ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議> 第18回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(2022年1月14日)
2022年1月14日 第18回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議
○日時
令和4年1月14日(金) 14:00~17:00
○場所
オンライン会議
フクラシア東京ステーション(オンライン会議場)
6A会議室(6階)
東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル
○出席者
出席委員
岩月委員、上村委員、宇佐美委員、小縣委員、柿田委員、笠貫委員 |
黒川委員、佐藤委員、宗林委員、高野委員、長島委員、萩原委員 |
平野委員、部坂委員、堀委員、松野委員、宮園委員、矢口委員、湯浅委員 |
出席参考人
大西参考人、岡田参考人、高増参考人、竹島参考人、長谷川参考人 |
平山参考人、三島参考人 |
○議題
1.スイッチOTC医薬品の候補とされた成分の承認時の対応状況について
2.候補成分のスイッチOTC化について
3.その他
○議事
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第18回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催いたします。委員の皆様には、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の出欠状況ですけれども、五十嵐委員、近藤委員からは御欠席との御連絡をいただいております。そのほか、小縣先生、宗林先生がちょっと遅れて来られるかと思っております。したがいまして、現在のところ、17名の委員の先生方に御出席いただいているという状況でございます。
また、本日ですが、「候補成分のスイッチOTC化について」を議論するに当たりまして、関係する学会あるいは医会の参考人の方々にも御出席いただいております。その先生方を御紹介させていただきます。お手元の座席表の裏面に委員名簿があろうかと思いますので、そちらのほうも御参照いただきながら御確認いただければと思います。まずは、資料5(レボセチリジン)あるいは資料6(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)の議論の関係で、日本小児科学会から神奈川県立こども医療センターの高増哲也先生に御出席いただきます。それから、資料7(ピランテルパモ酸塩)の関係で、日本寄生虫学会から鈴鹿医療科学大学の大西健児先生、日本小児科学会からおかだこどもの森クリニックの岡田邦之先生に御参加いただきます。それから、資料8(ラメルテオン)の関係で、日本神経学会から聖マリアンナ医大脳神経内科、新百合ヶ丘総合病院の長谷川泰弘先生、それから、日本精神神経学会から秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座の三島和夫先生に御出席いただきます。それから、資料10(ジメトチアジンメシル酸塩)の関係で、日本神経学会から社会医療法人寿会富永病院脳神経内科の竹島多賀夫先生、それから、日本脳神経外科学会から日本大学松戸歯学部付属病院痛み医科の平山晃康先生に御出席いただいております。皆様方、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
次に、ウェブ会議を開催するのに当たりまして、注意事項を御説明いたします。発言する際には、画面のマイクのボタンを押してミュートを解除した上で、お名前をおっしゃっていただいて、座長に指名された後に御発言いただくようお願いいたします。また、発言されないときには、マイクをミュートに戻しておいていただければと思います。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしましたウェブ会議のマニュアルに記載されている連絡先のほうに御連絡いただければと思います。それでは、笠貫先生、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。
○笠貫座長
本日の座長を務めさせていただきます。まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。
○事務局
事務局でございます。資料につきましては、ペーパーレス化を実施しており、会議場にいらっしゃっている先生方におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。また、ウェブで参加されている先生方におかれましては、事前に送付しております資料のファイルで御確認ください。
会議場のタブレット端末の御説明をさせていただきます。会議場のタブレット端末は、会議資料の議事次第を画面に表示した状態で配付してございます。ほかの資料を画面に表示する際には、画面左上の「マイプライベートファイル」を指で1回、軽くタップした上で御確認くださいますようお願い申し上げます。なお、タブレットの使用方法につきましては、机上にお配りしております「ペーパーレス審議会 タブレット操作説明書」を御確認くださいませ。本日の資料といたしましては、「マイプライベートファイル」に表示されている上から順に、会議資料、参考資料となります。会議資料につきましては、資料を一つづりにしてございまして、冒頭に議事次第、配付資料一覧を載せてございます。その後、ページ番号1から番号を振らせていただいているところでございます。
資料でございますけれども、資料1といたしまして「検討会議の進め方に関する資料」。資料2~4といたしまして、「スイッチOTC医薬品の候補とされた成分の承認時の対応状況について」に関する資料。資料5~10といたしまして「候補成分のスイッチOTC化について」。「その他」の資料として、資料11を1つのpdfファイルとしております。参考資料につきましては、開催要綱、構成員名簿及び日本におけるスイッチOTC成分のリストを1つのpdfファイルとしてございます。タブレットの中には、各個別の会議資料を個別資料のフォルダに保存してございますので、適宜、御活用ください。
本日の資料関係の説明は以上となります。御不明な点がございましたら、事務局までお申しつけくださいませ。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。タブレットの不具合等がありましたら、お知らせください。
個別の候補成分について議論することは、新たな運営体制となってから初めてになりますので、検討会議における検討の進め方等について事務局から説明をお願いします。
○事務局
事務局でございます。お手元の資料の1ページ、資料1「検討会議における検討の進め方について」を御覧ください。こちらの図に関しましては、前回会議に参考資料として提示したものから、記載整備、追記等を少し行ってございます。検討会議における検討の進め方について、簡単に御説明いたします。
まず、図の左上のほう、マル1を御覧ください。消費者、学会、企業等からスイッチOTC化を要望された成分、または評価検討会議で議論されておらず、既承認のOTCと同種同効品に該当しない承認申請された成分を、候補成分として、まず取りまとめます。その後、マル2に参りまして、個別の候補成分について、医療用としての使用実績、副作用の発生状況、海外での使用状況等を取りまとめた成分情報等を作成いたします。作成した成分情報等を基に、右側のマル3でございますけれども、関係医学会・医会に、スイッチOTC化する上での課題点等について、薬剤の特性や対象疾患、適正販売等の観点から御意見を聴取いたします。続きまして、マル4のところに参りますけれども、マル2で作成した成分情報、マル3で事前に聴取した意見等を踏まえまして、マル4の検討会議のマル1でスイッチOTC化における課題点を議論いたします。その次のマル5になりますけれども、成分情報等、関係医学会・医会の意見及び検討会議マル1の議論内容を基にパブリックコメントを実施いたします。パブリックコメントと並行いたしまして、検討会議マル1での議論を踏まえまして、挙げられた課題に対する対応策等について、検討会議の構成員等、関連するステークホルダーから追加の意見等を収集いたします。その後、マル6の検討会議マル2では、寄せられたパブリックコメント、追加の意見等を踏まえ、課題点の整理及びその対応策の取りまとめを行います。この検討会議での議論は2回を原則として想定しておりますけれども、各回での議論が不十分と考えられる場合は、追加で検討会議を開催することになります。検討会議での議論を踏まえまして、最終的に検討会議としての検討結果を取りまとめ、薬事・食品衛生審議会薬事分科会の要指導・一般用医薬品部会で報告することとなります。
本日の議題でございます「候補成分のスイッチOTC化について」は、こちらの図の真ん中のマル4、検討会議マル1に該当いたします。本日は、6つの候補成分について議論を行う予定でございます。今後、検討会議では、検討会議としての方向性を示しつつも、少数意見についても併記していくとの方針となってございますので、会議で挙げられた意見に対しましては、同趣旨の意見でございましても、できる限り意見表明していただきますようお願い申し上げます。なお、2ページ目には、参考といたしまして、医薬品の承認申請の流れと評価検討会議の位置づけについて模式図をお示ししてございますので、必要に応じて御参照くださいませ。簡単ではございますけれども、以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。ただいま事務局から御説明いただきましたが、今回からは、新たな進め方になりますので、御質問がございましたら、お願いします。
座長としてもう一つの考え方として、少数意見を載せることは非常に大事だと認識していますが、課題に対する解決策について、より多くの人たちの意見なのか、意見が2つに分かれるのか、少数意見なのかということも含めて議論を進めていけたらと考えています。次回からそういう形で検討会議マル2を進めたいと思っています。ほかに御質問ございますか。それでは、議題に移りたいと思います。
個別の候補成分の議論に入る前に、「スイッチOTC化医薬品の候補とされた成分の承認時の対応状況について」、事務局のほうから資料2~4の御説明をお願いします。
○事務局
事務局でございます。資料2-1、3ページでございます。本議題では、過去に本検討会議で御検討いただきました成分につきまして、その後、薬機法に基づく承認がなされたものを御報告させていただきます。本日は、3成分について御報告させていただきます。
まず、資料2-1でございますが、「プロピベリン塩酸塩」について、検討会議で挙げられた点及び対応状況を示した表になります。本成分につきましては、平成30年8月1日の第5回検討会議で議題として挙げられたものになります。令和3年5月31日に、バップフォーレディ、ユリレスの2品目が要指導医薬品として承認されております。検討会議で挙げられた点への対応状況に関する資料といたしまして、添付文書を資料2-2、セルフチェックシートを資料2-3、審査報告書を資料2-4、お薬手帳に貼るお薬シールを資料2-5として添付してございますので、適宜御覧いただければと存じます。資料2-1に戻っていただきまして、検討会議で挙げられた点、対応状況についての御説明を簡単にさせていただきます。検討会議では、効能・効果は、対象となる切迫性尿失禁の症状を記載することと指摘され、審査では、その指摘と最新の過活動膀胱診療ガイドラインを踏まえた効能・効果が設定されました。また、検討会議での意見を踏まえまして、対象者は70歳未満の女性とされまして、用量は1日10mgとされました。また、長期間漫然と服用されないよう、購入回数ごとにチェックシートが作成されまして、1週間の服用後に安全性の確認や、2週間の服用後に効果を確認する項目が設定されてございます。また、緑内障等の疾患を有する者が服用しないように、他の抗コリン作用を有する薬剤と併用されないように、添付文書では注意喚起が行われております。また、チェックシートにそれらのチェック項目を設定してございます。加えまして、本剤が服用されていることが医師、薬剤師等に共有されますように、お薬手帳に貼るお薬シールが販売時に提供されることとなりました。以上が資料2-1の御説明でございます。
続きまして、27ページ、資料3-1を御覧くださいませ。資料3-1は、「ナプロキセン」の検討会議で挙げられた点及び対応状況を示した表になります。本成分につきましては、平成30年8月1日の第5回検討会議で議題に挙げられた候補成分になりまして、令和3年8月31日に、モートリンNXが要指導医薬品として承認されました。その後ろに資料3-2、資料3-3、資料3-4がございますが、それぞれ添付文書、セルフチェックシート、審査報告書となってございます。資料3-1の検討会議で挙げられた点、対応状況についてでございますが、検討会議では、効能・効果は既承認の一般用医薬品と同様の効能・効果を設定することとされまして、解熱鎮痛薬の承認基準で定められたものと同一の効能・効果が設定されてございます。その下に参りまして、安易に長期間服用されないよう、包装は30錠、1日3回服用で5日間とされており、症状が改善されない場合は服用を中止し、医師等に相談するよう、添付文書及びチェックシートに注意喚起が記載されてございます。また、副作用の発現リスクが高い対象者につきましては、医師、歯科医師、薬剤師に相談するよう、添付文書及びチェックシートに記載されております。以上が資料3-1に関する説明でございます。
続きまして、資料4-1、47ページを御覧くださいませ。資料4-1は、「イトプリド塩酸塩」の検討会議で挙げられた点及び対応状況を示したものになります。本成分につきましては、平成30年12月5日の第6回検討会議で議題として挙げられた候補成分になります。令和3年12月27日にイラクナが要指導医薬品として承認されております。検討会議で挙げられた点への対応状況に関する資料といたしまして、資料4-2、資料4-3、資料4-4にそれぞれ添付文書、セルフチェックシート、審査報告書をつけさせていただいております。検討会議で挙げられた点、その対応状況について御説明いたします。検討会議では、胃潰瘍等の胃痛と誤解されることから、効能・効果に「胃痛」は含めないとすることとされました。承認された効能・効果には「胃痛」が含まれず、「胃もたれ、胃部・腹部膨満感、食欲不振、胸やけ、はきけ、嘔吐」と設定されました。また、漫然と長期に服用されることがないよう、「2週間位服用しても症状の改善がみられない場合には、医師又は薬剤師に相談する」旨が添付文書及びチェックシートに記載されました。以上が資料4の説明でございます。事務局からは以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、ただいまの資料2、3、4のところで御質問あるいは御意見がありましたら、お願いします。
○堀委員
COMLの堀と申します。私は、プロピベリンのことについて意見を述べさせていただきます。こちらに関しましては、お薬手帳に貼るシールをつくっていただけたということ。これは、消費者にとっては、セルフメディケーションという面からも大変ありがたいことだと思っております。お薬手帳というものの存在は、消費者は知っています。でも、その活用の仕方、またお薬手帳がどういう意味で活用されるのかということを本当に理解している人は、かなり少ないと私は思っております。ですので、今までは、お薬手帳は処方箋の医薬品のシールだけを貼るものだと思っている方がいらっしゃるかと思うのですけれども、お薬手帳自体は、自分自身の服用している薬を、処方薬だけでなく、OTCに関しましてもメモをすることを、今回のシールによって、益々薬剤師の方たちは多分勧められると思います。そして実際にそれをやっている患者や消費者は、自分自身がどういう病気を持っていて、どういう薬を飲んでいるかということを積極的に自分で理解できるようになるのではないかと思いました。ですので、今回、このお薬がお薬手帳に貼るシールを設けていただいたことが、消費者にとって、お薬手帳の活用に対して、もっと自分たちで知ろうと思うようなきっかけになると私は非常に期待しております。私からは以上です。ありがとうございました。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、お願いします。
