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2018年4月4日 第25回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成30年4月4日(水) 15:00~16:00

 

○場所

ベルサール半蔵門 ホールB
東京都千代田区麹町1-6-4 住友不動産半蔵門駅前ビル2F

○出席者

井口、田中、千葉、藤井、堀田、山本 (敬称略)

○議題

1.平成29年度介護従事者処遇状況等調査の結果について
2.その他

○議事

 

 

○西嶋介護保険データ分析室長 定刻になりましたので、第25回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催させていただきます。

 

 初めに、本日の委員の出席状況でございますけれども、本日は全ての委員に御出席をいただいてございます。ありがとうございます。

 

 また、委員名簿にも記載をさせていただいてございますけれども、4月1日付で田中委員長が埼玉県立大学理事長に就任をされてございますので、御紹介をさせていただきます。

 

 また、事務局に4月1日付で異動がございましたので、御紹介をさせていただければと思います。介護保険指導室長に山本亨が着任してございます。

 

○山本介護保険指導室長 山本でございます。よろしくお願いします。

 

○西嶋介護保険データ分析室長 それでは、議事に入ります前にお手元の資料につきまして、確認をさせていただければと思います。

 

 まず、お手元の資料を3種類御用意してございまして、座席表の名簿の下に資料1ということで横紙1枚。

 

 資料2ということで、概要の案をホチキスどめしたものがございます。

 

 また、資料3ということで、その詳細な調査結果をクリップどめしているものを御用意させていただいてございます。

 

 過不足等ございましたら事務局までお申しつけ下さい。

 

 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただければと思いますので、撤収方、御協力をよろしくお願いいたします。

 

 では、以降の進行につきまして、田中委員長、よろしくお願いいたします。

 

○田中委員長 皆さん、久しぶりです。こんにちは。

 

 早速、議事次第に沿って進めてまいります。

 

 議題1「平成29年度介護従事者処遇状況等調査の結果」について、事務局より資料の説明をお願いします。

 

○鈴木老人保健課長 それでは、平成29年度介護従事者処遇状況等調査の結果につきまして、御説明をさせていただきます。

 

 まず、資料1をご覧いただければと思います。資料1の裏側がページ2と振っておりますが、これは今回の調査の概要で、まずここから説明をさせていただきます。

 

 今回の調査につきましては、一番上にありますが、調査目的といたしまして「介護従事者の処遇の状況及び介護職員処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、介護報酬改定のための基礎資料を得る」ということでございます。

 

 調査時期につきましては、平成2910月としております。

 

 調査対象施設といたしまして、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、訪問介護事業所、通所介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所、居宅介護支援事業所の以上になっております。

 

 抽出方法につきましては、層化無作為抽出方法により抽出しておりまして、調査客体が1568施設で、うち有効回答数が7,660ということで、有効回答率につきましては72.5%となっております。

 

 続きまして、戻って1ページ目をご覧いただければと思います。これが今回のポイントを示させていただいているところでございます。

 

 まず、介護職員の平均給与の状況でございます。平成29年度改定におきまして、月額1万円相当の拡充を行いました処遇改善加算(ローマ数字の1)でございますが、赤で示しておりますが、そこを取得している施設、事業所におきまして、前年の平成28年と改定後の平成29年の給与を見たところ、28年9月の改定前が283,790円、改定後が297,450円ということで差額1万3,660円の増となっているところでございます。

 

 なお、その下でございますが、加算(ローマ数字の1)から(ローマ数字の5)のいずれかの加算を取っている事業所で平均給与額を比較したところ、平成28年9月ですと281,250円が、29年9月は293,450円ということで、ここにつきましても1万2,200円の増となっているところでございます。

 

 次に資料1の真ん中になりますが、給与等の引き上げの実施方法、複数回答による回答でございます。一番多かったものが定期昇給を実施、もしくは実施予定であるというところが66.4%と最も多くなっておりまして、続きまして手当等の引き上げ、もしくは新設予定が44.7%、給与表を改定して賃金水準を引き上げる、もしくは引き上げる予定であるというところが22.5%ということになっているところでございます。

 

 次に加算の取得状況でございますが、その下のグラフで示させていただいておりますけれども、全体といたしまして、いずれかの加算を取っている事業所につきましては91.2%、取得していないところが8.8%となっているところでございます。91.2%の内訳でございますが、処遇改善加算(ローマ数字の1)、今回新しいものを取得した事業所等につきましては64.9%となっております。以下、13.510.71.11.0という数字になっているところでございます。

 

 その右でございますが、まず処遇改善加算(ローマ数字の1)の届出が困難な理由、つまり処遇改善加算(ローマ数字の2)までは行ったけれども(ローマ数字の1)に行くにはまだちょっとというようなところの理由でございます。これにつきましては、一番多かったのが職種間・事業所間の賃金バランスがとれなくなることが懸念されるためということで38.1%、それから、こういった昇給の仕組みを設けるための事務作業が煩雑であるため、これが33.5%となっております。

 

 また、この下にありますが、処遇改善加算(ローマ数字の2)の届出が困難であるということでございます。これはキャリアパス要件を満たしているか、満たさないかというところで変わってくると思います。一番最初はキャリアパス要件(ローマ数字の1)を満たす、いわゆる賃金体系を整備することが困難であるところが57.7%、続きまして研修の実施、いわゆるキャリアパス要件(ローマ数字の2)ですけれども、それを満たすことが困難というものが44.7%ということになっております。

