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2018年4月25日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○日時

平成30年4月25日(水)17:00~

 

○場所

厚生労働省共用第6会議室

○出席者

出席委員(13名)五十音順

  浦 野 泰 照、 亀 田 秀 人、 川 崎 ナ ナ、 菊 池    嘉、
◎清 田    浩、 鈴 木 邦 彦、 宗 林 さおり、 舘 田 一 博、
  登 美 斉 俊、 中 野 貴 司、 濵 口    功、 増 井    徹、
  南    博 信
 

欠席委員(8名)

大槻 マミ太郎、○奥 田 真 弘、 川 上 純 一、 田 島 優 子、
半 田     誠、  山 口 拓 洋、 山 本 善 裕、 渡 辺    亨
(注)◎部会長 ○部会長代理
 

行政機関出席者

宮 本 真 司 (医薬・生活衛生局長)
森    和 彦 (大臣官房審議官)
山 本    史 (医薬品審査管理課長)
佐 藤 大 作 (医薬安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
森 口    裕 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
桐 生 康 生 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○医薬品審査管理課長 それでは、定刻より少し早いようですが、先生方が全員おそろいですので、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。初めに、今回より新しく当部会の委員になられた先生方を御紹介いたします。渥美達也先生の御後任として、東邦大学医学部内科学講座教授の亀田秀人先生です。独立行政法人国民生活センター理事の宗林さおり先生です。
本日の委員の出席状況ですが、大槻委員、奥田委員、川上委員、田島委員、半田委員、山口委員、山本委員、渡辺委員より御欠席との御連絡を頂いております。現在のところ、当部会委員数21名のうち13名の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。続いて、事務局にも人事異動がありましたので御報告いたします。医薬品医療機器総合機構安全管理監の森口です。医薬品医療機器総合機構再生医療製品・ワクチン等審査担当審議役の桐生です。
続いて、部会を開始する前に事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告いたします。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので報告いたします。委員の皆様におかれましては、会議の開催の都度、書面を御提出していただいており、大変、御負担をお掛けしておりますが、何とぞ、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、清田部会長に以降の進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から、配布資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告を行ってください。
○事務局 それでは、順番に配布資料の確認を行います。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載されている資料1~13-1並びに14-1及び14-2をあらかじめお送りしております。このほか、資料13-2「オプジーボ点滴静注20mg及び同点滴静注100mgの最適使用推進ガイドライン(案)」、資料15「審議品目の薬事分科会における取扱い等(案)」、資料16「専門委員リスト」、資料17「競合品目・競合企業リスト」、資料18「イミフィンジ添付文書(案)(差替え)」を配布しております。また、当日配布の参考資料として、先日発出した最適使用推進ガイドラインの通知と、その後に続けて同日発出された保険局医療課長通知を配布しております。内容については、既に当部会で御確認いただいた内容から大きな変更はありませんので、こちらの紹介は割愛いたします。
続いて、本日の審議事項に関する、資料17「競合品目・競合企業リスト」について報告します。1ページです。イミフィンジ点滴静注120mg及び同点滴静注500mgです。本品目は、切除不能な局所進行の非小細胞肺癌を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。2ページです。ヌーカラ皮下注用100mgです。本品目は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。3ページです。アイセントレス錠600mgです。本品目は、HIV感染症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。4ページです。インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」です。本品はバイオ後続品であり、先行バイオ医薬品及び同様のバイオ後続品として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○清田部会長 今の事務局からの説明について、特段の御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、皆様の御了解を頂いたものといたします。それでは、委員からの申出状況について報告をお願いします。
○事務局 各委員からの申出状況については次のとおりです。議題1「イミフィンジ」、退室委員は南委員、議決には参加しない委員は亀田委員、舘田委員、中野委員。議題2「ヌーカラ」、退室委員なし、議決には参加しない委員は亀田委員、清田委員、舘田委員、中野委員。議題3「アイセントレス」、退室委員は菊池委員、議決には参加しない委員は舘田委員、中野委員、南委員。議題4「インフリキシマブ」、退室委員は亀田委員、議決には参加しない委員は舘田委員、中野委員、南委員。また、議題5についても各委員より寄付金、契約金等の受取りの申告を頂いておりますが、本議題は薬事分科会審議参加規程第18条の「個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議」に該当しますので、部会後に厚生労働省のホームページ上で申告書を公開することをもって、審議及び議決に加わることができるものとなっております。以上です。
○清田部会長 ただいまの事務局からの説明について、特段の御意見はございますか。よろしければ、皆様の御確認を頂戴したものといたします。本日は審議事項が5議題、報告事項が7議題、その他が2議題となっております。
審議事項の議題1に移ります。南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議題1の審議の間、別室で御待機いただくことにいたします。それでは、議題1について、医薬品医療機器総合機構から概要を御説明していただきます。よろしくお願いいたします。
                                  (南委員退室)
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料番号1、医薬品イミフィンジ点滴静注120mg他の製造販売承認の可否等について機構より説明します。本剤はProgrammed cell death-ligand1に対する免疫グロブリンG1サブクラスのヒト型モノクローナル抗体である、デュルバルマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤です。
今般、本剤は切除不能な局所進行の非小細胞肺癌を効能・効果として承認申請されました。平成30年2月時点において、本剤は非小細胞肺癌に係る効能・効果として米国のみで承認されております。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料16にあるとおり9名の委員です。以下、臨床試験成績を中心に審査の概略を説明します。
今般の承認申請では、主な臨床試験成績としてPACIFIC試験と呼ばれる国際共同第Ⅲ相試験であるD4191C00001試験が提出されました。有効性については、審査報告書の23ページの上から14行目以降、26ページの上から4行目以降及び56ページの上から14行目以降に記載しております。
