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2018年11月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○日時

平成30年11月29日(木)16:00~

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

出席委員(16名)五十音順

浦 野 泰 照、○奥 田 真 弘、 亀 田 秀 人、 川 上 純 一、
菊 池    嘉、◎清 田    浩、 宗 林 さおり、 田 島 優 子、
舘 田 一 博、  登 美 斉 俊、 長 島 公 之、 中 野 貴 司、
濵 口    功、  半 田    誠、 増 井    徹、 山 口 拓 洋
 

欠席委員(5名)

大槻 マミ太郎、  川 崎 ナ ナ、 南    博 信、 山 本 善 裕、
渡 辺    亨
(注)◎部会長 ○部会長代理
 

行政機関出席者

宮 本 真 司 (医薬・生活衛生局長)
森    和 彦 (大臣官房審議官)
山 本    史 (医薬品審査管理課長)
関 野 秀 人 (医薬安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
森 口    裕 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
鈴 木 章 記 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○医薬品審査管理課長 それでは定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催させていただきます。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日の委員の出席ですが、大槻委員、川崎委員、南委員、山本委員、渡辺委員より御欠席との御連絡を頂いております。本日は、現在のところ当部会委員数21名のうち16名の委員の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。

 次に、部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。薬事分科会規程第11条においては、委員、臨時委員、専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならないと規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を申告いただいております。委員の皆様におかれましては、会議の開催の都度書面を御提出いただいております。御負担をおかけしておりますが、引き続き何とぞ御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、清田部会長に以降の進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○清田部会長 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。

○事務局 それでは、配布資料の確認を順番にさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しています。議事次第に記載されております資料1から14-2及び15-2をあらかじめお送りしております。このほか資料15-1「最適使用推進ガイドライン(キイトルーダ)」、資料16「エタネルセプト後続1の専門委員の利益相反について」、資料17「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料18「専門委員リスト」、資料19「競合品目・競合企業リスト」を配布しております。また、当日配布する参考資料として、イミフィンジの最適使用推進ガイドラインを配布しております。内容については、既に当部会で確認した内容から大きな変更はございませんので、紹介は割愛させていただきます。また、会議のペーパーレス化に向けた試みとして、机上には従前の紙の資料に加えて、前回と同様に同じ内容の電子媒体を格納したタブレット本体、スタンド、スタイラスペン、操作説明書を配布しております。なお、前回と同様に試行的にタブレットと紙資料の両方を配布しておりますので、どちらか見やすいほうを御利用いただければと思います。来年以降からは、紙資料の一部の廃止について検討していく予定です。

 それでは、タブレットで電子ファイルを御覧になる際の操作方法を改めて説明します。タブレットを起動していない先生方におかれましては、画面下の丸いボタンを2回押していただきますよう、お願いいたします。画面が表示されましたら、議題ごとにフォルダが表示されておりますので、審議議題1をタッチしますと、議題1の資料一覧が表示され、御覧になりたい資料名をタッチしますと、資料が表示されます。ほかの資料を確認する場合には、左上の青字の審議議題1をタッチしますと、資料一覧に戻る形になります。また、ほかの議題を確認する場合には、左上のマイプライベートファイルという文字をタッチしますと、再び議題ごとのフォルダが表示されますので、必要に応じてフォルダをタッチして御覧いただくよう、お願いいたします。なお、タブレットの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申し付けください。

 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、資料19について報告します。資料19の1ページです。コセンティクス皮下注150mgシリンジ他1規格ですが、本品目は、既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 2ページ、ザバクサ配合点滴静注用です。本品目は、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 4ページ、エプクルーサ配合錠です。本品目は、前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善及びC型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 5ページ、レベトールカプセル200mgです。本品目は、ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用による前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 6ページ、キイトルーダ点滴静注100mg他1規格です。本品目は、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌及び根治切除不能な悪性黒色腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 7ページ、ビラフトビカプセル50mgです。本品目は、BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 8ページ、メクトビ錠15mgです。本品目もBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 9ページ、ビジンプロ錠15mg他1規格です。本品目は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 10ページ、ビクテグラビルナトリウムです。本品目は、HIV-1感染症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 11ページ、BCX7353です。本品目は、遺伝性血管性浮腫の発作抑制を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。

○清田部会長 今の事務局からの説明に御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきまして、皆様の御了解を得たものといたします。では、委員からの申出状況について報告をお願いいたします。

○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。議題1、コセンティクス、退室委員なし、議決には参加しない委員は亀田委員、中野委員。議題2、ザバクサ、退室委員なし、議決には参加しない委員は舘田委員、中野委員。議題3、エプクルーサ、退室委員なし、議決には参加しない委員は亀田委員、舘田委員、中野委員。議題4、レベトール、退室委員なし、議決には参加しない委員は亀田委員、舘田委員、中野委員。議題5、キイトルーダ、退室委員は山口委員、議決には参加しない委員は亀田委員、舘田委員、中野委員。議題6、ビラフトビ、退室委員は山口委員、議決には参加しない委員は亀田委員。議題7、メクトビ、退室委員は山口委員、議決には参加しない委員は亀田委員。議題8、ビジンプロ、退室委員なし、議決には参加しない委員は亀田委員、舘田委員、長島委員。議題9、ビクテグラビルナトリウム、退室委員は菊地委員、議決には参加しない委員は山口委員。議題10、BCX7353、退室委員、議決には参加しない委員はともになし。以上です。

○清田部会長 ありがとうございました。事務局からの説明に御意見はございますか。よろしいでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。議題に入る前に、機構から昨年10月に本部会に報告した品目に関して説明があります。よろしくお願いいたします。

○審査マネジメント部長 それでは、当日配布の資料16、1枚紙のものです。1.事案の概要から説明します。昨年、本部会に報告しましたエタネルセプト後続1ですけれども、こちらは本年1月に承認されたものです。昨年の審査の中で利益相反の問題がないと事前に報告があった6名の専門委員の方々に御協力いただいておりました。今年に入りまして、別の品目の審査のため、先ほどの6名のうちのお一方の専門委員に専門協議の参加を依頼したところ、エタネルセプトの先行バイオ医薬品の臨床試験に分担医師として参加していたという旨の報告を今月11月に受けました。この先行バイオ医薬品は、後続品の競合品に当たりますので、規程上本来は専門協議に参加できなかったということが、承認後ですが判明したという事案です。2.の審査結果です。この専門協議に参加していた6名の専門委員のうち3名が臨床担当で、今回明らかになった専門委員の意見を除外したとしても、ほかの2名の委員の意見から本剤を承認するとの結果になったということですので、結論に影響はないという状況でした。この事案を受けて、3.の改善案ですが、今回の事案を踏まえて年内を目途に利益相反の申告様式を改善するとともに、全部の専門委員には、ルールの内容について改めて文書で注意喚起するようにしていきたいと思っています。説明は以上になります。

○清田部会長 ありがとうございました。ただいまの機構からの説明に、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとして議題に入りたいと思います。本日は審議事項10議題、報告事項4議題、その他1議題となっております。

 それでは、審議事項の議題1に移ります。議題1につきまして、機構から概要の説明をお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料1、コセンティクス皮下注150mgシリンジ 他の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、資料に添付されている審査報告書に沿って機構より御説明いたします。本剤の有効成分であるセクキヌマブ(遺伝子組換え)は、ヒトインターロイキン-17Aに対するモノクローナル抗体であり、本邦では、既存治療で効果不十な尋常性乾癬、関節症乾癬、膿疱性乾癬に対して承認されています。今般、既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎に係る効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。なお、海外では、強直性脊椎炎(以下「AS」)に関する効能・効果は、欧州で201511月、米国で2016年1月に承認され、201811月時点で80以上の国又は地域で承認されております。また、ASは、平成27年5月13日付け厚生労働省告示第266号にて指定難病とされ、現時点における治療の選択肢は限られております。本申請の専門委員として、資料18に記載されている5名の委員を指名いたしました。

 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡単に御説明いたします。有効性について、審査報告書6ページを御覧ください。国内第III相試験は非盲験非対照試験であり、本剤の有効性評価に限界はありますが、後ほど御説明する海外第III相試験の本剤投与群と同様のデザインで実施されており、一定の評価は可能と考えております。表6に、NSAIDsで効果不十分な日本人AS患者を対象とした国内第III相試験の成績を示しております。評価方法の詳細については審査報告書の25ページに示しておりますが、表6の左から2番目の列の上から4行目にお示ししましたとおり、主要評価項目である投与16週時のASAS20反応率は、本剤150mg投与時に本剤投与例30例のうち21例に当たる70%の患者で認められております。

 次に、審査報告書8ページの表8を御覧ください。この表は、NSAIDsで効果不十分なAS患者を対象とした海外第III相試験の成績を示しております。150mg群の列の一番下の行にお示ししたとおり、主要評価項目である投与16週時のASAS20反応率は、150mg群とプラセボ群との対比較において統計学的に有意な差が認められましたが、その左の列の一番下の行にお示ししたとおり、75mg群とプラセボ群の対比較では、統計学的に有意な差は認められませんでした。

 また、審査報告書1415ページにお示しした表1415を御覧ください。国内第III相試験及び海外第III相試験の副次評価項目であるASAS40反応率やASAS部分寛解率など、ASの疾患活動性や臨床症状、炎症等を評価するいずれの評価指標についても、両試験で同様に改善する傾向が示唆されております。以上より、本剤のASに対する有効性は示されており、日本人AS患者に対する一定の有効性は期待できると判断いたしました。安全性については、審査報告書19ページを御覧ください。表18に、国内及び海外の臨床試験において認められた有害事象の概略と注目すべき有害事象の発現状況をお示ししております。AS患者において、既承認の乾癬患者での安全性プロファイルを上回る新たな懸念は認められていないことから、現在実施している既承認効能・効果と同様の安全対策を講じる必要があると考えております。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、新効能・新用量医薬品としての申請であり、再審査期間は既承認効能・効果に係る再審査の期限である平成341225日までとすることが適当と判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方からの御質問、御意見をお伺いしたいと思います。いかがですか。よろしいですか。問題は特別なさそうでしょうか。ありがとうございました。それでは、議決に入りたいと思います。亀田委員、中野委員においては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととします。本議題について、承認を可としてよろしいですか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。