 

 それからその下になりますが、そもそも加算を取得していない8.8%の者に対しまして、何で加算を届け出ないのかという理由につきまして聞いているところでございます。これにつきましては、一番多いものが事務作業が煩雑であるということで51.3%、利用者負担の発生があるためが39.6%、対象の制約があるためが26.8%ということで、こういった理由によりまして加算の届出をしていないところが出てきているところでございます。

 

 続きまして、資料2になります。これはその次にあります資料3というものが全体の調査結果になりますが、それの概要版として資料2をつけさせていただいております。

 

 まず1ページをご覧いただきますと、一番上に先ほどお話をさせていただきました今回の調査の概要、それから、処遇改善加算の取得状況についてということで項目が並んでいるところでございます。それから、大きな(ローマ数字の2)といたしまして、介護従事者等の平均給与額の状況についてまとめさせていただいております。(ローマ数字の3)で給与等の引き上げ以外の処遇改善状況ということで、最後にそれぞれの内容をまとめさせていただいております。

 

 開けていただきまして、2ページは概要でございますので、割愛させていただきます。

 

 3ページをご覧いただければと思います。結果のポイントのところにも示させていただきましたが、加算の取得状況についてそれぞれ全体及び各施設ごとにどれだけ取られているのかということを掲載しているところでございます。

 

 アンダーラインを引いてあります加算の取得(届出)をしている事業所は全体の91.2%、取得していないところが8.8%、また(ローマ数字の1)から(ローマ数字の5)の状況で見ますと、(ローマ数字の1)を取っている事業所が64.9%ということになっております。全体で見ますと届出をしているところにつきましては、特に介護老人福祉施設につきましては99.0%、一番下の認知症につきましても98.8%と非常に高いところになっております。一方、低いのが介護療養型医療施設で69.1%というような状況になっております。

 

 続きまして、4ページになります。4ページは加算(ローマ数字の1)を取得している事業所が満たすキャリアパス要件(ローマ数字の3)の内容ということで、新たな加算を取得するための条件として、今回キャリアパス要件(ローマ数字の3)というものを作らせていただいているところでございます。キャリアパス要件(ローマ数字の3)ですが、この表にありますマル1からマル3のいずれかを満たす場合につきまして、今回キャリアパス要件(ローマ数字の3)を満たすということになっているところでございます。

 

 マル1につきましては、経験に応じて昇給する仕組みを設けている。例えばこれは先生方も御存じだと思いますが、経験によって3年目、5年目、10年目というような、そういった段階に応じた昇給の仕組みを設けている場合、マル2になりますが、資格等に応じて昇給する仕組み、これにつきましては、例えばヘルパーの方々が介護福祉士の資格を取った、またはそれ以降、事業所が指定する資格を取っている、そういったところで給与が増えていく仕組みをとっているところです。

 

 マル3につきましては、一定の基準に基づき定期的に昇給を判定する仕組みを設けている。これは例えば事業所内、もしくは事業所外でもいいのですが、そういった昇給に関するテスト等を行っていただいて、それを満たす場合については昇給ができる、そういった仕組みを設けている。このいずれかを満たしていただく必要がありますが、今回一番多かったものが、経験に応じて昇給する仕組みを設けているというところが68.4%と非常に多かったという結果が出ているところでございます。

 

 続きまして、5ページをご覧いただきます。処遇改善加算(ローマ数字の1)の届出が困難な理由でございます。先ほどまとめにも入れさせていただきましたが、一番多いのは、マル4の介護職員の昇給の仕組みを設けることにより、職種間・事業所間の賃金のバランスがとれなくなることが懸念されるため、これによって今回届出をしないというものが38.1%、それからマル2の昇給の仕組みを設けるための事務作業が煩雑である、これが33.5%となっております。マル4につきましては、どちらかというと特養ですとか老健、介護療養型というところで大体50%を超えているところになります。逆にマル2につきましては、どちらかといえば小さい事業所というような形で、訪問介護、通所介護、認知症グループホーム、そういったところが若干ではございますが、施設よりも高めの傾向になっております。

 

 6ページです。処遇改善加算(ローマ数字の1)の今後の届出の予定ということでございますが、届け出る予定があるか、ないかということになります。これにつきまして、全体といたしましては、加算(ローマ数字の1)を届け出る予定があるというところが37.7%ということで、届出の予定がないというところが62.3%ですので、約3分の1が今後届出を予定しているというところになります。ただし、これにつきまして、取得が困難な理由といたしましては、マル1にありますが「昇給の仕組みをどのようにして定めたらよいかわからないため」というところが41.2%ということで、届出はしたいのだけれども、こういったところが問題になっているというような形での回答を得ているところでございます。

 

 7ページになります。これは結果のポイントに示させていただいております処遇改善加算(ローマ数字の2)の届出が困難な理由ということで、これにつきましては、やはりマル1のキャリアパス要件(ローマ数字の1)を満たすことが困難であるというところが約6割弱となっております。これにつきましては、各施設ごとに見てもやはりここが一番高いというような傾向になっているところでございます。

 