24ページの表17及び図1を御覧ください。白金系抗悪性腫瘍剤を用いた根治的化学放射線療法後に、疾患進行が認められなかった切除不能な局所進行の非小細胞肺癌患者を対象としたPACIFIC試験において、主要評価項目とされた無増悪生存期間についてプラセボ群と比較して本剤群の優越性が示されたこと等から、本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
安全性については、審査報告書の27ページの下から10行目以降及び56ページの下から12行目以降に記載があります。27ページの下から10行目以降を御覧ください。本剤の使用時に特に注意すべき有害事象として、間質性肺疾患、肝機能障害、腎障害、infusion reaction及び内分泌機能障害、甲状腺機能障害、副腎機能障害が認められております。
これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による慎重な観察、過度の免疫反応による副作用を考慮した鑑別診断や管理等の適切な対応により忍容可能と判断いたしました。ただし、日本人における検討症例は限られており、製造販売後には使用成績調査の実施が必要であると判断しております。
以上のような審査の結果、機構は切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法を効能・効果として、本剤を承認することが可能と判断いたしました。本剤は、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品に該当し、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願いいたします。
なお、事前に配布している添付文書(案)に誤記がありました。申し訳ございません。本日、資料番号18として修正した添付文書(案)を机上に配布しておりますので、御確認をお願いいたします。当該誤記については、CTDのモジュールM1.7、1.8及び1.10や該当箇所についても同様の修正が必要であり、部会資料の搬入までに間に合っておりませんが、CTDについても正しく修正いたします。なお、当該誤記による審査内容への影響はございません。説明は以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生から御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
○菊池委員 どなたも何もなければ。今回のものは非常によくまとまっていて、聞きたいことが書かれていたと思います。投与期間について12か月と言っていますが、同効薬オプジーボはそういう記載がありません。これは、もちろん、12か月以上投与していないということで、その時点で効いている患者に、もう12か月たったから使えませんからという説明をするのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりです。PACIFIC試験では、前治療の放射線化学療法で効果が得られている患者に対する維持療法として本剤が投与されいることも踏まえ、臨床試験で効果が持続している患者であっても本剤の投与は12か月までとされていたことから日常臨床においても同じような使い方をしていただきたいと考えております。
○菊池委員 ちなみに、オプジーボは投与できてしまいますよね。
○医薬品医療機器総合機構 オプジーボの臨床試験では、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌が対象とされており、対象が異なりますが、本剤の投与が12か月までとはされていませんでしたので、オプジーボの場合は疾患が増悪していなければ投与を継続することが可能です。
○菊池委員 あと、42ページに、組織系の分類があります。これは、日本人の部分集団では何人ずついて、効き目が同じくらいと本文中に書いています。扁平上皮癌と非扁平上皮癌の比率みたいな偏りはどこかに書いてありますか。
○医薬品医療機器総合機構 報告書上には記載がありません。データを確認しますので、しばらくお待ください。
○菊池委員 すぐに分からないと思ったので、あと、そこの全体のPACIFIC試験の例数を足すと本薬群が476になります。これは誤記だと思いますが、475だと思って追い掛けてきていて、足し算して252+224なので476ですよね。なので、これは間違っています。
○医薬品医療機器総合機構 表43に提示させていただいてる症例数で問題ありません。
○菊池委員 本剤群に投与したのは475ではないのですか、476になってしまいますよ。
○医薬品医療機器総合機構 本薬群は476で間違いありません。
○菊池委員 476ですか、それならばいいのです。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○菊池委員 475ですので、22ページの表16だと、本薬群が475となっています。その後、ずっと475できていると思いますが、組織系別の安全性の概要は254と211で合計の数は合いますけれど、組織系の不一致があると思います。これは、第三者委員が見て扁平上皮癌であった、そうではなかったという判断が入っていて変わっているなら、それは理解できます。意味が分かりましたか。
○医薬品医療機器総合機構 ご質問の意図が理解できました。再度説明させていただきます。報告書の23ページを御覧ください。中段に7.1.1.2と記載されたPACIFIC試験の概要部分の上から3段落目をご覧ください。本試験に登録されて無作為化された時点では713例、本薬群476例とプラセボ群237例となります。その後、プロトコールエラー等があり1例除外されたので、登録例数としては本薬群475例とプラセボ群234例となります。
○菊池委員 そうすると、組織系の分類のほうはやる前のものが入っているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 有効性の解析に関しては、この。
○菊池委員 含めたわけですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○菊池委員 分かりました。それで、日本人のものは分りましたか。
○医薬品医療機器総合機構 申し訳ありません。日本人の組織型別の結果は、本日お答えする資料をお持ちしていないので、後日、御説明させていただくということでもよろしいでしょうか。
○菊池委員 分かりました。今回、めくっていくと私が非常に聞きたいことが出てきたので、日本人の部分集団について知りたいところがなかったので、そこだけケチが付きますが、今回非常にいいかと思って、文句を言っているように聞こえるかもしれませんけれど、いいかと。
あと、副次項目、カプランマイヤーも非常に見やすく書いてありますが、ハザード比が〇〇だったという所に図の説明が全くなくて文章だけです。皆さん読み込んでいるので分かりますよね。それは、どこかにあるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 現時点で入手できるOSの結果は、PFSの中間解析のときに実施されたので、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇ブラインド下で継続してOSに関する情報収集が行われております。現時点ではOSのカプランマイヤー曲線を確認できておりませんが、ただ、我々としては、OSのハザードが〇〇〇〇ということの確認をもって本剤を承認して差し支えないのではないかと判断しております。
○菊池委員 ここは自信がなく書かれているようで、メインリザルトだと思うので、現状のことも出してあれば、かなり満足ということです。ここはコメントです。
○清田部会長 菊池委員のお墨付きを頂いたということで、よろしいでしょうか。ほかに何かございますか。
○川崎委員 審査報告書の4ページの製造工程の開発の経緯からお聞きいたします。今回の審査報告書は製造変更のことが少し分かりにくいと思いました。これを読む限りでは、〇〇〇〇〇〇〇〇、〇〇〇〇〇〇〇、〇〇〇〇の変更は、臨床試験前のロットで実施していると読めます。今回、コンパラビリティは臨床試験なしに評価をしたということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。そのとおりです。変更前の製剤が、今回、日本での申請に用いられた臨床試験で用いられています。品質のコンパラビリティ試験により製法変更前後で同等であったことから、変更前の製剤を申請製剤とすることは問題ないと考えております。また、変更後の製剤については、海外試験では使われているというところです。
