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第3回労働政策審議会雇用環境・均等分科会家内労働部会
雇用環境・均等局 在宅労働課
審議開始日
令和2年3月6日(金)
議決日
令和2年3月13日(金)
(持ち回り審議による)
○委員
小畑 史子 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
川田 琢之 筑波大学ビジネスサイエンス系教授
小杉 礼子 (独)労働政策研究・研修機構研究顧問
藤村 博之 法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授
山口 直人 (公財)労災保険情報センター理事長
小原 成朗 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会中央執行委員
柴田 美千子 UAゼンセン政策・労働条件局副部長
谷口 忠 全日本家内労働者組合総連合中央執行委員
冨田 珠代 日本労働組合総連合会総合政策推進局総合局長
堀尾 貞彦 セラミックス産業労働組合連合会副書記長
杉崎 友則 日本商工会議所産業政策第二部副部長
原田 豪 (一社)日本経済団体連合会労働政策本部主幹
菱沼 貴裕 全国中小企業団体中央会労働政策部副部長
穗岐山 晴彦 東京都中小企業団体中央会常勤参事
堀内 麻祐子 (株)センショー代表取締役
<議事概要>
持ち回り審議により第3回労働政策審議会雇用環境・均等分科会家内労働部会が開催されました。
なお、各委員からは以下のような意見がありました。
(議題1:部会長及び部会長代理の選任について)
○ 意見なし。
(議題2:家内労働法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問))
○ 諮問の内容について異存はない。
その上で、帳簿の保存期間を現行の3年から5年に延長することは、少なからず委託者における準備を必要とするものと思料。
施行期日は、令和2年4月1日とされているところ、今般の新型コロナウイルス感染症が拡大する状況も踏まえ、現場において混乱が生じるこ とのないよう丁寧な周知を行っていただきたい。
(議題3:第13次最低工賃新設・改正計画の状況について)
○ 資料3で第13 次最低工賃新設・改正計画の進捗状況が報告されているが、令和元年度における改正等件数(件)の進捗において、着手済み が10 件あるものの、諮問、答申、公示については「0 件」となっており、審議が全く進んでいない状況となっている。
これは、「最低工賃にかかる実態調査の取り扱い」について総務省と調整を行うため、2019 年12 月~実態調査並びにすでに調査した結果を持っての審議を一時的にストップしていたためであると聞いている。
2020 年3 月上旬に総務省との調整がつき、実態調査の再開が各労働局に通達されたと聞いているが、本件について、2 点意見申し上げたい。
1.今回の実態調査中断によって、審議を中止もしくは延期した地方審議会が少なからずあると聞いている。最低工賃で働く労働者は、最低賃 金の適用されない労働者であり、改正審議のタイミングは3 年に1 回に限られている。金額改正されるかは審議の結果によるが、今回の調査中断よって最低工賃で働く労働者が不利益を被ることのないように、各労働局に対して、早急に審議スケジュールを策定するよう本省から指導していただきたい。
2.調査再開の通達には、令和元年度に改訂を予定している最低工賃について、今後の検討スケジュールを3 月中に取りまとめる旨と記載がある聞いている。取りまとめた結果については、家内労働部会委員に報告し共有願いたい。
○ 今後、第13 次最低工賃新設・改正計画の令和元年度分の検討が令和2年度分とあわせて行われることとなる。厚生労働省においては、各都道府県労働局での検討が円滑に行われるよう、委託者側、受託者側、労働局に対する十分なサポートをお願いしたい。
(議題4:令和元年家内労働概況調査の結果について)
○ 資料4第1 表の家内労働者の類型別をみると、家庭の主婦などが従事しているとみられる「内職」が大半(約90%)を占めている。また、第2 表をみると、動力により駆動される機械を使用する作業や有期溶剤含有物、粉塵作業など、危険または有害な作業もある。家内労働者は、企業内ではなく、自宅で、一人で危険作業を行うことからも、労災保険の特別加入の現状確認と合わせ、引き続き、安全衛生に関して周知・指導の徹底をお願いしたい。
(議題5:その他)
○ 違反率を低くするためにも、指導、摘発は大事だが、様々な媒体を幅広く周知することで、家内労働違反に関する意識が改善・向上するのではないかと思う。
また、靴の最低工賃の対象規格が限定されているのは、今後の課題だと思う。
○ 資料5の1家内労働法に関する監督指導の実施結果をみると、直近の10 年の違反率が60%を超え高止まりし、最低賃金の監督指導による違反率(平成31 年で13.7%)と比較しても大きな数字となっている。また、違反事項の内訳をみると第6 条「工賃の支払い」と第14 条「最低工賃の効力」違反が大半を占めており、最低工賃の存在自体を知らない事業者が多数あるものと伺える。更に、監督指導の件数も、事業者数の0.5%に留まっている。
家内労働で従事する労働者の賃金と安全を担保するためは、事業者が家内労働法を正しく理解した上で労働者に委託することが肝要である。従って、例えば今後5年間など期限を決めて事業者全体の監督指導を行う、説明会等の機会を増やすなど、家内労働法の周知・指導の徹底にむけた取り組みの充実をお願いしたい。
○ 前回の部会(第2回家内労働部会)で検討いただくこととなった「家内労働等実態調査のクロス集計追加」について、家内労働者の「類型」別に「工賃月収額」「必要経費のあり/なし」、ある場合の「必要経費の額」を分析し、資料として公開していただきたい。
家内労働等実態調査は、家内労働者の就業時間、工賃額や就業意識などの実態を知り、中央・地方の審議に活かすべき重要な資料と認識しているため、是非、前向きに検討いただきたい。
○ 議題4 でも触れたが、家内労働者は自宅で、一人で作業するため、家内事業者の安全指導が重要である。家内労働者の安全確保にむけては、厚生労働省の委託事業としての「家内労働者安全衛生確保事業」の中で、事例報告などを折り込んだパンフレットの検討が進んでおり、3 月中にもまとまると聞いている。その内容については、本部会の中でも共有いただきたい。
○ 政府において、2 月25 日に「新型コロナウイルス感染症に対する基本方針」が決定され、本部会が持ち回り開催となった事については了解するが、一方で、本部会は、年1 回、最低工賃の新設・改正計画の進捗状況を確認する大事な機会である。今回は各側委員も相当数入れ替わっていることもあり、前述した議題3 の意見も含め、近々の中で、直接意見を交換できる場の設定なども改めて検討いただきたい。