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2019年12月18日 第9回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議

○日時

令和元年12月18日(水) 10:00~12:00

 

○場所

AP新橋虎ノ門 C、D会議室(11階)
東京都港区新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル(日本酒造虎ノ門ビル)

○出席者

出席委員 

五十嵐委員、乾委員、上村委員、宇佐美委員、小縣委員
柿田委員、笠貫委員、近藤委員、佐藤委員、宗林委員
高野委員、長島委員、部坂委員、矢口委員、湯浅委員

     

出席参考人

子田参考人
 
 

 

○議題

1.スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望状況について
2.パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の妥当性について
3.要望品目のスイッチOTC化の妥当性について
4.その他
 

○議事

 

 

 

○医薬品審査管理課長

 定刻になりましたので、ただいまより、「第9回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催いたします。本日は門田委員より御欠席との御連絡を頂いております。また、少し到着が遅れている先生もおられます。現在のところ、13名の先生に御出席いただいております。

 また本日は資料3と資料6の関係で、関係する学会の参考人の先生にお越しいただいております。元日本整形外科学会社会保険等委員会委員、日本臨床整形外科学会社会保険等検討委員会アドバイザーの子田純夫先生でございます。どうぞよろしくお願いいたします。カメラ撮影はここまでとさせていただきます。カメラ撮影の方は御遠慮ください。以降の進行を笠貫座長にお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○笠貫座長

 それでは、本日の配布資料の確認を事務局からお願いいたします。

 

○事務局

 資料につきましてはペーパーレス化を実施しており、各委員におかれましてはお手元のタブレット端末で資料を御確認いただきますようお願いいたします。タブレット端末は資料、議事次第を画面に表示した状態で配布されております。他の資料の表示の際には画面左上のマイプライベートファイルをタップしていただきますようお願いします。なお、タブレットの使用方法についてはこれまでと同様にペーパーレス審議会タブレット操作説明書を机上に配布しておりますので、こちらを御確認いただければと思います。資料のページ数が多いものもありますので、任意のページを指定して表示する方法、操作説明書2ページ目の一番上の「(2)の任意のページを指定して表示する」も御活用いただければと思います。

 本日の資料として、マイプライベートファイルに表示されている順に御説明いたします。まず、前回の第8回資料フォルダです。当日配布資料1、スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望理由について。資料0、議事次第・配布資料一覧。資料1、評価検討会議における検討の進め方。資料2-1は平成29年度要望一覧、資料2-2は平成30年度要望一覧、資料2-3は令和元年度要望一覧です。資料3-1~資料3-2でエペリゾン塩酸塩、資料4-1~資料4-2で同じくモサプリドクエン酸塩水和物、資料5としてドンペリドン、資料6としてメナテトレノン、資料7としてポリカルボフィルカルシウムの「チェックシートに記載が望まれる項目」、資料8としてセルフチェックシートの検討の流れについて、資料9として評価検討会議の中間まとめ方針案。参考資料は14までまとめて1つのファイルにしております。最後に第9回の座席表・委員名簿となっております。資料関係は以上です。タブレットの不具合、資料の不足等がありましたら事務局までお申し付けください。よろしくお願いいたします。

 

○笠貫座長

 ただいま御説明ありましたが、タブレットの不具合等がありましたらお知らせください。

 前回会議は今年725日に開催しておりますが、事務局からその後の進捗について説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料1及び資料2を用いて御説明させていただきます。まず、資料1を御覧ください。スイッチOTC医薬品の候補となる成分について、要望の受付を開始した201685日から本年11月末までの要望状況について取りまとめたものになります。変更点は、資料左上の要望の件数で、令和元年度の要望件数について1件要望を受け付けましたので、2件と記載しております。詳細については後ほど資料2で御説明いたします。また、資料の中程から下の「候補成分の公表」について、前回会議で1成分ポリカルボフィルカルシウムが、OTC化が妥当と判断されておりますので、前回3件から平成29年度要望のところを4件と更新しております。次のページ裏面も同様の箇所を更新しております。資料1の関係については以上です。

 続きまして、資料2についてです。まず、資料2-1を御覧ください。こちらは平成29年度の要望状況を取りまとめたものとなります。3ページ№13ポリカルボフィルカルシウムは前回会議で、OTC化妥当と判断されておりますので「可」と記載しております。また№10のドンペリドン及び№14のメナテトレノンについて、医会・学会の見解がそろいまして、議論の準備が整いましたので、本日第1回目の御議論を行っていただくこととしております。進捗については4ページを御覧いただければと思います。

 続いて、資料2-2を御覧ください。平成30年度の要望状況を取りまとめたものです。№1のエペリゾン塩酸塩、№2のモサプリドクエン酸塩水和物については、前回第8回会議で1回目の議論を行い、パブリックコメントが終了しております。本日2回目の議論を行っていただくこととしております。進捗については3ページを御覧いただければと思います。

 続きまして、資料2-3を御覧ください。令和元年度の要望状況を取りまとめたものとなります。1ページの2番、こちらが新しく要望されたものとなります。フルチカゾンフランカルボン酸エステル、医療用はアラミスト点鼻液となります。こちらは花粉による季節性アレルギーの症状の緩和の効能・効果で、個人以外の方から御要望いただいております。進捗については2ページ目に示しております。資料2の関係については以上です。

 

○笠貫座長

 資料1、資料2の関係について事務局より御報告いただきました。御確認いただいたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 続きまして、前回議論しました成分についての議論に移ります。1成分ずつ、事務局から御説明いただき議論したいと思います。資料3からお願いいたします。

 

○事務局

 資料3-1を御覧ください。1ページ目、エペリゾン塩酸塩の検討会議結果()となります。前回資料を御確認いただく場合は、タブレットの第8回資料のフォルダから、資料4を御覧いただければと思います。前回会議では、腰痛・肩こりは背景に様々な疾患が潜んでいる可能性があり、自己判断が難しいことなどから、OTC化は「否」とされたところです。

 資料3-2を御覧ください。パブリックコメントを行いました結果、3件の御意見が提出されております。OTC化に賛成の意見が2件、反対が1件でした。OTC化に賛成の御意見の主な内容として№1、自己判断について腰痛・肩こりを効能・効果とするOTCは、消炎鎮痛剤をはじめ、一般的に設定されており、これらの自己判断に伴うリスクはOTCとして許容可能な範囲と考える。№2のほうは、日常的に腰痛や肩こりがある場合、それが筋緊張性のものか、経験したことのない痛みなのかについては、本人あるいは薬剤師が判断しやすい症状の1つである、といった御意見が提出されております。一方、OTC化に反対の御意見ですが、№3OTC化について然程適切性が高いわけではないと思われた、といった御意見が提出されております。

 御意見を受けまして、事務局としては既に腰痛・肩こりを効能・効果とするOTCが多数存在することから、検討会議結果()の、「腰痛、肩こりは背景に様々な疾患が潜んでいる可能性があり自己判断が難しいこと」との記載は削除してはどうかと考えているところです。以上です。

 

○笠貫座長

 各委員の先生方から御意見を頂く前に、子田参考人から御意見がありましたらお願いいたします。

 

○子田参考人

 日本臨床整形外科学会、日本整形外科学会から来ています子田と申します。よろしくお願いいたします。ただいま事務局からもお話しいただきましたけれども、既にOTCになっている2剤があるということも踏まえまして、この文章は削除も仕方ないかとは思いますが、この辺が医師としては一番気になるところで、隠れた疾患があり、それを見逃している、それから診断が遅れてしまうことは非常に危惧するところであって、意見とということでよろしいですので述べさせていただきます。そのほかに関しては今まで前回の会議で皆さん検討されたことですので、これは認めさせていただきたいと思います。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。ほかの委員の先生方から意見はありますか。

