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第123回労働政策審議会安全衛生分科会(議事録)

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

令和元年7月29日(月)10:00~

○場所

合同庁舎第5号館専用第22会議室(18階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者


委員(五十音順、敬称略):
   砂金 伸治、漆原 肇、勝野 圭司、袈裟丸暢子、佐保 昌一
        城内 博、砂原 和仁、中澤 善美、中村 節雄、縄野 徳弘、
        増田 将史、三柴 丈典、最川 隆由、山口 直人、輪島 忍

事務局:
   村山 誠(安全衛生部長)
   小宅 栄作(計画課長)
   毛利 正(安全課長)
   井内 努(労働衛生課長)
   塚本 勝利(化学物質対策課長)
   中所 照仁(主任中央産業安全専門官)
   安井 省侍郎(環境改善室長)
       

○議題

(1)労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)労働安全衛生マネジメントシステム指針の改正について(報告)
(3)受動喫煙防止対策について(報告)
(4)その他 
 


 

○議事

○城内分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第123回「労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。本日の出欠状況ですが、公益代表委員は熊﨑委員、髙田委員、水島委員、労働者代表委員は、青木委員、水田委員、使用者代表委員は、矢内委員が欠席されております。事務局に異動があったということですので、御紹介をお願いします。
○小宅計画課長 計画課長の小宅でございます。私から御紹介させていただきます。まず、安全衛生部長が村山に代わりました。それから順次こちら側から、主任中央産業安全専門官の中所です。安全課長の毛利です。こちら側に移りまして、労働衛生課長の井内です。化学物質対策課長の塚本です。環境改善室長の安井です。以上です。
○城内分科会長 ありがとうございました。傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力お願いいたします。
早速、議事に入ります。議題1「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について」に関し、事務局から資料の説明をお願いします。
○毛利安全課長 資料1-2に基づいて、電気自動車等の整備業務に係る特別教育の改正について説明いたします。まず、1ページ目の1は現状です。労働安全衛生法の第59条に基づいて、一定の危険、有害な業務については、事業者が特別教育を行うことが義務付けられております。この対象業務は労働安全衛生規則の第36条に列挙されていますが、その中に高圧及び低圧電気の取扱業務が挙げられております。3番目■で、一方で、電気自動車やハイブリット自動車は、50ボルトを超える大型の蓄電池を内蔵していることから、その高電圧部や配線を扱う整備業務は低圧電気取扱業務に当たり、整備を行う労働者に特別教育を実施することが義務付けられております。現在、この特別教育の内容は、安全衛生特別教育規程に科目範囲と時間数が定められており、低圧電気の活線を扱う作業については、学科7時間、実技7時間とされています。2の課題ですが、現行の低圧電気取扱業務の特別教育のカリキュラムは、工場内の電気配線、送電線の取扱業務を想定しており、配電設備や変電設備は含まれておりますが、これら自体は電気自動車等には登載されておりません。一方で、電気自動車等に特有のコンバーター、インバーター、サービスプラグ等の電気自動車に特有の構造に伴う危険・有害性は、電気自動車等の整備業務に必要な知識であり、確実に理解されることが必要となっております。近年、電気自動車等の普及が進んでいることから、技術の進歩を踏まえて電気自動車に合った特別教育の内容とするため、電気自動車等の整備業務に伴う災害の防止に即した、必要かつ十分な特別教育を規定することを目的として改正を行うということです。3の経緯にありますように、本年1から3月にかけて、電気自動車等の整備業務に必要な特別教育について行政検討会を開催し、報告を取りまとめたところです。メンバーはここに記された方々になっております。
