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2018年3月26日 第4回「雇用類似の働き方に関する検討会」議事録

○日時

平成30年3月26日(月)15時00分~17時00分


○場所

厚生労働省共用第6会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館)


○議題

(1)報告書(案)について
(2)その他

○議事

 

鎌田座長:定刻となりましたので、ただいまより、第4回「雇用類似の働き方に関する検討会」を開催いたします。委員の皆さま方におかれましては、ご多忙のところお集まりいただき誠にありがとうございます。本日は飯田委員、土田委員から欠席のご連絡をいただいております。本日は雇用類似の働き方に関する検討会の報告書案について、厚生労働省から説明を行った後、意見交換をしたいと思います。

カメラ撮りにつきましては、申し訳ございませんが、ここまでとさせていただきます。

それでは、早速ですが、議題に入りたいと思います。まずは、厚生労働省から資料についてご説明をお願いいたします。

永倉在宅労働課長補佐:では、私のほうから資料1と資料2について説明をさせていただきます。まず、先に資料2について、見ていただいてよろしいでしょうか。資料2が、前回のご指摘を踏まえまして、JILPTの行った調査について、可能な範囲でクロス集計をしたものとなります。

資料2、おめくりいただきまして、まず、2ページ。これは1年間の独立自営業の仕事の取引先数と独立自営業者を続ける上での問題点についてクロスをしたものになります。取引先数が1社というものについてが、この棒グラフの赤い部分になるのですが、これを見ていただきますと、例えば一番右、「特に課題はない」というのが、意外と多くなっていまして、他の課題については、他の類型よりもちょっと低くなっているということになっておりました。ただ、これは単に1年間の取引先数が1社ということで、限定してみているだけですので、継続性、稼働日数、あとは専業、副業などについては特に考慮されていないということは留意が必要かなと考えられます。

続きまして、3ページ。今度は仕事の取引相手として「クラウドソーシングの会社を通じた取引をしていた」のみの回答者に限定して、書面等による契約内容の明示の有無についてみたものになります。全体と比べていただきますと、あまり傾向の違いはなかったという結果でございました。ただ、下の※で書いたのですが、この設問については、「主要な取引先事業者から書面(メールを含む)によって契約内容の明示がありましたか」という質問になっていますので、通常クラウドソーシングの場合、プラットフォーム上でやりとりをすることが一般的と考えられるので、回答者がそれを考慮しているかどうかというのは、ちょっと分からないところになります。

おめくりいただきまして、4ページ。今度は1年間に行った独立自営業の仕事内容のうち、最も多く行ったもの、ここでは専門業務関連に限定しているのですが、これと主要な取引先事業者からの書面等による契約内容の明示の有無についてみたものになります。全体を見ていただきますと、ちょっと差がありまして、例えば真ん中辺りの「翻訳・通訳」の部分は、8割ぐらいが「はい」という回答になっておりますが、その2つ右の「税務・法務等行政関連サービス」は、意外と「はい」という回答が少なくなっていたり、同じ専門業務関連のくくりの中でも少し傾向の差があるということが分かるかと思います。

続きまして、5ページです。5ページからは、1年間で最も高かった報酬額と仕事内容でクロスをしたものになります。本来は1件あたりの報酬額があまり高くないものは除いたらどうか、というご指摘だったかとは思うのですが、今回は最も高かった報酬額と仕事内容ということでクロスをさせていただき傾向をみた、というものになります。5ページが仕事全体の傾向になるのですけれども、次のページにいっていただきまして、6ページは「最も高かった報酬額が1万円未満でした」という回答の人たちに限定して、仕事内容の分布をみたものになります。見ていただきますと、一番左側の「データ入力作業」というのが、全体と比べてかなり高くなっているという傾向が分かると思います。

間をちょっと飛ばしまして、9ページを見ていただきますと、今度は「最も高かった報酬額が10万円以上20万円未満」という回答の層になります。さっきの1万円未満のところに比べると、少し傾向が変わっていまして、データ入力作業というのが多いことは多いのですけれども、「調査・研究、コンサルタント」あとは「営業、販売」、こういったものの回答も多くなっているというところです。

さらに11ページまでいっていただきます。11ページは「最も高かった報酬額が40万円以上」になるのですが、こうなると、また結構傾向が変わっていまして、「建築・土木設計」「アプリやシステムの設計、ソフトウェア開発、SE」「調査・研究、コンサルタント」こんな回答が多くなっているということで、やはり商材記載でみてみると、傾向というのはかなり変わるのかな、というところになります。

続きまして、12ページ。12ページ以降、今度は満足度についてみたものになります。12ページは「満足度と専業・兼業」でクロスしたものになるのですけれども、全体をながめてい  ただきますと、専業・兼業別にみても、それほど傾向は変わらないのかなというところでした。

13 ページにいっていただきますと、「満足度と独立自営業の仕事の経験年数」についてみたものになります。全体としまして、経験年数が2年未満という層につきましては、他の類型と比べると満足度がちょっと低いのかなという傾向が分かるかと思います。

飛ばしてすみません。続いて14ページになります。14ページ、今度は「独立自営業の仕事に携わった1カ月あたりの平均日数別」をみたものになります。月の平均日数が1日と回答した者については、他の類型よりもちょっと満足度が低くなっているという傾向が分かるかと思います。これが14ページ、15ページと続きます。

すみません、おめくりいただきまして、次16ページになります。16ページ、今度は業種別でみたものになります。かなり文字が小さくなってしまっていて、申し訳ないのですけれども、例えば「事務関連」というものについて全体をみてみますと、全体という一番左側の類型と比べて、大体のものが低くなっているという傾向が分かるかと思います。例えば、一番左側「独立自営業者として得られる収入」というのがあると思うのですが、ここでみると左から2番目の「デザイン・映像制作関連」については、かなり満足度が他よりも低くなっているということが見受けられます。ただ、デザイン関連がすべて低いかというと、そんなこともなくて、同じ16ページの一番右側が「仕事内容、質」についてみたものになるのですけれども、これで見ると、全体とそれほど傾向の差はないということで、満足度と一口にいっても、中身によって傾向は違ってくるというところになるかと思います。これが17ページまで続きます。

次、18ページになります。最後「満足度と独立自営業者になった理由」についてクロスをしたものになります。これは18ページが「得られる収入」についてみたもので、19ページが「仕事全体についての満足度」をみたものになります。18ページですけれども、例えば右から3つ目の「定年退職」だったり、あと真ん中辺、ちょっと左側の「実務経験やキャリアを積みたかったから」、その2つ左の「仕事の範囲や責任が明確だったから」、この辺りについては比較的、満足度が高いように見受けられるかと思います。一方で右のほうの「精神的、肉体的な病気をかかえていたから」あるいは「正社員として働きたいが、仕事が見つからなかったから」また「その時働いていた会社の倒産・リストラ」、この辺りの比較的ネガティブな理由で独立自営業者になったというものについての満足度は、全体よりも低い傾向が見受けられました。これは、収入の部分でみましても、19ページの仕事全体のほうでみましても、この傾向については同じような感じになっていたというところでした。資料2については以上になります。

続きまして、資料1に戻っていただきまして、資料1、前回までの検討会のご議論等を踏まえた報告書案になります。構成などは前回の資料5に沿った形で作らせていただいております。早速中身に入るのですが、まず3ページになります。

3 ページ、「1.はじめに」ということで、「働き方改革実行計画で検討の必要性が指摘されたこと」ですとか、あと2パラ目では、「これまでも雇用関係に寄らない働き方は存在していました」ということであったり、あと「このような働き方について実態や課題の整理が必要である」といったこと等を記載させていただいております。

下に飛びまして、「2.我が国におけるこれまでの状況」ということで、これまでの雇用類似の働き方に関係する検討会だとか研究会の状況についてまとめたものになります。これについては、第1回の検討会で既に出させていただいている内容になりますので、詳細の説明はここでは割愛させていただきます。

続きまして、5ページ。5ページの中段ぐらいの所になります。「3.我が国の労働者及び労働者以外の役務提供者に適用される制度等」という所でして、これも第1回の検討会の資料等をもとに記載させていただいているものになります。主に日本の労働法制や関係法令について記載をしたものです。(1)は労働者性について、これは我が国では一般的に2つあるとされていまして、「ア」で、労働基準法上の労働者について、ページをまたぎまして6ページ、「イ」のほうで、労働組合法上の労働者について、記載をさせていただいております。中身は省略させていただきます。

おめくりいただきまして、7ページ。(2)としまして、労働基準法上の労働者以外に適用される、いわば例外的な労働関係法令について記載をさせていただいています。「ア」は内職のような人たちに適用される家内労働法の概要について書いたもので、「イ」では、労災保険法、労災は基本的にはもちろん労働者を対象とした制度ではあるのですけれども、一部一人親方の方が入れるような特別加入制度というものがありますので、そういった点を紹介させていただいております。