 

○長島委員

 自己判断が難しいというのはちょっと適切ではないということはあるかもしれませんが、自己判断による危険性があると、つまり様々な疾患が潜んでいるから自己判断だけで行うことによる危険性があることは言えるかと思うので、そのような言葉にすればいいのではないかと思います。

 

○笠貫座長

 いかがですか、御意見はありますでか。本品目は、副作用の問題が多いということで、スイッチOTCは困難だということでしたが、一般論として症状から見るといろいろな疾患が潜んでいる可能性があることは、多くの薬剤でもあり得ることであり、これをパブコメの意見も踏まえた上で削除ということで、OTC化は「否」とするかどうかという御意見ですが、いかがでしょうか。

 

○乾委員

 長島委員のおっしゃっておられることはよく分かりますけれども、ただ、ほかの効能等とかもありますし、また今既に出ている一般用医薬品等のことも考えますと、当然ながら潜んでいる重篤な疾患というのは、症状によってはあるという危険性は間違いないことですけれども、あえてここの部分だけ削除というのは、私はそうした方がいいのではないかと思います。

 

○笠貫座長

 削除したほうがいいという御意見ですね。

 

○乾委員

 はい。

 

○笠貫座長

 ほかには御意見はありますか。

 

○長島委員

 「否」とする最大の理由は、副作用の懸念ということかと思いますので、ここの一番最初の所にそれほどこだわる、この「否」とする理由としてこだわる必要はないと私も思います。

 

○笠貫座長

 ほかには御意見はありませんか。それでは、パブリックコメントを踏まえた上で、合意が得られたこととさせていただきます。ありがとうございました。

 続いて、資料4の説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料4-1を御覧ください。資料4-1はモサプリドクエン酸塩水和物の検討会議結果()となります。前回の資料を御確認いただきたい場合は、タブレットの第8回資料のフォルダから資料5を御覧いただければと思います。前回会議では、最長の服用期間は2週間とすることなどを条件にOTC化は「可」とされたところです。

 次のページ、資料4-2を御覧ください。パブリックコメントの結果、1件の御意見が提出されており、OTC化に反対との御意見でした。その内容としては、「副作用について見てみたが、人に強制的に過大なストレスを発生させたのと同様の反応のように思われ、あまり賛成出来ないと思われた。肝機能障害の報告もあるとの事であるので、処方箋を要する医薬品、又は医療用医薬品の範囲でとどめるのが適切ではないかと思われた」といった御意見が提出されております。

 副作用に関する御意見ですが、3ページ目の参考資料を御覧ください。こちらは医療用添付文書におけるモサプリドクエン酸塩水和物と同種同効薬の副作用を比較した資料になります。左側から本検討品目のモサプリドクエン酸塩水和物、本検討会議で「可」となりましたイトプリド塩酸塩、一番右が既にOTC化されておりますトリメブチンマレイン酸塩です。臨床試験又は使用成績調査等における副作用発現割合については、二重下線を引いております。また副作用のうち、肝機能障害関連の症状、ストレス症状に類似すると考えられる症状については下線を引いております。なお、ストレス症状に類似すると考えられる症状については、資料の表の下に記載しております厚生労働省のホームページ、「こころの耳」の内容を参考にしております。モサプリドクエン酸塩水和物の副作用は、同種同効薬の副作用と比較して大きな差異は認められないのではないかと考えているところです。説明は以上です。

 

○笠貫座長

 それでは上村委員から、御意見、補足がございましたらお願いいたします。

 

○上村委員

 この副作用に関しての件だと思うのですけれど、ガスモチンですが、前回、前々回か、ここでOKになったガナトン(イトプリド)、それからもうOTCになっているセレキノンとを、この副作用の表で比較しても明らかですが、副作用は多くはないと思います。私どもも実際に使っておりますけれど、それほど大きな副作用に出会ったことはないし、この0.1%、0.2%未満という副作用の頻度というのは、どの薬にもあるようなものであって、問題にする必要はないのではないかと個人的には考えております。以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。湯浅委員から御意見ございましたら、お願いいたします。

 

○湯浅委員

 モサプリドクエン酸塩というのはアセチルコリンの分泌を促進させて、胃腸の運動を活発にするという薬で、胃腸にだけ働くということで、上村委員もおっしゃったように副作用は非常に少ないと思いますので、OTC化は「可」と考えます。注意点として、これも本当にまれなのですけれども、肝機能障害が起こることがありますので、服薬後の状態、例えば怠いとか食欲がないとか、皮膚や白目の部分が黄色いとか、尿が紅茶色になったとか、そういった症状を薬剤師の方もしっかりとチェックしていただければいいと思いますし、2週間を上限としてOTC化を認めるということでよろしいかと思います。以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。それでは、ほかの委員の先生方から御意見ございますか。

 

○長島委員

 副作用を御心配されている御意見かと思いますが、その点に関しましては、「使用者、薬剤師等が販売時に副作用や注意すべき点などがチェックできるセルフチェックシートを作成すること」ということをきっちり書いておりますので、そこを厳重に守っていただくということで対応可能ではないかと思います。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。ほかにはございませんでしょうか。

 

○宗林委員

 要望内容の所の効能・効果なのですけれども、胸やけ・はきけ(むかつき)・嘔吐というふうに書かれているのですが、この症状は割といろいろなことで出るものだと思うのです。例えば神経系に当たるわけではなくて、今、先生がおっしゃったように、胃腸を活発にすることによって起きた嘔吐ということなので、例えば便秘気味のときとか、お腹が張ったときの嘔吐とか、セルフチェックシートはもちろんあると思いますけれども、OTCの箱を見たときに、そういうようなときに発生した嘔吐とか胸やけであることが、消費者に分かる言葉が何か付いたほうが分かりやすいのではないかと思います。後で出てきますが、本当の神経系のはきけ止めなどとは異なるわけですけれども、そういったものの場合でも、この効能・効果だけを見てしまうと、「あっ、いいのかな」と思ってしまうので、多少何か適切な言葉というのは付けることはできないのでしょうか。そのほうが分かりやすいと思うのですが。

 

○笠貫座長

 特に御意見がほかになければ、飲んだ後の症状がどうかということもセルフチェックシートに反映されたものがないかという御指摘と、それから、チェックシートだけではなくて、箱などに何か工夫ができないかということも、OTC化された後の部会や、PMDAで御検討いただくように伝えていただきたいと思います。

 それでは、ほかにございませんでしたら、モサプリドクエン酸塩水和物のスイッチOTC化について、再度御確認をさせていただきます。パブリックコメントにおいて貴重な御意見を頂きましたが、既にOTC化されている、又はこの検討会議で「可」とされた同種同効薬と同様に、安全に使用可能と判断されることから、OTCは「可」ということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、この成分の今後の進め方について、事務局より説明をお願いいたします。

 

○事務局

 本日御議論いただいた内容につきましては、会議結果を事務局にて取りまとめさせていただいて、資料1にありますとおり厚生労働省のホームページで公表させていただくとともに、薬事・食品衛生審議会に御報告させていただきたいと考えております。その後、各企業より薬事承認申請がなされましたら、医薬品医療機器総合機構において個別の審査を行っていただくということになります。機構の審査の中では、本検討会議で御議論いただいた留意事項の反映状況の確認を行うことはもちろんのこと、従来どおり、科学的見地から薬事承認に当たって必要となる資料等は個別に審査の中で求めていき、薬事・食品衛生審議会での御審議を経て承認という運びとなりますので、よろしくお願いいたします。説明は以上です。

 

○笠貫座長

 それでは続きまして、要望品目のスイッチOTC化の妥当性について、説明をお願いいたします。まず、資料5につきまして、事務局より概要説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料52ページ目を御覧ください。成分名はドンペリドンです。要望された効能・効果は、はきけ、嘔吐等で、個人以外からの要望があったものです。対応する医療用医薬品はナウゼリン錠10で、効能・効果はこちらに記載されているとおりです。

