ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議> 第21回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(2022年9月12日)
2022年9月12日 第21回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議
○日時
令和4年9月12日(月) 15:00~17:00
○場所
オンライン会議
フクラシア東京八重洲(オンライン会議場)
E会議室(3階)
東京都中央区八重洲2-4-1 住友不動産八重洲ビル(旧ユニゾ八重洲ビル)
○出席者
出席委員
五十嵐委員、磯部委員、岩月委員、上村委員、宇佐美委員、笠貫委員、 |
佐藤委員、宗林委員、高野委員、萩原委員、原委員、平野委員、 |
堀委員、松野委員、宮川委員、宮園委員、湯浅委員、渡邊委員 |
○議題
1.今後の検討会議の進め方について
2.パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策について
3.スイッチOTC医薬品の候補となる成分の検討状況等
4.その他
○議事
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
それでは、定刻を過ぎましたので、ただいまより第21回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催いたします。
会議に先立ちまして、本検討会議の構成員の交代がございましたので御報告いたします。
黒川構成員、長島構成員が退任されまして、新たに2名の方に御参画いただいております。御紹介させていただきます。あいうえお順でございます。
日本OTC医薬品協会理事長、磯部総一郎構成員でございます。
○磯部委員
よろしくお願いいたします。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
日本医師会常任理事、宮川政昭構成員でございます。
○宮川委員
宮川でございます。よろしくお願いいたします。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
出欠状況でございますけれども、本日は近藤構成員、部坂構成員、矢口構成員から御欠席との御連絡をいただいております。また、萩原構成員は遅れて出席される予定と聞いておりますので、現在のところ17名の構成員に御出席いただいている状況でございます。
ウェブ会議を開始するに当たりまして注意事項を御説明いたします。発言される際は、画面のマイクのボタンを押してミュートを解除した上でお名前をおっしゃっていただき、座長に指名された後に御発言いただきますようお願いいたします。また、発言されないときはマイクをミュートにしておいてください。会議中に万が一接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしましたウェブ会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。
それでは、笠貫座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
○笠貫座長
まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。
○事務局
事務局でございます。
資料につきましてはペーパーレス化を実施しておりまして、会議場に来られている構成員の方々におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認いただくことができます。タブレット端末には、現在、会議資料の議事次第を画面に表示した状態でございます。他の資料を画面に表示する際には、左側の「修正後」となっているところをタップしていただきまして、適宜御覧くださいませ。なお、タブレットの使用方法につきましては、お手元に配付してございます「ペーパーレス審議会タブレット操作説明書」を適宜御確認くださいませ。
では、本日の資料の確認をさせていただきます。会議資料と参考資料を配付させていただいております。会議資料につきましては、議事次第、配付資料一覧、その後に今後の検討会議の進め方に関する資料といたしまして、資料1-1、資料1-2。パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の課題点とその対応策についてで、資料2-1から資料7-2。スイッチOTC医薬品の候補となる成分の検討状況等に関する資料として、資料8を1つのPDFファイルとして御覧いただいております。参考資料につきましては、開催要綱、構成員名簿及び日本におけるスイッチOTC成分のリストを1つのPDFファイルとしております。タブレットには、各候補成分の議論を行いました第18回会議の資料を保存しておりますので、適宜御活用ください。
本日の資料関係の説明は以上となります。御不明な点がございましたら、事務局までお申しつけください。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。タブレットの不具合等がありましたら、お知らせください。よろしいでしょうか。それでは、本日の議題に移りたいと思います。今後の検討会議の進め方について、事務局から資料の説明をお願いします。
○事務局
事務局から資料の説明をさせていただきます。まず、4ページの資料1-2を御覧ください。今回のパブリックコメントも含めた検討会議報告書作成の流れに関しまして、趣旨、考え方についてまとめさせていただいております。本検討会議は、2016年4月の検討会議が設置された当初は、スイッチOTC化の可否について全会一致の原則の下、構成員の多様な意見を踏まえて議論をし、共通言語と認識の醸成・情報の共有の熟議の下、検討会議としての合意形成を図ってきたところでございます。その後、規制改革会議の指摘を受けまして、昨年3月の検討会議からはスイッチOTC化の可否の決定を行わず、スイッチOTC化を行うための課題点の整理と、その解決策の検討を行う場として変更がなされております。同時に、検討会議のメンバーの構成を見直しておりまして、人数も多く多様な構成となったところでございます。多様な背景から成る多くの構成員からの意見を踏まえて、課題点等の整理を効率的に行うために、また、全構成員の御意見を確実に反映させるような進め方ができないかということで、本日、案のマル1、案のマル2として考え方をまとめさせていただいております。
進め方の変更点について御説明いたします。ページが前後しますけれども、1ページの資料1-1の図を御覧くださいませ。現状の進め方の流れを示させていただいております。簡単に御説明いたしますと、成分情報に係る資料、事前に聴取した関係学会・医会の意見を検討会議のマル1に提示いたしまして、検討会議マル1でスイッチOTC化における課題点を整理。その後、パブリックコメントを実施し、その後、検討会議マル2におきまして、パブリックコメントや追加の構成員からの御意見等を踏まえまして、課題点と対応策を取りまとめるという流れになってございます。
2ページを御覧ください。こちらが変更案のマル1となります。先ほどの図から変更されているところを赤字でお示しさせていただいております。まず、マル4でございますけれども、検討会議マル1の前に各構成員からの意見を書面で聴取するというステップを追加し、検討会議マル1で課題点とその対応策を含めて議論するという変更になっております。その後、検討会議の後に構成員から追加の御意見の提出の希望があれば、追加の御意見を提出いただきまして、その内容を取りまとめた上でパブリックコメントを実施するという大きな流れでございます。
続きまして、3ページにまいりまして変更案マル2でございます。先ほどの変更案マル1との違いでございますけれども、案マル1では、検討会議マル1の前に構成員からの意見を提出するという形になっておりましたが、構成員の負荷がかなりあるところも考慮いたしまして、変更案マル2では、マル4の部分、各構成員の意見の事務局での事前聴取を任意とさせていただいております。検討会議マル1で議論をいたしまして、事後的に構成員から意見を提出いただくという大きな流れとなります。
具体的な運用については、4ページの資料1-2を御覧ください。まず、案マル1でございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、関係学会・医会の意見を聴取いたしまして、検討会議マル1の前に構成員からの意見を聴取するという流れになりますけれども、御意見の提出の際は、9ページの別紙様式1を用いていただき、これを関係学会・医会からの聴取結果とともに検討会議マル1の会議資料とさせていただきます。検討会議マル1では、中間取りまとめで整理いたしました各論点、具体的には薬剤耐性の特性からその他とございますけれども、こういった内容につきまして各論点に沿って課題と対応策、ニーズについて検討していただきます。3では、検討会議マル1の御議論の後、事務局がその内容を整理し、整理案を構成員に送付し、整理された検討と対応策ごとに賛成するものには構成員に○を付してもらう、短期的課題か中・長期的課題かの区別も記載していただく。ニーズについて賛成するものには○を付していただくということを構成員にしていただきます。続きまして、4でございますけれども、パブリックコメント案を取りまとめまして、5のパブリックコメントを実施した後、検討会議マル2で検討会議結果の取りまとめの議論を行います。その際には、パブリックコメントで提出された御意見等も適宜反映を検討いたしまして、最終的な検討会議においては、検討会議の議論を踏まえ、座長意見を付すこともあるとしております。
続きまして、6ページの案マル2でございます。検討会議マル1の前の構成員からの意見の提出は、別紙様式1に事務局宛てに提出することもできるとしておりますが、こちらについては事務局用資料として公表しないものといたします。検討会議マル1で御議論いただいた後、3では、検討会議の後に検討会議の議論を踏まえまして、各構成員に考えを整理していただいた上で、別紙様式1により意見をいただきます。事務局で構成員から御提出いただいた御意見を整理した後、構成員にその整理したものをフィードバックし、案マル1と同様に整理した課題と対応策について各構成員に○等を付していただきます。4では、パブリックコメント案を取りまとめますが、構成員から提出された御意見の中に検討会議マル1での議論から大きく解離した新たな視点からの御意見・提案があった場合には、再度検討会議で議論することもあるとさせていただいております。5のパブリックコメント実施以降は、案マル1と同じ流れとなります。事務局からの説明は以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について、御質問・御意見がございましたら挙手をお願いいたします。磯部委員どうぞ。
○磯部委員
笠貫先生ありがとうございました。また、林補佐に丁寧な御説明をいただき、いろいろ考えていただき、本当にありがとうございます。
私から少しコメントさせていただきたいと思いますが、進め方の変更案、案マル1と案マル2とございます。大きく変わるものではないのでございますが、今の林補佐の御説明を踏まえますと、どちらかといえば変更案マル2のほうがやりやすいのではないかと思っている次第でございます。
その上で、先ほどの資料1-2で申し上げますと、まず、構成員から意見を出すときに、私はスイッチOTCの問題、この会議の構成が多様なニーズ、企業だけではなくて一般の国民の方、医療者の方々、いろいろなニーズを踏まえて、それがOTCとしてどうなのかを考えると、順番的にはまずニーズがあって、こういうものをOTCにしたらどうなのか、こういうニーズがあるではないか。例えば、こういう問題があるから逆にOTCにして適切に使ってもらったほうがいいではないか、医療用でもこういうものだったら、こういう形で使うほうが医薬品アクセスが改善するのではないかなどいろいろな意見があると思います。そういうニーズがまずあった上で、それが薬剤の特性や使い方で医薬品としての一定の安全管理、適正使用の管理がし得るのか、こういう流れだと思うので、本来はニーズがあった上で、そのニーズの課題・対応策という流れのほうが素直かなと思っておりますが、資料の様式的には同じ項目が入っているので、順番を上にするとか下にするとか、あまり細かいことは言いませんけれども、そういった考え方の流れで検討するのがいいのではないかと思います。
