。
○神野委員 先のほうの質問のお答えなのですけれども、例えば処方箋100日ですと、その処方箋はいいとして、リアルワールドデータとして処方内容と疾病管理とをつなげた二次利用等は使えないということになるのでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室企画官 処方情報を何から取るかということだと思います。レセプトデータにも処方情報は入りますので、そこであればかなりの期間が今、保存されています。
一方で、カルテのところはどれだけ保存して二次利用として使っていくかということだろうと思っております。
○神野委員 ありがとうございます。
では、山口委員お待たせいたしました。どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。
この医療DXの問題にはいろいろ関わらせていただいているのですけれども、特に用語が非常に難しくて、国民が関係してくるとすれば二次利用のところだと思うのですが、例えば仮名加工とか、匿名加工情報とか、こういった用語はなかなか一般常識にはまだまだなり得ていませんし、厚生労働大臣が保有する医療介護データベースとは一体何なのかということも一般的にはまだ分かっていないと思いますので、その辺りを同時進行で周知していく活動が必要ではないかと思っています。
それから、28ページのところにマイナポータルということで予防接種や母子保健、健診ということが書いてあるのですけれども、今まで母子手帳というとお母さんが持っていた。
ところが、例えば予防接種の情報や、母子保健で健診を受けたときの子供さんの情報というのは、子供さんのマイナポータルに入っていくのではないかと思うのですけれども、それで正しいのかどうかということを確認させていただきたいと思っているのですが、もしそうだとしたらある程度の年齢までは親御さんが閲覧管理すると思うのですけれども、例えば中学生くらいになると自分の情報はきちんと自分で管理して、必要なときに情報を医療機関で共有する必要性が出てきます。そのようなことも学ばないことには、なかなか自己管理の必要性が教育されていかないのではないかと思います。
これは厚労省のマターではないかもしれないのですけれども、子供の頃からの情報を自己管理するというのはマイナポータルで初めての試みだと思いますし、やはり最初のところ、子供さんにどの視点でどんな教育が必要なのかということも併せて考えていく必要があるのではないかと思いますので、その辺りもぜひ御検討いただきたいと思っています。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
何か事務局からコメントありますか。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室企画官 母子手帳の情報、あとは乳幼児健診などの情報については子供のマイナポータルに入っていくものと思っておりますけれども、詳細はこども家庭庁に確認させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それで、よろしいでしょうか。
それでは、会場でもう一人くらいと思いますので、城守委員お願いいたします。それからまた行ったり来たりしますので。
○城守委員 ありがとうございます。城守です。
ロードマップの11ページにもあるように、特に電子カルテの導入が遅れている診療所に対してアルファ版の提供を予定していただいていることに感謝いたします。この標準型の電子カルテを企画していただくにあたっては、やはり電子処方箋と、そしてこの電子カルテ情報の共有サービス等の周辺のシステムをしっかりと組み込んだ形で作成、提供をしていただく方が導入が非常に進むだろうと思いますので、その辺りをしっかりと意識をしながら作成をしていただきたいです。そしてその導入に関わる支援は、先ほど少し基金の話もございましたが、しっかりとその価格体も含めた設定とともにしていただきたいと思います。
また、既に電子カルテを導入している医療機関においては、そのデータが新しい標準化をしたものに全てがスムーズに移行できるようにすることを前提につくっていただかないと、ここで大きな障害が出るということにもなりかねませんので、その辺りをお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
それでは、オンラインに移りたいと思います。
井上委員、お待たせしました。お願いいたします。
○井上委員 御報告ありがとうございました。
この医療DXのデータ連携、利用拡大は、今後も予想される人手不足の中などでも効率的かつ質の高い医療の提供に資する取組であると同時に、そのデータの二次利用によってさらなる医療の進化、イノベーションにつながるものだと認識をしております。
5月23日に大臣から諮問会議に提出された資料は非常に分かりやすく書いてありますけれども、この資料や工程表に基づきましてスケジュールどおりにぜひ進めていただきたいと思います。できる限り早期での実現を期待いたします。
その基本となるのが、やはりマイナ保険証かと思います。今回、御説明のあった内容につきましても、ぜひメリットとして周知をするということとともに、セキュリティーの面で懸念が出てくる可能性がございますので、その辺りについても分かりやすく周知をお願いしたいと思います。
目指すべきはDX、トランスフォーメーションですので、単なるデジタル化ということではなく、国民全体が真に変化を感じられるような取組を進めていただきたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、平川参考人お願いいたします。
○平川参考人 ありがとうございます。平川です。
私はまずは28ページのところから見ていただきたいのですけれども、Public Medical Hubということですが、精神科においては公的負担という制度はたくさんございまして、国の制度もありますし、都道府県や市区町村ごとで制度は違ったりします。また、その方の収入によって負担の割合が変わったりして大変複雑な制度になっています。