○川崎委員 〇〇〇〇〇も、〇〇〇〇も変更されていますが、それでも臨床試験による評価がなされていないので、少し驚きました。品質で評価されたということですが、本製品は、QbDで開発されており、〇〇〇〇がCQAになっています。また、〇〇〇〇のリスクスコアが一番高いようです。〇〇〇〇も臨床試験なしに評価したということになると思います。〇〇〇〇を比較するのは大変難しい中で、品質だけでどのようにコンパラビリティを考えたらいいのかということについて、今後のためにも考え方をお聞かせいただきたいと思いました。
○医薬品医療機器総合機構 〇〇〇〇においては、おっしゃられたとおり、品質試験でどこまで〇〇〇〇に影響を及ぼすのかを評価することは難しいと思います。今回、実施された試験では、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇や〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇、また、〇〇〇〇でも変更前後でほとんど変わらない結果が得られているので、ここは問題ないのではないかと見ております。また、市販後の中でも何かあれば報告が上がってくるかと思いますので、そういうことで対応するしかないのかと思っております。
○川崎委員 既に海外では使われているということですが、ウイルスクリアランス試験とプロセスバリデーションは、どちらの製法でなされているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 両方で行われています。もちろん、今回、申請製法におけるウイルスクリアランスとプロセスバリデーションをきちんと評価しました。
○川崎委員 分かりました。ありがとうございました。
○清田部会長 ほかに何かございますか。
○浦野委員 きちんと読み込めているかどうか分からないのですが、今回の対象はもともと切除不能な局所進行の非小細胞肺癌でした。それが、結局、CRT後も増悪していないようなものに限るということをより明確にうたった内容になっているかと思います。この実際に進行していないクライテリアについて、こういう所に全く何も書かず、医師の判断のみで進行していないという判断ができるのか、それとも、何か指標を用意されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 がん領域の医療現場では、全世界的に汎用されているRECIST基準という基準があり、それに基づいて判断されると考えております。
○浦野委員 それは、明確にここに記す必要はないということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に浸透しておりますので。
○浦野委員 一般的なもの、分かりました。それと、12か月までということなのですが、この投与期間中に増悪が見られた場合は、そこで中止することになるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ご指摘のとおりとなります。
○浦野委員 分かりました。
○清田部会長 よろしいでしょうか。ほかに御意見がないようでしたら、議決に入ります。なお、亀田委員、舘田委員、中野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議がないようですので承認を可として薬事分科会に報告いたします。
ここで、本品目に関して事務局より追加の説明があるということですので、よろしくお願いします。
○事務局 本品目ですが、先ほど申し上げたように抗PD-L1抗体ということで、オプジーボ、キイトルーダ、そのほか抗PD-L1抗体もありますが、それらと同様に、最適使用推進ガイドライン(案)を作成しておりますので、その内容について説明します。
事前にお配りしている資料No.13-1です。かなり薄めの資料になっており恐縮です。今回、作成する品目と対象となる癌種に関して表紙に記載しております。デュルバルマブ(遺伝子組換え)の非小細胞肺癌に関する最適使用推進ガイドライン(案)です。
1ページに本最適使用推進ガイドライン(案)の構成を示しておりますが、こちらに関しては、これまでに作成したオプジーボやキイトルーダ等と同じ内容です。2ページです。今回、対象となる医薬品について枠の中に記載しております。対象となる効能又は効果は、先ほどの説明のように、「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」ということで、これまでに承認されている医薬品とは違う初めての使い方ということです。このガイドラインの作成に当たり、枠のすぐ上に記載がありますが、日本臨床腫瘍学会、日本臨床内科医会、日本肺癌学会、日本呼吸器学会の御協力の下に作成しております。3ページです。本剤の特徴、作用機序です。こちらには、抗PD-L1抗体であるということをお示ししております。また、4ページからの臨床成績については、先ほどの説明のとおりですので割愛いたします。5ページの安全性の結果についても同様です。
6ページからは、施設についてです。施設については、これまでにオプジーボ、キイトルーダ、テセントリクの3つで、非小細胞肺癌の最適使用推進ガイドラインを作成しておりますが、内容としてはそれらと全く同じです。マル1施設について、も、マル1-1でがんの治療に精通していらっしゃる医療機関ということ、また、マル1-2において、肺癌の化学放射線療法を含むがん薬物療法及び副作用発現時の対応に、十分な知識と経験を有する医師を治療の責任者として配置しているということを記載しております。
また、マル2については、院内の医薬品情報管理の体制が整っていること、7ページですが、マル3の副作用への対応についても、これまでのオプジーボ、キイトルーダ、テセントリクの肺癌の場合と同様に、副作用が発生した場合に速やかに対応できる体制を取っていただくということを記載しております。
8ページです。今回の投与対象となる患者の部分ですが、これまでのオプジーボ、キイトルーダ、テセントリクと違う部分です。まず、安全性に関する事項ということで、マル2です。今回は維持療法ですので、臨床試験で組み入れられていなかった患者に関しては、安全性の観点から投与対象とならないということで、まず、1点目は、根治的化学放射線療法によりGrade2以上の間質性肺疾患の発現が認められた患者、もう1つは、Performance Status、患者の状態として、状態が良い方に限って使用するということを記載しております。
マル1とマル3に関しては、これまでのオプジーボ、キイトルーダと同様に添付文書の禁忌の患者と慎重投与の患者を記載しております。また、有効性に関する事項として、マル1に今回の臨床試験の対象となった患者の基準を記載しております。マル2に関しても、これまでに情報が得られていない対象集団について、本剤の投与対象とならないということを記載しております。
9ページからは、投与に際して留意すべき事項です。こちらに関しても、これまでのオプジーボ、キイトルーダと同様に、まず、添付文書等に加えて、その他の資材等も含めて本剤の特性や適正使用のための情報を十分に理解していただくこと。また、治療の開始に先立ち、患者や家族に十分な説明をしていただくこと。また、副作用のマネジメントをしていただくこと、こちらは、これまでのものと同様の記載となっております。
10ページです。こちらに記載の誤記があるので修正させていただきます。4.に記載の「本剤の臨床試験において投与開始から12か月間を8週毎」、このあとの読点からその行の終わりの「それ以降は、12週毎」という記載が不要なので削除いたします。こちらに関しては、有効性があるかどうかということに関して、定期的に御確認いただくということを記載しております。以上です。
○清田部会長 この件に関して、委員の先生方から御質問等ございますか。いかがでしょうか。
○菊池委員 適正ガイドライン、何という名前でしたか、ガイドラインのPerformance Statusが2~4ということは添付文書に書いてあるのですね。これは、全体に掛かるのでしょうか。
○事務局 こちらは、今回、臨床試験の成績で組み入れられていなかった患者ということで、こちらの最適使用推進ガイドラインにのみ記載しております。
○菊池委員 そうすると、こういう文章の取扱い方というのが、結局、この添付文書が出る前だったら、適正ガイドラインに従って使うということを何か一文書く必要はないのでしょうか。
○事務局 今回、この薬剤が薬価収載される際に、保険適用上の留意事項を保険局医療課から併せて発出することになっており、留意事項通知では、こちらの最適推進ガイドラインに基づき使用するということが記載されることになります。保険診療下で使われる場合には、こちらのガイドラインも併せて適正に使っていただくということが必要になります。
○菊池委員 この最適使用推進ガイドラインは、これを含めて4種類出ていますが、ほかの薬もあるのでしょうか。
 