そのほか、構成員からいろいろ意見する際に、我々構成員が責任を持って意見を整理していくことを考えますと、こういう課題があることも大事なのですが、それについてどういう対応策があるかについてもなるべく出していくことが、この会議の生産的な議論を生むことになると思いますので、課題を解決する対応策についてもできる限り出していって、それでいいのかどうかを議論できるような形にしたほうがいいのではないかと思います。あとは、たくさんの案件があった際には、この場で言い切れなかったということもあると思いますが、ここにいろいろな方がお集まりになっていますので、なるべくであれば意見があればこの場で出し合って、どういう解決の方策があるのかを議論して、後々会議をやっているのだけれども大きな問題点が新たに出てきたということがなるべくないようにして、この会議の生産的な結論が出るような形に持っていくことが大事だろうと思います。
また、パブコメを反映したディスカッションペーパーを事務局で整理していただくわけですが、この会議で決めたことについてパブリックコメントでいろいろな方々から御意見があるのは当然のことだと思いますが、この会議で決めたことと、パブリックコメントで事務局としてこれは検討しなければいけないのではないかということは切り分けて、今回も資料の中に入っているわけですが、ざっと資料だけで入っていると重み付けがよく分からないところもあるので、パブリックコメントで出たことについて事務局としての問題意識も含めて、どう検討したらいいのかという形で出していただけると、より議論がしやすいのではないかと思いました。私のコメントはとりあえず以上でございます。ありがとうございました。
○笠貫座長
ありがとうございます。コメントということですので、ほかに御意見がありましたら。宗林委員どうぞ。
○宗林委員
2点あります。1つは、6番の「最終的な検討会議報告書の議論・確認」というペーパー別紙2ができるわけですけれども、これを公表されるということでよろしいのかどうかと、この別紙2の取扱い、位置づけですけれども、これを例えばOTC部会などの参考にするという位置づけなのか、その辺を2点伺いたいと思います。
○笠貫座長
事務局、お願いいたします。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
御質問ありがとうございます。シンプルにお答えいたします。公表します。実際に審議品目が挙がったときに、この意見も併せて審議会の議論の場で御検討いただく。そういう意見があることを踏まえて、具体的な審議品目のときに御議論いただくということを念頭に置いている形でございます。以上です。
○笠貫座長
よろしいでしょうか。ほかにございますか。どうぞ。
○湯浅委員
湯浅です。医会の学術委員会のなかに、スイッチOTCプロジェクトチームを設置していただき、学術委員会の先生がたのご協力を得て、対応させていただいております。現在のやり方は、検討会議マル1を開催する前に、先生方に集まっていただき、議論を交わし、その議論を基に意見書を作成し厚労省に提出するという流れでした。案マル2については、検討会議が終了してから委員会を開催し、委員の先生方に集まっていただくことになるのでしょうか。今までと違うやり方をとるのであれば、委員会の先生がたにもご説明し、了承を得る必要があります。
○笠貫座長
事務局どうぞ。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
もしかしたら誤解されているかもしれないですけれども、先生がおっしゃられた関係学会・医会に事前に意見を聞くというのは、これまでどおりやるということで、先生が今おっしゃったのがそのことであれば、それは今までどおり事前にやっていただいて、事前に資料を出していただくのは変わりません。ですから、案マル2の場合は、今までと同じやり方をしますというだけのことです。案マル2の事後で出していただくのは、構成員の先生方がこの会議での議論を踏まえて整理して意見を後で出してくださいということなので、分かりにくかったら申し訳ございませんけれども、事前の関係学会・医会による意見聴取というのは変わらないということは、ポンチ絵の中でもそう書いておりますが、そこは従来どおり何も変わりませんということでございます。
○湯浅委員
分かりました。そうであれば結構です。
○笠貫座長
佐藤委員どうぞ。
○佐藤委員
産経新聞の佐藤です。御説明ありがとうございました。まず、最初に1つ質問なのですけれども、今回の変更の事務局としての狙いを教えてください。それを聞いた後で意見を述べさせていただきます。
○笠貫座長
事務局、お願いします。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
狙いといいますか、資料1-2の4ページに書いてあるとおりでございまして、ある程度効率よく課題の整理を行うことを考えると、構成員の先生方からの書面での意見提出を取り入れたいというのが一つあります。それを事前に出すか、事後に出すかというのが論点。もう一つは、別紙様式で出す際には参考という形で、例えば8ページにあるような視点で、こういう考え方があるのではないか。わざわざ中間取りまとめで考え方を整理しましたので、できればそういう考え方に沿って議論をまとめていただくといいましょうか、整理していただくことにもつながるのかなということで、大きく2つです。まとめ方を効率よく進めていく、議論をする際に一定の考え方の方向性、もちろん違うものがあっていいと思いますけれども、一定の方向性、こんな感じでパブコメ案、最終報告書案をまとめてはどうかという一助になるような例示もお示しした上で、このようにしたらどうかと。大きくその2つだと思っております。以上です。
○笠貫座長
佐藤委員お願いします。
○佐藤委員
ありがとうございます。分かりました。変更マル1案とマル2案ですと、マル2案のほうがいいかなと感じながらお聞きしました。なるべく緩やかな仕組みにしたほうがよいのではないかと思います。
若干気になったのは、賛成するものには○、反対する、どちらでもないものには空欄と、要は○×をつけるという、はっきりしろみたいな感じで、ちょっと怖いなという感じがしたのですけれども、こうこうこうだったらいいと思うとか、こうこうこうなるのだったら駄目だと思う、という条件付きの意見が多い中で、○か×かと聞かれるのもなかなか回答が厳しいのではないかという気がいたしました。おおむね賛成とか、方向性は示しつつ、グラデーションが反映されるような書式にしていただけると、よろしいかと思います。以上です。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
よろしいでしょうか。そこはまた、もしかしたら引き続きになるかもしれませんけれども、一応賛成するものには○、ただ、必ずつけろというわけではなくて、5ページにも書いていますとおり、反対とかどちらでもない場合は空欄でも構わないという形で、どうしても必ず白黒つけろというつもりではございませんので、要は強く賛成するみたいなものについては御意見をくださいという狙いだと捉えていただければと思います。この趣旨は多数意見だったのか少数意見だったのかを、可能な範囲で明確化したいという趣旨でございますので、全部について○か×かというところまでは求めていないということでございます。さらに工夫の余地があれば考えたいと思いますが、基本はそのようなことです。
○笠貫座長
よろしいでしょうか。堀委員どうぞ。
○堀委員
COMLの堀です。私からは、今までの先生方からの御発言と反するものでございまして、案マル1を望んでおります。というのは、消費者の立場から申しますと、各先生方がどのようなところを問題視されているのか、また課題と思っていらっしゃるのかは、知識のない私たち消費者は非常に分かりづらいところだと思います。ですので、まず、案マル1で別紙様式1であっても、何も御意見のない委員の方は白紙で出せばいいわけですから、あくまでもそういう様式があって、意見がある方は記入して出していただくことで、それが最初の検討会議で、パブリックの皆様に委員の方々からどういう意見があったかを提示していただくのは、消費者にとっては非常にありがたいことだと思っていますし、必要なことではないかと思っております。
もう一点は、先ほど佐藤委員もおっしゃっておりましたように、○または×というものに関しては捉え方が人それぞれだと思いますので、先ほどおっしゃっておりましたが、空欄という形の中で中庸というか、意見を書くという形で統一されてもいいのかなと。よほど絶対に○、絶対に×という方だけ書いていただいて、その理由を書いていただくという形にしたほうが、今回もライブ配信されていますので、誰のためのOTCかということに皆様着目して考えていただけたらありがたいと思います。私からは以上です。ありがとうございました。
○笠貫座長
セルフメディケーションは消費者・国民のためであるということは皆様の共通の認識であり、各ステークホルダーがどうサポートしていけば国民のため、消費者のためのセルフメディケーションの推進が可能かということです。どうぞ。
○岩月委員
お話を伺っていまして、もちろん内容を公表することは大事だと思います。赤字のマル4の箇所について、案マル1は、関係医会・医学会の意見を踏まえた上で各構成員の意見を聴取するとあります。案マル2は、そういったことはありません。私どもとしては関係医会・医学会の意見を尊重するのは当然であり、それは今までどおりだと思いますけれども、別に構成員がいるわけですから、ぜひ案マル2で進めていただきたいと思います。○をつけるという今回の新しいやり方に沿えば、私ども薬剤師会としては、御提案いただいた案マル2のほうが、各構成員の意見が独立して反映するのではないかという気がいたしますので、そのようにお進めいただけるとありがたいなと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。どうぞ。
○宮川委員
日本医師会の宮川ですけれども、発言しないわけにはいかないので、ちょっと時間をいただきたいと思います。
○笠貫座長
お願いします。
○宮川委員
今までの各委員の御意見、非常に適切だろうと思います。先ほど佐藤委員からお話があったように、○を付けるというのはあまりにも拙速すぎるような、多数決のような印象を与えると。どこに問題があるのかも適切に示さなければいけないということが抜けてしまって、結論にすぐ導くようなやり方になってしまうので、結果の見せ方には十分注意を払う必要があると考えます。賛成であるか、反対であるか、そのバックグラウンドがどうなのかを知りたいわけですから、理由がしっかりと分かるような言い方であれば、示し方であればいいわけですので、○を付けるとかというのは適切ではないのかなと思います。そのことによって、実際には別紙の様式に書いてありますけれども、専門性も含めてですが、専門家の方が、ここに出席していらっしゃる方も含めていらっしゃるわけですから、何が必要なのか、何が国民のために重要なのかがしっかり分かりやすいような形でお示しできることが非常に重要なのではないかと思いますので、ぜひ、そのような形で形式を整えていただくことが非常に重要なのかなと思います。
それから、3のニーズですが、賛成とか反対の区別がつくものなのかどうか、非常に私も危惧しておりまして、ニーズについて賛成するものには○というのは疑問です。ニーズというものは○なのか×なのかということではなくて、こういう必要性があろうか、消費者の立場からこういうところがニーズなのだよと、冒頭に磯部委員からお話がありましたように、ニーズから始まるというのが本来であって、誰がこれを必要だということで持ち上げるということではないと考えます。
