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2019年1月31日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録

○日時

平成31年1月31日(木)17:00~

 

○場所

新橋8E会議室(8階)

○出席者

出席委員(14名)五十音順

  赤 羽 悟 美、 石 川 欽 也、 大 賀 正 一、  岡   淳一郎、
○奥 田 晴 宏、 金 子 明 寛、 柴 田 大 朗、◎杉      薫、
  代 田 浩 之、 長 島 公 之、 堀      恵、  増 井    徹、
  森    保 道、 山 田 清 文
(注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(5名)

大 森 哲 郎、 川 上 純 一、 佐 藤 雄一郎、 武 田 正 之、
平 石 秀 幸
 

行政機関出席者

山 本    史 (医薬品審査管理課長)
関 野 秀 人 (医薬安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
森 口    裕 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
宇 津    忍 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
鈴 木 章 記 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○医薬品審査管理課長 それでは定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」を開催させていただきます。本日は遅い時間にもかかわらず、またお忙しい中御参集いただき誠にありがとうございます。1月25日付けで薬事・食品衛生審議会の委員の改選が行われ、この部会についても新しく委員の任命が行われたところです。ついては、お手元にお配りしております第一部会名簿に沿って、委員の先生方を御紹介させていただきたいと思います。座席表の裏面に名簿がありますので、御覧ください。順に御紹介いたします。赤羽悟美委員、石川欽也委員、大賀正一委員、本日御欠席ですが大森哲郎委員、岡淳一郎委員、奥田晴宏委員、金子明寛委員、本日御欠席ですが川上純一委員、同じく御欠席ですが佐藤雄一郎委員、柴田大朗委員、杉薫委員、代田浩之委員、本日御欠席ですが武田正之委員、長島公之委員、本日御欠席ですが平石秀幸委員、堀恵委員、増井徹委員、森保道委員、山田清文委員、以上の皆様です。

 また、この部会の部会長ですが、1月25日に選任されており、杉薫委員に部会長をお願いすることとされておりますので、御報告申し上げます。

 続いて、部会長代理の指名に移ります。薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会長代理は部会長から御指名を頂くこととなっておりますので、杉部会長、御指名をよろしくお願い申し上げます。

○杉部会長 私からは、奥田委員に是非お願いしたいと思いますのですが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、奥田委員が部会長代理ということで、よろしくお願いします。

○医薬品審査管理課長 ありがとうございます。それでは、部会長代理には奥田委員にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。部会長代理席のほうにお移りいただければと存じます。本日は、現在のところ当部会委員数19名のうち14名の委員の御出席を頂いていますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。

 続いて、医薬品医療機器総合機構において、組織改編があり、医薬品安全対策第二部という部署が新設されております。引き続き、医薬品安全対策第一部長は近藤が務めます。よろしくお願いいたします。

 それでは、部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告申し上げます。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧門等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、この第11条に適合している旨を御申告いただいております。委員の皆様には、従前から会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担を大変お掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 続いて、改選後、最初の医薬品第一部会ですので、担当より特に御留意いただきたいことについて、御説明を申し上げます。

○事務局 それでは、はじめに机上のタブットの操作方法について、改めて御説明をさせていただきます。タブレットを縦にしていただき、画面下の丸いボタンを2回押してください。画面が表示されましたら、議題ごとにフォルダが表示されておりますので、審議議題1をタッチしてください。議題1の資料一覧が表示され、御覧になりたい資料名をタッチしていただくと、資料が表示されます。ほかの資料を御確認いただく場合には、左上の青字、審議議題1をタッチしていただくと、資料一覧が再度表示されます。また、ほかの議題を御確認いただく場合には、左上のマイプライベートファイルをタッチしていただくと、再び議題ごとのフォルダが表示されますので、必要に応じてフォルダをタッチして御覧いただきますようお願いいたします。なお、タブレットの動作不良などがありましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申し付けください。

 それでは、改めて本部会への御参加に当たっての留意事項を3点ほど御説明させていただきます。第1に守秘義務の関係です。国家公務員法第100条において、「職員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」と規定されております。本審議会の委員、臨時委員、専門委員は、非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、職務上知り得た秘密について、漏らすことのないようお願いいたします。

 第2に、薬事に関する企業等との関係です。関連資料として、タブレットに資料13「薬事分科会規程」、資料14「薬事分科会における確認事項」を格納しております。このうち、資料13の6ページを御覧ください。薬事分科会規程第11条において、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定規的に報酬を得る顧門等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。審議の中立性・公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合又は任期中に該当することとなる場合には、速やかに事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。