 8ページでございます。これも結果のポイントに示させておりますが、加算を取得していない理由につきまして、サービスごとに示したものになっております。

 

 ポイントの中にもありましたが、一番多いのは事務作業が煩雑というところでなっておりまして、どちらかというと施設系というよりも通所系、訪問介護、通所介護、認知症グループホームというようなところが、この理由によって届出ができないというような傾向にあると思われます。それから、マル5の利用者負担の関係につきましては、ばらつきもありますけれども、やはり通所介護、訪問介護、認知症グループホーム、そういったところが高いような傾向にあります。それから、マル1の対象の制約が困難なためということで、これはどちらかというと介護療養型、つまり病院と併設しているところ、これが一番高くて53.0%、それから認知症グループホームが続いているというような状況になっております。

 

 9ページでございます。ここからは介護従事者等の平均給与額の状況になります。

 

 まず9ページでございますが、これは引き上げの実施方法ということで、どこを改定することによって給与等の引き上げを行ったのかというものでございます。全体でございますが、複数回答になっております。一番多いのはマル2にあります定期昇給を実施する、もしくは実施予定ということで引き上げているという回答で、その次に手当の新設というところが44.7%ということになっているところでございます。

 

10ページになります。10ページは処遇改善加算(ローマ数字の1)を取得もしくは届出をしている事業所の状況ということで、介護職員につきましては一番上にございますが、28年9月は283,790円であったものが、1年後の29年9月に297,450円ということで、差分といたしまして1万3,660円の上昇を見られているところでございます。しかしながら一方で、その他の職種につきましてもここで記載されておりますが、1万円強から少ないところで3,500円まで何らかの形で処遇改善が行われているという結果が出ているところでございます。

 

11ページになります。これにつきましては介護従事者の平均基本給、先ほどのほうは平均給与額、月給常勤で平均給与額でしたが、今回は基本給のみということで比較をしております。29年9月と28年9月で基本給を比較しますと、1年前に176,300円であったものが、1年後の29年9月ですと179,560円ということで、基本給自体につきましては3,260円上昇しているという結果になっております。

 

12ページになります。参考ではございますが、今回の介護職員の平均給与額の月給常勤の者で、先ほどどこで上がっているケースが多いのかというものを作りましたが、実際にその部分についてどれだけ上がっているのかということについてクロス集計したものになっております。平成28年9月と平成29年9月を比較しますと、全体でいえば先ほど申しましたとおり1万3,660円上がっておりますが、その内訳といたしまして、平均ですけれども、基本給部分が3,260円、手当部分が7,760円、一時金、賞与等によって上がっているものが2,630円というような状況になっているところでございます。

 

13ページです。ここからが時給、もしくは非常勤職員の平均給与額の関係になります。

 

 まず平均給与額ですけれども、加算(ローマ数字の1)を取得しております事業所におきます介護職員の時給・非常勤の者の平均給与額になりますが、これにつきましては、平成28年9月が9万7,480円であったものが、29年9月は101,260円ということで3,780円上昇しているところになっております。以下、他の職種につきましては下記のような状況になっております。

 

 それと同様に14ページになりますが、今度は基本給の関係で時給・非常勤の方の平均基本給額につきまして時給換算しているところです。それで比較いたしますと、28年9月が介護職員ですけれども、1,090円であったものが29年9月は1,110円ということでプラスの20円ということになっております。ほとんどの職種につきましても、10円ないしは20円の上昇が見られているところになっております。

 

 それから、15ページが月給・常勤の者の勤続年数別の平均給与額になっております。全体の平均給与額が表の一番上にありますが、平均勤続年数が7.1年という状況になっておりまして、全体ですと1万3,660円ですが、1年以上2年未満の方々につきましては、その差分につきましては3万円の上昇、以下1万4,390円、1万2,990円、1万4,800円、1万2,130円、1万950円ということで、全ての年代、勤続年数にかかわらず増となっております。特に1年目につきましては、手厚い増がされているというような結果になっております。

 

 続きまして16ページですが、同じ勤続年数ですけれども、これにつきましては月給常勤の基本給の関係で見ているところでございます。基本給につきましても、それぞれここにありますとおり、勤続年数にかかわらず増となっております。ただ、それぞれの増分についてはばらばらな状況になっております。

 

17ページが、今度は月給常勤の者の関係で処遇改善加算(ローマ数字の1)を取得している事業所におけます月給常勤の者の保有資格別の平均給与額になっております。保有資格ありのものと保有資格のないものにつきまして、平均額につきましては保有資格ありというものが1万3,160円のアップ、保有資格がない場合につきましては1万3,630円のアップということになっております。もともとこれにつきましては、もとの金額が保有資格ありの場合ですと、平成29年9月ですと299,850円、保有資格がない場合につきましては26560円ということで、ベースのところがちょっと違いますけれども、差につきましてはほぼそんなに変わらず増ということになっています。

 

 また、保有資格の有無につきましても、月給の給与金は違いますけれども、アップ分につきましてはほぼ同等という形で、皆さんどのような資格を持っていても均等に上昇されていると思っているところでございます。

 

18ページになります。今度は処遇改善加算(ローマ数字の1)から(ローマ数字の5)、何らかの処遇改善加算を取っている事業所全体の状況ということで集計をさせていただいております。全体ですと、冒頭のまとめにも申しましたとおり、介護職員につきましては1万2,200円のアップということになっておりまして、それ以外の職種につきましても以下のとおり上昇が見られているということになっております。