次のページ、9ページになるのですが、9ページ、これは法律ではないんですけれども、「ウ」として、「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」というものを書かせていた  だいております。これは従来の在宅ワークの適正な実施のためのガイドラインを今年の2月に改定をしたものという位置付けになります。対象は、「ウ」の2行目にあるかと思うのですが、「委託を受けて情報通信機器を活用して自宅等で成果物の作成や役務の提供を行うもの」ということになっております。これも中身は省略をさせていただきます。

下へいきまして(3)。(3)は労働法令以外の関係法令ということで、「ア」では民法について書かせていただいております。10ページにいきまして、「イ」では経済法について、独禁法と下請法について、それぞれ記載をさせていただいております。これについても、内容は省略させていただきます。

次、12ページまで飛んでいただきまして、12ページ、「4.諸外国の労働者概念等に関する状況」ということで、これは第1回の検討会で提示しましたJILPT2006年の報告書とか、あと前回の検討会での海外ヒアリング、また村田委員から提出いただきました資料などをもとに記載をしたものになります。省略ばかりで申し訳ないのですが、ここも詳細は省略させていただきます。海外のことは、だいぶ続きまして、17ページまで進んでいただけますでしょうか。

17 ページ。「5.本検討会で把握した雇用類似の働き方に関する現状」ということで、ここがある意味、今回の報告書の1つのメインになるのかと考えております。これは前回の検討会で提示しましたJILPTの調査とか、あとは第2回の検討会でのヒアリング、また厚生労働省が行ったヒアリングの結果などをもとに、把握できた実態を記載させていただいたものになります。

まず、1パラ目は導入部分となるのですけれども、前回の検討会でのご指摘も踏まえまして、ここでの調査の対象は広いことであったりとか、クラウドワーカーなども含めての実態把握と  いうことであることが分かるように記載をさせていただいているつもりでございます。

そのまま18ページの(1)になるのですが、(1)は「就業状況等」ということになります。中身の詳細な説明は割愛させていただきますが、20ページまで進んでいただきまして、20ページの中段ぐらいに「このように」と書かれているフレーズがあるかと思います。ここは総括的な記載になるのですけれども、就業状況は結局多種多様ということで、契約期間等がないものも多いのですが、契約の定めがある場合には、比較的短期間のものが多かったというのが、今回の調査の結果だったと思います。また、満足度は全体的には高い傾向にあったという辺りのことを記載させていただいております。

その下(2)「契約書の作成、重視する内容等」というところになります。ここから先の構成なのですけれども、最初にJILPTの調査の結果を記載しまして、次のページの枠囲みの部分で、検討会のヒアリングの結果について記載させていただいています。さらに、その下のほう、「また」というフレーズがあると思うのですが、下のほうで厚生労働省の行ったヒアリングの結果から分かることを記載して、さらにその後に総括的なことを書くという構成にしています。これは(3)以降もおおむねこのような構成で書かせていただいております。(2)の総括としましては、22ページの中段の所にあろうかと思うのですが、契約条件を文書等で明示していないようなケースも多くあったというところになろうかと思います。

その下「(3)契約条件の決め方、交渉等」、これも総括的なところに一気に飛んでしまいますが、23ページの一番下のほうになります。下から2行目「このように」というフレーズがあると思うのですが、次の24ページの2行目の終わりのほうから、「一概にはいえないものの、調査では取引先が一方的に決めた」という回答が2割強という結果がありまして、あと、ワーカー側からの交渉が難しいというような声もありました。発注者との交渉力の格差の存在であったりとか、情報格差の存在というのが考えられるというふうにまとめさせていただいております。

そのまま24ページの「(4)契約の相手先の数等」というところになります。総括的な記載は25ページに記載させていただいています。25ページの「このように」というフレーズになるんですけれども、今回のヒアリングの中では専属義務を課されているという話はなかったかと思うのですが、仕事量との関係から、結果的に専属していると考えられるようなパターンも多くみられたと。ただ一方で、調査の結果なども踏まえますと、一概に専属が多いともいえない状況なのかなということを書かせていただいております。

その下「(5)受注ルート等」というところになりまして、総括的な記載は、次の26ページの真ん中ぐらいの所になります。受注ルートは自己の営業活動、過去の取引先、知人等からの紹介などから仕事を得ている場合が多いということで、今現在は属人的な経路から受けていることが多いのかなということを書かせていただいております。

その下「(6)仕事をする時間や場所等」というところになります。総括的な記載は27ページになりまして、27ページの最終行になります。比較的指示されない方向での回答が多かったのですが、機材の都合であったり、他人の都合によるものについては、時間や場所を拘束されやすい傾向にあるということを書かせていただいております。

その下「(7)トラブル、仕事上の悩み等」ということで、これは実態把握の部分がかなり長くなっているのですが、総括的な記載は31ページに記載をさせていただいています。31ページの中段ぐらいです。トラブルについては、調査では約半数はトラブルの経験はないとの回答、逆にいえば、半数はトラブルがあったということかと思います。作業内容、範囲、作業期間の一方的な変更、報酬関係のトラブルが比較的多かったと。またヒアリングでは、このほかにもハラスメント、事故、解約などの声も見受けられたということを書かせていただいております。

一番下「(8)制度の希望等」というところがあるかと思います。これについては、かなりご意見をたくさんいただいているんですけれども、説明を一つ一つしていくと時間がなくなりそうなので、詳細は割愛させていただきます。

34 ページまで飛んでいただきまして、34ページ「(9)クラウドソーシング等について」のことを書かせていただきます。これは、このような働き方が注目された契機ともいうべき話かと思いますので、あえて特出しをして記載しております。ただ中身につきましては、前回の湯田委員からのヒアリングをもとに記載をしていますので、ここも詳細の説明は割愛をさせていただきます。

36 ページまで飛んでいただきまして、36ページ(10)として、全体の総括を記載させていただいています。これは項目によっては(1)から(9)までで、重複的に出てくるようなものもあるため、ここで総括的に整理をしたものでございます。項目を中心に紹介しますと、下の○「契約条件の明示」、その下「契約内容の決定、変更、終了ルールの明確化、契約の履行確保」、さらにその下「報酬額の適正化」。これにつきましては、前回の検討会で、調査の結果で、1年間の報酬額が50万円未満の人たちがやたら多いということに対して留意点を検討していただきました。その話を、37ページの上から8行目のただし書きで、本検討会では、「50万円未満」の回答が最も多かったことについてはということで、留意点についていただいた意見を記載させていただいているというものになります。

下の○にいきまして「スキルアップやキャリアアップ」、「出産、育児、介護等との両立」、「発注者からのセクシュアルハラスメント等の防止」、次のページにいきまして「仕事が原因で負傷し、または疾病にかかった場合、仕事が打ち切られた場合等の支援」、さらにその下「紛争が生じた場合の相談窓口等」、「その他」ということでまとめさせていただいております。

38 ページの下のほう「6.雇用類似の働き方に関する保護等の在り方及び今度の検討課題」ということで書かせていただいています。

導入部分になるのですが、次のページの上から3行目、今後、雇用類似の働き方について、事業者間取引としてのみ捉え、専ら経済法のルールに委ねるのかどうか、また労働者に準じるものとして捉え、労働者保護のルールを参考にした保護等を考えるのかどうか、といった点について、さらに議論を深めていくことが必要である。その際、このような働き方をする者が安心・納得して働くことができるようにし、働く人にとっても経済社会全体の付加価値の源泉としても望まれる働き方になるようにするためにはどうしたらよいかという観点から、雇用類似の働き方や保護の内容をどのように考えるかといった点も平行しつつ、精力的に議論を進めることが求められる、ということで書かせていただいています。ここでは、どちらの方向に進むべきということは、書いていないものになります。

また、仮に保護をする場合として、方法論についても前回の検討会の中でご議論をいただいたところです。その話を次のパラの上から4行目のなお書き「なお、保護する必要があるとすれば、発注者と雇用類似の働き方の者に対するガイドラインを策定して対応すること」あるいは「労働者性の範囲を解釈により拡大する方法」また「労働基準法の労働者概念を再定義、拡大する方法」あるいは「労働関係法令等の保護を拡張して与える制度を用意する方法」など、さまざまな方法が考えられるが、この点は保護の必要性について検討する中で議論すべきと考えられるということで、まとめさせていただきました。