 第3に、薬事分科会の審議事項です。資料14の5ページを御覧ください。医療用医薬品という見出しの表の右側、「部会」「分科会」と書かれております欄に、区分ごとに印が付いております。○印は審議、△印は報告、▲印は文書配布による報告、×印については審議・報告はなしとなっております。基本的には、これに基づき部会、分科会において御審議をお願いしております。

 恐縮ですが、もう一度資料13、薬事分科会規程の5ページを御覧ください。第7条において、「部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合はこの限りではない」と定めております。

 先ほどの表に記載しております事項以外にも、このただし書きにありますように、「部会において特に慎重な審議を必要とする事項である」と決定された場合には、分科会において御審議をお願いすることになります。委員の皆様におかれましては、このような規定を御承知の上、御審議いただきますようお願いいたします。御説明は以上ですが、御不明な点がありましたら、事務局までお申出ください。

○医薬品審査管理課長 皆様、よろしいでしょうか。それでは、以降の進行を杉部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○杉部会長 部会長の杉でございます。改めて、よろしくお願い申し上げます。それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から、配布資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、報告を行っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○事務局 それでは、配布資料の確認を順番にさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次題に記載されております資料1~資料9-3を、あらかじめお送りしております。会議のペーパーレス化に向けた取組として、本日の医薬品部会では、あらかじめお送りした紙資料と同様の内容の電子ファイルをタブレットに格納し閲覧していただくようにするとともに、机上に配布する紙資料を審議品目に係る諮問書、審査報告書及び添付文書のみとさせていただいております。

 このほか、資料10「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」を机上に配布し、また、タブレット内には、資料11「専門委員リスト」、資料12「競合品目・競合企業リスト」、資料13「薬事分科会規程」、資料14「薬事分科会における確認事項」を格納しております。また、当日配布資料として、「タウリン散98%「大正」の添付文書案に係る正誤表」、「イムラン錠50mg及びアザニン錠50mgの添付文書案に係る新旧対照表」を机上に配付し、また、タブレット内にも格納しております。

 加えて、前回までと同様に、各議題の対象の品目について、製剤の見本を机上に置かせていただいております。こちらは、会議終了後に回収をいたしますので、机上に置いたままとしていただきますようお願いいたします。

 続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リスト(資料12)について御報告をさせていただきます。資料12の1ページを御覧ください。「タウリン散98%「大正」」ですが、本品目は、ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作(MELAS)症候群における脳卒中様発作の抑制を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 2ページを御覧ください。「フェインジェクト静注500mg」ですが、本品目は鉄欠乏性貧血を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 3ページを御覧ください。「エボカルセト」ですが、本品目は、副甲状腺癌における高カルシウム血症及び副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 4ページを御覧ください。「ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン」ですが、本品目は、抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 5ページを御覧ください。「sutimlimab」ですが、本品目は寒冷凝集素症患者における溶血抑性を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。

 6ページを御覧ください。「ラニビズマブ(遺伝子組換え)ですが、本品目は未熟児網膜症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとしております。以上です。

○杉部会長 ありがとうございました。今の事務局からの説明について、何か特段の御意見等はありますか。ないようですので、それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの了解を得たものとします。

 それでは、委員からの申出状況について、報告をお願いします。

○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。議題1、タウリン、退室委員、議決には参加しない委員、共になし。議題2、フェインジェクト、退室委員なし、議決には参加しない委員、大賀委員。議題3、エボカルセト、退室委員、議決には参加しない委員、共になし。議題4、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、退室委員、議決には参加しない委員、共になし。議題5、sutimlimab、退室委員、議決には参加しない委員、共になし。議題6、ラニビズマブ、退室委員、議決には参加しない委員、共になし。以上です。

○杉部会長 今の事務局からの説明に、何か特段の御意見等はありますか。大丈夫でしょうか。よろしければ、これは皆さんに御確認いただいたものとします。本日は、審議事項が6議題、報告事項は3議題となっております。

 それでは、審議事項の議題1に移ります。議題1について、機構から概要を説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料1、医薬品タウリン散98%「大正」の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より説明いたします。タブレットの資料1のフォルダを開き、審査報告書のファイルをお開きください。