今回の診療報酬DXの目的は、大本が変わった場合には窓口での患者さんの負担額、負担金が直ちに分かるというのが非常にメリットという認識をしておりますが、このような公的負担制度が複雑な場合にどこまで対応できるのかというのが1つの質問であります。
もう一つの質問は、19ページをお願いしたいと思います。ちょっと戻りますけれども、電子カルテの導入についてのところですが、我々精神科の病院は平均で250床、ちょうど一般病院の200床以下と大病院の400床以上の中間に位置していて、半分くらいが電子カルテを導入しているわけですけれども、なかなか経済的な問題で導入ができない。人的な問題もありますし、導入した後のケアも必要になりますので、なかなかそこは難しいという中で、この未導入のところに標準型電子カルテを導入していく。精神科の特別なものをつくっていただくのかどうか分かりませんが、この辺が今後どうなっていくのか。予算がつくのかどうか。
そして、導入してしまっているところについてはどういう形で方針として考えたほうがいいのか。大病院のような形で、今回の3文書6情報についてだけの対応なのか。その辺についても、ちょっと先のことになりますが、教えていただければと思います。
以上です。
○遠藤部会長 では、事務局からお答えできる範囲でお願いいたします。
○特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室企画官 28ページのPMHのところでございます。
国の公費負担医療制度、また地方単独の医療費助成制度など、非常に多数の制度がございます。診療報酬改定DXで進めています共通算定モジュールにつきましては、この窓口負担等の計算ロジックについて国、地方も含めてロジックを組むということで現在進められていると思っています。
なお、PMHにつきましては紙の受給者証の持参をなくしていくということで今、自治体で先行実施をしており、国としましては、最終的には、できるだけ多くの医療費の制度がこれに参加できるように検討を進めております。ただし、地方単独の医療費助成制度につきましてはあくまでも制度所管が地方自治体でありますので、地方自治体の御判断とはなりますが、国としては国の公費負担医療制度と同様の対応を行っていただくように既に要請をしているところでございます。また、法律にその実施根拠がある国の公費負担医療制度についても、特段の事情がある制度については参加できない場合もあり得ますが、そうしたもの以外は全て参加する方向で検討を進めているところでございます。
それから、19ページで御質問がありました電子カルテ導入の予算、またはその制度導入済みのところへの支援ということでございます。19ページで白の空欄になっているところの支援の在り方については、今後検討していきたいと思っております。
標準型電子カルテについては、安価なものを提供していくということが大前提でありますけれども、導入の際の一時的な負担はどうしてもあると考えておりますので、そういったところにどのような支援ができるかということを考えていきたいと思っております。
また、既に電子カルテ導入済みのところの改修費用につきましては、現在政府で考えておりますのは3文書6情報の部分でございます。これにつきましては、まだ額としては病院の全てをカバーできる額ではありませんので、これ自体、また基金に積増しをしていくという対応が必要だと思っておりますけれども、この3文書6情報以外の電子カルテの標準化ですとかランニングコストについてどういうことができるかというのはなかなか今、申し上げるのは難しいですけれども、そこも含めて検討していく必要があると考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
平川参考人、よろしゅうございますか。
○平川参考人 あまりよくないのですけれども、結局、我々精神科のところの紙の例えば自立支援医療等の受給者証等について上限が幾らまでと決まっているので、来るたびにお金を計算して、窓口で足し算して、それを超えた後は負担がないというような非常に複雑な制度になっていて、さらにそれに所得の問題が出てくるので大変困っているところです。
こういうところこそDXで何とかしてほしいと思っていますので、それが難しいと頭から言わないで何とか取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 御意見として承りました。
それでは、お待たせしました。泉委員、お願いいたします。
○泉委員 泉です。ありがとうございます。
8ページの「全国医療情報プラットフォームの全体像」、これが全て滞りなく執行できるようになりますと、非常に利便性が高く効率的な医療を行う体制が整備されると思いますので、非常に期待されるところだと思います。
10ページの3文書6情報についてHL7FHIRの医療機関同士での情報共有ということで、これは情報共有できれば非常に貢献できる部分は大きいのだろうと思うのですが、二次利用の話もありましたので、ぜひ公的にきちんと検討していただきたいということと、それから神野委員が御指摘になりましたように、やはり非常に気になりますのは保存期間の問題で、処方は100日ということなので、これが100日だとかなり短いということと、それからやはりアレルギー歴などは5年で消しちゃうというよりはずっと残しておかなければいけないものだと思いますので、保存期間についてぜひ検討していただいて実臨床にきちんと使えるようなことを考えていただきたいというふうに要望したいと思います。
それから、30ページの参考資料のところで標準型電子カルテに対して「医療機関への補助」と書いてあって、これは3文書6情報に対する補助だと、こんなことができるのかなと思ったら3文書6情報に対する補助額だというふうに書いてあるのですけれども、それにしても3文書6情報だけにしてもこれではかなり厳しいのかなと思って、恐らくベンダーさんからはもっといろいろなことを要求されると思いますので、我々病院では非常に諸物価の高騰で経営に苦労していますので、厚生労働省はベンダーにしっかり額を守るようにという指導をしていただければと思っています。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