 それでは、議題2に移ります。議題2について、機構から概要を御説明いただきます。よろしくお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料2-1及び2-2、医薬品ザバクサ配合点滴静注用の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。ザバクサ配合点滴静注用(以下「本剤」)は、セファロスポリン系抗菌薬であるセフトロザン硫酸塩及びβ-ラクタマーゼ阻害薬であるタゾバクタムナトリウムを配合した注射剤です。本剤は、米国及び欧州において、それぞれ201412月及び2015年9月に承認され、2018年9月時点で66の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として、資料18に記載の8名の委員を指名しました。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、審査報告書57ページ、表72を御覧ください。腎盂腎炎及び複雑性膀胱炎の尿路感染症患者を対象とした臨床試験における有効性を示しています。表の一番左の列に試験番号を示していますが、その3行目から下、海外第III相試験である10-04試験及び10-05試験において、本剤群の有効性は、対照薬であるレボフロキサシン群(表中では「LVFX」と表記)と同程度でした。また、その上の行、国内第III相試験である14試験においても、同様の結果が得られました。

 次に、審査報告書58ページ、表74を御覧ください。胆嚢炎、肝膿瘍、腹腔内膿瘍及び腹膜炎の腹腔内感染症患者を対象とした臨床試験における有効性を示しています。腹腔内感染症では、好気性菌と嫌気性菌の複数菌感染が多く認められることから、これらの臨床試験では嫌気性菌に特異的なスペクトルを有するメトロニダゾールが本剤と併用されました。表の3行目から下、海外第III相試験である10-08試験及び10-09試験において、本剤及びメトロニダゾール併用群の有効性は、対照薬であるメロペネム群(表中では「MEPM」と表記)と同程度でした。また、その上の行、国内第III相試験である13試験においても、同様の結果が得られました。以上より、尿路感染症患者及び腹腔内感染症患者に対する本剤の有効性は期待できると判断しました。

 安全性について、審査報告書6062ページの7.R.3「安全性について」の項に記載しています。国内外第III相試験における有害事象などの発現状況について検討した結果、腎機能障害などについて注意が必要と考えるものの、適切な注意喚起を行った上で本剤の安全性は許容可能と判断しました。

 以上の審査を踏まえ、機構は本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本剤は、新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しています。薬事分科会には報告を予定しています。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 ありがとうございました。それでは、御意見を委員の先生方から伺いたいと思います。いかがですか。

○舘田委員 最後まで見ていたら、72ページですが、用法・用量の下線のある所です。腹膜炎と腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝嚢炎に対しては、メトロニダゾール注射液と併用することとなっているのですが、これはもちろん説明されたように、嫌気性菌の合併の頻度が高い、そして臨床試験でもメトロニダゾールとの併用でやっているからということはよく分かるのですが、これは何となく全部に併用することとやるのがいいのかどうか。嫌気性菌の関与が高いから、嫌気性菌に抗菌活性があるものと併用することみたいな、推奨されるみたいな、そういう少し弱い表現のほうがいいのではないかと思うのですが、その辺何か専門家の先生との間でもそういう議論があったのですよね。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりでして、審査報告書の6970ページにかけてですが、専門協議での議論を記載させていただいております。機構は審査報告1においては、今、舘田先生がおっしゃったように、メトロニダゾールの適正使用の観点等も踏まえて、腹腔内感染症を全例ではなく、嫌気性菌感染が疑われる場合にメトロニダゾールとの併用を推奨するという方針で専門協議に諮りました。

 専門協議では、機構の意見に同意するという御意見を頂いた一方で、臨床試験では、腹腔内感染症患者に対しては、メトロニダゾールを全例併用するという規程で試験を実施していたことから、メトロニダゾールを併用しなかったときの有効性は確認できていないため、そういった議論も踏まえて、今回、腹腔内感染症に対しては、メトロニダゾールを併用するという用法・用量で審査報告をまとめております。

○舘田委員 よく分かるのですが、嫌気性菌に抗菌活性のあるものを併用すればいいということで、その中のメトロニダゾールは1つであって、クリンダマイシンでもいいし、ほかの抗菌活性のあるものでもいいのではないかと、何かそういうふうな表現にしたほうがいいのではないかと思ったのです。

 もう1つ、それに関連してですが、7ページのセフトロザン/タゾバクタムで嫌気性菌には余り強くないということは聞いていましたが、7ページの表の一番下に嫌気性菌の結果が出ていますが、セフトロザン/タゾバクタムと、その隣がピペラシリン/タゾバクタムですよね。例えばバクテロイデスフラジリスで見てみると、代表的な菌で嫌気性菌でバクテロイデスフラジリスですが、セフトロザン/タゾバクタムもピペラシリン/タゾバクタムも余り差がないではないですか。ピペラシリン/タゾバクタムに関しては、嫌気性菌の感染症の適応が取れていますので、そういう意味では、これはもしかしたら嫌気性菌に対してもある程度の効果が期待できるかということを考えますが、何かその辺の説明がどうすればいいのかと思いました。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。1点目に、メトロニダゾール以外の選択肢でも併用できるようにしたほうがいいのではないかということと理解しました。今回、適応菌種に記載している好気性菌に対しては本剤の有効性が確認されておりますので、本剤の抗菌活性が期待できない部分、嫌気性菌のみに対して抗菌活性を有する薬剤という点で、今、日本で使用可能な薬剤はメトロニダゾールのみです。臨床試験でもメトロニダゾールが使われているということで、メトロニダゾールと設定しております。

 2点目ですが、確かにin viroではバクテロイデスフラジリスに対して本剤の感受性が認められていることは確認しました。ゾシンについて同程度ではないかという御指摘ですが、ゾシンは臨床試験ではメトロニダゾールなどの併用はされず、ゾシンのみで有効性が確認されているという状況なので、本剤とは状況が異なると考えております。

○清田部会長 この臨床試験がメトロニダゾールとの併用に限られてしまったわけで、シバニリンがメトロニダゾールではなければ駄目みたいな表現でここに記載されていますので、これでいくしかないのだったら、これでいくしかないのですが、メトロニダゾール自体が品薄だという話があります。となりますと、腹腔内感染症に関してはこの薬は使いにくくなるのではないかと思うのですが、ここら辺は大丈夫ですかね。

○医薬品医療機器総合機構 そうですね、そこは臨床現場の先生にお任せするしかないのですが、本剤は腹腔内感染症に使うときはメトロニダゾールを併用しなければならないということなので、それが難しいようであれば、可能性としては、ほかの抗菌薬が選択肢として出てくるのかと考えております。

○舘田委員 いや、そういう状況もあるし、例えば海外のガイドラインで、62ページの表79ですが、これは複雑性の腹腔内感染症の海外のガイドラインでも、メトロニダゾールの併用が検討されるとか、推奨されるとかです。メトロニダゾールを含む嫌気性菌をカバーするという書き方になっています。それに比べて少し強いから、これでないと駄目という形になってしまうと、何となくどうかと思いました。

○清田部会長 いかがでしょう。

○医薬品医療機器総合機構 メトロニダゾール以外となると、繰り返しになってしまい申し訳ないのですが、本剤との抗菌スペクトルがかぶるところも出てきてしまうので、逆に本剤を併用する意義が説明として難しくなってしまうのではないか。例えば嫌気性菌と好気性菌に対して感受性を有する薬剤だと、それだけでも効くので、プラス本剤というと、本剤併用がなぜ必要なのかというところにもなってくるので、そのような薬剤に加えて本剤というと、説明が難しいのではないかと考えてはおります。

○清田部会長 という線でいきたいようですが、よろしいですか。

○菊池委員 私も同じようなことを思っていたのですが、そうすると、アネメトロの添付文書もしっかり書き換えなくてはいけないわけで、メトロニダゾールの注射剤ですが、そういう審議はここではしなくていいのですか。

○医薬品医療機器総合機構 アネメトロに関しては、少々お待ください。

○菊池委員 アネメトロで腹腔内感染に使うときには、こちら(ザバクサ配合点滴静注用)を使いなさいということを書くようなことがないと、一貫性がなくなりますよね。AMRでいろいろなことを言っていて、使うなという一方で、これは限定的なものを推奨するようで、感染症をやっている人間からすると非常に違和感があって、限定的なことを強い抗菌薬に持ってくることはいかがですか。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。アネメトロの添付文書の使用上の注意で、メトロニダゾールは嫌気性菌に対して抗菌活性を有するため、好気性菌を含む混合感染等と見なされた場合には、そういう適切な薬剤と併用することというような記載はされておりますので、アネメトロに関しては、効能追加は不要かと考えております。

 2点目に御指摘いただきました適正使用については、御指摘のとおりです。ただ、今回は臨床試験でもそこしか見られていないというところなので、企業に対して、製造販売後には適正使用をきちんと図るようにと、医療現場にも情報提供をきちんとした上で適正使用を図っていくようにということは、伝達はしております。

○菊池委員 もう一点、抗微生物薬の適正使用の手引ができていますよね。あれは上気道と下痢に限定している範疇だから、ここでは余り取り上げていないということでいいのですか。

○医薬品医療機器総合機構 そのような理解でよろしいかと思います。

○菊池委員 分かりました。それはそれでいいのですが、抗菌薬全体の使い方が、抗微生物薬適正使用の手引きで限定して、多分そうでないことを言ったら限定しなくていいのかと私は言ったと思うのですが、それが現状にそぐわない部分もあるのかと、舘田先生も同じような感じで思われているのだと思うので、そこら辺が疑問としては残ります。

○清田部会長 現時点ではこれでいくしかないのかと。これで始めてみてというところなのではないかと思いますが、現時点ではそういった御理解でお認めいただくしかないと、そのように思います。ほかに御意見はありますか。よろしいですか。それでは、ありがとうございます。議決に入りたいと思います。舘田委員、中野委員においては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくこととします。本議題について、承認を可としてよろしいですか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。

 それでは、議題3、4に移ります。議題3及び議題4について、機構から概要の御説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料3、医薬品エプクルーサ配合錠の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。なお、エプクルーサ配合錠は、一部の用法・用量においてリバビリンとの併用レジメンとして使用されるため、議題4、資料4、医薬品レベトールカプセル200mg製造販売承認の可否等についても、併せて御説明いたします。また、当日配布資料で、エプクルーサ配合錠の審査報告書の正誤表について配布しておりますので、お手元に御用意ください。この正誤表のとおり、69ページの24行目、一部の記載を削除する訂正をしております。本訂正による審査の結果の変更はありません。では、説明いたします。