 本申請の効能・効果であるミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(以下、MELAS症候群という)は、ミトコンドリアの遺伝的異常による機能低下により発症するミトコンドリア病の一種であり、ミトコンドリアDNAにおけるtRNALeu(UUR)遺伝子領域の点変異等によって発症すると考えております。MELAS症候群では、痙攣、意識障害、片麻痺、視野又は視力障害、頭痛、おう吐等の脳卒中様発作症状が認められ、反復する発作により機能障害が進行し、予後が悪化すると考えられております。

 本邦で実施された自然歴調査では、5年間の観察期間で死亡に至った患者の割合は20.8%であり、診断から死亡までの期間の平均値は7.3年であったとされています。ミトコンドリア病は指定難病であり、平成26年度の特定疾患医療受給者証所持者数は1,439人とされており、また、MELAS症候群患者は、ミトコンドリア病のうち31.4%であったとの報告があります。

 タウリンは、ほとんど全ての組織に存在する生体内物質であり、本邦では1987年5月に、高ビリルビン血症(閉塞性黄疸を除く)における肝機能の改善及びうっ血性心不全の効能・効果で承認されています。

 本邦では、201310月からMELAS症候群に係る臨床試験が川崎医科大学神経内科学により医師主導治験として開始され、今般、MELAS症候群に対する有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。

 なお、本剤のMELAS症候群に対する開発は、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、医療上の必要性が高いと評価され、2017年8月31年付けで申請者に対し開発要請が行われ、さらに希少疾病用医薬品に指定されています。

 本邦では、MELAS症候群に関連した効能・効果を有する薬剤はなく、海外では本剤のMELAS症候群に関連した開発は行われておりません。本申請の専門委員として、資料11に記載されている5名の委員を指名しております。

 臨床成績を中心に審査の内容を御説明させていただきます。有効性ですが、審査報告書の15ページの1行目、「主要評価項目である」から始まる段落を御覧ください。MELAS症候群患者を対象として、非盲検非対照試験として実施された国内第III相試験において、主要評価項目であるFASにおける脳卒中様発作の100%レスポンダーの患者、すなわち脳卒中様発作が一度も起きなかった患者の割合と、その95%信頼区間は60%[26.2, 87.8](6/10例)であり、95%信頼区間の下限値が事前に規定した閾値である5%を上回りました。

 続いて、審査報告書18ページの中ほど、「機構は」から始まる段絡を御覧ください。国内第III相試験について、有効性の判定基準となる閾値の設定方法、目標症例数未達で試験を終了していることから、限定的な評価となるものの、脳卒中様発作に関連した評価項目を設定し、実施可能性の観点から閾値を設定した上で、非盲検非対照試験として実施したことは理解でき、追加試験の実施が極めて困難であることも踏まえると、国内第III相試験成績を基に、本剤の有効性及び安全性を評価することはやむを得ないと考えております。

 その上で、これまでに実施された自然歴調査では、国内第III相試験のように、ベースライン時に一定回数以上の脳卒中様発作が発現する患者に限定して情報収集がなされていないことから、脳卒中様発作の回数が少ない又はほとんど認められない患者も自然歴調査に含まれていたことを踏まえると、自然歴調査と国内第III相試験成績を比較することで、本剤の有効性を著しく過大に評価する可能性はないと考えており、また、自然歴調査と比較して、国内第III相試験における100%レスポンダーの割合が高い傾向であったことから、本剤による一定の有効性は期待できると判断いたしました。

 なお、製造販売後には、観察期間5年間の製造販売後調査を実施し、自然歴調査等の比較を基に、本剤の長期的な有効性について引き続き検討する計画とされております。

 次に安全性ですが、審査報告書の22ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤の投与により発現した有害事象は表9のとおりであり、このうち因果関係が否定されていない重篤な有害事象は血中クレアチンホスホキナーゼ増加のみで、臨床上問題となる事象は認められませんでした。

 以上の審査結果と、MELAS症候群が希少かつ重篤な疾患であり、現時点で有効な治療法が存在しないこと及び国内で追加臨床試験を実施することは困難であることも考慮し、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年と設定することが適切と判断しております。薬事分科会には報告を予定しています。

 なお、配布資料の添付文書()の臨床成績の項に誤記があり、当日配布資料として正誤表を配布しております。大変申し訳ありませんでした。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○杉部会長 ありがとうございました。委員の先生方から、何か御質問、御意見はありますか。

○柴田委員 審査報告書の15ページに有効性の主要評価項目に関する議論がなされていると思います。審査報告書の15ページに、第III相試験での有効性評価項目の主要評価項目の100%レスポンダーの定義が書いてあります。100%レスポンダーは、どの程度の時間間隔の中で発作が0回だったのかを明らかにしないと議論ができないと思うのですが、このところはどうなのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 100%レスポンダーの定義ですが、52週までの投与で発作が一度も起きなかった患者とされております。