スイッチOTCというのは、実際にいわゆる国民・患者さんのために必要である、ニーズがあるから出してくるので、その起点が企業や何とかから始まるのではなくて、消費者・国民の目線からということで、堀委員が懸念されているように、出どころが大事だということをしっかりと明記していかなければなりません。その中で物事の転用が始まるのだということで、冒頭の磯部委員と堀委員から出たことは非常に重要に結びつくのではなかろうかと思いますし、先ほど佐藤委員がお話しになったようにグラデーションがあるのだと考えます。物事は○か×かだけではなくて、グラデーションがあってこういう判断をしていくのだという丁寧な語りかけ、国民に対するお示しの仕方が非常に重要だと思いますので、それは曖昧ではないはずです。グラデーションがあるということは曖昧ではなくて、こういう中で丁寧に議論してきたことが皆さんに分かるようなお示しの仕方をするのが適切ではなかろうかと思って御意見させていただきました。以上でございます。
○笠貫座長
大体議論は出たと思います。これまで15名全員の合意で可否を決めていましたが、規制改革会議からの指示で可否は決めないことになり、課題と対応策を議論する、しかも1回目の議論、パブリックコメント、その後の議論ということで議論を深めることが大事です。さらに、構成員が15名から21名に増えた中で課題も対応策もたくさんありますので、限られた時間で全部取り上げるのは難しいということから、書面で挙げていただき、そこで補充しようということです。
それから、その課題・対応策の中で、重み付けを会議として方向性を出せるものは出さないと、部会やパブリックコメントを出したときに、数多くの課題・対応策を羅列することになります。前向きに、重み付けをつけたいということです。賛成・反対をつけることは、確かに難しいかもしれませんが、重要と考える場合には○をつけていただき、意思表示をするほどでない場合にはつけない、反対したいときには反対をつけるという程度で、その傾向を知り、重み付けをしたいということで御理解いただけたらと考えています。それがこの会議の役割かなと考えています。
案マル2と案マル1では、専門家の方はお考えを出していただき、専門家でない方は十分な知識がないわけですから、先に意見書を出すのは難しいと思います。先ほどの出したい方は出されるとして、少なくとも検討会の後には出していただくというようにお願いたします。
重み付けの説明については、もう少し工夫させていただきますが、そんな形で進めたいと思います。これまで進め方について3回にわたって議論してきていますが、こういう形でクリエーティブな会議にしていきたいと思っています。事務局には、案マル2に沿って検討を進めるようにお願いします。
また御意見がありましたら、事務局にお寄せいただきたいと思います。
それでは、次の議題に移ります。パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の問題点とその対応策について、6成分ありますが、まず、資料2-1と2-2のレボセチリジン塩酸塩について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局
11ページの資料2-1を御覧ください。レボセチリジン塩酸塩の課題点とその対応策について、これまで御議論いただきました点につきまして主な意見をまとめたディスカッションペーパーとなっております。
こちらの資料の見方の説明をさせていただきます。この後のほかの5成分も同じ様式となっておりますので、御参照いただければと思います。まず、1には構成成分の情報として、成分名と要望されている効能・効果をお示ししております。レボセチリジン塩酸塩では、鼻炎・皮膚炎がスイッチOTCとした場合の要望された効能・効果となっております。2につきましては、1月の検討会議での各構成員からの御意見を事務局で取りまとめ、パブリックコメントを実施した際の案となっております。ところどころ、例えば12ページのように網かけの部分がございますが、パブリックコメントで提出された御意見のうち、1月の検討会議の際に観点としてはなかった新たな課題点や対応策を追記したものでございます。パブリックコメントで提出された意見であることが分かりますように、網かけ部分の最後に「(パブリックコメントで提出された意見)」と明示させていただいております。
それでは、レボセチリジン塩酸塩についての御説明をさせていただきます。11ページにお戻りいただければと存じます。レボセチリジン塩酸塩につきましては、鼻炎との適応や皮膚炎の適応についてどうするのか。また、適応年齢を小児と同様に7歳以上とするかどうか。また、用量についても10mg用量は含めないことといった観点についてまとめさせていただいております。
なお、パブリックコメントの御意見で追加してございますのは、12ページの網かけ部分でございまして、セチリジン塩酸塩のリスク評価において、要指導医薬品から一般用医薬品に移行することは問題ないと評価され、特段の安全対策が求められなかったことを踏まえると、本成分につきましてもセチリジン塩酸塩と同様の安全対策を講じることにより、安全性上の懸念は低いと考えられるという御意見がございました。また、その下にまいりまして、チャイルドレジスタンス容器等、誤飲防止のための安全対策を講じることはできるのではないかという御意見を追加させていただいております。
また、資料2-2では、パブリックコメントで提出された御意見をお示しさせていただいております。レボセチリジン塩酸塩に対しては6件の御意見が提出されておりまして、先ほど御紹介した御意見以外の主な御意見といたしましては、まず、1つ目といたしましては、スイッチOTC化に賛同する、同種の抗ヒスタミン剤との兼ね合いを考慮すること、副鼻腔炎を含めないこと、皮膚炎の削除という点に関しましては14ページの真ん中あたりにお示しされております効能・効果を認めることで代替可能と考えられるという御意見が提出されてございます。また、16ページにまいりまして、小児の適応に関する御意見でございますけれども、できれば7歳未満の人でも必要のある人は使えるほうがよいとする御意見に賛同するというコメントをいただいております。
また、2番目の御意見でございますが、既承認の医薬品の前例にありますように、効能・効果に皮膚疾患が記載されても問題ないと考えます、かゆみの自覚症状に限局して使用することが望ましいと考えますという御意見が提出されてございます。次のページにまいりまして、小児の適応年齢についての御意見もございまして、7歳以上15歳未満の小児への適応は問題ないと考えております、ただし安全性に配慮して小児用の製品を別につくるべきであると考えますといった御意見でございました。
3番目につきましては、レボセチリジン塩酸塩のOTC化を阻害する要因はない。鼻炎・皮膚炎について需要者に説明しやすいよう疾患や症状の特定や制限が必要であるという御意見でございました。
4番目の御意見につきまして、17ページの最後のほうに、致命的でもない軽症の治療選択で、最初から飲み薬で済ますという消費者の選択を奪う権利が検討会議にあるのか、また次のページにまいりまして、効能・効果の表現ぶりについては、ちょっとした皮膚のかゆみとでもすればよいのではないか、また添付文書上の最高用量は10mg/dayであり、OTCとして過剰とする根拠はないといった御意見を頂戴してございます。また、次のページにまいりまして、クレアチニン・クリアランスに関する御意見がございますが、クレアチニン・クリアランスを薬剤師が活用できないとの根拠は何かということと、透析患者や肝機能障害患者で長時間セチリジン10mgが処方されている例もあるが、問題はないという御意見でございました。
5番目の御意見については、セチリジンがOTCとして販売されている中で、レボセチリジンをスイッチOTC化できない理由はないと思われるというものでございました。
6番目につきましては、先ほど御紹介しましたとおり、容器に関する御提案の御意見がございました。以上、事務局からの説明でございました。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、スイッチOTC化の課題点とその対応策について、個別の御意見がございましたら、お願いいたします。磯部委員、お願いします。
○磯部委員
私から言うのもあれですけれども、OTC医薬品協会の磯部でございます。幾つかコメントがございます。1つが皮膚炎の問題ですが、確かに先生方の御意見で、まさしく皮膚炎をどう診断するのか非常に難しいというのはおっしゃるとおりなのだろうと思います。ただ、13ページの「スイッチOTC化のメリット等」の3番目の○に書いてありますが、一般の方々からすると、かゆみは非常に大きい問題であるということで、例えば皮膚症状があって、受診する前に夜中かゆくて知らないうちにかいていて、かえって悪くしてしまったとか、どういう皮膚炎なのか、蕁麻疹なのか、何なのかの以前に、かゆみがあったときに、それをかき壊さずに一定のかゆみを抑えるものは確かにあったほうが受診もしやすくなるでしょうし、予後もいいと思いますので、そういう目的でのOTCの価値というのは、ここに書いてございますようにあるのだろうなと。例えば、私でも皮膚がかゆいときに知らない間にかいていて、かき傷になってみたいなこともあるので、皮膚のかゆみを抑えることのメリットはありますし、抗アレルギー剤でこういう効果を認めていただいたほうが使いやすいのではないかと思います。
あとは、12ページに、今回パブリックコメントで追加されたセチリジンとの比較の問題ですが、まさしくセチリジンとレボセチリジンはラセミかどうかという問題でございますし、今回のレボセチリジンが活性本体、R体ということでございますので、ここの意見は科学的にはおっしゃるとおりなのではないかと思いますので、そのとおりかと思います。
もう一つ、チャイルドレジスタンスの話が追加されてございますが、本剤は医療用医薬品ではボトルで提供されていて、多分、調剤のときにはボトルは小分けしてやっていると思うのですが、その際にチャイルドレジスタンスみたいなことをやっているのかどうか。多分、調剤ではチャイルドレジスタンスの個別の包装をするのは難しいと思うのですが、その場合に、実際にコメントで誤飲が多くて非常に問題が多くて、こういう容器にしなければいけないということが現場で出ているのかどうか。その辺は御意見をいただけるとありがたいと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。パブリックコメントからこの会議でさらに追加というところで、チャイルドレジスタンスについてよく理解できなかったのですが、実質的には難しいということですか。
○磯部委員
私もいろいろ経験がありますが、かなりがっちりした構造にするので、普通の大人でも結構開けにくいんです。基本的にダブルアクションをかけていくということなのですが、かなり固くなるので、前からチャイルドレジスタンスの構造については、例えば子ども用でやっているのだけれども、ちょっと手が弱くなっているお年寄りにはかえって開けにくいとか、逆になかなか使いづらくなるというデメリットもいろいろ御指摘があって、チャイルドレジスタンスを入れればいいのだという簡単なものではないと理解しています。
また、これはやることによってコストが上がるということもありますので、必要があるものは当然やってもいいのですが、かえって使いやすさをかなり損ねて、そういう意味でリスクベネフィットのバランス上、悪くなるのではないかということを私は危惧しておりますので、そういう意味では、そこまで求めなくてもこの場合はいいのではないかと思ってございますが、今、医療用で使われている経験もあるので、そういった情報がいただければ、より議論がしやすいのではないかと思ってコメントさせていただきました。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにございますか。宗林委員からどうぞ。
○宗林委員