 エプクルーサ配合錠(以下「本剤」)は、C型肝炎ウイルスの複製に必須のNS5Bポリメラーゼ阻害剤であるソホスブビル及びNS5A阻害剤であるベルパタスビルを有効成分として含有する配合剤です。本申請では、C型慢性肝炎、C型代償性肝硬変又はC型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を予定効能・効果として申請されました。本邦ではC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者に対する治療薬は複数承認されているものの、C型非代償性肝硬変患者に対する治療薬としては、これまでに本邦で承認された医薬品はなく、現状では肝移植が最も有効な治療とされています。海外では、本剤は2018年9月時点で欧米を含む63の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として資料18に記載のエプクルーサ配合錠で8名及びレベトールカプセル200mgで6名の委員を指名しました。

 審査内容について、臨床試検成績を中心に説明いたします。なお、本審査において、抗C型肝炎ウイルス薬であるNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤、NS5A阻害剤及びNS5Bポリメラーゼ阻害剤をDAAと総称しています。有効性について、審査報告書49ページ、表50を御覧ください。genotype1又は2のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者に対して、DAAでの治療経験を有する患者を対象とした国内臨床試験が実施され、本剤とリバビリンを併用するレジメンの有効性及び安全性が検討されました。表50では、本剤投与終了後からその12週後までに血中C型肝炎ウイルスの陰性化が持続している患者の割合、SVR12率を示しています。一番左のカラムで「全体」と記載している行、12週間投与群でgenotype1では85.1%、genotype2では70.0%、24週投与群ではgenotype1で97.9%、genotype2で91.7%であり、いずれの投与群においても一定のSVR12率が得られており、有効性は期待できると評価しています。ただし12週投与レジメンと比較して、24週投与レジメンのSVR12率が高いことを踏まえると、DAA既治療のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者に対しては、本剤及びリバビリンの24週間投与が適切であると判断しました。

 審査報告書53ページ、表52を御覧ください。C型非代償性肝硬変患者に対しては、治療歴の有無にかかわらず国内臨床試験が実施され、本剤単独及び本剤とリバビリンを併用するレジメンの有効性及び安全性が検討されました。一番左のカラムで「全体」と記載している行、SVR12率は本剤群ではgenotype1で95.1%、全体では92.2%、本剤及びリバビリン併用群ではgenotype1で89.7%、全体で92.2%であり、いずれの投与群でも同様のSVR12率が得られており、有効性は期待できると評価しています。ただし、後述の安全性の観点から、本剤/リバビリン群においては本剤群と比較して有害事象及び副作用が高い頻度で認められていることから、C型非代償性肝硬変患者に対しては、本剤単独の12週間投与が適切であると判断しました。また、C型非代償性肝硬変患者におけるSVRの達成と死亡率又は肝細胞癌の発症率との関係性について、情報は限定的であることから、製造販売後においてSVRを達成したC型非代償性肝硬変患者の長期予後に関する情報を収集し、得られた情報は医療現場に適切に提供する必要があると判断しました。

 なお、DAAでの治療経験を有するgenotype3~6のC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者の有効性並びにgenotype3~6のC型非代償性肝硬変患者に対する有効性については、国内での情報は極めて限定的であるものの、海外臨床試験成績、非臨床薬理試験において、ソホスブビル、ベルパタスビル及びリバビリンは、全てのgenotypeのC型肝炎ウイルスに対してウイルス活性が認められていること、これらの患者に対する治療選択肢は限られていること等を踏まえると、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識と経験を有する医師により、患者の状態等を踏まえて本剤投与の適否が慎重に判断されることを前提に、本剤を治療選択肢とすることは一定の合理性があると考えました。ただし、製造販売後に引き続きこれらの患者に対する情報を収集し、得られた情報は医療現場に適切に提供する必要があると判断しました。

 安全性について、審査報告書44ページ、表47を御覧ください。DAAでの治療経験を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者を対象とした国内第III相試験において、いずれかの投与群で発現割合が5%以上の有害事象及び副作用を示しています。リバビリン製剤の現行添付文書で注意喚起されている貧血関連事象等については、引き続き注意が必要と考えるものの、ウイルス性肝疾患に対する十分な知識・経験を有する医師の管理下で使用されるのであれば、本剤及びリバビリン併用レジメン24週間投与の安全性は許容可能であると判断しました。

 審査報告書45ページ、表49を御覧ください。C型非代償性肝硬変患者を対象とした国内第III相試験において、いずれかの群で発現割合が5%以上の有害事象及び副作用を示しています。本剤/リバビリン群において、本剤群と比較して有害事象及び副作用の頻度が高い傾向が認められました。また、リバビリン(レベトールカプセル200mg)の添付文書において、重篤な肝機能障害患者が禁忌と設定されていること、臨床試験における評価例数は限定的であり、肝予備能が低下している患者に投与されることを踏まえると、C型非代償性肝硬変患者に対して、ウイルス性肝疾患に対する十分な知識と経験を有する医師の管理下で使用される本剤単独12週間投与の場合には、安全性は許容可能と判断しました。

 以上の審査を踏まえ、機構は本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本剤は新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤であること及びレベトールカプセル200mgはエプクルーサ配合錠と併用されることから、再審査期間はいずれも8年、エプクルーサ配合錠は生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体ベルパタスビル及び製剤は、毒薬・劇薬のいずれにも該当しないと判断しています。薬事分科会には報告を予定しています。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問、あるいは御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。議題3と議題4がありますので、議題3辺りから何か。

○登美委員 細かいところですが、添付文書の7ページ、相互作用に併用禁忌があって、その機序に「P-gp又はCYPの誘導作用により、ソホスブビル又はベルパタスビルの」は「又は」になっていますが、ここは「及び」が適切かなと思ったのですが。例えば右側にBCRPがありますが、そちらは「及び」になっているので、ここでは「又は」は余り使わないかなということで御検討いただければと思います。

○清田部会長 いかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘の点を踏まえて、適切に修正させていただきます。

○登美委員 あとちょっと、ついでに細かいところですが、添付文書の9ページの薬物動態で、ソホスブビルが投与後に主要代謝物GS何とかになるとありますが、その後の文章で、「また、ソホスブビルが肝細胞内で活性代謝物に代謝される」とありますが、その間にGS-331007があるのかないのかが分からない文章になっていて、ちょっと読み取りにくいと思ったので、そちらも少し御検討いただければなと思います。以上です。

○医薬品医療機器総合機構 承知しました。分かりやすいような文章に訂正が可能であるか、確認をさせていただきます。

○清田部会長 後で確認していただいて、お知らせいただくことでよろしいですか。先生、それでよろしいですか。

○登美委員 はい。

○山口委員 製販後のリスク管理計画の話を伺いたいと思います。先ほども御説明があったとおり、特にSVR達成の肝細胞癌や死亡、それと発症率の関係等、不足している情報や、治験の状態だとなかなかデータがないということで、追加の安全性監視活動としてリスクマネージメント計画で取り入れることは、取組みとしては、個人的には非常に評価したいと思っています。ただ、研究デザインがRMPに詳しく書かれていなくて、どのような形で調査なり臨床研究を行うのか、その辺りを教えていただければと思います。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございました。この情報に関しましては、審査の中でずっと議論はしているのですが、なかなかデザイン等が詰め切れておりません。申請者とは、この点に関する使用成績調査を必ず実施することの確約は取れているのですが、実際にこのリサーチクエスチョンに答えるためには、どのような調査が組めるのかは現在調整しているところです。今後RMPの確定に向けて、先生の御期待に応えられるようなデザインを組めるよう、調整を進めたいと思っております。

○山口委員 特に癌や、特に死亡を捕えるのはすごい大変だと思うのです。あとは、単群になると比較を置いて検討するとか。多分、比較を置いてシングルアームをやればよいのかなと思うのですが、その辺のデザインや、あとは再審査期間が8年ですが、8年で計画しているような結果が得られるのかどうか、その辺がすごく重要だと思いますので、是非御検討いただければと思います。

○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございました。

○清田部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、議題ごとに議決を行いたいと思います。まず、議題3について議決に入ります。亀田委員、舘田委員、中野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。議題3につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告いたします。

 次に議題4について、議決に入ります。亀田委員、舘田委員、中野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。議題4につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告いたします。

 それでは議題5、報告事項の議題3に移ります。山口委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議題5~7の審議の間、別室で御待機いただくことにいたします。それでは議題5及び報告事項3につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料5、医薬品キイトルーダ点滴静注100mg他の製造販売承認の可否等について機構より説明させていただきます。なお、資料5の審査報告書には、高頻度マイクロサテライト不安定性(以下「MSI-High」)を有する固形癌等に関する内容に加えて、同時期に承認申請がなされた悪性黒色腫及び非小細胞肺癌に関する内容も含まれております。ただし、悪性黒色腫及び非小細胞肺癌の効能・効果の変更については、既承認の効能・効果を変更するものであり、明らかに異質の効能を追加するものではないことから、「薬事分科会における確認事項」における取扱いに基づいて部会報告事項とさせていただいております。また、これらの報告事項につきましては、審査報告書は資料5と同一ではありますが、報告事項の議題3、資料13としても資料を配布させていただいております。まずは審議事項について御説明させていただき、その後、報告事項についても機構より御説明させていただきます。

 ペムブロリズマブを有効成分とするキイトルーダ点滴静注は、現在、根治切除不能な悪性黒色腫、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫及びがん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌を効能・効果として承認されております。

 審議事項としては、MSI-Highを有する固形癌に関する承認申請が行われました。また、根治切除不能な悪性黒色腫に対する本剤の用量につきまして、既承認の体重換算用量から固定用量に変更することに関しても、MSI-Highを有する固形癌とまとめて承認申請されたことから、併せて審議事項としております。

 本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料18にあるとおり4名の委員です。まず、MSI-Highを有する固形癌に関して、以下、臨床試験成績を中心に審査の概要を説明いたします。なお、本剤はMSI-Highを有する固形癌に係る効能・効果で、医薬品の条件付き早期承認制度の適用がされており、平成30年5月の当部会において報告させていただいております。また、平成30年8月時点における海外での承認状況については、審査報告書5ページ、下から15行目以降に記載しているとおり、14の国又は地域で承認されております。