次、仮に保護をする場合に、その対象たる雇用類似の働き方の者が何かという点について、前回のご議論を踏まえて記載をしたものが、39ページの(1)『「雇用類似の働き方の者」について』というところになります。これについて、上から3行目「発注者から仕事の委託を受けるなどして主として個人で役務の提供を行い、その対償として報酬を受ける者を対象としてはどうか」という意見があったと。少し飛ばしまして、情報の質、及び量の格差や交渉力の格差があること、また、発注者から委託を受けた仕事から得る報酬が生活の糧になることから、契約内容が一方的に決定されて、ワーカーにとって不本意な契約となったり、契約内容が一方的に変更されても、それを許容してしまう状況もあると考えられることを踏まえると、このような働き方の者の中でも、さらに上記のような不本意な契約を受けざるを得ない状態である者について、「雇用類似の働き方の者」とする視点が考えられるということを書かせていただいております。

次のページのなお書きの部分ですけれども、ここは実態として労働者である者については、労働者として労働関係法令等の対象となることを改めて記載をさせていただいているものです。

次のパラの所では、課題に対応する保護の内容によって、対象者の具体的要件が必ずしも一致するとは限らないという旨を記載をさせていただいております。

その次のパラの所では、本検討会ではこのような視点をいただいたものというふうに考えていますが、本検討会では、雇用に寄らない働き方の一部について把握したに過ぎず、現時点で雇用類似の働き方の者について、画一的に定義することは困難と考えられるため、保護の必要性、保護の内容と共に、引き続き実態把握、分析が必要であるということを記載させていただいております。

そのまま40ページ(2)「検討会で挙げられた保護の内容等」というところで、これは5の現状等を踏まえて、課題等を整理したものになります。今後これらに対する方策について、その必要性も含め、今後検討を進めていくことが考えられるというふうにしております。

その下のなお書きの部分ですけれども、保護の必要性を検討するに当たっては、経済法との関係にも留意する必要性があるという点を記載させていただいております。

以下、課題について記載をしているのですけれども、この項目は基本的には5の(10)と同様にしております。書き方としては、ここでは雇用労働者であればこういう制度があって、雇用に寄らない働き方については現状こうなっているというふうに書いた上で、最後はこれらの点を踏まえ、こういった方策について、その必要性も含めて検討することが考えられるということで、一律にまとめさせていただいております。

時間の関係で、その詳細の説明は省略をさせていただきますが、補足する事項としまして、43ページ「仕事が原因で負傷しまたは疾病にかかった場合、仕事が打ち切られた場合等の支援」という所があろうかと思います。これに関しまして前回、民間での保険などがあるのではないかという趣旨のご指摘をいただきました。例えば、検討会のヒアリングの中でも、赤帽さんは共済を設けているという発言があったように記憶をしていますし、フリーランス協会さんでも、怪我や病気で働けなくなった場合などの所得補償の保険を設けているというふうに聞いております。このように民間でも実際やられているところがあるということで、報告書でも2パラ目の最後の所に、さらに、民間でも、フリーランス等に対する保険のサービスもある、ということを記載をさせていただいています。

最後、飛びまして44ページ。下から4行目(3)「把握すべき事項」というところがあるかと思います。ここでは前回の検討会でさらに調べたほうが良いことなど、たくさんご意見をいただいたところですので、そういった点を踏まえて記載をしているものです。さらに細分化して実態をみていく必要性であったりとか、人数の推計について、あるいは海外の運用などについてさらに把握が必要であるといったことを記載をさせていただいているフレーズになります。

最後となりますが、今回の検討会は実態把握、課題整理をお願いしているものとなりますので、施策の方向性などについては、ここでははっきりは書いていないというところになります。オーバーしましたが、すみません、説明は以上になります。

鎌田座長:はい、どうもありがとうございます。かなり大量なものをコンパクトにご説明いただきました。この参考資料は、附記する参考資料がありますということですよね。

永倉在宅労働課長補佐:失礼しました。『参考資料1』として、この報告書に添付をする参考資料集というものを付けさせていただいております。

鎌田座長:これがセットになって報告書になるということですよね。ありがとうございます。はい、ということで、今ご説明をいただいた通りになります。さまざまなご議論いただいた成果をこういう形でまとめさせていただきました。これから意見交換を行いたいと思いますが、全部を一挙にというわけにもいきませんので、区切って、報告書の項目ごとにご意見を伺えればというふうに思います。まずは、報告書の「1.はじめに」から『4.諸外国の「労働者概念」等に関する状況』までの部分に関して、ご質問、ご意見がありましたら、自由にお願いをいたしたいと思います。どうぞお願いいたします。川田委員どうぞお願いします。

川田委員:ありがとうございます。基本的にはこの部分については、私はこれまでの議論が反映されていて、特に大きなところでは意見、コメントはないのですが、すごく細かい点になりますが、雇用類似の働き方に関する関係法令で、9ページの所の「民法の安全配慮義務に関する議論」というところで、労働契約法5条への言及があるのは、何か読みようによっては、労働契約でなければ安全配慮義務というようなものが存在しないように読めてしまうかもしれないと思います。判例上も安全配慮義務というのは、ある特別な社会的接触の関係に入った当事者間にその実態に応じて発生する、信義則上の義務というように、必ずしも雇用関係あるいは労働契約関係を前提としたものではないということだと思いますので、現状の表現は必ずしも不適切だとは思いませんが、よりていねいに書くのであれば、そういう本来的にその安全配慮義務というのが労働者概念とか、労働契約と一致するようなものではないということも分かるような書き方もあり得るのかなと思います。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。関連してですか。はい、どうぞお願いします。

小畑委員:私も、今 川田先生がおっしゃったことと同じ部分につきまして、発言をさせていただこうかと思ったのですが、むしろ最高裁判例の言葉を引いてしまったほうが分かるのではないかと、それもご検討いただけたらと存じます。

鎌田座長:はい、何か事務局のほうで、これに関してコメントがありますか。

永倉在宅労働課長補佐:ご指摘の通り、修正できるように対応させていただこうと思います。

芦野委員:最高裁判例などの問題になってしまうと、今度、本来のこの検討会の対象である雇用類似の働き方というのと少し趣旨がずれてしまう可能性も出てくるので、難しいところでありますね。もともとは自衛隊から出てきた問題であるし、雇用関係のある中から最初はどちらかというと出発してきて、先ほど川田先生がおっしゃったように、その中でも別に雇用関係にとどまらず、社会的接触関係があれば信義則上認められるという形で広がってきて、そこのところで今回の検討会との関連での接点が生まれたというところだと思うんです。なので、なかなか表現としては難しいところで、委員の先生がおっしゃったようなところは最もだと思いつつも、やはり今回の検討対象である雇用類似の働き方との関係での表現というと、今度そっちが強くなり過ぎてもどうかというところもあります。いろんな意見があった上で、もう少しご検討いただければと思います。

小畑委員:まさに今、芦野先生がおっしゃったことが、注のようなところがちょっと入っているだけでも違うのではないかと存じます。以上です。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。文章では「ところが」以降で「請負契約であっても」というふうにさらっと書いてありますけれども、今おっしゃったように、少しこう、安全配慮のやや詳しい表現を、注を含めて表現を考えてもらいたいと思います。そういうことでよろしいですかね。はい。他にございますか。どうぞ。

公正取引委員会:事前にお伺いしているので、念のための確認なのですが、11ページの所、独禁法の話や人材報告書の話に関して、ちょっと1カ所だけ確認させてください。11ページの下から4行目の「したがって」から始まる所で「労働者と使用者との関係に関しては、独禁法及び下請法上の問題に原則ならない」と書いてあります。独禁法上の概念ですと、関係に対して適用というのは実はなくて、行為に対して適用という様に考えるのが基本です。で、ここの主旨としては、脚注の31で、うちの人材報告書を引いていただいて、いろんな関係における行為の話が書いてある、これを総称して、ここでは関係というふうに表現されているというふうな読み方でよろしいのでしょうか。すみません。

永倉在宅労働課長補佐:基本的にはそのつもりでおります。

公正取引委員会:関係では駄目というわけではなく、人材報告書の主旨がちょっと誤って伝わっていると良くないという、意味合いでございます。

鎌田座長:今修文する上で、何かアイデアがあれば。

公正取引委員会:割と脚注の所に、かなりていねいに引いていただいていますので、これがあれば問題ないかと思っております。間違いではないということです。

鎌田座長:随分詳細に、その報告書の内容を脚注の所で引っ張っておりますので、ということで、その他ございますか。また元に戻っても結構ですので、取りあえず、4まではご意見を伺ったということで、次に「5.本検討会で把握した雇用類似の働き方に関する現状」に関して、ご質問、ご意見がありましたら、自由にご発言をお願いしたいと思います。主に調査結果とそれからヒアリング結果、それから厚労省が行ったヒアリング結果を要領よくまとめているものであると思いますが、どうぞ自由にご発言いただければというふうに思います。湯田委員どうぞ。