最近というか、ここ1、2年でこういう話が出てきました。そこの取扱いというか、添付文書のここの中のどちらも正しいというか和集合でやれば一番いいと思うのですけれど、そういう取扱いの明確化というか、前から言っていますが、学会で言っているガイドラインとこれは違うわけですよね。素人だからかもしれないのですが、こうやっていくとその位置付けがますます分からなくなるかと思います。ですから、そこはどういう扱いになるのでしょうか。前も同じようなことを聞いたと思います。
○事務局 最適使用推進ガイドラインを作成する経緯として、最近、革新的で高額な薬剤が増えてきたということがあるので、医薬品の承認をされている範囲の中でも、特に最適な使用と考えられる患者はどういう方なのかということをお示しして、その範囲内で保険診療の中でも使っていただくということをお示しするために作成しておるものです。
○菊池委員 そこまでここで言うのであれば、添付文書の中にも一行書いていいのではないのですかと思いますが、それについていかがでしょうか。オプジーボやキイトルーダにも適正使用ガイドラインがあるのだということを書いて、使うときにこちらを見るとも限らないという意味です。
○清田部会長 大丈夫ですか。
○新薬審査第五部長 添付文書の臨床成績の所には、実際に組み入れられた患者のPerformance Statusとして0又は1と書いておりますので、それ以上の患者は試験に入っていないということでガイドラインのほうに、裏表の関係で記載しております。
あと、類薬でもこういうガイドラインがあるので、きちんと情報提供しなければいけないのではないかというお話があったと思います。基本的には、保険の通知も併せて出ておりますので、臨床現場の先生としては、ある程度高額なお薬なので必要な項目が書かれているガイドラインについては、現場でも徹底してお使いになっております。恐らく、本剤を使う方が違う類薬を使うときに、そのガイドラインの存在を全く知らないということはないと思います。
○菊池委員 もうやめますけれど、そういうことは大事なことなのだから、なぜ添付文書に書かないのですかという意味で聞いているわけです。適正使用ガイドラインがあるから、添付文書にそういうものも参考にしなさいと一言書けばいいではないかということを言っているわけです。いろいろな資材を使うということもそうですが、この最適使用推進ガイドラインを作っているのならば、それの最新バージョンを確認するようにということを、ここの基本事項の辺りにでも書いたほうがいいのではないかと思うのですが、それはそうなっていないということです。
○医薬安全対策課長 添付文書の注意は、基本的にどの医療従事者であっても守るべき事項として一般的なことが書かれています。そういう意味では、最適使用推進ガイドラインはそれを更に一歩踏み込んで、要するに、使用の対象となる患者や医療機関をガイドラインという形の中で絞り込んでいるものです。添付文書と最適使用ガイドラインは、また別々のものであるということなので、あえて、添付文書の中にそういうものがあるということを記載するというのは、添付文書の場合、一般的な注意を与えるという趣旨からすると少し違うということで、そこは分離した形で今は運用させていただいているということです。
○清田部会長 という形で御了解いただいて、今後の推移を見るというところではないかと思います。このガイドライン自体の内容について、ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、菊池先生、少しモヤモヤしておりますが、こういう形でよろしいでしょうか。
○菊池委員 せっかくなら、もっときちんと伝えたらいいということです。
○清田部会長 いつも言うように、ガイドラインは世に言う、我々が使っているガイドラインと少し違うということです。ただし、法律でもないのです。そこの理解は正しくしたいと思っております。こういうところでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、御確認いただいたものといたします。別室で待機されております南委員をお呼びください。
                                  (南委員入室)
○清田部会長 それでは、議題2に移ります。議題2について、医薬品医療機器総合機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、ヌーカラ皮下注用100mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。本剤の有効成分であるメポリズマブ(遺伝子組換え)は、インターロイキン-5に対するヒトIgG1モノクローナル抗体であり、気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)に対して承認されております。今般、血管炎症候群のうち、ANCA関連血管炎の一病型である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(以下、EGPA)に関する効能及び効果で製造販売承認事項一部変更申請されました。
海外において、本剤のEGPAの効能は、2017年12月に米国で承認されています。また、本薬は2013年8月に開催された当部会で御審議いただき、現在、国内外で使用されているEGPAに変更される前の呼称であるチャーグ・ストラウス症候群に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されております。本申請の専門委員として、資料16に記載されている5名の委員を指名いたしました。主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡単に説明いたします。
有効性について、審査報告書の6ページの表4を御覧ください。この表は再燃の既往がある、又は難治性のEGPA患者であって、EGPAの標準的治療薬である経口ステロイド薬を投与中の患者を対象に実施された国際共同治験における有効性の成績を示しています。本試験の主要評価項目として、累積寛解維持期間別の被験者割合並びに36週時及び48週時の両時点で寛解状態であった被験者割合がco-primary endopointとして設定されています。
表4の上から3段目から7段目を御覧ください。累積寛解維持期間別の被験者割合は、本剤群で維持期間が長い患者の割合が多く、上から8段目のとおり、一番右の列のプラセボに対して中央の列の本剤の優越性が検証されております。さらに、表4の一番下の段を御覧ください。36週時及び48週時の両時点で寛解状態であった被験者割合についても、一番右のプラセボに対して中央の列の本剤の優越性が検証されております。また、日本人部分集団の例数は各群3例ずつと極めて限られておりますが、本剤群でのみ、36週以上の累積寛解維持を認めていること等、本剤の有効性を明確に否定する成績はなく、全体集団の成績に基づき本剤の有効性を評価することは可能と考えました。以上より、本剤のEGPAに対する有効性は示されたと判断いたしました。
安全性につきまして、審査報告書12ページの表12を御覧ください。この表は、国内及び海外の臨床試験において認められた有害事象の発現状況を示しています。EGPA患者において、気管支喘息患者での安全性プロファイルと比較して新たな懸念は認められておらず、本剤の安全性に関する新たな注意喚起は不要と判断し、適応疾患の治療に精通している医師の下で使用する等、現行と同様の安全対策が必要と考えております。以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。
本剤は本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていることから、本申請に係る効能又は効果、並びにその用法及び用量の再審査期間は10年と判断しております。薬事分科会では報告を予定しています。以上、よろしく御審議のほどお願いいたします。
○清田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。今回は比較的まれな病気が対象になるということです。
○菊池委員 この薬は私も全然知らない薬ですけれども、infusion reactionがそんなに高くはないと思うのですが、これを喘息ではなくてこちらに使うときは300mgですから、これは3か所に打つのですか。そのことはどこかに書いてありますか。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書の2ページの右側に記載しております。
○菊池委員 分かりました、「3か所に分けて」と書いてありますね。これはすごく大事かなと思っています。3mLを打つ方はいないとは思うのです。1mLでも皮下注射というのは結構難しいですから。これは、場所的にはここにしか出てこないのですね。混ぜるほうなので、間違えて3cc取る人はいないとは思うのですが、分かりませんので。そこだけ少し気になりました。
○医薬品医療機器総合機構 同じく適応上の注意の項では調製方法の所に、1.2mLで採取して溶解して、1mLを採取する旨の記載がありますので、その点も一緒に併せて見ていただければ、この1バイアルは1mLを取ることは臨床現場でも理解いただけるものだと思っております。
○菊池委員 分かりました。
○清田部会長 どうぞ。
○南委員 有効性の表4の見方を教えていただきたいのですが、この疾患は多彩な症状を呈すると思うのですが、累積寛解維持期間別の寛解状態の被験者割合ですが、この試験を開始したときは何らかの治療で寛解にあった患者をランダム化したのか、症状がある非寛解状態で治療に入って、0週目は取りあえず寛解に入ったのだけれども、その後に12週になってくるとガクッと寛解から外れてしまうのか、このデータはどのように見たらいいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の16ページに寛解の定義を載せております。10の「その他」の項の表の上から3段目に、EGPAの寛解の定義を記載しております。こちらでは疾患活動性の評価スコアであるBVASが0かつ経口ステロイドの用量が4mg以下とされています。
○医薬品医療機器総合機構 寛解の定義の2の中にもあるのですが、OCSが7.5mg以下というのがあります。ここに組み入れられた患者はいずれも7.5mg以上を使っている状態で組み入れられていますので、寛解はしていないという状態で治験に入って、寛解状態に持っていったところを評価しています。要するに、OCSも低減できる状況まで持っていったという期間を算出していると御理解いただければと思います。
○南委員 それでしたら、非寛解状態で治療に入って、当初はプラセボ群のほうが寛解割合が高かったという理解になるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 いいえ。分かりづらくて申し訳ありませんが、寛解に至らなかった方の成績を0週としております。寛解に至り、12週までの期間、寛解が維持できた方の成績が2段目です。12週から24週までの期間、寛解が維持できた方の成績が3段目という形でお示ししており、表の下段にいくほど寛解を維持できた期間が長くなる形になっています。
 