御要望、御意見だと受け止めさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、村椿委員お願いいたします。
○村椿委員 村椿です。よろしくお願いします。私からは、2点お願いをいたします。
まず28ページのPublic Medical Hubの件なのですけれども、マイナンバーカードを活用するということなのですが、先ほどの御説明では令和8年度以降の全国展開を目指すということなのですけれども、システムの使用ですとか自治体のシステム改修に係る財政措置など、具体的な情報をできるだけ早くお示しをいただければと思っております。
それともう一点、施行に当たりまして今後の作業の進捗状況にもよるのですけれども、令和8年4月1日から開始が難しい自治体もあろうかと想定されます。ぜひ地方の実情に応じた柔軟な対応をお願いできればと思います。
もう一点、ページは戻りますけれども、26ページの医療DXに関するシステムの受益者負担の件です。文章の終わりのほうに受益者負担の記述があるのですけれども、このDXの推進に関するシステムの開発、運用主体の母体となります社会保険診療報酬支払基金につきまして、今後受益者負担の観点等を踏まえた公的支援について検討するということですけれども、予防接種や母子保健情報などのシステムの利用が想定されるわけなので、ぜひ都市自治体の財政に大きな影響が出ることがないよう、十分な財政措置をお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
御意見、御要望と受け止めさせていただきます。ありがとうございました。
ここでちょっと会場のほうに移りたいと思います。会場からいかがでございましょうか。
では、初めての方を優先させていただきますので、角田委員からお願いいたします。
○角田委員 遠藤部会長、ありがとうございます。私から2つ、短く要望申し上げます。
まず2ページの下から5行目、先ほど御説明がありましたけれども、「医療の効果的・効率的な提供を進めるための必要な法整備」というふうに記載がございます。経済財政諮問会議で当初示されたのは、医療費適正化の取組を強化するための必要な法整備となっておりました。それが、閣議決定の過程においてこのように変わったものでございます。
今後、法整備に向けて具体的に検討されるに当たっては今回の閣議決定にしっかりと基づいてもらって、医療・介護DXの推進、これは医療費適正化の取組を強化するためのものではなくて、医療の安全で効率的で、しかも現場の負担を軽減するための提供であるということをしっかりと医政局と保険局とで十分な連携の下に検討していただきたいと思っています。
2点目は、ここに記載はないのですけれども、先日いわゆるウェブで掲載されている医療機関への不当な口コミの削除命令が地裁で出ております。巨大なICT企業に対してそういった修正依頼というのは、医療機関にとっては大変負担が大きいものでございます。適切な医療機関の評価が世の中でしっかりと確保されるように、不当なこういった口コミ等には非常に簡易で迅速に対応できるようなルートをしっかりと確保していただきたいと思っております。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
御意見だと思います。ありがとうございました。
それでは、続いて河本委員お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
まず医療DX、これは安全・安心で効率的、あるいは効果的な医療の実現に資するということで、これは確実に推進すべきだと考えております。その意味で、全国医療情報プラットフォームの一環として電子カルテ情報共有サービスの導入についても賛成でございます。
ただし、やはり多くの医療機関がこの電子カルテ情報共有サービスに参加しなければ国民、患者、あるいは保険者がメリットを享受するということはできないと思います。
先日、私ども健保連内部の委員会で電子カルテ情報共有サービスを議題に取り上げた際に、ほぼ全ての委員から、本当にこのサービスに多くの医療機関が参加してくれるのかというある意味、強い疑問の声が出ております。
こうした声が出るのも、これまでオンライン資格確認等システムとか、あるいは電子処方箋管理サービスが国の想定したスケジュールどおりに普及してこなかったという実態があるからだと思います。電子処方箋管理サービスの場合は、医療機関への導入促進に関する具体的な取組ですとか、あるいは普及率の目標を示されておりますけれども、導入後1年半を経た現時点でも全体の普及率は1割にとどまっている。今年度末までにおおむね全ての医療機関で導入という目標に対して、大幅に遅れているというふうに言わざるを得ないと思います。
一方、今回の電子カルテ情報共有サービスでございますけれども、資料の17ページにシステム開発関係のスケジュール、あるいは18ページに大病院における電子カルテのリプレース時期の前倒しをしたいということが書かれておりますけれども、その導入率の見通しさえも示されておりません。普及に向けた先行きというのは、かなり不透明と言わざるを得ないと思います。
資料の6ページに、遅くとも2030年にはおおむね全ての医療機関で電子カルテの導入を目指すと書かれております。来年から電子カルテ情報共有サービスが開始されたとしても、多くの医療機関に普及をして国民患者がそのメリットを実感できるといった安定運用を担うのは6年後ということでありまして、それまではいわば基盤整備のフェーズにあるのかと思っております。モデル事業も実証していない段階で、運用費用負担も含めて本格的に議論するというのは正直時期尚早というか、現実的ではないのではないかと思います。