 今般の承認申請では、化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸癌患者等を対象とした164試験と呼ばれる国際共同第II相試験及び化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する固形癌患者等を対象とした158試験と呼ばれる国際共同第II相試験が提出されました。

 安全性については、審査報告書58ページ、下から14行目以降及び審査報告書77ページ、下から15行目以降に記載しています。MSI-Highを有する固形癌に対する本剤の投与時において注意すべき有害事象は既承認の効能・効果と同様であり、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師による慎重な観察と、過度な免疫反応による副作用を考慮した鑑別診断や管理等の適切な対応により忍容可能と判断しました。

 有効性については、審査報告書55ページ、下から13行目以降及び審査報告書78ページ、上から2行目以降に記載しています。まず、審査報告書56ページの表31を御覧ください。化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸癌患者を対象とした164試験において、主要評価項目とされた奏効率は、全体集団において27.9%でした。

 次に、57ページの表32を御覧ください。化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する固形癌患者を対象とした158試験において、主要評価項目とされた奏効率は、全体集団において34.9%でした。以上の成績に加えて、MSI-Highを有する固形癌では、マル1有しない固形癌と比較して体細胞変異の頻度が高く、がん抗原特異的なT細胞の標的となるネオアンチゲンが多く産生されていること、また、マル2免疫を抑制性に制御するPD-1等のシグナル分子が高発現し、腫瘍の排除に抵抗性の状態になっていることが報告されていること等を考慮すると、標準的な治療が困難であるMSI-Highを有する固形癌患者に対する本剤の一定の有効性は示されたと判断しました。

 ただし、MSI-Highを有する固形癌患者のうち、158試験の対象とされた結腸・直腸癌以外の固形癌患者に関する情報は、現時点では限られた癌腫における情報に留まることから、使用実態下における日本人のMSI-Highを有する結腸・直腸癌以外の固形癌患者に対する本剤投与時の有効性を検討することを目的とした製造販売後調査を実施する必要があると判断し、承認条件としております。

 以上のような審査の結果、機構は、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断しました。

 次に、根治切除不能な悪性黒色腫に対する本剤の用量について、既承認の体重換算用量である2mg/kgから、固定用量である200mgに変更することに関して説明いたします。なお、本剤は悪性黒色腫に係る効能・効果で、平成26年9月の当部会における審議を経て、希少疾病用医薬品に指定されております。また、平成30年8月時点における海外での承認状況については、審査報告書4ページ、上から2行目以降に記載しているとおり、56の国又は地域で承認されております。

 審査の概要については、審査報告書18ページ、上から5行目以降に記載しております。海外臨床試験の成績から検討された用法・用量である2mg/kg3週間間隔投与、10mg/kg2週間間隔投与、10mg/kg3週間間隔投与の範囲で本剤のAUCと有効性及び安全性との間に明確な関連は認められませんでした。また、安全性について、本剤を2mg/kg3週間間隔投与した際に、癌腫間で有害事象の発現状況に明確な差異は認められませんでした。以上の点等を考慮すると、機構は、根治切除不能な悪性黒色腫に対する本剤の用量を既承認の体重換算用量である2mg/kgから、悪性黒色腫以外の既承認の効能・効果と同一である固定用量の200mgへ変更することは可能と判断しました。

 本剤は、MSI-Highを有する固形癌に関しては、希少疾病用医薬品として承認された新有効成分含有医薬品に対する希少疾病用医薬品に指定されていない効能・効果等の追加に係るものであることから、再審査期間を4年とし、根治切除不能な悪性黒色腫に関しては残余期間とすることが適当であると判断しました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

 続きまして、冒頭で御説明させていただいたとおり、本剤の製造販売承認事項一部変更承認に関する報告事項の議題3についても機構より御説明します。

 審査報告書については、資料5と同一ではありますが、報告事項の資料としては資料13になります。今般、報告事項としては3つの内容に関して承認申請が行われました。1つは、悪性黒色腫に対する術後補助療法における本剤単独投与に関するもの、それから、化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とした本剤と白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法との併用投与に関するものです。もう1つは、化学療法歴のないPD-L1陽性、ここではTPS1%以上の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とした本剤単独投与に関するものであり、これら3つの内容に係る効能・効果及び用法・用量の製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。

 機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断しました。報告事項は以上になります。よろしくお願いいたします。

○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方からの御質問、御意見を頂きたいと思います。

○長島委員 審査報告書の2ページの下3分の1、承認条件の固形癌に関しての2の所で、現在実施中の2つの第II相試験について、「終了後速やかにその結果を医療現場に提供する」となっております。当然、医療現場への提供も必要ですが、やはり本部会にも報告していただいて、そこできちんと有効性・安全性を評価する必要があるのではないかと思います。条件付き早期承認制度というのは、いわば仮承認の状態ですので、その後、こういうような試験が終われば、終わり次第、本部会にも報告していただいて、きちんと評価する必要があると思っておりますが、現在行われている第II相試験というのは、いつ頃終わる見込みですか。その後きちんと本部会に報告することは可能ですか。

○医薬品医療機器総合機構 本剤の第II相試験の結果が得られた際には、報告の仕方については検討させていただきたいと思いますが、御報告させていただきたいと考えております。結果の出る時期に関しては、結腸・直腸癌患者を対象とした164試験については来年の9月頃、もう1つの158試験に関しては2023年の8月頃が予定されております。

○長島委員 ありがとうございます。これに関連して、このような条件付き承認制度の対象になるようなものが、今度の薬機法改正では、通知レベルから法令の規定に引き上げる予定と伺っております。そうであればなおさら、今回のように承認する時点で想定される報告期日をきちんと設けて、そこで本部会にタイムリーに承認内容がそのままでいいのか、有効性・安全性をきちんと評価することを行うべきかと思います。制度については、本部会の扱うところではないかもしれませんが、やはり本部会としてきちんとそのことを要望するべきではないかと思います。いかがですか。

○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。御指摘ありがとうございます。先日の医薬品医療機器制度部会においても一部御紹介しておりますが、条件付き早期承認制度の法制化に当たりましては、市販後に得られたデータを踏まえて、再審査期間の満了を待たずに中間的な評価を行うような制度を現在検討しているところです。今回頂いた御指摘も踏まえて、個別の医薬品に合わせて適切な評価が適切な時期に実施できるように、引き続き制度の検討を進めていきたいと考えております。

○長島委員 よろしくお願いします。

○清田部会長 まだ明確な時期は規定がないようですので、先ほどの御説明からすると、どのようなタイミングで、誰がどういう評価をするのかということまでは決まっていないような解釈ですが、多分、決まり次第この部会に御報告いただけると思っておりますので、それを待つということでよろしいですか。

○長島委員 はい、よろしくお願いします。

○清田部会長 それでよろしいですか。

○医薬品審査管理課長 個別の剤の今後の手配と制度の手配と両方を部会に御報告させていただきたいと思います。

○清田部会長 そのほかに御意見はありますか。

○菊池委員 これはいつも聞いているのですが、164試験と158試験で、全部で日本人は何人ずつですか。

○医薬品医療機器総合機構 164試験については、審査報告書の56ページを御覧ください。表31に、全体集団に並べて日本人集団の結果も書かせていただいていますが、164試験には7例組み入れられております。また、158試験については、審査報告書の57ページの表32になりますが、158試験のグループKに関しては、全体集団83例に対して、日本人集団として3例組み入れられております。表32の下で、158試験は少し複雑な試験ではありますが、グループAからJのグループに分かれておりまして、その中でグループK以外のグループにも日本人患者さんが組み入られておりまして、全体として日本人患者さんは7例組み入れられております。

○菊池委員 158164も7人ずつということですか。

○医薬品医療機器総合機構 その理解で間違いありません。

○菊池委員 164は結腸・直腸でいいのですが、158のグループKというのも細かく書いてありますが、「進行固形癌で結腸・直腸癌を除く」となっていますが、実際に日本人で入ったこの3人の固形癌は何だったのですか。分かっていますか。あと、ほかの4例も。

○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の57ページの表32の下の「また」以降の文章が癌腫の情報になります。日本人患者の7例については、グループDは子宮内膜癌になりますが、そのグループに1例、グループEの子宮頸癌に1例、グループHの中皮腫に1例、グループJの唾液腺癌に1例、グループKの胃癌で2例、小腸癌で1例になります。

○菊池委員 分かりました。そうしますと、固形癌というのは実は、62ページにまとまっていますが、もっとたくさんの癌腫があるわけですよね。この検討では全然含まれていない固形癌も入っていて、それらの固形癌に対してもOK(承認)をしてしまうのですか。

○医薬品医療機器総合機構 我々の判断としては、今回の審査を踏まえて可能と考えています。その背景としては冒頭で御説明させていただきましたが、審査報告書の62ページ以降を御覧いただけると良いかと思います。癌腫ごとで見ますと症例数は限られていますが、固形癌として癌腫をまとめて試験が実施されたことに加えて、MSI-Highを有する患者ではマイクロサテライトの反復回数が増加することによってネオアンチゲンが多く産生されている、腫瘍免疫の標的となる環境が形成されていること、また、これらは癌腫を問わず生物学的に共通のことであることも踏まえると固形癌一般に効果は期待できるだろうということも考慮し、効能・効果としては固形癌と設定することは可能と判断させていただいています。

○清田部会長 いかがですか。例えば膵癌は全然ないですが、OKということでいいのですか。臨床経験も治験の経験もないのにいいのということですが、いいのですか。

○医薬品医療機器総合機構 固形癌として同様の有効性が期待できる集団として試験が実施され、結果として試験の中には組み入れられませんでしたが、本剤については、今回のMSI-Highを有する固形癌に係る効能・効果も含めますと、5つ目の効能・効果になり、既に既承認の効能・効果でも複数の癌腫で有効性が認められていることも考慮しますと、今回、限られた情報ではありますが、現時点で得られている情報を基にMSI-Highを有する固形癌という効能・効果で承認することは可能と判断しております。ただし、冒頭でも御説明いたしましたが、固形癌のうち、158試験に組み入れられなかった組織型・癌腫の情報は得られていないこと等も考慮しますと、やはり製販後にも一定の情報の収集は必要と判断し、承認条件としておりますので、そういった成績も踏まえて今後も検討することは可能と考えております。