 
○南委員 分かりました。
○清田部会長 ほかに御意見がございませんようでしたら議決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。議決に入ります。なお、亀田委員、舘田委員、中野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。私も同様の扱いです。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。
それでは、議題3に移ります。議題3について、菊池委員は利益相反に関する申出に基づき、議題3の審議の間は別室で御待機いただくことといたします。
                                 (菊池委員退室)
○清田部会長 議題3について、医薬品医療機器総合機構から概要を説明してください。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料3、医薬品アイセントレス錠600mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。アイセントレス錠600mg(以下、本剤)は、インテグラーゼ阻害剤であるラルテグラビル(以下、本薬)を有効成分として含有する製剤です。本邦では、本薬を400mg含有するアイセントレス錠400mgがHIV感染症を効能・効果として本薬400mgを1日2回投与の用法・用量にて、既に承認されています。
本剤は患者の利便性向上を目的として、既承認製剤よりも服薬回数を減らし、本薬1,200mgを1日1回投与とする新たなレジメンとして開発されました。本剤はHIV感染症に対して昨年5月及び7月に、それぞれ米国及び欧州で承認され、2017年10月時点で34の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として、資料16に記載の4名の委員を指名いたしました。審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。
有効性について、審査報告書12ページの1段落目を御覧ください。未治療の成人HIV-1感染症患者を対象とした海外第Ⅲ相試験において、本薬1,200mg1日1回投与レジメン、1,200mgQD群と既承認の本薬400mg1日2回投与レジメン、400mgBID群の比較試験として実施されました。3行目を御覧ください。主要評価項目とされた治験薬投与開始後48週時のHIV-1 RNA量が、40copies/mL未満の被験者の割合は、1,200mgQD群で88.9%、400mgBID群で88.3%でした。1,200mgQD群と400mgBID群の群間差の95%信頼区間の下限値は-4.2であり、事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、400mgBID投与に対する1,200mgQD投与の非劣性が検証されました。
また、同じページの下から1段落目の「未治療の」で始まる段落の記載を御覧ください。未治療患者を対象とした海外第III相試験のデータを用いた解析の結果、1,200mgQD投与時の本薬の濃度は、ウイルス学的抑制が得られると期待される濃度に達していると考えられ、また400mg1日2回投与に対する1,200mg1日1回投与の非劣性が検証されたことから、「本薬400mg1日2回投与レジメンによりウイルス学的抑制が得られている患者」に対しては、本薬400mg1日2回投与レジメンから1,200mg1日1回投与レジメンに切り替えられた場合にも、ウイルス学的抑制を維持することは期待できると判断しました。以上の試験成績等を踏まえ、未治療又は本薬400mg1日2回投与を含むレジメンによる治療で、ウイルス学的抑制が得られている成人HIV感染症患者に対する本剤の有効性は期待できると判断しました。
次に、安全性について審査報告書9ページから10ページの表8を御覧ください。この表は、海外第III相試験における治験薬投与後96週時までに認められた有害事象のうち、発現割合が5%以上の事象を示しています。1,200mgQD群の有害事象の発現割合や主な有害事象は、400mgBID群で確認されている安全性プロファイルと大きな差異はなく、本薬1,200mgQD投与時に新たな懸念となるような事象は認められませんでした。このため、本剤の添付文書においてもアイセントレス錠400mgと同様の注意喚起を行った上で、本剤の安全性は許容可能と判断しました。なお、日本人に本剤を投与した際の有効性及び安全性情報は得られていないことなどを踏まえ、本剤では全投与症例を対象とした使用成績調査を実施する予定としています。以上の審査を踏まえ、機構は審査報告書2ページに記載している承認条件を付した上で本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。
本剤は希少疾病用医薬品ですが、アイセントレス錠400mgが2008年8月に承認されており、本剤の成分であるラルテグラビルカリウムについては、本邦において一定の使用経験を有することから、再審査期間は希少疾病用医薬品の再審査期間である6年を超え10年を超えない範囲のうち、6年1日と設定し、生物由来製品及び特定生物由来製品には該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断しています。薬事分科会には報告を予定しています。
なお、審査報告書に誤記がございました。審査報告書7ページの表5の一番左の「併用薬」の列の一番下の「水酸化マグネシウム/水酸化アルミニウム」のカラムに「注釈d」と記載していますが、「注釈e」の誤りでしたので訂正いたします。この訂正による審査結果への影響はございません。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、委員の先生方からの御質問、御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。今まで、1日2回であったものが1日1回で済むというような、とても便利なところはあると思います。よろしいでしょうか。御意見がないようでしたら、議決に入りたいと思います。なお、舘田委員、中野委員、南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。別室で待機されている菊池委員をお呼びいただきたいと思います。
                                 (菊池委員入室)
○清田部会長 それでは、議題4に移ります。亀田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして議題4の審議の間、別室で御待機いただくことにいたします。
                                 (亀田委員退室)
○清田部会長 それでは、議題4及び報告事項の議題1について、医薬品医療機器総合機構から概要を御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 審議事項の議題4と報告事項の議題1について説明させていただきます。資料4と資料6の印の入った資料を御覧ください。まず、審議事項の議題4について説明いたします。
本剤は抗TNFαモノクローナル抗体であるインフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]を有効成分とする製剤であり、レミケード点滴静注用100を先行バイオ医薬品とするバイオ後続品として、ファイザー株式会社により製造販売承認申請がなされました。本剤はチャイニーズハムスター由来の細胞を用いて製造されることから、生物由来製品とすることが適当と考えております。また、先行バイオ医薬品のレミケードは原体・製剤ともに劇薬に指定されていることから、レミケードと同等/同質である本剤についても、原体・製剤ともに劇薬とすることが適当と考えております。
次に、同一品目に係る報告事項、議題1につきましても併せて御説明申し上げます。医薬品医療機器総合機構による審査の結果、本剤とレミケードの同等性・同質性が確認されたことから、本剤をレミケードのバイオ後続品として承認して差し支えないと判断いたしました。報告事項につきましては以上です。
審議事項の議題4、本剤の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、委員の先生方から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。御意見がないようですので議決に入りたいと思います。なお、舘田委員、中野委員、南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。本議題について、劇薬及び生物由来製品の指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。別室で待機されている亀田委員をお呼びしていただきたいと思います。
                                 (亀田委員入室)
○清田部会長 それでは議題5に移ります。事務局から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 資料5を御覧ください。生物学的製剤基準の一部を改正することの可否について、事務局より御説明いたします。資料の1ページを御覧ください。医薬品医療機器等法の第42条第1項に基づいて、「保健衛生上特別の注意を要する医薬品等について、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて必要な基準を設けることができる」とされており、生物学的製剤基準において、ワクチン、血液製剤等に係る基準を定めております。この度、「5価経口弱毒性生ロタウイルスワクチン」に該当する医薬品に対し、一部変更承認申請がなされており、それを踏まえ、対応する条について必要な改正を行うことを検討しております。なお、当該医薬品に係る承認の可否については、部会の審議又は報告事項に該当しないため、本日の議題には入っておりません。