岐阜医療科学大学の宗林です。2点ございます。今のチャイルドレジスタンスのお話でございますが、一般的に子どもの薬の誤飲が大変多くあることは事実です。症状が出るものは、眠剤やおばあちゃんの飲んでいるものが畳に落ちていたりというものも多いのですが、チャイルドレジスタンスの入れ物については、最終的には選択し得るというか必要な人にはそういうものができるような体制を整えていただけるといいなと国民としては思います。
もう一点、簡単な質問なのですが、用量は処方箋薬で出る場合とスイッチOTC化してOTCで出る場合の、最初どこから出ていたか分かりませんけれども、用量などは同じもので出るということでしょうか。例えば、OTCの場合ですと1週間ぐらい、先ほどお話がありましたけれども、皮膚がかゆいときにかきむしる前につけるとなると短期間の使用に限ることが多いと思いますし、OTCはもともとそういう用途だと思うのですが、これが処方箋薬と同じ用量なのか、あるいはもう少し少なめで出すことが前提になっているのか、もし分かれば教えてください。以上でございます。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
今の段階では、まだ申請が来ているというわけではないので、むしろ逆にそうするべきなのかどうかという御議論をいただくということかと思います。今回も、一般論としてOTCですから量や期間というのは当然制限的になると思いますので、そういう前提で御議論いただければと思います。
○宗林委員
失礼いたしました。そうですよね、個人の方からも要望が出ているのですものね。そういう意味では今の皆さんの御発言、OTCの本来持っている役目から考えると、処方箋薬と比較して短期間で使い終えるものがいいのではないかと思っております。以上でございます。
○笠貫座長
前回の検討会議でも10mgの用量は含めないと書いてあるのですが、用量として重要なものについては重み付けとして書いていただくと強調されますが、並べて書くと、どちらに重み付けがあるのか分からなくなってしまいます。そういう意味では、より分かりやすくなるということだと思います。岩月委員どうぞ。
○岩月委員
2点。今のチャイルドレジスタンスの件ですが、実際にどのような事故が起きているか。スイッチOTCの場合特にそうですけれども、使用者本人が使うことを前提にしていますが、7歳の子どもが、味がおいしいからといって毎回飲んでしまうようなことが起こり得るのかどうか。そうではなくて、大人用のものを勝手に使って事故が起きるのではないかということを考えたときには、製造側からすると経費がかかるというのはよく分かるのですけれども、高野委員もいらっしゃいますし、実際問題としてそういったことに配慮することは議論した結果と思いますので、そのことを審議会にも上げていただきたいなと思います。
もう一点が、後から出てくる品目もそうですけれども、世界中どこに行っても診断というのは医師の業務です。一方、医師が使う「皮膚炎」という言葉と、一般のいわゆる需要者、生活者が日常的な会話で使う「皮膚炎」は違うはずです。それが文字になってしまうと、その違いが分からず、生活者が判断できるのかといった議論が生じるのですけれども、そこはきちんと切り分けた上で、誤解のないように分かりやすい言葉で説明することがOTC医薬品についてはかなり重要だと思います。同じ皮膚炎でも医師が使うときと異なり、需要者が使うときあるいは我々薬剤師が販売するときに皮膚炎かどうかという診断は当然つかないわけですから、そういったことが分かりやすいような効能・効果、表示も含めて努力していただけると、よりよいOTC医薬品が提供できるのではないかと考えます。
○笠貫座長
11ページで、皮膚炎という言葉は使わないと書いてあります。こういう書き方で、それが非常に大事なら重要性のところで重み付けを書いていただければと思います。書類として出ているものは、できるだけ読んでおいていただけたらと思います。佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員
まず、パブリックコメントで得た意見について、網かけにして出していただいているのは大変いい変更だと思います。パブコメの意見をきちんと反映させていくという意思表示の意味でも、よい変化だと思います。これは事務局にお礼を申し上げます。
この薬については前回議論したときに、小児科学会からも7歳未満について使えるような形で工夫してほしいという意見が出ておりましたし、それに対してパブコメでも何らかの工夫をという意見が出ており、そういうニーズがあることを改めて感じたところです。チャイルドレジスタンスを反映させるかどうかは、また考えていただければと思いますけれども、何らかの形で安全面での工夫をして、7歳未満についても認めていくという方向がよいのではないかと思いました。以上です。ありがとうございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。先ほどの7歳未満でもいいのではないかということは前回の会議でも出ています。パブリックコメントでも同じ意見が出たということを加えるかどうかですね。どうぞ。
○高野委員
お時間いただき、ありがとうございます。中毒センターの高野です。先ほど製剤のいわゆる誤飲事故の発生状況に関して、何かしらの根拠があるのか、バックグラウンドがあるのかというお話がありましたが、中毒センターへの問い合わせを見ますと、この製剤の誤飲事故の問い合わせは非常に多くございます。その一因として、1回量が少ないので、冷蔵庫に保管したものを飲んでしまうと一口飲んだだけでも、3倍量程度であれば国際的にもあまり大きく症状は出ないとされているのですけれども、それ以上に飲んでしまうという状況が結構頻発しています。ですので、1回量の量り方や冷蔵庫の中に入っている製剤を飲んでしまうという状況が起こった場合に、何かしらの安全策があったほうが、我々としては安全かと考えております。以上です。ありがとうございました。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、こういった形でまとめさせていただきたいと思います。宮園先生、どうぞ。
○宮園委員
ありがとうございます。チャイルドレジスタンスについてですが、平成27年に消費者安全調査委員会から、子どもの誤飲事故が多いので標準化してほしいという報告書が出ております。こういった消費者の安全を守るという行政機関からも御要望が出ていますので、よろしかったら御検討いただければと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、五十嵐委員お願いします。
○五十嵐委員
皮膚科の立場から一言述べさせていただきますけれども、この薬は安全性は経験的に見ても高いです。OTCとして、例えば蕁麻疹にも使っていい薬ですよと、先ほどの皮膚炎の言葉の定義の問題もございましたけれども、まず、かゆみに対して当座しのいで数日から1週間程度使って、そこでよくならなければ皮膚科を当然受診するべきであって、湿疹に対してどの程度効くかは結構疑問なところがあるのですけれども、安全性の面からいえば、大きな問題は無いと考えます。第2世代の抗ヒスタミン薬がOTC薬として皮膚疾患に認められていないようなねじれの現象もあるのですが、皮膚科の私としては蕁麻疹等には認めてしかるべきかなと考えております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。年齢、用量、皮膚炎、適応等と、大体論点としては出されたと思いますので、ただいまの御意見を踏まえて事務局で検討会結果案を作成して、それを構成員の先生方に御確認するという形で進めてもよろしいでしょうか。どうぞ。
○湯浅委員
パブリックコメントの意見に対し、誤解されていると思いますので、意見を述べさせていただきます。レボセチリジン塩酸塩服用に際し、肝腎障害をお持ちのかたは慎重投与になっていますので、特にスイッチOTC化するにあたり、客観的指標を考慮するべきと思います。腎障害の指標としては、コッククロフトの簡易式が頻用されますが、計算式のなかにクレアチニンの数値が必要になります。薬剤師が活用することは難しいというのは、薬剤師の先生方ができないということではなく、現状では、薬剤師がクレアチニンのデータを入手することは困難ではないかという意味で発言したものです。
○笠貫座長
それでは、事務局にその点については検討をお願いします。何でしょうか。
○宗林委員
すみません、私は消費者庁にちょうどおりまして、薬の誤飲の事故を取りまとめたので追加するのですけれども、必ずしもチャイルドレジスタンスという容器だけではなくても、もう一つ、こまもり袋というのがあるのですけれども、子どもに対してはいろいろな眠剤や安定剤も含めて、もう一つ安全策をということで最終的にまとめておりますので、チャイルドレジスタンスという言葉だけで切り出して明示することだけではないと思いますので、それだけ付け加えさせていただきます。
○笠貫座長
パブコメで問題になりましたチャイルドレジスタンスに関しては、誤飲の話も出ましたので書き方を工夫して、最後のまとめで整理させていただけたらと思います。ありがとうございました。
続きまして、次の候補成分、フルチカゾンフランカルボン酸エステルにつきまして、事務局から説明をお願いします。
○事務局
21ページ、資料3-1を御覧ください。フルチカゾンフランカルボン酸エステルでございます。スイッチOTC化された場合の要望されている効能・効果は、資料に記載のとおりでございます。フルチカゾンフランカルボン酸エステルにつきましては、前回1月の検討会議での結果を踏まえまして、目の効能や適応年齢についての観点で、こちらのディスカッションペーパーに取りまとめさせていただいております。
なお、パブリックコメントの御意見で、資料3-1で追加している御意見はございません。
パブリックコメントで提出された御意見につきましては、23ページからの資料3-2にまとめてございます。御意見は4件御提出されておりまして、1つ目の主な御意見といたしましては、スイッチOTC化することに賛成するということ。また、季節性の自覚症状で花粉症については国民は判断可能と思われるというところで、適切な情報提供を行いながら販売することで問題なく、本剤だけ特段の厳しい前提条件を課す必要性や使用時のリスクがあるとは思わないという御意見が提出されてございます。また、小児の適用に関しましても、同種同効薬の先発品で適用がないことから、承認の順番についての御意見が出ておりますが、個別に判断されるべきであり、考慮する必要はないというコメントもいただいております。
2つ目に関しましては、セルフメディケーションの選択肢を増やす意味で評価に値するという御意見が出ておりますが、漫然とした長期使用を防ぐため、利便性を損なわない程度の使用日数制限を設ける必要があるという御意見でございました。
3つ目につきましても、目の効能に関しての御意見が出ておりますが、類薬の前例に引っ張られることなく個別品目として評価されるべきではないかという御意見を頂戴しております。
最後4つ目でございますけれども、花粉症につきましては毎年同じ時期に同じ症状が出ているので、国民は自分で判断できるのではないかというところ。また、15歳以上に制限することに対しての御意見を頂戴しております。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、スイッチOTC化の課題点とその対応策について、パブリックコメントでどう取り上げるかについて個別の御意見がありましたら、お願いします。事務局から特に網かけの部分がありませんが、いかがでしょうか。多様な意見が出されてくるのがパブリックコメントのよさですので、その中から評価会議として取り上げる対応策がありましたら、議論いただきたいと思います。よろしいでしょうか。堀委員どうぞ。
○堀委員
こちらの処方箋の添付文書を拝見しましたら、用法及び用量のところに「本剤の十分な臨床効果を得るためには継続的に使用すること」と書かれています。その場合、継続的というのが、処方薬であればお医者様から、例えば2週間後に来て様子を見せてくださいということができると思うのですけれども、OTCの場合に関しては、継続的というものがあまりにも長期投与ですと小児の成長に関しても影響があると思うので、その辺が不明確かなと思ったので、もし、検討していただけるのであれば、その点を消費者が分かりやすいように記入していただけるとありがたいです。あとは1つの箱にどれだけ入れるのか、用量も考えてOTCになれば服用は短期的ということであるならば、その部分も考慮していただけると非常にありがたいと思います。あくまでも小児に対して使用することを考えた場合、母親・保護者はその点はすごく気にするところだと思いますので、ぜひお願いいたします。私からは以上です。