 3ページ目を御覧ください。本成分は制吐作用を有する薬剤であり、1982年に承認されたものです。再審査結果は1990年に通知されており、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されたものです。

 続いて安全性に関する情報です。5ページ目を御覧ください。本剤は、禁忌に妊婦又は妊娠している可能性がある婦人等が設定されており、重大な副作用はショック、アナフィラキシー様症状等が設定されております。

 続いて6ページ目を御覧ください。推定使用患者数等として、胃腸薬全体として419億円の市場規模が示されております。

 海外での承認状況については、7ページ目を御覧ください。現時点で本成分は欧米等6か国において、一般用医薬品として承認されておりません。英国では2014年に薬局専用医薬品から医療用医薬品に、いわゆるスイッチバックをされているところです。つまり、薬局専用医薬品のドンペリドンと医療用医薬品のドンペリドンが存在していたものが、2014年に薬局専用医薬品のドンペリドンがなくなったということです。

 少し飛んで11ページの右上ですが、添付文書の10.その他の注意を御覧ください。外国において重篤な心室性不整脈及び突然死が報告されていることが2012年に追記されております。これがスイッチバックの要因ではないかと考えております。

 9ページに戻って、同種同効薬の状況についてですが、同効薬としてトリメブチンマレイン酸塩を含む製剤がはきけ等の効能でOTCとして承認されております。

 少し飛んで18ページを御覧ください。医学会・医会等からの見解です。まず、日本消化器病学会からは、OTC化は「否」との見解を頂いております。「否」の理由として、「妊婦では禁忌となる薬剤であり、妊娠を自覚する前の妊婦が内服する可能性が高い薬剤である」と、「海外においては心室性不整脈、心停止の報告があり、注意喚起されている」といったことを挙げていただいております。

 19ページですが、日本臨床内科医会からも学会と同様の理由でOTC化は「否」との見解を頂いております。

 続いて20ページですが、関係業界として日本OTC医薬品協会からの見解を頂いております。OTCとすることの可否については、最大包装量の制限、チェックシートによる対象者の確認を前提に、OTCとすることは「可」との御意見を頂いております。心臓への有害作用のリスクや妊婦禁忌の対策として、チェックシートによる対象者の確認が必要との御意見を頂いております。説明は以上です。

 

○笠貫座長

 それでは上村委員から、御意見、補足がありましたらお願いいたします。

 

○上村委員

 消化器病学会のほうからの意見のように、私もこのように思います。また、英国でスイッチバックされている薬ですから、やはりOTC化はまずいのではないかと思います。

 ただ、これは後で議論になるかもしれませんけれど、このOTC医薬品協会の意見と学会等の意見や見解はものすごく乖離があるのですね。この薬に関してOTC協会が、学会の意見でもある妊婦に関する可能性に関しては、セルフチェックシートでの確認ということですが、心室性の不整脈、また英国でのスイッチバックの問題などは、OTC協会のこれを作成している方に、やはりもう一度フィードバックして、これをどう考えるのかということは考えていただきたいですね。これを見ていると、学会との意見の見解の相違が大きい場合があるので、そういう場合にどのような対処をするのかということも、今後考えてもいいのではないかと思いました。以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。それでは、湯浅委員からお願いいたします。

 

○湯浅委員

 繰り返しになりますけれども、日本消化器病学会と日本臨床内科医会の見解と同様で、ドンペリドンのOTC化を不可と考えております。理由は2点あって、いずれも副作用に関することで、1点目は添付文書に「妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと」とありますけれども、妊娠を自覚していない妊婦が内服する可能性があるからということです。もう1点は、本薬剤によって、恐らくこれはQT延長によるものと思われますけれども、心室性不整脈、それに続く突然死が報告されているということで、日本OTC医薬品協会がチェックリストで確認できないかということですけれども、QT延長に関しては服薬後に心電図で確認するしか方法はありませんので、チェックシートでの確認は難しいと考えております。また英国においては、本薬剤のスイッチバックが行われているということも考え合わせますと、本薬剤のOTC化は現在のところ不可ではないかと考えております。以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、この成分についての御意見、ほかの委員の方からございますでしょうか。

 

○長島委員

 今のお二人の先生の御意見のとおりかと思います。これだけ副作用が明らかであって、それがセルフチェックシート等では、とても事前に見ることはできないということは明らかですので、これは当然「否」とすべきかと思います。

 

○笠貫座長

 ほかにはよろしいでしょうか。QT延長と心室細動、トルセード・ド・ポアンツによる突然死については、私はICHE14の専門委員として、FDAEMAと日本との議論にも参加していましたが、この副作用の予測・予知は非常に難しいということが、そこでも議論されました。非臨床試験だけでは難しく、臨床試験をやらなくてはいけないということになり、2005年以降はかなり厳しいチェックが必要になっているのですが、本品目が承認されましたのが1980年代でしたよね。非常に歴史のある薬で、世界で、欧米でもOTC化されていました。それが突然死という報告がなされて、スイッチバックになったということです。

 これは、日本では1982年からですから、非常にたくさんの消費者に使われており、欧米でもそうだと思うのですが、こういった副作用が英国できちんと評価されて、それが世界中で共有され、その結果としてスイッチバックされた。そういう意味ではグローバルな情報をきちんと共有できるということでは大事なことだと思います。先ほど議論に出ましたOTC協会からの意見ですけれども、これも備考の欄で2010年に一般用医薬品の成分として適当であるという結論が、一般用医薬品部会で出ているということでお出しになったのだろうと思うのですが、協会だけの問題ではなくて、こうした稀な副作用の評価は非常に難しいということを、皆さんとここで共有できるのではないかと思います。

 しかも、そうした薬をOTC化した場合の後の副作用の報告については、非常に頻度が少ないものであっても、世界の情報を共有した中でスイッチバックもあり得るという、セーフティネットがあることを確認できたという意味で、非常に貴重な経験ができた成分であったと思います。それ以外には御意見は。

 

○宗林委員

 ナウゼリンなどは処方箋薬で、私も「否」でいいと思うのですけれども、この場合QT延長などが、実は処方箋薬でも起こっている現状があるのか、あるいはそれは自覚症状で何か分かるのか、多分病院でも心電図を取ることもしていないかなと思うのですが、この辺りは継続的に飲んでいるナウゼリンを出されるときのチェックは、御本人もですけれども、何か目安とかあるのでしょうか。質問です。

 

○笠貫座長

 消化器の先生が臨床の現場でナウゼリンを処方したときに、心電図でチェックしていらっしゃるかという御質問だと思うのですが、いかがでしょうか。

 非臨床試験と臨床試験では、きちんと評価すると思うのですが、臨床の現場では、特にQT延長のある方とか、あるいは心不全のある方や高齢者とか、先天性QT延長症候群がある方の場合には、むしろ使わないか、使ったときには心電図チェックはすると思うのですが、一般的には心電図はとられていないのではないかなと思います。

 

○医薬品審査管理課長

 今、座長がおっしゃっていただいたように、E14とか2010年より後の動きであったりで、新しい薬などについては、臨床などでしっかり見ていくというグローバルなスタンダードがございます。このドンペリドン自体は、かなり古いお薬ですので、そういった時代のものではないのですけれども、一方で臨床の現場では、これも座長が御紹介いただいたように、患者さんの既往歴とか状態、あるいは年齢などを見ていただきながら、お一人お一人に合うものを処方していただいているものと、私どもとしては理解しております。

 

○笠貫座長

 ということで、よろしいでしょうか。

 