具体的な改正内容については、2枚目を御覧ください。下線部の部分を変更することとしており、具体的には3.1.1、製造に用いる培養細胞株の確認試験について、これまで細胞に含まれる酵素を分析するアイソザイム分析のみを規定していたところ、細胞に含まれるDNAの配列を分析するDNA配列分析を追加することとしております。また、両試験で必要となる細胞の量が異なるため、3.1の試験に用いる細胞の量の規定の変更も行っております。以上、生物学的製剤基準の改正につきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、委員の先生方から御質問、御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。これはよろしいでしょうか。それでは御意見がないようですので、議決に入ります。本議題について、改正を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、改正を可として薬事分科会に報告させていただきます。
それでは、報告事項に入ります。報告事項につきましては、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項の御説明をいたします。報告事項議題1のインフリキシマブについては、先ほど審議事項議題4において御説明しておりますので、報告事項議題2、資料7から始めさせていただきます。報告事項議題2、医薬品ヤーボイ点滴静注液50mgの製造販売承認事項一部変更承認について、及び議題3、医薬品オプジーボ点滴静注20mg及び同点滴静注100mgの製造販売承認事項一部変更承認についてに関して、両品目は併用して投与されることから、併せて御報告いたします。資料7と資料8を御覧ください。
オプジーボはProgrammed cell death-1に対する免疫グロブリンG4サブクラスのヒト型モノクローナル抗体であるニボルマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤であり、現在は根治切除不能な悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌及びがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌を効能・効果として承認されております。また、ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4に対する免疫グロブリンG1サブクラスのヒト型モノクローナル抗体であるイピリムマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤であり、現在は根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として承認されております。
今般、小野薬品工業株式会社及びブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社から、根治切除不能な悪性黒色腫に対するオプジーボとヤーボイとの併用投与の用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。報告事項2及び報告事項3に関する御説明は以上です。
○清田部会長 それでは、委員の先生方からの御質問等がございましたらお伺いいたします。いかがでしょうか。御意見がないようですので、報告事項の議題2及び議題3につきましては、御確認いただけたものといたします。事務局から引き続き御説明をお願いいたします。
○事務局 先ほどの議題に関しまして、オプジーボの悪性黒色腫に関する用法・用量の一部変更がございましたので、今回オプジーボの最適使用推進ガイドラインに関しても改定を予定しております。本日お配りした当日配布資料の資料13-2を御準備ください。これまでにもオプジーボに関して、単独投与において悪性黒色腫の適応を有していたことから、網掛けの部分が今回の一部変更承認申請の内容を反映した部分です。ですので、網掛け部分を中心に御説明させていただきます。
2ページを御覧ください。今回、網掛け部分で追加になっている用法・用量を記載しておりますが、イピリムマブとの併用投与の用法・用量が追加となるということです。
また、臨床試験成績ですが、今回実際に実施された臨床試験の成績につきましては5ページから追加をしております。主な臨床試験成績としては、6ページのマル6海外第III相試験というものがありますが、こちらで化学療法未治療の悪性黒色腫患者を対象にイピリムマブ単独、オプジーボ単独、それに本剤とイピリムマブの併用をした3群を置いた臨床試験を実施しております。図2がOSのKaplan-Meier曲線ですが、一番下の線がイピリムマブ群、その上の実線がオプジーボの単独群、その上の点線と棒線の組合せがオプジーボとイピリムマブを併用して投与した群ということで、併用投与することにより、OSが延長するという結果が得られているという状況です。
安全性の結果については11ページから追加しておりますが、こちらに関しては、これまでに悪性黒色腫、またほかの癌種でも認められている安全性のプロファイルと大きな違いはなかったということを確認しております。
続いて、14ページを御覧ください。参考情報ということで、今回PD-L1の発現状況別の有効性と安全性についてお示ししております。図4の左側がPD-L1の発現率が1%未満の患者、右側が1%以上の患者を記載しております。左側のPD-L1の発現率が1%未満、PD-L1の発現率が低い患者さんにおいては、本剤とイピリムマブを併用することによって、オプジーボ単独とイピリムマブ単独よりもOSが上回るという結果が得られています。右側のPD-L1の発現率が1%以上の群を見ていただきますと、オプジーボの単独の場合と、本剤とイピリムマブを併用した群とで、成績としてはかなり似通った成績になっているということで、オプジーボの発現状況により併用する効果に傾向の違いが見られているという結果が得られております。この点につきましては、後ほど御説明させていただきます。
続いて15ページから「施設について」ということですが、今回、これまでの投与対象となる患者と同じ患者において、オプジーボとヤーボイについて併用するという選択肢が増えるということですので、施設についての要件に関しては特に変更はございません。網掛けになっている部分は時点の修正があったということだけです。
続いて17ページを御覧ください。投与対象となる患者についての記載です。今回追加しているのは18ページを御覧ください。網掛けの部分はマル3ですが、先ほどお示ししましたように、本剤とイピリムマブを併用する場合にはPD-L1の発現状況により上乗せの効果が異なる傾向が示唆されるという結果が得られておりますので、一番下から3行目、「14ページ参照」の次からの文章ですが、化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者において、本剤とイピリムマブとの併用投与の可否を判断する場合にはPD-L1の発現率を確認することが望ましいということ、またPD-L1の発現率が1%以上であることが確認された患者においては、原則オプジーボの単独投与を優先するということで記載しております。
19ページについては、投与に際して留意すべき事項ということで、これまでPD-L1の測定に関して記載している場合には共通の記載を入れているということで、今回こちらにも追加をしています。今回の最適使用推進ガイドラインの変更箇所については以上です。
○清田部会長 それでは、委員の先生方から御質問等がございましたらお願いいたします。先ほどの最適使用ガイドラインと同じような扱いということになります。内容的にはよろしいでしょうか。御意見がないようですので御確認いただいたこととしまして、引き続き報告事項の議題4から議題7まで、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは議題4、資料9、条件付き早期承認制度の適用について、事務局より御説明します。条件付き早期承認制度の取扱いについては、資料9の2ページを御覧ください。こちらに概要をお示ししておりますが、これまでも検証的な治験の実施が困難な場合、あるいは治験が実施可能であっても、かなりの長期間を要する場合には、状況に応じて個別に検討し、検証的臨床試験の成績を求めることなく、市販後に必要な調査等を実施することを承認条件として、医薬品の製造販売承認を行ってきましたが、このような取扱い等を整理し明確にして、平成29年、昨年の10月20日に、こちらの2ページに示すような対象品目及び手続等について、明確にするということを目的に通知を発出したところです。
今般、2.の条件付き早期承認制度適用品目指定の手続に従い、マル4に示しておりますが、薬事・食品衛生審議会の担当部会にて御報告し、御了解いただいたら申請者に通知をすることとしておりますので、当該品目の制度の該当性について御説明します。
品目の説明ですが、資料の1ページに戻ります。今回の対象品目は、販売名ロービクア錠25mg、同錠100mg、一般名ロルラチニブ、申請者はファイザー株式会社です。ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に係る効能・効果で承認申請がなされております。
当該薬剤の条件付き早期承認制度の該当性について、事前に取りまとめられた医薬品医療機器総合機構の報告書に基づき御説明します。資料の7ページを御覧ください。マル1適応疾患の重篤性については、当該疾患は、「1)生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患であること)」に該当すると判断されております。次にマル2医療上の有用性については、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して、使用可能なALKチロシンキナーゼ阻害薬として、クリゾチニブ、アレクチニブ及びセリチニブが承認されており、国内の診療ガイドラインにおいて、当該疾患に対する一次治療として、ALKチロシンキナーゼ阻害薬が推奨されております。