 

19ページは基本給の関係ですけれども、基本給につきましては3,140円の増、そのほかの職種につきましても一定程度の増が見られているというところになっております。

 

 続きまして20ページになりますが、同じように先ほどの平均給与額につきまして基本給、手当、一時金のそれぞれの増加分の金額を示したものでございます。今回、1万2,200円増のその内訳になりますが、基本給が3,140円、手当が6,650円、一時金、賞与が2,420円ということで、先ほどのデータとは割合的にそれほど変わらないのではないかと思っております。

 

21ページになりますが、(ローマ数字の1)から(ローマ数字の5)を取っている事業所のうち、時給・非常勤の方々の平均給与額の関係でございます。これにつきましても2,760円のアップということで、そのほかの職員につきましても何らかのアップが見られるところでございます。

 

22ページが今度は(ローマ数字の1)から(ローマ数字の5)を取っている事業所で、それぞれの職種別に時給換算で見たものでございます。基本給を見たものでございますが、基本給につきましても栄養士と管理栄養士につきましては差はありませんが、それ以外の職種につきましては10円ないしは20円のアップがされているところになっております。

 

23ページが、(ローマ数字の1)から(ローマ数字の5)の中で取っている事業所におけます月給・常勤の者の勤続年数別のいわゆる上昇分、給与額の状況について見ているものでございます。これにつきましては全体が今回、平均勤続年数が7.3年ということになっておりまして、それぞれ1年目から10年以上までここで示させていただいておりますが、全ての勤続年数におきまして増になっているところでございます。また、こちらのほうにつきましても先ほどの加算(ローマ数字の1)の事業所の場合と同様に、1年目のところにつきまして手厚い上昇がされているというような結果になっております。

 

24ページが、介護職員の平均給与額の月給・常勤の者の勤続年数別の状況になっております。これにつきましても、先ほどのケースと同じように勤続年数にかかわらず増が見られているというような結果になっております。

 

25ページが、介護職員の(ローマ数字の1)から(ローマ数字の5)を取得している事業所におきます保有資格の有無による状況になっておりますが、ここにありますとおり、保有資格の有無にかかわらず、全ての資格について増となっております。

 

 最後でございますが、26ページです。これは給与等の引き上げ以外の処遇改善状況ということで、3つのカテゴリーにしてそれぞれ調査をしましたところ、まず資質の向上について、いわゆる実務者研修等の受講支援といったものを行っているという事業所が非常に多く、67.4%となっております。それから労働環境・処遇の改善という分野におきましては、ミーティング等による職場内のコミュニケーションの円滑化による、個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善ですとか、マニュアル作成によります責任の所在の明確化、そういったものが80%を超えております。こういったところで、処遇改善加算以外の処遇改善が行われているという結果が出ているところでございます。

 

 最後に資料3につきましては、全体的な詳細版になります。先ほど御説明した内容に関する統計表を掲載しているものでございます。

 

 まず、3枚おめくりをいただいて、目次が出ていると思います。目次について少し御説明させていただきますと、一番上に第1表から第3表とありますが、これにつきましては、各集計項目につきまして、1つは単純集計、それから規模別のクロス集計、それと経営主体別のクロス集計、これをワンセットにして第39表まで続いているところになります。

 

 それから、次のページの第44表からです。44表以降につきましては平均給与額の状況になりますが、これにつきましては単純集計のほか、規模別、経営主体別、職位別、勤続年数別、保有資格別、それと性、年齢、階級別等のクロス集計をそれぞれ載せさせていただいております。本日は時間の関係もございますので、これらについての説明は省略させていただきます。

 

 事務局の説明は以上です。

 

○田中委員長 ありがとうございました。

 

 では、ただいまの説明のありました事項について、意見・質問、何よりも読み方に関するコメント、それぞれの御専門の立場からあればお願いいたします。

 

 井口先生、お願いします。

 

○井口委員 ただいま説明をいただきましたが、調査結果について厚生労働省として、担当として、正直なところ、どう受けとめているのか、率直な思いを聞かせていただきたいと思います。

 

○田中委員長 課長、お願いします。

 

○鈴木老人保健課長 今回の処遇改善加算は新しい処遇改善加算になりますが、今回、28年と29年を比較しますと月額1万3,660円の増ということになっております。これについて、やはりこの増というのは29年度の月額1万円相当の処遇改善を実施したことは大きな要因だと思いますし、それ以外にも施設、事業所の自助努力によりまして給与の引き上げが実施されているということで、処遇改善自体は着実に進んでいるものと考えているところでございます。

 

 また今回、処遇改善加算につきましては、大体65%ぐらいの事業所に取っていただきました。前回の旧処遇改善加算(ローマ数字の1)、今ですと処遇改善加算(ローマ数字の2)ですけれども、それが一番最初のときには大体60%強ぐらいでしたので、それと数字的には余り変わらないということであれば、今回の処遇改善加算についても、やはりそういった事業所のほうできちんと考慮して取っていただいているのではないかということで、処遇改善自体は進んでいるのではないかというのが我々の基本的な考えになっております。

 

○田中委員長 千葉委員、どうぞ。

 