医療DXを国策として推進するということであるわけですから、やはり国が責任を持って全体の進捗を管理しながら確実に前進させる必要があると考えております。まずは少なくとも電子処方箋管理サービスをしっかり仕上げて、次の段階として電子カルテ情報共有サービスについてモデル事業で課題を把握して、確実な普及に向けた具体的な導入促進策とか、あるいはその普及率の目標、スケジュールといったものを定めた工程表を示して体制づくりをしっかり行う。そういうことが、国を挙げた取組を進めるための最低限の条件だと私どもとしては考えております。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。重要な御指摘をいただきました。
それでは、続きまして島崎委員お願いいたします。
○島崎委員 これまでの委員の皆さんの意見と重なるところがあるのですけれども、やはり医療DXの進め方を見ていて思うのですが、医療機関や国民の側の期待というか優先順位と、国が考えている優先順位やスケジュールとがうまく合っていないという感じが正直言ってします。
実はこの間ある事情があり調べていたのですけれども、2018年の7月の医療部会で当時の猪口雄二委員が電子カルテの標準化を国として積極的に進めるべきだという発言をされました。その部会では、山口委員、楠岡委員、加納委員も発言され、そうだ、そうだという話になり、当時の永井座長が、これは厚生労働省として関係省庁とも協力しぜひきちんと進めてほしいとまとめられたのですが、それからもう6年経っているわけです。
過去のことを振り返っても仕方ないにしても、同じようなことが繰り返されるのではないかという危惧がやはりあると思います。医療DXについては、やはり手戻りが起こらないよう手順をよく考える必要があります。しかも、支払基金の抜本的な改組もするということであれば、もう一度足元を固めるとともに、医療DXについて全体としてどの程度のコストがかかり、それを誰がどういう基準で負担をするのかということも示していかないと、なかなか理解が進まないのではないかという懸念が強くあります。
併せて言うと、例えば今回の資料を見ても、いろんな省庁が絡むわけですね。例えば、これはデジタル庁がプロダクトオーナーとしてプロジェクト方式で進めていくとか、経済産業も絡む案件もあれば、マイナンバー関連であれば総務省が絡みというようなことになるわけです。もちろん医療DX関連であれば、厚生労働省も当然コミットする形になるのでしょうけれども、その辺りの整理は便宜的ではなくきちんと行う必要があると思います。例えば、イニシャルだけではなくて、その後継続的にフォローアップや見直しが必要なものについては厚生労働省が当初からきちんと責任を持って行っていかないと、同じようなことの繰り返しになるのではないかという懸念が強くありますので、その辺りの整理を行うととともに足元をぜひしっかり固めていただきたいというのが私の意見です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
それで、続いて楠岡部会長代理。
最後のほうがよろしいですか。それでは、加納委員は先ほどお手を挙げておられましたので、お願いします。
○加納委員 ありがとうございます。
今、島崎委員がおっしゃっていただいたとおり、6年前にもこの議論があって、我々は電子カルテは安くなるのだろうと思っておりました。当時、6年前と比べて今、電子カルテの値段は実は最低でも倍で、1ベッド当たりあの当時は100万くらいでしたが、今は200万が最低ラインで、高いところでいくとトップメーカーなどにお願いしますと300万、400万という金額です。それで、当時1ベッド100万円のときでさえ、我々の総収入の3%くらいを電子カルテのイニシャル費、ランニングコスト費等で取られております。
そういった意味で、これが数倍になっているわけですから、この前WAMの数字を見ますと今、民間病院の経常利益率はマイナス0.1という数字が出て、マイナス状態である中でこういった出費をしなければいけないということを強いられているわけでございます。この3文書6情報の共有化だけで果たして安くなるのかどうか、ますます懐疑的な状況になっているかと思いますので、そこら辺は先ほど自治体からの財政負担もありましたけれども、病院の負担というものもぜひとも考えていただきたいかと思います。
開業医の先生からもそういう話を聞きまして、この前オンライン資格の機材を入れました。そうすると、今、何を言われているかというと、保守契約をしなければいけなくて、保守契約がまたべらぼうな額を言われ出しているわけです。電子カルテでいきますと、以前は大体イニシャルコストの10%を最低毎年取られるという形になります。
こういったことで、経済的な負担を強いられてこういうことをどんどん進めて、果たしてどれだけメリットがあるのか。人材的に人手不足が助かるかというととんでもない話で、実は電子カルテがどんどん高度化した中でシステムの人が足りない。システムの人はまたべらぼうな金額で雇わなければいけない。こういうふうな経費負担がどんどん増えている現場を何とか考えていただいて、今後こういった形の進め方をどういうふうにするかということを決めていただきたいと思っております。
もう一点ですが、医療DXでやたら情報の共有化、これは最終的にコスト等のコントロールにつながるかもしれませんけれども、我々は本当に人手不足の中で実際の現場では、例えば夜間巡視のラウンド回数を減らすためには患者さんのモニターとか、そういったところでAIを使ったいろんな機材をもっともっと開発していただいて、本当に人手不足、または経費的な負担も軽くなるような電子医療DXを進めていただきたいと思っております。
情報の共有化は大事だと思っておりますが、現場でのいろいろな形でのロボットも含めたAIを使った対応も日本の医療DXとして非常に大事なものではないかと思っておりますので、こういった議論がどこかで入ってくるのか、また教えていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、オンラインに戻りたいと思います。
藤田委員、お待たせいたしました。
○藤田委員 ありがとうございます。
先ほど島崎委員がおっしゃることはごもっともだと思います。今回は資料が報告ということでございますけれども、歯科の立場から要望させていただきたいと思います。