○柴田委員 分かりました。今の点は、例えば長期投与試験においては1か月、4週間などというところでデータがまとめられていると思うのですが、15ページの7.2節に、国内長期投与試験のデータのまとめ方としては、4週間当たりの脳卒中発作の回数という形で書いてあります。つまり、4週間単位なのかあるいは1年単位なのかという、その時間の幅を明確にしなければ、発作が0回であったという事象の意義が説明できませんし、過去の比較対象との比較において、本剤の有効性があるかないかを議論するときの議論も明確にならないと思います。なので、添付文書にも、その点はきちんと書いていただく必要があると思います。

○医薬品医療機器総合機構 添付文書に関しては、そのように対応するように申請者にお伝えさせていただきます。ありがとうございました。

○杉部会長 そのほかはいかがですか。何かありますか。

○赤羽委員 審査報告書と添付文書にも、今回行われた臨床試験の対象となった変異型が2つのタイプに限られていたということについて、一応断り書きがあるのですが、in vitroの前臨床試験ですと、それ以外の方でも一応有効であろうということが推察できるかと思うのですが、教えていただきたいのは、今回の臨床試験の対象となった変異が、患者さんの中ではどれぐらいの割合を示しているのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構より御説明させていただきます。国内臨床試験では、御指摘のとおりA3243GとT3271Cという2つの変異型のみが組入れられており、この2つの変異型でMELAS患者全体の約90%を占めることが明らかになっております。

○杉部会長 赤羽先生、よろしいですか。

○赤羽委員 はい。

○杉部会長 そのほかはいかがですか。先生方で御意見は何かありますか。大丈夫でしょうか。ありがとうございました。それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。異議がないということで、承認を可とさせていただきます。これは薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは、議題2に移ります。議題2について、機構から概要を説明いただきたいと思います。

○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料2、医薬品フェインジェクト静注500mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。鉄欠乏性貧血では、不足している鉄を補充する必要があります。鉄欠乏性貧血治療の第一選択は経口鉄剤ですが、多量出血で鉄の損失が多く経口鉄剤では補充が不足する場合や、副作用により経口鉄剤が服用できない場合等、経口鉄剤が適さないときに静注鉄剤が選択されます。

 本剤は、安定性の高い鉄複合体であるカルボキシマルトース第二鉄を有効成分とする静注鉄剤です。静脈内投与後は、肝臓等の細網内皮系の細胞に取り込まれ、エンドリソソーム内で分離した鉄が膜貫通タンパクを介して血中に移行します。循環血への遊離鉄の放出がコントロールされることから、申請者は、比較的少ない投与回数で血中ヘモグロビン値を改善することが可能な鉄欠乏性貧血治療薬になり得るとして、本剤の開発に至りました。

 なお、本剤は2007年7月に英国で承認され、201812月現在、欧米を含む75か国において鉄欠乏性貧血等で承認されています。本品目の専門協議では、本日の配布資料11に示す専門委員を指名しております。

 以下、本剤の有効性・安全性について、臨床試験成績を中心に説明します。主な臨床試験成績として、過多月経を伴う鉄欠乏性貧血患者を対象とした国内第III相試験(Z213-02試験)及び消化器障害に伴う鉄欠乏性貧血患者を対象とした国内第III相試験(Z213-03試験)が提出されています。

 有効性について、審査報告書の15ページの表17を御覧ください。国内第III相試験(Z213-02試験)において、主要評価項目であるベースラインから投与開始後12週時までの血中ヘモグロビン値の最大変化量について、本剤群の含糖酸化鉄群に対する非劣性が検証されました。また、審査報告書の19ページの図3及び20ページの図4を御覧ください。国内第III相試験(Z213-02試験及びZ213-03試験)において、本剤投与後、血中ヘモグロビン値が経時的に上昇し、投与初日から6週経過以降はおおむね一定で推移することを確認しました。以上より、鉄欠乏性貧血患者に対する本剤の有効性は示されたと考えました。