2ページの4は改正の内容です。現行の低圧電気取扱業務の規定から電気自動車等の整備業務を分離独立させ、それに対応する教育内容を告示として定めるものです。教育内容としては、行政検討会報告を踏まえ、この表の左の現行で学科7時間、実技7時間以上となっているものを、右の学科6時間、実技1時間の合計7時間以上とするというものです。5の施行期日等について、本年8月上旬公布予定、施行期日は同年10月1日の予定です。経過措置については、施行日より前に旧規程による特別教育を受けた者は、施行日以降、新規程による特別教育を受けることを必要としないとする経過措置をおくことにしております。労働者が危険有害業務に従事する際には、個別の労働者の知識、技能を確認したうえで、必要な教育が行われるよう指導を図ってまいりたいと考えております。以上です。
○城内分科会長 ありがとうございました。ただいま御説明いただいた内容について、質問等発言がある方は挙手をお願いします。よろしいでしょうか。
○輪島委員 資料1-2で御説明いただきまして、見直しの必要性については十分理解をしたところですけれども、時間数でいうと、7+7の所から、特に実技の所、時間数としては減っているように思うのですけれども、これは電気自動車の取扱いということで、適切な範囲ということでの御判断だと思うのですが、不要な内容を削除したという理解でよろしいのかどうかの確認です。
○毛利安全課長 2ページの4の改正の内容の、左側にある現行の実技は7時間となっておりますが、小さく注を付けておりますけれども、開閉器の操作の業務のみを行う者については従来から1時間となっていたところです。電気自動車について必要なのは、サービスプラグを抜いて蓄電池以外の回路を放電させるということですので、こうした実質的な内容から考えれば、行政検討会で1時間でよいとされたものです。
○城内分科会長 よろしいでしょうか。そのほかに御質問等はありますか。それでは、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱については、妥当と認めることでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○城内分科会長 ありがとうございます。それでは事務局で答申の手続きをお願いいたします。
次に、議題2「労働安全衛生マネジメントシステム指針の改正について」に関し、事務局から報告をお願いいたします。
○中所主任中央産業安全専門官 よろしくお願いいたします。資料2を御覧ください。現在、労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針がありまして、これは事業者が継続的に行うPDCAサイクルによる、自主的な安全衛生活動を促進するための仕組みを定めたものです。次のページはPDCAサイクルについて書いてあります。これについては労働安全衛生規則第24条の2の規定に基づいて、指針を厚生労働大臣が公表しており、平成11年に制定をし、平成18年にリスクアセスメントの考え方を入れるというような改正を行っているところです。今回、労働安全衛生マネジメントシステムについては、国際規格であるISO45001が昨年3月に発行しました。それを受け、日本工業規格としてJIS Q45001、またJIS Q45100というものが昨年9月に制定されたところです。これを受けて、厚生労働省の指針についても事業者がシステムの適用範囲を柔軟に設定できるようにして、措置の適切な実施を促進することを目的として今回改正させていただいたものです。
改正のポイントとして4つ挙げております。1つは、システムの適用範囲について、事業場を一の単位として実施することを基本としていたところ、法人が同一である複数の事業場を一の単位として実施できるとしたものです。2つ目は、複数の事業場を併せて一の単位として実施する場合、システムの適用範囲の全体を統括管理する者をシステム各級管理者として位置付けるというものを制定いたしました。3点目として、このマネジメントシステムは、当初想定されていたのはもちろん生産をしている製造業ですが、別に製造業に限らず第三次産業にも適用可能なものですので、そのシステム各級管理者が属する事業実施部門に、従来、製造等となっていたものについて、運送、サービス等の事業実施部門というものを、今までももちろんできたのですが、改めて指針の中に明示するという改正を行いました。4点目に、労働者の健康の保持増進対策を促進するため、安全衛生計画に定める事項に、「健康の保持増進のための活動の実施」及び「健康教育」に関する事項を加えたものです。告示は令和元年7月1日で、同日適用となっております。
この改正について、実は第13次労働災害防止計画の中に、労働安全衛生マネジメントシステムの普及と活用という項目もありまして、この中で指針の改正を検討し普及とされていたところですので、まずはそれを実施いたしました。また、同じく第13次防の7では、安全衛生管理の強化及び人材育成を推進すべきということで、指針がそれぞれの事業場で活用されるためには、適切な知識を持った人材の育成が重要であると考えておりまして、この点については本年9月以降、全国7か所の会場で改正指針の説明会等の実施を予定しているところです。また、今回の改正を含めた指針のパンフレットを作成し、広報を進めていく予定です。以上で説明を終わります。