○佐藤委員
産経新聞、佐藤です。プロピベリンなのですけれども、いいでしょうか。今の御意見に力を得て発言させていただきます。お薬手帳に貼るシールを作っていただきまして、本当にありがとうございました。この件について、何度発言したか分からないけれども、ここで初めてできて、本当にうれしいです。念のため申し上げますと、この薬剤についてはつけてほしい、と言ったわけではなくて、市販薬全てについて、お薬手帳に貼るシールがついているといいと、ずっと発言してきたつもりですので、これ1つで「よかったね」という話じゃなくて、ぜひ市販薬すべてについてお薬手帳に貼るシールをつくって処方薬とともに管理できるよう、よろしくお願い申し上げます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにはございませんか。ここで課題について提示させていただいたものに対して、きちんとした対応がされています。プロピベリンの話が出ましたが、ナプロキセンとイトプリドについても、セルフチェックもきちんとされていると思いますし、共通課題としてのお薬手帳へのシールの話も大事だと思います。いかがでしょうか。柿田先生、お願いいたします。
○柿田委員
画面共有します。平成から令和にかけて、日本眼科学会がお願いしたことがありまして、抗コリン剤の呼び方です。緑内障という呼び方を、今までは狭隅角緑内障とか、単に緑内障という言い方にしていたのですが、狭隅角緑内障の用語は、閉塞隅角緑内障に変更して差し支えないと判断されたという見解が出ております。日本眼科学会から平成31年にそういうお話がありまして、結論としては、緑内障という言い方はしないで、抗コリン作用に影響するものは閉塞隅角緑内障と呼ぶということで、厚労省からも了解を得ていますので、今後、緑内障という呼び方は無くして、抗コリン作用に関しては閉塞隅角緑内障という呼び名に統一していただけるようにお願いしたいと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。これは、事務局のほうで、今後対応していただけたらと思います。ほかにはございませんか。検討会議で出された課題については、対応がきちんとされているという報告をいただきました。今後は、こういったセルフチェックシートについても、一般の消費者が理解できるかどうかも含めて、その効果、有効性について、あるいは改善点について、またここで議論していただけたらと思います。
それでは、ほかの委員の方から御意見がなければ、これで資料2~4については御確認いただいたものといたします。ありがとうございます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。「スイッチOTC化の妥当性について」、資料5について事務局より概要の御説明をお願いします。
○事務局
事務局でございます。資料5-1、63ページを御覧ください。成分名は、レボセチリジン塩酸塩になります。スイッチOTCとした場合の要望の効能・効果は、「鼻炎、皮膚炎」になります。対応する医療用医薬品はザイザル錠5mg、ザイザルシロップ0.05%でございます。効能・効果は、こちらに記載のとおりでございます。続いて、64ページを御覧ください。医療用医薬品の特徴・概要の項でございますが、レボセチリジンは、2010年に承認されまして、再審査結果は2020年に通知されており、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されております。また、本成分は、第2世代の抗ヒスタミン薬で、既にスイッチOTC化されておりますセチリジン塩酸塩、こちらはラセミ体のものになりますけれども、レボセチリジンはエナンチオマーになります。セチリジン塩酸塩と比較しまして、ヒトヒスタミンH1受容体に対する親和性が高くなっております。
続きまして、安全性に関する情報でございます。67ページを御覧ください。真ん中辺りでございますけれども、「禁忌・注意事項」の項目がございますけれども、本剤は、禁忌に本剤の成分又はピペラジン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者、重度の腎障害のある患者が設定されております。その上でございますけれども、重大な副作用は、アナフィラキシー、肝機能障害等が設定されてございます。
このページ、下のほうに少し進んでいただきまして、推定使用患者数といたしましては、鼻が詰まる、鼻水が出るとの症状を有する患者は約621万人と示されてございます。その下の同種同効薬でございますけれども、第2世代の抗ヒスタミン薬は、フェキソフェナジンやロラタジン等、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのような鼻アレルギー症状の緩和を効能・効果として、多くの成分が既にスイッチOTC化されてございます。続きまして、海外の承認状況でございます。68ページを御覧ください。本成分は、米国及びオーストラリアで一般用医薬品として承認されております。医療用医薬品につきましては、70ページでございますけれども、米国、イギリス、フランス、ドイツで承認されております。
また、少しページを進んでいただきまして、83ページを御覧ください。資料5-2といたしまして、関係医学会・医会からの見解をお示ししてございます。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会及び日本臨床耳鼻咽喉科医会からは、合同でレボセチリジン塩酸塩のスイッチOTC化について検討したと伺っておりまして、両会の見解が提出されてございます。スイッチOTC化の妥当性に関連いたしまして、一般の方が自己判断しないよう、効能・効果は具体的な症状を記載することといたしまして、副鼻腔炎は含めないこととされております。また、その下に参りまして、10mgの用量は、OTCとしては過剰なため、1回5mgとすることという御意見をいただいております。また、その下、小児の適応年齢に関しましては、フェキソフェナジンと同様、7歳以上が適当であるといった御意見をいただいてございます。また、留意事項といたしまして、次のページに参りますけれども、小児に販売する場合は、小児及び保護者両方が薬局に行く必要があることを挙げていただいてございます。
続きまして、85ページを御覧ください。日本皮膚科学会からの見解でございます。日本皮膚科学会からは、薬剤特性の観点からは課題点が示されておりませんが、対象疾患に皮膚炎が含まれることにつきましては、蕁麻疹は初期には薬疹との鑑別が困難であり、また、湿疹等の治療の主体はステロイド外用薬を中心とした外用療法であることから、大きな問題がある。皮膚炎を効能・効果に入れることは不可と考えられるとの御意見をいただいております。
続いて、87ページを御覧ください。日本臨床皮膚科医会からも、学会と同様の御意見をいただいてございます。
続きまして、89ページを御覧ください。日本小児科学会からの見解でございます。日本小児科学会からは、2ポツのところでございますけれども、医療用の添付文書の事項を留意するような注意喚起があるとよいのではとの御意見をいただいております。なお、日本皮膚科学会につきましては、検討会議の構成員でございます五十嵐委員が所属されておりますが、本日は御欠席のため、事務局からの説明のみとさせていただきます。事務局からの説明は以上でございます。
○笠貫座長
どうもありがとうございました。それでは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会及び日本臨床耳鼻咽喉科医会の見解につきまして、部坂委員から御意見あるいは補足等がありましたら、お願いします。
○部坂委員
部坂です。よろしくお願いします。先ほど事務方のほうから御説明いただいたものでよろしいのですが、追加といたしましては、耳鼻咽喉科医は鼻内所見等を参考にして総合的に判断しているので、このOTC化については10mgを削除していただきたいという旨の、若干の制限が必要であるということを追加させていただきます。あとは以上のとおりです。よろしくお願いします。
○笠貫座長
ありがとうございました。次に、日本臨床皮膚科医会の見解につきまして、矢口委員から御意見をお願いします。
○矢口委員
矢口でございます。レボセチリジンという薬は、ザイザル錠と言って医療用として使われております。この適応に関しては、皮膚疾患に伴う掻痒、つまりかゆみが適応ということになります。あと、副作用に関しては、先ほどもお話がありましたように、重大な副作用の記載がございますけれども、その頻度は極めて少なく、よくある眠気、倦怠感が0.1~5%未満。頭重感とかふらつき、めまいなどは0.1%未満と、既存のエピナスチンやフェキソフェナジン同様、かなり安全に使用できる薬剤と思っております。
さて、今回、効能・効果に鼻炎・皮膚炎とありますが、湿疹を含む皮膚炎に関しては、多くの場合、薬局薬剤師さん、または患者さん本人による判断は難しいと思われます。皮膚科専門医の診断が必須となります。もとより、皮膚炎の治療にはステロイドなどの外用剤が必須であり、かゆみ、掻痒の程度により適切な抗アレルギー剤の内服を選択することが治療の原則となりますので、皮膚炎に対し、本剤の内服により治るのだという安易な考えを助長することにもつながり、適切な治療に至らないことを心配しております。
以上より、レボセチリジンをOTC化することに問題はないと考えますが、我々皮膚科学会、皮膚科医会では、効能・効果から皮膚炎を削除していただくように要望したいと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。最後に、日本小児科学会の見解につきまして、高増参考人から御意見、補足をお願いします。
○高増参考人
高増です。小児科学会のほうからは、特に制限を加えなければいけないという意見が出ておりませんが、私自身も安全に使える、一般の人が使っていい薬の一つだと考えております。先ほど皮膚科の先生から、アトピー性皮膚炎の治療のメインの治療薬ではないというお話があって、私もその考えには強く同意しますけれども、それに使ってはいけないというところまではなくてもいいのではないかなと思ったのと。もう一つは、蕁麻疹が出たときには気軽に使えるお薬があることが、かなりありがたくなると思うので、アトピー性皮膚炎にこのお薬を使っても、実際にはかゆみは外用薬によらないと解決しないので、余り使う意味がないのではないかと思いますが、蕁麻疹に使うことができれば、多くの方は助かるのではないかと感じました。もう一つは、既に同種の抗ヒスタミン薬がOTCになっているので、他の薬の扱いとの兼ね合いで、これだけが特別に違うというのは余り適切ではないのかなと考えていますので、これまでの抗ヒスタミン薬と同じような扱いになっているのが望ましいのではないかということ。
それから、7歳未満はよくないのではないかという話に関しては、小児科は低年齢の人たちを相手にする仕事ですので、低年齢の人にだけは使えないというのは、できれば7歳未満の人でも必要のある人は使いやすい状態であっていただけたらありがたいのではないかなと感じました。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。この成分のOTC化につきまして、御意見がありましたらお願いします。湯浅委員、お願いします。
○湯浅委員
レボセチリジンのOTC化について三つの意見があります。一つ目としてレボセチリジンは、肝障害・腎障害を有しているかたには慎重投与が必要です。この肝障害・腎障害の有無を患者の自己申告あるいは、薬剤師の判断のみに頼るのか少し疑問を感じるところです。例えば、腎障害であれば客観的指標として、クレアチニン・クリアランスが設けられていますが、このような指標を薬剤師が活用することは難しいと思います。
次に、パイロット等の職業のかたがOTC薬として、この薬を購入することは現実的にはありえないと思いますが、日常的に運転をするようなかたに対しては、眠気の副作用について、特に配慮いただければと思います。
もう一つは、軽症から中等症Iのコロナの薬が登場します。ファイザー社が申請しているパクスロピドは、HIV治療薬であるリトナビルが含まれており、薬剤相互作用が問題になります。レボセチリジンもリトナビルとの相互がありますので、OTC化されたのちもしっかりと注意喚起を促していただきたいと思っております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。黒川委員、お願いします。
○黒川委員
黒川です。よろしくお願いいたします。御指摘のございましたとおり、皮膚疾患の診断は大変デリケートで難しいところがあると理解しております。しかしながら、これもお話が出ておりますが、一般の方々からすると、かゆみは非常に大きい問題であり、ばりばりかいてしまうことによって、化膿を導かせるとか、症状を増悪させるとかを、先生方も日頃経験されるところではないかと思います。本剤の医療用医薬品の適応を見ますと、かゆみを伴う皮膚疾患が効能効果となってございます。そのかゆみを少しでも抑えられると、皮膚疾患の悪化を防ぎ、自然回復を促す可能性があると伺っています。
湿疹・皮膚炎の治療は、ステロイド外用薬が主であることは、御指摘のとおりでございますけれども、抗ヒスタミン薬を使ってはいけないということではないと思います。第一世代の抗ヒスタミン薬には皮膚疾患の効能がございますが、実は第2世代の抗ヒスタミン薬の中でも、初期にスイッチ化された製品には皮膚科領域の効能を持つものはございます。例えばアゼラスチン塩酸塩は、蕁麻疹、湿疹、かぶれによる次の症状の緩和という書き方で、皮膚の腫れ、かゆみの適応の承認をいただいております。しかし、その後の第2世代抗ヒスタミン薬の多くは、皮膚疾患の効能が除外されています。レボセチリジンを含め、第2世代抗ヒスタミン薬が承認申請された場合には、そういったところも勘案いただきまして、適切な表現ぶりで、皮膚科領域もぜひお認めいただけないだろうかと考えております。ありがとうございます。
○笠貫座長
ほかにはございますか。平野委員、お願いします。
○平野委員
黒川委員とかぶさる部分が非常に多いのでございますけれども、薬局・薬店の店頭をお預かりする立場からの発言でございます。この薬剤に限らず、実はほとんどの皮膚疾患において、お客様、利用者が飲み薬から入るということはまずないです。間違いなく塗り薬でございます。ということからすると、これがOTCになったからといって、内服として乱用されるということは、現実問題として、まず心配がないということかと思います。
あと、黒川委員、おっしゃったように、むしろかゆみがあることによってかきむしってしまう。あるいは、お医者様に行くまでの間が待てない。このことをいかに防ぐかということのほうが非常に重要であると思っているところでございます。ですから、腎疾患等の問題がもしあるとするならば、例えば服用日数あるいはパッケージの用量等に制限を加えるということはあるかもしれませんが、特に害がないのであれば、皮膚疾患についても認めていただくことのほうが、実際の患者さんの利便及び悪化させないという意味も含めて有用であると考えるところでございます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにございませんか。宮園委員、お願いします。
○宮園委員