 続いて、安全性について説明します。審査報告書の16ページの表18を御覧ください。国内第III相試験(Z213-02試験)において、含糖酸化鉄群と比べて本剤群で有害事象の発現割合が高い傾向や、特定の有害事象が多い傾向は特段認められませんでした。また、審査報告書の17ページの表23を御覧ください。国内第III相試験(Z213-03試験)において認められた有害事象は、国内第III相試験(Z213-02試験)の本剤群における有害事象の発現割合と比較し高い傾向が認められましたが、鉄欠乏性貧血の原因疾患の違いに起因すると考えられ、本剤の安全性については、臨床的に特段問題となるような違いはないことを確認いたしました。

 続いて、審査報告書の22ページの表28を御覧ください。国内第III相試験(Z213-02試験及びZ213-03試験)において、本剤投与後に一定期間血清リン値が低下したものの、含糖酸化鉄群でも血清リン値が低下しており、本剤及び含糖酸化鉄群のいずれにおいても何らかの医学的処置を要した症例はなかったことから、本剤投与後に臨床的に問題となるような低リン血症が持続する懸念は低いと考えました。ただし、本剤の添付文書において、本剤投与後に血清リン値が低下することについて注意喚起する必要があると考えました。

 また、審査報告書の24ページの表29を御覧ください。国内第III相試験(Z213-02試験及びZ213-03試験)において、本剤投与により血清フェリチン値の上昇が認められましたが、一過性であり臨床的に大きな問題にはならないと考えました。ただし、本剤の添付文書において、本剤投与後に血清フェリチン値が高値を示すことについて注意喚起する必要があると考えました。以上より、静注鉄剤の適応となる鉄欠乏性貧血患者に対して適切に使用されるのであれば、鉄欠乏性貧血における本剤の安全性は許容可能と考えました。

 以上の審査の結果、鉄欠乏性貧血に対する本剤の有効性が示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、医薬品リスク管理計画に係る承認条件を付した上で、承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品に該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬に該当しないと判断しました。また、薬事分科会では報告を予定しています。

 なお、審査報告書に誤記載がありましたので訂正いたします。審査報告書の27ページの11行目を御覧ください。250mLと記載していましたが正しくは100mLです。本修正について、審査への影響がないことを確認しています。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

○杉部会長 どうもありがとうございました。委員の先生方から、今の御説明に対して御質問、御意見いかがでしょうか。

○長島委員 静注用の鉄剤に関しては、既にあるフェジンについて日本陸連から競技に対する安易な鉄剤注射に関する注意喚起が出て、それを受けて、1月11日に厚生労働省、スポーツ庁、私ども日本医師会からもその注意喚起を促す文書を出したところです。本剤においても、恐らく同様の注意が必要かと思いますので、販売時には注意を喚起するような行動を是非お願いしたいと思います。

○医薬品医療機器総合機構 御意見いただきありがとうございます。厚生労働省から発出された事務連絡について、特定の静注鉄剤に限定していませんので、本剤についても、当該事務連絡の対象になると考えております。また、本剤の適正使用に関しては、本剤の添付文書において既存の静注鉄剤と同様の注意喚起をしております。本剤の適正使用について、添付文書における注意喚起を遵守するとともに、既存の静注鉄剤と同様に事務連絡に従った対応をしていただくように、申請者にも申し伝えます。

○堀委員 今のことに関連したことなのですが、審査報告書の29ページを御覧ください。審査報告()の効能又は効果の所の鉄欠乏性貧血の下です。効能又は効果に関連する注意ということで、本剤は経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用することと書いてあります。これは一般消費者からすると、とても漠然としているように思えるのです。

 実際に今回の高校の陸連の場合に関しても、インターネットのニュースなので定かなのかどうか分からないのですけれど、主治医の先生が、そこの監督から言われたので血液検査もせずに毎週学生たちに投与したということを聞きました。結局、私ども女性にしてみると、こういう薬が出るというのは本当に有り難いことで感謝すべきことなのですが、若い子たちのツイッターとかを見ていると、AKBの誰々さんが貧血の注射をして顔色が良くなったとか、ダイエットに効くというようなことが、今、実際にSNSとかで出ている状況なのです。私どもは先生方の処方箋があって注射されるものと信じている中で、本当であれば食品又はもっとひどければ経口という形ですべきところを、その部分を省いて注射にポンといってしまった場合、ここの「経口鉄剤の投与が困難又は」というのが漠然としすぎるのかと思ったのですが、いかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 本剤の添付文書を御覧ください。堀委員からのご意見は、医師が血中ヘモグロビン値や血清フェリチン値等から鉄欠乏性貧血であるということを診断した上で、本剤の投与対象となるか判断されるということが前提にあるかと思います。本剤の添付文書の「2.禁忌」の項で鉄欠乏状態にない患者は本剤の投与対象ではないことを明記し、更に「4.効能又は効果」の項で鉄欠乏性貧血と、本剤の投与対象となる疾患を明記いたしました。