湯田委員:総括の38ページ「紛争が生じた際の相談窓口等」についてです。相談先についてはヒアリングにおいてもいくつか発言がありましたが、「紛争が生じた際の」の表現に対し、紛争が起きていないときの相談もしたいという趣旨の発言もあったかと思います。例えば「契約の改善」については、紛争になっているわけではないものの、どうしたら契約や処遇の改善ができるのか分かっていないため、相談窓口があると良いという趣旨の発言がフリーランスの方からもありました。「紛争が生じた際の相談窓口等」と「等」の記載もありますので、広がりを考慮した表現であることは理解しているものの、契約等と記載しているだけでなく、もう少し具体的に記載したほうが、読み手は分かりやすいと思います。

鎌田座長:このタイトルの部分なんですね。

湯田委員:タイトルもそうですが、説明文において契約や処遇改善などへの相談窓口と書いていると、幅広に読めるかと思います。

鎌田座長:3行目の所ですか「契約と処遇改善」タイトルの所は、「等」ではちょっと足りないですか。

湯田委員:そこは「等」でいいと思います。

鎌田座長:あとは本文のほうで、今言ったような修文をしてくれればいい。

湯田委員:紛争だけではないということが書いてあれば良いです。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。他にいかがですか。村田委員、どうぞ。

村田委員:ページ数21ページ前後ですが、契約書自体が働き方のすべてのベースになるということが非常に重要と考えています。その契約書についての、いわゆるひな型が、以前経済産業省か中小企業庁、厚生労働省のテレワークの検討会でも提案されていると思いますが、ひな型があるほうが、雇用類似で働かれている方は、非常に分かりやすいと思っています。実際の契約内容、法律が特に難しいとか、契約条項が非常に難しい、把握がしづらいという内容などもありますので、マニュアルのようなものに、用語や内容が記載されていると、自分にとって有利か、不利ではないとか、を判断ができるようなもの、分かりやすい契約書があるとよいのではないかと考えています。このように申し上げるのは間違いがあるかもしれませんが、企業の法務などが作成する契約書に関しては、企業に有利に書かれているのではないかという印象があります。そうしたことを配慮して雇用類似で働かれている方は自分の目で内容を把握できるものが必要になると思っています。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。これは、村田委員、6の所で、いくつかの方向性について、例えば「ガイドライン」に書いてある所もありますし、あるいは、ここの部分でいうと、どういった所に、今おっしゃったようなものを入れるイメージをされているのか。

村田委員:21ページの一番下の行や、あとおっしゃられたように6に書かれている内容と、いくつか点在されていますので、どのように書いたらよいのか、事務局の方にお任せするのがよろしいのかと思います。

鎌田座長:趣旨はそういうことですね。

村田委員:一方で、契約書自体の内容、一つ一つの項目については、労働者性に関わることというのが非常に多く出てきますので、それについても配慮する必要があると思っております。

鎌田座長:事務局のほうで、何かコメントがあれば。あるいは関連で何か今ご意見があれば。

芦野委員:6のところで、僕も同じようなことを申し上げようと思っていたのですが、全体に共通するような大きな枠組みみたいなものを示すと同時に、一方でやっぱり業種ごとの特殊性もあると思いますので、その両方がそれぞれ分かるようなものが示せれば、一番良いのだろうと。しかしながら、それは今ここですぐにモデルを示すというよりは、今後の検討課題として、そのようなものがあることが望ましいということでしょうかね。ただ、先ほど村田委員がおっしゃったようなところのことは、まずは書いておいて、今後さらにそこをつめておく必要があるんじゃないかというような形にされたらどうかというふうに思っています。

鎌田座長:はい、あと関連で何か。じゃ、事務局のほうでコメントがあれば、お伺いしたいんですが。

永倉在宅労働課長補佐:ありがとうございます。ご指摘いただいた点を踏まえまして、今聞いた限りでは6のほうに反映するのがいいのかなとは思っているんですけれども、追記できるようにさせていただきたいと思います。

鎌田座長:はい、ということであります。その他、何かありますでしょうか。よろしいですか。また元に戻っていただいても、全然構いませんので、6のほうに移って、またご意見をいただきたいと思います。もちろんその前の4とか5が前提になっておりますので、そこに関連して、さかのぼってご指摘いただくぶんには全く問題ありませんので。それでは「6.雇用類似の働き方に関する保護等の在り方及び今後の検討課題等」に関するご質問、ご意見がありましたらご発言をお願いしたいと思います。どうぞお願いいたします。はい、芦野委員どうぞ。

芦野委員:先ほどの5の所の、35から36ページの所で「シェアリングエコノミーのことについて、さらなる実態の把握等が必要だと考えられる」とあったので、ここの部分がぜひ6の今後の検討課題等のところにも、繰り返しにはなってしまうとは思うんですけれども、シェアリングエコノミーでも具体的に、例えばこのようなシェアリングエコノミーが特に今後発展していく可能性があるだろうし、あるいは当事者間での解決が望まれるのではないかとか、そういうようなことも含めて、今後さらに把握、検討していく必要があるだろうというのを、もう一回繰り返しになってしまいますが、6のほうでも入れていただけるといいのではないかと思います。

鎌田座長:場所としてはどんな所がいいですか。

芦野委員:一番最後のほうになるんですかね、やっぱり。今後のさらなる。

鎌田座長:46ページの所ですね。

芦野委員:結局従来型の業種、職種の中でも問題があると同時に、新しく生まれる働き方でも様のものが考えられると同時に、もしかしたらこれまでにはなかったものも考えられるかもしれないとか、そういうようなことが最後の所に、要は、社会が発展、あるいは技術が発展することによって、人々の働き方というのはものすごく変わってきている。これは産業革命の頃から同じだと思いますが、今回まさにそういうような状況も生まれてくる場面でもあると同時に、そうなってくると本当に、11の個人同士の取引では、雇用関係って一体何だ、というままでも、お金もらって働いている人がどんどん生まれてくるという形が出てくると思うんですが、そうなったときに、どこまで国が制度としてバックアップしていけるかどうかというところも踏まえて、やはり検討が必要なのではないかと思いますので、一番最後の辺りがいいんじゃないかと思います。

鎌田座長:川田委員どうぞ。

川田委員:ありがとうございます。今のお話に関連したところで、シェアリングエコノミーに関しては、私も結論としては、最後の44ページの(3)「把握すべき事項」辺りで、適切な記述で対応するのが、今の話でいいのかなと思いました。で、結局のところ、検討会の中でそこまで議論が進まなかったというのが実情なんだろうと思いますが、恐らくシェアリングエコノミーに関しては、例えば労働法に引き付けてというか、労働法的な枠組みをベースに考えていった場合には、今回の取りまとめの項目の中にはないものとして、例えば使用者性をどうみるのかといったような点が問題になってくるのではないかと思います。あるいは労働法的な枠組みをベースにするというところからちょっと離れて考えたほうがいい部分、そこから新しい問題の把握する視点が出てくるということもあるかもしれませんが、いずれにせよ、この今の4回行ってきた検討会の取りまとめとしては、そういう新しい問題、ここまで検討してきた枠組みには当てはまらないような問題があり得るというようなことを示しつつ、当面は実態を把握すべきことという中に、もうちょっとふくらませて書くという対応が良いのかなというふうに考えました。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。その点に関連して、何かありますでしょうか。今おっしゃった通り、使用者性をめぐる、前回でしたけれども、使用者類似というご発言もあって、そこに深掘りしていくと、結構大きな問題がいろいろたくさんありそうだなということで、ただこの検討会ではなかなかそこまでいかず、今ここですぐ深掘りするというのは、至らなかったかなという感じはいたしますが、そういうご指摘を受けまして、ちょっと表現ぶりについては、また検討したいと思います。よろしいですか。

永倉在宅労働課長補佐:はい、6の(3)の所に追記をする方向で、また、ちょっと案文などは相談をさせていただければと思います。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。その他ございますか。村田委員どうぞ。

村田委員:37ページから、もしくは44ページに少しかかる部分ですが、37ページ中央のスキルアップやキャリアアップに関して、書き方自体が、最後の所で「必ずしも高いとはいえない数値になっていた」ということですと、ややネガティブな要素が含まれていると感じられます。できればキャリア形成支援とか職業訓練については、必要か否か、また財源の問題もありますが、日本の人的資源の向上という観点でいうと、雇用と非雇用に関わらず、そういった教育機会については、失わないようにしたいと思っています。できれば、今回の契約書における職種とか業種の特性、違いが非常に大きいと思いますので、そうした業種や職種の枠組みの中で、人材を育てていくような仕組みというのが望ましいのではないかと考えております。そうした部分では、やはり財源の確保という部分が一番難しいのですけれども、海外事例でいくつか財源に関する、上手な活用の仕方、徴収をしている事例もありますので、そうしたものも参考にしていただければと考えております。以上です。