○笠貫座長
薬剤の特性について、本剤は炎症を鎮める薬で即効性がある薬ではなく、使用したら鼻の症状が止まるという薬ではないので、それを理解して使用してもらうということですね。それをOTC化する場合にどうするかという話とまた議論が違うかなと思います。どうぞ。
○磯部委員
今の御意見はもっともだったのですけれども、15歳未満の適応の話は21ページで「15歳以上を対象とすることが適切である」という記載と、22ページに「15歳未満は使ってはならないとはしないほうがいい」という両方の記載がございまして、最後「スイッチOTC化のメリット等」で15歳未満で適応がないということはニーズが満たされていないので、アクセスを改善することが重要であると書いてあるので、つまり両側の意見が書いてあるものですから、一応読み方としては、15歳未満のアクセスを確保するというか、使えるようにする方向が、この検討会の議論という理解でよろしいでしょうか。
○笠貫座長
重み付けの話を示さないと、読むほうがどう捉えるかが分からないところになるし、部会でどう取り上げるか、また可否を決めるか分からないことがありますので、両論の意見があったときに重み付けをし、よりどちらが大事と皆さんがお考えになるかを部会にお示しすることが部会の判断に重要となるだろうと思います。だんだん評価会議の位置づけを明確にしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局で今日の出ました御意見も参考に、結果案を作成していただき、そちらを先生方に御確認するという形で進めさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございました。
続きまして、次の候補成分であるピランテルパモ酸塩について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局
27ページの資料4-1を御覧ください。ピランテルパモ酸塩につきましては、スイッチOTCとした場合の要望されている効能・効果としましては、蟯虫の駆除とされております。前回1月の検討会議を踏まえまして、服用回数についてまとめさせていただいております。添付文書上は1回となっているところ、実際の臨床の現場では2回、3回というところがありますので、それに関してのコメントを取りまとめさせていただいております。また、家族の服用をどうするのかという点と、それに関連しまして対象者の確認をどうするのか、検査結果の確認が必要ではないかといった点についてまとめさせていただいております。
なお、パブリックコメントの御意見に追加させていただいておりますのは網かけの部分になりますが、まず、投与可能な範囲に係る課題として、27ページの下から記載させていただいております。要指導医薬品では、蟯虫症と判断されていない方に販売することができない。同居家族への販売も認めるのであれば、要指導医薬品の枠組みではなく、一般用医薬品とする必要があるというものです。また、予防投与可能な範囲を明確にしておかないと、薬剤師がその範囲をどこまで認めていいのか判断することができないのではないかという課題としての御意見を頂戴しております。その課題点に対する御意見といたしましては、医療用製剤に予防目的の効能・効果が認められていないのに、OTCで予防投与を認めることはできないという御意見を頂戴してございます。また、1回投与、2回投与の課題でございますけれども、医療現場では2回投与が行われているとされるが、添付文書上読めないので追加データの提出が必要とならないかという御意見を追加してございます。パブリックコメントから追加させていただいている御意見は以上でございます。
また、パブリックコメントで頂いた御意見は、資料4-2にまとめさせていただいております。全部で3件の御意見を頂戴しておりまして、1件目につきましては、スイッチOTC化することに賛成するということで、販売時には薬剤師による情報提供やセルフチェックシート等を活用することで、適正販売と適正使用を図ることが十分可能と考える、また家族内感染に関しましては、再感染のリスクを低減するために同居家族などの生活空間を共有する全員の検査・治療を一斉に行うとともに、掃除の徹底と手指や爪、下着やシーツなどを清潔に保つよう指導することが必要であるという御意見を頂戴してございます。
2番目の御意見といたしましては、31ページでございますけれども、OTC化に際し、検査・診断とのセットでの周知が必要であると考えるという御意見を頂戴しております。
3点目につきましては、資料3-1にコメントを反映させていただいておりますが、それ以外の御意見といたしましては、蟯虫症は症状ではなく検査により診断されるので、医師による適切な診断と治療が必要ではないかと考えますという御意見を頂戴しております。本成分に関しての説明は以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に個別の御意見等がございましたら、お願いします。
○磯部委員
私があまりしゃべるのもいけないと思っているのですけれども、パブリックコメントにあった要指導医薬品ではなく一般用医薬品というのは、御意見としてよく分かるのですが、こういう道はでき得るのですか。わざわざ入れていただいたので、一応こういう議論の論点があるのだということで事務局から挙げていただいているのですが、スイッチOTCで要指導医薬品にせずにダイレクトに1類か2類かあれですが、そういうことは一応あり得るから書いていただいたという理解なのでしょうか。少し御説明していただければと思います。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
できる、できないではなく、単に課題だということです。現実的には難しいのではと思います。
○笠貫座長
現実的に難しいことをパブリックコメントから取り上げることについてはどうするかというのも一つの課題ですね。
家族の服用の話や回数、予防の目的についての話もこの中に取り入れ、パブコメの中で多様な意見として入れさせていただいていると思いますが、いかがでしょうか。ございませんか。どうぞ。
○湯浅委員
この薬は添付文書上、1回服薬となっています。しかし、実臨床のなかでは、2~3回の服薬が推奨されています。OTC化された場合、服薬回数をどのように考えるのか。また、蟯虫症と診断されていない家族への予防投与は、要指導医薬品での販売は認められておりません。これらはスイッチOTC化する上で、課題になるわけですが、当検討会議で、これら課題に対する対応については、あまり踏み込まないほうが良いのではないでしょうか。検討会議で議論する範疇を超えているように思います。
○笠貫座長
予防投与という課題と、対応策が両方書いてある場合、この会議としてどう重み付けをするかについては、できるだけ皆さんの御意見をこの次からはいただきたいなと思います。
それでは、特段ございませんでしたら、本日頂いた御意見を踏まえて事務局で検討会議の結果案を作成していただき、そちらを先生方に御確認するという形で進めさせていただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、次に移らせていただきます。続きまして、ラメルテオンにつきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局
33ページの資料5-1を御覧ください。ラメルテオンでございます。スイッチOTCとした場合の予防の効能・効果は、資料に記載のとおりでございます。ラメルテオンにつきまして、前回1月の検討会議での先生方から頂いた御意見等を踏まえまして、資料をまとめさせていただいております。観点といたしましては、不眠の背景は様々な疾患が起こるため、正確な診断が必要であるという点。また、併用禁忌や過剰服用、乱用等に関しての御意見についてまとめさせていただいております。
なお、パブリックコメントの御意見で追加しておりますのは網かけの部分でございます。併用禁忌であるフルボキサミンマレイン酸塩は、うつ病・うつ状態等の治療薬であり、その疾患を持つ方は一時的な不眠の対象外である、その他の相互作用のある薬剤を服用している方と同様に、薬剤師が販売時にチェックリストを用いて確認することで適正使用が確保できると考えるというものを追加させていただいてございます。
このほか資料5-2におきまして、パブリックコメントで頂きました御意見をまとめさせていただいております。ラメルテオンへは6件の御意見がございました。基本的に全てOTC化に賛成といった観点からの御意見でございまして、まず、1点目に関しましては、36ページ、一時的な不眠に対するセルフメディケーションの意義は大きいと考えるという趣旨の御意見でございました。
次のページにまいりまして2つ目の御意見に関しましては、安全で自然な睡眠が得られる薬を薬局で買えるとうれしいので、スイッチOTC化してほしいという御意見でございました。
3つ目に関しましても、スイッチOTC化することに賛成するというところでございまして、薬剤特性に関しまして、投与2日間で客観的な改善効果が見られ、睡眠一覚醒リズムに働きかけ、鎮静作用や抗不安作用によらない自然な睡眠をもたらす、このようにOTCとして承認されている睡眠改善剤と異なった特徴を有することは、一時的な不眠で悩む生活者にとって、自身の状態に合わせた薬剤を選択できる点でOTC化の意義は大きいと考えるといった御意見を頂戴してございます。また、38ページにまいりまして、対象疾患と適正使用に関しての御意見でございます。医療用医薬品を扱う薬剤師がチェックリストを持って対応することで、適切な指導・判断ができ、不眠症や精神疾患罹患のおそれがある生活者に対しても受診勧奨ができることから、適正使用の面で問題とならないといった御意見を頂いております。また、次のページにまいりまして、本剤は依存性等の作用は認められない安全性の高い薬剤であり、その薬剤特性から乱用や悪用に供する薬剤ではないと考えられるというところ。また、本剤をOTC医薬品として適正使用を図ることで、不適切な健康食品の使用も防ぐことができると考えるという御意見を頂いております。また、本剤が医療用医薬品として発売されて以降、薬物耐性・薬物乱用及び薬物依存の副作用について、PMDAの「副作用が疑われる症例報告」並びに「副作用救済給付に係る副作用報告」への報告は認められていない、したがってOTC化に当たり乱用・悪用の懸念が小さいと考えられるという御意見を頂戴しております。
4つ目の御意見につきましてもスイッチOTC化に賛成ということで、ラメルテオンは依存性が極めて少なく、せん妄が起こりにくいという特徴があり、安全性の面からOTCに適しているというものでございました。
5番目もスイッチOTC化に賛成という御意見。
6番目につきましても、臨床的に相互作用に特に注意が必要な薬ではないといった、これまでの御意見に重複するような御意見を頂戴しております。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明で御意見・御質問がございましたら、お願いいたします。
○宮川委員