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について、報告ということですが、質問等発言のある方は挙手をお願いいたします。
○増田委員 確認のために2点教えていただければと思います。まず、今回の指針の改正と、その背景にありますISO45000シリーズとの関係について、教えていただければと思います。ISO45000シリーズの認証を受ければ自動的に満たされるものなのか、またその逆はしかりなのかというところをお伺いできればと思います。
○中所主任中央産業安全専門官 ISOシリーズと言いますか、日本だとJIS Q 45001になろうかと思いますが、そのJISとこの厚生労働省指針の大きな違いというのは、ある意味、JISは認証を目的としていると。認証に必要な項目が入っているというところで、JISについても、1から10まで全部やらなければいけないということもないと思いますが、認証をするためには最低限このところについてやらなくてはいけないというものがあります。ただ、厚生労働省の指針については、そのような指針を含め、その認証を目的とはしておりませんので、厚生労働省指針に満たすシステムを構築すれば認証ができるかというと、やはりそれはないと。
また厚生労働省指針については、労働安全衛生法をベースとしておりますので、それは基本出ないと。とは言いつつ、今回は複数の事業場を一まとめで管理していくという考え方もできるとしたところです。ただ、ISOについては法令遵守の中には入っていますけれども、法令はまた各国の法令に従ってくださいとなっていますので、厚生労働省指針と、ISOあるいはJISの指針とはやはり一致するものではありません。ただ、コアとなるマネジメントシステムについては、考え方は同じということで、お互い取り入れられるものは取り入れるということです。ISOの場でも、日本の考え方について意見を申し述べたというところもお伺いしておりますが、それは各国の意見、理由の中で多数決でというところはありますので、必ずしも取り入れられたものではないともお伺いしております。
○増田委員 すみません、ちょっと各論的な質問ですが、ISOは活動対象範囲に事業者が含まれるという点が特徴だったと思うのですが、今回の改正指針ではどのようになっていますでしょうか。
○中所主任中央専門官 その点につきまして検討いたしましたが、先ほど申し上げましたとおり、厚生労働省指針については、日本の労働安全衛生法、元となる労働基準法の考え方をベースとしていますので、それを逸脱と言いますか、労働基準法が対象と基本していないところに、どこまで広げるかということについて、まだその範囲まで可能ということを指針の中でいうのは時期尚早と判断しまして、対象範囲については、JISであるいはISOでいっているような経営者層を取り込んでということは、明示はしていないところです。
○増田委員 2点目ですが、改正のポイントの所で、「法人が同一である複数の事業場を、一の単位として実施できるものとする」とあり、その下に、その場合のことが書かれていますが、これでいきますと、企業全体を一つの単位として実施する場合、個々の事業場にはこのマネジメントシステムの管理者、担当者は設置しなくてもよいという理解でよろしいのでしょうか。
○中所主任中央産業安全専門官 改正ポイントの3つ目の丸の所にあるシステム各級、ここでいうシステム各級管理者というのは、労働基準法、労働安全衛生法の範囲である個々の事業場、それぞれの事業場単位でまずシステム各級管理者を置いてくださいと。それで本社で、全体でマネジメントシステムを運用していく場合には、それら全体を統括するシステム各級管理者をまた別に置いてくださいと、そのような趣旨ですので、システム各級管理者1人が全てを見ていくというよりは、全体を統括管理する者が、個々の事業場の管理者に対してコンタクトを取っていくというようなスタイルの想定をしております。
○増田委員 ありがとうございました。
○城内分科会長 ありがとうございました。そのほか御質問、御発言等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、次の議題に移ります。3番「受動喫煙防止対策について」に関し、事務局から報告をお願いいたします。
○安井環境改善室長 それでは、受動喫煙対策について御説明申し上げます。資料3-1、「受動喫煙防止対策について」という資料を御覧ください。こちらについては、昨年7月に健康増進法が成立したときに一度御説明しているものですが、その後、健康増進法の政省令が制定され、また労働基準局からもガイドラインを発出しておりますので、それについて御説明させていただきます。
1ページは、改正健康増進法の体系です。既に御案内だと思いますが、まず第一種施設というのがあります。こちらは学校、児童福祉施設、病院、診療所といった所ですが、こちらについては敷地内禁煙ということでして、屋外で受動喫煙を防止するため必要な措置をとられた場所、そういったものを設置しない限り敷地内禁煙となっております。