○清田部会長 馴染みのない通し方なのですね。これは確かですね。分かりづらいです。御説明も、私も実は先ほど説明を受けたのですが分からなくて困ったのです。今までにない通し方で、後のデータ、歴史が評価するところも少しあるのは仕方がない部分かなというのと、FDAも同じような通し方をしていると御説明いただきました。右にならえではないのですが、今回も固形癌に関しては、それをやってみようという御理解ですね。ただ、それが良いのかどうか、これは御意見を伺っておかなければいけませんので、是非、ここで御質問をしていただいて、私はこの議題が一番時間が掛かると思っていましたので、答えられることは答えられる、課題があればそれを後で反省すると。後というのは承認後です。そういうことで良いと思います。御意見があれば是非伺っておきたいと思います。

○菊池委員 先ほどの審議事項2の薬剤との併用薬がメトロニダゾールでなければ駄目だというような、使っているものでなければ駄目だと言っているのだったら、この審議で使用経験のない固形癌には無理ではないですかと個人的には言いたいと思います。あと、MSI-Highというのも、途中で診断方法を変えていませんか。多分これはコンパニオンキットか何かをまた作っているのでしょうが、55ページに書いてある説明では、dMMRとか、それで当初は診断していて、その後にMSI-Highという概念が出てきたのだと思いますが、MSI-Highと言っただけで、当初はdMMRで診断していたものも包含できているのか、検証できているのですか。

○医薬品医療機器総合機構 今回提出された試験では、実際には、dMMR又はMSI-Highと診断された患者さんが組み入れられる試験として実施されました。理論的な点も含めると、MSI-Highの表現型はdMMRという同じような表現型を示すということが知られています。また、その診断結果もほぼ一致することも確認していますので、dMMRで選択される患者とMSI-Highを選択される患者は、ほぼ同様な患者になると考えております。

 ただ、今回の申請に関しては、臨床試験ではdMMR又はMSI-Highを有する患者を試験に組み入れることが可能でしたが、今回の本剤の承認に合わせてMSI-Highの診断薬のみが開発されています。したがって、実臨床で本剤が使用されるときには、MSI-Highによって診断された患者が本剤の投与対象になります。

○菊池委員 大体分かりましたが、そういう大事なことを脚注に書いてあったりとか、そういう審査報告書自体が、前から言っていますがどんくさいと言っているわけで、これだけ長い文章を出していても、日本人の14例についてももっと詳しく書いてほしいと前から言っているとおりで、そのことも含めて、この審査報告書はなってないですよね。特に固形癌というのはものすごく範囲が広いわけで、胃癌の中にMSI-Highはどれぐらいの頻度で起きるのですか。知られているのですか。ほかの固形癌ではどれぐらいの頻度で起きると想定されているのですか。

○清田部会長 今すぐ答えられますか。

○菊池委員 日本の悪性腫瘍の発生頻度から、それを掛け合わせてどれぐらいの影響があるかとか考えて、これだけいい加減にやって、今、「ほぼ」と言いましたよね。dMMRとMSI-Highがほぼ同じだとかいう言い方をしていて、そういういい加減なことをして、そういう非科学的なことを言われると、この席でいつも言っていますが、私たちが一蓮托生ということになるのだとすると、ちょっと勘弁してほしいということになるのです。

○医薬品医療機器総合機構 まず、MSI-Highを有する患者の割合に関しては、資料2-5の7ページを御覧ください。CTDの2.5「臨床に関する概括評価」の7ページ、表2.5.1-2になります。

○菊池委員 胃癌で16%あるのだから、これはすごい数であって、それが2例しかないというのは私は反対です。胃癌でもっとこういうので効くということを確認してからでないと、固形癌を引っくるめて言っているところで、ちょっと問題があると思います。

○清田部会長 いかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 16%ということですが、今回、承認される効能・効果、すなわち本剤が承認されたときの投与対象というのは、標準的な化学療法が終わった、他に治療法がない患者さんが対象となりますので、そういった状況を加味すると、患者数はかなり少ない状況になります。

○菊池委員 そうしたら、実際に何人になるのですか。

○清田部会長 ちょっと適応が分かりにくいので。

○医薬品医療機器総合機構 例えば。

○清田部会長 例えばではなくて、正確な適応を。

○医薬品医療機器総合機構 正確な数字としては、表2.5.1-2の右から2列目の、3次治療を受けている患者数としては680人ですので、こういった数字になるかと理解しております。

○菊池委員 680人いるのだったら、治験を組むべきだと思います。

○清田部会長 これはいかがですか。

○医薬品医療機器総合機構 もし癌腫別に全ての医薬品の抗癌剤の開発をするという。

○菊池委員 頻度で言ったら、直腸癌よりも多くなりますよ。そういうことですよ。

○医薬品医療機器総合機構 今回の開発のコンセプトが受け入れられるかどうかというところがまず大きな問題なのだと思います。従来は癌腫別に有効性が異なるということを前提として抗癌剤の開発が行われてきましたが、今回の考え方は、MSI-Highという効果予測因子があって、MSI-Highを有する固形癌であれば、癌腫を問わず一定の有効性が期待できるだろうというコンセプトで158試験が実施され、その結果、一定の有効性が示されてきたので、我々としてはそのコンセプトも含めて固形癌の承認は可能と判断させていただいております。従来のように癌腫別の試験をやってきて開発をしなければならないという考え方に立つ場合には、説明に苦しいところもあるのですが、我々としては、MSI-Highという効果予測因子によって患者を限定することであれば、癌腫を問わず本剤の効果は期待できる、そういったことを考慮した上で今回のような開発のやり方もあるのではないかと考えています。

○清田部会長 結局、何癌何癌という臓器別の名前の癌ではなくて、MSI-High癌みたいな感じの御理解だと機構のほうはおっしゃっています。ですから、それについて課題がこれで一応クリアして、ゴーなのかどうか、また何か問い掛けて、ペンディングには余りしたくないのですが、疑問があれば是非問い掛けていただいてとは思いますが。概念的にはMSI-High癌という感じらしいのですよね。

○菊池委員 もちろんコンセプトは分かりました。この表を見れば更に明らかだと思いますが、結腸・直腸の人は、どこの欄で見ても胃癌の人より少ないですよね。その中で、こういう状況であるのだったら、胃癌を対象にして最初組んで、結腸・直腸とタイアップしていて、それで判断するのだったら分かりますが、それ以外を十把一絡げにして固形癌全部がそうだと言うには乱暴な気がして、実際に日本人は2例ですし、ほかの所で胃癌は全部でどれだけ入っているのですか。158試験が90何人ですよね。そのうちの何人ぐらいが胃癌ですか。

○菊池委員 158試験で94人が登録されていて、日本人は7名で、そのうち胃癌が2名とおっしゃっていたと思いますが、それ以外の国の方で胃癌は全体でどれだけいたのですか。

○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の58ページの表33を御覧ください。こちらは大変分かりにくくて申し訳ありませんが、57ページの表32は、158試験のグループKだけになるのですが、表33158試験のグループAからKとなり、全体の数が異なってくる所はありますが、今回、胃癌で評価できている患者数としては94例中の13例ということになります。

○菊池委員 分かりました。一般的にこれぐらいの奏効率で、今までの抗癌剤というのはパスしていますか。

○医薬品医療機器総合機構 ドライバー変異の有無とか癌腫とかによって違いはありますが、例えば本剤と同じような作用機序を持つ免疫チェックポイント阻害剤で、かつ希少な疾患で患者数が少ないものについては、奏効率としては30%ぐらいの結果で、一定の有効性を認めて承認させていただいているものもあります。

○清田部会長 ということです。ほかに御質問はありますか。

○医薬品医療機器総合機構 なお、先ほど私の説明の中で、正確な数字が手元になかったため、「ほぼ」という曖昧な説明をしてしまいました。コンパニオン診断薬については、PMDAの体外診断薬等審査室が行う審査の中でしっかり数値等も確認した上で審査されて承認されています。

○菊池委員 分かりました。しかし、そもそもですが、55ページの脚注にあるように、これは2つのものは概念が違いますよね。そこのところはちゃんと大丈夫かということも含めて御質問したところです。

○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の62ページを御覧ください。「マイクロサテライトはゲノム上・・・」と記載してあるところになりますが、ゲノム上に広く存在する反復配列はマイクロサテライトと呼ばれており、DNAのミスマッチ修復機構に破綻があると、マイクロサテライトはDNAの複製の際に誤った反復回数で複製される確率が高い配列であることが報告されています。また、MSI-Highの表現型はdMMRの状態、即ちDNAミスマッチ修復機構が破綻されている状態と密接に関連があり、同様の表現型を取ることも報告されていますので、起こっていることも考慮しますと、dMMRとMSI-Highの表現型は同様と考えられています。

○清田部会長 私から確認させていただきます。今回の承認の対象となるものはMSI-Highだけですよね。つまり、先ほどの菊池先生の御質問にも少し絡むかもしれませんが、dMMRではないですよね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○清田部会長 MSI-Highのみですよね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○清田部会長 となりますと、dMMRのほうは、余り議論の対象にならないですよね。よろしいですよね。これが混乱しているという話ですね。

○医薬品医療機器総合機構 具体的には審査報告書の。

○清田部会長 審査報告書ではなくて、そういうような理解でよろしいですよね。

○医薬品医療機器総合機構 はい、その理解で差支えありません。

○医薬品医療機器総合機構 先ほどのdMMRとMSI-Highの検査の結果の一致性のデータが確認できましたので、その結果だけ御報告させていただきます。

○清田部会長 どうぞ。

○医薬品医療機器総合機構 一致率は100%という結果でした。

○清田部会長 イコールということではなくてですよね。

○医薬品医療機器総合機構 100%なので全部一致したという結果でした。

○清田部会長 しかし、今回認めるのは。

○医薬品医療機器総合機構 MSI-Highを有する固形癌です。

○清田部会長 ですよね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○清田部会長 そのような御理解でよろしいですか。それでは、一応議題5に関しては御質問は終わったものと思います。よろしければ議決に入りたいと思います。亀田委員、舘田委員、中野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして議決への参加を御遠慮いただくこととします。本議題について承認を可としてよろしいですか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。事務局から引き続き御説明をお願いします。