医療DXの推進につきましては、日本歯科医師会としても取り組んでいるところでございます。「電子カルテ情報の標準化等」資料の17ページに、「病院・診療所の電子カルテ情報の標準化スケジュール」の想定が示されておりますけれども、歯科の標準型電子カルテ部分につきましては、歯科は小規模な医療機関が多く、ベンダーにつきましても小規模であり、電子カルテ等の普及が遅れている状態でございます。歯科に関して具体的な進捗がございましたら、早めに情報提供をお願いしたく要望いたします。よろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御要望として承りました。
それでは、玉川参考人お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。都道府県の立場から、4点発言いたします。
1点目は、関係者に対する早期の情報提示と丁寧な説明についてです。新たな制度や仕組みであることから、現場で混乱が生じないよう、医療機関や都道府県の意見などを踏まえながら必要な技術的・財政的支援を行うとともに、推進に際する具体的な情報を早期に提示することが必要です。また、医療DXのメリットや安全性について、国民や医療機関等、関係者への丁寧な説明が重要と考えます。
2点目は、電子カルテシステムの導入や更新への支援についてです。今回、既存基金による支援策や、クラウド型電子カルテへの移行スケジュール案など、具体的な内容をお示しいただきました。引き続き、具体的な低コスト化の推進や医療機関の導入及び更新経費に対する支援策の検討をお願いいたします。
3点目は、セキュリティー対策についてです。医療DXの推進に当たり、国民の信頼と理解を得るためには、ハード面におけるセキュリティー対策の徹底や医療情報等への不正アクセスの防止対策の徹底が重要です。
4点目は、地域医療ネットワークとの関係性の整理についてです。全国医療情報プラットフォームはこれまで各地域で構築・運用されてきた地域医療ネットワークに大きな影響を及ぼすことから、今後の拡張方針や地域医療ネットワークとの役割分担について早期の整理と提示が必要と考えます。
私からは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、荻野委員お願いいたします。
○荻野委員 ありがとうございます。
私からは薬局に関してでございますけれども、骨太の方針2024に「調剤録等の薬局情報のDX・標準化の検討を進める」ことが盛り込まれました。前回、本部会でも発言をさせていただいたところでありまして、関係の皆様に薬局情報の重要性について御理解いただけたものと受け止め、御礼申し上げたいと思います。
また、薬局情報のDX・標準化の検討に当たりましては、引き続き医薬局、医政局、保険局といった厚生労働省関係部署が横断的に御対応いただきますよう、重ねてお願いを申し上げるところでございます。
私からは以上です。ありがとうございました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、お待たせしました。山崎委員、お願いいたします。
○山崎(親)委員 山崎です。
医療DXの推進については、大いに期待をするところであります。様々な皆さん方からの御意見もいただいて、それに同調するところであります。
自治体では20業務の標準化を来年度までに完了すべく、いろいろ取り組んでいるところでありますけれども、特に今回示されている電子カルテを例に取りましても、導入費以外にも関連機器の更新等にかかる費用負担が非常に大きいという課題もあります。小さな診療所では、なかなかスケジュールどおり導入に踏み切れないという事例もございます。進捗状況も様々に異なることから、関係機関の意見を丁寧に聞きまして、きめ細かで柔軟な対応が行えるようにお願いをしたいと思います。現場や住民目線で医療DXのメリットの見える化、そしてまた一層丁寧な説明、周知、広報の発信が必要だと考えております。
また、必要なのは起こり得るリスク管理ですね。対処法も示していただきたいと思っております。
以上であります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、勝又委員お願いいたします。
○勝又委員 遅れまして申し訳ございません。6月6日の日本看護協会の総会におきまして、井伊副会長の退任に伴い副会長に就任いたしました勝又でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、DXのさらなる推進について、幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。
まず資料8ページでございます。全国医療情報プラットフォームのイメージ図があり、メリットの1として救急・医療・介護現場の切れ目ない情報共有が挙げられているところでございます。今後、在宅において高齢者の方々を支えていくためには、多職種が共同で医療、介護、看護を提供していくことが必要であり、情報の共有が不可欠であると考えております。介護保険部会ではプラットフォームの介護情報基盤の議論が始まったと承知しておりますけれども、医療部会におきましてもプラットフォーム全体の進捗が分かり、それを推進していただけるようにお願いをしたいということがまず1点でございます。
次に、10ページの電子カルテ情報共有サービスについてでございます。昨年7月の医療部会において、井伊前副会長から意見を述べさせていただいたところでございますが、切れ目のない看護の提供に向けた情報提供体制の構築が重要です。ケア継続や療養支援継続に必要な情報提供のための看護情報提供書である、様式50を中心に標準規格化が進められていることは承知しておりますが、引き続きこの取組を進めていただきたいということが1点です。