○湯浅委員

 仮にドンペリドン服薬のすべての患者に心電図を撮ってもQT延長などの心電図上の異常を100%確認できるかどうかというと難しいと思います。

 特に心電図には自動判定機能が付いていて自動的にQT延長などの異常値が提示されますが、これを鵜呑みにすると心電図の診断を間違えてしまうことがあります。実臨床のなかで、こういった異常を正確に診断するのは難しいのではないかと思っております。ただ、一度でも心電図を撮るということは、やはり必要なことであるとは思います。

 

○上村委員

 事務局にちょっとお願いしたいのですが、まず、英国でのスイッチバックされたデータ、要するに心室性の不整脈等々のことだと思うのですが、それの数字がどういう形で出ているか、根拠は何なのかということを、今、分かればお教えください。また、数字まで分からないと思いますから、できれば。

 それからもう1点です。日本でこのような、これはめちゃくちゃ古い薬ですから、PMDAでは最近やっているのかもしれないけれど、やはり有害事象、副作用報告、こういうものがドンペリドンでどれだけ出ているか、PMDAのほうに問い合わせれば、ある程度分かるのではないかと思うのです。実現場からはPMDAに全部出しませんから、それは一番少ない数字だと思いますが、そういう資料や数字が根拠として議論がなされなければ、ここで印象だけ話しても仕方ないのです。そういうことをできればお願いしたいと思います。

 

○医薬品審査管理課長

 御指摘承りました。今日はここに用意がないものですので、後ほどまとめまして、あるいは既存のものなりを御用意して、先生方にまずはお送りしたいと思います。英国でのスイッチバックのときの具体のエビデンス、それから国内でのドンペリドンでの副作用の発生状況を承りました。

 

○長島委員

 日本においてスイッチバックをするというシステムがあるのか、あるいは過去に実例があるのか、この場でなければ後でも結構なのですが、ちょっとそこのところをきちんと分かりやすくまとめていただいたほうが、ここでスイッチ化したけれども、後でいろいろな報告があったときにどうするのかということも考えておく必要があると思うので、その辺を分かりやすく一度まとめていただけると有り難いと思います。

 

○医薬品審査管理課長

 承りました。次回でよろしいでしょうか。

 

○長島委員

 はい。

 

○医薬品審査管理課長

 了解いたしました。

 

○笠貫座長

 ほかには御意見ございませんか。スイッチバックが日本でどのように行われることがあったか、これから海外あるいは日本でそういった問題が出たときに、速やかにスイッチバックできるシステムを、どう構築しているか、これから構築していくべきかということについては大事なことですので、次までに事務局にまとめていただけたらと思います。科学的根拠に基づくということから、先ほどの英国でのデータ、あるいは日本での副作用報告について、御確認をお願いできたらと思います。

 それでは特にございませんでしたら、このパブコメに当たりましての、この検討会議としての方向性をまとめたいと思います。ドンペリドンは妊婦禁忌であり、妊娠を自覚する前の妊婦が内服する可能性があること、海外で心室性不整脈、心停止の報告があり、注意喚起されているということから、OTCは「否」と判断してパブコメに進めるということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

 

○笠貫座長

 それでは、そのような内容でパブコメを実施させていただくようにお願いいたします。続きましてメナテトレノンにつきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料6を御覧ください。2ページ、成分名はメナテトレノンです。要望された効能・効果は、軽度の骨密度低下を健康診断等で指摘された者での骨粗鬆症の発症の予防です。個人以外から要望があったものです。対応する医療用医薬品はグラケーカプセル15mgで、効能・効果は骨粗鬆症における骨量・疼痛の改善です。

 3ページ、本成分は骨形成促進作用及び骨吸収抑制作用を有するビタミンK2であり、1995年に承認されたものです。再審査結果は2009年に通知され、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されたものです。

 4ページは、安全性に関する情報です。本剤は禁忌として、ワルファリンカリウム投与中の患者が設定されています。重大な副作用は該当なしとされております。推定使用患者数等の欄ですが、ビタミンK2を含む多くの健康食品、サプリメント等が販売されている状況です。

 6ページは、海外での承認状況です。本成分は欧米等6か国において一般用医薬品として承認はされておりません。一方で、欧米等6か国においても、日本と同様に健康食品などとして取り扱われている状況です。

 12ページは、医学会・医会の見解です。まず、日本整形外科学会からは、OTC化は「否」との見解を頂いております。「否」の理由として、健康診断等で使用される骨密度測定器は正確性に問題がある。この結果で「軽度の骨密度低下」と診断するのは薬剤師となり、医師法に抵触する。またこの薬剤は、血液検査等を行いながら慎重に投与するもので、OTC化には馴染まないものと考えるといった御意見を頂いております。

 13ページ、日本臨床整形外科学会、こちらからもOTC化は「否」との見解を頂いております。「否」の理由として、本剤の適応は骨粗鬆症と診断が確立された患者が対象となっており、骨量減少が疑われるだけでは投与の対象とならないためといったことを挙げていただいております。

 15ページ、関係業界としてOTC医薬品協会から見解を頂いております。OTCとすることの可否については、「可」との御意見を頂いております。「可」の理由としては、現在、特定保健用食品等の健康食品において、ビタミンK(メナテトレノン)は骨の健康・維持に役立つ成分として、カルシウムやビタミンDとともに広く摂取されている。医療用医薬品として有効性及び安全性が確認されているメナテトレノン製剤を一般用医薬品に転用することで、骨粗鬆症の発生予防や高リスク患者の受診勧奨に繋がることも期待できる。本剤は重篤な副作用報告もなく、ワルファリンカリウムとの併用を避ける旨の周知徹底がなされていれば、その安全性は確保できるといったことを挙げていただいております。説明は以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、子田参考人から御意見、補足をお願いいたします。

 

○子田参考人

 それでは、補足説明という形になりますが、両学会からの話についてです。まず、健康診断で指摘されてと記載されており、日本整形外科学会も日本臨床整形外科学会も触れておりますが、例えば、区市町村で行っている健康診断等では、一応、引っ掛かった者に対しては、医師の診察、要するに、2次診断をきちんと受けるというような形で対応されているのですが、ここで問題になっているのは、多分、いろいろなイベントの中で、本当に簡単な、臨床整形に書いてありますQUSという名前の踵骨を使った超音波で行う骨密度測定器があり、これに関しては、実際には骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015という一番新しいものがあるのですが、その中では、これを使って診断してはいけないことになっています。

 もう少し正確なものを使ってやりましょう。一番大切なのは、腰椎、若しくは、大腿骨の頸部のDEXAというものを使った検査のデータで診断を付けてくださいということになっています。QUSは、どのように使うかというと、スクリーニングとして、この検査を使ってくださいということになっていますので、これである程度の診断というか、骨密度低下を判断して治療を進めることは良くないと考えております。

 診断基準の所で、骨密度が低下してるだけで診断してはいけない、鑑別診断が非常に重要であり、鑑別診断で本来の原発性骨粗鬆症なのかどうかということも診断していかないと治療を誤るということです。それと、この薬は実際には、ビタミンKの不足している方に対して使うものであって、骨粗鬆症全体で見ますと、ほとんど数としては少なくなってくるのではないか。治療に関して、これを使うときにはどのように考えるかというと、いわゆるマーカーというものがあり、骨形成マーカー、骨吸収マーカー、それにこのビタミンKに関しては、低カルボキシル化オステオカルシン、ucOCというものを使ってビタミンKが不足しているかどうかを確認して、その場合にこの薬を使うということで本当に限定的な薬です。それを骨粗鬆症全体に対して、これでいいのだということには全くなりませんので、やはり医療の関与が必要、医師の判断が必要と考えております。簡単ですが以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。ほかの委員の先生方から御意見はありますでしょうか。長島委員どうぞ。

 