○事務局 事務局よりその他議題の1、当日配布資料15-1、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)の最適使用推進ガイドライン()について御説明いたします。資料5及び資料13のペムブロリズマブについては最適使用推進ガイドラインの策定品目となっており、この度の効能・効果及び用法・用量の変更に伴い、MSI-High固形癌のガイドラインを策定するとともに、非小細胞肺癌及び悪性黒色腫のガイドラインの改正を予定しています。お配りしている資料については、3つのガイドラインを1つにまとめており、各ページの最下部に通し番号を付しております。以降の説明においてページ番号は通し番号で説明させていただきます。

 それでは、MSI-High固形癌のガイドラインについて説明いたします。資料の1~13ページになります。まず、3ページの枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を示しています。5ページ以降に先ほど御確認いただきました臨床成績を示しています。10ページの「施設について」を御覧ください。今回複数の癌腫が対象となることを踏まえ、マル1-2として、対象となる癌腫への化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師を責任者として配置いただくよう記載しています。マル1-1、マル2及びマル3の内容は、ペムブロリズマブのほかのガイドラインと同様です。

 続いて12ページは「対象となる患者」に関する内容。有効性に関する事項として、臨床試験において有効性が示されている患者及び有効性が確立していない患者をそれぞれ提示しています。安全性に関する事項は、ペムブロリズマブのほかの癌腫のガイドラインと同様です。13ページから記載しています、投与に際して留意する事項についても、ペムブロリズマブのほかのガイドラインと同様の内容です。

 続いて、1437ページの非小細胞肺癌のガイドラインについて、主な改正箇所を御説明いたします。16ページを御覧ください。対象となる効能・効果は、「PD-L1陽性の」が削除となり、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」となります。

 18ページ以降ですが、こちらは臨床成績として今回評価された3つの臨床試験成績を記載しています。いずれの試験についても対照群として本剤単独投与、又は本剤と既存の化学療法との併用投与によりOSの延長が認められています。安全性については、新たな注意すべき事象は認められておりません。

 35ページの投与対象となる患者を御覧ください。有効性に関する事項については、本剤の単独投与、本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与に関して、それぞれ有効性が示されている対象を記載するとともに、有効性が確立していない患者に対する内容を変更しています。

 最後に38ページから57ページの悪性黒色腫のガイドラインについて御説明いたします。40ページですが、枠内の「対象となる効能又は効果」は、「根治切除不能な」が削除となり、「悪性黒色腫」に変更となっています。また、用法・用量については、根治切除不能な患者に対する用量が体重換算用量から固定用量に変更となり、術後補助療法の用法・用量が追加されることに伴い変更となっています。

 42ページ以降に記載しています臨床成績の項では、完全切除後のステージIIIの悪性黒色腫患者を対象とした術後補助療法として、本剤の有効性及び安全性を検討した試験結果を追加しています。この試験において、プラセボ群と比較して、本剤単独投与で無再発生存期間の延長が認められています。安全性について新たに注意すべき事項は認められておりません。

 最後に55ページの投与対象となる患者は、有効性に関する事項として、術後補助療法として有効性が示されていることを追加しています。また、本剤の有効性が確立していない患者に関する記載を変更としています。以上になります。

○清田部会長 このガイドラインについて、委員の先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。

○浦野委員 この御説明と今回のガイドラインに書いてあるデータが合っているのかよく分からないので聞きたいのですけれども、最初の5、6ページにあるものは、dMMRポジ又はMSI-Highを有すると書かれていて、dMMRの話も全部入った61例だったり、83例というデータになっていると思うのですが、このうちのMSI-Highというものだけを抽出したものが表3になるのですか。例えば94例という。

○医薬品医療機器総合機構 申し訳ありません、この表3の正確な表現はdMMR又はMSI-Highを有する癌、を意図しています。

○浦野委員 では、表1と表2は全く同じなのですね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。試験としては、dMMR又はMSI-Highの患者が対象とされ、効能・効果だけが「MSI-Highを有する」になります。

○浦野委員 どうしてMSI-Highだけに絞っているのかというのは、先ほど異議なしと言ってしまったのですが、エビデンスはどこにあるのか分からないのです。結局dMMRというものは、ここに書いてあるようにIHCで見ると。サロゲートマーカーのほうの遺伝子サイズはPCRでMSI-Highと判断すると、全然違うやり方で見ているデータです。この2つのデータというものが、先ほどほぼ一致するという話をおっしゃっていたと思うのですが、それなのに、なぜここでは「MSI-High」と書かずに、「dMMR又は」というように書いて話を進めていて、最終的に承認するのはMSI-HighというPCRを使ったデータでこれから先はいくというのが、どうしてそういう結論になるのかが分からなくなってしまったのですが。

○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。dMMRを検査する診断薬が開発されていれば、効能・効果として「dMMR」といった文言を含めた承認のし方も可能だと考えています。一方で、今回の本剤の申請に合わせて開発された診断薬がMSI-Highの診断薬だけだったことから、試験としてはdMMR又はMSI-Highでしたが、今回の効能・効果は「MSI-High」のみということになっています。

○浦野委員 そうすると、やはりMSI-Highで得られたデータのみでここに載せるデータは選ぶべきではないのですか。dMMRポジであるというのが、MSI-Highと一致するというのは、両方やった結果があるからそれは一致するわけであって、dMMRしかないデータというのもここに入っているわけですよね。それがMSI-Highである確率というのは100ではないですよね。これから先に承認をMSI-Highでやるのだとしたら、PCRに基づいて取ったデータだけで全てをやって、それで先ほど言った奏効率が30%を超えるからこれは有効である、というように議論するのが筋かなという気がするのですが。

○清田部会長 これは表3の表現としては、挙がってきたそのままのデータを嘘をつかずに正直に載せて、表現的には非常に曖昧になっているので、今、先生がおっしゃった注釈をここに入れてもらうなり、先ほどお答えになったことを、ここに実際はMSI-Highが適応になるわけですから、このデータに関しては、今さっきの注釈を付けて載せるというのでいかがでしょうか。

○浦野委員 その注釈を載せたほうがいいと思います。やはりMSI-Highのみで構成された表というのもあっていいのではないかと思うのですが。

○清田部会長 それはいかがですか。それは作れるのですか。

○医薬品医療機器総合機構 今、正確な数値は手元にないのですが、確認し、検討させていただきたいと思います。

○清田部会長 その方向で、一回我々が確認するなりでよろしいですか。

○浦野委員 それはやったほうがいいというか、本当にかなり。

○清田部会長 分かりづらいところですので、それははっきりさせておいたほうが私もいいと思います。先ほど議決はしましたけれども、これに関しての、ここが分かりにくくなっていますので、ここの表現をちょっと注釈を付けて分かりやすくしていただくと。それから、MSI-Highのみのデータがあったらそれを一度見せていただいて、これは大幅に違わないかどうか、それも確認させていただいてよろしいですか。これはガイドラインで報告事項になりますけれども。御理解いただけますか。

○医薬品医療機器総合機構 はい、理解しました。まずは正確な表現を改めた上で、MSI-Highのみで組み入れられた患者の情報については確認させていただきます。

○清田部会長 それだけのデータがあれば、それがいいというように思います。非常に分かりづらい表現で困っているのですよね。

○医薬品医療機器総合機構 例えば164試験につきましては、61例中60例、98.4%がMSI-Highの可能性のある患者だと考えられます。

○清田部会長 ちょっと確認させていただいて、そっちのデータでよければそっちがいいですよね。

○浦野委員 そうですね。

○審査第五部長 よろしいでしょうか。一応これはグローバルでやっておりまして、dMMRかMSI-Highの方を組み入れるということで実施されています。今、表現型という話があったのですが、基本的にはdMMRの方はミスマッチのHighの患者に同一というようなことであって、もう1つあるのが、本邦の保険診療で、遺伝子性の結腸・直腸癌としてリンチ症候群が知られており、これはMSI-Highの診断がリンチ症候群に対して保険適用をされていて、診断方法も含めて日本の医療で定着しているというものです。

 一方、dMMRについては、免疫染色でありまして、医療機関で実際にしていらっしゃる所もあるのですが、これはまだ保険に載っていないということで、我が国においてはMSI-Highが定着をしていて、これらのほうが実地医療の所では馴染みがあるだろうと。しかもその両者の検査方法の違いですが、免染とPCRの違いですが、結果、患者を見ている所は同じですので、日本においてはMSI-Highで統一をし、検査方法もMSI-Highの検査薬ということで開発をしているというようなものです。今、ほぼというか多くの方が、MSI-Highの方が入っているということです。仮にその数字が出て、微妙な数字が減ったような数字を出すよりも、この治験の結果で出てきたものを、その表現型をもう少し丁寧に正確にさせていただきたいと思うのですが、MSI-Highだけにした数字にしますと、なかなか日本独自の数字になってしまいます。また、我々の評価というのは、この61例とか94例でやっていますので、この評価の数字で医療機関に対しての情報提供とかをさせていただければと思っています。

○浦野委員 今のはさすがにまずいと思いますよ。結局、dMMRはIHCなので定性的なデータしか出ないですよね。それに対してPCRのほうは定量データが出せるということで、診断としては絶対にPCRのほうがいいのは確実だと思うのです。なので、今後PCRでいくというのに対しては完全にアグリーですけれども、その裏を担保するデータとして、昔の免染をやっているものも入れて、それでこのような奏効率ですよと出すのは、やはりそれはまずいと思います。IHCでポジだったものが確実にPCRでポジに出るかということに関してデータがないですよね。そこが担保できなかったら、これは論文としても成立しないですよ。

○清田部会長 私もそう思うのですよね。ですから、おっしゃることはフィーリングとしては分かりますけれども、そこの状況を非常に分かりづらくしている。そこはやはり分かりづらくしないように、すっきりすべきだと。ですから、2つデータがあるなら併記するなり、この表に併記して、注釈をちゃんと付けるなり、ほぼほぼ変わらないのだと。ですけれども、日本の測定の現状はこうだということを書いておいたほうが、将来的にもう一方の方法が保険収載されて、使えるようになって、ポピュラーになった場合に、それもいきるという考え方もありますので、その2つのデータがあるならば併記して、余り変わらないという注釈を付けておいたほうが私はいいと思います。同じように、先ほどの議題に戻りますけれども、そこの審査報告書の中にも、そのように分かりやすいように資料を訂正したほうが、後々の人が見て分かりやすい感じになるのではないかというのが私の意見です。変えられないものは変えられないとおっしゃったらそれまでですけれども、それはどうですか。