こんにちは。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会という、消費者の組織に入っております宮園です。今のお二方の意見に私も賛成するものですけれども、私自身の子供も蕁麻疹になったりすることもありましたが、蕁麻疹が出て困るときは大体夜なのです。皮膚科医はなかなか近所になかったり、常備薬がなかったり。かといって、蕁麻疹で救急に行くわけにもいかない。そうなると、近くにあるドラッグストアで買えるというのは大変便利な気がいたします。ただ、安全性のほうが心配なところはあるので、そこは病院の先生たちの御意見も大事にしなければいけないと思いますが、子供を持つ母親という立場であれば、これがOTCになっていると非常に便利だろうなと思いました。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。高野委員、お願いします。
○高野委員
こんにちは。この製品、中毒情報センターに問合せが多い薬なのです。本件と議論の観点が違うのですけれども、シロップ剤の誤飲というのが非常に多い薬剤ですので、その辺り、承認の際に何か少し勘案していただくような策をメーカーさんのほうにとっていただくとありがたいなと思いまして、一言お伝えしたいと思って発言いたしました。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにございませんか。宗林委員、お願いします。
○宗林委員
宗林です。医療用医薬品のシロップが確かにあって、今度、年齢制限との関係で、このシロップをどう扱うのかなと最初から気になって見ておりました。このシロップの場合は、今、中毒情報センターからもお話があったように、割と少ない量から小さい子が飲むことになっているので、それをどういうふうに制限をかけるか、かけないかによって、このシロップの扱い方をちょっと慎重に。あるいは、OTCにはなくてもいいのかもしれない。シロップのこの量でOTC化するのは極めて難しいし、過量摂取になる可能性があるので、その辺りを少し気にかけながら、OTC化する場合、あるいは年齢制限をかける場合は考えていただければと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにはございませんか。矢口委員、お願いします。
○矢口委員
日本皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会の見解としまして、問題は皮膚炎という言葉なのです。皮膚炎というのは皮膚の炎症ということで、炎症を治すのは、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤じゃないよという学問的な話をしているということになります。ですから、今までのお話、全て私もよく分かります。分かりますので、これを例えば皮膚のトラブルという言葉を使うかどうかは別ですけれども、皮膚のトラブルに伴うかゆみという効能・効果にしていただいて、今、まさにアトピー性皮膚炎で医療機関を受診中の患者さんで、たまたま内服薬がなくなったときに一時つなぎというのでしょうか、そういうときにお使いになるとか。あとは、先ほどのように、夜間つらいときに使えるようなものに関しては、全く否定するものではございませんので、かゆみに対してということで考えていただければいいのかな。湿疹、皮膚炎という言葉は適当ではないということが言いたいということでございます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、高増参考人、お願いします。
○高増参考人
すみません、それともう一つは、皮膚炎と蕁麻疹とは別に分けて考えないといけないのではないか。確かに、皮膚炎の場合は外用薬がメインですけれども、蕁麻疹は明らかに内服薬がメインになってくるので、先ほど夜間に蕁麻疹が出たときに対応できるといいというのは、まさに病院に行っている場合ではないタイミングで使えるかどうか、治せるかどうかがメインになってくる場所でもあるので、皮膚の症状というふうに一緒にしてしまわないようにしていただいたほうがいいと思います。
○笠貫座長
ありがとうございます。矢口委員、何か加えることはございますか。幾つか御質問したいことがあります。1つは、これまで抗ヒスタミン薬として、OTC化された成分との整合性については御説明いただけますか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
御指摘ありがとうございます。整合性をどこまで見るかというお話、当然慎重かつ適切に見なければいけないだろうと思っておりますけれども、今回のレボセチリジンに近い成分というのは、説明の中にありましたけれども、光学のラセミでありますセチリジンです。それがいろいろなものに入っているのかもしれませんが、1つの例としましては、具体的な名前を出すとあれかもしれませんが、例えばコンタックとかストナに内服薬で入っているものがございます。その内服薬については、今、御議論があるような皮膚関係の適応は、OTCはないという状況になっているのですけれどもね。
一方で、ほかのアレルギー用薬として、先ほど黒川委員からもありましたけれども、いわゆるアゼラスチンが含まれたOTCは内服薬があるのですけれども、そちらのほうには、まさに今、皮膚関係の議論がありました効能としまして、内服薬でありますけれども、例えば蕁麻疹という適応は入っております。さらに、皮膚関係で申し上げれば、OTCですから、皮膚炎という形での効能は当然つけておりませんで、湿疹といったものを原疾患とした、あくまでも症状の緩和ということで、例えば先ほどありました皮膚の腫れとかかゆみという症状を取るのだという形で、OTCとして認めている形になっておりますので、いろいろ御議論をお聞きしておりますと、皮膚炎というのをOTCの効能に与えるのはなかなか難しい。それはそのとおりだと思いますが、まさに腫れとかかゆみという症状を取るのであれば、内服であっても可能性はあると思いますし、蕁麻疹も内服薬の適応としては前例としてはあるという感じでありますので、これまでの議論を踏まえた形での前例はあるのかなと思った次第でございます。以上です。
○笠貫座長
この点につきましては、病名ではなくて、症状から消費者が効能・効果を考えるということで検討は進めていただくと認識しています。そういう意味で、類似成分としての御説明をいただきました。それから、この成分が耳鼻咽喉科と皮膚科という二つの科にわたっていることで、どう対応するかについては、皮膚の症状という訴えの表現をどうするか検討し、またパブリックコメントもありますので、御意見をいただけたらと思っています。それから、この成分の必要性を御指摘いただきましたが、ニーズの高さも大事だと思います。また、年齢をどうするかという御指摘は用量とも関係すると思うのですが、今後どうするかについては、検討が必要かと思います。いずれにしても、ニーズと副作用を含めて、OTC化するに当たっての課題と、その対応策として、薬剤師の説明、セルフチェックシート、お薬手帳の話もありました。ここでは採否の議決を取るということではなく、それぞれの御意見を、パブコメに出させていただいて、その結果を踏まえて、また会議で検討し、それぞれの課題と対応策について、どう重みづけをするかという観点から皆さんの御意見をお聞きして進めることができたらと考えております。
それでは、パブコメを行うに当たり、この検討会議としての方向性をまとめさせていただきます。課題対応策としては、鼻炎との関係、皮膚炎との関係、年齢との関係、用量との関係などについて、パブコメにかけることにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。この進め方については、これから試行錯誤をしながら、重みづけによりどのようにして課題解決をしていくのかを検討していけたらと思っております。
それでは、資料6に移らせていただきます。「フルチカゾンフランカルボン酸エステル」について事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。資料6-1、ページといたしましては91ページを御覧ください。成分名は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルになります。スイッチOTCとした場合の要望されております効能・効果は、こちらに記載のとおりでございます。対応する医療用医薬品はアラミスト点鼻液でございまして、効能・効果はアレルギー性鼻炎となります。下のほうに行っていただきまして、医療用医薬品の特徴・概要でございますけれども、フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、2009年に承認され、その後、小児用法・用量の追加が2014年になされておりまして、それらの再審査結果は2019年までに通知をされております。承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されてございます。また、本成分は、グルココルチコイド受容体アゴニストで、鼻噴霧用ステロイド薬になります。
続きまして、安全性に関する情報でございますが、95ページを御覧ください。真ん中辺りに禁忌・注意事項の項目がございますが、本剤は、禁忌に、有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者が設定されております。また、重大な副作用はアナフィラキシー反応とされてございます。
続いて、96ページを御覧ください。推定使用者数といたしまして、鼻が詰まる、鼻水が出るとする症状を有する患者が約628万人と示されております。その下の同種同効薬に関してでございますが、鼻噴霧用ステロイド薬は、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルが2016年に、フルチカゾンプロピオン酸エステルが2019年にスイッチOTC化されてございます。なお、フルチカゾンプロピオン酸エステルにつきましては、平成29年7月の第2回検討会議で議論した候補成分でございます。続きまして、海外での承認状況でございます。97ページの下のほうを御覧ください。現時点で、本成分は、一般用医薬品としては米国で承認されてございます。医療用につきましては、次のページに参りまして、一番下でございますけれども、英国、フランス、ドイツ、米国、カナダ、オーストラリアで承認がなされてございます。
続きまして、関係医学会・医会からの見解を御紹介させていただきます。105ページの資料6-2を御覧ください。まず、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会及び日本臨床耳鼻咽喉科医会の御見解でございます。両学会からは、スイッチOTC化の妥当性に関連しまして、PMDAの見解でも否定されているように、目のかゆみ、なみだ目、目の充血は削除していただきたい。適応年齢に関しましては、真ん中辺りでございますけれども、小児の場合は長期間使用すると、粘膜の薄層化により鼻中隔に穴が開くことがあることから、安全に使用してもらえる年齢としては15歳以上であればよいということ等を挙げていただいてございます。その下でございますが、1週間使用しても症状の改善が見られない場合には噴霧を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。1年間に3か月を超えて使用しないことといった御意見をいただいてございます。
続きまして、107ページを御覧ください。日本小児科学会からの見解でございます。日本小児科学会からも、先ほどの両学会・医会と同様、目の効能・効果は含めないこととの意見をいただいてございます。適応年齢に関しましては、下のほうでございますが、2歳未満の幼児に対する安全性は確立していないことを明確に記載することとの御意見をいただいてございます。説明は以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、日本臨床耳鼻咽喉科頭頸部外科学会、日本臨床耳鼻咽喉科医会の見解につきまして、部坂委員から御意見、補足をお願いします。
○部坂委員
部坂です。今、御説明いただいたのですけれども、まず最初に、効能・効果です。アレルギー性鼻炎ではなくて、花粉による季節性アレルギーということにしていただきたいと思います。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎は、耳鼻咽喉科医が鼻内所見やレントゲン等で総合的に血液も含めて判断していますので、一般の人が混同すると困りますので、これは花粉による季節性アレルギーのような微症状の緩和に効能・効果として用いていただきたいということと。あとは、症状が改善すれば使用回数を減らしていただいて、フルナーゼがOTC化されていますけれども、同様な対応をしていただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、日本小児科学会の見解につきましては、高増参考人からお願いします。
○高増参考人
小児科医の高増哲也です。小児科学会の見解とほぼ同様で、目の症状に対して外すようにというのは当然のことで、目の症状にこの点鼻薬を使うというのは、一般的にはしないと思います。効能・効果は、ここに書いてあるとおりで、花粉による症状の緩和という形ですので、これでよいかと思います。もう一つは、年齢についてですけれども、今、花粉によるアレルギー性鼻炎の低年齢化が非常に問題になっていて、15歳以上でしか使えないというのだと、低年齢の方が困ってしまうと思いますので、ここの小児科学会の2歳未満では安全性は確立していないということは明記する必要があると思いますけれども、15歳未満は使っては駄目というふうにはしていないほうがいいと思います。あと、従来のフルナーゼのOTCの扱いとの整合性も気をつける必要があるかと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、この成分のOTC化につきまして、御意見をいただければと思います。お願いします。
○堀委員
ありがとうございます。堀から質問させていただきます。このお薬なのですけれども、私は先ほど御説明いただきました日本臨床耳鼻咽喉科医会の見解では、このような症状が出た場合、慢性副鼻腔炎またはアレルギー性鼻炎、花粉による季節性アレルギーの可能性があると伺ったので、まずは医師の判断の下で、その病名がはっきり分かった方に関しては、という文言をいれていただきたいです。特に私が申し上げたいのは、小児に使う場合、15歳未満に使う場合には、そこの部分はぜひ明記していただきたいと思います。といいますのは、親は、子供が鼻づまり、鼻水のときに、その症状がどういう症状なのか。そして、その病名がどういう病名なのかというのは分かりません。そのときに、この点鼻薬を使えば一瞬は治ると思うので、親はすぐに子供に服用させると思います。けれども、先ほど伺いましたが、これは鼻噴霧用のステロイド剤という場合、結局それを長期的に使用していることで小児への皮膚の粘膜への被害ということを考えますと、その使用に関してはかなり厳格に行っていただきたいなと思いました。といいますのは、女の子の小学生・中学生を持つお母様のお話を聞きますと、今、学校で鼻水を垂らしていたりすると非常に嫌われるそうです。SNSとかでたたかれて、学校に行けないというお子様がいらっしゃるとお聞きしています。そういう場合は、こういう点鼻薬は1日1回と明示されているにもかかわらず、子供はそれをされたくないから、隠れて点鼻薬を持っていって、1日に何回もそして長期的に鼻に噴射するということをかなり心配しているお母様の声を聞きました。そういうことを考えますと、この薬を何回も噴射することによる副作用のことがきちんと分かった年代で使うことを私は勧めるべきだと思いました。そして、先ほども申し上げましたように、その病名が何なのかということをはっきり分かった上で、医師の判断の下でそれだったらこれをOTC化した薬を使ってくださいと言われたものであれば、母親は安心して使えると思いました。私からは以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかに御意見ございませんか。お願いします。
○松野委員