○長島委員

 事務的にいうと、17ページ以降のインタビューフォームの向きが縦になってますので、これはきちんと横に整えてください。肝心の問題ですが、1つは、この医薬品の開発あるいは臨床試験等は、骨粗鬆症と診断された患者に対して行っているものであり、そこに対する有効性や安全性をきちんと検証したもので、発症の予防は全くやっていないのです。それに対して、効能が骨粗鬆症発症予防となっていて、これはもう全く違うことです。全く根拠のないことをやることになると、当然、その時点で既に「否」となります。

 先ほど、参考人からも御紹介がありましたように、骨粗鬆症とまず診断しなければいけないし、なぜ骨密度が低下しているかという原因も様々で治療法も様々です。きちんと、その方を診察して、その方の状況に応じた治療法の中の一部として選ばれるものであり、単なる骨密度が低下、それも本当に低下しているかどうかもはっきり分からないようなものに対して、いきなり予防のために投与するものでは全くないということで、これも「否」となります。

 3つ目は、このスイッチOTC化に関して日本医師会はどのような薬がふさわしいかというのは、ずっと今までも述べてまいりましたが、もう一度述べたいと思います。まず、自覚症状があり、比較的短期間の使用で改善が期待でき、自ら服用の中止が判断できるものを目安と考えております。これは自覚症状は全くない。したがって、御本人では効果があるかどうかも分からないし、いつやめていいかも分からない。これは短期間でなく、恐らく、かなり長期間になるということで、やはりOTCの対極にあるものと考えております。その3つの理由で「否」とすべきと考えております。以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。ほかに御意見は、どうぞ。

 

○佐藤委員

 佐藤です。日本では健康食品としてビタミンKは認められているというお話と、海外でも健康食品はあると書かれているのですが、この健康食品に含まれるビタミンKの用量について教えていただければと思います。

 

○事務局

 この医療用医薬品では15mgということですが、様々な健康食品がありますが、その用量としては100分の1、それ以下などといった程度の用量が標準的だと思います。

 

○佐藤委員

 ありがとうございます。委員の先生方が「診断が必要」というのは、その辺りの違いが当然あってのことだと思います。資料としてこのようなものが上がってきて健康食品はありますと書かれていて、それに対して「診断が必要だからOTC化は認められない」と言われると、若干、その間に情報の溝がある気がします。この文書の中に、健康食品はあるんだけれども、その用量はこのぐらいである。用量の大きな薬は治療用だから医師の診断が必要で、OTC化は認められないという、真ん中の情報がミッシングリンクになっているので、そこをきちんと入れていただかないと、なぜ海外で認められている健康食品が日本で一般用医薬品として認められないのか、みたいな話になりますので、情報のまとめ方について少し工夫をしていただければと思います。

 それから、もう1つは、この薬では、海外の一般用医薬品の承認状況について、四角の中にチェックが全然なく、前のナウゼリンもチェックがなかったのですが、ナウゼリンでチェックがないことと、この薬でチェックがないことは、若干、意味合いが違う気がするのですが、それについても、一般に公開される資料ですので、違いが分かるようにしていただけたら有難いと思います。以上です。

 

○笠貫座長

 事務局いかがでしょうか。

 

○医薬品審査管理課長

 少し確認させていただきたいのですが、諸外国のOTCの承認があるかどうかのチェックBOXの空欄の意味合いが違うということですが、スイッチバックされた先ほどの品目の英国は、明らかに違っていて注記しているのですが、それ以外に違いというのは。

 

○佐藤委員

 私、少し勘違いをしていたかもしれません。このメナテトレノンについては、海外でも医療用医薬品で、この程度の用量のものがあるということなのでしょうか。

 

○事務局

 海外では、欧米6か国ではないのですが、39ページ、インタビューフォームでは40ページの一番最後に、主な外国での医療用医薬品の発売状況で、20157月現在、タイ、韓国、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム等で販売されていることになっております。

 

○佐藤委員

 ありがとうございます。この薬について、どうという話では多分ないと思うのですが、医療用医薬品としてそもそも使われていないものと、医療用医薬品はあるけれど一般用になっていない薬では、私は違うと思うのです。その辺りの違いが、チェックBOXを見たときに、分かったほうがいいというのが私の印象です。

 

○笠貫座長

 大事な御指摘なので是非。

 

○医薬品審査管理課長

 御趣旨は分かりましたので、以降、どのような表記の仕方にするのがいいのか、例えば、6か国で医療用があってOTCがあるのかないのか、あるいは、医療用はなくてOTCもないのかなど、そのようなことが分かるように考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 

○笠貫座長

 ビタミンKのように、欧米では健康食品だけとして出ているときに、それが何mgなのかということも大事な話です。

 先ほど、日本の食品で入っているのは100分の1とお話があったのですが、それが実際に、最大何mgまで入っているのかということも含めて、もし調べられたら有難いかなと感じました。長島委員からも御指摘があったように、予防という話を、どのように取り扱うのか、医療用医薬品で承認されていて適応に予防が入っているかどうかということは非常に大事な話で、入っていないときに、予防として、ここで出てきたときにどう取り扱うのかということだと思います。

 門前払いというよりも、今、消費者が何を求めているのかを、ここで吸い上げること

は、非常に大事なことだと思うので、そのようなことも、ここで取り上げ、情報として出していただき、「否」かどうかについては、今後のスイッチOTC化という課題だと思います。

 これは過敏性腸症候群のときもそうだったと思いますが、骨粗鬆症の患者さんが1,100万人いて、高齢化社会でどんどん増えており、その中で治療を受けているのは30万人ですという話のときに、国民にとって、骨粗鬆症は骨密度だけではなく、診断名になるまでの間をどのように予防できるかということは、消費者にとっては重大関心ごとなのだろうと思います。

 先ほど、子田参考人から出ましたが、ビタミンK不足で骨密度が下がるのは、ほとんど少ないという情報を発信することも必要ですし、ビタミンKの不足を調べない限りそれを飲むことも意味がないこと、そのデータや情報を提供できればいいのかなと感じました。

 医療用になったときは、確定診断をして治療に入るという基準の話、健診で、先ほど子田参考人から2段階あるという話が出ましたが、超音波検査は簡易とはいえ医療機器ですよね。医療機器で承認されたときに、どの程度の正確度で承認されているのか、添付文書にどう載っているのかということも大事な話になると思います。

 超音波診断機器で低い数値が出たときに、この数値を見て、健康診断医あるいは産業医がどう判断するのか、そしてその判断で予防をどうするのかという話も、広がりとしては出てくるのではないかと感じました。消費者の要望、消費者の健康増進のためにどうしたらいいかということで、幾つかの課題を事務局にお願いしました。それ以外にはありませんか。

 

○高野委員

 健康食品というお話があって、健康食品は効能・効果がうたえないものであり、それと医薬品を何となく並べるのに違和感があったということ。健康食品に認められているというところに関していうと、ある程度、自己管理ができて摂取しても問題ないということが言える背景があるかと思います。この薬剤も忍容性試験で健康成人にかなり高用量を入れて、安全性等も問題ないことが担保されているので、健康食品である程度、エビデンスが出ているということであれば、そういったものも加味しなければいけないとは思いますが、健康食品は何のために服用しているのかというところも含めて、同じ議論をするのに、少し違和感を感じたのでコメントいたしました。

 

○笠貫座長

 今の話をしたのは、国によって医療用医薬品、一般用医薬品、トクホ(特定保健用食品)、機能性表示食品、健康食品というものは、連続したスペクトルにあるところで、最終的にはトータルとして国民の健康増進にどう関わるかという観点から、この会議で消費者のニーズが、どのようなところにあるのかということを議論していただいたと思います。

 