○審査第五課長 対応させていただきたいと思います。

○清田部会長 どうですか。

○医薬品審査管理課長 はい、表現なり記載なりを、今日頂いた御意見を踏まえながら、癌の先生方とも御意見を頂きながら、少し工夫してまた御報告をしたいと思います。次回の部会まで待たずに、メールで先生方の御確認なども頂ければ大変有り難いと思います。

○清田部会長 是非。それでよろしいですか。結局通すのは通すと。ですけれど、それをはっきりさせてすっきりという感じで確認させていただくということでよろしいですか。

○浦野委員 そんなに奏効率は下がらないですよね。そんなに下がったら今の議論はまずいと思うので、下がらないのだったら下がらないデータを出したほうがいいと思います。

○清田部会長 ですから、Nが減るとかそういうのだろうと思いますけれども、一応、出すなら出して、併記して出すというのでいいと思いますので、ここはよろしいですか。

 それでは、一応御理解いただいたものとしまして、次の議題6、議題7に移りたいと思います。機構からの御説明をお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料番号6、医薬品ビラフトビカプセル50mg、及び議題7、資料番号7、医薬品メクトビ錠15mgの製造販売承認の可否等について、両品目は併用して投与されることから、併せて機構より説明いたします。資料番号6と資料番号7の審査報告書について、頭紙の部分はそれぞれビラフトビカプセルとメクトビ錠の内容に書き分けており、異なる記載となっておりますが、その後ろの別紙の部分は同一であることから、以降、資料番号6の審査報告書に基づいて説明いたします。BRAFはMAPキナーゼ経路の活性化に関与しており、BRAF遺伝子変異により下流のMEKを含むMAPキナーゼ経路を介したシグナル伝達が恒常的に活性化され、腫瘍細胞の増殖促進、アポトーシス抑制等を引き起こすと考えられております。ビラフトビカプセルの有効成分であるエンコラフェニブはBRAFを阻害することにより、またメクトビ錠の有効成分であるビニメチニブは、BRAFの下流のMEKを阻害することにより、BRAF遺伝子変異を有する腫瘍の増殖を抑制すると考えられております。今般、エンコラフェニブ及びビニメチニブは、BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として承認申請されました。なお、エンコラフェニブ及びビニメチニブは、平成2511月の当部会における審議を経て希少疾病用医薬品に指定されております。平成30年9月時点において、エンコラフェニブ及びビニメチニブは悪性黒色腫に係る効能・効果で、32の国又は地域で承認されております。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料18にあるとおり8名の委員です。

 以下、臨床試験成績を中心に審査の概略を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績としてB2301試験と呼ばれる国際共同第III相試験であるCMEK1622301試験が提出されました。有効性については審査報告書67ページ下から2行目以降、75ページ上から1行目以降及び117ページ下から15行目以降に記載しています。

 69ページの表45及び図2を御覧ください。BRAF阻害剤及びMEK阻害剤による治療歴がなく、BRAF V600E又はV600K変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象としたB2301試験において、主要評価項目とされた無増悪生存期間について、ベムラフェニブ群と比較してエンコラフェニブ450mgとビニメチニブ45mgとの併用投与のCombo450群の優越性が示されたこと等から、当該併用投与の有効性は示されたと判断いたしました。

 安全性については、審査報告書79ページ下から3行目以降及び117ページ下から8行目以降に記載しています。79ページ下から3行目以降を御覧ください。エンコラフェニブとビニメチニブとの併用投与時に、特に注意すべき有害事象として、眼障害、心機能障害、肝機能障害、横紋筋融解症、皮膚悪性腫瘍、高血圧、出血及び手掌・足底発赤知覚不全症候群が認められております。これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による有害事象の観察や管理等の適切な対応により忍容可能と判断いたしました。ただし、日本人における検討症例は限られており、製造販売後には、本剤を使用した全例を対象とした使用成績調査の実施が必要であると判断し、承認条件としております。

 以上のような審査の結果、機構はBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として、エンコラフェニブ及びビニメチニブを承認することは可能と判断いたしました。エンコラフェニブ及びビニメチニブは、両品目ともに希少疾病用医薬品に指定された新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は10年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原薬及び製剤は、いずれも劇薬に該当すると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 委員の先生方からの御意見、御質問はいかがでしょうか。

○川上委員 2点教えてほしいのですが、1点目はビラフトビカプセルの規格で、通常の投与量が450mgですから9カプセル服用します。欧米では、高規格のカプセルが市販されているのに、日本に導入するときになぜ低規格の50mgしか導入しなかったのかという経緯です。

 2点目は減量基準です。減量する際に、メクトビ錠の方は45mg30mg15mgと、15 mgずつ段階的に下げていくのですが、ビラフトビカプセルでは450mg300mgの次は150mgではなくて200mgになっており、これは欧米も同様です。メクトビ錠と同じような下げ方をすると、ビラフトビカプセルも2段階下げるときは150mgになると思うのですが、その根拠などがあるのであれば教えてください。

○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。まず、1つ目についてご説明いたします。欧米では、75mgカプセルも承認され販売されているという状況です。申請者に確認したところ、日本では〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇50mgカプセルのみの販売予定とされております。〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

 2点目について説明いたします。国際共同第III相試験であるB2301試験において、副作用発現時にはビラフトビカプセルの投与量を450mgから300mg及び200mg1段階ずつ減量する設定とされておりました。B2301試験で当該設定とされた根拠は不明ですが、用法・用量に関連する使用上の注意の項に記載する減量時の投与量の目安としては、当該試験における設定に基づき、記載することが適切と判断しております。

○浦野委員 非常に細かいことなのですが、このエンコラフェニブのNMRスペクトルが原薬では載っているのですが、意外に不純物が見えるのですが、これは大丈夫なのかというのがちょっと知りたいのですけれども。こういうところに本当にきれいなものがよく出てくるので、今回、積分値が取られていないようなものがちょろちょろっと見えるのですが、ここで見えるというのはまあまあなパーセンテージかなと思うのですが、これが何に由来するかとか、そういったことは分かっているのでしょうか。それは今聞かないで、本当は前に質問すればよかったなと思うのですけれども。

○医薬品医療機器総合機構 申し訳ありませんが、具体的にどのページを御覧になっているか教えていただけますか。

○浦野委員 資料6の2.3.S、原薬のスペクトルの所です。52ページですね。これは後で調べていただければいいかなと思うので、例えば1ppmの所に3H分のプロトンを取っているのですが、その横にまあまあ普通に見えるぐらいにピークがあって、これは多分、溶媒由来とか何かそういったものなのだろうなと思うのですが、ちょっと気になるというか、普通に私どもが合成するのでもこれはちょっと気になるぐらいな量なので、ここはしっかりと理由付けをしたほうがいいかなと。その後にいろいろと不純物のデータも出しているのですが、それだと何も分かっていないというか、アサインができていないので、そこをちょっと確認していただけますか。

○医薬品医療機器総合機構 はい、分かりました。また確認次第、報告いたします。

○清田部会長 それは後で確認していただくということで、ほかによろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、それぞれの議題ごとに議決を行います。まずは、議題6について議決に入ります。亀田委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。議題6について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として、薬事分科会に報告させていただきます。

 次に、議題7について議決に入ります。同じように、亀田委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。議題7について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。別室で長らく待機されています山口委員をお呼びいただきたいと思います。

 山口先生、お待たせいたしました。議題8に移りたいと思います。議題8について、機構から概要の御説明をお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構 議題8、資料番号8、医薬品ビジンプロ錠15mg他の製造販売承認の可否等について、機構より説明いたします。本剤の有効成分であるダコミチニブ水和物は、上皮細胞増殖因子受容体(以下「EGFR」)チロシンキナーゼ阻害剤であり、EGFRチロシンキナーゼのリン酸化を阻害することなどにより、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌の増殖を抑制すると考えられています。今般、本剤はEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌を効能・効果として承認申請されました。平成30年9月時点において、本剤は非小細胞肺癌に係る効能・効果で、米国のみで承認されております。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料18のとおり8名の委員です。

 以下、臨床試験成績を中心に審査の概略を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、国際共同第III相試験である1050試験が提出されました。有効性については、審査報告書35ページの本文の上から5行目以降、40ページの上から1行目以降及び71ページの上から14行目以降に記載しております。

 35ページの表25及び次ページ36ページの図3を御覧ください。化学療法歴のないEGFR遺伝子の活性型変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とした1050試験において、主要評価項目とされた独立中央判定による無増悪生存期間について、ゲフィチニブ群に対する本剤群の優越性が示されたことなどから、本剤の有効性は示されたと判断いたしました。

 安全性については、審査報告書42ページの本文の下から13行目以降及び71ページの下から9行目以降に記載しています。42ページの本文の下から13行目以降を御覧ください。本剤の使用時において、特に注意すべき有害事象として、間質性肺疾患、皮膚障害、下痢、肝機能障害、消化管障害(下痢を除く)、爪の異常及び低カリウム血症が認められております。これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による有害事象の観察や管理等、適切な対応により忍容可能と判断いたしました。ただし、日本人における検討症例は限られており、製造販売後には使用成績調査の実施が必要であると判断しております。

 以上のような審査の結果、機構はEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断いたしました。本剤は、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。御意見がないようですので、議決に入らせていただきます。亀田委員、舘田委員、長島委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。

 議題9に移ります。菊池委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、審議の間、別室で待機いただくことにいたします。議題9について、事務局から概要の御説明をお願いします。

○事務局 議題9、資料9、ビクテグラビルナトリウムを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より説明いたします。資料9の2つ目のタブ、評価報告書の1ページ中段を御覧ください。申請者はギリアド・サイエンシズ株式会社、予定される効能・効果はHIV-1感染症となります。1つ目の対象患者数について、下段を御覧ください。厚生労働省エイズ動向委員会報告によると、本邦における2017年末までのHIV感染者及び後天性免疫不全症候群患者の累積報告例数は、それぞれ1万9,842例及び8,908例であり、また2016年5月までの凝固因子製剤によるHIV感染者の累積報告例数は1,439例でした。以上より、5万人未満という基準を満たしているものと考えております。