一方で、ALKのチロシンキナーゼ領域に二次的な耐性変異が生じることが知られており、耐性変異を有するALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対し、既存のALKチロシンキナーゼ阻害薬の効果は乏しいと考えられており、新たな治療薬の開発が望まれております。
以上から適応疾患であるALKチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して、医療上有用な薬剤はないことから、「1)既存の治療法、予防法又は診断法がないこと」に該当すると判断されております。
続いてマル3検証的臨床試験の実施と、次のページのマル4有効性及び安全性について説明いたします。まず8ページの上から、非小細胞肺癌に占めるALK融合遺伝子陽性患者の割合は2~5%と希少な状況ですので、ALK融合遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の患者を対象とした検証的試験の実施には、相当の期間を要すると判断されております。
また有効性、安全性に関して、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者等を対象に本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした国際共同第I/第II相試験が実施された結果、第II相部分の奏効率の結果を踏まえると、ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する有効性が期待され、安全性については現時点で得られている情報を踏まえると、がん化学療法に十分な知識・経験を有する医師によって、慎重な患者選択が行われ、有害事象に対する厳重な観察や管理、本剤の休薬・減量・投与中止等の適切な対応がなされるのであれば忍容可能と考えられ、本剤の一定の有効性及び安全性は示されたと判断されております。
以上を踏まえ、当該薬剤は9ページに示しております3点の内容を承認条件として、条件付き早期承認品目に該当すると判断しました。なお、当該薬剤の承認の可否及び承認条件等については、今後、機構での審査を経た後に、改めてこの部会で御議論いただく予定となっております。
続いて報告事項の議題5に移ります。報告事項議題5、資料10、優先審査指定品目の審査結果について、事務局より御説明します。優先審査の取扱いについては、資料の2ページに概要を示しております。この制度は医薬品医療機器等法第14条第7項の規定に基づき、希少疾病用医薬品やその他医療上、特に必要性が高いと認められる品目を指定し、他の品目に優先して審査を行うものです。その指定に当たり、適応疾病の重篤性、医療上の有用性を総合的に評価して判断されます。
資料の1ページに戻ります。対象品目の販売名オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、一般名ニボルマブ(遺伝子組換え)、申請者は小野薬品工業株式会社と、販売名ヤーボイ点滴静注液50mg、一般名イピリムマブ(遺伝子組換え)、申請者はブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社です。こちらの2つを併せて併用投与するというものについて、効能・効果としては根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に係る承認申請がなされております。
事前に取りまとめられた医薬品医療機器総合機構の報告書に基づき、当該薬剤の優先審査への該当性について御説明します。資料の7ページを御覧ください。(1)適応疾病の重篤性については、化学療法未治療であり、今回実施した臨床試験の主解析対象集団は、「生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)」に該当すると判断されております。
次に(2)医療上の有用性については、本邦において化学療法未治療の根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対して、使用可能な薬剤が承認されておりますので、既存治療法はあると考えられます。また有効性については、適応疾患の患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用投与と、スニチニブの有効性、安全性を比較することを主目的とした国際共同第III相試験が実施された結果、主要評価項目とされた全生存期間の中央値が、併用投与群では未到達、スニチニブ群では25.95か月であり、併用投与群で有意に延長しました。なお安全性については、現時点で得られている情報を踏まえると、忍容可能と考えられることから、オプジーボとヤーボイの併用投与に関して、こちらの併用投与群は「有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、医療上の有用性が既存の治療法、予防法若しくは診断法より優れること」に該当すると判断されております。
以上を踏まえ、当該薬剤は優先審査に該当すると判断しました。なお、こちらについても当該薬剤の承認の可否については、今後、機構での審査を経た後に、改めてこの部会で御議論いただく予定となっております。
続いて、報告事項の議題6、資料11、医療用医薬品の承認条件について、事務局より御説明します。お手元に資料11を御準備ください。資料11は、アドセトリス点滴静注用50mgに係る承認条件に係る評価報告書です。次のページ、評価報告書2ページを御覧ください。ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)を有効成分とする医薬品アドセトリス点滴静注用50mgは、平成26年1月に「再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫等」の効能・効果で承認されており、その際に2ページの中ほどに示している承認条件が付されております。この度、武田薬品工業株式会社から全例調査に係る報告書が提出され、機構において評価しましたので御報告します。
まず3ページの(1)製造販売後調査の結果を御覧ください。本調査は、平成26年4月17日から開始され、平成26年9月30日までに本剤の投与が開始された292例の情報を基に調査結果が取りまとめられました。安全性については、4ページの「2)安全性」を御覧ください。安全性解析対象症例284例のうち、副作用は211例(74.3%)で報告され、うち重篤な副作用は61例(21.5%)で認められました。本剤との因果関係が否定できない死亡例は10例報告されております。
重点調査項目に係る副作用の発現状況については、5ページの表1のとおりで、重点調査項目として設定された事象のうち、表1の一番下の肺障害以外の事象については、製造販売承認審査時の臨床試験と比較して、本調査で副作用発現率が高い傾向は認められませんでした。
一方、肺障害については、副作用の発現率が調査のほうで高い傾向が認められました。この肺障害について、承認取得者は添付文書に重大な副作用で注意喚起をした上で、医療従事者向けの資材を用いて、肺障害の発現状況について情報提供を行っております。添付文書での更なる注意喚起は不要と考えるものの、本調査で得られた肺障害の発現状況については、医療従事者向けに資材に追記をして、医療現場へ情報提供をする、と説明しております。
有効性については、5ページの「3)有効性」に記載しております。承認取得者は製造販売承認審査時の臨床試験と比較して、本調査では奏効率が低い傾向が認められておりましたが、その傾向が認められた要因としては、本剤の投与期間が臨床試験と比較して、本調査で短かったことが影響している可能性も考えられ、本調査結果により、本剤の有効性が否定されるものではないと説明しております。
機構において本調査で収集された安全性及び有効性に関する情報を確認した結果、現段階で更なる製造販売後調査等の実施は不要と判断されております。
以上を踏まえ、製造販売後調査が適切に実施され、安全性等に係る情報が収集されていることから、承認条件である「国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」は対応されたものと判断しております。
○事務局 続いて、報告事項議題7、医療用医薬品の再審査結果について御報告します。資料番号は12-1から12-4で、これらは医薬品再審査確認等結果通知書となっておりますので、まとめて御報告します。資料12-1は、一般的名称はトラスツズマブ(遺伝子組換え)、販売名はハーセプチン注射用60及び同注射用150のもの。資料12-2は、一般的名称はモメタゾンフランカルボン酸エステル、販売名はアズマネックスツイストヘラー100μg60吸入、及び同200μg60吸入のものです。なお、こちらの資料12-2の資料中、一部誤記がありましたので、訂正させていただきます。資料12-2の1ページ、再審査報告書、初めの概要の表について、再審査期間の欄に「6年」と記載しておりますが、正確には1.の承認については6年、2.記載整備の承認については、1.の残余期間、平成27年7月6日までが正しい記載でした。おわびして訂正させていただきます。
続いて、資料12-3は、一般的名称はオセルタミビルリン酸塩、販売名はタミフルカプセル75のもの。資料12-4は一般的名称はゲムツズマブオゾガイシン(遺伝子組換え)、販売名はマイロターグ点滴静注用5mgのものです。これらの品目について、製造販売後の特定使用成績調査、使用成績調査、製造販売後臨床試験等に基づいて、再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。報告事項に関する事務局からの説明は以上です。