日本医師会の宮川でございます。よろしいでしょうか。今のパブリックコメント、いろいろ拝聴したんですけれども、根拠が間違っていることがあります。睡眠を研究していた人間からすると、このラメルテオンというのは睡眠リズムの改善薬なんです。飲んだから眠れるという薬ではなくて、これもある程度長期にわたって使うことによって睡眠のリズムを改善させるという薬です。入眠障害に使うような薬ではないので、書いている根拠がよく分からないというか、理由が全て脆弱というか間違えている記載が多く認められます。2日飲んだら寝られたとかそんなことはないんです。これは2週間かけてリズムを改善する薬なんです。まして、ラメルテオンという薬は生体の用量からすると非常に多いんです。つまり、これは薬としてこのメーカーが承認するために、いわゆる結果が十分出るために用量を増やした薬です。ですから、本来からすると8倍近く多いと考えるのが当然なので、そういう意味では、今、御説明があったような論拠は非常に間違ったところがあるので、そのことだけは少し知っていただければと思って発言させていただきました。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。宮川委員の御意見のように、医学的に間違っているというパブリックコメントについては、御説明があった薬剤の特性を国民に分かりやすく書いておくことを含めて、パブリックコメント後の議論から最後のまとめをする時に、ある程度の基準を作っていくことが必要かと思います。パブリックコメントを出していただいた方に正しい知識として会議結果に書いていただいたほうが分かりよいかもしれないと感じました。
○湯浅委員
私の発言内容と一部違う記載がございましたので、訂正していただきたいと思います。「スイッチOTC化する上での課題点等」の2つ目の〇のところです。中段の「実臨床では短期間で効果が見られる薬ではなく、ある程度使用経験を有さないと、この薬を適切に使用することは非常に難しい。患者サイドからみると、セルフメディケーションの推進に資する薬とは到底思えない」という文章については、私が発言したものですが、その前段の「本剤は臨床試験において、投与後2日間で有用性が認められており、客観的な睡眠潜時にはプラセボに対して有意に改善するとされているが」については、このような発言をした覚えはございません。訂正をお願いいたします。
○笠貫座長
では、ここを確認し、先ほどの宮川委員の2週間ということを書いていただいて、そうすれば今のパブコメでの網かけを入れなくてもいいのですか。
○宮川委員
2日を2週間と書き間違えたかもしれない。
○笠貫座長
平野委員、お願いします。
○平野委員
先ほどのパブコメに関しましては、今の視点とは全然違うのですが、ニーズに関しては実によく利用者の立場を表しているなと思います。現実、現場では睡眠に関する悩みを訴える方は増えています。ところが一方で、いわゆるOTC薬としての睡眠改善薬の売り上げは下がっています。どこに行っているかというと、睡眠をうたったサプリメントに非常に多くの方が行っているのですが、そこで効果が出ているとはあまり思えないわけです。その点からいうと、明らかに睡眠時に関して適切に作用してくれる薬剤がスイッチOTCとして認められることのニーズは非常に大きいと思われます。先ほどの御発言にリズムということがあったのですが、実際そういう方は長期にわたって睡眠に悩んでおられますので、私がそこの意味を正しく理解しているかどうか分からないですが、リズム、むしろ長期飲み続けて安全であるならば、それによって根本的に解決できるということは、むしろ生活者の利益になるのではないかと思われます。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。個別の製品品目というよりも、国民の睡眠障害に対するニーズが非常に高く、それに対して国民に教育啓発をしていくことも課題であり、そういうことを指摘して国民にメッセージを伝えることも、この会議の一つの役割になるかと思います。では、宗林委員どうぞ。
○宗林委員
私もこれを読んでいて、何が一体真実の姿なのかなと思いながら見ていたのですが、というのは、効能・効果は一時的な不眠の次の症状の緩和、寝付きが悪い、眠りが浅いということで、例えば、遅くまで起きてしまったけれども、あしたは早く起きなければいけないといったときに、一時的に今出ているような市販薬と同じような効能・効果で書かれているんですね。なので、これを見た上で、2日後ぐらいで有用性が認められるという言葉もあったので、本当のテンポラリーにある程度効くようなお薬としてOTCで使い得るのか、あるいは今までの処方箋薬でこの薬を使っていらした方がずっと継続的に使っていたかもしれないですが、そこは飲んだことがないのですけれども、その人たちとは異なるユーザーが違う使い方でも有用性があるということであれば、私は非常にニーズが高いなと思っているのですが、そこが賛成の御意見を読んでいくと、やはりそういうものなのかなと思ったりもしますが、今の先生方のお話だと、いや、そうではない、そういう薬ではないよという話になって、根本からそういうふうに使える薬であるかどうかを知りたいなと思っております。もし、そういう薬で一時的に効くのであれば、ニーズも高いしOTCで、例えば今日、あしたぐらいで飲もうとか、そういう使い方をしたいなと思っていらっしゃる方、本当の不眠症ではなくてもそういう方はいっぱいいらっしゃると思います。以上です。
○笠貫座長
宮川先生どうぞ。
○宮川委員
これはメラトニンという薬として欧米などでは使っていて、そういう意味ではサプリメントとしてずっと使われていたんです。時差のときに使うとか、アメリカなどでは飛行機で短時間に移動しても東海岸と西海岸では時差が随分違います。そういうのを改善させるために許していたのですが、ほとんど有効ではありません。時差の研究をやって脳波のチェックも全部したのですが、それを改善するまではいかないんです。それをうまく利用できないかということで日本で開発がされて、いわゆるメラトニン受容体としてのラメルテオンが開発されて商品化されたという歴史的経緯があります。そういうことからすると一時的に使う薬では全くないし、睡眠リズム改善薬であることの中身を考えていかないと、OTCとして誤用されるのではないかと思います。薬の性質、成立も考えていかなければいけないのだろうと思います。
○笠貫座長
どうぞ。
○磯部委員
OTC医薬品協会の磯部でございます。今の宮川先生の御説明で大変勉強になりました。ありがとうございます。実はこのラメルテオンは、私は開発に携わったわけではないのですが、これが開発されるときに薬学会でも大分議論がありまして、メラトニンを本当に医薬品化できるのかということで、当時の武田の技術者が生物活性をかなり上げて、臨床試験も非常に管理された形でやって、ぎりぎり有意差を出した。それで非常にマイルドな睡眠改善として結果を出して承認に至っているのですが、これはあくまで当時の承認申請データで、PMDAも評価指標に扱って審査報告書にも書いてあるのですが、このときにはデータ的には60例ずつくらいの用量相関性の試験で、2日の投与でも一応効果があったという結果は当時出ています。それはそれで見なければいけないと思います。ただ、宮川先生がおっしゃっているのは、その後10年以上たっていますので、その中でそういうことが分かってきたということだと思いますが、少なくとも開発の段階でそういうデータも出ているので、これはデータに基づいて議論しなければいけないので、確かにそういったことがデータとして示されているのかどうか、論文もいろいろ出ていると思いますので、そういったものがどうなのか。ただ、承認申請の段階では、一応2日間投与でも効果があったと、先ほどのコメントがありましたが、そういう結果で審査報告書にも書いてあるので、それはそれで見なければいけないのではないかと思います。
もう一つ、私が気にしているのは、先ほど平野さんからもお話がありましたが、実はメラトニンでネット検索すると、個人輸入のサイトが24万件ぐらい出てくるんです。国内で食品で売られているのはまだいいのですが、実は食薬区分の問題もありまして、個人輸入が非常に多い分野です。これは宗林先生のほうがお詳しいと思いますが。個人輸入のものは品質に問題が非常に多くて、いわゆる偽薬が入ってきて健康被害も非常に出て、従来から厚労省でも個人輸入には手を出さないようにとやってきているのですが、なかなか止まらない中で、こういったエビデンスがしっかりした、品質のしっかりしたものが一定程度手に入って活用できるという道は、今の個人輸入を使っておられる方々をよりよくするという意味では、これは土俵に乗せて、先ほど宮川先生からお話もありましたので、データもよく見て、これがこういった効能で言えるのかどうかを見ていただくような形で進めていただければありがたいなと思います。最後に健康食品で書いてあるのは、個人輸入がかなり多いと思うので、個人輸入のことも触れていただければいいかなと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。
○宮川委員
座長、一言だけ。今、磯部委員からあった、2日間で効くというために用量を8倍から16倍に上げたんです。つまり、本当はリズム改善剤なので8分の1とか16分の1で本当は効くんです。本来であれば、ゆっくりと長期間使う薬です。それを短期間で薬事承認のためにしなければいけないので、16倍近く出したんです。ですから、本当の臨床の場面では、夕方にこの薬を16分の1とか8分の1とか飲ませるのが実際の不眠をやっている先生方のやり方なんです。実際に睡眠学会等の先生方は、夕方に8分の1、16分の1を使って、リズムをゆっくりゆっくり変える目的で使用しています。そのことによって副作用なく使えるというのが、この薬の本当の使い方だったんです。だけれども、日本で薬事承認するときにどうしても著しく効かせたいということで、2日でもいいから効かせたいというために用量が多くなったと理解してください。この事実だけは知っておいていただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長
国民にとって不眠は非常にニーズが高いので、ラメルテオンをどう位置づけるかという課題と、そのエビデンスをどうするかという対応策の問題になると思います。これは短期的ではなくて中・長期的な話になると思いますが、そういう意味での課題と対応策を挙げていただき、そのエビデンスが出てきたら、またここに挙げていただくということで、今回は両方書いていただくことに意味があるかと思います。
○磯部委員
1つだけいいですか。別に宮川先生に反論する気は全くないのですが、一応、医療用医薬品で承認されて、再審査期間も終わって8年間済んでいます。いろいろなデータのレビューがされていて、再審査結果の報告書も出ていますが、一応この用法・用量、効能・効果でよしとされているので、それは前提に考えたほうがいいのかなと私は思いました。あとは、10年ほど使われた副作用の報告も見ますと、確かに、通常あるほかのベンゾジアゼピン系の睡眠薬とかいろいろ問題が起こっていますが、それらに比べると非常にそういった問題が少ない薬であるのも事実なので、先ほど言った睡眠、眠れない、それから体調不良を訴えて、最近ではそれがコロナの問題にまでつながっていくのだと思いますが、そういうことの一助として、そこを埋めるものとして、当然データはよく吟味しないといけないと思いますが、こういうものを考える要素はあると思いますし、宮川先生の言うことは百も理解して、その上でデータの議論ですので、データをよく見ていただくことが大事なのではないかと思いました。
○湯浅委員
繰り返しになりますが、一言、言わせていただきます。臨床研究を評価する場合、外的妥当性といいますが、その研究が一般化できるかどうかが重要になってきます。データの結果を鵜呑みにするのではなく、例えば、その薬をどのような人に投与すると効果が高いのかなど研究結果に解釈を加えることが必要になります。
○笠貫座長
議論は同じことの繰り返しになっていると思います。
○岩月委員
時間がかかって申し訳ないのですけれども、意見を言うためにここに来ていますので、ぜひお時間をいただきたいと思います。基本となるデータが間違っているのだという指摘をこの検討会で行うと、薬剤師は何を信用して薬を使えばいいのかということになりかねない。そこはきちんと薬食審(薬事・食品衛生審議会)で、医療用医薬品として承認されているわけです。今ここで議論しなければならないのは、一時的な不眠。先ほど私は適応症の問題で座長から御注意いただきましたけれども、医療用医薬品は不眠症の方でそれを改善するためにどうなっているのかというのが、今一時的にどうするのかということで適応症が変わっているわけです。今の議論は、長期的に使ったデータが間違っているのだから、一時的に使っても効くわけがないと聞こえなくもないわけです。そうすると、申請時の議論が全部なくなってしまうので、そこはぜひ、きちんとデータを見た上でどうするのかを判断しないといけないと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、この内容をどうまとめるかですが、基本的には医療用医薬品としての話と、パブリックコメントからの意見という話は、併用禁忌やデータや適応症も含めた課題を含めて、医学会でも薬剤師会でも検討いただく課題・対応策として、挙げていただき、併記でいいのではないかと思います。