それから、上記以外の施設を第二種施設といっておりまして、こちらは事務所とか工場、ホテル、旅館、飲食店、そういったものが第二種施設になるわけですが、原則屋内禁煙ということで、喫煙専用室あるいは加熱式たばこ専用の喫煙室を設置しない限り、屋内での禁煙はできないということです。この第二種施設については経過措置が設定されていて、既存の経営規模の小さな飲食店については、喫煙可能な場所である旨を掲示することによって、引き続き店内で喫煙が可能となっておりますが、それを実施するためには喫煙可能な場所であるということを掲示すること、それからお客さんあるいは従業員ともに、20歳未満の者が立ち入れないという規制がかかっています。
喫煙目的施設は、そもそも喫煙を主目的とする施設でして、喫煙を主目的とするバー、スナックあるいはたばこ販売店、そういったものについては引き続き施設内で喫煙が可能です。屋外や家庭については、喫煙を行う場合は周囲の状況に配慮するということで、できるだけ周囲に人がいない状況で喫煙するとか、子供や患者等のいる所で喫煙しないように配慮することとなっています。
2ページは、政令と省令事項です。こちらは本年2月に公布されたということで、内容についてはガイドラインの中に盛り込まれていますので、そちらで説明いたします。3ページは、改正健康増進法の施行期日です。まず、昨年7月25日に法律が公布されて、本年1月24日に一部施行ということで、これは国及び地方公共団体の責務等について施行されています。7月1日に第一種施設、学校、病院、児童福祉施設等について施行されました。来年4月に第二種施設を含めて、全ての施設について全面的に施行されるという予定です。今回は、この7月1日の第一種施設への施行の時期を捉えて、ガイドラインを制定したというところです。
4ページ以降が、職場における受動喫煙防止のためのガイドラインの概要です。1の趣旨等ですが、健康増進法で義務付けられている事項と、労働安全衛生法の努力義務により事業者が実施すべき事項を一体的に示すということです。具体的な内容としては、もともと平成27年に出しておりました安全衛生部長通達に記載されていた事項、健康増進法の附帯決議あるいは健康増進法の国会の審議で御指摘があり、こういったことをガイドラインに盛り込みますと答弁申し上げている事項について盛り込んでいるということです。なお、健康増進法については、施設の管理権原者等に措置義務を課しており、労働安全衛生法については事業者に努力義務を課しているということですので、一般的には両者は一致するわけですが、仮に一致しない場合については、事業者は管理権原者と連携を図って、その実効性を担保するということです。2の用語の定義ですが、こちらは健康増進法のとおりですので、説明は省略させていただきます。
5ページですが、組織的対策です。まず(1)で事業者・労働者の役割ですが、事業者は衛生委員会等の場を通じて、労働者の意識・意見を十分に把握した上で、適切な措置を決定する。労働者については、衛生委員会等の代表者を通じる等によって、積極的に意見を述べることが望ましいとなっています。(2)が受動喫煙防止対策の組織的な進め方ということでして、まず、アが推進計画の策定、イが担当部署を指定して、受動喫煙防止対策全般についての事務を所掌させる。ウが労働者の健康管理等ですが、受動喫煙防止対策の状況を衛生委員会等における調査審議事項とする。それから、産業医の職場巡視に当たり、受動喫煙防止対策の実施状況についても留意していただくということです。
エは標識の設置・維持管理ということでして、こちらは健康増進法で義務が課せられています。喫煙可能場所を設置するときには、その場所の出入口と施設の主たる出入口の両方に標識を掲示する義務が課せられています。オが意識の高揚ですが、労働者に対して受動喫煙防止対策に対する意識の高揚を図ること、各種情報を収集して、衛生委員会等に適宜情報提供するということが書いてあります。カは求人に関する所ですが、就業の場所における受動喫煙防止をするための、どういった措置を講じているかについて明示するということです。こちらについては、職業安定法関係法令の義務規定となっていますので、ハローワーク等に求人を出す場合には、必ず書き込まなければならないということになっています。(3)が妊婦等への特別な配慮ということで、妊婦など受動喫煙の影響を受けやすい懸念がある方に対しては、特に配慮を行うということです。