さらに、訪問看護ステーションにおきましてオンライン請求やオンライン資格確認が始まっております。訪問看護ステーションも全国医療情報プラットフォームに組み入れられていくものと承知しておりますけれども、特に訪問看護指示書及び訪問看護計画書、訪問看護報告書を電子上で送受信できる環境を整えていくことが大変重要であると思っておりますので、ぜひそのような方向で検討していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
それでは、会場に戻りたいと思います。佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。私からは、2点簡潔に申し上げたいと思います。
1点目ですが、電子カルテの普及促進のためには標準化は重要だと思っておりますので、引き続き対応を進めていただくとともに、患者の情報保全の観点から、電子カルテの保存期間延長についても併せて御検討いただきたいと思っております。
2点目ですが、資料2には医療DXの実施主体として支払基金を抜本的に改組することが書かれております。被用者保険の審査・支払いという重要な機能を担っている支払基金は、特別な法律により設立された民間法人でもありますので、本件に関しては運営に関わる関係者の合意形成はもちろんのこと、当該組織の労使とも円滑なコミュニケーションが図られる必要があると考えますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。
それでは、楠岡部会長代理お願いいたします。
○楠岡部会長代理 ちょっと違った観点からの懸念事項を申し上げたいと思っております。
このDXに関してどんどん進めていただくのは結構でありますし、今はいろいろなシステムがつくられ、情報交換規約等も決まってきているわけですが、その情報交換規約を動かす場合にはどうしてもコードが必要であって、そのコードが今、非常に不安定な状況になっているような気がいたします。
もちろん検査のコード等に関してはその専門団体が標準化コードをつくったりしておりますし、または病名等に関しましてもICD-10、11とありますし、保険病名に関しましては基金のほうとか厚労省のほうでつくっているわけであります。いろいろな情報をやり取りする場合、最終的にデータベースに乗せるとか、あるいは公開しようとするときにはそのコードがないとできないのですが、そのコードが少し遅れているようなところがある、あるいは足りないコードがあるのではないかという気がいたします。これはHELICS協議会が標準化コードをつくっておられますけれども、そこでの作業も結構時間がかかっているみたいですので、どういうようなコードが今、必要なのか。それを早急につくっていただかないと、システムはできたけれども情報交換ができないという状況になってします。また、標準コードが複数ある場合もあります。やはり検査ですと何通りかありますし、薬品に関しても何通りかあるわけですけれども、それのどれを使うかということも早くに決めないとなかなか進まないというところがあります。
最後に、先ほど各病院の更新時期にHL7、HELICSを入れられるような補助をいただけるということなのですけれども、ハード、ソフトはそれでいいのですが、実際に病院で何が必要かというと、病院の独自コードを標準コードに全部移さなければならない。この作業が物すごく膨大で、既に病院で標準コードを使っている場合はいいわけですけれども、独自コードを使っているところが結構多いので、この作業は相当出てくると思います。
そうすると、それだけで結構時間もかかりますし、人手もかかります。多分そこまでは補助金で面倒を見てくれないと思うのですけれども、そういうこともあらかじめ広く伝えておかないと、いざシステムは入ったのだけれども、動かそうと思うとコード転換に非常に時間がかかってしまって動かないということがあります。どうしてもコードに関してはすごく軽く考えられていて、一覧表に番号を振ったらいいんだろうと考えておられる方もいらっしゃるわけですが、決してそういうものではありませんし、厳に電子処方箋が当初コードの振り間違いがあって混乱が起こったりしています。コードが非常に大事だということと、それを厚生労働省が直接やる分、それから他の関係団体でできてきたもののうちのどれを採用していくかというところを早くに決めていっていただかないと、病院側もなかなか準備が大変だと思いますのでよろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
重要な御指摘を承ったと思います。さすが工学部と医学部を御卒業されているだけありまして、非常に知見が豊富でございます。ありがとうございました。
それでは、まだ御意見があるかと思いますけれども、時間が押しておりますので本件につきましては非常とさせていただきます。
最後の議題であります「経済財政運営と改革の基本方針等の閣議決定について」、事務局から説明をお願いいたします。
○総務課長 今回、総務課長に着任しました梶野と申します。よろしくお願いします。
いわゆる骨太の基本方針2024をはじめ、御説明させていただきます。分量が多いですので、ポイントのみ説明させていただきます。
1ページ目は先ほど医療DXで説明がありましたので、2ページ目から説明します。2行目で国際保健に戦略的に取り組むということで、医療関係では3行目の外国医療人材の育成、それから医療・介護の国際展開などが記載されています。
それから、3ページになりますけれども、これは災害関係の記載になりまして、災害時における医療の継続性確保について各種取り組むということが書かれています。
それから後段ですけれども、今回の能登半島地震の災害対応で得た知見を生かして、災害対応に係る取組をさらに充実強化するということが書かれています。
4ページ目以降が「全世代型社会保障の構築」ということで、医療関係では具体的には5ページにいろいろ書かれています。上の3行が考え方で、高齢者人口のさらなる増加や人口減少に対応するため、限りある資源を有効に活用しながら質の高い効率的な医療・介護サービスの提供体制を確保するということと、医療・介護DX、オンライン診療、タスクシフト/シェア、医療の機能分化と連携など、地域の実情に応じ、多様な政策を連携させる必要があるということで、2段落目はかかりつけ医機能が発揮される制度整備、地方医療連携推進法人の活用、救急医療体制の確保、ドクターヘリ運航の推進、周産期医療の確保など、それから地域医療構想については2025年に向けて国がアウトリーチの伴走支援に取り組む、2040年頃を見据えて法制上の措置を含めて検討を行い、2024年末までに検討を得る、とされています。