ありがとうございます。薬剤師の立場から感じることを発言させていただきます。先ほどからいろいろ発言ありますように、まず、効能の表現は、花粉による季節性アレルギーの次のような症状の緩和というところでは、私も同じ気持ちでおりますけれども、目の部分に関しては、点鼻をすることで目のほうに効果があるということは、今まで医療用のほうでもそういうところで医療の中ではやってこなかったというところがありますので、そこは難しいのではないかなと感じております。
あと、花粉症の低年齢化によるもので、15歳未満の方にも使えたらということは私も思うのですけれども、さきに発売されておりますフルナーゼ点鼻と比べますと、このアラミストは明らかに効果が早くて持続性があるという点では、もし低年齢の方に使うとなれば、フルナーゼと比較した場合に、なぜアラミストが先に認められるのかという点では、ちょっと順番が前後するといいますか、そういうふうに思いますので、そこは慎重に考えるべきかなと感じております。以上です。
○笠貫座長
ほかにはございませんか。長島委員、お願いします。
○長島委員
まず、目の症状に関しては、学会・医会の見解にあるように削除すべきと考えます。
次に、対象となる年齢ですけれども、小児に関しては、医師の管理下で確認しながら使うべきということを考えると、15歳以上であれば安全ということなので、これも15歳以上が適切ではないかと考えます。また、使用期間に関しても、学会・医会のほうにありますように、噴霧を1週間使用して改善が見られない場合には、医師・薬剤師に相談という提言がありますので、1週間という制限を設けるべきかと思います。
最後に、花粉による季節性アレルギーというのが望ましいと思いますが、そもそも、これが花粉によるものなのかどうかというところは、一般の方にはなかなか判断しにくいところもあるので、まずは、一度しっかり医師の診断を受けて、花粉による季節性アレルギーがあるということが分かった上で使うというところが重要かと思います。
それから、本剤と同効の類似薬が過去に複数出ておりますけれども、そこの記載ときちんとある程度整合性が保たれるように調整していただければと思います。私からは以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにはございませんか。どうぞ。
○岩月委員
日本薬剤師会の岩月でございます。そもそも論をここでまた申し上げるのもなぜかという気はいたしますが、小児の患者さんが増えているということを考えますと、どうにかしてアクセスを改善する。そのためには、例えば容器の工夫、あるいは注意喚起の仕方、包装容量など、なるべく懸念が少なくなるようなことを考えていくというのも1つの考えだろうと思います。そもそもOTC化には、アクセスを改善するという目的があると私は考えておりますので、ぜひそういった視点も忘れないでいただきたいと考えます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにはございませんか。それでは、同種同効薬との整合性について、書き方と用量も含めて、説明いただけますか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
同種同効品の御指摘、発言が多々あったと思います。フルナーゼがOTC化されてございます。その場合のOTC化は、この資料でいくと97ページにちょっと書いてあるかと思いますけれども、効能・効果的には花粉による季節性アレルギーの次のような症状で、鼻づまり、鼻みず、鼻汁過多も入りますけれども、くしゃみということになってございます。あと、これは先ほど御発言がありましたけれども、適応は15歳以上の成人という形になっている。他剤ではございますけれども、OTC化されているものではそんな形になっているということでございますので、少なくともこの範囲内でOTCとして十分販売・流通できているということは、大いに参考になるのではないかなと思っております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。黒川委員、どうぞ。
○黒川委員
黒川です。お話では、同種同効品との整合性というところが重要であるという御指摘がございましたが、確かに余り跳躍のあるところは社会に送る際に問題になるかもしれませんけれども、例えばお話にありましたお薬手帳の活用とか服薬指導とか、あるいは製剤そのものの改善、剤型の改善などで、むしろ改良されて、今まで以上の範囲できちんとお使いいただけるようなことも、今後十分あるわけでございます。むしろ、同種同効ということにこだわれば、そこは進歩を阻害する要因にもなりますし、そもそもこの会議は、同種同効品であれば、必ずしもここにかけなくてもよろしいという前提もある中で、そこに余り重きを置かずに進歩を促すような目で、ぜひ見ていただけないだろうかと、このように考えます。よろしくお願いいたします。
○笠貫座長
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員
ありがとうございます。年齢についての素人の目からの発言をさせていただきます。同種同効品では15歳未満で適応がないにもかかわらず、これで認めるのは整合性がないという意見がありました。合理的な御意見ではあると思うのですけれども、それは逆に見るとニーズが満たされていないということだと思います。小児の花粉症による鼻水は、それなりになかなか大変だというのはよく承知しておりまして、そこのニーズが満たされないのは残念なことだと思います。また、小児科の先生から、2歳未満を対象外にすればよいという意見が出ているにもかかわらず、15歳未満の小児を対象にしないというのであれば、それはよく理解できないことだなとお聞きいたしました。以上です。ありがとうございます。
○笠貫座長
長島委員、お願いします。
○長島委員
過去の同効類似薬は、あくまでも類似薬で全く同一ではないので、ぴったりそれに合わせる必要は当然ない。それぞれの特性があります。ただ、記載の仕方については、全く違ったものになるということがないように、整合性のある調整をしていただきたいという意味で申しております。過去が15歳だからという話も、すみません、そもそもそれが15歳だったということを今まで知りませんでしたので、強い意見は全く申しておりません。ただし、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会、日本臨床耳鼻咽喉科医会の見解の中で、いろいろ課題があるので、小児においては医師の管理下で管理しながら使うべき。15歳以上であれば安全に使用してもらえる。それ以下の年齢のOTC化は望ましくないというのは、尊重すべきではないかと考えているということです。以上です。
○笠貫座長
高増参考人、お願いします。
○高増参考人
整合性がないのが問題なのではないかと気になっていたので、そのように発言しましたけれども、そこを抜きに議論していいというお話でしたので、もう少し広く小児にも使えるようになっていたほうがいいのではないかと思いました。花粉によるものなのかどうかというのは、本来、医師の判断だという御意見がありましたけれども、今、これは圧倒的にスギ花粉症のことを言っているのだと思いますが、スギの時期に困っている人は、場合によっては2人に1人ぐらいの割合でいらっしゃるわけで、その人たちが必ず医師の診断を受けてからでないとアクションを起こしてはいけないというのは、現実的には無理なわけで、みんな我慢しているだけという状況を改善するというのがOTCに望まれることなのではないかなと感じたのと。
あと、少し誤解があったのではないかなと思うのですけれども、このお薬はどちらかというと炎症を静める薬ですので、即効性はそんなにはなくて、1日に1回だけやって安定した状態を保つ。いわゆる血管収縮薬のように、そのやったときに鼻が止まるというタイプではないので、そこを誤解して何回もやるという人がいたとしたら、それは絶対にそんなことにならないようにしないといけないですけれども、その場の症状を止めてしまうという薬ではないということは理解して使っていただく必要があるかと思いました。
○笠貫座長
ありがとうございます。同種同効薬との整合性についてお話したのは、それでなければいけないということではなく、同種同効薬は、必ずしもこの会議にかけなくてもいいので、同種同効薬の整合性だけにとどまらず、低年齢化が進み、製品改良もあり、薬局が薬局ビジョンにより適切な使用の指導も向上し、いろいろな意味で社会環境も変わってきている中で、本成分が小児に使われるのかどうかについて議論していただきたいという意味です。先行の同種同効薬がどうだったかについて、きちんと我々も把握した上で、ここでどう議論を進めていくかお聞きしたかったのです。どうぞ。
○宗林委員
すみません、水を差すような質問で申し訳ないのですが、事務局にちょっと。添付文書のところの成人という書き方なのですが、これは共通ですが、成年年齢の引下げ等に伴って、すみません、個別の議論じゃないのですが、全体的にこれをどう考えるかというのは方針があるのでしょうか。これは、18歳と見るのですか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
すみません。薬学の世界ですと、成人は15歳以上、小児は7~15歳未満。
○宗林委員
そうでしたね。では、もうこのままですね。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
このままとおっしゃるのは。
○宗林委員
臨床成績のところに成人という言葉が書いてあって、この臨床成績の言葉の意味を。最終的な飲み具合のところは15歳以上は分かりますが、これは全体の共通問題なので。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
多分、薬事の扱い方は薬学の考え方でいくと思いますので、小児といえば7~15歳未満、成人といえば15歳以上という整理で、基本的には変えないと思います。
○宗林委員
変えないということですね。分かりました。ありがとうございました。
○笠貫座長
時代に即し、先取りした議論を深めて、問題を抽出して課題解決を考え、それを乗り越えられるかどうか自由な討論をしていただくことが、この検討会議の目的でもあります。小児科と耳鼻咽喉科の先生の御意見が異なり、添付文書の話も出ました。社会環境を含め、ニーズの変化も踏まえて、これをどうするか、15歳以上にすべきなのか、あるいは2歳以下とするかなど、パブリックコメントで広い意見をお聞きしたいと思います
それでは、このパブコメを行うに当たりまして、検討会議の方向性をまとめたいのですが、目の効能につきましては削除すること、診断名ではなくて、症状を書くことは、皆さん同じ意見だったと思いますが、年齢についてはいろいろな意見が出ました。今日の議論の内容についてパブコメを実施していただくようお願いします。
それでは、続きまして、次の候補成分について事務局から御説明をお願いします。
○事務局
事務局でございます。それでは、109ページの資料7-1を御覧ください。成分名は「ピランテルパモ酸塩」になります。スイッチOTCとした場合の要望されている効能・効果は「蟯虫の駆除」となります。対応する医療用医薬品は、コンバントリン錠、コンバントリンドライシロップでございまして、効能・効果はこちらに記載のとおりとなってございます。続きまして、110ページを御覧ください。本成分は、医療用といたしまして昭和48年に承認されております。再審査がない時代に承認されておりますため再審査は行われてございませんが、再評価の結果、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されてございます。続きまして、111ページを御覧ください。薬理作用でございますけれども、記載のとおり、虫体の神経接合部位に作用し、脱分極神経遮断を起こし、けいれん性の麻痺を誘導することで駆虫効果を発揮するというものでございます。また、本成分は体内でほとんど吸収がなされない薬物となっております。
続きまして、安全性に関する情報でございまして、113ページを御覧ください。まず、下のほうの禁忌のところでございますけれども、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、ピペラジン系駆虫薬を投与中の患者とされてございます。また、副作用に関しましては、その上のところになりますけれども、重大な副作用は設定されてございません。
続きまして、114ページでございます。推定使用者数でございますけれども、年間推定患者数として2万8000人と示されてございます。続きまして、同種同効薬・類薬でございますが、同種同効薬・類薬のスイッチOTCはございませんが、駆虫薬といたしましては、一般用医薬品でパモ酸ピルビニウムが販売されてございます。続きまして、海外での承認状況でございまして、116ページを御覧ください。一般用医薬品に関しましては、本成分は、フランス、米国、カナダ、オーストラリアで承認されております。次のページの下のほうに参りまして、医療用医薬品といたしましては、フランス、ドイツで承認されております。
続きまして、各学会・医会からの見解を御紹介させていただきます。123ページの資料7-2を御覧ください。まず、日本寄生虫学会からの見解でございます。日本寄生虫学会からは、薬剤特性の観点、対象疾患の観点から、スイッチOTC化は妥当との御意見をいただいております。また、下のほう、OTCとする際の留意事項、課題点といたしまして、次のページの別紙というところを御覧いただきたいと思いますけれども、マル3に、本剤は医療機関や保健所等において検査を行った結果、蟯虫症と判断された感染者が服用すべきだが、自己判断のみで可能とすると、非感染者による服薬増加が懸念されるという御意見。続いて、マル4に参りまして、治療の現場においては、本剤は初回とその2週間後の2回投与が行われるが、その際に2回服用の必要性を誰が説明するか等が御意見として挙げられてございます。
続きまして、125ページの日本臨床内科医会からの見解でございます。日本臨床内科医会からは、副作用はほとんどなく、安全に服薬できるとコメントをいただいております。また、少し下のほうに下がっていただきまして、現在、OTC化されているパモ酸ピルビニウムは原薬入手困難な状況にあり、代替薬としてのメリットは大きいとの御意見をいただいてございます。その下のOTCとする際の留意事項、課題点といたしまして、用法・用量をどのように設定するのか。また、家族に対する予防投与がOTCではできないと考えられるということ。また、その下の、学校検診で蟯虫検査が行われなくなったことで、OTC化によるセルフメディケーションの貢献度が明確ではないといった点を御意見として挙げていただいております。
続きまして、127ページを御覧ください。日本小児科学会の見解でございます。日本小児科学会からは、本剤は安全な薬剤であること。OTC化により、患者のみならず、家族内感染の予防服用においても医療機関受診なく取得できる利便性があるということ。また、医師の診断がなくとも、薬剤師・登録販売者の担保により適正販売を遂行することができ、ドライシロップ製剤があるため、低年齢の小児においても服用が可能であるといった御意見をいただいております。事務局からの説明は以上でございます。
○笠貫座長
どうもありがとうございました。それでは、日本寄生虫学会の見解につきまして、大西参考人から御意見、補足をお願いします。
○大西参考人
大西でございます。本日は、よろしくお願いいたします。大体、今、説明していただいたとおりなのですけれども、日本寄生虫学会としてもOTC化に賛成であるというのが原則です。それと、コメント欄にも書いたのですけれども、診断をどうするかというのが一番ネックになってくるのかなと思います。あと、OTC化すると1つ懸念されるのは、先生方もよく御存じかと思うのですけれども、ある程度一定数、寄生虫ノイローゼみたいな人がいるのです。私は蟯虫症に違いないと思い込んでしまって、この薬を飲んでしまう。それでも副作用がないからいいよと言われればそれまでなのですけれども、そういうことも考えておかないといけないのかなと思います。大体、以上です。
○笠貫座長
ありがとうございました。次に、日本臨床内科医会の見解につきまして、湯浅委員から御意見、補足をお願いします。