○千葉委員 質問とか意見ではなくて感想めいたところで恐縮なのですが、今のいろいろな調査結果を拝見しまして、今、御説明があったように、全体としては1万3,660円増加した。今回の臨時改定で平均1万2,000円アップというねらいに対しては、それに近い水準です。むしろ12,000円より高いということは、かなり頑張っている。処遇改善が着実に進んでいるのだろうということは、今の御説明のとおり、私もその通りだと思います。

 

 ただ、その後ろの背景にあったものとして考えなければいけないのが労働市場全体の状況です。これは産業を問わずなのですが、今、本当に人手不足の大合唱という世の中になっています。そういう意味での需給のタイトさというものが一つ大きな背景になっていて、その中で介護の現場でも処遇水準は、人手確保のためにやむにやまれず改善していくという要素も考えられる。そこに処遇改善加算が一つ助けになっていったのではないかという形とも解釈できるように拝見しました。

 

 逆に言うと、今回、処遇改善加算を臨時的にやった背景の一つに、他産業との給与水準差を少しでも縮めようというものがあったかと記憶しているのですが、その点で言うと、労働市場全体が底上げしてしまっているところがあるので、介護で改善してもその差は結局開いたまま並行移動しているのではないかというところは注意しておかなければいけないのではないかと思います。

 

 法人の自助努力というあたりもいろいろ垣間見えたところなのですが、最近いろいろな方々に聞くとちょっと感じるのが職種間の問題、例えばこれは介護職員の処遇改善ということで、それ以外の職種の方との開きというものをどう埋めていくのか。これは法人の自助努力になっていくわけですが、その辺がそろそろ限界になり始めている法人さんの声も聞かれています。

 

 さらには、例えば処遇改善というものは介護の分野のみならず障害とか子育ての分野についてもあるわけですが、それぞれ制度設計が独特の形をとっているので、法人としてみた場合、各制度の間で必ずしも整合的でない。職員の俸給・処遇は法人一本として、給与規程等で定められているわけですが、制度が縦割りで、法人がそこに挟まっていろいろ苦慮されているような法人さんもいらっしゃる。

 

 これは別にここで議論すべきことではないかとは思うのですが、特に気になるのは、例えば介護療養など医療系の施設などでの今回の調査での取得率が多少低いとか、または困難だと感じているのも、そこら辺が一つ背景としてあったのかなと感じました。

 

 以上です。

 

○田中委員長 現場感覚に合わせて大変貴重な御意見ありがとうございました。

 

 山本委員、お願いします。

 

○山本委員 御丁寧な説明ありがとうございました。

 

 私のほうからは1点が質問と、1点が感想といいますか、意見のようなものです。

 

 1点目の質問なのですけれども、今、千葉先生が申し上げられたのと同じ質問になるかもしれないです。資料1のポイントのところで全体として上がっております。これは非常に望ましいことではあるのですけれども、やはり広い目線で見て他産業との比較という意味でこの1万3,660円上がりました。では、このパーセンテージがほかの産業と比較したときにどのような位置づけなのかというところの何かデータをお持ちであればぜひ教えていただきたいなと思いました。

 

 この処遇改善の目的自体が、この職業の魅力を高めて、より新しい労働者を引きつけるための施策であると思いますので、当然ほかも上がってしまって結局上がりにおいて魅力が少ないとなってしまえば、何をやっていたのかということにもなりかねないと思いますので、そのあたりで客観的なデータなり、そのあたりの位置づけがわかれば、さらに今後どうしていけばいいかということの考えるポイントにもなるのかと思いました。これが1点目でございます。

 

 2点目、これは感想のようなところではあるのですが、これも同じ資料1のポイントの一番右の下のところに加算を取得していない施設さんがまだ多数おられる。かつその理由のところを見せていただきますと、事務作業が煩雑というような形で書かれております。私の立場から申し上げますと、このような申請の事務処理自体は基本的な事務処理でありますので、この部分が煩雑でできないと回答されますと、では本来、ふだんやっておられる会計事務であるとか、税務事務とか、経営の根幹の事務自体もちゃんとできているのだろうかと不安になるような回答でございます。

 

 いろいろ御事情があるとは思うのですけれども、経営の基本のところがまだまだできていないということであれば、そういうところを支援するような仕組みも必要ではないかと思うところもありますし、一方で厳しい言い方をしますと、このような事業者様が運営を続けていくこと自体の意味みたいなところも問われてくるような数字といいますか、表現ではないのかなと思いました。

 

 2点目は意見でございますので、そのように感じたというところでございます。

 

○田中委員長 意見は厳し目でして結構です。

 

 質問にお答えください。

 

○鈴木老人保健課長 済みません。第1点目の質問でございますが、実はこれにつきましてちょうどいい比較をするような統計というものがほかにはなかなかなくて、よく言われますのが厚生労働省で行っております賃金構造基本統計調査との比較があるのです。これにつきまして、全産業とホームヘルパー、もしくは介護職員という形で比較することはあるのですが、難点があります。

 