3段落目ですけれども、医師の偏在是正を図るためということで、経済的インセンティブによる偏在是正、規制的手法を組み合わせた取組の実施など、総合的な対策のパッケージを2024年末までに策定するといった記述が書かれています。
それから、6ページ目は真ん中の2段落目の3、4行目から、生涯を通じた歯科健診など、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組むといった記述が書かれています。それから、訪問看護や看護師確保対策の促進など、在宅医療介護の推進に取り組む、リハビリテーションを推進するといった記述が書かれています。
7ページですけれども、これは創薬力の強化、国際競争力のある臨床試験体制の整備などに取り組むといったところです。
次に、8ページ以降は資本主義計画ということで、最初に書かれていますのが人手不足への対応ということで、その業種の一つとして医療・介護等の分野の対応策について記載されています。
それから、8ページの下からは「投資の推進」ということで、12ページくらいまで医療DXとかヘルスケアスタートアップ支援とか、または創薬力の強化とか、骨太と似たような記述も結構書かれています。
13ページに飛びますけれども、13ページは国際保健ということで骨太と同じような記述が書かれています。
最後に、14ページ以降が規制改革実施計画ということです。
まず1、事項名に書かれておりますように「身近な場所でのオンライン診療の更なる活用・普及」ということで、基本的にこれは措置済みになっていまして、オンライン診療を受診できる場であることを明らかにしました。今後残っているのは、オンライン診療に関する情報発信等々を行うということになります。
それから15ページ目、「介護現場におけるタスク・シフト/シェアの更なる推進」ということで、具体的には次の16ページにa、b、c、dといろいろ書かれているわけですけれども、医行為でないと考えられる範囲をさらに整備するといったことを今年度から検討するということになっております。
次に17ページは飛びまして18ページですけれども、18ページ、19ページは治験や臨床研究について「被験者保護及び研究力強化等のための倫理審査の適正化」ということで、これも今年度から検討することになっています。
それから、飛びまして20ページです。「在宅医療を提供する環境の整備」ということで、これは基本的に措置済みです。診療所の管理者の常勤要件について考え方を明確化しました。
それから最後になりますけれども、21ページ、「患者本位のプライマリ・ケアの体制整備」ということで、標榜可能な診療科名に総合診療科を追加することなどについて今年度から検討することになっております。
以上であります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ただいまの説明について、何か御意見はございますか。
それでは角田委員、それから島崎委員の順番でお願いいたします。
○角田委員 ありがとうございます。
14ページでオンラインについてのお話がございまして、bの中の②ですけれども、診療所の開設要件における患者の希望は簡潔な説明で足りることとするという内容でございますが、診療所の定義とか、これは何よりも医療安全に関わる問題ですので、慎重かつ十分に議論していただきたいと思っております。やはり命と健康について問題が起きてからでは取り返しがつきませんので、厚労省におかれましては効率化とか利便性を求めた安易なオンライン診療の拡大には踏み込まないということをぜひお願いしたいと思います。
その上で、その下に事後的な検証が必要であるという記載がございますが、これは昨年拡大された場面におきましてオンライン診療の実施の頻度とか好事例というだけではなくて、やはり不適切な事例についてもしっかりと情報収集をしていただいて検証していただくことが必要だと思っております。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
では、島崎委員お願いいたします。
○島崎委員 骨太の方針を見ますと、地域医療構想について2024年末までに結論を得ると書いてあります。それから、医師の偏在対策についても、総合的なパッケージを2024年末までに策定をすると記載されています。かなりタイトなスケジュールであり、内容的に見ても、骨太の方針を見ると、地域医療構想でカバーしなければいけない範囲が非常に広いので、本当にどうするつもりなのかなと個人的には思っているところもあります。
それから、今、角田委員からオンライン診療のお話がありましたが、オンライン診療に関するガイドラインについては、検討会ではなく医療部会で直接議論をしてきたという経緯があります。それ以外にも、医療提供体制をめぐっては、例えば医師の働き方改革の施行状況がどうなっているのかはフォローする必要があります。それから私が気にしておりますのは、救急搬送の時間がコロナ期に長くなってしまっているのですが、5類移行後も元には戻っていないようです。そういうことについて、どういうふうに考えていけばいいのかということなどもいろいろある。
何が言いたいかというと、医療提供体制をめぐる課題は山積しているし、タイムリミットが切られているものもあるので、この医療部会でどういう順番で議論を進めていくのかということについては、事務局のほうでよくお考えいただき整理していただきたいと思います。以上、意見というかお願いです。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
私もそういう気持ちは非常に持っておりまして、なかなかタイトなスケジュールだと思っておりますので、また御検討いただければと思います。