○宗林委員

 セルフメディケーションという意味なのだと思いますが、この健康食品のときに、よく考えなくてはいけないのは、いわゆる保健機能食品として、国が機能性をうたってもいい食品が3種類あり、トクホの場合は第三者が最終製品でエビデンスをチェックし、臨床データを取るという感じになっています。ですので、このように書くときも健康食品の中のトクホである場合は、最終製品での第三者の機能性を認められているもので、どのぐらい入っているか。例えば、予防で認められているのか調べてこなかったのですが、そのような問題があると思うので、その辺を明確に書いていただきたいと思います。いわゆる健康食品なのか、あるいは、栄養機能食品なのか、この場合はトクホだと思いますが。よろしくお願いします。

 

○笠貫座長

 用量については、これからいろいろな問題に関わってくることです。この成分に当たっては、注目すべきだと思います。それでは、特に御意見がないようでしたら、この成分に限ったところでのパブコメを行うに当たっての検討会議としての方向性をまとめたいと思います。

 医療用において、骨粗鬆症の発症の予防の適応がないこと、骨粗鬆症と診断された患者が対象となっており、骨量減少が疑われるだけでは投与の対象とならないこと等を踏まえて、OTCは「否」とするということで判断し、パブコメに進めることとしてよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、続いて、その他について説明をお願いいたします。まず、資料78について事務局から御説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料7及び資料8を御用意ください。ポリカルボフィルカルシウムについては、前回の検討会議において、スイッチ化は「可」と判断いただいたところですが、セルフチェックシートに記載が望まれる項目を取りまとめて、今回の検討会議で報告することとされておりましたので、御報告させていただきます。

 まず、資料7を御覧ください。前回の会議において御意見いただいた内容及び会議後に各委員より御意見いただきました内容を踏まえまして、資料7のとおりにまとめています。項目については、ポリカルボフィルカルシウムの会議結果の留意事項として記載されている、過敏性腸症候群の再発症状に限定し、服用してはいけない人の服用を回避するための8項目をまとめさせていただいております。

 なお書きとして、最後にセルフチェックシートを含む具体的な内容については、その8項目を踏まえて承認審査の過程、具体的にはPMDAでの審査、薬事食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会での議論で最終化されるということを記載しています。

 こちらについては、前回まとめたポリカルボフィルカルシウムの検討結果を厚生労働省のホームページで公開しておりますが、そちらからリンクを貼って閲覧できるようにして、公開させていただく予定としております。

 続いて、資料8を御覧ください。こちらにセルフチェックシートに関連して、前回の検討会議において、セルフチェックシートの検討の流れを説明してほしいとの御意見を頂いておりましたので、こちらで御説明させていただきます。

 まず、黄色の枠で囲っているのが本検討会議で、本検討会議においてスイッチ化に当たりセルフチェックシートについて盛り込むべき事項などがあれば、検討結果として取りまとめを行います。この検討結果を薬食審の部会に報告するとともに、厚生労働省のホームページに検討結果を公表いたします。申請企業は承認申請に当たりまして、この検討会議での検討結果を踏まえ、セルフチェックシート案を作成し、承認申請資料とともに提出をいたします。承認審査の過程、つまりPMDAでの審査及び薬食審の部会において、セルフチェックシートの確認を行い、承認の際にセルフチェックシートは最終化されるという流れとなります。その承認後、セルフチェックシートは薬局・薬店での販売時に活用されるという流れになります。説明は以上です。

 

○笠貫座長

 それでは、ただいまの御報告に御質問、御意見はございますでしょうか。

 

○五十嵐委員

 確認なのですが、最後はPMDAで審査していただいて、セルフチェックシートが最終化されて承認されるということなのですが、この流れの中で、出来上がったセルフチェックシートが市場に流れる前に、当検討会議でチェックするシステムにはなってなさそうなのですが、ここはPMDAを信頼しているという理解でよろしいでしょうか。

 

○事務局

 最終的にどういったものにするかという判断はPMDAの審査から薬事・食品衛生審議会の部会で行っていただくということと考えています。こちらの検討部会では、その検討に当たって考慮すべき事項など、そういったものを提言というか示唆するというか、意見を述べるというような立場と考えています。

 先ほどの御説明で漏らしてしまいましたが、資料8の承認の所に※が書かれておりまして、欄外に、今後ですが、承認品目についてはセルフチェックシートも含め、この検討会議に報告を行うということにさせていただきたいと思っています。

 

○長島委員

 本会議で「可」とする場合に、セルフチェックシートを使うということをセットで、それを条件に「可」とするというようにした場合に、それは最後まできちんと尊重されるのか。「可」というところだけを取り出されて、セルフチェックシートはなくてもいいですよとされてしまうような心配はないのでしょうか。例えば、それが実際の安全性を審議するようなところにおいても、このセルフチェックシートがきちんとセットになっているということが尊重されないと、本会議の存在意義が疑われてしまうと思いますので、その辺は大丈夫なのでしょうか。

 

○医薬品審査管理課長

 ここで頂いた御意見ですので、このポンチ絵の承認審査の過程でも尊重させていただきますし、どのような場面がほかにあり得るか分からないのですが、いずれにしろ、スイッチ化されて世の中に出ていくに当たって、この検討会議でセルフチェックシートについて頂いた御意見というのは尊重されるべきだと思います。

 そういう意味で、この検討会議は先ほど※の御説明をさせていただきましたが、行く末もモニターしていただけるようなことも、私どもも工夫してお願いしたいと思っております。

 

○長島委員

 しっかりお願いいたします。仮に、セルフチェックシートが不要という議論が出た場合は、それで議論するなら1回こちらに差し戻していただくとか、そこまでしていただけたほうがいいかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○医薬品審査管理課長

 そうですね。そこは喧嘩していただくというか、要ると言っただろうと言っていただくのが筋かなと思いますので、私どももその辺りはしっかりとマネージしていきたいと思います。

 

○乾委員

 しっかりと検討の流れについて示していただいて、どうもありがとうございます。最終的には薬食審で承認のときにセルフチェックシートも含めて議論するということでよろしいでしょうか。

 

○医薬品審査管理課長

 はい。

 

○乾委員

 それともう1点ですが、今スイッチ化されている製品というのは、ほとんどセルフチェックシートをここで議論していますが、セルフチェックシートはここの検討会議で必要ということであればということで、「ねばならない」ではないということで、今、私が知る限りでは、基本的に全部セルフチェックシートというものを付けて、要指導医薬品になって、第1類医薬品というように順番になっていっているという理解をしているわけですが、そのように理解してよろしいのでしょうか。セルフチェックシートは必ず付いてくるものと。それともそうではなくて、ここで議論をして、セルフチェックシートというものが必ず必要ですよねと。その中には、こういうものを必ず入れてほしいという意見を踏まえて進んでいくのか。そこだけ確認させていただきます。

 

○医薬品審査管理課長

 全ての品目に「ねばならない」と一律に決めているというものではありませんが、スイッチの検討に当たって、「可」とするに当たってチェックシートはあるべきだろう、あったほうがいいだろうというものについて、御意見を頂いて決めていくということでいいのかとは思っています。結果として、全部に付いていくことも十分にあり得るとは思っています。

 

○医薬・生活衛生局長

 正にそれをここで御議論いただいて、必要だということになれば付けていくということだと理解していただければと思います。

 

○笠貫座長

 セルフチェックシートが必要だということは、ここでまず結論を出しますが、その具体的な内容にどこまで踏み込むかということについて、前回はかなり議論させていただきました。その具体的な内容については、資料7で書いていただいていますが、これはモデルケースとして詳しいことを書かせていただきました。網羅的ではなくても大事な項目があればここで上げておいていただけたらと思います。それを最終的には、その承認の過程の中にセルフチェックシートが必要だということ、その内容について議論されたことについては、お伝えいただいて、それを尊重していただくと考えています。ます。