鎌田座長:はい、宮田委員。

宮田委員:私もスキルアップに関して、ちょっともしできれば、少し追記したいなと考えているんですけれども、やっぱり37ページの中に結果がこう書いてあって、こうであったということで、次の42ページの所に、これからのことが書いてあるんですけれども、42ページの所で、この報告書の中で、仲介機関の存在というのが、少し自営型テレワーカーさんと仲介機関があるということで書いてあるんですけれども、そこが42ページの所で全く触れられていないというか、言葉があんまり登場していない。やっぱりそのキャリアアップは、今村田委員がおっしゃったように必要なんですね。必要であるかないかというのを議論する場ではないんですけれども、できれば継続してやっていきたいと。ただ、その意識がないということが多く、データでみられていると。そこをやっぱり実はとても問題にしないといけないところで、できれば仲介機関の存在であったり、どう自営型テレワーカーが自立してキャリアアップしていくかというところも、少し課題として必要、その意識がないというところが、今の把握ですかね。現状にあるのかなと。やっぱり、例えばその保障面であったり、保険の面であったりしても、スキルアップによって力を付けていないと継続ができない。なので、保障も保険も継続していない方たちには関係なくなってしまう。持続できない。やっぱりその辺りが課題として残るので、ぜひ教育、スキルアップ、キャリアアップの所は少し言葉を付け足していただければなと思います。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。事務局で何かコメントがありますか。

永倉在宅労働課長補佐:ありがとうございます。案文などは調整させていただきたいと思うんですけれども、1件、宮田委員にご確認なんですけれども、今おっしゃっていただいたのは、仲介機関の役割というような観点ということですかね。

宮田委員:そうですね。仲介機関というところが、今報告書の中に、自営型テレワーカーと仲介機関とのつながりがあるということは入ってきていますので、そこが例えば今の42ページのスキルアップやキャリアアップの真ん中辺りの「発注者や公共職業能力開発施設」という所に飛んでしまっているんですけれども、そうではなくて、その間に、その仲介機関が発注者の間にいる場合もありますので、そこを少し発注者や仲介機関が教育を行うというふうに付け足してもいいのかなと。何らかの仲介機関が責任を担っている、教育だったり、スキルアップの責任は少しありますよというふうに記載しても間違いではないのかなというのは、ちょっと思いますね。

永倉在宅労働課長補佐:ご主旨を踏まえて、修文はさせていただきます。

鎌田座長:スキルアップ、キャリアアップについては、まだ就業者そのものの意識の問題も指摘されていますよね。それはこの場でのそういう人たちの意識ということで、そういう意識があるんだということはどこかで補っていただいて、それを踏まえて、スキルアップ、キャリアアップの重要性を書き込んでいって、そしてさらに42ページの仲介機関がそこでの役割、一定の役割を果たすというようなことを意見として反映するということになろうかな、そんなイメージでよろしいですか。

宮田委員:そうですね。

鎌田座長:はい。他にございますか。湯田委員。

湯田委員:宮田委員が指摘された点に関連し、37ページにて、今後スキルアップやキャリアアップをしていくために最も必要だと思うことについて、「特にない」との回答が34%と書いてありますが、その次の項目の出産、育児、介護との両立では、雇用労働に限らず必要との意見があったと記載あるように、「特にない」という回答が、本当に特にないのか、もしくは認識ができていないのではないかとの意見があったと記載したほうが適切かと思います。

鎌田座長:はい、ありがとうございました。宮田委員。

宮田委員:特に無いというのも寂しい感じがしますね。

鎌田座長:はい、じゃそういうことで。はい、どうぞ。

湯田委員:41ページからの「報酬額の適正化」についてです。報酬額の適正化についての記載の末尾から4行目に「適切な単価を定めることが可能であるのかといった点も考慮する必要がある」と考慮について述べている表現があります。この項では、報酬額の下限をどう設定するかという法的な整理を記載しているものが多いですが、ヒアリングでは、報酬額の下限設定だけではなく、改善相談先の整備や、類似業務からの報酬額算出方法や参考価格の提示という観点の話もあったと思います。報酬額下限を設定するという観点だけではなく、その他の手法も含め考慮する必要があると補足記載しても良いと思います。関係して、37ページでもヒアリングの結果にて最低報酬額の設定に是非が分かれているという留意文の記載がありますので、そことひも付けることを考えても、41ページにお伝えした表現を追記してもいいかと思います。

鎌田座長:この点に関して、何かご意見は。宮田委員どうぞ。

宮田委員:私もこの報酬額の適正化についてはもう少し補ってもいいのかなと思っていまして、まずは個人事業主である、事業主であるというところで、やっぱり最低金額を作るというのはなかなか難しいというのは、現状ではあるとは思います。ただし、それは交渉次第である。その交渉力を付けないといけないということはすごく大事なことなんですけれども、まずそもそもなんですけれども、仲介機関であったり、仕事を発注する側が、例えば個人事業主だから安価に仕事をお願いできるというようなイメージを植えさせるような、何かPRの文句だったりをやってらっしゃる企業さんも実際には多いんですね。だから、具体的にいうと、主婦だから、シニアだから安いとか、安価である、簡単にできるなど、合間に仕事ができるとかという意識から変えないといけない。ただそれが個人事業主だから安価でできるというイメージがあるというところは、証拠がないので、ここには書けない、難しいと思いますけれども、まずそのイメージから無くしていかないと。今回そのガイドラインが新しくできましたので、ここはやっぱり大切にしながら、仲介機関であったり、発注者のレベルアップ、品質の向上というのがすごく求められるんじゃないかなと。なので、啓蒙というか意識付けというか、ガイドラインに従って「適切に仕事を進めていくというような意識を持ちましょうよ」というところを少し入れてもいいのかなというのは、ちょっと思いました。

鎌田座長:はい、事務局のほうで何かコメントがありますか。

永倉在宅労働課長補佐:ありがとうございます。今おっしゃっていただいたガイドラインというのは自営型テレワーカーのガイドラインですかね。

宮田委員:そうです。新のほうです。

永倉在宅労働課長補佐:そちらなどを参考にしながら、適正に契約できるようにというか、適正な契約条件でできるようにすることが重要なんじゃないかというようなご趣旨のことを、いずれかの部分に配置すればいいんじゃないかということですね。

宮田委員:そうですね。適正化といいますか、交渉力だと思うので、どれだけ個人事業主の方が発注者に対して交渉できるか、というところで値段というのは決まってきますので、そこの力をやっぱり付けることですね、適正化するというよりは。というようなニュアンスを含めていただけると。これだと最低賃金を決めればどうのという、それで落ち着くのかというのではないという方向の持っていけたらなというのがありますね。

永倉在宅労働課長補佐:ありがとうございます。趣旨を踏まえて、修正させていただきます。どうしても、今の雇用の制度というものを、ここでは最初は前提として書いているので、雇用の制度となると、やっぱり一番最初に出てくるのは最低賃金が中心になるかという部分もありますし、あとは家内労働法という既存の制度であると、最低工賃という制度があるという知識としては、どうしても出てしまうので、それは最初のほうには書いてあるものの、ただやり方としてそれだけではないということを、もう少していねいに記載をしたほうがいいという趣旨だというふうに理解しましたので、案文は検討させていただこうと思います。

鎌田座長:はい。その他、別なところでも結構ですから、ありますでしょうか。川田委員、どうぞ。

川田委員:違う点で2点ほどコメントがあるんですが、どっちもこの報告書の文面に影響を及ぼしたほうがいいのかどうかというのは、ちょっとよく分からない、そういう意味では感想に近いようなもので、2点述べさせていただきたいと思います。

1つは39ページ(1)の「雇用類似の働き方の者について」のこのページの一番下辺りのところで、『発注者の中から仕事の依頼を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者の中でも、さらに上記のような不本意な契約を受け入れざるを得ない状態である者について「雇用類似の働き方の者」とする視点が考えられる』というふうに書いてあって、注の88ではそれについて、「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」では、その特定の者に経済的に従属している者、というふうにこうした者を捉えて、一定の保護の必要性について検討しているわけです。これはバックボーンとしては、労働法上の学説等における概念で、労働者性の根拠付けとなりうる労働者の従属性について人的従属性、経済的従属性というものがあり、労働基準法等はそういう概念を使うと、人的な従属性がある者を対象にしていることに対して、人的な従属性はなくても経済的な従属性がある者には労働法類似の保護を及ぼす必要性があるのではないか、というような形で議論が展開されるので、そういう労働法上のバックボーンを明らかにするということが考えられるのではないか。