次ページです。4番が喫煙可能な場所における作業における措置ということですが、(1)は20歳未満の者の立入禁止ということです。こちらについては、20歳未満の労働者を喫煙専用室に案内してはいけない。それから、20歳未満の労働者を喫煙専用室に立ち入らせて業務を行わせることも駄目ですよということです。下線が付いている箇所は、全て健康増進法の義務規定です。(2)ですが、健康増進法については、一部適用がない場所があります。例えばホテルの居室とか、旅館の居室といった所については適用がないわけですが、そういった場所についても望まない受動喫煙を防止するために、20歳未満の者が喫煙可能な場所に立ち入らないような措置を講じるということをガイドライン上、求めています。(3)は20歳以上の方に対する配慮ですが、こちらも望まない受動喫煙を防止するために、アとして勤務シフトとか勤務フロア、動線等を工夫することによって、喫煙区域を通らないで仕事ができるような配慮をしていただきたいということです。イですが、喫煙専用室等を清掃する際は、換気により室内のたばこの煙を排出した後に行っていただきたいということを書いています。ウですが、業務車両、営業とか配達の業務で使用する車両ということですが、こういった場合についても同乗者の意向に配慮するように周知するということです。
続いて5番ですが、各種施設における受動喫煙防止対策です。(1)は第一種施設でして、こちらについては健康増進法の規定どおり、技術的基準を満たす特定屋外喫煙場所を除いて、労働者に敷地内で喫煙をさせないことということです。(2)は第二種施設ですが、こちらは健康増進法の規定どおり、喫煙専用室あるいは指定たばこ専用喫煙室を除いて、労働者に施設の屋内で喫煙をさせない。指定たばこ専用喫煙室を設ける場合に、広告、宣伝をする際には、そういった施設が設置されていることを明らかにしていただく必要があります。それから、受動喫煙を望まない者が指定たばこ専用喫煙室において業務や飲食を避けるように配慮する、これはガイドライン事項です。また、健康増進法の規定を超えて、例えば施設の屋内を全面禁煙にして屋外喫煙所を設けるような場合については、助成金の対象とするということです。
(3)は、喫煙目的施設です。こちらはもともと喫煙ができる施設ですが、こういった施設の広告又は宣伝するときには、こういった施設が設置されていることを明らかにする必要があります。当然ですが、飲食可能な喫煙目的室がありますけれども、そういった所についても、受動喫煙を望まない者を連れていくというようなことは避けるように配慮が必要ということです。(4)の既存特定飲食提供施設についても、営業について広告又は宣伝するときには、そういった喫煙可能な施設であるということを明らかにしていただく必要があります。これは健康増進法の義務です。こちらも当然、受動喫煙を望まない者をこういった施設に連れていくことは避けるように御配慮いただきたいということです。また、業務上であるかどうかにかかわらず、受動喫煙を望まない者を喫煙可能室に同行させること自体を避けるように周知いただきたいということです。こちらも健康増進法の規定を超えて、あえて全面禁煙にする、あるいは喫煙専用室を設けるといった措置を講ずる場合については、その経費の一部について助成を受けることができるようにする予定です。それから、管理権原者は、既存特定飲食提供施設の要件に該当することを証する書類をきちんと備えておくこと、あるいはその届出を保健所に行うことについても記載しているところです。6番は、受動喫煙防止対策に対する支援を行うということが書いてあります。
7ページについては、健康増進法における技術的基準等の概要ということでして、それぞれの施設において満たさなければならない技術的な記載をしてありますが、こちらについては健康増進法の規定どおりということですので、説明は省略いたします。説明は以上です。
○城内分科会長 本件については報告ということですが、質問等発言のある方は、挙手をお願いいたします。
○増田委員 度々すみません。資料3-1の6ページの4の(2)に「20歳未満の者が喫煙可能な場所に立ち入らないよう措置を講じること」とあるのですが、ここは労働者ではなくて、全ての20歳未満の者ということでしょうか。
○安井環境改善室長 ガイドラインの本文で申し上げますと、今日お付けしております資料3-2のガイドラインの6ページの4の(2)に、20歳未満の者への受動喫煙防止措置ということでありますが、こちらについては、20歳未満の者が喫煙可能な場所に立ち入らないような措置を事業者にお願いしております。
○増田委員 先ほどの御説明の中の例示に沿いますと、旅館、ホテルの居室に入る場合のお話だったと思うのですが、それでいきますと20歳未満の宿泊客が居室に入るのを、事業者が阻止しないといけないというおかしなことになるのですけれども、そういうことを企図して書かれたものなのでしょうか。
○安井環境改善室長 こちらについては、基本的に労働者を守るためのガイドラインですので、あくまで旅館の仲居さんとか、ホテルの一般的な従業員について、そういった喫煙室、喫煙可能になっている宿泊施設に入らないということを主眼として書いているところです。
○増田委員 であれば、その旨分かるようにガイドラインに書いておいていただければよかったのにと思っております。何らかの形で解釈等をお示し頂ければと思います。
○安井環境改善室長 こちらについては、先ほど申し上げましたように、労働者を主眼にしてはいるわけですが、上のほうにちょうど(1)があるのですけれども、20歳未満と思われる者が喫煙専用室に立ち入ろうとしている場合については、施設の管理者が声掛けする等が健康増進法上の措置となっています。そちらとのバランスもあって、主眼としては労働者ですが、それ以外は一切、全く何もしないというのも書きにくいということで、こういった記載ぶりになったということです。