 もともと賃金構造基本統計調査自体は、今回の加算を取っているか、取っていないかというのはまるで関係はないというような事業所であるということですとか、あと、役職者を含んでいるか、含んでいないかという問題、それから前年と比較するために、こちらは勤続年数の1年目より上を入れているのですが、向こう側は1年目も入れているので、その辺で新人さんが入っているということで若干低く出てしまうという形。あと、調査客体も結局、地方公共団体ですとか、いわゆるそういったところがこちらは入っているのですが、向こうは民間だけという形があります。最大は賞与について、こちらは当年の賞与の6カ月分で割り戻ししていますけれども、賃金構造基本統計調査のほうにつきましては前年の賞与で計算していますので、そうしますと賞与で改善するとそこは反映されない。そういったものがあって、なかなかうまくヒットする比較というのがないというのが現状でございます。

 

 ちなみになのですが、賃金構造基本統計調査でどうなっていたかといいますと、この間の3月に一応は出ておりますが、ホームヘルパーですとか福祉施設介護員につきましても、28年と29年の調査で両方とも上がっていることは上がっております。ただ、千葉先生がおっしゃったとおり、全産業に比べてもやはりこちらのほうが上がっているという状況になっていますので、改善はされているのだろう。ただし、どこまで縮まったかどうかはなかなか比較できないというような状況だと我々は思っているところでございます。

 

 それから2点目、先生から意見がございましたが、確かにここの事務作業が煩雑というのは非常にあります。結構小さいところでそういった職員さんがいらっしゃらないというようなものも一つの要因ではございますが、他方、先生がおっしゃるように、そういった基本的なものはやるべきじゃないかというような御意見もございます。

 

 今年度からの事業になりますけれども、介護職員処遇改善加算の取得促進支援事業を行うことにしておりまして、これは全体予算規模が2.2億、補助先は都道府県と指定都市なのですが、補助率10分の10で、内容につきましてはこういった未届のところ、もしくは加算の(ローマ数字の4)とか(ローマ数字の5)、そういったところの事業所に対しまして、新規の加算の取得ですとか、より上位の加算の取得に向けて、社労士など専門的な相談員の方々を直接事業所に派遣して、そこで教育をしてもらう、もしくは手伝ってもらうというような事業を今年度から始める予定にしています。

 

 これによって、少しでもこういった加算を取っていないところ、もしくは加算が下のほうのところが上位のところにとれるような、そういったこともあわせて我々はやっていきたいと思っているところでございます。

 

○田中委員長 よろしいですか。

 

 藤井委員、お願いします。

 

○藤井委員 丁寧に御説明いただきましたように、1万3,660円上がっているということで、かけた予算といいますか、それに応じたということになるのだと思いますが、昨年度も平成28年度介護事業所処遇状況等調査結果というものを何も予算的な措置をしないで、データをとったわけです。そのとき、これは定点調査ではないので純粋な比較はできないと思いますが、昨年の調査を見ますと、そのときが9,530円上がって、ことしが1万3,660円ということで、事業所の努力で9,530円上げられて、それにプラスアルファ1万3,660円ということですから、4,000円ぐらいじゃないかという意地の悪い見方はあり得ると思うのです。

 

 ただ、これは見方として、9,530円というのは非常に人材確保難であるという中で、別途やっている介護事業経営実態調査で非常に利益率が下がってきていて、こちらが上がっているということで、かなり経営としては頑張って上げていただいた。平成29年度にそれを自助努力でさらにおやりになると、かなり赤字のところは増えていたであろう、あるいはできないところが増えたであろうと考えますと、自然体でこの金額、例えば平成29年の9,530円というものは非常に難しかったのではないかということが想定されます。

 

 したがって、この1万3,660円というものは全額、政策効果によるものというのはちょっとよくわかりませんけれども、かなりこの政策の効果は大きかったのではないか。ただこれは、やはり平成30年以降の介護事業経営実態調査でどの程度経営実態が変わってきているかということとあわせて、初めてこのあたりの評価も可能なのかなということですが、現在のところでいうと、政策効果全体とすれば、まず適切と思われると言っていいのではないかと私は思います。

 

 幾つかその先がございまして、千葉委員、山本委員がおっしゃったように、労働市場といいますか、ほかの産業が非常に人材が逼迫している中で、介護の人材もやはり確保したい。介護の仕事をしておりますと、ほかより優先して確保したいぐらいに思うわけでございますが、ほかの産業から見ればそれは果たしてどうだろうか。やはり山本委員、あるいは千葉委員がおっしゃったように、他産業をどう比較するか。老人保健課長がおっしゃったように、賃構とこのデータというのはそのまま比較できないようになっているわけでありまして、そのあたりをどうするか。

 

 この調査はそういう政策目的ではないので、これを直ちに比較すべきとは思わないのですけれども、介護給付費分科会で以前、堀田先生、田中先生がいらっしゃる中で、果たしてどの程度、介護職員が高いと言えるか、安いと言えるかという議論が一度されたと思います。給付費分科会でやるのかどうかわかりませんけれども、そのあたりの議論なりデータなりというものがそろそろ改めて必要なのではないかと思っております。

 

 その点で1点、気になっておりますのが、労働市場という見方をいたしますと、介護の仕事というのは基本的には資格がなくてできる仕事であるということと、それから介護福祉士、あるいはその他の資格があるということでして、賃金の面からやはりこれは一定程度、線が引かれるであろうということになります。

 