それから視点はちょっと違うのですが、一方で、この雇用類似の働き方という捉え方について、そういうこれまでの労働法上の議論の延長だけで捉えていいのか、他の考え方もあるかもしれないとはいえようかと思いますが、これまでの議論を踏まえると有力な考え方として、こういう考え方があるという位置付けを明確にするというこれまでの議論の反映という面からも、1つの見方としては、その保護の中にも経済的従属性というような言葉を何らかの形で入れるということは考えられるのかと思います。

ただ、その一方で、入れたほうがいいと言いきれないのは、経済的従属性という概念が、かなり多義的で、概念自体も多義的であるうえ、そういう事実があった場合に、その経済的従属性を認めるのかという概念の運用の仕方のレベルでも、必ずしも画一的な考え方があるとは言えないし、法令とか判例上の概念であるわけでもないという概念の不明確さがあるといえます。例えばですが、一例として、特定の相手方に経済的に依存している関係を重視するというような見方と、特定の相手方かどうかはともかく、相手方との関係で交渉力が劣っているような立場にあるかどうかを重視するような見方などがあって、両者は大部分重なりますが、微妙なところでは一致しないといえます。概念にやや不明確というか、十分に明確になっているとは言い難い面があるので、必ず入れたほうがいいというふうに断言まではできないんですけれども、その議論の方向性を分かりやすくする上で、一定の考えてみる価値はあるのかというふうに考えております。それが1点です。

それから、もう1点は、44ページの、さきほど「紛争が生じた際」というのがタイトルとしてちょっと考えたらどうかというご意見があったところですが、当該部分について、相談窓口等ということで、紛争時の対応についての記述という前提での意見というかコメントです。こちらはちょっとこれまでの議論からすると唐突すぎるので、どちらかというと、ここの記述を修正するというよりは、この検討の場でこういう意見があったということを、何らかの形で今後できたら参考にしていただきたいという意見なんですが、この種の働き方、労働者類似というか、労働者か、労働者でないかが微妙な者について、紛争が起きたときには、法律論としてのオーソドックスなというか、教科書的な理論の立て方としては、まず労働者に当たるかどうかを問題にして、労働者であれば労働法の保護は与える。そうでなければ、今ここでまさに論じているような労働者類似の保護の可能性を考える。まず、労働者かどうかを詰めて、そこから先に進むというような論議の流れをたどるわけです。しかし、実際の紛争解決の場では、例えば契約の終了とか報酬の支払いをめぐって、当事者間で紛争になっていて、その前提になる問題として、労働者性があるというときに、労働者性の有無について当事者がエネルギーを使うよりは、そもそもの元になっている、契約終了とか報酬の支払いのところを何とか解決する。この場合には、調整的な和解との自主的な解決を図ることになりますが、そっちにエネルギーを注いだほうが、紛争の適切な解決というような観点からは望ましいのではないか、というようなケースが多々あります。例えば労働審判手続きの中で、そういうケースが起きてきて、これは労働審判制度が適用になるのかどうかは微妙なケースとか、同じく労働委員会に不当労働行為救済というような形で申し立てられてきているけれども、紛争の実態としては、契約終了とか報酬の支払いのところに争いがあるようなケースなんかで、そういうことが起こるわけですが、法的な立て付けとして、労働者かどうかをまず決めて、それに応じた扱いを、紛争解決をしていくという、そういう視点とは別に、そこはともかくとして、労働者類似であれば、こういう手続きが使えて、そういう手続きの中で一定の解決が図られる、何らかの手続きが使えて、その手続きの中で一定の解決が図れるというような、労働者かどうかを厳密に判断する必要がないような形で利用できる手続きというのも、課題としては、割と重要な問題としてあるのではないかと考えています。繰り返しになりますが、これはちょっとここの話とはかけ離れ過ぎているので、感想的なコメントとして述べておきたいと思います。以上です。

鎌田座長:はい、ありがとうございます。概念に関わるご指摘と相談窓口についてのご指摘がありました。まず39ページのご指摘、恐らく川田委員のご指摘は「上記のような不本意な契約を受け入れざるを得ない状態」というものを、全部経済的従属性に差し替えるというよりは、概念もある。

川田委員:例えば先ほどいったような不確定性があるので、こういうものを経済的従属性と呼ぶことも考えられるというようなことを書き加えることなどが考えられると思います。

鎌田座長:今までの、小畑先生もよくご存じですけれど、従来の労働者性に関わる概念で、労働法を研究している立場からいうと、こういう文言が入ってくると、より意図が明確になってくる。

川田委員:意図が分かりやすくなる。

鎌田座長:そうなるということになろうかなというふうに思います。ただし、経済的従属性というのを、じゃどう捉えるかというのは、これはこれでまた問題です。

川田委員:ただ、個人的には、その概念の不確定性は、すごく同時に気になっています。

鎌田座長:それを言いだすと、使用従属性にも似たようなところがあるので、ただ、やはり経済的な従属性ということ、何らかの意味の従属性というよりは、こういうふうな表現をしたほうが分かりやすいかなということですね。

川田委員:そうですね。労働法の議論の延長線上という目線でみると分かりやすくなるかなとは。

鎌田座長:小畑先生、何かコメントがあるような。

小畑委員:たぶん注88で「今後の労働契約法制の在り方に関する検討会」での議論を紹介することでこれをたぶん入れて出しているというふうに理解を、私はしたんです。

鎌田座長:労働法を学んでいる、研究している者としては、そう違和感のないご提案なんだなと。従前からの議論もありますので、そういうことかなというふうに思っております。それからもう1つ、44ページのところなのですが、これはなかなか極めて重要なご指摘で、例えば個別紛争、あるいは労働委員会の紛争処理ということでいくと、基本は労働者、雇用労働者の救済機関として位置付けられているわけで、今、川田委員がおっしゃったように、実は労働者かどうかというよりは、終了の問題とか報酬の問題とか、その問題をどうかしてくださいという形で、問題提起されることが多くて、ただそれが裁判とかになると、まずは労働法の適用があるんだろうかということで問題になると。そういう迂遠なことをやらずに、ワンストップといいますか、そういう形で受け皿作りができないかということですね。ただ私どもの検討会の射程距離をかなり超える。

川田委員:ここに入れるという話では、ちょっとかけ離れ過ぎているのはそのとおりです。ただこの問題を考える上では、実際上重要な視点なんではないかなと思って、何らかの形で、この検討会の場で言っておきたいと思ったんです。

鎌田座長:どうもありがとうございます。今言いましたように、いわば紛争処理、紛争救済システムに関わる基本的な問題提起ということで、どう反映させられるのかどうかも含めて、ちょっと私にお任せいただけますでしょうか。何かコメントがあったらどうぞ。

永倉在宅労働課長補佐:ありがとうございます。念のためという感じかもしれないんですが、2点目のほうですけれども、ご趣旨として、今後紛争が生じた際の相談窓口などについて、仮の雇用類似の人を保護するとなった場合に、相談窓口を作りましたというふうになった場合の対応策として考えられることとして、その労働者か雇用類似の人かを、分断するところからスタートするというよりは、一体的に解決策を見出したほうがよろしいのではという、そういった感じのご主張という感じですかね。

川田委員:そうですね。

永倉在宅労働課長補佐:分かりました。ちょっとまた、修文等は相談を、するしないも含めて相談をさせていただければと思います。

鎌田座長:私も感想をという話なんですけれど、ことほど左様に我が国の社会は労働者であるかないかというのが、まさに基礎概念で、制度がそういう形できちっと決まっていて、だから、この検討会でそこをどう考えるかというのを問題にしている。いろんなところに波及してくるという。まさに紛争解決というところでも、その問題が出てきますよというご指摘だと思います。ありがとうございます。あと、何かございますでしょうか。湯田委員、どうぞ。

湯田委員:44ページからの把握すべき事項において、事務局に用語の確認をさせていただいた上で、質問したく思います。45ページ、上から3行目に「就業状況別や発注者との関係性」という表現がありますが、この就業状況別というのは、働いているかいないか、もしくは、自営業か被雇用者であるのかということでしょうか。

永倉在宅労働課長補佐:正直、この就業状況別というのは、かなり広い意味として書かせていただいておりまして、そもそも働いているかどうかということもあるかとも思いますし、あとはその働いている中で、どういう業種でやっているかとか、そういういろんな就業状況のことをさくっと書いたようなつもりで、すみません、いろんなご意見をこれまでいただいていたもので、それを一言で言うとしたら、就業状況というのが一番適切なのかなということで、使っているようでした。