○増田委員 分かりました。
○城内分科会長 よろしいでしょうか。
○三柴委員 あくまで私見ですが、基本的な考え方について申し述べたいと思います。健康という課題を扱うときには、一般的な安全対策とは違って、あくまでインフォームドコンセントが前提ではあるけれども、自分に係ることは自分で決めていくという自己決定を支援するという視点が恐らく必要で、コンセンサスが非常に重要になってくると思います。絶対の正解は恐らくはない、そういう課題であろうということです。今回お示しいただいた受動喫煙に関する政策方針は、その視点でも、非常によく練られていると思います。
ただ、労働衛生行政において、これまで、ひょっとすると、ついぞ等閑視されがちだった視点として、喫煙者にどこまで吸わせるかという課題が恐らくあったと思うのです。これまでは、喫煙規制と受動喫煙規制というのは違うのだという前提で政策を進めて来られたと思うのですが、今回練られた案も踏まえて、吸う側に立った場合に、どういう条件を満たせば吸えるのかについて整理し直す観点というのは、あってもよいのかなと思います。以上です。今回の政策は、総合的には、非常によく練っていただいているなと思っております。
○城内分科会長 その他御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
○輪島委員 事務局に2点お伺いいたします。1点目は、7月1日のガイドラインということで、これの周知は現状どのようなことを展開されているのかということをお伺いしたいと思います。
2点目ですが、資料3-1の3ページのスケジュールです。今度の健康増進法全体の体系から見て、9月にラグビーのワールドカップがあって、いよいよ来年7月、1年を切った東京オリンピック、パラリンピックがあるのですが、今度の法体系全体で、残りの期間で一番周知していかなければならない所というのは、具体的にはどこが一番これから力を入れてやっていく弱い所というか、足りない所はどういう所なのかというのを、参考までに教えていただきたいと思います。以上です。
○安井環境改善室長 お答えいたします。まず、第1点のガイドラインについては、7月1日に制定したときに関係の事業者団体については、幅広く関係事業場に対して周知・啓発を図っていただきたいというお願いの通達を大量に発出しています。それから、健康局を通じて、地方自治体の傘下の団体にも周知していただくようにお願いしているところです。
2点目については、残りの期間どこに重点を置くかというところですが、事業場の数から言うと圧倒的に第二種施設でして、特にオリパラということであると、お客さんをお迎えするという観点から言うと、どうしても飲食店がかなり問題になってくるというところですので、こちらも健康局と連携を図りながら、第二種施設について周知徹底を図っていくということです。こちらについては4月1日に健康増進法が施行されるということですので、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○漆原委員 全体を拝見して、よくできていると思います。しかし、これを受け取る事業主や労働者にとっては、どの部分までが健康増進法で、どの部分までが安衛のガイドラインなのかが分からないと思いますので、局を越えて連携して周知には対応していただきたいと思います。例えば、資料の4ページにありますように、喫煙専用室とか指定たばこ専用喫煙室など、それらの違いについて、実際の労働者に分かるような周知をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○安井環境改善室長 こちらについては、健康増進法を所管する現場としては保健所になりますので、そちらとの連携を図るように、現在、健康局と十分協議しているというところです。
○城内分科会長 その他御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
最後に議題4「その他」として何かございますでしょうか。ありがとうございます。これで全ての議題を終了いたしました。本日も熱心に御議論いただき、ありがとうございました。最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
○小宅計画課長 次回につきましては、改めて御連絡を個別に差し上げたいと思います。
○城内分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。なお、議事録の署名については、労働者代表委員は漆原委員、使用者代表委員は中澤委員にお願いしたいと思います。本日は、お忙しい中ありがとうございました。
 

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