○湯浅委員
第1回目の検討会議の目的は、課題点をできるだけ抽出することにあると思いますので、いくつかの課題点を述べさせていただきます。まず、1つめの課題として投与回数の問題がございます。1回投与の有効性が確立されており、添付文書上は1回投与となっております。しかし幼虫が成虫になる数週間後に成虫をたたくという意味で、2回投与、寄生虫学会は3回の投与を推奨しています。この回数の問題を課題として挙げさせていただきたいと思います。
蟯虫感染は、家族内で拡がる可能性が高いため、本人だけでなく、家族の方にも薬を予防的に投与しなければなりません。その際に、OTC薬として予防投与目的で、家族に販売可能かという課題も考えられると思います。
そして、一番の課題は、平成27年度から学校検診での蟯虫検査が行われていませんし、検査に必要なテープも入手が難しいと思われます。症状があれば直接医療機関を受診し、薬を処方されるケースがほとんどではないでしょうか。先ほど笠貫座長もおっしゃいましたけれども、ニーズの問題という点から言うと、この薬をOTC化することにより、果たしてセルフメディケーションにどれくらい寄与できるのか疑問に感じます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。最後に、日本小児科学会の見解につきまして、岡田参考人から御意見、補足をお願いします。
○岡田参考人
小児科学会を代表しまして、岡田が答えさせていただきます。小児科学会の中で審議が行われましたが、ほとんど問題になることはありませんでした。多くの先生方が御指摘いただいたとおりで、昔は小学校でセロファン法というので検査していたのですが、セロファン法をやってくださる検査センターがほとんどなくなっているのが現状なので、検査ができないという状況です。にもかかわらず、患者さんはいらっしゃることがあります。ただ、安全性もかなり担保されている薬剤ですので、私たちとしてはOTCにすること自体は問題ないだろう。ただ、確かに診断はどうするのだろうというところが審議の中では議題として挙がっておりました。OTC化に関しては、特に問題はないのではないかと思っております。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、この成分のOTC化について御意見がありましたらお願いします。長島委員、よろしくお願いします。
○長島委員
各学会・医会の見解をお聞きしても、有効性・安全性に大きな問題はなく、代替品としてのメリット、安定供給のメリットがあるということなので、OTC化自体は妥当ではないかと考えますが、3名の先生方、それぞれおっしゃった、診断をどうするのかという問題は、恐らく薬局の現場での対応では無理なので、どこの場で、どのような形でこれに対応すればいいのかということの検討は必要ではないかと思います。
もう一つ、回数の問題ですけれども、日本臨床内科医会の指摘のところで、添付文書上は1回だけれども、2回とか3回ということになると、この問題に関しては、OTC化した場合にこの添付文書との齟齬が生じる可能性がありますけれども、これは事務局のほうにお聞きしたいのですけれども、何かここに関する解決法というのはあるのでしょうか。私からは以上です。
○笠貫座長
事務局からお願いできますか。
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
いろいろなやり方は多分あると思います。OTCとして薬事で承認する際に、医療用からスイッチでなければいけないという場合ももちろんあるでしょうし、そうじゃない場合というのももちろんありますので、そこはエビデンスがあってOTC化になじむものであれば、それは承認審査には十分する余地があるだろうと思います。ただ、これまでのスイッチ化するという定義といいますか、スイッチするときによく議論があるのは、医療用のものをそのままOTCの範囲内に持ってくるということにこだわれば、なかなか難しい面があるかもしれませんが、その枠を超えて、物として問題ないのであれば、薬事の承認審査においてはいろいろなやり方はテクニカルにはあると思います。その際、医療用で使っている安全性のデータを見ておりますと、海外でも2回使う例もあるようでございますので、そんなものを参考にしながら承認審査をすることは十分可能だと思います。以上です。
○笠貫座長
平野委員、どうぞ。
○平野委員
まず、今の添付文書のお話に関しては、もともとの添付文書の記載そのものが成虫を殺すのに1回でということで始まったのだと思うのですね。現実には、卵がかえった後にもう一回飲まなければいけないということで、もう広く一般に使われているわけですね。ですから、添付文書が1回と書いてあることの意味が、恐らく医師は理解できるけれども、一般の人には理解できない表現になっているので、そこを変えていただきたいという意味だと思いますので、そこはぜひ善処をお願いできればというところでございます。
それから、飲み方として、2回、3回という言い方を薬局で説明できるのか、あるいは利用者が理解できるのかということに関しては、非常に語弊のある言い方なのですが、この薬剤の使い方は、私どもで言うと殺虫剤と非常に似ているのです。そもそも殺虫剤ですね。例えば、ゴキブリとかダニの殺虫剤を使うときに必ず言うのですね。卵がかえったときにもう一回使わないと、結局なくなりませんよ。これは、恐らく一般生活者は誰でも理解していることです。それと同じですという言い方は、薬局の店頭で極めて簡単ですし、生活者は容易に理解できる言葉であると思いますので、体に害がないということであれば、使えるようにすることが先だろう。
最後にもう一つ、OTC化する意味があるのかということに対して、それは単なる問題提起だと思うのですが、逆に言うと、医療用でしかない意味があるのでしょうか。むしろ、積極的にいつでも使えるようにしてさしあげること、さっきの予防的な意味も含めてですが、ぜひしていただければと思うところでございます。
○笠貫座長
堀委員、どうぞ。
○堀委員
ありがとうございます。私からは、購入する消費者の立場から、とても素朴な質問なのですけれども、これがもしOTC化された場合、通常ですとスイッチOTC化されたものは、使用者本人が薬剤師の方から直接説明を受けなければならないと私は思っているのですけれども、この場合、例えば蟯虫検査をして、子供が1人、蟯虫がいるといった場合、卵がどんどん空中に飛散されると家族がその薬を飲まなければいけないとなった場合はどうしたらいいのでしょうか。例えば、お母さんが買いに行ったときに、それを子供に飲ませる場合は子供を連れて行かなくてはいけないのか、または子供を連れていった場合、お母さん、お父さん、または兄弟の方たちに勝手に飲ませてしまっていいのかどうか、それをお尋ねしたいのですけれども、薬局の薬剤師の方、教えてください。お願いします。
○笠貫座長
御質問は、本成分について具体的に説明できるかどうかというよりも、薬剤師の説明義務として、説明をきちんとしているかどうかと理解してよろしいですか。何か加えることがありましたら、どうぞ。
○岩月委員
コンバントリンというのは、一時薬局でも販売していたお薬でありまして、当時は学校で蟯虫検査等をしていた時期でしたが、今の御指摘のように、家族内でのいわゆるピンポン感染のような形を当然想定していましたので、御家族で一緒にお使いいただいたほうがいいですというお話はしていましたし、今回、スイッチOTCになったときに、当時とは違いますから、懸念は当然出てくると思います。ただ、いつも申し上げるのですけれども、薬の本質は変わっていないので、そういったことをどうやってクリアしてアクセスを改善するか。多分、御指摘のように、さほど多くの需要はないと思いますが、先ほどからのお話であるように、子供さんに投薬が必要になったときに、医療機関にかかって、親御さんがついていってと大事になるような、子供さんの心理的な負担まで考えると、こういったものはそれほど需要がなくても、薬局にちゃんと置いておかなければいけないものだねということのほうが、私は結果としていいのではないかと思います。
説明の仕方につきましては、OTC化する際に販売者側と製造販売業者側できちんと話し合いをしていくべきだと思いますし、予防投薬という言い方は多分保険上の話であって、OTCになると予防投薬という話がどうなのかということがあると思います。ですから、その辺はきちんとこのような会議の場で懸念点を抽出した上で議論いただくということだろうと思っています。以上です。
○笠貫座長
小縣委員、どうぞ。
○小縣委員
ここにあるように、体重で飲む量が違いますから、何回飲むかとか、何錠入りにするのか、たくさん入っていれば家族も飲めるねという話になってしまうでしょうし、指導をする前提をつくらないと、難しいと思います。
○笠貫座長
薬剤師・薬局では十分な説明ができるというお話をいただいたと思うのですが、そのほかに。黒川委員、どうぞ。
○黒川委員
すみません、2点申し上げたいと思います。私どもで寄生虫症の患者数をレセプトデータに基づいて調べましたところ、年間1万から2万人くらいの患者さんがいました。もちろん、2016年以前に比べれば減っておりますけれども、確かにそれぐらいの患者さんがおります。ニーズはあるということでございます。そういうことで、毒性とか有効性に問題がないということですので、この成分がスイッチされれば社会のお役に立てるのではないかということが1つあると思います。
それから、診断についてですけれども、私ども、セルフメディケーションの活用に当たっては、いわゆる健康あるいは病気に関する基礎的なリテラシーの蓄積が重要であろうということをいつも申し上げているわけですけれども、病気は社会の進展等でまた変わってまいります。例えば、私ぐらいの年齢のときは、明け方になってお尻がかゆいということになってくると、すぐに蟯虫だなということでお薬をもらって飲んだみたいな、1つの生きるための知恵がありました。そういったことは、例えば薬剤師様からお教えいただくなり、あるいは寄生虫学会の先生から御指導いただいておりますので、いろいろな手段で乗り越えることができるように考えております。
それから、小縣先生が御指摘になりました体重当たりの話でございますけれども、これは冒頭、事務局からお話がありました一般用医薬品駆虫薬製造販売基準で、年齢区分により用量が設定されておりまして、厚生統計要覧などでこれを年齢区分別の平均体重を割り出して、適切な用量を算出することが今は、可能になっております。テーブルが簡単にできますので、それでお伝えいただければ大丈夫だと思います。以上でございます。
○笠貫座長
長島委員、お願いします。
○長島委員
家族に対する予防投与の件ですけれども、日本臨床内科医会の見解2の「OTC薬は本人のみに適用され、家族に対する予防投与が認められていない点も課題である」とありますが、まず、家族ということであると、薬剤師の方は、その御家族の方がどんな状況かも全く分からないし、その方に対する指導も全くできないという状況ですので、ここのところは、そもそもそういうことをしていいのか、するとすれば、どのような要件・条件を満たすべきなのかというところをきちんと検討して整理してということが必要かと思います。単に、よく見ればできる、御家族によくお話しすればできるという簡単な課題ではないと考えますので、しっかりとした検討を行うべきと考えます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。大西参考人、お願いします。
○大西参考人
寄生虫学会の大西です。ビデオがうまくいかないようですので、言葉だけになって申し訳ないですけれども、家族一斉治療が必要かというのは、実は今、意見が分かれておりまして、最初から必要だという意見が少し少数意見になりつつありまして、まず、1回目、患者さんに投与して、それで駆虫できれば家族は必要ない。1回目、駆虫に失敗したら家族を調べて、家族に虫卵の陽性者がいれば飲んでもらおうとなる。あるいは、1回目失敗したら、その後、家族は調べずに全員投与しようという動きがある。大体、この3つの動きがあります。以上、参考までです。
○笠貫座長
ありがとうございます。問題として挙げられた添付文書との違い、そして、学会は二、三回を推奨しています。必ずしも添付文書にこだわらないで、ここでは自由な議論をしていただくことが大事だと思います。これから薬局ビジョンの中でかかりつけ薬局が大きな役割を果たしてきたときに、蟯虫に対して、学会の意見も踏まえた上で、OTC化したときにどのように説明していくのか、薬剤師会を含めて、教育・研修をきちんとしていただくことを前提として、お話しさせていただいたことになるかと思います。
このパブコメを行うに当たりまして、この検討会議の方向性をまとめたいと思います。課題点としては、有効性・安全性は問題ないということですが、回数について、どうするかについては、いろいろ意見がありました。それから、社会的ニーズとして、蟯虫対策はどうするかに対しても、薬局・薬剤師がどのような役割を果たしていくかを含めて、課題解決をどうして実現をしていけるのかについて、パブコメで多くの方々から御意見をいただけたらと思っています。対象者あるいは家族の服用等についての課題もあったということでまとめたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、パブコメを実施していただくようお願いします。続きまして、次の候補成分について、事務局より御説明をお願いします。
○事務局
事務局でございます。資料8-1、ページといたしましては129ページを御覧ください。成分名は「ラメルテオン」になります。スイッチOTCとした場合の要望の効能・効果は「一時的な不眠の次の症状の緩和:寝つきが悪い、眠りが浅い」になります。対応する医療用医薬品はロゼレム錠8mgでございまして、効能・効果は不眠症における入眠困難の改善となっております。下のほうに参りまして、ラメルテオンは、2010年に承認され、再審査結果は2019年に通知されており、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されております。また、本成分は、睡眠覚醒リズムに関与するメラトニン受容体に作用し、睡眠中枢を優位に導くことで睡眠を誘発します。本剤は覚醒中枢の抑制によるものではなく、睡眠中枢を賦活化して、覚醒中枢と睡眠中枢の優位性を変化させることにより作用が出るものと考えられております。
続きまして、安全性に関する情報でございます。133ページを御覧ください。まず、禁忌のところでございますけれども、禁忌といたしまして、本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者。高度な肝機能障害のある患者。フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者が設定されてございます。また、前のページに戻りまして、重大な副作用といたしましてアナフィラキシーが設定されてございます。
134ページを御覧ください。推定使用者数等といたしまして催眠鎮静剤の年間販売額が示されておりまして、約64億円でございます。また、その下に参考といたしまして、睡眠に関連する問題を抱えている日本人の割合に関しての調査の結果が示されてございます。同種同効薬・類薬の状況についてでございますけれども、睡眠改善薬としてジフェンヒドラミン塩酸塩(ドリエル等)がOTC化されてございます。続いて、海外の状況でございますが、136ページを御覧ください。現時点で、本成分は、一般用医薬品といたしまして、欧米等6か国において承認されておりません。次のページに参りまして、医療用でございますが、米国で承認されております。
続きまして、関係医学会・医会からの見解を御紹介させていただきます。143ページを御覧ください。まず、日本神経学会からの御見解でございます。真ん中の対象疾患の観点からというところでございますが、「不眠、寝つきが悪い」が主訴であっても、うつ病、精神疾患等、様々な疾患を背景とすることが多く、まずは十分な問診等による正確な診断が必要であり、医師の管理下で使用すべき薬剤との見解をいただいております。また、その他の懸念点といたしまして、上のほうに参りますけれども、フルボキサミンマレイン酸塩との併用が禁忌であること、併用注意薬があること、メラトニンと混同され、過剰服用により性腺抑制作用等の副作用が発生することが挙げられてございます。