 また、鉄欠乏性貧血の治療では、経口での鉄剤や食事からの鉄補充が治療の第一選択となりますので、本剤の添付文書の「5.効能又は効果に関連する注意」の項で、本剤は経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用する旨を注意喚起しました。

○堀委員 分かりました。どうもありがとうございました。

○大賀委員 16ページの表18には、有害事象についても含糖酸化鉄群との差がなかったことが示されております。静注用鉄剤は、特に子供には漏れたときの色素沈着やいろいろな皮膚の反応が気になるので、ほとんど使わないというか使いたくない薬の1つなのです。海外でも、それに関する皮膚障害や皮膚の色素沈着に関するような情報は随分あると思いますが、特に、含糖酸化鉄群との差があるという話はあるのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 既存の静注鉄剤で色素沈着等が報告されています。本剤については、国内で実施した臨床試験では、皮膚における色素沈着は有害事象として認められておりませんでした。また、現時点までに入手している海外の情報(海外臨床試験の成績や市販後の情報等)を踏まえても、本剤で既存の静注鉄剤と比較して色素沈着が多い傾向は認められていないと考えます。

○杉部会長 ありがとうございました。確かに今、報道で若い女性のスポーツ選手に鉄剤の注射を打っているということが話題になって、これがかなり広まりましたので、今はいけないというような認識でおられるのではないかと思います。また、この添付文書でもそのように記載していただいたので、先生方の懸念は少し払拭されているかという感じがいたします。そのほかについて、何かございますか。

 議決に入ります。なお、大賀委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議がないようですので承認を可とし、薬事分科会に報告させていただきます。

 議題3に移ります。議題3について、事務局から概要の説明をお願いします。

○事務局 議題3、資料3、エボカルセトを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料の総合機構による事前評価報告書のタブをお開きください。

 1ページ、中段を御覧ください。申請者は協和発酵キリン株式会社、予定される効能・効果は副甲状腺癌における高カルシウム血症、副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症になります。

 まず、1ページの対象患者数について御説明いたします。副甲状腺癌は100万人に1人以下の割合で発症すると報告されていること、原発性副甲状腺機能亢進症(以下、PHPT)患者数は3,152例であったと報告されていることから、患者数が5万人未満という基準を満たしているものと考えております。

 次に2ページの医療上の必要性について御説明いたします。PHPTにおける高カルシウム血症の治療薬として、カルシウム受容体作動薬でありますシナカルセト塩酸塩(以下、シナカルセト)が承認されておりますが、上部消化管障害により、高用量の服用が困難である患者が存在するということが報告されております。血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者を対象とした国内第III相試験において、上部消化管障害関連事象の発現割合、上部消化管障害関連事象のうち、減量・休薬・中止のいずれかの処置が取られた患者の割合は、シナカルセト群と比較して本剤群で低い傾向が認められております。したがって、本剤はシナカルセトと比べて、上部消化管障害の軽減が期待できると考えられることから、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に、開発の可能性について御説明いたします。3ページを御覧ください。副甲状腺癌及び副甲状腺摘出術不能又は術後再発のPHPTにおける高カルシウム血症患者を対象とした国内第III相試験が実施されており、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。よろしく御審議のほどお願いいたします。

○杉部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から何か御質問、御意見ございますでしょうか。これは非常に希少な疾患に対しての薬でございますが、いかがでしょうか。特にないようであれば議決に入りたいと思います。本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。御異議がないようですので指定を可とし、薬事分科会に報告させていただきます。

 それでは、次の議題4に移りたいと思います。この議題4についても、事務局のほうから概要を説明してください。よろしくお願いいたします。

○事務局 議題4、資料4、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料の評価報告書のタブをお開きください。

 1ページの中段を御覧ください。申請者は一般社団法人日本血液製剤機構、予定される効能・効果は、抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作になります。まず、1ページの対象患者数について御説明いたします。一般社団法人日本移植学会が実施した脱感作療法に関する実態調査によると、2014年から2016年の3年間に腎移植患者に対して術前脱感作療法を施行したのは640例であったと報告されており、患者数が5万人未満という基準を満たしているものと考えております。