 2ページ以降の「医療上の必要性について」を御覧ください。本邦では、抗HIV薬として、核酸系逆転写酵素阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、CCR5阻害剤の5種類の作用機序の薬剤が承認されており、これらを3剤又は4剤組み合わせた併用療法が現在の標準的な治療方法となっておりますが、耐性ウイルスの出現等の課題もあります。2段落目ですが、本剤は新規のインテグラーゼ阻害剤として開発されており、in vitro試験において、既存薬と比較してHIV-1の野生株及びインテグラーゼ領域の変異株に対して優位な抗ウイルス活性が確認されており、抗HIV療法における選択肢の1つとなり得ることが期待されております。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 3ページの3.開発の可能性について説明いたします。未治療のHIV-1感染症患者を対象とした海外第III相試験が実施されており、その結果、既存薬に対して本薬の非劣性が検証されております。

 4ページの中段落ですが、有害事象の発現割合が記載されておりますが、安全性について現時点で重大な懸念は認められておりません。また、海外での開発状況については、平成30年2月及び同年6月に、それぞれ米国及び欧州において、本剤が承認されており、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがって、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見はありますか。それでは、御意見、御質問がないようですので、議決に入りたいと思います。山口委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。それでは、別室に待機されている菊池委員をお呼びください。

 議題10に移りたいと思います。議題10について、事務局から概要の御説明をお願いいたします。

○事務局 議題10、資料10、BCX7353を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料10の2つ目のタブ、希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書の1ページ中段を御覧ください。申請者は株式会社Integrated Development Associates、予定される効能・効果は遺伝性血管性浮腫の発作抑制となります。下段の対象患者数についてです。遺伝性血管性浮腫は、原発性免疫不全症候群の一部として指定難病に指定されております。また、遺伝性血管性浮腫ガイドラインでは、本邦における患者数について、5万人に1人から15万人に1人とされており、5万人に1人とした場合、患者数は約2,400人と推定されます。以上より、対象患者数の基準を満たしているものと考えております。

 2ページの医療上の必要性について説明いたします。遺伝性血管性浮腫は、皮膚、咽頭、喉頭、消化器、性器、四肢の浮腫を繰り返すのが特徴であり、そのうち喉頭浮腫は直ちに適切な治療を行わなければ致死的な転帰に至る場合があります。長期的な発作抑制に関して、遺伝性血管性浮腫ガイドラインでは、トラネキサム酸又はダナゾールの使用が推奨されておりますが、いずれの薬剤も発作抑制の適応は有しておらず、現時点において長期的な発作抑制に対する適切な医薬品及び治療法は存在しません。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に、中段からの開発の可能性について説明いたします。本剤は、ヒト血漿カリクレイン阻害剤であり、カリクレイン阻害によりブラジキニンの生成を抑制することで、遺伝性血管性浮腫の発作の発現を低下させると考えられております。また、遺伝性血管性浮腫の患者を対象とした海外第II相試験が実施されており、プラセボ群と比較して本剤投与群で急性発作発現頻度が70.3%低下しております。海外第II相試験を踏まえ、米国、カナダ及び欧州において、第III相プラセボ対照二重盲検比較試験が実施中であり、本邦においても同様の試験が実施中です。以上より、開発の可能性は高いと考えております。したがって、希少疾病医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見はありますか。

○菊池委員 BCX7353という訳名みたいなもので、こういうのを申請というのは今までなかった気がするのです。必ず名前が付いているような気がしますが、こういうのはありなのですか。

○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。最近では例がないかもしれないのですが、以前にも同じような成分記号での申請はあります。

○菊池委員 多分、何年かやっていますが、私のときは初めてだなと思ったのです。すみません。

○清田部会長 よろしいでしょうか。それでは、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。

 報告事項に移ります。よろしくお願いいたします。

○事務局 事務局より報告事項について説明いたします。報告事項、議題1、資料11、医薬品テセントリク点滴静注1,200mgの製造販売承認事項一部変更承認について、御報告いたします。資料11を御覧ください。本剤はProgrammed cell death-Ligand(PD-L1)に対する免疫グロブリンG1サブクラスのヒト化モノクローナル抗体であるアテゾリズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤であり、現在は切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能・効果として、本剤の単独投与の用法・用量が承認されております。今般、中外製薬株式会社から化学療法未治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与に係る用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。なお、今回の申請は既承認の効能・効果である切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌について、未治療の患者に対する用法・用量を追加するものであることから、薬事分科会における確認事項に基づき、部会報告事項とさせていただきました。議題1に関する説明は以上です。

○清田部会長 御質問がありましたらどうぞ。それでは、報告事項の議題1については御確認いただいたものといたします。事務局から、引き続き御説明をお願いします。

○事務局 アテゾリズマブについては、最適使用推進ガイドラインの作成品目となっておりますので、資料15-2、アテゾリズマブ(遺伝子組換え)の最適使用推進ガイドライン()について説明いたします。2ページの枠内の対象となる用法及び用量ですが、化学療法未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌に対する用法・用量が追加となっております。また、6ページ以降に記載している臨床成績ですが、今回、評価された化学療法歴のない扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を対象としたIMpower150試験の結果を追加しております。この試験において、既承認の化学療法に本剤を上乗せすることによって、OSの延長が確認されております。

 14ページ以降に記載している施設について、マル1とマル2について内容の変更はありません。マル3の副作用への対応についてですが、本剤と化学療法との併用により、注意すべき事項として発熱性好中球減少症が認められておりますので、マル3の3に副作用として発熱性好中球減少症を追加しております。

 最後に、16ページ以降の対象となる患者の所です。有効性に関する事項ですが、本剤の単独投与、本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与のそれぞれに対して、有効性が示されている対象を記載するとともに、有効性が確立していない患者に関する記載を変更しております。説明は以上になります。

○清田部会長 これに関しては、御質問等ありますか。大丈夫でしょうか。引き続き、報告事項の議題2、議題4をお願いするのでよろしいでしょうか。

○事務局 事務局より、議題2及び議題4について説明いたします。報告事項、議題2、医薬品ヘムライブラ皮下注30mg、ほか4規格の製造販売承認事項一部変更承認について報告いたします。資料12を御覧ください。本剤の有効成分であるエミシズマブ(遺伝子組換え)は、活性型血液凝固第IX因子と血液凝固第X因子に結合する二重特異性モノクローナル抗体であり、血液凝固第VIII因子の機能を代替します。本剤は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制を効能・効果とし、1週間隔で投与する用法・用量で、本年3月に承認されております。今般、中外製薬株式会社より、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有しない患者に係る効能・効果、並びに2週間隔及び4週間隔で投与する用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。なお、今回の効能・効果の変更は、投与対象を既承認の血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者から、インヒビターの有無によらず使用できるように変更するものであること。また、用法・用量の追加についても、既承認の用法・用量と比べて大幅な増量を伴わないことから、薬事分科会における確認事項に基づき部会報告事項とさせていただきました。

 続きまして、報告事項、議題4、医療用医薬品の再審査結果について報告いたします。資料番号は14-1と14-2で、これらは各品目の医薬品再審査確認等結果通知書となっておりますので、まとめて報告いたします。資料14-1は有効成分はブスルファン、有効成分はブスルフェクス点滴静注用60mg、資料14-2は有効成分名はデキサメタゾンシペシル酸エステル、販売名はエリザスカプセル外用400μg及び同点鼻粉末200μg28噴霧用のものです。これらの品目について、製造販売後の使用成績調査及び製造販売後臨床試験等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はないカテゴリー1と判定したものです。報告事項に関する事務局からの説明は以上です。

○清田部会長 委員の先生方の御質問がありましたらどうぞ。

○菊池委員 前にも聞いたと思うのですが、改めて審議事項と報告事項の違いを、今回はキイトルーダが部分的には審議事項で、メラノーマとかのところは報告事項で済んでしまっているのですが、それの基準は私の中では明確でなくて、何でしたか。

○清田部会長 いかがでしょうか。

○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。報告事項とさせていただいておりました悪性黒色腫及び切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の部分については、既承認の効能・効果を一部分変更するもので、部会審議を行うのは大きく異なる効能を追加する場合に審議事項とすることとしておりますので、既承認の効能・効果を一部変更するものだったために、薬事分科会における確認事項に基づき部会報告事項とさせていただいたものです。

○菊池委員 今回、私が何でそれをもう一回聞いたかというと、ヘムライブラというのが血友病の方に使う薬ですが、インヒビターの人だけだったのがインヒビターでなくなるというのは、血友病をやっている人からしたら、かなり革命的な違いであって、それは臨床的な意義から言ったらものすごい適応拡大になるように思うのですが、その辺はどういう御判断なのでしょうか。静注で使っているお薬が皮下注で1週ないし4週でできるということで、血友病に関しての革命的なシフトチェンジだと思うのですけれども。

○事務局 御質問ありがとうございます。ヘムライブラに関しては、先ほども説明させていただいたとおりで、第Ⅷ因子の機能を持つことによって、出血傾向の抑制をするというメカニズムに違いはなく、インヒビターのあり・なしにかかわらず、そこに変わりはないというところで、明らかに異質の効能を追加しようとするというものではないというところで、報告事項とさせていただいたところです。

○清田部会長 よろしいでしょうか。

○菊池委員 大体分かりましたが、これは例えば最初にヘムライブラの申請が通ったときに、次はインヒビターがないのにお願いしますよというように、その時点で話をしているのですか。それともまた別のところで相談しに行って、これはもう報告でいけるよというような御指導を受けているのですか。どうなのですか、これは。

○清田部会長 答えられますか。

○事務局 はい。それぞれの申請があって、その申請を審査する段階で、部会審議とするか、報告とするかというのは決めるという形になろうかと思います。

○清田部会長 ということですね。

○清田部会長 よろしいでしょうか。それでは、報告事項の議題2及び議題4については、御確認いただいたものといたします。本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はありますか。

○事務局 次回の部会は来年1月30()午後5時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

○清田部会長 本日はこれで終了とさせていただきます。よいお年をお迎えください。ありがとうございました。

( 了 )

 

備  考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 課長補佐 荒木(内線2746)

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