それでは、オンラインに移りたいと思います。村椿委員、お願いいたします。
○村椿委員 ありがとうございます。
地方の小規模な自治体、市町村の首長としての意見ですけれども、先ほど5ページの医師偏在の問題というのは非常に切実であります。私どもの市だけではなくて近隣の市町村のほうからも、例えば市単独で億単位のお金を出して医師を確保するという取組に進まざるを得ないような現状もあります。ぜひこの医師偏在の問題につきまして、困難な課題だとは思いますけれども、しっかり進むようによろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
では、玉川参考人お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。全国知事会の立場から発言をさせていただきます。
経済財政運営と改革の基本方針2024、5ページには医療DX、かかりつけ医機能が発揮される制度整備、新たな地域医療構想、医師偏在の是正対策など、都道府県に多くの役割を求める施策、影響が生じる施策が盛り込まれています。それらの施策の具体化に当たっては、地方の現場に混乱を招かないよう、検討の段階から実務を担うことになる都道府県への情報提供や協議の場の設定、意見の反映など、地方の実情を踏まえた丁寧な対応をぜひお願いいたします。
私からは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
オンラインでは、ほかにお手をお挙げの方はいらっしゃらないですね。
それでは、会場に戻りたいと思います。では、加納委員、その次に楠岡部会長代理でお願いいたします。
○加納委員 ありがとうございます。
私からは要望でして、3ページの一番下のところでございますが、今回東日本の震災には多くの隊が出られたことは分かるのですが、実は私どもの病院団体ではAMATというものを組織しておりまして、たしかコロナのとき、ダイヤモンドプリンセス号にも厚労省から出動を依頼され、すぐ出動させていただいたと思っております。
ただ、今回残念ながら実は正月早々、我々は1月2日には、石川県七尾市の恵寿総合病院のほうにもすぐにAMATが出動して対応させていただきました。多くの隊がそれぞれの病院に、正月にもかかわらずすぐに手を挙げて出動していただいたのですが、残念ながら上の「DMAT等」の※の、また、その※の中の「等」なのかどうか分からないのですが、記載が漏れたのか、これは厚労省からの資料で恐らく出てきたのではないかと思いますので、そこら辺の御評価をぜひともまた考えていただいて、せっかく出動していただいた人たちに大変残念な思いをさせることになりますのでよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました。楠岡部会長代理、どうぞ。
○楠岡部会長代理 楠岡です。
ちょっと細かい話になるのですが、18ページの実施計画の11番、研究に関する倫理審査の一括審査の点でございます。既にいわゆるヒト指針と言われる倫理指針に基づくものに関しては一括審査を原則とする。それから、臨床研究法に基づく特定臨床研究は一括審査でありますし、再生医療に関しても審査のほうは一括審査になっております。
これを一括審査に持ってくるのには10年以上前からいろいろ工夫をして、やっとここまできたかというところなのですけれども、今回これが実施計画にわざわざ書き込まれたというのは意外な気がいたしました。
その理由としては、治験においてまだばらばらの審査があるということの問題点と、それからもう一つは今まで治験審査委員会は当初は企業からの依頼を受けた治験を審査するだけだったのが、医師主導治験も審査するようになって、本当にその審査はできるのか。要は、体制が十分整っているのか。これに関しては、臨床研究法では倫理審査委員会、CRBに関しては倫理委員以外にそれをサポートするスタッフをつけることを法律上でも明らかにしているのですが、治験に関してはまだそこまでいっておりませんので、医師主導治験の審査の質に関して多少問題点が残っているのではないかと思います。
ただ、これは医政局マターの話ではないのですが、ここまで出てきた以上は厚生労働省全体としてぜひ取り組んでいただきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。事務局としては、適切な御対応をよろしくお願いいたします。
ほかにございますか。
それでは、城守委員お願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
1ページなのですけれども、この医療・介護のDXを推進するということに関しては下から3行目にも書いてありますように基本的には医療の質を高める、いわゆる効果的に、また医療現場の負担等を軽減する、効率的に行うことが目的であって、医療費が削減されるかどうかというのはその結果です。この記載を見ていますと先ほど佐保委員もおっしゃいましたが、支払基金が本来はいわゆる適正な審査と、そして迅速な支払いを行うことを業とするということになっているわけですが、この記載では医療費の適正化を強化する、組織するように読み取れる記載になっておりますので、そこはその審査の部分、審査支払機関としての部分と、そこは一定程度整理をして、何かそれが混ざったような組織にならないように要望したいと思います。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。事務局としてはよろしく御対応をお願いいたしたいと思います。
ほかにございますか。よろしゅうございますか。
ありがとうございます。ちょうど予定していた時刻になりますので、本日の議題についてはこれまでにさせていただければと思います。
それでは、事務局から何かございますか。
○医療政策企画官 ありがとうございます。
次回の医療部会については、また決まりましたら御連絡をさせていただきます。
以上でございます。
○遠藤部会長 それでは、本日の会議はこれまでとさせていただきます。
どうもお忙しいところ、長時間ありがとうございました。