湯田委員:ありがとうございます。様々な働き方がでてきている今、本検討会においても海外の状況を山崎様からご説明をいただいたなかで、つなぎ労働が海外では増えているなどの指摘もありました。つなぎ労働とは何か、どのような働き方が行われているのかを把握していくとなると、今例示している分析の内容で足りるかという疑問があります。つなぎ労働なのか、100%フリーランスになるための動きなのかにより、今後取っていくべき社会保障の政策の在り方や課題の把握等が変わってくると思いますので、ここはもう少し細かく記載があったほうが良いと思います。例えば、自主的に選択しているのかなども含め、把握すべき項目がある指摘を追加するほうが良いと思います。

鎌田座長:つなぎというと、ごく短期の、というイメージもありますよね。

湯田委員:そうですね。

鎌田座長:要するに、本当にごく短期の期間で働いている人か、比較的長く働いているか、そんな違いが出てくるということですよね。

湯田委員:はい。恒常的にフリーランスの方と、一時的に業務委託形式での働き方をしている方では、保障の設計の仕方も変わってきますし、相談窓口のあり方等も変わってくると思います。将来的に様々な課題に対して解決策を考えるために、何を把握すべきかという観点の整理が必要と考えます。

鎌田座長:あと、自主的に選んでいるか。自主的に選んでいないというのはどんなイメージなんですか。

湯田委員:満足度のアンケートであったように、選択した理由が、従前の企業が倒産してしまったとか病気の都合などで、その契約形態しか選べなかったからなどの事象があると思います。

鎌田座長:やむを得ずこういうものという、なるほどそういう意味ですね。はい、分かりました。そういう視点を少し細かく含めたらどうかというご指摘でした。

宮田委員:今のお話に関わる話なんですけれども、44ページの上から3行目の所です。保障のお話になってくる、支援のお話なんですけれども、2行目の所ですね。「所得等の補填のための方策について、その必要性も含めて検討することが考えられる」となっていると思うんですけど、その必要性の前に、今湯田委員がおっしゃったような、何で自分が選んでくるか、というところをプラスして、例えばなんですけど、クライアントとの継続的な関係があって、一定の稼働日数がある場合というのは、継続していますよね。というような、いわゆる条件によって、それから必要性プラス条件面も考慮しないと、話が具体的にならないのかなというところも少し含めるといいのかなというふうに感じました。

鎌田座長:宮田委員、今のは、先ほどの分析軸でいうと、発注者との関係性ですね。

宮田委員:そうですね。なので、川田委員の労働者とは誰かというところにもつながるんですけど。

鎌田座長:その際に、つまり今ご指摘いただいたのは、言ってみれば、業務災害のところでご指摘、そうすると、それについての必要性、業務災害の補償から必要性の考えで言われたのか、一般論として雇用類似の者と捉えた場合にその継続性というのを入れるのか、どちらを今イメージされている。

宮田委員:私のイメージでは、本来は一般論で、どっちになるかというのは、定義としてあったほうが、話が分かりやすくなるのかなと思います。ただ、一部として、一番保障であったり、という面が条件というのは、付けやすいのかなというふうには思いますね。なので、そこの一般論を条件にしてしまうと、先程の話の通り、つなぎの方とかは異なってくるので、難しくなってしまうんです。何で雇用類似じゃないのかと言われると、そうではないとなってしまうので。

鎌田座長:だから、前にもちょっと私が言ったかもしれないけど、今保険関係で言えば、確かに継続性ということもあるけど、例えば、セクハラの場合、短期間入った人は、じゃ保護の対象にしなくてもいいのか、それもなんかちょっとおかしい。

宮田委員:そうなんですよね。なので、必要性プラス条件というようなこと、2つあるよという、そういう感じ。

鎌田座長:保護の必要性との関連で、どう定義するかというときに、継続性ということも考慮に入れたほうがいいんじゃないかということですね。何かコメントがありますか。

永倉在宅労働課長補佐:今のお話しいただいた部分で、もし一般論として記載をするのであれば、例えば40ページの(1)の対象者のところが続いているんですけれども、この2パラのところで、「雇用関係によらない働き方の者についてさまざまな課題が考えられる中、その課題に対応する保護の内容によって、対象者の具体的な要件が必ずしも同一になるとは限らない」ということを書かせていただいていて、これ、意図としては、鎌田座長がおっしゃった通り、ものによって、少し広く捉えることもあれば、継続性などを要件にして狭くするような必要性があるものもあるかもしれないということで意図としては書かせていただいていた部分です。なので、この部分をもう少しふくらませるような形でも一般論としては書けるのかなと、今聞いていて思ったんですけれども、いかがでしょうか。

鎌田座長:宮田委員。

宮田委員:実際問題として、この家内労働者で、家内労働法を適用する自営型テレワーカーはどのぐらいいるのかという話になってくると、ものすごく少ないと思います。だからここはここでもうできあがっているので、特には問題ないと思うんですけれども、今は新しい時代の自営型テレワーカーの話を進めないといけないので、ちょっとやっぱりプラスしていただいてもいいのかなというのはあります。

鎌田座長:この点について、何かご意見があれば少し伺いたいですが。これはもう前回の議論の中で、保護の内容との関連で、対象者というのが変わり得るという、それは恐らく皆さん異論はない。そこで今、宮田委員が言った継続性という、一方ではつなぎということで、ごく短期の方というのがあって、それをもし一般論であれば、40ページのところで少し反映させる必要があるのかなという。一方では、特定の場合にしばられるのもどうかという感じもしますけど、でも問題提起としてはよく分かりますので、文章については一任させていただくということでよろしいですか。

宮田委員:大丈夫です。

鎌田座長:何かご意見があれば、伺っておきたいですけれども。よろしいですか。あと他にございますか。村田委員どうぞ。

村田委員:もともとの雇用類似というようなくくりについて、今回は方向性を指し示すことはないと伺いましたが、いわゆる雇用なのか、自営なのか、第3の働き方、ワーカー的な働き方なのか、という点については、今後の日本において、企業の人材との関わり方について非常に大きな問題になると思っています。それでいうと、以前人材ポートフォリオというようなものが、いくつか示されましたが。今後、こうした雇用類似の働き方についても、AIやロボットとか、そういったものと私たちは共存して、働く場を作っていかなくてはならないということになると思います。その際に、企業にとって、この検討会の提言、この取りまとめが誰に向かって発信しているものなのか配慮しなければならない。今後、雇用類似の働き方については、こういう方向性もあり得るということを認識していただけるような、分かりやすいような示し方をしたいと思っております。一つ一つの情報について、これはやや雇用寄りであるとか、これはやや自営とか、指し示すのがすごく難しいとは思いますが、最終的には企業にとって分かりやすく、みんなにとって社会の仕組みが分かりやすく、理解されるような内容が望ましいと考えています。

鎌田座長:今度の報告書の中で、具体的なその方向性ということを書き込むという、今おっしゃったのは分かりやすい方向性を示してほしいということ。

村田委員:あと、誰が誰に向けた提起なのかというようなことが分かるとよい。混在しているイメージがあります。

鎌田座長:今おっしゃったような、分かりやすい、それから誰にとっても分かりやすいということも加味しながら、そういった課題といいますか、今後の検討課題ということでまとめてよろしいですか。何かコメントありますか。

永倉在宅労働課長補佐:特にというと、ちょっと変なんですけれども、ありがとうございます。ご指摘を踏まえて頑張ります。

鎌田座長:他にございますか。よろしいですか。はい、どうもありがとうございます。それでは、大変貴重な意見をたくさんいただき、ありがとうございます。本日のご意見を踏まえまして、厚生労働省において報告書案を修正したのち、厚生労働省から皆さま方に改めてご意見を伺うというふうにしてまいりたいと思います。その修正、それからその反映させた文章の作成、そして最終的な取りまとめというのは、私にお任せいただくということでよろしいでしょうか。もちろんいろいろご意見を聞きながら、厚生労働省と私のほうで調整を図りたいと思っております。よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。

それでは、本日は検討会としては最後の会ということでありまして、委員の皆さまからこの検討を踏まえて、ご所感を一言で、たくさんおっしゃっても結構なんですが、いただければというふうに思いますが、よろしいでしょうか。順番に湯田委員からこう流れていくというような形でよろしいでしょうか。じゃあ、先頭バッターはちょっとつらいですけれども、よろしくお願いします。

湯田委員:今回、4回の検討会にて多岐にわたるヒアリングもさせていただき、非常に勉強になりました。今、なりたい職業調査では、ユーチューバ—、アプリエンジニア、プロピッカーなどがあげられるなど、従来なかった職業が上位にあがり、仕事の種類、仕事の仕方も変化していることを念頭に各種調査を聞かせていただきました。今後、シェアリングエコノミー、ギグエコノミー、アウトソーシングの活用が増加していく潮流を捉えると、今回テーマになっている雇用類似の働き方は、今後、積極的に検討していかなければいけない分野になると思います。