 今年度のデータで言いますと、資料2の25ページを見ますと、御説明あったとおりなのですが、残念ながら国家資格職より資格がないというところが上がっているということになっておりまして、差が縮まるということに当然なるのであろうと思います。これが、資格職というものは経験年数が長くて、資格なしというものは経験年数が短い。経験年数が短いほうが賃金を上げる傾向が出ていますので、どちらが原因でどちらが結果なのかという見方をちょっと分析しないといけないのかなと思います。

 

 ただ一点、先ほど申し上げました28年調査と比較いたしますと、多少いい点といいますか、28年調査とこの25ページの表を比べますと、資格なしでいいますと、25ページで1万2,610円となっておりますが、28年調査との差が1,280円です。これが保有資格ありで見ますと1万1,730円となっていますが、28年調査と比較すると2,770円ということで、資格があるほうが今回の改定によってより上げるほうに働いている。結果としては上がっていないのですけれども、さらに介護福祉施設というものが一番上がるように政策効果があったということですから、やはり事業所側のインセンティブを考えますと、加算という形で来たときに、より国家資格というものに報いよう。片方でどうしても人材を確保しようといったときに、介護福祉士が欲しいが、なかなか行かないとなると、資格に関係なくより1年目から給料を上げたものを示したいという一般的な状況と、政策的に上げるといったときの状況が、おのずと行動が違ってくるのではないかなという解釈も成り立つかなと思いまして、そういう政策効果はあったと言ってもいいのかなと思います。

 

 いずれにせよ、今申し上げているのは、他産業と比較するという観点から言いますと、介護福祉士とそれ以外を分けるという視点が必要な時期ではないか。そのときに賃構は介護福祉士を分けてくれておりませんで、ちょっと調べたら私もうっかりしていたのですけれども、賃金構造基本統計調査の職種分類を去年の夏に見直されてパブリックコメントを出しておられて、そのときに意見を言えばよかったのですけれども、どうやら次の職種も介護福祉士を分けるようには動いておられないということで、やはりどうしても介護福祉士と介護士以外ということを分けた分析というものが、ほかの産業と比べられるようなデータづくりがないと、この議論というものはそろそろ難しくなってきているのではないかと私自身は思います。これはちょっといろいろな意見があるのではないかと思いますけれども。

 

 最後に1点ですけれども、山本委員がおっしゃった事務作業が煩雑の部分でございますが、これは2回目か3回目になるのですが、私がかかわっております職員が10人とか15人しかいないような事業所でも、これの届出はそんなに大変ではございません。それより、いろいろな加算の届出のほうがよほど大変ですので、これが事務作業が煩雑がゆえにできないのはどうしても理解できませんので、そう思い込んでおられるということではないかと思います。

 

 補助事業をつくられたということはすばらしいと思うのですけれども、ちょっと違うのではないかということと、今の資料の3ページを見ますと、本当に99%とかそういう段階に来ておりますから、取っていないところを都道府県に調べていただく。何でとれないのだろうかというぐらいの数字になっているのではないかと一つは思いますので、とれていないところをアンケート調査でなぜですか、事務作業が煩雑ですと、事務作業を減らせというのもそろそろ終わりではないかなと思います。

 

 もう一点なのですが、介護療養型医療施設がいつも低い。これはほかの委員の方々はわからないのですが、私は法律でそもそもこの制度がなくなるということなので、これについて深い議論をするということがどういう意味があるのだろうかということで、特にこの数字に注目していなかったのですが、介護医療院ということがなっていく中では、この介護療養型医療施設という数字を、この低いのはどういうことであろうかという分析をしっかりした上で、この数字をぜひ上げていただこうという視点が必要ではないかと思います。

 

 1つは、看護職が非常に多いですので、それとの関係で賃金が上げづらいということは十分わかるのですけれども、老健などと比べまして、資料2の5ページを見ますと、これは(ローマ数字の1)ですけれども、(ローマ数字の1)の取得困難理由を見ますと、ほかの施設と比べて大きいものは、昇給の仕組みをどのように定めたらよいかわからないというのが3施設の中では若干多いですが、訪問、通所、あるいはグループホームと比べて遜色ない。マル4に関して、職種間バランス、事業所間バランス、これも3施設の中で特にぬきんでているわけではないです。それから、マル5の事業所内合意に関しても3施設の中でもむしろ少ないということですので、原因から見て、この介護療養型医療施設というものが加算を算定していないというのが少し現段階ではわかりにくいということでございます。

 

 これから介護医療院に行かれるのか、何に行かれるかにもよるかと思いますが、最大のこれを適用していただいていないところです。私自身の知り合いが実際に介護職員で引っ越しされた関係で近所の療養型で介護職員として勤務されたら随分低い給料になった。それは単なる個別の話だという要素もあると思うのですけれども、ちょっとこの問題も今後きちんと見ていったほうがいいのではないかということです。

 

 以上です。

 

○田中委員長 多数の貴重なコメントありがとうございました。

 

 堀田委員、お願いします。

 

○堀田委員 簡単に感想と、あと、もしお持ちであればということで質問が2点です。

 

 感想は、これをずっとこういう形で続けてきているわけですけれども、今後こういう処遇改善加算みたいなものをずっと維持し続けるのかどうかということを、どういう形で維持していくのか、それともどうするのかということを議論するときの論点は何かということを毎回淡々と結果を丁寧に整理していただいたことを伺っているわけですが、その議論をするための論点を整理するということがそろそろ必要なのではないかと思いましたというのが感想です。