 もう1つは、承認後も、五十嵐委員からも指摘されたように、この会議にフィードバックされるということは、この前ここで議論された、新たなここの会議からの提案です。それも入れていただいたということで、セルフチェックシートがより消費者にとってベターなものになっていくという仕組みを確認できたと思います。1つのスイッチOTC化の環境整備の話なので、これで御説明を頂いたということになると思います。

 それで、資料7のほうの内容については、記載が望まれる項目というのは、大体この前議論されたことを事務局のほうで整理していただいたと思うのですが、いかがでしょうか。もし特になければ、これを次の流れの中にきちんと伝えていただくということで進めていただきます。この会議の位置付け、意義付け、重要性ということは、これでより明確になったように思います。

 それでは、続いて資料9について御説明を頂きたいと思います。

 

○事務局

 それでは、資料9を御覧ください。こちらは、前回の検討会議において、座長よりこれまでの会議結果や議論を取りまとめるということを御提案いただきました。事務局において、中間まとめの資料を作成しまして、次回以降、この検討会議において御議論いただきたいと考えておりますが、本日はその中間まとめの方針について御議論いただければということで、この方針案を作成しております。

 中間まとめの骨格としては、御覧のような構成を考えておりまして、まず1の「中間まとめの目的等について」ですが、セルフメディケーションの推進を念頭に、スイッチOTC化の推進を図るため、これまでの本検討会議における各成分の検討結果及び議論となった事項などをまとめ、整理することにより、スイッチ化の要望及び本検討会議の議論を効果的・効率的に行うことを目的とするということを考えています。

 2の「各成分の検討結果」については、これまで各成分を議論するごとに検討結果をまとめておりますが、そちらを一覧にして添付することを考えています。

 3の「検討会議での検討項目、指摘事項等」については、これまでの検討会議で議論となった項目や各委員からの指摘事項を整理するということを考えています。

 4の「まとめの方針」ですが、これまでの検討結果や指摘事項を踏まえて、各成分に共通するような課題を整理し、要望を提出する際に参考となるような事項であったり、検討会議での議論のポイントとなる事項をまとめることを考えています。説明は以上です。

 

○笠貫座長

 それでは、委員の先生方から御質問、御意見はございますでしょうか。

 

○上村委員

 今の最後の方針の4番ですが、要望を提出する際に参考となる事項は、個人でも企業でも、今日のグラケーの問題があります。まず、効能・効果に「予防」というのが入ったら、もう話にならないわけですよね。個々で議論しても、今の日本のPMDAで承認するわけがないのです。だから、それは事務局のレベルで指導してあげるというようにすれば、時間的にも費用的にも、すごく削減できると思うのです。今日、先生に来ていただいていますが、そういう思いもありますよね。時間がもったいないというか、そういうことも。

 だから、予防で通るというのはあるのでしょうか。今回のBRCAの問題で初めて予防切除が保険適用になりましたが、ほかに日本の薬事で予防で承認されるということはあり得るのですか。

 

○医薬品審査管理課長

 医療用とかOTCとかを問わずで言えば、「予防」という言葉が付いているものはもちろんあるのですが、それに保険が付くかとか、あるいはOTCで認められるか、医療用で認められるかとか、様々な切り口はあるかとは思います。広く医薬品について、予防がないかと言われたら、あるということです。

 一方で、今回の先ほど御審議いただいたものは、医療用の効能・効果は骨粗鬆症の骨量の改善というものであって、一方、御要望いただいたのは予防という形なので、そこが違っているのも事実であったということで、そこについて、例えば要望を頂いたときに事務局のほうで指摘するというのも、確かに一案かなとは伺っていて思いました。

 

○上村委員

 私たちが臨床治験をやるときには、必ず病名が必要です。だけれども、OTCの場合には病名ではなくて症状だから、どうかなと思ったけれども、薬審で通っても、PMDAでもう一度審査して承認するわけですよ。そうすると、PMDAでは予防というのは無理ではないかと思うのですが、それはまた確認していただいて、それで指導していただければと思います。

○長島委員

 単純に、今まで「可」が幾つで「否」が幾つで、どちらが何割というような乱暴な議論をされないためにも、ここでしっかり熱心に議論を尽くしており、そこをきちんと整理していただいて、それを見ていただくということは本会議の存在意義をしっかり知っていただくし、真剣にやっているということを分かっていただくということで、非常に有効ではないかと思いますので、是非整理していただければ有り難いと思います。

 

○柿田委員

 今までいろいろ議論してきたものを見てきたのですが、議論の俎上に上げていいかどうかという医薬品というのも結構出てきたと思うのです。理由が、病院にかかるのが面倒くさいからとか、そういう理由で上げられるような医薬品というのが出てきていますので、まずそこに上げられるべきかというガイドラインというか、こういう理由では駄目ですとか、そういうものを作っていただいたほうが無駄な時間を使わなくて済むと思います。

 

○笠貫座長

 いかがですか。

 

○佐藤委員

 これまでの議論で、薬としては一般用にすることに差し支えはないけれども、この環境でこの薬を一般用医薬品としていいかという社会的な環境要因みたいなもので「可」にできなかった薬が幾つかあったかと思います。

 1つは、薬剤師が対面で売ることを担保できるのかという課題で、もう1つは、片頭痛だったと思いますが、確定診断を受けた患者への処方を担保できるのかというような課題があったと思います。そういう、要は薬の問題ではない、社会的な要因、環境的な要因での課題が残ったものについて、こういう項目とこういう項目がありました、という情報を整理していただけたら有り難いと思います。

 

○笠貫座長

 ほかにはどうでしょうか。

 

○矢口委員

 私も今の意見には賛成です。OTC化の目的は、医療費問題とセルフメディケーションの推進です。セルフメディケーションとは、つまり医師の診察・診断を受けず、患者と薬剤師間で診察・診断なく投薬が行われるということで、医療費の問題はあるとしても、OTC化される薬剤は慎重に吟味・選択されるべきです。以前「おくすり手帳をうまく使ったらどうですか」というご意見がありましたが、慢性疾患において以前から医療機関から処方されていた薬剤を、「お薬手帳」を活用し同種同効薬を販売する場合と、とりあえずこの薬を使ってその効果を判断し、医療機関を受診するよう勧める場合とに分けて考えてみてはいかがでしょうか。

 

○笠貫座長

 ほかにはございますでしょうか。

 

○宗林委員

 佐藤委員と矢口委員と同じかもしれませんが、もう少しダイレクトに言うと、いわゆる1回スイッチ化してしまうと、最終的に何年後かにはネットで買えるようになってしまうという今の流れ、「社会的な要因」という言葉も出ましたし、それから「対面を確保する」という言葉も出ましたが、その辺りを、そういうことがありきだからスイッチ化をできないという問題が大きくあったかと思いますし、それから薬剤師は全員薬剤師会に加盟しているわけではないので、薬剤師に対して厚生労働省はどう指導していくか、教育していくかということも出てきたと思います。例えば拠点化をしてうんぬんかんぬんとか、そういうような話もあったかと思いますので、そういう薬剤師との問題と、社会的な流れ、今のスイッチ化した後の流れが自動化されていると言うか、それについてしっかりと検討されていないうちは、スイッチ化できないというような結論みたいなものも、かなりあると思いますので、その辺りをしっかりと書き込んでいただきたいなということです。

 

○乾委員

 私も宗林先生の意見に賛成ですし、今、事務局に出していただいた案についても賛成です。是非、今まで、約3年間議論してきたことを、こういう成分が出てくることについても議論することが大事だと笠貫座長はいつもおっしゃっていて、そういう理由もしっかりと公表するというか、そういうことはまとめ案としては非常に大事なことだと思っておりますので、進めていただけたらと思っています。