 次に、医療上の必要性について御説明いたします。2ページを御覧ください。本邦において、抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作を適応に持つ医薬品は承認されておりません。保険診療では二重ろ過血漿交換療法のみが実施可能でありますが、二重ろ過血漿交換療法では、新たに産生される抗ドナー抗体を低下させることは不可能です。本剤は抗ドナー抗体の分解促進作用により、既存の抗ドナー抗体に加えて新たに産生される抗体も低下させる薬剤であり、臓器移植抗体陽性診療ガイドラインにおいて、ヒト免疫グロブリン製剤は単独又は血漿交換との併用で用いることが推奨されております。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に、開発の可能性について御説明いたします。抗ドナー陽性慢性腎不全患者を対象とした国内第II/III相試験の成績、日本移植学会が実施した腎移植前の脱感作療法に係る実態調査の結果等を踏まえ、承認申請が予定されており、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがって、希少疾病用医薬品の指定3要件を満たしていると考えております。よろしく御審議のほど、お願いいたします。

○杉部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問、御意見ございますでしょうか。これも非常に希少な疾患に対しての薬ということになります。最近、腎移植も段々増えてきているということと、こういう状態の方々もおられるので、薬が是非必要ということなのだろうと思いますが、よろしいでしょうか。何か御質問なければ、議決に入りたいと思います。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。御異議がないようですので指定を可といたしまして、薬事分科会に報告させていただきます。

 それでは議題5について進めたいと思います。これも事務局のほうから概要を説明、お願いいたします。

○事務局 議題5、資料5、sutimlimabを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料の事前評価報告書のタブをお開きください。

 1ページの中段です。申請者はバイオベラティブ・ジャパン株式会社、予定される効能・効果は寒冷凝集素症患者における溶血抑制になります。1ページの対象患者数について御説明いたします。寒冷凝集素症(以下、CAD)は自己免疫性溶血性の貧血の1つの病型であり、厚生労働省の調査から、本邦におけるCAD患者数は約100人と推定されております。また、一般社団法人日本血液学会の2016年血液疾患症例登録集計解析結果において、新たに診断された特発性CAD患者は64名、続発性CAD患者は14名と報告されております。以上より、患者数が5万人未満という基準を満たしているものと考えております。

 次に、2ページの医療上の必要性について御説明いたします。本邦において、CADに対する適応を有する医薬品は承認されておらず、対症療法として赤血球輸血が行われておりますが、輸血の効果は一時的です。海外臨床試験において、特発性CAD患者で本剤投与によりヘモグロビンの増加が認められており、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に、開発の可能性について御説明いたします。日本人健康成人を対象とした第I相試験が実施され、安全性上特段の問題が認められないこと、また、現在、国際共同第III相試験が実施中となっていることから、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。よろしく御審議のほどお願いいたします。

○杉部会長 ありがとうございました。これも非常に少ない数の患者数ということでございます。希少疾患に対しての医薬品ですが、先生のほうから何か御意見ございますでしょうか。特にないようでございますので、これも議決に入らせていただきます。本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。それでは御異議がないようですので指定を可といたしまして、薬事分科会に報告させていただきます。

 それでは議題6に移りたいと思います。これも事務局のほうから概要の説明をお願いいたします。

○事務局 議題6、資料6、ラニビズマブ(遺伝子組換え)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料6のフォルダーを開いていただき、2.評価報告書のファイルをお開きください。

 報告書1ページの中段を御覧ください。申請者はノバルティスファーマ株式会社、予定される効能・効果は未熟児網膜症です。まず、1ページの対象患者数について御説明いたします。本邦における未熟児網膜症の患者数は、平成8年から平成26年までの政府統計による患者調査によると、年間1,000人から2,000人で推移しております。また、平成21年度において年間患者数が5,000人であったとの報告もございます。以上より、患者数が5万人未満という基準を満たしているものと考えております。

 次に、1ページ、下段の2.医療上の必要性について御説明をいたします。未熟児網膜症は、未熟性に起因した発達途上の網膜血管が血管内皮細胞増殖因子、VEGFの過剰産生により異常に増殖する疾患です。小児における失明の原因に占める未熟児網膜症の割合は、近年では40%以上であり、最大の原因となっております。

 2ページの2段落目を御覧ください。未熟児網膜症の病期がStage4以降の患者では外科的手術の適応となりますが、レーザー光凝固療法実施後の未熟児網膜症の再発率は22%であり、十分な有効性が得られない患者が存在します。また、レーザー光凝固療法では網膜周辺部を破壊するため、治療後に視野障害や近視等を合併する可能性があります。