続きまして、145ページを御覧ください。日本精神神経学会からの見解でございます。日本精神神経学会からも、日本神経学会と同様の御意見をいただいております。加えまして、薬剤特性の観点からにお示しされておりますように、ガイドラインにも明示されているように、不眠の改善には睡眠衛生指導がまず重要であり、さらに補助が必要な場合にのみ薬剤の使用が推奨されていること。また、次のページに参りまして、乱用や過剰服薬、レイプドラッグとしての使用など、不適切使用についても懸念点として挙げられております。
続いて、149ページを御覧ください。日本臨床内科医会の見解でございます。日本臨床内科医会からは、薬剤特性の観点からは比較的安全性が高く、OTC化は可能な薬剤と考えると御意見をいただいておりますが、懸念点といたしましては、さきに説明いたしました学会等と同様のものが示されております。また、使用に際しましては、一番下でございますけれども、OTCについてもお薬手帳で情報共有が行えるようにしていく必要があるという御意見をいただいてございます。説明は以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、日本神経学会の見解につきましては、長谷川参考人からお願いします。
○長谷川参考人
神経学会の長谷川でございます。先ほど御説明があったとおりでございますけれども、学会員の中での最も大きな懸念点は、OTC化してセルフメディケーションとして推進することの意義に疑問点が出されました。すなわち、本来、不眠、寝つきが悪いという主訴については、できるだけ早く正確な診断の下に生活指導等を行い、あるいはその疾患に合った治療をしていくというのが重要ですけれども、これはいたずらにそれを延ばしてしまう可能性があるということ。
さらに、これはメラトニンと混同されているような方がございまして、自然物質のメラトニンであればよかろうということで、長期に多量に服用するというようなことがあってはならないという懸念点が最も多い意見でございました。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。次に、精神神経学会の見解につきまして、三島参考人から御意見、補足をお願いします。
○三島参考人
精神神経学会の三島でございます。いわゆる不眠というと不眠症というイメージを持ちがちなのですが、原発性不眠症というのは不眠を訴えている成人の約20%です。それを超える30%程度の方は、うつ病や不安障害、アルコール依存などの精神疾患がベースにあることが、繰り返し疫学調査が出ています。残念ながら、倦怠感や不眠は自覚できても、精神症状を自覚することはなかなか難しくて、臨床現場においても誤診がよく出ています。それが果たして薬局や使用者御本人が判断できるかどうかという懸念があります。また、不眠症以外の睡眠障害の大部分で不眠が出ます。有名なのは睡眠時無呼吸症候群で、成人の5%程度がかかっていますが、50代以降の不眠症状を持っている方を調べると、半数はこの無呼吸症候群があるということで、当然ながらメラトニン受容体作動薬は効果が出ません。
あと、乱用等の問題を私たちのほうで提言しましたけれども、乱用というと、ベンゾジアゼピン受容体作動薬(ベンゾ系薬剤)のように、薬理特性として依存性のある薬剤が使われるだろうと一般に思われがちですけれども、リアルワールドで調べると、ブランド力がある薬剤が使われるのですね。このロゼレム、ラメルテオンは名が通っておりますので、これがOTCとして利用できるとなれば、特に若い方を中心に乱用、レイプドラッグ等の不適切な使い方をされることも懸念されて、これは都度、社会問題として耳目を集めておりますので、慎重な取扱いが必要なのではないかと思います。
このような懸念から、当学会としては、現時点でのOTC化には賛同しかねるというのが結論で、仮にOTC化されるにしても、鑑別診断とか、また添付文書にも載っているような睡眠衛生指導をどう担保するか。また、不適切使用の対処について慎重に検討する必要があるのではないかと考えております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、日本臨床内科医会の見解につきまして、湯浅委員から御意見、補足をお願いします。
○湯浅委員
長谷川参考人、三島参考人がお話になられたように、不眠の原因となっている原疾患の存在を常に念頭におき、正確な診断をする必要があると考えます。不眠につながる重要な疾病はいくつもあり、医療機関への受診が必須であると思います。また、OTC化する際には、どのような方を対象に薬を販売するべきか、イメージする必要がありますが、この薬について医師を介さずに適正に使用することは難しいと思います。したがって、本薬のOTC化についてはかなりハードルが高いのではないかと考えております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、この成分のOTC化につきまして御意見がありましたらお願いします。長島委員、お願いします。
○長島委員
先ほど3つの学会・医会の先生方から御意見がありましたけれども、3つ問題があり、薬剤特性においては併用禁忌や副作用の問題がある。対象疾患の問題としては、正確な診断が必要で、漫然と使う、あるいはセルフメディケーションでやることで基礎疾患の増悪あるいは精神症状の悪化の危惧がある。これは、あくまでも医師の管理下で行うべきであって、OTC化によるセルフメディケーションの推進は適切ではないということ。あるいは、社会への影響ということも、不適切利用の危惧がある。ということで、この3つ全てにおいてOTC化のメリットはほとんどなく、むしろデメリットのほうがはるかに大きいと考えられますので、現時点ではOTC化は妥当ではないと思いますし、特に薬剤特性、対象疾患の点は、将来的にも課題の解決は極めて困難であると考えます。私からは以上です。
○笠貫座長
黒川委員、お願いします。
○黒川委員
ありがとうございます。長谷川先生、三島先生、湯浅先生、長島先生からお話をいただきました。誠におっしゃるとおり、ごもっともだと思います。それで、ここで1つクリアにしておきたいところでございますが、一般用薬品の分類の適応範囲として想定しておりますものは、資料にもございますとおり、一時的な不眠、それから不眠症の診断を受けた人は使用しないことが原則でございまして、これはガイドラインのQ&Aにも記載されているとおりでございます。それでは、一時的な不眠というのはどういうことかということでございますが、これは患者の自覚症状に基づいて規定されております。入眠困難や睡眠維持困難などの改善ということで、不眠症の治療はもちろん対象外でございまして、原因としては、ストレスが多く、眠れないと分かっている状態。疲れているのに神経が高ぶっていて寝つけないと分かっている状態。心配事があって、夜中に目が覚めると分かっている状態。不規則な生活で睡眠リズムが狂って寝つけないというような状態と明確に記載されている。本剤もそのような適応ということで対象になるのではないかということで、必ずしも本人がその背景にあるような重篤な、医師の診断を直ちに受ける必要があるようなものを意味しているところではないと理解しているところでございます。そういうことを踏まえますと、この適応範囲を、チェックシートなどによって、薬局の店頭等で薬剤師が適切に指導・判断するようなことにより、患者様とともにうまく使っていただけるのではないかと、そのように考えております。
それから、乱用・悪用の件でございますが、これも御指摘ございましたが、この薬剤は非臨床試験で精神・身体依存性の形成能はないということ。それから、臨床的にも、例数は少ないのですけれども、臨床用量の20倍である160mgでも、プラセボに対して有意差はないということでございます。ここは、それこそ専門家の先生のお話がありましたとおり、ベンゾジアゼピン等受容体作動薬とは異なるというところを申し上げたいと思います。
あと、このお薬の特徴の一つでございますが、これは臨床試験、第II相、第III相で見ますと、投与後2日間で既に有用性が認められており、客観的な睡眠潜時にはプラセボに対して有意に改善というデータとなっております。適切な薬剤師等の管理・運用の下で短期間使うことには有用性がある。もし、それでよくならなければ、直ちに受診を勧奨するという工夫もできるのではないかと思っているところでございます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかに御意見ございませんか。どうぞ。
○岩月委員
薬剤師会の岩月でございます。恐らく、例えば急な出張があって寝られないとか、今日寝ておかないと、明日試験で困るという需要は想定されると思うのですけれども、そういった必ず必要だということとは裏腹に、先ほどから御指摘がありましたように、乱用などの問題はついて回る問題だと思います。そのため、製造販売業者が申請するならば、ぜひその対策までしっかりと用意しておいてほしいというのが、販売する側の薬局の薬剤師としての意見です。そういう手当てもきちんとした上で、でも、これは社会に必要ですねということがないと、乱用の始末は販売する現場でつけてくれと言われても、それはちょっと困るということもありますので、ぜひそこはお考えいただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、ほかにございませんか。湯浅委員、どうぞ。
○湯浅委員
黒川先生から、第II相、第III相の試験の結果をお話いただきましたけれども、実臨床で使用していますと、なかなか短期間で効果がでるような薬ではありません。ある程度使用経験を有さないと、この薬を使いこなすのは非常に難しいという印象がございます。患者サイドからみると睡眠薬はやめたくない薬の一つであり、セルフメディケーションに資する薬とは到底思えません。不眠については、医師自らが治療、経過観察をするべき疾病と考えます。以上です。
○笠貫座長
松野委員、どうぞ。
○松野委員
ありがとうございます。先ほどから御指摘がありますように、このお薬がいいのかどうかということを考えると、相互作用が非常に多い薬かなというふうに、今まで現場での状況を見ていても、そこのチェックが必要な薬だなと感じております。ただ、不眠で悩んでいらっしゃる方が本当にたくさんいらっしゃって、今、OTCで本当の意味でのこういう不眠の薬は、ドリエルはそれに当たるのかと言われると、ちょっと微妙なところにあるのかなと思いますので、いつかはこういう不眠に関するお薬がOTC化される時代が来なければ、ニーズはなかなか満たされないだろうなということもよく分かりますので、この薬なのかどうかというのはともかく、いつかはそういう時代がやってきて、それをきちんと薬局でも対応できるような制度も整えるべきかなと感じております。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、宮園委員、お願いします。
○宮園委員
こういったよく眠れるという健康食品やグッズは、物すごくたくさん市場に出回っていますね。それがすごく高価な健康食品だったり、もしくはそれが消費者被害につながることもあるかもしれないという懸念の中で、一般に簡単に手に取れると思えば、安易に買ってしまう消費者はいるのではないかと思います。先ほどから先生方の話をお伺いしていると、心の病気やいろいろなものが潜んでいる中で、安易に手に取るのはもう少しいろいろなものが詰まってからでないと厳しいのではないかなと思う一方で、これだけ健康食品が氾濫している中で、信頼できるお薬というのは1つの意義もあるだろうしという辺りで、私もよく分からない状況です。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、パブコメを行うに当たりまして、この会議の方向性をまとめたいと思うのですが、佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員
すみません、ありがとうございます。御専門の先生方や皆様から、比較的ネガティブな意見が多かったのは、何らか気にかかるところがあるのだろうとは感じますが、いま一つよく分からないのは、現在、一般用医薬品として販売されているドリエルに関しては、今、皆様が指摘されたような御懸念が解消されていて、この薬はそうではないということなのか、あるいは、ドリエルについても、同じ懸念を持っているけれども、市販されているということなのか、その辺についてちょっと教えていただければと思います。お願いします。
○笠貫座長
専門の方から。長谷川先生、お願いします。
○長谷川参考人
神経学会の長谷川でございます。ドリエルは極めて安全性が高いもので、幾ら飲んでもそう問題はなくて、それとこのラメルテオンは、先ほどから使用が難しいという話もございましたように、薬剤としては全く違うものです。ですから、一時的な不眠の一時的というところで、先ほど御説明がありましたけれども、そのお話を聞けば聞くほど、私たちは背景にうつがないかとか、いろいろなことを考えて、こういう薬剤を使っておりますので、あらかじめドリエルなんかを使ってこられる方もおられますけれども、安全性という点からいきますと全く違うと思っております。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、三島参考人、お願いします。
○三島参考人
すみません。ジフェンヒドラミンについては、私たちはちょっと違う考えを持っていて、半減期は6時間から8時間ぐらいですけれども、東北大学の研究などでも明らかになっているように、脳内のヒスタミン受容体に長時間結合します。そのため、いろいろな臨床研究で翌日の持ち越しがかなり強くて、運転、その他、日中のパフォーマンスに与える影響を非常に懸念しています。ですので、誤診問題も含めて、市販のOTCの睡眠薬というのは、使い方や診断を含めて、慎重に考えていただきたいなというのが私たちの考えになります。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、パブコメを行うに当たりましての方向性ですが、専門家の先生方からは、診断の話、併用の話、過剰服用の話、乱用の話などこの成分についてはまだ問題だということを御指摘いただきました。その議論の中で、一時的な不眠に対して、どう対応するのかという今後の問題として、この薬に限らず、各学会、専門の先生方が国民に対して、不眠にどう対応するのかという教育、啓発を行い、リテラシーを上げていくという過程で、この薬の位置づけを国民も理解できるようになるということだと思います。それから、薬剤師の方から、セルフチェックリストをどこまで理解できるのかも含めて検討するという解決策が、短期と長期の話も含めて出たと思います。そういう形でまとめを整理させていただいて、パブコメに出させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。続きまして、次の候補成分につきまして、事務局から説明をお願いします。
○事務局
事務局でございます。続きまして、資料9-1、151ページを御覧ください。次の成分は「トレチノイン トコフェリル」になります。スイッチOTCとした場合の要望されております効能・効果は「床ずれ」になります。対応する医療用医薬品はオルセノン軟膏0.25%でございまして、効能・効果はこちらに記載のとおりでございます。下のほうに参りまして、医療用医薬品の特徴・概要のところでございますが、承認年月日が1992年でございまして、再審査結果は2002年に通知されており、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されてございます。また、トレチノイン トコフェリルは、繊維芽細胞の遊走及び増殖促進作用、肉芽形成及び結合組織成分の生成促進作用を示し、損傷組織の修復を促すとされております。