併せて、テレワークやパラレルワークが増えていくと、1人の人が複数の就業先にて多様な契約形態で活動するケースも多々出てくると思います。1人の人を既定の枠に当てはめるのではなく、ライフステージにあわせて、一時的に選択する働き方もあるという、視野を広げた未来の働き方をイメージしつつ、今後検討しなければならないと私自身思いました。本検討会テーマであった現事象の把握という観点では、雇用類似の働き方にしても独立自営業者にしてもフリーランスにしても、対象があいまいなところが多いため、ますは定義を整理したうえで課題把握、環境整備をしていく重要性を認識した次第です。今回、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。

鎌田座長:それでは、宮田委員。

宮田委員:とてもヒアリング等で勉強になりまして、たくさんの諸外国の働き方も勉強させていただいて、とても意義のある会で、ありがとうございました。NPO法人として在宅就業の方を支援というか応援しているのがあるんですけれども、実は5年ぐらい前に、悩んだ在宅ワーカーさんが労働基準局に悩みを「行ってきます」と言って、行って追い返されたというエピソードがあるんです。相談する窓口がないと。うちのNPOにカウンセリングなんかで頼ってきてくれてはいるんですけれども、私たちも弁護士ではないので、やっぱり相談を聞いてあげるのはできるんですけど、解決できる道がなかった、というのが実はずっと課題として現場としてはあります。ただこういう会をシンクアンドトライもできたところで、一歩ずつなんですけれども、国が応援してくれているという姿勢が、一般の、これから自営型テレワーカーを目指す方たちへの希望になるのは間違いないと思っていますので、ぜひ新しい働き方、ワークライフバランスを実現させる働き方として、もっともっとこう支援できたらいいなというのを、改めて感じました。ありがとうございました。

鎌田座長:じゃ、小畑委員お願いします。

小畑委員:ありがとうございました。ヒアリングで率直なお話を聞けたということ、大変重要なことであったかと思います。また、今回ヒアリングの対象でない方からも、もしお話を聞くことがあったら、他にも率直なご意見がいろいろ聞けるのではないか、それ程に働き方は多様であるし、社会の変化は非常に激しいというように感じております。そして、その激しい世の中の中で、行政、国がどのような関わり方をするのか、その方法は多様でございます。また国の役割についても、どちらの方向性を考えるのかというようなことを非常に考えさせられた検討会でございました。以上でございます。ありがとうございました。

鎌田座長:では、芦野委員。

芦野委員:私も貴重な機会をお与えいただきまして、ありがとうございました。最初に雇用類似の働き方に関する検討会と聞いた時に、さあ、ここで言う雇用って一体何だろうというところが私の疑問で、今回の多様な働き方を、実態把握を通じて、だいぶこういうのがあるんだというのが理解できたところではありますが、実はここの部分は、私の専門としている民法の学者にとってみると、宿題であると同時に、民法の学者が逃げていた非常に重要な問題であります。やはり、民法には雇用、請負、委任という形で、働き方に関する典型契約があり、裁判所などが判断する場合にもそこを出発点としなければならないけれども、しかしながら労働者性の観点から労働法に任せてしまえばいいんだというような乱暴な議論が民法ではされてきたところであります。しかしながら、そうはいっても実態を把握してみると、労働者にも当たらないということからこれまで十分に保護とか施策の対象となっていなかった人たちがたくさんいるということが、今回改めて分かりましたので、やはり民法の観点からもまだまだ勉強していかなければならないというふうに思いました。そういう意味では、繰り返しになりますが、実態を把握できたということは非常に有益だったのではないかと思います。

一方で、そのような従来残されていた問題点が明らかになったのではないかというのと同時に、一方ではデジタル化社会との関係で人々の新しい働き方が生まれてきているんだというのを、今回改めて知ることができました。また、前回の検討会では諸外国の対応なども、私の知らない多くのことも知ることもできましたし、と同時に、やはり我が国も、それにも対応できるようなきちんとした施策を考える必要があるのではないかということを実感いたしました。そういう意味では、今回の検討会というのは、これまでの問題と同時に、新しい問題というのが明らかになったという点で、非常に重要だったのではないかと思っております。以上です。

鎌田座長:では、川田委員お願いします。

川田委員:ありがとうございました。私も個人的な所感は、これまで、今回を含めて意見というような形でだいぶ言っておりまして、それ以外のところですと、既に述べられたご意見とほとんど重なりますが、やはり実態把握について、諸外国の状況等の面も含めて、一定程度できたというのは大変勉強になりました。同時に、この問題、冒頭湯田委員がおっしゃったように、恐らくこれからの日本における働き方の中で、今まだ実態が漠としている部分があるけれども、この検討会で検討しようとしてきたような働き方が1つの有力な選択肢として、これからもより重要な存在になっていくであろうというような状況がある中で、恐らく検討すべき問題の重要性というのは大きく、一方今回実態の面を中心に、問題の所在を考え、枠組みについてもある程度のものが進展したのではないかと思います。恐らく今後も重要な課題としてあり続けていくであろうというふうには思っております。ありがとうございました。

村田委員:今回貴重な機会をいただきまして、どうもありがとうございました。インディペンデントコントラクターとかディペンデントコントラクターという領域は、たぶん20年ぐらい前から接していて、いろいろな事実についての把握を、いろいろなアプローチをしようと思っているのですが、なかなか把握しづらいという状況が続いていて、そういった意味でも今回は非常に有意義な機会と思っています。もう1点は、この検討会の間に、4回ほど海外に出張に行っておりまして、事務局には大変ご迷惑をお掛けしました。出張先で感じたことは、例えば日本と同じように他国でも高齢化が進んでいますが、他の国では定年後に、名刺を1枚作ってしまえば既に自分は自営業だとカジュアルに言う方が非常に多かった。そうした意味でも、日本は今後自営業主が非常に増えてくるのではないかと思います。あと、長期の勤続で、ある程度のプロフェッショナル、セミプロの方が、労働市場にどんどん出てくるときに私たちはどういうふうにその人たちを支えるのか。もしくは働く支援を推進するようなことをしなくてはいけないと思います。

もう1つは、海外人事に向けたコンファレンスがいくつかありますが、その中の重要課題のセッションとして、雇用類似の方々、労働者性についてのセッションがいくつもあって、企業の法務の方とか人事の方々が積極的に参加をしています。どこまで働かせて、どういう働き方をすると、IRSと対峙しなくて済むかとか、リスクヘッジの対応が多いのですが、日本も今後そのニーズが増えると思っています。どうもありがとうございました。

鎌田座長:はい。最後に私からも感想を述べさせていただきたいのですが、既に皆さまがご発言されたことで、ほぼ私は尽きているんですけれども、私の個人的な感想ということでいえば、雇用類似の働き方の者というターゲットを絞って、そしてどういう課題があるのかということを詳細な実態調査、ヒアリング調査を踏まえて、こういうふうにまとめたということは非常に重要なことだろうというふうに思っています。様々な形で、様々な働き方がある中で、どういう切り口で、どういうふうにこの問題を、課題というレベルでも、まとめればいいのかということが、あまりにも多様過ぎて、非常に難しかったというふうに思うわけです。そういうことをこの報告書の中に、一定の対象を絞って、こういう課題をこういう形で整理をしたということは大変重要なことだったというふうに思っておりますので、ぜひ報告書をいろいろな方が読んで活用していただくということを期待したいというふうに思っております。

それでは、厚生労働省の宮川雇用環境・均等局長からご挨拶があるということですので、よろしくお願いいたします。

宮川雇用環境・均等局長:雇用環境・均等局長の宮川でございます。本日は公務で、大幅に遅れまして大変申し訳ございませんでした。鎌田座長をはじめ委員の皆さま方におかれましては、この雇用類似の働き方につきまして実態とそれから課題整理ということで、ヒアリングを含めまして、短い期間でございましたけれども、濃密な議論をしていただき、多くの論点がある中で、様々な観点からご議論いただきましたことをここで厚くお礼申し上げたいと思います。

先ほど鎌田先生におまとめいただきましたように、本日の報告書の取りまとめに向けまして、各委員の皆さま方と個別にご相談させていただきながら、年度内目標で取りまとめ、公表したいと考えております。報告書を取りまとめました後には、労働政策審議会の基本部会に、その報告書を報告させていただいた上で、この報告書の整理を踏まえて、基本部会におきまして、雇用類似の働き方に関する保護等の在り方について、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。委員の皆さま方におかれましては、お忙しい中多大のご協力をいただきましたこと、改めてお礼申し上げますと共に、今度とも労働行政につきましてのご指導を賜りますようお願いを申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

鎌田座長:ありがとうございます。それではこれにて雇用類似の働き方に関する検討会を終了いたします。本日はお忙しい中お集まりいただき、また活発な議論をしていただきありがとうございました。


(了)

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