 3段落目を御覧ください。本剤はVEGF阻害剤であり、手技の難易度、所要時間、気管内挿管の有無等の観点から、レーザー光凝固療法と比較して治療上のメリットが多いとの報告があります。また、現時点においても、未熟児網膜症に係る効能・効果で承認された医薬品はございません。以上より、医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に、2ページ下段の開発の可能性について御説明をいたします。未熟児網膜症患者を対象として、本剤のランダム化非遮蔽並行群間比較試験である国際共同第III相試験が実施されており、治療成功割合はレーザー光凝固療法と比較して本剤で高値を示したことから、開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○杉部会長 ありがとうございました。今の御説明に関しまして、委員の先生方から何か御質問、御意見はございますでしょうか。これも非常に頻度の低い疾患に対する療法ということになります。よろしいでしょうか。それでは議決に入りたいと思います。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。御異議がないようですので指定を可としまして、薬事分科会に報告させていただきます。

 それでは、報告事項に移りたいと思います。

○事務局 報告事項について、事務局よりまとめて報告をさせていただきます。まずはじめに、報告事項議題1、ゴナールエフ皮下注用75150、同皮下注ペン300450及び900の製造販売承認事項一部変更承認について御報告をいたします。ファイルは報告議題という名前のフォルダの中の資料7のファイルをお開きください。

 本剤は遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモンであるホリトロピン アルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする注射剤です。本邦では、低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導及び視床下部-下垂体機能障害又は多嚢胞性卵巣症候群に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発の効能・効果で承認されております。今般、メルクセローノ株式会社により、生殖補助医療における調節卵巣刺激の効能追加及び低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導の用法変更に関する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本剤を生殖補助医療における調節卵巣刺激に用いた際の有効性及び安全性並びに、本剤を申請用法で低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導に用いた際の有効性及び安全性は、医学薬学上、公知に該当すると判断し、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。

 続きまして、報告事項議題2、医薬品イムラン錠50mg及びアザニン錠50mgの製造販売承認事項一部変更承認について御報告をいたします。資料8のファイルを御覧ください。本剤はアザチオプリンを有効成分とする製剤であり、現在は腎移植における拒絶反応の抑制等の効能・効果で承認されております。本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、自己免疫性肝炎に対する公知申請の該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成30年7月27日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、申請者から効能・効果を追加するための製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。

 なお、事前送付しておりました資料8の添付文書()に反映しておりませんが、チオプリン系免疫調節薬の代謝に関わる酵素の1つであるNUDT15遺伝子多型に関する注意喚起を追加予定であり、当該内容については当日配布資料で新旧対照表をお示ししております。機構における審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。

 続きまして報告事項議題3、医療用医薬品の再審査結果について御報告いたします。資料番号は9-1から9-3で、これらは医薬品再審査確認等結果通知書となっておりますので、まとめて御報告をいたします。資料9-1は、有効成分名はノルエチステロン/エチニルエストラジオール、販売名はルナベル配合錠ULDのもの、資料9-2は、有効成分名はスガマデクスナトリウム、販売名はブリディオン静注200mg及び同500mgのもの、資料9-3は、有効成分名はダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)、販売名はネスプ注射液10μgプラシリンジほか8規格のものです。

 これらの品目につきまして、製造販売後の使用成績調査及び特定使用成績調査に基づいて、再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられております承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はないカテゴリー1と判定したものです。長くなりましたが、報告事項に関する事務局からの御説明は以上です。

○杉部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問、御意見ございますでしょうか。私のほうから、議題1のゴナールエフの説明なのですけれども、最後、途中で消えているのがございまして、無精子症は確認しなくていいということに関してはよろしいですか。この文書では消えているのですよね。

○医薬品医療機器総合機構 御説明をさせていただきます。申請用法・用量の有効性は確認されたということで御説明をさせていただきましたが、先生から御説明いただいたように、申請用法・用量というのは、「無精子であることを確認した後に」を削除することで、無精子の確認を投与の条件としない用法となったもののことでございます。

○杉部会長 分かりました。その他、先生方から何かございますでしょうか。それでは、特に御意見もないようですので、報告事項の議題1から3については御確認いただいたものと考えます。本日の議題は以上でございます。事務局から何か報告はありますでしょうか。

○事務局 次回の部会は221日の木曜日、午後4時から開催させていただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。

○杉部会長 よろしいですね。どうもありがとうございました。それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

( 了 )

備  考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 課長補佐 荒木(内線2746)

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