今後は許容できるリスク、ベネフィットはどうかという重み付けについて、各ステークホルダーからの御意見を書いていただきたいと思います。今回はこういう形で、先生方に最終的に確認いただくこといで進めてよろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、続きまして、次の候補成分のトレチノイン トコフェリルにつきまして、事務局からお願いします。
○事務局
43ページの資料6-1を御覧ください。トレチノイン トコフェリルでございます。スイッチOTCとした場合の要望の効能・効果は、床ずれになります。こちらの課題点と対応策についてのこれまでの主な御意見でございますけれども、本成分につきましては、使用のタイミングを専門家でないと判断できないという観点での御意見をまとめさせていただいております。
パブリックコメントの御意見で追加しているものはございません。
なお、資料6-2にパブリックコメントから提出された御意見等についてまとめさせていただいてございます。まず、1点目につきましては、在宅医療に従事する医師や訪問看護師の負担軽減につながるメリットがあるという御意見。
2番目についても、在宅にて介護する者にとっての利便性が高まるという御意見に加えて、滲出液のコントロール・1回使用量・塗布回数等、注意すべき点が多いため、研修を受けた薬剤師による適切な指導が必要となる、また効能に皮膚潰瘍があると、需要者が新鮮熱傷に使用する危険性があるなどリスクが高まるので、褥瘡・床ずれにとどめるべきと考えるといった御意見を頂戴しております。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、スイッチOTC化の課題点と対応策について、個別の御意見がございましたらお願いします。パブリックコメントからは特に取り上げられたものはございませんが。五十嵐先生、お願いします。
○五十嵐委員
皮膚科の立場から意見を追加させていただきます。この薬は決して使いやすい薬ではないです。傷の状態に基剤を合わせる必要がありますが、この薬は肉芽形成促進作用がありますがクリーム基剤であるところが扱いづらいところです。一般には肉芽形成期は滲出液が多いので軟膏基剤を用いるのが基本ですが、この薬はクリーム基剤なので出番が少ない薬です。一般の方が使うのだったら、もっとほかにOTC化できる床ずれの薬はあるのではないかと思うので、なぜこれが要望に出たのか私はよく分かりません。この薬剤は黄色ですが、滲出液と混ざってどろどろになってしまうと、薬剤の黄色なのか、うみの黄色なのかよく分からない状態になってしまって結構扱いづらいです。ほかの薬剤、例えばポビドンヨード、シュガーパスタなどが褥瘡の幅広いステージに使えて一般向けのように思います。
床ずれで一番問題になるのは感染を起こすことです。適切な処置ができないで感染症を起こして傷が悪くなる、お熱も出て、それで病院にいらっしゃるというのが本当に後を絶たないのですが、そういう意味では、ポビドンヨード、シュガーパスタのようなものは殺菌剤が入っていますので感染を抑えるような作用があるから、そちらのほうが適しているように個人的には思います。もちろんこの薬のOTC化に反対というわけではないけれども、もっとほかにいい薬があるなというのが現場の私としての意見でございます。以上です。
○笠貫座長
対応策として、もっとOTC化にふさわしい薬剤があるということを意見として書くかどうかですが、佐藤委員いかがですか。
○佐藤委員
ありがとうございます。今、五十嵐先生がおっしゃられたことは大変納得感というか、なるほどなと思いつつお聞きしました。以前にも、たしか同じような御意見があって、この薬ではなくて、もっとこっちのほうがいいのではないかという話がありました。この会議は一般の方からもニーズを汲む会議になっており、一般の利用者は今使っているものがOTCにあったらいいなと思うものなのです。けれども、御専門の先生には、いや、それはちょっと素人が使うにはどうなんでしょう、もっとこういうものの方が使いやすいんじゃないの、という別案が浮かぶ。そういう薬にどのような道筋をつけてOTC化のニーズをかなえていくかは、きちんとルートをつくってもいいような気がします。素人はニーズを持っているのですけれども、そのかなえ方は自分では発見できないので、ニーズを汲んで道筋をつける方策を考えていただけるとありがたいと思います。以上です。
○笠貫座長
スイッチOTC化の推進の会議ですから、佐藤委員の御意見も踏まえて、今の五十嵐先生の御意見をこの中に反映できるような形で提案していくのは、消費者・国民にとっては大変プラスな情報だと思います。そういうことで御検討いただきたいと思います。特段ほかにございませんか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
よろしいですか。例えば今の案ですと、この薬剤は対象ではないと考えるとなっていますので、例えば、このような条件を満たすものがむしろ褥瘡などには向いているみたいな御意見があったら、そこに加えておくとか、そのようなやり方はあるかと思います。もし建設的な御意見を頂ければ、それを加えることはできると思います。
○磯部委員
1つだけ。こういう褥瘡というか、在宅医療の分野でもOTC化を検討する医薬品というのがあり得るのだというメッセージが大事で、あとはいろいろな方々の御意見も聞いてどういうものがいいのかを、今、材料がないのであれなので、そういうものを検討する余地があるのだということも入れておいていただけると、今後いろいろな人が意見を出しやすいのではないかと思います。
○笠貫座長
その表現の仕方は、先ほどの睡眠障害にも重なるのですが、課題としていろいろ論点を挙げていただくことは大切かと思います。佐藤委員どうぞ。
○佐藤委員
多分、今日ここで出さなければいけないというものでもないと思いますので、ぜひ御専門の先生方から追って、対案を成分名で出していただけると建設的かなという気がします。よろしくお願いします。
○笠貫座長
製品名を出すときには、その後のフォローもできるかどうかを含めて事務局で慎重に検討していただくとして、そういう候補薬があることは書いていただくようにしたいと思います。
それでは、ただいまの御意見を踏まえて検討会議結果の案を作成して、また先生方に御確認するということで進めてよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、ジメトチアジンメシル酸塩につきまして、事務局からお願いいたします。
○事務局
46ページの資料7-1を御覧ください。ジメトチアジンメシル酸塩でございます。スイッチOTCとした場合の要望されている効能・効果は、こちらに記載のとおりでございます。課題点とその対応について、これまでの主な御意見としてまとめさせていただいているのは、片頭痛の再発の症状を判断できるかどうかについて、また服用期間をどうするのかについて、適正使用を担保するための添付文書、チェックシートの活用、薬剤師による指導についてどうするのかといった観点で見解等をまとめさせていただいているところでございます。なお、パブリックコメントの御意見で追加しているものはございません。
続きまして資料7-2で、パブリックコメントで寄せられた御意見をまとめさせていただいております。パブリックコメントでは4件の御意見を頂戴しております。全てOTC化に賛成という御意見でございました。1番目と2番目については、賛成という御意見の記載がございました。
3番目につきましては、今までのスイッチOTCと違い、予防及び緩和のために服用する点が正しく認知されなくてはならない、薬剤師が既往歴や具体的な症状等を確認した上での適切な指導が必要となるといった御意見でございました。
4番目も、基本的にはスイッチOTC化に賛成するという御意見でございますけれども、日本OTC医薬品協会が実施したアンケート調査によれば、一般の生活者は片頭痛の薬剤がOTC医薬品として販売されることを強く希望している、幅広い頭痛をカバーしている本成分がOTC化されることの意義は大きいという御意見でございました。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。湯浅委員、お願いします。
○湯浅委員
修正をお願いします。本剤には、有効性を示した臨床研究がほとんどありません。予防薬としてのカルシウム拮抗薬と比較したデータはありますが、かなり以前の古いデータになります。ですから、有効性を示したエビデンスがないということを課題の中に入れてほしいと思います。頭痛の薬は、国民のニーズも高いと思います。それだけに、効果の乏しい薬をOTC薬として販売することは、国民のセルフメディケーションの向上に資するのか疑問に感じております。
もう一つ、「課題点等に対する対応策、考え方、意見等」の項目の3つ目の〇に、予防薬として、効果発現が遅いことに対する対策として、「本剤についても2、3か月程度は使い」とありますが、スイッチOTC薬を効果判定や受診勧奨もせず、2,3か月使用すること自体容認できるものではありません。この部分について、修正をお願いいたします。
○笠貫座長
2~3か月ということは課題として先生が御指摘されたということですね。
○湯浅委員
効果発現まで、2~3か月かかることは、課題として意見書のなかに挙げさせていただいております。ただ、その対策として「2~3か月使用して」というようなことは、申しておりません。また、OTC化された場合の投与期間の上限についての議論は、ほとんどされていないと思います。効果発現まで数か月かかる薬をOTC薬として販売すべきなのか、疑問を感じています。
○笠貫座長
この点について、御意見・御質問ございますか。岩月委員どうぞ。
○岩月委員
たびたび同じことを申し上げますけれども、効能・効果と先ほどから申し上げている医師の診断を、世間一般の人が使う言葉と切り分けないと誤解を招くと思います。そこをどう申請者が言ってきて、本検討会でどこを切り取って評価するのかという観点がなくなってしまうと、今、湯浅委員から、私の聞き方が悪ければ失礼いたしますが、あまり効果がないのだというお話があると、そもそも申請の前提がなくなってしまいます。そこは今までの知見に基づいて申請者も判断しているでしょうから、あるいは世間の要望だとおっしゃっている方々も現に医療用で使っているわけですから、そこをどうやってくみ取るのかというようにしないと、全然効果がないものをスイッチOTC化しても意味ないよねということになってしまうと、ここの検討とは違うのではないかと思います。再評価なりしているわけですから、そのことを踏まえた上で医療用とは違う一般の生活者が使いやすい薬という視点は、ここではきちんと議論すべきだと認識しております。以上です。
○笠貫座長
これは、再評価はされている薬ですね。
○湯浅委員
この協議会は、OTC化の可否を決めるものではなく、あくまで、色々なステークホルダーの方々に議論いただいたうえで、課題を抽出することが大きな目的です。申請者の判断はそれとして、課題と考えられるものは、すべてリストアップすべきと考えております。事務局の方、何かデータがあれば教えていただきたいと思います。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
事実だけ申し上げます。再評価された結果、ここにある片頭痛・緊張型頭痛等々という形で整理されたと。データはもう一度確認します。
○笠貫座長
検討をお願いします。
○湯浅委員