続きまして、安全性に関する情報でございます。153ページを御覧ください。真ん中よりちょっと上辺りの禁忌でございますが、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者が設定されてございます。その上の重大な副作用といたしましては、該当なしとされております。
推定使用者数といたしまして、不明と書いた上で、褥瘡の発生頻度が参考として示されておりまして、在宅療養者の約7%が褥瘡を発症しております。また、療養所別の有病率が記載されております。続きまして、同種同効薬・類薬のスイッチOTC化の状況についてでございますけれども、スイッチ化の実績はございません。続きまして、海外の状況でございますが、154ページを御覧ください。現時点で、本成分は、一般用医薬品、医療用医薬品とも、いずれも承認されておりません。
続きまして、資料9-2、159ページからの医学会・医会からの見解を御紹介させていただきます。まず、日本皮膚科学会でございます。日本皮膚科学会からは、本剤のスイッチOTC化に関しましては、水分を多く含む乳剤性基剤であることが最大の懸念点であるという御意見をいただいております。褥瘡の治療においては、感染制御と滲出液の制御が重要であり、本剤は、感染兆候が見られず、滲出液の少ない乾燥傾向にある潰瘍に用いられるべきもので、本剤の使用が適切か否かの判断は、創傷治癒及び治療に精通していない場合はかなり難しいと、理由が記されてございます。
続きまして、161ページに参りまして、日本臨床皮膚科医会からも、学会と同様の意見を頂戴してございます。説明は以上となります。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、最初に、日本臨床皮膚科医会の見解につきまして、矢口委員から御意見、補足をお願いします。
○矢口委員
矢口でございます。トレチノイン トコフェリル、本剤は、褥瘡、皮膚潰瘍に適応があり、先ほどもお話がありましたように、肉芽形成、あとは創傷治癒促進作用に大変優れた、しかも副作用がほぼなく、安全に使える薬であることは間違いございません。
日本皮膚科学会が作成しました褥瘡診療ガイドラインによれば、傷の具合によっていろいろなステージがあるのですが、赤色期から白色期は傷が治っている過程で、赤色期から白色期の褥瘡であって、しかも滲出液が少ないものに対し推奨されております。しかし、深い傷、ポケットを有するような重症の褥瘡や、壊死組織が付着する黒色期から黄色期に対しては使用しません。このように、褥瘡の治療には期別分類、つまり、ステージ、皮膚の褥瘡の深さや炎症具合によって適切な外用剤を選択することが重要となってまいります。一方で、本外用剤の色が淡黄色であるために、創部が非常に軽快している、よくなっているにもかかわらず、茶色い滲出液が出てきて汚い、または感染していると勘違いされやすいという問題点もございます。
したがって、医師の定期的な診察の下、現在の期別分類や滲出液の程度を確認した上で、医師の指示の下、購入し、用いるのであれば、OTCとすることに大きな問題はないと思われますが、この薬剤はセルフメディケーションの対象というものではございませんというふうに私は思いますので、OTCにする意味があるのかどうか。しかも、褥瘡の患者さんの数、先ほどもございましたけれども、非常に少ない。それと、褥瘡の患者さんは一部入院もございますけれども、我々皮膚科医が在宅または老人ホーム等の施設に往診して、逐次診察し、次はこの薬、次はこの薬と選択していくのが一般的です。ですので、OTC化する意味があるのかどうかというのは、ちょっと疑問ではございます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、この成分のOTC化につきまして御意見がありましたら、お願いします。長島委員、お願いします。
○長島委員
今、御説明がありましたように、これは医師の定期的な診察の下に、現在のステージ分類とか滲出液を確認した上で使うべきもので、その状態で最も適切な医薬品を使うべきということを考えると、定期的な診察をしていますので、そのときに処方すればいいということなので、OTC化の意味は全くない。むしろOTC化することのリスクとして、感染を起こし、それが敗血症になれば生命予後に関わる可能性もあるという、大きなデメリットがあるということです。このような、例えば高齢者等で体が御不自由な方という場合は、ほかの様々な疾患も持っている可能性もありますし、そういう場合は、往診あるいは在宅医療における多職種連携などにおいて、しっかりと治療すべきものということなので、OTC化の意義はなく、むしろデメリットがあると考えます。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにはございませんか。よろしいでしょうか。堀委員、どうぞ。
○堀委員
ありがとうございます。もしこれがOTC化された場合に関しては、例えば在宅介護の場合、寝たきりの患者さんに適応するために、お薬を多分御家族が買いに行くと思うのです。そのときに、薬局の薬剤師の方に、例えば褥瘡の状況の写真とかを持っていって判断していただくことになるのか。先ほどもお話ししましたけれども、今後、もしこれをOTC化した場合、窓口での販売の方法をどのようにこれからなさるのかということは検討していかなければならないことなのではないのかなと思いました。
今、実際にウェブによってオンライン診療が行われていて、在宅の患者さんもオンライン診療で主治医、かかりつけ医が診て薬を処方できるような状況にもなっておりますので、そこであえてOTC化するという意義というのが、私はちょっと分からないです。特に在宅にて介護をしている家族の場合は、一番薬が必要になるのは、褥瘡だと思ったときの最初の段階で、薬をつける時ではないかと思います。そのときに、もし簡単に薬局で買えるお薬があれば、私はOTC化するメリットが非常にあると思うのですけれども、今のお話を聞いておりますと、最後の段階、治ってきた段階であるならば、その前にかかりつけ医、または往診をしてくださる医師に何かしらアプローチし、それを治す方法が行われていると思います。その最後のときに使うお薬というものがOTC化になった場合、どのようなメリットがあるのか、私は分からないので、また教えていただけたらありがたいです。以上です。
○笠貫座長
これは、ステージに合わせて、適切に使うという薬をOTC化するかどうかは、時期尚早かもしれません。しかし、御質問を聞いていて、ステージの軽いときにOTC薬になり得るような褥瘡の薬があるかということになると、議論が違ってくると思います。そういう薬があるかどうか、分かりませんが、褥瘡のステージが軽いとき、あるいは予防のときの対応として、褥瘡のステージIのときにどうしたらいいかということは、在宅介護で高齢者を抱えている方の悩みでもあると思います。どうぞ。
○平野委員
本薬剤のOTC化について、私は賛成でも反対でもないのですが、現場で何が起こるかなということだけでございます。ほとんど寝たきりでしょうから、先生が在宅で訪問診療されて、それで処方を決定されてというのは、まさにそのとおりだと思うのですが、そのお薬をどのように使うのか。実際の売り方であるとか、その指導は誰がされるのかというと、訪問看護師さんが行ったときなのでしょうか。先生の訪問頻度であれば、少なくともその患者さんの次の訪問時では間に合わないわけです。ですから、OTC化というのは、セルフメディケーションというよりは、次回訪問時までに買っておいてくださいとか、ドクターが指示されたにしても、看護師さんが来るまでに用意しておいてくださいとか、実際に使い方を指導してもらうような、処方を決める、買うというタイミングと、使い方を指導するというタイミングのずれを埋めるために、OTCにすることによって買いやすいという環境が生まれるのであれば。多分ほとんど売れないと思いますので、ビジネス的には苦しいのですが、そのお手伝いはさせていただきたいなと思うところでございます。
○笠貫座長
これはOTC医薬品かどうかの話とは、議論がずれるところがありますので、先へ進めさせていただきます。
それでは、パブコメを行うに当たりまして、多くの意見は、専門家による適切なタイミングでということだったと思いますが、まだニーズは高くないにしても、褥瘡に対してどうするかについては、御専門の方々からの国民の教育・啓発をお考えいただけたらと思いました。またパブコメでいろいろな御意見をいただけると思いますが、また検討会議で検討させていただけたらと思います。それでは、そういう形で進めさせていただくことで、よろしいでしょうか。
続きまして、次の候補成分につきまして、事務局より御説明をお願いします。
○事務局
事務局でございます。続きまして、資料10-1、163ページを御覧ください。成分名は「ジメトチアジンメシル酸塩」でございます。スイッチOTCとした場合の要望されております効能・効果は「片頭痛及び緊張型頭痛の予防および緩和(以前に医師の診断・治療を受けた人に限る)」になります。対応いたします医療用医薬品はミグリステン錠20でございまして、効能・効果は片頭痛、緊張性頭痛となっております。その下に参りまして、本成分は、1972年に承認されております。再審査がない時代に承認されておりますことから、再審査は行われておりませんが、再評価の結果、外傷性頭痛が削除されて、現在の効能・効果、片頭痛、緊張性頭痛に変更されております。続きまして、164ページを御覧ください。本成分は、抗セロトロン作用を有し、血小板から過剰に放出されたセロトニンによる血管収縮を抑制することにより反跳性の血管拡張を抑制し、片頭痛発作を抑制すると考えられております。
安全性に関する情報でございますが、169ページを御覧ください。禁忌といたしまして、フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者。昏睡状態にある患者。バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者が設定されております。上に少し戻りまして、重大な副作用は該当しないと記載がされております。
続きまして、170ページを御覧ください。推定使用者数でございますが、本邦における片頭痛及び緊張型頭痛の有病者の数といたしまして、それぞれ約840万人及び2200万人と推定されております。その下の同種同効薬・類薬のスイッチOTC化の状況でございますが、スイッチOTC化された同種同効薬・類薬はございません。海外の状況でございますが、173ページを御覧ください。現時点で、本成分は、欧米等6か国において一般用医薬品として承認されておりません。174ページに医療用医薬品としての承認状況がございますが、医療用医薬品といたしましては、イギリス及びフランスで承認がされております。
続きまして、学会・医会からの見解でございます。179ページの資料10-2を御覧ください。まず、日本神経学会の見解でございます。日本神経学会からは、真ん中辺りでございますけれども、本成分をスイッチOTC化することについて、薬剤特性等の観点から妥当であるということがまず書かれておりまして、真ん中辺りに参りまして、OTC化により治療機会の拡大と健康の増進が期待されているとの御意見をいただいております。また、留意事項といたしましては、使用に当たっては、既に医師の診断及び治療を受け、片頭痛あるいは緊張型頭痛であることが確認されている患者においてのみ使用することとの御意見をいただいております。
続いて、181ページの日本脳神経外科学会の見解でございます。日本脳神経外科学会からも、日本神経学会と同様の御意見をいただいております。加えまして、下のほうの留意事項といたしまして、添付文書、チェックシートを活用することにより、適正使用を図り、適切な注意喚起を行う必要があると御意見をいただいております。また、次のページに参りまして、薬剤師に対して適正使用法及び安全性確保のための講習会を開催するとともに、薬局・販売店向けに資料を提供する。また、頭痛ダイアリーの提供も予定する必要があるとの御意見をいただいております。
続いて、183ページの日本臨床内科医会の見解でございます。日本臨床内科医会からは、幅広い頭痛をカバーしているという特性から、OTC化に求められるタイプの薬剤と言える。 その下に参りまして、効果の判定に時間がかかることから、継続期間や減量についての指導が必要であり、また眠気やふらつき、消化器症状についても的確な指導が前提になるといった御意見をいただいております。事務局からの説明は以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、日本神経学会の見解につきまして、竹島参考人から御意見、補足をお願いします。
○竹島参考人
神経学会の竹島でございます。神経学会としては、今、御案内、御紹介いただいたとおり、OTC化は可能と考えてございます。この薬剤は、かなり長期間にわたり使われておりまして、経験的にも臨床的にも有効性と安全性が確認されている薬剤でございます。
頭痛診療におきまして、セルフメディケーションの中で、今、我々が一番問題だと考えているのは、急性期治療薬の乱用、使い過ぎでございまして、そういった中で、薬剤の使用過多による頭痛、あるいは薬剤乱用頭痛と言われる状態が発生しますが、本剤は急性期治療薬ではなくて、発作の発現を抑制するようなタイプの薬剤でございますので、むしろ、こういった薬剤を使えることで、薬剤の使用過多による頭痛の発生も少なくする可能性があるかなと思っているということもありまして、そういった観点からも、スイッチOTC化に問題ないというか、むしろそうしていただくといいなと考えている次第でございます。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、日本脳神経外科学会の見解につきまして、平山参考人から御意見、補足をお願いします。
○平山参考人
今、日本神経学会の竹島先生から話がありましたように、基本的にはこの薬は非常に使いやすいということと、歴史がある。予防薬としては、デパケン、セレニカR、要するにバルプロ酸を我々はよく使うのですが、このお薬はもともとてんかんということで、患者には、非常に嫌われる、ハードルが高い薬でありますし、使い方が難しい。さらには、副作用としましては、子供に脊椎破裂などの、非常に重篤な合併症が起こる可能性があるということで、妊娠可能な若い女性にはなかなか使いにくいということがあります。
よって、先ほど竹島参考人が言われたように、本薬剤は歴史があって、副作用が比較的少ないので、OTCになれば、一般的に買われる可能性が高いと思われます。もちろん、脳外科学会では使い過ぎを防ぐために、いろいろな薬剤師とともに講習会をやったりする必要はあると思いますが、非常に使いやすいお薬で、OTCでいいのではないかと思っております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。最後に、日本臨床内科医会の見解について、湯浅委員からお願いします。
○湯浅委員
私どもは、この薬を片頭痛という効能・効果で使用する場合の大前提として、適正使用を行うための地域での体制づくりが必要と考えております。OTC医薬品として、患者の適正使用を実現させるためには薬剤師の負担が大きくなることが予想されます。薬剤師が患者からの様々な相談に対し、自ら抱え込むことなく医師に相談できるような「ネットワーク」を地域ごとに構築することが必要であると考えております。ただし、「ネットワーク」構築は短期的には難しく長期的課題になるものと思われます。
さらに、一番大事なことは、この薬の有効性を示す確固としたエビデンスが存在しないことです。たしかにロメリジンというカルシウム拮抗薬と比較し、有効性・安全性に有意な差を認めないというRCTが存在はしますが、これはかなり古い研究になりますし、対照薬はカルシウム拮抗薬です。笠貫座長がいつもお話になるように、OTC化は国民の利益につながらなければ意味がありません。頭痛薬に対するニーズが高いのであれば、安全性が担保され、しかも効果の期待できる薬をOTC化する必要があると思います。効果のはっきりしない薬をOTC化することには、違和感を覚えます。さらに、一般的に片頭痛予防薬の効果判定には少なくとも2ヵ月の内服継続が必要になります。OTC化された場合、この薬の効果判定や受診勧奨をどのタイミングで行っていくのか疑問です。この点も課題として取り上げていただきたいと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございました。それでは、この成分について御意見ございましたら。宗林委員、どうぞお願いします。