 

○笠貫座長

 ほかにはございますでしょうか。事務局に大変なことをこれからお願いしていくので、できるだけ大切なことは御指摘いただいたほうが進めやすいと思いますので。

 

○小縣委員

 過去を振り返っていただいてまとめていただく中に、今回のポリフルの件ですごくいろいろな件が出てきて、いろいろと議論を尽くせてきたかと思うのですが、片頭痛の薬のときに、6種類の薬が全部まとめて出てきたのです。一つ一つについて議論を尽くすには時間が足りなかったり、ポリフルのことから考えると、個々の医薬品についてもう少し時間があればよかったのではないかなと思います。その辺りももう一度戻す機会があるかどうかということも考えていただきたいと思います。日数がたってきてというか、何回かやってきて、いろいろなことが出てきて、皆さんの考えがきちんとまとまるようになってきたように思っています。

 

○長島委員

 単純な整理ですと、ある意味で機械的な作業とか単純作業になるので、事務局としても比較的時間をかけずにできるかと思いますが、それをいろいろなことを考えるとなると、そもそも事務局が考えるべきことかと、ここで正に考えることではないかというようなこともございますし、ものすごく時間もかかるかと思います。

 まずは、比較的時間をかけずにできる整理というところをしっかりやっていただいて、まずそれを材料に次のステップに進むというのが現実的ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○笠貫座長

 事務局にお願いしていますのは、事務局はまず案をまとめ、その案で、この2時間という短い時間で、どう効果的、効率的な議論ができるのか、それをパブリックコメントとして、社会にどのようにそれを問いかけをするのかということです。できる範囲の中で、今までのものを整理をした上で、次のステップにどのように活用できるか、役に立てるものを作っていただけたらと思っています。

 私は、この会議は、消費者の多様性をどのようにスイッチ化という過程を通して、意思決定に反映していくかということが、非常に大事でありこの会議の目的でもあります。そういう意味で、私は消費者から出ている要望やパブコメに出ている意見については、基準を設けて切ろうということは、基本的にはないだろうと思います。その無駄だと思われる中に非常に貴重な意見もあるのと思います。そこに消費者のニーズがあって、多様性があって、それに応えられる21世紀の一般用医薬品はどうあるべきかということをここで考えながら、次のステップに進む議論ができるようにしたいというのが、座長としての基本的な考えです。そこは御理解いただけたらと思っています。そういう意味で、もう一度この会議の原点に帰りながら、ステークホルダーの中でも、ここでは消費者にポイントを当てながら、どういう枠組みを考えられていくかということに、このまとめを集約していけたらと思います。そういう意味では、超高齢社会で財政の問題もありますが、セルフメディケーションについての消費者・市民のリテラシーをどう変えていくのか、21世紀はどうなっていくのかという問題でもあります。例えば、この前の緊急避妊薬の議論も次のステップに進められたと思います。それからネット販売の話で、ネット販売という増大する社会要請の中で、どのようにそれを捉えていくかということも大事ですし、薬局ビジョンによって環境整備がどのように進んでいくのかというのも、非常に大事だと思います。21世紀に入り健康医療政策は非常に早いスピードで変化しようしている中で、ダイナミックにこの会議で議論できたらというように思っています。事務局と御相談しながら、皆さんの御意見も十分に踏まえた上で、まとめをどのようにしていくか。次の回には、よりスイッチOTCを効果的、効率的に、しかもダイナミックに検討できるかということを皆さんと議論したいと思っています。

 

○大臣官房審議官(医薬担当)

 こちらで随分議論いただいている一方で、薬機法の改正が今回国会で御議論いただきまして、1127日に成立しております。その薬機法の改正案の中身で、薬局薬剤師の働き方に関しても新しい展開をということで盛り込まれておりますので、これは医療用医薬品だけに限らず、OTC医薬品に関しても薬剤師の関与ということに関して、もう一歩踏み込んでやっていただきたいということを示している内容になっているというように私も考えてございます。

 1つは、患者に対する継続的な指導、服薬状況の把握ということが、薬剤師の義務だということを法律上明確にしたということがポイントなのですが、その上で、そうやって把握した情報をほかの医療従事者と共有すると。つまり、薬剤師が一方的に情報をもらうだけではなくて、薬剤師側で把握している情報を医師に提供するということも義務だということをはっきりしたわけです。

 そういう点で言いますと、今回のここの場でよく議論されている受診勧奨を薬剤師側からもするということは、こういう健康状態でOTC医薬品でこのようにやってきているけれども、やはりこれは先生に診ていただきたいのです。これまでこういう経過をたどっていますということを、薬剤師側から医師にちゃんと伝えられて、そしてちゃんとした受診をしていただくということにもつながっていくのではないかと考えております。

 そういう環境の変化という、もうちょっと進化させようという制度改正が行われているということも、また御紹介させていただいて、いろいろな環境が変わらないとスイッチ化は無理だと。セルフメディケーションを進めていくために、消費者の方々を支えるための仕組みをいろいろな形で進化させるということが一方では行われているということ、これを頭に入れていただいて、しかしそこにもまだまだ課題があります。そうした課題も具体的に御指摘を頂きながら、よりよい方向に進むということも大事かと思いますので、また折々にこのような形になりますということは、この場にも御紹介させていただきたいと考えてございますので、次回以降、またそういったことも御提供させていただいて、充実した御議論を頂けるように、事務局側でも努力させていただきたいと考えてございます。ちょっと最近の状況ということで報告させていただきました。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。薬機法の改正では、国として積極的に環境整備を進められているとお聞きしましたが、我々も消費者の視点から、スイッチOTC化をどのように実現可能かつ継続可能なものにするかについて議論していきたいと思います。新しい制度改正についても、ブリーフィングを受けながら、私たちもより知識を深めて、より議論を進めていくことができればと思います。ありがとうございました。

 それでは、特にございませんでしたら、資料9については御確認いただいたと。

 

○医薬・生活衛生局長

 今、頂いた御意見をいろいろ踏まえてこれから進めさせていただくと。

 

○笠貫座長

 はい。そういうことにしたいと思います。

 

○長島委員

 最後に少し大きめの話で、セルフメディケーションというとお薬だけみたいになっておりますけれども、消費者にとってセルフメディケーションで恐らく最も有効なのは、厚生労働省の健康寿命延伸の統一標語で言っているのが、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にお薬」というようになっておりまして、例えば先ほどの骨粗鬆症の予防というのは極めて重要ですが、骨粗鬆症で最も重要なのは運動と食事のはずですので、その中で例えば健康食品とかOTCとか、そういうのがどのような位置付けになるかというような考えで臨むと。

 予防は極めて重要なのですが、その中では実は生活習慣を改善していただくと、運動と食事は本来は最も重要でコストもかからないはずなので、是非そういう広い視野の中で、どのような位置付けかというような考えも少し持っていただけると有り難いかと思います。

 

○笠貫座長

 ここでは医薬品も有効性と、安全性について議論されているのですが、医薬品、食品、運動を含めて、消費者、国民が自ら参画して健康寿命の延伸を推進できるように、幅広く議論できたらというように思っています。

 それでは、本日の議題はこれで終わりますので、そのほか事務局から何かありましたらお願いいたします。

 

○事務局

 次回の検討会議ですが、現時点でまだ未定でして、後日、日程調整等をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。次回は、本日御議論いただいた成分についてのパブコメを踏まえた2回目の検討、現在、要望が上がってきている成分の準備が整ったものについて、御議論いただくという予定です。あとは、先ほどの中間取りまとめの案についての御議論を頂く予定としております。以上です。

 

○笠貫座長

 これで第9回の評価検討会議を終わらせていただきます。どうも御協力ありがとうございました。

 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 2737、4225)
 

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