今の意見は課題として載せてください。これは私自身がこの場で、発言したことですから。議事録にも出ています。
○宮川委員
よろしいですか。今の議論は大変大切なことで、私も薬事承認を担当していますけれども、なぜ新しい薬が出てくるのか、そしてなぜ新しい薬を認めていくのかということは、前のよりも優れている、副作用も少ないし有効性もあるよねという形で薬はどんどん育薬されて育っていくわけです。では、それ以前の薬は時代にそぐわないとか、脱落して使われなくなったものもあります。しかしながら、薬としては現存して残された薬もあります。では、そのような薬をOTC化すればいいのかというとそうではなく、本当に優れた薬をOTC化したいわけです。国民により安全で、より良い薬がそこにあるのであればOTC化したいと考えるのは当然です。そこの議論を間違えてはいけないのだと考えます。私たちは、優れた薬でニーズがあるから、そこで議論に挙がってきた薬を皆さんに使っていただきたいと皆さんで議論していくのが正しいのかなと考えます。そこにあるから強引に何とかOTC化して使用というのではなく、古い薬でも有効性があれば、いい薬として育ててOTCとしても育ててあげたいなと考えるのは当然です。多分、これはいつも磯部委員とお話しするので同じなのだろうと思いますけれども、OTCはいい薬として国民に御提供できれば一番いいのかなと思って、皆さんで一生懸命こうやって議論されているのだなと意見させていただきました。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ファクトとしては再評価の結果があるので、それを踏まえてOTC化の有効性はもちろんですが、消費者・国民が許容するリスク、安全性が一番大事だと思います。それを前提としてここでは議論しています。湯浅委員のご指摘は課題として残して、これからも再評価については大事な御指摘だといさせていただきたいと思います。
○渡邊委員
すみません、渡邊ですけれども、いいでしょうか。当薬局でも予防でミグリステンの20を出していますけれども、一日3錠から6錠飲まれるんです。例えば、これは1か月だと84錠から168錠飲むようになります。OTCでなく処方薬だから保険で賄えている部分というのはあるのですが、OTCになったときに薬価と販売を考えると、本来は長く飲むお薬であればあるほどOTC化する必要はないような気がします。予防薬として医師が判断して出すお薬なのではないかと個人的には思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ただいまの話もOTC医薬品がどうあるべきか、セルフメディケーションも社会の背景により国民・消費者のニーズも変わるのだろうと思いますが、そういう御意見もあったことは記しておきたいと思います。ほかにございますか。堀委員どうぞ。
○堀委員
消費者から本当に素朴な質問をさせていただきたいのですけれども、OTCというのは今のお薬のように長期的に飲むお薬というのは認められるのがオーケーなのか、オーケーではないのか、今の議論を聞いていてすごく思いました。OTCというのは、お仕事がなかなか大変でお医者様に行けなかった、本当は処方してもらいたいのだけれども行けなかった。しようがないから夜、近くのドラッグストアで購入できる、それを長期的に飲んでいきたいと思う消費者もいるのではないかと思ったんです。今まで私自身もこの会に入るまでは、OTCというのは短期的で、あくまでもお医者様に行く前の一時のお薬と思っていたのですけれども、今日の議論も長期的に飲まなければいけない、予防のために飲まなければいけないというお薬が、こうやって承認されるかどうかという議論に挙がっていますし、消費者からも欲しいという意見も出ていた場合、そもそも先ほど座長がおっしゃっていましたけれども、OTCが長期的に飲むお薬で、もし消費者がそれを望んでいた場合は認められてもいいのかどうか、本当に素朴な質問をさせていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○笠貫座長
事務局どうぞ。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
それは、まさにこれまでこの検討会議で課題を整理する中で、例えば生活習慣病のお薬はどうなのかということも御議論いただいた状況でございます。OTCは基本的には、もちろん薬剤師等々のアドバイスに基づいて自分で判断した上で飲む形になりますので、適正に使うことができるのであれば、それは認められるものだろうと。実際、長期的に使うお薬がOTCにもありますので、一概に認められないというものではないと思いますが、その際には、自分で生活習慣病的なものでこういう薬を飲まなければいけない、アドバイスを基に適切に飲み、かつ長期的に相談しながら管理できるのかどうかという部分で判断されることだと思いますので、一概に認められないというものでもないと思いますし、これまでもそういうものもありますし、そういうニーズがあるということですから、今後の課題としてそういうものも検討していくべきではないかというのが、この前の取りまとめの中で整理された状況だったと認識しています。
○堀委員
ありがとうございます。そういたしますと、今のお話からですと、例えば、主治医、かかりつけ医からお薬をもらっていて、同じような成分がOTC化された場合に関しては、もちろん主治医のところに定期的に行ければいいのですけれども、今はオンライン診療もできますので、処方薬がなかなか購入できない、お医者様のところに行けない場合に関しては、OTC薬を購入してつなぎと言っては失礼ですけれども、そうやって飲むこともできるという理解でよろしいですか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
ぴったり合う例かどうか分かりませんが、例えば、膣カンジタのお薬などは診断が確定して一旦治りましたと。それが再発した場合、本来最初から自分で膣カンジタかどうか分からないと思いますけれども、一旦確定して、それと同じ症状だというのが分かるのであれば、自分で判断できるという形になりますから、医師の診断を受けた後の再発などで自分である程度症状が判断できる場合にOTC化されているという例はございますので、先生がおっしゃっているのはどの疾患か分かりませんが、そういう例はありますから、そういうものは応用範囲でいろいろ考えられる余地はあるのではないかと思います。
○堀委員
分かりました。ありがとうございました。
○笠貫座長
中間取りまとめに詳しく書いてあります。スイッチOTC化する上で満たすべき基本的要件と、今後スイッチOTC化が考えられる要件については、2016年から議論を進めており、それをまとめたものがこの会議の基本的な考え方になります。
○佐藤委員
大変申し訳ありません。手短に申し上げます。この薬を議論したときに、参考人として招かれた神経学会と脳神経外科学会だったと思いますけれども、お二人の先生からOTC化に賛成という御意見が出ておりまして、お一人の先生からは、むしろOTC化してほしいという意見がありました。臨床的にも経験的にもよく効く薬だとおっしゃられて、私のような素人からすると、どうして同じ薬でこんなに専門家の意見が違うのだろうというのが大変不思議な感じがいたします。けれども、学会からOTC化に賛成の意見があったことは考慮されるべきだ、という気がします。多分、使い方の問題なのだろうと思いますが、この薬については、片頭痛だと診断された人が使うことが担保されることが極めて重要なのだろうと感じました。以上です。ありがとうございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。堀委員、お読みいただき、共通言語と認識していただければと思います。
○堀委員
すみません、ありがとうございます。再確認をさせていただきたかったので申し訳ありません。ありがとうございます。
○笠貫座長
それでは、ただいまの御意見を踏まえまして、会議結果案を作成していただき、各先生方に御確認するということで進めさせていただきたいと思います。どうぞ。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
手短に。今日の議論を踏まえましてまとめさせていただきたいと思いますが、いろいろ御意見がございました。御提案としまして、強制ではございません、任意で結構でございますので、今日の議論を踏まえて、せっかく今日議論した意見、今日はこんな感じだったのではないかという先生方の御発言の趣旨をまとめる意味でも後で事務局にいただければ、今日の議論をまとめる上で効率的にできるかなと思います。あくまでも任意でございますけれども、お出しいただければと思います。
○笠貫座長
次回から書面で出しますので、今回はちょうど境目ということで、パブリックコメントについて議論を深掘りさせていただいて、それを最終的な会議にどう反映できるかについて、ニーズと対応策の課題を含めて対立するところもありながら、そのまとめでは総合判断できるのではないか、その方向性を示すために重み付けをしていくことが、この会議の役割だと強く感じました。引き続きよろしくお願いしたいと思っています。
○宗林委員
すみません、座長。一言だけ。私も書こうと思っていますが、一番分かりにくいところが候補成分の情報のところが、専門家によってこんな効果はないとおっしゃることと、例えば、さっきのメラトニン受容体の話でもそうですけれども、一時的にと出されているものが、そんなのは実はないんだよと、でも承認ではそうなっていると、事実関係でどれをベースにするのかを教えていただきたいと思います。
○笠貫座長
事務局、御意見を書くときにデータが欲しいということがあればお願いします。
○宗林委員
そうしないと、それによって意見を出したいと思います。
○笠貫座長
それでは、資料8、スイッチOTC医薬品の候補となる成分の検討状況について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局
資料8でございます。51ページを御覧ください。報告事項でございます。これまで、スイッチOTC医薬品の候補となる成分につきましては、要望状況等について検討会議において報告していたところでございます。資料の上から2つ目、レボノルゲストレルまでの成分につきましては、昨年6月の第16回検討会議において報告しておりましたが、資料8には令和3年度分に要望等のあった成分についてまとめさせていただいております。今後は、年に1回程度このような形で状況について報告させていただく予定でおります。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。事務局から新たな候補成分について御報告をいただきました。御質問ございませんか。
本日の議題は以上です。この会議の進め方もこれで3回の議論を重ねてきたと思いますが、一歩一歩形のあるものになってきたのではないかと思います。事務局に大変な御負担をかけていることは承知していますが、新しいセルフメディケーションの推進のために引き続きお願いしたいと思います。事務局から最後に、何かございましたらお願いします。
○事務局
本日も長時間にわたりまして御議論いただきまして、ありがとうございました。本日頂戴いただきました御意見、任意でございますけれども、コメントがもしあれば御提出いただければと思います。事務局において取りまとめをさせていただいた後、構成員の皆様方に共有させていただきます。
また、次回の本検討会議の日程等詳細につきましては、決まり次第御連絡いたします。以上でございます。
○笠貫座長
それでは、これで第21回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議を終了させていただきます。長時間にわたり、御協力どうもありがとうございました。
(了)
<照会先>
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03-5253-1111(内線 2737、4225)
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