○宗林委員
宗林です。これを見て、こういうお薬がOTC化されれば、使えるのであればすごくいいかなというのは、感想としてはもちろんあるのですが、その上で、今までのNSAIDsみたいな痛みがある時に飲む薬と全く違って、そのとき特に痛くなくても、継続的に飲んでいくお薬ですね。そういったことの説明を、国民に対して、どれだけきちんとしていけるのかどうかということと同時に、それでも頭が痛かったときに、NSAIDsとか、痛み止めを重ねて飲んでいいかどうかということも含めて、この薬の使い方が今までとは全く違うわけですので、その辺の説明がきちんと浸透するのかなということが1点懸念されるのですが、どうでしょうか。専門の先生方に少しお聞きしたいと思います。
○笠貫座長
お願いします。
○竹島参考人
竹島でございます。ありがとうございます。御指摘のとおりでございまして、頭痛診療を行う上で、発症抑制薬は我々、予防薬という言い方をよくするのですが、それは痛くても痛くなくても毎日飲んで、頭痛の回数を減らしたり、程度を軽くするお薬で、発作が起こったときには、急性期治療薬としてNSAIDs、あるいはトリプタンを使っていただくということを指導しております。
したがって、本剤をスイッチOTC化したときに、薬剤師の先生方から説明していただく中で、このお薬は、発作時、頭痛が起こったときに使う薬ではなくて、頭痛のひどい方がその発作の程度を軽くするために、定期的にというか、しばらく連用して使っていただくお薬だということは御説明いただく必要があると思います。その説明がきちんとなされれば、御懸念のようなことは余り起こらないのではないかと思っています。
古いお薬ですので、御指摘のあったように、有効性に関するエビデンスは、確かに現在の基準からいえば不十分だということは否めないと思うのですが、臨床経験の中で、通常我々が使っている他の発作発症抑制薬と比べて、比較的マイルドですけれども、一定の効果があるというのは、経験的なものとしてはあるのかなと思っているところでございます。私からは以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。
○宗林委員
すみません、続けてもう1点。今のお話を伺って、この添付文書も見せていただいたのですが、自分にとって、これをずっと続けていったときに、効いているなという判断とか、薬剤師さんとの御相談も含めてですが、例えば、スイッチ化した場合はOTCなので、自分でまだ効かないからもう少し飲んでいこうとか、選択していかなければいけないのですが、このお薬はどのぐらいの期間で判断していけばよろしいのでしょうか。
○笠貫座長
竹島参考人、お願いします。
○竹島参考人
一般的な話として、頭痛の診療ガイドラインでは、発症抑制薬の効果に関しては、少なくとも2か月ないし3か月を見て判断するというのがルールといいますか、標準になってございます。したがって、本剤の使用においても、2、3か月程度は使ってみていただいて、明らかに頭痛の回数や程度が低減していればある程度有効ということで、もうしばらく継続していただいていいのですが、いつまで使うかということに関しては明確なことがなかなか難しいのですけれども、通常半年ぐらいは使ってみていただいて、ある程度落ち着けば、一旦減量・休薬をしていただく。また、例えば季節性の問題とか、日常生活の環境の要因で増えてくるようなことがあれば、その時期にお使いいただくということを想定してございます。以上でございます。
○宗林委員
ありがとうございました。
○笠貫座長
ほかにはございますか。平山先生、お願いします。
○平山参考人
日本脳神経外科学会の平山ですけれども、このお薬はもともと古いお薬なので、物すごく有効だというイメージはございませんけれども、1ついい点は、1錠11円なのです。1日3錠ということで、33円ぐらい。要するに、30円から40円ぐらいでいいと思うのです。一方、今、我々が予防薬として、一番期待しているのは、カルシトニンの遺伝子関連ペプチドという注射薬なのです。これは、1月に1回打てば、かなり頭痛が減ると言われています。現在、このタイプは、3種類の薬剤が売り出ていますけれども、1本1万5000円ぐらいするのです。これは病院に来ないと絶対打てないという薬剤です。これは予防薬として非常にいい薬なのですが非常に高いものです。しかし、脳神経外科医だけじゃなくて、頭痛学会の専門医の皆さんも適正使用について指導して、薬物乱用にならないようにきちんとやっていく必要がございますので、頭痛の専門医、指導医が1回診断した上で、なおかつ薬剤師と一緒に連携していけば、非常に有効になるお薬だと思っております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにはございませんか。どうぞ。
○松野委員
私も、このミグリステンというのは長い間調剤をしてきた歴史ある薬だなということで、最近はほかのいい薬がたくさん出てきているので、保険適用の薬の役割としては終わって、これがOTC化するのにちょうどいい時期なのだなと受け止めています。特に、今、かかりつけ薬剤師という意味で、薬剤師がこれをどう患者さんといいますか、お客さんに説明していくのかというのに一番ふさわしい薬で、まさに薬剤師の力量を発揮するためにも、全薬局がそういう力をつけて対応していけたら、ありがたいお薬だなと感じております。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。ほかにはございますか。長島委員、どうぞ。
○長島委員
これが、ほかの今までのOTC対象薬と違うところは、自覚症状がない段階で飲むというところです。自覚症状があれば、これを飲むべきだという判断ができますが、自覚症状がないのに、御本人が飲むべきかどうかという判断をどうできるのかということ。これは、できないのではないかと思います。そうすると、片頭痛、緊張性頭痛というのは、そもそも病名、診断名ですので、御本人ではこれは診断できませんから、まず、医師の診断がしっかりあるということは当然最低限ですけれども、さらにこの薬剤が有効であるという確認も必要だろうと思いますので、医師の下で実際にこの薬剤を使って、有効であるということが確認されたということも必要かと思いますし、さらに、医師から、これを飲んだほうがいいという指導があったということ。これがないと、御本人はこれを飲むべきかどうかという判断すらできないのではないかと思います。医師からそういう指導があるのであれば、むしろ医師から処方していただければ、何ら問題がないと思うので、そこにおけるOTC化の意義というのが非常に分かりにくいと思います。
まず、医師の診断がきちんとあること。本薬剤を使って有効であったということ。ここのチェックをきちんとするということ。もしも、これを飲んでいる間に例えば頭痛等が出た場合に、それがほかの重篤な原因による頭痛、重篤な疾患の前兆であるという可能性もあるので、そのときにどうするのかということ。あるいは、利用期間を例えば1か月にして、1か月ごとにずっともらいに行くのかどうか。そこのフォローアップをどうするのかというところに非常に問題が多いと思うので、ここをきちんと確認するということ。それから、このまま自動的にインターネット販売のほうに移行することがあっていいのかどうかということがあります。
したがって、まずは自覚症状がないのに、本医薬品をどういうふうにして使い始めるのかというところの整理が極めて重要だろうと思います。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。黒川委員、どうぞ。
○黒川委員
ありがとうございます。私のほうから2点、御説明申し上げたいと思います。既に先生方から御指摘いただいたところでございますが、承認後50年近く経過して、お薬のプロファイル、有効性・安全性等については、それこそ手応えという感じで先生方には明らか。そもそも、以前に医師の診断・治療を受けた人に限るという縛りの中で、患者数が840万人というデータがございますが、そういう状況を踏まえますと、スイッチOTCとして社会において大変重宝される、安全性の高い医薬品ではないかと考えます。よろしくお願いいたします。
○笠貫座長
効能・効果が診断名として片頭痛・緊張性頭痛と書いてあるのですが、OTC化に当たって、先ほど専門学会からも推奨されましたし、薬剤師の方からも推奨されたように、どういった症状として効能・効果を考えるのでしょうか。これは、平山先生か専門の先生にお答えいただきたいと思います。はい。
○平山参考人
平山です。竹島先生は日本頭痛学会の副代表理事ですけれども、脳神経外科学会専門医•指導医である私も日本頭痛学会の代議員であります。多くの場合は、皆さんが先ほどおっしゃったように、2次性、要するにくも膜下出血とか頭蓋内に出血したという疾患はどうするのだという話も、基本的にはまず医者の診断が大切です。それも普通の医者じゃなくて、さらには単に日本脳神経外科専門医ではなくて、日本頭痛学会の専門医・指導医を持った医者(頭痛専門医・指導医というのは一般にオープンされている)に診てもらって、診断をちゃんとつけた上で、これはくも膜下出血ではない、またはそれ以外の疾患、2次性のものじゃないというのを診断した上での話ですので、特に問題ないと思います。
ですから、先ほど心配されたようなことを我々も心配していますので、まず医者が指導して、きちんとした上でやるということです。症状がないというのではなくて、頭痛で1月に15回も痛み止めの薬を飲むとか、トリプタン製剤を飲むとか、NSAIDsを飲むとか、そういうことをやっていた人に、これをうまく使っていけば非常に有効だということで、日本脳神経外科学会は、日本頭痛学会及び日本神経学会と一緒にこれを認めるという方針になっております。以上です。
○笠貫座長
分かりました。医師の診断で危惧される病気が除外された方々で、なおかつ頭痛が月に頻回に起こるという方々の症状に対して、ということになりますね。
○平山参考人
そのとおりです。先ほども言いましたけれども、それ以外の予防薬として、例えばデパケンとかセレニカRとか、こういうバルプロン酸はてんかん薬なのです。一般の患者には非常にハードルが高くて、怖がる人もいらっしゃる。実際、もう一回言いますけれども、副作用が非常に重篤で、若い女性に多いのですね。詳しくいいますと、子供を産んだときにその子供に脊椎破裂の疾患が非常に多いのです。ですから、そういうことも考えると、この薬が利用できれば非常に有効だというのが日本脳神経外科学会の考え方です。以上です。
○笠貫座長
ありがとうございます。長島委員、どうぞ。
○長島委員
今、御指摘があったように、効能・効果に関しては、単なる頭痛の予防ではなくて、さっき言っていただいたような症状があった場合ということを明記すべきと思います。以上です。
○笠貫座長
この書き方については、まだ検討が必要だと思いますが、特異な位置づけとなる成分のOTC化に関する議論になったと思います。この50年という歴史があって、そのニーズもあるという薬に対して、どう対応していくかについては、今の議論を少しまとめさせていただきたいと思います。再発の症状の予防をどう判断するか、服用期間をどうするか、適正使用を担保するためのチェックリストあるいは薬剤師の研修、指導も大事だという、議論がなされました。そういうことを踏まえて、パブリックコメントを実施していただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、そういう形でお願いします。次は、事務局から資料11をお願いします。
○事務局
事務局から資料11の説明をさせていただきます。187ページでございます。「要望の取下げについて」と題した資料でございます。スイッチOTC化の要望が提出されておりました2つの候補成分、1つは平成29年度に要望された酒石酸トルテロジン、もう1つは平成30年度に要望されておりました栄養成分31成分について、要望者より要望を取り下げる旨の連絡があり、受理いたしましたので、御報告いたします。以上でございます。
○笠貫座長
ありがとうございます。それでは、委員の先生方から特に御意見ございませんでしょうか。どうぞ。
○長島委員
長島です。全体を通じてですけれども、前半の部分で私、意見を申し上げる機会がなかったものですから、後ほど文書等で意見をお伝えさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○笠貫座長
お願いします。資料11については御確認いただいたものといたしまして、本日の議題はすべて議論させていただきました。できるだけ多くの方々の御意見をお聞きしたいということで、時間が少し超過しましたことをお詫びいたします。資料2~4については、検討会議での課題について、十分な対応策がとられてOTC化が進められていることを確認できましたが、それについてはさらにフォローアップも必要だろうと思いました。
それから、今日議論いただきました6候補成分は、それぞれ質的に異なる重要な候補成分が議論されたと思います。検討会議で、課題を抽出して、その課題解決について十分議論し、課題解決については、短期的にできるもの、あるいは中長期のもの、あるいは長期的なものにわたりますし、スイッチ化するに当たって、各々の解決策について、多くの人が賛意を示しているもの、あるいは意見が全く分かれているもの、あるいは少数意見のものといろいろ出されたように思います。これをどういうふうに反映していくか、最初にお話ししましたが、この検討会議の進め方を少しずつ充実していきたいと思います。
これまでの評価会議では、それぞれの課題解決を条件にして採用になったもの、あるいは難しかったものもあったと思いますが、これからは採否の議決を取りませんので、課題抽出と課題解決のための対応をどう考えるかについて、パブリックコメント後の会議ではさらに議論を深めたいと思います。そして、スイッチOTC化に向けて、課題解決をどう重みづけをしながらスピードアップしていくかについて、会議の役割を果たしていきたいと思いました。本会議の進め方としての難しさを改めて感じましたし、座長が務まるのかと思いながら、これで前進できるという方向性が立ったように思います。
それでは、本日の議題は以上でございますが、そのほか事務局のほうから何かありましたら、お願いします。
○事務局
本日も長時間にわたりまして御議論いただきまして、本当にありがとうございました。次回の検討会議の詳細につきましては、また追って御連絡いたします。御多用のところ、恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。
○笠貫座長
それでは、これで第18回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」は終了とさせていただきます。今日の議論は3時間でも足りない、まだいろいろ議論があると思いますので、ぜひ事務局のほうに上げていただきたいと思います。パブコメに出す前にも、事務局に整理していただき皆様にお諮りした上で、国民のより多くの意見が反映されるようなパブコメを行いたいと考えています。それを踏まえて、次回には、さらに踏み込んだ議論による結果を審議会に上げたいと思います。
それでは、長時間にわたりまして御協力ありがとうございました。
検討会議後に提出された構成員意見
(了)
<照会先>
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 2737、4225)
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議> 第18回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(2022年1月14日)