○清田部会長 それでは委員の先生方から御質問等がありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょう。特にないようでしたらば、報告事項の議題4~7につきましては、御確認いただけたものといたします。それでは、その他の事項に移ります。その他の事項につきまして、事務局のほうから御説明お願いします。
○事務局 議題1は審議事項議題1及び審議事項議題3で報告済みのため、議題2、資料14-1、14-2、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について御説明します。初めに医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議、以下「検討会議」と呼びますが、検討会議による検討における本事前評価の位置付けについて御説明します。資料14-1の最終ページ、38ページを御覧ください。検討会議とは、欧米等では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品及び適応について、開発要望を募集し、要望があれば本邦での医療上の必要性の評価、承認のために必要な試験の有無及び種類の検討を行う会議です。
資料の右上から御説明します。学会や患者会等から要望が上げられ、検討会議で医療上の必要性を評価し、医療上の必要性が高いと評価された医薬品については、厚生労働省が企業に対して開発要請を行います。開発の手段として、その医薬品が臨床現場において既に医学薬学上公知である場合には、公知申請を選択し、本邦において有効性、安全性を確認する試験が必要な場合には治験等を行います。本部会での事前評価については、図の真ん中、左下辺りに記載しておりますが、企業が開発の手段として公知申請を希望し、検討会議で公知申請に該当すると判断された場合に、公知申請の事前評価として御確認いただくこととしております。本部会で御確認いただいた後に、企業が公知申請を行い、機構での審査を経て、改めて部会で承認を頂くという流れになります。
それでは、検討会議で公知申請を行うことが適当と判断されたブスルファン、オキサリプラチン、フルオロウラシル及びレボホリナートカルシウムの4品目について、順に御説明します。ブスルファンについては、資料14-1の3ページを御覧ください。本要望は、日本造血細胞移植学会よりブスルファンの1日1回投与の用法・用量追加の要望です。本要望については、平成27年7月の第24回の検討会議にて、医療上の必要性が高いと判断され、開発要請が行われたものになります。
本要望の公知該当性について説明します。28~32ページを御覧ください。有効性について、要望内容に関して、ブスルファンは海外臨床試験成績、本邦の臨床使用実態及び国際的な教科書並びに診療ガイドラインの記載内容等を踏まえ、本剤3.2mg/kgを3時間かけて1日1回、4日間投与する用法・用量における有用性は、フルダラビンとの併用投与を含めて、医学薬学上公知と判断されました。
安全性について、海外臨床研究による治療成績及び国内での臨床使用実態により、本剤3.2mg/kgを3時間かけて1日1回4日間投与する用法・用量による主な有害事象は、いずれも本剤の国内添付文書で既に注意喚起されている有害事象の範囲内であること、及び一部の報告ではGrade3以上の下痢、消化管出血及びGVHDの発現率が本剤1日4回投与と比較して、1日1回投与で高くなる傾向が認められたものの、他の報告では、当該傾向は認められず、有害事象の重篤化及び発現率の上昇のおそれは低いと考えられることから、当該用法・用量による有害事象は管理可能と判断されました。また本邦では、1日当たりの投与量を同一とした1日4回投与の用法・用量が承認されており、本剤による主な有害事象、当該有害事象の管理等、日本人患者に対する一定の安全性情報は蓄積されていることを考慮すると、造血幹細胞移植及び造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師により、有害事象の観察や管理等の適切な対応がなされるのであれば、要望された用法・用量は、忍容可能と判断されました。以上より、本要望内容の臨床的有用性は、医学薬学上公知であると判断されました。
効能・効果については、32ページを御覧ください。対象となる効能・効果は、1.同種造血幹細胞移植の前治療、2.ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、神経芽細胞腫における自家幹細胞移植の前治療であり、効能・効果については、既承認の内容から変更はありません。
用法・用量については、32~33ページを御覧ください。本剤3.2mg/kgを3時間かけて1日1回4日間投与する用法・用量は、豪州で承認されていること等から、「他の抗悪性腫瘍剤との併用において、A法又はB法を使用する。なお、患者の状態により、適宜減量する。成人A法、ブスルファンとして1回0.8mg/kgを2時間かけて点滴静注する。本剤は6時間ごとに1日4回4日間投与する。B法、ブスルファンとして1回3.2mg/kgを3時間かけて点滴投与する。本剤は1日1回4日間投与するとする」ことが妥当と判断されました。また、本剤1日1回投与の有用性は、フルダラビンとの併用投与を含めて、医学薬学上公知であると考えることから、用法・用量に関連する使用上の注意において、フルダラビンとの併用療法を追記することが適切と判断されました。
続いて、オキサリプラチン、フルオロウラシル及びレボホリナートカルシウムについて、資料14-2を御覧ください。本要望は日本臨床腫瘍学会よりオキサリプラチン、フルオロウラシル及びレボホリナートカルシウム併用療法の小腸癌に対する適応追加の要望です。本要望については、平成29年8月の第32回の検討会議にて医療上の必要性が高いと判断され、開発要請が行われたものになります。本要望の公知該当性について、オキサリプラチンを代表として説明します。34ページを御覧ください。有効性について、要望内容に関して国内外臨床試験成績、本邦での臨床使用実態及び国際的な教科書及び診療ガイドラインの記載内容を踏まえ、小腸癌に対する併用療法の有効性は医学薬学上公知と判断されました。
安全性について、国内外の臨床試験成績及び本邦での臨床試験実態より、小腸癌患者に対する併用療法による主な有害事象は、いずれも本薬の国内添付文書で既に注意喚起されている有害事象の範囲内であり、管理可能である。また本邦では、要望内容と同一の用法・用量が承認されており、日本人患者に対する一定の安全性情報は蓄積されていることを考慮すると、上記の国内外の臨床試験成績の内容を熟知し、がん化学療法に精通した医師により、適切に安全性が管理されるのであれば、小腸癌に対する併用療法は忍容可能と判断されました。以上より、本要望内容の有用性は、医学薬学上公知であると判断されました。
効能・効果については、37ページを御覧ください。小腸癌における併用療法の臨床的有用性は、医学薬学上公知であることから、本剤の効能・効果を小腸癌とすることが適当と判断されました。
オキサリプラチンの用法・用量については、38ページを御覧ください。小腸癌におけるオキサリプラチンの用法・用量については、国内外の公表文献においてA法が使用されていたことから、「治癒切除不能な膵癌及び小腸癌には、A法を使用する。なお、患者の状態により、適宜増減する。A法、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/m2を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す」とすることが妥当と判断されました。
続いて、フルオロウラシル、レボホリナートの用法・用量については、同一の記載のため、67ページを御覧ください。小腸癌における併用療法に関する国内の公表文献では、フルオロウラシルの持続静注の用量として、2,400mg/m2を使用した報告のみ認められていたことから、フルオロウラシル、レボホリナートの用法・用量については、「小腸癌及び治癒切除不能な膵癌に対するレボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法。通常、成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2を2時間掛けて点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後に、フルオロウラシルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射、更にフルオロウラシルとして2,400mg/m2(体表面積)を46時間持続静注する。これを2週間ごとに繰り返す。なお、年齢、患者の状態などにより適宜増減する」とすることが妥当と判断されました。以上です。
○清田部会長 これに関しまして、委員の先生方から御質問等がありましたら承ります。
○中野委員 単に読み間違いというか、単語の間違いだと思うのですが、ブスルファンの公知申請の資料No.14-1の32ページの効能・効果の所で、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍の後の病名を、線維芽細胞腫と御発言されたかと思うのですが、神経芽細胞腫、ニューロブラストーマであると思いますので、一応確認のため申し上げます。
 
○清田部会長 よろしいでしょうか。
○事務局 読み間違えです。失礼いたしました。
○清田部会長 では確認です。議事録の訂正をお願いします。ほかに御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは本議題については、御確認を頂けたものといたします。本日の議題は以上です。事務局から何か報告はありますでしょうか。
○事務局 次回の部会は、5月23日水曜日、午後5時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
 

備  考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 課長補佐 荒木(内線2746)

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