 

 それから質問は、1点目は地域ごとの加算の取得状況の何か特徴みたいなものというのは、済みません、私は過去も見たかどうかの記憶がないのですけれども、何らかの分析をされたことはあったでしょうか。なければないで結構なのですが、もしお手元でお持ちであれば教えていただければと思いましたのが1つ目の質問です。

 

 2つ目は、資料2でいきますと、一番最後の26ページのところに給与等の引き上げ以外の処遇改善状況についてというものがありまして、分厚い資料3でいくと40ページのところに表が掲載していただいていると思うのですけれども、今後、加算取得促進みたいな事業もやっていかれるということですが、給与の引き上げはやっていないけれども、赤い線がついているところだけではなくて、実際にはこの職員の増員による業務負担の軽減みたいなところというのも、従来または今回実施、特に今回さらに充実というのもプラス1割ぐらいさらにというところがあったりして、事業所によっては給与の引き上げはなかなか難しいのだけれども、こちらの給与以外のところで対応するという御判断をするところもあるのではないかなと思うのです。

 

 そこら辺の給与の引き上げと、それ以外の処遇改善の状況を組み合わせたときに、どんな傾向が見られるのかということの分析も、その規模別なり、あるいは地域別なり、事業種別みたいなことでやっておられれば、何らかの傾向を教えていただければと思いました。

 

 以上です。

 

○田中委員長 老人保健課長、どうぞ

 

○鈴木老人保健課長 まず、第1点目の御質問で、地域区分ごとについてなのですが、実はこれまでそういった観点で切り分けをしたことはございません。今後そういったことも含めて、少し地域の賃金バランスですとか、そういったものを見ていかなければいけないのかなということで、御指摘ありがとうございます。

 

 それから、2点目の26ページのこの関係なのですが、これはもともと職場環境要件ということでキャリアパス要件、今回の処遇改善の加算の中の一つのベースラインとなりますということでやっていただいているということになっています。これと賃金の上昇分の影響ですとか、もっと言えばキャリアパスのどれをとっているかですとか、そういったところのクロスというのも実はまだやったことがなくて、今、実際にどの辺が一番多いのかというところを、まずそこを調べるというのがこれまでの経過でしたので、今後そういったところも少し視野に入れながら、環境をよくするというのは、直接的な給与ではない、もう一つの要因として非常に重要なものだと思いますので、そういったところも今後検討していきたいと思います。

 

○田中委員長 どうぞ。

 

○堀田委員 先ほども山本委員がたしかおっしゃっていたような気がしますけれども、もともとの目的はより介護従事者になりたいと思う方、そしてなって、定着して力を発揮していただきたいという目的だと思うので、給与のこととそれ以外のベースのところがどんなところが相まって、その満足感なり入職したい、あるいは継続したいというところにきいているのか、ほかの調査も組み合わせながら検討することもできると思うので、ある程度次なる分析に行ける時期なのかもしれないなという気がしました。

 

 以上です。

 

○鈴木老人保健課長 以前、別のデータの調査だったと思いますが、済みません、うろ覚えで申しわけないのですが、退職した理由で、1つは施設の方針にそぐわなかったというものがかなり多かったのと、あと2番目か、3番目ぐらいにやはりお金の話が出て、それから環境の話が出てきたという結果が出ていたと認識しています。ですので、それも踏まえて今回、これまでそういった環境の改善もやっていただきたい。

 

 ただし、どれが一番いいのか、どれをやらなければいけないのかというものが各事業所によってばらばらになりますし、またその事業所の形態によっても違ってくるので、こういった羅列方式ではないですけれども、こういったところでどれでもいいから何かしら絶対にやってくださいというやり方にしています。そろそろ、そういった中で各事業所の形態がわかってくれば、どれが必須でどれが2位だというのがもう少し絞れるかもしれません。そういったものは今後とも検討したいと思っています。

 

○田中委員長 ありがとうございます。

 

 ほかはよろしいですか。

 

 最初に処遇改善加算を始めたころは、介護従事者だけが賃金が低いからここに給付するという問題意識がありましたけれども、最近、きょう全員が御指摘になったように、ほかの産業の労働需給も厳しくなってきている環境変化がありますので、それを踏まえてどうするかが一つです。

 

 もう一つは、いつまでも処遇改善加算及びそれに関する調査だけでいいかと堀田委員から問題提起がありましたが、それも考えなければいけない時期であると私は感じました。

 

 ほかによろしゅうございますか。

 

 大体予定していた時間になりましたが、貴重な御意見ありがとうございました。

 

 本日の議題1については、本日提示させていただいた内容で当委員会としては了承し、この後すぐ開催される介護給付費分科会に報告することでよろしいでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○田中委員長 ありがとうございました。

 

 では、本日の審議はここまでといたします。

 

 次回の予定について、事務局より説明をお願いします。

 

○西嶋介護保険データ分析室長 本日はありがとうございました。

 

 次回の日程等につきましては、事務局より追って御連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○田中委員長 それでは、本日の委員会を終了いたします。

 

 お忙しいところ、どうもありがとうございました。

 

 

(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 2018年4月4日第25回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録(2018年4月4日)

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